JP2016031772A - 熱アシスト磁気ヘッド素子の検査方法及びその装置 - Google Patents

熱アシスト磁気ヘッド素子の検査方法及びその装置 Download PDF

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Abstract

【課題】熱アシスト磁気ヘッド素子が発生する近接場光と漏れ光とを高感度に検出できるようにして、近接場光発生領域の空間強度分布をより正確に求めることを可能にする。【解決手段】熱アシスト磁気ヘッド素子の検査装置において、熱アシスト磁気ヘッド素子が発生した近接場光の測定を行う際、試料表面に対して、カンチレバーと試料の表面との距離とカンチレバー加振振幅を小さくして、他の光成分の影響を抑えて近接場光を高感度検出することと、熱アシスト磁気ヘッド素子が発生した近接場光の周辺にある近接場光励起光の漏れ光のような他の光成分の測定を行う際、試料表面に対してカンチレバーと試料の表面との距離とカンチレバー加振振幅を大きくして、近接場光の検出量を抑えて近接場光周辺にある他の光成分を高感度検出するようにし、これらの高感度検出情報から近接場光発生領域の空間強度分布をより正確に求めるようにした。【選択図】図4A

Description

本発明は、走査プローブ顕微鏡を用いて微小熱源を測定して熱アシスト磁気ヘッド素子の熱アシスト光発光部と磁界発生部を検査する熱アシスト磁気ヘッド素子の検査方法及びその装置に関する。
次世代ハードディスク用の磁気ヘッドとして、特許文献1及び特許文献2、特許文献3などに記載されているような熱アシスト磁気ヘッド素子が検討されている。熱アシスト磁気ヘッド素子から発生する熱アシスト光即ち近接場光は数十ナノメートル(nm)以下の幅の範囲にあり、この光スポットの空間分布と熱源としてもつエネルギー密度または絶対温度はハードディスクの書き込みトラック幅を決める。実際熱アシスト磁気ヘッド素子が動作する際、近接場光スポットの空間強度分布などの情報に対する検査方法は未解決の重要な課題である。
一方、熱アシスト磁気ヘッド素子の近接場光スポットのような微小な発光エリアに対して、走査プローブ顕微鏡(Scan Probe Microscope: SPM)検査技術に基づいて,測定する技術が特許文献4及び非特許文献1に開示されている。
特開2010−182394号公報 特開2011−86362号公報 特開2011−113595号公報 特開2009−230845号公報
Phys. Rev. Lett. 85, 3029
特許文献1乃至3には、熱アシスト磁気ヘッド素子の構造について開示されているが、熱アシスト磁気ヘッド素子を検査する方法については開示されていない。
一方、熱アシスト磁気ヘッド素子の近接場光スポットのような微小な発光エリアの検査に関する特許文献4に開示されている方法では、近接場光及び近接場光の励起光などの近接場光の周囲にある他の光成分を同一測定条件で検出を行っているため、近接場光と他の光成分を分離して、それぞれを測定することができない。
非特許文献1には、高調波検出技術を用いて、近接場光を他の光成分と区別して検出することが開示されているが、2倍波以上の検出感度が著しく低下する課題がある。また、高調波検出において、プローブ顕微鏡技術を用いた場合、カンチレバーの振動状態と検出感度との関係については記載されていない。
本発明は、従来技術では解決されていない近接場光及び近接場光の励起光などの近接場光の周囲の光成分を両方測定可能にする技術を提供し、従来技術の近接場光の検出感度が低いという課題を解決するものである。さらに、プローブ顕微鏡技術を用いた場合、カンチレバーの振動状態と検出感度との関係を評価した結果に基づき、近接場光、及び近接場光の励起光などの近接場光の周囲の光成分を感度よく検出して、近接場光発生領域の空間強度分布をより正確に求めることが可能な、熱アシスト磁気ヘッド素子の検査方法及びその装置を提供するものである。
上記課題を解決するために、本発明では、熱アシスト磁気ヘッド素子の検査装置を、試料である磁界発生部と近接場光発光部とを備えた熱アシスト磁気ヘッド素子を載置して平面内で移動可能なテーブル部と、表面に磁性膜と貴金属膜が形成された探針を有してテーブル部に載置された試料の表面を走査するカンチレバーと、このカンチレバーの探針と試料の表面との距離を調整する探針高さ調整部と、カンチレバーを試料の表面に対して上下方向に所定の周期と振幅で振動させる振動駆動部と、熱アシスト磁気ヘッド素子の磁界発生部から磁界を発生させる信号と近接場光発光部から近接場光を発生させるための信号とを出力する信号出力部と、この信号出力部から出力された信号により熱アシスト磁気ヘッド素子の磁界発生部から磁界を発生させた状態で振動駆動部によりカンチレバーを振動させながらテーブル部で熱アシスト磁気ヘッド素子を平面内で移動させたときにカンチレバーの探針が形成されている側と反対側の面に光を照射してカンチレバーからの反射光を検出することによりカンチレバーの振動を検出する変位検出部と、信号出力部から出力された信号により熱アシスト磁気ヘッド素子の近接場光発光部から発生した近接場光及び漏れ光によりカンチレバーの探針の表面から発生した散乱光を検出する散乱光検出部と、振動駆動部でカンチレバーを所定の周期で振動させる周波数信号、またはこの周波数信号の整数倍の信号をリファレンス信号として入力して散乱光検出部で散乱光を検出して得た検出信号から近接場光の散乱光成分と漏れ光の散乱光成分とを抽出するロックインアンプと、このロックインアンプで抽出した近接場光の散乱光成分と漏れ光の散乱光成分とから熱アシスト磁気ヘッド素子の近接場光の発生領域を求める信号処理部とを有するとともに、テーブル部と探針高さ調整部と振動駆動部と信号出力部と変位検出部と散乱光検出部とを制御する制御部とを備えて構成した。
また、上記課題を解決するために、本発明では、熱アシスト磁気ヘッド素子の検査方法を、試料である磁界発生部と近接場光発光部とを備えた熱アシスト磁気ヘッド素子をテーブルに載置して熱アシスト磁気ヘッド素子の磁界発生部から書込み磁界を発生させた状態でテーブルを平面内で移動させて、表面に磁性膜と貴金属膜が形成された探針を有するカンチレバーの振動を検出して熱アシスト磁気ヘッド素子の書込み磁界発生領域を求め、熱アシスト磁気ヘッド素子の近接場光発光部から近接場光を発生させた状態でカンチレバーの探針の近接場光発光部からの高さと探針の振動の振幅とを近接場光発光部から発生させた近接場光を測定するための条件に設定して探針で近接場光を発生させた領域を含む領域を走査して探針からの反射散乱光を検出し、探針からの反射散乱光を検出して得た信号を、探針を所定の周期で振動させる周波数信号、またはこの周波数信号の整数倍の信号をリファレンス信号として入力しているロックインアンプに入力して散乱光を検出して得た検出信号から近接場光の散乱光成分と漏れ光の散乱光成分とを抽出し、熱アシスト磁気ヘッド素子の近接場光発光部から近接場光を発生させた状態でカンチレバーの探針の近接場光発光部からの高さと探針の振動の振幅とを近接場光が発生している領域よりも高い領域を測定するための条件に設定して探針で近接場光が発生している領域よりも高い領域を走査して探針からの反射散乱光を検出し、この探針からの反射散乱光を検出して得た信号を、探針を所定の周期で振動させる周波数信号、またはこの周波数信号の整数倍の信号をリファレンス信号として入力しているロックインアンプに入力して散乱光を検出して得た検出信号から近接場光が発生している領域よりも高い領域における漏れ光の散乱光成分を抽出し、抽出した近接場光が発生している領域における近接場光の散乱光成分と漏れ光の散乱光成分の情報と近接場光が発生している領域よりも高い領域における漏れ光の散乱光成分の情報とから熱アシスト磁気ヘッド素子の近接場光の発生領域を求めるようにした。
本発明によれば、熱アシスト磁気ヘッド素子が発生した近接場光及び近接場光の励起光などの近接場光の周囲の光成分を両方高感度測定することができるようになり、近接場光の発生領域をより正確に求めることができるようになった。
また、本発明によれば、製造工程途中のできるだけ早い段階で熱アシスト磁気ヘッド素
子が発生する書込み磁界、熱アシスト光(近接場光)の強度分布、近接場光の励起光の空間分布、または磁界発生部、近接場光発光部の表面形状、及び近接場光発光部と書込み磁界発生部との位置関係、近接場光の励起光の照射位置などの検査を非破壊で行うことができるようになった。
本発明に係る熱アシスト磁気ヘッド素子から発生する近接場光の発光面と垂直方向での強度分布を示すグラフである。 カンチレバーの加振振幅が小さい場合に検出される伝搬光光量の関係を示す図である。 カンチレバーの加振振幅が大きい場合に検出される伝搬光光量の関係を示す図である。 近接場光発生領域とカンチレバーの加振振幅との関係を示す図で、カンチレバーの加振振幅が大きい場合の近接場光発光部とカンチレバーの先端の探針との正面図である。 近接場光発生領域とカンチレバーの加振振幅との関係を示す図で、カンチレバーの加振振幅が小さい場合の近接場光発光部とカンチレバーの先端の探針との正面図である。 本発明の実施例1に係る熱アシスト磁気ヘッド素子検査装置の概略の構成を示すブロック図である。 本発明の実施例1に係る熱アシスト磁気ヘッド素子検査装置のロックインアンプ制御部PCの概略の構成を示すブロック図である。 本発明の実施例1に係る検査装置の検出原理を説明する図で、測定対象が近接場光である場合、AFMモードで試料表面に沿ってスキャン、またはカンチレバーと試料の表面との距離を10nm以下にしてスキャンを行いながら、カンチレバーの振動振幅を10nm程度以下して、計測している状態を示すカンチレバーと熱アシスト磁気ヘッド素子、及び検出系の側面図である。 本発明の実施例1に係る検査方法及び装置の検出原理を説明する図で、測定対象が近接場光励起光の漏れ光である場合、カンチレバーと試料の表面との距離を100〜150nm以上にして、カンチレバー加振振幅を50〜100nm程度に設定して、計測している状態を示すカンチレバーと熱アシスト磁気ヘッド素子、及び検出系の側面図である。 本発明の実施例1に係る処理の流れを示すフロー図である。 本発明の実施例2に係る検査装置の検出原理を説明する図で、測定対象が近接場光励起光の漏れ光と書き込み磁界の両方である場合、カンチレバーと試料の表面との距離を50nm以下にして、カンチレバー加振振幅を50〜100nm程度に設定して、計測している状態を示すカンチレバーと熱アシスト磁気ヘッド素子の側面図である。 本発明の実施例2に係る処理の流れを示すフロー図である。 本発明の実施例3に係るカンチレバーが同一測定エリアに対して、左右方向の繰り返しスキャンを実施可能であることを示す平面図である。 本発明の実施例3に係るカンチレバーが同一測定エリアに対して、上下方向の繰り返しスキャンを実施可能であることを示す平面図である。 本発明の実施例3に係る処理の流れを示すフロー図である。
本発明では、熱アシスト磁気ヘッド素子の検査装置において、カンチレバーと試料の表面との距離を変化させる手段と試料表面に対してカンチレバーの上下方向の振動振幅を変化させる手段を用いて、近接場光及び近接場光に励起されて発生する励起光などの近接場光の周囲の光成分を両方とも高感度に測定し、熱アシスト磁気ヘッド素子を検査するものである。
すなわち、本発明においては、探針先端に磁性膜と貴金属膜を付加したカンチレバーを用いて、まず試料表面の近接場光発生領域を含む領域を走査することを探針先端と試料表面との間隔を変化させて繰り返し行うことにより、試料表面の垂直方向の近接場光空間分布を測定する。
次に、このカンチレバーを用いて、熱アシスト磁気ヘッド素子が発生した近接場光の測定を行う際、試料表面に対して、先に測定した垂直方向の近接場光空間分布を参考にして、カンチレバーと試料の表面との距離とカンチレバー加振振幅とを小さくして、他の光成分の影響を抑えて、近接場光のみを高感度検出することと、熱アシスト磁気ヘッド素子が発生した近接場光の周辺にある近接場光励起光の漏れ光のような近接場光以外の光成分の測定を行う際、試料表面に対して、垂直方向の近接場光空間分布を参考にして、カンチレバーと試料の表面との距離を大きくし、かつ、カンチレバーの加振振幅を大きくして、近接場光を検出しないようにして、近接場光周辺にある近接場光以外の光成分を高感度検出することを特徴としている。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一の部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。本発明の要旨を超えない限り、本発明は以下説明する実施例及び図面に限定されるものではない。
まず、図1及び図2、図3により、本発明の原理について説明する。
本発明の予備実験として、試料である熱アシスト磁気ヘッド素子の発光表面及びその近傍をカンチレバーの探針で走査することを、探針と熱アシスト磁気ヘッド素子の発光表面間の距離を変えて繰り返し実行することにより、熱アシスト磁気ヘッド素子から発生する近接場光の発光面と発光表面に対する垂直方向での強度分布を測定した。
測定結果を図1に示す。図1に示した結果より、探針が熱アシスト磁気ヘッド素子の表面の発光面から20nm以上離れると,近接場光の量が急激に減少し,150nm以上離れたところでは,近接場光を検出できないことを確認した。
本発明は、熱アシスト磁気ヘッド素子から発生した近接場光と、この近接場光の周辺に発生する近接場光励起光の漏れ光のような近接場光とは異なる光成分(以下、漏れ光と記す)を、走査プローブ顕微鏡(Scan Probe Microscope: SPM)を用いて検査するものである。走査プローブ顕微鏡では、カンチレバーを振動させて先端部分の探針を熱アシスト磁気ヘッド素子の表面の近接場光発生領域の近傍で上下に振動させる。
探針をこのように振動させることにより、検出器は、探針が近接場光発生領域内に入った時に探針から発生する散乱光成分と、探針が近接場光発生領域外に出たときに漏れ光により探針から発生する散乱光成分とをそれぞれ検出する。検出器でそれらの散乱光を高S/Nで検出するために、検出した光信号をカンチレバーの加振周波数信号、または加振周波数の整数倍の信号をリファレンス信号として入力しているロックインアンプによって、フィルタリングするようにした。
検出器で探針からの散乱光を検出して得られた検出信号中の伝搬光の成分は、探針から反射・散乱した光のカンチレバーの振動に依存する成分である。カンチレバーの加振振幅の大きさと検出された伝搬光の光量の関係は図2A及び図2Bで説明されている。すなわち、図2Aはカンチレバー1の振動振幅が小さい場合で,探針3からの反射光(散乱光)を図示していない検出器で検出した検出信号251の変化が小さく、ロックインアンプを用いて検出可能な反射光量も比較的少ない。
これに対して,図2Bはカンチレバー1の振動振幅が大きい場合であって,探針3からの反射光(散乱光) を図示していない検出器で検出した検出信号252の変化が大きく,ロックインアンプを用いて検出可能な反射光量が比較的多い。
また、図1で示した実験で確認したように,熱アシスト磁気ヘッド素子から発生した近接場光は発光面から20nmのところまで強く存在し,それ以上発光面から離れると,強度が急に減衰する。これは,図3Aに示すように,探針3の振動振幅が比較的大きい場合,探針3の一周期の振動において,探針3が下にある時しか近接場光発光領域203と接触しないため,検出器で検出する近接場光の検出信号量が小さいのに対して,図3Bに示すように、探針3の振動振幅が小さくなると,探針3と近接場光発光領域203との接触時間が増えてくるため,図示していない検出器で検出する近接場光の検出信号量が増加するためと考えられる。その結果,近接場光発光領域203の測定感度も向上できると考えられる。
そのため,熱アシスト磁気ヘッド素子が発生した近接場光を測定する際、カンチレバー1の先端部の探針3と試料200の表面との距離を10nm以下にして、さらにカンチレバー1の加振振幅を10nm以下に小さく設定することにより、近接場光とは異なる光成分の影響を抑えて、近接場光を高感度検出することが実現できる。また、熱アシスト磁気ヘッド素子から発生した漏れ光を測定する際、原理的にカンチレバーと試料の表面との距離を20nm以上に設定すると、近接場光の検出量は抑えられる。
しかし、熱アシスト磁気ヘッド素子には個体差があると考えられるので、カンチレバーと試料の表面との距離を100nm以上にして、カンチレバー加振振幅をできるだけ大きく設定するようにした。これにより、近接場光の検出量を抑えて、近接場光周辺にある他の光成分を高感度検出することが実現できる。
上記した知見に基づく、実施例1に係る熱アシスト磁気ヘッド素子測定装置の基本的な構成を図4Aに示す。
図4Aに示した熱アシスト磁気ヘッド素子の検査装置100は、熱アシスト磁気ヘッド素子の製造工程において、多数の薄膜熱アシスト磁気ヘッド素子が形成されたウェハを加工してスライダ単体(薄膜磁気ヘッドチップ)を切り出す前の工程のローバー40(複数のヘッドスライダが配列されたブロック)の状態で熱アシスト磁気ヘッド素子の発生する近接場光の強度分布を測定することが可能なものである。通常、多数の薄膜磁気ヘッド素子が形成されたウエハから3cm〜10cm程度の細長いブロック体として切り出されたローバー40は、40個〜90個程度のヘッドスライダ(薄膜磁気ヘッド素子)が配列された構成となっている。
本実施例に係る熱アシスト磁気ヘッド素子の検査装置100は、走査型プローブ顕微鏡をベースとしている。熱アシスト磁気ヘッド素子の検査装置100は、検査ステージ101、検査ステージ101に搭載されたXステージ106、Yステージ105、Zステージ104、Yステージ上にあってローバー40を載置する載置部114、カンチレバー1を振動させる加振部122、Xステージ106とYステージ105とZステージ104と加振部122とを図示していないピエゾ素子で駆動させるピエゾドライバ107、ピエゾドライバに高周波信号を送る発信機102、検査ステージ101に固定されてカンチレバー1と載置部114に載置されたローバー40を撮像するカメラ103、カンチレバー1にレーザビームを照射する半導体レーザ素子109、カンチレバー1で反射したレーザビームを検出する変位センサ110、変位センサ110の出力信号を増幅する差動アンプ111、差動アンプ111の出力信号をA/D変換するDCコンバータ112、DCコンバータ112の出力信号を受けてフィードバック信号を生成するフィードバックコントローラ113、探針3で反射散乱した光を検出する検出器130、ロックインアンプ31を内蔵して全体を制御する制御部PC30を備えて構成されている。
ローバー40は、その長軸方向の片側面がYステージ105の上面に設けられているローバー40の位置決め用の載置部114の基準面(Yステージ105に形成された段差面)に一旦突き当てられることによってY方向に位置決めされる。
Yステージ105の上方にはローバー40の位置ずれ量測定用のカメラ103が設けられている。Zステージ104は測定ステージ101に取り付けられた柱1011に固定されており、カンチレバー1をZ方向に移動させるものである。測定ステージ101のXステージ106、Yステージ105、Zステージ104は、それぞれ図示していないピエゾ素子で駆動されるピエゾステージで構成されている。
ローバー40の所定の位置決めが終了すると、ローバー40に対して、制御部PC30から書込み磁界を発生するための励磁信号を供給し、ローバー40は、載置部114に磁気ヘッド素子の書込み磁界発生部402から磁界発生可能な状態で、Yステージ105に設けた図示していない吸着手段により吸着保持される。
ピエゾドライバ107は、この測定ステージ101のXステージ106、Yステージ105、Zステージ104をそれぞれ駆動するピエゾ素子(図示せず)を駆動制御するものである。制御部PC30は、パーソナルコンピュータ(PC)を基本構成とする制御用コンピュータとロックインアンプで構成されている。図に示すように、測定ステージ101のYステージ105上に載置されたローバー40の上方の対向する位置には、近接場光と磁界との両方を測定できるカンチレバー1が配置されている。
カンチレバー1は、その先端部分付近に図2Aに示したような探針3が形成されており、Zステージ104の下側に設けられた加振部122に取り付けられている。加振部122はピエゾ素子で構成され、ピエゾドライバ107からの励振電圧によって機械的共振周波数近傍の周波数の交流電圧が印加され、カンチレバー1の先端部の探針3は上下方向(Z方向)に振動される。
カンチレバー1の探針3のZ方向の振動は、半導体レーザ素子109と、4分割光ディテクタ素子からなる変位センサ110とを備えて構成される変位検出部120により検出される。この変位検出部120においては、半導体レーザ素子109から出射したレーザがカンチレバー1の探針3が形成されている面と反対側の面に照射され、カンチレバー1で反射したレーザは変位センサ110に入射する。
変位センサ110は、受光面が4つの領域に分割された4分割センサであり、変位センサ110の分割されたそれぞれの受光面に入射したレーザはそれぞれ光電変換されて4つの電気信号として出力される。ここで、変位センサ110は、カンチレバー1が加振部122により振動が加えられていない状態、即ち静止した状態で半導体レーザ素子109からレーザが照射されたときに、カンチレバー1からの反射光が4つに分割された受光面のそれぞれに等しく入射するような位置に設置されている。
差動アンプ111は、変位センサ110から出力される4つの電気信号の差分信号に所定の演算処理を施してDCコンバータ112に出力する。すなわち、差動アンプ111は、変位センサ110から出力される4つの電気信号間の差分に対応した変位信号をDCコンバータ112に出力する。従って、カンチレバー1が加振部122により加振されていない状態では、差動アンプ111からの出力はゼロになる。DCコンバータ112は、差動アンプ111から出力される変位信号を実効値の直流信号に変換するRMS−DCコンバータ(Root Mean Squared value to Direct Current converter)で構成される。
差動アンプ111から出力される変位信号は、カンチレバー1の変位に応じた信号であり、カンチレバー1は振動しているので交流信号となる。DCコンバータ112から出力される信号は、フィードバックコントローラ113に出力される。
フィードバックコントローラ113は、カンチレバー1の現在の振動の大きさをモニタするための信号として制御部PC30にDCコンバータ112から出力される信号を出力すると共に、カンチレバー1の励振の大きさを調整するためのZステージ104の制御用信号として制御部PC30を通じて、ピエゾドライバ107にDCコンバータ112から出力される信号を出力する。この信号を制御部PC30でモニタし、その値に応じて、ピエゾドライバ107によりZステージ104を駆動するピエゾ素子(図示せず)を制御することによって、測定開始前に、カンチレバー1の初期位置を調整するようにしている。
磁気力顕微鏡(Magnetic Force Microscope: MFM)モードで測定を行う際、まずカンチレバー1は、ローバー40に形成された磁気ヘッド素子部の表面から、ヘッド浮上高さHf(振動する探針の先端部分の最下位置と試料表面との距離)に相当する高さにカンチレバー1の磁性膜と貴金属膜を形成した探針3の先端部が位置するように、Zステージ104によって位置決めされる。このヘッド浮上高さHfは、高速に回転する磁気ディスク(図示せず)上に磁気ヘッドを配置したときに磁気ディスクの表面に対して浮上する磁気ヘッドの高さに相当する。
カンチレバー1は、ローバー40のヘッドの書込み磁界403(図8参照)が発生する面に平行する平面を数〜数十μm四方の範囲内で、加振部122で駆動されて所定の周波数で振動しながらスキャンされる。この実施の形態では、MFMモードで熱アシスト磁気ヘッド素子の書き込み用磁界403の測定を行う際、基本的にハードディスクドライブのヘッド浮上高さ〜50nmまでの高さをカンチレバー1の走査高さとして設定する。
走査型近接場光顕微鏡(Scanning Near−field Optical Microscope:SNOM)モードで熱アシスト磁気ヘッド素子の近接場光と漏れ光の測定を行う際、カンチレバー1の走査高さ(振動する探針の先端部分の最下位置と試料表面との距離)を0〜150nmまでの高さを設定する。
また、カンチレバーの振動状態をコントロールするために、発信機102から、カンチレバー1を励振するための発振信号をピエゾドライバ107に供給する。ピエゾドライバ107は、この発信機102からの発振信号に基づいて加振部122を駆動してカンチレバー1を所定の周波数で振動させ、測定目的によって、加振部122がカンチレバーの前記所定周波数での振動振幅を変化させられるようにしている。
また、光電子増倍管(Photomultiplier Tube:PMT)またはフォトダイオード(Photodiode:PD)を備えて構成される検出器130により検出した光信号は、図4Bに示すような制御部30にあるロックインアンプ31に転送される。ロックインアンプ31には、ピエゾドライバ107により駆動されるカンチレバー1の振動周波数信号、または振動周波数の整数倍の信号がリファレンス信号として入力される。
このようなリファレンス信号が入力されたロックインアンプ31により、検出器130で検出した光信号から、近接場光203の発生領域内で探針3から発生する近接場光203の反射散乱光301の成分、及び、近接場光203の発生領域から離れた領域で探針3で反射散乱した漏れ光204のカンチレバー1の周期振動と関係する光成分が抽出され、この抽出された信号は信号処理部32で処理されて近接場光203の発生領域が検出される。
図5及び図6により、本発明の実施例1に係る熱アシスト磁気ヘッド素子の熱アシスト光(近接場光)を測定するためカンチレバー1と熱アシスト磁気ヘッド素子との位置関係及び、カンチレバー1の所定周波数での振動振幅の設定を説明する。なお、図5及び図6には、説明を簡単にするために、書き込み磁界発生部402(図8参照)の表示を省略している。
図5に示すように、熱アシスト磁気ヘッド素子の熱アシスト光(近接場光)発光部200においては、開口部201から近接場光203を発生させるために、開口部201の近接場光203を発生させる側と反対の側から近接場光203の励起光202を照射している。熱アシスト磁気ヘッド素子の近接場光発光部200の構造上、開口部201の近傍には、励起光202が近接場光発光部200を透過することにより発生する漏れ光204が存在する。この漏れ光204は、近接場光203の発光領域を含む比較的広い領域に発生する。
近接場光203の発生領域をより正確に把握するためには、検出器130で検出する近接場光203による探針3からの散乱光301の検出信号と、漏れ光204のような、近接場光203とは異なる他の光成分による探針3からの散乱光302の検出信号とを分離できればよい。
しかし、実際には、検出器130で近接場光203による探針3からの散乱光301を検出するときに、図5に示すように、探針3が完全に近接場光203の発生領域に入りきらず、一部は近接場光203の発生領域から外れているので、探針3からは漏れ光204による散乱光302も同時に発生する。
これにより、検出器130ではそれらを一緒に検出するために、近接場光203だけを検出しようとするときに、近接場光203とは異なる漏れ光204による散乱光302の検出信号はノイズ成分となり、近接場光203の発生領域を正確に求めようとするときに障害となる。
この2種の光成分(近接場光203による探針3からの反射散乱光301、及び漏れ光204による探針3からの反射散乱光302)をそれぞれ検出するために、探針3で、まず近接場光203を測定するとき、図5に実線で示すように、探針3の先端と、近接場光発光部200の発光表面との距離(または原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscope:AFM)モードのように探針3を試料表面に沿ってスキャンするときの発光表面からの高さ)が10nm以下になるようにZステージ104でカンチレバー1の高さを調整する。この状態で、ピエゾドライバ107でカンチレバー1の振動振幅を10nm以下に設定して、ピエゾドライバ107でXステージ106及びYステージ105を駆動して探針3を試料表面に沿って振動させながらスキャンする。
このとき、近接場光203が発生している領域内で探針3に近接場光203が照射されることにより、探針3から散乱光301が発生する。このとき同時に、探針3からは、漏れ光204による散乱光302も発生している。検出器130は、探針3で発生した近接場光203による散乱光301と漏れ光204による散乱光302とを一緒に検出し、検出信号401をロックインアンプ31に出力する。このとき、ピエゾドライバ107から発信されるカンチレバー1の駆動信号の周波数の2〜7までの整数倍の周波数の信号をリファレンス信号としてロックインアンプ31に入力する。
このリファレンス信号を入力したロックインアンプ31で高調波検出して前記検出信号を処理することによって、最終の検出信号は近接場光203が照射されたときに探針3から発生した散乱光301による信号と漏れ光204が照射されたときに探針3から発生した散乱光302による信号とが重畳された信号になる。
また、カンチレバー1の振動振幅を、AFMモードにおける通常振幅の約40nm程度よりも小さい10nm程度にすることによって、探針3の先端部分の近接場光発光部200の発光表面からの距離が最大でも20nm以下になる。
これにより、近接場光203の発生領域と探針3の振動領域の関係を、図3Bで説明したような状態にして近接場光検出強度を大きくすることができる。その結果、従来高調波検出において課題であった検出信号強度が小さいという課題も解決することができる。
次に、図6に示すように、熱アシスト磁気ヘッド素子が発生した近接場光203の周辺の漏れ光204を測定する際には、カンチレバー1と近接場光発光部200の表面との距離を100〜150nm以上にして、カンチレバー1の加振振幅を50〜100nm程度に設定する。このとき、探針3は近接場光203の発光領域(近接場光発光部200の表面から約20nmの高さまでの領域)には入らないため、探針3からは近接場光203による散乱光301が発生せず、漏れ光204だけが探針3に照射され、探針3からは漏れ光204による散乱光302が発生する。
検出器130は探針3からの散乱光302を検出し、検出信号401を出力する。この検出信号401をカンチレバー1を振動駆動する所定周波数の信号をリファレンス信号として入力しているロックインアンプ31に入力して処理することによって、最終の検出信号は探針3から反射した光のカンチレバー1の振動に依存する成分になり、図2Aと図2Bとを用いて説明したように、検出した伝搬光の信号はカンチレバー1の振動振幅を増大させることにより、高感度に検出することができるようになる。
図7に、本実施例による熱アシスト磁気ヘッド素子の検査方法の処理の流れを示す。
まず、ピエゾドライバ107でXステージ106とYステージ105を駆動して、探針3を熱アシスト磁気ヘッド素子の磁界発生部の上面の測定位置にアプローチさせる(S701)。次に、ピエゾドライバ107でZステージ104を制御して、カンチレバー1の探針3の先端と熱アシスト磁気ヘッド素子の近接場光発光部200を含む表面との間隔がヘッド浮上高さHfに相当する高さになるようにセットする(S702)。
次に、熱アシスト磁気ヘッド素子の書き込み磁界発生部402(図8参照)から書き込み磁界403(図8参照)を発生させてMFMモードでこの書き込み磁界発生領域を検出する(S703)。すなわち、図示していない手段でローバー40の熱アシスト磁気ヘッド素子に書き込み磁界403を発生させた状態で、ピエゾドライバ107で加振部122を駆動してカンチレバー1を加振するとともに、ピエゾドライバ107でXステージ106とYステージ105を駆動して、探針3で熱アシスト磁気ヘッド素子の近接場光発光部200を含む表面の2〜5μm四方の領域を走査し、この時のカンチレバー1の振幅の変化を半導体レーザ109から発射されてカンチレバー1で反射されたレーザを変位センサ110で検出する。
次に、変位センサ110からの検出信号を作動アンプ111に入力して変位センサ110からの検出信号の差信号を取ることにより、カンチレバー1の振幅の変化から熱アシスト磁気ヘッド素子の書き込み磁界発生領域を求める(S704)。
次に、この求めた磁界発生領域の位置情報から、設計データを参照して熱アシスト磁気ヘッド素子の近接場光発光部200の位置を推定し(S705)、熱アシスト磁気ヘッド素子に書き込み磁界403の発生を停止した状態で、ピエゾドライバ107でXステージ106とYステージ105を制御して、推定した近接場光発光部200を含む領域にカンチレバー1先端部の探針3を位置させ、同時に、ピエゾドライバ107でZステージ104を制御して探針3の先端と熱アシスト磁気ヘッド素子の近接場光発光部200を含む表面との間隔が10nmになるようにセットする(S706)。
次に、近接場光発光部200の開口部201に励起光202を照射して近接場光203を発生させた状態で、ピエゾドライバ107で加振部122を駆動してカンチレバー1を振幅10nmで加振するとともに、ピエゾドライバ107でXステージ106とYステージ105を駆動して、探針3で熱アシスト磁気ヘッド素子の近接場光発光部200を含む表面の0.5〜1μm四方の領域を走査し、熱アシスト光203と漏れ光204が照射された探針3からの散乱光301と302とを検出器130で検出する(S707)。
探針3からの散乱光301と302とを検出した検出器130からの検出信号401は、ピエゾドライバ107により駆動されるカンチレバー1の振動周波数信号、または振動周波数の整数倍の信号がリファレンス信号として入力されているロックインアンプ31に入力され、検出器130からの検出信号401のうち、カンチレバー1の振動周波数または振動周波数の整数倍に対応する周期の信号が抽出されて、信号処理部32で漏れ光204を含む近接場光203の強度分布が求められる(S708)。
探針3による所定の領域の走査が終了すると、ピエゾドライバ107でZステージ104を制御して探針3の先端と熱アシスト磁気ヘッド素子の近接場光発光部200を含む表面との間隔が近接場光203が発生する領域の高さ以上の100〜150nmになるようにセットする(S709)。
次に、ピエゾドライバ107で加振部122を駆動してカンチレバー1を振幅50〜100nmで加振するとともに、ピエゾドライバ107でXステージ106とYステージ105を駆動して、S708の場合と同様に、探針3で熱アシスト磁気ヘッド素子の近接場光発光部200を含む表面の0.5〜1μm四方の領域を走査し、励起光202の照射により近接場光発光部200から発生した漏れ光204が照射された探針3からの散乱光302を検出器130で検出する(S710)。
探針3からの散乱光302を検出した検出器130からの検出信号401は、ピエゾドライバ107により駆動されるカンチレバー1の振動周波数信号、または振動周波数の整数倍の信号がリファレンス信号として入力されているロックインアンプ31に入力され、検出器130からの検出信号401のうち、カンチレバー1の振動周波数または振動周波数の整数倍に対応する周期の信号が抽出され、信号処理部32において漏れ光204の強度分布が求められる。(S711)。
次に、近接場光発光部200の開口部201への励起光202の照射を停止して、制御部PC30の信号処理部32で、S708で求めた漏れ光204を含む近接場光203の強度分布の情報とS711で求めた漏れ光204の強度分布の情報とを用いて、近接場光203の発生領域を抽出する(S712)。
具体的には、信号処理部32において、S708で求めた漏れ光204を含む近接場光203の強度からS711で求めた同じ位置における漏れ光204の強度を差し引いて近接場光203の空間強度分布を求め、この求めた近接場光203の強度を予め設定しておいた閾値と比較して、この閾値より大きい空間強度分布の領域を近接場光203の発生領域として求める。
最後に、制御部PC30は、S704で求めた熱アシスト磁気ヘッド素子の磁界発生領域の情報と、S712で求めた近接場光203の発生領域の情報を表示装置33の画面34上に表示する(S713)。
本実施例によれば、近接場光203が発生している近接場光発光部200の表面の極近傍を探針3で走査して得られた近接場光203による散乱光301と漏れ光204による散乱光302との検出信号から、近接場光203発生領域から十分に離れた漏れ光204だけが存在している領域を探針3で走査して得られた漏れ光204による散乱光302との検出信号を差し引くことにより、近接場光203発生領域をより正確に求めることができるようになった。
本発明の実施例2に係る測定方法を利用する熱アシスト磁気ヘッド素子の検査装置は、実施例1で説明した図4に示した熱アシスト磁気ヘッド素子の検査装置100と基本的には同じ構造を有している。ここでの重複の説明を省略する。
実施例2において、実施例1と異なる点は、実施例2の測定を行う際、熱アシスト磁気ヘッド素子は発生する書き込み磁界の測定と熱アシスト磁気ヘッド素子が発生した近接場光周辺にある近接場光の励起光の漏れ光のような他の光成分の測定を、書き込み磁界発生領域をカンチレバーの探針で1回走査することで同時に行う点である。
図8に示すように、熱アシスト磁気ヘッド素子の書き込み磁界発生部402から発生した書き込み磁界403と近接場光203の周辺にある近接場光の励起光202の漏れ光204のような他の光成分は空間的に重合している。また、MFMで磁界を測定する場合、カンチレバー1の探針3の振動振幅が大きいほうが感度が高いため、磁界と漏れ光両者を同時に測定するための条件を設定する必要がある。
通常、磁界を測定する際に、カンチレバー1と試料200の表面との距離を10〜50nm程度に設定する必要あるが、今回両者を同時に測定するために、カンチレバー1と試料200の表面との距離を20〜50nmに設定し、カンチレバーの振動振幅を50〜100nm程度に設定するようにした。これにより、熱アシスト磁気ヘッド素子が発生した書き込み磁界403と近接場光203の周辺の漏れ光204をカンチレバーの振動振幅の増大の効果により、高感度で同時に検出することができる。
図9に、本実施例による熱アシスト磁気ヘッド素子の検査方法の処理の流れを示す。
まず、ピエゾドライバ107でXステージ106とYステージ105を駆動して、探針3を熱アシスト磁気ヘッド素子の磁界発生部の上面の測定位置にアプローチさせる(S901)。次に、ピエゾドライバ107でZステージ104を制御して、カンチレバー1の探針3の先端と熱アシスト磁気ヘッド素子の近接場光発光部200を含む表面との間隔が20〜50nmになるようにセットする(S902)。
次に、熱アシスト磁気ヘッド素子の書込み磁界発生部402から書き込み磁界403を発生させてMFMモードで書き込み磁界発生領域を検出すると同時に、近接場光発光部200の開口部201に励起光202を照射して近接場光203を発生させて、励起光202の照射により近接場光発光部200から発生した漏れ光204が照射された探針3からの散乱光302を検出器130で検出する(S903)。
すなわち、図示していない手段でローバー40の熱アシスト磁気ヘッド素子の書き込み磁界発生部402から書き込み磁界403を発生させた状態で、ピエゾドライバ107で加振部122を駆動させてカンチレバー1を50〜100nmの振幅で加振するとともに、ピエゾドライバ107でXステージ106とYステージ105を駆動して、探針3で熱アシスト磁気ヘッド素子の近接場光発光部200を含む表面の2〜5μm四方の領域を走査し、この時のカンチレバー1の振幅の変化を半導体レーザ109から発射されてカンチレバー1で反射されたレーザを変位センサ110で検出する。同時に、漏れ光204が照射された探針3からの散乱光302を検出器130で検出する。
次に、変位センサ110からの検出信号を作動アンプ111に入力して変位センサ110からの検出信号の差信号を取ることにより、カンチレバー1の振幅の変化から熱アシスト磁気ヘッド素子の書き込み磁界発生領域を求める(S904)。
同時に、探針3からの散乱光302を検出した検出器130からの検出信号401は、ピエゾドライバ107により駆動されるカンチレバー1の振動周波数信号、または振動周波数の整数倍の信号がリファレンス信号として入力されているロックインアンプ31に入力され、検出器130からの検出信号401のうち、カンチレバー1の振動周波数または振動周波数の整数倍に対応する周期の信号が抽出され、信号処理部32で漏れ光204の強度分布が求められる(S905)。
次に、この求めた磁場発生領域の位置情報から、設計データを参照して熱アシスト磁気ヘッド素子の近接場光発光部200の位置を推定し(S906)、熱アシスト磁気ヘッド素子による書き込み磁界の発生を停止した状態で、ピエゾドライバ107でXステージ106とYステージ105を制御して、推定した近接場光発光部200を含む領域にカンチレバー1先端部の探針3を位置させ、同時に、ピエゾドライバ107でZステージ104を制御して探針3の先端と熱アシスト磁気ヘッド素子の近接場光発光部200を含む表面との間隔が10nmになるようにセットする(S907)。
次に、ピエゾドライバ107で加振部122を駆動してカンチレバー1を振幅10nmで加振するとともに、ピエゾドライバ107でXステージ106とYステージ105を駆動して、探針3で熱アシスト磁気ヘッド素子の近接場光発光部200を含む表面の0.5〜1μm四方の領域を走査し、熱アシスト光203と漏れ光204が照射された探針3からの散乱光301と302とを検出器130で検出する(S908)。
探針3からの散乱光301と302とを検出した検出器130からの検出信号401は、ピエゾドライバ107により駆動されるカンチレバー1の振動周波数信号、または振動周波数の整数倍の信号がリファレンス信号として入力されているロックインアンプ31に入力され、検出器130からの検出信号401のうち、カンチレバー1の振動周波数または振動周波数の整数倍に対応する周期の信号が抽出され、信号処理部32で漏れ光204を含む近接場光203の強度分布が抽出される(S909)。
次に、制御部PC30の信号処理部32では、S909で求めた漏れ光204を含む近接場光203の強度分布の情報とS905で求めた漏れ光204の強度分布の情報とを用いて、近接場光203の発生領域を抽出する(S910)。具体的には、信号処理部32において、S909で求めた漏れ光204を含む近接場光203の強度からS905で求めた同じ位置における漏れ光204の強度を差し引いて近接場光203の空間強度分布を求め、この求めた近接場光203の空間強度分布を予め設定しておいた閾値と比較して、この閾値より大きい強度の領域を近接場光203の発生領域として求める。
最後に、制御部PC30は、S904で求めた熱アシスト磁気ヘッド素子の磁場発生領域の情報と、S910で求めた近接場光203の発生領域の情報を表示装置33の画面34上に表示する(S911)。
本実施例によれば、実施例1で述べた効果に加えて、MFMモードによる書き込み磁界分布の計測と漏れ光分布の計測とを探針3の1回の走査で行うことができるので、計測の時間を短縮することができるようになった。
実施例3に係る測定方法を利用する熱アシスト磁気ヘッド素子の検査装置は、実施例1で説明した図4に記載した熱アシスト磁気ヘッド素子の検査装置100と基本的には同じ構造を有している。ここでの重複の説明を省略する。
実施例3において、実施例1と異なる点は、実施例3の測定を行う際、カンチレバー1の一回の往復スキャンにおいて、熱アシスト磁気ヘッド素子は発生する近接場光203の測定と熱アシスト磁気ヘッド素子が発生した近接場光周辺にある近接場光の励起光の漏れ光204の測定を順次行う点である。すなわち、本実施例においては、カンチレバー1の一回の往復スキャンにおいて、図7のフロー図のS706,S707とS709,S710とを交互に行うようにした。
図10A又は図10Bに示すように、カンチレバー1は、同一測定エリア1001に対して、左右方向(図10A)または上下方向(図10B)の繰り返しスキャンを実施することが可能である。それで、同じ場所に対して、左右または上下一往復のスキャンにおいて、一方向へのスキャン時に近接場光の測定を行い、反対方向へのスキャン時には、近接場光の発生領域から高さ方向に十分に離れた位置で漏れ光を測定することが可能である。
具体的には、カンチレバー1が一回の折返しスキャンの行き(または帰りに)の際に実施例1の図5に示すように、AFMモードで試料表面(探針3と試料表面との間隔が0〜10nm)に沿ってカンチレバーの振動振幅を10nm程度以下にしてスキャンを行いながら、探針3で反射散乱された近接場光を検出する。
一方、上記のカンチレバー1が一回の折返しスキャンの帰り(または行き)の際に実施例1の図6に示すように、カンチレバー1と試料の表面との距離を100〜150nmにして、カンチレバー加振振幅を50〜100nm程度に設定し、探針3で反射散乱された漏れ光204を検出する。
図11に、本実施例による熱アシスト磁気ヘッド素子の検査方法の処理の流れを示す。
まず、S1101〜S1104で、熱アシスト磁気ヘッド素子の磁場発生領域を求めるが、この工程は、実施例1で説明したS701乃至S704までのステップと同じである。
次に、S1104で求めた磁場発生領域の位置情報から、設計データを参照して熱アシスト磁気ヘッド素子の近接場光発光部200の位置を推定し(S1105)、熱アシスト磁気ヘッド素子に書き込み磁界403の発生を停止した状態で、ピエゾドライバ107でXステージ106とYステージ105を制御して、推定した近接場光発光部200を含む領域にカンチレバー1先端部の探針3を位置させ、同時に、ピエゾドライバ107でZステージ104を制御して探針3の先端と熱アシスト磁気ヘッド素子の近接場光発光部200を含む表面との間隔が10nmになるようにセットする(S1106)。
次に、ピエゾドライバ107で加振部122を駆動してカンチレバー1を振幅10nmで加振するとともに、ピエゾドライバ107でXステージ106とYステージ105を駆動して、探針3で熱アシスト磁気ヘッド素子の近接場光発光部200を含む表面の0.5〜1μm四方の領域を走査領域として、図10Aの左から右の方向、又は図10Bの上から下の方向の何れかの一方向に走査し、熱アシスト光203と漏れ光204が照射された探針3からの散乱光301と302とを検出器130で検出する(S1107)。
次に、探針3が一方向の走査領域の端部に達すると、ピエゾドライバ107でZステージ104を制御して探針3の先端と熱アシスト磁気ヘッド素子の近接場光発光部200を含む表面との間隔が近接場光203が発生する領域の高さ以上の100〜150nmになるようにセットし(S1108)、ピエゾドライバ107で加振部122を駆動してカンチレバー1を振幅50〜100nmで加振するとともに、ピエゾドライバ107でXステージ106又はYステージ105をS1107のときと反対の側の方向に駆動する(S1109)。
探針3が走査領域の他方の端部に達すると、近接場光発光領域を含む所定の走査領域全面の走査を終えたかを判断し(S1110)、所定の走査領域全面の走査が終了していない場合にはS1106に戻る。
S1106からS1109までを順次繰り返し実行して熱アシスト磁気ヘッド素子の近接場光発光部200を含む表面の0.5〜1μm四方の領域が全面走査された場合には、S1107を繰り返し実行して得られた探針3からの散乱光301と302とを検出した検出器130からの検出信号401は、ピエゾドライバ107により駆動されるカンチレバー1の振動周波数信号、または振動周波数の整数倍の信号がリファレンス信号として入力されているロックインアンプ31に入力され、検出器130からの検出信号401のうち、カンチレバー1の振動周波数または振動周波数の整数倍に対応する周期の信号が抽出され、信号処理部32で漏れ光204を含む近接場光203の強度分布が抽出される(S1111)。
また、S1109で探針3からの散乱光302を検出した検出器130からの検出信号401は、ピエゾドライバ107により駆動されるカンチレバー1の振動周波数信号、または振動周波数の整数倍の信号がリファレンス信号として入力されているロックインアンプ31に入力され、検出器130からの検出信号401のうち、カンチレバー1の振動周波数または振動周波数の整数倍に対応する周期の信号が抽出され、信号処理部32で漏れ光204の強度分布が求められる。(S1112)。
次に、制御部PC30の信号処理部32では、S1111で求めた漏れ光204を含む近接場光203の強度分布の情報とS1112で求めた漏れ光204の強度分布の情報とを用いて、近接場光203の発生領域を抽出する(S1113)。具体的には、信号処理部32において、S1111で求めた漏れ光204を含む近接場光203の強度からS1112で求めた同じ位置における漏れ光204の強度を差し引いて近接場光203の空間強度分布を求め、この求めた近接場光203の空間強度分布を予め設定しておいた閾値と比較して、この閾値より大きい強度の領域を近接場光203の発生領域として求める。
最後に、制御部PC30は、S1104で求めた熱アシスト磁気ヘッド素子の磁場発生領域の情報と、S1113で求めた近接場光203の発生領域の情報を表示装置33の画面34上に表示する(S1114)。
本実施例によれば、実施例1で述べた効果に加えて、近接場光発生領域の計測と漏れ光分布の計測とを探針3による近接場光発生領域の1回の走査で行うことができるので、計測の時間を短縮することができるようになった。
なお、上記実施例においては、磁気ヘッド素子をローバーの状態で検査することについて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、磁気ヘッド素子をローバーから1個ずつ切り出したスライダの状態でも、実施例1又は実施例2又は実施例3で説明した熱アシスト磁気ヘッド素子の検査装置で測定可能である。
1・・・カンチレバー 3…探針 30…制御部PC 31・・・ロックインアンプ 32・・・信号処理部 40・・・ローバー 100・・・検査装置 101・・・測定ステージ 102・・・発信機 103・・・カメラ 104・・・Zステージ 105・・・Yステージ 106・・・Xステージ 107・・・ピエゾドライバ 109・・・半導体レーザ素子 110・・・変位センサ 111・・・差動アンプ 112・・・DCコンバータ 113・・・フィードバックコントローラ 114・・・載置部 115・・・マイクロ波発生アンテナ 120・・・変位検出部 122・・・加振部 130・・・検出器 200・・・熱アシスト磁気ヘッド素子の近接場光発光部(試料) 201・・・熱アシスト磁気ヘッド素子の近接場光発光の開口部 202・・・熱アシスト磁気ヘッド素子用励起光 203・・・熱アシスト光(近接場光) 204・・・熱アシスト磁気ヘッド素子の近接場光励起光の漏れ光 301・・・熱アシスト磁気ヘッド素子の熱アシスト光(近接場光)と探針との接触による散乱光 302・・・漏れ光の散乱光 401・・・散乱光の検出信号 402・・・磁界発生部 403・・・書き込み磁界。

Claims (12)

  1. 試料である磁界発生部と近接場光発光部とを備えた熱アシスト磁気ヘッド素子を載置して平面内で移動可能なテーブル部と、
    表面に磁性膜と貴金属膜が形成された探針を有して前記テーブル部に載置された試料の表面を走査するカンチレバーと、
    該カンチレバーの探針と前記試料の表面との距離を調整する探針高さ調整部と、
    前記カンチレバーを前記試料の表面に対して上下方向に所定の周期と振幅で振動させる振動駆動部と、
    前記熱アシスト磁気ヘッド素子の磁界発生部から磁界を発生させる信号と近接場光発光部から近接場光を発生させるための信号とを出力する信号出力部と、
    該信号出力部から出力された信号により前記熱アシスト磁気ヘッド素子の磁界発生部から磁界を発生させた状態で前記振動駆動部により前記カンチレバーを振動させながら前記テーブル部で前記熱アシスト磁気ヘッド素子を平面内で移動させたときに前記カンチレバーの探針が形成されている側と反対側の面に光を照射して前記カンチレバーからの反射光を検出することによりカンチレバーの振動を検出する変位検出部と、
    前記信号出力部から出力された信号により熱アシスト磁気ヘッド素子の近接場光発光部から発生した近接場光及び漏れ光により前記カンチレバーの探針の表面から発生した散乱光を検出する散乱光検出部と、
    前記振動駆動部で前記カンチレバーを所定の周期で振動させる周波数信号、または該周波数信号の整数倍の信号をリファレンス信号として入力して散乱光検出部で前記散乱光を検出して得た検出信号から近接場光の散乱光成分と漏れ光の散乱光成分とを抽出するロックインアンプと該ロックインアンプで抽出した近接場光の散乱光成分と漏れ光の散乱光成分とから前記熱アシスト磁気ヘッド素子の近接場光の発生領域を求める信号処理部とを有するとともに、前記テーブル部と前記探針高さ調整部と前記振動駆動部と前記信号出力部と前記変位検出部と前記散乱光検出部とを制御する制御部と
    を備えたことを特徴とする熱アシスト磁気ヘッド素子の検査装置。
  2. 前記制御部は、前記カンチレバーの探針で前記熱アシスト磁気ヘッド素子の近接場光発光部から発生した近接場光発生領域を走査して測定する場合と、該近接場光発生領域から高さ方向に離れた領域を走査して測定する場合とで、前記探針高さ調整部と前記振動駆動部とを制御して前記探針の高さ及び前記探針の振動の振幅とを切り替えることを特徴とする請求項1記載の熱アシスト磁気ヘッド素子の検査装置。
  3. 前記制御部は、前記カンチレバーの探針で前記熱アシスト磁気ヘッド素子の近接場光発光部から発生した近接場光発生領域を走査して測定する場合に、前記探針高さ調整部を制御して前記探針の高さを10nm以下に設定し、前記振動駆動部を制御して前記探針の振動の振幅を10nm以下に設定することを特徴とする請求項1又は2に記載の熱アシスト磁気ヘッド素子の検査装置。
  4. 前記制御部は、前記カンチレバーの探針で前記近接場光発生領域から高さ方向に離れた領域を走査して測定する場合に、前記探針高さ調整部を制御して前記探針の高さを100〜150nm以上に設定し、前記振動駆動部を制御して前記探針の振動の振幅を50〜100nmの間に設定することを特徴とする請求項1又は2に記載の熱アシスト磁気ヘッド素子の検査装置。
  5. 前記制御部は、前記熱アシスト磁気ヘッド素子の磁界発生部から書込み磁界を発生させた状態で前記振動駆動部により前記カンチレバーを振動させながら前記テーブル部で前記熱アシスト磁気ヘッド素子を平面内で移動させて前記変位検出部で前記カンチレバーの振動を検出するときと、前記カンチレバーの探針で前記近接場光発生領域から高さ方向に離れた領域を走査して前記漏れ光を測定する場合とで、前記探針高さ調整部による前記探針の高さを20〜50nmに設定し、前記振動駆動部による前記探針の振動の振幅を50〜100nmに設定して、前記書き込み磁界の測定と前記漏れ光の測定とを同時に行うことを特徴とする請求項1記載の熱アシスト磁気ヘッド素子の検査装置。
  6. 前記制御部は、前記カンチレバーの探針で前記熱アシスト磁気ヘッド素子の近接場光発光部から発生した近接場光発生領域を走査して測定することと、該近接場光発生領域から高さ方向に離れた領域を走査して測定することとを、前記テーブル部の移動を反転させるごとに切り替えることを特徴とする請求項1記載の熱アシスト磁気ヘッド素子の検査装置。
  7. 熱アシスト磁気ヘッド素子の検査方法であって、
    試料である磁界発生部と近接場光発光部とを備えた熱アシスト磁気ヘッド素子をテーブルに載置して前記熱アシスト磁気ヘッド素子の磁界発生部から書込み磁界を発生させた状態で前記テーブル部を平面内で移動させて、表面に磁性膜と貴金属膜が形成された探針を有するカンチレバーの振動を検出して前記熱アシスト磁気ヘッド素子の書込み磁界発生領域を求め、
    前記熱アシスト磁気ヘッド素子の近接場光発光部から近接場光を発生させた状態で前記カンチレバーの探針の前記近接場光発光部からの高さと前記探針の振動の振幅とを前記近接場光発光部から発生させた近接場光を測定するための条件に設定して前記探針で前記近接場光を発生させた領域を含む領域を走査して前記探針からの反射散乱光を検出し、
    該探針からの反射散乱光を検出して得た信号を、前記探針を所定の周期で振動させる周波数信号、または該周波数信号の整数倍の信号をリファレンス信号として入力しているロックインアンプに入力して前記散乱光を検出して得た検出信号から近接場光の散乱光成分と漏れ光の散乱光成分とを抽出し、
    前記熱アシスト磁気ヘッド素子の近接場光発光部から近接場光を発生させた状態で前記カンチレバーの探針の前記近接場光発光部からの高さと前記探針の振動の振幅とを前記近接場光が発生している領域よりも高い領域を測定するための条件に設定して前記探針で前記近接場光が発生している領域よりも高い領域を走査して前記探針からの反射散乱光を検出し、
    該探針からの反射散乱光を検出して得た信号を、前記探針を所定の周期で振動させる周波数信号、または該周波数信号の整数倍の信号をリファレンス信号として入力しているロックインアンプに入力して前記散乱光を検出して得た検出信号から近接場光が発生している領域よりも高い領域における漏れ光の散乱光成分を抽出し、
    前記抽出した近接場光が発生している領域における近接場光の散乱光成分と漏れ光の散乱光成分の情報と前記近接場光が発生している領域よりも高い領域における漏れ光の散乱光成分の情報とから前記熱アシスト磁気ヘッド素子の近接場光の発生領域を求める
    ことを特徴とする熱アシスト磁気ヘッド素子の検査方法。
  8. 前記カンチレバーの探針で前記熱アシスト磁気ヘッド素子の近接場光発光部から発生した近接場光発生領域を走査して測定する場合と、該近接場光発生領域から高さ方向に離れた領域を走査して測定する場合とで、前記探針の高さ及び前記探針の振動の振幅とを切り替えることを特徴とする請求項7記載の熱アシスト磁気ヘッド素子の検査方法。
  9. 前記カンチレバーの探針で前記熱アシスト磁気ヘッド素子の近接場光発光部から発生した近接場光発生領域を走査して測定する場合に、前記探針の高さを10nm以下に設定し、前記探針の振動の振幅を10nm以下に設定することを特徴とする請求項7又は8に記載の熱アシスト磁気ヘッド素子の検査方法。
  10. 前記カンチレバーの探針で前記近接場光発生領域から高さ方向に離れた領域を走査して測定する場合に、前記探針の高さを100〜150nm以上に設定し、前記探針の振動の振幅を50〜100nmの間に設定することを特徴とする請求項7又は8に記載の熱アシスト磁気ヘッド素子の検査方法。
  11. 前記熱アシスト磁気ヘッド素子の磁界発生部から磁界を発生させた状態で前記カンチレバーを振動させながら前記熱アシスト磁気ヘッド素子を平面内で移動させて前記カンチレバーの振動を検出するときと、前記カンチレバーの探針で前記近接場光発生領域から高さ方向に離れた領域を走査して前記漏れ光を測定する場合とで、前記探針の高さを20〜50nmにし、前記探針の振動の振幅を50〜100nmにして、前記書き込み磁界発生領域の測定と前記漏れ光の測定を同時に行うことを特徴とする請求項7記載の熱アシスト磁気ヘッド素子の検査方法。
  12. 前記カンチレバーの探針で前記熱アシスト磁気ヘッド素子の近接場光発光部から発生した近接場光発生領域を走査して測定することと、該近接場光発生領域から高さ方向に離れた領域を走査して測定することとを、前記テーブルの移動を反転させるごとに切り替えることを特徴とする請求項7記載の熱アシスト磁気ヘッド素子の検査方法。
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