JP7489471B2 - 透明ヒータ及びその設計方法 - Google Patents

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Description

本発明は、透明ヒータ及びその設計方法に関する。
窓ガラスや車両のフロントガラス等の透明性を求められる部材の温度を調整するために、透明導電性フィルムを透明なヒータとして用いることが検討されている。例えば、特許文献1には、このようなヒータ用途として、複数の導電性の金属細線によるメッシュパターンを有する透明導電性フィルムが開示されており、金属細線を波線形状に構成することが開示されている。また、特許文献2には、複数の熱線がメッシュ状に配置された透明ヒータが開示されており、熱線の交差部の電流密度を制御することが開示されている。
特開2012-14956号公報 特開2017-98054号公報
従来の透明ヒータでは、透明性と発熱性を達成することが一つの技術課題であり、特許文献1のように光芒の生じにくい細線構成とすることや、特許文献2のように局部発熱の抑制や電流耐性の確保という観点からの検討はされているものの、所望の透明性と発熱性を達成できる透明ヒータをより簡易に設計することのできる設計方法についての検討はされてこなかった。
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、所望の透明性と発熱性を達成できる透明ヒータをより簡易に設計することのできる設計方法、及び、それにより設計された透明性ヒータを提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、以下のとおりである。
〔1〕
情報処理装置による、透明基材と、該透明基材の表面又は内部に形成された導電性パターンを有するヒータ部と、を備える透明ヒータの設計方法であって、
前記情報処理装置が、
前記透明ヒータの目的とする透過率T及び発熱能力Cに基づいて、前記導電性パターンを構成する導電性細線の太さに関する情報、及び、前記導電性パターンのパターン形状PATに関する情報を含む設計情報DIを算出する設計ステップを含む、
透明ヒータの設計方法。
〔2〕
前記透過率T及び発熱能力Cを受け付けるステップをさらに含む、
〔1〕に記載の透明ヒータの設計方法。
〔3〕
前記設計情報DIが、前記透明ヒータに接続する電源容量E0に関する情報をさらに含む、
〔1〕又は〔2〕に記載の透明ヒータの設計方法。
〔4〕
前記設計情報DIが、前記透明ヒータに接続する熱応答性に関する情報をさらに含む、
〔1〕~〔3〕いずれか一項に記載の透明ヒータの設計方法。
〔5〕
前記設計情報DIを算出する前記設計ステップは、
前記透明ヒータの目的とする熱応答性にさらに基づいて、前記設計情報DIを算出する、
〔1〕~〔4〕いずれか一項に記載の透明ヒータの設計方法。
〔6〕
前記熱応答性を受け付けるステップをさらに含む、
〔5〕に記載の透明ヒータの設計方法。
〔7〕
前記設計情報DIを算出する前記設計ステップは、
前記透過率Tに基づいて、太さとパターン形状の組み合わせG11を特定するステップA1と、
前記組み合わせG11の中から、前記発熱能力Cに基づいて、太さとパターン形状の組み合わせG12を特定するステップB1と、
前記組み合わせG12の中から、前記透明ヒータに要求される前記熱応答性を満たすような、前記太さとパターン形状の組み合わせG13を特定するステップC1と、を含む、
〔5〕に記載の透明ヒータの設計方法。
〔8〕
前記設計情報DIを算出する前記設計ステップは、
前記発熱能力Cに基づいて、太さとパターン形状の組み合わせG21を特定するステップA2と、
前記組み合わせG21の中から、前記透過率Tに基づいて、太さとパターン形状の組み合わせG22を特定するステップB2と、
前記組み合わせG22の中から、前記透明ヒータに要求される前記熱応答性を満たすような、前記太さとパターン形状の組み合わせG23を特定するステップC2と、を含む、
〔5〕に記載の透明ヒータの設計方法。
〔9〕
前記組み合わせG13又はG23が存在しない場合には、前記透過率Tを変更し、前記ステップA1乃至C1又はA2乃至C2を実行する、
〔7〕又は〔8〕に記載の透明ヒータの設計方法。
〔10〕
前記組み合わせG13又はG23が存在しない場合には、前記発熱能力Cを変更し、前記ステップA1乃至C1又はA2乃至C2を実行する、
〔7〕又は〔8〕に記載の透明ヒータの設計方法。
〔11〕
前記組み合わせG13又はG23が存在しない場合には、前記熱応答性を変更し、前記ステップA1乃至C1又はA2乃至C2を実行する、
〔7〕又は〔8〕に記載の透明ヒータの設計方法。
〔12〕
前記導電性細線の線幅W1が10μm以下である、
〔1〕~〔11〕のいずれか一項に記載の透明ヒータの設計方法。
〔13〕
前記設計情報DIを表示装置に表示制御ステップをさらに含む、
〔1〕~〔12〕のいずれか一項に記載の透明ヒータの設計方法。
〔14〕
前記表示制御ステップにおいて、
前記設計情報DIに加え、目的とする前記透過率T及び前記発熱能力Cと隣接する透過率T’及び発熱能力C’に基づいて算出した隣接設計情報DI’を前記表示装置に表示制御する、
〔13〕に記載の透明ヒータの設計方法。
〔15〕
前記設計情報DIを、マスク製造装置、版製造装置又は導電性パターン形成装置に送信するステップをさらに含む、
〔1〕~〔14〕のいずれか一項に記載の透明ヒータの設計方法。
〔16〕
情報処理装置に、透明基材と、該透明基材の表面又は内部に形成された導電性パターンを有するヒータ部と、を備える透明ヒータの設計方法を実行させるプログラムであって、
前記情報処理装置に、
前記透明ヒータの目的とする透過率T及び発熱能力Cに基づいて、前記導電性パターンを構成する導電性細線の太さに関する情報、及び、前記導電性パターンのパターン形状PATに関する情報を含む設計情報DIを算出する設計ステップを、実行させる、
プログラム。
〔17〕
透明基材と、該透明基材の表面又は内部に形成された導電性パターンを有するヒータ部と、を備える透明ヒータの設計方法を実行する情報処理装置であって、
前記透明ヒータの目的とする透過率T及び発熱能力Cに基づいて、前記導電性パターンを構成する導電性細線の太さに関する情報、及び、前記導電性パターンのパターン形状PATに関する情報を含む設計情報DIを算出する設計ステップを実行する設計処理部を有する、
情報処理装置。
〔18〕
マスク製造装置が、〔1〕~〔15〕のいずれか一項に記載の透明ヒータの設計方法により得られた設計情報DIに基づいて、マスクを製造するステップをさらに含む、
マスクの製造方法。
〔19〕
版製造装置が、〔1〕~〔15〕のいずれか一項に記載の透明ヒータの設計方法により得られた設計情報DIに基づいて、版を製造するステップをさらに含む、
版の製造方法。
〔20〕
導電性パターン形成装置が、〔1〕~〔15〕のいずれか一項に記載の透明ヒータの設計方法により得られた設計情報DIに基づいて、導電性パターンを形成し、透明ヒータを製造するステップをさらに含む、
透明ヒータの製造方法。
〔21〕
電源容量E0の電源に接続する透明ヒータであって、
透明基材と、該透明基材の表面又は内部に形成された導電性パターンを有するヒータ部と、を備え、
前記導電性パターンが、電源容量E0の±30%の範囲の消費電力を有するよう構成され、透過率Tが75%以上となるように構成された、
透明ヒータ。
本発明によれば、所望の透明性と発熱性を達成できる透明ヒータをより簡易に設計することのできる設計方法、及び、それにより設計された透明性ヒータを提供することができる。
本実施形態の透明ヒータの概略図を示す。 図1のSで表される範囲の拡大斜視図を示す。 本実施形態の情報処理装置のブロック図を示す。 透過率Tと膜厚に基づいてシート抵抗を推定した試算グラフを示す。 本実施形態の透明ヒータの設計方法における設計ステップのパターン1を示すフローチャートを示す。 太さとパターン形状に基づいて透過率Tを推定した試算グラフを示す。 太さとパターン形状に基づいて消費電力を推定した試算グラフを示す。 本実施形態の透明ヒータの設計方法における設計ステップのパターン2を示すフローチャートを示す。 本実施形態の透明ヒータの設計方法における設計ステップのパターン4を示すフローチャートを示す。 本実施形態の透明ヒータの設計方法における設計ステップのパターン5を示すフローチャートを示す。 本実施形態の透明ヒータの設計方法における設計ステップのパターン6を示すフローチャートを示す。 本実施形態の透明ヒータの設計方法における設計ステップのパターン7を示すフローチャートを示す。
以下、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」という。)について詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
1.透明ヒータの設計方法
本実施形態の透明ヒータの設計方法は、情報処理装置による、透明基材と、該透明基材の表面又は内部に形成された導電性パターンを有するヒータ部と、を備える透明ヒータの設計方法である。
透明ヒータの設計方法について説明する前に、初めに設計される透明ヒータの構成について簡単に説明する。図1に、本実施形態の透明ヒータの一態様として、メッシュ状の導電性パターンを有する透明ヒータの上面図を示し、図2に、図1における領域Sの斜視図を示す。本実施形態の透明ヒータ100は、透明基材110表面又は内部に、導電性パターン130を有するヒータ部120を有する。
図1に示されるように、ヒータ部120を構成する導電性パターン130は、例えば、導電性細線140から構成されるパターンである。導電性パターン130は、電極(不図示)を介して電源150に電気的に接続されており、電源150が導電性パターンに電流を流すことにより、導電性パターン130が発熱し、透明ヒータ100がヒータ機能を発揮する。
導電性パターン130は、図1に示すような導電性細線140が交差するグリッドパターン(メッシュパターン)であってもよいし、ラインパターンであってもよく、このように構成される導電性細線140の太さや密度によって、透明性や発熱能力、あるいは後述する熱応答性を制御することができる。本実施形態の透明ヒータの設計方法においては、所望の透明性や発熱能力を得る観点から、導電性パターン130をどのように構成すべきであるかという指針となる設計情報を算出する。
1.1.ハードウェア構成
本実施形態では、例えば、設計装置である情報処理装置300によって、透明ヒータ100の目的とする透過率T及び発熱能力Cに基づいて、導電性パターン130を構成する導電性細線の太さに関する情報、及び、導電性パターン130のパターン形状PATに関する情報を含む設計情報DIを算出するシステムが構築される。
図3は、本実施形態に係る情報処理装置300のハードウェア構成と機能構成の一例を示す図である。図3に示すように情報処理装置300は、典型的には、1つ又は複数のプロセッサ310、有線又は無線の通信を制御する通信インターフェース320、入出力インターフェース330、メモリ340、ストレージ350及びこれらの構成要素を相互接続するための1つ又は複数の通信バス360を含み、これらの協働により、本開示に記載される処理、機能、または、方法を実現する。
このような端末としては、例えば、パーソナルコンピュータ、タッチパネル、タブレットなどが挙げられる。
プロセッサ310は、メモリ340に記憶されるプログラムに含まれるコード、または、命令によって実現する処理、機能、または、方法を実行する。プロセッサ310は、限定でなく例として、1又は複数の中央処理装置(CPU)、GPU(Graphics Processing Unit)を含む。
通信インターフェース320は、ネットワークを介して他の情報処理装置と各種データの送受信を行う。当該通信は、有線、無線のいずれで実行されてもよく、互いの通信が実行できるのであれば、どのような通信プロトコルを用いてもよい。例えば、通信インターフェース320は、ネットワークアダプタ等のハードウェア、各種の通信用ソフトウェア、又はこれらの組み合わせとして実装される。
入出力インターフェース330は、情報処理装置300に対する各種操作を入力する入力装置、および、情報処理装置300で処理された処理結果を出力する出力装置を含む。例えば、入出力インターフェース330は、キーボード、マウス、及びタッチパネル等の情報入力装置や、表示装置などの情報出力装置を含む。
メモリ340は、ストレージ350からロードしたプログラムを一時的に記憶し、プロセッサ310に対して作業領域を提供する。メモリ340には、プロセッサ310がプログラムを実行している間に生成される各種データも一時的に格納される。メモリ340は、限定でなく例として、ROM、DRAM、SRAM、DDR RAM又は他のランダムアクセス固体記憶装置などの高速ランダムアクセスメモリ等であってよく、これらが組み合わせられてもよい。
ストレージ350は、プログラム、各種機能部、及び各種データを記憶する。ストレージ350は、限定でなく例として、磁気ディスク記憶装置、光ディスク記憶装置、フラッシュメモリデバイス、又は他の不揮発性固体記憶装置などの不揮発性メモリ等であってよく、これらが組み合わせられてもよい。ストレージ350の他の例としては、プロセッサ310から遠隔に設置される1つ又は複数の記憶装置を挙げることができる。
本実施形態において、ストレージ350はプログラム、機能部及びデータ構造、又はそれらのサブセットを格納する。情報処理装置300は、ストレージ350に記憶されているプログラムに含まれる命令をプロセッサ310が実行することによって、図3に示すように、設計処理部343及び表示制御部344として機能するように構成されている。
オペレーティングシステム341は、例えば、様々な基本的なシステムサービスを処理するとともにハードウェアを用いてタスクを実行するためのプロシージャを含む。
ネットワーク通信部342は、例えば、情報処理装置300をマスク製造装置、版製造装置又は導電性パターン形成装置等の他の装置に、通信インターフェース320、及びネットワークを介して接続するために使用され、各種情報の送受信部として機能する。
具体的な動作処理については後述するが、設計処理部343は、透明ヒータ100の目的とする透過率T及び発熱能力Cに基づいて、導電性パターン130を構成する導電性細線140の太さに関する情報、及び、導電性パターン130のパターン形状PATに関する情報を含む設計情報DIを算出する処理を実行する。この際、設計処理部343は、入出力インターフェース330を介して、目的とする透過率T及び発熱能力Cに関する情報を設計者から受け付けてもよい。
また、設計処理部343は、透明ヒータに接続する電源容量E0に関する情報をさらに含む設計情報DIを算出する処理を実行するようにしてもよい。これにより、設計した透明ヒータ100に適する電源容量E0を指定できるため、電源容量を有効に生かすことができる透明ヒータを実現できるほか、電源容量E0が過剰に大きい電源が接続されることを抑制することもできる。
電源容量E0に関する情報は、ある電源容量E0を選択した時の熱応答性に関する情報をさらに含んでいてもよい。後述するように、発熱能力Cは電源容量E0による制限をうけ、放熱能力は電源容量E0による制限を受けない傾向がある。そのため、透明ヒータの熱応答性、例えば、発熱能力Cと放熱能力Dの比(発熱能力C/放熱能力D)は、電源容量E0に応じて変化する。設計情報DIがこのような熱応答性に関する情報を電源容量E0に関する情報として含むことにより、設計者は、ある電源容量E0に透明ヒータを接続したときにどの程度の熱応答性を示すかを速やかに把握することが可能となる。
さらに、設計処理部343は、透明ヒータ100の目的とする熱応答性にさらに基づいて、設計情報DIを算出する処理を実行するようにしてもよい。この際、設計処理部343は、入出力インターフェース330を介して、目的とする熱応答性に関する情報を設計者から受け付けてもよい。一般的に、ヒータにはその用途や目的に応じて所定の熱応答性が求められる。例えば、カメラのレンズの表面に貼り付けるような用途では、ヒータには温度の精密な制御が求められ、ヒータ温度を細かく制御する観点から、熱しやすく冷めやすい熱応答性能が求められることが想定される。また、窓ガラスや車両のフロントガラスの曇りや霜の発生を防止するような用途では、ヒータには発生した熱が電力供給停止後も保たたれるようにする観点から、冷めにくい熱応答性能が求められることが想定される。
しかしながら、透明ヒータ100の透明性、発熱能力、及び放熱能力と、導電性パターン130を規定するパラメータとの間には、複雑な関係が存在し、所望の熱応答性を有する透明ヒータ100を得ようとすれば、多数のパラメータを調整しなければならずその設計は容易ではない。これに対して、本実施形態の設計方法を用いることにより、所望の熱応答性を有する透明ヒータ100を、比較的容易に設計することが可能となる。
また、設計処理部343は、送受信部を介して、設計情報DIを他の装置に送信してもよい。他の装置としては、設計情報DIを用いて透明ヒータ100を製造する装置、或いは、透明ヒータ100を製造するために用いる部材を製造する装置が挙げられる。より具体的には、透明ヒータ100を製造するために用いる部材としては、マスクや版が挙げられ、これら部材を製造する装置としては、マスク製造装置や版製造装置が挙げられる。また、設計情報DIを用いて透明ヒータ100を製造する装置としては、特に限定されないが、例えば、マスクを用いてフォトリソグラフィー法などにより透明ヒータ100を製造する装置、版を用いて有版印刷法により透明ヒータ100を製造する装置、又は、インクジェット法などにより透明ヒータ100を製造する装置が挙げられる。なお、設計情報DIを用いて透明ヒータ100を製造する装置をまとめて、「導電性パターン形成装置」ということもある。
設計処理部343は、例えば、マスク製造装置とマスクを用いてフォトリソグラフィー法などにより透明ヒータ100を製造する装置の両方、或いは、版製造装置と版を用いて有版印刷法により透明ヒータ100を製造する装置の両方に設計情報DIを送信するようにしてもよい。これにより、設計情報DIに含まれる情報のうち導電性パターン130の線幅W1やパターン形状PATといった平面視における形状に関する情報は、マスク製造装置や版製造装置で使用し、設計情報DIに含まれる情報のうち導電性パターン130の断面積や導電性細線140の膜厚といった立体的な形状に関する情報は、透明ヒータ100を製造する装置において使用することができる。
表示制御部344は、設計処理部343が算出した設計情報DIを表示装置に表示制御してもよい。設計情報DIの表示制御の態様は、特に限定されないが、例えば、該当する導電性細線140の太さに関する情報、及び、導電性パターン130のパターン形状PATに関する情報をテキストにより、表示してもよいし、図5~6に示すような二次元または三次元のグラフとして表示してもよい。
また、表示制御部344は、設計情報DIに加えて、目的とする透過率T及び発熱能力Cと隣接する透過率T’及び発熱能力C’に基づいて算出した隣接設計情報DI’を表示装置に表示制御してもよい。ここで、「隣接する」とは、例えば、目的とする透過率Tが88~90%であれば、86~88%及び90~92%等のように、目的とする透過率Tより多い又は少ない範囲をいう。このような透過率T’及び発熱能力C’に基づいて算出した隣接設計情報DI’を表示制御することにより、より透過率を上げた場合や下げた場合における設計情報を参考情報として把握することが可能となり、設計しやすくなる。
隣接設計情報DI’の表示制御の態様は、特に限定されないが、例えば、設計情報DIと同様に、テキストにより、表示してもよいし、図5~6に示すような二次元または三次元のグラフとして表示してもよい。また、表示制御部344は、設計情報DIと隣接設計情報DI’を併せて表示制御する際には、設計情報DIをハイライトして表示制御してもよい。
1.2.動作処理
次に、このように構成された本発明の実施形態の情報処理装置300の動作について説明する。
1.2.1.設計処理ステップ
設計処理において用いる各用語を説明してから、設計処理部343が設計情報DIを算出する設計ステップの具体的な態様について説明する。なお、設計ステップの態様は、特に限定されないが、例えば、以下のパターン1~7が挙げられる。
なお、本実施形態において、「透過率T」とは、透明ヒータ100の導電性パターン130が形成された部分における可視光透過率を意味する。なお、透過率Tとしては、可視光透過率の実測値に代えて、導電性パターンからの計算値を用いてもよい。
導電性細線140の線幅W1は10μm以下に設計することが好ましい。導電性細線140の線幅W1が10μm以下など十分に細い場合には、導電性細線140の視認性が低下し、透明ヒータの透明性がより向上する。
まず、開口率ROは、所定面積のヒータ部120における導電性細線140がない部分の面積の比率として、下記式(1)で求めることができる。また、下記式(1)は、以下のように、線幅W11,W12、開口幅W21,W22、ピッチP1,P2によって表すこともできる。
開口率RO(%)={(所定の領域における導電性細線のない部分の面積)/(所定の領域におけるヒータ部の面積)}×100 ・・・ (1)
={(W21×W22)/(P1×P2)}×100
={(P1-W11)×(P2-W12)/(P1×P2)}×100
透過率Tは、上記の開口率RO、透明基材100の透過率及び導電性細線140の透過率を用いて、下記式(2)により近似することができる。導電性細線140が光を透過しないとみなせる場合には、下記式(2)において導電性細線140の透過率を0として計算することもできる。
透過率T(%)={(透明基材の透過率)×(開口率RO(%))+(透明基材の透過率)×(導電性細線の透過率)×(100-開口率RO(%))}/100 ・・・ (2)
上記の透明基材の透過率及び導電性細線の透過率は、使用する材料等に応じて、予め記憶させておいたものを用いてもよいし、入出力インターフェース330を介して、設計者から入力されたものを用いてもよい。
なお、本実施形態においては、図1~2のように、長方形のグリッドパターンの場合おける線幅は、方向に応じて、線幅W11,W12と表記し、特に方向で区別しない場合には単に線幅W1と表記する。また、同様に、長方形のグリッドパターンの場合おける開口幅は、開口幅W21,W22と表記し、特に方向で区別しない場合には単に開口幅W2と表記する。ピッチPにおいても同様である。
また、「発熱能力C」とは、透明ヒータ100の導電性パターン130における発熱能力を意味し、導電性パターン130で消費される電力Eで表すことができる。
まず、シート抵抗率Rsは、導電性細線の比抵抗とヒータ部120の単位長さ当たりの導電性細線140の断面積Smに基づいて求めることができる。例えば、導電性細線の比抵抗に比例し、断面積Smに反比例する下記式(3)で表すことができる。したがって、断面積Smが大きくなるように設計するとシート抵抗率Rsが低下する。
シート抵抗率Rs = 係数k1×(導電性細線の比抵抗)/(ヒータ部の単位長さ当たりの導電性細線の断面積Sm) ・・・ (3)
係数k1 :比抵抗,Sm以外の項をまとめた係数
上記の導電性細線の比抵抗は、使用する材料等に応じて、予め記憶させておいたものを用いてもよいし、入出力インターフェース330を介して、設計者から入力されたものを用いてもよい。
また、シート抵抗率Rsは、導電性細線の太さとパターン形状の組み合わせに基づいて断面積Smを算出することによって求めることもできる。例えば、長方形のグリッドパターンの場合において、Smが線幅W1、膜厚H、ピッチPを用いてW1×H/Pで表されると近似し、かつ、開口率ROの式(1)を利用して、W1/Pを開口率ROの式として整理し直すことにより、シート抵抗率Rsを膜厚Hと開口率ROを用いて下記式(4)で表すこともできる。開口率と膜厚に基づいてシート抵抗率を推定した試算グラフの一例を図4に示す。
シート抵抗率Rs = 係数k2×(導電性細線の比抵抗)/(導電性細線の膜厚H)×{1+(開口率RO(%)/100)1/2}/{1-(開口率RO(%)/100)} ・・・ (4)
係数k2 :式(4)で明記した以外の項をまとめた係数
そして、例えば、ヒータ部120の長さ及び幅をL1、L2としたとき、ヒータの消費電力Eを算出するためのヒータの抵抗値はシート抵抗率Rsを用いて下記式(5)のように計算することができる。そして、所定の長さL1および幅L2のヒータ部120を構成する導電性パターン130の抵抗で消費される電力Eは、電源電圧V0に比例し、シート抵抗率Rsに反比例するため、下記式(6)のように表される。
ヒータの抵抗値R = Rs×L1/L2 ・・・ (5)
抵抗で消費される電力E = V0 2/R ・・・ (6)
そうすると、式(5)と式(6)から、消費電力Eは式(7)のように断面積Smの関数として表現することができる。なお、断面積Smは、線幅W1、膜厚H、及びピッチPから求めることもできるため、消費電力Eは線幅W1、膜厚H、及びピッチPの関数として表現することもできる。
シート抵抗率Rsが小さくなるように設計すると抵抗で消費される電力Eが上昇する。
抵抗で消費される電力E = 係数k3×V0 2×断面積Sm ・・・(7)
係数k3 :V0,Sm以外の項をまとめた係数
さらに、「放熱能力D」とは、透明ヒータ100の導電性パターン130における放熱能力を意味し、導電性パターン130の熱の低下のしやすさで表すことができる。例えば、主に導電性パターン130から電極に熱が伝わることによって放熱が行われると仮定すると、放熱能力Dは、導電性細線140の断面積(W1×H)に比例して大きくなり、ピッチに比例して小さくなる。例えば、放熱能力Dは、下記式(8)のように表すことができる。
放熱能力D = 係数k4×{導電性細線の断面積(W1×H)}/{導電性細線のピッチP} ・・・(8)
係数k4 :式(8)で明記した以外の項をまとめた係数
式(8)中、W1とPの組み合わせとしては、透明ヒータの電極配置に応じてW11とP1の組み合わせ又はW12とP2の組み合わせを用いてよい。
「設計情報DI」とは、導電性パターンを構成する導電性細線の太さに関する情報と、導電性パターンのパターン形状PATと、を含むものをいう。これにより、所定の太さの導電性細線140で所定のパターン形状PATで導電性パターン130を構成することが可能となる。
また、導電性細線140の太さに関する情報としては、線幅W1、断面積S、膜厚H、及びアスペクト比(H/W1)が挙げられ、このうち2つを特定することで導電性細線140の太さを特定することができる。例えば、線幅W1と断面積Sを特定することで、導電性細線140の膜厚Hに関する情報も得ることができ、また、線幅W1と膜厚Hや、膜厚Hとアスペクト比(H/W1)を算出することで断面積Sについての情報も得ることができる。以降においては、線幅W1、断面積S、膜厚H、及びアスペクト比(H/W1)のうち2つが特定されれば、他も特定されるものとする。
「パターン形状PAT」には、グリッドパターンであれば三角形、四角形、六角形などの形状や、その形状を規定するピッチや開口部面積SO又は開口率ROなど、パターンを形成するための具体的な情報が含まれるものとする。
以下において示す設計ステップの具体例では、導電性パターン130が正方形のグリッドパターンである場合を例に設計方法について説明する。この場合には、「太さとパターン形状の組み合わせ」は、線幅と膜厚とピッチとの組み合わせと読み替えることができる。しかし、本実施形態は、正方形のグリッドパターンである場合に限られず、任意のパターンを用いることが可能であり、以下に置いて説明する各種試算グラフは用いるパターンに応じて適宜変更して用いることができる。
1.2.1.1.パターン1
図5に、パターン1における設計ステップのフローチャートを示す。パターン1では、設計情報DIを算出する設計ステップにおいて、設計処理部343が、透過率Tに基づいて、太さとパターン形状の組み合わせG11を特定するステップA1と、組み合わせG11の中から、発熱能力Cに基づいて、太さとパターン形状の組み合わせG12を特定するステップB1と、を含む。
ステップA1は、目的とする透過率Tに基づいて、太さとパターン形状の組み合わせG11を特定するステップである。ステップA1では、太さとパターン形状に基づいて導電性パターン130の透過率Tやそれに関連するパラメータを推定し、所望の透過率Tを満たす太さとパターン形状の組み合わせG11を特定する。この際に、上記式(1)やその変形式を用いるようにしてもよい。これにより、所望の透明性を有する透明ヒータ100を設計することができる。
図6に、太さとパターン形状に基づいて透過率Tを推定した試算グラフを示す。当該試算グラフは、式(2)やその変形式を用いて描画することができる。このような試算グラフを用いることにより、目的とする透過率Tに応じた太さとパターン形状の組み合わせG11を特定することができる。例えば、透過率Tを95%以上に設定する場合には、その透過率Tを満たす領域R11を特定し、その領域R11を満たす線幅とピッチの組み合わせG11を特定することができる。
また、ステップB1は、組み合わせG11の中から、目的とする発熱能力Cに基づいて、太さとパターン形状の組み合わせG12を特定するステップである。ステップB1では、太さとパターン形状に基づいて透明ヒータ100の発熱能力Cやそれに関連するパラメータを推定し、所望の発熱能力Cを満たす太さとパターン形状の組み合わせG12を特定する。この際に、上記式(6)やその変形式を用いるようにしてもよい。これにより、所望の発熱能力を有する透明ヒータ100を設計することができる。
図7に、透過率Tと膜厚Hに基づいて導電性パターン130の発熱能力Cを推定した試算グラフを示す。当該試算グラフは、式(6)やその変形式を用いて描画することができる。このような試算グラフを用いることにより、目的とする発熱能力に応じた太さとパターン形状の組み合わせG12を特定することができる。例えば、発熱能力を15W以上に設定する場合には、グラフ上の領域R12を特定し、その領域R12を満たす透過率Tと膜厚の組み合わせを特定することができる。続いて、G12を透明ヒータ製造上の制約条件からさらに絞り込むことができる。透明ヒータ製造上の制約条件としては、例えば、線幅と膜厚との関係(アスペクト比)や、線幅の上限を挙げることができる。これらの制約条件は、予め記憶したものを用いてもよいし、入出力インターフェース330を介して設計者から指定を受け付けてもよい。さらに、透明ヒータの製造方法の指定に応じた制約条件を用いてもよい。例えば、導電性パターンの視認性の観点から線幅W1<10μmとし、製造方法が反転転写印刷法の場合には、アスペクト比の制約条件として(膜厚H)/(線幅W1)<0.15を用いる。これらの制約条件から線幅の上下限を設定する。次いで、図7のグラフ上で一点又は領域を指定すると、その一点又は領域に対応する透過率T、膜厚Hの組み合わせに基づいて、透過率Tと透明ヒータ製造上の制約条件を満たす線幅W1及びピッチPの組み合わせが表示される。このような表示を行う場合に、熱応答性等を併せて表示してもよい。それらの組み合わせの中から選択を受け付けることにより、G12を特定することができる。組み合わせの選択に際しては、入出力インターフェース330を介して設計者から指定を受け付けてもよい。
パターン1では組み合わせG12により太さとパターン形状が特定可能であれば、そこで所望の透過率Tと発熱能力Cを満たす設計情報が得られたものとして設計ステップを終了する。一方で、組み合わせG12を特定しようとした際に、実現可能な太さとパターン形状が存在しない場合には、条件を変更してステップA1~B1を再実施するループ処理を行ってもよい(ステップD1)。
ループ処理としては、例えば、目的とする透過率T及び/又は発熱能力Cを変更し、上記ステップA1乃至B1を実行する処理が挙げられる。さらに、組み合わせG12において実現可能な太さとパターン形状が存在する場合であっても、上記処理を実行することで、最適な太さとパターン形状を特定するようにしてもよい。
さらに、設計処理ステップにおいて、設計処理部343は、透明ヒータ100に接続する電源容量E0に関する情報をさらに含む設計情報DIを算出する処理を実行するようにしてもよい。この際、設計処理部343は、例えば、組み合わせG12における太さとパターン形状、又は、ステップB1で考慮した発熱能力Cに基づいて、式(7)又はその変形式から抵抗で消費される電力Eを算出し、その電力Eに基づいて、透明ヒータ100に接続する電源容量E0に関する情報を設計情報DIに含めることができる。
電力Eに基づいて電源容量E0を算出する方法としては、特に限定されないが、例えば、電力E±30%や±50%の範囲の電源容量E0として算出することができる。これにより、電源の安定性を考慮した余裕を持った設計が可能となる。
設計処理ステップにおいて、設計処理部343が透明ヒータ100に接続する電源容量E0に関する情報をさらに含む設計情報DIを算出する処理は、以下のパターン2~7においても同様に実行することができる。
1.2.1.2.パターン2
図8に、パターン2における設計ステップのフローチャートを示す。パターン2では、設計情報DIを算出する設計ステップにおいて、設計処理部343が、発熱能力Cに基づいて、太さとパターン形状の組み合わせG21を特定するステップA2と、組み合わせG21の中から、透過率Tに基づいて、太さとパターン形状の組み合わせG22を特定するステップB2と、を含む。ステップB2において、G22を特定する方法としては、パターン1においてG12を特定する方法と同じものを用いることができる。すなわち、パターン2は、ステップの順序がパターン1と異なること以外はパターン1と同様に処理をすることができる。
パターン2では組み合わせG22により太さとパターン形状が特定可能であれば、そこで所望の透過率Tと発熱能力Cを満たす設計情報が得られたものとして設計ステップを終了する。一方で、組み合わせG22を特定しようとした際に、実現可能な太さとパターン形状が存在しない場合には、条件を変更してステップA2~B2を再実施するループ処理を行ってもよい(ステップD2)。
ループ処理としては、例えば、目的とする透過率T及び/又は発熱能力Cを変更し、上記ステップA2乃至B2を実行する処理が挙げられる。さらに、組み合わせG22において実現可能な太さとパターン形状が存在する場合であっても、上記処理を実行することで、最適な太さとパターン形状を特定するようにしてもよい。
1.2.1.3.パターン3
パターン2では、設計情報DIを算出する設計ステップにおいて、設計処理部343が、透過率Tと発熱能力Cの2つに基づいて、太さとパターン形状の組み合わせG31を特定するステップA3を含む。
ステップA3は、透過率Tと発熱能力Cの2つに基づいて、太さとパターン形状の組み合わせG31と特定できるものであれば、特に限定されないが、例えば、ピッチと線幅など軸が共通する二つのグラフを重ねて一気に透過率Tと発熱能力C(消費電力)を満たす組み合わせG31を特定してもよい。
1.2.1.4.パターン4
パターン4及び後述するパターン5は、設計処理部343が透明ヒータ100の目的とする熱応答性にさらに基づいて、設計情報DIを算出する処理を実行するステップを含むものである。
図9に、パターン4における設計ステップのフローチャートを示す。パターン4では、設計情報DIを算出する設計ステップにおいて、設計処理部343が、透過率Tに基づいて、太さとパターン形状の組み合わせG11を特定するステップA1と、組み合わせG11の中から、発熱能力Cに基づいて、太さとパターン形状の組み合わせG12を特定するステップB1と、組み合わせG12の中から、透明ヒータに要求される熱応答性を満たすような、太さとパターン形状の組み合わせG13を特定するステップC1と、を含む。パターン4におけるステップA1及びB1は、パターン1と同様に処理をすることができる。
ステップC1は、組み合わせG12の中から、透明ヒータに要求される熱応答性を満たすような、太さとパターン形状の組み合わせG13を特定するステップである。
「熱応答性」とは、特に限定されないが、例えば、発熱能力Cと放熱能力Dのバランスであり、発熱能力Cを一定としたときに放熱能力Dが高いほど、その透明ヒータは冷めやすい設計となり、発熱能力Cを一定としたときに放熱能力Dが低いほど、その透明ヒータは冷めにくい設計となる。また、放熱能力Dを一定としたときに発熱能力Cが高いほど、その透明ヒータは温めやすい設計となり、放熱能力Dを一定としたときに発熱能力Cが低いほど、その透明ヒータは温めにくい設計となる。
熱応答性の指標としては、特に限定されないが、例えば、放熱能力D、1/放熱能力D、発熱能力C/放熱能力D、放熱能力D/発熱能力C、発熱能力C-放熱能力Dが挙げられる。
ステップC1は、これら傾向から、発熱能力Cと放熱能力Dについて所望のバランスを有する太さとパターン形状の組み合わせG13を特定するステップである。
このステップC1では、例えば、上述した式(6)やその変形式により表現される発熱能力Cと、式(8)やその変形式により表現される放熱能力Dをそれぞれ設定し、両者ともに満たすように組み合わせG13を特定してもよいし、既にステップB1で発熱能力Cについては考慮しているため、式(8)やその変形式により表現される放熱能力Dに基づいて、組み合わせG13を特定してもよい。
また、例えば、上述した式(6)やその変形式により表現される発熱能力Cと、式(7)やその変形式により表現される放熱能力Dの比(発熱能力C/放熱能力D)を一つの指標として、所望の熱応答性を満たす太さとパターン形状の組み合わせG13を特定してもよい。続いて、G13を透明ヒータ製造上の制約条件からさらに絞り込むことができる。透明ヒータ製造上の制約条件としては、例えば、線幅と膜厚との関係(アスペクト比)や、線幅の上限を挙げることができる。これらの制約条件は、予め記憶したものを用いてもよいし、入出力インターフェース330を介して設計者から指定を受け付けてもよい。さらに、透明ヒータの製造方法の指定に応じた制約条件を用いてもよい。例えば、導電性パターンの視認性の観点から線幅W1<10μmとし、製造方法が反転転写印刷法の場合には、アスペクト比の制約条件として(膜厚H)/(線幅W1)<0.15を用いる。これらの制約条件から線幅の上下限を設定する。次いで、透過率Tと膜厚Hに基づいて導電性パターン130の熱応答性を推定した試算グラフ上で一点又は領域を指定すると、その一点又は領域に対応する透過率T、膜厚Hの組み合わせに基づいて、透過率Tと透明ヒータ製造上の制約条件を満たす線幅W1及びピッチPの組み合わせが表示される。このような表示を行う場合に、熱応答性等を併せて表示してもよい。それらの組み合わせの中から選択を受け付けることにより、G13を特定することができる。組み合わせの選択に際しては、入出力インターフェース330を介して設計者から指定を受け付けてもよい。
なお、実際は、式(6)で示されるように発熱能力Cは電源容量E0による制限をうけるため、透明ヒータ100の導電性パターン130の設計以外の部分において、考慮すべき上限が存在する。一方で、放熱能力は電源容量E0とは無関係である。そのため、ステップC1において、導電性細線140の太さとパターン形状の組み合わせG13の特定する際には、発熱能力と放熱能力とが共に変化するような太さとパターン形状の組み合わせ範囲と、ある閾値を境にして発熱能力はそれ以上上昇しないのに対し、放熱能力は変化するような太さとパターン形状の組み合わせ範囲とが現れる。
そのため、ステップC1においては、電源容量E0を考慮しつつ、組み合わせG12の中から、透明ヒータに要求される熱応答性を満たすような、太さとパターン形状の組み合わせG13を特定することが望ましい。
また、そのようにして特定された組み合わせG13に係る設計情報DIは、透明ヒータに接続する電源容量E0に関する情報をさらに含むことが好ましい。
組み合わせG13を特定しようとした際に、実現可能な太さとパターン形状が存在しない場合、又は、予め定められた条件に該当する場合には、条件を変更してステップA1~C1を再実施するループ処理を行ってもよい(ステップD1)。なお、ここで、予め定められた条件に該当する透明ヒータが設計できない場合とは、ステップC1において、電源容量E0を考慮して比(発熱能力C/放熱能力D)を調整して所望の熱応答性を達成したとしても、上記のように電源容量E0を設定したことにより発熱能力Cが制限を受けた結果、ステップB1における発熱能力を満たさなくなったような場合をいう。
これらの場合には、例えば、透過率T又はそれに関するパラメータを変更し、ステップA1乃至C1を実行する処理、発熱能力C又はそれに関するパラメータを変更し、ステップA1乃至C1を実行する処理、熱応答性又はそれに関するパラメータを変更し、ステップA1乃至C1を実行する処理が挙げられる。
1.2.1.5.パターン5
図10に、パターン5における設計ステップのフローチャートを示す。パターン5では、設計情報DIを算出する設計ステップにおいて、設計処理部343が、発熱能力Cに基づいて、太さとパターン形状の組み合わせG21を特定するステップA2と、組み合わせG21の中から、透過率Tに基づいて、太さとパターン形状の組み合わせG22を特定するステップB2と、組み合わせG22の中から、透明ヒータに要求される熱応答性を満たすような、太さとパターン形状の組み合わせG23を特定するステップC2と、を含む。パターン5におけるステップA2及びB2は、パターン2と同様に処理をすることができる。
ステップC2は、組み合わせG22の中から、透明ヒータに要求される熱応答性を満たすような、太さとパターン形状の組み合わせG23を特定するステップである。パターン5におけるステップC2は、パターン4と同様に処理をすることができる。
組み合わせG23を特定しようとした際に、実現可能な太さとパターン形状が存在しない場合、又は、予め定められた条件に該当する場合には、条件を変更してステップA1~C1を再実施するループ処理を行ってもよい(ステップD2)。なお、ここで、予め定められた条件に該当する透明ヒータが設計できない場合とは、ステップC1において、電源容量E0を考慮して比(発熱能力C/放熱能力D)を調整して所望の熱応答性を達成したとしても、上記のように電源容量E0を設定したことにより発熱能力Cが制限を受けた結果、ステップA1における発熱能力を満たさなくなったような場合をいう。
これらの場合には、例えば、透過率T又はそれに関するパラメータを変更し、ステップA2乃至C2を実行する処理、発熱能力C又はそれに関するパラメータを変更し、ステップA2乃至C2を実行する処理、熱応答性又はそれに関するパラメータを変更し、ステップA2乃至C2を実行する処理が挙げられる。
1.2.1.6.パターン6
パターン6は、パターン5において目的とする発熱能力Cに基づいて組み合わせG21を特定する代わりに、透明ヒータ100に接続する電源容量E0を想定し、これを発熱能力Cの代わりに用いて、太さとパターン形状の組み合わせG31を特定するパターンである。パターン6は、発熱能力Cとして、より具体的に電源容量E0を想定しているものであり、その意味において、パターン6はパターン5の下位概念に相当する。
図11に、パターン6における設計ステップのフローチャートを示す。パターン6では、設計情報DIを算出する設計ステップにおいて、設計処理部343が、透明ヒータ100に接続する電源容量E0に基づいて、太さとパターン形状の組み合わせG31を特定するステップA3と、組み合わせG31の中から、透過率Tに基づいて、太さとパターン形状の組み合わせG32を特定するステップB3と、組み合わせG32の中から、透明ヒータの目的とする熱応答性に応じて、導電性細線の太さとパターン形状の組み合わせG33を特定するステップC3と、を含む。
ステップA3は、透明ヒータに接続する電源容量E0に基づいて、太さとパターン形状の組み合わせG31を特定するステップである。ステップA3では、太さとパターン形状に基づいて導電性パターン130の抵抗で消費される電力Eを推定し、その電力Eと電源容量E0とを比較して、電源容量E0を有効に利用できる太さとパターン形状の組み合わせG31を特定する。これにより、電力Eが電源容量E0を過剰に上回ったり、あるいは電力Eが電源容量E0を過剰に下回ったりしない、太さとパターン形状の組み合わせG31を特定することができる。
例えば、図7に示すような試算グラフを用いることにより、電源容量E0から太さとパターン形状の組み合わせG31を特定することができる。例えば、電源容量E0が7.5Wである場合には、電力Eが5~10Wとなるような領域R12を特定し、その領域R12を満たす線幅とピッチの組み合わせG31を特定することができる。
領域R12を特定するにあたり、電力Eは電源容量E0を基準として、電源容量E0の70~130%、80~120%、90~110%などの値域をとってもよい。このように設計する電力Eに幅を持たせることで、後述するステップにおいて、熱応答性に応じた太さとパターン形状を規定しやすくなる。具体的には、電源容量E0を上回る電力Eとなるような太さとパターン形状の組み合わせでは、発熱能力が頭打ちとなる一方で、放熱能力を向上することができる。また、電源容量E0を上回る電力Eとなるような太さとパターン形状の組み合わせでは、透明性をより向上することができる。
ステップB3は、組み合わせG31の中から、例えば、透過率Tが所定値以上となる太さとパターン形状の組み合わせG32を特定するステップである。ステップB3では、太さとパターン形状に基づいて導電性パターン130の透過率Tを推定し、所望の透過率Tを満たす太さとパターン形状の組み合わせG32を特定する。これにより、所望の透明性を有する透明ヒータ100を設計ことができる。
例えば、図6に示すような試算グラフを用いることにより、組み合わせG31の中で、目的とする透過率Tに応じた太さとパターン形状の組み合わせG32を特定することができる。例えば、透過率Tを95%以上に設定する場合には、その透過率Tを満たす領域R11を特定し、その領域R11を満たす線幅とピッチの組み合わせG32を特定することができる。
ステップC3は、組み合わせG32の中から、透明ヒータの目的とする熱応答性に応じて、導電性細線140の太さとパターン形状の組み合わせG33を特定するステップである。パターン5におけるステップC2は、パターン5と同様に処理をすることができる。
1.2.1.7.パターン7
パターン7は、パターン4において目的とする発熱能力Cに基づいて組み合わせG12を特定する代わりに、透明ヒータ100に接続する電源容量E0を想定し、これを発熱能力Cの代わりに用いて、太さとパターン形状の組み合わせG32を特定するパターンである。パターン7は、発熱能力Cとして、より具体的に電源容量E0を想定しているものであり、その意味において、パターン7はパターン4の下位概念に相当する。
図12に、パターン7における設計ステップのフローチャートを示す。パターン7では、設計情報DIを算出する設計ステップにおいて、設計処理部343が、透過率Tに基づいて、太さとパターン形状の組み合わせG41を特定するステップA4と、組み合わせG41の中から、透明ヒータ100に接続する電源容量E0に基づいて、太さとパターン形状の組み合わせG42を特定するステップB4と、組み合わせG42の中から、透明ヒータの目的とする熱応答性に応じて、導電性細線の太さとパターン形状の組み合わせG43を特定するステップC4と、を含む。
ステップA4は、上記ステップB3に相当するステップであり、例えば、透過率Tが所定値以上となる太さとパターン形状の組み合わせG41を特定するステップである。ステップA4では、太さとパターン形状に基づいて導電性パターン130の透過率Tを推定し、所望の透過率Tを満たす太さとパターン形状の組み合わせG42を特定する。これにより、所望の透明性を有する透明ヒータ100を設計ことができる。
ステップB4は、上記ステップA3に相当するステップであり、組み合わせG41の中から、透明ヒータ100に接続する電源容量E0に基づいて、太さとパターン形状の組み合わせG42を特定するステップである。ステップB4では、太さとパターン形状に基づいて導電性パターン130の抵抗で消費される電力Eを推定し、その電力Eと電源容量E0とを比較して、電源容量E0を有効に利用できる太さとパターン形状の組み合わせG42を特定する。これにより、電力Eが電源容量E0を過剰に上回ったり、あるいは電力Eが電源容量E0を過剰に下回ったりしない、太さとパターン形状の組み合わせG42を特定することができる。
ステップC4は、上記ステップC3に相当するステップであり、組み合わせG42の中から、透明ヒータの目的とする熱応答性に応じて、導電性細線140の太さとパターン形状の組み合わせG43を特定するステップである。
パターン6及び7において、組み合わせG33又はG43を特定しようとした際に、実現可能な太さとパターン形状が存在しない場合には、条件を変更してステップA3~C3又はA4~C4を再実施するループ処理を行ってもよい(ステップD3,D4)。
例えば、ループ処理導電性パターンを構成する導電性細線のアスペクト比又は高さを変更し、ステップA3~C3又はA4~C4を実行する処理、電源容量E0を変更し、ステップA3~C3又はA4~C4を実行する処理、透過率Tを変更し、ステップA3~C3又はA4~C4を実行する処理が挙げられる。さらに、組み合わせG33又はG43において実現可能な太さとパターン形状が存在する場合であっても、上記処理を実行することで、最適な太さとパターン形状を特定するようにしてもよい。上記のように、透明ヒータの設計方法によれば、透明性、発熱能力、及び放熱能力を考慮した導電性パターンの設計情報を得ることが可能となる。
1.2.2.表示制御ステップ
表示制御ステップにおいて、表示制御部344は、設計情報DIを表示装置に表示制御する処理を実行する。設計情報DIの表示制御の態様は、特に限定されないが、例えば、該当する導電性細線140の太さに関する情報、及び、導電性パターン130のパターン形状PATに関する情報をテキストにより、表示してもよいし、図6~7に示すような二次元または三次元のグラフとして表示してもよい。また、グラフによる表示の際には、図6~7に示すように、所望の透過率T及び/又は発熱能力Cを示す領域をハイライトして示してもよい。
さらに、上記パターン1~7によって実現可能な太さとパターン形状が存在しない場合には、表示制御部344は、表示装置に設計情報DIが特定できないことを示す表示を表示制御してもよい。
また、表示制御ステップにおいて、表示制御部344は、設計情報DIに加えて、目的とする透過率T及び発熱能力Cと隣接する透過率T’及び発熱能力C’に基づいて算出した隣接設計情報DI’を表示装置に表示制御してもよい。このような透過率T’及び発熱能力C’に基づいて算出した隣接設計情報DI’を表示制御することにより、より透過率を上げた場合や下げた場合における設計情報を参考情報として把握することが可能となり、設計しやすくなる。
1.2.3.データ送信ステップ
設計処理部343は、設計情報DIを、マスク製造装置、版製造装置又は導電性パターン形成装置に送信するデータ送信ステップを実行してもよい。これにより、設計情報DIを用いて透明ヒータの製造を実行することができる。
1.3.プログラム
また、本実施形態においては、上記情報処理装置に上記設計方法を実行させるプログラム、該プログラムが記録された記録媒体、及び上記設計方法を実行する情報処理装置を提供することもできる。
また、本実施形態の情報処理装置は、端末からの要求に応じて、上記設計方法を実行し、導電性パターンの設計に関する情報を端末へ送信するサーバであってもよい。
2.マスクの製造方法
本実施形態のマスクの製造方法は、マスク製造装置が、上記透明ヒータの設計方法により得られた設計情報DIに基づいて、マスクを製造する工程を有する。ここで製造されるマスクは、例えば、フォトマスクであってもよい。マスクの具体的な製造方法としては、特に限定されないが、例えば、電子ビーム描画などにより、設計情報DIに基づいてフォトマスク基板上にパターンを形成する方法が挙げられる。
3.版の製造方法
本実施形態の版の製造方法は、版製造装置が、上記透明ヒータの設計方法により得られた設計情報DIに基づいて、版を製造する工程を有する。ここで、版としては、平版や円筒版を挙げることができる。版の具体的な製造方法としては、特に限定されないが、例えば、上記マスクの製造方法において得られたマスクを用いてフォトリソグラフィーにより版に設計情報DIに基づいたパターンを転写してもよいし、電子ビーム描画などにより、版に設計情報DIに基づいたパターンを直接形成してもよい。
4.透明ヒータの製造方法
本実施形態の透明ヒータの製造方法は、導電性パターン形成装置が、上記透明ヒータの設計方法により得られた設計情報DIに基づいて、導電性パターンを形成し、透明ヒータを製造する工程を有する。
透明ヒータの製造方法は、上記のようにして得られた版を用いて透明基材上に導電性パターンを有版印刷する方法、マスクを用いてフォトリソグラフィーにより透明基材上に導電性パターンを形成する方法、インクジェット法を用いて透明基材上に導電性パターンを形成する方法が挙げられる。以下、各方法について簡単に記載する。
4.1.有版印刷法
有版印刷法では、マスク製造装置が、上記透明ヒータの設計方法により得られた設計情報DIに基づいて、マスクを製造するマスク製造ステップと、マスクを用いて版を製造する版製造ステップと、版を用いた有版印刷法により、透明基材上に導電性パターンを形成し、透明ヒータを製造するヒータ製造ステップと、を有し、ヒータ製造ステップにおいて、設計情報DIに基づいて前記導電性パターンの膜厚を制御することにより、透明ヒータを製造する。
なお、有版印刷法においては、マスクを用いて版を製造する版製造ステップに代えて、マスクを用いず、版製造装置が直接版を製造するようにしてもよい。より具体的には、上記のとおり、版製造装置が設計情報DIに基づいて、電子ビーム描画などで、版を作製するようにしてもよい。
また、有版印刷法により透明基材上に導電性パターンを形成する方法は、特に限定されないが、例えば、金属粒子を含むインクを版を用いて反転転写印刷法により透明基材上に転写し、透明基材上に転写したインクを焼結することで、導電性細線を形成することができる。
ここで、導電性パターンの膜厚は、ヒータ製造ステップにおいて、設計情報DIに基づいて有版印刷法に用いる印刷装置によって制御することができる。より具体的には、印刷装置は、設計情報DIに基づいて、版に付与するインク量を調整することにより、導電性パターンの膜厚を制御することができる。また、版製造ステップにおいて、設計情報DIに基づいて版の深さを制御することで、導電性パターンの膜厚を制御することもできる。
4.2.フォトリソグラフィー法
フォトリソグラフィー法では、マスク製造装置が、上記透明ヒータの設計方法により得られた設計情報DIに基づいて、マスクを製造するマスク製造ステップと、前記マスクを用いたフォトリソグラフィー法により、透明基材上に導電性パターンを形成し、透明ヒータを製造するヒータ製造ステップと、を有する、前記ヒータ製造ステップにおいて、設計情報DIに基づいて前記導電性パターンの膜厚を制御することにより、透明ヒータを製造する。
なお、フォトリソグラフィー法では、透明基材の上に金属膜を一様に形成し、その上に感光材料を塗付し、上記マスクを用いて露光後に現像し、不要な箇所の金属膜を取り除くことで、導電性細線を形成することができる。
ここで、フォトリソグラフィー法を実行する装置は、ヒータ製造ステップにおいて、設計情報DIに基づいて導電性パターンの膜厚を制御することができる。より具体的には、設計情報DIに基づいて、金属膜の厚みや現像条件等を制御することにより、導電性パターンの膜厚を制御することができる。
4.3.インクジェット法
インクジェット法では、印刷装置が、上記透明ヒータの設計方法により得られた設計情報DIに基づいて、透明基材上に導電性パターンを形成し、透明ヒータを製造するヒータ製造ステップを有することにより、透明ヒータを製造する。
例えば、設計情報DIに基づいて導電性パターンを形成することにより、細線パターンの形状や膜厚を任意に調整することができる。
5.透明ヒータ
本実施形態の設計方法により得られる透明ヒータは、その一例として、電源容量E0の電源に接続する透明ヒータであって、透明基材と、該透明基材の表面又は内部に形成された導電性パターンを有するヒータ部と、を備え、導電性パターンが、電源容量E0の±30%の範囲の消費電力Eを有するよう構成され、透過率Tが75%以上となるように構成されたものである。さらに、導電性パターンの視認性が低いことが好ましく、線幅が10μm以下のものが好ましい。
このように、導電性パターンを、電源容量E0の±30%の範囲の消費電力Eを有するよう構成され、透過率Tが75%以上となるように構成することにより、所望の透明性と発熱能力と放熱能力とを達成しつつ、所望の熱応答性能を達成できるような透明ヒータを得ることができる。
特には、電源容量E0の100~130%の範囲の消費電力Eを有するよう構成することにより、放熱能力が向上した透明ヒータを得ることができ、また、電源容量E0の70~100%の範囲の消費電力Eを有するよう構成することにより、放熱能力が向上した透明ヒータを得ることができる。以下、上記構成を満たすことを前提としたうえで、各パラメータの好ましい範囲について詳述する。
5.1.透明基材
透明基材110の「透明」とは、可視光透過率が、好ましくは80%以上であることをいい、より好ましくは90%以上であることをいい、さらに好ましくは95%以上であることをいう。ここで、可視光透過率は、JIS R 3106:1998に準拠して測定することができる。
透明基材110の材料としては、特に限定されないが、例えば、ガラス等の透明無機基材;アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリ塩化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ナイロン、芳香族ポリアミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリイミド、ポリエーテルイミド等の透明有機基材が挙げられる。このなかでも、コストの観点から、ポチエチレンテレフタレートが好ましい。また、耐熱性という観点では、ポリイミドが好ましい。さらに、導電性細線との密着性の観点から、ポリエチレンテレフタレート及びポリエチレンナフタレートが好ましい。
透明基材110は、1種の材料からなるものであっても、2種以上の材料が積層されたものであってもよい。また、2種以上の材料が積層されたものである場合、有機基材又は無機基材同士が積層されたものであっても、有機基材及び無機基材が積層されたものであってもよい。
透明基材110の膜厚は、好ましくは5~500μmであり、より好ましくは10~100μmである。
5.2.ヒータ部
ヒータ部120は、導電性パターン130を有する。図1に示されるように、ヒータ部120を構成する導電性パターン130は、例えば、導電性細線140から構成されるパターンである。導電性パターン130は、電極(不図示)を介して電源150に電気的に接続されており、電源150が導電性パターンに電流を流すことにより、導電性パターン130が発熱し、透明ヒータ100がヒータ機能を発揮する。
5.2.1.導電性パターン
導電性パターン130は、図1に示すような導電性細線140が交差するグリッドパターン(メッシュパターン)であってもよいし、ラインパターンであってもよい。導電性細線140により形成されるグリッドの単位形状は、特に限定されないが、例えば、三角形、四角形、六角形等が挙げられる。また、導電性細線140は、直線に限られず曲線や波線であってもよい。
5.2.1.1.ピッチP
導電性パターン130が四角形のグリッドパターンである場合、導電性パターン130のピッチP1,P2は、好ましくは5~1000μmであり、より好ましくは50~500μmであり、さらに好ましくは100~250μmである。導電性パターン130のピッチP1,P2が上記範囲内であることにより、ヒータ部120の透明性、発熱能力、及び放熱能力のバランスがより向上する傾向にある。なお、ピッチP1,P2は、線幅W21,W22と導電性細線140間の距離の和を意味する。
なお、導電性パターン130が正方形のグリッドパターンである場合には、ピッチP1,P2は同じ値となるが、導電性パターン130が長方形やひし形のグリッドパターンである場合には、交差する2方向の導電性細線140のそれぞれのピッチP1,P2を上記範囲に規定することが好ましい。
5.2.1.2.開口幅W2
導電性パターン130が四角形のグリッドパターンである場合、導電性細線140により囲まれる開口部141の開口幅W21,W22は、好ましくは40~2000μmであり、より好ましくは50~1500μmであり、さらに好ましくは60~1000μmである。開口幅W21,W22が上記範囲内であることにより、ヒータ部120の透明性、発熱能力、及び放熱能力のバランスがより向上する傾向にある。
なお、導電性パターン130が正方形のグリッドパターンである場合には、開口幅W21,W22は同じ値となるが、導電性パターン130が長方形やひし形のグリッドパターンである場合には、交差する2方向の導電性細線140のそれぞれの開口幅W21,W22を上記範囲に規定することが好ましい。
5.2.1.3.開口部面積SO及び開口率OR
導電性パターンは、開口幅W21,W22やピッチP1,P2に代えてあるいは加えて、開口部141の1つあたりの開口部面積SOや開口率ORを用いて表現してもよい。
開口部面積SOは、開口幅W21,W22やピッチP1,P2と同様の観点から、好ましくは1600μm2~4.00mm2であり、より好ましくは2500μm2~2.25mm2であり、さらに好ましくは3600μm2~1.00mm2である。なお、導電性パターン130が異なる大きさの開口部141を有する場合には、いずれの開口部も上記範囲を満たすことが好ましい。
開口率ORは、開口幅W21,W22やピッチP1,P2と同様の観点から、好ましくは80~99.9面積%であり、より好ましくは85~99.8面積%であり、さらに好ましくは90~99.6面積%であり、よりさらに好ましくは95~99.5面積%である。
5.2.2.導電性細線
導電性細線140は、金属を含む細線であることが好ましい。金属としては、特に限定されないが、例えば、金、銀、銅、アルミニウムが挙げられる。これらの中でも、銀又は銅が好ましく、銅がより好ましい。
5.2.2.1.線幅W1
導電性細線140の線幅W11,W12は、好ましくは0.25~10μmであり、より好ましくは0.5~7.5μmであり、さらに好ましくは1.0~5.0μmである。導電性細線140の線幅W11,W12が10μm以下であることにより、導電性細線140の視認性が低下し、ヒータ部120の透明性がより向上する傾向にある。また、導電性細線140の線幅W11,W12が0.25μm以上であることにより、発熱能力及び放熱能力がより向上する傾向にある。特に、導電性細線140の線幅W11,W12が上昇するにつれて、発熱能力よりも放熱能力が大きくなる傾向にある。
5.2.2.2.膜厚H
導電性細線140の膜厚Hは、好ましくは12.5~10000nmであり、より好ましくは40~6750nmあり、さらに好ましくは100~4000nmである。導電性細線140の膜厚Hが1000nm以下であることにより、広い視野角において視認性が低下する傾向にある。また、導電性細線140の膜厚Hが10nm以上であることにより、発熱能力及び放熱能力がより向上する傾向にある。特に、導電性細線140の膜厚Hが上昇するにつれて、発熱能力よりも放熱能力が大きくなる傾向にある。
5.2.2.3.アスペクト比
導電性細線140の線幅W1に対する膜厚Hで表されるアスペクト比(H/W1)は、好ましくは0.05~1.00であり、より好ましくは0.08~0.90であり、さらに好ましくは0.10~0.80である。導電性細線140のアスペクト比が上記範囲内であることにより、ヒータ部120の透明性、発熱能力、及び放熱能力のバランスがより向上する傾向にある。
5.3.透過率T
ヒータ部120の透過率Tは、好ましくは75~99.9%であり、より好ましくは80~99.8%であり、さらに好ましくは85~99.6%であり、よりさらに好ましくは90~99.5%である。本実施形態において透過率とは可視光の透過率を意味し、JIS K 7361-1:1997の全光線透過率に準拠して、その可視光(360~830nm)の範囲の透過率を算出することで測定することができる。
ヒータ部120の透過率Tは、導電性パターン130の線幅を小さくしたり、開口率を向上させたりすることにより、より向上する傾向にある。
5.4.シート抵抗率Rs
導電性パターン130のシート抵抗率Rsは、好ましくは0.1~1000Ω/sqであり、より好ましくは0.1~500Ω/sqであり、さらに好ましくは0.1~300Ω/sqであり、よりさらに好ましくは0.1~200Ω/sqであり、さらにより好ましくは0.1~100Ω/sqであり、さらにより好ましくは0.1~20Ω/sqであり、さらにより好ましくは0.1~10Ω/sqである。シート抵抗率Rsが上記範囲内であることにより、ヒータ部120発熱能力及び放熱能力のバランスがより向上する傾向にある。
シート抵抗率の測定方法では、まず、ヒータ部120から導電性パターン130が全面に配された部分を矩形状に切り出して、測定サンプルを得る。得られた測定サンプルからJIS K 7194:1994に準拠した四端子法によりシート抵抗率Rs(Ω/sq)を測定することができる。シート抵抗率の測定に用いられる抵抗率計としては、例えば、「ロレスターGP」(製品名、三菱化学株式会社製)が挙げられる。
シート抵抗率Rsは、導電性細線の同一の占有面積率でも、アスペクト比(膜厚)の増加にともない、低下する傾向にある。また、導電性細線を構成する金属材料種の選択によっても調整することが可能である。
以下、本発明を実施例及び比較例を用いてより具体的に説明する。本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
図6~7に例示されるような試算グラフデータを構築し、図10に示す設計方法のステップを処理可能なプログラムを作成し、パーソナルコンピュータにインストールした。
そして、下記前提条件を設定し、導電性パターンとして正方形のグリッドパターンを有するA4サイズ(297mm×210mm)の透明ヒータについて、設計を行った。
〔前提条件〕
透明基材:ポリエチレンテレフタレートフィルム
単位長さ:1mm(1mm四方)
厚さ :50μm
密度 :1380kg/m3
比熱 :115J/(kg・K)
熱伝導率:0.33W/(m・K)
導電性細線:銅
単位長さ :1mm(1mm四方)
アスペクト比:0.15μm
密度 :8880kg/m3
比熱 :386J/(kg・K)
熱伝導率 :398W/(m・K)
比抵抗 :4.5μΩ・cm
電源:
電源電圧:5V
電源容量:5W
加熱テスト条件
スタート温度:20°C
到達温度 :60°C
〔参考例〕
初めに、正解データを得るために、参考例として下記表1に示す線幅とピッチの情報を与え、開口率ROと透過率Tの算出と、試算グラフデータに基づくシート抵抗率と、抵抗で消費される電力Eを出力し、電源容量E0と電力Eからヒータ発熱能力を求めた。その結果を表1に示す。
Figure 0007489471000001
次いで、A4サイズ(297mm×210mm)の透明ヒータを構成したとした場合の、透明ヒータの熱容量と昇温に必要な熱量を求め、ヒータ発熱能力から、昇温時間を求めた結果を表2に示す。
Figure 0007489471000002
〔実施例〕
次いで、上記参考例で得られたデータを見ずに、所望の熱応答性(昇温時間)と透過率Tから、線幅とピッチの特定を、図10に示す設計方法のステップを処理可能なプログラムを用いて実行した。
初めに、昇温時間4.5秒以下の熱応答性と、透過率85%以上の透明性を有する透明ヒータを設計することを目的として設計処理を行った。その結果、例4,5,10,13を含む太さとパターン形状の組み合わせG33を特定することができた。
本発明の透明ヒータは、透明性を有する対象に貼り付けるヒータ、あるいは、非貼り付け対象の意匠性を損なわないヒータとして、産業上の利用可能性を有する。
100…透明ヒータ、110…透明基材、120…ヒータ部、130…導電性パターン、140…導電性細線、141…開口部、150…電源、300…情報処理装置、310…プロセッサ、320…通信インターフェース、330…入出力インターフェース、340…メモリ、341…オペレーティングシステム、342…ネットワーク通信部、343…設計処理部、344…表示制御部、350…ストレージ、360…通信バス、

Claims (18)

  1. 情報処理装置による、透明基材と、該透明基材の表面又は内部に形成された導電性パターンを有するヒータ部と、を備える透明ヒータの設計方法であって、
    前記情報処理装置が、
    前記透明ヒータの目的とする透過率T及び発熱能力Cに基づいて、前記導電性パターンを構成する導電性細線の太さに関する情報、及び、前記導電性パターンのパターン形状PATに関する情報を含む設計情報DIを算出する設計ステップを含み、
    前記設計情報DIを算出する前記設計ステップは、
    前記透明ヒータの目的とする熱応答性にさらに基づいて、前記設計情報DIを算出し、
    前記透過率Tに基づいて、太さとパターン形状の組み合わせG11を特定するステップA1と、
    前記組み合わせG11の中から、前記発熱能力Cに基づいて、太さとパターン形状の組み合わせG12を特定するステップB1と、
    前記組み合わせG12の中から、前記透明ヒータに要求される前記熱応答性を満たすような、前記太さとパターン形状の組み合わせG13を特定するステップC1と、を含む、
    透明ヒータの設計方法。
  2. 前記透過率T及び発熱能力Cを受け付けるステップをさらに含む、
    請求項1に記載の透明ヒータの設計方法。
  3. 前記設計情報DIが、前記透明ヒータに接続する電源容量E0に関する情報をさらに含む、
    請求項1又は2に記載の透明ヒータの設計方法。
  4. 前記設計情報DIが、前記透明ヒータの熱応答性に関する情報をさらに含む、
    請求項1~3いずれか一項に記載の透明ヒータの設計方法。
  5. 前記熱応答性を受け付けるステップをさらに含む、
    請求項に記載の透明ヒータの設計方法。
  6. 前記設計情報DIを算出する前記設計ステップは、
    前記発熱能力Cに基づいて、太さとパターン形状の組み合わせG21を特定するステップA2と、
    前記組み合わせG21の中から、前記透過率Tに基づいて、太さとパターン形状の組み合わせG22を特定するステップB2と、
    前記組み合わせG22の中から、前記透明ヒータに要求される前記熱応答性を満たすような、前記太さとパターン形状の組み合わせG23を特定するステップC2と、を含む、
    請求項に記載の透明ヒータの設計方法。
  7. 前記組み合わせG13又はG23が存在しない場合には、前記透過率Tを変更し、前記ステップA1乃至C1又はA2乃至C2を実行する、
    請求項に記載の透明ヒータの設計方法。
  8. 前記組み合わせG13又はG23が存在しない場合には、前記発熱能力Cを変更し、前記ステップA1乃至C1又はA2乃至C2を実行する、
    請求項に記載の透明ヒータの設計方法。
  9. 前記組み合わせG13又はG23が存在しない場合には、前記熱応答性を変更し、前記ステップA1乃至C1又はA2乃至C2を実行する、
    請求項に記載の透明ヒータの設計方法。
  10. 前記導電性細線の線幅W1が10μm以下である、
    請求項1~のいずれか一項に記載の透明ヒータの設計方法。
  11. 前記設計情報DIを表示装置に表示制御ステップをさらに含む、
    請求項1~10のいずれか一項に記載の透明ヒータの設計方法。
  12. 前記表示制御ステップにおいて、
    前記設計情報DIに加え、目的とする前記透過率T及び前記発熱能力Cと隣接する透過率T’及び発熱能力C’に基づいて算出した隣接設計情報DI’を前記表示装置に表示制御する、
    請求項11に記載の透明ヒータの設計方法。
  13. 前記設計情報DIを、マスク製造装置、版製造装置又は導電性パターン形成装置に送信するステップをさらに含む、
    請求項1~12のいずれか一項に記載の透明ヒータの設計方法。
  14. 情報処理装置に、透明基材と、該透明基材の表面又は内部に形成された導電性パターンを有するヒータ部と、を備える透明ヒータの設計方法を実行させるプログラムであって、
    前記情報処理装置に、
    前記透明ヒータの目的とする透過率T及び発熱能力Cに基づいて、前記導電性パターンを構成する導電性細線の太さに関する情報、及び、前記導電性パターンのパターン形状PATに関する情報を含む設計情報DIを算出する設計ステップを、実行させ、
    前記設計情報DIを算出する前記設計ステップは、
    前記透明ヒータの目的とする熱応答性にさらに基づいて、前記設計情報DIを算出し、
    前記透過率Tに基づいて、太さとパターン形状の組み合わせG11を特定するステップA1と、
    前記組み合わせG11の中から、前記発熱能力Cに基づいて、太さとパターン形状の組み合わせG12を特定するステップB1と、
    前記組み合わせG12の中から、前記透明ヒータに要求される前記熱応答性を満たすような、前記太さとパターン形状の組み合わせG13を特定するステップC1と、を、実行させる、
    プログラム。
  15. 透明基材と、該透明基材の表面又は内部に形成された導電性パターンを有するヒータ部と、を備える透明ヒータの設計方法を実行する情報処理装置であって、
    前記透明ヒータの目的とする透過率T及び発熱能力Cに基づいて、前記導電性パターンを構成する導電性細線の太さに関する情報、及び、前記導電性パターンのパターン形状PATに関する情報を含む設計情報DIを算出する設計ステップを実行する設計処理部を有し、
    前記設計情報DIを算出する前記設計処理部は、
    前記透明ヒータの目的とする熱応答性にさらに基づいて、前記設計情報DIを算出し、
    前記透過率Tに基づいて、太さとパターン形状の組み合わせG11を特定するステップA1と、
    前記組み合わせG11の中から、前記発熱能力Cに基づいて、太さとパターン形状の組み合わせG12を特定するステップB1と、
    前記組み合わせG12の中から、前記透明ヒータに要求される前記熱応答性を満たすような、前記太さとパターン形状の組み合わせG13を特定するステップC1と、を、実行する、
    情報処理装置。
  16. マスク製造装置が、請求項1~13のいずれか一項に記載の透明ヒータの設計方法により得られた設計情報DIに基づいて、マスクを製造するステップをさらに含む、
    マスクの製造方法。
  17. 版製造装置が、請求項1~13のいずれか一項に記載の透明ヒータの設計方法により得られた設計情報DIに基づいて、版を製造するステップをさらに含む、
    版の製造方法。
  18. 導電性パターン形成装置が、請求項1~13のいずれか一項に記載の透明ヒータの設計方法により得られた設計情報DIに基づいて、導電性パターンを形成し、透明ヒータを製造するステップをさらに含む、
    透明ヒータの製造方法。
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