JP2016017615A - 動力伝達装置及び前後進切替機構 - Google Patents

動力伝達装置及び前後進切替機構 Download PDF

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Abstract

【課題】ドラグトルクを生じる湿式の摩擦締結要素の数を少なくする技術を提供すること。
【解決手段】動力伝達装置であって、出力軸に接続された遊星歯車機構への動力伝達経路を切り替える切替機構と、該切替機構と入力軸との間に設けられ、前記切替機構によって操作される摩擦クラッチとを備え、前記遊星歯車機構は、第一、第二、第三の回転要素を備え、前記第一の回転要素が前記動力伝達装置のケースに固定され、前記第二の回転要素または前記第三の回転要素のいずれか一方が前記出力軸に接続され、前記切替機構は、前記遊星歯車機構に対して移動することで、前記第二または第三の回転要素のいずれか一方と掛け替え可能に噛合する噛合部と、前記噛合部と協働して、前記噛合部の噛合後に前記摩擦クラッチを接状態に操作する操作部とを備え、前記噛合部が、前記第二の回転要素と噛合した第一状態と、前記第三の回転要素と噛合した第二状態との間で前記動力伝達経路を切り替える。
【選択図】図1

Description

本発明は、動力伝達装置及び前後進切替機構に関する。
従来、遊星歯車機構を介して出力軸の回転方向を切り替える動力伝達装置においては、遊星歯車機構の各回転要素への動力伝達を切り替えるための、湿式摩擦ブレーキ及び湿式摩擦クラッチを備えている(特許文献1参照)。この動力伝達装置が回転方向を切り替えるためには、湿式摩擦ブレーキと湿式摩擦クラッチとのいずれか一方を締結し、他方を開放することになる。
特開2010−216613号公報
しかし、開放された湿式摩擦ブレーキまたは湿式摩擦クラッチには、摩擦締結要素間に介在する潤滑油の粘性抵抗により、ドラグトルクが生じ、動力伝達装置の効率を低下させていた。
従って、本発明の目的は、ドラグトルクを生じる湿式の摩擦締結要素の数を少なくすることにある。
本発明によれば、動力伝達装置であって、出力軸に接続された遊星歯車機構への動力伝達経路を切り替える切替機構と、該切替機構と入力軸との間に設けられ、前記切替機構によって操作される摩擦クラッチとを備え、前記遊星歯車機構は、第一、第二、第三の回転要素を備え、前記第一の回転要素が前記動力伝達装置のケースに固定され、前記第二の回転要素または前記第三の回転要素のいずれか一方が前記出力軸に接続され、前記切替機構は、前記遊星歯車機構に対して移動することで、前記第二または第三の回転要素のいずれか一方と掛け替え可能に噛合する噛合部と、前記噛合部と協働して、前記噛合部の噛合後に前記摩擦クラッチを接状態に操作する操作部とを備え、前記切替機構は、前記噛合部が、前記遊星歯車機構に接近して、前記第二の回転要素と噛合した第一状態と、前記噛合部が、前記遊星歯車機構から離れて、前記第三の回転要素と噛合した第二状態との間で前記動力伝達経路を切り替えることを特徴とする動力伝達装置が提供される。
この構成によれば、回転方向の切り替えを機械的に結合する噛合部で行うことで、ドラグトルクを生じさせる湿式の摩擦締結要素の数を減少させ、動力伝達装置の効率を向上させることができる。
本発明においては、前記切替機構は、前記噛合部が前記回転要素のいずれにも噛合せず、前記摩擦クラッチを断状態とする第三状態をさらに含み、前記第三状態の前記噛合部の位置を中立位置として、前記第一状態では、前記噛合部が前記中立位置から一方向へ移動し、前記第二状態では、前記噛合部が前記中立位置から前記一方向と反対側の他方向へ移動することとしてもよい。
この構成によれば、切替機構を、動力の伝達を行わない位置を中心として、軸方向の一方向及び前記一方向と反対側の他方向へ移動させることで、回転方向の切り替えと動力の断接を効率よく行うことができ、動力伝達装置の軸方向寸法を小型にすることができる。
本発明においては、前記第一の回転要素は、キャリアであり、前記第二の回転要素は、サンギヤであり、前記第三の回転要素は、リングギヤであり、前記遊星歯車機構と前記切替機構と前記摩擦クラッチとは同一軸上に配置され、前記噛合部は、前記軸上を移動可能であり、前記軸を中心とした円板部と、前記円板部から前記遊星歯車機構へ前記軸と同軸の円筒形状に延在する第一、第二延在部とを備え、前記第一延在部は、前記サンギヤの内周面と噛合し、前記第二延在部は、前記リングギヤの外周面と噛合することとしてもよい。
この構成によれば、噛合部が構造上接触しやすい遊星歯車機構の内側と外側とに位置する回転要素と噛合部とが直接噛合することで、単純な構成で切替機構を構成することができる。
本発明においては、前記操作部は、前記円板部の前記摩擦クラッチ側の側面と、前記側面から前記摩擦クラッチへ延在する第三延在部と、前記第三延在部と係合することによって摩擦クラッチへ向けて傾動可能なカムと、前記カムを揺動可能に保持するカム保持部材とを備え、前記第一状態では、前記噛合部が前記摩擦クラッチから離れることで、前記第三延在部が 前記カムを傾動させ、前記カムが前記摩擦クラッチを接状態とし、前記第二状態では、前記噛合部が前記摩擦クラッチに接近することで、前記側面が前記摩擦クラッチと当接して、前記摩擦クラッチを接状態とすることとしてもよい。
この構成によれば、噛合部と一体の側面が摩擦クラッチに当接することで、噛合部による回転方向の切り替えと前記側面による摩擦クラッチの断接とを効率よく行うことができる。
本発明においては、前記摩擦クラッチは、クラッチプレートを備え、前記入力軸に接続されたクラッチフランジと、前記クラッチプレートに対向して配置されるクラッチディスク、及び前記切替機構へ延在し、前記第三延在部と摺動可能に接続される第四延在部、を含んだクラッチアウタとを備え、前記第三延在部には、前記カムの一部を収容する開口部が形成され、前記カム保持部材は、前記カムと前記開口部との位置を合わせ、前記第一状態では、前記噛合部が前記摩擦クラッチから離れることで、前記第三延在部の前記開口部の周縁が前記カムを前記クラッチアウタ側へ傾動させ、前記カムが前記摩擦クラッチを接状態とし、前記第二状態では、前記噛合部が前記摩擦クラッチに接近することで、前記円板部の前記側面と前記第四延在部の端面とが当接して前記摩擦クラッチを接状態とすることとしてもよい。
この構成によれば、第三延在部と第四延在部とがガイドの役目をすることにより、摩擦クラッチに対する切替機構の移動を円滑に行うことができる。
本発明においては、前記動力伝達装置は、前記ケースに設けられ、二つの流体通路を備える油室と、前記油室内で、前記油室を二つに分割し、前記切替機構に接続されるピストンとをさらに備え、前記ピストンは、前記分割された油室にそれぞれ接続された前記二つの流体通路を介して前記油室に供給された流体によって、軸方向に移動され、前記切替機構を移動させることとしてもよい。
この構成によれば、動力伝達装置のケースに設けた油圧機構を採用することで、切替機構を駆動するための油圧を軸から供給する必要がなくなり、構造を簡素化することができ、部品点数の削減と軽量化とを図ることができる。
本発明においては、前記動力伝達装置を備えた前後進切替機構としてもよい。
この構成によれば、摩擦ブレーキを廃止した動力伝達装置を前後進切替機構に採用したことにより、ドラグトルクによる燃費の悪化を減少させることができる。
本発明によれば、前後進切替機構であって、出力軸に接続された遊星歯車機構への動力伝達経路を切り替える切替機構と、該切替機構と入力軸との間に設けられ、前記切替機構によって操作される摩擦クラッチとを備え、前記遊星歯車機構と前記切替機構と前記摩擦クラッチとは同一軸上に配置され、前記遊星歯車機構は、キャリア、サンギヤ、リングギヤを備え、前記キャリアが前記前 後進切替機構のケースに固定され、前記サンギヤが前記出力軸に接続され、前記切替機構は、前記遊星歯車機構に対して同軸上を移動することで、前記サンギヤまたはリングギヤのいずれか一方と掛け替え可能に噛合する噛合部であって、前記軸を中心とした円板部と、前記円板部から前記遊星歯車機構へ前記軸と同軸の円筒形状に延在する第一、第二延在部を備え、前記第一延在部は、前記サンギヤの内周面とドグ歯によって噛合し、前記第二延在部は、前記リングギヤの外周面とドグ歯によって噛合する噛合部と、前記噛合部と協働して、前記噛合部の噛合後に前記摩擦クラッチを接状態に操作する操作部であって、前記円板部の前記摩擦クラッチ側の側面と、前記側面から前記摩擦クラッチへ前記軸と同軸の円筒形状に延在し、開口部が形成され、外周面にスプラインが設けられた第三延在部と、前記開口部に一部が収容され、前記第三延在部と係合することによって摩擦クラッチへ向けて傾動可能なカムと、前記カムを揺動可能に保持し、前記カムと前記開口部との位置を合わせるカム保持部材と、を含んだ操作部とを備え、前記摩擦クラッチは、複数のクラッチプレートを備え、前記入力軸に接続されたクラッチフランジと、前記複数のクラッチプレートの間にそれぞれ配置される複数のクラッチディスクと、前記切替機構へ延在し、前記第三延在部と摺動可能に接続されるスプラインを備えた第四延在部と、を含んだクラッチアウタとを備え、前記切替機構は、前記噛合部が、前記遊星歯車機構に接近して、前記サンギヤと噛合するとともに、前記摩擦クラッチから離れることで、前記第三延在部の前記開口部の周縁が前記カムを前記クラッチアウタ側へ傾動させ、前記カムが前記摩擦クラッチを接状態とする第一状態と、前記噛合部が、前記遊星歯車機構から離れて、前記リングギヤと噛合し、前記摩擦クラッチに接近することで、前記円板部の前記側面と前記第四延在部の端面とが当接して前記摩擦クラッチを接状態とする第二状態と、前記噛合部が前記回転要素のいずれにも噛合せず、前記摩擦クラッチを断状態とする第三状態とをさらに含み、前記切替機構は、前記噛合部が前記第三状態から一方向へ移動する第一状態と、前記噛合部が前記第三状態から前記一方向と反対側の他方向へ移動する第二状態と、前記第三状態との間で切り替えることを特徴とする前後進切替機構が提供される。
この構成によれば、遊星歯車機構の前後進切り替えを機械的結合による噛合部で行い、動力伝達中に空転する摩擦ブレーキを廃止することで、装置の軸方向寸法の小型化とドラグトルクによる燃費の悪化を減少させることができる。
以上述べた通り、本発明によれば、ドラグトルクを生じる湿式の摩擦締結要素の数を少なくする技術を提供することができる。
本発明の一実施形態に係る動力伝達装置の縦断面図。 図1の動力伝達装置の分解斜視図。 図1の動力伝達装置の分解斜視図。 図1のリングギヤ及びサンギヤの斜視図。 図1の切替機構の一部の斜視図。 図1のカム機構の斜視図、カム保持部材及びカムの平面図。 図1の切替機構の斜視図。 前進状態の動力伝達装置の縦断面図。 後進状態の動力伝達装置の縦断面図。
図1は、本発明の一実施形態に係る動力伝達装置1の断面図である。図2及び図3は、動力伝達装置1の分解斜視図である。本実施形態において、動力伝達装置1は、例えば、車両に搭載される変速機の前後進切替機構に適用した例を示しており、後述する前進状態と、ニュートラル状態と、後進状態との間で切り替え可能である。また、以下の説明において、図面の上下左右方向を動力伝達装置1の上下左右方向として説明に用いることとする。
<動力伝達装置1>
動力伝達装置1は、装置の筐体を構成するケース1a内に、図示しない出力軸と接続される遊星歯車機構10、動力伝達経路を切り替える切替機構20、動力の断接を行う摩擦クラッチ30と、切替機構20を駆動するアクチュエータ40とを備えている。動力伝達装置1内には、遊星歯車機構10に隣接して切替機構20が配置され、切替機構20に隣接して摩擦クラッチ30が配置され、これらは同一軸上に配置されている。アクチュエータ40は、動力伝達装置1の外周部に配置されている。また、本実施形態において、入力軸及び出力軸も、上記同一軸上に配置されており、図1中、遊星歯車機構10の左側へ出力軸が伸びており、摩擦クラッチ30の右側へ入力軸が伸びて配置されている。
動力伝達装置1において、切替機構20が遊星歯車機構10へ入力される動力伝達経路を切り替えるとともに、摩擦クラッチ30を操作することで、入力された動力の断接と回転方向の切り替えを行うものである。この動力伝達装置1が変速機に適用された場合には、車両の前進及び後進を切り替える前後進機構となる。以下、動力伝達装置1の各構成について詳細に説明する。
<遊星歯車機構10>
遊星歯車機構10は、回転要素であるリングギヤ11と、サンギヤ12と、プラネタリギヤ13aを含むキャリアであるキャリア機構13とを備える。リングギヤ11は、遊星歯車機構10の最外周側に位置する部材であり、図4(A)に詳細な斜視図を示す。リングギヤ11は、円筒形状の本体部11aと、本体部11aの内周面全体に、プラネタリギヤ13aと係合するヘリカルギヤの内歯11bと、本体部11aの外周面に後述する切替機構20と噛合するドグ歯11cとを備えている。内歯11bは、本実施形態においてヘリカルギヤ列を採用しているが、これに限定されず、平歯車等を採用してもよい。ドグ歯11cは、本体部11aの外周面上の周方向に等間隔で複数配置され、外周面の軸方向一方の端部とドグ歯11cの軸方向端部とを揃えて配置し(図1中右側端部)、その軸方向端部から軸方向の中央へ延設されている。また、ドグ歯11cの形状は、断面矩形状で本体部11aの外周面から突出し、本体部の軸方向の中央に向かうにしたがって、一部の幅が漸減する先端部分を備えた形状となっている。ドグ歯11cの先端部分の幅が漸減することで、ドグ歯11cの側面に傾斜面を形成し、後述する切替機構20との噛合の際に、傾斜面が相手のドグ歯を案内することで、円滑な噛合が達成される。本実施形態においては、ドグ歯11cは、周方向に60個配置され、本体部11aの軸方向長さの三分の一の長さを備えているが、これに限定されず、ドグ歯11cの数、軸方向の長さは、使用者及び使用状況に応じて適宜設定されればよい。
サンギヤ12は、遊星歯車機構10の最内周側に位置する部材であり、図4(B)に詳細な斜視図を示す。サンギヤ12は、円筒形状の外側本体部12aと円筒形状の内側本体部12bとこれらを繋ぐ連結本体部12cとを含む。連結本体部12cは、外側本体部12aと内側本体部12bとを、それぞれの軸方向端部で連結している。また、内側本体部12bの軸方向の長さは、外側本体部12aの軸方向長さよりも短くなっている(図1参照)。外側本体部12aは、その外周面全体に後述するプラネタリギヤ13aと係合するヘリカルギヤの外歯12dと、その内周面に後述する切替機構20と噛合するドグ歯12eとを備えている。ドグ歯12eは、外側本体部12aの内周面上の周方向に等間隔で複数配置され、本体連結部12cの側面とドグ歯12eの軸方向端部とが接触して、外側本体部12aの軸方向の中央に延設されている。ドグ歯12eの形状は、上記したリングギヤ11に設けられたドグ歯11cと同一の形状としている。本実施形態においては、ドグ歯12eは、周方向に54個配置され、外側本体部11aの軸方向長さの三分の一の長さを備えているが、これに限定されず、ドグ歯12eの数、軸方向の長さは、使用者及び使用状況に応じて適宜設定されればよい。なお、外歯12dは、本実施形態においてヘリカルギヤ列を採用しているが、これに限定されず、平歯車等を採用してもよい。内側本体部12bの内周面には、図示しない出力軸が取り付けられる出力軸ボス1bと係合するスプライン12fが形成されている。
再び図1、図2、図3を参照して、プラネタリギヤ13aを含むキャリア機構13について説明する。上記したリングギヤ11とサンギヤ12とが遊星歯車機構10に組み込まれた際には、リングギヤ11とサンギヤ12とは互いに同軸上に配置され、リングギヤ11がサンギヤ12を覆うように配置される。このとき、図2に示すように、リングギヤ11の内歯11bとサンギヤ12の外歯12dとの間には、三つのプラネタリギヤ13a、13a、13aが配置される。プラネタリギヤ13aは、その外周面に、上記したリングギヤ11の内歯11bとサンギヤ12の外歯12dと同様にヘリカルギヤ列が形成され、その内部に、軸受を外装した軸13bを収容している。三つのプラネタリギヤ13a、13a、13aは、それぞれキャリア13cに軸13bを介して取り付けられ、キャリア13cに対して軸13bを中心として回転可能である。
キャリア13cは、円板状で中心部が開口したドーナツ状の板状部材であり、円板状の周方向に等間隔に三つのプラネタリギヤ13a、13a、13aをそれぞれを120°の間隔で配置している。キャリア13cは、遊星歯車機構10の軸に対して回転することで、各プラネタリギヤ13aを遊星歯車機構10の軸に対して同じ方向へ回転させ、または固定している。したがって、キャリア機構13は、三つのプラネタリギヤ13a、13a、13aとキャリア13cとを備えている。なお、本実施形態においては、三つのプラネタリギヤ13a、13a、13aを採用しているが、これに限定されず、二つでも四つでもよい。また、プラネタリギヤ13aの外周面に形成されたヘリカルギヤ列もこれに限定されず、平歯車等であってもよい。
以上のように、遊星歯車機構10は、最外周側に位置するリングギヤ11と、最内周側に位置し、出力軸と接続されるサンギヤ12と、リングギヤ11とサンギヤ12との間に配置され、プラネタリギヤ13a及びキャリア13cを含むキャリア機構13とを備える。リングギヤ11、サンギヤ12、キャリア13cの各回転要素が遊星歯車機構10に組み付けられた際には、遊星歯車機構10は、リングギヤ11の幅内に各要素が収まるように配置される(図1参照)。本実施形態において、キャリア機構13は、プラネタリギヤ13aの軸端部13dを介して、ケース1aに固定され、回転不能とされている(図1及び図3参照)。また、ケース1aは、遊星歯車機構10の左側において、軸受Bを介して出力軸ボス1bと、スラスト軸受TBを介してリングギヤ11の端部とを保持している。そして、リングギヤ11のドグ歯11cとサンギヤ12のドグ歯12cとは、互いに遊星歯車機構10の軸方向において反対側に設けられている。図1を参照して、本実施形態においては、遊星歯車機構10の右側端部に配置されたリングギヤ11のドグ歯11cに対して、サンギヤ12のドグ歯12cが軸方向にずれて左側に配置されている。このとき、リングギヤ11のドグ歯11cとサンギヤ12のドグ歯12c置とは、互いに図1中上下方向に重なって配置されていない。これは、後述する切替機構20がどちらのドグ歯にも係合しないニュートラル状態を形成するためである。
<切替機構20>
切替機構20は、噛合部及び操作部の一部である切替部材21と操作部の一部であるカム機構22とを備える。切替部材21とカム機構22とは、上記した遊星歯車機構10と同軸に配置され、遊星歯車機構10の右側に切替部材21が配置され、切替部材21の右側にカム機構22が配置されている。切替部材21は後述するピストン42にスラスト軸受TBを介して保持されることで、ケース1aに対して軸方向に移動可能である。また、カム機構22は、その外周面に軸受Bを介してケース1aに保持されている。
<切替部材21>
図5(A)及び図5(B)に切替部材21の詳細な斜視図を示す。切替部材21は、中央に貫通した開口部を有した円板状の円板部21aと、円板部21aから遊星歯車機構10の方向へ延在する第一延在部21b及び第二延在部21cと、摩擦クラッチ30側に向く円板部21aの側面21fから摩擦クラッチ30側へ延在する第三延在部21dとを備える。第一延在部21bは、円板部21aの中央の開口部に接続して、遊星歯車機構10側(図1中左側)に延在する円筒形状の部材であり、その外周面にサンギヤ12のドグ歯12eと噛合するドグ歯21dを複数備えている。ドグ歯21dは、第一延在部21bの外周面上の周方向に等間隔で複数配置され、外周面の軸方向一方の端部とドグ歯21dの軸方向端部とを揃えて配置し(図1中左側端部)、その軸方向端部から軸方向の中央へ延設されている。
また、ドグ歯21dの形状は、断面矩形状で第一延在部21bの外周面から突出し、外形が平面視矩形状となっている。ドグ歯21dの数は、サンギヤ12のドグ歯12eの数と同数であり、噛合した場合に互いの歯と歯の間にそれぞれのドグ歯21d、12eが挿入される。なお、図5(B)では、ドグ歯21dの形状は、上記したサンギヤ12のドグ歯12eの形状と異なっているが、サンギヤ12のドグ歯12eの形状と同一のものを採用してもよい。その場合、互いのドグ歯21d、12eが噛合しやすいように、互いの対向する端部に上記した傾斜面を備えていてもよい。また、本実施形態においては、ドグ歯21dは、周方向に54個配置され、第一延在部21bの軸方向長さの二分の一の長さを備えているが、これに限定されず、ドグ歯21dの数、軸方向の長さは、使用者及び使用状況に応じて適宜設定されればよい。
第二延在部21cは、円板部21aの遊星歯車機構10側(図1中左側)であって、第一延在部21bよりも径方向外側に配置される円筒形状の部材である。第二延在部21cの遊星歯車機構10側の軸方向端部の内周面には、リングギヤ11のドグ歯11cと噛合するドグ歯21eが設けられている。ドグ歯21eは、第二延在部21cの内周面上の周方向に等間隔で複数配置され、内周面の軸方向一方の端部とドグ歯21eの軸方向端部とを揃えて配置し(図1中左側端部)、その軸方向端部から軸方向の中央へ延設されている。また、ドグ歯21eの形状は、断面矩形状で第二延在部21cの内周面から突出し、第二延在部21cの軸方向の中央に向かうにしたがって、一部の幅が漸減する先端部分を備えた形状となっている。ドグ歯21eの先端部分の幅が漸減することで、ドグ歯21eの側面に傾斜面を形成している。ドグ歯21eの先端部分が傾斜面を形成することで、対向して配置されたリングギヤ11のドグ歯11cとの噛合の際に、傾斜面が相手のドグ歯11cを案内することで、円滑な噛合が達成される。また、ドグ歯21eの数は、リングギヤ11のドグ歯11cの数と同数であり、噛合した場合に互いの歯と歯の間にそれぞれのドグ歯21e、11cが挿入される。本実施形態においては、ドグ歯21eは、第二延在部21cの軸方向長さの三分の一の長さを備えているが、これに限定されず、ドグ歯21eの数、軸方向の長さは、使用者及び使用状況に応じて適宜設定されればよい。
第二延在部21cの軸方向長さは、第一延在部21bの軸方向長さよりも長く設定されている。図1には、遊星歯車機構10の右側に切替部材21が配置され、第一延在部21bのドグ歯21dと、第二延在部21cのドグ歯21eと、サンギヤ12のドグ歯12eと、リングギヤ11のドグ歯11cと、はどれも噛合されていない状態を示している。このとき、サンギヤ12のドグ歯12eと噛合する第一延在部21bのドグ歯21dは、サンギヤ12のドグ歯12eの右側に対向して配置されている。また、リングギヤ11のドグ歯11cと噛合する第二延在部21cのドグ歯21eは、リングギヤ11のドグ歯11cの左側に対向して配置されている。つまり、第二延在部21cの軸方向端部に設けられたドグ歯21eは、第一延在部21bの軸方向端部に設けられたドグ歯11cよりも、図1中左方向に配置されている。このとき、第一延在部21bのドグ歯21dと第二延在部21cのドグ歯21eとは、互いに図1中上下方向に重なって配置されていない。これは、上記したように切替機構20がどちらのドグ歯21d、21eにも係合しないニュートラル状態を形成するためである。
第三延在部21dは、円板部21aの遊星歯車機構10とは反対側の側面21f上であって、第一延在部21bと第二延在部21cとは反対方向に延在して配置されている。また、図1中上下方向において、円板部21aにおける、第三延在部21dの取り付け箇所は、第一延在部21bと第二延在部21cとの取り付け箇所の中間部分に設けられている。第三延在部21dは、円板部21aから延設される円筒形状の部材であり、複数の開口部21gと、開口部21gの間の外周面にスプライン21hとを備えている。複数の開口部21gは、後述するカムの一部を収容するために第三延在部21dの周方向に等間隔に形成され、平面視矩形状で、径方向に貫通する貫通孔である。また、スプライン21hは、摩擦クラッチ30と摺動自在に係合するため、複数の開口部21gの間であって、第三延在部21dの外周面上に形成され、軸方向に延びる二つの突条を備えている。なお、本実施形態では、スプライン21h及び開口部21gは合計12か所形成されているが、これに限定されず、その数は使用者及び使用状況に応じて適宜設定されればよい。またスプライン21hが備える突条の数も二つに限定されず、その数は使用者及び使用状況に応じて適宜設定されればよい。また、円板部21aの外周縁部であって、遊星歯車機構10側の側面には、後述するピストン42が接続される接続部21iが形成されている。接続部21iの遊星歯車機構10側の面に、ピストン42との相対回転を許容するためのスラスト軸受TBが配置されている(図1及び図3参照)。
<カム機構22>
図6(A)にカム機構22の斜視図を示し、図6(B)にカム24を保持するカム保持部材23の平面図を示し、図6(C)にカム24の側面図を示す。カム機構22は、その外周面に軸受Bを介してケース1aに軸方向に回転可能に保持され、ケース1aに収容された状態で、切替部材21の第三延在部21dの径方向外側に配置される(図1参照)。カム機構22は、カム保持部材23と、カム保持部材23の内周面側に保持された複数のカム24とを備える。カム保持部材23は、円筒形状の本体部23aと、本体部の軸方向一方の端部から径方向内側へ延びるリブ部分23bと、カム24を揺動可能に保持するカム軸23cとを備える。図6(B)に示すように、リブ部分23bには、カム24を収容するための凹部が径方向内側を開放して、周方向等間隔に設けられ、凹部を横断するように、カム保持部材23の周方向へと延びるカム軸23cが装着されている。また、リブ部分23bは、カム機構22がケース1aに収容された際に、後述する摩擦クラッチ30の側(図1中右側)に配置される。こうすることで、リブ部分23bに装着されたカム24が、摩擦クラッチ30側へ傾動可能に、摩擦クラッチ30に近接して配置されている。
図6(C)に示すように、カム24は、側面視でカム軸23cが挿通される貫通孔24aをカムの中心から偏心して設け、貫通孔24aに隣接してカム面24bを備え、貫通孔24aと反対側の端部には係合部24cを備えている。カム面24bは、カム24が傾動した際に摩擦クラッチ30と当接し、摩擦クラッチ30を接状態とする。係合部24cは、上記した第三延在部21dの開口部21gの周縁と係合することで、カム24をカム軸23cを中心として傾動可能とさせる。本実施形態において、カム面24bと係合部24cとは、カム24の側面視にておい貫通孔に対して同じ側(図6(C)中上側)に配置されている。そして、カム24がカム保持部材23に装着される際には、カム面24b及び係合部24cが摩擦クラッチ30側を向くように配置される(図6(A)及び図1参照)。また、カム24は、カム保持部材23のカム軸23cに装着される際に、カム24が傾動した状態から、元の状態に復帰する復帰バネを介して装着してもよい。復帰バネとしては、一端をカム保持部材23と当接し、他端をカム24と当接させたねじりバネ等を例示することができるがこれに限定されず、板バネ等を採用してもよい。本実施形態では、カム24の数を12個とし、カム24を収容するための凹部が12か所に形成されているが、これに限定されず、その数は使用者及び使用状況に応じて適宜設定されればよい。
図7(A)に、切替部材21がカム機構22に装着された状態の切替機構20の斜視図を示す。カム機構22は、切替部材21の第三延在部21dを覆うように、切替部材21と同軸に配置される。このとき、カム機構22に装着されたカム24は、第三延在部21dの開口部21g内にカム24の係合部24cを含む一部が挿入される。カム24の係合部24cは、開口部21gの周縁と対向して配置されている。また、第三延在部21dの外周面とカム保持部材23のリブ部分23bの内周面との間には、径方向に隙間dが設けてあり、後述する摩擦クラッチ30の一部がこの隙間dに挿入される。なお、切替部材21はケース1aに対して軸方向に移動可能であり、カム機構22は軸方向に移動不可能であるから、切替部材21はカム機構22に対して軸方向に相対移動が可能である。
<摩擦クラッチ30>
再び図1、図2、図3を参照して、摩擦クラッチ30の詳細について説明する。摩擦クラッチ30は、複数のクラッチプレート31と、入力軸に接続されたクラッチフランジ32と、クラッチプレート31に対向して配置される複数のクラッチディスク33と、クラッチアウタ34とを備えている。クラッチプレート31は、クラッチディスク33に対向して配置されるリング状の板部材31aと、その内周側に後述するクラッチフランジ32と連結するためのスプライン溝31bとを備えている。クラッチフランジ32は、中央に貫通孔が形成された円板状の本体部32aと、本体部32aの側面から軸方向へ延設される円筒形状のクラッチプレート保持部32bとを備えている。クラッチプレート保持部32bは、その外周面にクラッチプレート31のスプライン溝31bと係合するスプライン32cを備えている。本体部32aの貫通孔には、図示しない入力軸と接続される入力軸ボス1cが接続される。なお、入力軸ボス1cは軸受Bを介してケース1aに保持されている。クラッチプレート保持部32bのスプライン32cには、クラッチプレート31が軸方向に移動可能に嵌装されている。またこのとき、本体部32aの外周縁部の一部は、嵌装されたクラッチプレート31の背面に位置している。
クラッチディスク33は、摩擦材を装着したディスク状の板部材であり、その外周で後述するクラッチアウタ34に保持されている。クラッチアウタ34は、中央に貫通孔が形成された本体部34aと、本体部34aの一側面から立設する円筒形状の第四延在部34bと、本体部34aの他側面から立設するクラッチディスク保持部34cとを備える。本体部34aの切替機構20側(図1中左側)の側面は、上記したカム24のカム面24bが当接する面となっている。また、本体部34aに設けられた貫通孔は、上記した切替部材21の第三延在部21dを挿通可能な大きさに設定されている。第四延在部34bは、本体部34aの貫通孔の周囲に接続され、切替部材21側(図1中左側)の本体部34aの側面に立設されている。また、第四延在部34bは、円筒形状の部材の周方向に上記したカムを通すための凹部34dと、上記した第三延在部21dの外周面のスプライン21hと摺動可能に接続されるスプライン34eが形成されている。凹部34dは、第四延在部34bの周方向に等間隔で、第四延在部34bの端部を開放し、径方向に貫通している。また、スプライン34eは、第四延在部34bの凹部34dが形成されていない箇所の内周面上に、上記した第三延在部21dの二つの突条を有するスプライン21hを収容可能なように、二つの凹状を備えるものである。クラッチディスク保持部34cは、本体部34aの第四延在部34bが設けられた側面とは反対側の側面から立設した円筒形状の部分で、その内周面でクラッチディスク33を保持している。
なお、特に図1においては、クラッチディスク保持部34cとクラッチディスク33とが一体であるかのように示されているが、後述する本実施形態の動作の説明を簡便にするためのものである。本実施形態において、クラッチディスク33は、上記したクラッチプレート31と同様に、クラッチディスク保持部34cに対してスプラインで嵌装されており、軸方向に相対移動可能である構成を採用することもできる。また、図1を参照して、本体部34aの外周縁部のクラッチディスク保持部34cが立設された側面の上方には、スラスト軸受TBを介してケース1aに装着された付勢部材1dが取り付けられる。付勢部材1dは、クラッチディスク33とクラッチプレート31との係合を解除する方向へ、クラッチアウタ34を付勢している。本実施形態において、付勢部材1dはコイルばねを採用したが、これに限定されず、板バネ、ゴム等の弾性部材を採用してもよい。
上記クラッチプレート31と、クラッチフランジ32と、クラッチディスク33と、クラッチアウタ34とが摩擦クラッチ30に組み込まれた際には、クラッチプレート31を備えたクラッチフランジ32と、クラッチディスク33を備えたクラッチアウタ34とが同軸に配置される。その際、クラッチアウタ34は、クラッチフランジ32の径方向外方へ位置するとともに、クラッチアウタ34に装着された複数のクラッチディスク33は、クラッチフランジ32に装着された複数のクラッチプレート31の間に互い違いに配置される。摩擦クラッチ30の作動に際しては、後述するカム24が傾動して、カム24のカム面24bがクラッチアウタ34の本体部34aを押圧して、クラッチアウタ34を図1中右方向を付勢する。このとき、クラッチアウタ34がクラッチフランジ32に対し軸方向移動して、各クラッチディスク33が各クラッチプレート31を押圧し、それぞれが係合される。その結果、クラッチフランジ32からの動力がクラッチアウタ34へと出力される。なお、各クラッチディスク33と各クラッチプレート31との係合を解除する際には、カム24の係合を解除して、付勢部材1dがクラッチアウタ34を係合が解除される方向へ付勢することで、係合を解除している。
図7(A)及び図7(B)を参照して、切替機構20とクラッチアウタ34との接続について説明する。切替機構20とクラッチアウタ34とは、切替機構20の第三延在部21dに設けられたスプライン21h上に、クラッチアウタ34の第四延在部34bの内周面に設けられたスプライン34eが嵌装されることで、互いが摺動可能に接続される。このとき、第四延在部34bに形成された凹部34dは、切替機構20のカム24を収容している。またこのとき、第四延在部34bの端面34fは、切替機構20の第三延在部21dと保持部材23との間で径方向に形成された隙間dを通り、円板部21aの側面21fと当接することができる。なお、本実施形態において、複数のクラッチディスク33及び複数のクラッチプレート31は、それぞれ三枚備えることが示されているが、クラッチディスク33及びクラッチプレート31の数は三枚に限定されるものではなく、その数は使用者及び使用状況に応じて適宜設定されればよい。また、クラッチフランジ32にクラッチプレート31を備え、クラッチアウタ34にクラッチディスク33を備える構成を採用したが、クラッチフランジ32にクラッチディクスを備え、クラッチアウタ34にクラッチプレート31を備える構成を採用してもよい。また、摩擦クラッチ30の係合を解除する手段として付勢部材を採用したが、この部材と共に複数のクラッチディスク33及びクラッチプレート31の間に互いを離間するように付勢する付勢部材を設けてもよい。
<アクチュエータ40>
図1を参照して、動力伝達装置1の切替機構20を駆動するアクチュエータ40について説明する。アクチュエータ40は、ケース1aに設けられた油室41と、油室41内に配置されたピストン42と、ピストン42を一方向へ付勢する付勢部材43とを備えている。油室41は、ケース1aの外周面に円環状に形成され、軸方向に延びる中空空間であり、その軸方向の二か所に互いに離間して二つの流体通路41a、41bが接続されている。また、油室41は、図1中上下方向において、摩擦クラッチ30が配置された箇所に対応した、動力伝達装置1の外周部に配置されている。こうすることで、動力伝達装置1の軸方向長さを短くすることができる。なお、油室41には、工作の都合上一端部を開放する必要があるため、この開放箇所を閉塞する蓋部材41cを備えている。蓋部材41cは、シールを介して油室41の開放端部を閉塞している。
ピストン42は、円環状の油室41に配置され、油室41を軸方向で二つの部屋に分割するピストン部42aと、ピストン部42aから延設された円筒形状の本体部42bと、本体部42aの端部に切替機構20と接続される接続部42cとを備えている。ピストン部42aは、円環状の油室41の大きさに対応したリング状の部材で、図中上下方向でシール部材を介して油室41の内周面と摺接し、図1中油室41を左右方向で二つの部屋CA、CBに分けている。ピストン部42aの内周側端部(図1中下方端部)から、本体部42bが切替機構20側(図中左側)へと延設されている。本体部42bの切替機構20側の端部には、本体部42bから内周側へ延びるようにリング状の接続部42cが設けられている。接続部42cの摩擦クラッチ30側(図1中右側)の側面には、スラスト軸受TBを介して上記した切替部材21の接続部21iが接続されている。スラスト軸受TBを介することで、ピストン42と切替部材21とは相対回転が可能である。
また、ピストン部42aと蓋部材41cとの間には付勢部材43が配置されており、付勢部材43は、ピストン42を切替部材21が摩擦クラッチ30側へ移動するように付勢している。本実施形態において、付勢部材43はコイルばねを採用したが、これに限定されず、板バネ、ゴム等の弾性部材を採用してもよい。アクチュエータ40は、上記した二つの流体通路41a、41bを介して、油室41のそれぞれの部屋CA、CBに流体を供給することで、ピストン42を軸方向に移動することができる。こうすることで、ピストン42によって切替部材21が軸方向に移動され、動力伝達装置1の動力伝達経路が切り替えられる。この構成によれば、動力伝達装置1のケース1aに設けたアクチュエータ40である油圧機構を採用することで、切替機構20を駆動するための油圧を軸から供給する必要がなくなる。したがって、構造を簡素化することができ、部品点数の削減と軽量化とを図ることができる。
<動力伝達装置1の動作>
以下、図1、図8、図9を参照して、動力伝達装置1の動力伝達経路の切替について詳細に説明する。
<ニュートラル状態>
図1は、動力伝達装置1が、摩擦クラッチ30の摩擦要素の係合を解除した断状態とし、さらに切替機構20と遊星歯車機構10との噛合が解除された状態を示している。この状態において、入力軸からの動力は、出力軸側へ伝達されないので、この状態をニュートラル状態とする。この状態における切替部材21及びピストン42のケース1aに対する位置を中立位置とする。なお、ピストン42を付勢する付勢部材43は、ピストン42が中立位置の方向へピストン42を付勢している。切替部材21が中立位置となることで、切替部材21の二つのドグ歯21d、21eは共に、遊星歯車機構10の二つのドグ歯12e、11cと噛合されていない。また、切替部材21が中立位置となることで、第三延在部21dの開口部21gの周縁は、カム機構22のカム24を傾動させる位置になく、カムはクラッチアウタ34を付勢していない。したがって、摩擦クラッチ30の摩擦要素は係合されていないので、摩擦クラッチ30は接続されていない、断状態となっている。
<前進状態>
図1に示したニュートラル状態から、図8に示す前進状態へと移行する過程を説明する。なお、本実施形態において、動力伝達装置1を変速機に適用した例を示しているので、動力伝達装置1が図8に示す状態となるときの出力軸の回転方向を便宜的に前進状態としている。もちろん図8に示す状態を後進状態として採用することもできるが、この場合、図9に示す状態が前進状態となる。図8に示す状態と、図9に示す状態とは、出力軸の回転方向が互いに異なる状態を示している。
ニュートラル状態から図8に示す前進状態へと移行する際には、アクチュエータ40の流体通路41aに流体が導かれ、二つに分割された油室41の一方の部屋CAに流体が供給される。部屋CAに供給された流体により、ピストン42が図8中左方向へ移動する。ピストン42の移動により、接続部42cを介して切替部材21が図8中左方向へ移動し、切替部材21の第一延在部21bに設けられたドグ歯21dが遊星歯車機構10のサンギヤ12に設けられたドグ歯12eと噛合する。なお、このとき、切替部材21の第二延在部21cに設けられたドグ歯は、遊星歯車機構10のリングギヤ11に設けられたドグ歯11cに対して離れる方向へ移動するため、リングギヤ11のドグ歯11cと噛合することはない。次に、切替部材21が図8中左方向へ移動することで、噛合部であるドグ歯21dが摩擦クラッチ30から離れる方向へ移動する。すると、ドグ歯21dと一体の第三延在部21dも図8中左方向へ移動する。このとき、第三延在部21dの開口部21gを形成する周縁部分がカム24の係合部24cと当接して、カム24の係合部24cを図8中左方向へ押圧する。すると、カム24はカム軸23cを中心に傾動し、カム24のカム面24bがクラッチアウタ34の本体部34aを図8中右方向へ押圧する。すると、カム24によって、クラッチアウタ34が、図8中右方向へ移動され、クラッチディスク33とクラッチフランジ32のクラッチプレート31とが係合する。したがって、摩擦クラッチ30は、動力を伝達することができる接続された接状態となる。
本実施形態においては、各部材の大きさ等を適宜設定して、切替部材21のドグ歯21dと遊星歯車機構10のドグ歯12eとの噛合後に、第三延在部21dがカム24を駆動させ、摩擦クラッチ30を締結するようにしている。つまり、噛合部の一部であるドグ歯21dと操作部の一部である第三延在部21d及びカム24とが協働して、遊星歯車機構10への動力伝達経路の切り替えと、摩擦クラッチ30の断接とを行っている。したがって、噛合部と一体の操作部が摩擦クラッチ30に当接することで、噛合部による回転方向の切り替えと操作部による摩擦クラッチ30の断接とを効率よく行うことができる。以上の過程から、入力軸から入力軸ボス1cを介して入力された動力は、摩擦クラッチ30を介して、クラッチアウタ34の第四延在部34bのスプライン34eから、切替部材21の第三延在部21dのスプライン21hへと流れ、切替部材21のドグ歯21dからサンギヤ12及び出力軸ボス1bを介して出力軸へ流れることになる。本実施形態では、出力軸に接続されたサンギヤ12と切替部材21とが接続されているので、入力軸ボス1cの回転方向と出力軸ボス1bの回転方向とは、同一の回転方向である。
<後進状態>
次に、図8に示す前進状態から、図9に示す後進状態へ移行する過程を詳細に説明する。図9に示す後進状態へ移行する際には、図8に示す前進状態から、図1に示すニュートラル状態を経て、図9に示す後進状態へと移行する。前進状態からニュートラル状態への移行は、上記したニュートラル状態から前進状態への移行過程を逆にたどればよい。つまり、アクチュエータ40の流体通路41bに流体を導き、二つに分割された油室41の他方の部屋CBに流体が供給されると、部屋CBに供給された流体により、ピストン42が図9中右方向へ移動する。あるいは、先に流体が充填されていた部屋CAから、流体を排出することで、付勢部材43によりピストン42が図9中右方向へ移動する。ピストン42の移動に伴い切替部材21が移動すると、カム24を傾動させていた開口部21gの周縁がカム24の係合部24cから離れ、上記した復帰バネによりカム24が傾動していない状態へと戻る。すると、まず摩擦クラッチ30は、摩擦要素の係合が解除され、動力が伝達されない断状態となり、その後さらにピストン42が図9中右方向へと移動することで、切替部材21と遊星歯車機構10の噛合が解除される。以上の過程を経て、動力伝達装置1は、前進状態から、ニュートラル状態へと戻る。なお、カム24の傾動を解除する方法としては、上記のほかに、第三延在部21dの開口部21gの周縁によって行われる方法を作用してもよい。具体的には、カム24を傾動させていた開口部21gの反対側の周縁(図1中左側)がカム24の係合部24cの反対側を図1中右側へ押圧することで、カム24が傾動していない状態へと戻る機構を採用してもよい。
したがって、以下にニュートラル状態から、図9に示す後進状態への移行の過程を説明する。アクチュエータ40のピストン42の移動により、切替部材21が、さらに図9中右方向へ移動する。すると、切替部材21はニュートラル状態の中立位置を経過した後、切替部材21の第二延在部21cに設けられたドグ歯21eと遊星歯車機構10のリングギヤ11に設けられたドグ歯11cとが噛合する。なお、このとき、切替部材21の第一延在部21bに設けられたドグ歯21dは、遊星歯車機構10のサンギヤ12に設けられたドグ歯12eに対して離れる方向へ移動するため、サンギヤ12のドグ歯12eと噛合することはない。
また、切替部材21の第三延在部21dも、一旦中立位置へ移動して、摩擦クラッチ30を断状態とした後、図9中右方向へ移動することで、噛合部である切替部材21のドグ歯21eが摩擦クラッチ30に接近する。このとき、第三延在部21dの開口部21g内にカム24が収容され、カム24は開口部21gの周縁から押圧されていない状態となる。そして、第三延在部21dが、クラッチアウタ34の第四延在部34bのスプライン34eに沿って図中右方向へ進む。このとき、第四延在部34bの端面34fが、切替部材21の第三延在部21dの外周面と保持部材23の内周面との間に形成された隙間dに侵入する。切替部材21がさらに図9中右方向へ移動することで、切替部材21の側面21fが、第四延在部34bの端面34fと当接して、第四延在部34bを図9中右方向へ押圧する。その結果、クラッチアウタ34が図9中右方向へ押圧され、クラッチディスク33とクラッチプレート31とが係合する。したがって、摩擦クラッチ30は、動力を伝達することができる接状態となる。本実施形態においては、各部材の大きさ等を適宜設定して、切替部材21のドグ歯21eが遊星歯車機構10のドグ歯11cと噛合した後に、切替部材21の側面21fが第四延在部34bの端面34fと当接して、クラッチアウタ34を押圧し、摩擦クラッチ30を締結するようにしている。この構成によれば、第三延在部21dと第四延在部34bとがガイドの役目をすることにより、摩擦クラッチ30に対する切替機構の一部である切替部材21の移動を円滑に行うことができる。
以上の過程から、入力軸から入力軸ボス1cを介して入力された動力は、摩擦クラッチ30を介して、クラッチアウタ34の第四延在部34bのスプライン34eから、切替機構20の第三延在部21dのスプライン21hへと流れ、切替部材21からリングギヤ11、プラネタリギヤ13a、サンギヤ12、出力軸ボス1bを介して出力軸へ流れることになる。本実施形態では、キャリア13cがケース1aに固定されているので、入力軸ボス1cの回転方向と出力軸ボス1bの回転方向とは、逆方向の回転方向となる。
したがって、本実施形態における動力伝達装置1においては、回転方向の切り替えを機械的に結合する噛合部であるドグ歯で行うことで、ドラグトルクを生じさせる湿式の摩擦締結要素の数を減少させ、動力伝達装置1の効率を向上させることができる。本実施形態において、前進状態を第一状態、後進状態を第二状態、ニュートラル状態を第三状態とした際に、第一状態では、第三状態から切替機構20を一方向へ移動させ、第二状態では、第三状態から切替機構20を一方向と反対側の他方向へ移動させることで動力伝達経路を切り替えている。したがって、切替機構20を、動力の伝達を行わない位置を中心として、軸方向の対称方向へ動かすことで、回転方向の切り替えと動力の断接を効率よく行うことができ、軸方向寸法を小型にすることができる。例えば、従来の動力伝達装置と比較して、軸方向長さを7mmから8mm短くすることができる。また、本実施形態による動力伝達装置1を前後進切替機構20に採用することによって、摩擦ブレーキを廃止した動力伝達装置1を前後進切替機構20に採用したことにより、ドラグトルクによる燃費の悪化を減少させることができる。
なお、本実施形態において、第一の回転要素はキャリア機構13とし、第二の回転要素はサンギヤ12とし、第三の回転要素はリングギヤ11として、第一の回転要素をケース1aに固定し、第二の回転要素を出力軸と接続した。以上の構成によれば、噛合部が接触しやすい遊星歯車機構10の内側と外側とに位置する回転要素と直接噛合することで、単純な構成で切替機構20を構成することができる。しかしながら、これに限定されず、第一、第二、第三の回転要素のいずれか一つをケース1aに固定し、他の一つの出力軸と接続してもよく、その選択は使用者及び使用状況に応じて適宜設定されればよい。
また、本実施形態において、入力軸及び出力軸は、遊星歯車機構10と切替機構20と摩擦クラッチ30と同一の軸上に配置されている構成を例示した。図1中、遊星歯車機構10の左側へ出力軸が伸びており、摩擦クラッチ30の右側へ入力軸が伸びて配置されている。しかしながら、入力軸及び出力軸の配置は、上記同一の軸上に配置されていなくてもよく、例えば、遊星歯車機構10のリングギヤ11を介して出力する際には、リングギヤ11の径方向外側に出力軸を配置してもよい。また、本実施形態において、動力伝達装置1は、車両の前後進切替機構に適用する例を記載したがこれに限定されず、例えば、船舶のスクリュー等の前後進切替機構や、工作機械や搬送機械等において回転方向を切り替えるための装置に用いてもよい。
1 動力伝達装置、10 遊星歯車機構、11 リングギヤ、12 サンギヤ、13 キャリア、20 切替機構、21 切替部材、22 カム機構、30 摩擦クラッチ、31 クラッチプレート、32 クラッチハブ、33 クラッチディスク、34 クラッチアウタ

Claims (8)

  1. 動力伝達装置であって、
    出力軸に接続された遊星歯車機構への動力伝達経路を切り替える切替機構と、
    該切替機構と入力軸との間に設けられ、前記切替機構によって操作される摩擦クラッチと、
    を備え、
    前記遊星歯車機構は、第一、第二、第三の回転要素を備え、前記第一の回転要素が前記動力伝達装置のケースに固定され、前記第二の回転要素または前記第三の回転要素のいずれか一方が前記出力軸に接続され、
    前記切替機構は、
    前記遊星歯車機構に対して移動することで、前記第二または第三の回転要素のいずれか一方と掛け替え可能に噛合する噛合部と、
    前記噛合部と協働して、前記噛合部の噛合後に前記摩擦クラッチを接状態に操作する操作部と、
    を備え、
    前記切替機構は、
    前記噛合部が、前記遊星歯車機構に接近して、前記第二の回転要素と噛合した第一状態と、
    前記噛合部が、前記遊星歯車機構から離れて、前記第三の回転要素と噛合した第二状態との間で前記動力伝達経路を切り替えることを特徴とする動力伝達装置。
  2. 前記切替機構は、前記噛合部が前記回転要素のいずれにも噛合せず、前記摩擦クラッチを断状態とする第三状態をさらに含み、
    前記第三状態の前記噛合部の位置を中立位置として、
    前記第一状態では、前記噛合部が前記中立位置から一方向へ移動し、
    前記第二状態では、前記噛合部が前記中立位置から前記一方向と反対側の他方向へ移動することを特徴とする請求項1記載の動力伝達装置。
  3. 前記第一の回転要素は、キャリアであり、
    前記第二の回転要素は、サンギヤであり、
    前記第三の回転要素は、リングギヤであり、
    前記遊星歯車機構と前記切替機構と前記摩擦クラッチとは同一軸上に配置され、
    前記噛合部は、前記軸上を移動可能であり、前記軸を中心とした円板部と、
    前記円板部から前記遊星歯車機構へ前記軸と同軸の円筒形状に延在する第一、第二延在部と、
    を備え、
    前記第一延在部は、前記サンギヤの内周面と噛合し、
    前記第二延在部は、前記リングギヤの外周面と噛合することを特徴とする請求項1または2のいずれか一項記載の動力伝達装置。
  4. 前記操作部は、
    前記円板部の前記摩擦クラッチ側の側面と、
    前記側面から前記摩擦クラッチへ延在する第三延在部と、
    前記第三延在部と係合することによって摩擦クラッチへ向けて傾動可能なカムと、
    前記カムを揺動可能に保持するカム保持部材と、
    を備え、
    前記第一状態では、前記噛合部が前記摩擦クラッチから離れることで、前記第三延在部が 前記カムを傾動させ、前記カムが前記摩擦クラッチを接状態とし、
    前記第二状態では、前記噛合部が前記摩擦クラッチに接近することで、前記側面が前記摩擦クラッチと当接して、前記摩擦クラッチを接状態とすることを特徴とする請求項3記載の動力伝達装置。
  5. 前記摩擦クラッチは、
    クラッチプレートを備え、前記入力軸に接続されたクラッチフランジと、
    前記クラッチプレートに対向して配置されるクラッチディスク、及び前記切替機構へ延在し、前記第三延在部と摺動可能に接続される第四延在部、を含んだクラッチアウタと、
    を備え、
    前記第三延在部には、前記カムの一部を収容する開口部が形成され、
    前記カム保持部材は、前記カムと前記開口部との位置を合わせ、
    前記第一状態では、前記噛合部が前記摩擦クラッチから離れることで、前記第三延在部の前記開口部の周縁が前記カムを前記クラッチアウタ側へ傾動させ、前記カムが前記摩擦クラッチを接状態とし、
    前記第二状態では、前記噛合部が前記摩擦クラッチに接近することで、前記円板部の前記側面と前記第四延在部の端面とが当接して前記摩擦クラッチを接状態とすることを特徴とする請求項4記載の動力伝達装置。
  6. 前記動力伝達装置は、
    前記ケースに設けられ、二つの流体通路を備える油室と、
    前記油室内で、前記油室を二つに分割し、前記切替機構に接続されるピストンと、
    をさらに備え、
    前記ピストンは、前記分割された油室にそれぞれ接続された前記二つの流体通路を介して前記油室に供給された流体によって、軸方向に移動され、前記切替機構を移動させることを特徴とする請求項1から5のいずれか一項記載の動力伝達装置。
  7. 請求項1から6のいずれか一項記載の動力伝達装置を備えた前後進切替機構。
  8. 前後進切替機構であって、
    出力軸に接続された遊星歯車機構への動力伝達経路を切り替える切替機構と、
    該切替機構と入力軸との間に設けられ、前記切替機構によって操作される摩擦クラッチと、
    を備え、
    前記遊星歯車機構と前記切替機構と前記摩擦クラッチとは同一軸上に配置され、
    前記遊星歯車機構は、キャリア、サンギヤ、リングギヤを備え、前記キャリアが前記前 後進切替機構のケースに固定され、前記サンギヤが前記出力軸に接続され、
    前記切替機構は、
    前記遊星歯車機構に対して同軸上を移動することで、前記サンギヤまたはリングギヤのいずれか一方と掛け替え可能に噛合する噛合部であって、
    前記軸を中心とした円板部と、前記円板部から前記遊星歯車機構へ前記軸と同軸の円筒形状に延在する第一、第二延在部を備え、
    前記第一延在部は、前記サンギヤの内周面とドグ歯によって噛合し、
    前記第二延在部は、前記リングギヤの外周面とドグ歯によって噛合する噛合部と、
    前記噛合部と協働して、前記噛合部の噛合後に前記摩擦クラッチを接状態に操作する操作部であって、
    前記円板部の前記摩擦クラッチ側の側面と、
    前記側面から前記摩擦クラッチへ前記軸と同軸の円筒形状に延在し、開口部が形成され、外周面にスプラインが設けられた第三延在部と、
    前記開口部に一部が収容され、前記第三延在部と係合することによって摩擦クラッチへ向けて傾動可能なカムと、
    前記カムを揺動可能に保持し、前記カムと前記開口部との位置を合わせるカム保持部材と、を含んだ操作部と、
    を備え、
    前記摩擦クラッチは、
    複数のクラッチプレートを備え、前記入力軸に接続されたクラッチフランジと、
    前記複数のクラッチプレートの間にそれぞれ配置される複数のクラッチディスクと、前記切替機構へ延在し、前記第三延在部と摺動可能に接続されるスプラインを備えた第四延在部と、を含んだクラッチアウタと、
    を備え、
    前記切替機構は、
    前記噛合部が、前記遊星歯車機構に接近して、前記サンギヤと噛合するとともに、前記摩擦クラッチから離れることで、前記第三延在部の前記開口部の周縁が前記カムを前記クラッチアウタ側へ傾動させ、前記カムが前記摩擦クラッチを接状態とする第一状態と、
    前記噛合部が、前記遊星歯車機構から離れて、前記リングギヤと噛合し、前記摩擦クラッチに接近することで、前記円板部の前記側面と前記第四延在部の端面とが当接して前記摩擦クラッチを接状態とする第二状態と、
    前記噛合部が前記回転要素のいずれにも噛合せず、前記摩擦クラッチを断状態とする第三状態とをさらに含み、
    前記切替機構は、前記噛合部が前記第三状態から一方向へ移動する第一状態と、前記噛合部が前記第三状態から前記一方向と反対側の他方向へ移動する第二状態と、前記第三状態との間で切り替えることを特徴とする前後進切替機構。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN108119619A (zh) * 2017-12-22 2018-06-05 贵州凯星液力传动机械有限公司 一种行星轮式换向机构
CN109944881A (zh) * 2019-04-26 2019-06-28 厦门南超机械有限公司 一种离合器

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