JP2015069677A - 磁気ヘッド検査装置及び磁気ヘッド検査方法 - Google Patents

磁気ヘッド検査装置及び磁気ヘッド検査方法 Download PDF

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明 飛田
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Abstract

【課題】磁気力顕微鏡のカンチレバーの実振幅変位量を最適化して、微弱な磁界強度の測定に対応できるようにする。【解決手段】磁気ヘッド検査装置を、磁気ヘッドを載置するXYステージと、表面に磁性膜が形成された探針を先端部に形成したカンチレバーと、このカンチレバーを所定の周波数で振動させる加振部と、カンチレバーを磁気ヘッドの表面から所定高さに保持するZステージと、加振部により所定の周波数で加振されたカンチレバーの変位量を検出する変位検出部と、カンチレバーを振動させながら磁気ヘッドの表面を走査しているときに変位検出部から出力された変位信号に基づいてカンチレバーの振動の振幅を制御する制御部と、変位検出部からの出力信号を受けて磁気ヘッドの良否を判定するヘッド検査部とを備えて構成した。【選択図】図1

Description

本発明は、薄膜磁気ヘッドの磁界形状により実効トラック幅等を検査する磁気ヘッド検査装置及び磁気ヘッド検査方法に関する。
近年、薄膜磁気ヘッドの発生磁界形状を測定し磁気的な実効トラック幅等を検査するために、原子サイズレベルの高分解能を有する磁気力顕微鏡(MFM)などを組み込んだ磁気ヘッド検査装置が用いられている。磁気力顕微鏡では磁界検出用の磁性探針を取り付けたカンチレバーを有し、これを磁気ヘッド上で走査移動し、探針の変位量を検出することで磁界形状を測定するものである。特許文献1には、ウエハ上に形成された複数のヘッド素子が連なっているローバー状態の薄膜磁気ヘッドを対象とし、ボンディングパッドにより各ヘッド素子に記録信号を入力し、各ヘッド素子から発生される磁界の様子を、上記カンチレバーにて測定する技術が開示されている。
特開2009−230845号公報
ハードディスクの面記録密度の更なる向上のため、信号記録に用いられる薄膜磁気ヘッドは微細化され、またその書込みトラック幅も微小化されている。これに伴い、磁気ヘッドの実効トラック幅などをより高精度に測定することが要求されている。上記した磁気力顕微鏡を組み込んだヘッド検査装置は、基本的に高分解能での磁界測定を可能とするものであるが、磁気ヘッドの微細化に伴い磁気ヘッドから発生する磁界強度も微弱になることから、十分な測定感度が得られない場合がある。現在はカンチレバーの振幅制御は変位信号を一定にすることによりカンチレバー毎の振幅を一律に設定している。しかし、その変位信号がどれくらいのカンチレバーの実振幅変位量に相当しているのかは不明である。カンチレバーの振幅変位量を小さくすることにより対象物との距離が縮まり磁界強度は大きくなる傾向となる。しかし、カンチレバーの実振幅変位量を把握したうえで振幅量を小さくする必要があるが、実振幅変位量を測定する手法がない為、カンチレバーの実振幅変位量を把握および最適化することが課題とされている。
本発明は、上記従来技術の課題を解決して、磁気力顕微鏡のカンチレバーの実振幅変位量を最適化して、微弱な磁界強度の測定に対応する磁気ヘッド検査装置及び磁気ヘッド検査方法を提供するものである。
上記した従来技術の課題を解決するために、本発明では、磁気ヘッド検査装置を、磁気ヘッドを載置し2次元方向に走査するXYステージと、表面に磁性膜が形成された探針を先端部に形成したカンチレバーと、このカンチレバーを所定の周波数で振動させる加振部と、カンチレバーを磁気ヘッドの表面から所定高さに保持するZステージと、加振部により所定の周波数で加振されたカンチレバーの変位量を検出して変位信号を出力する変位検出部と、XYステージと加振部とを制御してカンチレバーを振動させながら磁気ヘッドの表面を走査しているときに変位検出部から出力された変位信号に基づいてカンチレバーの振動の振幅を制御する制御部と、変位検出部からの出力信号を受けて磁気ヘッドの良否を判定するヘッド検査部とを備えて構成した。
また、上記課題を解決するために、本発明では、磁気ヘッド検査方法において、XYステージに載置した磁気ヘッドの上面から所定の間隔離れた位置に表面に磁性膜が形成された探針を先端部に形成したカンチレバーを設置し、磁気ヘッドを載置したXYステージを一方向に移動させながら加振部でカンチレバーを所定の周波数で振動させ、所定の周波数で振動させられたカンチレバーの変位量を検出し、検出した変位量に基づいてカンチレバーの振動を制御し、この振動が制御されたカンチレバーの変位量を検出して得られた信号を受けて磁気ヘッドの良否を判定するようにした。
本発明によれば、カンチレバーの実振幅変位量を把握することにより微弱な磁界強度の測定に対応でき、微小なトラック幅を有する磁気ヘッドを高精度に検査することができるようになった。
本発明の一実施の形態に係る磁気ヘッド検査装置の概略構成を示すブロック図である。 本発明の一実施の形態に係る磁気ヘッド検査装置のカンチレバーと磁気ヘッドとの関係を示す磁気ヘッドの断面図である。 本発明の一実施の形態に係る磁気ヘッド検査装置におけるカンチレバーの振動と磁気ヘッドが形成する磁界との関係を示す磁気ヘッドの断面図で、カンチレバーの振動の振幅が大きい場合を示す。 本発明の一実施の形態に係る磁気ヘッド検査装置におけるカンチレバーの振動と磁気ヘッドが形成する磁界との関係を示す磁気ヘッドの断面図で、カンチレバーの振動の振幅が小さい場合を示す。 本発明の一実施の形態に係る磁気ヘッド検査装置におけるカンチレバーの振動の振幅を大きくしていったときの振幅と磁気ヘッドとの関係を示す磁気ヘッドの断面図およびそのときの励磁電圧と変位信号の関係を示すグラフであって、(a)は、カンチレバーを磁気ヘッドから所定の高さLに設定した場合の変化の状態を示す図、(b)は、カンチレバーを磁気ヘッドから所定の高さLからαずらして設定した場合の変化の状態を示す図である。 本発明の一実施の形態に係る磁気ヘッド検査装置におけるカンチレバーの動作条件の設定を示すフローチャートである。 本発明の一実施の形態に係る磁気ヘッド検査装置におけるカンチレバーの実変位量とカンチレバーを駆動する加振部への印加電圧との関係を示すグラフである。 本発明の一実施の形態に係る磁気ヘッド検査装置における磁気ヘッド素子表面から一定の間隔離れた部分での磁界の分布及び実効トラック幅(実効記録トラック幅)を示す図である。 カンチレバーの動作条件の設定を示すフローチャート。
以下に、本発明の実施例を、図を用いて説明する。
図1は、本発明に係る磁気ヘッド検査装置の第1実施形態の基本的な構成を示すブロック図である。
図1の磁気ヘッド検査装置は、スライダ単体(チップ)を切り出す前工程のローバー(ヘッドスライダが配列されたブロック)の状態で磁気ヘッドの近接場光の発生領域の物理形状を検査することが可能なものである。通常、3cm〜5cm程度の細長いブロック体としてウエハから切り出されたローバー1は、40個〜90個程度のヘッドスライダが配列された構成となっている。この実施の形態に係る磁気ヘッド検査装置は、このローバー1をワークとして所定の検査を行うように構成されている。
ローバー1は、通常、図示していないトレイ内に20〜30本程度、短軸方向に所定間隔で配列収納されている。図示していないハンドリングロボットは、ローバー1を図示してないトレイからで一本ずつ取り出して検査ステージ101に搬送する。検査ステージ101に搬送設置されたローバー1は後述のように検査される。
検査ステージ101は、ローバー1をX,Y方向に移動可能なXステージ106、Yステージ105を備えている。ローバー1は、その長軸方向の片側面がYステージ105の基準面に一旦突き当てられることによって位置決めされる。Yステージ105の上面には、ローバー1の位置決め用の載置部114が設けられている。この載置部114の上面側縁部には、ローバー1の形状にほぼ合致した段差部(図示せず)が設けられている。ローバー1は、この段差部の底面と側面にそれぞれ当接されることによって所定位置に設置されるようになっている。
段差部の後面には、ローバー1の後側面(磁気ヘッドの各接続端子のある面の反対面)が当接される。各当接面は、Xステージ106の移動方向(X軸)及びZステージ104の移動方向(Z軸)にそれぞれ平行で、かつ、直交した位置関係となる基準面を備えているので、ローバー1がYステージ105の段差部の底面と側面に当接設置されることによって、X方向とZ方向の位置決めが実行されるようになっている。
Yステージ105の上方には、位置ずれ量測定用のカメラ103が設けられている。Zステージ104は、原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscope :AFM)のカンチレバー100をZ方向に移動させるものである。検査ステージ101のXステージ106、Yステージ105、Zステージ104は、それぞれピエゾ素子で駆動されるピエゾステージで構成されている。所定の位置決めが終了すると、ローバー1は、載置部114に吸着保持される。
ピエゾドライバ107は、この検査ステージ101の各Xステージ106、Yステージ105、Zステージ104(ピエゾステージ)を駆動制御するものである。制御部30は、モニタを含むパーソナルコンピュータ(PC)を基本構成とする制御用コンピュータで構成されている。
図に示すように、検査ステージ101のYステージ105上の載置部114に載置されたローバー1の上方の対向する位置には、先端の尖った探針120が形成されて自由端となっているカンチレバー100が配置されている。探針120の表面には、図2に示すように磁性膜121が形成されている。
カンチレバー100は、Zステージ104の下側に設けられた加振部122に取り付けられている。加振部122はピエゾ素子で構成され、ピエゾドライバ107からの励振電圧によって機械的共振周波数近傍の周波数の交流電圧が印加され、探針120は上下方向に振動される。
制御部30には、図2に示した磁気ヘッド素子部4の磁界発生領域3に磁界を発生させるための信号を、ローバー1に形成された磁気ヘッド素子部4に送るための信号ライン310が接続されている。
変位検出部は、半導体レーザ素子109と、4分割光ディテクタ素子からなる変位センサ110とから構成される。半導体レーザ素子109から出射した光はカンチレバー100上に照射され、カンチレバー100で反射された光は変位センサ110に導かれる。差動アンプ111は、変位センサ110から出力される4つの信号の差分信号に所定の演算処理を施してDCコンバータ112に出力する。
すなわち、差動アンプ111は、変位センサ110から出力される4つの信号の差分に対応した変位信号をDCコンバータ112に出力する。従って、カンチレバー100が加振部122により加振されていない状態では、差動アンプ111からの出力はゼロになる。DCコンバータ112は、差動アンプ111から出力される変位信号を実効値の直流信号に変換するRMS−DCコンバータ(Root Mean Squared value to Direct Current Converter)で構成される。
差動アンプ111から出力される変位信号は、カンチレバー100の変位に応じた信号であり、カンチレバー100は振動しているので交流信号となる。DCコンバータ112から出力される信号は、フィードバックコントローラ113に入力される。フィードバックコントローラ113は、カンチレバー100の現在の振動の大きさをモニターするための信号として制御部30にDCコンバータ112から入力した信号を出力すると共に、カンチレバー100の励振の大きさを調整するためのZステージ104の制御用信号として制御部30を通じて、ピエゾドライバ107にDCコンバータ112から入力した信号を出力する。
この信号を制御部30でモニタし、その値に応じて、ピエゾドライバ107でZステージ104を駆動するピエゾ素子(図示せず)を制御することによって、測定開始前に、カンチレバー100の初期位置を調整するようにしている。この実施の形態では、ハードディスクドライブのヘッド浮上高さをカンチレバー100の初期位置として設定する。
発信器102は、カンチレバー100を励振するための発振信号をピエゾドライバ107に供給するものである。また制御部30はピエゾドライバ20に対して、実振幅の絶対値相当の励振電圧に応じてカンチレバー100の振幅を規制する振幅制御信号を送る。ピエゾドライバ107は、この発信器102からの発振信号と制御部30からの振幅制御信号に基づいて加振部122を駆動してカンチレバー100を所定の周波数で振動させる。
このように、カンチレバー100の実振幅変位量を把握したうえで振幅を小さく設定することで、磁気ヘッド素子部4の磁界発生領域3で発生した微弱な磁界信号を感度良く測定し、磁気ヘッド素子部4の実効トラック幅(実効記録トラック幅:磁気ヘッドを用いて磁気ディスクに実際に書き込まれるトラックの幅:本実施例においては、回転する磁気ディスク上で浮上する磁気ヘッドの磁気ディスク表面に対する浮上量に相当する距離だけ磁気ヘッドから離れた位置においてトラック書込み磁界以上の磁場強度を有する領域の幅として定義する)を高精度に求めることができる。
制御部30は、信号ライン310を介して磁界発生領域3から外部に磁界を発生させた状態で、表面に磁性膜121が形成されたカンチレバー100の探針120を振動させながら磁界発生領域3を含む領域を走査したときに、差動アンプ111から出力される信号を処理して磁気力顕微鏡(Magnetic Force Microscope:MFM)画像を作成する。
また、制御部30は、差動アンプ111から出力される信号からカンチレバー100の振動の大きさをモニターするとともに、ヘッド検査部302で磁気ヘッド素子部4の実効トラック幅を演算して磁気ヘッド素子部4の良否を判定する。また制御部30は、差動アンプ111から出力される信号に応じてピエゾドライバ107に対し、Zステージ104の制御信号及び加振部122の制御信号を送るピエゾドライバ制御部301を備えている。すなわち、検査時のカンチレバー100がローバー1表面から所定の高さに位置するよう、ピエゾドライバ制御部301でZステージ104のZ方向位置を調整する。
これにより、カンチレバー100の振動の大きさが最適化され、測定精度が確保される。ここで、従来の設定ではカンチレバー100の振幅制御は変位信号を一定にすることによりカンチレバー毎の振幅を一律に設定していたが、実振幅変位量を把握することにより、ヘッドのサイズが微小化している場合にはカンチレバー100の振幅量を小さく設定することができる。
図2は、ローバー1に形成されている磁気ヘッド素子4の磁界発生領域3の構成を拡大してカンチレバー100と一緒に示した図である。
図2に示すように、カンチレバー100は、一定の振幅Wで振動したときの最下点が、ローバー1に形成された磁気ヘッド素子4の表面にカンチレバー100の探針120の先端部が試料の表面と一定の間隔dを維持するように、Zステージ104によって探針120の先端部が初期の高さH(Hf)に位置決めされる。カンチレバー100は、発振器102からの発振信号を受けたピエゾドライバ107により、カンチレバー100の共振周波数又はその近傍の周波数で加振され、ローバー1に形成された磁気ヘッド素子4の記録面に平行な平面内を数百nm〜数μmの範囲内でスキャンする。この実施の形態では、Xステージ106及びYステージ107によってローバー1が移動される。
本実施例は、カンチレバー100の実振幅変位量を把握するための測定手法であり、その結果からカンチレバーの振幅変位量を最適化するものである。これは、励振状態にあるカンチレバー100の振幅を小さくすると、磁気ヘッドから受ける磁気力が相対的に増大し、カンチレバーの変位信号すなわち測定感度を向上させることができるからである。以下その説明を行う。
図3A及び図3Bは、カンチレバー100の動作条件を説明する図である。図3Aは、ピエゾドライバ107から加振部122に印加されるカンチレバー100を振動させるための励振電圧Vを大きく設定した場合、図3Bは励振電圧Vを小さく設定した場合に、カンチレバーの受けるヘッド磁界を示している。
図3A及び図3B共に、カンチレバー100の先端部の探針120の最下点が磁気ヘッド素子4の表面から一定の高さdとなるようにカンチレバー100の初期の高さ(磁気ヘッド素子4の磁界発生領域3から磁界を発生させる前で、カンチレバー100を振動させる前の状態における高さ)H(Hf)を設定する。
図3Aに示すように、加振部122に印加されるカンチレバー100を振動させるための励振電圧Vを大きくしてカンチレバー100の振幅Wが大きくなるようにした場合、カンチレバー100の初期高さH(Hf)は大きく設定する。一方、図3Bに示すように、励振電圧Vを小さくして振幅Wが小さくなるようにした場合、カンチレバー100の初期高さ振幅H(Hf)を小さく設定する。
図3Aに示すように、カンチレバー100の振幅Wを大きくすると、カンチレバー100の先端部分の探針120は、磁界発生領域3で発生した磁界がより弱くなる領域(磁界発生領域3から離れた位置)で振動するようになる。即ち、図3Aの点線で示した磁界発生領域3で発生した磁界中に探針120が存在する時間T1が比較的短くなって、探針120が微弱な磁界領域にいる時間が相対的に長くなり、磁界発生領域3で発生した磁界の検出感度が小さくなる。
一方、図3Bに示すように、カンチレバー100の振幅Wを小さくすると、カンチレバー100の先端部の探針120の最下点が、図3Aの場合と同様に磁気ヘッド素子4の表面から一定の高さdとなるようにカンチレバー100の初期の高さH(Hf)を設定しているので、振幅Wが小さくなった分だけ磁界発生領域3に近い領域で振動するようになる。
即ち、図3Bの点線で示した磁界発生領域3で発生した磁界中に探針120が存在する時間T2が比較的長くなって、探針120が比較的強い磁界領域にいる時間が相対的に長くなる。その結果、感知する磁界の減少の割合が図3Aの場合と比べて小さくなり、磁界発生領域3で発生した磁界の検出感度の低下を抑えることができるので、磁界を感知する感度を比較的高く維持することができる。
以上より、カンチレバー100を振動させたときに探針120の最下点が磁気ヘッド素子4の表面から一定の高さdとなるようにカンチレバー100の初期の高さH(Hf)を設定した状態で、カンチレバー100の振幅Wを小さくすることで、高さH(Hf)も小さく設定でき、時間Tは大きくなる。このように設定することにより、カンチレバー100の振幅Wを大きく設定した場合と比べて、差動アンプ111からより大きい出力を得ることができる。
図4の(a)及び(b)は、カンチレバー100の振幅変位量を確認する実施例である。任意の励磁電圧にてカンチレバー100を振動させながらピエゾドライバ107でZステージ104を下降させる。測定物である磁気ヘッド素子4の表面へ、探針120が原子間力を感じる位置までアプローチを行い、Zステージの下降を停止し、カンチレバー100の振動を停止させる。
次に、図4(a)の場合、ピエゾドライバ107でZステージ104を上昇させて、所定の高さLにカンチレバー100を移動させて、その高さをZステージ104にて保持する。次に、ピエゾドライバ107から加振部122に印加する励振電圧Vを徐々に大きくなる方向にSweepさせて、励振電圧Vと差動アンプ111から出力されるカンチレバー100の変位信号Aをプロットする。
カンチレバー100の振動が大きくなって探針120が対象物である磁気ヘッド素子4の表面に近づくと、磁気ヘッド素子4の表面と探針120との間に原子間力が生じる(図4(a)の下側のグラフの変化点A)。
その後、更に励磁電圧Vを挙げていくと、差動アンプ111から出力されるカンチレバー100の変位信号は図4(a)の下側のグラフの変化点Aから右側のように変化をする。励磁電圧Vが励磁電圧Vになったとき、変位信号はAとなって(変化点A)、グラフの傾きの角度が変化する。変化点Aが検出されたら、ピエゾドライバ107から加振部122に印加する励磁電圧を止める。
次に、カンチレバーを+α分上方(または下方)へ移動させて図4(a)の場合と同様にしてカンチレバー100の変位信号をプロットしていくことにより、図4(b)に示すようなグラフが得られ、変化点Aを検出する。変化点Aにおける励磁電圧Vは、励磁電圧VL+αとなり、変位信号はAL+αとなる。
それぞれの変化点AとAにおける変位信号Vの差分(AL+α−A)が距離αにおける実振幅量となる。この変化点の測定をαを変えて複数回行うことで変位信号と実振幅量の比率を得ることができる。また、変化点を検出したら直ちにピエゾドライバ107から加振部122への励振電圧の印加を停止することにより、カンチレバー100の探針120に損傷を与えることなく測定することを可能とする。
上記測定の結果、差動アンプ111から出力されるカンチレバー100の変位信号に対するカンチレバー100の振幅量は、次の式で算出することができる。
(振幅量)=(変位信号)*α/(AL+α−A
差動アンプ111から出力されるカンチレバー100の変位信号は、電圧値により出力された信号であるので、PID(Proportional Integral Derivative Control)制御を用いる等により、この変位信号を一定に保つことができれば、カンチレバー100の振幅を一定に保つことができる。
例えば、カンチレバー100が磁力の影響をうけて振幅量が変化したときでも、カンチレバー100を振動させたときに探針120の最下点が磁気ヘッド素子4の表面から一定の高さdとなるようにカンチレバー100のZ方向(高さ方向)の移動量αと、基準位置から高さ方向にα移動したときに差動アンプ111から出力されるカンチレバー100の変位信号の差を測定しておけば、磁力によりカンチレバー100の振幅量が変化しても、磁力を受けない振幅量まで振幅量を増加することもできる。
図5は、上記に説明したカンチレバーの実振幅量を確認するための処理の流れを示すフローチャートである。
S501において、制御部30はカンチレバー100の最適励振電圧Vpをピエゾドライバ20に設定する。
S502において、ピエゾドライバ20はカンチレバー100を励振電圧Vpで振動させる。
S503において、カンチレバー100を測定物へアプローチを行い、原子間力を感知した場所で位置を保持する。
S504において、ピエゾドライバ20はZステージ13に対し、カンチレバー100の測定物からの高さが所定の高さとなるよう駆動する。
S505において、カンチレバー100の励磁電圧を大きくなる方へSweepさせる。
S506において、励磁電圧Vと変位信号Aをプロットし、変化後励磁電圧を止める
S507において、所定の高さ+αに移動してZステージ13をその位置で保持する。
S508において、S505〜S507を異なるα移動させて数ポイント測定する。
S509において、測定を終了する。
図5のフローで測定した結果、図6に示すようなカンチレバーの実変位量と励磁電圧との関係を求めることができる。
このようにしてカンチレバーの実変位量と励磁電圧との関係が求められた磁気ヘッド検査装置1000を用いて、図7に示すように、寸法dに相当する間隔だけ磁気ヘッド素子4から離れた磁界発生領域3を覆う面内をカンチレバー100の先端に形成した探針121で走査することにより、磁気ヘッド素子4の寸法Pwの磁界発生領域3から発生した磁界の、磁気ヘッド素子4の表面から一定の間隔dだけ離れた部分での磁界の分布を求めることができる。そして、この寸法dを、回転する磁気ディスク上で磁気ヘッドが浮上する浮上高さに相当する寸法に設定すれば、間隔d離れた面内の磁界の分布から、実効トラック幅(実効記録トラック幅)Twを求めることができる。
図8は、上述した磁気ヘッド検査装置の動作手順を示すフロー図である。
先ず図示していないカセットから複数設置されたローバーを1本ずつ取り出し、磁気ヘッド検査装置1000の載置部114上に搬送し(S801)、カメラ103によるアライメントを行い(S802)、ローバー1に形成された磁気ヘッド素子部4(測定ヘッド)を測定位置に移動させて測定ヘッドの位置決めを行う(S803)。
次に、ピエゾドライバ107でZテージ104を制御することによって、カンチレバー部100の探針120を、図6に示すようなカンチレバーの実変位量と励磁電圧との関係に基づいて、カンチレバー100を所定の励磁電圧で振動させたときに、振動の最下端における探針121の位置がヘッド浮上量dに相当する間隔だけ磁気ヘッド素子部4の表面から離れた面内に位置するように測定ヘッドの記録表面にアプローチさせる(S804)。
次に、制御部30は、検査ステージ101から出力されるXステージ106及びYステージ105の位置情報を受けて、信号線310を介してローバー1に形成された磁気ヘッド素子部4の磁界発生領域3に磁界を発生させる信号を出力して、磁界発生領域3に磁界を発生させる(S805)。
次に、ピエゾドライバ107から加振部122を制御して、表面に磁性膜121が形成されたカンチレバー100の探針120を上下に振動させながら、磁界を発生させた磁界発生領域3を含む領域を走査する(S806)。このとき、変位センサ110の検出信号を受けて差動アンプ111から出力される信号のレベルを予め設定した基準信号レベルと比較し、差動アンプ111から出力が基準信号レベルに対して所定の範囲に入るようにピエゾドライバ107から加振部122に印加する信号を制御すると共に、図6に示すようなカンチレバーの実変位量と励磁電圧との関係からZステージ104を制御して、間隔H(Hf)を維持した状態でカンチレバー100の振幅を調整する。
磁界発生領域3を含む領域を走査が終了すると、制御部30で磁界発生領域3のMFM画像を作成する(S807)。
次に、信号線310からのローバー1に形成された磁気ヘッド素子部4の磁界発生領域3に磁界を発生させる信号を遮断する(S808)。作成した磁界発生領域3のMFM画像から有効トラック幅(Tw)の大きさを求める(S809)。最後に、この求めた値を予め設定した基準値と比較することにより、有効トラック幅(Tw)の大きさの良否を判定し(S810)、その結果を、入出力部31に出力する(S811)。
次に、カンチレバー100が上昇し、ローバー1の中で次に測定すべきヘッドがあるかをチェックし(S812)、有る場合には次の測定ヘッドがカンチレバーの下方に移動し(S813),S803からの操作を実行する。ローバー1の中で次に測定すべきヘッドが無くなった場合には、Zステージ104でカンチレバー部100を上昇させた状態で測定が終了したローバー1を図示していないハンドリングユニットで取出して回収トレイに収納する(S814)。
次に、図示していない供給トレイに未検査のローバー40があるか否かをチェックし(S815)、未検査のローバー40がある場合には未検査のローバー40を供給トレイ(図示せず)から取出して(S816),検査ステージ101に搬送してS801からのステップを実行する。一方、供給トレイうちに未検査のローバー40が無い場合には、測定を終了する(S817)。
このように本実施例によれば、磁気力顕微鏡のカンチレバーの実振幅変位量を予め把握しておくことにより、カンチレバーの実振幅変位量を最適化して、微小なトラック幅を有する磁気ヘッドからの微弱な磁界強度の場合であっても高精度に検査することができる。
1・・・ローバー 3・・・磁界発生領域 4・・・磁気ヘッド素子部 30・・・制御部 31・・・入出力部 100・・・カンチレバー部 101・・・検査ステージ 102・・・発信器 103・・・カメラ 104・・・Zステージ 105・・・Yステージ 106・・・Xステージ 107・・・ピエゾドライバ 109・・・レーザ素子 110・・・変位センサ 111・・・差動アンプ 112・・・DCコンバータ 113・・・フィードバックコントローラ 114・・・載置部 120・・・探針 121・・・磁性膜 122・・・加振部 301・・・ピエゾドライバ制御部 302・・・ヘッド検査部 310・・・信号ライン。

Claims (10)

  1. 磁気ヘッドを載置し2次元方向に走査するXYステージと、
    表面に磁性膜が形成された探針を先端部に形成したカンチレバーと、
    該カンチレバーを所定の周波数で振動させる加振部と、
    前記カンチレバーを前記磁気ヘッドの表面から所定高さに保持するZステージと、
    前記加振部により所定の周波数で加振された前記カンチレバーの変位量を検出して変位信号を出力する変位検出部と、
    前記XYステージと前記加振部とを制御して前記カンチレバーを振動させながら前記磁気ヘッドの表面を走査しているときに前記変位検出部から出力された変位信号に基づいて前記カンチレバーの振動の振幅を制御する制御部と、
    前記変位検出部からの出力信号を受けて前記磁気ヘッドの良否を判定するヘッド検査部と
    を備えたことを特徴とする磁気ヘッド検査装置。
  2. 請求項1に記載の磁気ヘッド検査装置であって、前記制御部は、前記加振部への印加電圧と前記カンチレバーの振動の振幅との関係を予めデータとして記憶していることを特徴とする磁気ヘッド検査装置。
  3. 請求項1又は2に記載の磁気ヘッド検査装置であって、
    前記制御部は、前記変位検出部から出力された変位信号に基づいて前記加振部への印加電圧を制御による前記カンチレバーの振動の振幅を調整すると共に、前記加振部への印加電圧に応じて前記Zステージを制御して前記カンチレバーの前記磁気ヘッドの表面からの高さを調整することを特徴とする磁気ヘッド検査装置。
  4. 請求項3に記載の磁気ヘッド検査装置であって、前記加振部への印加電圧に応じて前記Zステージを制御して前記カンチレバーの前記磁気ヘッドの表面からの高さを調整することを、前記振動するカンチレバーに形成した探針が、前記振動の下端において前記磁気ヘッドの表面から一定の高さを維持するように調整することを特徴とする磁気ヘッド検査装置。
  5. 請求項1記載の磁気ヘッド検査装置であって、前記ヘッド検査部は、前記変位検出部からの出力信号を受けて前記磁気ヘッドの実効トラック幅を検出し、該検出した実効トラック幅を予め記憶しておいた基準値と比較して前記磁気ヘッドの良否を判定することを特徴とする磁気ヘッド検査装置。
  6. XYステージに載置した磁気ヘッドの上面から所定の間隔離れた位置に表面に磁性膜が形成された探針を先端部に形成したカンチレバーを設置し、
    前記磁気ヘッドを載置したXYステージを一方向に移動させながら加振部で前記カンチレバーを所定の周波数で振動させ、
    前記所定の周波数で振動させられた前記カンチレバーの変位量を検出し、
    前記検出した変位量に基づいて前記カンチレバーの振動を制御し、
    該振動が制御された前記カンチレバーの変位量を検出して得られた信号を受けて前記磁気ヘッドの良否を判定する
    ことを特徴とする磁気ヘッド検査方法。
  7. 請求項6に記載の磁気ヘッド検査方法であって、前記カンチレバーの振動を制御することを、予めデータとして記憶しておいた前記加振部への印加電圧と前記カンチレバーの振動の振幅との関係に基づいて制御することを特徴とする磁気ヘッド検査方法。
  8. 請求項6又は7に記載の磁気ヘッド検査方法であって、
    前記カンチレバーの振動を制御することを、予めデータとして記憶しておいた前記加振部への印加電圧と前記カンチレバーの振動の振幅との関係に基づいて制御すると共に、前記加振部への印加電圧に応じて前記カンチレバーと前記軸ヘッドの上面との間隔を調整することを特徴とする磁気ヘッド検査方法。
  9. 請求項8に記載の磁気ヘッド検査方法であって、前記加振部への印加電圧に応じて前記カンチレバーと前記軸ヘッドの上面との間隔を調整することを、前記振動するカンチレバーに形成した探針が、前記振動の下端において前記磁気ヘッドの表面から一定の高さを維持するように調整することを特徴とする磁気ヘッド検査方法。
  10. 請求項6記載の磁気ヘッド検査方法であって、前記ヘッド検査の良否を判定することを、前記検出したカンチレバーの変位量の上方を受けて前記磁気ヘッドの実効トラック幅を検出し、該検出した実効トラック幅を予め記憶しておいた基準値と比較して前記磁気ヘッドの良否を判定することを特徴とする磁気ヘッド検査方法。
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