JPH11150929A - 回転電機の電機子及びその製造方法 - Google Patents

回転電機の電機子及びその製造方法

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JPH11150929A
JPH11150929A JP31874997A JP31874997A JPH11150929A JP H11150929 A JPH11150929 A JP H11150929A JP 31874997 A JP31874997 A JP 31874997A JP 31874997 A JP31874997 A JP 31874997A JP H11150929 A JPH11150929 A JP H11150929A
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JP
Japan
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armature
coil
collar
resin
reinforcing
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JP31874997A
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English (en)
Inventor
Seiji Watanabe
誠司 渡辺
Hideki Ichikawa
秀樹 市川
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Denso Corp
Original Assignee
Denso Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 遠心力による上層コイル端部7b及び下層コ
イル端部6bの変動を確実に抑制して信頼性の高いアー
マチャ1を提供すること。 【解決手段】 下層コイル突出部6dと上層コイル突出
部7dとの接合部は、絶縁リング11、補強部12、及
びカラー13により補強される。先ず、一方の上層コイ
ル突出部7dの外径に絶縁リング11を装着した後、接
合部を樹脂で隙間無く覆い、その樹脂を加熱硬化させて
補強部12を形成する。この補強部12を形成する樹脂
は、下層コイル突出部6dの内周面、上層コイル突出部
7dの外周面、下層コイル突出部6dと上層コイル突出
部7dの周方向両側面、及び接合部の軸方向端面を覆っ
ている。その後、補強部12の外形がカラー13の内側
形状に適合するように補強部12の外形を整形し、続い
て、カラー13の内筒部を回転軸2の外周に圧入しなが
らカラー13を組み付けて補強部12を保持する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回転電機の電機子
及びその製造方法に関し、特に自動車用スタータのアー
マチャにおいて好適である。
【0002】
【従来の技術】従来技術として、例えば特願平8−12
4153号に記載された「回転電機」がある。この回転
電機の電機子は、所定形状(略コの字状)に成形された
下層コイル導体と上層コイル導体とを電機子鉄心に組み
付けた後、その下層コイル導体の下層コイル端部に設け
られた突出部と上層コイル導体の上層コイル端部に設け
られた突出部とを電気的に接合して構成されるもので、
電機子鉄心の端面に沿って内径側へ延設される一方の上
層コイル端部を整流子辺として使用している。この電機
子では、整流子辺となる一方の上層コイル端部の位置ず
れを防止する手段として、図28に示すように、上層コ
イル端部100の突出部110の外径に絶縁体である環
状部材120を装着し、更にその環状部材120の内周
に形成された凹部121(図29参照)に上層コイル端
部100の突出部110の外周を嵌め合わせている。こ
れにより、コイル接合部130が周方向に位置ずれする
ことを防止でき、且つコイル接合部130が遠心力の作
用によって径方向外側へ拡がるのを防止できる。また、
回転軸140に圧入されるカラー(図示しない)によっ
て環状部材120を電機子鉄心側へ押圧することによ
り、電機子の回転時に下層コイル端部及び上層コイル端
部100が電機子鉄心の端面から浮き上がるのを防止し
ている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、上記の先願
では、下層コイル導体、上層コイル導体、環状部材12
0、電機子鉄心のスロット部等の寸法のバラツキ、及
び、これらの構成部品を組み付けた時に発生する組付位
置のバラツキ等により、環状部材120と上層コイル端
部100との間に隙間が発生する。具体的には、図29
(a)、(b)に示すように、環状部材120の内周部
に形成された凹部121と上層コイル端部100の突出
部110の外周面との間、図30に示すように、環状部
材120の凹部121内に嵌合するコイル接合部130
の周方向端面と凹部121の側面との間、図31に示す
ように、上層コイル端部100の軸方向外側面(反鉄心
側端面)と環状部材120の軸方向内側面(鉄心側端
面)との間等に隙間が発生する。この結果、電機子の回
転時に上層コイル端部100の変動を完全に抑えること
ができず、整流子辺である上層コイル端部100が所定
位置からずれると、出力性能や整流特性に悪影響を及ぼ
すことにより、高い信頼性が得られない。
【0004】また、上層コイル端部100の位置ずれに
よって、周方向に隣接する上層コイル端部100同士が
接触したり、あるいはコイル接合部130同士が接触す
ることにより、互いの絶縁を確保できなくなる問題が発
生する。更に、上層コイル端部100と環状部材120
との間に隙間が発生することにより、上層コイル端部1
00と環状部材120とが離脱と接触とを繰り返すと、
一般にベーク材等の脆弱な材料を使用する環状部材12
0が損傷する恐れがある。本発明は、上記事情に基づい
て成されたもので、その目的は、遠心力によるコイル端
部の変動を確実に抑制して信頼性の高い回転電機の電機
子及びその製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】(請求項1の手段)下層
コイル導体の下層コイル端部と上層コイル導体の上層コ
イル端部との連結部を絶縁物(例えば樹脂)で隙間無く
覆って形成された補強部と、この補強部に密着して補強
部を保持するカラーとを備えている。この場合、連結部
を絶縁物で隙間無く覆っているため、周方向に隣合う連
結部間の絶縁を確実に確保できる。また、連結部を覆っ
ている補強部をカラーにより保持することで、遠心力に
よる連結部の変動(即ち上層コイル端部及び下層コイル
端部の変動)を抑制できる。
【0006】(請求項2の手段)カラーは、補強部の外
周面に沿って筒状に延びる外筒部、補強部の内周面に沿
って筒状に延びる内筒部、及び補強部の外周面と内周面
とを接続する補強部の端面と対向する端面部を有するカ
ップ形状に設けられ、少なくとも内筒部の外周面と補強
部の内周面または外筒部の内周面と補強部の外周面とが
密着し、且つ端面部が補強部の端面と密着している。こ
れにより、補強部に対しカラーをがたつき無く組み付け
ることができるため、補強部をカラーにより確実に保持
できる。
【0007】(請求項3の手段)カラーは、内筒部が回
転軸の外周に圧入されて、補強部を電機子鉄心側へ押圧
した状態で組み付けられている。これにより、補強部を
介して連結部を電機子鉄心側へ押圧できるため、電機子
の回転時に上層コイル端部及び下層コイル端部が電機子
鉄心の端面から離れる方向に浮き上がるのを防止でき
る。また、この場合、カラーの内筒部と回転軸との抜き
圧の方が、カラーにより補強部を電機子鉄心側へ押圧し
ている力より大きいため、カラー自体が回転軸から抜け
ることがなく、補強部を強固に保持することができる。
【0008】(請求項4の手段)カラーは、上層コイル
端部側へ延びる外筒部の軸方向端面と上層コイル端部の
軸方向端面との間に絶縁体を介在させている。この場
合、カラーの外筒部により、絶縁体を介して上層コイル
端部を電機子鉄心側へ押圧できるため、電機子の回転時
に上層コイル端部の浮き上がりを抑制できる。
【0009】(請求項5の手段)下層コイル導体のコイ
ル突出部と上層コイル導体のコイル突出部とを機械的及
び電気的に接合して連結部が形成されている。この場
合、下層コイル導体と上層コイル導体とを別々に設けて
いるため、全ての下層コイル導体を電機子鉄心に組み付
けた後、全ての上層コイル導体を電機子鉄心に組み付け
て、その後、両コイル導体のコイル突出部同士を接合し
て連結部が形成される。従って、下層コイル導体と上層
コイル導体とを別々に電機子鉄心に組み付けるため、各
コイル導体の組付作業が容易である。
【0010】(請求項6の手段)下層コイル導体と上層
コイル導体は、電機子鉄心に組み付けられる前に、一方
の下層コイル端部と一方の上層コイル端部とが予め互い
の内径側端部で連結されて連結部を形成しており、少な
くとも一組の下層コイル辺と上層コイル辺とが一方の下
層コイル端部と一方の上層コイル端部とともに一体に設
けられている。この場合、予め一方の下層コイル端部と
一方の上層コイル端部とが連結されているため、下層コ
イル導体と上層コイル導体との接合箇所を少なくでき
る。また、下層コイル導体と上層コイル導体との接合箇
所を電機子鉄心の外径側で行うことができる(例えば、
他方の上層コイル端部の外径側端部を下層コイル辺の端
部と接合させる)。この場合、請求項5の手段(下層コ
イル端部と上層コイル端部の互いの内径端に設けられた
コイル突出部同士を接合する)と比較すると、周方向に
隣合う接合部同士の間隔を大きく取ることができ、且つ
接合部のコイル断面積も大きく取ることができる。その
結果、接合時にリークを起こし難くできるとともに、耐
遠心強度に優れた電機子を提供できる。
【0011】(請求項7の手段)上層コイル端部は、そ
の軸方向端面上をブラシが摺接する整流子辺として設け
られている。この場合、補強部とカラーによって上層コ
イル端部の変動が抑制されることにより、出力性能や整
流特性への悪影響を阻止でき、信頼性の高い電機子を提
供できる。
【0012】(請求項8の手段)下層コイル導体及び上
層コイル導体を電機子鉄心に組み付けて所定数の連結部
を設けた後、その連結部を樹脂で隙間無く覆い、その樹
脂を加熱硬化させて補強部を形成し、その補強部の外形
がカラーの形状に適合するように補強部の形状を整形
し、整形された補強部にカラーを組み付けて補強部を保
持することを特徴とする。この場合、補強部の外形をカ
ラーの形状に適合するように整形(例えば切削加工)す
ることで補強部とカラーとのがたつきを防止でき、確実
に補強部をカラーによって保持することができる。な
お、連結部を覆う樹脂(加熱硬化される前の樹脂)は、
粉状あるいは液状の樹脂を使用することができる。
【0013】(請求項9の手段)下層コイル導体及び上
層コイル導体を電機子鉄心に組み付けて所定数の連結部
を設けた後、カップ状に形成されたカラーの内部に樹脂
を充填し、その樹脂が充填されたカラーを連結部に対向
する所定位置に組み付けて連結部を樹脂で覆い、カラー
の内部に充填されている樹脂を加熱硬化させて補強部を
形成することを特徴とする。この場合、予めカラーの内
部に加熱硬化させる前の樹脂を充填させてから電機子鉄
心に組み付けているため、樹脂を加熱硬化させて形成さ
れた補強部とカラーとのがたつきが発生しない。また、
カラーをカップ状に形成することでカラーの内部に樹脂
を充填し易くなるため、作業性が良好である。更に、請
求項8に記載したように樹脂を加熱硬化させてからカラ
ーを組み付ける場合には、加熱硬化させた樹脂を整形
(例えば切削加工)する必要があるが、本手段によれ
ば、補強部の整形工程を省略できるメリットがある。
【0014】(請求項10の手段)請求項9に記載した
電機子の製造方法において、樹脂が充填されたカラーを
組み付ける際に、回転軸を直立させて連結部を電機子鉄
心の下側に配置し、その後、カラーに充填された樹脂を
上に向けて、カラーを連結部の下方側より組み付けるこ
とを特徴とする。この方法によれば、カラーを組み付け
る際に、カラーの内部に充填されている樹脂をカラー以
外の部品で保持する必要がないため、組付作業を容易に
行うことができる。また、カラーより溢れ出るまで樹脂
を充填する必要がないため、カラーに充填する樹脂の量
を適量に管理できる。
【0015】(請求項11の手段)下層コイル導体及び
上層コイル導体を電機子鉄心に組み付けて所定数の連結
部を設けた後、少なくとも1箇所の小孔を有するカラー
を連結部に対向する所定位置に組み付けて、小孔より樹
脂をカラーの内部に注入して充填させ、カラーの内部に
充填された樹脂を加熱硬化させて補強部を形成すること
を特徴とする。この場合、カラーを組み付けた後から樹
脂を充填するため、予めカラーの内部に樹脂を充填して
から組み付ける場合と比較して、カラーの組付作業を容
易にできる。また、請求項9の手段と同様に、補強部の
整形工程が不要である。
【0016】(請求項12の手段)補強部を形成するた
めの樹脂は、低粘度と高粘度の2種類の樹脂から成り、
まず低粘度の樹脂で連結部付近の微小な隙間を埋めてか
ら、高粘度の樹脂で全体を覆っている。この場合、高粘
度の樹脂では埋めることのできない微小な隙間を低粘度
の樹脂で埋めることができ、その後、低粘度の樹脂では
流れてしまって充填することのできない大きな空隙部を
高粘度の樹脂で充填することにより、連結部を隙間無く
樹脂で覆い、且つカラーの内部に隙間無く樹脂を充填で
きる。
【0017】(請求項13の手段)所定数の連結部全体
を覆う樹脂は、請求項5に記載した下層コイル突出部と
上層コイル突出部との接合部に隣接して形成される隙間
にも充填されている。請求項5に記載したように、下層
コイル突出部と上層コイル突出部とを溶接等により接合
した場合、その接合部に隣接して微小な隙間が形成され
る場合があるが、この微小な隙間に樹脂を充填すること
により、微小な隙間から接合部に亀裂が進行することを
防止できる。その結果、連結部(接合部)の繰り返し応
力による疲労強度が向上し、電機子の信頼性を高めるこ
とができる。
【0018】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施例を図面に基
づいて説明する。図1はアーマチャ(本発明の電機子)
の半断面図、図2はアーマチャの軸方向正面図(図1の
A視図)である。本発明は、例えば自動車用スタータに
用いられるアーマチャ1に適用されるものである。先
ず、下述の各実施例に共通するアーマチャ1の主要な構
成部品について説明する。
【0019】アーマチャ1は、図3に示すように、回転
軸2、電機子鉄心3、電機子コイル(後述する)、リン
グ状絶縁体4、5等より構成される。回転軸2は、図示
しない軸受を介して回転自在に支持される。電機子鉄心
3は、円盤状に形成された薄い鋼板を複数枚重ね合わせ
て回転軸2の外周に圧入され、回転軸2と一体に回転す
る。電機子鉄心3の外周部には、所定数(例えば25
個)のスロット3aがそれぞれ軸方向に沿って凹設さ
れ、且つ電機子鉄心3の周方向に等ピッチに設けられて
いる。電機子コイルは、電気抵抗の低い純銅または純ア
ルミニウムを材料として形成された下層コイル導体6と
上層コイル導体7とから成り、それぞれスロット3aの
数と同数使用されている。
【0020】下層コイル導体6は、スロット3aの軸方
向長さより若干長く設けられた直線状のコイル辺6a
と、このコイル辺6aの両端からコイル辺6aに対して
略直角に延びる一組のコイル端部6b、6cとを有し、
各コイル端部6b、6cの先端にそれぞれコイル辺6a
と反対側へ延びるコイル突出部6dが設けられている。
なお、一組のコイル端部6b、6cは、コイル辺6aを
中心として周方向の反対側へ所定角度傾斜して設けられ
ている。この下層コイル導体6は、下層コイル辺6aが
スロット3a内に挿入され、両コイル端部6b、6cが
電機子鉄心3の端面に沿って内径側へ延設された状態で
電機子鉄心3に組み付けられる。なお、スロット3a内
に挿入される下層コイル辺6aは、例えば断面コの字状
に成形された下層スロット絶縁体8(図3参照)によっ
て電機子鉄心3(スロット3aの壁面)と絶縁されてい
る。あるいは、下層スロット絶縁体8の代わりに、下層
コイル辺6aの外周面に絶縁テープ等を巻き付けてスロ
ット3a内に挿入しても良い。
【0021】上層コイル導体7は、下層コイル辺6aよ
り若干長く設けられた直線状のコイル辺7aと、このコ
イル辺7aの両端からコイル辺7aに対して略直角に延
びる一組のコイル端部7b、7cとを有し、各コイル端
部7b、7cの先端にコイル辺7aと反対側へ延びるコ
イル突出部7dが設けられている。なお、一組のコイル
端部7b、7cは、コイル辺7aを中心として周方向の
反対側へ所定角度傾斜して設けられている。また、一方
(図1の右側)のコイル端部7bは整流子辺として使用
され、コイル端部7bの軸方向端面がブラシ摺接面(整
流子面)として形成されている。図示しないブラシは、
一方のコイル端部7bの整流子面に軸方向より当接して
いる。
【0022】この上層コイル導体7は、上層コイル辺7
aがスロット3a内の下層コイル辺6aの外側に挿入さ
れ、両コイル端部7b、7cがそれぞれ下層コイル端部
6b、6cの軸方向外側を下層コイル端部6b、6cと
略平行に内径側へ延設された状態で電機子鉄心3に組み
付けられる。なお、スロット3a内に挿入される上層コ
イル辺7aは、例えば断面コの字状に成形された上層ス
ロット絶縁体9(図3参照)によって電機子鉄心3(ス
ロット3aの壁面)及び下層コイル辺6aと絶縁されて
いる。あるいは、上層スロット絶縁体9の代わりに、上
層コイル辺7aの外周面に絶縁テープ等を巻き付けてス
ロット3a内に挿入しても良い。
【0023】リング状絶縁体4、5は、図1に示すよう
に、電機子鉄心3の軸方向端面と下層コイル端部6b、
6cとの間に介在されて両者を絶縁する一組の内側リン
グ状絶縁体4と、下層コイル端部6b、6cと上層コイ
ル端部7b、7cとの間に介在されて両者を絶縁する一
組の外側リング状絶縁体5とから成る。内側リング状絶
縁体4は、所定の厚みを有する例えば樹脂製の板材をリ
ング状に形成したもので、中央部に回転軸2の外径に嵌
合可能な大きさの丸孔4a(図4参照)が空けられ、下
層コイル導体6を電機子鉄心3に組み付ける前に、軸方
向から回転軸2を丸孔4aに通して電機子鉄心3の両端
面に装着される。外側リング状絶縁体5は、内側リング
状絶縁体4より厚い例えば樹脂製の板材をリング状に形
成したもので、中央部に下層コイル突出部6dの外径に
嵌合可能な大きさの丸孔5a(図4参照)が空けられ、
全て(所定数)の下層コイル導体6を電機子鉄心3に組
み付けた後、軸方向から丸孔5aに下層コイル突出部6
dを通して下層コイル突出部6dの外径に嵌め合わされ
る。
【0024】次に、アーマチャ1の製造工程について説
明する。先ず、図4に示すように、回転軸2に圧入され
た電機子鉄心3の軸方向両端面にそれぞれ内側リング状
絶縁体4を当接させた状態で組み付ける。続いて、下層
スロット絶縁体8と下層コイル辺6aとをスロット3a
内に挿入して、所定数の下層コイル導体6を電機子鉄心
3に組み付ける。続いて、両側の下層コイル突出部6d
の外径にそれぞれ外側リング状絶縁体5を嵌め合わせ
る。続いて、上層スロット絶縁体9と上層コイル辺7a
とをスロット3a内の下層コイル辺6aの外側に挿入し
て、所定数の上層コイル導体7を電機子鉄心3に組み付
ける。続いて、図5に示すように、径方向に重なる下層
コイル突出部6dと上層コイル突出部7dとを溶接等に
より機械的及び電気的に接合する。この後、整流子辺と
して使用される一方の上層コイル端部7bに設けられた
上層コイル突出部7dと、このコイル突出部7dに重な
る一方の下層コイル突出部6dとの各接合部10(整流
子側の接合部10)を補強するための補強工程が続く。
この補強工程は、以下の各実施例において説明する。
【0025】(第1実施例)整流子側の各接合部10
は、以下に説明する絶縁リング11、補強部12、及び
カラー13によって補強される。絶縁リング11は、例
えばガラス繊維を含むフェノール樹脂等により形成さ
れ、中央部に丸孔11a(図7参照)を有するリング形
状の絶縁体で、一方の上層コイル端部7bのコイル突出
部7dの外径に装着される。補強部12は、下層コイル
導体6と上層コイル導体7とを電機子鉄心3に組み付け
て下層コイル突出部6dと上層コイル突出部7dとを溶
接等により接合した後、整流子側の各接合部10を樹脂
で覆い、その樹脂を加熱硬化させて形成される(図1参
照)。カラー13は、図6に示すように、筒状に延びる
内筒部13aと外筒部13b、この内筒部13aと外筒
部13bの一端面を覆う円環状の端面部13cから成る
カップ形状に設けられ、内筒部13aを回転軸2の外周
に圧入して組み付けられる(図1参照)。
【0026】次に、図7〜10を参照しながら接合部1
0の補強工程について説明する。 a)先ず、図7に示すように、整流子辺として使用され
る一方の上層コイル端部7bのコイル突出部7dの外径
に絶縁リング11を装着する。 b)続いて、図8に示すように、下層コイル突出部6d
と上層コイル突出部7dとの一方の接合部10の周囲に
マスキング治具14を装着し、粉体あるいは液状の樹脂
をマスキング治具14に形成された環状の空洞部に注入
した後、その樹脂を加熱硬化させて補強部12を形成す
る。なお、マスキング治具14の空洞部に注入された樹
脂は、予熱を受けて粘性を有する流動状態となり、マス
キング治具14の空洞部全体に充填されて接合部10の
全面を隙間無く覆い、且つ周方向に隣合う各接合部10
間の隙間にも充填される。具体的には、下層コイル突出
部6dの内周面、上層コイル突出部7dの外周面、下層
コイル突出部6dと上層コイル突出部7dの周方向両側
面、及び接合部10の軸方向端面を覆っている。なお、
絶縁リング11は、径方向の内周側が上層コイル突出部
7dの外周面とともに樹脂で覆われている。
【0027】c)続いて、樹脂により形成された補強部
12の外形がカラー13の内側形状に適合するように補
強部12の形状を切削加工等により整形する(図9参
照)。 d)続いて、図10に示すように、カラー13の内筒部
13aを回転軸2の外周に圧入しながら、整形された補
強部12にカラー13を組み付けて補強部12を保持す
る。この時、カラー13は、内筒部13aの外周面が補
強部12の内周面(下層コイル突出部6dの内周面を覆
う樹脂の内周面)に密着して嵌合し、外筒部13bの内
周面が補強部12の外周面(上層コイル突出部7dの外
周面を覆う樹脂の外周面)に密着して嵌合し、端面部1
3cの内側端面が補強部12の軸方向端面(接合部10
の軸方向端面を覆う樹脂の軸方向端面)に密着してい
る。なお、カラー13の外筒部13bは、その軸方向端
面が絶縁リング11の径方向外周側に当接して、その絶
縁リング11を介して上層コイル端部を電機子鉄心3側
へ押圧している。また、カラー13の端面部13cは、
接合部10の軸方向端面を覆う樹脂を介して接合部10
全体を電機子鉄心3側へ押圧している。
【0028】(第1実施例の効果)本実施例では、上層
コイル突出部7dの外径に絶縁リング11を嵌め合わ
せ、且つ接合部10を樹脂で隙間無く覆って補強部12
を形成しているため、接合部10の径方向及び周方向へ
の変動を抑制でき、アーマチャ1の回転時に遠心力によ
って接合部10が径方向及び周方向へ位置ずれすること
を防止できる。また、カラー13によって補強部12の
内周面、外周面、及び軸方向端面を規制し、且つ補強部
12を電機子鉄心3側へ押圧した状態で保持しているた
め、上層コイル端部7b及び下層コイル端部6bが電機
子鉄心3の端面から離れる方向へ浮き上がることを防止
できる。
【0029】これらの結果、整流子辺として使用される
一方の上層コイル端部7bが所定位置からずれることが
なく、出力性能や整流特性への悪影響を阻止できるた
め、信頼性の高いアーマチャ1を提供できる。なお、各
接合部10が樹脂により覆われ、且つ各接合部10間に
も樹脂が充填されているため、周方向に隣合う接合部1
0間の絶縁を確保できることは言うまでもない。また、
本実施例では、樹脂を加熱硬化させて補強部12を形成
した後、その補強部12の外形をカラー13の内側形状
に適合するように整形しているため、補強部12とカラ
ー13との隙間を極力小さくできる。その結果、カラー
13により補強部12を確実に且つ安定的に保持できる
ため、より強固に接合部10の変動及び浮き上がりを抑
制できる。
【0030】(第2実施例)図11〜14は接合部10
の補強工程を示す説明図である。a)先ず、図11に示
すように、下層コイル突出部6dと上層コイル突出部7
dとの一方の接合部10の周囲にマスキング治具14を
装着し、粉体あるいは液状の樹脂をマスキング治具14
に形成された環状の空洞部に注入した後、その樹脂を加
熱硬化させて補強部12を形成する。なお、マスキング
治具14の空洞部に注入された樹脂は、予熱を受けて粘
性を有する流動状態となり、マスキング治具14の空洞
部全体に充填されて接合部10の全面を隙間無く覆い、
且つ周方向に隣合う各接合部10間の隙間にも充填され
ている。具体的には、下層コイル突出部6dの内周面、
上層コイル突出部7dの外周面、下層コイル突出部6d
と上層コイル突出部7dの周方向両側面、及び接合部1
0の軸方向端面を覆っている。
【0031】b)続いて、樹脂により形成された補強部
12の外形を切削加工等により整形する(図12参
照)。具体的には、補強部12の外径が絶縁リング11
の丸孔11aを嵌合できる大きさに整形され、補強部1
2の内周面及び軸方向端面がカラー13の内筒部13a
及び端面部13cの形状に適合する様に整形される。
c)続いて、図13に示すように、補強部12の外径に
絶縁リング11の丸孔11aを嵌合して上層コイル端部
7bの端面上に絶縁リング11を装着する。d)続い
て、図14に示すように、カラー13の内筒部13aを
回転軸2の外周に圧入しながら、整形された補強部12
にカラー13を組み付けて補強部12を保持する。この
時、カラー13は、内筒部13aの外周面が補強部12
の内周面に密着して嵌合し、端面部13cの内側端面が
補強部12の軸方向端面に密着している。なお、カラー
13の外筒部13bは、その軸方向端面が絶縁リング1
1に当接して、その絶縁リング11を介して上層コイル
端部7bを電機子鉄心3側へ押圧している。また、カラ
ー13の端面部13cは、接合部10の軸方向端面を覆
う樹脂を介して接合部10全体を電機子鉄心3側へ押圧
している。
【0032】(第2実施例の効果)本実施例では、接合
部10を樹脂で隙間無く覆って補強部12を形成し、且
つ補強部12の外周面を絶縁リング11で規制している
ため、接合部10の径方向及び周方向への変動を抑制で
き、アーマチャ1の回転時に遠心力によって接合部10
が径方向及び周方向へ位置ずれすることを防止できる。
また、絶縁リング11とカラー13によって補強部12
を保持しているため、上層コイル端部7b及び下層コイ
ル端部6bが電機子鉄心3の端面から離れる方向へ浮き
上がることを防止できる。これらの結果、整流子辺とし
て使用される一方の上層コイル端部7bが所定位置から
ずれることがなく、出力性能や整流特性への悪影響を阻
止できるため、信頼性の高いアーマチャ1を提供でき
る。なお、各接合部10が樹脂により覆われ、且つ各接
合部10間にも樹脂が充填されているため、周方向に隣
合う接合部10間の絶縁を確保できることは言うまでも
ない。
【0033】(第3実施例)図15は接合部10の補強
構造を示す断面図である。本実施例は、第2実施例と同
様に接合部10を樹脂で覆って補強部12を形成した
後、その補強部12の外径に絶縁リング11を嵌め合わ
せた他の例を示すものである。但し、絶縁リング11
は、図15に示すように、厚み寸法の略半分が上層コイ
ル端部7bに形成された溝7eに嵌合し、残りの半分が
補強部12の外径に嵌合した状態で組み付けられてい
る。本実施例においても第2実施例と同様の効果が得ら
れる。
【0034】(第4実施例)図16〜19は接合部10
の補強工程を示す説明図である。本実施例は、第1実施
例と同様の補強構造を第1実施例とは異なる工程で設け
た一例を示すものである。 a)先ず、図16に示すように、整流子辺として使用さ
れる一方の上層コイル端部7bのコイル突出部7dの外
径に絶縁リング11を装着する。 b)続いて、図17に示すように、カップ形状のカラー
13の内側に液状の樹脂を注入する。 c)続いて、図18に示すように、カラー13に注入さ
れた樹脂を上に向けて、カラー13を接合部10の下方
側より所定位置に組み付ける。なお、アーマチャ1は、
回転軸2が直立した姿勢で、一方の接合部10が電機子
鉄心3の下側に配置されている。 d)続いて、カラー13からはみ出した余分な樹脂を除
去した後、樹脂を加熱硬化させて補強部12を形成する
(図19参照)。
【0035】(第4実施例の効果)本実施例では、第1
実施例と同様の効果が得られる上に、カラー13を組み
付ける前に予めカラー13の内側に樹脂を注入するた
め、樹脂を加熱硬化させて補強部12を形成した後、そ
の補強部12の外形を整形(例えば切削加工)する必要
がない。また、カラー13に直接樹脂を注入するため、
カラー13に注入する樹脂の量を適量に管理できる。
【0036】(第5実施例)図20は接合部10の補強
工程を示す説明図である。本実施例は、第1実施例と同
様の補強構造を第1実施例とは異なる工程で設けた他の
例を示すものである。 a)先ず、図20に示すように、整流子辺として使用さ
れる一方の上層コイル端部7bのコイル突出部7dの外
径に絶縁リング11を装着する。 b)続いて、図22に示すように、カラー13を所定位
置に組み付ける。なお、カラー13の端面部13cに
は、図21に示すように、樹脂注入口となる小孔13d
が複数箇所空けられている。 c)続いて、図23に示すように、カラー13の小孔1
3dより液状の樹脂を注入してカラー13の内部に充填
させた後、その樹脂を加熱硬化させて補強部12を形成
する。
【0037】(第5実施例の効果)本実施例でも、第1
実施例と同様の効果が得られる上に、カラー13を組み
付けてから樹脂を注入して充填させるため、樹脂を加熱
硬化させて補強部12を形成した後、その補強部12の
外形を整形(例えば切削加工)する必要がない。
【0038】(第6実施例)図24は接合部10の補強
構造を示す断面図である。本実施例では、上述した第1
実施例〜第5実施例の何れかの方法により接合部10を
補強する際に、図24に示すように、下層コイル突出部
6dと上層コイル突出部7dとの接合部10に隣接する
くさび状の隙間15にも樹脂を充填させる一例を示すも
のである。下層コイル導体6及び上層コイル導体7を電
機子鉄心3に組み付けた時に、各コイル導体6、7の寸
法のばらつき及び組付位置のばらつき等により下層コイ
ル突出部6dと上層コイル突出部7dとの接合面に微小
な隙間15が形成される場合がある。この場合、両コイ
ル突出部6d、7dを溶接等により接合しても、その接
合部10に隣接してくさび状の隙間15が形成され、そ
の隙間15から接合部10に亀裂が進行する恐れがあ
る。そこで、接合部10を樹脂で覆う際に上記の隙間1
5を樹脂で埋めて隙間15を無くすことにより、接合部
10に亀裂が発生するのを防止できる。その結果、連結
部(接合部10)の繰り返し応力による疲労強度が向上
し、電機子の信頼性を高めることができる。
【0039】(第7実施例)図25は接合部10の補強
構造を示す断面図である。本実施例は、接合部10の補
強構造に絶縁リング11を使用しない場合の一例を示す
ものである。即ち、図25に示すように、絶縁リング1
1に相当する部分12a(上層コイル端部7bとカラー
13の外筒部13bとの間に介在される部分)を補強部
12の樹脂と一体に形成している。本実施例においても
各実施例と同様の効果が得られる。
【0040】(第8実施例)図26はアーマチャ1の半
断面図である。本実施例は、一組の下層コイル導体6と
上層コイル導体7とを一体に成形した場合の一例を示す
ものである。下層コイル導体6と上層コイル導体7は、
例えば図27に示すように、上層コイル辺7a、一方の
上層コイル端部7b、一方の下層コイル端部6b、下層
コイル辺6a、他方の下層コイル端部6c、及び他方の
上層コイル端部7cが連続して一体に設けられている。
【0041】この一体に設けられた一組の下層コイル導
体6と上層コイル導体7は、図26に示すように、電機
子鉄心3に組み付けられた後、他方の上層コイル端部7
cの外径側端部を他の組みの上層コイル辺7aの端部に
接合して電気的に接続される。本実施例においても、上
述した第1実施例〜第5実施例の何れかの方法により連
結部(一方の上層コイル端部7bと一方の下層コイル端
部6bとの連結部)を補強することで、連結部の周方向
及び径方向への変動(位置ずれを)防止でき、且つ浮き
上がりを防止できるため、遠心強度が大きく信頼性の高
いアーマチャ1を得ることができる。
【0042】(変形例)上記の各実施例では、補強部1
2を形成するために樹脂を使用しているが、その樹脂と
して低粘度と高粘度の2種類の樹脂を使用することがで
きる。その場合、例えば、低粘度の樹脂で接合部10近
傍の微小な隙間を埋めてから、高粘度の樹脂でカラー1
3内面との隙間を充填しても良い。これにより、高粘度
の樹脂では埋めることのできない微小な隙間を低粘度の
樹脂で埋めることができ、その後、低粘度の樹脂では流
れてしまって充填することのできない大きな空隙部を高
粘度の樹脂で充填することができるため、接合部10を
隙間無く樹脂で覆い、且つカラー13の内部に隙間無く
樹脂を充填できる。上記の各実施例では、一方の上層コ
イル端部7bを整流子辺として使用することから一方の
接合部10に補強構造を採用しているが、他方の接合部
10にも同様の補強構造を採用しても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】アーマチャの半断面図である。
【図2】アーマチャの軸方向正面図(図1のA視図)で
ある。
【図3】アーマチャの分解斜視図である。
【図4】アーマチャの製造工程を示す工程図である。
【図5】アーマチャの製造工程を示す工程図である。
【図6】カラーの半断面図である。
【図7】接合部の補強工程を示す工程図である(第1実
施例)。
【図8】接合部の補強工程を示す工程図である(第1実
施例)。
【図9】接合部の補強工程を示す工程図である(第1実
施例)。
【図10】接合部の補強工程を示す工程図である(第1
実施例)。
【図11】接合部の補強工程を示す工程図である(第2
実施例)。
【図12】接合部の補強工程を示す工程図である(第2
実施例)。
【図13】接合部の補強工程を示す工程図である(第2
実施例)。
【図14】接合部の補強工程を示す工程図である(第2
実施例)。
【図15】接合部の補強構造を示す断面図である(第3
実施例)。
【図16】接合部の補強工程を示す工程図である(第4
実施例)。
【図17】カラーに樹脂を充填する作業を示す工程図で
ある(第4実施例)。
【図18】接合部の補強工程を示す工程図である(第4
実施例)。
【図19】接合部の補強構造を示す断面図である(第4
実施例)。
【図20】接合部の補強工程を示す工程図である(第5
実施例)。
【図21】カラーの半断面図(a)と正面図(b)であ
る(第5実施例)。
【図22】接合部の補強構造を示す断面図である(第5
実施例)。
【図23】接合部の補強工程を示す工程図である(第5
実施例)。
【図24】接合部の補強構造を示す断面図である(第6
実施例)。
【図25】接合部の補強構造を示す断面図である(第7
実施例)。
【図26】アーマチャの半断面図である(第8実施
例)。
【図27】コイル導体の斜視図である(第8実施例)。
【図28】アーマチャの軸方向正面図である(従来技
術)。
【図29】コイル接合部近傍の断面図(a)と軸方向正
面図(b)である(従来技術)。
【図30】コイル接合部近傍の軸方向正面図である(従
来技術)。
【図31】コイル接合部近傍の断面図である(従来技
術)。
【符号の説明】
1 アーマチャ(回転電機の電機子) 2 回転軸 3 電機子鉄心 3a スロット 6 下層コイル導体 6a 下層コイル辺 6b 一方の下層コイル端部 6c 他方の下層コイル端部 6d 下層コイル突出部 7 上層コイル導体 7a 上層コイル辺 7b 一方の上層コイル端部 7c 他方の上層コイル端部 7d 上層コイル突出部 10 一方の接合部(連結部) 11 絶縁リング(絶縁体) 12 補強部 13 カラー 13a カラーの内筒部 13b カラーの外筒部 13c カラーの端面部 13d カラーの小孔 15 接合部に隣接する隙間

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】外周に所定数のスロットを有する電機子鉄
    心と、 この電機子鉄心を回転自在に支持する回転軸と、 前記スロット内に収容される下層コイル辺、この下層コ
    イル辺の一端から前記回転軸へ延びる下層コイル端部を
    有する下層コイル導体と、 前記スロット内で前記下層コイル辺の外側に収容される
    上層コイル辺、この上層コイル辺の一端から前記下層コ
    イル端部の外側を前記回転軸へ延びる上層コイル端部を
    有する上層コイル導体とを備え、 前記下層コイル辺と前記上層コイル辺が前記電機子鉄心
    の周方向に所定ピッチ離れて互いに異なる前記スロット
    に収容される前記下層コイル導体と前記上層コイル導体
    が互いの前記コイル端部同士を連結して電気的に接続さ
    れ、前記下層コイル端部と前記上層コイル端部との連結
    部が周方向に所定数設けられている回転電機の電機子で
    あって、 前記連結部を絶縁物で隙間無く覆って形成された補強部
    と、 この補強部に密着して前記補強部を保持するカラーとを
    備えたことを特徴とする回転電機の電機子。
  2. 【請求項2】前記カラーは、前記補強部の外周面に沿っ
    て筒状に延びる外筒部、前記補強部の内周面に沿って筒
    状に延びる内筒部、及び前記補強部の外周面と内周面と
    を接続する前記補強部の端面と対向する端面部を有する
    カップ形状に設けられ、少なくとも前記内筒部の外周面
    と前記補強部の内周面または前記外筒部の内周面と前記
    補強部の外周面とが密着し、且つ前記端面部が前記補強
    部の端面と密着していることを特徴とする請求項1に記
    載した回転電機の電機子。
  3. 【請求項3】前記カラーは、前記内筒部が前記回転軸の
    外周に圧入されて、前記補強部を前記電機子鉄心側へ押
    圧した状態で組み付けられていることを特徴とする請求
    項2に記載した回転電機の電機子。
  4. 【請求項4】前記カラーは、前記上層コイル端部側へ延
    びる前記外筒部の軸方向端面と前記上層コイル端部の軸
    方向端面との間に絶縁体を介在させていることを特徴と
    する請求項2または3に記載した回転電機の電機子。
  5. 【請求項5】前記下層コイル導体は、前記下層コイル端
    部の内径端に前記下層コイル辺と反対方向へ突出する下
    層コイル突出部を有し、 前記上層コイル導体は、前記上層コイル端部の内径端に
    前記上層コイル辺と反対方向へ突出する上層コイル突出
    部を有し、 前記下層コイル突出部と前記上層コイル突出部とを機械
    的及び電気的に接合して前記連結部が形成されているこ
    とを特徴とする請求項1〜4に記載した何れかの回転電
    機の電機子。
  6. 【請求項6】前記下層コイル導体と前記上層コイル導体
    は、前記電機子鉄心に組み付けられる前に、一方の前記
    下層コイル端部と一方の前記上層コイル端部とが予め互
    いの内径側端部で連結されて前記連結部を形成してお
    り、少なくとも一組の前記下層コイル辺と前記上層コイ
    ル辺とが一方の前記下層コイル端部と一方の前記上層コ
    イル端部とともに一体に設けられていることを特徴とす
    る請求項1〜4に記載した何れかの回転電機の電機子。
  7. 【請求項7】前記上層コイル端部は、その軸方向端面上
    をブラシが摺接する整流子辺として設けられていること
    を特徴とする請求項1〜6に記載した何れかの回転電機
    の電機子。
  8. 【請求項8】請求項1〜7に記載した何れかの電機子の
    製造方法であって、 a)前記下層コイル導体及び前記上層コイル導体を前記
    電機子鉄心に組み付けて所定数の前記連結部を設けた
    後、 b)前記連結部を樹脂で隙間無く覆い、その樹脂を加熱
    硬化させて前記補強部を形成し、 c)その補強部の外形が前記カラーの形状に適合するよ
    うに前記補強部の形状を整形し、 d)整形された前記補強部に前記カラーを組み付けて前
    記補強部を保持することを特徴とする電機子の製造方
    法。
  9. 【請求項9】請求項1〜7に記載した何れかの電機子の
    製造方法であって、 a)前記下層コイル導体及び前記上層コイル導体を前記
    電機子鉄心に組み付けて所定数の前記連結部を設けた
    後、 b)カップ状に形成された前記カラーの内部に樹脂を充
    填し、 c)その樹脂が充填された前記カラーを前記連結部に対
    向する所定位置に組み付けて前記連結部を樹脂で隙間無
    く覆い、 d)前記カラーの内部に充填されている樹脂を加熱硬化
    させて前記補強部を形成することを特徴とする電機子の
    製造方法。
  10. 【請求項10】請求項9に記載した電機子の製造方法に
    おいて、 樹脂が充填された前記カラーを組み付ける際に、 前記回転軸を直立させて前記連結部を前記電機子鉄心の
    下側に配置し、 その後、前記カラーに充填された樹脂を上に向けて、前
    記カラーを前記連結部の下方側より組み付けることを特
    徴とする電機子の製造方法。
  11. 【請求項11】請求項1〜7に記載した何れかの電機子
    の製造方法であって、 a)前記下層コイル導体及び前記上層コイル導体を前記
    電機子鉄心に組み付けて所定数の前記連結部を設けた
    後、 b)少なくとも1箇所の小孔を有する前記カラーを前記
    連結部に対向する所定位置に組み付けて、 c)前記小孔より樹脂を前記カラーの内部に注入して充
    填させ、 d)前記カラーの内部に充填された樹脂を加熱硬化させ
    て前記補強部を形成することを特徴とする電機子の製造
    方法。
  12. 【請求項12】請求項8〜11に記載した何れかの電機
    子の製造方法であって、 前記樹脂は、低粘度と高粘度の2種類の樹脂から成り、
    まず低粘度の樹脂で前記連結部付近の微小な隙間を埋め
    てから、高粘度の樹脂で全体を覆っていることを特徴と
    する電機子の製造方法。
  13. 【請求項13】請求項8〜12に記載した何れかの電機
    子の製造方法であって、 所定数の前記連結部全体を覆う樹脂は、請求項5に記載
    した前記下層コイル突出部と前記上層コイル突出部との
    接合部に隣接して形成される隙間にも充填されているこ
    とを特徴とする電機子の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013188048A (ja) * 2012-03-09 2013-09-19 Panasonic Corp 電動機およびそれを搭載した天井扇および送風機
JP2016029889A (ja) * 2015-12-01 2016-03-03 パナソニックIpマネジメント株式会社 電動機およびそれを搭載した天井扇および送風機
CN111082572A (zh) * 2019-12-05 2020-04-28 珠海格力电器股份有限公司 一种电机定子及电机

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