JP4366292B2 - 電磁波シールドフィルム - Google Patents

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Description

本発明は、電子機器の内部に実装した電子部品を被い、電磁波を遮蔽する電磁波シールドフィルムに関する。
従来より、携帯電話機やデジタルカメラなどの電子機器の内部に実装したLSI(集積回路)等の電子部品を被い、電磁波を遮蔽する電磁波シールドフィルムがある(特許文献1)。該電磁波シールドフィルムは、例えば、樹脂フィルムの表面に金属箔の融着やめっき等により金属層を形成してなる。そして、該金属層によって電磁波を吸収することにより、電磁波をシールドする。即ち、上記電磁波シールドフィルムは、上記電子部品から発生する電磁波による他の部品への影響を防止したり、外部からの電磁波が上記電子部品に影響することを防止したりする。
しかしながら、電子機器における電子部品の高集積化、コンパクト化に伴い、電磁波シールドフィルムを配設すべき部分が小さく、狭くなる場合がある。この場合、電磁波シールドフィルムの金属層が他の電子部品と接触し、電子回路の短絡を招くおそれがある。また、金属層が露出していると、該金属層が腐食しやすくなり、充分な耐久性を得ることが困難となるおそれもある。
特開2003−60387号公報
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、電子回路の短絡を防止することができる耐久性に優れた電磁波シールドフィルムを提供しようとするものである。
本発明は、電子機器内に実装された電子部品の表面を被覆して電磁波を遮蔽する電磁波シールドフィルムであって、
該電磁波シールドフィルムは、樹脂からなる基材フィルムと、該基材フィルムの上面に積層した金属層と、該金属層の上面に積層した樹脂からなる保護フィルムとを有し、
該保護フィルムは、該保護フィルムの端縁を上記基材フィルムの端縁および上記金属層の端縁よりも外側に有しており、
上記電磁波シールドフィルムは柔軟性を有しており、
上記金属層は、上面側に配されて上記金属層の腐食を防止する防錆層と、該防錆層よりも電気抵抗率の低い導電層とからなり、該導電層は50〜500nmの厚みを有していることを特徴とする電磁波シールドフィルムにある(請求項1)。
次に、本発明の作用効果につき説明する。
上記電磁波シールドフィルムは、金属層の上面に保護フィルムを積層してなる。そのため、金属層の露出を防ぎ、その腐食を防止することができる。
また、上記保護フィルムは、端縁を上記基材フィルムの端縁よりも外側に有している。そのため、電磁波シールドフィルムを使用したとき、上記基材フィルムの上面に形成した金属層の端面をも保護フィルムで被うことができる。これにより、金属層の端面が露出することを防ぎ、電子回路の短絡を防ぐことができる。
以上のごとく、本発明によれば、電子回路の短絡を防止することができる耐久性に優れた電磁波シールドフィルムを提供することができる。
本発明(請求項1)において、上記保護フィルムの端縁は、上記基材フィルムの端縁よりも0.5〜2mm外側に配されていることが好ましい。
保護フィルムの端縁が基材フィルムの端縁よりも外側に突出した長さが0.5mm未満の場合には、電磁波シールドフィルムを電子部品の表面に貼着したとき、上記金属層を充分に被うことが困難となるおそれがある。一方、上記突出長さが2mmを超える場合には、電磁波シールドフィルムの充分なコンパクト化が困難となるおそれがある。
また、上記電磁波シールドフィルムは、厚みが30〜300μmであることが好ましい。これにより、充分な柔軟性を有する電磁波シールドフィルムを得ることができる。上記厚みが30μm未満の場合には、フィルム強度が不充分となるおそれがある。また、上記厚みが300μmを超える場合には、電磁波シールドフィルムの柔軟性を充分に得ることが困難となるおそれがある。
また、上記基材フィルム及び上記保護フィルムは、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム、ポリイミドフィルム、PEN(ポリエチレンナフタレート)フィルム、ポリエチレンフィルムなどの樹脂フィルムとすることができる。この中でも、耐熱性、耐久性、柔軟性、コスト等の観点から、PETフィルムが好ましい。
また、基材フィルムの厚みは、15〜50μmであることが好ましい。また、保護フィルムの厚みは、15〜75μmであることが好ましい。
また、上記電磁波シールドフィルムは、複数の電子部品を一度に被うものであってもよいし、個々の電子部品を個別に被うものであってもよい。
なお、本明細書において、「上面」とは便宜的に用いた語であり、電子部品に貼着したときに電子部品側とは反対側となる面をいう。逆に電子部品側となる面を「下面」という。
また、上記保護フィルムは、上記金属層を部分的に露出させる開口部を設けてなることが好ましい(請求項2)。
この場合には、容易に上記金属層をグランドに接続(接地)し、金属層に流れる電流を効率よく逃がすことができる。
また、上記金属層は、スパッタリングによって形成した膜からなることが好ましい(請求項3)。
この場合には、基材フィルムに対する密着力が高く、薄くて膜厚が均一で、かつ緻密な金属層を容易に形成することができる。
なお、本発明の電磁波シールドフィルムにおける金属層は、特にスパッタリング層に限らず、例えば、蒸着法を用いたり、金属箔を基材フィルム上に融着する方法を用いたりすることもできる。
また、上記金属層は、上面側に配されて上記金属層の腐食を防止する防錆層と、該防錆層よりも電気抵抗率の低い導電層とからなり、該導電層は50〜500nmの厚みを有する。
これにより、金属層の最表面に配される防錆層を腐食しにくい金属により構成し、その下層に配される導電層を電気抵抗率の充分に小さい金属により構成することができる。
これにより、導電層によって電磁波シールド効果を確保し、防錆層によって金属層の腐食を防止することができる。そのため、電磁波シールドフィルムの耐久性を確保しつつ電磁波シールド効果を向上させることができる。
また、上記導電層の厚みが50〜500nmであるため、電磁波シールド効果及び電磁波シールドフィルムの柔軟性を充分に確保することができる。また、フィルムの反り等の変形を防ぐことができる。
そのため、電磁波シールドフィルムの耐久性を確保しつつ電磁波シールド効果を向上させることができる。
上記導電層の厚みが50nm未満の場合には、電磁波シールド効果を充分に得ることが困難となるおそれがある。導電層の厚みが500nmを超える場合には、電磁波シールドフィルムの柔軟性を充分に確保することが困難となるおそれがある。また、フィルムの反り等の変形が生じるおそれがあると共に、生産性が低下するおそれがある。
また、上記金属層は、上記基材フィルムとの界面に配されて該基材フィルムとの密着を確保する密着層を有することが好ましい(請求項)。
この場合には、金属層における基材フィルムとの界面に配される密着層を、基材フィルムとの密着力の高い金属により構成することにより、金属層と基材フィルムとの密着性を確保することができる。
また、上記密着層は5〜50nmの厚みを有することが好ましい(請求項)。
この場合には、金属層と基材フィルムとの密着性を充分に確保することができると共に、フィルムの反り等の変形を防ぐことができる。
上記密着層の厚みが5nm未満の場合には、金属層と基材フィルムとの密着性を充分に確保することが困難となり、場合によっては、金属層が基材フィルムから剥がれるおそれがある。一方、密着層の厚みが50nmを超える場合には、フィルムの反り等の変形が生じるおそれがあると共に、生産性が低下するおそれがある。
また、上記防錆層は10〜50nmの厚みを有することが好ましい(請求項)。
この場合には、金属層の防錆効果を確保すると共に、フィルムの反り等の変形を防ぐことができる。
上記防錆層の厚みが10nm未満の場合には、金属層の防錆効果を確保することが困難となるおそれがある。防錆層の厚みが50nmを超える場合には、フィルムの反り等の変形が生じるおそれがあると共に、生産性が低下するおそれがある。
また、上記導電層は、電気抵抗率が50μΩcm以下であることが好ましい(請求項)。
この場合には、電磁波シールド効果を充分に有する電磁波シールドフィルムを得ることができる。また、金属層の厚みが小さくても、充分な導電性を確保することができるため、電磁波シールドフィルムの厚みを小さくして柔軟性を確保することが容易となる。
上記導電層の電気抵抗率が50μΩcmを超える場合には、充分な電磁波シールド効果を得ることが困難となるおそれがある。
電気抵抗率が50μΩcm以下を満足する導電層の材料としては、例えば、Cu(銅)、Ag(銀)、Au(金)、Al(アルミニウム)等の金属、若しくはその合金、例えば、AgとCuとの合金、CuとNiとの合金がある。
この中でも特に、上記導電層は、Cuからなることが好ましい(請求項)。
この場合には、電気抵抗率が充分に小さい導電層を安価に得ることができる。そのため、電磁波シールド効果に優れた安価な電磁波シールドフィルムを得ることができる。
また、上記防錆層は、ステンレス鋼からなることが好ましい(請求項)。
この場合には、耐腐食性に優れた金属層を容易に得ることができる。
なお、上記防錆層は、例えば、Ni(ニッケル)、Cr(クロム)、或いはNiとCrとの合金によって構成することもできる。
また、上記密着層についても、ステンレス鋼からなることが好ましく、Ni、Cr、或いはNiとCrとの合金によって構成することもできる。また、密着層と防錆層とは、同種材料であっても異種材料であってもよい。
(実施例1)
本発明の実施例にかかる電磁波シールドフィルムにつき、図1〜図8を用いて説明する。
本例の電磁波シールドフィルム1は、図7、図8に示すごとく、電子機器内のプリント基板50上に実装された電子部品5の表面を被覆して電磁波を遮蔽する。
図1に示すごとく、電磁波シールドフィルム1は、樹脂からなる基材フィルム2と、該基材フィルム2の上面に積層した金属層3と、該金属層3の上面に積層した樹脂からなる保護フィルム4、40とを有する。
保護フィルム40は、該保護フィルム40の端縁41を上記基材フィルム2の端縁21よりも外側に有している。
上記保護フィルム4、40は、2枚重ねられた状態で配設されている。即ち、金属層3の上面に粘着材層13によって直接貼り付けられた保護フィルム4と、該保護フィルム4の上から、粘着材層15によって貼り付けられた保護フィルム40とが重ねられている。そして、上側の保護フィルム40の端縁41が、上記基材フィルム2の端縁21よりも外側に位置している。
上記電磁波シールドフィルム1は、全体の厚みが50〜300μmである。
また、上記基材フィルム2及び保護フィルム4は、PETフィルムからなる。基材フィルム2の厚みは、例えば15〜50μmとすることができる。
保護フィルム4の厚みは、例えば15〜75μmとすることができる。これは、下記の実施例3に示すごとく、金属層3の上面を部分的に露出させる加工を行う場合などにその加工を容易にすると共に、電磁波シールドフィルムの柔軟性を確保するためである。
また、上記粘着材層13、15は、例えばアクリル系樹脂等からなる。
図1に示すごとく、上記金属層3は、基材フィルム2との界面に配されて該基材フィルム2との密着を確保する密着層31と、該密着層31と反対側の面に配されて上記金属層3の腐食を防止する防錆層33と、密着層31と防錆層33との間に配されるとともに密着層31及び防錆層33よりも電気抵抗率の低い導電層32とからなる。
上記密着層31は5〜50nmの厚みを有し、上記防錆層33は10〜50nmの厚みを有し、上記導電層32は50〜500nmの厚みを有する。
また、上記金属層3は、スパッタリングによって形成した膜からなる。
上記導電層32は、電気抵抗率が50μΩcm以下であり、具体的には、Cu(銅)によって構成する。
上記密着層31及び上記防錆層33は、ステンレス鋼(SUS)からなる。
また、図5に示すごとく、基材フィルム2の下面(金属層3配設面と反対側の面)には、アクリル系樹脂等からなる粘着材層11を予め設けておくことが好ましい。この場合、使用前において粘着材層11を保護するための離型フィルム12を粘着材層11の下面に貼着しておく。
また、上記電磁波シールドフィルム1は、図7に示すごとく、個々の電子部品5を個別に被うものであってもよいし、図8に示すごとく、複数の電子部品5を一度に被うものであってもよい。
以下に、本例の電磁波シールドフィルム1の製造方法の一例につき、説明する。
まず、幅500mm、厚さ20μmからなるPETフィルム(ポリエチレンテレフタレートフィルム)からなる基材フィルム2を200mの長さ分、送り出しロールに巻いて樹脂フィルム成膜用のスパッタ装置内に設置する。
その後、成膜する金属層3と基材フィルム2との密着性、及び金属層3の電気的特性の向上を目的とし、ターボ分子ポンプを用い、スパッタ装置を5×10-4Paの高真空に真空引きし、スパッタ装置内の残留ガス、水分量を減らす。
このように高真空にスパッタ装置を真空引きした状態で、基材フィルム2を送り出しロールから巻き取りロールへ送りながら、スパッタ成膜を行なう。
まず金属層3における第1層である密着層21を成膜するに当っては、フィルム送りスピードを1.2m/分として基材フィルム2を搬送しつつ、ステンレス鋼(SUS)からなる金属ターゲット材料を設置した成膜室内のカソード電極に対して、アルゴン(Ar)ガスを200cc/分の量で導入する。そして、パルス波形を印加できるパルス型のDC(直流)電源を用い、基材フィルム2とターゲット材料との間に1.5kWの電力パワーで200Vの高電圧を印加する。
これにより、基材フィルム2上にSUSの金属膜を25nmの厚さで成膜して密着層31を形成しつつ、巻き取りロールにフィルムを巻き取る。
次いで、SUS金属からなる密着層31の上に、電磁波シールドの重要な役割を果たす低抵抗金属層としての導電層32の成膜を行なう。
即ち、まず、上記のごとく密着層31を成膜してロール状に巻き取られたフィルムを、フィルム送りスピードを0.3m/分にて送り出し、Cuターゲット材料を設置した成膜室内のカソード電極に対して、アルゴンガスを200cc/分の量で導入する。そして、パルス型のDC(直流)電源を用い、フィルムとターゲット材料との間に6.0kWの電力パワーで350Vの高電圧を印加する。
これにより、SUSからなる密着層31の上に、Cuからなる導電層32を200nmの厚さで成膜する。
次いで、Cuからなる導電層32の上に、防錆効果を発揮する防錆層33の成膜を行う。
即ち、密着層31および導電層32を成膜したフィルムを、フィルム送りスピード1.2m/分にて搬送しつつ、SUSターゲット材料を設置した成膜室内のカソード電極に対して、アルゴンガスを200cc/分の量で導入する。そして、パルス型のDC(直流)電源を用い、フィルムとターゲット材料間に1.5kWの電力パワーで、200Vの高電圧を印加する。
これにより、Cuからなる導電層32の上に、ステンレス鋼(SUS金属)からなる防錆層33を25nmの厚さで成膜する。
このようにして、図2に示すごとく、基材フィルム2上に三層の金属層3(密着層31、導電層32、防錆層33)を設けてなる電磁波シールドフィルム1を、金属膜付きロールフィルムの状態で作製する。
次に、図3に示すごとく、この金属膜付きロールフィルム(図2の電磁波シールドフィルム1)の樹脂フィルム2の下面(金属層3と反対側の面)に、厚さ20μmからなるアクリル系の粘着材層11を形成する。これにより、LSIなどの電子部品に容易に貼り合わせることが可能なフィルムとする。また、使用前において粘着材層11を保護するための離型フィルム12を、粘着材層11の下面に貼着する。
さらに、図3に示す粘着材層11を設けた金属膜付きロールフィルムにおける金属層3の上面に、厚さ20μmのPETからなる保護フィルム4を粘着材層13を介して貼り合わせる(図4)。これにより、短絡防止及び金属層3の防錆効果を上げることができる積層フィルム1aとする。
次に、図4に示す積層フィルム1aを、LSI等の電子部品の形状に合わせて型抜きを行なうことで、図5に示すごとく、例えば6mm×17mmの大きさに個片化する。ただし、離型フィルム12は、個片化することなく連続している。
次に、図6に示すごとく、上記保護フィルム4の上面に、更に保護フィルム40を、粘着材層15を介して貼り合わせる。そして、上記保護フィルム40を、個片化した積層フィルム1aの外形よりも大きな外形となるように切断する。即ち、保護フィルム40の端縁41が基材フィルム2の端縁21よりも外側となるように切断する。例えば、基材フィルム2の寸法を6mm×17mmとしたとき、保護フィルム40の寸法を8mm×19mmとする。
これにより、離型シート12上に、多数の個片化した電磁波シールドフィルム1を得る。
なお、図1〜図8は、便宜上、フィルムの厚さ、フィルムの幅など、縦横の尺度については考慮せずに描いてある。後述する図9〜11についても同様である。
また、本実施例においては、密着層31に厚さ5〜50nmのステンレス鋼からなる層を用いたが、密着性を上げる他の方法としては、例えば、導電層32の成膜前にアルゴンガスを導入した真空度1torr(133Pa)チャンバー雰囲気で、周波数20kHz、印加電圧200Vを加えることで、プラズマ処理による樹脂フィルム(基材フィルム2)のクリーニングを行い、密着性を上げることもできる。
ただし、高い信頼性を得るため、本実施例では密着層31を具備することとした。またこの密着層31には、SiO2やTiO2などの酸化膜からなる層を用いても構わないが、酸化膜の成膜レートは低いため、価格の点から金属を用いることとした。
次に、本例の作用効果につき説明する。
上記電磁波シールドフィルム1は、図1に示すごとく、金属層3の上面に保護フィルム4、40を積層してなる。そのため、金属層3の露出を防ぎ、その腐食を防止することができる。
また、上記保護フィルム40は、端縁41を上記基材フィルム2の端縁21よりも外側に有している。そのため、図7、図8に示すごとく、電磁波シールドフィルム1を使用したとき、上記基材フィルム2の上面に形成した金属層3の端面34をも保護フィルム40で被うことができる。これにより、金属層3の端面34が露出することを防ぎ、電子回路の短絡を防ぐことができる。
また、上記金属層3は、スパッタリングによって形成した膜からなるため、基材フィルム2に対する密着力が高く、薄くて膜厚が均一で、かつ緻密な金属層3を容易に形成することができる。
また、金属層3は、厚み5〜50nmの密着層31と、厚み10〜50nmの防錆層33と、厚み50〜500nmの導電層32とからなる。即ち、基材フィルム2との界面に配される密着層31を基材フィルム2との密着力の高い金属により構成し、最表面に配される防錆層33を腐食しにくい金属により構成し、両者の間に配される導電層32を電気抵抗率の充分に小さい金属により構成することができる。
これにより、密着層31によって金属層3と基材フィルム2との密着性を確保し、導電層32によって電磁波シールド効果を確保し、防錆層32によって金属層3の腐食を防止することができる。そのため、電磁波シールドフィルム1の耐久性を確保しつつ電磁波シールド効果を向上させることができる。
また、上記密着層31の厚みが5〜50nmであるため、金属層3と基材フィルム2との密着性を充分に確保することができると共に、フィルムの反り等の変形を防ぐことができる。
また、上記導電層32の厚みが50〜500nmであるため、電磁波シールド効果及び電磁波シールドフィルム1の柔軟性を充分に確保することができる。また、フィルムの反り等の変形を防ぐことができる。
また、上記防錆層33の厚みが10〜50nmであるため、金属層3の防錆効果を確保すると共に、フィルムの反り等の変形を防ぐことができる。
また、導電層32の電気抵抗率が50μΩcm以下であるため、電磁波シールド効果を充分に有する電磁波シールドフィルム1を得ることができる。また、電気抵抗率を低くすることにより、金属層3の厚みが小さくても充分な導電性を確保することができる。その結果、電磁波シールドフィルム1の厚みを小さくして柔軟性を確保することが容易となる。
そして、導電層32をCuによって構成することにより、電気抵抗率が充分に小さい導電層32を安価に得ることができ、電磁波シールド効果に優れた安価な電磁波シールドフィルム1を得ることができる。
また、密着層31及び防錆層33は、ステンレス鋼からなるため、基材フィルム2との密着性を充分に確保すると共に、耐腐食性に優れた金属層3を容易に得ることができる。
また、小さくて柔軟性のある電磁波シールドフィルム1とすることができるため、狭い場所における電磁波の遮蔽を目的とする使用を可能とする。例えば、携帯電話などコンパクトな電子機器の内部に配設された電子部品を容易に被覆することができる。
以上のごとく、本例によれば、電子回路の短絡を防止することができる耐久性に優れた電磁波シールドフィルムを提供することができる。
(実施例2)
本例は、図9に示すごとく、基材フィルム2よりも外形が大きい保護フィルム40を、金属層3の上面に直接貼設した電磁波シールドフィルム1の例である。
即ち、実施例1における電磁波シールドフィルム1が、図1に示すごとく、基材フィルム2と同寸法の保護フィルム4と、それよりも外形の大きい保護フィルム40とを積層したのに対し、本例の電磁波シールドフィルム1は、図9に示すごとく、外形の大きい保護フィルム40を単独で積層したものである。
本例の電磁波シールドフィルム1は、実施例1において示した、導電層3を設けた後、保護フィルム4を設ける前の状態(図3)で、小片状に型抜きしたものに対して、外形の大きな保護フィルム40を貼り合わせることにより得られる。
その他は、実施例1と同様である。
本例の場合には、電磁波シールドフィルム1の厚みを小さくすることができ、柔軟性に優れた電磁波シールドフィルム1を容易に得ることができる。
その他、実施例1と同様の作用効果を有する。
ただし、金属層3を成膜した後、数々の工程を経て保護フィルム40を配設するに至るまでの間の経時変化による腐食を考慮した場合や、耐候性が高く要求される場合等には、実施例1に示す、保護フィルム4、40が二重に積層された電磁波シールドフィルム1の方が有利である。
(実施例3)
本例は、図10、図11に示すごとく、保護フィルム40に、金属層3を部分的に露出させる開口部42を設けてなる電磁波シールドフィルム10の例である。
図10に示す電磁波シールドフィルム10は、実施例2において示した電磁波シールドフィルム1(図9)に適用したものである。
なお、本例は、実施例1において示した電磁波シールドフィルム1(図1)に適用することもできる。この場合、開口部42は、2つの保護フィルム4、40に連続して形成する。
その他は、実施例1と同様である。
この場合には、容易に金属層3をグランドに接続(接地)し、金属層3に流れる電流を効率よく逃がすことができる。
その他、実施例1と同様の作用効果を有する。
上記実施例1〜3においては、金属層を、密着層と導電層と防錆層とからなる三層構造とした例を示したが、本発明は、三層構造の金属層を有する電磁波シールドフィルムに限られるものではない。
実施例1における、電磁波シールドフィルムの断面図。 実施例1における、樹脂フィルムの上面に金属層を成膜した状態を示す断面説明図。 実施例1における、樹脂フィルムの下面に粘着材層を設けた状態を示す断面説明図。 実施例1における、金属層の上面に1枚目の保護フィルムを積層した状態を示す断面説明図。 実施例1における、積層フィルムを個片化した状態を示す断面説明図。 実施例1における、離型フィルム上に個片状に形成した電磁波シールドフィルムの断面説明図。 実施例1における、個々の電子部品を個別に被う電磁波シールドフィルムの使用態様を示す断面説明図。 実施例1における、複数の電子部品を一度に被う電磁波シールドフィルムの使用態様を示す断面説明図。 実施例2における、電磁波シールドフィルムの断面図。 実施例3における、電磁波シールドフィルムの断面図。 実施例3における、電磁波シールドフィルムの平面図。
符号の説明
1、10 電磁波シールドフィルム
2 基材フィルム
21 端縁
3 金属層
31 密着層
32 導電層
33 防錆層
4、40 保護フィルム
41 端縁
5 電子部品

Claims (9)

  1. 電子機器内に実装された電子部品の表面を被覆して電磁波を遮蔽する電磁波シールドフィルムであって、
    該電磁波シールドフィルムは、樹脂からなる基材フィルムと、該基材フィルムの上面に積層した金属層と、該金属層の上面に積層した樹脂からなる保護フィルムとを有し、
    該保護フィルムは、該保護フィルムの端縁を上記基材フィルムの端縁および上記金属層の端縁よりも外側に有しており、
    上記電磁波シールドフィルムは柔軟性を有しており、
    上記金属層は、上面側に配されて上記金属層の腐食を防止する防錆層と、該防錆層よりも電気抵抗率の低い導電層とからなり、該導電層は50〜500nmの厚みを有していることを特徴とする電磁波シールドフィルム。
  2. 請求項1において、上記保護フィルムは、上記金属層を露出させる開口部を設けてなることを特徴とする電磁波シールドフィルム。
  3. 請求項1又は2において、上記金属層は、スパッタリングによって形成した膜からなることを特徴とする電磁波シールドフィルム。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項において、上記金属層は、上記基材フィルムとの界面に配されて該基材フィルムとの密着を確保する密着層を有することを特徴とする電磁波シールドフィルム。
  5. 請求項4において、上記密着層は5〜50nmの厚みを有することを特徴とする電磁波シールドフィルム。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項において、上記防錆層は10〜50nmの厚みを有することを特徴とする電磁波シールドフィルム。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項において、上記導電層は、電気抵抗率が50μΩcm以下であることを特徴とする電磁波シールドフィルム。
  8. 請求項7において、上記導電層は、Cuからなることを特徴とする電磁波シールドフィルム。
  9. 請求項1〜8のいずれか一項において、上記防錆層は、ステンレス鋼からなることを特徴とする電磁波シールドフィルム。
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