JP2016033355A - 作業車輌の原動部 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】エンジン(E)とラジエータ(50)の間に、互いの翼角度を逆に設定した冷却ファン(20)と排塵ファン(30)を同一軸心上に回転自在に設け、エンジン(E)から冷却ファン(20)への駆動力の伝達を接続および遮断する冷却クラッチ(C1)と、エンジン(E)から排塵ファン(30)への駆動力の伝達を接続および遮断する排塵クラッチ(C2)と、冷却クラッチ(C1)及び排塵クラッチ(C2)を接続及び遮断操作する駆動状態切換手段(45)を設け、エンジン(E)の始動時に、駆動状態切換手段(45)を自動的に作動させ、冷却クラッチ(C1)を接続すると共に排塵クラッチ(C2)を遮断する制御装置(U)を備える。
【選択図】図10
Description
そこで、本発明の主たる課題は、かかる問題点を解消することにある。
請求項1に記載の発明は、エンジン(E)の外側にラジエータ(50)を配置し、該ラジエータ(50)の外側に塵埃を濾過する濾過体(8B)を配置し、前記エンジン(E)とラジエータ(50)の間には、互いの翼角度を逆に設定した冷却ファン(20)と排塵ファン(30)を同一軸心上に回転自在に設け、前記エンジン(E)から冷却ファン(20)への駆動力の伝達を接続および遮断する冷却クラッチ(C1)と、エンジン(E)から排塵ファン(30)への駆動力の伝達を接続および遮断する排塵クラッチ(C2)と、前記冷却クラッチ(C1)及び排塵クラッチ(C2)を接続及び遮断操作する駆動状態切換手段(45)を設け、エンジン(E)の始動時に、前記駆動状態切換手段(45)を自動的に作動させ、前記冷却クラッチ(C1)を接続すると共に前記排塵クラッチ(C2)を遮断する制御装置(U)を備えた作業車輌の原動部としたものである。
次に、ラジエータファン20と排塵ファン30の駆動状態を切換える駆動状態切換手段45について説明する。
図7,8に示すように、一側の連繋手段80のアウターケーブル80Aの前端部は、後述するブラケット140の後アーム部142の後側上部に設けられたステー81に支持され、ステー81は、回転軸24の軸心方向視においてラジエータファン24と排塵ファン30の外周よりも外側に設けられている。これにより、連繋手段80とステー81が、ラジエータファン20と排塵ファン30の送風の障害にならずラジエータファン20と排塵ファン30の送風効率を向上させることができる。
同様に、図7,8に示すように、他側の連繋手段80のアウターケーブル80Aの前端部は、後述するブラケット140の後アーム部142の後側上部に設けられたステー81に支持され、ステー81は、回転軸24の軸心方向視においてラジエータファン24と排塵ファン30の外周よりも外側に設けられている。
図8は、ラジエータファン20が駆動状態であり、排塵ファン30が停止状態であるテンションローラ26,36の状態が図示されている。
図7,8に示すように、ブラケット140は、ブラケット140の中心部に回転軸24を内嵌し、筒状回転軸34を外嵌する支持部25が固着され、図3に示すように、ブラケット140における支持部25は、ラジエータ50の上下方向の中心部よりも上側に偏倚した位置に設けられている。これにより、ラジエータファン20により吸入された外気がエンジンEの上側に送風され、エンジンEや、エンジンEの上側に設けられた酸化触媒装置11を効率良く冷却することができる。
図9に示すように、エンジンEの回転動力が伝動されるプーリ63は、後部伝動軸110にキー64により固定されている。後部伝動軸110の外周面にキー溝111が形成されている。キー溝111内に挿入されたキー64が、プーリ63と後部伝動軸110の間に介在することで、プーリ63が、後部伝動軸110に相対回転不能な状態で固定される。なお、キー溝111は、後部伝動軸110の軸心方向に間隔をおいて、後部伝動軸110の外周面の2箇所に形成されている。
図9(a)は、プーリ63が後部伝動軸110の軸心方向の左側部に取付けられた状態を示し、図9(b)は、プーリ63が後部伝動軸110の軸心方向の右側部に取付けられた状態を示している。プーリ63の取付け位置を変更する場合には、キー64の挿入位置を変更し、プーリ63の左右側に配置されるカラー112,113を左右入替えて後部伝動軸110に外嵌する。また、プーリ63の位置変更に伴って、プーリ61とプーリ63に巻回されたベルト62を押圧するテンションローラ115A,115Bの位置を変更する。
(制御回路)
図15に示すように、タイマー回路を備えたコントローラCUの入力側に、上記駆動状態切換機構45の作動状態が、上述の冷却状態と排塵状態と昇温状態のいずれの状態にあるかを検出する切換位置検出センサSSと、ラジエータ50の冷却水の温度を検出する水温センサ50Tと、エンジンEの排気ガスの温度を検出する排気温度センサGPを接続し、コントローラCUの出力側に、上記作動状態切換手段45のモータMを作動させるリレーL1及びリレーL2を接続して、制御装置Uを構成する。尚、上記作動状態検出センサSSは、モータMの回転数を検出する回転センサとしてもよい。
(通常の制御)
しかして、コントローラCUに備えたタイマー回路によって、コントローラCUからリレーL1及びリレーL2へ設定時間間隔で交互に出力がなされ、モータMの作動によって駆動状態切換手段45が、冷却クラッチC1を接続して排塵クラッチC2を遮断する冷却状態と、冷却クラッチC1を遮断して排塵クラッチC2を接続する排塵状態とを、背反的に繰り返す。これによって、冷却状態では、排塵ファン30が停止しており、ラジエータファン(冷却ファン)20の回転によって濾過体8Bを介して外気が吸入され、ラジエータ50及びエンジンEの周辺を通過する。また、排塵状態では、ラジエータファン20が停止しており、排塵ファン30の回転によって、ラジエータ50の内側から濾過体8Bの外側方へ向けて排塵風が吹き出し、濾過体8Bに吸着されていた藁屑等の塵埃が吹き飛ばされる。これによって、濾過体8Bの目詰まりが除去され、冷却風の吸気面積が確保される。
(エンジン始動時の制御)
エンジンEが停止している状態で、メインキーを操作してエンジンEを始動操作すると、コントローラCUからリレーL1,L2へ出力がなされ、駆動状態切換手段45が作動して冷却クラッチC1が接続されると共に、排塵クラッチC2が遮断される。
(エンジン再始動時の制御)
排塵クラッチC2が接続された状態で、メインキーの操作等によってエンジンEが停止した場合には、コントローラCUからリレーL1,L2への出力はなされず、排塵クラッチC2の接続状態が維持される。そして、再度、メインキーを操作してエンジンEを始動操作した場合に、コントローラCUからリレーL1,L2へ出力がなされ、駆動状態切換手段45が作動して冷却クラッチC1が接続されると共に、排塵クラッチC2が遮断される。
(背反作動の時間間隔設定)
尚、冷却クラッチC1が遮断されてから、設定時間(例えば0.5秒)をおいて、排塵クラッチC2が接続されるように構成してもよい。これによって、ラジエータファン20の慣性による回転が停止または減速してから、排塵ファン30が回転するので、ラジエータファン20の回転による外気の吸入によって排塵ファン30による内気の吹き出しが阻害されにくくなり、濾過体8Bに付着した塵埃を効果的に除去することができる。また、エンジンEの出力軸から、ラジエータファン20へ至る動力伝達経路、及び排塵ファン30へ至る伝達経路にかかる負荷が減少し、耐久性が向上する。
(背反作動の時間間隔の変更)
また、冷却クラッチC1が遮断されてから排塵クラッチC2が接続されるまでの設定時間が、エンジンEの出力回転速度に応じて自動的に変更されるように構成してもよい。即ち、エンジンEの出力回転速度が定格回転速度(例えば2,800回転/分)よりも低い場合には、上記の設定時間を長くし、一方、エンジンEの出力回転速度が定格回転速度以上に高い場合には、上記の設定時間を短くする。これによって、エンジンEの出力状態や発熱状態に応じてラジエータファン20の停止時間が自動的に制御されることとなり、エンジンEの出力低下を少なくして作業車輌の作業能率の低下を防ぐことができる。
(水温センサによる制御)
エンジンEの始動時に、水温センサ50Tによるラジエータ水温の検出結果が、設定温度(例えば寒冷地では摂氏5度)よりも低い場合には、コントローラCUからリレーL1/L2へ出力がなされ、駆動状態切換機構45が作動する。そして、切換位置検出センサSSによって、冷却クラッチC1と排塵クラッチC2の両方が遮断された状態が検出されると、コントローラCUからリレーL1/L2への出力が停止し、駆動状態切換機構45はこの作動位置を保持する。
(排気温度センサによる制御)
エンジンEの始動時に、排気温度センサGPによる排気温度の検出結果が、設定温度よりも低い場合には、コントローラCUからリレーL1/L2へ出力がなされ、駆動状態切換機構45が作動する。そして、切換位置検出センサSSによって、冷却クラッチC1と排塵クラッチC2の両方が遮断された状態が検出されると、コントローラCUからリレーL1/L2への出力が停止し、駆動状態切換機構45はこの作動位置を保持する。
(その他制御)
上述のようにラジエータファン20と排塵ファン30を背反的に駆動する制御において、排出筒7による穀粒排出作業中には、排塵ファン30の駆動時間がラジエータファン20の駆動時間よりも長くなるように設定するとよい。これにより、穀粒排出作業中に発生する塵埃が濾過体8Bに吸着されにくくなる。
20 ラジエータファン(冷却ファン)
30 排塵ファン
45 駆動状態切換手段
50 ラジエータ
50T 水温センサ
C1 冷却クラッチ
C2 排塵クラッチ
E エンジン
GP 排気温度センサ
U 制御装置
Claims (8)
- エンジン(E)の外側にラジエータ(50)を配置し、該ラジエータ(50)の外側に塵埃を濾過する濾過体(8B)を配置し、前記エンジン(E)とラジエータ(50)の間には、互いの翼角度を逆に設定した冷却ファン(20)と排塵ファン(30)を同一軸心上に回転自在に設け、前記エンジン(E)から冷却ファン(20)への駆動力の伝達を接続および遮断する冷却クラッチ(C1)と、エンジン(E)から排塵ファン(30)への駆動力の伝達を接続および遮断する排塵クラッチ(C2)と、前記冷却クラッチ(C1)及び排塵クラッチ(C2)を接続及び遮断操作する駆動状態切換手段(45)を設け、エンジン(E)の始動時に、前記駆動状態切換手段(45)を自動的に作動させ、前記冷却クラッチ(C1)を接続すると共に前記排塵クラッチ(C2)を遮断する制御装置(U)を備えた作業車輌の原動部。
- 前記排塵クラッチ(C2)が接続された状態でエンジン(E)が停止した場合に、該排塵クラッチ(C2)の接続状態が維持され、エンジン(E)の再始動時に、前記駆動状態切換手段(45)が自動的に作動して、前記排塵クラッチ(C2)が遮断されると共に前記冷却クラッチ(C1)が接続される構成とした請求項1に記載の作業車輌の原動部。
- 前記冷却クラッチ(C1)と排塵クラッチ(C2)の両方を遮断した状態に切り換え可能な構成とした請求項1または請求項2に記載の作業車輌の原動部。
- 前記エンジン(E)の停止時に、前記冷却クラッチ(C1)と排塵クラッチ(C2)の両方が自動的に遮断される構成とした請求項3に記載の作業車輌の原動部。
- 前記ラジエータ(50)の冷却水の温度を検出する水温センサ(50T)を備え、該水温センサ(50T)によって検出される冷却水温が設定温度よりも低い場合に、前記冷却クラッチ(C1)と排塵クラッチ(C2)の両方が自動的に遮断される構成とした請求項3に記載の作業車輌の原動部。
- 前記エンジン(E)の排気ガスの温度を検出する排気温度センサ(GP)を備え、該排気温度センサ(GP)によって検出される排気温度が設定温度よりも低い場合に、前記冷却クラッチ(C1)と排塵クラッチ(C2)の両方が自動的に遮断される構成とした請求項3に記載の作業車輌の原動部。
- 前記エンジン(E)の稼動中に、冷却クラッチ(C1)と排塵クラッチ(C2)が設定時間間隔で背反的に接続される構成とし、この設定時間がラジエータ(50)の冷却水の温度を検出する水温センサ(50T)の検出結果に応じて自動的に変更される構成とした請求項1または請求項2に記載の作業車輌の原動部。
- 前記エンジン(E)の稼動中に、冷却クラッチ(C1)と排塵クラッチ(C2)が設定時間間隔で背反的に接続される構成とし、この設定時間がエンジン(E)の排気温度を検出する排気温度センサ(GP)の検出結果に応じて自動的に変更される構成とした請求項1または請求項2に記載の作業車輌の原動部。
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