以下、本発明に係る写真撮影遊戯装置の一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。本実施形態に係る写真撮影遊戯装置は、写真撮影により生成された画像データに対して落書き編集を行った後、シール紙として印刷したり、画像データとして外部装置(携帯端末や画像蓄積サーバ等)に出力するものである。このような一般的な利用方法に加え、この写真撮影遊戯装置では、SNSで提供されるユーザ画面において使用する画像データを生成することができる。まず、この写真撮影遊戯装置の全体構造について説明する。
<1.全体構造>
図1は、本実施形態に係る写真撮影遊戯装置を左前側から見た斜視図、図2は図1の写真撮影遊戯装置を上から見た平面図である。以下では、図1に示す前後左右の方向を基準として、他の図面の説明も行う。図1及び図2に示すように、この写真撮影遊技装置は、前部側の撮影部1と後部側の編集部2とを備えており、前後方向に長いほぼ直方体状を呈している。そして、編集部2の後端には、編集後の写真の出力などを行う出力部3が設けられている。
撮影部1は、ユーザを撮影するカメラが内蔵された撮影筐体11と、この撮影筐体11の後方に撮影空間10を介して配置された背景壁部12とを有している。そして、撮影筐体11の側面と、背景壁部12の側面との間の隙間が、撮影空間10への出入口である第1出入口101a,101bを構成している。また、編集部2は、背景壁部12の後方に隣接して配置された編集筐体21を有しており、この編集筐体21には、左右の方向を向く一対の操作面が設けられている。そして、各操作面への入力作業を行う編集空間20a,20bへは第2出入口201a,201bを介して入ることができる。また、出力部3は、編集筐体21の後端面と接する出力筐体31を有しており、この出力筐体31に対しては、写真撮影遊戯装置の後端側から操作を行うように、操作面が後端側を向いている。したがって、この出力筐体31の後端側の空間が、出力操作を行う出力空間30となる。
撮影筐体11と背景壁部12の上端部の側面は、前後方向に延びる天井フレーム13によって互いに連結されている。そして、この天井フレーム13の枠内部には、撮影空間10を上から覆い、照明及びフラッシュ照射する天井照明ユニット14が設けられている。撮影筐体11の左側面(あるいは右側面)には、写真撮影遊技装置の使用方法を含む説明書きを掲示するための掲示スペース15が設けられている。また、その左側面の上部には、撮影筐体11が使用中であるか否かを示す表示部16が設けられている。
この表示部16は、編集筐体21の制御ボックス211(図4参照)の内部に設けられた制御装置(図示せず)によって発光又は消灯される表示灯で構成されている。そして、発光によって撮影部1が使用中であることをユーザに示し、消灯によって撮影部1が空きになったことをユーザに示すものである。本実施形態では、表示部16が左右方向外側に突出した平面視三角形状に形成されているが、その形状は特には限定されず、凸湾曲状などのその他の形状であってもよい。
背景壁部12は、撮影筐体11とほぼ同じ幅及び高さの板状部材によって形成され、撮影筐体11の正面と対面する本体プレート121と、この本体プレート121の左右両端から前方に延設された一対のサイドプレート122とを有しており、全体として平面視コ字状に形成されている。本体プレート121において、撮影筐体11を向く面には、クロマキー処理のための単一の色(例えば、青色または緑色)が着色されている。着色については、本体プレート121に直接ペンキなどで着色するほか、着色された布地、プレート等を取付けてもよい。そして、撮影筐体11の後端縁と、天井フレーム13の下端縁と、サイドプレート122の前端縁とから、上述したように、撮影空間10に出入りするための第1出入口101a,101bが構成されている。
本実施形態の編集筐体21は、左右両側から2組のユーザが同時に編集可能な対面式であり、左右それぞれに操作面が設けられるとともに、左右方向長さが背景壁部12の同方向幅よりも小さい筐体よりなる。編集筐体21は、その前端面を背景壁部12の背面の中央部に接続されており、この編集筐体21の左右両側方のスペースが、2組のユーザがそれぞれ編集作業を行う編集空間20a,20bとなっている。編集筐体21の上方には、平面視においてほぼコの字状のカーテンフレーム22が設けられている。このカーテンフレーム22は、前後方向に延びる一対の側部フレーム221と、この側部フレーム221の後端同士を連結する左右方向に延びる後部フレーム222とからなる。
各側部フレーム221の前端は、天井フレーム13の後端に前後方向に延長状に連結されており、後部フレーム222の中央部は、編集筐体21の後上端部に設けられた支持部材23によって支持されている。そして、左右一方側の側部フレーム221と、後部フレーム222のほぼ半分の長さ部分により、編集空間20a,20bに出入りするための前記第2出入口201a,201bの上枠部が構成されている。
<2.撮影筐体>
次に、撮影筐体11について詳細に説明する。図3は撮影筐体の斜視図である。同図に示すように、本実施形態の撮影筐体11は、室内側の正面パネル部が凹湾曲状に形成されており、顔を中心とした上半身の写真(以下、「フェイスアップ画像」という)を撮影するための上部カメラ111と、全身の写真(以下、「全身画像」という)を撮影するための下部カメラ112とが内部に搭載されている。上部カメラ111の下方には、撮影条件などの入力操作が可能なタッチパネル式の液晶モニタである上部モニタ113が設けられている。そして、この上部モニタ113には、上部カメラ111で撮影された画像が表示される。また、下部カメラ112の下方には、このカメラ112で撮影された画像が表示される下部モニタ114が設けられている。この下部モニタ114にはタッチパネルは設けられておらず、もっぱら表示のみを行うようになっている。
また、撮影筐体11の室内側面には、撮影空間10を前方から照明するとともに、フラッシュ照射する正面照明ユニット115が設けられている。この正面照明ユニット115は、4つの部位、つまり中央上側のユニット部分115Aと、中央下側のユニット部分115Bと、左側のユニット部分115Cと、右側のユニット部分115Dとから構成されている。また、撮影筐体11の右下部には、コイン投入口とコイン返却口を有するキャッシュボックス116が設けられている。
<3.編集筐体>
続いて、編集筐体21について詳細に説明する。図4は編集筐体の斜視図である。同図に示すように、本実施形態の編集筐体21は、下部側の制御ボックス211と、この制御ボックス211の上に設けられた編集台部212とを有する。制御ボックス211の内部には、メインコンピュータユニット及びI/Oコントローラなどの各種の制御装置が内蔵されており、この制御装置が写真撮影遊戯装置全体の動作の制御を行う。
編集台部212は、左右方向を向く山形の傾斜面により形成されており、各傾斜面に編集作業を行うための操作面が設置されている。具体的には、各操作面にはタブレットを内蔵した液晶モニタで構成された編集用モニタ213が設けられており、各編集用モニタ213の左右両側には2本のタッチペン214A,214Bが接続されている。このタッチペン214A,213Bのペン先を編集用モニタ213の画面に接触させることにより、画面表示されたアイコンを選択する選択入力や、文字や描画の落書きを行う場合の手書き入力を行うことができる。なお、図4では、左側の編集用モニタ213を示しているが、右側の編集用モニタ213も左側と同じ構造である。また、制御ボックス211の制御装置は、左右両側の編集用モニタ213への入力情報に対応する処理を個別に並列処理できるようになっている。
<4.出力筐体>
次に、出力筐体31について詳細に説明する。図5は出力筐体の正面図である。同図に示すように、出力筐体31は、編集筐体21の後端部に接する矩形状の筐体であり、後端側を向く面に操作面が設けられている。操作面の上部中央にはタッチパネル式の液晶モニタ311が設けられており、このモニタ311に、出力の説明などが表示される。
液晶モニタ311の下方には非接触通信部312が設けられており、近接された非接触型ICと通信を行うことで、非接触型ICからのデータの読み出しや非接触型ICに対するデータの書き込みを行う。例えば、FeliCa(登録商標)などを利用することができる。また、この非接触通信部312の下にはシール紙排出口313が設けられている。シール紙排出口164には、編集部において編集処理を行うことによって作成した画像が印刷されたシール紙が排出される。そのため、出力筐体31にはプリンタが内蔵されており、シール紙の印刷がそのプリンタにより行われる。また、シール紙排出口313の下にはスピーカ314が設けられており、出力処理における案内音声、BGM、効果音等の音を出力する。な
お、本実施形態では、出力筐体31を編集筐体21と別体としているが、これらを一体的な筐体で構成することもできる。
<5.写真撮影遊戯装置の機能的構成>
次に、本実施形態に係る写真撮影遊戯装置の機能的構成について説明する。図6は、写真撮影遊戯装置の内部の機能的構成を示すブロック図である。
図6に示すように、この写真撮影遊戯装置では、バスXを介して、制御部4、記憶部5、撮影部1、編集部2、出力部3が電気的に接続されている。制御部4は、公知のCPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)を備えている。そして、制御部4では、記憶部5に記憶されているプログラムを実行し、写真撮影遊戯装置の全体の動作を制御する。例えば、後述する画像の合成などの画像処理を行う場合には、制御部4が画像処理部として機能する。また、バスXには、通信部6、外部ドライブ7も接続されている。なお、制御部4、記憶部5、通信部6及び外部ドライブ7は、公知のコンピュータにより構成してもよく、このようなコンピュータが上述した編集筐体21の制御ボックス211に内蔵されている。
記憶部5は、ハードディスクやフラッシュメモリなどの不揮発性の記憶媒体で構成され、制御部4から送信された各種の設定情報を記憶する。記憶部5に記憶されている情報は制御部4により適宜読み出される。この記憶部5には、画像の編集のために用いられる各種画像データが記憶されている。例えば、撮影画像の背景となる背景画像データ、SNSのカバー画像に係るデータなどが記憶されており、この記憶部5が、制御部4と協働して本発明における画像提供部を構成する。また、制御部4のROMには、制御部4において実
行されるプログラムやデータが記憶されており、RAMには、制御部4において処理するデ
ータやプログラムを一時的に記憶する。以下では、RAM, ROMをまとめてメモリということがある。
通信部6はインターネットなどのネットワークと接続するためのインタフェースであり、制御部4による制御に従って外部の装置と通信を行う。外部ドライブ7では、光ディスクや半導体メモリなどのリムーバブルメディアに対する読み書きが行われる。例えば、外部ドライブ7によりリムーバブルメディアから読み出されたコンピュータプログラムやデータは、制御部4に送信され、記憶部5に記憶されたり、プログラムとしてインストールされる。
撮影部1は、撮影空間10における撮影処理を行う構成であるコイン処理部17、照明制御部18、上部カメラ111、下部カメラ112、上部モニタ113、下部モニタ114、およびスピーカ19から構成される。
上部カメラ111及び下部カメラ112は、制御部4による制御に従って撮影を行い、撮影によって得られた画像を制御部4に出力する。上述したように、上部カメラ111は、フェイスアップ画像を撮影するためものであり、下部カメラ112は、全身画像を撮影するためのものである。そのため、カメラ111,112はそれぞれ、フェイスアップ画像および全身画像を得るために理想的な画角やトリミング範囲などの設定が予め行われている。各カメラ111、112は、リアルタイムに画像を取り込んで当該画像を表す画像信号を出力する。カメラ111,112から出力された画像信号は制御部4に入力されて、その内部のメモリに一時的に記憶されるとともに、上部モニタ113および下部モニタ114にそれぞれ送信され、当該画像信号に基づくライブ映像が表示される。すなわち、上部カメラ11によるライブ映像は、上部モニタ113に表示され、下部カメラ112によるライブ映像は、下部モニタ114に表示される。なお、実際には、静止画像として保存される撮影画像データ(以下、単に「撮影画像」ということもある)は高解像度の静止画データであり、ライブ映像表示を行うための撮影画像データ(「スルー画像データ」とも呼ばれる)は低解像度の動画データである場合が多いが、高解像度の動画データとしてもよい。上記制御部4は、これら画像データを画像処理する画像処理部としても機能し、上部モニタ113に表示された画像をトリミングして抽出したり、後述するように、SNSのトップ画面に対応した画像に補正するような処理などが行われる。
上部モニタ113は、公知のタッチパネルであり、表示機器として、上部カメラ111によって撮影中のライブ映像を表示する。また、上部カメラ111および下部カメラ112で撮影された撮影画像が表示されるとともに、入力機器としても、表示された撮影画像を選択する操作や、撮影画像に対する補正に関する操作等を受け付ける。これらの操作を示す信号は、操作信号として制御部4に入力される。一方、下部モニタ114は、下部カメラ112によって撮影中のライブ映像を表示するものであり、上部モニタ113と概ね同じ構成である。但し、上述したように、タッチパネルとしての機能は有しておらず、もっぱら画像を表示することに用いられる。
コイン処理部17は、コイン投入口に対するコインの投入を検出する。コイン処理部17は、プレイに要する金額分(プレイ料金分)のコインが投入されたことを検出した場合、そのことを表す起動信号を制御部4に出力する。なお、コイン処理部17は、電子マネーやクレジットカードによるプレイ料金の支払を受け付け、当該起動信号を制御部4に出力するようなものとすることもできる。
照明制御部18は、制御部4より供給される照明制御信号に従って、撮影空間10内の正面照明ユニット115から照射されるフラッシュを制御する。また、照明制御部18は、天井照明ユニット14及び正面照明ユニット115の内部に設けられる電灯(蛍光灯など)を制御することで、ユーザによる撮影処理の段階に応じて撮影空間10内の明るさを調整する。スピーカ19は、ユーザによる撮影処理の段階応じた音声を出力する。
編集部2a,2bは、編集空間20a,20bそれぞれで編集処理を行うためのものである。編集部2aおよび編集部2の機能的構成は同じであるので、以下では編集部2aの機能的構成のみを説明し、編集部2bの機能的構成の説明を省略する。編集部2aは、タブレット内蔵モニタとしての編集用モニタ213、2本のタッチペン214A,214B、およびスピーカ215から構成される。
編集用モニタ213は、制御部4による制御に従って編集画面を表示し、編集画面に対するユーザの編集操作等を検出する。すなわち、ユーザにより、編集用モニタ213がタッチペン214A,214Bでタッチされると、その操作およびタッチペン214A,2
14Bのいずれでタッチされたのかが検出され、操作信号として制御部4に送信される。これにより、編集対象である撮影画像の編集が行われる。具体的には、編集用モニタ213に表示された撮影画像に対し、例えば、文字、模様、図形などのいわゆる落書きを、タッチペン214A,214Bなどの入力デバイスで入力する。これにより、撮影画像に、落書きが重ね合わされた画像が生成される。画像の編集については、後述する。こうして生成された画像に基づく画像データは、出力部3へ送信される。
出力部3は、出力空間30における出力処理を行う構成であるタッチパネル式の液晶モニタ311、非接触通信部312、およびスピーカ314から構成される。その他、印刷を行うためのプリンタ34、およびシール紙ユニット35も備えている。プリンタ34は、撮影画像、または編集処理によって得られた編集済みの画像を、プリンタ34に装着されたシール紙ユニット35に収納されているシール紙に印刷し、シール紙排出口313に排出する。非接触通信部312は、携帯端末との間のデータの受送信を行うものである。なお、編集部2で作成された画像データは、通信部6によってネットワークを通じて外部の画像蓄積サーバに送信される。
<6.生成されるSNSのユーザ画面用の画像>
Facebook(登録商標),Twitter(登録商標),Line(登録商標)などのSNSではア
カウントを取得したユーザに個人サイトが提供されるのであるが、その個人サイトのトップ画面は、概ね以下のように構成されている。すなわち、図7に示すように、トップ画面の上部には、カバー画像81が配置されている。このカバー画像81は、任意の画像をカバー画像81として使用することができる。当該個人サイトのイメージや、ユーザの嗜好に合わせて設定される。また、このカバー画像81と重ね合わせるようにアイコン画像82が配置されている。このアイコン画像82は、例えば、ユーザ個人を表すものとして使用され、ユーザ自身の顔写真が用いられることが多い。このように、近年のSNSのトップ画面には、上述した3つのSNSを含め、大きさや配置位置は異なるものの、カバー画像81とアイコン画像82とが表示されることが多い。そして、これらの画像はユーザが任意に設定するのであるが、例えば、ユーザが作成した画像データをSNSにアップロードすることで、トップ画面を生成する。しかしながら、画像の大きさなどの形態は、SNSごとに相違するため、アップロードした画像の大きさや形状が適合しないことがあり、ユーザの思ったとおりのトップ画面を作るのが難しいという問題があった。そこで、本実施形態に係る写真撮影遊戯装置では、このような不具合を解消するため、各SNSに適合したカバー画像81とアイコン画像82を生成する。
<7.写真撮影遊戯装置における処理手順>
上述したように、この写真撮影遊戯装置には、撮影部1、編集部2、及び出力部3が含まれている。撮影部1では撮影処理が行われ、編集部2では後述する編集処理が行われ、出力部3では出力処理が行われる。これらの処理は、記憶部5またはドライブ7に記憶されたプログラム、あるいはインストールされたプログラムを制御部4により実行することにより、行われる。以下では、まず、プレイの流れとそれに伴うユーザの移動について、図2を参照しつつ説明し、その後、各処理について詳細に説明する。
<7−1.プレイの流れ>
図2に示すように、まず、ユーザは、矢印Aで示すように第1出入口101a,101bから、撮影空間10に入り、撮影部1に設けられたカメラ111,112やモニタ113,114など利用して撮影処理を行う。そして、撮影処理を終えたユーザは、矢印Bで示すように第1出入口101a,101bを使って撮影空間10から装置外部に出た後、いずれかの編集空間20a,20bに移動する。このとき、撮影筐体11の上部モニタ113およびスピーカ19によって、編集空間20a,20bへの移動を促す表示や通知がなされる。例えば、いずれの編集空間20a,20bもユーザが利用していないときは、いずれか一方の編集空間への移動を促す表示などを行う。また、いずれか一方の編集空間20a,20bにユーザが存在する場合には、空いている編集空間への移動を促す表示などを行う。そして、いずれの編集空間20a,20bもユーザによって利用されている場合には、編集空間への移動を待つように表示などを行う。
編集空間20a,20bに移動したユーザは編集処理を開始する。各編集空間20a,20bのユーザは、同時に編集処理を行うことができる。編集処理が終了すると、撮影画像や編集済みの撮影画像の中から選択された画像の印刷が開始される。そして、編集筐体21の編集用モニタ213には出力空間30への移動を促す表示がなされるとともに、スピーカ215によって出力空間30への移動を促す音声が通知される。これに従って、編集処理を終えたユーザは、いずれかの編集空間20a,20bから、矢印Cで示すように出力空間30に移動して出力処理を行う。なお、出力空間30で他のユーザが出力処理をしている場合には、編集用モニタ213およびスピーカ215によって、出力空間30への移動を待たせる表示や通知がなされる。
そして、出力空間30では、ユーザに画像の印刷を待たせている間、本プレイによって生成した画像をユーザの携帯端末で取得できるようにするための操作(例えば、メールアドレスの入力)をモニタ311に対して行わせる。画像の印刷が終了したとき、ユーザは、出力筐体31に設けられたシール紙排出口313からシール紙を受け取り、一連のプレイを終えることになる。以上のようなユーザの移動を促す表示は、制御部4により行われる。
<7−2.撮影処理>
次に、撮影部1における撮影処理について、図8を参照しつつ説明する。図8は、本実施形態における撮影処理の処理手順を示すフローチャートである。この写真撮影遊戯装置が使用されていない時(プレイが行われていない時)には、上部モニタ113にはデモ画像が表示されている。デモ画像の表示中にユーザがコイン投入口にコインを所定の金額投入すると、プレイが開始される(ステップS100)。
プレイが開始されると、制御部4は、まず、上部モニタ113に、画質選択用の画面を表示する(ステップS110)。ここでは、シャープネスや色合いが異なる複数のサンプル画像が表示されるが、例えば、素肌に近い色が反映されたサンプル画像と、美白を強調した色が反映されたサンプル画像という2種類の異なる画質のサンプル画像を同時に表示させる。ユーザは、いずれかのサンプル画像をタッチすることで、画質の選択を行う。このとき、所定時間内にサンプル画像の選択が行われない場合には、制御部4が自動的に選択する。あるいは、一方のサンプル画像が、オススメ画像であることを予め表示しておき、サンプル画像の選択が所定時間内に行われなかった場合には、オススメ画像が選択されるようにしてもよい。
こうして、ユーザによる画質の選択を受け付けると、制御部4は、以下に説明する3種類の撮影画像を得るための撮影を順番に行い、選択された画質に基づいて補正が行われることで、撮影画像となる撮影画像データを生成し、メモリに格納する。
3種類の撮影は、次のように行われる。まず、フェイスアップ画像を取得する撮影が4回連続して行われる(ステップS120)。ここで、ユーザは、図9に示すように、上部モニタ113に表示された撮影フレーム1131にリアルタイムに表示されるスルー画像を見ながら撮影を行う。このとき、撮影フレーム1131に表示されるスルー画像は、上部カメラ111により撮影されたものである。また、撮影フレーム1131に表示される画像は、クロマキー合成により、上部カメラ111に写るユーザと、予め決められた前景画像および/または背景画像とが合成された画像である。撮影は所定時間ごとにシャッターが切られることで行われる。つまり、制御部4より上部カメラ111に制御信号が送信され撮影が行われる。こうして、4回の撮影により、4種類のフェイスアップ画像に係る撮影画像データ(一次画像)が生成され、メモリに格納される。
次に、全身画像の撮影が2回連続して行われる(ステップS130)。ここでは、ユーザは、図10に示すように、下部モニタ114に表示された撮影フレーム1141にリアルタイムに表示されるスルー画像を見ながら撮影を行う。このとき、撮影フレーム1141に表示されるスルー画像は、下部カメラ112により撮影されたものである。また、上半身の撮影と同様に、撮影フレーム1141に表示される画像は、クロマキー合成により、下部カメラ112に写るユーザと、予め決められた前景画像および/または背景画像とが合成された画像である。撮影は所定時間ごとにシャッターが切られることで行われる。こうして、2回の撮影により、2種類の全身画像に係る撮影画像データ(一次画像)が生成され、メモリに格納される。
続いて、SNS用のカバー画像の撮影を行う。まず、上部モニタ113には、選択すべきSNSのトップ画面が表示される。例えば、Facebook(登録商標),Twitter(登録商
標),Line(登録商標)の3種類のトップ画面の例を表示することができ、ユーザは、この中からいずれかをタッチして選択を行う(ステップS140)。次に、トップ画面のカバー画像のデザインの選択を行う。具体的には、撮影されたユーザの画像に対して前景画像および/または背景画像として合成されるカバー用装飾画像(第1の装飾画像)の選択を行う。図11の例では、上部モニタ113には、4種類のカバー用装飾画像が示されており、ユーザは、この中からいずれかをタッチしてカバー用装飾画像の選択を行う。これらカバー用装飾画像は、選択されたSNSのカバー画像として利用できるように、大きさ、形状、画質,画素数などが調整されたものである。続いて、選択されたカバー用装飾画像と重ね合わせる撮影画像の撮影を行う(ステップS150)。図12に示すように、上部モニタ113に表示される撮影フレーム1131の中には、上部カメラ111で撮影されたユーザのスルー画像が、選択されたカバー用装飾画像810と合成された状態で表示される。カバー用装飾画像810を構成する前景画像は、スルー画像の前(ユーザの像の前)に重なって表示され、背景画像は、スルー画像の後ろ(ユーザの像の後ろ)に重なって表示される。
また、カバー用装飾画像810の中には、SNSのトップ画面においてアイコン画像が配置される領域(アイコン表示領域)Sが表示されている。この領域には、アイコン画像が配置されるため、アイコン画像に重なる部分は見えなくなる。したがって、この領域Sと撮影フレーム1131とが干渉している場合には、ユーザは、この領域Sを避けるように撮影位置を調整し、撮影を行う必要がある。そして、所定時間が経過すると、シャッターが切られ、撮影が行われる。こうして、撮影されたユーザの画像とカバー用装飾画像810は合成され、カバー画像(第2の二次画像)として、メモリに格納される。なお、領域Sの位置や大きさ、形状は、ステップS140における選択結果に応じて決定される。
こうして、3種類の撮影画像に係る撮影が完了すると、撮影画像の補正を行う(ステップS160)。まず、撮影された撮影画像の補正を促す画面が上部モニタ113に表示される。撮影画像の補正は種々の態様があるが、ここでは2種類の態様について説明する。まず、目の補正を行うため、図13に示すような画面が上部モニタ113に表示される。同図に示すように、画面の左側には、4枚のフェイスアップ画像がプレビュー画像として表示されており、画面の右側には、3種類の大きさの目が規定された3つの補正サンプルボタンが表示されている。なお、プレビュー画像とは、補正の内容をユーザに確認させるための画像である。ここでは、目の大きさやメイクの異なる3種類の補正サンプルを設定しているが、補正サンプルとしては、例えば、目の大きさ、アイライン、まつげ、アイシャドー、黒目などを適宜調整したものを複数種準備することができる。
そして、いずれかの補正サンプルボタンをタッチすると、タッチした補正サンプルボタンに対応する目の補正がなされた4枚のフェイスアップ画像が、プレビュー画像として表示される。また、また、他の補正サンプルボタンをタッチすれば、その補正がなされた4枚のフェイスアップ画像がプレビュー画像として表示される。したがって、ユーザは、自身の撮影画像を用いて目の大きさを確認することができる。特に、顔が大きく写っているフェイスアップ画像をプレビュー画像として使用することで、目の大きさの確認をよりしやすい、という効果がある。
そして、OKボタンを押下すれば、OKボタンを押下する直前に選択されていた補正が、2枚のフェイスアップ画像だけでなく、すべての撮影画像に対してなされ、補正後の画像データがメモリに記憶される。なお、OKボタンが押下されない場合には、所定時間が経過後、その時点で選択されていた補正が、すべての撮影画像に対してなされ、補正後の画像データがメモリに記憶され、強制的に補正処理が終了する。
続いて、図14に示すように、全身の撮影画像の補正を行うための画面が上部モニタ113に表示される。同図に示すように、画面の左側には、全身の撮影で生成した2枚の撮影画像がプレビュー画像として表示されており、画面の右側には、3種類のスタイルが文字で規定された3つの補正サンプルボタンが表示されている。ここでは、脚の長さ、脚の細さが異なる3種類の補正サンプルを設定している。但し、補正サンプルは、例えば、手の長さ、手の細さなどを含めた全身のスタイルを適宜調整したものを複数種準備することができる。
上記のように、フェイスアップ画像における目の補正は既に行われているが、この目の補正は、上述したように全身画像に対しても行われる。したがって、図14の画面にプレビュー画像として示されている2枚の全身画像では、フェイスアップ画像と同じ目の補正が既に行われている。そして、全身画像の補正は、目の補正と同様に行われる。すなわち、いずれかの補正サンプルボタンを押下すれば、その補正がなされた2枚の全身画像がプレビュー画像として表示される。そして、OKボタンを押下するまで、あるいは所定の時間が経過するまでは、何回でも補正サンプルボタンを押下して、その補正をプレビュー画像に反映させることができる。そして、いずれの補正にするかを決定した後、OKボタンを押下すれば、OKボタンを押下する直前に選択されていた補正が2枚の全身画像に対してなされ、補正後の画像データがメモリに記憶される。また、OKボタンが押下されない場合には、所定時間が経過後、その時点で選択されていた補正が2枚の全身画像に対してなされ、補正後の画像データがメモリに記憶され、強制的に補正処理が終了する。フェイスアップ画像に対しては、上半身しか映っていないことが多いので、足の長さを長くしたり、補足したりすることを主とするスタイルの補正は行わない。なお、補正処理では、その他、画像の明るさの調整なども行うことができる。
以上の補正処理においては、次のような効果を得ることができる。すなわち、目の補正のような画像の細部を補正する場合には、フェイスアップ画像のような顔を含む上半身の撮影画像を用いることで、補正が反映された画像のチェックを容易に行うことができる。そして、被写体の肢体を含む全身の補正を行う場合には、全身画像を用いることで、細部ではなく、全身を俯瞰することができる。したがって、ユーザは、補正する箇所に応じて、適切な大きさのプレビュー画面を見ながら、補正の内容を確認することができる。
なお、補正処理は、公知の画像処理技術を利用することができる。例えば、目の補正については、画像の中から目に該当する領域を検出し、この領域を選択した補正サンプルに適合するように、目の大きさ、アイラインの量などを調整するように画像処理を行う。全身の補正についても同様であり、補正する領域を検出した後、該当する補正に適合した画像処理を行う。こうして、補正処理が完了すると、上部モニタ113には、編集部2のいずれか一方の編集空間20a,20bへの移動を促す表示がなされるとともに、スピーカ19によって、編集空間20a,20bへの移動を促す通知がなされる。また、生成された各撮影画像データ、及びカバー画像データは、編集部2に送られる。
<7−3.編集用モニタの画面構成と編集処理>
編集処理は以下の手順で行われる。この点について、図15のフローチャートを参照しつつ説明する。まず、背景画像(以下では、前景画像が含まれている場合でも、単に「背景画像」と記載する)の選択を行う(ステップS200)。上述したように、撮影部1で撮影された画像データには、クロマキー処理が施されているため、撮影された画像の背景画像は、制御部4が自動的に付加したものである。そのため、編集作業に入る前に、背景画像の選択を行う。このとき、編集用モニタ213には、図16に示すような、背景選択画面が表示される。この背景選択画面の上部には、撮影部1で撮影された6つの撮影画像Pが表示されている。そして、その下方には、背景画像Qの複数の候補が表示されている。ここで、ユーザは、タッチペン214A,214Bで、背景画像Qのいずれかをタッチして背景画像Qの選択を行い、その後、撮影画像Pのいずれかをタッチすると、選択された背景画像Qが、撮影時に付加された背景画像と入れ替わって撮影画像Pの背景として表示される。この操作をすべての撮影画像Pに対して行うことができる。そして、背景画像Qの選択が完了すると、OKボタンRを押下する。これにより、撮影画像Pの背景画像が、選択された背景画像Qに入れ替わった編集対象画像が生成され、その画像データがメモリに記憶される。すなわち、ここで生成される編集対象画像は、撮影画像Pと背景画像Qとが画像処理により合成されたものではなく、別個のデータからなる画像である。
こうして背景画像が決定されると、これに続いて、編集対象画像等に対して編集処理を行う(ステップS210)。後述するように、編集処理は、編集対象画像に関する編集を行う通常編集画面と、アイコン画像に関する編集を行うSNS用編集画面とを切り替えながら、行われる。この点は、次に詳述する。そして、所定の時間が経過すると、編集処理が終了する。
続いて、編集処理を行う際に、編集用モニタ213に表れる画面の構成について説明する。上述したように、本実施形態に係る写真撮影遊戯装置は、撮影された画像に落書き編集を施して写真シートなどとして出力するものであるが、編集対象画像の編集に加え、アイコン画像の作成および編集を行うことができる。以下、このような落書きのための編集用モニタ213の画面構成について、図17〜図19を参照しつつ詳細に説明する。図17は編集用モニタに表示される編集対象画像の編集用画面(通常編集画面)を示す模式図であり、図18及び図19はSNS用の編集用画面(SNS用編集画面)を示す模式図である。後述するように、ユーザは、上記2種類の編集画面を切換えながら落書き編集等を行い、出力用の画像データを生成する。まず、通常編集画面について説明する。
図17に示すように、この通常編集画面において、編集用モニタ213は、左右一対の編集スペースに区分けされ、2人のユーザが同時並行して使用できるようになっている。編集用モニタ213の左側の編集スペースにおいては、左側のタッチペン214Aによる入力受け付けが可能となっており、右側の編集スペースにおいては、右側のタッチペン214Bによる入力受け付けが可能となっている。各編集スペースの上部中央には、編集対象画像を表示し(仮想的な)落書きを行える矩形状の落書き領域501が設けられている。各落書き領域501の上方には、6枚の編集対象画像のサムネイル502が表示されており、ここから選択された1枚の編集対象画像が、落書き領域501に表示される。
落書き領域501の側部には、編集ボタンが配置されている。具体的には、上から、「エンド」ボタン503、消しゴムボタン504、「進む」ボタン505、「戻る」ボタン506、及びアイコン画像作成のための画面切り替えボタン507が配置されている。「エンド」ボタン503は、編集を終了するためのボタンであり、この「エンド」ボタン503を押下すると、編集処理が自発的に終了し、出力処理へと移行する。消しゴムボタン504は、4種類のものが配置されており、3種類の大きさ消しゴムボタンと、すべての落書きを消すための「全消し」ボタンとが配置されている。例えば、いずれかの大きさ消しゴムボタンをタッチペン214A,214Bで押下すると、その大きさ消しゴムが設定され、この状態で落書き領域501をタッチペン214A,214Bでなぞると、なぞった部分の落書きが消去されるようになっている。また、「全消し」ボタンを押下すると、すべての落書きが消去される。
「戻る」ボタン506は、直前に行った落書き処理を取り消して元に戻すためのボタンであり、「進む」ボタン505は、反対に、「戻る」ボタン506を押下する直前の落書き処理を復活させるためのボタンである。また、画面切り替えボタン507は、後述するように、アイコン画像作成のためにSNS用編集画面に移行するためのボタンである。
また、左右の編集ボタンの間には、カウントダウン用のタイマー508が設けられている。このタイマーは、種々の設定ができるが、例えば、落書き編集を行える基本制限時間(例えば、300秒)を予め設定しておき、落書き編集が開始されると同時にカウントダウンを始め、タイマーの表示がゼロになったときに落書き編集を強制的に終了させるように構成することができる。あるいは、撮影部1にユーザがいないとき、つまり、編集作業を待つ後続のユーザがいないときには、カウントダウンを行わず、制限なく編集作業を行えるようにしてもよいし、最大制限時間(例えば、20分)を設定しておき、最大制限時間まで編集作業を行えるようにしてもよい。但し、このような状態になったとき、もう一方の編集部2に後続のユーザがいる状態で、新たなユーザによる撮影処理が開始された場合、撮影処理の開始に合わせて、予め設定された時間(例えば、60秒)からのカウントダウンを始めるようにすることが好ましい。このタイマー508は、左右のユーザで共通であり、両ユーザの編集処理時間が1つのタイマー508で管理される。
落書き領域501の下方には、絵、模様、図形、文字などを書き込むためのパレット509が配置されている。パレット509は、複数の領域に分けられている。まず、パレット509の上段には、複数のカテゴリーが表示されたカテゴリー領域510が配置されている。ここでは、例として「オススメ」、「スタンプ」、「ペン」、「メッセージ」、及び「メイク」という5つのカテゴリーが表示されている。
カテゴリー領域510の下方には、詳細ツール領域511が配置されており、上記各カテゴリーに関連した落書き用のツールが表示される。例えば、「スタンプ」というカテゴリーを選択すると、種々の種類のスタンプ(ツール)が表示される。この領域の上段には、6つの種類ボタン(A〜F)512が配置され、その下方には、複数種のスタンプが表示されたツールボタン513が配置されている。また、ツールボタン513の側方には、ツール編集ボタン、及び大きさ調整ボタン518が配置されている。
種類ボタン512は、選択されたカテゴリーをさらに分類するものである。図17には、1つの種類ボタンに対応する複数のスタンプが示されているが、これと同様に、他の種類ボタンを押下すると、同じカテゴリーでさらに種類の異なるスタンプが表示される。例えば、図17のツールが表示された状態で落書き処理を行う場合には、いずれかのツールをタッチペン214A,214Bで押下してツールを選択し、その後、タッチペン214A,214Bで落書き領域501の任意の位置を押下する。これにより、選択されたツールが落書き領域501における押下された位置に表示される。一旦設定されたツールは、他のツールを選択するまで維持される。
ツール編集ボタンは、4種類のボタンを有している。上から、第1回転ボタン514、第2回転ボタン515及び反転ボタン516が配置されている。第1回転ボタン514は、画面に垂直な軸回りに選択されたツールを回転するためのものであり、第2回転ボタン515は、画面に平行で上下に延びる軸回りに選択されたツールを回転する(奥行き方向に回転する)ためのものである。反転ボタン516は、落書き領域に表示されたツールの左右を反転させるものである。なお、これらのボタン514,525,516を操作すると、落書き領域501に表示するツールだけでなく、例えば、図20(b)に示すように、パレット上のツール(図20の例はスタンプ)の表示も変更される。また、大きさ調整ボタン518は、落書き領域501に表示するツールの大きさを決定するためのものであり、5種類の大きさが表示されている。例えば、カテゴリーとしてスタンプを選択して、大きさ調整ボタン518を押下した後、いずれかのツールを選択すると、選択した大きさに応じたスタンプが落書き領域501に表示される。
また、いずれかのツールを選択した後、回転ボタン514,515を押下すると、図20(a)から図20(b)に遷移するように、押下した回数に応じて、選択されたツールがパレット509内で回転する。そして、所望の回転角度になったときに、落書き領域501の任意の位置を押下すると、選択されたツールが、所望の回転角度で落書き領域501に表示される。その後、パレット509の他のツールを押下すると、その直前に回転していたツールは、元の角度に戻る(例えば、図20(b)から図20(a)へ遷移)。但し、ツールが所望の回転角度になった状態で、消しゴムボタン504を押下したときには、元の角度には戻らないようになっている。消しゴムボタン504を利用するということは、そのツールを書き直す可能性があり、特に回転角度を変更したい場合もあるので、直前の回転角度を認識させるために、角度の変更は行わないようになっている。
以上の画面構成は、左右の編集スペースで同じである。ユーザは、適宜、編集すべき編集対象画像をサムネイル502から選択し、落書き領域501に表示させる。そして、表示された編集対象画像に対して、編集作業を行う。
次に、SNS用編集画面について説明する。SNS用編集画面では、後述するように、ユーザが選択したSNSで提供されるユーザ画面に用いられるアイコン画像を生成するための画面である。図17の通常編集画面で、画面切り替えボタン507を押下すると、押下された画面切り替えボタン507が配置されている側の編集スペースに、図18に示す第1SNS用編集画面が表示される。以下では、左側の編集スペースに第1SNS編集画面が表示された場合を例に説明を行う。
第1SNS用編集画面には、ユーザに対して2つの処理を促す表示がなされる。まず、画面の上部に、ステップ1として、アイコンとする画像の選択を促す画像選択領域601が表示される。この画像選択領域601には、撮影部1で撮影された2枚のフェイスアップ画像および4枚の全身画像のサムネイル画像が表示される。ユーザは、これらのサムネイル画像の中から1つをタッチペン214Aでタッチすることで選択する。ここでサムネイル画像として表示される画像は、上述した編集対象画像Pから背景画像が除かれたもの、つまり撮影画像の被写体のみである。ここでは、このような画像を「撮影画像R」と称することとする。
そして、この画像選択領域601の下方には、トリミング領域602が表示されており、ステップ2として、選択された画像から所定の領域のトリミングを行う。まず、このトリミング領域602には、ステップ1で選択されたサムネイル画像に対応する撮影画像Rが背景を取り除かれた状態(以下、「撮影画像R」という)で表示されるとともに、この撮影画像Rの上に、トリミング用のマスク画像Mが重ね合わされる。マスク画像Mは、トリミングを行うべき矩形状のトリミング窓G以外は、半透明の黒色で構成されている。すなわち、撮影画像Rにマスク画像Mが重ね合わされると、トリミング窓Gから撮影画像Rの一部が露出し、その他の領域は半透明の黒色でマスクされた状態となる。また、このトリミング領域602には、撮影画像Rを囲む画像枠603が表示されている。この画像枠603は、図13などで示した画像が配置される枠とほぼ同じ大きさであり、基本的に縦横比が同じである。この画像枠603内には移動用ハンドル604が表示されるとともに、画像枠603の4つの角にはそれぞれ拡縮用ハンドル605が表示されている。これにより、ユーザが、移動用ハンドル604をタッチペン214Aでドラッグすると、画像枠603が撮影画像Pとともに移動する。また、拡縮用ハンドル605をタッチペン214Aでドラッグすると、画像枠603の大きさが撮影画像Rとともに変化する。したがって、ユーザは、画像枠603を操作することで、撮影画像Rをトリミング窓G内の任意の位置に移動させたり、トリミング窓G内に入るように撮影画像Rを任意の大きさに調整することができる。
さらに、このトリミング窓Gには、アイコン用装飾画像(第2の装飾画像)Jが付加されている。本実施形態では、アイコン用装飾画像Jは、背景画像と前景画像とで構成されている。背景画像とは、撮影画像Rの背景となる色彩、模様などであり、この例では、グレーのグラデーションとなっており、前景画像は、この例では星型の図形であり、撮影画像Rの前景となっている。これらの背景画像及び前景画像は、制御部4で自動的に選択されたものであり、いくつかの候補の中から上述したカバー画像81に関連したものが選択される。すなわち、図11におけるカバー用装飾画像の選択結果に応じて、アイコン用装飾画像Jの種類が決定される。これにより、選択したカバー用装飾画像に最適なアイコン用装飾画像Jが自動的に選択され、デザイン的に統一感のあるカバー画像およびアイコン画像を容易に作ることができる。したがって、カバー画像およびアイコン画像をSNSのトップページに配置した際に、トップページの見た目をより良くすることができる。なお、アイコン用装飾画像Jは、種々の態様とすることができ、例えば、背景画像のみ、または前景画像のみで構成することができる。
そして、ユーザが撮影画像Rの大きさや位置を変更した上で、OKボタン606を押下すると、トリミング窓Gから露出する撮影画像R(部分画像)が切出され、アイコン用装飾画像Jと一体として記憶され、これが基準アイコン画像(第1の二次画像)として記憶される。但し、これら撮影画像Rとアイコン用装飾画像Jとは、画像処理による合成はなされておらず、別個のデータではあるが、基準アイコン画像として一体的に記憶される。
上記のようにOKボタン606を押下すると、図19に示すように、左側の編集スペースに第2SNS用編集画面が表示される。この編集画面は、上述した通常編集画面と概ね同じであるが、落書き領域の構成が相違する。ここでは、同一の構成については同一の符号を付すこととする。相違点としては、通常編集画面の落書き領域が配置されている箇所に、矩形状のアイコン編集領域701が表示され、この領域701に、上述した基準アイコン画像が表示される。そして、ユーザは、この領域701に表示された基準アイコン画像に対して、落書き編集を行うことができる。編集のためのパレット、各種ボタンは、通常編集画面と同じであり、同様に編集を行うことができる。また、既に付加されているアイコン用装飾画像Jを別のアイコン用装飾画像に入れ替える編集を行うこともできる。この場合、前景画像と背景画像をまとめて入れ替えることもできるし、それぞれ別個に入れ替えることもできる。
このアイコン編集領域701の側方には、スマートフォンを模した端末イメージ画像702が表示される。この端末イメージ画像702には、スマートフォンの例が表示され、このスマートフォンの画面には、選択されたSNSのトップ画面をイメージした画像が表示される。より詳細に説明すると、このトップ画面には、上述したカバー画像81と、アイコン画像82とが表示され、ユーザが作成しようとするトップ画面をイメージできるようになっている。ここで表示されているアイコン画像82は、初期状態では、基準アイコン画像であるが、アイコン編集領域701で行われる編集がリアルタイムで反映されるようになっている。
アイコン編集領域701とパレット509との間には、写真を選び直すためのボタン703と、通常編集画面に戻るためのボタン704が配置されている。写真を選び直すためのボタン703を押下すると、第1SNS用編集画面(図18を参照)に戻り、アイコン画像とすべき画像の選択に戻ることができる。このとき、既に作成された基礎アイコン画像や、編集中のアイコン画像は消去される。また、通常編集画面に戻るためのボタン704を押下すると、基準アイコン画像の編集が終了し、このボタンを押下する直前にアイコン編集領域701に表示されている画像が、アイコン画像となり、アイコン画像データとしてメモリに記憶される。そして、図17の通常編集画面に戻ったとき、その画面切り替えボタン507には、「作成済み」の表示が付加され、アイコン画像が既に作成されていることを視認させる。但し、画面切り替えボタン507を再度押下すると、通常編集画面に戻る直前にアイコン編集領域701に表示していた画像が表示され、当該画像に対する編集が可能となる。
こうして、ユーザは、タイマー46の残り時間が0になる(またはユーザが終了させる操作を行う)まで、両画面を切り換えつつ、落書きを行う。そして、タイマーの残り時間が0になるか、あるいはユーザが終了ボタンをタッチして自発的に落書きを終了させると、編集用モニタ213に「落書き終了」との表示が表れる。そして、その時点において、通常編集画面で編集されている編集対象画像が編集済画像とされ、この編集済画像に係る編集済画像データがメモリに保存され、編集処理が終了する。その後、出力用のシール紙のレイアウトを編集用モニタ213で決定することもできる。
<7−4.出力処理>
次に、出力処理について説明する。上記のように生成された編集済画像データ、アイコン画像データおよびカバー画像データは、出力部3に送信される。そして、まず、編集済画像データ、アイコン画像データおよびカバー画像データの送信処理を行う。
送信に当たっては、複数の方法がある。まず、電子メールを入力させ、その電子メールに画像データを送信したり、あるいは画像データを取得できるインターネット上のサイトのURLを送信することもできる。このとき、モニタ311には、2人のユーザに対して、
それぞれメールアドレスの入力を促す画面が表示される。なお、編集済画像データまたはURLは、写真撮影遊戯装置から直接ユーザの電子メールアカウントに送信することもできるし、写真撮影遊戯装置から外部のサーバを介して送信することもできる。なお、カバー画像データ及びアイコン画像データは、アップロード用のデータであるため、上述したいずれかの方法で取得する。
また、出力部3の非接触通信部312から、編集済画像データを携帯端末へ送信することもできる。さらに、モニタ311にQRコード(登録商標)を表示させ、このQRコード(登録商標)を読み取ることで、上述したURLを取得することもできる。
こうして、画像データの送信処理が完了すると、出力部3においてシート紙の印刷が行われ、シール紙排出口313から排出される。
<8.効果>
以上のように、本実施形態によれば、アイコン用装飾画像Jを付加したトリミング枠Gを表示し、撮影画像Rのうちトリミング枠G内にある画像とアイコン用装飾画像Jとを合成することで、基準アイコン画像を生成している。したがって、撮影画像Rのトリミングと、アイコン用装飾画像Jを付加する編集作業とを同時に行うことができるため、ユーザの作業負担を軽減でき、簡易に、装飾性の高い画像を生成することができる。また、トリミング枠G内にアイコン用装飾画像Jが含まれているので、前景(星形)が、撮影画像Rの顔に重ならないように調整しながら、トリミングを行うことができ、作成する画像の完成度を高めることができる。
また、基準アイコン画像を作成する際には、生成されたカバー画像と関連のある(カバー画像に含まれるカバー用装飾画像に対応する)アイコン用装飾画像がデフォルトのアイコン用装飾画像としてアイコン画像に付加されるため、カバー画像のデザインと統一感のあるアイコン画像を容易に作ることができる。これにより、SNSのトップページに、カバー画像およびアイコン画像を配置した際に、ページの見た目をより良くすることができる。
さらに、ユーザがSNSの種類を選択し、そのSNSのトップ画面に適合するサイズおよび形状のカバー画像データを生成している。そのため、写真撮影遊戯装置で撮影されたカバー画像を、所望のSNSにおけるトップ画面において適切に表示することができる。
<9.変形例>
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて、種々の変更が可能である。
<9−1>
例えば、図19に示す第2SNS用編集画面では、アイコン画像のみ編集を行えるようにしているが、カバー画像の編集も行えるようにすることができる。例えば、端末イメージ画像におけるカバー画像81をタッチすると、アイコン編集領域701にカバー画像が表示されるようにし、この状態で、カバー画像の編集を行えるようにすることができる。再度アイコン画像の編集を行う場合は、アイコン画像82をタッチする。すると、カバー画像81をタッチする直前にアイコン編集領域701に表示されていたアイコン画像が再度アイコン編集領域701に表示され、アイコン画像の再編集が可能となる。なお、アイコン編集領域701に表示されたカバー画像に対する編集は、リアルタイムにカバー画像81に反映して表示される。
<9−2>
カバー画像のカバー用装飾画像は、ユーザが選択できるようにしているが、制御部が任意に選択したものとし、事後的にユーザが変更できるようにしてもよい。例えば、図16に示す編集処理における背景画像の選択の際に、カバー画像のカバー用装飾画像を変更できるようにすることもできる。この場合も、上記実施形態と同様に、カバー用装飾画像の選択結果に基づいて、図18に示す第1SNS用編集画面で使用されるアイコン用装飾画像Jが決定される。
<9−3>
上記実施形態では、撮影処理において、選択されたSNSに対応するカバー用装飾画像が予め、SNSに適合するような大きさ、形状などに形成されているが、SNSへの対応は、事後的に行ってもよい。すなわち、撮影がすべて終了した後、SNSに対応するように、カバー画像を補正するように構成することもできる。
<9−4>
上記実施形態では、カバー画像用の画像を撮影するとき、カバー用装飾画像に対する撮影フレームが固定されているが、これを移動できるようにすることもできる。撮影フレームの移動は、タッチパネルを操作により行うようにしてもよい。
<9−5>
上記通常編集画像、SNS用編集画像などの各種画像は、一例であり、本発明に係る機能、効果を得る限り、種々の変更が可能である。
<9−6>
撮影処理において、図13,14で説明した補正を行うとき、いずれかの補正サンプルをタッチすると、すべての撮影画像が補正されるようにしているが、例えば、いずれかの補正サンプルをタッチした後、いずれかの撮影画像(プレビュー画像)をタッチすれば、各撮影画像が個別に補正されるようにしてもよい。
<9−7>
また、図18のトリミング領域602においては、次のようにすることもできる。まず、画像枠603は、移動、拡大・縮小のみならず、回転ができるようにしてもよい。また、上記説明では、トリミング枠Gを固定し、撮影画像Rを画像枠603とともに移動等させているが、これとは反対に、撮影画像R及び画像枠603を固定し、トリミング枠Gを移動等させてもよい。あるいは、撮影画像R、画像枠603、及びトリミング枠のすべてを移動等させてもよい。また、トリミング枠Gの移動、拡大・縮小、回転を行うと、それに応じて、トリミング枠G内のアイコン用装飾画像Jも移動、拡大・縮小、回転するように構成してもよい。このとき、トリミング枠に対するアイコン用装飾画像Jの相対的な位置および大きさは変化しないことが好ましい。
<9−8>
ところで、上記のような写真撮影遊戯装置が設置されたゲームセンターなどの店舗では、営業時間が設定されているため、閉店時刻の間際にプレイが開始されると、閉店時刻を経過後も制限なくプレイが継続する可能性がある。特に、閉店間際は利用者が少ないことが多く、後続のユーザがいないため、ほぼ無制限に編集作業を行うことが可能となっている。そこで、プレイ時間等に関しては、以下のように設定することができる。この処理について、図21のフローチャートに基づいて説明を行う。これらの処理は、制御部4により行われる。
まず、プレイの終了の基準となる終了基準時刻を設定する。この時刻は、閉店時刻でもよいし、閉店時刻よりも前の時刻でもよく、自由に設定することができる。また、時刻でなく、基準となる時刻から所定時間経過後といったように時間で設定することもできる。そして、制御部4は、終了基準時刻であるか否かをチェックし(ステップS400)、終了基準時刻となった場合には(ステップS400のYES)、写真撮影遊技装置でプレイをしているユーザが存在するか否かを確認する(ステップS410)。具体的には、撮影部1による撮影処理、編集部2による編集処理および出力部3による出力処理が実行中であるか否かを確認する。そして、撮影処理、編集処理、出力処理が実行中でない、すなわち撮影空間10、編集空間20、出力空間30のいずれにもプレイ中のユーザが存在しない場合には(ステップS410のNO)、コインの投入を受け付けないようにするとともに、撮影部1の上部モニタ113に営業の終了を示す表示を行う(ステップS420)。クレジットカードや電子マネー等でのプレイ料金支払いも同様に受け付けないようにする。
一方、撮影処理、編集処理、出力処理のいずれかが実行中である、すなわちいずれかの空間にプレイ中のユーザが存在する場合には(ステップS410のYES)、後続のユーザがいない場合でも、編集作業の無制限延長や最大制限時間までの延長を禁止し、基本制限時間だけ編集作業を行わせるようにする(ステップS430)。このとき、編集作業を許容する制限時間を基本制限時間よりも短くしてもよい。
また、ユーザが存在する撮影部、編集部、出力部のいずれかにおいて、カウントダウンを表示してもよい。このように構成することで、閉店間際に、プレイが開始されても、際限なくプレイが継続するのを防止することができる。
以上のように構成することで、次の効果を得ることができる。まず、ユーザによるプレイが際限なく行われるのを防止することができる。また、終了時刻が経過したときに、完全にプレイができないようにすると、たくさんのユーザが並んでいても、店舗が収入を得ることができなくなるので好ましくない。また、ユーザからのクレームも予想される。そこで、上記のように構成することで、ユーザが並んでいる限りは、プレイを行うことができるので、以上の不都合を解消することができる。又、これと同時に、際限ないプレイも防止することができる。そして、ユーザの列が途絶えると、自動的にプレイを禁止することができる。
また、上述した例では、プレイ待ちのユーザのために、撮影空間10、編集空間20、出力空間30のいずれかにプレイ中のユーザがいる場合は、コインの投入を受けるようにした。しかし、撮影空間10、編集空間20のどちらにもプレイ中のユーザがいなくなった際、出力空間30にプレイ中のユーザがいたとしてもコインの投入を受け付けないようにしてもよい。遊戯用撮影装置は、上述したように撮影処理、編集処理、出力処理の順で行われるので、撮影空間10および編集空間20にプレイ中のユーザがいないということは、プレイ待ちのユーザがいないことを示しているからである。