JP2016030277A - パッケージ基板の加工方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】パッケージデバイスの品質を低下させることなくパッケージ基板を個々のパッケージデバイスに分割することができるパッケージ基板の加工方法を提供する。【解決手段】熱拡散基板の表面に格子状に形成された分割予定ラインによって区画された複数の領域にそれぞれデバイスが配置され、該複数のデバイスを樹脂によって被覆したパッケージ基板を分割予定ラインに沿って個々のパッケージデバイスに分割するパッケージ基板の加工方法であって、パルス幅が数μs以下に設定されたCO2レーザーのパルスレーザー光線をパッケージ基板の分割予定ラインに沿って照射し、複数のデバイスを被覆した樹脂を分割予定ラインに沿って除去することにより熱拡散基板の表面を分割予定ラインに沿って露出させる樹脂除去工程と、波長が略1μmのレーザー光線を樹脂が除去された分割予定ラインに沿って照射し、熱拡散基板を分割予定ラインに沿って分割することにより個々のパッケージデバイスを生成するパッケージデバイス生成工程とを含む。【選択図】図6
Description
熱拡散基板の表面に格子状に形成された分割予定ラインによって区画された複数の領域にそれぞれデバイスが配置され、該複数のデバイスを樹脂層によって被覆したパッケージ基板を分割予定ラインに沿って分割するパッケージ基板の加工方法に関する。
IC、LSI、LED等のデバイスは、発熱により機能の低下を招かないようにヒートシンクと呼ばれる熱拡散基板に配設して用いられる場合がある。このように熱拡散基板にデバイスが配設されたパッケージデバイスは、熱拡散基板の表面に複数のデバイスが配設されたパッケージ基板を分割することによって製造される。なお、熱拡散基板は、ステンレス鋼や銅等の金属の他、窒化アルミニウムなどの熱伝導率の高いセラミックスによって形成される(例えば特許文献1参照)。
パッケージ基板は、熱拡散基板の表面に分割予定ラインとなる所定の間隔を持って複数のデバイスがボンド剤を介して配設されるとともに、分割予定ラインとなる所定の間隔を埋めるように合成樹脂が被覆されて構成される。
上記パッケージ基板を分割予定ラインに沿って切断し個々のパッケージデバイスに分割するには、ダイサーと呼ばれる切削ブレードを備えた切削装置が用いられている。
また、パッケージ基板を分割予定ラインに沿って切断する方法として、分割予定ラインに沿ってレーザー光線を照射する方法も用いられている。
また、パッケージ基板を分割予定ラインに沿って切断する方法として、分割予定ラインに沿ってレーザー光線を照射する方法も用いられている。
而して、切削ブレードを備えた切削装置によってパッケージ基板を分割予定ラインに沿って切断すると、加工送り速度が30mm/秒程度と低速に設定しなければならず、生産性が悪いという問題がある。また、切削ブレードによってパッケージ基板を分割予定ラインに沿って切断すると、熱拡散基板が金属で形成されている場合はバリが発生してパッケージデバイスの品質を低下させるという問題がある。
一方、パッケージ基板の分割予定ラインに沿ってレーザー光線を照射することによりパッケージ基板を分割予定ラインに沿って切断する方法においては、合成樹脂が溶融してパッケージデバイスの品質を著しく低下させるという問題がある。
一方、パッケージ基板の分割予定ラインに沿ってレーザー光線を照射することによりパッケージ基板を分割予定ラインに沿って切断する方法においては、合成樹脂が溶融してパッケージデバイスの品質を著しく低下させるという問題がある。
本発明は上記事実に鑑みてなされたものであり、その主たる技術的課題は、パッケージデバイスの品質を低下させることなくパッケージ基板を個々のパッケージデバイスに分割することができるパッケージ基板の加工方法を提供することにある。
上記主たる技術的課題を解決するため、本発明によれば、熱拡散基板の表面に格子状に形成された分割予定ラインによって区画された複数の領域にそれぞれデバイスが配置され、該複数のデバイスを樹脂によって被覆したパッケージ基板を分割予定ラインに沿って個々のパッケージデバイスに分割するパッケージ基板の加工方法であって、
パルス幅が数μs以下に設定されたCO2レーザーのパルスレーザー光線をパッケージ基板の分割予定ラインに沿って照射し、該複数のデバイスを被覆した樹脂を分割予定ラインに沿って除去することにより熱拡散基板の表面を分割予定ラインに沿って露出させる樹脂除去工程と、
波長が略1μmのレーザー光線を樹脂が除去された分割予定ラインに沿って照射し、熱拡散基板を分割予定ラインに沿って分割することにより個々のパッケージデバイスを生成するパッケージデバイス生成工程と、を含む、
ことを特徴とするパッケージ基板の加工方法が提供される。
パルス幅が数μs以下に設定されたCO2レーザーのパルスレーザー光線をパッケージ基板の分割予定ラインに沿って照射し、該複数のデバイスを被覆した樹脂を分割予定ラインに沿って除去することにより熱拡散基板の表面を分割予定ラインに沿って露出させる樹脂除去工程と、
波長が略1μmのレーザー光線を樹脂が除去された分割予定ラインに沿って照射し、熱拡散基板を分割予定ラインに沿って分割することにより個々のパッケージデバイスを生成するパッケージデバイス生成工程と、を含む、
ことを特徴とするパッケージ基板の加工方法が提供される。
上記熱拡散基板はステンレス鋼、銅等の金属材で形成され、樹脂はエポキシ樹脂である。
本発明によるパッケージ基板の加工方法は、パッケージ基板の分割予定ラインに沿ってパルスレーザー光線を照射し、複数のデバイスを被覆した樹脂を分割予定ラインに沿って除去することにより熱拡散基板の表面を分割予定ラインに沿って露出させる樹脂除去工程において照射するパルスレーザー光線は、被覆された樹脂(エポキシ樹脂)に対して吸収性の良好なCO2レーザーが用いられるとともに、パルス幅が数μs以下と短く設定されているので、熱拡散基板に残渣を残すことなく樹脂を高速で除去することができる。
また、樹脂が除去された分割予定ラインに沿って照射し、熱拡散基板を分割予定ラインに沿って分割することにより個々のパッケージデバイスを生成するパッケージデバイス生成工程において照射するレーザー光線は、波長が略1μmのレーザー光線が用いられるので、熱拡散基板をバリを発生させることなく高速で切断できるので、品質の良いパッケージデバイスを生成することができる。
また、樹脂が除去された分割予定ラインに沿って照射し、熱拡散基板を分割予定ラインに沿って分割することにより個々のパッケージデバイスを生成するパッケージデバイス生成工程において照射するレーザー光線は、波長が略1μmのレーザー光線が用いられるので、熱拡散基板をバリを発生させることなく高速で切断できるので、品質の良いパッケージデバイスを生成することができる。
以下、本発明によるパッケージ基板の加工方法の好適な実施形態について、添付図面を参照して、更に詳細に説明する。
図1の(a)および(b)には、被加工物としてのパッケージ基板の斜視図および断面図が示されている。図1の(a)および(b)に示すパッケージ基板2は、厚みが400μmのステンレス鋼、銅等の金属からなる熱拡散基板21の表面21aに格子状の分割予定ライン22となる所定の間隔を持って複数のLED等のデバイス23がボンド剤を介して配設されるとともに、分割予定ライン22となる所定の間隔を埋めるとともにデバイス23を覆うようにエポキシ樹脂24が被覆されて構成される。なお、エポキシ樹脂24は、熱拡散基板21の表面21aから例えば300μmの厚みで形成されている。
上記パッケージ基板2を複数の分割予定ライン22に沿って分割する加工方法について説明する。
図2には、本発明によるパッケージ基板の加工方法を実施するためのレーザー加工装置の斜視図が記載されている。図2に示すレーザー加工装置3は、静止基台30と、該静止基台30に矢印Xで示す加工送り方向Xに移動可能に配設され被加工物であるパッケージ基板2を保持する保持テーブル機構4と、静止基台30に加工送り方向Xと直交する矢印Yで示す割り出し送り方向に移動可能に配設されたレーザー光線照射ユニット支持機構5と、該レーザー光線照射ユニット支持機構5に矢印Zで示す集光点位置調整方向に移動可能に配設されたレーザー光線照射ユニット6とを具備している。
図2には、本発明によるパッケージ基板の加工方法を実施するためのレーザー加工装置の斜視図が記載されている。図2に示すレーザー加工装置3は、静止基台30と、該静止基台30に矢印Xで示す加工送り方向Xに移動可能に配設され被加工物であるパッケージ基板2を保持する保持テーブル機構4と、静止基台30に加工送り方向Xと直交する矢印Yで示す割り出し送り方向に移動可能に配設されたレーザー光線照射ユニット支持機構5と、該レーザー光線照射ユニット支持機構5に矢印Zで示す集光点位置調整方向に移動可能に配設されたレーザー光線照射ユニット6とを具備している。
上記保持テーブル機構4は、静止基台30上に加工送り方向Xに沿って平行に配設された一対の案内レール41、41と、該案内レール41、41上に加工送り方向Xに移動可能に配設された第1の滑動ブロック42と、該第1の滑動ブロック42上に割り出し送り方向Yに移動可能に配設された第2の滑動ブロック43と、該第2の滑動ブロック43上に円筒部材44によって支持されたカバーテーブル45と、被加工物保持手段としての保持テーブル46を具備している。保持テーブル46は、図3に示すように矩形状に形成され表面中央部に上記パッケージ基板2を吸引保持する吸引保持部460が突出して設けられている。吸引保持部460の上面(保持面)にはパッケージ基板2に形成された分割予定ライン22と対応する領域に逃げ溝461が格子状に形成されている。なお、逃げ溝461の幅は1mm以上に形成されており、パッケージ基板2に形成された分割予定ライン22が所定範囲内に位置付けられるようになっている。また、吸引保持部460には、分割予定ライン22によって区画された複数の領域にそれぞれ吸引孔462が形成されており、この吸引孔462が図示しない吸引手段に連通されている。このように構成された保持テーブル46は、円筒部材44内に配設された図示しないパルスモータによって回転せしめられる。
上記第1の滑動ブロック42は、その下面に上記一対の案内レール41、41と嵌合する一対の被案内溝421、421が設けられているとともに、その上面にY軸方向に沿って平行に形成された一対の案内レール422、422が設けられている。このように構成された第1の滑動ブロック42は、被案内溝421、421が一対の案内レール41、41に嵌合することにより、一対の案内レール41、41に沿って加工送り方向Xに移動可能に構成される。図示の実施形態における保持テーブル機構4は、第1の滑動ブロック42を一対の案内レール41、41に沿って加工送り方向Xに移動させるための加工送り手段47を具備している。この加工送り手段47は、上記一対の案内レール41と41の間に平行に配設された雄ネジロッド471と、該雄ネジロッド471を回転駆動するためのパルスモータ472等の駆動源を含んでいる。雄ネジロッド471は、その一端が上記静止基台30に固定された軸受ブロック473に回転自在に支持されており、その他端が上記パルスモータ472の出力軸に伝動連結されている。なお、雄ネジロッド471は、第1の滑動ブロック42の中央部下面に突出して設けられた図示しない雌ネジブロックに形成された貫通雌ネジ穴に螺合されている。従って、パルスモータ472によって雄ネジロッド471を正転および逆転駆動することにより、第1の滑動ブロック42は案内レール41、41に沿って加工送り方向Xに移動せしめられる。
上記第2の滑動ブロック43は、その下面に上記第1の滑動ブロック42の上面に設けられた一対の案内レール422、422と嵌合する一対の被案内溝431、431が設けられており、この被案内溝431、431を一対の案内レール422、422に嵌合することにより、割り出し送り方向Yに移動可能に構成される。図示の保持テーブル機構4は、第2の滑動ブロック43を第1の滑動ブロック42に設けられた一対の案内レール422、422に沿ってY軸方向に移動させるための第1の割り出し送り手段48を具備している。この第1の割り出し送り手段48は、上記一対の案内レール422と422の間に平行に配設された雄ネジロッド481と、該雄ネジロッド481を回転駆動するためのパルスモータ482等の駆動源を含んでいる。雄ネジロッド481は、その一端が上記第1の滑動ブロック42の上面に固定された軸受ブロック483に回転自在に支持されており、その他端が上記パルスモータ482の出力軸に伝動連結されている。なお、雄ネジロッド481は、第2の滑動ブロック43の中央部下面に突出して設けられた図示しない雌ネジブロックに形成された貫通雌ネジ穴に螺合されている。従って、パルスモータ482によって雄ネジロッド481を正転および逆転駆動することにより、第2の滑動ブロック43は案内レール422、422に沿って割り出し送り方向Yに移動せしめられる。
上記レーザー光線照射ユニット支持機構5は、静止基台30上に割り出し送り方向Yに沿って平行に配設された一対の案内レール51、51と、該案内レール51、51上に割り出し送り方向Yに移動可能に配設された可動支持基台52を具備している。この可動支持基台52は、案内レール51、51上に移動可能に配設された移動支持部521と、該移動支持部521に取り付けられた装着部522とからなっている。装着部522は、一側面に集光点位置調整方向Zに延びる一対の案内レール523、523が平行に設けられている。図示のレーザー光線照射ユニット支持機構5は、可動支持基台52を一対の案内レール51、51に沿って割り出し送り方向Yに移動させるための第2の割り出し送り手段53を具備している。この第2の割り出し送り手段53は、上記一対の案内レール51、51の間に平行に配設された雄ネジロッド531と、該雄ネジロッド531を回転駆動するためのパルスモータ532等の駆動源を含んでいる。雄ネジロッド531は、その一端が上記静止基台30に固定された図示しない軸受ブロックに回転自在に支持されており、その他端が上記パルスモータ532の出力軸に伝動連結されている。なお、雄ネジロッド531は、可動支持基台52を構成する移動支持部521の中央部下面に突出して設けられた図示しない雌ネジブロックに形成された雌ネジ穴に螺合されている。このため、パルスモータ532によって雄ネジロッド531を正転および逆転駆動することにより、可動支持基台52は案内レール51、51に沿って割り出し送り方向Yに移動せしめられる。
図示の実施形態のおけるレーザー光線照射ユニット6は、ユニットホルダ61と、該ユニットホルダ61に取り付けられた第1のレーザー光線照射手段62と、第2のレーザー光線照射手段63を具備している。ユニットホルダ61は、上記可動支持基台52の装着部522に設けられた一対の案内レール523、523に摺動可能に嵌合する一対の被案内溝611、611が設けられており、この被案内溝611、611を上記案内レール523、523に嵌合することにより、集光点位置調整方向Zに移動可能に支持される。
上記第1のレーザー光線照射手段62は、実質上水平に配置された円筒形状のケーシング621を含んでいる。ケーシング621内には図示しないCO2レーザー発振器や繰り返し周波数設定手段を備えたパルスレーザー光線発振手段が配設されている。上記ケーシング621の先端部には、パルスレーザー光線発振手段から発振されたパルスレーザー光線を集光するための集光器622が装着されている。集光器622は、図4に示すようにハウジング623と、該ハウジング623内に配設され図示しないパルスレーザー光線発振手段から発振されたパルスレーザー光線を集光する集光レンズ624とからなっている。この集光器622を構成するハウジング623における集光レンズ624の下方には、下方に向けて絞られた空気室623aが形成され、下端に噴出口623bが設けられている。また、ハウジング623の下部には、空気室623aに開口するアシストガス導入口623cが設けられており、このアシストガス導入口623cが図示しないアシストガス供給手段に接続されている。
図2に戻って説明を続けると、上記第2のレーザー光線照射手段63は、実質上水平に配置された円筒形状のケーシング631を含んでいる。ケーシング631内には図示しないYAGレーザー発振器や繰り返し周波数設定手段を備えたパルスレーザー光線発振手段が配設されている。上記ケーシング631の先端部には、パルスレーザー光線発振手段から発振されたパルスレーザー光線を集光するための集光器632が装着されている。集光器632は、上記第1のレーザー光線照射手段62の集光器622と同様の構成であり、図5に示すようにハウジング633と、該ハウジング633内に配設され図示しないパルスレーザー光線発振手段から発振されたパルスレーザー光線を集光する集光レンズ634とからなっている。この集光器632を構成するハウジング633における集光レンズ634の下方には、下方に向けて絞られた空気室633aが形成され、下端に噴出口633bが設けられている。また、ハウジング633の下部には、空気室633aに開口するアシストガス導入口633cが設けられており、このアシストガス導入口633cが図示しないアシストガス供給手段に接続されている。
図2を参照して説明を続けると、レーザー光線照射ユニット6は、ユニットホルダ61を一対の案内レール523、523に沿って集光点位置調整方向Zに移動させるための集光点位置調整手段64を具備している。集光点位置調整手段64は、一対の案内レール523、523の間に配設された雄ネジロッド(図示せず)と、該雄ネジロッドを回転駆動するためのパルスモータ642等の駆動源を含んでおり、パルスモータ642によって図示しない雄ネジロッドを正転および逆転駆動することにより、ユニットホルダ61および第1のレーザー光線照射手段62、第2のレーザー光線照射手段63を案内レール523、523に沿って集光点位置調整方向Zに移動せしめる。なお、図示の集光点位置調整手段64は、パルスモータ642を正転駆動することにより第1のレーザー光線照射手段62および第2のレーザー光線照射手段63を上方に移動し、パルスモータ642を逆転駆動することにより第1のレーザー光線照射手段62および第2のレーザー光線照射手段63を下方に移動するようになっている。
図2を参照して説明を続けると、上記第1のレーザー光線照射手段62を構成するケーシング621の先端部には、第1のレーザー光線照射手段62および第2のレーザー光線照射手段63によってレーザー加工すべき加工領域を検出する撮像手段65が配設されている。この撮像手段65は、被加工物を照明する照明手段と、該照明手段によって照明された領域を捕らえる光学系と、該光学系によって捕らえられた像を撮像する撮像素子(CCD)等を備え、撮像した画像信号を図示しない制御手段に送る。
次に、上述したレーザー加工装置3を用いて実施する上記パッケージ基板2を複数の分割予定ライン22に沿って分割する加工方法について説明する。
先ず、パルス幅が数μs以下に設定されたCO2レーザーのパルスレーザー光線をパッケージ基板2の分割予定ライン22に沿って照射し、複数のデバイスを被覆した樹脂(エポキシ樹脂24)を分割予定ライン22に沿って除去することにより熱拡散基板21の表面を分割予定ライン22に沿って露出させる樹脂除去工程を実施する。この樹脂除去工程を実施するには、保持テーブル46の吸引保持部460の上面である保持面上にパッケージ基板2の熱拡散基板21側を載置する。そして、図示しない吸引手段を作動することにより、パッケージ基板2を保持テーブル46上に吸引保持する(パッケージ基板保持工程)。このとき、保持テーブル46の吸引保持部460に設けられた複数の吸引孔462に作用する負圧によって個々のデバイス23が確実に吸引保持される。このようにして、保持テーブル46上に吸引保持されたパッケージ基板2は、デバイス23を覆うように被覆したエポキシ樹脂24が上側となる。このようにして、パッケージ基板2を保持した保持テーブル46は、加工送り手段47を作動することにより撮像手段65の直下に位置付けられる。
先ず、パルス幅が数μs以下に設定されたCO2レーザーのパルスレーザー光線をパッケージ基板2の分割予定ライン22に沿って照射し、複数のデバイスを被覆した樹脂(エポキシ樹脂24)を分割予定ライン22に沿って除去することにより熱拡散基板21の表面を分割予定ライン22に沿って露出させる樹脂除去工程を実施する。この樹脂除去工程を実施するには、保持テーブル46の吸引保持部460の上面である保持面上にパッケージ基板2の熱拡散基板21側を載置する。そして、図示しない吸引手段を作動することにより、パッケージ基板2を保持テーブル46上に吸引保持する(パッケージ基板保持工程)。このとき、保持テーブル46の吸引保持部460に設けられた複数の吸引孔462に作用する負圧によって個々のデバイス23が確実に吸引保持される。このようにして、保持テーブル46上に吸引保持されたパッケージ基板2は、デバイス23を覆うように被覆したエポキシ樹脂24が上側となる。このようにして、パッケージ基板2を保持した保持テーブル46は、加工送り手段47を作動することにより撮像手段65の直下に位置付けられる。
保持テーブル46が撮像手段65の直下に位置付けられると、撮像手段65および図示しない制御手段によってパッケージ基板2のレーザー加工すべき加工領域を検出するアライメント作業を実行する。即ち、撮像手段65および図示しない制御手段は、パッケージ基板2に所定方向に形成されている分割予定ライン22と、第1のレーザー光線照射手段62の集光器622および第2のレーザー光線照射手段63の集光器632との位置合わせを行うためのパターンマッチング等の画像処理を実行し、加工領域のアライメントを遂行する(アライメント工程)。また、パッケージ基板2に形成されている上記所定方向に対して直交する方向に延びる分割予定ライン22に対しても、同様に加工領域のアライメントを遂行する。
上述したようにアライメント工程を実施したならば、図6の(a)で示すように保持テーブル46をレーザー光線を照射する第1のレーザー光線照射手段62の集光器622が位置するレーザー光線照射領域に移動し、所定の分割予定ライン22を集光器622の直下に位置付ける。このとき、図6の(a)で示すようにパッケージ基板2は、分割予定ライン22の一端(図6の(a)において左端)が集光器622の直下に位置するように位置付けられる。そして、図6の(a)に示すように集光器622から照射されるパルスレーザー光線LB1の集光点P1をエポキシ樹脂24の表面(上面)付近に合わせる。次に、第1のレーザー光線照射手段62の集光器622からCO2レーザーであってパルス幅が数μs以下に設定されたパルスレーザー光線を照射しつつ加工送り手段47を作動して保持テーブル46を図6の(a)において矢印X1で示す方向に所定の加工送り速度で移動せしめる。そして、図6の(b)で示すように分割予定ライン22の他端(図6の(b)において右端)が集光器622の直下位置に達したら、パルスレーザー光線の照射を停止するとともに保持テーブル46の移動を停止する(樹脂除去工程)。このように樹脂除去工程を実施することにより、図6の(c)に示すように複数のデバイス23を被覆したエポキシ樹脂24は分割予定ライン22に沿って形成されたレーザー加工溝241によって除去され、熱拡散基板21の表面(上面)が分割予定ライン22に沿って露出される。この樹脂除去工程においては、図示しないアシストガス供給手段を作動して集光器622を構成するハウジング623に形成されたアシストガス導入口623cから空気室623aにアシストガスが供給されアシストガス導入口623cからパルスレーザー光線による加工部に例えば圧力が1MPaの圧縮空気が噴射される。この結果、圧縮空気に含まれる酸素がパルスレーザー光線による加工を促進するとともに、パルスレーザー光線によって加工する際に発生するデブリがの圧縮空気によって吹き飛ばされデブリがパッケージデバイスの表面に付着することはない。
なお、上記樹脂除去工程は、例えば以下の加工条件で行われる。
レーザー光線の波長 :CO2レーザー(9.2〜10.6μm)
繰り返し周波数 :100kHz
パルス幅 :10ns〜5μs
平均出力 :40W
集光スポット径 :φ100μm
加工送り速度 :600mm/秒
アシストガス :1MPa
レーザー光線の波長 :CO2レーザー(9.2〜10.6μm)
繰り返し周波数 :100kHz
パルス幅 :10ns〜5μs
平均出力 :40W
集光スポット径 :φ100μm
加工送り速度 :600mm/秒
アシストガス :1MPa
上述したように樹脂除去工程において照射するパルスレーザー光線は、被覆されたエポキシ樹脂24に対して吸収性の良好なCO2レーザーが用いられるとともに、パルス幅が数μs以下と短く設定されているので、熱拡散基板に残渣を残すことなく樹脂を高速で除去することができる。
上述した樹脂除去工程をパッケージ基板2に所定の方向に形成された全ての分割予定ライン22に沿って実施したならば、保持テーブル46を90度回動し、保持テーブル46に保持されたパッケージ基板2に上記所定方向に対して直交する方向に形成された分割予定ライン22に沿って樹脂除去工程を実施する。
以上のようにして樹脂除去工程を実施したならば、パッケージ基板2を分割予定ライン22に沿って分割することにより個々のパッケージデバイスを生成するパッケージデバイス生成工程を実施する。このパッケージデバイス生成工程は、上述したように樹脂除去工程が実施されたパッケージ基板2を保持した保持テーブル46を、図7の(a)で示すように第2のレーザー光線照射手段63の集光器632が位置するレーザー光線照射領域に移動し、所定のレーザー加工溝241を集光器632の直下に位置付ける。このとき、図7の(a)で示すようにパッケージ基板2は、レーザー加工溝241の一端(図7の(a)において左端)が集光器632の直下に位置するように位置付けられる。そして、図7の(a)に示すように集光器632から照射されるパルスレーザー光線LB2の集光点P2をレーザー加工溝241の底面(熱拡散基板21の表面)付近に合わせる。次に、第2のレーザー光線照射手段63の集光器632からパッケージ基板2の熱拡散基板21に対して吸収性を有する波長のパルスレーザー光線を照射しつつ保持テーブル46を図7の(a)において矢印X1で示す方向に所定の加工送り速度で移動せしめる。そして、図7の(b)で示すようにレーザー加工溝241の他端(図7の(b)において右端)が集光器632の直下位置に達したら、パルスレーザー光線の照射を停止するとともに保持テーブル46の移動を停止する(パッケージデバイス生成工程)。このようにパッケージデバイス生成工程を実施することにより、図7の(c)に示すようにパッケージ基板2の熱拡散基板21は、レーザー加工溝241に沿って形成されるレーザー加工溝211によって切断される。この熱拡散基板レーザー切断工程においては、図示しないアシストガス供給手段を作動して集光器632を構成するハウジング633に形成されたアシストガス導入口633cから空気室633aにアシストガスが供給されアシストガス導入口633cからパルスレーザー光線による加工部に例えば圧力が1MPaの圧縮空気が噴射される。この結果、圧縮空気に含まれる酸素がパルスレーザー光線による加工を促進するとともに、パルスレーザー光線によって加工する際に発生するデブリが圧縮空気によって吹き飛ばされデブリがパッケージデバイスの表面に付着することはない。
なお、上記パッケージデバイス生成工程程は、例えば以下の加工条件で行われる。
レーザー光線の波長 :YAGレーザー(1.06μm)
繰り返し周波数 :20kHz
平均出力 :150W
集光スポット径 :φ50μm
加工送り速度 :160mm/秒
アシストガス :1MPa
レーザー光線の波長 :YAGレーザー(1.06μm)
繰り返し周波数 :20kHz
平均出力 :150W
集光スポット径 :φ50μm
加工送り速度 :160mm/秒
アシストガス :1MPa
上述したパッケージデバイス生成工程をパッケージ基板2に所定の方向に形成された全てのレーザー加工溝241に沿って実施したならば、保持テーブル46を90度回動し、保持テーブル46に保持されたパッケージ基板2に上記所定方向に対して直交する方向に形成されたレーザー加工溝241に沿ってパッケージデバイス生成工程を実施する。この結果、図7の(d)に示すようにパッケージ基板2は個々のパッケージデバイス230に分割される。なお、個々に分割されたパッケージデバイス230は、保持テーブル46の吸引保持部460に吸引保持されパッケージ基板の状態で維持される。但し、パッケージ基板2のパッケージデバイスを構成しない外周部は保持テーブル46に吸引保持されていないので、保持テーブル46から端材として脱落する。
上述したパッケージデバイス生成工程において照射するレーザー光線は、波長が略1μmのレーザー光線が用いられるので、熱拡散基板をバリを発生させることなく高速で切断できるので、品質の良いパッケージデバイスを生成することができる。
2:パッケージ基板
21:熱拡散基板
22:分割予定ライン
23:デバイス
24:エポキシ樹脂
3:レーザー加工装置
4:保持テーブル機構
46:保持テーブル
461:逃げ溝
462:吸引孔
47:加工送り手段
48:第1の割り出し送り手段
5:レーザー光線照射ユニット支持機構
53:第2の割り出し送り手段
6:レーザー光線照射ユニット
62:第1のレーザー光線照射手段
622:集光器
624:集光レンズ
63:第2のレーザー光線照射手段
632:集光器
634:集光レンズ
64:集光点位置調整手段
65:撮像手段
21:熱拡散基板
22:分割予定ライン
23:デバイス
24:エポキシ樹脂
3:レーザー加工装置
4:保持テーブル機構
46:保持テーブル
461:逃げ溝
462:吸引孔
47:加工送り手段
48:第1の割り出し送り手段
5:レーザー光線照射ユニット支持機構
53:第2の割り出し送り手段
6:レーザー光線照射ユニット
62:第1のレーザー光線照射手段
622:集光器
624:集光レンズ
63:第2のレーザー光線照射手段
632:集光器
634:集光レンズ
64:集光点位置調整手段
65:撮像手段
Claims (2)
- 熱拡散基板の表面に格子状に形成された分割予定ラインによって区画された複数の領域にそれぞれデバイスが配置され、該複数のデバイスを樹脂によって被覆したパッケージ基板を分割予定ラインに沿って個々のパッケージデバイスに分割するパッケージ基板の加工方法であって、
パルス幅が数μs以下に設定されたCO2レーザーのパルスレーザー光線をパッケージ基板の分割予定ラインに沿って照射し、該複数のデバイスを被覆した樹脂を分割予定ラインに沿って除去することにより熱拡散基板の表面を分割予定ラインに沿って露出させる樹脂除去工程と、
波長が略1μmのレーザー光線を樹脂が除去された分割予定ラインに沿って照射し、熱拡散基板を分割予定ラインに沿って分割することにより個々のパッケージデバイスを生成するパッケージデバイス生成工程と、を含む、
ことを特徴とするパッケージ基板の加工方法。 - 該熱拡散基板はステンレス鋼、銅等の金属材で形成され、樹脂はエポキシ樹脂である、請求項1記載のパッケージ基板の加工方法。
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