JP2016029889A - 電動機およびそれを搭載した天井扇および送風機 - Google Patents

電動機およびそれを搭載した天井扇および送風機 Download PDF

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Abstract

【課題】固定子巻線にアルミニウム線を用いて軽量化と低コスト化を実現し、かつ品質を高く保つことが可能な電動機およびそれを搭載した送風機を提供する。【解決手段】電動機2は、固定子巻線(A相巻線8およびB相巻線9)を巻装した固定子鉄心16と、この固定子巻線の引出線8aおよび9aの各端末を接合する金属端子18を装備した端子台19を有する固定子20と、回転駆動される回転子と、回転子を回転可能に支持する軸受部14aおよび14bと、を備える。固定子巻線の少なくとも一部にアルミニウム線を用いている。アルミニウム線の端末と金属端子18は半田により接合され、その接合部27には、全体を覆って合成樹脂からなる最内層と最外層との二層以上の絶縁層15を形成している。絶縁層15は、最内層は、伸び率が最外層よりも大きい樹脂で構成されている。【選択図】図4

Description

本発明は、固定子巻線にアルミニウム線を用い、巻線と金属端子の接合部にコーティング処理を施した電動機およびそれを搭載した送風機に関するものである。
従来、この種の電動機には、固定子巻線に銅線を用いることが一般的である。(例えば、特許文献1参照)。
以下、その電動機について図6および図7を参照しながら説明する。
図6および図7に示すように、電動機101は、複数のスロット(図示せず)を円環状に設けた固定子鉄心103と、この固定子鉄心103の側面に対向して回転可能に取り付けられた回転子130を備えている。固定子鉄心103には、固定子巻線105および106が巻装され、この固定子巻線105、106の引出線105a、106aの各端末が、端子台107に装備された金属端子108に接合されて固定子120を形成している。さらに、電動機101は、固定子鉄心103の側面に対向して回転可能に取り付けられた回転子130を備えている。固定子巻線105,106の引出線105aおよび106aは、それぞれの端末を金属端子108に絡げて半田接合している。固定子巻線105および106には銅線を用いている。
ここで、近年の銅価格の高騰により銅材料の代替化が望まれており、電動機の巻線材料にアルミニウム線を用いるものがある。(例えば、特許文献2参照)
特開2009−71913号公報 特開2008−173001号公報
このような従来の電動機においては、以下のような課題を有している。
ここでは従来の電動機を搭載した天井扇を例にして説明する。天井扇は一般的に屋内で使用する製品であるが、実際には例えば、大気中に海塩粒子を多く含む沿岸地域での使用や、電動機に雨水がかかるような屋外での使用等も想定され、様々な使用環境を考慮する必要がある。
金属は水分と酸素が共存すれば腐食する。アルミニウムはイオン化傾向が大きいため、水分、特に塩水に対し耐性が低く腐食速度が速い。アルミニウム線を用いる場合、アルミニウム線端末の絶縁被膜を除去したアルミニウム導体を金属端子に絡げて接合する。しかし、アルミニウム線端末と金属端子の接合部に塩水が浸入するとアルミニウムが腐食し、アルミニウム線の線径が細いと、接合部で断線に至る可能性がある。
そのため、アルミニウム線端末と金属端子の接合部に絶縁物を塗布して塩水の浸入を防ぐ方法があるが、接合部を十分に保護しなければ、塩水は様々な経路から接合部に浸入する。様々な経路とは例えば、金属端子と端子台の接合部付近や、金属端子の先端付近等の、絶縁物の肉厚が薄い部分から金属端子を経由するものであり、絶縁物の極めて小さな数μm程度のピンホールであっても塩水は浸入し接合部に至る。したがって、絶縁物の物理特性を十分に考慮して絶縁層を構成しないとアルミニウムは腐食するため、品質を高く保つことは難しい。
また、アルミニウム導体の表面には、酸化アルミニウム(融点2020℃)による被膜が形成されており、アルミニウム導体と金属端子の半田接合を妨げるため、酸化アルミニウム被膜を除去する必要がある。その方法は、外皮の絶縁被膜と同時に機械剥離する方法と、超音波溶着等により酸化被膜を割る方法がある。後者は酸化被膜の割れた箇所を介してアルミニウム導体と金属端子の半田接合が行なわれるが、酸化被膜はそのまま残るので酸化被膜には半田が付かず仕上りが不完全となる。このため、アルミニウムが露出する部分が生じるため、そこから腐食が進む可能性がある。よって、接合部の半田仕上りが不完全であっても、塩水等からの浸入を保護できる絶縁物を形成することが求められる。
そこで本発明は、上記従来の課題を解決するものであり、固定子巻線にアルミニウム線を用いても、品質を高く保つことが可能な電動機およびそれを搭載した送風機を提供することを目的とする。
そして、この目的を達成するために、本発明の電動機は、複数のスロットを円環状に設けた固定子鉄心と、前記固定子鉄心に巻装された固定子巻線と、前記固定子巻線の端末を接合する金属端子を装備した端子台とを有する固定子と、前記固定子鉄心の側面に対向して回転可能に取り付けられた回転子を備えた電動機であって、少なくとも一部にアルミニウム線を用いた前記固定子巻線と、前記アルミニウム線の端末と前記金属端子を半田により接合した接合部と、前記接合部の全体を覆って合成樹脂からなる最内層と最外層との二層からなる絶縁層と、を備え、前記最内層は、伸び率が前記最外層よりも大きい樹脂で構成し、これにより所期の目的を達成するものである。
本発明の電動機によれば、効率良く接合部の露出を防ぎ、アルミニウム線の腐食を抑制して、品質を高く保つという効果を得ることができる。また、固定子巻線の少なくとも一部にアルミニウム線を用いる構成にしたので、材料コストを低減し軽量化を図ることができる。
本発明の実施の形態1の電動機を搭載した天井扇の側面図 同電動機の全体構成を示す断面図 同電動機の固定子の部分断面による平面図 本発明の実施の形態1を示す図で、接合部のコーティングの状態を示す図3のC−C断面図 本発明の実施の形態2を示す図で、接合部のコーティングの状態を示す図3のC−C断面図 従来の電動機の構成を示す断面図 同電動機の端子接合部の状態を示す拡大図
本発明の電動機は、複数のスロットを円環状に設けた固定子鉄心と、前記固定子鉄心に巻装された固定子巻線と、前記固定子巻線の端末を接合する金属端子を装備した端子台とを有する固定子と、前記固定子鉄心の側面に対向して回転可能に取り付けられた回転子を備えた電動機であって、少なくとも一部にアルミニウム線を用いた前記固定子巻線と、前記アルミニウム線の端末と前記金属端子を半田により接合した接合部と、前記接合部の全体を覆って合成樹脂からなる最内層と最外層との二層からなる絶縁層と、を備え、前記最内層は、伸び率が前記最外層よりも大きい樹脂で構成している。このため効率良く接合部の露出を防ぎ、アルミニウム線の腐食を抑制して、品質を高く保つ電動機が得られる。また、固定子巻線にアルミニウム線を用いる構成にしたので、材料コストを低減し軽量化を図ることができる。
また、前記最内層に用いる樹脂は、0.05〜0.80Pa・sの範囲の粘度を有するという構成にしてもよい。これにより、アルミニウム線端末と金属端子の接合部に施す絶縁層は、最内層に粘度の低い合成樹脂を用いて、接合部と特に凹凸部を含む金属端子基部の周辺を幅広く保護することになるので、効率良く接合部の露出を防ぎ、アルミニウム線の腐食を抑制して、品質を高く保つことができるという効果を奏する。
また、前記最内層に用いる樹脂は、ポリオレフィン系樹脂であるという構成にしてもよい。これにより、最内層に耐湿性の良い絶縁コーティングを形成することになるので、効率良く接合部の露出を防ぎ、アルミニウム線の腐食を抑制して、品質を高く保つことができるという効果を奏する。
また、前記最外層に用いる樹脂は、10〜300Pa・sの範囲の粘度を有するという構成にしてもよい。これにより、アルミニウム線端末と金属端子の接合部に施す絶縁層は、最外層に粘度の高い合成樹脂を用いて、接合部と特に金属端子先端部の周辺の肉厚を確保して全体を覆うことになるので、効率良く接合部の露出を防ぎ、アルミニウム線の腐食を抑制して、品質を高く保つことができるという効果を奏する。
また、前記最外層に用いる樹脂は、熱硬化性樹脂からなるという構成にしてもよく、また、前記最外層に用いる樹脂は、エポキシ樹脂であるという構成にしてもよい。これにより、アルミニウム線端末と金属端子の接合部に施す絶縁層は、最外層に粘度の高い熱硬化性樹脂を用いることで、熱硬化後に強固な絶縁層を形成し、接合部と特に金属端子先端部の周辺の肉厚を確保して保護することになるので、効率良く接合部の露出を防ぎ、アルミニウム線の腐食を抑制するため、品質を高く保つことができるという効果を奏する。
また、前記絶縁層は、前記最内層と前記最外層の間に、中間層を設けるという構成にしてもよく、また、前記中間層に用いる樹脂は、シリコン樹脂であるという構成にしてもよい。これにより、アルミニウム線端末と金属端子の接合部に施す絶縁層の中間層に、粘度が最内層よりも高く、最外層よりも低いシリコン樹脂を用いることで、接合部と特に凹凸部を含む金属端子基部の周辺の肉厚を確保することになるので、効率良く接合部の露出を防ぎ、アルミニウム線の腐食を抑制する効果が増大するため、品質を高く保つことができるという効果を奏する。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら説明する。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1の電動機を搭載した天井扇の側面図を示したものである。この天井扇1は、天井に取り付けられる扇風機であり、シーリングファンとも呼ばれ、駆動源として電動機2が利用される。支柱4は、天井に下向きに固定され、その支柱4には、中空軸6が接続されて、その先端に羽根3を備えた電動機2が取り付けられている。電動機2は本体カバー5と上部カバー11とで覆われている。
図2は電動機の全体構成を示す断面図である。この電動機2は、外転型のコンデンサ誘導電動機であり、中空軸6には、インシュレータ7を介してA相巻線8(内側コイル)およびB相巻線9(外側コイル)を施した固定子鉄心16が固定されている。この固定子鉄心16の周囲に空隙を介し、中空軸6を中心として回転子鉄心17が配設されている。そして、回転子鉄心17は、回転子カバー12に圧入保持されて、外転型の回転子としている。また、回転子カバー12及び上部カバー11には、軸受ハウジング部13a・13bが設けられ、軸受部14a・14bを介して中空軸6に回転可能に取り付けられている。
図3は電動機の固定子の部分断面による平面図である。固定子鉄心16は複数枚の電磁鋼板を軸方向に積層したものからなり、その中心部に中空軸6を圧入保持する中心孔21を有している。この中心孔21の外周側に円環状に位置してA相巻線8を巻装する第1歯部22と、この第1歯部22から更に外周方向に二股に延設してB相巻線9を巻装する第2歯部23とを形成してなる。また、隣り合う第1歯部22によって、第1スロット24が形成され、二股に延設した第2歯部23の間に第2スロット25が形成されている。また、A相巻線8およびB相巻線9には、アルミニウム線を用いている。固定子鉄心16には樹脂成形品からなる端子台19がねじ26で締結されており、この端子台19には金属端子18(図示せず)が挿入保持されている。A相巻線8およびB相巻線9の引出線8aおよび9aの各端末は、金属端子18に絡げて半田接合され、その接合部27には上から絶縁層15によるコーティングが施されている。
図4は本発明の実施の形態1を示す図で、接合部のコーティングの状態を示す図3のC−C断面図である。図に示すように、アルミニウム線を用いたA相巻線8およびB相巻線9の引出線8aおよび9aは、それぞれの端末の絶縁被膜を除去した後、端子台19に装備された金属端子18に絡げられ、半田接合が施される。金属端子18の材料は、黄銅にニッケル等のめっきを施したものである。
塩水が接合部27に浸入する経路は大きく2つあり、端子台19から金属端子基部34を経由して接合部27に至る場合と、絶縁層の上方部から金属端子先端部35を経由して接合部27に至る場合とがある。いずれも絶縁層15の形成が不十分なことが原因であり、前者については金属端子基部34付近が凹凸部を含むことから特に凹部に樹脂が入り込まず空隙や気泡が生じたり、後者については絶縁層の樹脂が塗布後に形状を保てず垂れて金属端子先端部付近が薄肉になるためである。絶縁物の極めて小さな数μm程度のピンホールであっても塩水は浸透する。
本発明が解決しようとする課題は、前述のようにアルミニウム線の引出線8aおよび9aの端末と金属端子18の接合部27に塩水が浸入することを防ぐことであり、アルミニウムの腐食を抑制することが可能な絶縁層15を形成することである。
次に、実施の形態1における特徴的な構造について説明する。
図4において、アルミニウム線の引出線8aおよび9aの各端末と金属端子18の接合部27に施す絶縁層15は、まず最内層31として、ポリオレフィン系樹脂が接合部27の全体を覆うように塗布形成されている。最内層31の役割は、粘度の低い合成樹脂を用いて、接合部27と特に凹凸部を含む金属端子基部34の周辺を幅広く保護することにあるので、耐湿性の良い絶縁コーティングを形成することが可能なポリオレフィン樹脂が適している。これにより、接合部27と、特に金属端子基部34の根元付近の凹部にも樹脂が十分に入り込み、空隙や気泡なく確実に保護することができる。
また、最内層31は刷毛塗り等による手作業や、ディスペンサ式自動塗布装置およびディップ装置等により塗布することができ、数分間で自然乾燥することから作業性が良く工程管理も容易となる。上記方法により最内層31を塗布形成するためには、種々実験した結果からポリオレフィン樹脂の粘度を0.05〜0.80Pa・sの範囲に設定することが好ましい。
次に、絶縁層15の最外層33として、エポキシ樹脂が最内層31を覆うように塗布されており、2層構造を形成している。絶縁層15の全体肉厚は、最低でも0.5mm以上を確保するように形成されている。最外層33の役割は、粘度の高い合成樹脂を用いて、接合部27と、特に金属端子先端部35の周辺の肉厚を確保して全体を覆うことにあるので、塗布時の粘度が高いエポキシ樹脂が適している。これにより、接合部27と、金属端子先端部35付近の絶縁層の肉厚を確保することができる。
また、最外層33はディスペンサ式自動塗布装置等により塗布することができるため、作業性が良く工程管理も容易となる。エポキシ樹脂の粘度が10Pa・s以下になると、絶縁層の樹脂が塗布後に形状を保てず垂れて金属端子先端部付近が薄肉になる。よって、上記方法により最外層33を塗布形成するためには、エポキシ樹脂の粘度を10〜300Pa・sの範囲に設定することが好ましい。
また、最外層33に用いるエポキシ樹脂は熱硬化性樹脂であり、120℃〜130℃の乾燥炉にて熱硬化させることができる。従来工程においてワニス含浸設備を使用している場合は、ワニス含浸前に実施する予備加熱工程の中でエポキシ樹脂を十分硬化させることができるため、新しく加熱設備を追加する必要がないので、余分な設備と工数を必要としない。このようにして、熱硬化後には、強固な最外層33を形成することができる。
以上、最内層31と最外層33の特徴的な構造について示したが、上記材料の組合せおよび設定条件で使用されない場合は、所望の効果を得ることはできない。例えば、絶縁層15にポリオレフィン樹脂のみを用いた場合、粘度が低いために金属端子先端部35の周辺の肉厚を確保して全体を覆うことは困難である。また、絶縁層15にエポキシ樹脂のみを用いた場合、粘度が高いために金属端子基部34の根元付近まで確実に、空隙や気泡なく絶縁層15を塗布形成することは困難である。よって、接合部27に塩水が浸入することを防ぎ、アルミニウムの腐食を抑制することが可能な絶縁層15を形成するためには、前述材料の組合せおよび設定条件で使用する必要がある。
次に、アルミニウム線端末(引出線8a、引出線9a)と金属端子18の接合方法について説明する。
アルミニウム線の引出線8aおよび9aは、それぞれの端末の絶縁被膜を除去した後、アルミニウム導体を金属端子18に絡げて半田接合が施される。
しかしながら、アルミニウム導体の表面には、酸化アルミニウム(融点2020℃)による被膜が形成されており、アルミニウム導体と金属端子の半田接合を妨げる。そのため、酸化アルミニウム被膜を除去する必要がある。その方法は、外皮の絶縁被膜と同時に機械剥離する方法と、超音波溶着等により酸化被膜を割る方法がある。後者は酸化被膜の割れた箇所を介してアルミニウム導体と金属端子の半田接合が行なわれるが、酸化被膜はそのまま残るので酸化被膜には半田が付かず仕上りが不完全となる。このため、アルミニウムが露出する部分が生じる。ここで、上記材料の組合せと設定条件で絶縁層15を形成すれば、たとえ接合部27の半田仕上りが不完全でアルミニウムの露出が生じたとしても、塩水等の浸透を保護することができる。
また、硬化後の物理特性において、最内層31のポリオレフィン系樹脂は、最外層33のエポキシ樹脂と比べて伸び率が大きい。これにより、電動機2に熱的衝撃が加えられ、接合部27に熱膨張および熱収縮が生じた場合でも、伸び率の大きい最内層31で吸収することにより、最外層33に亀裂や剥離が発生するのを防止することになるので、接合部27の露出と塩水の浸入を防ぎ、アルミニウム線の腐食を抑制して、品質を高く保つことができる。
なお、実施の形態1では、金属端子18は固定子鉄心に対して垂直になるように縦方向に配置しコーティングを施したが、方向には関係なく例えば固定子鉄心に対して横方向に配置しても良く、その作用効果に差異を生じない。
また、天井扇1は羽根径が大きく、羽根を所定の回転数で回転させるだけのトルクを保持した電動機2が必要となる。そのため、電動機2としては、外転型の回転子と、複数の歯部を放射状に配設した多極の固定子とを備えた比較的大型のものが用いられる。このような天井扇1用の電動機2は、比較的重量があり、また巻線長も長くなることが課題である。すなわち、本実施の形態による電動機2が適しており、軽量化と低コスト化を実現し、かつ品質を高く保つ天井扇を提供することができる。
さらに、本実施の形態による電動機2は、例えば換気扇等の空気を循環させる装置にも適している。すなわち、換気扇等に搭載される電動機は、一般的に内部に空気を循環させる構造を備えている。このような送風機は、沿岸地域等の様々な環境で使用されるため、電動機の電解腐食に対する保護は必要であるから、本実施の形態による電動機2が適しており、効率良く接合部の露出を防ぎ、アルミニウム線の腐食を抑制して、品質を高く保つ送風機を提供することができる。
(実施の形態2)
図5は本発明の実施の形態2を示す図で、接合部27のコーティングの状態を示す図3のC−C断面図である。この図において、図1から図4と同じ構成要素については同一の符号を用い、その詳細な説明は省略する。
図5において、アルミニウム線の引出線8aおよび9aの各端末と金属端子18の接合部27に施す絶縁層15は、まず最内層31としてポリオレフィン系樹脂が接合部27の全体を覆うように塗布される。次に、中間層32としてシリコン樹脂がその上を覆うように塗布され、最後に最外層33としてエポキシ樹脂がその上を覆うように塗布されており、3層構造を形成している。絶縁層15の全体肉厚は、最低でも0.5mm以上を確保するように形成されている。
ここで、図5において、実施の形態1と異なるところは、中間層32にシリコン樹脂を追加した点である。中間層32の役割は、粘度が最内層31よりも高く、最外層33よりも低いシリコン樹脂を用いることで、更に効果的に、凹凸部を含む金属端子基部34の周辺の肉厚を確保することになるので、シリコン樹脂が適しており、所望の絶縁層15を形成することができる。
また、硬化後の物理特性においても、中間層32に用いられるシリコン樹脂の伸び率は、最内層31に用いられるポリオレフィン系樹脂と最外層33に用いられるエポキシ樹脂の間の特性を有する。これにより、電動機2に熱的衝撃が加えられ、接合部27に熱膨張および熱収縮が生じた場合でも、伸び率の大きい最内層31および中間層32で吸収することができる。このことにより、最外層33に亀裂や剥離が発生するのを防止することになるので、接合部27の露出と塩水の浸入を防ぎ、アルミニウム線の腐食を抑制する効果が増大して、品質をより高く保つことができる。
なお、実施の形態1及び実施の形態2で説明した電動機2は、A相巻線8とB相巻線9にアルミニウム線を用いたが、一部をアルミニウム線で、残りを銅線という構成にしても良く、その作用効果に差異を生じない。
また、電動機2は外転型の電動機としたが、内転型の電動機としても良く、その作用効果に差異を生じない。
また、電動機2はコンデンサ誘導電動機としたが、直流電動機、いわゆるDCモータであっても良く、その作用効果に差異を生じない。
また、送風機は天井扇としたが、換気扇等であっても良く、その作用効果に差異を生じない。
本発明にかかる電動機は、固定子巻線にアルミニウム線を用いて軽量化と低コスト化を実現し、かつ品質を高く保つことを可能とするものであるので、天井扇などの駆動用電動機として有用である。
1 天井扇
2 電動機
3 羽根
4 支柱
5 本体カバー
6 中空軸
7 インシュレータ
8 A相巻線
8a 引出線
9 B相巻線
9a 引出線
11 上部カバー
12 回転子カバー
13a,13b 軸受ハウジング部
14a,14b 軸受部
15 絶縁層
16 固定子鉄心
17 回転子鉄心
18 金属端子
19 端子台
20 固定子
21 中心孔
22 第1歯部
23 第2歯部
24 第1スロット
25 第2スロット
26 ねじ
27 接合部
31 最内層
32 中間層
33 最外層
34 金属端子基部
35 金属端子先端部

Claims (6)

  1. 複数のスロットを円環状に設けた固定子鉄心と、前記固定子鉄心に巻装された固定子巻線と、前記固定子巻線の端末を接合する金属端子を装備した端子台とを有する固定子と、前記固定子鉄心の側面に対向して回転可能に取り付けられた回転子を備えた電動機であって、
    少なくとも一部にアルミニウム線を用いた前記固定子巻線と、
    前記アルミニウム線の端末と前記金属端子を半田により接合した接合部と、
    前記接合部の全体を覆って合成樹脂からなる最内層と最外層との二層からなる絶縁層と、を備え、
    前記最内層は、
    伸び率が前記最外層よりも大きい樹脂で構成された電動機。
  2. 前記最内層は、
    硬化前の粘度が前記最外層よりも低く硬化後の伸び率が前記最外層よりも大きい樹脂で構成され、
    前記最外層は、
    硬化前の粘度が前記最内層よりも高い樹脂で構成された請求項1記載の電動機。
  3. 複数のスロットを円環状に設けた固定子鉄心と、前記固定子鉄心に巻装された固定子巻線と、前記固定子巻線の端末を接合する金属端子を装備した端子台とを有する固定子と、前記固定子鉄心の側面に対向して回転可能に取り付けられた回転子を備えた電動機であって、
    少なくとも一部にアルミニウム線を用いた前記固定子巻線と、
    前記アルミニウム線の端末と前記金属端子を半田により接合した接合部と、
    前記接合部の全体を覆って合成樹脂からなる最内層と最外層との二層からなる絶縁層と、を備え、
    前記最内層はポリオレフィン系樹脂で構成された電動機。
  4. 前記最外層はエポキシ樹脂で構成された請求項3記載の電動機。
  5. 請求項1から4のいずれか一項に記載の電動機を搭載した天井扇。
  6. 請求項1から4のいずれか一項に記載の電動機を搭載した送風機。
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