JP2016032057A - シリコーン樹脂組成物およびそれを用いた発光装置 - Google Patents

シリコーン樹脂組成物およびそれを用いた発光装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2016032057A
JP2016032057A JP2014154589A JP2014154589A JP2016032057A JP 2016032057 A JP2016032057 A JP 2016032057A JP 2014154589 A JP2014154589 A JP 2014154589A JP 2014154589 A JP2014154589 A JP 2014154589A JP 2016032057 A JP2016032057 A JP 2016032057A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
titanium oxide
resin
emitting device
resin layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2014154589A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6274434B2 (ja
Inventor
智 太田
Satoshi Ota
智 太田
内田 均
Hitoshi Uchida
均 内田
有毅 河村
Yuuki Kawamura
有毅 河村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyoda Gosei Co Ltd
Original Assignee
Toyoda Gosei Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyoda Gosei Co Ltd filed Critical Toyoda Gosei Co Ltd
Priority to JP2014154589A priority Critical patent/JP6274434B2/ja
Publication of JP2016032057A publication Critical patent/JP2016032057A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6274434B2 publication Critical patent/JP6274434B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)
  • Led Device Packages (AREA)

Abstract

【課題】光反射率、信頼性、生産性がいずれも高く、発光装置の光反射性樹脂層として好適なシリコーン樹脂組成物を提供する。
【解決手段】ベース樹脂にフィラーとして酸化チタンの微粒子が添加された樹脂混合物のシリコーン樹脂組成物であって、ベース樹脂は、珪素原子に結合するアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサンと、珪素原子に結合する水素原子を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンとを含み、白金族金属を含むヒドロシリル化触媒による付加反応により硬化する付加反応硬化型シリコーン樹脂であり、酸化チタンはアルミナで表面処理されたルチル型酸化チタンであり、酸化チタンの平均粒子径は1μm以上であり、酸化チタンの添加量は、ベース樹脂100重量部に対して酸化チタン70〜130重量部である。
【選択図】 図1

Description

本発明はシリコーン樹脂組成物およびそれを用いた発光装置に関するものである。
特許文献1には、発光素子が載置された基材上に、発光素子を囲む枠状の第1の光反射性樹脂を形成し、第1の光反射性樹脂と発光素子との間に、第1の光反射性樹脂より粘度の低い第2の光反射性樹脂を充填し、第2の光反射性樹脂によって発光素子の側面を被覆し、第1の光反射性樹脂と第2の光反射性樹脂とを硬化する発光装置の製造方法が開示されており、光反射性樹脂としてシリコーン樹脂から成る母材に反射性物質を含有させ、反射性物質として酸化チタンを用いることが記載されている。
特許文献2には、熱硬化性オルガノポリシロキサン、白色顔料、白色顔料を除く無機充填剤、硬化触媒、離型材、シランカップリング剤を必須成分とする光半導体ケース形成用白色熱硬化性シリコーン樹脂組成物において、白色顔料がアルミナ又はシリカとアルミナで表面処理されている単位格子がアナタース型構造の二酸化チタンである技術が開示されている。
特開2012−99544号公報 特開2011−54902号公報
発光装置(光半導体装置)において、発光素子の上に蛍光体板を備えるものでは 発光素子の放射光が発光素子の側面より漏れないように、発光素子の側面外周を光反射性樹脂層によって被覆する必要がある。
そのため、特許文献1では、酸化チタンを分散させたシリコーン樹脂により光反射性樹脂層を形成している。
しかし、光反射性の高い材料(光反射性物質)として単に酸化チタンを使用するだけでは、光反射性樹脂層に求められる諸性能(光反射率、信頼性、生産性)が確保できるわけではない。
酸化チタンは表面の触媒活性により有機物を酸化して分解させる性質があるため、触媒活性を抑制する必要があるが、特許文献1には触媒活性の抑制について何ら記載されていない。
特許文献2には、アルミナ又はシリカとアルミナで表面処理されている単位格子がアナタース型構造の二酸化チタンが記載されており、この技術を用いれば酸化チタンの触媒活性を抑制できる。
また、光反射性樹脂層のベース樹脂には付加反応硬化型シリコーン樹脂が適しているが、酸化チタンの表面処理の違いが硬化反応に影響するため、硬化が不十分となって物性が発現しない場合には発光装置の信頼性が低下する。
従来は、基板の表面上に1個の発光素子のみを配設していたため、発光素子を囲繞する枠体(ダム材)と発光素子との間隙に、ポッティング(ディスペンス)法を用いて光反射性樹脂を注入・充填することにより光反射性樹脂を形成していた。
しかし、近年では、基板の表面上に複数個の発光素子を間隙を設けて配列し、複数個の発光素子の僅かな間隙にも、ポッティング法を用いて光反射性樹脂を注入・充填することにより光反射性樹脂を形成するなど、光反射性樹脂層の配置方法が多様化している。
ここで、光反射性樹脂を低粘度にすると、前記間隙に光反射性樹脂層を十分に充填できるため生産性が高くなり、光反射性樹脂を高粘度にすると前記間隙への充填がうまくいかず生産性が低くなる。
光反射性樹脂の粘度は、光反射性樹脂層のベース樹脂に添加するフィラーである酸化チタンの添加量を少なくすれば低粘度にできるが、酸化チタンの添加量が少なくなると、光反射性樹脂層の光反射率が低下して光漏れを防止できなくなる。
逆に、酸化チタンの添加量を多くすれば、光反射性樹脂層の光反射率を高めて光漏れを防止できるものの、光反射性樹脂が高粘度になるため生産性が低下する。
また、酸化チタンの粒子径が小さいと、酸化チタンの添加量を多くしたときに光反射性樹脂が高粘度になるため生産性が低下する。
本発明は前記問題を解決するためになされたものであって、以下の目的を有するものである。
(1)光反射率、信頼性、生産性がいずれも高く、発光装置の光反射性樹脂層として好適なシリコーン樹脂組成物を提供する。
(2)前記(1)のシリコーン樹脂組成物を用いた発光装置を提供する。
本発明は前記問題を解決するためになされたものであって、その目的は、
本発明者らは前記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、下記のように本発明の各局面に想到した。
<第1の局面>
第1の局面は、
ベース樹脂にフィラーとして酸化チタンの微粒子が添加された樹脂混合物のシリコーン樹脂組成物であって、
ベース樹脂は、珪素原子に結合するアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサンと、珪素原子に結合する水素原子を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンとを含み、白金族金属を含むヒドロシリル化触媒による付加反応により硬化する付加反応硬化型シリコーン樹脂であり、
酸化チタンは、アルミナで表面処理されたルチル型酸化チタンであり、
酸化チタンの平均粒子径は1μm以上であり、
酸化チタンの添加量は、ベース樹脂100重量部に対して酸化チタン70〜130重量部である。
第1の局面では、光反射性、信頼性、生産性がいずれも高く、発光装置の光反射性樹脂層として好適なシリコーン樹脂組成物を提供することができる。
すなわち、発光装置の光反射性樹脂層は発光素子と直接接しており、発光素子が発生する熱や光を直接受けるため、十分な信頼性の確保が必要である。そのため、熱による劣化で着色が起こりにくく、可視光部で光を吸収しないシリコーン樹脂をベース樹脂とするのが好ましい。その中でも、硬化反応で揮発物を発生しないで体積収縮が起こり難く、内部応力の発生の少ない、付加反応硬化型シリコーン樹脂が最適である。
シリコーン樹脂組成物は十分に硬化して物性が発現することが必要であり、そのためには、硬化反応を阻害する因子がない環境が必要であるが、ベース樹脂に添加した酸化チタンの表面処理がアルミナの場合、ヒドロシリル化触媒の活性を抑制せず、硬化反応を阻害せずに硬化して、物性が発現する。
ルチル型酸化チタンは触媒活性が小さいため、ベース樹脂の熱と光による劣化を促進させ難い。
酸化チタンの平均粒子径が1μm未満では酸化チタン間の相互作用が大きく、ベース樹脂中に分散し難く、ベース樹脂と酸化チタンとの樹脂混合物の粘度が増大し、酸化チタンの添加量が多いと樹脂混合物の粘度上昇が特に顕著になる。
樹脂混合物の粘度上昇により流動性が低下し、光反射性樹脂層をポッティング法により形成するのが難しくなり、著しく生産性を阻害するため、酸化チタンを多く添加できない。
酸化チタンの添加量が少ないと、光反射性樹脂層の光透過率が大きくなって光反射率が低下するため、発光装置の色むらが起こりやすい。
酸化チタンの平均粒子径が1μm以上では、多く添加しても粘度上昇が抑えられて流動性が確保できるため、光反射性樹脂層をポッティング法により形成することが可能となり、高い生産性を維持できる。
酸化チタンの添加量が、ベース樹脂100重量部に対して酸化チタン70重量部以下では、光反射性樹脂層の光透過率が大きくなり光反射率が低下するため、発光装置の色むらが起こりやすい。
酸化チタンの添加量が、ベース樹脂100重量部に対して酸化チタン130重量部以上では、樹脂混合物の粘度上昇により流動性が低下し、光反射性樹脂層をポッティング法により形成するのが難しくなり、著しく生産性を阻害する。
そして、酸化チタンの添加量が、ベース樹脂100重量部に対して酸化チタン70〜130重量部であれば、光反射性樹脂層の熱伝導率を高めることが可能であり、発光装置の発光素子および蛍光体板の熱を光反射性樹脂層を介して効率的に放熱できるため、発熱による発光装置の故障を防止して信頼性を向上できる。
<第2の局面>
第2の局面は、
基板の表面上に配設された発光素子と、
蛍光体を含有する透明な蛍光体板と、
発光素子の上面と蛍光体板の下面とを接着固定する透明な接着部材と、
発光素子および蛍光体板の側面外周を被覆する光反射性樹脂層と
を備えた発光装置であって、
光反射性樹脂層は、第1の局面のシリコーン樹脂組成物から成る。
第2の局面では、第1の局面のシリコーン樹脂組成物を光反射性樹脂層として用いることにより、色調が均一で明るく、発光素子および蛍光体板の熱を光反射性樹脂層を介して効率的に放熱することで発熱による故障を防止可能な発光装置を実現することができる。
本発明を具体化した一実施形態の発光装置10を概略構成を示す縦断面図。
以下、本発明を具体化した一実施形態の発光装置(光半導体装置)10について図1を参照しながら説明する。尚、図1では、説明を分かり易くするために、発光装置10の構成部材の寸法形状および配置箇所を誇張して模式的に図示してあり、各構成部材の寸法形状および配置箇所が実物とは必ずしも一致しないことがある。
図1に示すように、本実施形態の発光装置10は、絶縁基板11、LEDチップ12(アノード電極12a、カソード電極12b)、蛍光体板13、接着部材14、枠体15、光反射性樹脂層16、光放射面10aを備える。
絶縁基板(実装基板)11は略平板状であり、例えば、絶縁材料(例えば、窒化アルミニウムなどのセラミックス材料、合成樹脂材料など)のバルク材から成る基板や、金属材料(例えば、アルミニウム合金、純銅、銅系合金など)の表面に絶縁層が設けられた基板などによって形成されている。
複数個(図示例では2個)のLED(Light Emitting Diode)チップ12は、略直方体状の青色LEDであり、絶縁基板11の表面上に僅かな間隙Sを設けて配列されている。
各LEDチップ12はフリップチップ型素子であり、各LEDチップ12の下面側には、アノード電極12aおよびカソード電極12bが形成されている。
各LEDチップ12は、各種接合方法(例えば、ハンダ付け、スタッドバンプ接合、金属微粒子接合、表面活性化接合など)を用い、フリップチップボンディングにより、絶縁基板11の表面上に形成されている配線層(図示略)に対して、各電極12a,12bが電気的に接続されると共に取付固定されることで、絶縁基板11に実装・搭載されている。
各蛍光体板13は、各LEDチップ12の上面より僅かに大きな同一平面形状の平板状であり、蛍光体(例えば、YAG(Yttrium Aluminum Garnet)系など)の微粒子を含有した透明材料(例えば、合成樹脂材料、ガラス材料など)によって形成されており、波長変換部材(波長変換層)として機能する。
各蛍光体板13は、各接着部材14を介して各LEDチップ12上に載置されている。
そして、各蛍光体板13の表面が、発光装置10の光放射面(光放射領域、発光領域、発光部)10aになる。
各接着部材14は、透明な(透光性を有する)熱硬化性の合成樹脂材料(例えば、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂など)の接着剤によって形成されており、各LEDチップ12の上面と各蛍光体板13の下面とを接着固定する。
枠体(ダム材)15は、平面視略矩形枠状(額縁状)であり、蛍光体板13に被覆された各LEDチップ12を囲繞するように、絶縁基板11の表面上に配置形成されている。
尚、枠体15は、光反射性の高い材料(例えば、酸化チタン、酸化アルミニウムなど)の微粒子を含有する白色の合成樹脂材料(例えば、シリコーン樹脂、エポキシ樹脂など)、光反射性のセラミックス材料(例えば、酸化アルミニウムなど)、光反射性の金属材料(例えば、アルミニウム合金など)などによって形成されている。
光反射性樹脂層16は、各LEDチップ12および各蛍光体板13を囲繞する。
そして、光反射性樹脂層16は、各LEDチップ12の側面外周と、各蛍光体板13の側面外周と、各接着部材14の側面外周と、各LEDチップ12から表出した絶縁基板11の表面と、枠体15の内周壁面とに囲繞された空間内に充填され、各LEDチップ12と各蛍光体板13と各接着部材14とを封止すると共に、各LEDチップ12の間隙Sに充填されている。
光反射性樹脂層16は、光反射性の高い材料の微粒子を含有する透明な合成樹脂層であり、ベース樹脂(母材)にフィラーとして光反射性の高い材料である酸化チタンの微粒子が添加された樹脂混合物を、ポッティング(ディスペンス)法を用いて前記空間内に注入して充填した後に、その光反射性樹脂を硬化させることにより形成される。
発光装置10では、各LEDチップ12から放射された一次光(青色光)と、その一次光の一部が各蛍光体板13に含有される蛍光体を励起することにより波長変換された二次光(黄色光)とが混色され、その混色により生成された白色光が、発光装置10の光放射面10aである各蛍光体板13の表面から放射される。
そのため、各LEDチップ12の放射光が、各LEDチップ12の側面から発光装置10の外部へ漏れないように、各LEDチップ12の側面外周が光反射性樹脂層16によって被覆されている。
すなわち、光反射性樹脂層16が無い場合、各LEDチップ12の側面から漏れた光は各蛍光体板13による波長変換を受けていない一次光(青色光)であるため、各蛍光体板13の表面から放射される白色光に対して、各LEDチップ12の側面から漏れた青色光が色むらとなり、発光装置10の色調が均一にならなくなる。
加えて、光反射性樹脂層16が無い場合には、各LEDチップ12の側面から漏れた光の分だけ、発光装置10の明るさが低下することになる。
そこで、各LEDチップ12の側面からの放射光を、各LEDチップ12の側面外周を被覆した光反射性樹脂層16により、各LEDチップ12の内部へ向けて反射させ、その反射光を各蛍光体板13により波長変換させることで、発光装置10の色調を均一にすると共に、発光装置10の明るさを高めている。
次に、光反射性樹脂層16を形成するベース樹脂および酸化チタンについて説明する。
[1]ベース樹脂
光反射性樹脂層16は各LEDチップ12と直接接しており、各LEDチップ12が発生する熱や光を直接受けるため、十分な信頼性の確保が必要である。
そのため、熱による劣化で着色が起こりにくく、可視光部で光を吸収しないシリコーン樹脂をベース樹脂とするのが好ましい。その中でも、硬化反応で揮発物を発生しないで体積収縮が起こり難く、内部応力の発生の少ない、付加反応硬化型シリコーン樹脂が最適である。
すなわち、光反射性樹脂層16のベース樹脂は、珪素原子に結合するアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサンと、珪素原子に結合する水素原子を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンとを含み、白金族金属を含むヒドロシリル化触媒による付加反応により硬化する付加反応硬化型シリコーン樹脂である。
[2]酸化チタンの表面処理
光反射性樹脂層16は十分に硬化して物性が発現することが必要である。
そのためには、硬化反応を阻害する因子がない環境が必要であるが、ベース樹脂に添加した酸化チタンの表面処理がアルミナの場合、ヒドロシリル化触媒の活性を抑制せず、硬化反応を阻害せずに硬化して、物性が発現する。
物性の発現は、光反射性樹脂層16の引張試験による初期の伸びが高いこと、光反射性樹脂層16の耐熱試験後の体積収縮率が小さくなることで確認できる。
光反射性樹脂層16が収縮することで発生する内部応力を小さくしてクラックの発生を抑制でき、発光装置10の信頼性を向上させることができる。
[3]酸化チタンの結晶構造
酸化チタンはルチル型酸化チタンである。ルチル型酸化チタンは触媒活性が小さいため、ベース樹脂の熱と光による劣化を促進させ難い。
[4]酸化チタンの平均粒子径
通常、酸化チタンは0.2〜0.3μmの細かい粒子径である。
酸化チタンの平均粒子径が1μm未満では酸化チタン間の相互作用が大きく、ベース樹脂中に分散し難く、ベース樹脂と酸化チタンとの樹脂混合物の粘度が増大し、酸化チタンの添加量が多いと樹脂混合物の粘度上昇が特に顕著になる。
樹脂混合物の粘度上昇により流動性が低下し、光反射性樹脂層16をポッティング法により形成するのが難しくなり、著しく生産性を阻害するため、酸化チタンを多く添加できない。
酸化チタンの添加量が少ないと、光反射性樹脂層16の光透過率が大きくなって光反射率が低下するため、発光装置10の色むらが起こりやすい。
酸化チタンの平均粒子径が1μm以上では、多く添加しても粘度上昇が抑えられて流動性が確保できるため、光反射性樹脂層16をポッティング法により形成することが可能となり、高い生産性を維持できる。
尚、平均粒子径は、酸化チタンを走査型電子顕微鏡で撮影し、画像処理による粒子径分布から算出した。
[5]酸化チタンの添加量
酸化チタンの平均粒子径が1μm以上では、酸化チタンをベース樹脂に多量に添加することが可能になり、ベース樹脂100重量部に対して酸化チタン70〜130重量部の酸化チタンの添加が可能となる。
酸化チタンの添加量が、ベース樹脂100重量部に対して酸化チタン70重量部以下では、光反射性樹脂層16の光透過率が大きくなり光反射率が低下するため、発光装置10の色むらが起こりやすい。
酸化チタンの添加量が、ベース樹脂100重量部に対して酸化チタン130重量部以上では、樹脂混合物の粘度上昇により流動性が低下し、光反射性樹脂層16をポッティング法により形成するのが難しくなり、著しく生産性を阻害する。
尚、酸化チタンの添加量を、ベース樹脂100重量部に対して酸化チタン70〜130重量部にするのが最適であることは、Guthの関係式によるシミュレーション結果ともほぼ一致する(Guthの関係式は、朝倉書店刊「色材光学ハンドブック ISBN978-4-254-25257-6 C3058」を参照)。
また、酸化チタンの添加量が、ベース樹脂100重量部に対して酸化チタン70〜130重量部であれば、光反射性樹脂層16の熱伝導率を高めることが可能であり、各LEDチップ12および各蛍光体板13の熱を光反射性樹脂層16を介して効率的に放熱できるため、発熱による発光装置10の故障を防止して信頼性を向上できる。
[6]ベース樹脂と酸化チタン混合後にえられた樹脂混合物の硬化物の膨潤度
酸化チタンの表面処理がアルミナの場合、樹脂混合物の硬化反応を阻害せずに十分硬化して、物性が発現する。
樹脂混合物の硬化反応が起こっていることは、樹脂混合物の硬化物を溶剤に浸漬し、溶剤が硬化物の内部に浸透して膨潤する度合いを調べることで判明する。 具体的には樹脂混合物の硬化物をMEK(Methyl Ethyl Ketone)に室温で72時間浸漬した後の膨潤度(架橋度)を比較する。
酸化チタンの表面処理がアルミナの場合、樹脂混合物の膨潤度が18%以下と小さくなるため、光反射性樹脂層16が十分に硬化して物性が発現していることがわかる。
[7]樹脂混合物の粘度
酸化チタンの平均粒子径が1μm以上で、酸化チタンの添加量がベース樹脂100重量部に対して酸化チタン130重量部以上では、樹脂混合物の粘度上昇により流動性が低下し、光反射性樹脂層16をポッティング法により形成するのが難しくなり、著しく生産性を阻害する。
酸化チタンの添加量が、ベース樹脂100重量部に対して酸化チタン130重量部以下では、樹脂混合物が15Pa・s以下の粘度となり、樹脂混合物の粘度上昇がそれほど大きくないため、光反射性樹脂層16をポッティング法により形成することが可能になり、高い生産性を維持できる。
前記[1]〜[7]によれば、光反射率、信頼性、生産性がいずれも高く、発光装置10の光反射性樹脂層16として好適なシリコーン樹脂組成物を提供することができる。
そして、前記[1]〜[7]によるシリコーン樹脂組成物を光反射性樹脂層16として用いることにより、色調が均一で明るく、各LEDチップ12および各蛍光体板13の熱を光反射性樹脂層16を介して効率的に放熱することで発熱による故障を防止可能な発光装置10を実現することができる。
<別の実施形態>
本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、以下のように具体化してもよく、その場合でも、前記実施形態と同等もしくはそれ以上の作用・効果を得ることができる。
[A]前記実施形態では、各LEDチップ12毎に蛍光体板13を個別に設けているが、各LEDチップ12を覆う1個の蛍光体板を設けるようにしてもよい。
[B]LEDチップ12は、どのような半導体発光素子(例えば、EL(Electro Luminescence)素子など)に置き換えてもよい。
[C]枠体15を省き、光反射性樹脂層16のみを設けるようにしてもよい。
本発明は、前記各局面および前記実施形態の説明に何ら限定されるものではない。特許請求の範囲の記載を逸脱せず、当業者が容易に想到できる範囲で種々の変形態様も本発明に含まれる。本明細書の中で明示した公報などの内容は、その全ての内容を援用によって引用することとする。
10…発光装置
11…絶縁基板
12…LEDチップ(発光素子)
13…蛍光体板
14…接着部材
15…枠体
16…光反射性樹脂層

Claims (2)

  1. ベース樹脂にフィラーとして酸化チタンの微粒子が添加された樹脂混合物のシリコーン樹脂組成物であって、
    前記ベース樹脂は、珪素原子に結合するアルケニル基を含有するオルガノポリシロキサンと、珪素原子に結合する水素原子を含有するオルガノハイドロジェンポリシロキサンとを含み、白金族金属を含むヒドロシリル化触媒による付加反応により硬化する付加反応硬化型シリコーン樹脂であり、
    前記酸化チタンは、アルミナで表面処理されたルチル型酸化チタンであり、
    前記酸化チタンの平均粒子径は1μm以上であり、
    前記酸化チタンの添加量は、ベース樹脂100重量部に対して酸化チタン70〜130重量部である、シリコーン樹脂組成物。
  2. 基板の表面上に配設された発光素子と、
    蛍光体を含有する透明な蛍光体板と、
    前記発光素子の上面と前記蛍光体板の下面とを接着固定する透明な接着部材と、
    前記発光素子および前記蛍光体板の側面外周を被覆する光反射性樹脂層と
    を備えた発光装置であって、
    前記光反射性樹脂層は、請求項1に記載のシリコーン樹脂組成物から成る発光装置。
JP2014154589A 2014-07-30 2014-07-30 シリコーン樹脂組成物およびそれを用いた発光装置 Active JP6274434B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014154589A JP6274434B2 (ja) 2014-07-30 2014-07-30 シリコーン樹脂組成物およびそれを用いた発光装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014154589A JP6274434B2 (ja) 2014-07-30 2014-07-30 シリコーン樹脂組成物およびそれを用いた発光装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016032057A true JP2016032057A (ja) 2016-03-07
JP6274434B2 JP6274434B2 (ja) 2018-02-07

Family

ID=55442263

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014154589A Active JP6274434B2 (ja) 2014-07-30 2014-07-30 シリコーン樹脂組成物およびそれを用いた発光装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6274434B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017183578A (ja) * 2016-03-31 2017-10-05 日亜化学工業株式会社 発光装置
US10685939B2 (en) 2018-06-04 2020-06-16 Samsung Electronics Co., Ltd. White light emitting diode module and lighting apparatus
CN115260983A (zh) * 2022-08-01 2022-11-01 旭宇光电(深圳)股份有限公司 Led封装材料、led光源及其封装方法

Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59202241A (ja) * 1983-05-04 1984-11-16 Showa Denko Kk 熱可塑性樹脂組成物
JPH05239352A (ja) * 1992-03-02 1993-09-17 Polyplastics Co 耐光変色性ポリアリーレンサルファイド樹脂組成物
JP2002134529A (ja) * 2000-10-27 2002-05-10 Toshiba Chem Corp 絶縁ペーストおよび光半導体装置
JP2006341628A (ja) * 2005-06-07 2006-12-21 Tayca Corp 直射光による温度上昇が起こりにくい自動車(密閉室内)用内装品及びこれらを用いた自動車の室内温度上昇抑制方法
JP2010238785A (ja) * 2009-03-30 2010-10-21 Taiyo Ink Mfg Ltd 穴埋め用樹脂組成物及びこの樹脂組成物を充填したプリント配線板
JP2012099544A (ja) * 2010-10-29 2012-05-24 Nichia Chem Ind Ltd 発光装置の製造方法
JP2012214740A (ja) * 2011-03-25 2012-11-08 Nippon Sheet Glass Co Ltd 塗膜及び樹脂組成物
JP2012219168A (ja) * 2011-04-07 2012-11-12 Teijin Dupont Films Japan Ltd 熱遮蔽用フィルム
WO2013026778A1 (en) * 2011-08-19 2013-02-28 Solvay Specialty Polymers Usa, Llc Polyamide composition and article manufactured therefrom
JP2013221075A (ja) * 2012-04-16 2013-10-28 Shin-Etsu Chemical Co Ltd Ledのリフレクター用熱硬化性シリコーン樹脂組成物並びにこれを用いたled用リフレクター及び光半導体装置

Patent Citations (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS59202241A (ja) * 1983-05-04 1984-11-16 Showa Denko Kk 熱可塑性樹脂組成物
JPH05239352A (ja) * 1992-03-02 1993-09-17 Polyplastics Co 耐光変色性ポリアリーレンサルファイド樹脂組成物
JP2002134529A (ja) * 2000-10-27 2002-05-10 Toshiba Chem Corp 絶縁ペーストおよび光半導体装置
JP2006341628A (ja) * 2005-06-07 2006-12-21 Tayca Corp 直射光による温度上昇が起こりにくい自動車(密閉室内)用内装品及びこれらを用いた自動車の室内温度上昇抑制方法
JP2010238785A (ja) * 2009-03-30 2010-10-21 Taiyo Ink Mfg Ltd 穴埋め用樹脂組成物及びこの樹脂組成物を充填したプリント配線板
JP2012099544A (ja) * 2010-10-29 2012-05-24 Nichia Chem Ind Ltd 発光装置の製造方法
JP2012214740A (ja) * 2011-03-25 2012-11-08 Nippon Sheet Glass Co Ltd 塗膜及び樹脂組成物
JP2012219168A (ja) * 2011-04-07 2012-11-12 Teijin Dupont Films Japan Ltd 熱遮蔽用フィルム
WO2013026778A1 (en) * 2011-08-19 2013-02-28 Solvay Specialty Polymers Usa, Llc Polyamide composition and article manufactured therefrom
JP2013221075A (ja) * 2012-04-16 2013-10-28 Shin-Etsu Chemical Co Ltd Ledのリフレクター用熱硬化性シリコーン樹脂組成物並びにこれを用いたled用リフレクター及び光半導体装置

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017183578A (ja) * 2016-03-31 2017-10-05 日亜化学工業株式会社 発光装置
US10593847B2 (en) 2016-03-31 2020-03-17 Nichia Corporation Light emitting device
US10685939B2 (en) 2018-06-04 2020-06-16 Samsung Electronics Co., Ltd. White light emitting diode module and lighting apparatus
CN115260983A (zh) * 2022-08-01 2022-11-01 旭宇光电(深圳)股份有限公司 Led封装材料、led光源及其封装方法
CN115260983B (zh) * 2022-08-01 2024-04-05 旭宇光电(深圳)股份有限公司 Led封装材料、led光源及其封装方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP6274434B2 (ja) 2018-02-07

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100880638B1 (ko) 발광 소자 패키지
JP6966691B2 (ja) 発光装置及び発光装置の製造方法
JP5733743B2 (ja) 光半導体装置
TW201301584A (zh) 發光裝置及其製造方法
US11316088B2 (en) Reflective and heat-insulating QLED package device and method for packaging the same as well as luminaire
TWI648878B (zh) Led發光源、led發光源之製造方法及其直下式顯示器
JP6361645B2 (ja) 発光装置
US11043615B2 (en) Light-emitting device having a dielectric multilayer film arranged on the side surface of the light-emitting element
US20150021640A1 (en) Light-emitting device
JP6493348B2 (ja) 発光装置
CN105280801A (zh) 发光模块
JP6079544B2 (ja) 発光装置および発光装置の製造方法
CN105810793A (zh) 发光元件封装结构及其制造方法
JP2014183192A (ja) 偏光led及びそれを用いた表示装置
JP5073972B2 (ja) 発光ダイオードパッケージ
JP6274434B2 (ja) シリコーン樹脂組成物およびそれを用いた発光装置
JP2017507492A (ja) オプトエレクトロニクス部品
WO2014083714A1 (ja) 実装基板及びこの実装基板を用いた発光装置
CN111585165B (zh) 发光装置的制造方法、发光装置、或基部
JP5738541B2 (ja) 光半導体装置
JP2007067000A (ja) 発光ダイオードモジュール
KR101300138B1 (ko) 발광칩 패키지
JP6172455B2 (ja) 発光装置
KR20190051205A (ko) 엘이디 패키지
JP6536325B2 (ja) 発光装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160823

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20170512

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20170523

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20171213

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20171226

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6274434

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150