JP2016021516A - 半導体装置、面発光レーザ、面発光レーザアレイ、光走査装置及び画像形成装置。 - Google Patents
半導体装置、面発光レーザ、面発光レーザアレイ、光走査装置及び画像形成装置。 Download PDFInfo
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Abstract
【課題】 信頼性を向上できる半導体装置を提供すること。
【解決手段】 下部半導体DBR及び活性層を含む半導体装置は、アルミニウムとヒ素とを含む化合物半導体層の側面に酸化膜が形成された半導体装置であり、酸化膜は、第1の層と、該第1の層よりも外側に位置し、かつ前記第1の層よりもヒ素含有量が少ない第2の層と、を含み、第1の層の厚さは、前記酸化膜の厚さの20%以上である。この場合、信頼性を向上できる半導体装置を提供できる。
【選択図】図13
【解決手段】 下部半導体DBR及び活性層を含む半導体装置は、アルミニウムとヒ素とを含む化合物半導体層の側面に酸化膜が形成された半導体装置であり、酸化膜は、第1の層と、該第1の層よりも外側に位置し、かつ前記第1の層よりもヒ素含有量が少ない第2の層と、を含み、第1の層の厚さは、前記酸化膜の厚さの20%以上である。この場合、信頼性を向上できる半導体装置を提供できる。
【選択図】図13
Description
本発明は、半導体装置、面発光レーザ、面発光レーザアレイ、光走査装置及び画像形成装置に係り、更に詳しくは、アルミニウムとヒ素とを含む化合物半導体層を有する半導体装置、該半導体装置を備える面発光レーザ、該面発光レーザがアレイ状に複数配置された面発光レーザアレイ、前記面発光レーザ又は前記面発光レーザアレイを備える光走査装置、及び該光走査装置を備える画像形成装置に関する。
アルミニウムとヒ素とを含むクラッド層(化合物半導体層)を有する半導体レーザが知られている(例えば特許文献1参照)。
しかしながら、特許文献1に開示されている半導体レーザでは、信頼性を向上できなかった。
本発明は、アルミニウムとヒ素とを含む化合物半導体層の側面に酸化膜が形成された半導体装置において、前記酸化膜は、第1の層と、該第1の層よりも外側に位置し、かつ前記第1の層よりもヒ素含有量が少ない第2の層と、を含み、前記第1の層の厚さは、前記酸化膜の厚さの20%以上であることを特徴とする半導体装置である。
これによれば、信頼性を向上できる。
以下、本発明の一実施形態を図1〜図14に基づいて説明する。図1には、一実施形態に係る画像形成装置としてのレーザプリンタ1000の概略構成が示されている。
このレーザプリンタ1000は、光走査装置1010、感光体ドラム1030、帯電チャージャ1031、現像ローラ1032、転写チャージャ1033、除電ユニット1034、クリーニングユニット1035、トナーカートリッジ1036、給紙コロ1037、給紙トレイ1038、レジストローラ対1039、定着ローラ1041、排紙ローラ1042、排紙トレイ1043、通信制御装置1050、及び上記各部を統括的に制御するプリンタ制御装置1060などを備えている。なお、これらは、プリンタ筐体1044の中の所定位置に収容されている。
通信制御装置1050は、ネットワークなどを介した上位装置(例えばパソコン)との双方向の通信を制御する。
感光体ドラム1030は、円柱状の部材であり、その表面には感光層が形成されている。すなわち、感光体ドラム1030の表面が被走査面である。そして、感光体ドラム1030は、図1における矢印方向に回転するようになっている。帯電チャージャ1031、現像ローラ1032、転写チャージャ1033、除電ユニット1034及びクリーニングユニット1035は、それぞれ感光体ドラム1030の表面近傍に配置されている。そして、感光体ドラム1030の回転方向に沿って、帯電チャージャ1031→現像ローラ1032→転写チャージャ1033→除電ユニット1034→クリーニングユニット1035の順に配置されている。帯電チャージャ1031は、感光体ドラム1030の表面を均一に帯電させる。
光走査装置1010は、帯電チャージャ1031で帯電された感光体ドラム1030の表面を、上位装置からの画像情報に応じて変調された光束により走査し、感光体ドラム1030の表面に画像情報に対応した潜像を形成する。ここで形成された潜像は、感光体ドラム1030の回転に伴って現像ローラ1032の方向に移動する。なお、この光走査装置1010の構成については後述する。
トナーカートリッジ1036にはトナーが格納されており、該トナーは現像ローラ1032に供給される。
現像ローラ1032は、感光体ドラム1030の表面に形成された潜像にトナーカートリッジ1036から供給されたトナーを付着させて画像情報を顕像化させる。ここでトナーが付着した潜像(以下では、便宜上「トナー像」ともいう)は、感光体ドラム1030の回転に伴って転写チャージャ1033の方向に移動する。
給紙トレイ1038には記録紙1040が格納されている。この給紙トレイ1038の近傍には給紙コロ1037が配置されており、該給紙コロ1037は、記録紙1040を給紙トレイ1038から1枚ずつ取り出し、レジストローラ対1039に搬送する。該レジストローラ対1039は、給紙コロ1037によって取り出された記録紙1040を一旦保持するとともに、該記録紙1040を感光体ドラム1030の回転に合わせて感光体ドラム1030と転写チャージャ1033との間隙に向けて送り出す。
転写チャージャ1033には、感光体ドラム1030の表面のトナーを電気的に記録紙1040に引きつけるために、トナーとは逆極性の電圧が印加されている。この電圧により、感光体ドラム1030の表面のトナー像が記録紙1040に転写される。ここで転写された記録紙1040は、定着ローラ1041に送られる。
定着ローラ1041では、熱と圧力とが記録紙1040に加えられ、これによってトナーが記録紙1040上に定着される。ここで定着された記録紙1040は、排紙ローラ1042を介して排紙トレイ1043に送られ、排紙トレイ1043上に順次スタックされる。
除電ユニット1034は、感光体ドラム1030の表面を除電する。
クリーニングユニット1035は、感光体ドラム1030の表面に残ったトナー(残留トナー)を除去する。残留トナーが除去された感光体ドラム1030の表面は、再度帯電チャージャ1031に対向する位置に戻る。
次に、前記光走査装置1010の構成について説明する。
この光走査装置1010は、一例として図2に示されるように、偏向器側走査レンズ11a、像面側走査レンズ11b、ポリゴンミラー13、光源14、カップリングレンズ15、開口板16、シリンドリカルレンズ17、反射ミラー18、及び走査制御装置(図示省略)などを備えている。そして、これらは、光学ハウジング30の中の所定位置に組み付けられている。
なお、以下では、便宜上、主走査方向に対応する方向を「主走査対応方向」と略述し、副走査方向に対応する方向を「副走査対応方向」と略述する。
カップリングレンズ15は、光源14から出力された光束を略平行光とする。
開口板16は、開口部を有し、カップリングレンズ15を介した光束のビーム径を規定する。
シリンドリカルレンズ17は、開口板16の開口部を通過した光束を、反射ミラー18を介してポリゴンミラー13の偏向反射面近傍に副走査対応方向に関して結像する。
光源14とポリゴンミラー13との間の光路上に配置される光学系は、偏向器前光学系とも呼ばれている。本実施形態では、偏向器前光学系は、カップリングレンズ15と開口板16とシリンドリカルレンズ17と反射ミラー18とから構成されている。
ポリゴンミラー13は、一例として内接円の半径が18mmの6面鏡を有し、各鏡がそれぞれ偏向反射面となる。このポリゴンミラー13は、副走査対応方向に平行な軸の周りを等速回転しながら、反射ミラー18からの光束を偏向する。
偏向器側走査レンズ11aは、ポリゴンミラー13で偏向された光束の光路上に配置されている。
像面側走査レンズ11bは、偏向器側走査レンズ11aを介した光束の光路上に配置されている。そして、この像面側走査レンズ11bを介した光束が、感光体ドラム1030の表面に照射され、光スポットが形成される。この光スポットは、ポリゴンミラー13の回転に伴って感光体ドラム1030の長手方向に移動する。すなわち、感光体ドラム1030上を走査する。このときの光スポットの移動方向が「主走査方向」である。また、感光体ドラム1030の回転方向が「副走査方向」である。
ポリゴンミラー13と感光体ドラム1030との間の光路上に配置される光学系は、走査光学系とも呼ばれている。本実施形態では、走査光学系は、偏向器側走査レンズ11aと像面側走査レンズ11bとから構成されている。なお、偏向器側走査レンズ11aと像面側走査レンズ11bの間の光路上、及び像面側走査レンズ11bと感光体ドラム1030の間の光路上の少なくとも一方に、少なくとも1つの折り返しミラーが配置されても良い。
光源14は、一例として図3に示されるように、21個の発光部が2次元的に配列されて1つの基板上に形成され、各発光部が基板に垂直な方向にレーザ光を射出する面発光レーザアレイ100を有している。すなわち、面発光レーザアレイ100は、垂直共振器型の面発光レーザ素子が集積されたものである。この面発光レーザアレイ100は、発振波長が780nm帯の面発光レーザアレイである。なお、図3におけるM方向は主走査対応方向であり、S方向は副走査対応方向である。また、図3では、便宜上、配線及び電極パッドは図示を省略している。
面発光レーザアレイ100の21個の発光部は、すべての発光部をS方向に伸びる仮想線上に正射影したときに、隣接する発光部の間隔が等間隔cとなるように配置されている。なお、本明細書では、「発光部の間隔」とは2つの発光部の中心間距離をいうものとする。従って、感光体ドラム1030の表面を、同時に21本の光束で走査することが可能である。
図3のA−A切断面が図4に示されている。なお、本明細書では、レーザ発振方向をZ軸方向とし、Z軸方向に垂直な面内における互いに直交する2つの方向をX軸方向及びY軸方向として説明する。
面発光レーザアレイ100は、基板101、下部半導体DBR103、下部スペーサ層104、活性層105、上部スペーサ層106、上部半導体DBR107などを有している。
基板101は、表面が鏡面研磨面であり、図5(A)に示されるように、鏡面研磨面の法線方向が、結晶方位[1 0 0]方向に対して、結晶方位[1 1 1]A方向に向かって15度(θ=15度)傾斜したn−GaAs単結晶基板である。すなわち、基板101はいわゆる傾斜基板である。ここでは、図5(B)に示されるように、結晶方位[0 1 −1]方向が−X方向、結晶方位[0 −1 1]方向が+X方向となるように配置されている。
下部半導体DBR103は、一例として図6に示されるように、第1の下部半導体DBR1031と、第2の下部半導体DBR1032とを有している。
第1の下部半導体DBR1031は、不図示のバッファ層を介して基板101の+Z側の面上に積層され、n−Al0.9Ga0.1Asからなる低屈折率層103aと、n−Al0.3Ga0.7Asからなる高屈折率層103bのペアを37.5ペア有している。各屈折率層の間には、電気抵抗を低減するため、一方の組成から他方の組成へ向かって組成を徐々に変化させた厚さ20nmの組成傾斜層(図示省略)が設けられている。そして、各屈折率層はいずれも、隣接する組成傾斜層の1/2を含んで、発振波長をλとするとλ/4の光学的厚さとなるように設定されている。なお、光学的厚さとその層の実際の厚さについては以下の関係がある。光学的厚さがλ/4のとき、その層の実際の厚さDは、D=λ/4N(但し、Nはその層の媒質の屈折率)である。
第2の下部半導体DBR1032は、第1の下部半導体DBR1031の+Z側に積層され、低屈折率層103aと高屈折率層103bのペアを3ペア有している。各屈折率層の間には、電気抵抗を低減するため、一方の組成から他方の組成へ向かって組成を徐々に変化させた組成傾斜層(図示省略)が設けられている。そして、低屈折率層103aは、隣接する組成傾斜層の1/2を含んで、3λ/4の光学的厚さとなるように設定され、高屈折率層103bは、隣接する組成傾斜層の1/2を含んで、λ/4の光学的厚さとなるように設定されている。この第2の下部半導体DBR1032が、いわゆる「放熱構造体」となる。また、第2の下部半導体DBR1032における低屈折率層103aが、いわゆる「放熱層」となる。
図4に戻り、下部スペーサ層104は、下部半導体DBR103の+Z側に積層され、ノンドープのAl0.6Ga0.4Asからなる層である。
活性層105は、下部スペーサ層104の+Z側に積層され、3層の量子井戸層と4層の障壁層とを有している。各量子井戸層は、Al0.12Ga0.88Asからなり、各障壁層は、Al0.3Ga0.7Asからなる。
上部スペーサ層106は、活性層105の+Z側に積層され、ノンドープのAl0.6Ga0.4Asからなる層である。
下部スペーサ層104と活性層105と上部スペーサ層106とからなる部分は、共振器構造体とも呼ばれており、その厚さが1波長の光学的厚さとなるように設定されている。なお、活性層105は、高い誘導放出確率が得られるように、電界の定在波分布における腹に対応する位置である共振器構造体の中央に設けられている。
また、活性層105で発生した熱は、主として下部半導体DBR103を介して基板101に放熱されるようになっている。基板101は、その裏面が導電性接着剤等を用いてパッケージに装着されており、熱は基板101からパッケージに放熱される。
上部半導体DBR107は、上部スペーサ層106の+Z側に積層され、p−Al0.9Ga0.1Asからなる低屈折率層とp−Al0.3Ga0.7Asからなる高屈折率層のペアを24ペア有している。各屈折率層の間には、電気抵抗を低減するため、一方の組成から他方の組成へ向かって組成を徐々に変化させた組成傾斜層が設けられている。そして、各屈折率層はいずれも、隣接する組成傾斜層の1/2を含んで、λ/4の光学的厚さとなるように設定されている。
上部半導体DBR107における共振器構造体から光学的にλ/4離れた位置に、p−AlAsからなる被選択酸化層108が設けられている。なお、図4では、便宜上、被選択酸化層108は、上部半導体DBR107と共振器構造体との間に図示されている。
このように基板101上に複数の半導体層が積層されたものを、以下では、便宜上「積層体」ともいう。
次に、面発光レーザアレイ100の製造方法について説明する。
(1)上記積層体を有機金属気相成長法(MOCVD法)あるいは分子線エピタキシャル成長法(MBE法)による結晶成長によって作成する(図7(A)参照)。
(1)上記積層体を有機金属気相成長法(MOCVD法)あるいは分子線エピタキシャル成長法(MBE法)による結晶成長によって作成する(図7(A)参照)。
ここでは、III族の原料には、トリメチルアルミニウム(TMA)、トリメチルガリウム(TMG)を用い、V族の原料には、アルシン(AsH3)を用いている。また、p型ドーパントの原料には四臭化炭素(CBr4)、ジメチルジンク(DMZn)を用い、n型ドーパントの原料にはセレン化水素(H2Se)を用いている。
(2)積層体の表面に、複数の発光部に対応した複数のメサ構造体(以下では、便宜上「メサ」と略述する)を形成するためのレジストパターンを設ける。ここでは、一例として、メサとなる部分には一辺が20μmの正方形状のレジストパターンが設けられる。
また、隣接するメサの間隔は、各発光部の電気的及び空間的分離のために、5μm以上とすることが好ましい。あまり狭いと製造時のエッチングの制御が難しくなるからである。
(3)Cl2ガスを用いるICPエッチング法で、レジストパターンをフォトマスクとしてメサを形成する。ここでは、エッチングの底面は下部スペーサ層104の上面に位置するようにした。なお、エッチングの底面が第2の下部半導体DBR1032に達すると、その後の酸化工程でAl組成の多い放熱層が酸化されることとなる。そこで、それを避けるため、エッチングの底面は、被選択酸化層108より深く、放熱層に至らない範囲で止めることが必要である。なお、下部スペーサ層104としてAlGaInP系材料を用いると、エッチングの底面の制御性を向上させることができる。また、メサの大きさ(1辺の長さ)は10μm以上とすることが好ましい。あまり小さいと動作時に熱がこもり、特性が低下するおそれがあるからである。
(4)フォトマスクを除去する(図7(B)参照)。
(5)積層体を水蒸気中で熱処理する。ここでは、メサの外周部から被選択酸化層108中のAlが選択的に酸化される。そして、メサの中央部に、Alの酸化層108aによって囲まれた酸化されていない領域108bを残留させる(図7(C)参照)。これにより、発光部の駆動電流の経路をメサの中央部だけに制限する、酸化狭窄構造体が作成される。上記酸化されていない領域108bが電流通過領域(電流注入領域)である。ここでは、種々の予備実験の結果から、電流通過領域108bが所望の大きさとなるように、熱処理の条件(保持温度、保持時間等)を適切に選択している。
(4)フォトマスクを除去する(図7(B)参照)。
(5)積層体を水蒸気中で熱処理する。ここでは、メサの外周部から被選択酸化層108中のAlが選択的に酸化される。そして、メサの中央部に、Alの酸化層108aによって囲まれた酸化されていない領域108bを残留させる(図7(C)参照)。これにより、発光部の駆動電流の経路をメサの中央部だけに制限する、酸化狭窄構造体が作成される。上記酸化されていない領域108bが電流通過領域(電流注入領域)である。ここでは、種々の予備実験の結果から、電流通過領域108bが所望の大きさとなるように、熱処理の条件(保持温度、保持時間等)を適切に選択している。
このとき、一例として図8に示されるように、メサの側面に露出している上部半導体DBR107の低屈折率層も、Alを多く含んでいるため、露出部から酸化されその長さ(深さ)は数十nmとなる。この酸化された部分151は、ダメージ層とも呼ばれ、大きな応力をメサに与え、レーザ寿命に影響を与える。なお、該酸化された部分の長さは上部半導体DBRの低屈折率層のAl組成比率に依存する。
(6)メサの側面をBHF(バッファード・フッ酸)で、約10秒〜15秒間エッチングする。これにより、一例として図9に示されるように、ダメージ層が除去される。すなわち、酸化狭窄構造体が形成されたメサの側面の不要な酸化物を除去する。これにより、酸化による応力が緩和される。
ところで、ダメージ層の除去は適切なエッチング時間で行わなければならず、エッチングの適切な時間は上部半導体DBRの低屈折率層のAl組成比率に依存する。仮にエッチング時間が適切な時間よりも長すぎると、上部半導体DBR層にダメージを与え、DBR層に亀裂が入ったり折れたりするおそれがある。そこで、適切なエッチング時間が明確でないときは、ダメージ層を除去する工程は省略しても良い。
(7)積層体の表面に、分離用(チップ切り出し用)の溝を形成するためのレジストマスクを設ける。
(8)上述したレジストマスクをエッチングマスクとして、ドライエッチング法により分離用(チップ切り出し用)の溝を形成する。
(9)エッチングマスクを除去する(図10(A)参照)。ここでは、基板101に達する溝152が形成されている。これにより、下部半導体DBR103が露出することとなる。
(10)積層体を、5%アンモニア水に40秒間浸漬させる。
(11)不動態化処理を行う。以下に、不動態化処理の一例を説明する。積層体を加熱処理用のチャンバー内に入れ、窒素(N2)と酸素(O2)と高温水蒸気をそれぞれ7SLM、1.5SLM、100g/hrで同時に含む雰囲気中で350℃〜400℃の温度で15分間保持する。(図10(B)参照)
この場合、露出している下部半導体DBR103の側面からの酸化が進むことなく、最表面がきわめて薄く、かつ安定した酸化膜(不動態膜)153によって覆われることとなる。
(8)上述したレジストマスクをエッチングマスクとして、ドライエッチング法により分離用(チップ切り出し用)の溝を形成する。
(9)エッチングマスクを除去する(図10(A)参照)。ここでは、基板101に達する溝152が形成されている。これにより、下部半導体DBR103が露出することとなる。
(10)積層体を、5%アンモニア水に40秒間浸漬させる。
(11)不動態化処理を行う。以下に、不動態化処理の一例を説明する。積層体を加熱処理用のチャンバー内に入れ、窒素(N2)と酸素(O2)と高温水蒸気をそれぞれ7SLM、1.5SLM、100g/hrで同時に含む雰囲気中で350℃〜400℃の温度で15分間保持する。(図10(B)参照)
この場合、露出している下部半導体DBR103の側面からの酸化が進むことなく、最表面がきわめて薄く、かつ安定した酸化膜(不動態膜)153によって覆われることとなる。
なお、図10(B)は、溝が形成された部分を拡大した図である。ここで生成される酸化膜(不動態膜)は、従来の酸化処理で生成される酸化膜よりも非常に薄い酸化膜であり、下部半導体DBR103との密着性に優れている。また、ここで生成される酸化膜(不動態膜)は、従来の不動態化条件で得られる膜よりも非常に緻密な酸化膜であり、下部半導体DBR103内部への酸素の侵入を阻止していると考えられる。
上述した不動態化処理直後の状態で、温度85℃、湿度85%の環境下で500hrの高温高湿試験を、574個の積層体について行ったところ、腐食が発生した積層体は0個だった。
ここで、比較例として、積層体を加熱処理用のチャンバー内に入れ、窒素雰囲気中で350℃〜400℃の温度に3分間保持する。ここでは、大気中で積層体表面に付着した酸素や水、もしくは加熱処理用のチャンバー内の微量な酸素や水による自然酸化膜が、窒素雰囲気中で加熱処理されて得られた酸化膜(不動態膜)が形成された積層体49個について、この不動態化直後の状態で温度85℃、湿度85%の環境下での高温高湿試験を行ったところ、開始60hrで全ての積層体に腐食が発生した。
(12)プラズマCVD法を用いて、誘電体であるSiN、SiON及びSiO2のいずれかからなる厚さが150nm〜300nmのパッシベーション膜111を形成する(図10(C)参照)。このとき、一例として図10(D)に示されるように、酸化膜(不動態膜)153もパッシベーション膜111で覆われることとなる。なお、図10(D)は、溝が形成された部分を拡大した図である。
(13)溝152のスクライブラインとメサ上部のコンタクトホール154を形成する(図11(A)参照)。このときの、上部半導体DBR107のメサ端面のダメージ層除去部分と、下部半導体DBR103の放熱層の端面を不導態化したものの位置関係が図12に示されている。
(14)メサ上部の光出射部となる領域に一辺が10μmの正方形状のレジストパターンを形成し、p側の電極材料の蒸着を行なう。p側の電極材料としてはCr/AuZn/Auからなる多層膜、もしくはAuZn/Ti/Auからなる多層膜が用いられる。このとき、電極パッド及び配線部材の蒸着を同時に行っても良い。
(15)光出射部の電極材料をリフトオフし、p側の電極113を形成する(図11(B)参照)。ここでは、予め電極以外の部分をフォトレジストによりマスクしておき、電極材料を蒸着後、アセトン等のフォトレジストが溶解する溶液中で超音波洗浄することで電極を形成している。
(16)基板101の裏側を所定の厚さ(例えば100μm〜300μm程度)まで研磨した後、n側の電極114を形成する(図11(C)参照)。ここでは、n側の電極114はAuGe/Ni/Auからなる多層膜である。
(17)アニールによって、p側の電極113とn側の電極114のオーミック導通をとる。これにより、メサは発光部となる。
(18)溝152のスクライブラインをダイシングあるいはスクライビングし、チップを切り出す(図11(D)参照)。これにより、面発光レーザアレイ100が完成する。
(13)溝152のスクライブラインとメサ上部のコンタクトホール154を形成する(図11(A)参照)。このときの、上部半導体DBR107のメサ端面のダメージ層除去部分と、下部半導体DBR103の放熱層の端面を不導態化したものの位置関係が図12に示されている。
(14)メサ上部の光出射部となる領域に一辺が10μmの正方形状のレジストパターンを形成し、p側の電極材料の蒸着を行なう。p側の電極材料としてはCr/AuZn/Auからなる多層膜、もしくはAuZn/Ti/Auからなる多層膜が用いられる。このとき、電極パッド及び配線部材の蒸着を同時に行っても良い。
(15)光出射部の電極材料をリフトオフし、p側の電極113を形成する(図11(B)参照)。ここでは、予め電極以外の部分をフォトレジストによりマスクしておき、電極材料を蒸着後、アセトン等のフォトレジストが溶解する溶液中で超音波洗浄することで電極を形成している。
(16)基板101の裏側を所定の厚さ(例えば100μm〜300μm程度)まで研磨した後、n側の電極114を形成する(図11(C)参照)。ここでは、n側の電極114はAuGe/Ni/Auからなる多層膜である。
(17)アニールによって、p側の電極113とn側の電極114のオーミック導通をとる。これにより、メサは発光部となる。
(18)溝152のスクライブラインをダイシングあるいはスクライビングし、チップを切り出す(図11(D)参照)。これにより、面発光レーザアレイ100が完成する。
以上の説明から明らかなように、上記面発光レーザアレイ100の製造方法において、本発明の製造方法が実施されている。
以上説明したように、本実施形態に係る面発光レーザアレイ100によると、基板101上に下部半導体DBR103、下部スペーサ層104、活性層105、上部スペーサ層106、及び上部半導体DBR107が積層されている。そして、下部半導体DBR103の側面には、安定した酸化膜(不動態膜)が形成されている。また、不動態膜は、誘電体であるSiN、SiON及びSiO2のいずれかからなるパッシベーション膜111で被覆されている。この場合、信頼性を従来よりも向上させることができる。
ところで、面発光レーザは、湿度(水分)の影響を受け易い。本願の発明者らは、種々の実験等を行い、Alの含有量が多く、層の厚さが他の層よりも厚い放熱層が、特に水分に弱い部分であることが分かっている。上述した不動態化処理により、仮にパッシベーション膜にピンホールが存在していても、不動態膜だけで放熱層に水分が侵入するのを防止できる。これにより、高温高湿に対する耐性が向上し、寿命を従来よりも延ばすことが可能となる。
また、本実施形態では、放熱層が下部半導体DBRの一部を構成している場合について説明したが、これに限定されるものではない。例えば、Alの含有量の多い放熱層が、スペーサ層に含まれている場合や、共振器構造体に隣接して設けられている場合であっても、上述した不動態化処理の工程(11)を適用することができる。
本実施形態の不動態化処理を行った下部半導体DBRの構成について詳細に説明する。なお、ここでは、一例として、下部半導体DBRの低屈折率層に、放熱層としても機能する、光学的厚さが3λ/4のAlAs層を用いた場合について説明する。
図13には、不動態化処理として上記工程(11)を行ったときの、下部半導体DBRの側部付近を走査型電子顕微鏡で観察した像(SEM像)が示されている。図13における左側に下部半導体DBRの側部が示されている。ここでは、誘電体からなるパッシベーション膜は成膜されていない。図13における下部半導体DBRの側部の右側に放熱層(AlAs層)を含む下部半導体DBRの内部が示されている。
図13から分かるように、下部半導体DBRの放熱層(AlAs層)の外側(図13における左側)に、不動態化処理により下部半導体DBRの側面(側部の表面)に沿って形成された構造物(酸化膜)があり、この構造物、すなわち不動態膜は、図13におけるコントラストから、内側の第1の層と該第1の層に隣接する外側の第2の層の2層構造となっていることがわかる。第1及び第2の層の厚さの合計、すなわち不動態化処理における酸化距離(アルミ酸化物を主とする層の厚さ)は、400nm〜450nmであった。
また、第1の層は、第2の層よりもヒ素含有量が多いことがわかっている。アルミニウムとヒ素を含む酸化物は、ヒ素含有量が多いほど緻密さが増し、酸化の進行を防ぐ機能に優れる。すなわち、第1の層は、第2の層よりも酸化の進行を防ぐ機能(以下では、酸化防止機能とも称する)に優れている。
このため、不動態膜は、全膜厚(第1及び第2の層の厚さの合計)に対する第1の層の厚さの割合が大きいほど酸化防止機能に優れる。
そこで、本実施形態では、不動態膜において、全膜厚に対する第1の層の厚さの割合を20%以上に設定している。すなわち、第1の層の厚さを80nm以上に設定している。
換言すると、本実施形態では、全膜厚に対する第1の層の厚さの割合が20%以上になるような(第1の層の厚さが80nm以上になるような)条件、すなわち工程(11)の冒頭の説明で挙げた条件で、不動態化処理を行っている。
結果として、必要十分な酸化防止機能を確保でき、信頼性を向上できる。
また、第1の層のアルミニウム含有量は、第2の層のアルミニウム含有量よりも少ないことがわかっている。
本実施形態では、不動態化処理の工程(11)を採用することにより、下部半導体DBRの側面に、温度85℃、湿度85%の雰囲気下で形成される酸化物より安定な酸化膜が形成されるため、高い信頼性を有する面発光レーザ素子となる。
以上説明したように、本実施形態に係る下部半導体DBR103及び活性層105を含む半導体装置(面発光レーザアレイ100の一部)は、第1の観点からすると、AlAs層(アルミニウムとヒ素とを含む化合物半導体層)の側面に酸化膜(不動態膜)が形成された半導体装置であり、酸化膜は、第1の層と、該第1の層よりも外側に位置し、かつ前記第1の層よりもヒ素含有量が少ない第2の層と、を含み、第1の層の厚さは、酸化膜の厚さの20%以上である。
また、本実施形態に係る下部半導体DBR103及び活性層105を含む半導体装置(面発光レーザアレイ100の一部)は、第2の観点からすると、AlAs層(アルミニウムとヒ素とを含む化合物半導体層)の側面に酸化膜(不動態膜)が形成された半導体装置であり、酸化膜は、第1の層と、該第1の層よりも外側に位置し、かつ前記第1の層よりもヒ素含有量が少ない第2の層と、を含み、第1の層の厚さは、80nm以上である。
本実施形態の半導体装置によれば、酸化膜(不動態膜)により下部半導体DBRの酸化防止機能を向上でき、ひいては信頼性を向上できる。
この結果、下部半導体DBRの酸化防止機能に関するパッシベーション膜への依存度を極力低くすることができる。そこで、仮にパッシベーション膜にピンホールが存在していても、下部半導体DBRの放熱層(AlAs層)が腐食するのを確実に防止できる。
なお、(11)の不動態化工程で、積層体を加熱処理用のチャンバー内に入れ、窒素(N2)と酸素(O2)と高温水蒸気をそれぞれ7SLM、1.5SLM、100g/hrで同時に含む雰囲気中で350℃〜400℃の温度で15分間保持としたが、酸素の流量が0.7SLM、および3.0SLMでも不動態化工程を行った。それぞれの条件で作製したサンプルで、不動態化直後の状態で温度85℃、湿度85%の環境下で49個の積層体について500hrの高温高湿試験を行ったところ、腐食が発生した積層体はいずれも0個だった。このように本実施形態における、不動態化工程は、従来の不動態化工程に比べて、非常にプロセスマージンが大きいといえる。
本実施形態に係る光走査装置1010によると、光源14が面発光レーザアレイ100を有しているため、安定した光走査を行うことが可能となる。
また、面発光レーザアレイ100では、各発光部を副走査対応方向に延びる仮想線上に正射影したときの発光部間隔が等間隔cであるので、点灯のタイミングを調整することで感光体ドラム1030上では副走査方向に等間隔で発光部が並んでいる場合と同様な構成と捉えることができる。
例えば、面発光レーザアレイ100における前記間隔cが10μmであり、光学系の倍率が1であれば、2400dpi(ドット/インチ)が実現できる。もちろん、主走査対応方向の発光部数を増加させたり、前記間隔dを狭くして間隔cを更に小さくするアレイ配置としたり、光学系の倍率を下げる等を行えばより高密度化でき、より高品質の印刷が可能となる。なお、主走査方向の書き込み間隔は、発光部の点灯のタイミングで容易に制御できる。
また、この場合には、レーザプリンタ1000では書きこみドット密度が上昇しても印刷速度を落とすことなく印刷することができる。また、同じ書きこみドット密度の場合には印刷速度を更に速くすることができる。
本実施形態に係るレーザプリンタ1000によると、光走査装置1010を備えているため、高品質の画像を形成することが可能となる。
また、面発光レーザ素子の寿命が格段に向上するので、書込みユニットもしくは光源ユニットの再利用が可能となる。
なお、上記実施形態では、放熱構造体が、低屈折率層103aと高屈折率層103bのペアを3ペア有する場合について説明したが、これに限定されるものではない。
また、上記実施形態では、各放熱層の光学的厚さが3λ/4の場合について説明したが、これに限定されるものではない。要するに、各放熱層の光学的厚さは、λ/4よりも厚ければ良い。
また、上記実施形態では、放熱層が下部半導体DBR中に配置される場合について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば、放熱層が、共振器構造体中にあっても良いし、あるいは共振器構造体に隣接して配置されても良い。
また、上記実施形態では、放熱層がAl0.9Ga0.1Asの場合について説明したが、これに限定されるものではなく、熱伝導度の高い材料であれば良い。例えば、Al組成が0.9以上のAl(Ga)As系が好ましく、最も熱伝導度の高いAlAsが最も好ましい。
また、上記実施形態では、不動態化処理として、AlとAsとを含む放熱層(化合物半導体層)を不動態化する場合について説明したが、これに限定されるものではなく、AlとAsとを含む他の化合物半導体層でも不動態化により腐食を防止できる効果がある。例えば、光学的厚さがλ/4のAlGaAsを用いた半導体DBRであっても、側面が大気中にさらされると腐食する場合があるため、上記実施形態と同様に不動態化の効果を有する。
ところで、面発光レーザ素子は、通常、半導体ウエハ上に同時に複数個形成されたのち、個々のチップに分割される。そこで、メサ形成時のエッチングを基板に至るまで行なわない場合、半導体ウエハを分離する際に、面発光レーザ素子を構成する半導体層が積層された積層体の側面が、必ずチップ端部に現れる。その現われた側面を不動態化処理によって保護するものである。
また、上記実施形態において、活性層105として、圧縮歪みを誘起する組成であるGaInPAsからなり、バンドギャップ波長が約780nmである3層の量子井戸層と、該量子井戸と格子整合し、引張歪みを誘起する組成であるGa0.6In0.4Pからなる4層の障壁層とを有する活性層であっても良い。このとき、各スペーサ層として、ワイドバンドギャップである(Al0.7Ga0.3)0.5In0.5Pを用いても良い。この場合は、スペーサ層をAlGaAs系で形成した場合に比べて、スペーサ層と量子井戸層とのバンドギャップ差を極めて大きく取ることができる。さらに、Inを含むことで、メサ形成時のエッチングの底面の制御性を向上させることができる。この場合、III族の原料としては、トリメチルインジウム(TMI)を用い、V族の原料としてはフォスフィン(PH3)を用いることができる。
また、上記実施形態では、レーザ発振方向に直交する断面でのメサ形状が正方形の場合について説明したが、これに限定されるものではなく、例えば円形、楕円形あるいは長方形など任意の形状とすることができる。
また、上記実施形態では、発光部の発振波長が780nm帯の場合について説明したが、これに限定されるものではない。感光体の特性に応じて、発光部の発振波長を変更しても良い。
また、面発光レーザアレイ100は、画像形成装置以外の用途に用いることができる。その場合には、発振波長は、その用途に応じて、650nm帯、850nm帯、980nm帯、1.3μm帯、1.5μm帯等の波長帯であっても良い。
また、上記実施形態では、面発光レーザアレイ100が21個の発光部を有する場合について説明したが、これに限定されるものではない。また、面発光レーザアレイ100では、複数(例えば21個)の発光部が2次元配列されているが、1次元配列されても良い。
また、上記実施形態において、光源14は、前記面発光レーザアレイ100に代えて、前述した面発光レーザアレイ100と同様な製造方法で製造され、1つの面発光レーザ(発光部)を有していても良い。
また、上記実施形態では、下部半導体DBR103及び活性層105を含んで構成される、面発光レーザアレイ100の一部を半導体装置と称しているが、下部半導体DBR及び活性層を含んで構成される、1つの面発光レーザ(発光部)の一部を半導体装置と称しても良い。
また、上記実施形態では、AlとAsとを含む化合物半導体層を有する下部半導体DBR103及び電流により励起される活性層105を含むものを半導体装置と称しているが、これに限らず、要は、少なくとも下部半導体DBR103を含むものを半導体装置と称すれば良い。
また、例えば、半導体装置として、半導体DBR及び該半導体DBR上に積層された光により励起される活性層を含むレーザ媒体を用いても良い。この場合も、レーザ媒体の半導体DBRのAlとAsを含む化合物半導体層の側面に上述した第1及び第2の層を含む不動態膜を形成することで酸化防止機能を向上できる。
なお、上記レーザ媒体を用いる場合には、活性層に光を照射するための励起用光源と、活性層の半導体DBRとは反対側に配置され、活性層及び半導体DBRと共に垂直外部共振器型の面発光レーザ(レーザ発振器)を構成する外部反射鏡とが必要になる。
そして、上記レーザ発振器をアレイ状(1次元又は2次元)に複数配置することで、垂直外部共振器型の面発光レーザアレイを構成することもできる。
また、例えば、半導体装置として、端面発光レーザ(レーザダイオード)を用いても良い。この場合、端面発光レーザの例えば活性層を挟む2つのクラッド層の少なくとも一方にAlとAsを含む化合物半導体層を用い、該化合物半導体層の側面に上述した第1及び第2の層を含む不動態膜を形成することで酸化防止機能を向上できる。
また、上記実施形態では、画像形成装置としてレーザプリンタ1000の場合について説明したが、これに限定されるものではない。
例えば、レーザ光によって発色する媒体(例えば、用紙)に直接、レーザ光を照射する画像形成装置であっても良い。
また、像担持体として銀塩フィルムを用いた画像形成装置であっても良い。この場合には、光走査により銀塩フィルム上に潜像が形成され、この潜像は通常の銀塩写真プロセスにおける現像処理と同等の処理で可視化することができる。そして、通常の銀塩写真プロセスにおける焼付け処理と同等の処理で印画紙に転写することができる。このような画像形成装置は光製版装置や、CTスキャン画像等を描画する光描画装置として実施できる。
また、一例として図14に示されるように、複数の感光体ドラムを備えるカラープリンタ2000であっても良い。
このカラープリンタ2000は、4色(ブラック、シアン、マゼンタ、イエロー)を重ね合わせてフルカラーの画像を形成するタンデム方式の多色カラープリンタであり、ブラック用の「感光体ドラムK1、帯電装置K2、現像装置K4、クリーニングユニットK5、及び転写装置K6」と、シアン用の「感光体ドラムC1、帯電装置C2、現像装置C4、クリーニングユニットC5、及び転写装置C6」と、マゼンタ用の「感光体ドラムM1、帯電装置M2、現像装置M4、クリーニングユニットM5、及び転写装置M6」と、イエロー用の「感光体ドラムY1、帯電装置Y2、現像装置Y4、クリーニングユニットY5、及び転写装置Y6」と、光走査装置2010と、転写ベルト2080と、定着ユニット2030などを備えている。
各感光体ドラムは、図14中の矢印の方向に回転し、各感光体ドラムの周囲には、回転順にそれぞれ帯電装置、現像装置、転写装置、クリーニングユニットが配置されている。各帯電装置は、対応する感光体ドラムの表面を均一に帯電する。帯電装置によって帯電された各感光体ドラム表面に光走査装置2010により光が照射され、各感光体ドラムに潜像が形成されるようになっている。そして、対応する現像装置により各感光体ドラム表面にトナー像が形成される。さらに、対応する転写装置により、転写ベルト2080上の記録紙に各色のトナー像が転写され、最終的に定着ユニット2030により記録紙に画像が定着される。
光走査装置2010は、前記面発光レーザアレイ100と同様な面発光レーザアレイを含む光源を、色毎に有している。そこで、上記光走査装置1010と同様の効果を得ることができる。また、カラープリンタ2000は、この光走査装置2010を備えているため、上記レーザプリンタ1000と同様の効果を得ることができる。
ところで、カラープリンタ2000では、各部品の製造誤差や位置誤差等によって色ずれが発生する場合がある。このような場合であっても、光走査装置2010の各光源が面発光レーザアレイを有しているため、点灯させる発光部を選択することで色ずれを低減することができる。
また、上記実施形態及び各変形例では、AlGaAs系の半導体DBR、AlGaInP系のスペーサ層、GaInAsP系の活性層の例を示したが、この材料系に限定されるものではない。
また、上記実施形態及び各変形例では、発光部の発振波長が780nm帯の場合について説明したが、これに限定されるものではない。材料を適切に選択する事により、例えば650nm帯、850nm帯、980nm帯、1.3um帯、1.5um帯の波長帯の素子を同様に作成することができる。
以上は、n型基板上の素子について説明したものであるが、n型基板上の素子に対して限定されるものではなく、p型基板上の素子に対しても同様のことが言える。p型基板を用いた場合には、上記の説明において、各層の導電型とキャリアの極性を入れ換えれば同様の効果が得られる。また、波長も780nm帯に限定されるものではなく、650nm帯、850nm帯、980nm帯、1.3μm及び1.5μm帯など、異なる活性層材料を用いた他の波長帯であっても良い。また、基板もGaAs以外の基板を用いても良い。
また、上記面発光レーザアレイ100及び面発光レーザは、画像形成以外の用途(例えばレーザ加工、光通信、レーザ測距等)にも用いることができる。その場合には、発振波長は、その用途に応じて、650nm帯、780nm帯、850nm帯、980nm帯、1.3μm帯、1.5μm帯等の波長帯であっても良い。この場合に、活性層を構成する半導体材料は、発振波長に応じた混晶半導体材料を用いることができる。例えば、650nm帯ではAlGaInP系混晶半導体材料、980nm帯ではInGaAs系混晶半導体材料、1.3μm帯及び1.5μm帯ではGaInNAs(Sb)系混晶半導体材料を用いることができる。
11a…偏向器側走査レンズ(光学系の一部)、11b…像面側走査レンズ(光学系の一部)、13…ポリゴンミラー(偏向器)、14…光源、100…面発光レーザアレイ(光源の一部)、103…下部半導体DBR(反射鏡、半導体装置の一部)、105…活性層(半導体装置の一部)、107…上部半導体DBR(別の反射鏡)、153…不動態膜(酸化膜)、1000…レーザプリンタ(画像形成装置)、1030…感光体ドラム(像担持体)、2000…カラープリンタ(画像形成装置)、1010、2010…光走査装置。
Claims (9)
- アルミニウムとヒ素とを含む化合物半導体層の側面に酸化膜が形成された半導体装置において、
前記酸化膜は、第1の層と、該第1の層よりも外側に位置し、かつ前記第1の層よりもヒ素含有量が少ない第2の層と、を含み、
前記第1の層の厚さは、前記酸化膜の厚さの20%以上であることを特徴とする半導体装置。 - アルミニウムとヒ素とを含む化合物半導体層の側面に酸化膜が形成された半導体装置おいて、
前記酸化膜は、第1の層と、該第1の層よりも外側に位置し、かつ前記第1の層よりもヒ素含有量が少ない第2の層と、を含み、
前記第1の層の厚さは、80nm以上であることを特徴とする半導体装置。 - 前記化合物半導体層は、AlAsからなることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置。
- 前記酸化膜の表面は、誘電体膜で被覆されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の半導体装置。
- 前記化合物半導体層を含む反射鏡上に活性層が積層されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の半導体装置。
- 請求項5に記載の半導体装置と、
前記活性層の前記反射鏡とは反対側に配置された別の反射鏡と、を備える面発光レーザ。 - 請求項6に記載の面発光レーザがアレイ状に複数配置された面発光レーザアレイ。
- 光により被走査面を走査する光走査装置であって、
請求項6に記載の面発光レーザ又は請求項7に記載の面発光レーザアレイを含む光源と、
前記光源からの光を偏向する偏向器と、
前記偏向器で偏向された光を前記被走査面に導く光学系と、を備える光走査装置。 - 像担持体と、
光により前記像担持体の表面を走査する請求項8に記載の光走査装置と、を備える画像形成装置。
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