JP2016022399A - 浄水フィルター体 - Google Patents

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Abstract

【課題】1ないし5μm程度の微細な鉱物をはじめとする各種の水中浮遊物の濾集能力に優れ、併せて活性炭に由来する吸着性能を備え、取り扱いが容易であり、より目詰まりしにくく長期間の使用を可能とする浄水フィルター体を提供する。
【解決手段】繊維平均径が20μm以下の繊維と、中位径が10〜70μmの粉末状活性炭と、フィブリル化繊維バインダとを一体に備えてなる浄水フィルター体1であって、繊維の重量を100重量部として、繊維の重量を基準に粉末状活性炭を30〜300重量部及びフィブリル化繊維バインダを10〜40重量部で配合しており、JIS P 8121−2(2012)に準拠して測定したフィブリル化繊維バインダの濾水度は100mL以上とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、浄水フィルター体に関し、特に水に含まれる微粒子状物質を効率よく捕集する浄水フィルター体に関する。
現在、濾過対象物の種類、処理能力等が総合的に考慮され、各種形態のフィルター体が提案されている。例えば、比較的大量の被処理水の濾過に適したフィルターにデプスフィルターがある。一般にデプスフィルターは繊維状物を絡めて層状化したフィルターである。被処理水中の粒子状物質はフィルターを通過する間に繊維状物内に捕集され濾過される。このようなデプスフィルターにおいて、繊維状物に各種の活性炭を配合することによって吸着能力を高めたフィルター体が提案されている(特許文献1、2等参照)。
しかしながら、どのようなフィルター体であっても、濾過時間が長くなるにつれて目詰まりが生じ、濾集能力は低下する。これは、フィルター体において不可避な問題である。そこで、常に一定の濾集能力を維持するべく、適時フィルター体は交換される。
例えば、河川等から直接あるいは間接的に取水した水の場合、微細な鉱物等が不溶物として水中に浮遊していることが多い。そこで、河川水を取水して利用するに際し、水の清浄度を向上させる観点から不溶物除去の濾過も必須である。また、工業用水として利用する場合も最初に水中の微粒子等は除去され、順次高度な濾過が行われる。あるいは、一般家庭においても飲用の直前に水道水や井戸水等が濾過される。このような水中浮遊物の濾過フィルター体には、なるべく長期間の使用が可能であり、その間の濾集能力が維持され、しかも低廉で取り扱いやすい等の特性が求められる。
そこで、1ないし5μm程度の微細な鉱物をはじめとする各種の水中浮遊物の濾集能力に優れ、活性炭を組み合わせることにより吸着性能を高め、しかも取り扱いが容易であり、フィルターの目詰まりが起きにくく長期間の使用を可能とするフィルター体について種々の検討が重ねられてきた。
特開2012−61390号公報 特開2011−255310号公報
本発明は、前記の点に鑑みなされたものであり、1ないし5μm程度の微細な鉱物をはじめとする各種の水中浮遊物の濾集能力に優れ、併せて活性炭に由来する吸着性能を備え、取り扱いが容易であり、より目詰まりしにくく長期間の使用を可能とする浄水フィルター体を提供するものである。
すなわち、請求項1の発明は、繊維平均径が20μm以下の繊維と、中位径が10〜70μmの粉末状活性炭と、フィブリル化繊維バインダとを一体に備えてなるフィルター体であって、前記繊維の重量を100重量部として、前記繊維の重量を基準に前記粉末状活性炭を30〜300重量部及び前記フィブリル化繊維バインダを10〜40重量部で配合していることを特徴とする浄水フィルター体に係る。
請求項2の発明は、JIS P 8121−2(2012)に準拠して測定した前記フィブリル化繊維バインダの濾水度は100mL以上である請求項1に記載の浄水フィルター体に係る。
請求項3の発明は、前記繊維が繊維状活性炭であり、前記繊維状活性炭のヨウ素吸着性能が1000〜2000mg/gである請求項1または2に記載の浄水フィルター体に係る。
請求項4の発明は、前記粉末状活性炭のヨウ素吸着性能が1000〜2000mg/gである請求項1ないし3のいずれか1項に記載の浄水フィルター体に係る。
請求項5の発明は、前記フィブリル化繊維バインダがアクリル繊維からなる請求項1ないし4のいずれか1項に記載の浄水フィルター体に係る。
請求項1の発明に係る浄水フィルター体によると、平均繊維径が20μmの繊維と、中位径が10〜70μmの粉末状活性炭と、フィブリル化繊維バインダとを一体に備えてなるフィルター体であって、前記繊維の重量を100重量部として、前記繊維の重量を基準に前記粉末状活性炭を30〜300重量部及び前記フィブリル化繊維バインダを10〜40重量部で配合されており、JIS P 8121−2(2012)に準拠して測定した前記フィブリル化繊維バインダの濾水度は100mL以上であるため、1ないし5μm程度の微細な鉱物をはじめとする各種の水中浮遊物の濾集能力に優れ、併せて活性炭に由来する吸着性能を備え、取り扱いが容易である。
請求項2の発明に係る浄水フィルター体によると、請求項1の発明において、JIS P 8121−2(2012)に準拠して測定した前記フィブリル化繊維バインダの濾水度は100mL以上であるため、通水時の動水圧が低く目詰まりしにくくなり、長期間の使用を可能とすることができる。
請求項3の発明に係る浄水フィルター体によると、請求項1または2の発明において、前記繊維が繊維状活性炭であり、前記繊維状活性炭のヨウ素吸着性能が1000〜2000mg/gであるため、繊維状活性炭に求められる一般的な吸着性能を備える。
請求項4の発明に係る浄水フィルター体によると、請求項1ないし3のいずれかの発明において、前記粉末状活性炭のヨウ素吸着性能が1000〜2000mg/gであるため、粉末状活性炭に求められる一般的な吸着性能を備える。
請求項5の発明に係る浄水フィルター体によると、請求項1ないし4のいずれかの発明において、前記フィブリル化繊維バインダがアクリル繊維からなるため、浄水フィルター体の耐用期間をより長くすることができる。
本発明の実施形態に係る浄水フィルター体の全体図である。 図1の浄水フィルター体の製造工程を示す概略工程図である。
はじめに本発明に規定する浄水フィルター体の構造から説明する。図1(a)に示す浄水フィルター体1は、中心に芯となる円筒状の吸着基材部12を配置し、その周囲に濾材部11を備えるフィルター本体10から形成される。浄水フィルター体1の濾材部11は中空円筒体形状である。浄水フィルター体1の外側が被濾過水Fの流入側であり、吸着基材部12を配置した内部が被濾過水の流出側である。従って、被濾過水は濾材部11の外表面側から濾過部11の内部に流入し、吸着基材部12から中空部位(空洞部15)へ流出することによって、被濾過水の濾過は行われる。
浄水フィルター体1の濾材部11は、繊維、粉末状活性炭、フィブリル化繊維バインダにより構成される。これらの3種類の材料は均質に混合されていることから、濾材部11の構成材料は均一である。図示の浄水フィルター体10の中空円筒体形状は、家庭用、産業用等の既存の濾過ユニットへの装着に対応した形状である。むろん、当該濾材部の構成を備える限り浄水フィルター体の構造は適宜である。さらに、図1(b)に示す浄水フィルター体2は、前出の浄水フィルター体1の表面に、不織布等の保護布部13が巻かれる。さらに上下の両端に濾材部11の保護と濾過ユニットへの取り付けのためにキャップ14が被せられる。
本発明の浄水フィルター体の濾材部に使用される繊維は、ポリアミド樹脂(ナイロン)、ポリエステル樹脂(ポリエチレンテレフタラート、ポリエチレンナフタレート等)、アクリル樹脂(ポリアクリロニトリル等)、ポリオレフィン樹脂(ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル等)、ポリウレタン樹脂、または炭素繊維等の繊維が例示される。これらの繊維を単独で使用しても良く、または次に述べるように、繊維状活性炭を使用することもできる。
浄水フィルター体に使用する繊維状活性炭は、具体的には、フェノール樹脂系、アクリル樹脂系等の樹脂繊維、またはセルロース系繊維等の再生繊維を炭化し賦活して得た活性炭である。繊維長や断面径等は適宜であるものの、繊維平均径は20μm以下である。繊維平均径が大きすぎる場合、配合量の割に表面積が少なくなるため吸着能力向上の点から好ましくない。繊維平均径が細かい繊維状活性炭の場合、吸着性能やパーティクルの濾集能力が優れているため問題ない。現実的に製造可能な繊維状活性炭の繊維径は概ね1ないし20μm前後とされる。以降の説明では、繊維については繊維状活性炭として説明する。
浄水フィルター体に使用する繊維状活性炭の吸着能力は、一般的な繊維状活性炭と同程度である。具体的には、JIS K 1477(2007)に準拠する測定において、ヨウ素吸着性能1000ないし2000mg/gを満たす繊維状活性炭が使用される。
粉末状活性炭は、石油ピッチ、樹脂粒、樹木、椰子殻、古タイヤ等を原料とし、800ないし1000℃で加熱焼成し適宜賦活して細孔を発達させた活性炭である。そして、粉砕後、概ね中位径10ないし70μmの範囲に分級や篩別した得た活性炭である。粉末状活性炭とすることにより、単位重量当たりの表面積を多くして濾集能力を高めることができる。また、浄水のために必要となる一般的な活性炭の吸着性能を備える。
粉末状活性炭の中位径が10μm以下となると、粒子径が細かくなりすぎであり浄水フィルター体からの活性炭は流出しやすくなる。また、通水時の動水圧が上昇し目詰まりしやすくなる等の問題も生じる。逆に粉末状活性炭の中位径が70μm以上の場合、粒子径が大きくなることに伴い微粒子捕集率が低下する。加えて、活性炭の表面積が減少して吸着性能は低下する。そのため、双方の調和から前記の粒子径の範囲が好ましい。なお、中位径の計測に際し、レーザー回折粒子径分布測定装置を用いるレーザー回折・散乱法によって求めた粒度分布における積算値50%での粒子径を採用した。
浄水フィルター体に使用する粉末状活性炭の吸着能力は、一般的な粉末状活性炭と同程度である。具体的には、JIS K 1474(2014)に準拠する測定において、ヨウ素吸着性能1000ないし2000mg/gを満たす粉末状活性炭が使用される。
繊維平均径が20μm以下の繊維(繊維状活性炭)及び中位径10ないし70μmの粉末状活性炭が適切に配合されることにより、緻密な構造のフィルター層が作成される。すると、微粒子の捕集性能は向上するとともに、活性炭に由来する吸着性能を備えたフィルターの作成が可能となる。
フィブリル化繊維バインダは、繊維(繊維状活性炭)と粉末状活性炭を絡めて一体化する材料である。このフィブリル化繊維バインダは化学繊維であるアクリル繊維やアラミド繊維、ポリエチレン繊維等から選択される。また、アクリル繊維のフィブリル化繊維バインダは樹脂の耐久性に優れているため、浄水フィルター体の耐用期間をより長くすることができる。合成樹脂繊維がフィブリル化していることにより、繊維同士は絡まり合いやすくなる。同時に、繊維状活性炭と粉末状活性炭はフィブリル化繊維バインダの絡まり合いの中に保持される。そこで、浄水フィルター体としての保形性は向上する。
当該フィブリル化繊維バインダの特徴として、濾水度が高いことである。本発明においては、JIS P 8121−2(2012)に準拠した測定において、フィブリル化繊維バインダの濾水度は100mL以上、特には、100ないし200mLであることが望ましい。一般に低い濾水度であれば数値は小さくなる。この場合は、緻密であることから濾過抵抗が増加することになり、濾過時間の増大や目詰まりが早くなる。逆に、高い濾水度であれば数値は大きくなる。この場合、緻密さは低下して粗くなり目詰まりは生じにくくなる。ただし、保形性も低下しやすくなる。そこで、適切な吸着性能確保、濾過時間低減、及び保形性の均衡を考慮して、フィブリル化繊維バインダの濾水度は前記の範囲であることが好ましい。
浄水フィルター体の濾材部を形成する繊維状活性炭、粉末状活性炭、フィブリル化繊維バインダの配合重量の規定に際し、本発明の目的である1ないし5μm程度の微細な鉱物をはじめとする各種の水中浮遊物の濾集能力が勘案される。そして、これとともに吸着対象物質、濾集対象微粒子、使用流量、フィルター体自体の大きさ、耐用期間等を考慮して規定される。
3種類の材料間の配合割合を規定する場合、はじめに繊維(繊維状活性炭)が基準の100重量部とされる。粉末状活性炭は、この繊維(繊維状活性炭)の100重量部に対して、30ないし300重量部配合される。そして、フィブリル化繊維バインダは、同繊維(繊維状活性炭)の100重量部に対して、10ないし40重量部配合される。
後記の実施例にて明らかであるように、粉末状活性炭が30重量部を下回る場合、フィルター体自体が緻密な構造になりにくい。このため、フィルター体により濾集されずに通過する濾過対象の水中の微粒子も多くなりがちである。粉末状活性炭が300重量部を上回る場合、粉末状活性炭が過剰であることから浄水フィルター体が緻密になり過ぎて目詰まりが早まる。次に、フィブリル化繊維バインダが10重量部を下回る場合、バインダ量が少なすぎであり形状維持は困難である。フィブリル化繊維バインダが40重量部を上回る場合、相対的にバインダ量が多くなり濾過材としての濾集能力が低下する。それゆえ、前述の範囲が適切である。
次に、前出の浄水フィルター体1の製造過程を図2の概略工程図を用いて説明する。はじめに、活性炭材料として前述のとおり規定した粉末状活性炭21と、繊維としての繊維状活性炭22と、フィブリル化繊維バインダ23が用意される。これら3種類の材料は濾材部を形成する濾材成分である。粉末状活性炭21、繊維状活性炭22、及びフィブリル化繊維バインダ23は適量の水中に分散され、十分に攪拌されて混合スラリー状物20が調製される。
混合スラリー状物20を蓄積するための基礎として吸着基材部12が用いられる。この吸着基材部12はポリエチレンやポリプロピレン等の樹脂製芯材や、ステンレス鋼等の金属製芯材、ポリエチレンやポリプロピレン等を原料とする不織布を何重にも巻いて作成した芯材である。いずれの芯材も微細な貫通孔が形成された管状物である。そして、管状の吸着基材部12の内部に吸引部材26が挿入される。吸引部材26は、表面に多孔を設けた金属製の管状物であり、真空ポンプ(図示省略)等と接続される。
吸着基材部12の内部に吸引部材26が挿入され、吸引部材26ごと吸着基材部12は混合スラリー状物20を溜めた水槽内に投入される。次に、混合スラリー状物20は減圧吸引により吸着基材部12側に集まる。そして、吸着基材部12の表面に混合スラリー状物20内の濾材成分27が徐々に蓄積される。吸着基材部12の表面の細孔は粉末状活性炭等よりも小さいため、混合スラリー状物20の水分のみ吸着基材部12aを通過して吸引部材26から吸い出される。しかし、濾材成分27は通過できずにそのまま吸着基材部12表面に残留する。こうして所定の厚さまで濾材成分27が吸着基材部12表面に蓄積され、混合スラリー状物20の吸引は終了し、濾材部11が出来上がる。
混合スラリー状物20の水槽から、吸着基材部12ごと濾材成分27(濾材部11)は引き上げられる。その後、乾燥機30等で濾材部11は加熱乾燥され、中空円筒体形状の濾材部11を有する浄水フィルター体1は完成する。図示の湿式成形法をまとめると、活性炭材料とバインダとを含む濾材成分を水中に分散して混合スラリー状物とし、フィルター基材部を通じて混合スラリー状物を吸引することによって濾材成分をフィルター基材部の表面に蓄積する製法である。
浄水フィルター体1は、濾材部11とともに吸着基材部12も備える。そこで、吸着基材部12は形状維持のための芯としても役立つ。例えば、浄水フィルター体1では、被濾過水は濾材部11の外表面側から内部に流入し、吸着基材部12から内部の筒状の空間部へ流出する。このため、濾材部11の表面は被濾過水の水圧(動水圧)を受けることから、濾材部11は常時内部側に圧迫変形される。特に、中空部位を有する円筒体であるため、変形はより顕著となる。しかし、浄水フィルター体1は吸着基材部12を備えているため、被濾過水から濾材部11に加わる圧力に対応でき、当該フィルター体の変形は回避される。
これまでに詳述した浄水フィルター体は、水中に浮遊する鉱物やパーティクル(微粒子)等の不溶性成分の除去に良好な濾集能力を発揮する。このため、水の濁度低減に有望である。これは、活性炭材料に粉末状活性炭と繊維状活性炭の2種類を用いて、パーティクルの濾集性能が高められているためである。さらに、当該フィルター体は、飲用水中の不溶性成分を除去する家庭用の浄水器に装填されることに加え、工場廃水の浄化等の産業用途となる。例えば、不溶化した塩類等の浮遊性成分の濾過等が有望である。特に、浄水フィルター体を構成するフィブリル化繊維バインダの濾水度が比較的高いため、単位時間当たりの良好な濾過処理性能を備える。
[使用原料]
・粉末状活性炭
中位径約30μmの椰子殻活性炭(フタムラ化学株式会社製,品名「CB」、
中位径約5μmの椰子殻活性炭(フタムラ化学株式会社製,品名「CB」)、
中位径約100μmの椰子殻活性炭(フタムラ化学株式会社製,品名「CW100MS」)を用いた。
「中位径」とは、レーザー回折粒子径分布測定装置(株式会社島津製作所製,SALD−3000S等)を用いたレーザー回折・散乱法によって求めた粒度分布における積算値50%での粒子径を意味する。
・繊維状活性炭
繊維平均径約15μmのフェノール樹脂系繊維状活性炭(フタムラ化学株式会社製,品名「K1200」)を繊維として用いた。以降の試作例において、繊維については繊維状活性炭であるとして説明する。
・フィブリル化繊維バインダ
フィブリル化したアクリル樹脂繊維(東洋紡株式会社製,ビィパル(登録商標))及びフィブリル化したポリエチレン繊維(三井化学株式会社製,SWP(登録商標))を使用した。アクリル樹脂繊維について、フィブリル化の程度を変更して2種類作成した。
繊維バインダのフィブリル化の程度については、JIS P 8121−2(2012)のパルプ−ろ水度試験方法−第2部:カナダ標準ろ水度法に準拠して測定した濾水度に基づいて評価した。アクリル樹脂繊維の濾水度は50mL、130mLの2種類であり、ポリエチレン繊維の濾水度は220mLであった。
[浄水フィルター体の作成]
発明者は、前記の原料を用い試作例1ないし7の浄水フィルター体を作成した。いずれの浄水フィルター体も図示にて開示の形態とした(図1(a)、図2参照)。表1,2に提示の原料とその配合(重量部)に基づいて、繊維状活性炭、粉末状活性炭、及びフィブリル化繊維バインダを水に分散し均質になるまで混合し、各施策例に対応する混合スラリー状物を調製した。混合スラリー状物における水量は、添加した固形分(濾材成分)のおよそ10重量倍とした。
外直径34mm、内直径30mm、全長100mmの微細な貫通孔を有したポリプロピレン製の中空円筒状の吸着基材部を用意した。当該中空円筒状の吸着基材部内に、ステンレス製の吸引部材を挿入して固定するとともに混合スラリー状物内に投入した。減圧吸引により混合スラリー状物を引き寄せ、吸着基材部の表面に濾材成分を蓄積した。吸引圧力は約−0.04MPaとした。中空円筒状の吸着基材部を引き上げて吸引部材を取り外し、濾材成分と吸着基材部の一体化物を100℃、12時間かけて乾燥した。最終的に、各試作例の吸着基材部を含む外直径65mm、内直径30mm、全高100mmの中空円筒体形状の浄水フィルター体を作成した。
[濾集能力の検証]
発明者は、実際の濾集能力への効果を検証した。被濾過水として、カオリン(ナカライテスク株式会社製)を分散した試験水(原水)を用いた。当該試験水の調製は、JIS S 3201(2010)の家庭用浄水器試験方法の付属書I−濁度の測定方法に準拠した。試験水に浮遊するカオリンの微粒子(パーティクル)の大きさは0.1ないし4μmである。
〔濁度除去率〕
各試作例の浄水フィルター体に対し、前記規格にて20℃に調温した試験水を5L/minの流量(SV値1150hr-1)にて通水した。そこで、浄水フィルター体により試験水中から除去されたカオリン量を測定し、濁度除去率(%)を求めた。濁度除去率はJIS S 3201(2010)に準じた。試験水中のカオリンの除去率が80%以上である浄水フィルター体を「A」と評価した。除去率が40%以上80%未満の浄水フィルター体を「B」、除去率が50%未満の浄水フィルター体を「C」と評価した。
〔目詰まり評価〕
各試作例の浄水フィルター体に対し、前記規格にて20℃に調温した試験水を5L/minの流量(SV値1150hr-1)にて通水し、浄水フィルター体に加わる動水圧を測定した。動水圧が0.1MPaを超えた時点の濾過水量が3000L以上の浄水フィルター体を「A」と評価した。濾過水量が1000L以上3000L未満の浄水フィルター体を「B」、濾過水量が1000L未満の浄水フィルター体を「C」と評価した。
〔形状保持性の評価〕
混合スラリー状物を吸引して乾燥する際においても壊れずに形状が保たれていた試作例を「A」と評価した。混合スラリー状物を吸引して乾燥する際において一部でも壊れた試作例を「B」と評価した。混合スラリー状物の吸引後、その形状を維持することができない試作例を「C」と評価した。
〔総合評価〕
各試作例の個別評価を勘案するとともに、良否を勘案して総合評価を行った。全て「A」の評価の浄水フィルター体の総合評価を「A」とした。「C」がなく「B」がひとつでも存在する浄水フィルター体の総合評価を「B」とし、「C」が存在する浄水フィルター体を「C」とした。
各試作例の浄水フィルター体に関する繊維状活性炭、粉末状活性炭、及びフィブリル化繊維バインダの材料配合比(重量部)、濁度除去率、目詰まり評価、形状保持性の評価、及び総合評価の結果のまとめは表1及び2である。なお、表1の試作例4の「−」は、成形不能により測定、評価ができなかったことを示す。
Figure 2016022399
Figure 2016022399
[結果と考察]
試作例1及び2の浄水フィルター体については、いずれの項目も良好である。これに対し、試作例3は濾水度の小さいフィブリル化繊維バインダを使用した例である。目詰まりは早くなった。試作例4は濾水度の大きいフィブリル化繊維バインダを使用した例である。これについては、バインダ自体の絡まり合いが弱いことから形状保持性が大きく低下した。試作例5は粉末状活性炭量が過剰な例である。粉末状活性炭が多く目詰まりとともに粉末状活性炭の流出も多くなった。試作例6は中位径の細かい粉末状活性炭を使用した例であり、粉末状活性炭の細かさゆえに目詰まりが早まり活性炭の流出も多くなった。試作例7は中位径の大きな粉末状活性炭を使用した例であり、粉末状活性炭自体の表面積が相対的に減少したことにより濾集能力が低下した。
良好な試作例1,2と、不適な試作例3ないし7との比較から、粉末状活性炭に着目すると、その中位径については10ないし70μmの範囲が適切である。また、繊維状活性炭を基準に粉末状活性炭の配合量も30ないし300重量部が適切である。また、フィブリル化繊維状バインダに着目すると、10ないし40重量部の配合量範囲が適切である。また、その濾水度を勘案すると、100mL以上となるとより良好になる。なお、200mLを超過すると形状保持性に支障が生じる。そのため、100ないし200mLの濾水度の範囲とすることが好ましい。
本発明の浄水フィルター体は、微細な鉱物等の濾集能力に優れるとともに単位時間当たりの送水量も確保できる。しかも、高い濾集能力を維持したままフィルター体の耐用期間をより長くすることも可能とした。従って、既存を濾過装置や濾過設備の装着するフィルター体との有効な代替品となり得る。
1,2 浄水フィルター体
10 フィルター本体
11 濾材部
12 吸着基材部
13 保護布部
14 キャップ
15 空洞部
20 混合スラリー状物
21 粉末状活性炭
22 繊維(繊維状活性炭)
23 フィブリル化繊維バインダ
26 吸引部材
27 濾材成分

Claims (5)

  1. 繊維平均径が20μm以下の繊維と、中位径が10〜70μmの粉末状活性炭と、フィブリル化繊維バインダとを一体に備えてなるフィルター体であって、
    前記繊維の重量を100重量部として、前記繊維の重量を基準に前記粉末状活性炭を30〜300重量部及び前記フィブリル化繊維バインダを10〜40重量部で配合している
    ことを特徴とする浄水フィルター体。
  2. JIS P 8121−2(2012)に準拠して測定した前記フィブリル化繊維バインダの濾水度は100mL以上である請求項1に記載の浄水フィルター体。
  3. 前記繊維が繊維状活性炭であり、前記繊維状活性炭のヨウ素吸着性能が1000〜2000mg/gである請求項1または2に記載の浄水フィルター体。
  4. 前記粉末状活性炭のヨウ素吸着性能が1000〜2000mg/gである請求項1ないし3のいずれか1項に記載の浄水フィルター体。
  5. 前記フィブリル化繊維バインダがアクリル繊維からなる請求項1ないし4のいずれか1項に記載の浄水フィルター体。
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