JP2016027014A - PPARγ活性化剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】PPARγ活性化作用を有し、医薬品、医薬部外品又は皮膚外用剤、及び医薬品、医薬部外品、皮膚外用剤又は食品等に配合した場合に当該効果を発揮する素材を提供することに関する。【解決手段】クローブ、ベイ、シトロネラ、ケシ、ロベージ、ダバナ、アサ、エレミ及びそれらの抽出物、並びにアシタバカルコンから選ばれる1種以上を有効成分とする。【選択図】なし
Description
本発明は、PPARγ活性化剤に関する。
PPARγ(peroxisome proliferator−activated receptor γ)は、ペルオキシソーム増殖剤活性化受容体(PPAR)の一種である。PPARγは脂肪細胞の分化に関わっており、この活性化は脂肪細胞分化を促進すること、血中グルコースを活発に取り込む脂肪細胞の数を増やして血糖値を下げること、インスリン非感受性の肥大化脂肪細胞の過形成を抑えること、インスリンに対して高い感受性をもった小型脂肪細胞を増加させて血糖値を低下させること、アディポネクチン生成量を上昇させること、血中脂質(特にトリグリセリド)を低下させること、血管構成細胞の機能を制御することなどが知られている(特許文献1、非特許文献1)。
このため、PPARγ活性化剤は、脂質代謝異常の改善、糖代謝異常の改善に有用であり、インスリン抵抗性、II型糖尿病、高脂血、高血圧等の予防および/または改善剤として有効である。例えば、PPARγアゴニストであるピオグリタゾン(Pioglitazone)やロシグリタゾン(Rosiglitazone)は、II型糖尿病薬として利用されている(非特許文献2)。
アディポネクチン(adiponectin)は、主に脂肪細胞から分泌される因子(アディポカイン)であり、その発現量を増加させることで、例えば低アディポネクチン血症、動脈硬化症、糖尿病、高血圧症などの各疾病や、各種生活習慣病の上流に位置するメタボリックシンドローム、骨密度の低下などの予防・改善に有用であることが報告されている(特許文献1、2)。
また、アディポネクチンがアディポネクチン受容体1に結合すると、骨格筋細胞内でのカルシウムイオン(Ca2+)濃度の上昇を誘導して、その後に引き起こされるカルシウムイオン/カルモジュリン依存性のプロテインキナーゼキナーゼβ(CaMKKβ)の活性化、AMPK及びSIRT1の活性化、ペルオキシソーム増殖剤活性化受容体γコアクチベーター1α(PGC−1α)の発現増加及びアセチル化減少、並びにミトコンドリアの増加をもたらす。その一方、アディポネクチン受容体1を筋特異的に破壊すると、細胞内でのアディポネクチンによるカルシウムイオン濃度上昇が抑制され、CaMKK、AMPK及びSIRT1の活性化が低下すること、並びにアディポネクチン受容体1を抑制した場合には、PGC−1αの発現及び脱アセチル化の低下、ミトコンドリア含有量及び酵素の減少、酸化的なI型筋繊維の減少、骨格筋内での酸化ストレス解毒酵素の減少が生じる。
すなわち、アディポネクチンとアディポネクチン受容体1との結合により誘導される種々の生理活性は、運動後の骨格筋細胞における変化と実質的に同じであり、アディポネクチン受容体1を活性化させることにより擬似的な運動療法を行うことができることが報告されている(特許文献3)。
すなわち、アディポネクチンとアディポネクチン受容体1との結合により誘導される種々の生理活性は、運動後の骨格筋細胞における変化と実質的に同じであり、アディポネクチン受容体1を活性化させることにより擬似的な運動療法を行うことができることが報告されている(特許文献3)。
ケシは、ケシ科の植物で、その実(種子)は食用として古くから用いられている。ロベージは、セリ科の植物で、その葉はハーブ、種はスパイス、根は食用として用いられることが知られている。ベイは、フトモモ科のウエストインディアンベイの別称で、その葉は抗菌作用があることが知られている。クローブは、フトモモ科の植物で、香辛料の他、腹痛、歯痛、胃腸障害等に対する作用を有することが知られている。ダバナは、キク科の植物で、その葉から得られる精油は、血行を整える作用や、虫除け効果を有することが知られている。アサは、アサ科の植物で、その果実は食用や香辛料として使用することができ、瀉下作用を有することが知られている。シトロネラは、イネ科の植物で、その全草から得られる精油は抗菌作用があることが知られている。エレミは、カンラン科の植物で、その精油は強壮作用、去痰作用、抗ウイルス作用することが知られている。アシタバカルコンは、セリ科のアシタバに含まれるカルコンで、主にキサントアンゲロールや4−ヒドロキシデリシンからなり、抗菌、抗酸化作用を有することが知られている。
しかしながら、ケシ、ロベージ、ベイ、クローブ、ダバナ、アサ、シトロネラ、エレミ、アシタバカルコンが、PPARγに対して与える影響については全く知られていない。
Michael Lehrke et al., Cell 123, 993-999, 2005
Steven M. Watkins et al., Journal of Lipid Research Volume 43,1809-17, 2002
本発明は、PPARγ活性化作用を有し、医薬品、医薬部外品、皮膚外用剤、及び医薬品、医薬部外品、皮膚外用剤や食品等に配合した場合に、当該効果を発揮する素材を提供することに関する。
本発明者らは、PPARγの活性化に有効な成分の探索を行った結果、クローブ抽出物、ベイ抽出物、シトロネラ抽出物、ケシ抽出物、ロベージ抽出物、ダバナ抽出物、アサ抽出物、エレミ抽出物、及びアシタバカルコンが、PPARγ活性化作用を有することを見出した。
すなわち、本発明は、以下に係るものである。
(1)クローブ、ベイ、シトロネラ、ケシ、ロベージ、ダバナ、アサ、エレミ及びそれらの抽出物、並びにアシタバカルコンから選ばれる1種以上を有効成分とするPPARγ活性化剤。
(2)クローブ、ベイ、シトロネラ、ケシ、ロベージ、ダバナ、アサ、エレミ及びそれらの抽出物からなる群から選ばれる1種以上を有効成分とするアディポネクチン産生促進剤。
(3)クローブ、ベイ、シトロネラ、ケシ、ロベージ、ダバナ、アサ、エレミ及びそれらの抽出物からなる群から選ばれる1種以上を有効成分とする運動代替剤。
(1)クローブ、ベイ、シトロネラ、ケシ、ロベージ、ダバナ、アサ、エレミ及びそれらの抽出物、並びにアシタバカルコンから選ばれる1種以上を有効成分とするPPARγ活性化剤。
(2)クローブ、ベイ、シトロネラ、ケシ、ロベージ、ダバナ、アサ、エレミ及びそれらの抽出物からなる群から選ばれる1種以上を有効成分とするアディポネクチン産生促進剤。
(3)クローブ、ベイ、シトロネラ、ケシ、ロベージ、ダバナ、アサ、エレミ及びそれらの抽出物からなる群から選ばれる1種以上を有効成分とする運動代替剤。
本発明によれば、優れたPPARγ活性化作用を有し、アディポネクチン産生促進、運動代替等のために有用な、医薬品、医薬部外品又は皮膚外用剤、或いは医薬品、医薬部外品、皮膚外用剤、食品又は飼料に使用される素材、及び方法を提供できる。したがって、本発明によれば、PPARγを活性化し、アディポネクチン産生促進又は運動代替が可能となる。
本発明において用いられる「PPARγ活性化」とは、ペルオキシソーム増殖剤活性化受容体(PPAR)γを活性化することを意味し、PPARγアゴニスト或いはPPARγリガンドともいわれる。
「アディポネクチン産生促進」とは、アディポネクチン産生組織において、アディポネクチンのmRNA及び/又は蛋白質の発現を増加することやアディポネクチンのmRNA及び/又は蛋白質の分解を抑制することによりアディポネクチンのmRNA及び/又は蛋白質の産生量を増加することを意味し、その結果、アディポネクチン分泌量が増加することや血中アディポネクチン濃度が上昇することも含む概念である。
「運動代替」とは、運動を負荷することなく、運動負荷した時と同様の効果をもたらすことを意味し、例えば、運動を負荷することなく運動の有用な効果を担うアディポネクチンの産生を促進すること、及び/又はそれによりエネルギー代謝の活性化や、インスリン抵抗性、II型糖尿病等を予防・改善することを意味し、「疑似運動」と言うこともできる。具体的な手法としてはアディポネクチン産生を促進するPPARγ活性化剤の使用等が挙げられる。
本発明で用いるクローブとはフトモモ科フトモモ属Syzygium aromaticum、ベイはフトモモ科ミルキア属のPimenta racemosa、シトロネラはイネ科オガルカヤ属のCymbopogon nardus又はCymbopogon winterianus、ケシはケシ科のケシ属Papaver somniferum、ロベージはセリ科レビスティクム属のLevisticum officinale、ダバナはキク科ヨモギ属のAetemisia pallens、アサはアサ科アサ属のCannabis sativa、エレミはカンラン科カンラン属のCanarium luzonicumを各々意味する。
上記植物は、いずれの任意の部位、例えばその植物の全草、葉(葉身、葉柄等)、樹皮、木質部、枝、果実、種子、花(花弁、子房等)、根、根茎等、又はそれらの組み合わせを使用することができるが、ケシは実(種子)、ロベージは根、ベイは葉、クローブは蕾、ダバナは地上部、アサは果実(アサノミ、シトロネラは全草、エレミは樹皮からの分泌物が各々好ましい。
斯かるクローブ、ベイ、シトロネラ、ケシ、ロベージ、ダバナ、アサ、及ぶエレミは、そのまま、破砕、粉砕、搾取して用いるか、又はこれらから処理されたものを乾燥若しくは粉末化して用いるか、或いはこれらから抽出して用いることができる。
本発明における抽出物は、水蒸気蒸留法、圧搾法、油脂吸着法、有機溶剤抽出法等によって得られる水蒸気蒸留物(精油)、溶剤抽出物が挙げられる。クローブについては水蒸気蒸留物、ベイについては水蒸気蒸留物、シトロネラについては水蒸気蒸留物、ケシについては溶媒抽出物、ロベージについては水蒸気蒸留物、ダバナについては水蒸気蒸留物、アサノミについては溶媒抽出物、エレミについては圧搾物が各々好ましい。また上記抽出物としては、市販されているものを利用してもよい。
水蒸気蒸留法は、原料を蒸留釜に入れ、直接蒸気を吹き込んだり、釜に入っている水を沸騰させたりして、その水蒸気で芳香成分を蒸発させる方法である。圧搾法は、果皮から得るときに使用する方法であり、ローラーや遠心法による機械で圧搾し、低温で得られることが特徴である。油脂吸着法は、牛脂や豚脂に 芳香成分を吸着させる方法である。溶剤抽出法は、芳香成分を溶剤により溶かし出して抽出を行う方法である。用いる溶剤としては、石油エーテル、ヘキサン等が用いられる。これらの精油はそのまま用いてもよいが、強い匂いを有するものは、更に再蒸留、シリカゲルカラム、液液抽出等によって分画したものを用いてもよい。
水蒸気蒸留は、既知の方法及び装置で行えばよく、特に制限されるものではない。
水蒸気蒸留の温度条件としては、好ましくは70〜150℃、より好ましくは80〜120℃、さらに好ましくは90〜100℃の範囲で行うことができる。
水蒸気蒸留は、減圧、常圧、及び加圧のいずれの条件を採用することができる。すなわち、絶対圧で、10〜1000kPaで行うことができるが、50〜300kPaが好ましく、常圧が更に好ましい。
水蒸気の供給量は、添加植物の全質量に対して、0.05〜5倍が好ましく、0.1〜2倍がより好ましい。また、流速は、添加植物の全質量に対して、毎分0.01〜1倍、更に毎分0.02〜0.5倍、更に毎分0.03〜0.2倍で行うことが好ましい。
水蒸気蒸留の温度条件としては、好ましくは70〜150℃、より好ましくは80〜120℃、さらに好ましくは90〜100℃の範囲で行うことができる。
水蒸気蒸留は、減圧、常圧、及び加圧のいずれの条件を採用することができる。すなわち、絶対圧で、10〜1000kPaで行うことができるが、50〜300kPaが好ましく、常圧が更に好ましい。
水蒸気の供給量は、添加植物の全質量に対して、0.05〜5倍が好ましく、0.1〜2倍がより好ましい。また、流速は、添加植物の全質量に対して、毎分0.01〜1倍、更に毎分0.02〜0.5倍、更に毎分0.03〜0.2倍で行うことが好ましい。
また、溶剤抽出物とは、既知の抽出方法、例えば、固液抽出、圧搾抽出、液液抽出、浸漬、煎出、浸出、還流抽出、超音波抽出、マイクロ波抽出、攪拌等によって得られるものが挙げられる。
抽出のための溶剤には、極性溶剤、非極性溶剤のいずれをも使用することができる。当該抽出溶剤としては、例えば、水;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類;プロピレングリコール、ブチレングリコール等の多価アルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等の鎖状又は環状のエーテル類;ポリエチレングリコール等のポリエーテル類;スクワレン、ヘキサン、シクロヘキサン、石油エーテル等の炭化水素類;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類;ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類;ピリジン類;二酸化炭素、超臨界二酸化炭素;菜種油、オリーブ油、大豆油等の食用植物油;油脂、ワックス等の有機溶剤;ならびにこれらの混合物が挙げられる。これらの溶剤は、単独で又は2種以上混合して混合液として使用することができる。
抽出のための溶剤には、極性溶剤、非極性溶剤のいずれをも使用することができる。当該抽出溶剤としては、例えば、水;メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール等のアルコール類;プロピレングリコール、ブチレングリコール等の多価アルコール類;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類;酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル類;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等の鎖状又は環状のエーテル類;ポリエチレングリコール等のポリエーテル類;スクワレン、ヘキサン、シクロヘキサン、石油エーテル等の炭化水素類;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類;ジクロロメタン、クロロホルム、ジクロロエタン、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素類;ピリジン類;二酸化炭素、超臨界二酸化炭素;菜種油、オリーブ油、大豆油等の食用植物油;油脂、ワックス等の有機溶剤;ならびにこれらの混合物が挙げられる。これらの溶剤は、単独で又は2種以上混合して混合液として使用することができる。
具体的には、ケシノミ抽出物は、その果実(種子)を50%エタノールで抽出して得られたものを使用することができる。ロベージ抽出物は、その根を水蒸気蒸留して得られたオイルや、製品名「LOVAGE ROOT AT 100」(H. REYNAUD & FILS)を使用することができる。ベイ抽出物は、その葉を水蒸気蒸留して得られたオイルや、製品名「OIL BAY」(シャラボ株式会社)を使用することができる。クローブ抽出物は、そのつぼみを水蒸気蒸留して得られたオイルを使用することができる。ダバナ抽出物は、その地上部を水蒸気蒸留して得られたオイルや、製品名「OIL DAVANA (ARTEMISIA PALLENS)」(CITRUS AND ALLIED ESSENCES Ltd.)を使用することができる。アサ抽出物は、その果実を50%エタノールで抽出して得られたものを使用することができる。シトロネラ抽出物は、その全草を水蒸気蒸留して得られたオイルや、製品名「CITRONELLA OIL」(小川香料)を使用することができる。エレミ抽出物は、その樹皮の分泌物のオレオレジンや、製品名「ELEMI OIL EXTRA」(PAYAN BERTRAND S.A.)を使用することができる。
斯くして得られる抽出物は、抽出液や画分を単独で又は混合して、そのまま用いてもよく、適宜な溶媒で希釈した希釈液として用いてもよく、或いは濃縮エキスや乾燥粉末としたり、ペースト状に調製したものでもよい。また、凍結乾燥し、用時に、通常抽出に用いられる溶剤、例えば水、エタノール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、水−エタノール混合液、水−プロピレングリコール混合液、水−ブチレングリコール混合液等の溶剤で希釈して用いることもできる。また、リポソーム等のベシクルやマイクロカプセル等に内包させて用いることもできる。また、溶剤を用いた場合には通常除去するが、溶剤としてオイルを用いた場合にはこれを除去しなくてもよい。
上記抽出物は、食品上・医薬品上許容し得る規格に適合し本発明の効果を発揮するものであれば粗精製物であってもよく、更に得られた粗精製物を既知の分離精製方法を適宜組み合わせ不活性な夾雑物を除去してこれらの純度を高めてもよい。精製手段としては、有機溶剤沈殿、遠心分離、限界濾過膜、高速液体クロマトグラフやカラムクロマトグラフ、液液分配、ゲルろ過分離、活性炭処理等が挙げられる。
本発明で用いるアシタバカルコンは、セリ科シシウド属のAngelica keiskeiに由来するアシタバの茎より、搾汁して得られたものや、製品名「あした葉カルコンパウダー」(日本生物科学研究所)を使用することができる。
後記実施例1に示すように、クローブ抽出物、ベイ抽出物、シトロネラ抽出物、ケシノミ抽出物、ロベージ抽出物、ダバナ抽出物、アサ抽出物、エレミ抽出物、及びアシタバカルコンは、PPARγを活性化する作用を有する。したがって、上記クローブまたはその抽出物、ベイまたはその抽出物、シトロネラまたはその抽出物、ケシまたはその抽出物、ロベージまたはその抽出物、ダバナまたはその抽出物、アサまたはその抽出物、エレミまたはその抽出物、アシタバカルコンは、PPARγ活性化剤として用いることができる。
また、PPARγ活性化することにより、アディポネクチン生成量を上昇させることが知られており(上記特許文献1)、実際に、ラットの脂肪細胞を用いたin vitro試験系において優れたアディポネクチン発現増加作用が認められている(実施例2)。したがって、上記クローブまたはその抽出物、ベイまたはその抽出物、シトロネラまたはその抽出物、ケシまたはその抽出物、ロベージまたはその抽出物、ダバナまたはその抽出物、アサまたはその抽出物、エレミ抽出物またはその抽出物は、アディポネクチン産生促進剤、ひいては運動代替剤として用いることができる。
したがって、本発明で用いる上記クローブ、ベイ、シトロネラ、ケシ、ロベージ、ダバナ、アサ、エレミ及びそれらの抽出物は、PPARγ活性化剤、アディポネクチン産生促進剤、運動代替剤、並びにアシタバカルコンはPPARγ活性化剤として使用することができ、更にこれらの剤を製造するために使用することができる。
なお、当該使用は、ヒト若しくは非ヒト動物、又はそれらに由来する検体における使用であり得、また治療的使用であっても非治療的使用であってもよい。
ここで、「非治療的」とは、医療行為を含まない概念、すなわち人間を手術、治療又は診断する方法を含まない概念、より具体的には医師又は医師の指示を受けた者が人間に対して手術、治療又は診断を実施する方法を含まない概念である。
ここで、「非治療的」とは、医療行為を含まない概念、すなわち人間を手術、治療又は診断する方法を含まない概念、より具体的には医師又は医師の指示を受けた者が人間に対して手術、治療又は診断を実施する方法を含まない概念である。
従って、本発明のPPARγ活性化剤、アディポネクチン産生促進剤、運動代替剤は、PPARγの活性化、アディポネクチン産生の促進、運動の代替の各効果を奏する医薬品、医薬部外品、皮膚外用剤として、或いは医薬品、医薬部外品、皮膚外用剤又は食品等へ配合するための素材又は製剤として有用である。
上記医薬品(医薬部外品も含む)の剤形は、例えば注射剤、坐剤、吸入剤、経皮吸収剤、各種外用剤、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤、シロップ剤等の何れでもよく、投与形態も、経口投与(内用)、非経口投与(外用、注射)の何れであってもよい。このような種々の剤型の医薬製剤を調製するには、例えば本発明のPPARγ活性化剤、アディポネクチン産生促進剤、運動代替剤を、又は他の薬学的に許容される賦形剤、結合剤、増量剤、崩壊剤、界面活性剤、滑沢剤、分散剤、緩衝剤、保存剤、嬌味剤、香料、被膜剤、担体、希釈剤、他の薬効成分等を適宜組み合わせて用いることができる。
上記皮膚外用剤(医薬部外品も含む)は、使用方法に応じて、ローション、乳液、ゲル、クリーム、軟膏剤、粉末、顆粒等の種々の剤型で提供することができる。このような種々の剤型の皮膚外用剤は、例えば本発明のPPARγ活性化剤、アディポネクチン産生促進剤、運動代替剤と、皮膚外用剤に配合され得る、油性成分、保湿剤、粉体、色素、乳化剤、可溶化剤、洗浄剤、紫外線吸収剤、増粘剤、薬効成分、香料、樹脂、防菌防黴剤、植物抽出物、アルコール類、ビタミン類等を適宜組み合わせることにより調製することができる。
上記医薬品や皮膚外用剤(医薬部外品も含む)におけるクローブ、ベイ、シトロネラ、ケシ、ロベージ、ダバナ、アサ、エレミ、アシタバカルコン(乾燥物換算)の含有量は、特に限定されないが、製剤全質量の0.01質量%以上、好ましくは0.1質量%以上、更に好ましくは1.0質量%以上であり、そして95質量%以下、好ましくは80質量%以下、更に好ましくは60質量%以下である。また、0.01〜95質量%、好ましくは0.1〜80質量%、更に好ましくは1.0質量%〜60質量%が挙げられる。
また、上記食品には、線維化抑制等をコンセプトとし、必要に応じてその旨を表示した病者用食品、栄養機能食品又は特定保健用食品等の機能性食品が包含される。
食品の形態は、固形、半固形又は液状であり得る。食品の例としては、パン類、麺類、クッキー等の菓子類、ゼリー類、乳製品、冷凍食品、インスタント食品、でんぷん加工製品、加工肉製品、その他加工食品、お茶やコーヒー飲料、果実飲料、炭酸飲料、ゼリー状飲料等の飲料、スープ類、調味料、栄養補助食品等、及びそれらの原料が挙げられる。
また食品は、サプリメントのように、上記の経口投与製剤と同様、錠剤形態、丸剤形態、カプセル形態、液剤形態、シロップ形態、粉末形態、顆粒形態等であってもよい。
また食品は、サプリメントのように、上記の経口投与製剤と同様、錠剤形態、丸剤形態、カプセル形態、液剤形態、シロップ形態、粉末形態、顆粒形態等であってもよい。
斯かる食品は、任意の飲食品材料や、溶剤、軟化剤、油、乳化剤、防腐剤、香科、安定剤、着色剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、保湿剤、増粘剤、固着剤、分散剤、湿潤剤等を適宜組み合わせて配合し、調製することができる。
また、食品中における、クローブ、ベイ、シトロネラ、ケシ、ロベージ、ダバナ、アサ、エレミ、アシタバカルコン(乾燥物換算)の含有量は、特に限定されないが、製剤全質量の0.0001質量%以上、好ましくは0.001質量%以上、更に好ましくは0.01質量%以上であり、そして50質量%以下、好ましくは20質量%以下、更に好ましくは10質量%以下である。例えば、0.0001%〜50質量%、好ましくは0.001〜20質量%、更に好ましくは0.01〜10質量%が挙げられる。
クローブ、ベイ、シトロネラ、ケシ、ロベージ、ダバナ、アサ、エレミ、アシタバカルコンを医薬品として、或いは医薬品又はサプリメントに配合して使用する場合の投与量は、対象者の状態、体重、性別、年齢又はその他の要因に従って変動し得るが、経口投与の場合の成人1人当たりの1日の投与量は、特に限定されないが、乾燥物換算で、通常1mg以上、好ましくは5mg以上、更に好ましくは15mg以上であり、そして10g以下、好ましくは5g以下、更に好ましくは1g以下である。
また、上記製剤は、任意の投与計画に従って投与され得るが、1日1回〜数回に分け、数週間〜数ヶ月間継続して投与することが好ましい。
また、投与又は摂取対象としては、それを必要としている若しくは希望している動物であれば特に限定されないが、運動代替等を必要とする若しくは希望するヒトが挙げられる。
また、投与又は摂取対象としては、それを必要としている若しくは希望している動物であれば特に限定されないが、運動代替等を必要とする若しくは希望するヒトが挙げられる。
上述した実施形態に関し、本発明においては更に以下の態様が開示される。
<1>クローブ、ベイ、シトロネラ、ケシ、ロベージ、ダバナ、アサ、エレミ及びそれらの抽出物、並びにアシタバカルコンから選ばれる1種以上を有効成分とするPPARγ活性化剤。
<2>クローブ、ベイ、シトロネラ、ケシ、ロベージ、ダバナ、アサ、エレミ及びそれらの抽出物からなる群から選ばれる1種以上を有効成分とするアディポネクチン産生促進剤。
<3>クローブ、ベイ、シトロネラ、ケシ、ロベージ、ダバナ、アサ、エレミ及びそれらの抽出物からなる群から選ばれる1種以上を有効成分とする運動代替剤。
<4>PPARγ活性化剤、アディポネクチン産生促進剤又は運動代替剤を製造するための、クローブ、ベイ、シトロネラ、ケシ、ロベージ、ダバナ、アサ、エレミ及びそれらの抽出物からなる群から選ばれる1種以上、並びにPPARγ活性化剤を製造するためのアシタバカルコンの使用。
<5>PPARγ活性化、アディポネクチン産生促進又は運動代替に使用するための、クローブ、ベイ、シトロネラ、ケシ、ロベージ、ダバナ、アサ、エレミ及びそれらの抽出物からなる群から選ばれる1種以上、並びにPPARγ活性化に使用するためのアシタバカルコン。
<6>クローブ、ベイ、シトロネラ、ケシ、ロベージ、ダバナ、アサ、エレミ及びそれらの抽出物からなる群から選ばれる1種以上の有効量を、投与又は摂取することを特徴とするPPARγ活性化方法、アディポネクチン産生促進方法又は運動代替方法、並びにアシタバカルコンの有効量を、投与又は摂取することを特徴とするPPARγ活性化方法。
<7>前記<5>において、使用は非治療的使用である。
<8>前記<6>において、方法は非治療的方法である。
<9>前記<6>において、投与又は摂取の対象は、アディポネクチン産生促進又は運動代替を必要とする若しくは希望するヒトである。
<10>前記<1>〜<9>において、クローブ抽出物がクローブオイル、ベイ抽出物がベイオイル、シトロネラ抽出物がシトロネラオイル、ロベージ抽出物がロベージオイル、ダバナ抽出物がダバナオイルである。
<1>クローブ、ベイ、シトロネラ、ケシ、ロベージ、ダバナ、アサ、エレミ及びそれらの抽出物、並びにアシタバカルコンから選ばれる1種以上を有効成分とするPPARγ活性化剤。
<2>クローブ、ベイ、シトロネラ、ケシ、ロベージ、ダバナ、アサ、エレミ及びそれらの抽出物からなる群から選ばれる1種以上を有効成分とするアディポネクチン産生促進剤。
<3>クローブ、ベイ、シトロネラ、ケシ、ロベージ、ダバナ、アサ、エレミ及びそれらの抽出物からなる群から選ばれる1種以上を有効成分とする運動代替剤。
<4>PPARγ活性化剤、アディポネクチン産生促進剤又は運動代替剤を製造するための、クローブ、ベイ、シトロネラ、ケシ、ロベージ、ダバナ、アサ、エレミ及びそれらの抽出物からなる群から選ばれる1種以上、並びにPPARγ活性化剤を製造するためのアシタバカルコンの使用。
<5>PPARγ活性化、アディポネクチン産生促進又は運動代替に使用するための、クローブ、ベイ、シトロネラ、ケシ、ロベージ、ダバナ、アサ、エレミ及びそれらの抽出物からなる群から選ばれる1種以上、並びにPPARγ活性化に使用するためのアシタバカルコン。
<6>クローブ、ベイ、シトロネラ、ケシ、ロベージ、ダバナ、アサ、エレミ及びそれらの抽出物からなる群から選ばれる1種以上の有効量を、投与又は摂取することを特徴とするPPARγ活性化方法、アディポネクチン産生促進方法又は運動代替方法、並びにアシタバカルコンの有効量を、投与又は摂取することを特徴とするPPARγ活性化方法。
<7>前記<5>において、使用は非治療的使用である。
<8>前記<6>において、方法は非治療的方法である。
<9>前記<6>において、投与又は摂取の対象は、アディポネクチン産生促進又は運動代替を必要とする若しくは希望するヒトである。
<10>前記<1>〜<9>において、クローブ抽出物がクローブオイル、ベイ抽出物がベイオイル、シトロネラ抽出物がシトロネラオイル、ロベージ抽出物がロベージオイル、ダバナ抽出物がダバナオイルである。
実施例1:PPARγ活性化素材
アフリカミドリザル腎細胞株CV−1をプレートにまき、DMEM(5%チャコール処理ウシ胎児血清)中で1日培養した。ホタルルシフェラーゼ遺伝子の上流にGAL4結合配列を含むレポータープラスミド(pG5−Luc;invitrogen)と、ヒトPPARγ2リガンド結合部位(NCBI Ref Seq NM_015869,nt703−1606)をpBINDベクター(Promega)に挿入したpBIND−PPARγ−LBDとを同時にトランスフェクション試薬(Superfect Transfection Reagent;QIAGEN)を用いて上記細胞に導入した。pBIND−PPARγ−LBDベクターは、細胞に導入するとPPARγ2リガンド結合部位とGAL4結合配列に結合する部位との融合蛋白質を発現する。当該融合蛋白質は、PPARγ2リガンドと結合することにより、その下流のホタルルシフェラーゼ遺伝子の転写を活性化する。よって、ホタルルシフェラーゼ活性を測定することによって、PPARγ2リガンドの結合量を決定することができる。また当該ベクターにはウミシイタケルシフェラーゼ遺伝子が組み込まれているので、ウミシイタケルシフェラーゼ活性を測定することにより、当該ベクターの導入効率を求めることができる。ベクター導入の3時間後、培養液をDMEM(5%チャコール処理ウシ胎児血清)に交換し、さらに2時間後、培養液を下記表1に示す素材をそれぞれ記載の終濃度にて添加した無血清DMEM培地に交換した。次の日、PBSにて細胞を洗浄し、Dual Luciferase Reporter Assay System (Promega)を用いてホタルおよびウミシイタケのルシフェラーゼ活性を測定することにより、PPARγ活性化作用を評価した。
なお、PPARγ活性化作用は以下のように定義した。PPARγ活性化作用=(pG5lucによるホタルルシフェラーゼ活性)/(GAL4−PPARγ−LBDによるウミシイタケルシフェラーゼ活性)。その結果はコントロールにおけるルシフェラーゼ活性を1とし、それに対する相対値で、図1に示す。ピオグリダゾン(SIGMA)は、PPARγ活性化の指標として用いた。
アフリカミドリザル腎細胞株CV−1をプレートにまき、DMEM(5%チャコール処理ウシ胎児血清)中で1日培養した。ホタルルシフェラーゼ遺伝子の上流にGAL4結合配列を含むレポータープラスミド(pG5−Luc;invitrogen)と、ヒトPPARγ2リガンド結合部位(NCBI Ref Seq NM_015869,nt703−1606)をpBINDベクター(Promega)に挿入したpBIND−PPARγ−LBDとを同時にトランスフェクション試薬(Superfect Transfection Reagent;QIAGEN)を用いて上記細胞に導入した。pBIND−PPARγ−LBDベクターは、細胞に導入するとPPARγ2リガンド結合部位とGAL4結合配列に結合する部位との融合蛋白質を発現する。当該融合蛋白質は、PPARγ2リガンドと結合することにより、その下流のホタルルシフェラーゼ遺伝子の転写を活性化する。よって、ホタルルシフェラーゼ活性を測定することによって、PPARγ2リガンドの結合量を決定することができる。また当該ベクターにはウミシイタケルシフェラーゼ遺伝子が組み込まれているので、ウミシイタケルシフェラーゼ活性を測定することにより、当該ベクターの導入効率を求めることができる。ベクター導入の3時間後、培養液をDMEM(5%チャコール処理ウシ胎児血清)に交換し、さらに2時間後、培養液を下記表1に示す素材をそれぞれ記載の終濃度にて添加した無血清DMEM培地に交換した。次の日、PBSにて細胞を洗浄し、Dual Luciferase Reporter Assay System (Promega)を用いてホタルおよびウミシイタケのルシフェラーゼ活性を測定することにより、PPARγ活性化作用を評価した。
なお、PPARγ活性化作用は以下のように定義した。PPARγ活性化作用=(pG5lucによるホタルルシフェラーゼ活性)/(GAL4−PPARγ−LBDによるウミシイタケルシフェラーゼ活性)。その結果はコントロールにおけるルシフェラーゼ活性を1とし、それに対する相対値で、図1に示す。ピオグリダゾン(SIGMA)は、PPARγ活性化の指標として用いた。
図1より、上記a)〜i)の素材は、PPARγを活性化することが示された。
実施例2:アディポネクチン発現誘導作用
(1)脂肪細胞の単離および培養
Wistarラット(オス、8週齢)の腹部皮下脂肪組織を、コラーゲナーゼバッファー(0.05% collagenase +4% BSA in Hank’s buffer)中にて手術用メスで刻み、その後刻んだ組織を振とうしながら37℃で15分間インキュベートした。適量の培地(high glucose DMEM (invitrogen), 10% fetal bovine serum (AusGeneX), 100 units/mL penicillin, 100 μg/mL streptomycin (invitrogen))を添加後、得られた細胞懸濁液を1000rpmで5分間遠心した。上清を除去し、ペレット(SVF;stromal vascular fraction)を得た。SVFはDMEM(+10%FBS、+P/S)培地に懸濁、T−175フラスコに播種、4日間培養し、これを前駆脂肪細胞として用いた。
得られた前駆脂肪細胞を、I型コラーゲンにてコートした12穴プレートに播種し、翌日、被験素材(0.002%)を含むDMEM(+5%Charcoal−treated FBS)培地に交換し、以後、1〜2日毎に当該培地の交換を行い、4日間培養した。その後、培地を吸引除去、PBSで洗浄、細胞を回収し、RT−PCRに供した。
(1)脂肪細胞の単離および培養
Wistarラット(オス、8週齢)の腹部皮下脂肪組織を、コラーゲナーゼバッファー(0.05% collagenase +4% BSA in Hank’s buffer)中にて手術用メスで刻み、その後刻んだ組織を振とうしながら37℃で15分間インキュベートした。適量の培地(high glucose DMEM (invitrogen), 10% fetal bovine serum (AusGeneX), 100 units/mL penicillin, 100 μg/mL streptomycin (invitrogen))を添加後、得られた細胞懸濁液を1000rpmで5分間遠心した。上清を除去し、ペレット(SVF;stromal vascular fraction)を得た。SVFはDMEM(+10%FBS、+P/S)培地に懸濁、T−175フラスコに播種、4日間培養し、これを前駆脂肪細胞として用いた。
得られた前駆脂肪細胞を、I型コラーゲンにてコートした12穴プレートに播種し、翌日、被験素材(0.002%)を含むDMEM(+5%Charcoal−treated FBS)培地に交換し、以後、1〜2日毎に当該培地の交換を行い、4日間培養した。その後、培地を吸引除去、PBSで洗浄、細胞を回収し、RT−PCRに供した。
(2)定量的PCR
回収した細胞からのTotal RNAの抽出は、RNeasy Mini Kit (Qiagen)を用いて定法に従い行った。抽出したTotal RNAはHigh Capacity RNA−to−cDNA Kit(Applied Biosystems社)で逆転写反応(37℃、1時間)を行い、cDNAを作製した。作製したcDNA(30ng/well)を鋳型として、7500 Fast Real−Time PCR System(Applied Biosystems社)を用いて各遺伝子の発現を定量した。解析には7500 Fast Real−Time PCR System(Applied Biosystems社)を用いた。得られた解析結果は内部標準として36B4の発現量を用い補正し、相対的mRNA発現量として表した。その結果を図2に示す。
なお、TaqManプローブおよびプライマーは、TaqMan Gene Expression Assays(Applied Biosystems社、アディポネクチン用:AssayID; Mm00456425_mL、36B4用:AssayID; Mm99999223_gH)を用いた。得られた解析結果は、全て平均値(Mean)±標準誤差(SE)を用いてグラフにし、Tukey−Kramerにより有意差検定を行った。*P<0.05、**P<0.01、***P<0.001を示す。
回収した細胞からのTotal RNAの抽出は、RNeasy Mini Kit (Qiagen)を用いて定法に従い行った。抽出したTotal RNAはHigh Capacity RNA−to−cDNA Kit(Applied Biosystems社)で逆転写反応(37℃、1時間)を行い、cDNAを作製した。作製したcDNA(30ng/well)を鋳型として、7500 Fast Real−Time PCR System(Applied Biosystems社)を用いて各遺伝子の発現を定量した。解析には7500 Fast Real−Time PCR System(Applied Biosystems社)を用いた。得られた解析結果は内部標準として36B4の発現量を用い補正し、相対的mRNA発現量として表した。その結果を図2に示す。
なお、TaqManプローブおよびプライマーは、TaqMan Gene Expression Assays(Applied Biosystems社、アディポネクチン用:AssayID; Mm00456425_mL、36B4用:AssayID; Mm99999223_gH)を用いた。得られた解析結果は、全て平均値(Mean)±標準誤差(SE)を用いてグラフにし、Tukey−Kramerにより有意差検定を行った。*P<0.05、**P<0.01、***P<0.001を示す。
図2より、クローブ、ベイ、シトロネラ、エレミは、アディポネクチンの発現が誘導されることが示された。
Claims (5)
- クローブ、ベイ、シトロネラ、ケシ、ロベージ、ダバナ、アサ、エレミ及びそれらの抽出物、並びにアシタバカルコンから選ばれる1種以上を有効成分とするPPARγ活性化剤。
- クローブ、ベイ、シトロネラ、ケシ、ロベージ、ダバナ、アサ、エレミ及びそれらの抽出物からなる群から選ばれる1種以上を有効成分とするアディポネクチン産生促進剤。
- クローブ、ベイ、シトロネラ、ケシ、ロベージ、ダバナ、アサ、エレミ及びそれらの抽出物からなる群から選ばれる1種以上を有効成分とする運動代替剤。
- クローブ抽出物がクローブオイル、ベイ抽出物がベイオイル、シトロネラ抽出物がシトロネラオイル、ロベージ抽出物がロベージオイル、ダバナ抽出物がダバナオイルである、請求項1に記載のPPARγ活性化剤、請求項2に記載のアディポネクチン産生促進剤、請求項3に記載の運動代替剤。
- クローブ、ベイ、シトロネラ、ケシ、ロベージ、ダバナ、アサ、エレミ及びそれらの抽出物、並びにアシタバカルコンから選ばれる1種以上を有効成分とする非治療的PPARγ活性化方法。
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US20080013534A1 (en) * | 2006-07-14 | 2008-01-17 | Akihito Tsuzuki | Packet transfer device and communication system |
WO2011115106A1 (ja) * | 2010-03-16 | 2011-09-22 | 国立大学法人 東京大学 | 擬似運動療法のための医薬 |
-
2015
- 2015-03-04 JP JP2015042639A patent/JP2016027014A/ja active Pending
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