JP2016027370A - レジスト下層膜形成用ポリシロキサン組成物及びパターン形成方法 - Google Patents

レジスト下層膜形成用ポリシロキサン組成物及びパターン形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】多層レジストプロセスにおいて、レジスト下層膜における欠陥の発生を抑制できるレジスト下層膜形成用ポリシロキサン組成物及びこのレジスト下層膜形成用ポリシロキサン組成物を用いるパターン形成方法の提供を目的とする。
【解決手段】本発明は、ポリシロキサン及び酸発生剤を含有するレジスト下層膜形成用ポリシロキサン組成物であって、上記酸発生剤がオニウムカチオン及び酸アニオンを含み、上記オニウムカチオンが、脂環構造、脂肪族複素環構造、鎖状置換基を有する芳香環構造又はこれらの組み合わせを含むことを特徴とする。上記オニウムカチオンが、脂環構造、脂肪族複素環構造又はこれらの組み合わせを含むとよい。上記酸アニオンを構成する原子の原子量の和としては、350以下が好ましい。
【選択図】なし

Description

本発明は、レジスト下層膜形成用ポリシロキサン組成物及びこのレジスト下層膜形成用ポリシロキサン組成物を用いるパターン形成方法に関する。
近年、半導体素子等の微細化に伴い、より微細なレジストパターンを形成することが求められている。この要請に対し、レジスト下層膜を用いる多層レジストプロセスが種々開発されている。このような多層レジストプロセスとしては、例えば次のようなものが挙げられる。まず、被加工基板上にケイ素原子を含有するレジスト下層膜形成用組成物を用いてレジスト下層膜を形成する。次に、レジスト下層膜上にフォトレジスト組成物を用いてレジスト膜を形成する。このレジスト膜は、上記レジスト下層膜とはエッチング選択比の異なる有機膜である。その後、上記レジスト膜を露光し、現像液で現像することによりレジストパターンを得る。続いて、ドライエッチングによりこのレジストパターンをレジスト下層膜及び被加工基板に転写することにより、所望のパターンが施された基板を得ることができる。
上記のレジスト下層膜形成用組成物では、レジスト下層膜上に形成されるレジストパターンを良好なものとするために酸発生剤を添加することが行われている(特開2007−164148号公報及び特開2010−122297号公報参照)。しかし、これらのレジスト下層膜形成用組成物では、酸発生剤に起因してレジスト下層膜に欠陥が生じ、これに伴い微細なレジストパターンの形成が困難になるという不都合がある。
特開2007−164148号公報 特開2010−122297号公報
本発明は上記のような事情に基づいてなされたものであり、その目的は、多層レジストプロセスにおいて、レジスト下層膜における欠陥の発生を抑制できるレジスト下層膜形成用ポリシロキサン組成物及びこのレジスト下層膜形成用ポリシロキサン組成物を用いるパターン形成方法を提供することである。
上記課題を解決するためになされた本発明は、ポリシロキサン及び酸発生剤を含有するレジスト下層膜形成用ポリシロキサン組成物であって、上記酸発生剤がオニウムカチオン及び酸アニオンを含み、上記オニウムカチオンが、脂環構造、脂肪族複素環構造、鎖状置換基を有する芳香環構造又はこれらの組み合わせを含むことを特徴とする。
また、上記課題を解決するためになされた別の本発明は、基板の一方の面側にレジスト下層膜を形成する工程、上記レジスト下層膜の上記基板とは反対の面側にレジストパターンを形成する工程、及び上記レジストパターンをマスクとし、レジスト下層膜及び基板を順次ドライエッチングする工程を備え、上記レジスト下層膜を当該レジスト下層膜形成用ポリシロキサン組成物により形成するパターン形成方法である。
ここで、「酸アニオン」とは、プロトンの付加により酸となるアニオンをいう。
本発明のレジスト下層膜形成用ポリシロキサン組成物及びパターン形成方法によれば、多層レジストプロセスにおいて、レジスト下層膜における欠陥の発生を抑制できる。従って、これらは今後ますます微細化が進行すると予想される半導体デバイス製造等におけるパターン形成に好適に用いることができる。
<レジスト下層膜形成用ポリシロキサン組成物>
当該レジスト下層膜形成用ポリシロキサン組成物はポリシロキサン及び酸発生剤を含有する。この酸発生剤はオニウムカチオン及び酸アニオンを含み、上記オニウムカチオンが脂環構造、脂肪族複素環構造、鎖状置換基を有する芳香環構造又はこれらの組み合わせを含む。これにより、当該レジスト下層膜形成用ポリシロキサン組成物から形成されるレジスト下層膜では酸発生剤に起因する欠陥が低減される。当該レジスト下層膜形成用ポリシロキサン組成物が上記構成を有することで上記効果を奏する理由は明らかではないが、例えば以下のように推測することができる。すなわち、上記オニウムカチオンがかさ高い構造を有することで、酸発生剤自身の凝集性が低下し、レジスト下層膜中の酸発生剤の分散性が向上する。その結果、酸発生剤の凝集により局所的にエッチングレートが変化する等の欠陥や、凝集した酸発生剤がポリシロキサンを変性させることによる局所的なゲル化等の発生を低減することができ、レジスト下層膜における欠陥の発生が抑制できると考えられる。また、これらの結果、レジスト下層膜上に形成されるレジストパターンの形状が良好なものとなる。
当該レジスト下層膜形成用ポリシロキサン組成物は、上記効果を損なわない範囲であれば、溶媒、窒素含有化合物等のその他の成分を含有してもよい。以下、各成分について説明する。
[ポリシロキサン]
ポリシロキサンは、シロキサン結合を有するポリマーである限り特に限定されないが、下記式(i)で表されるシラン化合物の加水分解縮合物が好ましい。ポリシロキサンの合成に用いられるシラン化合物は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
ここで、「加水分解縮合物」とは、加水分解されたシラン化合物の一部のシラノール基同士が縮合した加水分解縮合物を意味する。
Figure 2016027370
上記式(i)中、Rは、水素原子又は炭素数1〜20の1価の有機基である。Xは、ハロゲン原子又は−ORである。Rは、炭素数1〜20の1価の有機基である。aは、0〜3の整数である。Rが複数の場合、複数のRは同一でも異なっていてもよい。Xが複数の場合、複数のXは同一でも異なっていてもよい。
ここで「有機基」とは、少なくとも1個の炭素原子を含む基をいう。
上記R又はRで表される炭素数1〜20の1価の有機基としては、例えば1価の炭化水素基、この炭化水素基の炭素−炭素間にヘテロ原子含有基を含む基、これらの基の水素原子の一部又は全部を置換基で置換した基等が挙げられる。
上記1価の炭化水素基としては、例えば鎖状炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基が挙げられる。
上記鎖状炭化水素基としては、例えば
メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基;
エテニル基、プロペニル基、ブテニル基等のアルケニル基;
エチニル基、プロピニル基、ブチニル基等のアルキニル基などが挙げられる。
上記脂環式炭化水素基としては、例えば
シクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、ノルボルニル基、アダマンチル基等のシクロアルキル基;
シクロプロペニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、ノルボルネニル基等のシクロアルケニル基などが挙げられる。
上記芳香族炭化水素基としては、例えば
フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基、アントリル基等のアリール基;
ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基等のアラルキル基などが挙げられる。
上記ヘテロ原子含有基とは、構造中に2価以上のヘテロ原子を有する基をいう。上記ヘテロ原子含有基はヘテロ原子を1個有していてもよく、2個以上有していてもよい。
上記ヘテロ原子含有基が有する2価以上のへテロ原子としては、2価以上の原子価を有するヘテロ原子であれば特に限定されず、例えば酸素原子、窒素原子、硫黄原子、ケイ素原子、リン原子、ホウ素原子等が挙げられる。
上記ヘテロ原子含有基としては、例えば
−SO−、−SO−、−SOO−、−SO−等のヘテロ原子のみからなる基;
−CO−、−COO−、−COS−、−CONH−、−OCOO−、−OCOS−、−OCONH−、−SCONH−、−SCSNH−、−SCSS−等の炭素原子とヘテロ原子とを組み合わせた基などが挙げられる。
上記置換基としては、例えばハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ニトロ基、シアノ基等が挙げられる。
上記aとしては、0〜2の整数が好ましく、1及び2がより好ましい。
上記式(i)で表されるシラン化合物としては、例えば
メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、メチルトリス(ジメチルシロキシ)シラン等のアルキルトリアルコキシシラン類;
ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン等のアルケニルトリアルコキシシラン類;
フェニルトリメトキシシラン等のアリールトリアルコキシシラン類;
4−メチルフェニルトリメトキシシラン等の芳香環上の水素原子の1つ以上がアルキル基、ヒドロキシ基、アルコキシ基、アミノ基若しくはアルキルカルボニルオキシ基により置換されてなるアリールトリアルコキシシラン類;
アラルキルトリアルコキシシラン類;
テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−iso−プロポキシシラン、テトラ−n−ブトキシラン、テトラ−sec−ブトキシシラン、テトラ−t−ブトキシシラン等のテトラアルコキシシラン類;
テトラフェノキシシラン等のテトラアリールシラン類;
オキセタニルトリメトキシシラン、オキシラニルトリメトキシシラン、オキシラニルメチルトリメトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン等のエポキシ基含有シラン類;
3−(トリメトキシシリル)プロピル無水コハク酸、2−(トリメトキシシリル)エチル無水コハク酸、3−(トリメトキシシリル)プロピル無水マレイン酸、2−(トリメトキシシリル)エチル無水グルタル酸等の酸無水物基含有シラン類;
テトラクロロシラン等のテトラハロシラン類などが挙げられる。
これらの中で、得られるレジスト下層膜のドライエッチング耐性に優れる観点から、テトラメトキシシラン、及びテトラエトキシシランが好ましい。
また、シラン化合物の反応性及び物質の取り扱い容易性の観点から、フェニルトリメトキシシラン、4−メチルフェニルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、アリルトリメトキシシラン、及びアリルトリエトキシシランが好ましい。
さらに、レジストパターンのパターン倒れを抑制する観点から、オキセタニルトリメトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−(トリメトキシシリル)プロピル無水コハク酸、及び4−ヒドロキシフェニルトリメトキシシランが好ましい。
上記ポリシロキサンの合成には、上記式(i)で表されるシラン化合物以外のシラン化合物も用いることができる。このようなシラン化合物としては、例えばヘキサメトキシジシラン、ヘキサエトキシジシラン、ヘキサフェノキシジシラン、1,1,1,2,2−ペンタメトキシ−2−メチルジシラン、1,1,1,2,2−ペンタエトキシ−2−メチルジシラン、1,1,2,2−テトラメトキシ−1,2−ジメチルジシラン、1,1,2,2−テトラエトキシ−1,2−ジメチルジシラン、1,1,2,2−テトラフェノキシ−1,2−ジメチルジシラン、
1,1,2−トリメトキシ−1,2,2−トリメチルジシラン、1,1,2−トリエトキシ−1,2,2−トリメチルジシラン、1,1,2−トリフェノキシ−1,2,2−トリメチルジシラン、1,2−ジメトキシ−1,1,2,2−テトラメチルジシラン、1,2−ジエトキシ−1,1,2,2−テトラメチルジシラン、1,2−ジフェノキシ−1,1,2,2−テトラメチルジシラン、
ビス(トリメトキシシリル)メタン、ビス(トリエトキシシリル)メタン、1,2−ビス(トリメトキシシリル)エタン、1,2−ビス(トリエトキシシリル)エタン、1−(ジメトキシメチルシリル)−1−(トリメトキシシリル)メタン、1−(ジエトキシメチルシリル)−1−(トリエトキシシリル)メタン、
ビス(ジメトキシメチルシリル)メタン、ビス(ジエトキシメチルシリル)メタン、1,2−ビス(ジメトキシメチルシリル)エタン、1,2−ビス(ジエトキシメチルシリル)エタン、
1−(ジメトキシメチルシリル)−1−(トリメチルシリル)メタン、1−(ジエトキシメチルシリル)−1−(トリメチルシリル)メタン、
ビス(トリメトキシシリル)ベンゼン、ビス(トリエトキシシリル)ベンゼン等のジシラン類;
ポリジメトキシメチルカルボシラン、ポリジエトキシメチルカルボシラン等のポリカルボシラン類などが挙げられる。
当該レジスト下層膜形成用ポリシロキサン組成物におけるポリシロキサンの含有量の下限としては、レジスト下層膜形成用ポリシロキサン組成物における全固形分に対して、80質量%が好ましく、90質量%がより好ましく、95質量%がさらに好ましい。なお、当該レジスト下層膜形成用ポリシロキサン組成物はポリシロキサンを1種のみ含有していてもよく、2種以上含有していてもよい。ここで「固形分」とは、例えば溶液を30分間250℃で焼成した残分の焼成前の溶液に対する割合を意味する。
ポリシロキサンのゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算重量平均分子量(Mw)の下限としては、500が好ましく、800がより好ましく、1,000がさらに好ましく、1,200が特に好ましい。一方、上記Mwの上限としては、20,000が好ましく、15,000がより好ましく、10,000がさらに好ましく、5,000が特に好ましい。
なお、本明細書におけるMwは、東ソー社のGPCカラム(G2000HXL 2本、G3000HXL 1本、G4000HXL 1本)を使用し、流量1.0mL/分、溶出溶媒テトラヒドロフラン、カラム温度40℃の分析条件で、単分散ポリスチレンを標準とするゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)により測定した値である。
上記式(i)で表されるシラン化合物及び必要に応じて用いる他のシラン化合物を加水分解縮合する方法としては、公知の加水分解縮合の方法を用いることができる。
[酸発生剤]
上記酸発生剤はオニウムカチオン及び酸アニオンを含む。上記オニウムカチオンは、脂環構造、脂肪族複素環構造及び鎖状置換基を有する芳香環構造のうち少なくとも1つを含む。上記酸発生剤は露光又は加熱により酸を発生する。この酸によりポリシロキサン等の分子鎖間で架橋反応が生起される。これにより、レジスト下層膜上に形成されるレジストパターンの形状が向上する。また、上記酸発生剤の上記オニウムカチオンが上記特定の構造を有しているため、上述のようにレジスト下層膜中で好適に分散された状態となり、その結果、酸発生剤に起因するレジスト下層膜における欠陥の発生が抑制されると考えられる。
上記脂環構造としては、例えばシクロプロパン構造、シクロブタン構造、シクロペンタン構造、シクロヘキサン構造等の単環のシクロアルカン構造;ノルボルナン構造、アダマンタン構造等の多環のシクロアルカン構造などが挙げられる。
上記脂肪族複素環構造としては、例えばオキシラン構造、オキセタン構造、オキソラン構造、チオラン構造、チアン構造等の単環の構造;
オキサノルボルナン構造、アザノルボルナン構造、チアノルボルナン構造、ノルボルナンラクトン構造、オキサノルボルナンラクトン構造、ノルボルナンスルトン構造等の多環の構造などが挙げられる。
上記鎖状置換基を有する芳香環構造としては、例えば芳香環構造の有する水素原子の一部又は全部を鎖状炭化水素基で置換したものが挙げられる。
上記芳香環構造としては、例えばベンゼン構造、ナフタレン構造、アントラセン構造、フェナレン構造等が挙げられる。
上記鎖状炭化水素基としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基等のアルキル基;
エテニル基、プロペニル基、ブテニル基等のアルケニル基;
エチニル基、プロピニル基、ブチニル基等のアルキニル基などが挙げられる。
上記オニウムカチオンとしては、下記式(1−1)及び(1−2)で表されるカチオンが好ましい。
Figure 2016027370
上記式(1−1)中、R1a、R1b及びR1cは、それぞれ独立して、炭素数1〜20の1価の有機基である。但し、R1a、R1b及びR1cのうち少なくとも1つは脂環構造を有する。m1、m2及びm3は、それぞれ独立して、0〜3の整数である。但し、m1、m2及びm3の全てが0となることはない。n1、n2及びn3は、それぞれ独立して、0〜2の整数である。m1が2以上の場合、複数のR1aは同一でも異なっていてもよい。m2が2以上の場合、複数のR1bは同一でも異なっていてもよい。m3が2以上の場合、複数のR1cは同一でも異なっていてもよい。
上記式(1−2)中、Rは、炭素数1〜20の1価の有機基である。p、q及びrは、それぞれ独立して、0〜2の整数である。pが2以上の場合、複数のRは同一でも異なっていてもよい。
上記R1a、R1b、及びR1cで表される炭素数1〜20の1価の有機基としては、例えば上記R又はRとして例示したものと同様の基等が挙げられる。R1a、R1b及びR1cとしては、これらの中で脂環式炭化水素基が好ましく、シクロアルキル基がより好ましく、シクロヘキシル基がさらに好ましい。
上記m1、m2及びm3としては、0及び1が好ましい。また、m1、m2及びm3のうちいずれか1つのみが1であり、残り2つが0であることがより好ましい。上記n1、n2及びn3としては、0及び1が好ましく、0がより好ましい。
上記Rで表される炭素数1〜20の1価の有機基としては、例えば上記R又はRとして例示したものと同様の基等が挙げられる。Rとしては、これらの中でヘテロ原子を有する鎖状炭化水素基が好ましく、酸素原子を有するアルキル基がより好ましく、酸素原子を有するブチル基がさらに好ましい。
上記p、q及びrとしては、0及び1が好ましく、1がより好ましい。
上記酸アニオンとしては、例えばオキソ酸アニオン、スルホニルイミド酸アニオン等が挙げられる。このオキソ酸アニオンとしては、例えばスルホネートアニオン、カルボキシレートアニオン、ホスホネートアニオン等が挙げられる。これらの中で、発生する酸の強さの観点から、スルホネートアニオンが好ましい。
上記スルホネートアニオンとしては下記式(2−a)で表されるアニオンが好ましい。
Figure 2016027370
上記式(2−a)中、Rは炭素数1〜20の1価の有機基である。
上記Rで表される炭素数1〜20の1価の有機基としては、例えば上記R又はRとして例示したものと同様の基等が挙げられる。Rとしては、これらの中でハロゲン原子を有する炭化水素基が好ましく、フッ素原子を有する炭化水素基がより好ましく、フッ素原子を有する炭素数1〜6の炭化水素基がさらに好ましく、フッ素原子を有する炭素数4〜6の炭化水素基が特に好ましい。
また、上記スルホニルイミド酸アニオンとしては、下記式(2−b)で表されるアニオンが好ましい。
Figure 2016027370
上記式(2−b)中、Lは、少なくとも1つの水素原子がフッ素原子で置換された炭素数2〜6のアルキレン基(以下、「フッ素化アルキレン基」ともいう。)である。
上記フッ素化アルキレン基の炭素数としては、3、4及び5が好ましく、3がより好ましい。上記炭素数が上記数値であることで、当該レジスト下層膜形成用ポリシロキサン組成物の水への溶出を低減できる。
また、上記フッ素化アルキレン基の有する水素原子のうちフッ素原子に置換されているものの割合であるフッ素化率の下限としては、70%が好ましく、90%がより好ましい。一方、上記フッ素化率の上限としては、100%が好ましい。フッ素化率が上記範囲であることで、酸発生剤から発生する酸の強度が適度に調節される。
上記フッ素化アルキレン基としては、アルキレン基の有する水素原子の全てがフッ素原子に置換されたパーフルオロアルキレン基が好ましい。
上記フッ素化アルキレン基としては、例えばテトラフルオロエチレン基、1,2−ヘキサフルオロプロピレン基、1,3−ヘキサフルオロプロピレン基、1,2−オクタフルオロブチレン基、1,3−オクタフルオロブチレン基、1,4−オクタフルオロブチレン基、2−トリフルオロメチル−1,3−ペンタフルオロプロピレン基、1,5−パーフルオロペンチレン基、1,6−パーフルオロへキシレン基、1,7−パーフルオロヘプチレン基、1,8−パーフルオロオクチレン基等が挙げられる。
また、上記式(2−b)で表されるアニオンとしては、下記式(2−b−1)〜(2−b−3)で表されるものが好ましい。
Figure 2016027370
酸アニオンを構成する原子の原子量の和の下限としては、150が好ましく、180がより好ましく、190がさらに好ましい。一方、上記原子量の和の上限としては、350が好ましく、320がより好ましく、300がさらに好ましい。上記原子量の和が上記下限未満の場合、酸発生剤から発生する酸の拡散長が過度に大きくなり、レジストパターンの形状が不良となるおそれがある。逆に、上記原子量の和が上記上限を超えると、当該レジスト下層膜形成用ポリシロキサン組成物から形成される膜中における酸発生剤の分散性が低下するおそれがある。
酸発生剤としては、例えば下記式(3−1)〜(3−8)で表される化合物(3−1)〜(3−8)が挙げられる。これらの中で、化合物(3−1)、化合物(3−2)、化合物(3−7)、及び化合物(3−8)が好ましい。
Figure 2016027370
ポリシロキサン100質量部に対する酸発生剤の含有量の下限としては、3質量部が好ましく、5質量部がより好ましい。一方、上記含有量の上限としては、20質量部が好ましく、10質量部がより好ましい。また、酸発生剤は1種又は2種以上を用いることができる。
[その他の成分]
当該レジスト下層膜形成用ポリシロキサン組成物が含有できるその他の成分としては、例えば溶媒、窒素含有化合物、β−ジケトン、コロイド状シリカ、コロイド状アルミナ、有機ポリマー、界面活性剤、塩基発生体等が挙げられる。
(溶媒)
溶媒は、上記ポリシロキサン及びその他の任意成分を溶解又は分散することができる限り、特に限定されず用いることができる。溶媒としては、例えばアルコール系溶媒、エーテル系溶媒、ケトン系溶媒、アミド系溶媒、エステル系溶媒、炭化水素系溶媒等の有機溶媒などが挙げられる。
上記アルコール系溶媒としては、例えば
4−メチル−2−ペンタノール、n−ヘキサノール等の炭素数1〜18の脂肪族モノアルコール系溶媒;
シクロヘキサノール等の炭素数3〜18の脂環式モノアルコール系溶媒;
1,2−プロピレングリコール等の炭素数3〜18の多価アルコール系溶媒;
プロピレングリコールモノエチルエーテル等の炭素数3〜19の多価アルコール部分エーテル系溶媒などが挙げられる。
上記エーテル系溶媒としては、例えば
ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジブチルエーテル等のジ脂肪族エーテル系溶媒;
アニソール、ジフェニルエーテル等の含芳香環エーテル系溶媒;
テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル系溶媒等が挙げられる。
上記ケトン系溶媒としては、例えば
アセトン、メチルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−n−ブチルケトン、ジエチルケトン、メチル−iso−ブチルケトン、メチル−n−アミルケトン、エチル−n−ブチルケトン、メチル−n−ヘキシルケトン、ジ−iso−ブチルケトン、トリメチルノナノン、アセトフェノン等の鎖状ケトン系溶媒;
シクロペンタノン、シクロヘキサノン、シクロヘプタノン、シクロオクタノン、メチルシクロヘキサノン等の環状ケトン系溶媒;
2,4−ペンタンジオン、アセトニルアセトン等のジケトン系溶媒等が挙げられる。
上記アミド系溶媒としては、例えば
N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルプロピオンアミド等の鎖状アミド系溶媒;
N−メチルピロリドン、N,N’−ジメチルイミダゾリジノン等の環状アミド系溶媒等が挙げられる。
上記エステル系溶媒としては、例えば
酢酸n−ブチル、乳酸エチル等のモノカルボン酸エステル系溶媒;
γ−ブチロラクトン、バレロラクトン等のラクトン系溶媒;
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の多価アルコール部分エーテルカルボキシレート系溶媒;
シュウ酸ジエチル等の多価カルボン酸ジエステル系溶媒;
ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート等のカーボネート系溶媒などが挙げられる。
上記炭化水素系溶媒としては、例えば
n−ペンタン、iso−ペンタン、n−ヘキサン、iso−ヘキサン、n−ヘプタン、iso−ヘプタン、2,2,4−トリメチルペンタン、n−オクタン、iso−オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶媒;
ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、トリメチルベンゼン、メチルエチルベンゼン、n−プロピルベンゼン、iso−プロピルベンゼン、ジエチルベンゼン、iso−ブチルベンゼン、トリエチルベンゼン、ジ−iso−プロピルベンセン、n−アミルナフタレン等の芳香族炭化水素系溶媒;
ジクロロメタン、クロロホルム、フロン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼン等の含ハロゲン系溶媒などが挙げられる。
溶媒としては、これらの中で、アルコール系溶媒、及びエステル系溶媒が好ましく、多価アルコール部分エーテル系溶媒、及び多価アルコールモノアルキルエーテルアセテート系溶媒がより好ましく、プロピレングリコールモノエチルエーテル、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートがさらに好ましい。溶媒は、1種単独で使用してもよく2種以上を併用してもよい。
(水)
当該レジスト下層膜形成用ポリシロキサン組成物は、水を含有してもよい。水を含有するとポリシロキサンが水和されるため、保存安定性が向上する。また、水を含有するとレジスト下層膜の成膜時の硬化が促進され、緻密な膜を得ることができる。
当該レジスト下層膜形成用ポリシロキサン組成物が水を含有する場合、水の含有率の下限としては、0.1質量%が好ましく、0.2質量%がより好ましい。一方、上記含有率の上限としては、30質量%が好ましく、20質量%がより好ましく、15質量%がさらに好ましい。水の含有量が上記上限を超えると、当該レジスト下層膜形成用ポリシロキサン組成物の保存安定性が低下し、また塗布膜の均一性が低下する場合がある。
(窒素含有化合物)
窒素含有化合物は、塩基性アミノ基を有する化合物、又は酸の作用により塩基性アミノ基となる基を有する化合物である。窒素含有化合物は当該レジスト下層膜形成用ポリシロキサン組成物から得られるレジスト下層膜のアッシング耐性等の特性を向上させる効果を有する。この効果は、窒素含有化合物がレジスト下層膜に存在することにより、レジスト下層膜中の架橋反応が促進されるためと考えられる。
窒素含有化合物としては、例えばアミン化合物、アミド基含有化合物、ウレア化合物、含窒素複素環化合物等が挙げられる。
上記アミン化合物としては、例えばモノ(シクロ)アルキルアミン類;ジ(シクロ)アルキルアミン類;トリ(シクロ)アルキルアミン類;置換アルキルアニリン又はその誘導体;エチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル、4,4’−ジアミノベンゾフェノン、4,4’−ジアミノジフェニルアミン、2,2−ビス(4−アミノフェニル)プロパン、2−(3−アミノフェニル)−2−(4−アミノフェニル)プロパン、2−(4−アミノフェニル)−2−(3−ヒドロキシフェニル)プロパン、2−(4−アミノフェニル)−2−(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,4−ビス(1−(4−アミノフェニル)−1−メチルエチル)ベンゼン、1,3−ビス(1−(4−アミノフェニル)−1−メチルエチル)ベンゼン、ビス(2−ジメチルアミノエチル)エーテル、ビス(2−ジエチルアミノエチル)エーテル、1−(2−ヒドロキシエチル)−2−イミダゾリジノン、2−キノキサリノール、N,N,N’,N’−テトラキス(2−ヒドロキシプロピル)エチレンジアミン、N,N,N’,N’’N’’−ペンタメチルジエチレントリアミン等が挙げられる。
上記アミド基含有化合物としては、例えばN−t−ブトキシカルボニル基含有アミノ化合物、N−t−アミロキシカルボニル基含有アミノ化合物、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、プロピオンアミド、ベンズアミド、ピロリドン、N−メチルピロリドン、N−アセチル−1−アダマンチルアミン、イソシアヌル酸トリス(2−ヒドロキシエチル)等が挙げられる。
上記ウレア化合物としては、例えば尿素、メチルウレア、1,1−ジメチルウレア、1,3−ジメチルウレア、1,1,3,3−テトラメチルウレア、1,3−ジフェニルウレア、トリ−n−ブチルチオウレア等が挙げられる。
上記含窒素複素環化合物としては、例えばイミダゾール類;ピリジン類;ピペラジン類;ピラジン、ピラゾール、ピリダジン、キノザリン、プリン、ピロリジン、ピペリジン、ピペリジンエタノール、3−ピペリジノ−1,2−プロパンジオール、モルホリン、4−メチルモルホリン、1−(4−モルホリニル)エタノール、4−アセチルモルホリン、3−(N−モルホリノ)−1,2−プロパンジオール、1,4−ジメチルピペラジン、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン等が挙げられる。
窒素含有化合物としては、これらの中で、アミド基含有化合物が好ましく、N−t−ブトキシカルボニル基含有アミノ化合物、及びN−t−アミロキシカルボニル基含有アミノ化合物がより好ましい。
窒素含有化合物の含有量の上限としては、パターン形状を良好にする観点から、当該レジスト下層膜形成用ポリシロキサン組成物100質量部に対して、30質量部が好ましく、10質量部がより好ましく、1質量部がさらに好ましい。窒素含有化合物は、1種又は2種以上を用いることができる。
<レジスト下層膜形成用ポリシロキサン組成物の調製方法>
当該レジスト下層膜形成用ポリシロキサン組成物は、例えばポリシロキサン、酸発生剤及び任意でその他の成分を混合し、溶媒に溶解または分散して得られる。当該レジスト下層膜形成用ポリシロキサン組成物の固形分濃度の下限としては、0.5質量%が好ましく、1質量%がより好ましい。一方、上記固形分濃度の上限としては、20質量%が好ましく、10質量%がより好ましい。
<パターン形成方法>
本発明のパターン形成方法は、基板の一方の面側に、レジスト下層膜を形成する工程(以下、「レジスト下層膜形成工程」ともいう)、上記レジスト下層膜の上記基板とは反対の面側に、レジストパターンを形成する工程(以下、「レジストパターン形成工程」ともいう)、及び上記レジストパターンをマスクとし、上記レジスト下層膜及び基板を順次ドライエッチングする工程(以下、「ドライエッチング工程」ともいう)を備える。以下、各工程について説明する。
[レジスト下層膜形成工程]
レジスト下層膜形成工程では、当該レジスト下層膜形成用ポリシロキサン組成物を被加工基板の一方の面側に塗布し、その後加熱することでポリシロキサンを架橋させ、レジスト下層膜を形成する。
上記被加工基板としては、例えばシリコンウェハ、アルミニウムで被覆されたウェハ等の従来公知の基板を使用できる。
当該レジスト下層膜形成用ポリシロキサン組成物の塗布方法としては、例えば回転塗布、流延塗布、ロール塗布等が挙げられる。また、形成されるレジスト下層膜の平均厚みの下限としては、0.01μmが好ましい。一方、上記平均厚みの上限としては、1μmが好ましく、0.5μmがより好ましい。
当該レジスト下層膜形成用ポリシロキサン組成物を塗布した後、必要に応じて、プレベーク(PB)によって塗膜中の溶媒を揮発させてもよい。PBの温度としては、当該レジスト下層膜形成用ポリシロキサン組成物の配合組成によって適宜選択されるが、30℃以上200℃以下が好ましい。また、PBの時間としては、5秒以上600秒以下が好ましい。
当該レジスト下層膜形成用ポリシロキサン組成物塗布後における加熱温度としては、特に限定されないが、その下限としては100℃が好ましく、120℃がより好ましく、150℃がさらに好ましく、200℃が特に好ましい。一方、上記加熱温度の上限としては450℃が好ましく、400℃がより好ましく、300℃がさらに好ましく、240℃が特に好ましい。
上記加熱時間の下限としては、10秒が好ましく、15秒がより好ましく、20秒がさらに好ましく、40秒が特に好ましい。一方、上記加熱時間の上限としては、1時間が好ましく、10分がより好ましく、150秒がさらに好ましく、80秒が特に好ましい。
レジスト下層膜を形成する際の加熱温度及び時間を上記範囲とすることで、簡便かつ確実に上記レジスト下層膜を形成することができる。また、上記加熱時の雰囲気としては特に限定されず、空気雰囲気下でも、窒素ガス等の不活性ガス雰囲気下でもよい。
また、上記レジスト下層膜形成工程の前に、被加工基板上に有機下層膜を形成し、上記レジスト下層膜形成工程においてレジスト下層膜を上記有機下層膜上に形成することもできる。多層レジストプロセスにおいて、被加工基板とレジスト下層膜との間に有機下層膜を設けることで、本発明の効果をより発揮させることができる。この有機下層膜は、有機下層膜形成用組成物を塗布、乾燥させて形成することができる。
さらに、被加工基板上に有機反射防止膜を形成し、その上にレジスト下層膜等を形成することもできる。この有機反射防止膜としては、例えば特公平6−12452号公報、特開昭59−93448号公報等に記載されているものを採用できる。
[レジストパターン形成工程]
レジストパターン形成工程は、例えば感放射線性樹脂組成物を用い、上記レジスト下層膜の上記基板とは反対の面側にレジスト膜を形成する工程(以下、「レジスト膜形成工程」ともいう。)、上記レジスト膜を露光する工程(以下、「露光工程」ともいう。)、及び有機溶媒を用い、上記露光されたレジスト膜を現像する工程(以下、「現像工程」ともいう。)を備える。
(レジスト膜形成工程)
本工程では、レジスト下層膜の上記基板とは反対の面側に感放射線性樹脂組成物を塗布しレジスト膜を形成する。
(感放射線性樹脂組成物)
感放射線性樹脂組成物は、例えば酸解離性基を有するベース重合体、酸発生体及び溶媒を含有する。また、感放射線性樹脂組成物はフッ素含有重合体、酸拡散制御剤等のその他の成分を含有してもよい。
上記ベース重合体は、酸解離性基を有する。酸解離性基とは、酸発生体等から発生する酸により解離する基である。酸解離性基が解離することにより、ベース重合体にカルボキシ基等の極性基が生じ、露光部及び未露光部の現像液への溶解性の違いが生じる。
上記酸解離性基を有するベース重合体としては、通常、感放射線性樹脂組成物が含有する重合体を用いることができ、1−アルキル−1−シクロアルキル(メタ)アクリレートに由来する構造を有する重合体、2−シクロアルキルプロパン−2−イル(メタ)アクリレートに由来する構造を有する重合体、2−アルキル−2−アダマンチル(メタ)アクリレートに由来する構造を有する重合体、2−(アダマンタン−1−イル)プロパン−2−イル(メタ)アクリレートに由来する構造を有する重合体が好ましい。
また、上記ベース重合体は、ラクトン構造、環状カーボネート構造、スルトン構造等の構造を有していてもよい。これらの構造を有することで、レジスト膜の現像液への溶解性をさらに向上させることができる。
ベース重合体の含有量の下限としては、上記感放射線性樹脂組成物の全固形分中、70質量%が好ましく、75質量%がより好ましく、80質量%がさらに好ましい。
上記酸発生体の含有形態としては、低分子化合物の形態、重合体の一部に上記低分子化合物が組み込まれた形態、及びこれらの両方の形態が挙げられる。上記低分子化合物としては、例えば当該レジスト下層膜形成用ポリシロキサン組成物において例示した酸発生剤と同様の化合物が挙げられる。これらの中で、オニウム塩化合物が好ましく、スルホニウム塩、テトラヒドロチオフェニウム塩がより好ましい。
上記酸発生体が上記低分子化合物の場合、ベース重合体100質量部に対する酸発生体の含有量の下限としては、0.5質量部がより好ましく、1質量部がさらに好ましく、3質量部が特に好ましい。一方、上記含有量の上限としては、30質量部が好ましく、20質量部がより好ましく、15質量部がさらに好ましい。酸発生体の含有量を上記範囲とすることで、上記感放射線性樹脂組成物の感度及び現像性が向上する。酸発生体は、1種又は2種以上を用いることができる。
上記溶媒としては、例えば当該レジスト下層膜形成用ポリシロキサン組成物において例示した溶媒と同様のものが挙げられる。これらの中で、エステル系溶媒、及びケトン系溶媒が好ましく、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、及びシクロヘキサノンがより好ましい。上記溶媒は、1種又は2種以上を用いることができる。
上記酸拡散制御剤としては、例えば当該レジスト下層膜形成用ポリシロキサン組成物において例示した上記窒素含有化合物と同様のもの、及び光崩壊性塩基等が挙げられる。
光崩壊性塩基とは露光により弱酸を発生する化合物であり、未露光部ではアニオンによる酸捕捉機能が発揮されクエンチャーとして機能し、露光部から拡散する酸を捕捉する。一方、露光部においては酸を発生してアニオンが消滅するため、酸捕捉機能がなくなる。すなわち、未露光部のみにおいてクエンチャーとして機能するため、酸解離性基の解離反応のコントラストが向上する。上記光崩壊性塩基としては、例えば露光により分解して酸拡散制御性を失うオニウム塩化合物等が挙げられる。このオニウム塩化合物としては、例えばスルホニウム塩化合物、ヨードニウム塩化合物等が挙げられる。
酸拡散制御剤としては、光崩壊性塩基が好ましく、トリフェニルスルホニウムサリチレート、及びトリフェニルスルホニウムカンファースルホナートがより好ましい。
上記感放射線性樹脂組成物が酸拡散制御体を含有する場合であって酸拡散制御体が酸拡散制御剤の場合、ベース重合体100質量部に対する酸拡散制御体の含有量の下限としては、0.1質量部が好ましく、0.3質量部がより好ましい。一方、上記含有量の上限としては、10質量部が好ましく、7質量部がより好ましく、5質量部がさらに好ましい。酸拡散制御剤の含有量が上記上限を超えると、得られる感放射線性樹脂組成物の感度が低下する場合がある。酸拡散抑制剤は、1種単独で又は2種以上を混合して用いてもよい。
上記感放射線性樹脂組成物の塗布方法としては、例えばレジスト下層膜形成工程におけるものと同様のものを用いることができる。また、形成されるレジスト膜の平均厚みの下限としては、0.01μmが好ましい。一方、上記平均厚みの上限としては、1μmが好ましく、0.5μmがより好ましい。
また、上記感放射線性樹脂組成物を塗布した後、必要に応じて、プレベーク(PB)によって塗膜中の溶媒を揮発させてもよい。PBの温度及び時間としては、上記レジスト下層膜におけるPBと同様のものとすることができる。
さらに、環境雰囲気中に含まれる塩基性不純物等の影響を防止するために、保護膜を上記形成したレジスト膜上に設けることもできる。この保護膜としては、例えば特開平5−188598号公報等に記載されているものが挙げられる。加えて、レジスト膜からの酸発生体等の流出を防止するため、例えば特開2005−352384号公報等に記載されている液浸用保護膜をレジスト膜上に設けることもできる。なお、これらの技術は併用できる。
(露光工程)
本工程では、上記レジスト膜形成工程で形成したレジスト膜を露光する。この露光としては、例えば所望の領域にアイソラインパターンマスクを介して縮小投影露光を行うことにより、アイソトレンチパターンを形成できる。また、露光は所望のパターンとマスクパターンによって2回以上行ってもよい。2回以上露光を行う場合、露光は連続して行うことが好ましい。複数回露光する場合、例えば所望の領域にラインアンドスペースパターンマスクを介して第1の縮小投影露光を行い、続けて第1の露光を行った露光部に対してラインが交差するように第2の縮小投影露光を行う。第1の露光部と第2の露光部とは直交することが好ましい。直交することにより、露光部で囲まれた未露光部において真円状のコンタクトホールパターンが形成しやすくなる。
露光として液浸露光を行う場合、露光の際に用いられる液浸液としては水やフッ素系不活性液体等が挙げられる。液浸液は、露光波長に対して透明であり、かつ膜上に投影される光学像の歪みを最小限に留めるよう屈折率の温度係数ができる限り小さい液体が好ましいが、特に露光光源がArFエキシマレーザー光(波長193nm)である場合、上述の観点に加えて、入手の容易さ、取り扱いのし易さといった点から水を用いるのが好ましい。水を用いる場合、水の表面張力を減少させるとともに、界面活性力を増大させる添加剤を僅かな割合で添加しても良い。この添加剤は、ウェハ上のレジスト層を溶解させず、かつレンズの下面の光学コートに対する影響が無視できるものが好ましい。使用する水としては蒸留水が好ましい。
露光に使用される放射線としては、上記感放射線性樹脂組成物が含有する酸発生体の種類に応じて適宜選択されるが、例えば紫外線、遠紫外線、可視光線、EUV、X線、γ線等の電磁波;電子線、α線等の荷電粒子線などが挙げられる。これらの中で、遠紫外線、EUV、及び電子線が好ましく、ArFエキシマレーザー光(波長193nm)、KrFエキシマレーザー光(波長248nm)、EUV(極端紫外線)、及び電子線がより好ましい。露光量等の露光条件は、上記感放射線性樹脂組成物の配合組成や添加剤の種類等に応じて適宜選択される。当該パターン形成方法においては露光工程を複数回有してもよく、この場合、複数回の露光は同じ光源を用いても異なる光源を用いてもよい。
また、露光後にポストエクスポージャーベーク(PEB)を行なうことが好ましい。PEBを行なうことにより、上記感放射線性樹脂組成物中の酸解離性基の解離反応を円滑に進行できる。PEB温度の下限としては、30℃が好ましく、50℃がより好ましく、70℃がさらに好ましい。一方、上記PEB温度の上限としては、200℃が好ましく、170℃がより好ましく、120℃がさらに好ましい。PEB時間の下限としては、5秒が好ましく、10秒がより好ましい。一方、PEB時間の上限としては、600秒が好ましく、300秒がより好ましい。
(現像工程)
本工程では、上記露光工程で露光されたレジスト膜を現像液を用いて現像し、乾燥処理等を行う。これにより、所定のレジストパターンを形成することができる。
有機溶媒現像の場合、上記現像に用いる現像液としては、炭化水素系溶媒、エーテル系溶媒、エステル系溶媒、ケトン系溶媒、アルコール系溶媒等の有機溶媒などが挙げられる。上記有機溶媒としては、例えば上述のレジスト下層膜形成用組成物の溶媒として列挙した溶媒の1種又は2種以上等が挙げられる。これらの中でも、エステル系溶媒、及びケトン系溶媒が好ましい。エステル系溶媒としては、酢酸エステル系溶媒が好ましく、酢酸n−ブチルがより好ましい。ケトン系溶媒としては、鎖状ケトンが好ましく、2−ヘプタノンがより好ましい。現像液中の有機溶媒の含有量の下限としては80質量%が好ましく、90質量%がより好ましく、95質量%がさらに好ましく、99質量%が特に好ましい。
現像液には、必要に応じて界面活性剤を適当量添加することができる。界面活性剤としては、例えばイオン性や非イオン性のフッ素系及び/又はシリコン系界面活性剤等を用いることができる。
また、アルカリ性溶液を用いてアルカリ現像を行ってもよい。この場合、上記現像に用いる現像液としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、けい酸ナトリウム、メタけい酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、n−プロピルアミン、ジエチルアミン、ジ−n−プロピルアミン、トリエチルアミン、メチルジエチルアミン、エチルジメチルアミン、トリエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)、ピロール、ピペリジン、コリン、1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン、1,5−ジアザビシクロ−[4.3.0]−5−ノネン等のアルカリ性化合物の少なくとも1種を溶解したアルカリ水溶液等が挙げられる。これらの中でも、TMAH水溶液が好ましく、2.38質量%TMAH水溶液がより好ましい。
現像方法としては、例えば現像液が満たされた槽中に基板を一定時間浸漬する方法(ディップ法)、基板表面に現像液を表面張力によって盛り上げて一定時間静止することで現像する方法(パドル法)、基板表面に現像液を噴霧する方法(スプレー法)、一定速度で回転している基板上に一定速度で現像液塗出ノズルをスキャンしながら現像液を塗出しつづける方法(ダイナミックディスペンス法)等が挙げられる。
上記現像後に、形成されたレジストパターンをリンス液を用いて洗浄することが好ましい。リンス液としては、有機溶媒現像の場合は、アルコール系溶媒、及びエステル系溶媒が好ましく、炭素数6〜8の1価のアルコール系溶媒がより好ましく、1−ヘキサノール、2−ヘキサノール、2−ヘプタノール、及び4−メチル−2−ペンタノールがさらに好ましい。アルカリ現像の場合は、水が好ましく、純水がより好ましい。
洗浄処理の方法としては、例えば一定速度で回転している基板上にリンス液を塗出しつづける方法(回転塗布法)、リンス液が満たされた槽中に基板を一定時間浸漬する方法(ディップ法)、基板表面にリンス液を噴霧する方法(スプレー法)等が挙げられる。
[ドライエッチング工程]
ドライエッチング工程では、上記レジストパターンをマスクとし、上記レジスト下層膜をドライエッチングして下層パターンを形成する。その後、この下層パターンをマスクとし、上記被加工基板をドライエッチングして被加工基板にパターンを形成する。
このドライエッチングは、公知のドライエッチング装置を用いて行うことができる。また、ドライエッチングに使用するエッチングガスとしては、エッチングされるレジスト下層膜の元素組成等により適宜選択することができ、例えばCHF、CF、C、C、SF等のフッ素系ガス、Cl、BCl等の塩素系ガス、O、O、HO等の酸素系ガス、H、NH、CO、CO等のガス、He、N、Ar等の不活性ガス等が挙げられる。これらのガスは1種又は2種以上を用いることができる。
レジスト下層膜のエッチングに用いるエッチングガスとしては、フッ素系ガスが好ましく、フッ素系ガスに酸素系ガス及び不活性ガスを混合したものが好ましい。被加工基板のエッチングに用いるエッチングガスとしては、酸素系ガスが好ましく、酸素系ガスに不活性ガスを混合したものがより好ましい。
また、上記有機下層膜を形成する場合、ドライエッチング工程では、上記下層パターンをマスクとして有機下層膜をエッチングし、続いて被加工基板をエッチングする。この有機下層膜のエッチングに用いるエッチングガスとしては、酸素系ガスが好ましく、酸素系ガスに不活性ガスを混合したものがより好ましい。
以下、実施例に基づき本発明を詳述するが、この実施例に本発明が限定的に解釈されるものではない。各種物性値の測定方法を以下に示す。
[固形分の含有割合の決定]
シロキサン樹脂溶液0.5gを30分間250℃で焼成することで、樹脂溶液0.5gに対する固形分の重量を測定し、シロキサン樹脂溶液の固形分の含有割合を決定した。
[Mw及びMn測定]
重合体のMw及びMnは、下記条件によるゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した。
カラム:東ソー社の「G2000HXL」2本、「G3000HXL」1本及び「G4000HXL」1本
溶出溶媒:テトラヒドロフラン
カラム温度:40℃
流量:1.0mL/分
検出器:示差屈折計
標準物質:単分散ポリスチレン
<ポリシロキサンの合成>
シュウ酸10.9gを水163.8gに加熱溶解させて、シュウ酸水溶液を調製した。次に、冷却管と添加装置を備えたテトラエトキシシラン252.6g(75モル%)、メチルトリメトキシシラン33.0g(15モル%)、フェニルトリメトキシシラン32.1g(10モル%)及びプロピレングリコールモノエチルエーテル(PGEE)507.7gを入れた5Lのフラスコに、冷却管と、上記調製したシュウ酸水溶液を入れた滴下ロートをセットした。次いで、オイルバスにて60℃に加熱した後、シュウ酸水溶液をゆっくり滴下し、60℃で4時間反応させた。反応終了後、反応溶液の入ったフラスコを放冷してからエバポレーターにセットし、反応により生成したアルコールを留去した。得られた溶液に、692.0gのプロピレングリコールモノエチルエーテル(PGEE)を加えてからエバポレーターでPGEE等を留去して溶媒置換を行うことにより、ポリシロキサンを含む混合液(以下、「ポリシロキサン混合液」ともいう)846.0gを得た。得られたポリシロキサン混合液の固形分濃度は、焼成法により測定した結果、6.9質量%であった。また、GPC測定の結果、ポリシロキサンのMwは3,000であった。
<レジスト下層膜形成用ポリシロキサン組成物の調製>
レジスト下層膜形成用ポリシロキサン組成物の調製に用いた各成分を以下に示す。
[酸発生剤]
B−1:下記式(B−1)で示す化合物
B−2:下記式(B−2)で示す化合物
B−3:下記式(B−3)で示す化合物
B−4:下記式(B−4)で示す化合物
B−5:下記式(B−5)で示す化合物
B−6:下記式(B−6)で示す化合物
B−7:下記式(B−7)で示す化合物
Figure 2016027370
[溶媒]
C−1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)
C−2:プロピレングリコールモノエチルエーテル(PGEE)
[実施例1]
レジスト下層膜形成用ポリシロキサン組成物の調製において、溶液タンク、フィルタA、フィルタB、ダイヤフラムポンプ及びテフロン(登録商標)製チューブ(内径4mm、長さ200mm)を備える循環濾過装置を用いた。上記フィルタAとして、ポリアミド系合成繊維膜(日本ポール社の「フィルターカプセル フォトクリーDDF ウルチプリーツ・P−ナイロン」、孔径20nm、濾布面積0.53m)を用い、上記フィルタBとして、ポリエチレン膜(日本ポール社の「フィルターカプセル フォトクリーンDDF PE−クリーン」、孔径10nm、濾布面積0.51m)を用いた。この際フィルタAが上流側、フィルタBが下流側となるようにし、2つのフィルタをテフロン(登録商標)製チューブ(内径4mm、長さ100mm)で接続した。
次に、溶液タンクに上記調製したポリシロキサン混合液を591g投入した。このポリシロキサン混合液中のポリシロキサン100質量部に対して、酸発生剤(B−1)2.5質量部、並びに溶媒(C−1)5037質量部及び(C−2)2157質量部を加え希釈溶解させた後、この溶液を常圧下、流速450g/分の条件にて、循環回数が20回となるまで循環濾過を行うことで実施例1のレジスト下層膜形成用ポリシロキサン組成物を得た。
<実施例2〜4及び比較例1〜3>
下記表1に示す種類及び使用量の各化合物を用いた以外は、実施例1と同様にして実施例2〜4及び比較例1〜3のレジスト下層膜形成用ポリシロキサン組成物を得た。
Figure 2016027370
<評価>
12インチシリコンウエハー表面に、上記実施例及び比較例のレジスト下層膜形成用ポリシロキサン組成物をスピンコーター(東京エレクトロン社の「ACT12」)を用いてインラインで塗布し、215℃で60秒間ベークを行い、平均厚み33nmのレジスト下層膜を形成した欠陥検査用基板を得た。得られた欠陥検査用基板について、欠陥検査装置(ケー・エル・エー・テンコール社の「KLA2810」)を用いて、ピクセルサイズ0.23μm、閾値10の条件下で欠陥数を測定した。欠陥抑制性は、欠陥検査用基板1枚あたりの欠陥数が25個以下の場合は「A」とし、25個を超えた場合は「B」と評価した。これらの評価のうち、Aを合格とした。この欠陥数及び評価を表2に示す。
Figure 2016027370
表2に示すように、実施例のレジスト下層膜形成用ポリシロキサン組成物は、レジスト下層膜における欠陥が少なかった。これに対し、比較例のレジスト下層膜形成用ポリシロキサン組成物は、いずれもレジスト下層膜における欠陥が多かった。
<パターン形状>
以下の手順により、レジスト下層膜上に形成されたパターンの形状について評価した。
[感放射線性樹脂組成物の調製]
ベース重合体(a−1)及びフッ素含有重合体(a−2)の合成に用いた化合物を以下に示す。
Figure 2016027370
(ベース重合体(a−1)の合成)
下記化合物(M−1)12.9g(50モル%)及び化合物(M−2)17.1g(50モル%)を、メチルエチルケトン60gに溶解し、さらに2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)1.77gを投入して溶解させ、単量体溶液を調製した。次に、30gのメチルエチルケトンを投入した200mLの三口フラスコを30分窒素パージした後、反応釜を攪拌しながら80℃に加熱して、上記単量体溶液を滴下漏斗を用い、3時間かけて滴下した。滴下開始を重合開始時間とし、重合反応を6時間実施した。重合終了後、重合反応溶液を水冷し30℃以下に冷却し、600gのメタノールへ投入して、析出した白色粉末を濾別した。濾別した白色粉末をそれぞれ150gのメタノールを用い、2回、スラリー状にして洗浄した後、再度濾別し、50℃にて17時間乾燥して白色粉末のベース重合体(a−1)を得た(収率80%)。13C−NMRの結果、ベース重合体(a−1)における化合物(M−1)/(M−2)に由来する構造単位の含有割合は49/51(モル%)であった。また、ベース重合体(a−1)のMwは6,900、Mw/Mnは1.35であった。
(フッ素含有重合体(a−2)の合成)
下記化合物(M−3)10.4g(30モル%)及び化合物(M−4)19.6g(70モル%)を、メチルエチルケトン60gに溶解し、さらに2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル)0.91g(5モル%)を投入し、単量体溶液を調製した。次に、30gのメチルエチルケトンを投入した200mLの三口フラスコを30分窒素パージした後、反応釜を攪拌しながら80℃に加熱し、事前に準備した上記単量体溶液を滴下漏斗を用いて3時間かけて滴下した。滴下開始を重合開始時間とし、重合反応を6時間実施した。重合終了後、溶液を水冷し30℃以下に冷却し、600gのメタノールへ投入し、析出した白色粉末を濾別した。濾別した白色粉末を150gのメタノールにて2回スラリー状にして洗浄した後、再度濾別し、50℃にて12時間乾燥して白色粉末のフッ素含有重合体(a−2)を得た(収率68%)。13C−NMRの結果、フッ素含有重合体(a−2)における(M−3)/(M−4)に由来する構造単位の含有割合は、31/69(モル%)であった。また、フッ素含有重合体(a−2)のMwは5,900、Mw/Mnは1.58であった。
感放射線性樹脂組成物の調製に用いたベース重合体(a−1)及びフッ素含有重合体(a−2)以外の成分を下記に示す。
(酸発生剤)
b−1:トリフェニルスルホニウム1,1,2,2−テトラフルオロ−6−(1−アダマンタンカルボニロキシ)−ヘキサン−1−スルホネート(下記式(b−1)で表される化合物)
Figure 2016027370
(酸拡散制御剤)
c−1:トリフェニルスルホニウムサリチレート(下記式(c−1)で表される化合物)
Figure 2016027370
(溶媒)
d−1:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
d−2:シクロヘキサノン
d−3:γ−ブチロラクトン
(感放射線性樹脂組成物(J−1)の調製)
ベース重合体(a−1)100質量部、フッ素含有重合体(a−2)3質量部、酸発生剤(b−1)10.8質量部、酸拡散制御剤(c−1)4.3質量部並びに溶媒(d−1)2,185質量部、溶媒(d−2)935質量部及び溶媒(d−3)30質量部を混合して感放射線性樹脂組成物(J−1)を調製した。
[ラインアンドスペースパターンの形成]
12インチシリコンウェハ上に、反射防止膜形成材料(JSR社の「HM8006」)をスピンコートした。スピンコートには、塗布/現像装置(東京エレクトロン社の「CLEAN TRACK ACT12」)を使用した(以下、特に記載のないものについては同じ装置を用いた)。その後、PB(250℃、60秒)を行うことにより平均厚み100nmの反射防止膜を形成した。この反射防止膜上に、実施例1のレジスト下層膜形成用ポリシロキサン組成物(S−1)をスピンコートし、PB(220℃、60秒)した後、冷却(23℃、60秒)することにより平均厚み30nmのレジスト下層膜を形成した。レジスト下層膜の平均厚みは、膜厚測定装置(、J.A.Woollam社の「M−2000D」)で測定した。次いで、感放射線性樹脂組成物(J−1)を形成したレジスト下層膜上にスピンコートし、PB(90℃、60秒)した後、冷却(23℃、30秒)することにより平均厚み100nmのレジスト膜を形成した。
次いで、ArF液浸露光装置(NIKON社の「S610C」)を使用し、NA:1.30、Dipoleの光学条件にて、40nmライン/80nmピッチ形成用のマスクサイズのマスクを介して露光した。上記「CLEAN TRACK Lithius Pro−i」のホットプレート上でPEB(100℃、60秒)を行い、冷却(23℃、30秒)した後、酢酸ブチルを現像液としてパドル現像(30秒間)し、MIBCでリンスした。2,000rpm、15秒間振り切りでスピンドライすることにより、40nmライン/80nmピッチのレジストパターンが形成された評価用基板を得た。
上記得られた評価用基板を用い、パターン形状の評価を行った。評価用基板のレジストパターンの測長及び観察には走査型電子顕微鏡(日立ハイテクノロジーズ社の「CG−4000」)を用いた。レジストパターンに倒れやボトムの裾引きは見られず、パターン形状は良好であった。
上述のように、本発明のレジスト下層膜形成用ポリシロキサン組成物及びパターン形成方法によれば、多層レジストプロセスにおいて、レジスト下層膜における欠陥の発生を抑制できる。従って、これらは今後ますます微細化が進行すると予想される半導体デバイス製造等におけるパターン形成に好適に用いることができる。

Claims (8)

  1. ポリシロキサン及び酸発生剤を含有するレジスト下層膜形成用ポリシロキサン組成物であって、
    上記酸発生剤がオニウムカチオン及び酸アニオンを含み、
    上記オニウムカチオンが、脂環構造、脂肪族複素環構造、鎖状置換基を有する芳香環構造又はこれらの組み合わせを含むことを特徴とするレジスト下層膜形成用ポリシロキサン組成物。
  2. 上記オニウムカチオンが脂環構造、脂肪族複素環構造又はこれらの組み合わせを含む請求項1に記載のレジスト下層膜形成用ポリシロキサン組成物。
  3. 上記酸アニオンを構成する原子の原子量の和が350以下である請求項1又は請求項2に記載のレジスト下層膜形成用ポリシロキサン組成物。
  4. 上記オニウムカチオンが、下記式(1−1)で表されるカチオン、下記式(1−2)で表されるカチオン又はこれらの組み合わせを含む請求項1、請求項2又は請求項3に記載のレジスト下層膜形成用ポリシロキサン組成物。
    Figure 2016027370
    (式(1−1)中、R1a、R1b及びR1cは、それぞれ独立して、炭素数1〜20の1価の有機基である。但し、R1a、R1b及びR1cのうち少なくとも1つは脂環構造を有する。m1、m2及びm3は、それぞれ独立して、0〜3の整数である。但し、m1、m2及びm3の全てが0となることはない。n1、n2及びn3は、それぞれ独立して、0〜2の整数である。m1が2以上の場合、複数のR1aは同一でも異なっていてもよい。m2が2以上の場合、複数のR1bは同一でも異なっていてもよい。m3が2以上の場合、複数のR1cは同一でも異なっていてもよい。
    式(1−2)中、Rは、炭素数1〜20の1価の有機基である。p、q及びrは、それぞれ独立して、0〜2の整数である。pが2以上の場合、複数のRは同一でも異なっていてもよい。)
  5. 上記酸アニオンが下記式(2−a)で表される請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のレジスト下層膜形成用ポリシロキサン組成物。
    Figure 2016027370
    (式(2−a)中、Rは炭素数1〜20の1価の有機基である。)
  6. 上記ポリシロキサンが、下記式(i)で表されるシラン化合物を含む化合物の加水分解縮合物である請求項1から請求項5のいずれか1項に記載のレジスト下層膜形成用ポリシロキサン組成物。
    Figure 2016027370
    (式(i)中、Rは、水素原子又は炭素数1〜20の1価の有機基である。Xは、ハロゲン原子又は−ORである。Rは、炭素数1〜20の1価の有機基である。aは、0〜3の整数である。Rが複数の場合、複数のRは同一でも異なっていてもよい。Xが複数の場合、複数のXは同一でも異なっていてもよい。)
  7. 基板の一方の面側に、レジスト下層膜を形成する工程、
    上記レジスト下層膜の上記基板とは反対の面側に、レジストパターンを形成する工程、及び
    上記レジストパターンをマスクとし、上記レジスト下層膜及び基板を順次ドライエッチングする工程
    を備え、
    上記レジスト下層膜を請求項1から請求項6のいずれか1項に記載のレジスト下層膜形成用ポリシロキサン組成物により形成するパターン形成方法。
  8. 上記レジストパターンを形成する工程が、
    感放射線性樹脂組成物を用い、上記レジスト下層膜の上記基板とは反対の面側にレジスト膜を形成する工程、
    上記レジスト膜を露光する工程、及び
    有機溶媒を用い、上記露光されたレジスト膜を現像する工程
    を備える請求項7に記載のパターン形成方法。
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