JP2016035393A - 酸素検知剤付きアルコール蒸気発生型脱酸素剤、酸素検知剤、及び食品の保存方法 - Google Patents

酸素検知剤付きアルコール蒸気発生型脱酸素剤、酸素検知剤、及び食品の保存方法 Download PDF

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Abstract

【課題】酸素検知剤とアルコール蒸気発生型脱酸素剤とを一体化した状態で保管しても転写異常や検知紙異常が生じることを抑制することができ、また、酸素検知材の色素の食品への移行をも抑制することができ、更には、食品包装体への配置を容易かつ簡便に行うことが可能な酸素検知剤付きアルコール蒸気発生型脱酸素剤、前記アルコール蒸気発生型脱酸素剤に好適な酸素検知剤、並びに前記酸素検知剤付きアルコール蒸気発生型脱酸素剤、及び酸素検知剤の少なくともいずれかを用いる食品の保存方法を提供する。
【解決手段】酸素検知剤1と、アルコール蒸気発生型脱酸素剤2とが接着されてなり、前記酸素検知剤が、酸素検知材をフィルム包装材に封入したものであり、前記フィルム包装材が、防湿二軸延伸ポリプロピレンフィルムを少なくとも備える酸素検知剤付きアルコール蒸気発生型脱酸素剤などである。
【選択図】図1

Description

本発明は、酸素検知剤と、アルコール蒸気発生型脱酸素剤とを一体化した酸素検知剤付きアルコール蒸気発生型脱酸素剤、酸素検知剤、並びに前記酸素検知剤付きアルコール蒸気発生型脱酸素剤、及び酸素検知剤の少なくともいずれかを用いる食品の保存方法に関する。
アルコール蒸気発生型脱酸素剤は、アルコール系食品保存剤と脱酸素剤の機能を併せ持った食品保存剤であり、例えば、ネガモールド(登録商標)(フロイント産業株式会社製)が市販されている。
アルコール蒸気発生型脱酸素剤や脱酸素剤は、食品包装体中に配置して使用される。
アルコール蒸気発生型脱酸素剤や脱酸素剤を用いる場合、食品包装体中が正常に脱酸素されているかを確認するために酸素検知剤が併せて用いられる。酸素検知剤は、食品包装体中の脱酸素状態を目視で確認することができるため、食品包装体におけるピンホールの発生やシール漏れなどにより脱酸素が出来ていない不良品を容易に発見し、選別、排除することができる。
一方、アルコール含有食品に脱酸素剤を使う場合、若しくはアルコール蒸気発生型脱酸素剤を使う場合に、酸素検知剤を食品包装体に同封すると、酸素検知材に含まれる色素がフィルムを通して食品に移ってしまうという問題があった。これは、酸素検知剤のフィルムを通して、酸素検知剤内に大量のアルコール蒸気が入り込み、色素の溶出を促進させるためである。
上記問題があるものの、酸素検知剤を、アルコール含有食品と脱酸素剤、若しくはアルコール蒸気発生型脱酸素剤とアルコール非含有食品と共に食品包装体に同封する程度であれば、使用されてきた。
しかしながら、酸素検知剤とアルコール蒸気発生型脱酸素剤とを一体化した状態で保管すると、色素の流出が克服出来ず、酸素検知材に含まれる色素が、保管中に脱酸素剤のフィルムに転写してしまったり、酸素検知剤に含まれる検知紙が濡れてしまったりするという問題があった。
そのため、酸素検知剤と、アルコール蒸気発生型脱酸素剤とは、別々に保管され、食品を製造する際に、食品包装体に、食品、酸素検知剤、及びアルコール蒸気発生型脱酸素剤の3者を入れていた。
その結果、食品を製造する際の行程が煩雑となってしまうという問題や、場合によっては、酸素検知剤の配置漏れが生じてしまうなどの問題が生じていた。
これまでに、例えば、内面側フィルムがポリエチレン、外面側フィルムが二軸延伸ポリプロピレンである貫通孔を有しない積層フィルムを包装材として用いた酸素検知剤(例えば、特許文献1参照)、酸素検知剤の包装材の積層フィルムの作製に、イミン系、イソシアネート系の接着剤を用いた酸素検知剤(例えば、特許文献2参照)、アンカーコート剤としてイソシアネート系が例示された酸素検知機能がある包装材料(例えば、特許文献3参照)が提案されている。また、高防湿二軸延伸ポリプロピレンを包装材として用いた脱酸素剤が提案されている(例えば、特許文献4参照)
しかしながら、上記各提案では、酸素検知剤とアルコール蒸気発生型脱酸素剤とを一体化することについて記載も示唆もされていない。
したがって、酸素検知剤とアルコール蒸気発生型脱酸素剤とを一体化した状態で保管しても転写異常や検知紙異常が生じることを抑制することができ、また、酸素検知材の色素の食品への移行をも抑制することができ、更には、食品包装体への配置を容易かつ簡便に行うことが可能な酸素検知剤付きアルコール蒸気発生型脱酸素剤や、前記アルコール蒸気発生型脱酸素剤に好適な酸素検知剤の速やかな提供が強く求められているのが現状である。
特許第3392270号公報 特許第5207473号公報 特開平5−149942号公報 特開2002−293372号公報
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、酸素検知剤とアルコール蒸気発生型脱酸素剤とを一体化した状態で保管しても転写異常や検知紙異常が生じることを抑制することができ、また、酸素検知材の色素の食品への移行をも抑制することができ、更には、食品包装体への配置を容易かつ簡便に行うことが可能な酸素検知剤付きアルコール蒸気発生型脱酸素剤、前記アルコール蒸気発生型脱酸素剤に好適な酸素検知剤、並びに前記酸素検知剤付きアルコール蒸気発生型脱酸素剤、及び酸素検知剤の少なくともいずれかを用いる食品の保存方法を提供することを目的とする。
前記課題を解決するための手段としては、以下の通りである。即ち、
<1> 酸素検知剤と、アルコール蒸気発生型脱酸素剤とが接着されてなり、
前記酸素検知剤が、酸素検知材をフィルム包装材に封入したものであり、
前記フィルム包装材が、防湿二軸延伸ポリプロピレンフィルムを少なくとも備えることを特徴とする酸素検知剤付きアルコール蒸気発生型脱酸素剤である。
<2> 酸素検知剤と、アルコール蒸気発生型脱酸素剤とが接着されてなり、
前記酸素検知剤が、酸素検知材をフィルム包装材に封入したものであり、
前記フィルム包装材は、厚さ方向に積層された内面側フィルムと外面側フィルムとを少なくとも備え、
前記外面側フィルムが、防湿二軸延伸ポリプロピレンフィルムであることを特徴とする酸素検知剤付きアルコール蒸気発生型脱酸素剤である。
<3> 酸素検知剤と、アルコール蒸気発生型脱酸素剤とが接着されてなり、
前記酸素検知剤が、酸素検知材をフィルム包装材に封入したものであり、
前記フィルム包装材は、厚さ方向に積層された内面側フィルムと外面側フィルムとを少なくとも備え、
前記内面側フィルムと、前記外面側フィルムとが、イソシアネート系接着剤を用いてラミネート加工により接着されてなることを特徴とする酸素検知剤付きアルコール蒸気発生型脱酸素剤である。
<4> 酸素検知剤と、アルコール蒸気発生型脱酸素剤とが接着されてなり、
前記酸素検知剤が、酸素検知材をフィルム包装材に封入したものであり、
前記フィルム包装材は、厚さ方向に積層された内面側フィルムと外面側フィルムとを少なくとも備え、
前記外面側フィルムが、防湿二軸延伸ポリプロピレンフィルムであり、
前記内面側フィルムと、前記外面側フィルムとが、イソシアネート系接着剤を用いてラミネート加工により接着されてなることを特徴とする酸素検知剤付きアルコール蒸気発生型脱酸素剤である。
<5> 内面側フィルムが、孔を有さないポリエチレンフィルムである前記<2>から<4>のいずれかに記載の酸素検知剤付きアルコール蒸気発生型脱酸素剤である。
<6> ポリエチレンフィルムが、低密度ポリエチレンフィルム、中密度ポリエチレンフィルム、及び高密度ポリエチレンフィルムからなる群から選ばれるいずれかである前記<5>に記載の酸素検知剤付きアルコール蒸気発生型脱酸素剤である。
<7> ラミネート加工が、押出ラミネート加工及びドライラミネート加工のいずれかである前記<3>から<6>のいずれかに記載の酸素検知剤付きアルコール蒸気発生型脱酸素剤である。
<8> 酸素検知材をフィルム包装材に封入した酸素検知剤であって、
前記フィルム包装材が、防湿二軸延伸ポリプロピレンフィルムを少なくとも備えることを特徴とする酸素検知剤である。
<9> 酸素検知材をフィルム包装材に封入した酸素検知剤であって、
前記フィルム包装材は、厚さ方向に積層された内面側フィルムと外面側フィルムとを少なくとも備え、
前記外面側フィルムが、防湿二軸延伸ポリプロピレンフィルムであることを特徴とする酸素検知剤である。
<10> 酸素検知材をフィルム包装材に封入した酸素検知剤であって、
前記フィルム包装材は、厚さ方向に積層された内面側フィルムと外面側フィルムとを少なくとも備え、
前記内面側フィルムと、前記外面側フィルムとが、イソシアネート系接着剤を用いてラミネート加工により接着されてなることを特徴とする酸素検知剤である。
<11> 酸素検知材をフィルム包装材に封入した酸素検知剤であって、
前記フィルム包装材は、厚さ方向に積層された内面側フィルムと外面側フィルムとを少なくとも備え、
前記外面側フィルムが、防湿二軸延伸ポリプロピレンフィルムであり、
前記内面側フィルムと、前記外面側フィルムとが、イソシアネート系接着剤を用いてラミネート加工により接着されてなることを特徴とする酸素検知剤である。
<12> 食品を収納した包装体中に、前記<1>から<7>のいずれかに記載の酸素検知剤付きアルコール蒸気発生型脱酸素剤、及び前記<8>から<11>のいずれかに記載の酸素検知剤の少なくともいずれかを配置する工程を含むことを特徴とする食品の保存方法である。
本発明によれば、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、酸素検知剤とアルコール蒸気発生型脱酸素剤とを一体化した状態で保管しても転写異常や検知紙異常が生じることを抑制することができ、また、酸素検知材の色素の食品への移行をも抑制することができ、更には、食品包装体への配置を容易かつ簡便に行うことが可能な酸素検知剤付きアルコール蒸気発生型脱酸素剤、前記アルコール蒸気発生型脱酸素剤に好適な酸素検知剤、並びに前記酸素検知剤付きアルコール蒸気発生型脱酸素剤、及び酸素検知剤の少なくともいずれかを用いる食品の保存方法を提供することができる。
図1は、酸素検知剤付きアルコール蒸気発生型脱酸素剤の一例を示す図である。 図2は、試験例3の食品接触保管試験の状態を説明する図である。
(酸素検知剤付きアルコール蒸気発生型脱酸素剤)
本発明の酸素検知剤付きアルコール蒸気発生型脱酸素剤は、酸素検知剤と、アルコール蒸気発生型脱酸素剤とが接着されてなり、必要に応じて更にその他の構成を含む。
<酸素検知剤>
前記酸素検知剤は、酸素検知材がフィルム包装材に封入されてなり、必要に応じて更にその他の構成を含む。
<<酸素検知材>>
前記酸素検知材としては、特に制限はなく、公知の酸素検知材を適宜選択することができる。
前記酸素検知材の形状としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、錠剤状、シート状、粉末状、ペースト状などが挙げられる。
前記酸素検知材の具体例としては、酸素検知剤組成物を担持体に含浸させて酸素検知材としたものが挙げられる。
前記酸素検知剤組成物の具体例としては、アルカリ金属化合物と、還元性糖類と、還元性糖類によって還元される色素とを含むものが挙げられる。
前記アルカリ金属化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ナトリウム、カリウムなどの水酸化物、炭酸塩などが挙げられる。これらの中でも水酸化ナトリウム、水酸化カリウムが好ましい。
前記還元性糖類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、D−マンノース、D−グルコース、D−フラクトース、D−エリスロース、D−アラビノースなどの単糖類、マルトース、ラクトースなどの単糖類分子からなるものなどが挙げられる。
前記還元性糖類によって還元される色素としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、メチレンブルー、ニューメチレンブルー、ラウスバイオレット、メチレングリーンなどが挙げられる。
前記酸素検知剤組成物は、還元性糖類によって還元されない色素を含んでいてもよい。
前記還元性糖類によって還元されない色素としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、サフラニンT、フェノサフラニンなどが挙げられる。
前記担持体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、セルロース性物質などが挙げられる。また、前記担持体は、水などの液体を含んでいてもよい。
<<フィルム包装材>>
前記フィルム包装材は、単層フィルムからなるものであってもよいし、積層フィルムからなるものであってもよいが、厚さ方向に積層された内面側フィルムと外面側フィルムとを少なくとも備えることが好ましい。
前記内面側フィルムとは、前記酸素検知材側に位置するフィルムを言い、前記外面側フィルムとは、前記内面側フィルムの前記酸素検知材側とは反対側に位置するフィルムを言う。
−単層フィルム−
前記単層フィルムとしては、防湿二軸延伸ポリプロピレンフィルム(以下、「防湿OPP」と称することがある)であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記防湿二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、孔を有しないことが好ましい。
前記防湿二軸延伸ポリプロピレンフィルムとは、25μmの厚みにおいて、日本工業規格(JIS Z 0208 条件B)の水蒸気透過率の測定方法により測定した水蒸気透過率が、5.0g/m・24時間,40℃・90%RH以下であるフィルムを言う。
前記防湿二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、市販品を用いることができる。
前記防湿二軸延伸ポリプロピレンフィルムの市販品としては、例えば、二軸延伸ポリプロピレンフィルム QH−1(フタムラ化学株式会社製)、二軸延伸ポリプロピレンフィルム WH−OP HM−1、HE−1(三井化学東セロ株式会社製)などが挙げられる。
−−厚み−−
前記単層フィルムの厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5μm〜50μmが好ましく、10μm〜35μmがより好ましく、15μm〜30μmが特に好ましい。前記単層フィルムの厚みが、前記好ましい範囲内であると、酸素検知材の変色速度の遅延を抑制しつつ、転写異常、検知紙異常、及び酸素検知材の色素の食品への移行をより抑制することができる点で、有利である。
−積層フィルム−
−−外面側フィルム−−
本発明における前記外面側フィルムの第1の態様は、防湿二軸延伸ポリプロピレンフィルムである。前記防湿二軸延伸ポリプロピレンフィルムは、孔を有しないことが好ましい。
本発明における前記外面側フィルムの第2の態様は、前記内面側フィルムと、前記外面側フィルムとが、イソシアネート系接着剤を用いてラミネート加工により接着されている限り、特に制限はなく、公知の樹脂フィルムを適宜選択することができる。
前記公知の樹脂フィルムとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記防湿二軸延伸ポリプロピレンフィルム、二軸延伸ポリプロピレンフィルム(以下、「OPP」と称することがある)、ポリエステルフィルムなどが挙げられる。これらのフィルムは、孔を有していてもよいし、孔を有していなくてもよいが、孔を有していないことが好ましい。
前記公知の樹脂フィルムは、市販品を用いることができる。
−−−厚み−−−
前記外面側フィルムの厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5μm〜50μmが好ましく、10μm〜35μmがより好ましく、15μm〜30μmが特に好ましい。前記外面側フィルムの厚みが、前記好ましい範囲内であると、酸素検知材の変色速度の遅延を抑制しつつ、転写異常、検知紙異常、及び酸素検知材の色素の食品への移行をより抑制することができる点で、有利である。
−−内面側フィルム−−
前記内面側フィルムとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエチレンフィルム、無延伸ポリプロピレンフィルムなどが挙げられる。これらの中でも、ポリエチレンフィルムが好ましく、孔を有さないポリエチレンフィルムがより好ましい。
−−−ポリエチレンフィルム−−−
前記ポリエチレンフィルムとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、直鎖状低密度ポリエチレン(以下、「LLDPE」と称することがある)、低密度ポリエチレンフィルム(以下、「LDPE」と称することがある)、中密度ポリエチレン(以下、「MDPE」と称することがある)、高密度ポリエチレンフィルム(以下、「HDPE」と称することがある)などが挙げられる。これらの中でも、低密度ポリエチレンフィルム、中密度ポリエチレン、高密度ポリエチレンが、転写異常を抑制できる点で、好ましい。
前記低密度ポリエチレンフィルム、前記中密度ポリエチレン、前記高密度ポリエチレンフィルムは、市販品を用いることができる。
−−−厚み−−−
前記内面側フィルムの厚みとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、15μm〜45μmが好ましく、20μm〜40μmがより好ましく、25μm〜35μmが特に好ましい。前記内面側フィルムの厚みが、前記好ましい範囲内であると、酸素検知材の変色速度の遅延を抑制しつつ、転写異常、検知紙異常、及び酸素検知材の色素の食品への移行をより抑制することができる点で、有利である。
−−−積層−−−
前記外面側フィルムと、前記内面側フィルムとの積層フィルムを製造する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ラミネート加工が好ましい。
前記第1の態様の外面側フィルムを用いる場合における前記ラミネート加工に用いられる接着剤(以下、「アンカーコート剤」と称することがある)としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、イソシアネート系接着剤、イミン系接着剤などが挙げられる。これらの中でも、転写異常、検知紙異常、及び酸素検知材の色素の食品への移行をより抑制することができる点で、イソシアネート系接着剤が好ましい。
前記第2の態様の外面側フィルムを用いる場合における前記ラミネート加工に用いられる接着剤は、イソシアネート系接着剤である。
前記接着剤は、市販品を用いることができる。
前記イソシアネート系接着剤とは、イソシアネート(−N=C=Oという部分構造を有する化合物)を主成分とする接着剤をいい、市販品としては、アドロック(ロックペイント株式会社製)などが挙げられる。
前記イミン系接着剤としては、ポリエチレンイミン又はその変性物を主成分とするものが好ましく挙げられる。
前記ラミネート加工の方法としては、特に制限はなく、公知の方法を適宜選択することができ、例えば、押出ラミネート加工、ドライラミネート加工などが挙げられる。
前記押出ラミネート加工の方法の具体例としては、前記外面側フィルム上に、前記アンカーコート剤を塗工し、これを乾燥させることにより、塗工したアンカーコート剤の溶剤を乾燥除去した後、前記外面側フィルムを、押出スクリューにより300℃程度で押し出し、これに前記内面側フィルムを構成する樹脂をTダイを用いてフィルム状に押し出し、次いで、冷却ロールでフィルム状の積層体を冷却し、積層フィルムとする方法が挙げられる。
前記ドライラミネート加工の方法の具体例としては、前記外面側フィルムの表面に、前記接着剤を塗布し、その後、前記接着剤中に溶剤が含まれる場合、熱風で蒸発乾燥させ、次いで、前記内面側フィルムを貼り合わせ、冷却し、巻き取る方法が挙げられる。
前記フィルム包装材としては、前記外面側フィルムが、防湿二軸延伸ポリプロピレンフィルムであり、前記内面側フィルムと、前記外面側フィルムとが、イソシアネート系接着剤を用いてラミネート加工により接着されてなる積層フィルムを用いることが、転写異常、検知紙異常、及び酸素検知材の色素の食品への移行をより抑制することができる点で、好ましい。
前記積層フィルムは、二層以上であれば、特に制限はなく、三層以上の構成としてもよい。
前記単層フィルム、及び積層フィルムは、前記酸素検知材の少なくとも片面のフィルム包装材として使用されていればよい。即ち、前記酸素検知材の両面を、前記単層フィルム、又は前記積層フィルムとした態様としてもよいし、前記酸素検知材の片面を、前記単層フィルムとし、他の面を前記積層フィルムとして態様としてもよいし、前記酸素検知剤の片面を、前記単層フィルム、又は前記積層フィルムとし、他の面を任意のフィルムとした態様としてもよい。
また、前記積層フィルムの組合せとしても、特に制限はなく、片面を前記第1の態様とし、他の面を前記第2の態様とするなどが挙げられる。
前記任意のフィルムとしては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、公知のフィルムを適宜選択することができる。
前記単層フィルム、又は積層フィルムのアルコール透過度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、2.0g/m・24時間,40℃以下が好ましく、1.0g/m・24時間,40℃以下がより好ましく、0.7g/m・24時間,40℃以下が特に好ましい。
前記アルコール透過度は、後述する試験例に記載の方法で測定することができる。
前記単層フィルム、又は積層フィルムの酸素透過性としては、前記酸素検知剤の機能を妨げない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記酸素透過性は、日本工業規格(JIS Z 1707)の酸素透過率の測定方法により測定することができる。
日本工業規格(JIS Z 1707)の酸素透過率の測定方法により測定した前記積層フィルムの酸素透過率としては、500mL/m・24時間以上であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、800mL/m・24時間以上が好ましい。
前記単層フィルム、又は積層フィルムの水蒸気透過性としては、前記酸素検知剤の機能を妨げない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記水蒸気透過性は、日本工業規格(JIS Z 0208 条件B)の水蒸気透過率の測定方法により測定することができる。
日本工業規格(JIS Z 0208 条件B)の水蒸気透過率の測定方法により測定した前記単層フィルム、又は積層フィルムの水蒸気透過率としては、20g/m・24時間,40℃・90%RH以下であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10g/m・24時間,40℃・90%RH以下が好ましい。
前記単層フィルム、又は積層フィルムは、後述する試験例で示すように、アルコールに浸漬した場合でも剥離や変色がなく、優れた耐アルコール性を有する。
<<封入>>
前記フィルム包装材に前記酸素検知材を封入する方法としては、特に制限はなく、公知の方法を適宜選択することができ、例えば、前記フィルム包装材を4方シール機で3方シールした後、前記酸素検知材を入れて残りの一方をシールする方法などが挙げられる。
<アルコール蒸気発生型脱酸素剤>
前記アルコール蒸気発生型脱酸素剤は、酸素を除去すると共にアルコールを発生させるものである。
前記アルコール蒸気発生型脱酸素剤としては、特に制限はなく、公知のアルコール蒸気発生型脱酸素剤を適宜選択することができる。
前記アルコール蒸気発生型脱酸素剤の具体例としては、エタノール蒸気放出体と、脱酸素剤と、脱酸素促進剤と、アルデヒド吸着体とを含むもの(例えば、特開2013−172683号公報)が挙げられる。
前記エタノール蒸気放出体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エタノール溶液又はエタノール水溶液を担体に担持させたエタノール担持体、エタノール溶液又はエタノール水溶液に高分子ポリマーを溶解させて粘体、クリーム状、糊状又はゲル状としたエタノールゲルなどが挙げられる。
前記脱酸素剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、鉄粉等の金属粉;糖、糖アルコール、グリセリン、アスコルビン酸等のレダクトンなどが挙げられる。
前記脱酸素促進剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルカリ金属、アルカリ土類金属及び遷移金属のハロゲン化物などが挙げられる。
前記アルデヒド吸着体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、強塩基性、弱塩基性、両性など各種のイオン交換体などが挙げられる。
前記イオン交換体の具体例としては、陰イオン交換樹脂、キトサン、ポリアリルアミン、ポリエチレンイミンなどが挙げられる。
前記アルコール蒸気発生型脱酸素剤の包装材としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、公知の包装材を適宜選択することができ、例えば、ポリエステルフィルム、耐油紙、ポリエチレンフィルムからなるラミネート包材などが挙げられる。
前記アルコール蒸気発生型脱酸素剤のアルコール蒸気発生量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、3日以内に90%以上が発生していることが好ましい。
前記アルコール蒸気発生型脱酸素剤の市販品としては、ネガモールド(登録商標)(フロイント産業株式会社製)などが挙げられる。
<その他の構成>
前記その他の構成としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
<接着>
前記酸素検知剤と、前記アルコール蒸気発生型脱酸素剤とを接着させる方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、両面テープ、接着剤、糊料などで貼り付ける方法などが挙げられる。
前記酸素検知剤を接着させる位置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記酸素検知剤は、前記アルコール蒸気発生型脱酸素剤の表面の全体に接着されていてもよいし、表面の一部に接着されていてもよい。
本発明の酸素検知剤は、酸素透過率を高い状態で維持しつつ、アルコール透過率及び水蒸気透過率を大幅に低減することが出来る。
そのため、後述する試験例で示すように、複数の酸素検知剤付きアルコール蒸気発生型脱酸素剤を1つの包装袋に入れた状態で保管した場合における、転写異常や酸素検知剤異常の発生を抑制し、長期間保管することができる。また、食品と酸素検知剤とが接触した状態で保管した場合であっても、酸素検知材に含まれる色素が食品へ移行することを抑制することができる。
前記酸素検知剤付きアルコール蒸気発生型脱酸素剤の保管の温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1℃〜20℃が好ましい。
(酸素検知剤)
本発明の酸素検知剤は、酸素検知材がフィルム包装材に封入されてなり、必要に応じて更にその他の構成を含む。
本発明の酸素検知剤は、上記した本発明の酸素検知剤付きアルコール蒸気発生型脱酸素剤における酸素検知剤の項目に記載したものと同様である。
本発明の酸素検知剤は、本発明の酸素検知剤付きアルコール蒸気発生型脱酸素剤に好適に用いることができるが、単独で使用してもよい。
(食品の保存方法)
本発明の食品の保存方法は、食品を収納した包装体中に、本発明の酸素検知剤付きアルコール蒸気発生型脱酸素剤、及び本発明の酸素検知剤の少なくともいずれかを配置する工程を少なくとも含み、必要に応じて更にその他の工程を含む。
食品を収納した包装体中に、前記酸素検知剤付きアルコール蒸気発生型脱酸素剤、及び前記酸素検知剤の少なくともいずれかを配置する方法としては、特に制限はなく、公知のアルコール蒸気発生型脱酸素剤又は脱酸素剤を配置する方法を適宜選択することができる。
前記酸素検知剤付きアルコール蒸気発生型脱酸素剤、及び前記酸素検知剤の少なくともいずれかの配置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記食品としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、洋菓子、和菓子、中華菓子、パン、ケーキ、餅、麺類、珍味類、惣菜、乾燥果実等の加工食品、又は穀物類等の食品などが挙げられる。これらの中でも、エタノール含有食品が好ましい。
前記その他の工程としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
以下、本発明の試験例を説明するが、本発明は、これらの試験例に何ら限定されるものではない。
(試験例1:フィルムのアルコール透過性及び耐アルコール性)
酸素検知剤のフィルム包装材に用いるフィルムについて、検討した。
<積層フィルム−1の作製>
防湿二軸延伸ポリプロピレンフィルム(厚み20μm)と、低密度ポリエチレンフィルム(厚み20μm)とからなる積層フィルム−1を、ラミネート装置としてバーコータを用いたドライラミネート加工により、以下のようにして作製した。
防湿二軸延伸ポリプロピレンフィルム(QH−1、フタムラ化学社製、孔を有さない)の表面に、有機溶剤を溶かした接着剤(アドロック(ロックペイント株式会社製))を塗布した。前記接着剤中の溶剤を熱風で蒸発乾燥させた後、低密度ポリエチレンフィルム(V−1、タマポリ株式会社製、孔を有さない)を貼り合わせ、冷却し、巻き取って積層フィルムとした。
<積層フィルム−2の作製>
前記積層フィルム−1の作製における低密度ポリエチレンフィルムの厚みを30μmに変えた以外は、前記積層フィルム−1の作製と同様にして、防湿二軸延伸ポリプロピレンフィルム(厚み20μm)と、低密度ポリエチレンフィルム(厚み30μm)とからなる積層フィルム−2を作製した。
<積層フィルム−3の作製>
前記積層フィルム−1の作製における低密度ポリエチレンフィルムを高密度ポリエチレンフィルム(HD、タマポリ株式会社製、厚み40μm、孔を有さない)に代えた以外は、前記積層フィルム−1の作製と同様にして、防湿二軸延伸ポリプロピレンフィルム(厚み20μm)と、高密度ポリエチレンフィルム(厚み40μm)とからなる積層フィルム−3を作製した。
<積層フィルム−4の作製>
前記積層フィルム−2の作製における防湿二軸延伸ポリプロピレンフィルムを二軸延伸ポリプロピレンフィルム(FOR、フタムラ化学社製、厚み25μm、孔を有さない)に代えた以外は、前記積層フィルム−2の作製と同様にして、二軸延伸ポリプロピレンフィルム(厚み25μm)と、低密度ポリエチレンフィルム(厚み30μm)とからなる積層フィルム−4(対照)を作製した。
<単層フィルム−1>
単層フィルム−1として、防湿二軸延伸ポリプロピレンフィルム(QH−1、フタムラ化学社製、孔を有さない、厚み30μm)を用意した。
<アルコール透過度>
前記積層フィルム−1〜4、及び単層フィルム−1のアルコール透過度について、以下のようにして試験した。結果を表1に示す。
120mm×120mm寸法の前記積層フィルムを折り曲げ、ヒートシールにより3辺を10mm幅でシールして袋を形成し、その中に無水エタノールを3g入れ、残りの1辺を10mm幅でシールしたものを試料とした。
前記試料を40℃中に24時間放置し、減量よりアルコール透過度(以下、「エタノール蒸気透過度」と称することがある)を求めた。
なお、前記アルコール透過度の単位は、g/m・24時間,40℃である。例えば、エタノール減量が0.2gの場合は、20g/m・24時間,40℃となる。前記アルコール透過度は、値の小さいほうがより「耐アルコール蒸気透過性」が良いと言える。なお、40℃の条件は、最も悪い条件での保存を考慮している。
表1の結果から、防湿二軸延伸ポリプロピレンを用いることにより、アルコールの透過を抑制できることが判明した。従来、防湿二軸延伸ポリプロピレンがアルコールの透過を抑制できることは知られておらず、本発明者らによって、新たに見出された知見である。また、前記積層フィルム−1〜3と、前記積層フィルム−4と比較すると、防湿二軸延伸ポリプロピレンを用いることによるアルコールの透過の抑制の程度も、顕著なものであることが示された。
<耐アルコール性>
前記積層フィルム−1〜4、及び単層フィルム−1の耐アルコール性について、以下のようにして試験した。
前記前記積層フィルム−1〜4、及び単層フィルム−1をアルコールに浸漬し、25℃で24時間保持した後の変色の有無、積層フィルムについては、剥離の有無についても目視で確認した。
前記試験の結果、いずれのフィルムにおいても変色は見られず、また、いずれの積層フィルムにおいても、剥離は見られず、前記フィルムは、耐アルコール性を有していた。
(試験例2:酸素検知剤の安定性−1)
酸素検知剤付きアルコール蒸気発生型脱酸素剤としたときの酸素検知剤の安定性について検討した。
<酸素検知剤−1〜4の作製>
−酸素検知材−
1.0% ニューメチレンブルー水溶液 15質量部、3.0% サフラニンT水溶液 40質量部、40% D−マンノース水溶液 50質量部、及び10% 水酸化ナトリウム水溶液を混合した。前記混合液をパルプ100%の紙に含浸させ、一定水分まで乾燥してシート状としたものを5mm×10mmの寸法に裁断し、酸素検知材とした。
−フィルム包装材−
フィルム包装材として、前記試験例1に記載の積層フィルム−1〜4を使用した。
前記積層フィルム−1〜4のそれぞれについて、4方シール機で3方シールした後、前記酸素検知材を入れて残りの一方をシールして密閉し、酸素検知剤−1〜4とした(寸法:17mm×23mm)。
<アルコール蒸気発生型脱酸素剤>
アルコール蒸気発生型脱酸素剤として、エタノール蒸気発生型脱酸素剤であるネガモールド(登録商標)(フロイント産業株式会社製、寸法:40mm×65mm)を用意した。
<酸素検知剤付きアルコール蒸気発生型脱酸素剤−1〜4の作製>
前記アルコール蒸気発生型脱酸素剤と、前記酸素検知剤−1〜4のそれぞれとを両面テープで貼り付けることにより、酸素検知剤付きアルコール蒸気発生型脱酸素剤−1〜4を作製した(単包製品、図1参照)。図1中、符号1は、酸素検知剤を表し、符号2は、アルコール蒸気発生型脱酸素剤を表す。
<アルコール蒸気発生型脱酸素剤接触保管試験>
前記酸素検知剤付きアルコール蒸気発生型脱酸素剤−1〜4のそれぞれについて、包装用袋(ガスバリヤ性のある袋である、塩化ビニリデンコートポリプロピレンフィルム(23μm)と低密度ポリエチレンフィルム(40μm)とからなる積層フィルムの袋;袋の寸法:210mm×300mm)に、前記単包製品を100個入れて密閉し、15℃、又は20℃で保管し、転写異常、及び酸素検知剤異常が発生するまでの期間(以下、「許容保管期間」と称することがある)を調べた。結果を表2に示す。
なお、転写異常とは、酸素検知材の色素が、フィルム包装材の積層フィルムに移った状態をいい、検知紙異常とは、酸素検知材が濡れた状態をいう。
表2の結果から、酸素検知剤付きアルコール蒸気発生型脱酸素剤−1〜3は、酸素検知剤付きアルコール蒸気発生型脱酸素剤−4と比較して、優れた許容保管期間を有することがわかった。特に保管温度が15℃では、顕著に優れた結果となった。酸素検知剤付きアルコール蒸気発生型脱酸素剤−1〜3では、積層フィルムの外面側フィルムとして防湿二軸延伸ポリプロピレンを用いたためと考えられる。
(試験例3:酸素検知剤の安定性−2)
酸素検知剤付きアルコール蒸気発生型脱酸素剤としたときの酸素検知剤の安定性について検討した。
<酸素検知剤付きアルコール蒸気発生型脱酸素剤−1〜4の作製>
前記試験例2と同様にして、酸素検知剤付きアルコール蒸気発生型脱酸素剤−1〜4を作製した。
<食品接触保管試験>
前記酸素検知剤付きアルコール蒸気発生型脱酸素剤−1〜4のそれぞれについて、酸素検知剤側の面と、食品であるバウムクーヘンとを密着させ(図2参照)、包装用袋(ガスバリヤ性のある袋である、塩化ビニリデンコートポリプロピレンフィルム(23μm)と低密度ポリエチレンフィルム(40μm)とからなる積層フィルムの袋;袋の寸法:210mm×150mm)で包装し、35℃で2週間保管し、酸素検知剤の色素のバウムクーヘンへの移行の有無を調べた。結果を表3に示す。
表3に示すように、酸素検知剤付きアルコール蒸気発生型脱酸素剤−1〜4では、酸素検知材の色素の透過が抑制されており、バウムクーヘンへの移行はみられなかった。
したがって、本発明の酸素検知剤付きアルコール蒸気発生型脱酸素剤は、アルコール蒸気発生型脱酸素剤と接触した状態で保管した場合のみならず、食品と酸素検知剤が接触する状態で保管した場合であっても酸素検知剤による異常が発生することなく、安定で優れたものであることが示された。
1 酸素検知剤
2 アルコール蒸気発生型脱酸素剤
3 酸素検知剤付きアルコール蒸気発生型脱酸素剤
4 バウムクーヘン

Claims (12)

  1. 酸素検知剤と、アルコール蒸気発生型脱酸素剤とが接着されてなり、
    前記酸素検知剤が、酸素検知材をフィルム包装材に封入したものであり、
    前記フィルム包装材が、防湿二軸延伸ポリプロピレンフィルムを少なくとも備えることを特徴とする酸素検知剤付きアルコール蒸気発生型脱酸素剤。
  2. 酸素検知剤と、アルコール蒸気発生型脱酸素剤とが接着されてなり、
    前記酸素検知剤が、酸素検知材をフィルム包装材に封入したものであり、
    前記フィルム包装材は、厚さ方向に積層された内面側フィルムと外面側フィルムとを少なくとも備え、
    前記外面側フィルムが、防湿二軸延伸ポリプロピレンフィルムであることを特徴とする酸素検知剤付きアルコール蒸気発生型脱酸素剤。
  3. 酸素検知剤と、アルコール蒸気発生型脱酸素剤とが接着されてなり、
    前記酸素検知剤が、酸素検知材をフィルム包装材に封入したものであり、
    前記フィルム包装材は、厚さ方向に積層された内面側フィルムと外面側フィルムとを少なくとも備え、
    前記内面側フィルムと、前記外面側フィルムとが、イソシアネート系接着剤を用いてラミネート加工により接着されてなることを特徴とする酸素検知剤付きアルコール蒸気発生型脱酸素剤。
  4. 酸素検知剤と、アルコール蒸気発生型脱酸素剤とが接着されてなり、
    前記酸素検知剤が、酸素検知材をフィルム包装材に封入したものであり、
    前記フィルム包装材は、厚さ方向に積層された内面側フィルムと外面側フィルムとを少なくとも備え、
    前記外面側フィルムが、防湿二軸延伸ポリプロピレンフィルムであり、
    前記内面側フィルムと、前記外面側フィルムとが、イソシアネート系接着剤を用いてラミネート加工により接着されてなることを特徴とする酸素検知剤付きアルコール蒸気発生型脱酸素剤。
  5. 内面側フィルムが、孔を有さないポリエチレンフィルムである請求項2から4のいずれかに記載の酸素検知剤付きアルコール蒸気発生型脱酸素剤。
  6. ポリエチレンフィルムが、低密度ポリエチレンフィルム、中密度ポリエチレンフィルム、及び高密度ポリエチレンフィルムからなる群から選ばれるいずれかである請求項5に記載の酸素検知剤付きアルコール蒸気発生型脱酸素剤。
  7. ラミネート加工が、押出ラミネート加工及びドライラミネート加工のいずれかである請求項3から6のいずれかに記載の酸素検知剤付きアルコール蒸気発生型脱酸素剤。
  8. 酸素検知材をフィルム包装材に封入した酸素検知剤であって、
    前記フィルム包装材が、防湿二軸延伸ポリプロピレンフィルムを少なくとも備えることを特徴とする酸素検知剤。
  9. 酸素検知材をフィルム包装材に封入した酸素検知剤であって、
    前記フィルム包装材は、厚さ方向に積層された内面側フィルムと外面側フィルムとを少なくとも備え、
    前記外面側フィルムが、防湿二軸延伸ポリプロピレンフィルムであることを特徴とする酸素検知剤。
  10. 酸素検知材をフィルム包装材に封入した酸素検知剤であって、
    前記フィルム包装材は、厚さ方向に積層された内面側フィルムと外面側フィルムとを少なくとも備え、
    前記内面側フィルムと、前記外面側フィルムとが、イソシアネート系接着剤を用いてラミネート加工により接着されてなることを特徴とする酸素検知剤。
  11. 酸素検知材をフィルム包装材に封入した酸素検知剤であって、
    前記フィルム包装材は、厚さ方向に積層された内面側フィルムと外面側フィルムとを少なくとも備え、
    前記外面側フィルムが、防湿二軸延伸ポリプロピレンフィルムであり、
    前記内面側フィルムと、前記外面側フィルムとが、イソシアネート系接着剤を用いてラミネート加工により接着されてなることを特徴とする酸素検知剤。
  12. 食品を収納した包装体中に、請求項1から7のいずれかに記載の酸素検知剤付きアルコール蒸気発生型脱酸素剤、及び請求項8から11のいずれかに記載の酸素検知剤の少なくともいずれかを配置する工程を含むことを特徴とする食品の保存方法。
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