JP2020032363A - 活性炭成形体の製造装置および製造方法 - Google Patents

活性炭成形体の製造装置および製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】活性炭成形体を連続的に製造する際に、吸引ポンプの吸引能力が変化した場合でも同じ外径の活性炭成形体を製造することができ、生産ロスの発生を未然に防ぐことが可能な活性炭成形体の製造装置および製造方法の提供。【解決手段】活性炭、繊維状バインダーおよび水を混合したスラリー液11の中に、少なくとも一端が開口した筒状部材3を浸漬させ、その開口部からスラリー液を吸引することで、筒状部材の表層部に固形物質を堆積させる活性炭成形体の製造装置であって、前記スラリー液を貯蔵するスラリー槽12と、前記筒状部材の開口部に配管18を介して接続されるスラリー吸引手段17と、吸引された水分量を前記スラリー吸引手段の上流側で測定する流量測定手段20と、吸引開始からの水分量の積算値が所定の閾値に到達時または所定の閾値に到達後一定時間経過時に、前記スラリー吸引手段の吸引の停止を行う吸引量制御手段21と、を備える。【選択図】図2

Description

本発明は、活性炭成形体の製造装置および製造方法に関する。
従来から、浄水用フィルターのろ材として、活性炭と繊維状バインダーからなる活性炭成形体が知られている。例えば、シャワー用の浄水用フィルターでは、円筒状に成形された活性炭成形体の内外周及び側面を不織布で覆い、両端部に流路を備えたキャップを取り付けることで浄水器本体と係合する。水はキャップの流路から、活性炭成形体の内径部に入り、径方向へ流通させることで、塩素等の有害物質の吸着・除去を行う。
このような浄水用フィルターの製造では、円筒状に成形した不織布の外周部に活性炭と繊維状バインダーを堆積・硬化させた後、外周部及び側面に不織布を巻き付けて溶着固定し、両端部にキャップを接着固定する。
ここで、活性炭と繊維状バインダーを堆積させる工程では、一般的に湿式成形法が用いられている。湿式成形法は、活性炭と繊維状バインダーと水とを混合したスラリー液の液中に円筒状の不織布を浸漬し、円筒状の不織布の内側より吸引することで、外周部へ固形物質を堆積させる方式である(例えば特許文献1)。
吸引により堆積する固形物質の量は、フィルター性能に直結するため、所定の基準値以上である必要がある。一方で、浄水器本体のフィルター収納スペースとの干渉や、活性炭消費量からくる製造コストの面から考えると、堆積する固形物質の量は少ない方がよい。すなわち、浄水用フィルターを生産する上では、上記性能・収納スペース・コストのバランスから、堆積する固形物質の量を、所定の範囲内に収める必要があり、収納スペースのことを考えると、外径での管理が必須となる。
しかしながら、上記湿式成形法において、吸引により堆積する固形物質は、スラリー液と同色であるため、液中では固形物質の堆積状態が識別困難な上、吸引途中においては、固形物質と液体の境界部が明確ではなく、外径をセンサー等で検知することはできない。そのため、固形物質の堆積量を確認しながら、所望の径に到達した時点で吸引を止めるということはできない。そこで、スラリー液を吸引している時間を測定し、測定した時間が所定の閾値に到達した時点で吸引を止めることで、堆積する固形物質の量を基準値に対して所定の範囲内に収める方法が提案されている(例えば特許文献2)。
特開2011−255310号公報 特開2016−010749号公報
しかし、特許文献2に記載されているような、吸引している時間を一定にする方法は、スラリー吸引手段の吸引能力が常に一定である場合にのみ、堆積する固形物質が一定となる。実際の生産では、スラリー吸引手段は、連続運転により例えばポンプのモーターなど駆動部が劣化するため、吸引能力が徐々に低下し、同じ時間だけ吸引したとしても、実際のスラリー液吸引量は、一定とはならない。従って、吸引時間を一定に管理していても、固形物質の堆積量を一定にすることができず、必ず規格から外れたものが発生し、生産ロスが発生する。
規格から外れた場合は、吸引時間を再調整することにより、一時的に規格内の生産は可能であるものの、前述の理由により、再び規格外のものが発生することは明らかである。
すなわち、連続生産において、公知の手段では、固形物質を堆積させる工程で発生する規格外れ品を減らすことができず、大量生産時にコスト増大を招く虞がある。
本発明は、従来の湿式成形法を用いて活性炭成形体を連続的に製造する際に発生する問題点を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、スラリー液吸引時の水分量を測定し、閾値により吸引量を決定することで、スラリー吸引手段であるポンプの吸引能力が変化しても同じ径の活性炭成形体を製造でき、生産ロスの発生を未然に防ぐことが可能な活性炭成形体の製造装置および製造方法を提供することにある。
上記課題を解決する本発明の活性炭成形体の製造装置は、活性炭と繊維状バインダーとを含む固形物質および水を混合したスラリー液の中に、水は透過し固形物質は透過しない側壁を有し一端が開口した筒状部材を浸漬させ、その開口から筒状部材の内部を吸引することで、筒状部材の側壁を通してスラリー液中の水を吸引して、筒状部材の側壁の外表面にスラリー液中の固形物質を堆積させる活性炭成形体の製造装置であって、
上記スラリー液を貯蔵するスラリー槽と、
上記スラリー槽中の上記スラリー液に浸漬された上記筒状部材の開口部に配管を介して接続されるスラリー吸引手段と、
上記スラリー吸引手段によって吸引された水分量を上記スラリー吸引手段の上流側で測定する流量測定手段と、
上記流量測定手段で測定された水分量の値を用いて、吸引開始からの水分量の積算値が所定の閾値に到達時または所定の閾値に到達後一定時間経過時に、上記スラリー吸引手段の吸引の停止を行う吸引量制御手段と、を備えている。
本発明の活性炭成形体の製造装置は、上記筒状部材が上記スラリー液から引き上げられた位置で、筒状部材の上記表層部に堆積された上記固形物質の外径を計測する外径計測手段を備え、
上記吸引量制御手段が、上記外径計測手段が計測した上記固形物質の外径の値を用いて、上記水分量の積算値または上記所定の閾値に補正を行うことが好ましい。
また、本発明の活性炭成形体の製造装置は、上記吸引量制御手段が、上記水分量の積算値が上記所定の閾値に到達後一定時間経過時に上記スラリー吸引手段の吸引の停止を行うものであり、
上記筒状部材を把持しながら上記スラリー槽の上記スラリー液中から水面までを一定の時間で引き上げるワーク昇降手段を備えていることが好ましい。
上記課題を解決する本発明の活性炭成形体の製造方法は、活性炭と繊維状バインダーとを含む固形物質および水を混合したスラリー液の中に、水は透過し固形物質は透過しない側壁を有し一端が開口した筒状部材を浸漬させ、その開口から筒状部材の内部を吸引することで、筒状部材の側壁を通してスラリー液中の水を吸引して、筒状部材の側壁の外表面にスラリー液中の固形物質を堆積させる堆積工程と、
上記堆積工程で吸引される上記水の分量を測定する流量測定工程と、
上記流量測定工程で測定される上記水分量の積算値が所定の閾値に到達時または所定の閾値に到達後一定時間経過時に上記筒状部材の内部の吸引を停止する吸引停止工程と、を含んでいる。
本発明の活性炭成形体の製造方法は、上記吸引停止工程の後で、上記筒状部材が上記スラリー液から引き上げられた位置で、筒状部材の上記側壁の外表面に堆積された上記固形物質の外形を測定する外形測定工程と、
次いで、上記測定した上記固形物質の外径の値を用いて、上記水分量の積算値または上記所定の閾値に補正を行うことで、所定の閾値に到達するまでに吸引する水分量を変更する補正工程と、を含むことが好ましい。
また、本発明の活性体成形体の製造方法は、上記吸引停止工程が、上記測定した水分量の積算値が上記所定の閾値に到達後一定時間経過時に上記筒状部材の内部の吸引の停止を行い、
上記吸引停止工程において上記所定の閾値に到達してから上記筒状部材の内部の吸引が継続されている間に上記筒状部材の引き上げを開始して、引き上げを開始してから筒状部材がスラリー液から出るまでに一定の時間をかけて引き上げる引き上げ工程を含む、ことがより好ましい。
本発明の活性炭成形体の製造装置及び活性炭成形体の製造方法を用いれば、スラリー吸引手段によって吸引された水分量を測定する流量測定手段をスラリー吸引手段の上流側に備え、この測定値に閾値を設けて吸引量を決定することで、ポンプの吸引能力が変動した場合でも、繰り返し同じ量のスラリー液を吸引することができる。その結果、活性炭成体の外径を規格内で安定して製造し続けることが可能となる。
本発明による活性炭成形体の製造装置と活性炭成形体の製造方法とを湿式成形法に適用すれば、連続生産時の生産ロスを少なくすることができ、コスト削減効果を得ることができる。
シャワー用浄水器の交換用浄水カートリッジ1の側断面図である。 本発明の第一の活性炭成形体の製造装置の概略正面図である。 本発明の第一の活性炭成形体の製造方法をステップ的に示す説明図である。 本発明の第二の活性炭成形体の製造方法の工程B3を示す説明図である。 本発明の第二の活性炭成形体の製造装置の概略正面図である。 図5の活性炭成形体の製造装置の外径測定ユニット31を、上側から見た図である。 本発明の第三の活性炭成形体の製造方法の工程C5および工程C6を示す説明図である。 本発明の第三の活性炭成形体の製造装置の概略正面図である。 本発明の第四の活性炭成形体の製造方法の工程D3を示す説明図である。 閾値に補正を与えた実施例3により得られた活性炭成形体の外径測定結果である。 閾値に補正を与えなかった参考例1により得られた活性炭成形体の外径測定結果である。
[浄水カートリッジ]
本発明を、シャワー用浄水器を例として図面を参照しながら説明する。
図1を参照する。図1は交換用浄水カートリッジ1の側断面図を例示している。ただし、好ましい態様や例示はこれに限られるものではない。
交換用浄水カートリッジ1の活性炭成形体2は、円筒形状に成形されており、内壁部には、水は透過し固形物質は透過しない不織布を筒状に成形した筒状部材3を有する。ここで、筒状部材3は、樹脂製のフレームに不織布を巻きつける構成であってもよい。活性炭成形体2の外周部には、全長に渡って不織布4が巻きつけられており、この不織布4は、活性炭成形体2の軸方向に対し両端面の少なくとも一部を覆っている。
さらに、活性炭成形体1の軸方向に対し両端面には、円盤形状の端部キャップ5が取り付けられている。また、端部キャップ5の中心部には、軸方向に対して流路6が貫通孔として備えられ、筒状部材3の内壁部への導入口または導出口となっている。なお、シャワー用浄水器との接続箇所にはOリング7を備えてシール性を確保している。
[第一の活性炭成形体の製造装置]
図2を参照する。図2は、本発明の第一の活性炭成形体の製造装置10の概略正面図である。活性炭成形体の製造装置10には、スラリー液11を貯蔵するためのスラリー槽12が備えられている。スラリー槽12の底部には、スラリー液11の固形成分の沈殿を防止するための攪拌機13が設けられている。攪拌機13の駆動方式は、電気モーター式、エアモーター式等どの様な方式でもよいが、貫通軸が無く設置や洗浄が容易なマグネチックスターラー式が好ましい。
スラリー液11は、活性炭と繊維状バインダーとを含む固形物質および水が混合されたものである。
また、スラリー槽12の中には、活性炭成形体の芯材となる筒状部材3に挿入されて、そのまま筒状部材3を保持するワーク保持具14が配置されている。このワーク保持具14は、軸方向の両端部が開口した中空形状で、筒状部材3を保持している範囲の外周側壁部に図示しない複数の貫通孔が空いている。さらに、ワーク保持具14には、位置決め部材15が挿入し固定されており、ワーク保持具14との嵌合部は全周に渡ってシールされている。
さらに、ワーク保持具14の一方の開口端には、中央に凹部を有するキャップ16が、その中央の凹部にワーク保持具14の一方の開口端を挿入して固定されている。挿入部分は図示しないネジ加工によって締結されている。
キャップ16を締結することで、キャップ16と位置決め部材15との間に筒状部材3が挟まれるため、筒状部材3の両端面はキャップ16及び位置決め部材15に押し付けられ、全周に渡ってシールがなされる。
スラリー槽12の外側には、スラリー吸引手段である吸引ポンプ17が配置されており、配管18を介してワーク保持具14のもう一方の開口端部に接続されている。この配管18の途中には、流路の閉止と開放を切り替える電磁式の開閉バルブ19と積算流量計20が設置されており、双方とも吸引量制御手段である吸引量制御装置21と電気的に接続されている。
吸引ポンプ17は、渦巻きポンプやギヤポンプ等、どの様な方式のものでもよいが、配管18内に溜まったエアを介してスラリー液11を吸引する必要があるため、呼び水が不要のダイアフラムポンプが好ましく、図示しないトラップ槽を上流側に備えた真空ポンプが安価であるため、より好ましい。また、積算流量計20は、吸引開始時の気泡をトラップする機構を設ければ、電磁式や超音波式等どの様な方式のものでもよいが、気泡が混入しても正確に測定ができるコリオリ式の流量計が、装置構成を簡略化する上で好ましい。
以上の構成により、吸引ポンプ17が駆動した状態で開閉バルブ19を「開」にすると、配管18内部及びワーク保持具14の流路内が負圧となり、スラリー液11が筒状部材3を介して吸引される。筒状部材3を構成している不織布4は、スラリー液11の固形物質を捕捉し、水のみが配管18を通って積算流量計20へと運ばれる。そして、積算流量計20で測定された水分量の積算流量値は、信号として吸引量制御装置21に伝えられる。吸引量制御装置21は、組み込まれた自動運転プログラムにしたがって、制御信号を送信して開閉バルブ19を「閉」にする。
なお条件変更時は操作盤22に適宜変更パラメータを入力すれば、それが吸引量制御装置21に伝達されて、運転動作の変更が実現できる。
[第一の活性炭成形体の製造方法]
次に図3を参照しながら、活性炭成形体の製造装置10を用いて筒状部材3の外周部に活性炭の成形を行う、第一の活性炭成形体の製造方法を、工程A1〜A4で示すステップを追って説明する。図3は、第一の活性炭成形体の製造方法をステップ的に示す説明図である。
図3(a)を見ると、筒状部材3に挿入され、キャップ16が装着されたワーク保持具14がスラリー液11の液中に含浸されている。また、ワーク保持具14に配管18を介して吸引ポンプ17が接続されており、配管の途中には、積算流量計20と開閉バルブ19が示されている。
<工程A1>(図3の(a)の状況)
運転準備の工程である。吸引ポンプ17が駆動し、開閉バルブ19は「閉」の状態である。積算流量計20の値はリセットされている。
<工程A2>(図3の(b)の状況)
筒状部材3の表層部に固形物質を堆積させる堆積工程及び、水分量を測定する流量測定工程である。
図示しない吸引量制御装置21が、制御指令信号を送信して、開閉バルブ19が「開」となり、スラリー液11が筒状部材3を通過してワーク保持具14の内部に吸引される。この際、スラリー液11の固形物質が筒状部材3を構成する不織布によって捕捉され、筒状部材3の表層部に固形物質23である活性炭と繊維状バインダーが積層する。同時に、不織布を通過した水は、ワーク保持部14から配管18を通り、積算流量計20で流量が計測された後、吸引ポンプ17により吸引・排出される。積算流量計20により測定された積算流量値は、信号として図示しない吸引量制御装置21に伝えられる。
<工程A3>(図3の(c)の状況)
固形物質の堆積終了工程である。工程A2より吸引を継続し、積算流量値が所定の閾値に到達した時点で、ワーク保持具14をスラリー液11より引き上げる(図の矢印の方向)。
<工程A4>(図3の(d)の状況)
吸引動作を停止する吸引停止工程である。図示しない吸引量制御装置21が、工程A3で積算流量値が所定の閾値に到達後一定の時間経過時に制御指令信号を送信して、開閉バルブ19を「閉」にする。
第一の活性炭成形体の製造方法では、積算流量計20の積算流量値に閾値を設けてスラリー液11の吸引量を決定するので、吸引ポンプ17の吸引能力が変動した場合でも、繰り返し同じ量のスラリー液11を吸引することができ、スラリー液11の吸引量バラツキが原因で発生する生産ロスを防止することができる。
また、閾値に到達した時点で、活性炭成形体2をスラリー液11から引き上げた後、空気中で一定の時間吸引を続けるので、活性炭成形体2に含まれる余剰水を吸引して除去することができる。水が除去された活性炭成形体2は、型崩れしづらいため、活性炭成形体2を装置から取り外す際、活性炭成形体2に直接触れる必要がある構成の場合、特に有効である。
[第二の活性炭成形体の製造方法]
一方、活性炭成形体2に直接触れることなく装置から取り外せる構成であるならば、活性炭成形体2が型崩れするおそれが無いので、積算流量計の積算値が所定の閾値に到達した時点で、開閉バルブ19を「閉」にして、同時に、ワーク保持具をスラリー液11から引き上げた方が、タクトタイムを短縮するのに有効である。この場合は、上記の活性炭成形体の製造装置10を用いて、本発明の第二の活性炭成形体の製造方法で活性炭成形体の製造を行う。この製造方法は、次の工程B1〜B3のステップで行い、これは工程A3を変更し、工程A4を削除した以外は第一の活性炭成形体の製造方法と同じである。
<工程B1>
第一の活性炭成形体の製造方法の工程A1と同じ。
<工程B2>
第一の活性炭成形体の製造方法の工程A2と同じ。
<工程B3>(図4の状況)
図4は、工程B3の状況を示す説明図である。固形物質の堆積終了工程及び、吸引動作を停止する吸引停止工程である。工程B2より吸引を継続し、積算流量値が所定の閾値に到達した時点で、吸引量制御装置21が制御指令信号を送信して、開閉バルブ19を「閉」にする。同時に、ワーク保持具14をスラリー液11より引き上げる(図の矢印の方向)。
第二の活性炭成形体の製造方法は、第一の活性炭成形体の製造方法の工程A1〜A2が完了した後、工程B3でワーク保持具表層への固形物質の堆積と吸引動作を同時に止めている。一方、第一の活性炭成形体の製造方法では、工程A1〜A2が完了した後、工程A3で固形物質の堆積を止め、工程A4で時間を開けてから吸引動作を止めている。つまり、第二の活性炭成形体の製造方法は、活性炭成形体の吸引成形の全工程完了と同時に吸引動作を止めているだけである。そのため吸引成形そのものに関しては、第一および第二の活性炭成形体の製造方法は、どちらも同じ効果を有する。
以上の工程B1〜B3を含む第二の活性炭成形体の製造方法は、活性炭成形体2に含まれる余剰水を除去する必要がなく、タクトタイムを短縮して活性炭成形体2を製造する時に、好適に用いることができる。
[第二の活性炭成形体の製造装置]
次に図5を参照しながら、本発明の第二の活性炭成形体の製造装置30について説明する。活性炭成形体の製造装置30は活性炭成形体の製造装置10のスラリー槽12の上部に、外径計測手段である外径測定ユニット31を追加的に備えさせただけで、その他は活性炭成形体の製造装置10と全く同じである。
図5は、活性炭成形体の製造装置30の概略正面図である。追加された外径測定ユニット31は、吸引が終了した活性炭成形体2が引き上げられた位置で外径を測定できるように、スラリー槽12の上部に配置され、吸引量制御装置21に電気的に接続されている。外径測定ユニット31で測定された外径の測定値は、信号として吸引量制御装置21に伝えられ、吸引量制御装置21は、積算流量値もしくは閾値に補正を行うことができる。更に、吸引量制御装置21は、組み込まれた自動運転プログラムにしたがって、制御信号を送信して開閉バルブ19を操作する。
外径測定ユニット31を、上側から見てみると、図6に示す図となる。図6は、吸引が完了した活性炭成形体2を図示しないスラリー液11から引き上げた状態を示しており、破線は、外径測定ユニット31による計測箇所を表している。また、図6で示す外径測定ユニット31は1個であるが、活性炭成形体2の軸方向に対して複数の測定データを採取するために、外径測定器31を活性炭成形体2の軸方向に対して複数個並べてもよく、もしくは、外径測定器31を活性炭成形体2の軸方向に移動させながら複数回測定してもよい。ここで、外径測定ユニット31は、活性炭成形体2に接触することなく高精度で測定ができるレーザー式の測定器を用いることが好ましい。
[第三の活性炭成形体の製造方法]
次に、活性炭成形体の製造装置30を用いて活性炭成形体の製造を行う、本発明の第三の活性炭成形体の製造方法を説明する。第三の活性炭成形体の製造方法は、次の工程C1〜C6のステップで活性炭成形体を製造する。この製造方法は、第一の活性炭成形体の製造方法又は第二の活性炭成形体の製造方法の全ステップが完了した後で、さらに以下の工程C5、C6を追加したものである。
<工程C1>
第一の活性炭成形体の製造方法の工程A1(第二の活性炭成形体の製造方法の工程B1)と同じ。
<工程C2>
第一の活性炭成形体の製造方法の工程A2(第二の活性炭成形体の製造方法の工程B2)と同じ。
<工程C3>
第一の活性炭成形体の製造方法の工程A3と同じか、第二の活性炭成形体の製造方法の工程B3と同じ。
<工程C4>
第一の活性炭成形体の製造方法の工程A4と同じ。なお、工程C3において、第二の活性炭成形体の製造方法の工程B3を実施した場合は、この工程C4は省略する。
<工程C5>
図7は工程C5の状況を示す説明図である。外径測定ユニット31を上側から見ると、図6に示す図となる。固形物質の外形を測定する外形測定工程である。スラリー液11より引き上げられた活性炭成形体2の外径を外径測定ユニット31で測定する。
<工程C6>
図7は、この工程C6の状況を示す説明図でもある。積算流量値が所定の閾値に到達するまでに吸引する水分量を変更する補正工程である。工程C5で外径測定ユニット31により測定された外径の測定値は、信号として図示しない吸引量制御装置21に伝えられる。吸引量制御装置21は、あらかじめ定められた自動プログラムによって、次回用いる閾値もしくは、次回の積算流量値に対して外径の測定値に応じた補正を行う。
第三の活性炭成形体の製造方法は、第一の活性炭成形体の製造方法の工程A1〜A4または第二の活性炭成形体の製造方法の工程B1〜B3が完了した後、つまり活性炭成形体の吸引成形の全工程が完了した後に、外形測定工程の工程C5および補正工程の工程C6を追加しているだけである。つまり、吸引成形そのものに関しては、第一〜第三の活性炭成形体の製造方法はいずれも同じ効果を有する。
第二の活性炭成形体の製造装置30を用いる第三の活性炭成形体の製造方法は、活性炭成形体2を連続して製造する際に、同じ量のスラリー液11を吸引しているにも拘らず出来上がる活性炭成形体2の直径に変化が生じるような場合に好適である。
具体的には、スラリー槽12内のスラリー液11の濃度が変化した場合が挙げられ、この場合、同じ量のスラリー液11を吸引しても、スラリー液11の単位体積当たりに含まれる固形物質量が異なるため、得られる活性炭成形体2の外径は同じにならない。スラリー槽12内のスラリー液11は、吸引により減少するため、定期的に継ぎ足して補充をする必要があるが、スラリー槽12内のスラリー液11と補充するスラリー液11の濃度が違えば、スラリー槽12内の濃度は変化する。スラリー液11は、活性炭と繊維状バインダーと水を調合して作成するが、それぞれの質量測定時には必ず測定誤差が生じるため、調合する都度、濃度にバラツキが生じる。すなわち、新たに調合したスラリー液11を補充に用いた場合、濃度が異なるスラリー液11を継ぎ足すこととなり、スラリー槽12内の濃度は徐々に変化して、活性炭成形体の直径に変化が生じる。
連続生産において、この活性炭成形体2の直径の変化が所定の規格内であれば問題無いが、所定の規格から外れるおそれがあるならば、スラリー液吸引量の積算値もしくは閾値に補正を与えることが好ましい。
ここで、閾値に補正を与える場合の具体的な補正手段の一例を以下に述べる。
まず、活性炭成形体2は、全長と内径は定尺であるため、外径測定ユニット31を用いて外径の測定値が分かれば、固形物質が堆積している円筒部分の体積V1を算出することができる。この体積V1は、スラリー液の固形物質の体積と空隙の体積が合わさったものであり、空隙を除いた固形物質のみの体積は、吸引したスラリー液量とスラリー液の固形物濃度とスラリー液および固形物質それぞれの密度により求められる。但し、スラリー槽12内に固形物質濃度の異なるスラリー液が補充されている場合、既にスラリー液の固形物質濃度は不明であり、A質量%とする。更に、スラリー液全体の密度をρ1(kg/m)とし、固形物質単体の密度をρ2(kg/m)とした場合、スラリー液を閾値B(m)まで吸引した時の、固形物質のみの体積V1’は、
V1’=B・ρ1・(A/100)・(1/ρ2) (m) (式1)
となる。すなわち、体積V1’の固形物質と一定の割合の空隙により、体積V1の円筒が形成されているわけである。
同様に、次回のスラリー液吸引時は、全く同じスラリー液を用いて、活性炭成形体の外径が規格の中心値になるように吸引成形を行うわけである。規格の中心値は決まった値であるため、固形物質が堆積する円筒部分の体積の規格の中心値V0を容易に算出することができるが、スラリー液吸引量の閾値は現時点で不明なのでXとする。ここで、体積V0は、上記で述べた通り、スラリー液の固形物質と空隙が合わさった体積なので、空隙を除いた固形物質のみの体積V0’は、同様に吸引するスラリー液量である閾値Xを用いて表すと、
V0’=X・ρ1・(A/100)・(1/ρ2) (m) (式2)
となる。すなわち、体積V0’の固形物質と一定の割合の空隙により、体積V0の円筒が形成されるのを狙うわけである。
上記V1とV0及び(式1)と(式2)は、上記円筒の体積とその中の固形物質の体積であり、同じ装置で同じ手法を用いて作成しているため、同じ比率で構成されており、
V1:V0=V1’:V0’
と表すことができる。ここに(式1)と(式2)を代入すると、
V1:V0=B・ρ1・(A/100)・(1/ρ2):X・ρ1・(A/100)・(1/ρ2)
となり、内項の積と外項の積は等しいので、
V0・B・ρ1・(A/100)・(1/ρ2)=V1・X・ρ1・(A/100)・(1/ρ2)
と表すことができる。ここで、共通因数であるρ1・(A/100)・(1/ρ2)で両辺を除すると、
V0・B=V1・X
となり、これを、閾値Xについて解くと、
X=B・V0/V1(式3)
となる。すなわち、上記(式3)より、閾値BにV0/V1を乗じることで算出される閾値Xが、次回、同一のスラリー液11を用いて、外径を規格の中心値で狙う際に用いる、補正されたスラリー液吸引量の閾値である。なお、上記は、外径の測定結果を次回の吸引量の閾値にフィードバック補正する一例であり、外径の実測値の範囲内で補正を行うため、補正値がスラリー液11の性状を反映しているため、スラリー槽12内のスラリー液11の固形物質濃度が断続的に変化する場合に適している。スラリー槽12内のスラリー液11の固形物質濃度が連続的に変化する場合は、外径測定値と閾値をデータとして蓄積・解析し、それぞれの傾きから予測的に補正値を算出してもよい。
以上の閾値に補正を与える場合は、閾値そのものを変化させるため、吸引するスラリー液量を直感的に把握したいときに適している。
一方、積算流量値に補正を与える場合は、上記で求めた閾値の差分であるX−Bを積算流量値Cから減じることで、補正した積算流量値C’を算出することができ、
C’=C−(X−B) (式4)
となる。(式4)を用いる場合は、吸引の際に用いる閾値は変化せずに閾値Bのままであるため、連続する生産において、当初設定した閾値Bとの差分を直感的に把握したい場合に適している。
[第三の活性炭成形体の製造装置]
次に図8を参照しながら、本発明の第三の活性炭成形体の製造装置40について説明する。活性炭成形体の製造装置40は活性炭成形体の製造装置10のスラリー槽12上部に、ワーク昇降手段である昇降ユニット41を追加的に備えさせただけで、その他は活性炭成形体の製造装置10と全く同じである。
図8は、活性炭成形体の製造装置40の概略正面図である。図8で、追加された昇降ユニット41は、ワーク保持具14をスラリー液11の液中から引き上げられるように、スラリー槽12の上部に配置され、昇降ユニット41の駆動部分がワーク保持具14に取り付けられている。また、昇降ユニット41は、吸引量制御装置21に電気的に接続されている。そして、吸引量制御装置21は、組み込まれた自動運転プログラムにしたがって、制御信号を送信し、昇降ユニット41と開閉バルブ19を操作する。ここで、昇降ユニット41は、速度調整が簡便で、低コストであるエアシリンダーが好ましいが、精密な速度制御が可能な単軸ロボットが、より好ましい。
以上の構成によって、活性炭成形体の製造装置40は、活性炭成形体2を任意のタイミングと速度で昇降することができるとともに、任意のタイミングで開閉バルブ19を開閉することができる。
[第四の活性炭成形体の製造方法]
次に、活性炭成形体の製造装置40を用いて活性炭成形体の製造を行う、本発明の第四の活性炭成形体の製造方法を説明する。第四の活性炭成形体の製造方法は、次の工程D1〜D4のステップで活性炭成形体を製造する。この製造方法は、第一の活性炭成形体の製造方法と、工程A3を変更した以外は全く同じである。
<工程D1>
第一の活性炭成形体の製造方法の工程A1と同じ。
<工程D2>
第一の活性炭成形体の製造方法の工程A2と同じ。
<工程D3>(図9の状況)
図9は、工程D3の状況を示す説明図である。ワーク保持具14を一定の時間かけてスラリー液11から引き上げる引き上げ工程および、固形物質の堆積終了工程である。工程D2より吸引を継続し、積算流量値が所定の閾値に到達した時点で、図示しない吸引量制御装置21が、あらかじめ定められた自動プログラムによって、制御指令信号を昇降ユニット41に送信して、スラリー液11からワーク保持具14の引き上げを開始し(図の矢印の方向)、引き上げを開始してからワーク保持具14がスラリー液11から出るまでに一定の時間をかけて引き上げる。
<工程D4>
第一の活性炭成形体の製造方法の工程A4と同じ。
第四の活性炭成形体の製造方法は、第一の活性炭成形体の製造方法の工程A1〜A4のうち、工程A3においてワーク保持具14をスラリー液11から引き上げる動作を、昇降ユニット41を用いて自動化しているだけである。つまり、吸引成形そのものに関しては、第一および第四の活性炭成形体の製造方法は、どちらも同じ効果を有する。
なお、閾値に関しては、ワーク保持具14がスラリー液11の液中を上昇している間も、スラリー液11の吸引が継続されることを考慮した上で設定すると、より活性炭成形体の外径の精度は高くなる。
第三の活性炭成形体の製造装置40を用いた第四の活性炭成形体の製造方法は、活性炭成形体2を連続して製造する際に、活性炭成形体2の型崩れ防止効果を確実に得られる範疇で、空気中での吸引時間を出来る限り短くしてタクトタイムを短縮するときに、好適に用いることができる。
すなわち、活性炭成形体の製造装置40を用いれば、昇降ユニット41を用いることによって、閾値に到達してからワーク保持具14をスラリー液11から引き上げるまでの時間T1を精度良く設定できる。また、閾値に到達してから開閉バルブ19を「閉」にするまでの時間T2も吸引量制御装置21により精度良く設定でき、さらに、空気中での吸引時間T3は、T3=T2−T1であるため、結果として空気中での吸引時間T3も精度が高く設定されることになる。
上記空気中での吸引時間T3は、長ければ型崩れ防止効果を確実に得られる反面、タクトタイムが悪化するため、型崩れ防止効果が得られる範疇で吸引時間T3をできる限り短く設定することが、連続生産では重要となる。本ケースでは、前述の通り、T1,T2,T3の時間を精度良く設定できるため、吸引時間T3を限界まで短く切り詰めることが可能となる。なお、型崩れ防止効果が得られる吸引時間T3の最小値は、活性炭成形体2の形状やサイズにより異なるため、実験的に求めることになるが、通常は5〜10秒程度である。そして、吸引量制御装置21は、設定した上記T1,T2,T3の時間を基に各機器へ指令を送ることで、一連の動作を繰り返し精度高く実行することができるので、特に連続生産時にはタクトタイム短縮効果が大きくなり、生産効率を高く保つことができる。
以上説明した本発明に適用できるスラリー液11としては、生産効率や攪拌時の取り扱い易さを実現する観点から、固形物質の濃度が1質量%以上10質量%以下であることが好ましい。
また、活性炭は繊維状活性炭や粒状活性炭、粉末活性炭を用いることができ、これら三種類の活性炭を任意の比率で混合してもよい。繊維状活性炭はフェノール系、ピッチ系、PAN系、またはセルロース系等を原料としたものから選択できる。繊維状活性炭としては、比表面積が1000〜2500m/gのものが使用でき、粒状活性炭や粉末活性炭と比較して塩素等の有害物質の吸着速度が速いことや、フィルター成形後に通水した際の圧力損失が低い特徴がある。粒状活性炭や粉末活性炭の場合はヤシ殻、木質、石炭、合成樹脂等を原料としたものを用いることができ、体積基準の中心粒径が30μm以上200μm以下が好ましい。中心粒径が小さいほど水との接触効率が高まり、ろ過性能は向上するが、粒径が小さくなるほど空隙が小さくなるため、フィルター成形後の通水時の圧力損失が増大する。
また、繊維状バインダーは、フィブリル化した繊維であれば活性炭と絡んで結合し、成形体とするのに適しており、アクリル繊維、セルロース繊維、アラミド繊維、ナイロン繊維等が挙げられ、これらの中から単独もしくは混合させて用いることができる。
筒状部材3を構成する不織布は、スラリー液吸引の際に活性炭及び繊維状バインダーを捕捉できれば、どの様な製法で作成されたものでもよく、スパンボンド法、メルトブロー法、サーマルボンド法、ケミカルボンド法、ニードルパンチ法、スパンレース法等の既知の手法で作成された不織布から適宜選定すればよい。
本発明の活性炭成形体の製造装置の一実施態様を以下に説明するが、本発明の内容はこれらに限定されるものではない。
[材料]
活性炭:中心粒径140μm、ヨウ素吸着量1500mg/gの粉末活性炭
繊維状バインダー:アクリル繊維(東洋紡株式会社製「BiPUL」)
[実施例1]
活性炭成形体の製造装置として、図2に示す第一の活性炭成形体の製造装置を用いて、活性炭成形体の作成を行った。吸引ポンプ17には、最大流量が50L/min、到達圧力が35kPaの真空ポンプと容積が3.0Lのトラップ槽とを接続して用いた。
スラリー槽12の容量は10Lのものを用い、活性炭と繊維状バインダーを質量基準で95:5の割合で配合し、固形物質濃度を3.0質量%で調整したスラリー液11を8.0L投入した。そして、ポリエステル製不織布を外径φ12mm、長さ150mmの円筒状に成形した筒状部材3を装置にセットし、スラリー液11の液面下約50mmの位置に浸漬した後、開閉バルブ19を開けてスラリー液11の吸引を開始した。吸引量制御装置21には、図示しない表示機を設け、積算流量計20の側定値と閾値を表示させて目視確認しながら、閾値である1000mLに到達するタイミングで、手動にて筒状部材3を液面から引き上げた。上記閾値に到達した時点で、開閉バルブ19が吸引量制御装置21により自動で閉じられた後、手動操作にて開閉バルブ19を操作し、活性炭成形体を空気中で5秒間吸引を行い、水の除去を行った。
上記のようにして得られた活性炭成形体を、長手方向に対して中央部1箇所の外径を、60度毎に回転させてレーザー式の非接触型外径測定器で測定し、平均値を算出した結果、φ27.9mmであった。
なお、開閉バルブ19を開けてから閾値に到達して閉まるまでの時間を測定した結果、9.8秒であった。
[実施例2]
吸引ポンプ17を、最大流量が40L/min、到達圧力が27kPaの真空ポンプにつなぎ換えた以外は、実施例1と同じ装置、同じ方法で活性炭成形体を作成した。作成した活性炭成形体の外径測定を実施した結果、φ27.9mmであった。
[比較例1]
吸引ポンプ17を、最大流量が40L/min、到達圧力が27kPaの真空ポンプにつなぎ換えて、積算流量計20による閾値は無視する様に、吸引量制御装置21の自動運転プログラムを変更した以外は、実施例1と同じ装置、同じ方法で活性炭成形体を作成した。積算流量計20による閾値によって開閉バルブ19を閉めないので、開閉バルブ19を開けてから閉じるまでの時間を9.8秒とした。作成した活性炭成形体の外径測定を実施した結果、φ25.4mmであった。
実施例1と実施例2の結果から、吸引ポンプ17の吸引性能に違いがある場合においてでも、同じスラリー液11を用いた上で積算流量計20の閾値を同じとすれば、得られる活性炭成形体の直径も同じであることがわかる。一方、実施例1と比較例1の結果から、吸引ポンプ17の吸引性能に違いがある場合、同じスラリー液11を用いて吸引時間を同じにすると、得られる活性炭成形体の直径に違いが生じている。このことから、積算流量計20の閾値を用いた活性炭成形体の製造方法は、吸引ポンプ17の性能が変化した場合であっても、その影響を受けることなく、同じ径の活性炭成形体を製造できることが分かる。
[実施例3]
活性炭成形体の製造装置として、図5に示す第二の活性炭成形体の製造装置30を用いて、活性炭成形体の作成を行った。吸引ポンプ17には、最大流量が50L/min、到達圧力が35kPaの真空ポンプと容積が3.0Lのトラップ槽とを接続して用いた。また、外径測定器31には、レーザー式の非接触型外径測定器を用いた。
スラリー槽12の容量は10Lのものを用い、活性炭と繊維状バインダーを質量基準で95:5の割合で配合し、固形物質濃度を3.0質量%で調整したスラリー液11を8.0L投入した。
そして、ポリエステル製不織布を外径φ12mm、長さ150mmの円筒状に成形した筒状部材3を装置にセットし、スラリー液11の液面下約50mmの位置に浸漬した後、開閉バルブ19を開けてスラリー液11の吸引を開始した。吸引量制御装置21には、図示しない表示機を設け、積算流量計20の側定値と閾値を表示させて目視確認しながら、閾値に到達するタイミングで、手動にて筒状部材3をスラリー液11の液面から引き上げ、活性炭成形体を得た。上記閾値に到達した時点で、開閉バルブ19が吸引量制御装置21により自動で閉じられた後、手動操作にて開閉バルブ19を操作し、活性炭成形体を空気中で5秒間吸引を行い、水の除去を行った。
上記同じ手順で活性炭成形体を、連続で20本作成し、閾値の初期値を1000mLとして、外径測定器31の測定値を元に随時閾値の補正を行った。また、活性炭成形体を2本作成毎に、減少した分だけスラリー液11の補充を行った。補充に用いたスラリー液11は、活性炭と繊維状バインダーを質量基準で95:5の割合で配合し、固形物質濃度を3.1質量%で調整したものを用いた。
上記のようにして得られた活性炭成形体を、長手方向に対して中央部1箇所の外径を、60度毎に回転させてレーザー式の非接触型外径測定器で測定し、平均値を算出した結果を図10に示す。
[参考例1]
閾値の補正を一切行わない以外は、実施例3と同じ装置、同じ方法により、活性炭成形体を連続で20本作成した。そして、上記と同じ方法により外径測定を実施した結果を、図11に示す。
図10(実施例3)の結果から、スラリー槽12内の固形物質濃度が変化して活性炭成形体の外径が変化した場合であってでも、閾値に補正を与えることで、次回作成した活性炭成形体の外径が規格の中心値であるφ28.0近辺に矯正されていることが見て取れる。その結果、2本作成毎にスラリー液の固形物質濃度が変化しているにも拘らず、得られた活性炭成形体20本全ての直径が規格値であるφ28.0±0.5の範囲内に入っていることがわかる。
一方、図11(参考例1)の結果から、閾値に補正を与えない場合は、スラリー液11の濃度上昇に伴い、得られる活性炭成形体の直径も増大し続け、7本目以降は全て規格値であるφ28.0±0.5の範囲から外れてしまっている。このことから、スラリー液吸引量の閾値に補正を与える活性炭成形体の製造方法は、スラリー槽12内のスラリー液11の濃度が変化する場合、スラリー液11の濃度が変化した時点で、スラリー液吸引量の閾値に適切な補正を与えることができるので、活性炭成形体の外径が規格の範囲から外れることなく、連続的に製造できることがわかる。
1 交換用浄水カートリッジ
2 活性炭成形体
3 筒状部材
4 不織布
5 端部キャップ
6 流路
7 Oリング
10 第一の活性炭成形体の製造装置
11 スラリー液
12 スラリー槽
13 攪拌機
14 ワーク保持具
15 位置決め部材
16 キャップ
17 吸引ポンプ
18 配管
19 開閉バルブ
20 積算流量計
21 吸引量制御装置
22 操作盤
23 固形物質
30 第二の活性炭成形体の製造装置
31 外径測定ユニット
40 第三の活性炭成形体の製造装置
41 昇降ユニット

Claims (6)

  1. 活性炭と繊維状バインダーとを含む固形物質および水を混合したスラリー液の中に、水は透過し固形物質は透過しない側壁を有し一端が開口した筒状部材を浸漬させ、その開口から筒状部材の内部を吸引することで、筒状部材の側壁を通してスラリー液中の水を吸引して、筒状部材の側壁の外表面にスラリー液中の固形物質を堆積させる活性炭成形体の製造装置であって、
    前記スラリー液を貯蔵するスラリー槽と、
    前記スラリー槽中の前記スラリー液に浸漬された前記筒状部材の開口に配管を介して接続される吸引手段と、
    前記吸引手段によって吸引された前記水の分量を前記吸引手段の上流側で測定する流量測定手段と、
    前記流量測定手段で測定された前記水分量の値を用いて、吸引開始からの水分量の積算値が所定の閾値に到達時または所定の閾値に到達後一定時間経過時に、前記吸引手段の吸引の停止を行う吸引量制御手段と、
    を備えた、活性炭成形体の製造装置。
  2. 前記筒状部材が前記スラリー液から引き上げられた位置で、筒状部材の前記側壁の外表面に堆積された前記固形物質の外径を計測する外径計測手段を備え、
    前記吸引量制御手段が、前記外径計測手段が計測した前記固形物質の外径の値を用いて、前記水分量の積算値または前記所定の閾値に補正を行う、請求項1の活性炭成形体の製造装置。
  3. 前記吸引量制御手段が、前記水分量の積算値が前記所定の閾値に到達後一定時間経過時に前記吸引手段の吸引の停止を行うものであり、
    前記筒状部材を把持しながら前記スラリー槽の前記スラリー液中から水面までを一定の時間で引き上げるワーク昇降手段を備えた、請求項1または2の活性炭成形体の製造装置。
  4. 活性炭と繊維状バインダーとを含む固形物質および水を混合したスラリー液の中に、水は透過し固形物質は透過しない側壁を有し一端が開口した筒状部材を浸漬させ、その開口から筒状部材の内部を吸引することで、筒状部材の側壁を通してスラリー液中の水を吸引して、筒状部材の側壁の外表面にスラリー液中の固形物質を堆積させる堆積工程と、
    前記堆積工程で吸引される前記水の分量を測定する流量測定工程と、
    前記流量測定工程で測定される前記水分量の積算値が所定の閾値に到達時または所定の閾値に到達後一定時間経過時に前記筒状部材の内部の吸引を停止する吸引停止工程と、
    を含む、活性炭形体の製造方法。
  5. 前記吸引停止工程の後で、前記筒状部材が前記スラリー液から引き上げられた位置で、筒状部材の前記側壁の外表面に堆積された前記固形物質の外形を測定する外形測定工程と、
    次いで、前記測定した前記固形物質の外径の値を用いて、前記水分量の積算値または前記所定の閾値に補正を行うことで、所定の閾値に到達するまでに吸引する水分量を変更する補正工程と、
    を含む、請求項4の活性炭成形体の製造方法。
  6. 前記吸引停止工程が、前記測定した水分量の積算値が前記所定の閾値に到達後一定時間経過時に前記筒状部材の内部の吸引の停止を行い、
    前記吸引停止工程において前記所定の閾値に到達してから前記筒状部材の内部の吸引が継続されている間に前記筒状部材の引き上げを開始して、引き上げを開始してから筒状部材がスラリー液から出るまでに一定の時間をかけて引き上げる引き上げ工程を含む、請求項4または5の活性炭成形体の製造方法。
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