JP2016031208A - 除湿システム - Google Patents

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JP2016031208A JP2014154754A JP2014154754A JP2016031208A JP 2016031208 A JP2016031208 A JP 2016031208A JP 2014154754 A JP2014154754 A JP 2014154754A JP 2014154754 A JP2014154754 A JP 2014154754A JP 2016031208 A JP2016031208 A JP 2016031208A
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尚利 藤田
Naotoshi Fujita
尚利 藤田
敏幸 夏目
Toshiyuki Natsume
敏幸 夏目
中山 浩
Hiroshi Nakayama
浩 中山
松井 伸樹
Nobuki Matsui
伸樹 松井
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Abstract

【課題】冷媒回路における凝縮圧力の上昇を抑制しつつ除湿能力を向上させる。【解決手段】冷媒回路(20)は、第1吸着熱交換器(21)が蒸発器となり第2吸着熱交換器(22)が凝縮器となる第1冷凍サイクル動作と、第1吸着熱交換器(21)が凝縮器となり第2吸着熱交換器(22)が蒸発器となる第2冷凍サイクル動作とを交互に行う。切換機構(30)は、蒸発器となっている吸着熱交換器(21,22)を通過した空気が調湿空間(S0)へ供給され、凝縮器となっている吸着熱交換器(22,21)に吸着剤を再生させるための空気が流通するように、空気の流れを切り換える。補助熱交換器(70)は、冷媒回路(20)に設けられ、冷媒回路(20)の第1および第2冷凍サイクル動作の両方において冷媒を放熱させる放熱器となる。【選択図】図1

Description

この発明は、空気を除湿して調湿空間へ供給する除湿システムに関し、特に、吸着剤が担持された吸着熱交換器を有する除湿システムに関する。
従来より、空気を除湿して調湿空間(例えば、室内空間)へ供給する除湿装置が知られている。例えば、特許文献1には、2つの吸着熱交換器を有する冷媒回路を備え、吸着熱交換器において空気の湿度調整を行う調湿装置が記載されている。この調湿装置は、第1吸着熱交換器が凝縮器となり第2吸着熱交換器が蒸発器となる第1動作と、第1吸着熱交換器が蒸発器となり第2吸着熱交換器が凝縮器となる第2動作とを交互に繰り返し行う。具体的には、この調湿装置は、蒸発器となっている吸着熱交換器を通過して除湿された空気を室内へ供給するとともに凝縮器となっている吸着熱交換器を通過して加湿された空気を室外に排出する除湿運転を行う。
特開2006−349294号公報
ところで、特許文献1の調湿装置を除湿装置として利用する場合、蒸発器となっている吸着熱交換器の蒸発温度を低下させて除湿能力を向上させることが考えられる。しかしながら、冷媒回路では、蒸発器となっている吸着熱交換器の蒸発温度が低くなるほど、凝縮器となっている吸着熱交換器の凝縮圧力が高くなる傾向にある。そして、冷媒回路における凝縮圧力が高くなり過ぎると、高圧異常により除湿運転を正常に行うことができなくなるおそれがある。
そこで、この発明は、冷媒回路における凝縮圧力の上昇を抑制しつつ除湿能力を向上させることが可能な除湿システムを提供することを目的とする。
第1の発明は、吸着剤が担持された第1および第2吸着熱交換器(21,22)を有し、該第1吸着熱交換器(21)が蒸発器となって空気を除湿し該第2吸着熱交換器(22)が凝縮器となって吸着剤を再生させる第1冷凍サイクル動作と、該第1吸着熱交換器(21)が凝縮器となって吸着剤を再生させ該第2吸着熱交換器(22)が蒸発器となって空気を除湿する第2冷凍サイクル動作とを交互に行う冷媒回路(20)と、上記第1および第2吸着熱交換器(21,22)のうち、蒸発器となっている吸着熱交換器(21,22)を通過した空気が調湿空間(S0)へ供給され、凝縮器となっている吸着熱交換器(22,21)に吸着剤を再生するための空気が流通するように、空気の流れを切り換える切換機構(30)と、上記冷媒回路(20)に設けられ、該冷媒回路(20)の第1および第2冷凍サイクル動作の両方において冷媒を放熱させる放熱器となる補助熱交換器(70)とを備えていることを特徴とする除湿システムである。
上記第1の発明では、放熱器となる補助熱交換器(70)を冷媒回路(20)に設けることにより、蒸発器となっている吸着熱交換器(21,22)において冷媒に吸収された熱を、凝縮器となっている吸着熱交換器(22,21)と放熱器となっている補助熱交換器(70)との両方において冷媒から放出させることができる。すなわち、冷媒回路(20)において、冷媒を吸熱させる熱交換器の伝熱面積の総面積よりも、冷媒を放熱させる熱交換器の伝熱面積の総面積を広くすることができる。これにより、冷媒回路(20)における冷媒の放熱を促進させることができる。
なお、上記第1の発明では、除湿能力を向上させるために、冷媒回路(20)において蒸発温度を低下させて吸熱能力を高くするほど、冷媒回路(20)において必要とされる放熱能力が高くなっていく。また、冷媒回路(20)の放熱能力は、冷媒回路(20)における凝縮圧力と冷媒を放熱させる熱交換器の伝熱面積の総面積とに依存している。具体的には、冷媒回路(20)における凝縮圧力が高くなるほど、冷媒回路(20)の放熱能力が高くなる傾向にある。また、冷媒を放熱させる熱交換器の伝熱面積の総面積が広くなるほど、冷媒回路(20)の放熱能力が高くなる傾向にある。
したがって、上記第1の発明では、放熱器となる補助熱交換器(70)を冷媒回路(20)に設けることにより、冷媒回路(20)において冷媒を放熱させる熱交換器の伝熱面積の総面積を増加させることができるので、冷媒回路(20)における凝縮圧力を上昇させることなく、冷媒回路(20)の放熱能力を高くすることができる。
第2の発明は、上記第1の発明において、上記補助熱交換器(70)を通過した空気が、室外空間へ排出されることを特徴とする除湿システムである。
上記第2の発明では、補助熱交換器(70)から放出された熱によって再生空気(すなわち、凝縮器となっている吸着熱交換器(21,22)に供給される空気)の温度が上昇してしまうことを防止することができる。
第3の発明は、上記第1の発明において、上記補助熱交換器(70)が、上記第1および第2吸着熱交換器(21,22)のうち蒸発器となっている吸着熱交換器(21,22)から上記調湿空間(S0)へ向かう空気へ放熱するように構成されていることを特徴とする除湿システムである。
上記第3の発明では、補助熱交換器(70)から放出される熱を、蒸発器となっている吸着熱交換器(21,22)から調湿空間(S0)へ向かう空気の温度調節に利用することができる。
第4の発明は、上記第3の発明において、吸着剤が担持され、上記第1および第2吸着熱交換器(21,22)のうち蒸発器となっている吸着熱交換器(21,22)から上記調湿空間(S0)へ向かう空気を吸着剤と接触させて除湿する吸着部(61)と、吸着剤を空気と接触させて再生させる再生部(62)とを有する吸着ロータ(60)をさらに備え、上記補助熱交換器(70)が、上記吸着ロータ(60)の吸着部(61)から上記調湿空間(S0)へ向かう空気へ放熱するように構成されていることを特徴とする除湿システムである。
上記第4の発明では、補助熱交換器(70)から放出される熱を、吸着ロータ(60)の吸着部(61)から調湿空間(S0)へ向かう空気の温度調節に利用することができる。
第5の発明は、上記第1〜第4の発明のいずれか1つにおいて、上記第1および第2吸着熱交換器(21,22)がそれぞれ設けられる第1および第2熱交換室(S1,S2)が形成されたケーシング(40)と、それぞれに吸着剤が担持され空気を吸着剤と接触させる第1および第2吸着ブロック(51,52)とをさらに備え、上記切換機構(30)が、上記第1および第2熱交換室(S1,S2)のうち、蒸発器となっている吸着熱交換器(21,22)が設けられた熱交換室(S1,S2)を通過した空気が上記調湿空間(S0)へ供給され、凝縮器となっている吸着熱交換器(22,21)が設けられた熱交換室(S2,S1)に吸着剤を再生するための空気が流通するように、空気の流れを切り換え、上記第1吸着ブロック(51)が、上記第1熱交換室(S1)において、上記第1吸着熱交換器(21)が蒸発器となっている場合に該第1吸着熱交換器(21)の風下側となる位置に設けられ、上記第2吸着ブロック(52)が、上記第2熱交換室(S2)において、上記第2吸着熱交換器(22)が蒸発器となっている場合に該第2吸着熱交換器(22)の風下側となる位置に設けられることを特徴とする除湿システムである。
上記第5の発明では、第1および第2熱交換室(S1,S2)に第1および第2吸着ブロック(51,52)をそれぞれ設けることにより、第1および第2熱交換室(S1,S2)における空気の除湿量を増加させることができる。また、第1および第2熱交換室(S1,S2)の各々において吸着熱交換器(21,22)が蒸発器となっている場合に吸着熱交換器(21,22)の風下側となる位置に吸着ブロック(51,52)を設けることにより、吸着熱交換器(21,22)において除湿および冷却された空気を吸着ブロック(51,52)に供給して吸着ブロック(51,52)における吸着剤への水分の吸着を促進させることができる。
第6の発明は、上記第1の発明において、吸着剤が担持され、上記第1および第2吸着熱交換器(21,22)のうち蒸発器となっている吸着熱交換器(21,22)から上記調湿空間(S0)へ向かう空気を吸着剤と接触させて除湿する吸着部(61)と、吸着剤を空気と接触させて再生させる再生部(62)とを有する吸着ロータ(60)をさらに備え、上記補助熱交換器(70)が、上記吸着ロータ(60)の再生部(62)に供給される空気へ放熱するように構成されていることを特徴とする除湿システムである。
上記第6の発明では、補助熱交換器(70)から放出される熱を、吸着ロータ(60)の再生部(62)における吸着剤の再生に利用することができる。
第7の発明は、上記第6の発明において、上記第1および第2吸着熱交換器(21,22)がそれぞれ設けられる第1および第2熱交換室(S1,S2)が形成されたケーシング(40)と、それぞれに吸着剤が担持され空気を吸着剤と接触させる第1および第2吸着ブロック(51,52)とをさらに備え、上記切換機構(30)が、上記第1および第2吸着熱交換器(21,22)の各々を通過する空気の流通方向が、該吸着熱交換器(21,22)が蒸発器となっている場合と該吸着熱交換器(21,22)が凝縮器となっている場合とで逆方向となり、上記第1および第2熱交換室(S1,S2)のうち、蒸発器となっている吸着熱交換器(21,22)が設けられた熱交換室(S1,S2)を通過した空気が上記調湿空間(S0)へ供給され、凝縮器となっている吸着熱交換器(22,21)が設けられた熱交換室(S2,S1)に吸着剤を再生するための空気が流通するように、空気の流れを切り換え、上記第1吸着ブロック(51)が、上記第1熱交換室(S1)において、上記第1吸着熱交換器(21)が蒸発器となっている場合に該第1吸着熱交換器(21)の風下側となる位置に設けられ、上記第2吸着ブロック(52)が、上記第2熱交換室(S2)において、上記第2吸着熱交換器(22)が蒸発器となっている場合に該第2吸着熱交換器(22)の風下側となる位置に設けられ、上記吸着ロータ(60)の再生部(62)を通過した空気が、上記第1および第2熱交換室(S1,S2)のうち凝縮器となっている吸着熱交換器(22,21)が設けられた熱交換室(S2,S1)に供給されることを特徴とする除湿システムである。
上記第7の発明では、補助熱交換器(70)から放出される熱を、吸着ロータ(60)の再生部(62)および吸着ブロック(51,52)の各々における吸着剤の再生に利用することができる。
第8の発明は、上記第1の発明において、上記第1および第2吸着熱交換器(21,22)がそれぞれ設けられる第1および第2熱交換室(S1,S2)が形成されたケーシング(40)と、それぞれに吸着剤が担持され空気を吸着剤と接触させる第1および第2吸着ブロック(51,52)とをさらに備え、上記切換機構(30)が、上記第1および第2吸着熱交換器(21,22)の各々を通過する空気の流通方向が、該吸着熱交換器(21,22)が蒸発器となっている場合と該吸着熱交換器(21,22)が凝縮器となっている場合とで逆方向となり、上記第1および第2熱交換室(S1,S2)のうち、蒸発器となっている吸着熱交換器(21,22)が設けられた熱交換室(S1,S2)を通過した空気が上記調湿空間(S0)へ供給され、凝縮器となっている吸着熱交換器(22,21)が設けられた熱交換室(S2,S1)に吸着剤を再生するための空気が流通するように、空気の流れを切り換え、上記第1吸着ブロック(51)が、上記第1熱交換室(S1)において、上記第1吸着熱交換器(21)が蒸発器となっている場合に該第1吸着熱交換器(21)の風下側となる位置に設けられ、上記第2吸着ブロック(52)が、上記第2熱交換室(S2)において、上記第2吸着熱交換器(22)が蒸発器となっている場合に該第2吸着熱交換器(22)の風下側となる位置に設けられ、上記補助熱交換器(70)が、上記第1および第2熱交換室(S1,S2)のうち凝縮器となっている吸着熱交換器(22,21)が設けられた熱交換室(S2,S1)に供給される空気へ放熱するように構成されていることを特徴とする除湿システムである。
上記第8の発明では、補助熱交換器(70)から放出される熱を、吸着ブロック(51,52)における吸着剤の再生に利用することができる。すなわち、凝縮器となっている吸着熱交換器(21,22)の風上側に位置している吸着ブロック(51,52)に、補助熱交換器(70)によって加熱された空気を供給することができる。
第9の発明は、上記第1〜第8の発明のいずれか1つにおいて、上記冷媒回路(20)の動作が上記第1および第2冷凍サイクル動作の一方から他方へ切り換えられた時点から該第1および第2冷凍サイクル動作の他方から一方へ切り換えられる時点までの期間の途中において上記補助熱交換器(70)を通過する冷媒の流量が増加するように、該補助熱交換器(70)を通過する冷媒の流量を制御する制御部(90)をさらに備えていることを特徴とする除湿システムである。
上記第9の発明では、冷媒回路(20)の動作が切り換えられた時点から補助熱交換器(70)を通過する冷媒の流量が増加する時点までの期間では、補助熱交換器(70)における冷媒の放熱を抑制して、凝縮器となっている吸着熱交換器(21,22)における冷媒の放熱を促進させることができる。これにより、凝縮器となっている吸着熱交換器(22,21)の温度を上昇させて、吸着熱交換器(21,22)における吸着剤の再生を促進させることができる。また、補助熱交換器(70)を通過する冷媒の流量が増加した時点から冷媒回路(20)の動作が次に切り換えられる時点までの期間では、補助熱交換器(70)における冷媒の放熱を促進させて、冷媒回路(20)における冷媒の放熱を促進させることができる。これにより、冷媒回路(20)における凝縮圧力の上昇を抑制することができる。
第10の発明は、上記第9の発明において、上記冷媒回路(20)における凝縮圧力を検知する圧力検知器(91)をさらに備え、上記制御部(90)が、上記冷媒回路(20)の動作が上記第1および第2冷凍サイクル動作の一方から他方へ切り換えられた後に、上記圧力検知器(91)によって検知された凝縮圧力が予め定められた圧力閾値を超えると、上記補助熱交換器(70)を通過する冷媒の流量を増加させるように構成されていることを特徴とする除湿システムである。
上記第10の発明では、圧力検知器(91)による検知結果に基づいて補助熱交換器(70)の冷媒流量制御を行うことができる。
第11の発明は、上記第9の発明において、上記制御部(90)が、上記冷媒回路(20)の動作が上記第1および第2冷凍サイクル動作の一方から他方へ切り換えられた後に予め定められた待機時間が経過すると、上記補助熱交換器(70)を通過する冷媒の流量を増加させるように構成されていることを特徴とする除湿システムである。
上記第11の発明では、時間経過に基づいて補助熱交換器(70)の冷媒流量制御を行うことができる。
第1の発明によれば、冷媒回路(20)において冷媒を放熱させる熱交換器の伝熱面積の総面積を増加させて、冷媒回路(20)の放熱能力を高くすることができるので、冷媒回路(20)における凝縮圧力の上昇を抑制しつつ除湿能力を向上させることができる。
第2の発明によれば、補助熱交換器(70)から放出された熱によって再生空気の温度が上昇してしまうことを防止することができるので、再生空気の温度が上昇して凝縮器となっている吸着熱交換器(21,22)における冷媒の放熱が阻害されることを防止することができる。
第3の発明によれば、補助熱交換器(70)から放出される熱を、蒸発器となっている吸着熱交換器(21,22)から調湿空間(S0)へ向かう空気の温度調節に利用することができるので、調湿空間(S0)の温度調節に要する熱エネルギを削減することができる。
第4の発明によれば、補助熱交換器(70)から放出される熱を、吸着ロータ(60)の吸着部(61)から調湿空間(S0)へ向かう空気の温度調節に利用することができるので、調湿空間(S0)の温度調節に要する熱エネルギを削減することができる。
第5の発明によれば、第1および第2熱交換室(S1,S2)における空気の除湿量を増加させることができ、さらに、吸着ブロック(51,52)における吸着剤への水分の吸着を促進させることができるので、除湿システム(1)の除湿能力を向上させることができる。
第6の発明によれば、補助熱交換器(70)から放出される熱を、吸着ロータ(60)の再生部(62)における吸着剤の再生に利用することができるので、吸着ロータ(60)の吸着剤の再生に要する熱エネルギを削減することができる。
第7の発明によれば、補助熱交換器(70)から放出される熱を、吸着ロータ(60)の再生部(62)および吸着ブロック(51,52)の各々における吸着剤の再生に利用することができるので、吸着ロータ(60)の吸着剤および吸着ブロック(51,52)の吸着剤の再生に要する熱エネルギを削減することができる。
第8の発明によれば、補助熱交換器(70)から放出される熱を、吸着ブロック(51,52)における吸着剤の再生に利用することができるので、吸着ブロック(51,52)の吸着剤の再生に要する熱エネルギを削減することができる。また、凝縮器となっている吸着熱交換器(21,22)の風上側に位置している吸着ブロック(51,52)に、補助熱交換器(70)によって加熱された空気を供給することができるので、吸着ブロック(51,52)における吸着剤の再生を促進させることができる。
第9の発明によれば、冷媒回路(20)の動作が第1および第2冷凍サイクル動作の一方から他方へ切り換えられた時点から第1および第2冷凍サイクル動作の他方から一方へ切り換えられる時点までの期間の途中に、補助熱交換器(70)を通過する冷媒の流量を増加させることにより、凝縮器となっている吸着熱交換器(21,22)において吸着剤の再生のための時間(再生時間)を確保しつつ、冷媒回路(20)における凝縮圧力の上昇を効果的に抑制することができる。
第10の発明によれば、圧力検知器(91)による検知結果に基づいて補助熱交換器(70)の冷媒流量制御を行うことにより、冷媒回路(20)における凝縮圧力が異常値となることを防止することができる。
第11の発明によれば、時間経過に基づいて補助熱交換器(70)の冷媒流量制御を行うことにより、凝縮器となっている吸着熱交換器(21,22)において再生時間を確実に確保することができる。
実施形態1による除湿システムの構成例を示す配管系統図。 除湿ユニットの構造と第1除湿動作における空気の流れを示す概略図。 除湿ユニットの構造と第2除湿動作における空気の流れを示す概略図。 実施形態2による除湿システムの構成例を示す配管系統図。 実施形態3による除湿システムの構成例を示す配管系統図。 実施形態4による除湿システムの構成例を示す配管系統図。 実施形態4における補助熱交換器の配置例を示す概略図。 冷媒回路の変形例1を示す配管系統図。 冷媒回路の変形例2を示す配管系統図。 冷媒回路の変形例3を示す配管系統図。 冷媒回路の変形例4を示す配管系統図。
以下、実施の形態を図面を参照して詳しく説明する。なお、図中同一または相当部分には同一の符号を付しその説明は繰り返さない。
(実施形態1)
図1は、実施形態1による除湿システム(1)の構成例を示している。除湿システム(1)は、空気を除湿して調湿空間(S0)へ供給するものであり、除湿ユニット(10)と、吸着ロータ(60)と、予冷却器(81)と、再熱加熱器(82)と、再生加熱器(83)と、補助冷却器(84)と、コントローラ(90)とを備えている。また、除湿システム(1)には、給気通路(AP1)と、再生通路(AP2)と、パージ通路(AP3)と、冷気通路(AP4)とが設けられている。なお、調湿空間(S0)は、露点温度が低い空気(具体的には、露点温度が−30℃〜−50℃程度の空気)の供給が要求されている空間であり、例えば、リチウム電池の製造ラインに設けられるドライクリーンルームである。
〔給気通路〕
給気通路(AP1)は、調湿空間(S0)に供給するための空気(処理空気)が流通する空気通路である。この例では、給気通路(AP1)は、その流入端が室外空間に接続されるとともに、その流出端が調湿空間(S0)に接続され、室外空間から取り込んだ室外空気(OA)を調湿空間(S0)へ供給するように構成されている。
〔再生通路〕
再生通路(AP2)は、後述する吸着剤を再生するための空気(再生空気)が流通する空気通路である。この例では、再生通路(AP2)は、その流入端がパージ通路(AP3)の流出端に接続されるとともに、その流出端が室外空間に接続され、パージ通路(AP3)から取り込んだ空気を室外空間へ排出するように構成されている。
〔パージ通路〕
パージ通路(AP3)は、その流入端が給気通路(AP1)の第1中途部(C1)に接続されるとともに、その流出端が再生通路(AP2)の流入端に接続され、給気通路(AP1)の第1中途部(C1)から取り込んだ空気を再生通路(AP2)へ供給するように構成されている。
〔冷気通路〕
冷気通路(AP4)は、その流入端が調湿空間(S0)に接続されるとともに、その流出端が給気通路(AP1)において給気通路(AP1)とパージ通路(AP3)との接続部(すなわち、第1中途部(C1))よりも上流側に位置する第2中途部(C2)に接続され、調湿空間(S0)から取り込んだ室内空気(RA)を給気通路(AP1)の第2中途部(C2)へ供給するように構成されている。
〔機器配置〕
この例では、除湿ユニット(10)は、給気通路(AP1)と再生通路(AP2)とに跨がるように設けられている。吸着ロータ(60)は、給気通路(AP1)と再生通路(AP2)とパージ通路(AP3)とに跨がるように設けられている。そして、給気通路(AP1)では、除湿ユニット(10)は、吸着ロータ(60)よりも上流側に配置されている。具体的には、除湿ユニット(10)は、給気通路(AP1)の第2中途部(C2)よりも上流側に配置され、吸着ロータ(60)は、給気通路(AP1)の第1中途部(C1)よりも下流側に配置されている。一方、再生通路(AP2)では、吸着ロータ(60)は、除湿ユニット(10)よりも上流側に配置されている。
〔除湿ユニット〕
除湿ユニット(10)は、冷媒回路(20)と、切換機構(30)と、ケーシング(40)と、第1および第2吸着ブロック(51,52)とを備えている。ケーシング(40)には、第1および第2熱交換室(S1,S2)が形成されている。なお、以下の説明では、第1および第2吸着ブロック(51,52)の総称を単に「吸着ブロック(51,52)」と表記し、第1および第2熱交換室(S1,S2)の総称を単に「熱交換室(S1,S2)」と表記する。
〈冷媒回路〉
冷媒回路(20)は、冷媒を循環させて冷凍サイクル動作を行うものであり、吸着剤が担持された第1および第2吸着熱交換器(21,22)と、圧縮機(23)と、膨張機構(24)と、四方切換弁(25)とを備えている。そして、冷媒回路(20)は、第1冷凍サイクル動作と第2冷凍サイクル動作とを交互に行うことができるように構成されている。第1冷凍サイクル動作では、第1吸着熱交換器(21)が蒸発器となって空気を除湿し、第2吸着熱交換器(22)が凝縮器となって吸着剤を再生させる。第2冷凍サイクル動作では、第1吸着熱交換器が凝縮器となって吸着剤を再生させ、第2吸着熱交換器(22)が蒸発器となって空気を除湿する。第1および第2吸着熱交換器(21,22)は、それぞれ、第1および第2熱交換室(S1,S2)に設けられている。また、冷媒回路(20)には、高圧圧力センサ(91)が設けられている。なお、以下の説明では、第1および第2吸着熱交換器(21,22)の総称を単に「吸着熱交換器(21,22)」と表記する。
《吸着熱交換器》
吸着熱交換器(21,22)は、熱交換器(例えば、クロスフィン型のフィンアンドチューブ式の熱交換器)の表面に吸着剤を担持させることによって構成されている。なお、吸着剤は、ゼオライト,シリカゲル,活性炭,親水性の官能基を有する有機高分子材料によって構成されていてもよいし、水分を吸着する機能だけではなく水分を吸収する機能も有する材料(所謂、収着剤)によって構成されていてもよい。
《圧縮機》
圧縮機(23)は、冷媒を圧縮して吐出するものであり、その回転数(運転周波数)を変更可能に構成されている。例えば、圧縮機(103)は、インバータ回路(図示を省略)により回転数を調節可能な可変容量式の圧縮機(ロータリー式,スイング式,スクロール式などの圧縮機)によって構成されている。
《膨張機構》
膨張機構(24)は、冷媒を減圧するものであり、第1および第2吸着熱交換器(21,22)の液側端部の間に設けられる。この例では、膨張機構(24)は、膨張弁(EV)によって構成されている。膨張弁(EV)は、例えば、その開度を調節可能な電動弁によって構成されている。
《四方切換弁》
四方切換弁(25)は、第1〜第4ポートを有し、第1ポートは、圧縮機(23)の吐出管に接続され、第2ポートは、圧縮機(23)の吸入管に接続され、第3ポートは、第2吸着熱交換器(22)のガス側端部に接続され、第4ポートは、第1吸着熱交換器(21)のガス側端部に接続されている。そして、四方切換弁(25)は、第1ポートと第3ポートとが連通するとともに第2ポートと第4ポートとが連通する第1連通状態(図1の実線で示された状態)と、第1ポートと第4ポートとが連通するとともに第2ポートと第3ポートとが連通する第2連通状態(図1の破線で示された状態)とに交互に切り換え可能に構成されている。
《第1冷凍サイクル動作》
第1冷凍サイクル動作では、四方切換弁(25)が第1連通状態(図1の実線で示された状態)に設定され、圧縮機(23)が駆動され、膨張弁(EV)の開度が所定の開度に調節される。これにより、冷媒回路(20)では、第1吸着熱交換器(21)が蒸発器となり、第2吸着熱交換器(22)が凝縮器となる。具体的には、圧縮機(23)から吐出された冷媒は、四方切換弁(25)を通過した後に、第2吸着熱交換器(22)において放熱して凝縮する。これにより、第2吸着熱交換器(22)では、冷媒の放熱により吸着剤が加熱され、吸着剤の水分が空気中に放出されて吸着剤が再生される。第2吸着熱交換器(22)を通過した冷媒は、膨張弁(EV)において減圧された後に、第1吸着熱交換器(21)において吸熱して蒸発する。これにより、第1吸着熱交換器(21)では、冷媒の吸熱により吸着剤が冷却され、空気中の水分が吸着剤に吸着されて空気が除湿され、その吸着により生じる吸着熱が冷媒に吸収される。第1吸着熱交換器(21)を通過した冷媒は、四方切換弁(25)を通過した後に、圧縮機(23)に吸入されて圧縮される。
《第2冷凍サイクル動作》
第2冷凍サイクル動作では、四方切換弁(25)が第2連通状態(図1の破線で示された状態)に設定され、圧縮機(23)が駆動され、膨張弁(EV)の開度が所定の開度に調節される。これにより、冷媒回路(20)では、第1吸着熱交換器(21)が凝縮器となり、第2吸着熱交換器(22)が蒸発器となる。具体的には、圧縮機(23)から吐出された冷媒は、四方切換弁(25)を通過した後に、第1吸着熱交換器(21)において放熱して凝縮する。これにより、第1吸着熱交換器(21)では、冷媒の放熱により吸着剤が加熱され、吸着剤の水分が空気中に放出されて吸着剤が再生される。第1吸着熱交換器(21)を通過した冷媒は、膨張弁(EV)において減圧された後、第2吸着熱交換器(22)において吸熱して蒸発する。これにより、第2吸着熱交換器(22)では、冷媒の吸熱により吸着剤が冷却され、空気中の水分が吸着剤に吸着されて空気が除湿され、その吸着により生じる吸着熱が冷媒に吸収される。第2吸着熱交換器(22)を通過した冷媒は、四方切換弁(25)を通過した後に、圧縮機(23)に吸入されて圧縮される。
このように、蒸発器となっている吸着熱交換器(21,22)を通過する空気は、吸着熱交換器(21,22)の吸着剤に水分を奪われて湿度が低下するとともに、吸着熱交換器(21,22)を流通する冷媒の吸熱作用により冷却されて温度も低下する。また、凝縮器となっている吸着熱交換器(21,22)を通過する空気は、吸着熱交換器(21,22)の吸着剤から水分を付与されて湿度が上昇するとともに、吸着熱交換器(21,22)を流通する冷媒の放熱作用により加熱されて温度も上昇する。
《高圧圧力センサ(圧力検知部)》
高圧圧力センサ(91)は、冷媒回路(20)における凝縮圧力を検知するように構成されている。この例では、高圧圧力センサ(91)は、圧縮機(23)の吐出管の近傍に設置され、設置場所の冷媒圧力を冷媒回路(20)における凝縮圧力として検知する。
〈切換機構〉
切換機構(30)は、第1および第2吸着熱交換器(21,22)のうち、蒸発器となっている吸着熱交換器(21,22)を通過した処理空気が調湿空間(S0)へ供給され、凝縮器となっている吸着熱交換器(21,22)に吸着剤を再生するための再生空気が流通するように、除湿ユニット(10)における空気の流れを切り換える。具体的には、切換機構(30)は、調湿空間(S0)に供給するための処理空気(この例では、給気通路(AP1)において予冷却器(81)を通過した空気)が、蒸発器となっている吸着熱交換器(21,22)が設けられた熱交換室(S1,S2)を通過して調湿空間(S0)へ供給され、吸着剤を再生するための再生空気(この例では、再生通路(AP2)において吸着ロータ(60)を通過した空気)が、凝縮器となっている吸着熱交換器(22,21)が設けられた熱交換室(S2,S1)を通過して室外空間へ排出されるように、除湿ユニット(10)における空気の流れを切り換える。
この例では、切換機構(30)は、冷媒回路(20)の動作の切り換え(具体的には、四方切換弁(25)の切り換え)と連動して、除湿ユニット(10)における空気の流れを、第1流通状態(図1の実線で示した状態)と第2流通状態(図1の破線で示した状態)とに交互に切り換えるように構成されている。具体的には、切換機構(30)は、冷媒回路(20)が第1冷凍サイクル動作を行う場合には、除湿ユニット(10)における空気の流れを第1流通状態に設定し、冷媒回路(20)が第2冷凍サイクル動作を行う場合には、除湿ユニット(10)における空気の流れを第2流通状態に設定するように構成されている。
《第1流通状態》
第1流通状態では、第1熱交換室(S1)が給気通路(AP1)に組み込まれ、第2熱交換室(S2)が再生通路(AP2)に組み込まれる。これにより、給気通路(AP1)では、処理空気が第1熱交換室(S1)を通過して調湿空間(S0)へ供給され、再生通路(AP2)では、再生空気が第2熱交換室(S2)を通過して室外空間へ排出される。
《第2流通状態》
第2流通状態では、第1熱交換室(S1)が再生通路(AP2)に組み込まれ、第2熱交換室(S2)が給気通路(AP1)に組み込まれる。これにより、給気通路(AP1)では、処理空気が第2熱交換室(S2)を通過して調湿空間(S0)へ供給され、再生通路(AP2)では、再生空気が第1熱交換室(S1)を通過して室外空間へ排出される。
《吸着熱交換器を通過する空気の流通方向》
なお、この例では、切換機構(30)は、第1および第2吸着熱交換器(21,22)の各々を通過する空気の流通方向が、吸着熱交換器(21,22)が蒸発器となっている場合と吸着熱交換器(21,22)が凝縮器となっている場合とで逆方向となるように、除湿ユニット(10)における空気の流れを切り換える。
〈吸着ブロック〉
吸着ブロック(51,52)は、吸着剤が担持され、空気を吸着剤と接触させるように構成されている。例えば、吸着ブロック(51,52)は、ハニカム構造体の表面に吸着剤を担持させることによって構成されている。第1吸着ブロック(51)は、第1熱交換室(S1)において、第1吸着熱交換器(21)が蒸発器となっている場合に第1吸着熱交換器(21)の風下側となる位置に設けられている。第2吸着ブロック(52)は、第2熱交換室(S2)において、第2吸着熱交換器(22)が蒸発器となっている場合に第2吸着熱交換器(22)の風下側となる位置に設けられている。
なお、この例では、第1および第2吸着熱交換器(21,22)の各々を通過する空気の流通方向は、その吸着熱交換器(21,22)が蒸発器となっている場合とその吸着熱交換器(21,22)が凝縮器となっている場合とで逆方向となっている。したがって、第1および第2熱交換室(S1,S2)の各々において、吸着ブロック(51,52)は、吸着熱交換器(21,22)が蒸発器となっている場合には、吸着熱交換器(21,22)の風下側に位置し、吸着熱交換器(21,22)が凝縮器となっている場合には、吸着熱交換器(21,22)の風上側に位置する。
〈除湿ユニットによる動作〉
除湿ユニット(10)は、第1除湿動作と第2除湿動作とを所定の時間間隔(例えば、10分間隔)で交互に繰り返すように構成されている。
《第1除湿動作》
第1除湿動作では、四方切換弁(25)が第1連通状態(図1の実線で示した状態)に設定されて、冷媒回路(20)が第1冷凍サイクル動作を行う。また、切換機構(30)が除湿ユニット(10)における空気の流れを第1流通状態(図1の実線で示した状態)に設定する。これにより、蒸発器となっている第1吸着熱交換器(21)が設けられた第1熱交換室(S1)が給気通路(AP1)に組み込まれ、凝縮器となっている第2吸着熱交換器(22)が設けられた第2熱交換室(S2)が再生通路に組み込まれる。すなわち、給気通路(AP1)では、処理空気は、蒸発器となっている第1吸着熱交換器(21)が設けられた第1熱交換室(S1)を通過して調湿空間(S0)へ供給され、再生通路(AP2)では、再生空気は、凝縮器となっている第2吸着熱交換器(22)が設けられた第2熱交換室(S2)を通過して室外空間へ排出される。
第1熱交換室(S1)に流入した処理空気は、蒸発器となっている第1吸着熱交換器(21)を通過する。このとき、処理空気の水分が第1吸着熱交換器(21)の吸着剤に吸着されて、処理空気が除湿される。さらに、処理空気は、第1吸着熱交換器(21)を流通する冷媒の吸熱作用により冷却される。第1吸着熱交換器(21)を通過した処理空気は、第1吸着ブロック(51)を通過する。このとき、処理空気の水分が第1吸着ブロック(51)の吸着剤に吸着されて、処理空気が除湿される。第1吸着ブロック(51)を通過した空気は、第1熱交換室(S1)から流出する。
第2熱交換室(S2)に流入した再生空気は、第2吸着ブロック(52)を通過する。このとき、第2吸着ブロック(52)の吸着剤の水分が再生空気に放出されて、第2吸着ブロック(52)の吸着剤が再生されるとともに再生空気が加湿される。第2吸着ブロック(52)を通過した空気は、第2吸着熱交換器(22)を通過する。このとき、第2吸着熱交換器(22)の吸着剤の水分が再生空気に放出されて、第2吸着熱交換器(22)の吸着剤が再生されるとともに再生空気が加湿される。さらに、再生空気は、第2吸着熱交換器(22)を流通する冷媒の放熱作用により加熱される。第2吸着熱交換器(22)を通過した空気は、第2熱交換室(S2)から流出する。
《第2除湿動作》
第2除湿動作では、四方切換弁(25)が第1連通状態(図1の破線で示した状態)に設定されて、冷媒回路(20)が第2冷凍サイクル動作を行う。また、切換機構(30)が除湿ユニット(10)における空気の流れを第1流通状態(図1の破線で示した状態)に設定する。これにより、蒸発器となっている第2吸着熱交換器(22)が設けられた第2熱交換室(S2)が給気通路(AP1)に組み込まれ、凝縮器となっている第1吸着熱交換器(21)が設けられた第1熱交換室(S1)が再生通路に組み込まれる。すなわち、給気通路(AP1)では、処理空気は、蒸発器となっている第2吸着熱交換器(22)が設けられた第2熱交換室(S2)を通過して調湿空間(S0)へ供給され、再生通路(AP2)では、再生空気は、凝縮器となっている第1吸着熱交換器(21)が設けられた第1熱交換室(S1)を通過して室外空間へ排出される。
第2熱交換室(S2)に流入した処理空気は、蒸発器となっている第2吸着熱交換器(22)を通過して除湿および冷却される。第2吸着熱交換器(22)を通過した処理空気は、第2吸着ブロック(52)を通過して除湿される。第2吸着ブロック(52)を通過した空気は、第2熱交換室(S2)から流出する。
第1熱交換室(S1)に流入した再生空気は、第1吸着ブロック(51)を通過して加湿されるとともに第1吸着ブロック(51)の吸着剤を再生させる。第2吸着ブロック(52)を通過した空気は、第1吸着熱交換器(21)を通過して加湿および加熱されるとともに第1吸着熱交換器(21)の吸着剤を再生させる。第1吸着熱交換器(21)を通過した空気は、第1熱交換室(S1)から流出する。
〈除湿ユニットの構造〉
次に、図2を参照して、実施形態1による除湿ユニット(10)の構造について説明する。なお、以下の説明において用いる「上」「下」「左」「右」「前」「後」「奥」は、除湿ユニット(10)を前面側から見た場合の方向を示している。また、図2において、中央図は、除湿ユニット(10)の平面図であり、上図は、除湿ユニット(10)の背面図であり、下図は、除湿ユニット(10)の正面図である。
除湿ユニット(10)のケーシング(40)は、やや扁平で高さが比較的低い直方体型の箱状に形成されたケーシング本体(41)を有している。ケーシング本体(41)は、前面パネル(42)と背面パネル(43)と左側面パネル(44)と右側面パネル(45)と底面パネルと天面パネルとを有している。
また、ケーシング本体(41)には、吸湿側吸込口(41a)と再生側吸込口(41b)と給気口(41c)と排気口(41d)とが設けられている。吸湿側吸込口(41a)および再生側吸込口は、背面パネル(43)における右寄りの位置および左寄りの位置にそれぞれ形成され、給気口(41c)および排気口(41d)は、前面パネル(42)における左寄りの位置および右寄りの位置にそれぞれ形成されている。
吸湿側吸込口(41a)は、給気通路(AP1)における除湿ユニット(10)よりも上流側の通路部に接続され、給気口(41c)は、給気通路(AP1)における除湿ユニット(10)よりも下流側の通路部に接続される。再生側吸込口(41b)は、再生通路(AP2)における除湿ユニット(10)よりも上流側の通路部に接続され、排気口(41d)は、再生通路(AP2)における除湿ユニット(10)よりも下流側の通路部に接続される。
ケーシング本体(41)の内部空間は、前後に延びる第1および第2仕切板(46,47)によって左右方向に3つの空間に仕切られている。第1および第2仕切板(46,47)は、左側面パネル(44)および右側面パネル(45)と平行となるようにケーシング本体(41)内に立設され、第1仕切板(46)が左側面パネル(44)寄りとなり第2仕切板(47)が右側面パネル(45)寄りとなるように左右方向に所定の間隔をおいて配置されている。そして、第1仕切板(46)の左側の空間は、左側空間(S21)となり、第1仕切板(46)と第2仕切板(47)との間の空間は、中央空間(S22)となり、第2仕切板(47)の右側の空間は、右側空間(S23)となっている。
《左側空間》
左側空間(S21)は、左側面パネル(44)側の部分(空間)と第1仕切板(46)側の部分(空間)とに区画されている。左側空間(S21)内における左側面パネル(44)側の空間は、上下に延びる仕切板によって前後方向に2つの空間に仕切られており、前側の空間が給気ファン室(S34)を構成し、奥側の空間が再生側吸込室(S41)を構成している。左側空間(S21)内における第1仕切板(46)側の空間は、前後に延びる仕切板によって上下方向に2つの空間に仕切られており、上側の空間が第2吸湿側内部通路(S33)を構成し、下側の空間が第1再生側内部通路(S42)を構成している。
給気ファン室(S34)は、給気口(41c)を経由して給気通路(AP1)における下流側の通路部(すなわち、除湿ユニット(10)から給気通路(AP1)の流出端に至る通路部)と連通している。また、給気ファン室(S34)には、給気ファン(53)が収容されており、給気ファン(53)の吹出口が給気口(41c)に接続されている。さらに、給気ファン室(S34)には、圧縮機(23)が収容されている。再生側吸込室(S41)は、再生側吸込口(41b)を経由して再生通路(AP2)における上流側の通路部(すなわち、再生通路(AP2)の流入端から除湿ユニット(10)に至る通路部)と連通している。第2吸湿側内部通路(S33)は、再生側吸込室(S41)とは前後に延びる仕切板によって仕切られる一方、給気ファン室(S34)と連通している。第1再生側内部通路(S42)は、給気ファン室(S34)とは前後に延びる仕切板によって仕切られる一方、再生側吸込室(S41)と連通している。
《右側空間》
右側空間(S23)は、右側面パネル(45)側の部分(空間)と第2仕切板(47)側の部分(空間)とに区画されている。右側空間(S23)内における右側面パネル(45)側の空間は、前側の空間と奥側の空間とに区画され、前側の空間が排気ファン室(S44)を構成している。一方、奥側の空間は、前後に延びる仕切板によって上下方向に2つの空間に仕切られ、奥上側の空間が排気ファン室(S44)と連通し、奥下側の空間が吸湿側吸込室(S31)を構成している。吸湿側吸込室(S31)は、上下に延びる仕切板によって排気ファン室(S44)と仕切られている。右側空間(S23)内における第2仕切板(47)側の空間は、前後に延びる仕切板によって上下方向に2つの空間に仕切られ、上側の空間が第2再生側内部通路(S43)を構成し、下側の空間が第1吸湿側内部通路(S32)を構成している。
排気ファン室(S44)は、排気口(41d)を経由して再生通路(AP2)における下流側の通路部(すなわち、除湿ユニット(10)から再生通路(AP2)の流出端に至る通路部)と連通している。また、排気ファン室(S44)には、排気ファン(54)が収容され、排気ファン(54)の吹出口が排気口(41d)に接続されている。吸湿側吸込室(S31)は、吸湿側吸込口(41a)を経由して給気通路(AP1)における上流側の通路部(すなわち、給気通路(AP1)の流入端から除湿ユニット(10)に至る通路部)と連通している。第2再生側内部通路(S43)は、排気ファン室(S44)および右側空間(S23)内における右奥上側の空間と連通している。第1吸湿側内部通路(S32)は、排気ファン室(S44)とは上下に延びる仕切板によって仕切られる一方、吸湿側吸込室(S31)と連通している。
《中央空間》
中央空間(S22)は、左右に延びる中央仕切板(48)によって前後方向に2つの空間に仕切られ、奥側の空間が第1熱交換室(S1)を構成し、前側の空間が第2熱交換室(S2)を構成している。第1熱交換室(S1)には、第1吸着熱交換器(21)と第1吸着ブロック(51)が設けられ、第2熱交換室(S2)には、第2吸着熱交換器(22)と第2吸着ブロック(52)が設けられている。
《吸着熱交換器》
吸着熱交換器(21,22)は、全体として概ね直方体状に形成され、互いに対向する二つの主面(幅広の側面)が空気を通過させる面となっている。そして、吸着熱交換器(21,22)は、その二つの主面が第1および第2仕切板(46,47)と平行となるように、熱交換室(S1,S2)の左右方向の中央部に設置されている。
《吸着ブロック》
吸着ブロック(51,52)は、全体として概ね直方体状に形成され、互いに対向する二つの主面(幅広の側面)が空気を通過させる面となっている。例えば、吸着ブロック(51,52)は、その二つの主面の一方から他方まで貫通する多数の貫通孔が形成された構造(具体的には、ハニカム構造)を有している。そして、吸着ブロック(51,52)は、その二つの主面が第1および第2仕切板(46,47)と平行となるように、熱交換室(S1,S2)において吸着熱交換器(21,22)と第1仕切板(46)との間に設置されている。
《ダンパ(切換機構)》
第1仕切板(46)には、第1〜第4ダンパ(D1,D2,D3,D4)が設けられ、第2仕切板(47)には、第5〜第8ダンパ(D5,D6,D7,D8)が設けられている。具体的には、第1仕切板(46)では、正面側の上部に第1ダンパ(D1)が、背面側の上部に第2ダンパ(D2)が、正面側の下部に第3ダンパ(D3)が、背面側の下部に第4ダンパ(D4)がそれぞれ取り付けられている。第2仕切板(47)では、正面側の上部に第5ダンパ(D5)が、背面側の上部に第6ダンパ(D6)が、正面側の下部に第7ダンパ(D7)が、背面側の下部に第8ダンパ(D8)がそれぞれ取り付けられている。これらの第1〜第8ダンパ(D1〜D8)は、切換機構(30)を構成している。
第1ダンパ(D1)を開くと、第2吸湿側内部通路(S33)と第2熱交換室(S2)が連通する。第2ダンパ(D2)を開くと、第2吸湿側内部通路(S33)と第1熱交換室(S1)が連通する。第3ダンパ(D3)を開くと、第1再生側内部通路(S42)と第2熱交換室(S2)が連通する。第4ダンパ(D4)を開くと、第1再生側内部通路(S42)と第1熱交換室(S1)が連通する。第5ダンパ(D5)を開くと、第2再生側内部通路(S43)と第2熱交換室(S2)が連通する。第6ダンパ(D6)を開くと、第2再生側内部通路(S43)と第1熱交換室(S1)が連通する。第7ダンパ(D7)を開くと、第1吸湿側内部通路(S32)と第2熱交換室(S2)が連通する。第8ダンパ(D8)を開くと、第1吸湿側内部通路(S32)と第1熱交換室(S1)が連通する。
なお、再生側吸込室(S41)と第1再生側内部通路(S42)は、再生通路(AP2)の一部(具体的には、再生通路(AP2)における除湿ユニット(10)よりも上流側の通路部と第1および第2熱交換室(S1,S2)とを接続するための連絡通路部)を構成している。第1再生側内部通路(S42)と排気ファン室(S44)は、再生通路(AP2)の一部(具体的には、第1および第2熱交換室(S1,S2)と再生通路(AP2)における除湿ユニット(10)よりも下流側の通路部とを接続するための連絡通路部)を構成している。
また、吸湿側吸込室(S31)と第1吸湿側内部通路(S32)は、給気通路(AP1)の一部(具体的には、給気通路(AP1)における除湿ユニット(10)よりも上流側の通路部と第1および第2熱交換室(S1,S2)とを接続するための連絡通路部)を構成している。第2再生側内部通路(S43)と給気ファン室(S34)は、給気通路(AP1)の一部(具体的には、第1および第2熱交換室(S1,S2)と給気通路(AP1)における除湿ユニット(10)よりも下流側の通路部とを接続するための連絡通路部)を構成している。
《第1除湿動作における空気の流れ》
図2に示すように、第1除湿動作では、第1吸着熱交換器(21)が蒸発器となり、第2吸着熱交換器(22)が凝縮器となる。また、第1,第4,第6,第7ダンパ(D1,D4,D6,D7)が開状態となり、第2,第3,第5,第8ダンパ(D2,D3,D5,D8)が閉状態となる。これにより、第1熱交換室(S1)が給気通路(AP1)に組み込まれて第1熱交換室(S1)に処理空気が流通し、第2熱交換室(S2)が再生通路(AP2)に組み込まれて第2熱交換室(S2)に再生空気が流通する。すなわち、除湿ユニット(10)における空気の流れが第1流通状態(図1の実線で示した状態)に設定される。
吸湿側吸込口(41a)を経由して吸湿側吸込室(S31)に取り込まれた処理空気は、第1吸湿側内部通路(S32)と第8ダンパ(D8)とを順に通過して第1熱交換室(S1)に流入する。第1熱交換室(S1)に流入した処理空気は、第1吸着熱交換器(21)と第1吸着ブロック(51)とを順に通過して除湿される。第1熱交換室(S1)において第1吸着熱交換器(21)と第1吸着ブロック(51)とを順に通過した処理空気は、第2ダンパ(D2)と第2吸湿側内部通路(S33)とを順に通過して給気ファン室(S34)に流入する。給気ファン室(S34)に流入した処理空気は、給気ファン(53)によって搬送され、給気口(41c)を通過して調湿空間(S0)へ供給される。
再生側吸込口(41b)を経由して再生側吸込室(S41)に取り込まれた再生空気は、第1再生側内部通路(S42)と第3ダンパ(D3)とを順に通過して第2熱交換室(S2)に流入する。第2熱交換室(S2)に流入した再生空気は、第2吸着ブロック(52)と第2吸着熱交換器(22)とを順に通過して吸着剤を再生させる。第2熱交換室(S2)において第2吸着ブロック(52)と第2吸着熱交換器(22)とを順に通過した再生空気は、第5ダンパ(D5)と第2再生側内部通路(S43)とを順に通過して排気ファン室(S44)に流入する。排気ファン室(S44)に流入した再生空気は、排気ファン(54)によって搬送され、排気口(41d)を通過して室外空間へ排出される。
《第2除湿動作における空気の流れ》
図3に示すように、第2除湿動作では、第1吸着熱交換器(21)が凝縮器となり、第2吸着熱交換器(22)が蒸発器となる。また、第1,第4,第6,第7ダンパ(D1,D4,D6,D7)が閉状態となり、第2,第3,第5,第8ダンパ(D2,D3,D5,D8)が開状態となる。これにより、第2熱交換室(S2)が給気通路(AP1)に組み込まれて第2熱交換室(S2)に処理空気が流通し、第1熱交換室(S1)が再生通路(AP2)に組み込まれて第1熱交換室(S1)に再生空気が流通する。すなわち、除湿ユニット(10)における空気の流れが第2流通状態(図1の破線で示した状態)に設定される。
吸湿側吸込口(41a)を経由して吸湿側吸込室(S31)に取り込まれた処理空気は、第1吸湿側内部通路(S32)と第7ダンパ(D7)とを順に通過して第2熱交換室(S2)に流入する。第2熱交換室(S2)に流入した処理空気は、第2吸着熱交換器(22)と第2吸着ブロック(52)とを順に通過して除湿される。第2熱交換室(S2)において第2吸着熱交換器(22)と第2吸着ブロック(52)とを順に通過した処理空気は、第1ダンパ(D1)と第2吸湿側内部通路(S33)とを順に通過して給気ファン室(S34)に流入する。給気ファン室(S34)に流入した処理空気は、給気ファン(53)によって搬送され、給気口(41c)を通過して調湿空間(S0)へ供給される。
再生側吸込口(41b)を経由して再生側吸込室(S41)に取り込まれた再生空気は、第1再生側内部通路(S42)と第4ダンパ(D4)とを順に通過して第1熱交換室(S1)に流入する。第1熱交換室(S1)に流入した再生空気は、第1吸着ブロック(51)と第1吸着熱交換器(21)とを順に通過して吸着剤を再生させる。第2熱交換室(S2)において第2吸着ブロック(52)と第2吸着熱交換器(22)とを順に通過した再生空気は、第6ダンパ(D6)と第2再生側内部通路(S43)とを順に通過して排気ファン室(S44)に流入する。排気ファン室(S44)に流入した再生空気は、排気ファン(54)によって搬送され、排気口(41d)を通過して室外空間へ排出される。
〔吸着ロータ〕
図1に示すように、吸着ロータ(60)は、吸着剤が担持され、空気を吸着剤と接触させるように構成されている。例えば、吸着ロータ(60)は、円板状に形成された多孔性の基材の表面に吸着剤を担持させることによって構成されている。そして、吸着ロータ(60)は、給気通路(AP1)と再生通路(AP2)とパージ通路(AP3)との間の軸心を中心として回転するように、駆動機構(図示省略)によって回転駆動される。具体的には、吸着ロータ(60)は、給気通路(AP1)に配置される吸着部(61)と、再生通路(AP2)に配置される再生部(62)と、パージ通路(AP3)に配置されるパージ部(63)とを有している。そして、吸着ロータ(60)に担持された吸着剤は、吸着ロータ(60)の回転に伴って吸着部(61)と再生部(62)とパージ部(63)とを順に移動する。すなわち、吸着ロータ(60)は、吸着部(61)に位置する部分が再生部(62)へ移動し、再生部(62)に位置する部分がパージ部(63)へ移動し、パージ部(63)に位置する部分が吸着部(61)へ移動するように回転する。
〈吸着部〉
吸着部(61)は、空気を吸着剤と接触させて除湿するための部分である。この例では、吸着部(61)は、給気通路(AP1)において除湿ユニット(10)よりも下流側に配置され、除湿ユニット(10)の第1および第2吸着熱交換器(21,22)のうち蒸発器となっている吸着熱交換器(21,22)から調湿空間(S0)へ向かう処理空気(この例では、蒸発器となっている吸着熱交換器(21,22)が設けられた熱交換室(S1,S2)を通過した空気に冷気通路(AP4)を通過した空気を混合した空気)を吸着剤と接触させて除湿する。吸着部(61)を通過した処理空気は、調湿空間(S0)へ供給される。
〈再生部〉
再生部(62)は、吸着剤を空気と接触させて再生するための部分である。この例では、再生部(62)は、再生通路(AP2)において除湿ユニット(10)よりも上流側に配置され、吸着剤を再生空気と接触させて再生させる。再生部(62)を通過した再生空気は、除湿ユニット(10)の第1および第2吸着熱交換器(21,22)のうち凝縮器となっている吸着熱交換器(21,22)へ供給される。
〈パージ部〉
パージ部(63)は、再生部(62)の排熱(具体的には、再生部(62)において吸着剤の再生に利用されなかった排熱)を利用して再生部(62)に供給される再生空気を予熱するための部分である。吸着ロータ(60)では、吸着ロータ(60)の回転に伴って再生部(62)に位置する部分がパージ部(63)へ移動するので、パージ部(63)を通過する空気は、パージ部(63)に位置する部分に担持された吸着剤と接触して除湿されるとともに、パージ部(63)に位置する部分から熱(すなわち、再生部(62)の排熱)を付与されて予熱される。そして、パージ部(63)に位置する部分は、パージ通路(AP3)を通過する空気に熱を付与して冷却された後に、吸着ロータ(60)の回転に伴って吸着部(61)へ移動する。
〔補助熱交換器〕
補助熱交換器(70)は、冷媒回路(20)に設けられ、冷媒回路(20)の第1および第2冷凍サイクル動作の両方において放熱器(この例では、凝縮器)となるように構成されている。また、補助熱交換器(70)を通過した空気は、室外空間に排出される。この例では、補助熱交換器(70)は、室外空間に設置され、冷媒と室外空気(OA)とを熱交換させるように構成されている。例えば、補助熱交換器(70)は、クロスフィン型のフィンアンドチューブ式の熱交換器によって構成されている。なお、補助熱交換器(70)には、吸着剤が担持されていない。すなわち、補助熱交換器(70)は、吸着熱交換器(21,22)よりも熱伝達能力が高くなっている。
〔予冷却器〕
予冷却器(81)は、除湿ユニット(10)の第1および第2吸着熱交換器(21,22)のうち蒸発器となっている吸着熱交換器に供給される処理空気を冷却して除湿するように構成されている。この例では、予冷却器(81)は、給気通路(AP1)において除湿ユニット(10)よりも上流側に配置され、室外空気(OA)を冷却して除湿する。例えば、予冷却器(81)は、冷媒回路(図示を省略)において蒸発器として機能する熱交換器によって構成されていてもよい。また、予冷却器(81)の下方には、予冷却器(81)において凝縮された水を回収するドレンパンが設けられていてもよい。
〔再熱加熱器〕
再熱加熱器(82)は、除湿ユニット(10)の第1および第2吸着熱交換器(21,22)のうち蒸発器となっている吸着熱交換器(21,22)から調湿空間(S0)へ向かう処理空気を加熱するように構成されている。この例では、再熱加熱器(82)は、給気通路(AP1)において吸着ロータ(60)の吸着部(61)よりも下流側に設けられ、吸着ロータ(60)の吸着部(61)から調湿空間(S0)へ向かう処理空気を加熱するように構成されている。例えば、再熱加熱器(82)は、冷媒回路(図示を省略)において凝縮器として機能する熱交換器によって構成されていてもよい。このように、再熱加熱器(82)において処理空気を加熱することにより、処理空気の温度を調節して調湿空間(S0)の温度を調節することができる。
〔再生加熱器〕
再生加熱器(83)は、吸着ロータ(60)の再生部(62)と除湿ユニット(10)の第1および第2吸着熱交換器(21,22)のうち凝縮器となっている吸着熱交換器(21,22)とに供給される再生空気を加熱するように構成されている。この例では、再生加熱器(83)は、再生通路(AP2)において吸着ロータ(60)の再生部(62)よりも上流側に配置され、吸着ロータ(60)の再生部(62)に供給される再生空気を加熱するように構成されている。吸着ロータ(60)の再生部(62)を通過した空気は、除湿ユニット(10)の第1および第2熱交換室(S1,S2)のうち凝縮器となっている吸着熱交換器(21,22)が設けられた熱交換室(S1,S2)へ供給される。例えば、再生加熱器(83)は、冷媒回路(図示を省略)において凝縮器として機能する熱交換器によって構成されていてもよい。
〔補助冷却器〕
補助冷却器(84)は、第1および第2熱交換室(S1,S2)のうち蒸発器となっている吸着熱交換器(21,22)が設けられた熱交換室(S1,S2)を通過した処理空気に混合される空気を冷却するように構成されている。この例では、補助冷却器(84)は、冷気通路(AP4)に配置され、室内空気(RA)を冷却する。例えば、補助冷却器(84)は、冷媒回路(図示を省略)において蒸発器として機能する熱交換器によって構成されていてもよい。
〔コントローラ(制御部)〕
コントローラ(90)は、CPUやメモリなどによって構成され、各種センサ(例えば、高圧圧力センサ(91)などの圧力センサ,温度センサ,湿度センサなど)の検知値に基づいて除湿システム(1)の各部を制御して除湿運転を制御する。例えば、コントローラ(90)は、冷媒回路(20)を構成する圧縮機(23)と膨張機構(24)と四方切換弁(25)と切換機構(30)を構成する第1〜第8ダンパ(D1〜D8)とを制御して除湿ユニット(10)の除湿動作を制御する。また、コントローラ(90)は、吸着ロータ(60)を回転駆動させる駆動機構(図示を省略)を制御して吸着ロータ(60)の除湿動作を制御する。
〔除湿システムにおける空気の流れ〕
給気通路(AP1)に取り込まれた処理空気(この例では、室外空気(OA))は、予冷却器(81)において冷却されて除湿される。予冷却器(81)を通過した処理空気は、除湿ユニット(10)の第1および第2熱交換室(S1,S2)のうち蒸発器となっている吸着熱交換器(21,22)が設けられた熱交換室(S1,S2)と、吸着ロータ(60)の吸着部(61)とを順に通過して除湿された後に、再熱加熱器(82)において加熱される。再熱加熱器(82)を通過した処理空気は、供給空気(SA)として調湿空間(S0)に供給される。
パージ通路(AP3)に取り込まれた空気(この例では、給気通路(AP1)を流通する処理空気の一部)は、吸着ロータ(60)のパージ部(63)において加熱された後に、再生通路(AP2)に流入する。
再生通路(AP2)に取り込まれた再生空気(この例では、パージ通路(AP3)から供給された空気)は、再生加熱器(83)において加熱される。再生加熱器(83)を通過した再生空気は、吸着ロータ(60)の再生部(62)と、除湿ユニット(10)の第1および第2熱交換室(S1,S2)のうち凝縮器となっている吸着熱交換器(21,22)が設けられた熱交換室(S1,S2)とを順に通過して吸着剤を再生させた後に、排出空気(EA)として室外空間へ排出される。
冷気通路(AP4)に取り込まれた空気(この例では、室内空気(RA))は、補助冷却器(84)において冷却される。補助冷却器(84)を通過した空気は、給気通路(AP1)の第2中途部(C2)に供給され、除湿ユニット(10)の第1および第2熱交換室(S1,S2)のうち蒸発器となっている吸着熱交換器(21,22)が設けられた熱交換室(S1,S2)を通過した処理空気と合流する。
〔冷媒回路の詳細〕
次に、除湿ユニット(10)の冷媒回路(20)について詳しく説明する。この例では、冷媒回路(20)は、主回路(20a)と補助回路(20b)によって構成されている。補助熱交換器(70)は、補助回路(20b)に設けられている。
〈主回路〉
主回路(20a)は、冷媒を循環させて第1冷凍サイクル動作と第2冷凍サイクル動作とを交互に行う回路であり、第1および第2吸着熱交換器(21,22)と圧縮機(23)と膨張機構(24)と四方切換弁(25)とを有している。具体的には、主回路(20a)は、これらの構成要素が冷媒通路(冷媒管)により接続されて構成されている。
〈補助回路〉
補助回路(20b)は、主回路(20a)に接続され、主回路(20a)を循環する冷媒の一部(具体的には、圧縮機(23)から吐出された高温高圧の冷媒の一部)が補助熱交換器(70)を通過するように構成されている。この例では、補助回路(20b)は、補助熱交換器(70)が設けられた補助冷媒通路(RP)と、流量調節機構(71)とを有している。
《補助冷媒通路》
補助冷媒通路(RP)は、主回路(20a)を循環する冷媒の一部が流通するように構成されている。この例では、補助冷媒通路(RP)は、その両端が主回路(20a)の圧縮機(23)の吐出管と四方切換弁(25)の第1ポートとを繋ぐ第1冷媒通路(RP1)に接続されている。すなわち、この例では、補助熱交換器(70)は、冷媒回路(20)の第1および第2冷凍サイクル動作の両方において凝縮器となるように構成されている。
《流量調節機構》
流量調節機構(71)は、補助冷媒通路(RP)を流通する冷媒の流量を調節することができるように構成されている。この例では、流量調節機構(71)は、第1および第2流量調節弁(71a,71b)によって構成されている。第1および第2流量調節弁(71a,71b)は、例えば、その開度を調節可能な電動弁によって構成されている。第1流量調節弁(71a)は、補助冷媒通路(RP)において補助熱交換器(70)よりも上流側に設けられている。第2流量調節弁(71b)は、第1冷媒通路(RP1)のうち補助冷媒通路(RP)の両端の間に挟まれた通路部(すなわち、補助冷媒通路(RP)と並列となる通路部)に設けられている。
〈補助回路における冷媒の挙動〉
冷媒回路(20)では、圧縮機(23)から吐出された冷媒は、その一部が補助冷媒通路(RP)に流入する。補助冷媒通路(RP)に流入した冷媒は、第1流量調節弁(71a)を通過して補助熱交換器(70)に流入する。補助熱交換器(70)では、冷媒が放熱して凝縮する。補助熱交換器(70)を通過した冷媒は、第1冷媒通路(RP1)において第2流量調節弁(71b)を通過した冷媒(すなわち、圧縮機(23)から吐出された冷媒の残部)と合流した後に、四方切換弁(25)を通過して第1および第2吸着熱交換器(21,22)のうち凝縮器となっている吸着熱交換器(21,22)に流入する。
〈冷媒流量調節〉
また、冷媒回路(20)では、第1流量調節弁(71a)の開度を増加させ、第2流量調節弁(71b)の開度を減少させると、補助冷媒通路(RP)を流通する冷媒の流量が増加する。すなわち、補助熱交換器(70)を通過する冷媒の流量が増加する。一方、第1流量調節弁(71a)の開度を減少させ、第2流量調節弁(71b)の開度を増加させると、補助冷媒通路(RP)を流通する冷媒の流量が減少する。すなわち、補助熱交換器(70)を通過する冷媒の流量が減少する。
〔実施形態1による効果〕
実施形態1では、放熱器となる補助熱交換器(70)を冷媒回路(20)に設けることにより、蒸発器となっている吸着熱交換器(21,22)において冷媒に吸収された熱を、凝縮器となっている吸着熱交換器(22,21)と放熱器となっている補助熱交換器(70)との両方において冷媒から放出させることができる。すなわち、冷媒回路(20)において、冷媒を吸熱させる熱交換器の伝熱面積の総面積よりも、冷媒を放熱させる熱交換器の伝熱面積の総面積を広くすることができる。これにより、冷媒回路(20)における冷媒の放熱を促進させることができる。
なお、冷媒回路(20)では、除湿能力を向上させるために、蒸発温度を低下させて吸熱能力(単位時間当たりに冷媒が吸熱することが可能な熱量)を高くするほど、必要とされる放熱能力(単位時間当たりに冷媒が放熱することが可能な熱量)が高くなっていく。また、冷媒回路(20)の放熱能力は、冷媒回路(20)における凝縮圧力と冷媒を放熱させる熱交換器の伝熱面積の総面積とに依存している。具体的には、冷媒回路(20)における凝縮圧力が高くなるほど、冷媒回路(20)の放熱能力が高くなる傾向にある。また、冷媒を放熱させる熱交換器の伝熱面積の総面積が広くなるほど、冷媒回路(20)の放熱能力が高くなる傾向にある。
したがって、実施形態1では、放熱器となる補助熱交換器(70)を冷媒回路(20)に設けることにより、冷媒回路(20)において冷媒を放熱させる熱交換器の伝熱面積の総面積を増加させることができるので、冷媒回路(20)における凝縮圧力を上昇させることなく、冷媒回路(20)の放熱能力を高くすることができる。これにより、冷媒回路(20)における凝縮圧力の上昇を抑制しつつ除湿能力を向上させることができる。
また、補助熱交換器(70)を通過した空気を室外空間へ排出することにより、補助熱交換器(70)から放出された熱によって再生空気(すなわち、凝縮器となっている吸着熱交換器(21,22)に供給される空気)の温度が上昇してしまうことを防止することができる。これにより、再生空気の温度が上昇して凝縮器となっている吸着熱交換器(21,22)における冷媒の放熱が阻害されることを防止することができる。
また、第1および第2熱交換室(S1,S2)に第1および第2吸着ブロック(51,52)をそれぞれ設けることにより、第1および第2熱交換室(S1,S2)における空気の除湿量を増加させることができる。また、第1および第2熱交換室(S1,S2)の各々において吸着熱交換器(21,22)が蒸発器となっている場合に吸着熱交換器(21,22)の風下側となる位置に吸着ブロック(51,52)を設けることにより、吸着熱交換器(21,22)において除湿および冷却された空気を吸着ブロック(51,52)に供給して吸着ブロック(51,52)における吸着剤への水分の吸着を促進させることができる。このように、第1および第2熱交換室(S1,S2)における空気の除湿量を増加させることができ、さらに、吸着ブロック(51,52)における吸着剤への水分の吸着を促進させることができるので、除湿システム(1)の除湿能力を向上させることができる。
また、再生加熱器(83)において加熱された再生空気を吸着ロータ(60)の再生部(62)に供給することにより、吸着ロータ(60)の再生部(62)における吸着剤の再生を促進させることができる。
また、吸着ロータ(60)の再生部(62)を通過した再生空気を凝縮器となっている吸着熱交換器(21,22)が設けられた熱交換室(S1,S2)に供給することにより、再生加熱器(83)において加熱された再生空気を、吸着ロータ(60)の再生部(62)だけでなく凝縮器となっている吸着熱交換器(21,22)が設けられた熱交換室(S1,S2)にも供給することができる。これにより、熱交換室(S1,S2)において吸着熱交換器(21,22)の風上側に位置している吸着ブロック(51,52)に、加熱された再生空気を供給することができるので、吸着ブロック(51,52)における吸着剤の再生を促進させることができる。
なお、補助熱交換器(70)は、凝縮器となっている吸着熱交換器(21,22)から室外空間へ向かう空気へ放熱するように構成されていてもよい。具体的には、補助熱交換器(70)は、再生通路(AP2)において除湿ユニット(10)よりも下流側に配置されていてもよい。このように構成した場合も、補助熱交換器(70)を通過した空気を室外空間へ排出することができる。
(実施形態2)
図4は、実施形態2による除湿システム(1)の構成例を示している。実施形態2による除湿システム(1)では、補助熱交換器(70)は、第1および第2吸着熱交換器(21,22)のうち蒸発器となっている吸着熱交換器(21,22)から調湿空間(S0)へ向かう処理空気へ放熱するように構成されている。この例では、補助熱交換器(70)は、給気通路(AP1)において吸着ロータ(60)の吸着部(61)よりも下流側となり再熱加熱器(82)よりも上流側となる位置に配置され、吸着ロータ(60)の吸着部(61)から調湿空間(S0)へ向かう処理空気へ放熱する。その他の構成は、図1,図2に示した構成と同様となっている。
以上のように、蒸発器となっている吸着熱交換器(21,22)から調湿空間(S0)へ向かう処理空気(この例では、吸着ロータ(60)の吸着部(61)から調湿空間(S0)へ向かう処理空気)へ放熱するように補助熱交換器(70)を構成することにより、補助熱交換器(70)から放出される熱を、蒸発器となっている吸着熱交換器(21,22)から調湿空間(S0)へ向かう処理空気の温度調節に利用することができる。これにより、調湿空間(S0)の温度調節に要する熱エネルギを削減することができる。
(実施形態3)
図5は、実施形態3による除湿システム(1)の構成例を示している。実施形態3による除湿システム(1)では、補助熱交換器(70)は、吸着ロータ(60)の再生部(62)に供給される再生空気へ放熱するように構成されている。この例では、補助熱交換器(70)は、再生通路(AP2)において吸着ロータ(60)の再生部(62)および再生加熱器(83)よりも上流側となる位置に配置され、再生加熱器(83)に供給される再生空気へ放熱する。その他の構成は、図1,図2に示した構成と同様となっている。
以上のように、吸着ロータ(60)の再生部(62)に供給される再生空気(この例では、再生加熱器(83)に供給される再生空気)へ放熱するように補助熱交換器(70)を構成することにより、補助熱交換器(70)から放出される熱を、吸着ロータ(60)の再生部(62)における吸着剤の再生に利用することができる。これにより、吸着ロータ(60)の吸着剤の再生に要する熱エネルギを削減することができる。
また、補助熱交換器(70)から放出される熱を、再生加熱器(83)に供給される再生空気の予熱に利用することができる。これにより、再生加熱器(83)において再生空気の加熱に要する消費エネルギを削減することができる。
また、吸着ロータ(60)の再生部(62)を通過した再生空気を、凝縮器となっている吸着熱交換器(21,22)が設けられた熱交換室(S1,S2)に供給することにより、補助熱交換器(70)から放出される熱を、吸着ロータ(60)の再生部(62)および吸着ブロック(51,52)の各々における吸着剤の再生に利用することができる。これにより、吸着ロータ(60)の吸着剤および吸着ブロック(51,52)の吸着剤の再生に要する熱エネルギを削減することができる。
(実施形態4)
図6は、実施形態4による除湿システム(1)の構成例を示している。実施形態4による除湿システム(1)では、補助熱交換器(70)は、第1および第2熱交換室(S1,S2)のうち凝縮器となっている吸着熱交換器(21,22)が設けられた熱交換室(S1,S2)に供給される再生空気へ放熱するように構成されている。この例では、補助熱交換器(70)は、再生通路(AP2)において除湿ユニット(10)よりも上流側となり吸着ロータ(60)の再生部(62)よりも下流側となる位置に配置され、吸着ロータ(60)の再生部(62)から第1および第2熱交換室(S1,S2)のうち凝縮器となっている吸着熱交換器(21,22)が設けられた熱交換室(S1,S2)へ向かう再生空気へ放熱する。例えば、図7に示すように、補助熱交換器(70)は、除湿ユニット(10)の再生側吸込室(S41)に配置されていてもよい。その他の構成は、図1,図2に示した構成と同様となっている。
以上のように、凝縮器となっている吸着熱交換器(21,22)が設けられた熱交換室(S1,S2)に供給される再生空気へ放熱するように補助熱交換器(70)を構成することにより、補助熱交換器(70)から放出される熱を、吸着ブロック(51,52)における吸着剤の再生に利用することができる。これにより、吸着ブロック(51,52)の吸着剤の再生に要する熱エネルギを削減することができる。
また、凝縮器となっている吸着熱交換器(21,22)の風上側に位置している吸着ブロック(51,52)に、補助熱交換器(70)によって加熱された再生空気を供給することができる。これにより、吸着ブロック(51,52)における吸着剤の再生を促進させることができる。
(冷媒流量制御)
以上の実施形態において、コントローラ(90)は、流量調節機構(71)の第1および第2流量調節弁(71a,71b)を制御して補助熱交換器(70)を通過する冷媒の流量を制御するように構成されていてもよい。具体的には、コントローラ(90)は、冷媒回路(20)の動作が第1および第2冷凍サイクル動作の一方から他方へ切り換えられた時点から第1および第2冷凍サイクル動作の他方から一方へ切り換えられる時点までの期間(以下、「バッチ期間」と表記)の途中において補助熱交換器(70)を通過する冷媒の流量が増加するように、補助熱交換器(70)を通過する冷媒の流量を制御してもよい。
補助熱交換器(70)を通過する冷媒の流量を増加させることにより、補助熱交換器(70)における冷媒の放熱を促進させて、冷媒回路(20)における冷媒の放熱を促進させることができる。すなわち、補助熱交換器(70)の放熱能力を高くして、冷媒回路(20)の放熱能力(凝縮器となっている吸着熱交換器(21,22)の放熱能力と補助熱交換器(70)の放熱能力との合計)を高くすることができる。これにより、冷媒回路(20)における凝縮圧力の上昇を抑制することができる。
一方、補助熱交換器(70)を通過する冷媒の流量を減少させることにより、補助熱交換器(70)における冷媒の放熱を抑制して、凝縮器となっている吸着熱交換器(21,22)における冷媒の放熱を促進させることができる。すなわち、補助熱交換器(70)の放熱能力が低くなる分だけ、凝縮器となっている吸着熱交換器(21,22)の放熱能力を高くすることができる。これにより、凝縮器となっている吸着熱交換器の温度を上昇させて、吸着熱交換器(21,22)における吸着剤の再生を促進させることができる。
なお、第1および第2熱交換室(S1,S2)の各々では、吸着熱交換器(21,22)が蒸発器から凝縮器へ切り換えられると、吸着熱交換器(21,22)を流通する冷媒の放熱作用によって吸着熱交換器(21,22)の温度が次第に上昇していき、吸着熱交換器(21,22)の吸着剤が再生されて吸着剤の水分量が次第に減少していく。そのため、バッチ期間の開始時点から終点時点へ向かうに連れて、凝縮器となっている吸着熱交換器(21,22)における熱消費量(すなわち、吸着剤の再生により消費される熱量)が次第に少なくなり、冷媒回路(20)における凝縮圧力が次第に高くなっていく傾向にある。したがって、バッチ期間の開始時点の近傍では、凝縮器となっている吸着熱交換器(21,22)における冷媒の放熱を促進させて吸着剤の再生を促進させることが好ましく、バッチ期間の終了時点の近傍では、補助熱交換器(70)における冷媒の放熱を促進させて冷媒回路(20)における凝縮圧力の上昇を抑制することが好ましい。
したがって、バッチ期間の途中において補助熱交換器(70)を通過する冷媒の流量を増加させることにより、冷媒回路(20)の動作が切り換えられた時点から補助熱交換器(70)を通過する冷媒の流量が増加する時点までの期間では、補助熱交換器(70)における冷媒の放熱を抑制して、凝縮器となっている吸着熱交換器(21,22)における冷媒の放熱を促進させることができる。これにより、凝縮器となっている吸着熱交換器(21,22)の温度を上昇させて、吸着熱交換器(21,22)における吸着剤の再生を促進させることができる。また、補助熱交換器(70)を通過する冷媒の流量が増加した時点から冷媒回路(20)の動作が次に切り換えられる時点までの期間では、補助熱交換器(70)における冷媒の放熱を促進させて、冷媒回路(20)における冷媒の放熱を促進させることができる。これにより、冷媒回路(20)における凝縮圧力の上昇を抑制することができる。
以上のように、バッチ期間の途中において補助熱交換器(70)を通過する冷媒の流量を増加させることにより、凝縮器となっている吸着熱交換器(21,22)において吸着剤の再生のための時間(再生時間)を確保しつつ、冷媒回路(20)における凝縮圧力の上昇を効果的に抑制することができる。
〈冷媒流量制御の具体例1〉
具体的には、コントローラ(90)は、冷媒回路(20)の動作が第1および第2冷凍サイクル動作の一方から他方へ切り換えられた後に、高圧圧力センサ(91)によって検知された凝縮圧力が予め定められた圧力閾値を超えると、補助熱交換器(70)を通過する冷媒の流量を増加させるように構成されていてもよい。例えば、コントローラ(90)は、冷媒回路(20)の動作が切り換えられると、補助熱交換器(70)を通過する冷媒の流量を第1流量に設定し、高圧圧力センサ(91)の検知値が圧力閾値を超えると、補助熱交換器(70)を通過する冷媒の流量を第1流量から第2流量(第1流量よりも多い流量)へ切り換えるように構成されていてもよい。なお、圧力閾値は、冷媒回路(20)における凝縮圧力の初期値(バッチ期間の開始時点における凝縮圧力)よりも高く、且つ、冷媒回路(20)における凝縮圧力の異常値(高圧異常により除湿運転が停止されるときの凝縮圧力)よりも低い圧力値に設定されていることが好ましい。
以上のように、高圧圧力センサ(91)による検知結果に基づいて補助熱交換器(70)の冷媒流量制御を行うことにより、冷媒回路(20)における凝縮圧力が異常値となることを防止することができる。
〈冷媒流量制御の具体例2〉
または、コントローラ(90)は、冷媒回路(20)の動作が第1および第2冷凍サイクル動作の一方から他方へ切り換えられた後に予め定められた待機時間が経過すると、補助熱交換器(70)を通過する冷媒の流量を増加させるように構成されていてもよい。例えば、コントローラ(90)は、冷媒回路(20)の動作が切り換えられると、経過時間の計測を開始するとともに補助熱交換器(70)を通過する冷媒の流量を第1流量に設定し、冷媒回路(20)の動作が切り換えられた時点からの経過時間が待機時間に到達すると、補助熱交換器(70)を通過する冷媒の流量を第1流量から第2流量へ切り換えるように構成されていてもよい。なお、待機時間は、冷媒回路(20)の動作が切り換えられた時点から冷媒回路(20)における凝縮圧力が圧力閾値を超えるまでに要する時間よりも短くなっていることが好ましい。例えば、待機時間は、試験などによって推定された時間であってもよい。
以上のように、時間経過に基づいて補助熱交換器(70)の冷媒流量制御を行うことにより、凝縮器となっている吸着熱交換器(21,22)において再生時間を確実に確保することができる。
(冷媒回路の変形例1)
なお、冷媒回路(20)は、図8に示すように構成されていてもよい。図8では、冷媒回路(20)は、主回路(20a)と補助回路(20b)によって構成されている。補助熱交換器(70)は、補助回路(20b)に設けられている。補助回路(20b)は、補助熱交換器(70)が設けられた補助冷媒通路(RP)と、流量調節機構(71)とを有している。
膨張機構(24)は、第1および第2膨張弁(EV1,EV2)によって構成されている。第1および第2膨張弁(EV1,EV2)は、第1および第2吸着熱交換器(21,22)を繋ぐ第2冷媒通路(RP2)に設けられ、第1膨張弁(EV1)は、第1吸着熱交換器(21)寄りに配置され、第2膨張弁(EV2)は、第2吸着熱交換器(22)寄りに配置されている。例えば、第1および第2膨張弁(EV1,EV2)は、その開度を調節可能な電動弁によって構成されている。
補助冷媒通路(RP)は、その一端が圧縮機(23)の吐出管と四方切換弁(25)の第1ポートとを繋ぐ第1冷媒通路(RP1)の中途部に接続され、その他端が第2冷媒通路(RP2)の中途部(第1および第2膨張弁(EV1,EV2)の間に位置する中途部)に接続されている。すなわち、この例では、補助熱交換器(70)は、冷媒回路(20)の第1および第2冷凍サイクル動作の両方において凝縮器となるように構成されている。
流量調節機構(71)は、補助膨張弁(71c)によって構成されている。補助膨張弁(71c)は、補助冷媒通路(RP)において補助熱交換器(70)よりも下流側に設けられている。例えば、補助膨張弁(71c)は、その開度を調節可能な電動弁によって構成されている。
《第1冷凍サイクル動作》
第1冷凍サイクル動作では、四方切換弁(25)が第1連通状態(図8の実線で示した状態)に設定され、圧縮機(23)が駆動される。また、第1膨張弁(EV1)の開度が全開状態に設定され、第2膨張弁(EV2)の開度が所定の開度に調節され、補助膨張弁(71c)の開度が所定の開度に調節される。
圧縮機(23)から吐出された冷媒は、その一部が補助冷媒通路(RP)に流入し、その残部が四方切換弁(25)と通過して第2吸着熱交換器(22)に流入する。第2吸着熱交換器(22)では、冷媒が放熱して凝縮する。第2吸着熱交換器(22)を通過した冷媒は、第2膨張弁(EV2)において減圧される。一方、補助冷媒通路(RP)に流入した冷媒は、補助熱交換器(70)において放熱して凝縮した後に、補助膨張弁(71c)において減圧される。補助膨張弁(71c)を通過した冷媒は、第2膨張弁(EV2)を通過した冷媒と合流した後に、全開状態に設定された第1膨張弁(EV1)を通過して第1吸着熱交換器(21)に流入する。第1吸着熱交換器(21)では、冷媒が吸熱して蒸発する。第1吸着熱交換器(21)を通過した冷媒は、四方切換弁(25)を通過した後に、圧縮機(23)に吸入されて圧縮される。
《第2冷凍サイクル動作》
第2冷凍サイクル動作では、四方切換弁(25)が第2連通状態(図8の破線で示した状態)に設定され、圧縮機(23)が駆動される。また、第2膨張弁(EV2)の開度が全開状態に設定され、第1膨張弁(EV1)の開度が所定の開度に調節され、補助膨張弁(71c)の開度が所定の開度に調節される。
圧縮機(23)から吐出された冷媒は、その一部が補助冷媒通路(RP)に流入し、その残部が四方切換弁(25)と通過して第1吸着熱交換器(21)に流入する。第1吸着熱交換器(21)では、冷媒が放熱して凝縮する。第1吸着熱交換器(21)を通過した冷媒は、第1膨張弁(EV1)において減圧される。一方、補助冷媒通路(RP)に流入した冷媒は、補助熱交換器(70)において放熱して凝縮した後に、補助膨張弁(71c)において減圧される。補助膨張弁(71c)を通過した冷媒は、第1膨張弁(EV1)を通過した冷媒と合流した後に、全開状態に設定された第2膨張弁(EV2)を通過して第2吸着熱交換器(22)に流入する。第2吸着熱交換器(22)では、冷媒が吸熱して蒸発する。第2吸着熱交換器(22)を通過した冷媒は、四方切換弁(25)を通過した後に、圧縮機(23)に吸入されて圧縮される。
《冷媒流量調節》
図8に示した冷媒回路(20)では、補助膨張弁(71c)と第1および第2膨張弁(EV1,EV2)の開度を調節することにより、冷媒流量の調節を行うことができる。
第1冷凍サイクル動作では、補助膨張弁(71c)の開度を増加させ、第2膨張弁(EV2)の開度を減少させることにより、補助熱交換器(70)を通過する冷媒の流量を増加させることができる。一方、補助膨張弁(71c)の開度を減少させ、第2膨張弁(EV2)の開度を増加させることにより、補助熱交換器(70)を通過する冷媒の流量を減少させることができる。
第2冷凍サイクル動作では、補助膨張弁(71c)の開度を増加させ、第1膨張弁(EV1)の開度を減少させることにより、補助熱交換器(70)を通過する冷媒の流量を増加させることができる。一方、補助膨張弁(71c)の開度を減少させ、第1膨張弁(EV1)の開度を増加させることにより、補助熱交換器(70)を通過する冷媒の流量を減少させることができる。
(冷媒回路の変形例2)
また、冷媒回路(20)は、図9に示すように構成されていてもよい。図9では、冷媒回路(20)は、主回路(20a)と補助回路(20b)によって構成されている。補助熱交換器(70)は、補助回路(20b)に設けられている。補助回路(20b)は、補助熱交換器(70)が設けられた補助冷媒通路(RP)と、第1および第2逆止弁(CVa,CVb)がそれぞれ設けられた第1および第2分岐通路(RPa,RPb)と、流量調節機構(71)とを有している。
膨張機構(24)は、膨張弁(EV)によって構成されている。膨張弁(EV)は、第1および第2吸着熱交換器(21,22)を繋ぐ第2冷媒通路(RP2)に設けられている。
補助冷媒通路(RP)は、その一端が圧縮機(23)の吐出管と四方切換弁(25)の第1ポートとを繋ぐ第1冷媒通路(RP1)の中途部に接続されている。第1分岐通路(RPa)は、その一端が補助冷媒通路(RP)の他端に接続され、その他端が第2冷媒通路(RP2)の第1中途部(第1吸着熱交換器(21)と膨張弁(EV)との間に位置する中途部)に接続されている。第2分岐通路(RPb)は、その一端が補助冷媒通路(RP)の他端に接続され、その他端が第2冷媒通路(RP2)の第2中途部(第2吸着熱交換器(22)と膨張弁(EV)との間に位置する中途部)に接続されている。第1および第2逆止弁(CVa,CVb)は、補助冷媒通路(RP)から第2冷媒通路(RP2)へ向かう冷媒の流れを許容し、その逆方向となる冷媒の流れを禁止するように構成されている。すなわち、この例では、補助熱交換器(70)は、冷媒回路(20)の第1および第2冷凍サイクル動作の両方において凝縮器となるように構成されている。
流量調節機構(71)は、補助膨張弁(71c)によって構成されている。補助膨張弁(71c)は、補助冷媒通路(RP)において補助熱交換器(70)の下流側に設けられている。
《第1冷凍サイクル動作》
第1冷凍サイクル動作では、四方切換弁(25)が第1連通状態(図9の実線で示した状態)に設定され、圧縮機(23)が駆動される。また、膨張弁(EV)の開度が所定の開度に調節され、補助膨張弁(71c)の開度が所定の開度に調節される。
圧縮機(23)から吐出された冷媒は、その一部が補助冷媒通路(RP)に流入し、その残部が四方切換弁(25)と通過して第2吸着熱交換器(22)に流入する。第2吸着熱交換器(22)では、冷媒が放熱して凝縮する。第2吸着熱交換器(22)を通過した冷媒は、膨張弁(EV)において減圧される。一方、補助冷媒通路(RP)に流入した冷媒は、補助熱交換器(70)において放熱して凝縮した後に、補助膨張弁(71c)において減圧される。補助膨張弁(71c)を通過した冷媒は、第1逆止弁(CVa)を通過した後に、膨張弁(EV)を通過した冷媒と合流して第1吸着熱交換器(21)に流入する。第1吸着熱交換器(21)では、冷媒が吸熱して蒸発する。第1吸着熱交換器(21)を通過した冷媒は、四方切換弁(25)を通過した後に、圧縮機(23)に吸入されて圧縮される。
《第2冷凍サイクル動作》
第2冷凍サイクル動作では、四方切換弁(25)が第2連通状態(図9の破線で示した状態)に設定され、圧縮機(23)が駆動される。また、膨張弁(EV)の開度が所定の開度に調節され、補助膨張弁(71c)の開度が所定の開度に調節される。
圧縮機(23)から吐出された冷媒は、その一部が補助冷媒通路(RP)に流入し、その残部が四方切換弁(25)と通過して第1吸着熱交換器(21)に流入する。第1吸着熱交換器(21)では、冷媒が放熱して凝縮する。第1吸着熱交換器(21)を通過した冷媒は、膨張弁(EV)において減圧される。一方、補助冷媒通路(RP)に流入した冷媒は、補助熱交換器(70)において放熱して凝縮した後に、補助膨張弁(71c)において減圧される。補助膨張弁(71c)を通過した冷媒は、第2逆止弁(CVb)を通過した後に、膨張弁(EV)を通過した冷媒と合流して第2吸着熱交換器(22)に流入する。第2吸着熱交換器(22)では、冷媒が吸熱して蒸発する。第2吸着熱交換器(22)を通過した冷媒は、四方切換弁(25)を通過した後に、圧縮機(23)に吸入されて圧縮される。
《冷媒流量調節》
図9に示した冷媒回路(20)では、補助膨張弁(71c)の開度を増加させ、膨張弁(EV)の開度を減少させることにより、補助熱交換器(70)を通過する冷媒の流量を増加させることができる。一方、補助膨張弁(71c)の開度を減少させ、膨張弁(EV)の開度を増加させることにより、補助熱交換器(70)を通過する冷媒の流量を減少させることができる。
(冷媒回路の変形例3)
また、冷媒回路(20)は、図10に示すように構成されていてもよい。図10では、冷媒回路(20)は、主回路(20a)によって構成されている。
膨張機構(24)は、第1および第2膨張弁(EV1,EV2)によって構成されている。第1および第2膨張弁(EV1,EV2)は、第1および第2吸着熱交換器(21,22)を繋ぐ第2冷媒通路(RP2)に設けられ、第1膨張弁(EV1)は、第1吸着熱交換器(21)寄りに配置され、第2膨張弁(EV2)は、第2吸着熱交換器(22)寄りに配置されている。
補助熱交換器(70)は、第2冷媒通路(RP2)において第1および第2膨張弁(EV1,EV2)の間に設けられている。すなわち、この例では、補助熱交換器(70)は、冷媒回路(20)の第1および第2冷凍サイクル動作の両方において過冷却器となるように構成されている。
《第1冷凍サイクル動作》
第1冷凍サイクル動作では、四方切換弁(25)が第1連通状態(図10の実線で示した状態)に設定され、圧縮機(23)が駆動される。また、第2膨張弁の開度が全開状態に設定され、第1膨張弁(EV1)の開度が所定の開度に調節される。
圧縮機から吐出された冷媒は、第2吸着熱交換器(22)において放熱して凝縮した後に、全開状態に設定された第2膨張弁(EV2)を通過して、補助熱交換器(70)に流入する。補助熱交換器(70)では、冷媒が放熱して過冷却状態となる。補助熱交換器(70)を通過した冷媒は、第1膨張弁(EV1)において減圧された後に、第1吸着熱交換器(21)において吸熱して蒸発する。第1吸着熱交換器(21)を通過した冷媒は、四方切換弁(25)を通過した後に、圧縮機(23)に吸入されて圧縮される。
《第2冷凍サイクル動作》
第2冷凍サイクル動作では、四方切換弁(25)が第2連通状態(図10の破線で示した状態)に設定され、圧縮機(23)が駆動される。また、第1膨張弁(EV1)の開度が全開状態に設定され、第2膨張弁(EV2)の開度が所定の開度に調節される。
圧縮機から吐出された冷媒は、第1吸着熱交換器(21)において放熱して凝縮した後に、全開状態に設定された第1膨張弁(EV1)を通過して、補助熱交換器(70)に流入する。補助熱交換器(70)では、冷媒が放熱して過冷却状態となる。補助熱交換器(70)を通過した冷媒は、第2膨張弁(EV2)において減圧された後に、第2吸着熱交換器(22)において吸熱して蒸発する。第2吸着熱交換器(22)を通過した冷媒は、四方切換弁(25)を通過した後に、圧縮機(23)に吸入されて圧縮される。
(冷媒回路の変形例4)
また、冷媒回路(20)は、図11に示すように構成されていてもよい。図11では、冷媒回路(20)は、主回路(20a)とブリッジ回路(26)によって構成されている。ブリッジ回路(26)は、第1および第2吸着熱交換器(21,22)を繋ぐ第2冷媒通路(RP2)に設けられている。
ブリッジ回路(26)は、ブリッジ状に接続された第1〜第4逆止弁(CV1,CV2,CV3,CV4)と、第1および第2中間点(Q1,Q2)を繋ぐ一方向通路(26a)とを有し、ブリッジ回路(26)は、第1および第2吸着熱交換器(21,22)のうち凝縮器となっている吸着熱交換器(21,22)を通過した冷媒が、一方向通路(26a)を第1中間点(Q1)から第2中間点(Q2)へ向けて流通した後に、蒸発器となっている吸着熱交換器(21,22)へ供給されるように構成されている。すなわち、ブリッジ回路(26)の一方向通路(26a)では、第1および第2冷凍サイクル動作のどちらの動作においても、第1中間点(Q1)から第2中間点(Q2)へ向かう方向に冷媒が流通する。
第1逆止弁(CV1)は、第1吸着熱交換器(21)から第1中間点(Q1)へ向かう冷媒の流れを許容し、第2逆止弁(CV2)は、第2吸着熱交換器(22)から第1中間点(Q1)へ向かう冷媒の流れを許容し、第3逆止弁(CV3)は、第2中間点(Q2)から第2吸着熱交換器(22)へ向かう冷媒の流れを許容し、第4逆止弁(CV4)は、第2中間点(Q2)から第1吸着熱交換器(21)へ向かう冷媒の流れを許容するように構成されている。
膨張機構(24)は、膨張弁(EV)によって構成されている。膨張弁(EV)は、ブリッジ回路(26)の一方向通路(26a)に設けられている。
補助熱交換器(70)は、ブリッジ回路(26)の一方向通路(26a)において膨張弁(EV)よりも上流側に設けられている。すなわち、この例では、補助熱交換器(70)は、冷媒回路(20)の第1および第2冷凍サイクル動作の両方において過冷却器となるように構成されている。
《第1冷凍サイクル動作》
第1冷凍サイクル動作では、四方切換弁(25)が第1連通状態(図11の実線で示した状態)に設定され、圧縮機(23)が駆動され、膨張弁(EV)の開度が所定の開度に調節される。
圧縮機から吐出された冷媒は、第2吸着熱交換器(22)において放熱して凝縮した後に、第2逆止弁(CV2)を通過して、補助熱交換器(70)に流入する。補助熱交換器(70)では、冷媒が放熱して過冷却状態となる。補助熱交換器(70)を通過した冷媒は、膨張弁(EV)において減圧された後に、第4逆止弁(CV4)を通過して第1吸着熱交換器(21)に流入する。第1吸着熱交換器(21)では、冷媒が吸熱して蒸発する。第1吸着熱交換器(21)を通過した冷媒は、四方切換弁(25)を通過した後に、圧縮機(23)に吸入されて圧縮される。
《第2冷凍サイクル動作》
第2冷凍サイクル動作では、四方切換弁(25)が第2連通状態(図11の破線で示した状態)に設定され、圧縮機(23)が駆動され、膨張弁(EV)の開度が所定の開度に調節される。
圧縮機から吐出された冷媒は、第1吸着熱交換器(21)において放熱して凝縮した後に、第1逆止弁(CV1)を通過して、補助熱交換器(70)に流入する。補助熱交換器(70)では、冷媒が放熱して過冷却状態となる。補助熱交換器(70)を通過した冷媒は、膨張弁(EV)において減圧された後に、第3逆止弁(CV3)を通過して第2吸着熱交換器(22)に流入する。第2吸着熱交換器(22)では、冷媒が吸熱して蒸発する。第2吸着熱交換器(22)を通過した冷媒は、四方切換弁(25)を通過した後に、圧縮機(23)に吸入されて圧縮される。
(その他の実施形態)
以上の説明では、給気通路(AP1)が室外空間から取り込んだ室外空気(OA)を調湿空間(S0)へ供給する場合を例に挙げたが、給気通路(AP1)は、調湿空間(S0)から取り込んだ室内空気(RA)を調湿空間(S0)へ供給する(すなわち、室内空気(RA)を循環させる)ように構成されていてもよい。また、再生通路(AP2)が給気通路(AP1)の第1中途部(C1)からパージ通路(AP3)を経由して取り込んだ空気を室外空間へ排出する場合を例に挙げたが、再生通路(AP2)は、調湿空間(S0)から取り込んだ室内空気(RA)を室外空間へ排出するように構成されていてもよいし、室外空間から取り込んだ室外空気(OA)を室外空間へ排出するように構成されていてもよい。
また、第1および第2吸着熱交換器(21,22)の各々を通過する空気の流通方向が、その吸着熱交換器(21,22)が蒸発器となっている場合とその吸着熱交換器(21,22)が凝縮器となっている場合とで逆方向(所謂、対向流)となるように、除湿ユニット(10)が構成されている場合を例に挙げたが、除湿ユニットは、第1および第2吸着熱交換器(21,22)の各々を通過する空気の流通方向が、その吸着熱交換器(21,22)が蒸発器となっている場合とその吸着熱交換器(21,22)が凝縮器となっている場合とで同方向(所謂、並行流)なるように構成されていてもよい。
また、第1および第2熱交換室(S1,S2)の各々において、吸着ブロック(51,52)は、吸着熱交換器(21,22)と間隔をおいて配置されていてもよいし、吸着熱交換器(21,22)と接触するように配置されていてもよい。
なお、以上の実施形態を適宜組み合わせて実施してもよい。以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、この発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
以上説明したように、上述の除湿システムは、ドライクリーンルームなどの調湿空間を除湿する除湿システムとして有用である。
1 除湿システム
10 除湿ユニット
20 冷媒回路
21 第1吸着熱交換器
22 第2吸着熱交換器
23 圧縮機
24 膨張機構
25 四方切換弁
30 切換機構
40 ケーシング
51 第1吸着熱交換器
52 第2吸着熱交換器
60 吸着ロータ
61 吸着部
62 再生部
63 パージ部
70 補助熱交換器
71 流量調節機構
81 予冷却器
82 再熱加熱器
83 再生加熱器
84 補助冷却器
90 コントローラ
91 高圧圧力センサ(圧力検知部)
S0 調湿空間
S1 第1熱交換室
S2 第2熱交換室
RP 補助冷媒通路

Claims (11)

  1. 吸着剤が担持された第1および第2吸着熱交換器(21,22)を有し、該第1吸着熱交換器(21)が蒸発器となって空気を除湿し該第2吸着熱交換器(22)が凝縮器となって吸着剤を再生させる第1冷凍サイクル動作と、該第1吸着熱交換器(21)が凝縮器となって吸着剤を再生させ該第2吸着熱交換器(22)が蒸発器となって空気を除湿する第2冷凍サイクル動作とを交互に行う冷媒回路(20)と、
    上記第1および第2吸着熱交換器(21,22)のうち、蒸発器となっている吸着熱交換器(21,22)を通過した空気が調湿空間(S0)へ供給され、凝縮器となっている吸着熱交換器(22,21)に吸着剤を再生するための空気が流通するように、空気の流れを切り換える切換機構(30)と、
    上記冷媒回路(20)に設けられ、該冷媒回路(20)の第1および第2冷凍サイクル動作の両方において冷媒を放熱させる放熱器となる補助熱交換器(70)とを備えている
    ことを特徴とする除湿システム。
  2. 請求項1において、
    上記補助熱交換器(70)を通過した空気は、室外空間へ排出される
    ことを特徴とする除湿システム。
  3. 請求項1において、
    上記補助熱交換器(70)は、上記第1および第2吸着熱交換器(21,22)のうち蒸発器となっている吸着熱交換器(21,22)から上記調湿空間(S0)へ向かう空気へ放熱するように構成されている
    ことを特徴とする除湿システム。
  4. 請求項3において、
    吸着剤が担持され、上記第1および第2吸着熱交換器(21,22)のうち蒸発器となっている吸着熱交換器(21,22)から上記調湿空間(S0)へ向かう空気を吸着剤と接触させて除湿する吸着部(61)と、吸着剤を空気と接触させて再生させる再生部(62)とを有する吸着ロータ(60)をさらに備え、
    上記補助熱交換器(70)は、上記吸着ロータ(60)の吸着部(61)から上記調湿空間(S0)へ向かう空気へ放熱するように構成されている
    ことを特徴とする除湿システム。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項において、
    上記第1および第2吸着熱交換器(21,22)がそれぞれ設けられる第1および第2熱交換室(S1,S2)が形成されたケーシング(40)と、
    それぞれに吸着剤が担持され空気を吸着剤と接触させる第1および第2吸着ブロック(51,52)とをさらに備え、
    上記切換機構(30)は、上記第1および第2熱交換室(S1,S2)のうち、蒸発器となっている吸着熱交換器(21,22)が設けられた熱交換室(S1,S2)を通過した空気が上記調湿空間(S0)へ供給され、凝縮器となっている吸着熱交換器(22,21)が設けられた熱交換室(S2,S1)に吸着剤を再生するための空気が流通するように、空気の流れを切り換え、
    上記第1吸着ブロック(51)は、上記第1熱交換室(S1)において、上記第1吸着熱交換器(21)が蒸発器となっている場合に該第1吸着熱交換器(21)の風下側となる位置に設けられ、
    上記第2吸着ブロック(52)は、上記第2熱交換室(S2)において、上記第2吸着熱交換器(22)が蒸発器となっている場合に該第2吸着熱交換器(22)の風下側となる位置に設けられる
    ことを特徴とする除湿システム。
  6. 請求項1において、
    吸着剤が担持され、上記第1および第2吸着熱交換器(21,22)のうち蒸発器となっている吸着熱交換器(21,22)から上記調湿空間(S0)へ向かう空気を吸着剤と接触させて除湿する吸着部(61)と、吸着剤を空気と接触させて再生させる再生部(62)とを有する吸着ロータ(60)をさらに備え、
    上記補助熱交換器(70)は、上記吸着ロータ(60)の再生部(62)に供給される空気へ放熱するように構成されている
    ことを特徴とする除湿システム。
  7. 請求項6において、
    上記第1および第2吸着熱交換器(21,22)がそれぞれ設けられる第1および第2熱交換室(S1,S2)が形成されたケーシング(40)と、
    それぞれに吸着剤が担持され空気を吸着剤と接触させる第1および第2吸着ブロック(51,52)とをさらに備え、
    上記切換機構(30)は、上記第1および第2吸着熱交換器(21,22)の各々を通過する空気の流通方向が、該吸着熱交換器(21,22)が蒸発器となっている場合と該吸着熱交換器(21,22)が凝縮器となっている場合とで逆方向となり、上記第1および第2熱交換室(S1,S2)のうち、蒸発器となっている吸着熱交換器(21,22)が設けられた熱交換室(S1,S2)を通過した空気が上記調湿空間(S0)へ供給され、凝縮器となっている吸着熱交換器(22,21)が設けられた熱交換室(S2,S1)に吸着剤を再生するための空気が流通するように、空気の流れを切り換え、
    上記第1吸着ブロック(51)は、上記第1熱交換室(S1)において、上記第1吸着熱交換器(21)が蒸発器となっている場合に該第1吸着熱交換器(21)の風下側となる位置に設けられ、
    上記第2吸着ブロック(52)は、上記第2熱交換室(S2)において、上記第2吸着熱交換器(22)が蒸発器となっている場合に該第2吸着熱交換器(22)の風下側となる位置に設けられ、
    上記吸着ロータ(60)の再生部(62)を通過した空気は、上記第1および第2熱交換室(S1,S2)のうち凝縮器となっている吸着熱交換器(22,21)が設けられた熱交換室(S2,S1)に供給される
    ことを特徴とする除湿システム。
  8. 請求項1において、
    上記第1および第2吸着熱交換器(21,22)がそれぞれ設けられる第1および第2熱交換室(S1,S2)が形成されたケーシング(40)と、
    それぞれに吸着剤が担持され空気を吸着剤と接触させる第1および第2吸着ブロック(51,52)とをさらに備え、
    上記切換機構(30)は、上記第1および第2吸着熱交換器(21,22)の各々を通過する空気の流通方向が、該吸着熱交換器(21,22)が蒸発器となっている場合と該吸着熱交換器(21,22)が凝縮器となっている場合とで逆方向となり、上記第1および第2熱交換室(S1,S2)のうち、蒸発器となっている吸着熱交換器(21,22)が設けられた熱交換室(S1,S2)を通過した空気が上記調湿空間(S0)へ供給され、凝縮器となっている吸着熱交換器(22,21)が設けられた熱交換室(S2,S1)に吸着剤を再生するための空気が流通するように、空気の流れを切り換え、
    上記第1吸着ブロック(51)は、上記第1熱交換室(S1)において、上記第1吸着熱交換器(21)が蒸発器となっている場合に該第1吸着熱交換器(21)の風下側となる位置に設けられ、
    上記第2吸着ブロック(52)は、上記第2熱交換室(S2)において、上記第2吸着熱交換器(22)が蒸発器となっている場合に該第2吸着熱交換器(22)の風下側となる位置に設けられ、
    上記補助熱交換器(70)は、上記第1および第2熱交換室(S1,S2)のうち凝縮器となっている吸着熱交換器(22,21)が設けられた熱交換室(S2,S1)に供給される空気へ放熱するように構成されている
    ことを特徴とする除湿システム。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項において、
    上記冷媒回路(20)の動作が上記第1および第2冷凍サイクル動作の一方から他方へ切り換えられた時点から該第1および第2冷凍サイクル動作の他方から一方へ切り換えられる時点までの期間の途中において上記補助熱交換器(70)を通過する冷媒の流量が増加するように、該補助熱交換器(70)を通過する冷媒の流量を制御する制御部(90)をさらに備えている
    ことを特徴とする除湿システム。
  10. 請求項9において、
    上記冷媒回路(20)における凝縮圧力を検知する圧力検知器(91)をさらに備え、
    上記制御部(90)は、上記冷媒回路(20)の動作が上記第1および第2冷凍サイクル動作の一方から他方へ切り換えられた後に、上記圧力検知器(91)によって検知された凝縮圧力が予め定められた圧力閾値を超えると、上記補助熱交換器(70)を通過する冷媒の流量を増加させるように構成されている
    ことを特徴とする除湿システム。
  11. 請求項9において、
    上記制御部(90)は、上記冷媒回路(20)の動作が上記第1および第2冷凍サイクル動作の一方から他方へ切り換えられた後に予め定められた待機時間が経過すると、上記補助熱交換器(70)を通過する冷媒の流量を増加させるように構成されている
    ことを特徴とする除湿システム。
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