JP2016017517A - 電子制御スロットル車両のエンジンブレーキ制御装置 - Google Patents

電子制御スロットル車両のエンジンブレーキ制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】 電子制御スロットル車両のエンジンブレーキや回生ブレーキの強度(効き具合)を制御してアクセルフィーリングや走行フィーリングを向上させる。
【解決手段】 アクセルペダルの踏込み量を検出するアクセルペダルユニット(4)とアクセルペダルユニット(4)からの信号に応じて車両のエンジンを制御するエンジンコンピュータ(3)との間に取り付けて、アクセルペダルユニット(4)内のアクセルセンサ(4a)が出力するアクセル開度信号が、アクセルペダルを踏込んだ状態から踏込んでいない状態になったことを検知したときに、アクセルペダルを踏込んだ状態のエンジンブレーキ用擬似アクセル開度信号を出力してエンジンブレーキの強度を制御し、走行時にアクセルペダルの踏込みを離してもエンジンブレーキが作用せず、スムーズで違和感のない走行フィーリングを得ることができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、電子制御スロットル車両のエンジンブレーキ制御装置に関し、特にアクセルペダルを踏込んだ状態から踏込んでいない状態になったことを検知した際、アクセルペダルを踏込んだ状態の擬似アクセル信号を出力してエンジンブレーキの強度(効き具合)を制御する装置に関する。
昨今のガソリン車両、ディーゼル車両、ハイブリッド車両のスロットルは、エンジン制御を高精度に行うために、エンジンコンピュータを用いてスロットルの開度を決定する電子制御スロットルが普及している。このような電子制御スロットルは、アクセルペダルユニット内のアクセルセンサから出力されるアクセルペダルの踏込み量に応じて、エンジンコンピュータでエンジン回転数や速度などの信号と合わせて適正な吸入空気量と燃料噴射量になるようにスロットル開度を制御している。
また、アクセルペダル操作は、急な操作や雑な操作をせず、緩やかかつ丁寧な操作を行うことで搭乗者が加減速での不快感を覚えることのない良好な走行フィーリングを得ることができる。ところで、ガソリンやディーゼル車両の場合は、走行中にアクセルペダルから足を離したときエンジンブレーキが作用する。エンジンブレーキの強度(効き具合)は、そのときの速度やギアポジションにもよって異なるが、多少のショックを伴うもので、雑なアクセルペダル操作をすると車両の挙動がギクシャクし搭乗者に不快感を与えることが往々にしてある。ハイブリッド車両の場合は、エンジンブレーキではなく、回生ブレーキが作用することになるが、雑なアクセルペダル操作をすると車両の挙動がギクシャクし搭乗者に不快感を与えることは、ガソリンやディーゼル車両と同様である。このアクセルペダルから足を離したことによって作用するエンジンブレーキや回生ブレーキによるショックを低減するあるいは解消するには、運転者が繊細で丁寧なアクセル操作を行う以外にはなく、相応の運転技術が必要である。
例えば、特開2011−185145号公報(特許文献1)に開示される「エンジン及びその制御方法」は、エンジンブレーキの作用を低減し、従来よりも燃費性能を向上させるための技術である。当該公報段落番号0002の「エンジンブレーキは長い下り坂等を走行する際に多用され、フェード現象防止のために有用なものである。しかし、エンジンブレーキは、走行する自動車が持つ運動エネルギーを減少させるため、これが作用するのは燃費の観点からは好ましいものではない。燃費の観点からは、エンジンブレーキを極力作用させずに惰性による走行(以下、惰性走行という)をするのが好ましい。」との課題から、吸排気バルブの開閉タイミングを変更することで惰性走行させることを可能としたものである。(当該公報段落番号0009参照)
また、特開2014−111976号公報(特許文献2)に開示される「惰性走行を生かしたエコ運転ができる車輌」は、Dレンジにてエンジンブレーキが作動すべきときにはそれを従来通り作動させ、車輌を慣性走行させたいとき、シフトレバーをニュートラルに切り換えなくても、僅かのアクセルペダル操作にてエンジンブレーキが掛からないエコ運転を行うための技術である。自動変速機がDレンジに設定されており、車速が徐行車速以上であって、アクセルペダルが戻り終端位置より所定の微小踏込み深さ以内の範囲で踏込まれているとき、自動変速機の主クラッチを解除し、車輌の慣性走行効果を最大限に発揮させることができるものである。(当該公報段落番号0011参照)
特開2011−185145号公報 特開2014−111976号公報
特許文献1では、アクセルペダルを離したときに機械的に吸排気バルブの開閉タイミングを変更してエンジンブレーキが作用しないようにすることで惰性走行させることを目的とし、特許文献2では、アクセルペダルの離し具合や所定の条件において、自動変速機の主クラッチを解除して慣性走行させることを目的としているものであって、アクセルペダルを離したときにエンジンブレーキや回生ブレーキが作用しないようにしたり緩和したりすることを目的とするものではない。また、特許文献1、特許文献2ともに、構造的に変更を加えなければならないため、後から取り付けた場合は、非常に高コストになりユーザーの負担が増大するといった大きな問題点がある。
本発明は、前記した問題を解消し、電子制御スロットル車両のエンジンブレーキや回生ブレーキの強度(効き具合)を制御して、不用意にアクセルを離すなどした場合のエンジンブレーキや回生ブレーキによるギクシャク感を解消してアクセルフィーリングや走行フィーリングを向上することができる安価で商品性に優れた電子制御スロットル車両のエンジンブレーキ制御装置を提供することを目的とする。
上記の課題は本発明の請求項1によれば、車両のエンジンコンピュータに疑似アクセル信号を出力するエンジンブレーキ制御装置であって、アクセルペダルの踏込み量を検出するアクセルペダルユニット内のアクセルセンサからの信号に応じて車両のエンジンを制御するエンジンコンピュータとの間に取り付けられ、アクセルセンサが出力するアクセル開度信号が、アクセルペダルを踏込んだ状態から踏込んでいない状態になったことを検知したときに、アクセルペダルを踏込んだ状態のエンジンブレーキ制御用擬似アクセル開度信号をエンジンコンピュータへ出力するエンジンブレーキ制御モードと、エンジンブレーキ制御用疑似アクセル開度信号を出力する条件以外のときに、エンジンブレーキ制御をしない非制御モードを備えることで解決される。
上記の課題は本発明の請求項2によれば、アクセルペダルを踏込んだ状態から踏込んでいない状態になったことを検知したときに、エンジンコンピュータへ出力するエンジンブレーキ制御用疑似アクセル開度信号の値を、任意に設定できるようにしたことで解決される。
上記の課題は本発明の請求項3によれば、エンジンブレーキ制御用疑似アクセル開度信号の出力条件を、アクセルペダルを踏込んだ状態から出力しようとしているエンジンブレーキ制御用擬似アクセル開度信号の値と同じか下回った時に、エンジンコンピュータへ出力するようにしたことで解決される
上記の課題は本発明の請求項4によれば、アクセルペダルユニット内のアクセルセンサが出力するアクセルペダルを踏込んでいない状態と、一杯に踏込んでいる状態のアクセル開度の値を学習することができる初期設定モードを備えたことで解決される。
上記の課題は本発明の請求項5によれば、エンジンブレーキ制御用疑似アクセル開度信号がエンジンコンピュータへ出力されているとき、ブレーキ信号の入力が検出されたら、エンジンブレーキ制御モードを解除することで解決される。
上記の課題は本発明の請求項6によれば、アクセルペダルユニット内のアクセルセンサが出力するアクセル開度信号を増幅もしくは、減衰させた疑似アクセル開度信号をエンジンコンピュータへ出力する増幅制御モードと減衰制御モード、アクセルセンサが出力するアクセル開度信号を、そのままエンジンコンピュータへ出力するノーマルモードの、いずれか一つ以上を非制御モードとしたことで解決される。
上記課題は本発明の請求項7によれば、ノーマルモード、増幅制御モード、減衰制御モードの切り替え操作、エンジンブレーキ制御モードのオン/オフを切り替える操作、初期設定モードの学習操作の、いずれか一つ以上可能とする操作スイッチを備えることで解決される。
本発明によれば、車両のエンジンコンピュータに疑似アクセル信号を出力するエンジンブレーキ制御装置であって、アクセルペダルの踏込み量を検出するアクセルペダルユニット内のアクセルセンサからの信号に応じて車両のエンジンを制御するエンジンコンピュータとの間に取り付けられ、アクセルペダルユニット内のアクセルセンサが出力するアクセル開度信号が、アクセルペダルを踏込んだ状態から踏込んでいない状態になったことを検知したときに、アクセルペダルを踏込んだ状態のエンジンブレーキ用擬似アクセル開度信号を出力してエンジンブレーキの強度を制御し、エンジンブレーキ制御用疑似アクセル開度信号を出力する条件以外のときに、エンジンブレーキ制御用疑似アクセル開度信号を出力しない非制御モードにするので、走行時にアクセルペダルの踏込みを離してもエンジンブレーキが作用せず、不用意にアクセルペダルを離したり、雑なアクセルペダルの操作をしたりしても、ギクシャク感を解消してスムーズで違和感のない走行フィーリングを得ることができる。また、エンジンブレーキ制御用擬似アクセル信号出力を任意に設定するようにしたことで、後付のエンジンブレーキ制御装置として幅広い車種に対応することができ、アクセルペダルを離したにもかかわらず加速やエンジンブレーキが作用してしまうといったことがなく、単にエンジンブレーキが作用しないといった違和感のない良好な走行フィーリングを得ることができる。さらに、エンジンブレーキ制御用疑似アクセル開度信号の出力タイミングを、出力しようとしているエンジンブレーキ制御用疑似アクセル開度信号の値と同じか下回ったときに出力するようにしたので、さらにギクシャク感を解消してスムーズで違和感のない走行フィーリングを得ることができる。さらにまた、アクセルペダルユニット内のアクセルセンサが出力するアクセルペダルを踏込んでいない状態と、一杯に踏込んでいる状態(フルアクセル)の出力を学習することができる初期設定モードを備え、エンジンブレーキ制御用疑似アクセル開度信号がエンジンコンピュータへ出力されているときに、ブレーキが踏まれているのを検出したら、エンジンブレーキ制御モードを解除したり、アクセルペダルユニット内のアクセルセンサが出力するアクセル開度信号を増幅もしくは、減衰させてエンジンコンピュータへ出力する増幅制御モード、減衰制御モード、アクセルセンサが出力するアクセル開度信号を、そのままエンジンコンピュータへ出力するノーマルモードの、いずれか一つ以上を非制御モードにしたり、ノーマルモード、増幅制御モード、減衰制御モードの切り替え操作や、エンジンブレーキ制御モードのオン/オフ切り替え操作、初期設定モードの学習操作の、いずれか一つ以上可能とする操作スイッチを備えることにより、さらにいっそう幅広い車種に対応し、安全性と商品性を向上したエンジンブレーキの制御装置を提供することができる。
本発明の実施例を示すブロック図である。 エンジンブレーキ制御装置のフローチャートである。 エンジンブレーキ制御装置のタイマー割込み処理のフローチャートである。 エンジンブレーキ制御装置のエンジンブレーキ制御判断処理のフローチャートである。 エンジンブレーキ制御装置のブレーキ検出用外部割込みのフローチャートである。 エンジンブレーキ制御装置のモード別出力値算出処理のフローチャートである。
発明を実施させるための形態
本発明の、電子制御スロットル車両のエンジンブレーキ制御装置の実施例について、図面を参照して詳細に説明する。図1は本発明の実施例を示すブロック図であり、図2乃至図6は、エンジンブレーキ制御装置のフローチャートである。
エンジンブレーキ制御装置本体(1)(以下、本体(1)という)は、電子制御スロットルボディ(2)、エンジンコンピュータ(3)、アクセルペダルユニット(4)から構成される電子制御スロットル車両の、エンジンコンピュータ(3)とアクセルペダルユニット(4)を接続するカプラの間に接続して使用する。
なお、車両の電子制御スロットルは、本体(1)が接続されていない状態では、アクセルペダルユニット(4)内のアクセルセンサ(4a)でアクセルペダルの踏込み量を検知してアクセル開度信号をエンジンコンピュータ(3)に出力する。エンジンコンピュータ(3)は、アクセル開度信号、エンジン回転数や速度などの信号と合わせて適正な吸入空気量と燃料噴射量になるように信号を出力して電子制御スロットルボディ(2)のスロットル開度や燃料噴射装置(図示せず)の燃料噴射時間を制御する。
本体(1)の構成について説明する。本体(1)は、マイクロコンピュータ(1b)、I/F回路(1a)、操作スイッチ群(1d)、発光素子(1c)、EEPROM(1e)、リレー(1f)から構成されている。
アクセルペダルユニット(4)内のアクセルセンサ(4a)からアクセルペダルの踏込み量に応じた信号が出力され、I/F回路(1a)を介してマイクロコンピュータ(1b)に入力される。入力された信号はマイクロコンピュータ(1b)で決められた条件に対する処理を行い、エンジンブレーキ制御用疑似アクセル開度信号を、I/F回路(1a)とリレー(1f)を介してエンジンコンピュータ(3)へ出力するように構成されている。
操作スイッチ群(1d)は、エンジンブレーキ制御のオン/オフ、エンジンブレーキ制御用擬似アクセル開度信号の出力値設定、アクセルペダルユニット(4)内のアクセルセンサ(4a)の出力の学習を行う初期設定モード、ノーマルモード、増幅モード、減衰モードの切り替えや設定などを行う。発光素子(1c)は、本体(1)の電源や制御モード状態や、操作スイッチ群(1d)のスイッチの操作状態などを示すためのLEDである。
なお、図1ではアクセルセンサ(4a)からの出力信号は、1本しか記載していないが2本ある場合は各I/F回路(1a)やリレー(1f)部分をそれぞれのために、2回路用意してもよいし、本体(1)への電源供給については、エンジンコンピュータ(3)からアクセルセンサ(4a)へ供給される電源に接続しても良いし、車両のイグニッション電源などに接続しても良い。
このように、エンジンコンピュータ(3)とアクセルペダルユニット(4)を接続するカプラの間に接続された本体(1)の基本的な動作について説明する。本体(1)の電源が入るとリレー(1f)をオンし、アクセルペダルユニット(4)内のアクセルセンサ(4a)がアクセルペダルの踏込み量を検知して出力するアクセル開度信号を用い、アクセルペダルを踏込んだ状態から踏込んでいない状態になったことを検知したときに、アクセルペダルを踏込んだ状態のエンジンブレーキ制御用擬似アクセル開度信号をエンジンコンピュータ(3)に出力する。これによって、本体(1)が接続されていない状態では、エンジンブレーキが作用することになるが、エンジンブレーキ制御用擬似アクセル開度信号によってアクセルペダルが踏込まれた状態を維持することになり、エンジンブレーキの強度を制御して、エンジンブレーキが作用しないようにできる。この制御状態は、アクセルペダルを踏込んだ状態から踏込んでいない状態になったことを検知すると、エンジンブレーキ制御用疑似アクセル開度信号が出力され、再びアクセルペダルが踏まれるか、ブレーキが踏まれることによってエンジンブレーキ制御モードが解除され、非制御モードになるので安全上差し支えない。
これによって、走行時にアクセルペダルの踏込みを離してもエンジンブレーキが作用しないので、不用意にアクセルペダルを離し雑なアクセルペダルの操作をしたとしても、ギクシャク感を解消してスムーズで違和感のない走行フィーリングを得ることができる。
また、アクセルペダルを踏込んだ状態から踏込んでいない状態になったことを検知したときに、エンジンコンピュータ(3)へ出力するエンジンブレーキ制御用擬似アクセル開度信号の値を任意に設定するようにしたことで、後付のエンジンブレーキ制御装置として幅広い車種に対応することができ、アクセルペダルを離したにもかかわらず加速してしまうといったことがなく、単にエンジンブレーキが作用しないといった違和感のないアクセルフィーリングを得ることができる。
さらに、エンジンブレーキ制御用疑似アクセル開度信号の出力条件を、アクセルペダルを踏込んだ状態から出力しようとしているエンジンブレーキ制御用疑似アクセル開度信号の値と同じか下回った時に、I/F回路(1a)を介してエンジンコンピュータ(3)へ出力するようにしたことで、さらにいっそうギクシャク感を解消してスムーズで違和感のない走行フィーリングを得ることができる。
さらにまた、アクセルペダルユニット(4)内のアクセルセンサ(4a)から出力されるアクセルペダルを踏込んでいない状態を0%として、目いっぱい踏込んでいる状態を100%として操作スイッチ群(1d)にて学習させるようにしたことで軽自動車から大型車までさらに幅広い車種に対応することができる。
さらにまた、エンジンブレーキ制御用疑似アクセル開度信号がエンジンコンピュータ(3)へ出力されているとき、ブレーキが踏まれているのを検出したら、エンジンブレーキ制御モードを解除することで安全性が向上する。
さらにまた、本体(1)とスロットルコントローラー(下記注1参照)の増幅モードや、減衰モードを併用した状態や、アクセルセンサ(4a)が出力するアクセル開度信号のそのままの値をエンジンコンピュータ(3)へ出力するノーマルモードのいずれか一つ以上を非制御モードとし備えることで、商品性が向上する。
(注1)スロットルコントローラーとは、本発明と同じように電子制御スロットルの、エンジンコンピュータとアクセルセンサの間に接続して、通常のアクセルペダルの踏込み量に対して減衰または増幅したアクセル開度信号をエンジンコンピュータに出力して、アクセルペダルの踏込み量が多くても緩やかな加速ができ、またはアクセルペダルの踏込み量が少なくでも急な加速を得られるようにした制御装置である。(出願人の特開2011−89511号公報参照)
さらにまた、操作スイッチ群(1d)にてノーマルモード、増幅制御モード、減衰制御モードの切り替え操作や、エンジンブレーキ制御モードのオン/オフを切り替える操作、初期設定モードの学習操作の、いずれか一つ以上を可能とすることで、さらに安全性や、商品性が向上する。
なお、ハイブリッド車両においては、エンジンブレーキが作用することなく回生ブレーキが作用することになる。ハイブリッド車両は一般的に走行状態にもよるがアクセルペダルを離すことによってエンジンが停止するとともに回生ブレーキを作用させてバッテリーへの充電を行うシステムになっているが、本体(1)は、ハイブリッド車両においても、前記同様の制御を行うことで、アクセルペダルを離したときにおこる回生ブレーキの強度を制御することができ、回生ブレーキの作用による不快感をなくすことができる。
前記で説明したエンジンブレーキ制御装置の動作を、図2乃至図6に示すフローチャートを用いて説明する。
S1:本体(1)に電源が入る又はリセットがかかることで処理開始。
S2:マイクロコンピュータ(3)の各入出力ポートの設定、WDTの設定、アクセル開度信号計測処理と疑似アクセル開度信号出力処理が2msec毎交互になるようにタイマー割込み設定、ブレーキ検出用外部割込み設定などを行い、各初期値などをEEPROM(1e)より読込み、内部RAMへ格納させ、各フラグも初期状態に設定し、発光素子(1c)を記憶していたモードに対応して点灯させる。
S3:アクセルペダルユニット(4)内のアクセルセンサ(4a)から、I/F回路(1a)を介在してマイクロコンピュータ(1b)に入力された信号を計測する。
S4:計測した入力値を出力用のレジスタにセットする。
S5:疑似アクセル開度信号出力処理をさせると、I/F回路(1a)を介してリレーへ出力される。
S6:リレーをオンする。リレーを介してエンジンコンピュータ(3)へ疑似アクセル開度信号が出力される。
S7:アクセル開度信号計測処理と擬似アクセル開度信号出力処理の割込み用タイマーをスタートさせる。
S8:スイッチ入力を確認し、スイッチ操作に応じた処理を行う。
S9:アクセルセンサ開度信号が読み込まれているかを確認する。読み込まれていればS10へ進み、読み込まれていなければS8へ戻り電源が切れるかリセットされるまで繰り返す。
S10:エンジンブレーキ制御機能がオンされているか確認し、オンされていればS11へ進み、されていなければS12へ進む。
S11:エンジンブレーキ制御判断処理へ進み、S17にて踏込みフラグがセットされているかを確認する。セットされていればS18へ進み、セットされていなければS19へ進む。(図4のエンジンブレーキ制御判断処理のフローチャート参照)
S18:エンジンブレーキ制御用疑似アクセル開度信号値より入力値が下回っているか確認する。下回っていればS22へ進み設定値を出力用レジスタへ格納しS23にて踏込フラグをリセットして処理終了しS13へ戻り、下回っていなければS21へ進む。
S19:入力値が規定値以上踏込まれているかを確認し踏込まれていればS20にて踏込フラグをセットしS21へ、踏込まれていなければそのまま処理終了しS13へ戻る。
S12orS21:モード別出力値算出処理へ進みS27にて現在のモードを確認する。ノーマルモードであればS28へ進み、入力値をそのまま出力用レジスタへ格納したあとモード別出力演算処理を終了しS13へ戻る。増幅制御モードであればS29へ進み、入力値に対しての増幅演算を行いS31へ進む。減衰制御モードであればS30へ進み、入力値に対しての減衰演算を行いS31へ進む。(図6のモード別出力値算出処理のフローチャート参照)
S31:増幅又は減衰演算の結果を出力用レジスタに格納してモード別出力演算処理を終了しS13へ戻る。
S13:アクセルセンサ開度信号読込みフラグをクリアしS8へ戻り、以降電源が切れるかリセットがかかるまで、繰り返す。
図3は、タイマー割込み処理のフローチャートであり、タイマー割込み処理1、2について説明する。タイマー割込み処理1はアクセルセンサ(4a)から出力された、アクセルセンサ開度信号計測処理である。タイマー割込み処理2はエンジンコンピュータ(3)へエンジンブレーキ制御用疑似アクセル開度信号や増幅、減衰もしくは、入力されたそのままの値を疑似アクセル開度信号として出力するための疑似アクセルセンサ開度信号出力処理である。本実施例では、タイマー割込み処理1とタイマー割込み処理2は2msec毎に交互に割込み処理されるようにしているが、それに限ったものではない。
S14:タイマー割込み処理1が要求されるとアクセル開度信号計測処理が実行されS15へ進み計測値を入力値用レジスタへ格納し割込み処理を終了する。
S16:タイマー割込み処理2が要求されると出力用レジスタに格納されている値を出力させる疑似アクセル開度信号出力処理が実行され割込み処理を終了する。
図5は、ブレーキ検出用外部割込みのフローチャートであり、ブレーキ検出用外部割込みについて説明するが、外部割込みにしなくても、ポーリングなどの手法を用いても良い。ブレーキ信号外部割込みが発生すると、S24へ進む。
S24:踏込フラグをクリアしてS25へ進み前途で説明したモード別出力値算出処理を行い続けて疑似アクセル開度信号出力処理を行い、割込みを終了させる。尚、S9のS10へ進む命令の直前からS13の直前までの間は、外部割込み禁止とし、その間に外部割込みが発生した場合は、S11もしくはS12の処理終了直後に外部割込み処理を行うようにする。
また、入力されたアクセルセンサ開度信号値と比較するための、踏込んでいるかを判断している値を規定値と固定したが、エンジンブレーキ制御用疑似アクセル開度信号の値と同じでも良いし、別に設定モードを追加してユーザーが任意に設定できるようにしても良いことは言うまでもない。
さらにまた、エンジンブレーキ制御用疑似アクセルセンサ開度信号出力値や踏込んでいるかを判断している値の設定範囲を、0%〜100%でもよいし、5%〜15%、10〜30%のようにユーザーが使用できる範囲に規制をかけても良いし、変更単位を1%単位や5%単位、又は6%=レベル1、7%=レベル2などと言い換えて設定させるようにしても良いことは言うまでもない。
さらにまた、発光素子(1c)はLEDでもよいし、液晶や有機ELでも良いし、本体(1)と別体として操作スイッチ群(1d)などと一緒に、表示部として構成しても良いことは言うまでもない。
さらにまた、ノーマルモードは、リレーのオン/オフにてアクセル開度信号をスルーさせても良いし、常に、マイクロコンピュータ(1b)からI/F回路、リレー(1f)を介して、エンジンコンピュータ(3)へ出力するように構成したり、リレー(1f)を無くしても良いことは言うまでもない。
以上のように構成された本体(1)は、走行時にアクセルペダルの踏込みを離してもエンジンブレーキや回生ブレーキが作用せず、不用意にアクセルペダルを離したり、雑なアクセルペダルの操作をしたりしても、ギクシャク感を解消してスムーズで違和感のない走行フィーリングを得ることができ、幅広い車種に対応し、安全性と商品性を向上したエンジンブレーキの制御装置を提供することを可能としたものである。
1 電子制御スロットルのエンジンブレーキ制御装置本体
1a I/F回路
1b マイクロココンピュータ
1c 発光素子
1d 操作スイッチ群
1e EEPROM
1f リレー
2 スロットルボディ
2a スロットル開度センサ
2b モータ
3 エンジンコンピュータ
4 アクセルペダルユニット
4a アクセルセンサ

Claims (7)

  1. 車両のエンジンコンピュータに疑似アクセル信号を出力するエンジンブレーキ制御装置であって、アクセルペダルの踏込み量を検出するアクセルペダルユニット内のアクセルセンサからの信号に応じて車両のエンジンを制御するエンジンコンピュータとの間に取り付けられ、
    アクセルセンサが出力するアクセル開度信号が、アクセルペダルを踏込んだ状態から踏込んでいない状態になったことを検知したときに、アクセルペダルを踏込んだ状態のエンジンブレーキ制御用擬似アクセル開度信号をエンジンコンピュータへ出力するエンジンブレーキ制御モードと、エンジンブレーキ制御用疑似アクセル開度信号を出力する条件以外のときに、エンジンブレーキ制御をしない非制御モードを備えたことを特徴とする電子制御スロットル車両のエンジンブレーキ制御装置。
  2. アクセルペダルを踏込んだ状態から踏込んでいない状態になったことを検知したときに、エンジンコンピュータへ出力するエンジンブレーキ制御用疑似アクセル開度信号の値を、任意に設定できるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の電子制御スロットル車両のエンジンブレーキ制御装置。
  3. エンジンブレーキ制御用疑似アクセル開度信号の出力条件を、アクセルペダルを踏込んだ状態から出力しようとしているエンジンブレーキ制御用擬似アクセル開度信号の値と同じか下回った時に、エンジンコンピュータへ出力するようにしたことを特徴とする請求項1又は請求項2の何れか記載の電子制御スロットル車両のエンジンブレーキ制御装置。
  4. アクセルペダルユニット内のアクセルセンサが出力するアクセルペダルを踏込んでいない状態と、一杯に踏込んでいる状態のアクセル開度の値を学習することができる初期設定モードを備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れかに記載の電子制御スロットル車両のエンジンブレーキ制御装置。
  5. エンジンブレーキ制御用疑似アクセル開度信号がエンジンコンピュータへ出力されているとき、ブレーキ信号の入力が検出されたら、エンジンブレーキ制御モードを解除することを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れかに記載の電子制御スロットル車両のエンジンブレーキ制御装置。
  6. アクセルペダルユニット内のアクセルセンサが出力するアクセル開度信号を増幅もしくは、減衰させた疑似アクセル開度信号をエンジンコンピュータへ出力する増幅制御モードと減衰制御モード、アクセルセンサが出力するアクセル開度信号を、そのままエンジンコンピュータへ出力するノーマルモードの、いずれか一つ以上を非制御モードにしたことを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れかに記載の電子制御スロットル車両のエンジンブレーキ制御装置。
  7. ノーマルモード、増幅制御モード、減衰制御モードの切り替え操作、エンジンブレーキ制御モードのオン/オフを切り替える操作、初期設定モードの学習操作の、いずれか一つ以上可能とする操作スイッチを備えることを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れかに記載の電子制御スロットル車両のエンジンブレーキ制御装置。
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