JP2008123784A - フィルムヒーター - Google Patents

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Norikatsu Koide
典克 小出
Yoshihito Nakano
善仁 中野
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Abstract

【課題】光学部品のくもりを効率よく防止することができると共に省スペース化を図ることができる柔軟性に優れたフィルムヒーターを提供すること。
【解決手段】光学部品を備えた機器に貼着され光学部品のくもりを防止する薄型のフィルムヒーター1。フィルムヒーター1は、難燃性を有する絶縁性材料からなる基材フィルム2と、基材フィルム2の一方の面に積層した10μm以下の厚みの金属層3とを有する。金属層3は、表層側に配された防錆層33と、防錆層33よりも電気抵抗率の低い導電層32とを有することが好ましい。導電層32は50nm〜3μmの厚みを有することが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、機器内のレンズなどの光学部品に対してくもりを防止するために用いる薄型のフィルムヒーターに関する。
例えば、CCDモニターを用いた防犯カメラは、近年、室内に限らず屋外向けなど、様々な場所で使用されている。そして設置する場所によっては防犯カメラに使用されているレンズが湿気などによりくもるため、視界が悪くなる場合がある。
従来、この様な環境下では、筐体内においてファンを回しその風によって、レンズのくもりを防止していた。
しかしながら、防犯カメラが様々な場所に置かれ、複雑な構造で小型化が要求されるようになり、ファンを配設すべき部分が狭くなり、その配設や振動が大きな影響となる場合がみられた。
そこで、レンズのくもりを防ぐべく、面状ヒーターをレンズ又はその周辺に貼着することが考えられる。面状ヒーターとしては、例えば特許文献1に開示されたものがある。
しかし、かかる面状ヒーターは、ITO膜等を用いており、その電気抵抗率が高い。そのため、充分な電流を供給し難く、熱交換効率が低い。それ故、くもり防止に要する発熱量を得ようとすると、大きな電力が必要となるという問題がある。
特開平03−278889号公報
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたものであり、光学部品のくもりを効率よく防止することができると共に省スペース化を図ることができる柔軟性に優れたフィルムヒーターを提供しようとするものである。
本発明は、光学部品を備えた機器に貼着され光学部品のくもりを防止する薄型のフィルムヒーターであって、
該フィルムヒーターは、難燃性を有する絶縁性材料からなる基材フィルムと、該基材フィルムの一方の面に積層した10μm以下の厚みの金属層とを有することを特徴とするフィルムヒーターにある(請求項1)。
次に、本発明の作用効果につき説明する。
本発明のフィルムヒーターにおける金属層は10μm以下の厚みを有する。そのため、柔軟性を充分保ちつつ、ジュール熱を発生させることができる。これにより、種々の光学部品を備えた機器に容易に貼着することができ、光学部品を保温して、光学部品のくもりを防止することができる。
また、上記フィルムヒーターは、上記のごとく充分な柔軟性を有するため、狭い部分などにも容易に配設することができ、省スペース化を図ることができる。
また、通常の機器の大きさに合わせつつ導電層の厚みを変えて抵抗を変えることで、その機器の電源容量にあわせてフィルムヒーターを用いることができる。
以上のごとく、本発明によれば、光学部品のくもりを効率よく防止することができると共に省スペース化を図ることができる柔軟性に優れたフィルムヒーターを提供することができる。
本発明(請求項1)において、上記フィルムヒーターは、レンズ等の光学部品を備えた機器に貼着し、フィルムヒーターの両端に電圧を印加することにより電流を流し、これにより発生するジュール熱によって上記光学部品を加熱し、保温して、くもりの発生を防止するために用いることができる。
また、上記フィルムヒーターの上記基材フィルムは、厚みが20〜300μmであることが好ましい。これにより、充分な柔軟性を有するフィルムヒーターを得ることができる。上記厚みが20μm未満の場合には、フィルム強度が不充分となるおそれがある。また、上記厚みが300μmを超える場合には、フィルムヒーターの柔軟性を充分に得ることが困難となるおそれがある。
また、本発明に用いるフィルムはヒーターとして用いる点から、不燃性、難燃性が基材フィルムに対して要求される。それ故、基材フィルムとしては、例えば、PI(ポリイミド)フィルム、PPS(ポリフェニレンサルファイド)フィルム、フッ素系フィルム、さらには有機・無機複合材料をフィルムの両面に積層することにより難燃性の特性を加えたPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムを用いることが好ましい。
この中でも、耐熱性、耐久性、柔軟性、コスト、難燃性等の観点から、PPSフィルムを上記基材フィルムとして用いることが好ましい。
また、上記光学部品としては、例えば、カメラ等のレンズ、ミラー、プリズム、光学フィルター、半導体レーザー、発光素子等がある。
また、上記光学部品を備えた機器としては、例えば、カメラ、光学センサ、照明機器等がある。
また、上記金属層は、表層側に配された防錆層と、該防錆層よりも電気抵抗率の低い導電層とを有することが好ましい(請求項2)。
この場合には、金属層の最表面に配される防錆層を腐食しにくい金属により構成し、その下層に配される導電層を電気抵抗率の充分に小さい金属により構成することができる。
これにより、導電層に電気を流したときにジュール熱を充分に発生させることができると共に、防錆層によって金属層の腐食を防止することができる。そのため、例えば屋外において機器を用いた場合でも、錆び難く、フィルムヒーターとしての耐久性を確保しつつ、ジュール熱を効果的に発生させることができる。これにより、光学部品を保温して、光学部品のくもりを防止することができる。
また、上記金属層は、10μm以下と薄いという観点から特に錆びやすいといえるが、上記防錆層を設けることにより、かかる課題を効果的に解決することができる。
また、上記導電層は50nm〜3μmの厚みを有することが好ましい(請求項3)。
この場合には、柔軟性を充分保ちつつ、ジュール熱を充分に発生させることができる。
上記導電層の厚みが50nm未満の場合には、抵抗が高くなるため電流を充分に流すことができず、充分ジュール熱の発生をさせることが困難となるおそれがある。
一方、導電層の厚みに関しては、例えば銅箔などを用い基材フィルムに融着を行うことで数十μmの厚さとすることも可能であり、この場合、低電圧で充分な電流を流すことができる点では好ましい。しかし、導電層の厚みが3μmを超える場合には、フィルムヒーターの柔軟性を充分に確保するには不適当である。
それ故、3μm以下の厚みに導電層を形成する必要があるが、この場合には、スパッタ法や蒸着法などによる成膜が適当である。
また、上記金属層は、上記基材フィルムとの界面に配されて該基材フィルムとの密着を確保する密着層を有することが好ましい(請求項4)。
この場合には、金属層における基材フィルムとの界面に配される密着層を、基材フィルムとの密着力の高い金属により構成することにより、金属層と基材フィルムとの密着性を確保することができる。
さらには本発明に用いる基材フィルムは、不燃性、難燃性の特性を有した特殊なフィルムであるので、ヒーターの役割りを果たす導電層には、主に銅やアルミニウム等を用いる。このため、これらの材料を基材フィルム上に直接成膜した場合には、電流を流し加熱したときの基材フィルムとの密着度の低下が懸念される。そこでこの場合には、金属層における基材フィルムとの界面に配される密着層を、基材フィルムとの密着力の高い金属により構成することにより、金属層と基材フィルムとの密着性を確保することができる。
また、上記密着層は5〜100nmの厚みを有することが好ましい(請求項5)。
この場合には、金属層と基材フィルムとの密着性を充分に確保することができると共に、フィルムの反り等の変形を防ぐことができる。
上記密着層の厚みが5nm未満の場合には、金属層と基材フィルムとの密着性を充分に確保することが困難となり、場合によっては、金属層が基材フィルムから剥がれるおそれがある。一方、密着層の厚みが100nmを超える場合には、フィルムの反り等の変形が生じるおそれがあると共に、生産性が低下するおそれがある。
また、上記密着層及び上記防錆層は、ステンレス鋼あるいはNi系合金の金属膜からなることが好ましい(請求項6)。
この場合には、耐腐食性に優れた金属層を容易に得ることができる。
この他、密着層及び防錆層の材質は、フィルムヒーターの使用用途によって選択することが重要である。
なお、密着層と防錆層とは、同種材料であっても異種材料であってもよい。
また、上記防錆層は10〜50nmの厚みを有することが好ましい(請求項7)。
この場合には、金属層の防錆効果を確保すると共に、フィルムの反り等の変形を防ぐことができる。
上記防錆層の厚みが10nm未満の場合には、金属層の防錆効果を確保することが困難となるおそれがある。防錆層の厚みが50nmを超える場合には、フィルムの反り等の変形が生じるおそれがあると共に、生産性が低下するおそれがある。
また、上記金属層は、スパッタリングによって形成した膜からなることが好ましい(請求項8)。
この場合には、基材フィルムに対する密着力が高く、薄くて膜厚が均一で、かつ緻密な金属層を容易に形成することができる。
なお、本発明のフィルムヒーターにおける金属層は、特にスパッタリング層に限らず、例えば、蒸着法を用いて形成した層であってもよい。
また、上記導電層は、電気抵抗率が50μΩcm以下であることが好ましい(請求項9)。
この場合には、ジュール熱を充分に発生するに足りる電流を容易に流すことができ、効率的に光学部品のくもりを防ぐことができる。
電気抵抗率が50μΩcm以下を満足する導電層の材料としては、生産性や価格も考慮した場合、例えば、Cu(銅)、Al(アルミニウム)等の金属、若しくはその合金がある。
この中でも特に、上記導電層は、Cuからなることが好ましい(請求項10)。
この場合には、電気抵抗率が充分に小さい導電層を安価に得ることができる。そのため、発熱効果に優れた安価なフィルムヒーターを得ることができる。
また、上記フィルムヒーターは、上記金属層の表面に樹脂からなる保護フィルムを配設してなることが好ましい(請求項11)。
この場合には、上記フィルムヒーターを機器に貼着した際に、上記金属層が機器内の電子回路に接触することを防ぎ、短絡を防止することができる。また、金属層の防錆効果を向上させることができる。
さらには、この保護フィルムは、樹脂フィルムからなるため熱伝導率が低く、空気中への放熱を抑制し、導体層において発生した熱を効率的に被加熱体である光学部品に伝えることができる。
上記保護フィルムは、例えば、PIフィルム、PPSフィルム、フッ素系フィルム、さらには有機・無機複合材料を表面に積層したPETフィルム等の樹脂フィルムにより構成することができる。
また、上記保護フィルムの膜厚は、例えば15〜75μmであることが好ましい。
また、アクリル系材料などによる樹脂コーティングを用い金属層の保護を行なっても良い。
また、上記金属層は、上記基材フィルムの一方の面に積層してなり、上記保護フィルムは、該保護フィルムの端縁を上記基材フィルムの端縁よりも外側に有していることが好ましい(請求項12)。
この場合には、フィルムヒーターを使用したとき、上記基材フィルムの一方の面に形成した金属層の端面をも保護フィルムで被うことができる。これにより、金属層の端面が露出することを防ぎ、電子回路の短絡を防ぐことができる。
上記保護フィルムの端縁は、上記基材フィルムの端縁よりも0.5〜2mm外側に配されていることが好ましい。
本発明の実施例にかかるフィルムヒーターにつき、図1〜図8を用いて説明する。
本例のフィルムヒーター1は、図7、図8に示すごとく、光学部品(レンズ81)を備えた機器8に貼着され光学部品のくもりを防止する薄型のフィルム状のヒーターである。図7、図8の機器8は、店舗などに設置する防犯カメラである。
図8に示す防犯カメラにおいては、防犯カメラを覆う半球状のカバーの枠にフィルムヒーター1を貼着した状態を示している。
図1に示すごとく、フィルムヒーター1は、絶縁性材料であって難燃性の樹脂からなる基材フィルム2と、該基材フィルム2の一方の面に積層した10μm以下の厚みの金属層3とを有する。
該金属層3は、基材フィルム2との界面に配されて該基材フィルム2との密着を確保する密着層31と、該密着層31と反対側の面に配されて上記金属層3の腐食を防止する防錆層33と、密着層31と防錆層33との間に配されるとともに密着層31及び防錆層33よりも電気抵抗率の低い導電層32とからなる。
上記密着層31は5〜50nmの厚みを有し、上記防錆層33は10〜100nmの厚みを有し、上記導電層32は50nm〜3μmの厚みを有する。
また、上記金属層3は、スパッタリングによって形成した膜からなる。
上記導電層32は、電気抵抗率が50μΩcm以下であり、具体的には、Cu(銅)によって構成する。
上記密着層31及び上記防錆層33は、ステンレス鋼又はNi系合金の金属膜からなる。
また、図2に示すごとく、上記フィルムヒーター1は、金属層3の表面にPPSフィルム等の樹脂からなる保護フィルム4を配設していることが好ましい。該保護フィルム4は、その一方の面に導電粘着材層13を設けてなり、該導電粘着材層13を介して金属層3の表面に貼着されている。
また、図3に示すごとく、基材フィルム2における金属層3の配設面と反対側の面には、アクリル系樹脂等からなる粘着材層11を予め設けておくことが好ましい。この場合、使用前において粘着材層11を保護するための離型フィルム12を粘着材層11の表面に貼着しておく。
また導電粘着材層13は、フィルムヒーター1に電圧を印加しやすくするために設けられ、図4のように、導電粘着材層13と保護フィルム4の間に電極端子61を挟むことで、電極端子61が剥がれにくくなり信頼性を上げることができる。電極端子61はフィルムヒーター1の両端に一対設けられ、該一対の電極端子61に電圧を印加することによりフィルムヒーター1に電流を流し、これにより発生するジュール熱によって光学部品を加熱し、保温して、くもりの発生を防止する。
なお、保護フィルム4の厚みは、例えば15〜75μmとすることができる。上記フィルムヒーター1は、全体の厚みが50〜300μmである。
以下に、本例のフィルムヒーター1の製造方法の一例につき、説明する。
まず、幅500mm、厚さ20μmからなるPPSフィルム(ポリフェニレンサルファイドフィルム)からなる基材フィルム2を200mの長さ分、送り出しロールに巻いて樹脂フィルム成膜用のスパッタ装置内に設置する。
その後、成膜する金属層3と基材フィルム2との密着性、及び金属層3の電気的特性の向上を目的とし、ターボ分子ポンプを用い、スパッタ装置を5×10-4Paの高真空に真空引きし、スパッタ装置内の残留ガス、水分量を減らす。
このように高真空にスパッタ装置を真空引きした状態で、基材フィルム2を送り出し
ロールから巻き取りロールへ送りながら、スパッタ成膜を行なう。
まず金属層3における第1層である密着層21を成膜するに当っては、フィルム送りスピードを1.2m/分として基材フィルム2を搬送しつつ金属ターゲット材料を設置した成膜室内のカソード電極に対して、アルゴン(Ar)ガスを200cc/分の量で導入する。上記金属ターゲット材料は、ステンレス鋼又はNi系合金からなる。
そして、パルス波形を印加できるパルス型のDC(直流)電源を用い、基材フィルム2とターゲット材料との間に1.5kWの電力パワーで200Vの高電圧を印加する。これにより、基材フィルム2上に、上記密着層及び上記防錆層は、ステンレス鋼あるいはNi系合金の金属膜を25nmの厚さで成膜して密着層31を形成しつつ、巻き取りロールにフィルムを巻き取る。
次いで、密着層31の上に、ヒーターとして重要な役割を果たす低抵抗金属層としての導電層32の成膜を行なう。
即ち、まず、上記のごとく密着層31を成膜してロール状に巻き取られたフィルムを、フィルム送りスピードを0.3m/分にて送り出し、Cuターゲット材料を設置した成膜室内のカソード電極に対して、アルゴンガスを200cc/分の量で導入する。そして、パルス型のDC(直流)電源を用い、フィルムとターゲット材料との間に6.0kWの電力パワーで350Vの高電圧を印加する。
これにより、密着層31の上に、Cuからなる導電層32を250nmの厚さで成膜する。
次いで、Cuからなる導電層32の上に、防錆効果を発揮する防錆層33の成膜を行う。
即ち、密着層31および導電層32を成膜したフィルムを、フィルム送りスピード1.2m/分にて搬送しつつ、SUSターゲット材料を設置した成膜室内のカソード電極に対して、アルゴンガスを200cc/分の量で導入する。そして、パルス型のDC(直流)電源を用い、フィルムとターゲット材料間に1.5kWの電力パワーで、200Vの高電圧を印加する。
これにより、Cuからなる導電層32の上に、上記密着層及び上記防錆層は、ステンレス鋼又はNi系合金の金属膜からなる防錆層33を25nmの厚さで成膜する。
このようにして、図1に示すごとく、基材フィルム2上に三層の金属層3(密着層31、導電層32、防錆層33)を設けてなるフィルムヒーター1を、金属膜付きロールフィルムの状態で作製する。
さらに、粘着材層11を設けた金属膜付きロールフィルム(図1のフィルムヒーター1)における金属層3の表面に、厚さ20μmのPETからなる保護フィルム4を導電粘着材層13を介して貼り合わせる(図2)。
次に、図3に示すごとく、この金属膜付きロールフィルム(図1のフィルムヒーター1)の樹脂フィルム2における金属層3と反対側の面に、厚さ20μmからなるアクリル系の粘着材層11を形成する。これにより、防犯カメラのCCDモニターの筐体やレンズに容易に貼り合わせることが可能なフィルムとする。また、使用前において粘着材層11を保護するための離型フィルム12を、粘着材層11の表面に貼着する。
ただし、この粘着材層11は、電子機器の筐体7が非導体からなり導電粘着材層13面を筐体側に直接貼り付ける場合などの場合には、不要である。
即ち、筐体が非導体からなる場合には、図5に示すごとく、導電粘着材層13側においてフィルムヒーター1を筐体に貼着する。この場合、粘着材層11は不要である。また、表面側に露出するのは樹脂からなる基材フィルム2となるため、保護フィルム4も不要である。
それ故、フィルムヒーター1は、導電粘着材層13側において直接筐体7に貼らない場合(図4)、貼る場合(図5)によって、その構造が異なる。
また、図6〜図8に示すごとく、カメラの筐体7やレンズ81(光学部品)の形状に合わせて型抜きを行ない、小型のフィルムヒーター1を作製する。なお、このとき、離型フィルム12を残した状態で打ち抜きを行う。そして、打抜き後、カメラへの貼着の直前に離型フィルム12を剥がす。
フィルムヒーター1は、図6に示すごとく、機器8(カメラ)のレンズ81(光学部品)の一部及びその周辺の筐体7の一部に貼着する。そして、フィルムヒーター1に設けた一対の電極端子71は筐体7に留め具71によって固定されると共にリード線72が接続される。このリード線72からフィルムヒーター1の両端に電圧を付与して電流を流すことによりジュール熱を発生させる。この熱によりレンズ81を加熱、保温して、くもりを防止する。
また、フィルムヒーター1は、図7に示すような防犯カメラのレンズ81周りの筐体7部分に貼着したり、図8に示すような防犯カメラのカバーの枠に貼着して用いられる。
また、本実施例においては、密着層31に厚さ5〜50nmのステンレス鋼からなる層を用いたが、密着性を上げる他の方法としては、例えば、導電層32の成膜前にアルゴンガスを導入した真空度1torr(133Pa)チャンバー雰囲気で、周波数20kHz、印加電圧200Vを加えることで、プラズマ処理による樹脂フィルム(基材フィルム2)のクリーニングを行い、密着性を上げることもできる。
ただし、高い信頼性を得るため、本実施例では密着層31を具備することとした。またこの密着層31には、SiO2 やTiO2 などの酸化膜からなる層を用いても構わないが、酸化膜の成膜レートは低いため、価格の点から金属を用いることとした。
また、フィルムヒーター1は、カメラに限らず、例えば光学センサ、照明機器等、光学部品を用いる種々の機器に用いることができる。また、例えば、寒冷地におけるLED(発光ダイオード)を用いた信号機や表示灯に用いることも有効である。LEDは発光波長の波長領域が狭く赤外光を含まないため、熱源がなく、雪などが表示部に積もった場合に融け難く、表示部のくもりが発生しやすいため、本発明のフィルムヒーター1を配設して、表示部の曇りを防止すると共に、表示部への積雪等を防止することができる。
また、例えば、車両などのメーターカバー、特にトラクター、耕耘機、フォークリフトなどの屋外で使用する車両におけるメーターカバーに、フィルムヒーター1を配設することにより、くもりを効率よく防止することができる。
次に、本例の作用効果につき説明する。
本例のフィルムヒーター1における金属層3は10μm以下の厚みを有する。そのため、柔軟性を充分保ちつつ、ジュール熱を発生させることができる。これにより、種々の光学部品を備えた機器8に容易に貼着することができ、光学部品を保温して、光学部品のくもりを防止することができる。
また、上記フィルムヒーター1は、上記のごとく充分な柔軟性を有するため、狭い部分などにも容易に配設することができ、省スペース化を図ることができる。
また、金属層3は、図1に示すごとく、上記防錆層33と上記導電層32とを有する。そのため、金属層3の最表面に配される防錆層33を腐食しにくい金属により構成し、その下層に配される導電層32を電気抵抗率の充分に小さい金属により構成することができる。
これにより、導電層32に電気を流したときにジュール熱を充分に発生させることができると共に、防錆層33によって金属層3の腐食を防止することができる。そのため、例えば屋外において機器8(カメラ)を用いた場合でも、錆び難く、フィルムヒーター1としての耐久性を確保しつつ、ジュール熱を効果的に発生させることができる。これにより、光学部品(レンズ81等)を保温して、光学部品のくもりを防止することができる。
また、金属層3は、基材フィルム2との界面に配された密着層31を有するため、金属層3と基材フィルム2との密着性を確保することができる。
また、上記導電層32の厚みが50nm〜3μmであるため、柔軟性を充分保ちつつ、ジュール熱を充分に発生させることができる。また、フィルムの反り等の変形を防ぐことができる。
また、上記密着層31の厚みが5〜100nmであるため、金属層3と基材フィルム2との密着性を充分に確保することができると共に、フィルムの反り等の変形を防ぐことができる。
また、上記防錆層33の厚みが10〜50nmであるため、金属層3の防錆効果を確保すると共に、フィルムの反り等の変形を防ぐことができる。
また、密着層31及び防錆層33は、ステンレス鋼あるいはNi系合金の金属膜からなるため、耐腐食性に優れた金属層3を容易に得ることができる。
また、金属層3は、スパッタリングによって形成した膜からなる。そのため、基材フィルム2に対する密着力が高く、薄くて膜厚が均一で、かつ緻密な金属層3を容易に形成することができる。
また、導電層32は、電気抵抗率が50μΩcm以下であるため、ジュール熱を充分に発生するに足りる電流を容易に流すことができ、効率的に光学部品(レンズ等)のくもりを防ぐことができる。
特に、導電層32はCuからなることにより、電気抵抗率が充分に小さい導電層32を安価に得ることができる。そのため、発熱効果に優れた安価なフィルムヒーター1を得ることができる。
また、フィルムヒーター1は、金属層3の表面に樹脂からなる保護フィルム4を配設してなるため、フィルムヒーター1を機器8に貼着した際に、金属層3が機器8の電子回路に接触することを防ぎ、短絡を防止することができる。また、金属層3の防錆効果を向上させることができる。さらには、この保護フィルム4は、樹脂フィルムからなるため熱伝導率が低く、空気中への放熱を抑制し、導体層32において発生した熱を効率的に被加熱体である光学部品(レンズ81)に伝えることができる。
また、図4に示すごとく、金属層3は、基材フィルム2の一方の面に積層してなり、保護フィルム4は、該保護フィルム4の端縁41を上記基材フィルムの端縁21よりも外側に有している。これにより、フィルムヒーター1を使用したとき、基材フィルム2の一方の面に形成した金属層3の端面をも保護フィルム4で被うことができる。これにより、金属層3の端面が露出することを防ぎ、電子回路の短絡を防ぐことができる。
以上のごとく、本例によれば、光学部品のくもりを効率よく防止することができると共に省スペース化を図ることができる柔軟性に優れたフィルムヒーターを提供することができる。
実施例における、フィルムヒーターの断面説明図。 実施例における、導電粘着材層及び保護フィルムを設けたフィルムヒーターの断面説明図。 実施例における、粘着材層及び離型フィルムを設けたフィルムヒーターの断面説明図。 実施例における、筐体に貼着したフィルムヒーターの斜視説明図。 実施例における、導電粘着材層側において筐体に貼着したフィルムヒーターの斜視説明図。 実施例における、レンズ及びその周辺の筐体の一部にフィルムヒーターを貼着した状態を示す説明図。 実施例における、カメラのレンズの周辺にフィルムヒーターを貼着した状態を示す説明図。 実施例における、防犯カメラのカバーの枠にフィルムヒーターを貼着した状態を示す説明図。
符号の説明
1 フィルムヒーター
2 基材フィルム
3 金属層
31 密着層
32 導電層
33 防錆層
4 保護フィルム
81 レンズ(光学部品)

Claims (12)

  1. 光学部品を備えた機器に貼着され光学部品のくもりを防止する薄型のフィルムヒーターであって、
    該フィルムヒーターは、難燃性を有する絶縁性材料からなる基材フィルムと、該基材フィルムの一方の面に積層した10μm以下の厚みの金属層とを有することを特徴とするフィルムヒーター。
  2. 請求項1において、上記金属層は、表層側に配された防錆層と、該防錆層よりも電気抵抗率の低い導電層とを有することを特徴とするフィルムヒーター。
  3. 請求項1又は2において、上記導電層は50nm〜3μmの厚みを有することを特徴とするフィルムヒーター。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項において、上記金属層は、上記基材フィルムとの界面に配されて該基材フィルムとの密着を確保する密着層を有することを特徴とするフィルムヒーター。
  5. 請求項1〜4のいずれか一項において、上記密着層は5〜100nmの厚みを有することを特徴とするフィルムヒーター。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項において、上記密着層及び上記防錆層は、ステンレス鋼あるいはNi系合金の金属膜からなることを特徴とするフィルムヒーター。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項において、上記防錆層は10〜50nmの厚みを有することを特徴とするフィルムヒーター。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項において、上記金属層は、スパッタリングによって形成した膜からなることを特徴とするフィルムヒーター。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項において、上記導電層は、電気抵抗率が50μΩcm以下であることを特徴とするフィルムヒーター。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項において、上記導電層は、Cuからなることを特徴とするフィルムヒーター。
  11. 請求項1〜10のいずれか一項において、上記フィルムヒーターは、上記金属層の表面に樹脂からなる保護フィルムを配設してなることを特徴とするフィルムヒーター。
  12. 請求項1〜11のいずれか一項において、上記金属層は、上記基材フィルムの一方の面に積層してなり、上記保護フィルムは、該保護フィルムの端縁を上記基材フィルムの端縁よりも外側に有していることを特徴とするフィルムヒーター。
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