JP2016020489A - 活性エネルギー線硬化性樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
これらの内、多官能(メタ)アクリレートを原料の一つとして用いるハードコート用樹脂組成物は、プラスチックフィルム等の基材に耐傷性を付与することを主目的とするものであり、耐傷性を向上させる検討は現在でも数多く行われている。耐傷性を向上させる主な方策としては、ハードコート膜の架橋密度の増大が挙げられる(例えば特許文献1、2参照)。
即ち本発明は、そのホモポリマーのガラス転移温度が80℃以上であってウレタン基を有しない単官能エチレン性不飽和単量体(A)と、そのホモポリマーのガラス転移温度が200℃以上であってウレタン基を有しない多官能エチレン性不飽和単量体(B)と、ウレタン基を有するエチレン性不飽和単量体(C)と光重合開始剤(D)とを含有する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物;この樹脂組成物に活性エネルギー線を照射して硬化させてなる光硬化物である。
[ガラス転移温度が80℃以上でウレタン基を有しない単官能エチレン性不飽和単量体(A)]
本発明のウレタン基を有しない単官能エチレン性不飽和単量体(A)は、エチレン性不飽和基を1個有する化合物であり、そのホモポリマーのガラス転移温度(以下、Tgと略称することがある。)が80℃以上であり、かつ分子内にウレタン基を有しない単官能エチレン性不飽和単量体である。
ここで、ホモポリマーのガラス転移温度とは、単一の対象となるモノマーのみを重合させて得られる硬化物のガラス転移温度を指す。
エチレン性不飽和基としては、アクリロイル基、メタクリロイル基及びビニルエーテル基等が挙げられ、アクリロイル基及びメタクリロイル基が好ましい。
本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物には、耐傷性を向上させ、硬化時の収縮を抑制する目的で、ウレタン基を有しない単官能エチレン性不飽和単量体(A)が必須成分である。単官能エチレン性不飽和単量体(A)と多官能エチレン性不飽和単量体(B)がウレタン基を有している場合はその粘度が高すぎる傾向があり、含有量が多い場合は取り扱いが困難となるし、耐傷性や硬化収縮低減性に悪影響がある。
(A)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明のウレタン基を有しない多官能エチレン性不飽和単量体(B)は、2個または3個以上のエチレン性不飽和基を有する化合物であり、そのホモポリマーのTgが200℃以上であり、かつ分子内にウレタン基を有しない多官能エチレン性不飽和単量体である。
エチレン性不飽和基としては、アクリロイル基、メタクリロイル基及びビニルエーテル基等が挙げられ、アクリロイル基及びメタクリロイル基が好ましい。
本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物には、耐傷性を向上させる目的で、ウレタン基を有しない多官能エチレン性不飽和単量体(B)が必須成分である。
エチレン性不飽和単量体(B)がウレタン基を有している場合もその粘度が高すぎる傾向があり、含有量が多い場合は取り扱いが困難となるし、耐傷性や硬化収縮低減性に悪影響がある。
(B)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
そのホモポリマーのTgが200℃未満であり、ウレタン基を有しない多官能エチレン性不飽和単量体(B’)としては、炭素数10〜25の直鎖又は分岐のアルキレングリコールジ(メタ)アクリレートで(B)以外の化合物[1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート及び2−n−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオールジ(メタ)アクリレート等];Mn200〜2,000の水酸基を有するジ(メタ)アクリレートで(B)以外の化合物[PEGジ(メタ)アクリレート及びPPG(メタ)アクリレート等]及び炭素数10〜30の脂環式骨格を有するジアクリレートで(B)以外の化合物[ジメチロール−トリシクロデカンジアクリレート等]等が挙げられる。
ウレタン基を有するエチレン性不飽和単量体(C)は、分子内に少なくとも1個のエチレン性不飽和基を有し、ウレタン基を有する単量体である。本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に(C)を含有させることにより、光硬化物の耐傷性を更に向上させることができる。
炭素数6〜20の脂環式2価アルコール[1,4−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,3−シクロペンタンジオール、1,4−シクロヘプタンジオール、1,4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン及び2,2−ビス(4−ヒドロキシシクロヘキシル)プロパン等];
炭素数3〜20の3価アルコール[脂肪族トリオール(グリセリン及びトリメチロールプロパン等)等];
炭素数5〜20の4〜8価アルコール[脂肪族ポリオール(ペンタエリスリトール、ソルビトール、マンニトール、ソルビタン、ジグリセリン及びジペンタエリスリトール等);
糖類(ショ糖、グルコース、マンノース、フルクトース、メチルグルコシド及びその誘導体)];等が挙げられる。
なお、本明細書で「(メタ)アクリル酸」はアクリル酸とメタクリル酸を意味する。
(メタ)アクリル酸のアルキレンオキシド付加物(γ1)のうち、光硬化物の耐傷性の観点からから好ましいのは、(メタ)アクリル酸のアルキレンオキシド1モル付加物である。
(C11)のうち、硬化収縮低減性の観点からから好ましいのは、ウレタン基を有する2官能のエチレン性不飽和単量体である。
ここで、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物中に2種以上の(C)を含む場合は、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物中に含まれるそれぞれの(C)の重量比率に基づいて、それぞれの成分のウレタン基濃度を加重平均し、その値を(C)のウレタン基濃度とする。
ウレタン基を有するエチレン性不飽和単量体(C)のウレタン基濃度が下限より小さくなると、耐傷性が悪化する。一方、ウレタン基を有するエチレン性不飽和単量体(C)のウレタン基濃度が上限より大きくなると、硬化収縮低減性が悪化する。
本発明におけるMnは、例えばゲルパーミエイションクロマトグラフィー(GPC)装置としてHLC−8320GPC(東ソー(株)製)を使用し、テトラヒドロフラン溶媒で、TSK標準ポリスチレン[東ソー(株)製]を基準物質として、測定温度:40℃、カラム:Alliance(ウォーターズ製)で、解析ソフトとしてGPCワークステーションEcoSEC−WS[東ソー(株)製]を使用して測定される。
反応温度は、好ましくは50〜140℃、更に好ましくは60〜120℃である。
光重合開始剤(D)としては、光重合反応で使われる光重合開始剤であれば特に限定されないが、例えば以下のものが使用できる。
ベンゾイン化合物[炭素数14〜18の化合物、例えばベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル及びベンゾインイソブチルエーテル];
アセトフェノン化合物〔炭素数8〜18の化合物、例えばアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、1,1−ジクロロアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−フェニルプロパン−1−オン、ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン及び2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン〕;
アントラキノン化合物[炭素数14〜19の化合物、例えば2−エチルアントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、2−クロロアントラキノン及び2−アミルアントラキノン];
チオキサントン化合物[炭素数13〜17の化合物、例えば2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン及び2−クロロチオキサントン];
ケタール化合物[炭素数16〜17の化合物、例えばアセトフェノンジメチルケタール及びベンジルジメチルケタール];
ベンゾフェノン化合物[炭素数13〜21の化合物、例えばベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルサルファイド及び4,4’−ビスメチルアミノベンゾフェノン];
ホスフィンオキシド[炭素数22〜28の化合物、例えば1,3,5−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス−(2、6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド及びビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシド];
及びこれらの混合物等が挙げられる。
これらの(D)は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
(B)は光硬化物の耐傷性及び組成物の硬化収縮低減性の観点から好ましくは3〜25重量%、更に好ましくは4〜20重量%である。
(C)は光硬化物の耐傷性及び組成物の硬化収縮低減性の観点から好ましくは5〜35重量%、更に好ましくは8〜30重量%である。
(D)は光硬化速度及び光硬化物の機械物性の観点から好ましくは0.1〜10重量%、更に好ましくは0.3〜8重量%である。
光硬化物のTgが下限より小さくなると、耐傷性が悪化する。一方、光硬化物のTgが上限より大きくなると、硬化収縮低減性が悪化する。
光硬化物のTgは、樹脂組成物を構成する(A)、(B)、(C)及び(D)の各成分の種類、含有量を選択することにより、上記範囲に調整することができる。
T≦−20×U+280 (1)
関係式(1)中のUは、ウレタン基を有するエチレン性不飽和単量体(C)のウレタン基濃度(mmol/g)を表す。但し、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物中に2種以上の(C)を含む場合は 活性エネルギー線硬化性樹脂組成物中に含まれるそれぞれの(C)の重量比率に基づいて、それぞれの成分のウレタン基濃度を加重平均し、その値をUとする。
一方、関係式(1)の右辺の数値が、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の光硬化物のガラス転移温度(T)より大きければ、耐傷性は悪化する。
(1)試験片の作製方法
ガラス板[商品名「GLASS PLATE」、アズワン(株)製、200mm×200mm×厚さ5mm]の上面四辺に厚さ1mmのスペーサーを配し、10cm×10cmの正方形に仕切る。正方形内に樹脂組成物を注型した後、同様の別のガラス板を重ねて載せる。紫外線照射装置[型番「VPS/I600」、フュージョンUVシステムズ(株)製]により、紫外線を1000mJ/cm2照射した後、光硬化物をガラス板から離型し、カッターで幅5mm、長さ40mmの形状に切り出して試験片を得る。
(2)Tgの測定方法
(1)で得られた試験片を使用し、動的粘弾性測定(DMA)装置[型番「Rheogel−E4000」、(株)ユービーエム製]を用いて、DMA法により、引張モード、10Hzで測定する。
活性エネルギー線硬化性樹脂組成物には、本発明の効果を阻害しない範囲で必要により各種の添加剤を含有させることができる。
このような添加剤としては、重合禁止剤、界面活性剤、着色剤、酸化防止剤、連鎖移動剤及び充填剤等が含まれ、目的に応じて種々選択することができ、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
本発明において、活性光線とは250nm〜830nmの波長を有する光線を意味する。
本発明の樹脂組成物を活性エネルギー線により硬化させる場合は、種々の活性エネルギー線照射装置[例えば、紫外線照射装置[型番「VPS/I600」、フュージョンUVシステムズ(株)製]を使用できる。使用するランプとしては、高圧水銀灯及びメタルハライドランプ等が挙げられる。活性エネルギー線の照射量(mJ/cm2)は、組成物の硬化性及び硬化物の可撓性の観点から好ましくは10〜10,000、更に好ましくは100〜5,000である。
反応容器に、2−ヒドロキシエチルアクリレート[商品名「ライトエステルHOA」、共栄社化学(株)製]232部、イソホロンジイソシアネート(IPDI) 222部及びウレタン化触媒[ビスマストリ(2−エチルヘキサノエート)(2−エチルヘキサン酸50重量%溶液)以下同じ。]0.3部を仕込み、80℃で12時間反応させ、ウレタン基を有するエチレン性不飽和単量体(C−1)を得た。ウレタン基を有するエチレン性不飽和単量体(C−1)のウレタン基濃度は4.4mmol/g、Mnは454であった。
反応容器にPPG[商品名「PPG−400」、三洋化成工業(株)製、Mn=400]400部、水添MDI 524部及びウレタン化触媒0.5部を仕込み、80℃で4時間反応させ、その後2−ヒドロキシエチルアクリレート232部を加え、80℃で8時間反応させてウレタン基を有するエチレン性不飽和単量体(C−2)を得た。得られたウレタン基を有するエチレン性不飽和単量体(C−2)のウレタン基濃度は3.5mmol/g、Mnは1,156であった。
反応容器にPTMG[商品名「PTMG−1000」、三菱化学(株)製、Mn1,000]1,000部、IPDI 333部及びウレタン化触媒0.5部を仕込み、80℃で4時間反応させ、その後2−ヒドロキシエチルアクリレート116部を加え(イソシアネート基/水酸基当量比=1/1)、80℃で8時間反応させてウレタン基を有するエチレン性不飽和単量体(C−3)を得た。得られたウレタン基を有するエチレン性不飽和単量体(C−3)のウレタン基濃度は2.1mmol/g、Mnは2,898であった。
反応容器にエチレングリコール[商品名「エチレングリコール」、丸善石油化学(株)製]62部、水添MDI 524部及びウレタン化触媒0.5部を仕込み、80℃で4時間反応させ、その後2−ヒドロキシエチルアクリレート232部を加え、80℃で8時間反応させてウレタン基を有するエチレン性不飽和単量体(C−4)を得た。得られたウレタン基を有するエチレン性不飽和単量体(C−4)のウレタン基濃度は4.9mmol/g、Mnは818であった。
反応容器にエチレングリコール62部、IPDI 444部及びウレタン化触媒0.5部を仕込み、80℃で4時間反応させ、その後2−ヒドロキシエチルアクリレート232部を加え、80℃で8時間反応させてウレタン基を有するエチレン性不飽和単量体(C−5)を得た。得られたウレタン基を有するエチレン性不飽和単量体(C−5)のウレタン基濃度は5.4mmol/g、Mnは738であった。
反応容器にPPG[商品名「PPG−400」、三洋化成工業(株)製、Mn=400]400部、IPDI 444部及びウレタン化触媒0.5部を仕込み、80℃で4時間反応させ、その後PEGモノアクリレート[商品名「ブレンマーAE−90U」、日油(株)製、Mn=160]320部を加え、80℃で8時間反応させてウレタン基を有するエチレン性不飽和単量体(C−6)を得た。得られたウレタン基を有するエチレン性不飽和単量体(C−6)のウレタン基濃度は3.4mmol/g、Mnは1,164であった。
反応容器に2−ヒドロキシエチルアクリレート116部、2−フェニルエチルイソシアネート[商品名「2−フェニルエチルイソシアネート」、ハイケム(株)製]147部及びウレタン化触媒0.5部を仕込み、80℃で12時間反応させてウレタン基を有するエチレン性不飽和単量体(C−7)を得た。得られたウレタン基を有するエチレン性不飽和単量体(C−7)のウレタン基濃度は3.8mmol/g、Mnは263であった。
反応容器にエチレングリコール62部、IPDI 444部及びウレタン化触媒0.5部を仕込み、80℃で4時間反応させ、その後ペンタエリスリトールトリアクリレート[商品名「ライトアクリレートPE−3A」、共栄社化学(株)製]596部を加え、80℃で8時間反応させてウレタン基を有するエチレン性不飽和単量体(C−8)を得た。得られたウレタン基を有するエチレン性不飽和単量体(C−8)のウレタン基濃度は3.6mmol/g、Mnは1,102であった。
反応容器にビスフェノールAエチレンオキシド付加物(Mn1,500)1500部、TDI 348部及びウレタン化触媒0.5部を仕込み、80℃で4時間反応させ、その後2−ヒドロキシエチルアクリレート232部を加え、80℃で8時間反応させてウレタン基を有するエチレン性不飽和単量体(C−9)を得た。得られたウレタン基を有するエチレン性不飽和単量体(C−9)のウレタン基濃度は1.9mmol/g、Mnは2,080であった。
表1に示す配合組成(部)で均一混合して、実施例及び比較例の各樹脂組成物を得た後、以下の測定方法で各樹脂組成物の光硬化物のTg、耐傷性、硬化収縮低減性、全光線透過率及びヘイズを測定した。結果を表1に示す。
また、それぞれのホモポリマーのTgは表1に記載した。
(A−1):イソボルニルアクリレート[商品名「ライトアクリレートIBXA」、共栄社化学(株)製、平均官能基数=1]
(A−2):イソボルニルメタクリレート[商品名「ライトエステルIB−X」、共栄社化学(株)製、平均官能基数=1]
(A−3):メチルメタクリレート「商品名「ライトエステルM」、共栄社化学(株)製、平均官能基数=1]
(A−4):tert−ブチルメタクリレート「商品名「ライトエステルTB」、共栄社化学(株)製、平均官能基数=1]
(A−5):1−アダマンチルアクリレート[商品名「1−AdA」、大阪有機化学工業(株)製、平均官能基数=1]
(A’−1):フェノキシエチルアクリレート「商品名「ライトアクリレートPO−A」、共栄社化学(株)製、平均官能基数=1]
(A’−2):ノニルフェノールエチレンオキシド変性アクリレート「商品名「アロニックスM−113」、東亞合成(株)製、平均官能基数=1、Mn=451]
(A’−3):ラウリルアクリレート「商品名「LA」、大阪有機化学工業(株)製、平均官能基数=1]
(B−2):ビスフェノキシフルオレンジアクリレート[商品名「A−BPEF」、新中村化学(株)製、平均官能基数=2]
(B−3):「ネオマーDA−600」(ジペンタエリスリトールペンタアクリレート及びジペンタエリスリトールヘキサアクリレートの混合物:三洋化成工業(株)社製、平均官能基数=5.4)
(B’−1):ジメチロール−トリシクロデカンジアクリレート[商品名「ライトアクリレートDCP−A」、共栄社化学(株)製、平均官能基数=2]
(B’−2):PEGジアクリレート[商品名「ライトアクリレート4EG−A」、共栄社化学(株)製、平均官能基数=2、Mn=302]
(B’−3):エチレンオキシド変性ビスフェノールAジアクリレート[商品名「NKエステルA−BPE−4」、新中村化学工業(株)製、平均官能基数=2、Mn=512]
(B’−4):ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジアクリレート[商品名「ライトアクリレートHPP−A」、共栄社化学(株)製、平均官能基数=2]
(D−2):1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン[商品名「イルガキュア184」、チバスペシャルティケミカルズ(株)製]
(D−3):ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシド[商品名「イルガキュア819」、チバスペシャルティケミカルズ(株)製]
(D−4):2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン[商品名「イルガキュア907」、チバスペシャルティケミカルズ(株)製]
(1)試験片の作製
ガラス板[商品名「GLASS PLATE」、アズワン(株)製、200mm×200mm×厚さ5mm]の上面四辺に厚さ1mmのスペーサーを配し、10cm×10cmの正方形に仕切る。正方形内に樹脂組成物を注型した後、同様の別のガラス板を重ねて載せる。紫外線照射装置[型番「VPS/I600」、フュージョンUVシステムズ(株)製]により、紫外線を1000mJ/cm2照射した後、光硬化物をガラス板から離型し、カッターで幅5mm、長さ40mmの形状に切り出して試験片を得た。
(2)Tgの測定
(1)で得られた試験片を使用し、動的粘弾性測定(DMA)装置[型番「Rheogel−E4000」、(株)ユービーエム製]を用いて、DMA法により、引張モード、10HzでTg(単位:℃)を測定した。
(1)試験片の作製
表面処理を施した厚さ100μmのPET(ポリエチレンテレフタレート)フィルム[東洋紡(株)製コスモシャインA4300]に、アプリケーターを用いて膜厚20μmとなるように樹脂組成物を塗布して、紫外線照射装置[型番「VPS/I600」、フュージョンUVシステムズ(株)製]により紫外線を1000mJ/cm2照射し、光硬化物で被覆されたフィルムを得た。得られたフィルムを試験片として用いて、下記の(2)〜(4)の評価を行った。
(1)で得られた試験片を使用し、JIS K−5600−5−4に準拠し、鉛筆硬度を測定した。
鉛筆の先から塗面に対しての荷重については、JIS K−5600−5−4に準拠した750gにした試験と900gに変更した試験を実施した。
(1)で得られた試験片を10cm×10cmにカットし、水平なガラス板上に光硬化物の面を上にして置き、浮き上がった四隅それぞれの高さを測定し、4つの測定値の合計(単位:mm)を硬化収縮低減性とした。
(1)の試験片の作成方法に準拠し、膜厚を25μmとなるように塗布した試験片についても、同様に硬化収縮低減性の試験を実施した。
(1)で得られた試験片を使用し、JIS−K7105に準拠し、全光線透過率測定装置[商品名「haze−garddual」BYK gardner(株)製]を用いて、透過率(単位:%)及びヘイズ(単位:%)を測定した。
一方、本発明の必須成分である(A)を含まない比較例1及び比較例6は、硬化収縮低減性に劣る。また、必須成分(A)の代わりに(A’)を含む比較例2は耐傷性に劣る。
一方、(B)を含まない比較例3は耐傷性に劣る。また、必須成分(B)の代わりに(B’)を含む比較例4は耐傷性に劣る。
また、必須成分(A)及び(B)を含まない比較例5および比較例7は耐傷性に劣る。
Claims (12)
- そのホモポリマーのガラス転移温度が80℃以上であってウレタン基を有しない単官能エチレン性不飽和単量体(A)と、そのホモポリマーのガラス転移温度が200℃以上であってウレタン基を有しない多官能エチレン性不飽和単量体(B)と、ウレタン基を有するエチレン性不飽和単量体(C)と光重合開始剤(D)とを含有する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
- 単官能エチレン性不飽和単量体(A)が、脂環式骨格を有する請求項1に記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
- 多官能エチレン性不飽和単量体(B)が、脂環式骨格又は芳香環を有する請求項1又は2に記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
- ウレタン基を有するエチレン性不飽和単量体(C)が、2官能のエチレン性不飽和単量体である請求項1〜3のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
- ウレタン基を有するエチレン性不飽和単量体(C)の重量に基づいて、ウレタン基濃度が2.5〜5.0mmol/gである請求項1〜4のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
- ウレタン基を有するエチレン性不飽和単量体(C)が、ポリオール(α)、有機ポリイソシアネート(β)及び水酸基を有する(メタ)アクリレート(γ)から形成された多官能エチレン性不飽和単量体(C11)である請求項1〜5のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
- ウレタン基を有する多官能エチレン性不飽和単量体(C11)が、ポリオール(α)、有機ポリイソシアネート(β)及び(メタ)アクリル酸のアルキレンオキシド1モル付加物から形成されてなる単量体である請求項6に記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
- 活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の光硬化物のガラス転移温度が、91〜200℃である請求項1〜7のいずれか1項に記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
- 下記の関係式(1)を満足する請求項1〜8のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
T≦−20×U+280 (1)
[但し、関係式(1)中のTは活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の光硬化物のガラス転移温度(℃);Uは、ウレタン基を有するエチレン性不飽和単量体(C)の重量に基づいてのウレタン基濃度(mmol/g)を表す]。 - 活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の重量に基づいて、前記(A)の含有量が50〜90重量%、前記(B)の含有量が3〜25重量%、前記(C)の含有量が5〜35重量%、前記(D)の含有量が0.1〜10重量%である請求項1〜9のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
- ハードコート用である請求項1〜10のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
- 請求項1〜11のいずれかに記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に活性エネルギー線を照射して硬化させてなる光硬化物。
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