JP2016022858A - 重荷重用タイヤ - Google Patents

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鷲塚 政和
Masakazu Washitsuka
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Abstract

【課題】操縦安定性の維持を図り、かつ転がり抵抗性やビード耐久性を向上させながらプリアッセンブル効率を高める。
【解決手段】 前記ビードエーペックスゴムは、底辺とタイヤ軸方向内側の側辺と、外側の側辺とで囲む断面略三角形状をなす。ビードエーペックスゴムは、前記底辺上の底分割点から前記タイヤ軸方向内側の側辺上の側分割点までのびる分割線により、高弾性ゴムからなるタイヤ軸方向内側かつ断面略三角形状の内エーペックス部と、低弾性ゴムからなるタイヤ軸方向外側の外エーペックス部とに区分される。
内エーペックス部の半径方向高さHaと、外エーペックス部の半径方向高さHbとの比Ha/Hbは0.40〜0.85。底辺における内エーペックス部のタイヤ軸方向距離Laと、底辺における外エーペックス部のタイヤ軸方向距離Lbとの比La/Lbは0.10〜0.40である。
【選択図】図3

Description

本発明は、操縦安定性の維持を図りながら転がり抵抗性とビード耐久性とを向上しうるとともに、生タイヤ形成時にビードエーペックスゴムとビードコアとをプリアッセンブル際の接着外れを抑えてプリアッセンブル効率を高めうる重荷重用タイヤに関する。
下記の特許文献1に、図6(A)に示すビード構造を有する重荷重用タイヤが提案されている。このビード構造では、ビードエーペックスゴムaは、高弾性ゴムからなる半径方向内側の下エーペックス部bと、低弾性ゴムからなる半径方向外側の上エーペックス部cとから形成される。前記下エーペックス部bは、ビードコアdの半径方向外面に接してタイヤ軸方向にのびる底片部b1と、そのタイヤ軸方向内端から立ち上がりカーカスeのプライ本体部e1に沿って半径方向外側にのびる立片部b2とからなる断面略L字状をなす。便宜上、このようなビードエーペックスゴムaを「L字タイプ」といい、図6(B)に示すように、下エーペックス部bが断面略三角形状をなすビードエーペックスゴムaを「従来タイプ」という場合がある。
前記L字タイプのビードエーペックスゴムaでは、高弾性の下エーペックス部bが断面略L字状をなすため、従来タイプのビードエーペックスゴムaに比して、低弾性の上エーペックス部cの占める割合が増加する。これにより、カーカスeの折返し端e2aに作用する剪断歪みの緩和効果を高めることができ、折返し端e2aでの剥離を抑えてビード耐久性を向上しうる。又、高弾性の下エーペックス部bの高さhを、従来タイプにおける下エーペックス部bの高さhよりも高めうるため、ビード剛性を確保でき操縦安定性を維持することが可能となる。
他方、ビードエーペックスゴムaは、予めビードコアdに接着されたプリアッセンブル状態にて生タイヤ形成工程に投入される。しかしながら、高弾性ゴムは、未加硫状態においては粘着性に劣るという特性を有する。従って、前記L字タイプや従来タイプのビードエーペックスゴムaの場合、粘着性に劣る下エーペックス部bがビードコアdに広範囲で接触することとなる。そのためビードエーペックスゴムaとビードコアdとを接着してプリアッセンブルする際、接着強度が不十分となって接着外れを起こすなど、プリアッセンブル効率を損ねるという傾向を招く。
特開2008−037314号公報
そこで本発明は、操縦安定性の維持を図りながら、転がり抵抗性とビード耐久性とを前記L字タイプのビードエーペックスゴムに比してさらに向上でき、しかもプリアッセンブルする際のビードエーペックスゴムとビードコアとの接着外れを抑えてプリアッセンブル効率を高めうる重荷重用タイヤを提供することを目的としている。
前記目的を達成するために、本願請求項1の発明は、トレッド部からサイドウォール部をへてビード部のビードコアに至るプライ本体部と、このプライ本体部に一連に連なりかつ前記ビードコアの廻りでタイヤ軸方向内側から外側に折り返されるプライ折返し部とを有するカーカスプライからなるカーカス、
及び前記ビードコアの半径方向外面に接する底辺と、前記底辺のタイヤ軸方向内端点からプライ本体部に沿って頂点までのびるタイヤ軸方向内側の側辺と、前記底辺のタイヤ軸方向外端点から前記頂点までのびるタイヤ軸方向外側の側辺とで囲む断面略三角形状のビードエーペックスゴムを具える重荷重用タイヤであって、
前記ビードエーペックスゴムは、前記底辺上の底分割点から、前記タイヤ軸方向内側の側辺上の側分割点までのびる分割線により、タイヤ軸方向内側かつ断面略三角形状の内エーペックス部とタイヤ軸方向外側の外エーペックス部とに区分され、
しかも前記内エーペックス部は、複素弾性率Eaが20〜70Mpaの高弾性ゴムからなり、かつ前記外エーペックス部は複素弾性率Ebが2.0〜6.0Mpaの低弾性ゴムからなるとともに、
前記内エーペックス部の半径方向外端のビードベースラインからの半径方向高さHaと、前記外エーペックス部の半径方向外端のビードベースラインからの半径方向高さHbとの比Ha/Hbは0.40〜0.85であり、
かつ前記底辺のタイヤ軸方向内端点から前記底分割点までのタイヤ軸方向距離Laと、前記底辺のタイヤ軸方向外端点から前記底分割点までのタイヤ軸方向距離Lbとの比La/Lbは0.10〜0.40であることを特徴としている。
また請求項2では、前記比Ha/Hbは0.45〜0.80の範囲であることを特徴としている。
また請求項3では、前記比La/Lbは0.15〜0.35であることを特徴としている。
本明細書では、前記複素弾性率Eは、粘弾性スペクトロメーターを用い、温度70℃、周波数10Hz、初期伸張歪10%、動歪の振幅±2%の条件で測定した値である。
又タイヤの各部の寸法等は、特に断りがない限り、タイヤを正規リムにリム組みしかつ50kPaの内圧を充填した50kPa充填状態において特定される値とする。なお前記「正規リム」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えばJATMAであれば標準リム、TRAであれば "Design Rim" 、或いはETRTOであれば "Measuring Rim"を意味する。
本発明は叙上の如く、ビードエーペックスゴムが、底辺上の底分割点からタイヤ軸方向内側の側辺上の側分割点までのびる分割線により、高弾性ゴムからなる断面略三角形状かつタイヤ軸方向内側の内エーペックス部と、低弾性ゴムからなるタイヤ軸方向外側の外エーペックス部とに区分される。
従って、本発明に係わるビードエーペックスゴムのゴムボリュームと、L字タイプのビードエーペックスゴムのゴムボリュームとが同一の場合、本発明に係わるビードエーペックスゴムでは、その内エーペックス部の高さを、L字タイプのビードエーペックスゴムにおける立片部b2の高さと同じとしながら、底片部b1の分だけ高弾性ゴムのゴムボリュームを減じかつ低弾性ゴムのゴムボリュームを増加することができる。
ここで高弾性ゴムは、低弾性ゴムに比して発熱性が高く損失正接tanδが大きい。従って、本発明に係わるビードエーペックスゴムでは、高弾性ゴムのゴムボリュームが減じることで、転がり抵抗性を向上することができ、又低弾性ゴムのゴムボリュームを増加することで、ビード耐久性を向上することができる。
又、操縦安定性に関しては、走行時のビード部の倒れ込みを抑えることが重要である。しかし、L字タイプのビードエーペックスゴムにおける前記底片部b1は、リムフランジ上端よりも半径方向内側に位置するため、ビード部の倒れ込みに対しての抑制効果は小である。従って本発明では、前記内エーペックス部の高さを、L字タイプのビードエーペックスゴムにおける立片部b2の高さと同レベルとすることで、操縦安定性を維持することができる。なお前記底片部b1の分だけ、内エーペックス部の高さを増すこともでき、係る場合には、転がり抵抗性及びビード耐久性の維持を図りながら、操縦安定性を向上させることも可能となる。
又、本発明に係わるビードエーペックスゴムでは、比La/Lbが0.40以下であり、粘着性に優れる外エーペックス部のビードコアとの接触面積を増加している。そのためビードエーペックスゴムとビードコアとをプリアッセンブルする際、両者の接着強度を高めることができ、プリアッセンブル時の接着外れを抑制し、プリアッセンブル効率を高めることができる。
本発明の重荷重用タイヤの一実施例を示す断面図である。 ビード部を拡大した断面図である。 ビード部をさらに拡大した断面図である。 (A)〜(C)はビードコアの半径方向外面を示す断面図である。 (A)〜(C)はプリアッセンブル工程を説明する概念図である。 (A)、(B)はL字タイプ、及び従来タイプのビードエーペックスゴムを有する重荷重用タイヤのビード構造を説明する断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
図1に示すように、本発明の重荷重用タイヤ1は、トレッド部2からサイドウォール部3をへてビード部4のビードコア5に至るトロイド状のカーカス6と、前記ビードコア5から半径方向外側にのびる断面略三角形状のビードエーペックスゴム8とを具える。本例では、前記重荷重用タイヤ1が、15°テーパリムRに装着されるチューブレスタイヤである場合が示される。
前記カーカス6は、スチール製のカーカスコードをタイヤ赤道Cに対して例えば80〜90°の角度で配列したカーカスプライ6Aから形成される。このカーカスプライ6Aは、ビードコア5、5間を跨るプライ本体部6aと、このプライ本体部6aに一連に連なりかつ前記ビードコア5の廻りでタイヤ軸方向内側から外側に折り返されるプライ折返し部6bとを有する。
前記カーカス6の半径方向外側かつトレッド部2の内部には、ベルト層7が配される。このベルト層7は、スチール製のベルトコードを用いた複数枚のベルトプライから形成される。本例では、ベルトコードをタイヤ赤道Cに対して例えば60±10°程度の角度で配列した最も内側の第1のベルトプライ7Aと、その外側に順次配される第2〜第4のベルトプライ7B〜7Dとからなる4層構造のベルト層7が例示される。前記第2〜第4のベルトプライ7B〜7Dのベルトコードは、本例では、タイヤ赤道Cに対して15〜35°程度の小角度で配列する。このベルト層7は、ベルトコードがプライ間で互いに交差する箇所を1箇所以上具え、これによりベルト剛性を高めトレッド部2のほぼ全巾を強固に補強する。
図2に示すように、前記ビードコア5は、例えばスチール製のビードワイヤを多段多列に巻回してなるリング状のコア本体5Aを具える。本例ではコア本体5Aの周囲に、ゴム引き布やゴムシートなどからなるラッピング層5Bが配される場合が示される。前記ラッピング層5Bは、ビードワイヤのバラケを防止するとともに、カーカスコードのビードワイヤとの擦れによる損傷を防止する。前記ビードコア5として、本例のように、断面が横長の偏平六角形状のものが好適である。しかしこれに限定されることなく、例えば正六角形状、四角形状、円形形状などの従来的な種々の断面形状のものが採用できる。
前記ビード部4には、本例では、ビード補強コード層9が配される。該ビード補強コード層9は、前記ビードコア5の半径方向内側を通る底部9aの両側に、前記プライ本体部6aのタイヤ軸方向内側面に沿う内の巻上げ部9iと、前記プライ折返し部6bのタイヤ軸方向外側面に沿う外の巻上げ部9oとを具える断面U字状をなす。このビード補強コード層9は、スチール製の補強コードをタイヤ周方向に対して例えば10〜80゜の角度で配列した補強プライからなる。
前記内外の巻上げ部9i、9oの各半径方向外端9ie、9oeのビードベースラインBLからの半径方向高さHi、Hoは、それぞれビードベースラインBLからのリムフランジ高さHfよりも大である。なおHi≦Hfの場合、及びHo≦Hfの場合には、補強効果が十分に発揮されない。又本例では、内の巻上げ部9iの前記高さHiは、外の巻上げ部9oの前記高さHo、及び前記プライ折返し部6bの半径方向外端6beのビードベースラインBLからの半径方向高さHcよりも大である。これにより、ビード部4の倒れ込みを減じて、外の巻上げ部9oの外端9oe、及びプライ折返し部6bの外端6beにおける剪断歪みを緩和し、各前記外端9oe、6beを起点とした剥離損傷を抑制する。なお内の巻上げ部9iの外端9ieは、プライ本体部6aに隣接して保護されるため、剪断歪みを受けにくい。従って、前記高さHiが大であっても、内の巻上げ部9iの外端9ieにおける剥離損傷は抑制される。
又前記ビード部4には、前記プライ本体部6aとプライ折返し部6bとの間を通ってビードコア5から立ち上がるビードエーペックスゴム8が配される。このビードエーペックスゴム8は、前記ビードコア5の半径方向外面5Sに接する底辺10と、前記底辺10のタイヤ軸方向内端点10iからプライ本体部6aに沿って頂点Pまでのびるタイヤ軸方向内側の側辺11と、前記底辺10のタイヤ軸方向外端点10oから前記頂点Pまでのびるタイヤ軸方向外側の側辺12とで囲む断面略三角形状をなす。
前記ビードコア5の半径方向外面5Sとは、ビードコア5を半径方向外側から平面視したときに見える面であって、図4(A)〜(C)には、ビードコア5の断面が六角形状、四角形状、円形形状の場合が例示される。
図3に示すように、前記ビードエーペックスゴム8は、分割線15により、高弾性ゴムからなるタイヤ軸方向内側の内エーペックス部8iと、低弾性ゴムからなるタイヤ軸方向外側の外エーペックス部8oとに区分される。前記分割線15は、前記底辺10上に位置する底分割点10Pから、前記タイヤ軸方向内側の側辺11上に位置する側分割点11Pまでのびる。これにより前記内エーペックス部8iは、半径方向外側に向かって厚さが漸減する断面略三角形状に形成される。
ここで、前記内エーペックス部8iをなす高弾性ゴムの複素弾性率Eaは20〜70Mpaの範囲であり、前記外エーペックス部8oをなす低弾性ゴムの複素弾性率Ebは2.0〜6.0Mpaの範囲である。
又前記内エーペックス部8iの半径方向外端8ie(前記側分割点11Pに相当する。)のビードベースラインBLからの半径方向高さHaと、前記外エーペックス部8oの半径方向外端8oe(前記頂点Pに相当する。)のビードベースラインBLからの半径方向高さHbとの比Ha/Hbは0.40〜0.85である。
又前記底辺10のタイヤ軸方向内端点10iから前記底分割点10Pまでのタイヤ軸方向距離Laと、前記底辺10のタイヤ軸方向外端点10oから前記底分割点10Pまでのタイヤ軸方向距離Lbとの比La/Lbは0.10〜0.40である。
このようなビードエーペックスゴム8では、高弾性ゴムからなる内エーペックス部8iが断面略三角形状をなし、従来のL字タイプのビードエーペックスゴムa(前記図6(A)に示す。)のような底片部b1を具えない。そのため、ビードエーペックスゴム全体のゴムボリュームが同一の場合、従来のL字タイプのビードエーペックスゴムに比して高弾性ゴムの占める割合を減じ、かつ低弾性ゴムの占める割合を増加することができる。
従って、本実施形態のビードエーペックスゴム8では、損失正接tanδが大きい高弾性ゴムの占める割合が減じることで、転がり抵抗性を向上することができる。又低弾性ゴムの占める割合が増加することで、プライ折返し部6bの外端6beでの剪断歪みを緩和でき、ビード耐久性を向上しうる。
又操縦安定性に関しては、高弾性ゴムからなる内エーペックス部8iの高さHa、及びタイヤ軸方向距離Laを規定することにより、走行時のビード部4の倒れ込みを抑えて操縦安定性を維持することができる。
又前記内エーペックス部8iが断面略三角形状をなし、前記底片部b1を具えないため、粘着性に優れる外エーペックス部8oのビードコア5との接触面積を増加させることができる。そのため、生タイヤ形成に際してビードエーペックスゴム8とビードコア5とをプリアッセンブルする時、両者の接着強度を高めることができる。これにより、プリアッセンブル時の接着外れを抑制し、プリアッセンブル効率を高めることができる。
なおビードエーペックスゴム8とビードコア5とのプリアッセンブルでは、図5(A)、(B)に概念的に示すように、巻回ステップS1と、展開ステップS2と、圧接ステップS3とが行われる。このうち、前記巻回ステップS1では、ゴム押出機から押し出された断面略三角形状の押出成形体21を、円筒状のドラム22上にて一周巻きする。この時、ビードエーペックスゴム8のタイヤ軸方向内側の側辺11をなす押出成形体21の一側面21Siを、半径方向内側として一周巻きする。これにより、押出成形体21を横向きとした円筒状体23を形成する。
次に、前記展開ステップS2では、図5(B)に示すように、前記円筒状体23を円盤状に展開する。これにより、前記押出成形体21の一側面21Siを半径方向に向き替えでき、押出成形体21を縦向きとした生のビードエーペックスゴム8Nを形成しうる。なお前記ドラム22は、例えば図5(C)に略示するように、周方向に分割される複数のセグメント22Aを具え、各セグメント22Aが、その一側縁を支点として起立可能に枢支されることにより、円筒状から円盤状に展開できる。
次に、前記圧接ステップS3では、前記生のビードエーペックスゴム8Nの半径方向内周面8Nsに、生のビードコア5Nの半径方向外面5Sを圧接する。これにより、生のビードコア5Nと生のビードエーペックスゴム8Nとの組立体を形成できる。この時、前記内周面8Nsを、タイヤ軸方向線に対して角度θで傾斜させるとともに、生のビードコア5Nの半径方向外面5Sに前記角度θで傾斜する部分を含ませる。これにより、生のビードコア5Nの平行移動によって、前記圧接を行うことができる。なお前記角度θは、リムRにおけるリムシートRsの傾斜角度α(≒15°)に近い、例えば12〜18°程度に設定される。
ここで、前記高弾性ゴムの複素弾性率Eaが20.0MPaを下回ると、剛性不足となってビード部4の倒れ込みが十分抑制されず、操縦安定性が低下する。逆に70MPaを上回ると、外エーペックス部8oによる剪断歪みの緩和効果が損なわれ、ビード耐久性の向上効果が見込めなくなる。このような観点から前記複素弾性率Eaの下限は35Mpa以上が好ましく、上限は60Mpa以下が好ましい。又、前記低弾性ゴムの複素弾性率Ebが2.0MPaを下回ると、剛性不足となって操縦安定性が低下し、逆に6.0Mpaを上回ると、剪断歪みの緩和効果が損なわれビード耐久性の向上効果が見込めなくなる。
又前記比Ha/Hbが、0.40を下回ると、ビード部4の倒れ込みが十分抑制されず操縦安定性が低下する。逆に0.85を上回ると、内エーペックス部8iの外端8ieが外エーペックス部8oの外端8oeに近づき過ぎとなり、前記外端8oeとプライ本体部6aとの間で剥離が発生する傾向を招く。このような観点から前記比Ha/Hbの下限は0.45以上が好ましく、上限は0.80以下が好ましい。
又前記比La/Lbが0.15を下回ると、ビード部4の倒れ込みが過大となり、プライ折返し部6bの外端6beでの剪断歪みが大きくなるため、ビード耐久性が低下する。逆に0.35を上回ると、内エーペックス部8iとビードコア5との接触面積が増加するため接着性が低下し、プリアッセンブル時に接着外れを招く。又高弾性ゴムの占める割合が増すため、転がり抵抗性やビード耐久性にも悪影響を及ぼす。このような観点から前記比La/Lbの下限は0.15以上が好ましく、上限は0.35以下が好ましい。
なお本例では、外エーペックス部8oには、前記プライ折返し部6bの外端部に隣接するエッジカバーゴム部8oCが含まれる。このエッジカバーゴム部8oCは、プライ折返し部6bの外端6beを中心としてタイヤ半径方向内外に、例えば0.5〜2.0mm程度の小厚さでのびる。このエッジカバーゴム部8oCの複素弾性率は、前述の複素弾性率Eb(2.0〜6.0MPa)の範囲内であるが、外エーペックス部8oにおけるエッジカバーゴム部8oC以外の部分の複素弾性率よりも小さく設定することにより、剥離損傷をさらに効果的に抑制できる。
また本例では、プライ折返し部6bと、ビード補強コード層9の外の巻上げ部9oとの間に、インスレーションゴム14が配される。これにより、プライ折返し部6bと外の巻上げ部9oとの間のコード間距離を漸増する。これによりプライ折返し部6bと外の巻上げ部9oとの間でのコードのフレッティング損傷を防止する。
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
図1に示すビード構造を有する重荷重用タイヤ(タイヤサイズ:11R22.5)を、表1の仕様にて試作するとともに、各試供タイヤの、転がり抵抗性、ビード耐久性、操縦安定性についてテストし比較した。又生タイヤ形成時にビードエーペックスゴムとビードコアとをプリアッセンブルする際のプリアッセンブル効率についてもテストし比較した。なおビードエーペックスゴム以外は、実質的に同仕様であり、又ビードエーペックスゴム全体における外形形状、及びサイズは、各タイヤとも同一としている。
なお比較例1はビードエーペックスゴムがL字タイプ(図6(A))で形成され、比較例2はビードエーペックスゴムの全てが高弾性ゴムにて形成され、比較例3はビードエーペックスゴムの全てが低弾性ゴムにて形成されている。
各タイヤの主な共通仕様は次の通りである。
・高弾性ゴムの複素弾性率Ea:75.0Mpa
・低弾性ゴムの複素弾性率Eb:5.0Mpa
・タイヤ断面高さH :239.8mm
・リムフランジ高さHf :12.7mm
・カーカス
プライ数 :1枚
コード材料 :スチール
コードの配列角度 :88度(対タイヤ赤道)
・ベルト層
プライ数 :4枚
コード材料 :スチール
コードの配列角度 :右50度/右18度/左18度/左18度(対タイヤ赤道)
(内側のプライから外側のプライの順であり、「右」は平面視右上がりを示し、「左」は平面視左上がりを示す)
・ビード補強コード層(U字状)
プライ数 :1枚
コード材料 :スチール
コードの配列角度 :25度(対タイヤ赤道)
・ビードエーペックスゴムの高さHb :75mm
・カーカスのプライ折返し部の高さHc :32mm
・ビード補強コード層の外の巻上げ部の高さHo :22mm
・ビード補強コード層の内の巻上げ部の高さHi :45mm
(1)転がり抵抗性:
転がり抵抗試験機を用い、リム(7.50×22.5)、内圧(700kPa)、縦荷重(26.72kN)、速度(80km/h)の条件下にて走行させた時の転がり抵抗を測定した。評価は、比較例1を100とした指数で示した。値が大きいほど転がり抵抗が小さく良好である。
(2)ビード耐久性:
ドラム試験機を用い、リム(7.50×22.5)、内圧(800kPa)、縦荷重(26.72kNの3倍)、速度(20km/h)の条件下にて走行させ、ビード部に損傷が発生するまでの走行時間を測定した。評価は、比較例1を100とした指数で示した。値が大きいほどビード耐久性に優れていることを示す。
(3)操縦安定性:
タイヤ静的試験機を用い、リム(7.50×22.5)、内圧(800kPa)、縦荷重(26.72kN)、横荷重(2.0kN)の条件における横荷重/横撓み量の比を横バネ定数として測定した。評価は、比較例1を100とした指数で示した。値が大きいほど横バネ定数が大きく操縦安定性に優れていることを示す。
(4)プリアッセンブル効率:
図5に示すプリアッセンブル工程に従い、ビードコアとビードエーペックスゴムとの組立体を200本を形成した時の工程時間を測定した。評価は、工程時間の逆数を比較例1を100とした指数で示した。値が大きいほど工程時間が短くプリアッセンブル効率に優れていることを示す。なおビードコアとビードエーペックスゴムとの接着性が悪い場合、両者を時間を掛けて十分に圧接する必要があり、従って圧接ステップの時間が長くなってプリアッセンブル効率を低下させる。
Figure 2016022858
Figure 2016022858
表に示すように、実施例は、操縦安定性の維持を図り、かつビード耐久性の低下を抑えながら転がり抵抗性やプリアッセンブル効率を高めうるのが確認できる。
1 重荷重用タイヤ
2 トレッド部
3 サイドウォール部
4 ビード部
5 ビードコア
5S 半径方向外面
6 カーカス
6A カーカスプライ
6a プライ本体部
6b プライ折返し部
8 ビードエーペックスゴム
8i 内エーペックス部
8o 外エーペックス部
10 底辺
10i 内端点
10o 外端点
10P 底分割点
11 内側の側辺
11P 側分割点
12 外側の側辺
15 分割線
P 頂点

Claims (3)

  1. トレッド部からサイドウォール部をへてビード部のビードコアに至るプライ本体部と、このプライ本体部に一連に連なりかつ前記ビードコアの廻りでタイヤ軸方向内側から外側に折り返されるプライ折返し部とを有するカーカスプライからなるカーカス、
    及び前記ビードコアの半径方向外面に接する底辺と、前記底辺のタイヤ軸方向内端点からプライ本体部に沿って頂点までのびるタイヤ軸方向内側の側辺と、前記底辺のタイヤ軸方向外端点から前記頂点までのびるタイヤ軸方向外側の側辺とで囲む断面略三角形状のビードエーペックスゴムを具える重荷重用タイヤであって、
    前記ビードエーペックスゴムは、前記底辺上の底分割点から、前記タイヤ軸方向内側の側辺上の側分割点までのびる分割線により、タイヤ軸方向内側かつ断面略三角形状の内エーペックス部とタイヤ軸方向外側の外エーペックス部とに区分され、
    しかも前記内エーペックス部は、複素弾性率Eaが20〜70Mpaの高弾性ゴムからなり、かつ前記外エーペックス部は複素弾性率Ebが2.0〜6.0Mpaの低弾性ゴムからなるとともに、
    前記内エーペックス部の半径方向外端のビードベースラインからの半径方向高さHaと、前記外エーペックス部の半径方向外端のビードベースラインからの半径方向高さHbとの比Ha/Hbは0.40〜0.85であり、
    かつ前記底辺のタイヤ軸方向内端点から前記底分割点までのタイヤ軸方向距離Laと、前記底辺のタイヤ軸方向外端点から前記底分割点までのタイヤ軸方向距離Lbとの比La/Lbは0.10〜0.40であることを特徴とする重荷重用タイヤ。
  2. 前記比Ha/Hbは0.45〜0.80の範囲であることを特徴とする請求項1記載の重荷重用タイヤ。
  3. 前記比La/Lbは0.15〜0.35であることを特徴とする請求項1又は2記載の重荷重用タイヤ。
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