JP2016030332A - フィルムヒータ、インクジェットヘッド及びインクジェットプリンタ - Google Patents

フィルムヒータ、インクジェットヘッド及びインクジェットプリンタ Download PDF

Info

Publication number
JP2016030332A
JP2016030332A JP2014152013A JP2014152013A JP2016030332A JP 2016030332 A JP2016030332 A JP 2016030332A JP 2014152013 A JP2014152013 A JP 2014152013A JP 2014152013 A JP2014152013 A JP 2014152013A JP 2016030332 A JP2016030332 A JP 2016030332A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
protective sheet
heater
piezoelectric actuator
actuator substrate
wiring
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2014152013A
Other languages
English (en)
Other versions
JP6437752B2 (ja
Inventor
高橋 大輔
Daisuke Takahashi
大輔 高橋
山本 隆行
Takayuki Yamamoto
隆行 山本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyocera Corp filed Critical Kyocera Corp
Priority to JP2014152013A priority Critical patent/JP6437752B2/ja
Publication of JP2016030332A publication Critical patent/JP2016030332A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP6437752B2 publication Critical patent/JP6437752B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

【課題】生じた熱を加熱対象物に効果的に伝えることができるフィルムヒータを提供する。
【解決手段】フィルムヒータ67は、第1保護シート69と、第1保護シート69の表面に沿って延びるヒータ配線71と、ヒータ配線71を第1保護シート69とで挟む第2保護シート73と、を有している。そして、第1保護シート69は第2保護シート73よりも薄い。
【選択図】図8

Description

本発明は、フィルムヒータ、インクジェットヘッド及びインクジェットプリンタに関する。
ヒータ配線と、このヒータ配線を挟む2枚の保護シートとを有するフィルムヒータが知られている。また、ヒータを有するピエゾ式のインクジェットヘッドが知られている(例えば特許文献1)。このインクジェットヘッドは、複数のノズル及び複数のノズルに通じる流路が形成された流路部材と、流路部材上に重ねられ、複数のノズルからインクを吐出させる駆動力を生じる圧電アクチュエータ基板と、圧電アクチュエータ基板の圧電体上に配置され、カーボン等の抵抗値の高い導電材料からなるヒータとを有している。このヒータは、流路部材内の流路のインクを加熱し、インクの粘度を低くすることに寄与している。
特開2008−55899号公報
しかし、従来のヒータでは、加熱対象物を効果的に加熱することができない。例えば、特許文献1の技術においては、ヒータの熱は、圧電アクチュエータ基板及び流路部材とは反対側へ発散してしまい、圧電アクチュエータ基板及び流路部材に効率的に伝わらない。
従って、生じた熱を加熱対象物に効果的に伝えることができるフィルムヒータ、インクジェットヘッド及びインクジェットプリンタが提供されることが望ましい。
本発明の一態様に係るフィルムヒータは、第1保護シートと、前記第1保護シートの表面に沿って延びるヒータ配線と、前記ヒータ配線を前記第1保護シートと挟む第2保護シートと、を有し、第1保護シートが前記第2保護シートよりも薄い。
好適には、前記第1保護シートの熱伝導率は、前記第2保護シートの熱伝導率よりも高い。
好適には、前記第1保護シートは、エポキシ樹脂、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリフェニレンサルファイド又はエチレン・プロピレンゴムからなり、前記第2保護シートは、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリサルホン、天然ゴム、ブチルゴム又はポリウレタンゴムからなる。
好適には、前記フィルムヒータは、前記第1保護シートと前記第2保護シートとの間に介在してこれらを貼り合わせる粘着材を更に有し、前記ヒータ配線は、前記粘着材を介さずに前記第1保護シートに接している。
好適には、前記第2保護シートは複数の気泡を含む。
好適には、前記第2保護シートの前記第1保護シート側の界面に複数の気泡が構成されている。
本発明の一態様に係るインクジェットヘッドは、上記のヒータと、ノズル、及び、前記ノズルに通じ、前記ノズルが開口する側とは反対側に開口する加圧室を有する流路部材と、前記加圧室を塞ぐように前記流路部材に重ねられた圧電アクチュエータ基板と、前記圧電アクチュエータ基板に電気的に接続されたフレキシブル配線基板と、を有し、前記ヒータは、前記第1保護シート側を前記フレキシブル配線基板の主面に向けて前記フレキシブル配線基板に重ねられている。
好適には、前記流路部材は、複数の前記ノズル及び複数の前記加圧室を有し、前記圧電アクチュエータ基板は、前記複数の加圧室に重なる位置に複数の個別電極を有し、前記フレキシブル配線基板は、前記複数の個別電極を覆う対向部を有し、前記対向部は、複数のバンプを介して前記複数の個別電極と接合される複数のパッドを有し、前記ヒータは、前記第1保護シート側を前記対向部の前記圧電アクチュエータ基板とは反対側の面に向けて、前記複数のパッドに亘る広さで前記対向部に重ねられている。
好適には、前記ヒータ配線は、当該ヒータ配線の一部と他の一部とが当該ヒータ配線の非配置領域を挟むように、曲がりながら延びており、前記フレキシブル配線基板と前記ヒータとの間に、前記第1保護シートよりも熱伝導率が高い材料からなり、前記ヒータ配線の前記一部、前記他の一部及び前記非配置領域に亘る広さの均熱板が設けられている。
好適には、前記第1保護シート及び前記第2保護シートには、孔又は切り欠きからなる空所が形成されており、前記空所に感温素子が配置されている。
本発明の一態様に係るプリンタは、上記のインクジェットヘッドを備えている。
上記の構成によれば、生じた熱を加熱対象物に効果的に伝えることができる。
本発明の実施形態に係るプリンタの要部を模式的に示す斜視図。 図1のプリンタのインクジェットヘッドの一部を模式的に示す分解斜視図。 図2のIII−III線における断面図。 図4(a)は図2の領域IVaにおける平面図、図4(b)は図4(a)のIVb−IVb線における断面図。 図2の領域V付近を示す平面図。 図2のフレキシブル配線基板の配線を示す平面透視図。 図6のVII−VII線における断面図。 図8(a)はヒータの平面透視図、図8(b)は図8(a)のVIIIb−VIIIb線における断面図、図8(c)は図8(c)のVIIIc−VIIIc線における断面図。 変形例に係るヘッドを示す断面図。 図10(a)〜図10(c)は変形例に係るヒータを示す断面図。
図1は、本発明の実施形態に係るプリンタ1の要部を模式的に示す斜視図である。
プリンタ1は、インクジェットプリンタである。より具体的には、例えば、プリンタ1は、ピエゾヘッド式、シリアルヘッド式、且つ、オフキャリッジ式のカラープリンタとされている。なお、プリンタ1は、適宜な数の色のインクでカラーの画像を実現してよいが、本実施形態では、4色(ブラック、イエロー、マゼンタ及びシアン)のインクによってカラー画像を実現する。
プリンタ1は、例えば、メディア(例えば紙)101を矢印y1で示す搬送方向へ搬送する搬送部3と、搬送されているメディア101に向けてインク滴を吐出するヘッド5と、ヘッド5をメディア101の搬送方向に直交する走査方向(矢印y2)において往復移動させる走査部7と、ヘッド5にインクを供給するインクカートリッジ9と、プリンタ1の動作を制御する制御部11とを有している。
搬送部3によるメディア101の搬送、及び、走査部7によるヘッド5の往復移動が行われつつ、ヘッド5からメディア101へのインク滴の吐出が繰り返し行われることにより、メディア101には2次元画像が形成される。
搬送部3は、例えば、不図示の供給スタックに積層された複数のメディア101を一ずつ不図示の排出スタックへ搬送する。搬送部3は、公知の適宜な構成とされてよい。図1では、搬送経路がストレートパスとされ、メディア101に当接するローラ13と、ローラ13を回転させるモータ15と、モータ15に駆動電力を付与するドライバ17とを有する搬送部3が例示されている。
走査部7は、公知の適宜な構成とされてよい。例えば、走査部7は、ヘッド5が搭載される不図示のキャリッジを走査方向に案内可能に支持する不図示のガイドレールと、キャリッジに固定された不図示のベルトと、当該ベルトが掛け渡された不図示のプーリと、当該プーリを回転させるモータ19と、モータ19に駆動電力を付与するドライバ21とを有している。
インクカートリッジ9は、ヘッド5とは別の場所に(ヘッド5と共に移動しないように)設置されている。インクカートリッジ9は、可撓性のチューブを介してヘッド5と接続されている。インクカートリッジ9は、ヘッド5が吐出するインクの色の数に対応して複数(本実施形態では4つ)設けられている。
制御部11は、例えば、CPU、ROM、RAM及び外部記憶装置を含んで構成されている。制御部11は、搬送部3のドライバ17、走査部7のドライバ21及びヘッド5のドライバ(後述)に制御信号を出力し、搬送部3、走査部7及びヘッド5の動作を制御する。
図2は、ヘッド5の一部を示す分解斜視図である。なお、図2の紙面下方(z方向の負側)がメディア101側である。また、図3は、図2のIII−III線における断面図である。
ヘッド5は、インクの流路を構成する流路部材23と、流路部材23からインクを吐出させるための駆動力を生じる圧電アクチュエータ基板25と、圧電アクチュエータ基板25に電気的に接続されたFPC(フレキシブル配線基板)27と、FPC27を介して圧電アクチュエータ基板25を駆動制御するドライバIC29と、流路部材23及び/又は圧電アクチュエータ基板25を加熱するためのヒータ67とを有している。
流路部材23は、例えば、概略、薄型の直方体状に形成されており、メディア101に対向する第1主面23a及びその背面の第2主面23bを有している。第1主面23aには、インク滴を吐出するために、後述する複数のノズルが開口している。また、第2主面23bの端部には、インクが供給されるインク供給口31(図2)が色毎に形成されている。
圧電アクチュエータ基板25は、例えば、概略、薄型の直方体状に形成されており、流路部材23の第2主面23bに重ねられる。圧電アクチュエータ基板25は、例えば、第2主面23bの大部分(複数のインク供給口31の配置領域を除く部分)を覆う大きさに形成されている。
FPC27は、例えば、圧電アクチュエータ基板25を覆う対向部27aと、当該部分から圧電アクチュエータ基板25の外方へ延び出る延在部27bとを有している。なお、延在部27bは、搬送方向及び走査方向のいずれの方向に設けられてもよい。
ドライバIC29は、例えば、延在部27bにおいて、対向部27aが圧電アクチュエータ基板25に対向する側の主面と同一の主面に実装されている。なお、ドライバIC29は、FPC27が折り曲げられることによって適宜な位置に配置されてよい。また、FPC27に延在部が2つ設けられ、その2つの延在部それぞれにドライバIC29(合計2つのドライバIC29)が設けられてもよい。
ヒータ67は、フィルム型のものである。すなわち、全体としてフィルム状に構成され、可撓性を有している。ヒータ67は、例えば、FPC27の対向部27aの圧電アクチュエータ基板25とは反対側の面に対して重ねられている。ヒータ67の平面形状及び大きさは適宜に設定されてよいが、例えば、対向部27a(圧電アクチュエータ基板25)の概ね全体を覆う平面形状及び大きさとされている。なお、図2等では、ヒータ67は、FPC27よりも厚くなっているが、FPC27と同等であってもよいし、FPC27よりも薄くてもよい。
図4(a)は、図2の領域IVaに相当する領域において流路部材23及び圧電アクチュエータ基板25を示す拡大平面図であり、図4(b)は図4(a)のIVb−IVb線における断面図である。
既に述べたように、流路部材23は、第1主面23aに開口する複数のノズル33を有している。また、流路部材23は、複数のノズル33に通じ、第2主面23b側に開口する複数の加圧室35(図2も参照)と、インク供給口31からのインクを複数の加圧室35に供給するための共通流路37(図4(b))とを有している。
なお、これらの具体的形状は適宜に設定されよい。例えば、本実施形態において示すように、加圧室35の平面形状は、短辺の中央にノズル33が接続される概ね矩形であってもよい。また、例えば、加圧室35の平面形状は、角部にノズル33が接続される菱形であってもよいし、半円状の端部にノズル33が接続される長円乃至は楕円であってもよい。
流路部材23は、例えば、流路となる貫通孔若しくは溝が形成された複数の板状部材39がz方向に積層されることによって構成されている。複数の板状部材39は、例えば、金属からなる。なお、第1主面23aを構成する板状部材39を樹脂で構成し、他の板状部材39を金属で構成するなどしてもよい。
圧電アクチュエータ基板25は、例えば、ユニモルフ型の圧電アクチュエータ基板により構成されており、流路部材23側から順に、弾性体41、共通電極43、圧電体45及び複数の個別電極47(図2も参照)が積層されて構成されている。なお、これらはいずれも層状(板状)に形成されている。
弾性体41は、複数の加圧室35の上面を構成している。個別電極47と共通電極43との間に電圧が印加されると、圧電体45は逆圧電効果によって平面方向において縮小する。これにより、弾性体41は加圧室35側へ撓む。この動作が利用されて、加圧室35内のインクに圧力が付与され、インク滴がノズル33から吐出される。
弾性体41、共通電極43及び圧電体45は、複数の加圧室35全体に亘って設けられている。一方、個別電極47は、加圧室35毎に設けられている。共通電極43には、例えば、基準電位が付与される。複数の個別電極47には選択的に共通電極43とは異なる電位(駆動信号)が付与される。これにより、複数のノズル33から選択的にインク滴が吐出される。
複数の個別電極47は、加圧室35の概略全体に重なり、圧電体45に電圧を印加するための電極本体47aと、FPC27との接続のための引出電極47bとを有している。電極本体47aは、例えば、加圧室35の平面形状と概ね同様(相似)の形状とされており、本実施形態では、矩形である。引出電極47bは、電極本体47aから適宜な方向に延び出ている。例えば、引出電極47bは、電極本体47aに対してノズル33とは反対側へ延び出ている。
なお、以下では、図4において示した、流路部材23及び圧電アクチュエータ基板25のうち、一のノズル33に対応する部分(概略、平面視において加圧室35及び個別電極47の配置領域)を吐出素子49ということがある。
図5は、概ね図2の領域Vに相当する領域において流路部材23及び圧電アクチュエータ基板25を示す平面図である。
図2及び図5に示すように、複数の吐出素子49は、走査方向及び搬送方向に配列されている。具体的には、例えば、以下のとおりである。
複数の吐出素子49それぞれは、加圧室35に対してノズル33が配置されたり、電極本体47aに対して引出電極47bが延び出たりする方向を走査方向(x方向)に一致させて配置されている。
複数の吐出素子49が搬送方向(y方向)に配列されて構成された吐出素子49の行(吐出素子行51)においては、複数の吐出素子49は、互いに同一の向きとされている。互いに隣接する吐出素子行51同士は、ノズル33(引出電極47b)の向きが互いに逆向きとされ、また、吐出素子49の搬送方向における半分の大きさで、互いにずれて配置されている。
ノズル33側同士を向い合わせた2つの吐出素子行51は、一のインクに対応しており、本実施形態では、4色に対応して、合計で8つの吐出素子行51が設けられている。なお、ブラックインクに対しては吐出素子行51の数を多くするなど、色毎に吐出素子行51の数が異なっていてもよい。
なお、複数の吐出素子49が複数の吐出素子行51を構成していることから明らかなように、複数の加圧室35は、搬送方向(y方向)に配列されて加圧室行53(図2)を構成しており、複数の加圧室行53が走査方向(x方向)に並んでいる。
図5に示すように、インクの色毎に、共通流路37は、インク供給口31に接続されるとともに、吐出素子行51の数(本実施形態では2つ)に対応する数で分岐して、吐出素子行51に沿って延びている。
図6は、図5に示した領域と同等の大きさの領域に関して、FPC27の配線パターンを透視して示す平面図である。図7は、図6のVII−VII線における、流路部材23の最上層の板状部材39、圧電アクチュエータ基板25及びFPC27の断面図である。
FPC27は、図7に示すように、絶縁性のベースフィルム55と、ベースフィルム55上に形成された導体パターン57と、導体パターン57を覆う絶縁膜59とを有している。そして、FPC27の対向部27aは、絶縁膜59側を圧電アクチュエータ基板25側に対向させて配置されている。
ベースフィルム55は、例えば、可撓性の樹脂フィルムからなる。導体パターン57は、例えば、金属からなる。絶縁膜59は、例えば、ソルダーレジストからなる。ソルダーレジストは、例えば、顔料等を含んだ熱硬化性エポキシ樹脂からなる。
図6及び図7に示すように、導体パターン57は、複数の配線61と、複数の配線61の先端に設けられた複数のパッド63とを含んでいる。
複数の配線61は、例えば、吐出素子行51(加圧室行53)に重なるように吐出素子行51に沿って互いに並列に(例えば平行に)延びている。ただし、複数の配線61(その束乃至は配置領域)は、吐出素子行51に対して引出電極47b側とは反対側にずれた位置にて延びている。別の観点では、複数の配線61は、引出電極47b側とは反対側を向き合わせている2つの吐出素子行51に対して、その間側において重なって延びている。
図6において、複数の配線61は、例えば、紙面上方側(y方向負側)がドライバIC29に接続される側である。図6に示すように、複数の配線61は、ドライバIC29側から吐出素子行51に沿って延びる過程で、外側(側方)に位置する配線61から順に外側へ曲がって引出電極47bへ向かって延び、その先端にパッド63が設けられている。
パッド63と引出電極47bとは対向し、バンプ65(図7)によって接合されている。これにより、ドライバIC29が配線61を介して個別電極47と電気的に接続される。また、FPC27は、圧電アクチュエータ基板25に対して固定される。バンプ65は、導電性を有する適宜な材料により形成されてよい。例えば、バンプ65は、金属(例えばAg)からなる粒子を含む樹脂(例えば熱硬化性樹脂)により構成されている。
図6及び図7に示すように、絶縁膜59は、パッド63を露出させて複数の配線61を覆っている。これにより、複数の配線61は、導電性材料の付着によって互いに短絡することなどが低減されている。なお、図6において、範囲ARは、絶縁膜59の幅を示している。絶縁膜59は、加圧室35の少なくとも一部に重なる幅を有している。
図7に示すように、引出電極47bとパッド63との間にバンプ65が介在していることによって、個別電極47と絶縁膜59とは、比較的低い圧力で接触している、又は、微小隙間(例えば10μm以下)で対向する状態となっている。
なお、このような状態は、例えば、以下のようにFPC27を圧電アクチュエータ基板25に接合することにより実現される。まず、引出電極47b上に、バンプ65となる未硬化状態の材料を塗布する。次に、FPC27を圧電アクチュエータ基板25上に被せ、FPC27を圧電アクチュエータ基板25に押し付ける。この際、バンプ65となる材料が潰れ(変形し)、絶縁膜59が圧電アクチュエータ基板25に接する又は近づく。その後、バンプ65となる材料が加熱硬化される。
図2に示したドライバIC29は、記述のように、FPC27を介して複数の個別電極47に電気的に接続される。また、特に図示しないが、圧電アクチュエータ基板25には、共通電極43に接続されたパッドが設けられ、当該パッドにFPC27のパッドが接合されることにより、ドライバIC29は、共通電極43に電気的に接続される。
ドライバIC29には、例えば、所定の駆動周期毎に、全てのノズル33に関して吐出すべきインク量のデータが制御部11から入力される。ドライバIC29は、例えば、共通電極43に基準電位を付与するとともに、入力されたデータに基づいて複数の個別電極47に所定の波形の駆動信号を選択的に出力する。また、ドライバIC29は、例えば、入力されたデータに基づいて駆動周期内において駆動信号を出力する回数を設定する。
図8(a)は、ヒータ67の平面透視図である。図8(b)は、図8(a)のVIIIb−VIIIb線における断面図である。
図8(b)に示すように、ヒータ67は、第1保護シート69と、第1保護シート69上に設けられたヒータ配線71と、ヒータ配線71を覆う第2保護シート73とを有している。
ヒータ配線71は、ミアンダ形状等の所定のパターンで延びる電熱線によって構成されている。電熱線は、比較的抵抗値が高い導電材料からなり、例えば、ニクロム又は鉄・クロム・アルミニウム合金からなる。
第1保護シート69及び第2保護シート73は、絶縁性材料からなる可撓性のシートである。第1保護シート69及び第2保護シート73は、例えば、互いの対向面に介在する第1粘着材75によって互いに貼り合わされている。第1粘着材75は、第1保護シート69とヒータ配線71との間、及び、ヒータ配線71と第2保護シート73との間にも介在して、これらを固定している。
ヒータ67は、第1保護シート69側を加熱対象物(本実施形態ではFPC27)に向けてFPC27に重ねられている。より具体的には、例えば、第1保護シート69とFPC27のベースフィルム55とが第2粘着材77によって貼り合わされている。
従って、ヒータ67の熱は、第1保護シート69を介してFPC27に伝えられる。FPC27に伝えられた熱は、圧電アクチュエータ基板25、流路部材23及び流路部材23内のインクに順に伝えられる。
なお、第1粘着材75及び第2粘着材77は、例えば、ゴム系、アクリル系、ホットメルト系、シリコーン系等の適宜なものが用いられてよい。ただし、熱伝導率が高い材料が選択されることが好ましい。また、第1粘着材75及び第2粘着材77の厚さは、必要以上に厚くならない限り、適宜に設定されてよく、例えば、第1保護シート69の厚さ未満である。粘着材に代えて接着剤が用いられてもよい。
ここで、ヒータ67は、ヒータ配線71の熱が第1保護シート69側へ伝えられやすくなるように構成されていることを一つの特徴としている。具体的には、以下のとおりである。
まず、第1保護シート69は、第2保護シート73よりも薄い。従って、ヒータ配線71の熱は、第1保護シート69側に位置する加熱対象物(FPC27)に伝えられやすい。別の観点では、ヒータ配線71の熱は、FPC27とは反対側へ発散されにくい。なお、第1保護シート69及び第2保護シート73の具体的な厚さは適宜に設定されてよい。
また、第1保護シート69の熱伝導率は、第2保護シート73の熱伝導率よりも高い。従って、ヒータ配線71の熱は、第1保護シート69側に位置する加熱対象物(FPC27)に伝えられやすい。別の観点では、ヒータ配線71の熱は、FPC27とは反対側へ発散されにくい。
例えば、第1保護シート69は、熱伝導率が0.25W/mK以上の材料により構成され、第2保護シート73は、熱伝導率が0.20W/mK以下の材料により構成されている。
熱伝導率が0.25W/mK以上の材料としては、例えば、エポキシ樹脂(0.3W/mK)、低密度ポリエチレン(0.33W/mK)、高密度ポリエチレン(0.46〜0.50W/mK)、ポリエチレンテレフタレート(0.31W/mK)、ポリイミド(0.0.28〜0.34W/mK)、ポリフェニレンサルファイド(0.29W/mK)及びエチレン・プロピレンゴム(0.36W/mK)が挙げられる。
熱伝導率が0.20W/mK以下の材料としては、例えば、ポリカーボネート(0.19W/mK)、ポリプロピレン(0.125W/mK)、ポリスチレン(0.10〜0.14W/mK)、ポリサルホン(0.12〜0.16W/mK)、天然ゴム(0.13W/mK)、ブチルゴム(0.13W/mK)及びポリウレタンゴム(0.12〜0.18W/mK)が挙げられる。
製造方法及び/又は混合比によって、熱伝導率が0.20W/mK以下若しくは0.25W/mK以上、又は、前記のいずれにもなり得る材料が用いられてもよい。このような材料としては、例えば、ABS樹脂(0.19〜0.36W/mK)、ポリエーテルサルホン(0.18〜0.24W/mK)、フェノール樹脂(0.13〜0.25W/mK)、アクリル樹脂(0.17〜0.25W/mK)及びポリ塩化ビニル(0.13〜0.29W/mK)が挙げられる。
ヒータ67は、適宜な製造方法により実現されてよい。例えば、まず、フィルム状の第1保護シート69及び第2保護シート73を用意する。次に、第1保護シート69及び第2保護シート73の一方と金属箔とを粘着材によって貼り付ける。次に、金属箔をエッチングしてヒータ配線71を形成する。その後、第1保護シート69及び第2保護シート73の他方を粘着材によって第1保護シート69及びヒータ配線71に貼り付ける。
図8(c)は、図8(a)のVIIIc−VIIIc線における断面図である。
図8(a)及び図8(c)に示すように、第1保護シート69及び第2保護シート73には、これらを貫通する孔(切り欠きであってもよい)からなる空所67hが形成されている。空所67hには、感温素子79が配置されている。すなわち、感温素子79は、第1保護シート69を介さずにFPC27に対して重なっている。感温素子79は、例えば、サーミスタ又は熱電対によって構成されている。なお、感温素子79とFPC27との間には接着剤等が介在していてもよい。
ドライバIC29、他の不図示のドライバ、又は、制御部11は、例えば、感温素子79の検出した温度が所定の目標温度になるように、ヒータ67のフィードバック制御を行う。
以上のとおり、本実施形態では、フィルムヒータ67は、第1保護シート69と、第1保護シート69の表面に沿って延びるヒータ配線71と、ヒータ配線71を第1保護シート69とで挟む第2保護シート73と、を有している。そして、第1保護シート69は第2保護シート73よりも薄い。
従って、既に述べたように、第1保護シート69が第2保護シート73と同じ厚さである場合に比較して、第1保護シート69における温度勾配(K/m)が大きくなり、ヒータ配線71の熱を第1保護シート69に伝えやすくなる。別の観点では、第2保護シート73が第1保護シート69と同じ厚さである場合に比較して、第2保護シート73における温度勾配(K/m)が小さくなり、ヒータ配線71の熱が第2保護シート73側へ発散しにくくなる。その結果、ヒータ配線71の熱を効果的に加熱対象物(FPC27)に伝えることができる。
このような効果的な伝熱によって、例えば、ヒータ配線71に供給する電力を小さくできる。また、例えば、第2保護シート73側へ発散した熱によって加熱したくない部品が加熱されるおそれが低減される。また、例えば、ヒータ配線71への供給電力の増減に対する加熱対象物の熱の応答遅れが小さくなり、加熱対象物の熱の制御性が向上する。
また、本実施形態では、第1保護シート69の熱伝導率は、第2保護シート73の熱伝導率よりも高い。
従って、上記の効果的な伝熱が一層効果的になる。別の観点では、第1保護シート69側への効果的な伝熱を維持しつつ、第1保護シート69及び第2保護シート73の厚さの差を低減し、第1保護シート69の絶縁性の確保及び/又は第2保護シート73の可撓性の向上を図ることができる。また、第1保護シート69と第2保護シート73とで別の製造方法を用いることが容易になる。
また、本実施形態では、ヘッド5は、上記のような好適なヒータ67と、ノズル33、及び、ノズル33に通じ、ノズル33が開口する側とは反対側に開口する加圧室35を有する流路部材23と、加圧室35を塞ぐように流路部材23に重ねられた圧電アクチュエータ基板25と、圧電アクチュエータ基板25に電気的に接続されたFPC27と、を有している。ヒータ67は、第1保護シート69側をFPC27の主面に向けてFPC27に重ねられている。
従って、ヒータ配線71の熱を、相対的に薄い第1保護シート69を介して効果的に、また、平面同士の密着により効果的に、FPC27に伝えることができる。FPC27は、圧電アクチュエータ基板25に電気的に接続されている。一般に、導電材料(通常は金属)は熱伝導率が高い。従って、効果的に加熱されたFPC27の熱は、FPC27及び圧電アクチュエータ基板25の導電材料を介して効率的に圧電アクチュエータ基板25に伝えられる。ひいては、圧電アクチュエータ基板25の圧電体45及び流路部材23(その内部のインク)に効率的に熱が伝えられる。圧電体45は、例えば、温度が上昇することによって圧電特性が向上する(変位が大きくなる)。また、インクは、例えば、温度が上昇することによって粘度が低下して吐出されやすくなる。
なお、圧電アクチュエータ基板25は、電圧が印加されることによっても温度が上昇し、ドライバIC29等の周囲の部品の熱によっても加熱される。同様に、インクは、ドライバIC29や圧電アクチュエータ基板25等の熱によっても加熱される。従って、ヒータ67は、例えば、プリンタ1の起動時に、すなわち、ドライバIC29等によってまだ圧電アクチュエータ基板25及び/又はインクが加熱されていない時に、速やかに圧電アクチュエータ基板25及び/又はインクを昇温することに寄与できる。すなわち、ヒータ67は、プリンタ1を速やかに定常状態にすることに寄与できる。なお、このようにヒータ67を利用する場合、圧電アクチュエータ基板25及び/又はインクの目標温度は、ヒータ67による加熱が行われておらず、且つ、プリンタ1が定常状態となっているときの温度とされる。
また、ヒータ67は、例えば、プリンタ1の定常状態においてドライバIC29等によって昇温された圧電アクチュエータ基板25及び/又はインクが到達し得る温度と同等以上の温度に圧電アクチュエータ基板25及び/又はインクの温度を保つことによって、ドライバIC29等の駆動状態(画像の種類)に関わらず、圧電アクチュエータ基板25及び/又はインクの温度を一定に管理することに寄与できる。
本実施形態では、流路部材23は、複数のノズル33及び複数の加圧室35を有している。圧電アクチュエータ基板25は、複数の加圧室35に重なる位置に複数の個別電極47を有している。FPC27は、複数の個別電極47を覆う対向部27aを有している。対向部27aは、複数のバンプ65を介して複数の個別電極47と接合される複数のパッド63を有している。ヒータ67は、第1保護シート69側を対向部27aの圧電アクチュエータ基板25とは反対側の面に向けて、複数のパッド63に亘る広さで対向部27aに重ねられている。
従って、上記のように効果的にヒータ67からFPC27へ伝えられた熱は、複数のパッド63、複数のバンプ65及び複数の個別電極47を介して複数の加圧室35内のインクに伝えられる。従って、比較的大量のインクに熱伝導率の高い材料からなる経路を介して効率的にヒータ67の熱を伝えることができる。加圧室35は、流路部材23において圧電アクチュエータ基板25側(ひいてはヒータ67側)に位置する部分であり、この点からしても、加圧室35への伝熱経路が構成されることはインクの加熱に対して効果的である。
また、本実施形態では、第1保護シート69及び第2保護シート73には、孔又は切り欠き(本実施形態では孔)からなる空所67hが形成されており、空所67hに感温素子79が配置されている。
従って、第1保護シート69及び第2保護シート73を介さずに、ヒータ67の加熱対象物(FPC27)の温度を検出することができる。すなわち、高精度に加熱対象物の温度を検出することができる。その結果、加熱対象物の温度制御を高精度に行うことができる。ヘッド5においては、FPC27の温度制御を高精度に行うことによって、圧電アクチュエータ基板25及びインクの温度制御を高精度に行うことができ、温度が画質に及ぼす影響を低減できる。
(変形例)
以下では、図9及び図10を参照して、プリンタ1、ヘッド5及びヒータ67の変形例について説明する。
図9は、変形例に係るヘッドを示す、図3に対応する断面図である。
この変形例に係るヘッドは、加熱対象物(FPC27)とヒータ67との間に、ヒータ67の熱を均等に加熱対象物に伝えるための均熱板81が設けられている点が実施形態のヘッド5と相違する。
均熱板81は、第1保護シート69(図8(b)等)の材料よりも熱伝導率が高い材料からなる。例えば、第1保護シート69が樹脂乃至はゴムから構成されているのに対して、均熱板81は、金属から構成されている。均熱板81は、例えば、ヒータ67の概ね全体に重なっている。なお、第1保護シート69と均熱板81との間、均熱板81とFPC27との間には、これらに密着する粘着材乃至は接着剤が介在していることが好ましい。
図8(a)に示すように、ヒータ配線71は、例えば、ヒータ67の全面に隙間なく配されてはおらず、ヒータ67には、ヒータ配線71の配置領域と非配置領域とが存在している。具体的には、例えば、ヒータ配線71は、その第1部71aと第2部71bとが非配置領域S1を挟むように、曲がりながら延びている。また、例えば、特に符号は付さないが、ヒータ配線71は、図8(a)の紙面上方側の全体と紙面下方側の全体とが非配置領域を挟むように、(保護シートの4隅で)曲がりながら延びている。また、例えば、ヒータ配線71は、非配置領域を囲むように環状に延びている。従って、第1保護シート69においては、局所的に温度が高い領域及び低い領域が生じるおそれがある。
しかし、第1保護シート69よりも熱伝導率が高い均熱板81が、ヒータ配線71の一部、他の一部、及び、これらに挟まれた(囲まれた)非配置領域に亘る広さで第1保護シート69に重なっていることにより、均熱板81において、温度が高い領域から温度が低い領域へ速やかに熱が伝えられる。すなわち、均熱板81によって、ヒータ配線71の熱が平面内において均等化される。そして、その均等化された熱がFPC27に伝えられる。その結果、圧電アクチュエータ基板25及び/又は流路部材23を均等に加熱することができる。ひいては、画質が一の画像内において均等になる。
図10(a)は変形例に係るヒータ102を示す、図8(b)に相当する断面図である。
ヒータ102は、ヒータ配線71が第1粘着材103を介さずに第1保護シート69に重なっている点が実施形態のヒータ67と相違する。この構成によれば、実施形態よりもヒータ配線71の熱を第1保護シート69に伝えやすくなる。
このような構成のヒータ102は、適宜な製造方法により実現されてよい。例えば、まず、フィルム状の第1保護シート69及び第2保護シート73を用意する。次に、第1保護シート69に蒸着法等によって金属膜を形成し、その金属膜をエッチングしてヒータ配線71を形成する。マスクを介して金属膜を形成することによってヒータ配線71を形成してもよい。その後、第2保護シート73を第1粘着材103によって第1保護シート69及びヒータ配線71に貼り付ける。
図10(b)は変形例に係るヒータ111を示す、図8(b)に相当する断面図である。
ヒータ111は、第2保護シート113が複数の気泡115を含む材料から構成されている点が図10(a)の変形例と相違する。なお、ヒータ111は、図10(a)の変形例と同様に、ヒータ配線71と第1保護シート69との間に第1粘着材103が介在しない構成とされているが、実施形態と同様に、介在する構成とされてもよい。
複数の気泡115内には気体が存在する。気体は、例えば、空気、炭酸ガス、又は、窒素ガスである。一般に、気体は、固体よりも熱伝導率が低い。従って、第2保護シート113は、複数の気泡115を含むことによって、熱伝導率が低くなっている。
なお、複数の気泡115は、互いに独立に密閉されていてもよいし、互いにつながっていてもよい。複数の気泡115の形成方法は、適宜な方法とされてよく、例えば、化学反応を利用する方法、沸点が低い溶剤を用いる方法、空気を混入させる方法、又は、溶剤を除去して空隙を形成する方法とされてよい。
この変形例に係るヒータ111によれば、複数の気泡115によって第2保護シート113の熱伝導率を低くし、ヒータ配線71の熱が第2保護シート113側へ発散することを抑制できる。また、複数の気泡115が形成されていることによって、第2保護シート113の可撓性が向上し、ひいては、ヒータ111の可撓性が向上する。
図10(c)は変形例に係るヒータ121を示す、図8(b)に相当する断面図である。
ヒータ121は、第2保護シート123の第1保護シート69側の界面に複数の気泡125が形成されている点が図10(a)の変形例と相違する。なお、ヒータ121は、図10(a)の変形例と同様に、ヒータ配線71と第1保護シート69との間に第1粘着材103が介在しない構成とされているが、実施形態と同様に、介在する構成とされてもよい。
複数の気泡125は、例えば、第2保護シート123に凹凸123aが形成されていることによって、第2保護シート123と、第1保護シート69及びヒータ配線71(より厳密には第1粘着材103)との間に構成されている。複数の気泡125内には気体が存在する。気体は、例えば、空気、炭酸ガス、又は、窒素ガスである。記述のように、一般に、気体は、固体よりも熱伝導率が低い。
凹凸123aの大きさは適宜な大きさとされてよい。なお、参考までに、表面が平滑な樹脂フィルムとして、表面粗さが数nmのフィルムが知られている。凹凸123aの表面粗さは、このような表面粗さよりも大きいことが好ましく、例えば、0.1μm以上である。凹凸は、第2保護シート123の第1保護シート69側の表面にのみ形成されていてもよいし、両面に形成されていてもよい。
複数の気泡125は、互いに独立に密閉されていてもよいし、互いにつながっていてもよい。複数の気泡125の形成方法は、適宜な方法とされてよい。例えば、第2保護シート123となるフィルムを用意し、そのフィルムの表面にサンドブラスト加工等の粗面化処理を行って表面粗さを大きくし、凹凸123aを形成する。次に、ヒータ配線71が形成されるとともに第1粘着材103が塗布された第1保護シート69に第2保護シート73を被せる。このとき、第2保護シート73に付与する圧力を比較的小さくしつつ、第1粘着材103を加熱して硬化させる。これにより、複数の気泡125が形成される。
この変形例に係るヒータ121によれば、複数の気泡125が断熱層のように機能し、ヒータ配線71の熱が第2保護シート123に伝わりにくく、また、第1保護シート69に伝わった熱が第2保護シート123に伝わりにくい。その結果、ヒータ配線71の熱が第2保護シート123側へ発散することを抑制できる。
本発明は、以上の実施形態又は変形例に限定されず、種々の態様で実施されてよい。
例えば、プリンタ(インクジェットヘッド)は、シリアルヘッド式、且つ、オフキャリッジ式に限定されない。例えば、プリンタは、ラインヘッド式、及び/又は、オンキャリッジ式であってもよい。また、圧電アクチュエータ基板は、ユニモルフ型のものに限定されず、例えば、バイモルフ型、縦型又はせん断型のものであってもよい。プリンタにおけるインクジェットヘッド以外の部分(例えばメディアの搬送部)の構成も例示した構成以外の適宜な構成とされてよい。メディアも紙に限定されず、金属又は樹脂からなるものであってもよい。
ヒータは、粘着材(第1粘着材75及び103)を有していなくてもよい。例えば、第1保護シート及び第2保護シートの一方に蒸着法等によりヒータ配線を形成し、その上に、CVD法等の薄膜形成法によって第1保護シート及び第2保護シートの他方を形成してもよい。
また、ヒータと加熱対象物との間にも、粘着材(第2粘着材77)が配される必要はない。例えば、適宜な位置決め部材によってヒータを加熱対象物に押し付けるだけでもよいし、又は、このような位置決め部材によって押しつける構成においてヒータと加熱対象物との間にグリース等の材料を配置してもよい。
第1保護シートの熱伝導率は、第2保護シートの熱伝導率よりも高くなくてもよく、例えば、同等であってもよいし、第2保護シートの熱伝導率が第1保護シートの熱伝導率よりも若干高くてもよい。なお、第1保護シートの熱伝導率が第2保護シートの熱伝導率よりも高いという場合、実施形態のように、第1保護シートの材料自体の熱伝導率が第2保護シートの材料自体の熱伝導率よりも高い態様だけでなく、図10(b)に示した変形例のように、気泡を含む全体(別の観点では、気泡を含んで定義された材料)に関して、第1保護シートの熱伝導率が第2保護シートの熱伝導率よりも高い態様を含む。
なお、本願からは、例えば、以下の別観点の発明1及び2を抽出可能である。
(別観点の発明1)
第1保護シートと、
前記第1保護シートの表面に沿って延びるヒータ配線と、
前記ヒータ配線を前記第1保護シートと挟む第2保護シートと、
を有し、
前記第1保護シートの熱伝導率は、前記第2保護シートの熱伝導率よりも高い
フィルムヒータ。
別観点の発明1によれば、ヒータ配線の熱を第1保護シート側へ伝えやすい。別の観点では、ヒータ配線の熱が第2保護シート側へ発散しにくい。別観点の発明1においては、第1保護シートは、第1保護シートよりも薄くなくてもよく、例えば、同等の厚さであってもよいし、第2保護シートが第1保護シートよりも若干厚くてもよい。別観点の発明1においても、第2保護シート内又はその界面に気泡が形成される等の好適な態様が適用されてよい。
(別観点の発明2)
複数のノズル、及び、前記複数のノズルに通じ、前記複数のノズルが開口する側とは反対側に開口する複数の加圧室を有する流路部材と、
前記複数の加圧室を塞ぐように前記流路部材に重ねられ、前記複数の加圧室と重なる位置に複数の個別電極を有する圧電アクチュエータ基板と、
前記複数の個別電極を覆う対向部を有し、前記対向部に複数のバンプを介して前記複数の個別電極と接合される複数のパッドが設けられたフレキシブル配線基板と、
前記対向部に前記圧電アクチュエータ基板とは反対側から前記複数のパッドに亘る広さで重ねられたヒータと、
を有したインクジェットヘッド。
別観点の発明2によれば、ヒータによりフレキシブル配線基板を加熱することにより、その熱を複数のパッド、複数のバンプ及び複数の個別電極を介して複数の加圧室内のインクに伝え、比較的大量のインクを効率的に加熱するこができる。別観点の発明2においては、ヒータは、フィルムヒータでなくてもよい。また、別観点の発明2においては、フィルムヒータは、ヒータ配線とこれを挟む2枚の保護シートとを有するものに限定されず、例えば、絶縁性フィルムと比較的抵抗値の高い導電膜とを重ね合わせ、導電膜の両縁部に電圧印加用の電極を配した構造のものであってもよい。なお、導電膜は、例えば、カーボン、酸化錫又はグラファイトからなる。また、別観点の発明2においては、2枚の保護シートを有するフィルムヒータは、2枚の保護シートの厚さ及び/又は熱伝導率が互いに同一であってもよい。
5…ヘッド、23…流路部材、25…圧電アクチュエータ基板、27…FPC(フレキシブル配線基板)、33…ノズル、35…加圧室、67…ヒータ(フィルムヒータ)、69…第1保護シート、71…ヒータ配線、73…第2保護シート。

Claims (11)

  1. 第1保護シートと、
    前記第1保護シートの表面に沿って延びるヒータ配線と、
    前記ヒータ配線を前記第1保護シートと挟む第2保護シートと、
    を有し、
    第1保護シートが前記第2保護シートよりも薄い
    フィルムヒータ。
  2. 前記第1保護シートの熱伝導率は、前記第2保護シートの熱伝導率よりも高い
    請求項1に記載のフィルムヒータ。
  3. 前記第1保護シートは、エポキシ樹脂、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリイミド、ポリフェニレンサルファイド又はエチレン・プロピレンゴムからなり、
    前記第2保護シートは、ポリカーボネート、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリサルホン、天然ゴム、ブチルゴム又はポリウレタンゴムからなる
    請求項2に記載のフィルムヒータ。
  4. 前記第1保護シートと前記第2保護シートとの間に介在してこれらを貼り合わせる粘着材を更に有し、
    前記ヒータ配線は、前記粘着材を介さずに前記第1保護シートに接している
    請求項1〜3のいずれか1項に記載のフィルムヒータ。
  5. 前記第2保護シートは複数の気泡を含む
    請求項1〜4のいずれか1項に記載のフィルムヒータ。
  6. 前記第2保護シートの前記第1保護シート側の界面に複数の気泡が構成されている
    請求項1〜5のいずれか1項に記載のフィルムヒータ。
  7. 請求項1〜6のいずれか1項に記載のヒータと、
    ノズル、及び、前記ノズルに通じ、前記ノズルが開口する側とは反対側に開口する加圧室を有する流路部材と、
    前記加圧室を塞ぐように前記流路部材に重ねられた圧電アクチュエータ基板と、
    前記圧電アクチュエータ基板に電気的に接続されたフレキシブル配線基板と、
    を有し、
    前記ヒータは、前記第1保護シート側を前記フレキシブル配線基板の主面に向けて前記フレキシブル配線基板に重ねられている
    インクジェットヘッド。
  8. 前記流路部材は、複数の前記ノズル及び複数の前記加圧室を有し、
    前記圧電アクチュエータ基板は、前記複数の加圧室に重なる位置に複数の個別電極を有し、
    前記フレキシブル配線基板は、前記複数の個別電極を覆う対向部を有し、
    前記対向部は、複数のバンプを介して前記複数の個別電極と接合される複数のパッドを有し、
    前記ヒータは、前記第1保護シート側を前記対向部の前記圧電アクチュエータ基板とは反対側の面に向けて、前記複数のパッドに亘る広さで前記対向部に重ねられている
    請求項7に記載のインクジェットヘッド。
  9. 前記ヒータ配線は、当該ヒータ配線の一部と他の一部とが当該ヒータ配線の非配置領域を挟むように、曲がりながら延びており、
    前記フレキシブル配線基板と前記ヒータとの間に、前記第1保護シートよりも熱伝導率が高い材料からなり、前記ヒータ配線の前記一部、前記他の一部及び前記非配置領域に亘る広さの均熱板が設けられている
    請求項7又は8に記載のインクジェットヘッド。
  10. 前記第1保護シート及び前記第2保護シートには、孔又は切り欠きからなる空所が形成されており、
    前記空所に感温素子が配置されている
    請求項7〜9のいずれか1項に記載のインクジェットヘッド。
  11. 請求項7〜10のいずれか1項に記載のインクジェットヘッドを備えたプリンタ。
JP2014152013A 2014-07-25 2014-07-25 インクジェットヘッド及びインクジェットプリンタ Active JP6437752B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014152013A JP6437752B2 (ja) 2014-07-25 2014-07-25 インクジェットヘッド及びインクジェットプリンタ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2014152013A JP6437752B2 (ja) 2014-07-25 2014-07-25 インクジェットヘッド及びインクジェットプリンタ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2016030332A true JP2016030332A (ja) 2016-03-07
JP6437752B2 JP6437752B2 (ja) 2018-12-12

Family

ID=55441039

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014152013A Active JP6437752B2 (ja) 2014-07-25 2014-07-25 インクジェットヘッド及びインクジェットプリンタ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP6437752B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2020055153A (ja) * 2018-09-28 2020-04-09 ブラザー工業株式会社 液体吐出装置
US10717288B2 (en) 2017-03-31 2020-07-21 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Liquid discharge apparatus

Citations (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5454939U (ja) * 1977-09-26 1979-04-16
JPH05291157A (ja) * 1992-04-08 1993-11-05 Sharp Corp 液相エピタキシャル成長装置
JPH08152147A (ja) * 1994-11-29 1996-06-11 Matsushita Electric Works Ltd 床暖房パネル
JPH11245772A (ja) * 1998-03-03 1999-09-14 Otsuka Chem Co Ltd 車両窓ガラス加温装置
JP2000173754A (ja) * 1998-12-07 2000-06-23 Sakaguchi Dennetsu Kk 面状加熱装置
JP2003263044A (ja) * 2002-03-08 2003-09-19 Canon Inc 画像形成装置
US20060292511A1 (en) * 2005-06-25 2006-12-28 Masahiko Habuka Method of preheating head chips of printing device
JP2008123784A (ja) * 2006-11-10 2008-05-29 Kitagawa Ind Co Ltd フィルムヒーター
JP2008198917A (ja) * 2007-02-15 2008-08-28 Polymatech Co Ltd 熱拡散シート及びその製造方法
JP2008300050A (ja) * 2007-05-29 2008-12-11 Panasonic Corp 高分子発熱体
JP2010149290A (ja) * 2008-12-24 2010-07-08 Kyocera Corp 液体吐出ヘッド、およびその調整方法、ならびにそれを用いた記録装置
JP2011129577A (ja) * 2009-12-15 2011-06-30 Sumitomo Electric Ind Ltd 加熱冷却デバイスおよびそれを搭載した装置
JP2011243290A (ja) * 2010-05-14 2011-12-01 Hitachi Ltd 有機発光ダイオード及びこれを用いた光源装置
JP2013030391A (ja) * 2011-07-29 2013-02-07 Japan Pionics Co Ltd 信号灯用の面状ヒータ及びそれを用いた氷雪付着防止方法

Patent Citations (14)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5454939U (ja) * 1977-09-26 1979-04-16
JPH05291157A (ja) * 1992-04-08 1993-11-05 Sharp Corp 液相エピタキシャル成長装置
JPH08152147A (ja) * 1994-11-29 1996-06-11 Matsushita Electric Works Ltd 床暖房パネル
JPH11245772A (ja) * 1998-03-03 1999-09-14 Otsuka Chem Co Ltd 車両窓ガラス加温装置
JP2000173754A (ja) * 1998-12-07 2000-06-23 Sakaguchi Dennetsu Kk 面状加熱装置
JP2003263044A (ja) * 2002-03-08 2003-09-19 Canon Inc 画像形成装置
US20060292511A1 (en) * 2005-06-25 2006-12-28 Masahiko Habuka Method of preheating head chips of printing device
JP2008123784A (ja) * 2006-11-10 2008-05-29 Kitagawa Ind Co Ltd フィルムヒーター
JP2008198917A (ja) * 2007-02-15 2008-08-28 Polymatech Co Ltd 熱拡散シート及びその製造方法
JP2008300050A (ja) * 2007-05-29 2008-12-11 Panasonic Corp 高分子発熱体
JP2010149290A (ja) * 2008-12-24 2010-07-08 Kyocera Corp 液体吐出ヘッド、およびその調整方法、ならびにそれを用いた記録装置
JP2011129577A (ja) * 2009-12-15 2011-06-30 Sumitomo Electric Ind Ltd 加熱冷却デバイスおよびそれを搭載した装置
JP2011243290A (ja) * 2010-05-14 2011-12-01 Hitachi Ltd 有機発光ダイオード及びこれを用いた光源装置
JP2013030391A (ja) * 2011-07-29 2013-02-07 Japan Pionics Co Ltd 信号灯用の面状ヒータ及びそれを用いた氷雪付着防止方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US10717288B2 (en) 2017-03-31 2020-07-21 Brother Kogyo Kabushiki Kaisha Liquid discharge apparatus
JP2020055153A (ja) * 2018-09-28 2020-04-09 ブラザー工業株式会社 液体吐出装置
JP7255122B2 (ja) 2018-09-28 2023-04-11 ブラザー工業株式会社 液体吐出装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP6437752B2 (ja) 2018-12-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP6783279B2 (ja) 液体吐出ヘッド、および記録装置
JP6334727B2 (ja) インクジェットヘッド及びプリンタ
JP6243267B2 (ja) 液体吐出ヘッドおよび記録装置
JP6437752B2 (ja) インクジェットヘッド及びインクジェットプリンタ
JP6413805B2 (ja) 液体吐出装置
US10226925B2 (en) Liquid discharging apparatus
JP5901867B1 (ja) インクジェットヘッド及びプリンタ
JP4831305B2 (ja) インクジェットヘッド
JP2015042472A (ja) 流路部材、液体吐出ヘッド、および記録装置
JP2008200931A (ja) ノズルプレート、ノズルプレートの製造方法及びインクジェットヘッドの製造方法
JP6377474B2 (ja) インクジェットヘッド及びプリンタ
JP4240124B2 (ja) インクジェット記録装置
JP2016101720A (ja) 液体吐出ヘッド、記録装置、および液体吐出ヘッドの製造方法
JP2008188888A (ja) インクジェットヘッドの製造方法、インクジェットヘッドの検査方法及びインクジェット記録装置
JP7020231B2 (ja) 液体吐出ヘッド及びインクジェットプリンタ
JP2017081131A (ja) インクジェット記録ヘッドおよびそれを備えたインクジェット記録装置
JP6375973B2 (ja) 液体吐出装置、及び、液体吐出装置の製造方法
JP6312547B2 (ja) インクジェットヘッド及びプリンタ
JP6640582B2 (ja) インクジェットヘッドおよびプリンタ
JP6659382B2 (ja) インクジェットヘッドおよびプリンタ
JP6277731B2 (ja) 液体噴射ヘッドおよび液体噴射装置
JP7371358B2 (ja) 液体噴射ヘッド
JP6421820B2 (ja) インクジェットヘッド、インクジェット記録装置及びインクジェットヘッドの製造方法
JPWO2016017665A1 (ja) インクジェットヘッド及びプリンタ
JP6079064B2 (ja) 液体噴射装置、圧電アクチュエータ、及び、液体噴射装置の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20170213

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20171031

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20171107

RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20171226

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180109

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20180424

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20180620

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20181023

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20181115

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 6437752

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150