JP2016016986A - 物品搬送設備 - Google Patents

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Abstract

【課題】搬入位置や搬出位置を入れ替える設定変更が行われた場合に、これら搬入位置や搬出位置の位置を作業者が認識し易い物品搬送設備を提供する。
【解決手段】搬入位置IPが、第1位置P1と第2位置P2とのいずれかの位置であり、搬出位置OPが、第1位置P1と第2位置P2とのいずれかの位置であり、基準位置SPが、第1位置P1と第2位置P2とのいずれかの位置であり、設定変更指令に応じて基準位置SPを第1位置P1と第2位置P2との間で入れ替える設定変更が行われた場合に、搬入位置IP及び搬出位置OPについても第1位置P1と第2位置P2との間で入れ替える設定変更を行う。
【選択図】図9

Description

本発明は、物品を保持して移動経路に沿って移動する搬送台車と、前記搬送台車との間で物品が移載される移載対象装置と、前記搬送台車の動作を制御する台車制御装置と、を備え、前記移動経路に、前記搬送台車が搬入部に搬入された物品を受け取る位置である搬入位置と、前記搬送台車が搬出部に物品を渡す位置である搬出位置と、前記搬送台車から前記移載対象装置に物品を移載する位置である搬入用移載位置と、前記移載対象装置から前記搬送台車に物品を移載する位置である搬出用移載位置と、が設定されている物品搬送設備に関する。
かかる物品搬送設備の従来例が、特開2006−056631号公報(特許文献1)に記載されている。
特許文献1の物品搬送設備には、設備に搬入された物品を搬送する搬入コンベヤが設けられた搬入用のステーション1c、及び、移載対象装置としての入庫コンベヤが設けられた入庫用のステーション1bが設置されている。そして、搬入用のステーション1cから入庫用のステーション1bに物品を搬送する場合は次のようにして物品を搬送する。つまり、まず、搬送台車としての荷捌き台車3を搬入位置(搬入用のステーション1cに対応する位置)に移動させ、荷捌き台車3が搬入位置に停止している状態で荷捌き台車3が物品を受け取る。次に、荷捌き台車3を搬入位置から搬入用移載位置(入庫用のステーション1bに対応する位置)に移動させ、荷捌き台車3が搬入用移載位置に停止している状態で荷捌き台車3から入庫コンベヤに物品を移載する。
また、特許文献1の物品搬送設備には、移載対象装置としての出庫コンベヤが設けられた出庫用のステーション1a、及び、設備から搬出される物品を搬送する搬出コンベヤが設けられた搬出用のステーション1dが設けられている。そして、出庫用のステーション1aから搬出用のステーション1dに物品を搬送する場合は次のようにして物品を搬送する。つまり、まず、荷捌き台車3を搬出用移載位置(出庫用のステーション1aに対応する位置)に移動させ、荷捌き台車3が搬出用移載位置に停止している状態で、出庫コンベヤから荷捌き台車3に物品を移載する。次に、荷捌き台車3を搬出用移載位置から搬出位置(搬出用のステーション1dに対応する位置)に移動させ、荷捌き台車3が搬出位置に停止している状態で荷捌き台車3から搬出コンベヤに物品が渡される。
特開2006−056631号公報
ところで、上述のような物品搬送設備では、搬入コンベヤの搬送方向を逆方向にして搬入用のステーションを搬出用として使用し、搬出コンベヤの搬送方向を逆方向にして搬出用のステーションを搬入用として使用することが考えられる。つまり、例えば、搬出コンベヤにて物品搬送設備から一旦搬出した物品を搬入する場合に、搬送方向を逆方向にした搬出コンベヤにて搬入するようにして、搬入する物品を搬出コンベヤから搬入コンベヤに移動させる手間を省くことが想定される。
このような場合では、コンベヤから荷捌き台車3に物品を移載する搬入位置は、搬出用のステーション1dに対応する位置となり、荷捌き台車3から搬出コンベヤに物品が渡される搬出位置は、搬入用のステーション1cに対応する位置となり、搬入位置と搬出位置とが入れ替わることになる。
上述のように、搬入位置と搬出位置とを入れ替えるように設定変更して、搬入用のステーションを搬入用及び搬出用として使用し、搬出用のステーションを搬出用及び搬入用として使用する場合、次のような問題がある。つまり、搬入位置と搬出位置とを入れ替えるように設定変更した場合、作業者は、荷捌き台車3が物品を渡すコンベヤ等の物品の動きから、搬入位置や搬出位置がどの位置に設定されているか認識することができる。しかし、搬送台車や搬入用コンベヤ及び搬出用コンベヤが停止して物品が移動していない状態では、作業者が搬入位置や搬出位置がどのように設定変更されているか認識し難い。その為、作業者は、現時点での搬入位置や搬出位置に応じた搬送作業の準備等の作業を効率よく処理することが難しかった。
そこで、搬入位置や搬出位置を入れ替える設定変更が行われた場合に、これら搬入位置や搬出位置の位置を作業者が認識し易い物品搬送設備が求められる。
本発明に係る物品搬送設備の特徴構成は、物品を保持して移動経路に沿って移動する搬送台車と、前記搬送台車との間で物品が移載される移載対象装置と、前記搬送台車の動作を制御する台車制御装置と、を備え、前記移動経路に、前記搬送台車が搬入部に搬入された物品を受け取る位置である搬入位置と、前記搬送台車が搬出部に物品を渡す位置である搬出位置と、前記搬送台車から前記移載対象装置に物品を移載する位置である搬入用移載位置と、前記移載対象装置から前記搬送台車に物品を移載する位置である搬出用移載位置と、が設定されている物品搬送設備において、
前記台車制御装置が、搬入移動制御と、搬出移動制御と、基準移動制御と、を実行するように構成され、前記搬入移動制御は、前記搬入位置から前記搬入用移載位置まで前記搬送台車を移動させる制御であり、前記搬出移動制御は、前記搬出用移載位置から前記搬出位置まで前記搬送台車を移動させる制御であり、前記基準移動制御は、前記搬入移動制御及び前記搬出移動制御が完了するに伴って、前記搬送台車を基準位置に移動させる制御であり、前記搬入位置が、前記移動経路に設定した第1位置と前記移動経路の前記第1位置とは異なる位置に設定した第2位置とのいずれかの位置であり、前記搬出位置が、前記第1位置と前記第2位置とのいずれかの位置であり、前記基準位置が、前記第1位置と前記第2位置とのいずれかの位置であり、設定変更指令に応じて前記基準位置を前記第1位置と前記第2位置との間で入れ替える設定変更を行う基準位置選択部と、前記基準位置選択部により前記基準位置を前記第1位置と前記第2位置との間で入れ替える設定変更が行われた場合に、前記搬入位置及び前記搬出位置についても前記第1位置と前記第2位置との間で入れ替える設定変更を行う入替制御部と、を更に備えている点にある。
この特徴構成によれば、台車制御装置は、搬入移動制御により搬入位置から搬入用移載位置まで搬送台車が移動した後、基準移動制御により搬入用移載位置から基準位置まで搬送台車が移動する。また、台車制御装置は、搬出移動制御により搬出用移載位置から搬出位置まで搬送台車の移動が完了した後、基準移動制御により搬入用移載位置から基準位置まで搬送台車が移動する。ちなみに、搬入用移載位置が基準位置と同じ位置に設定されている場合は、搬入移動制御が完了した後の基準移動制御は実行されない。また、搬出位置が基準位置と同じ位置に設定されている場合は、搬出移動制御が完了した後の基準移動制御は実行されない。このように、搬入移動制御や搬出移動制御を実行した後は、搬送台車は基準位置に移動する。
そして、基準位置選択部により基準位置を第1位置と第2位置との間で入れ替える設定変更が行われた場合に、入替制御部により搬入位置及び搬出位置についても第1位置と第2位置との間で入れ替える設定変更が行われる。
具体例を挙げると、例えば、第1位置に基準位置及び搬入位置が設定され、第2位置に搬出位置が設定されている状態で、基準位置選択部により、基準位置を第1位置と第2位置との間で入れ替える設定変更が行われると、基準位置が第1位置から第2位置に設定変更され、これに伴って、入替制御部により、搬入位置は第1位置から第2位置に設定変更され、搬出位置は第2位置から第1位置に設定変更される。
そして、もう一度、基準位置選択部により、基準位置を第1位置と第2位置との間で入れ替える設定変更が行われると、基準位置が第2位置から第1位置に設定変更され、これに伴って、入替制御部により、搬入位置は第2位置から第1位置に設定変更され、搬出位置は第1位置から第2位置に設定変更される。
このように、基準位置を第1位置と第2位置との間で入れ替える設定変更を行うと、搬入位置や搬出位置も第1位置と第2位置との間で切り替わる。つまり、基準位置と搬入位置との位置関係及び基準位置と搬出位置との位置関係が維持された状態で、基準位置と搬入位置と搬出位置との夫々が第1位置と第2位置との間で切り替わる。そして、搬入用移動制御及び搬出用移動制御が完了するに伴って基準移動制御が実行されることで、物品を搬入及び搬出するべく移動した搬送台車は基準位置に戻る。そのため、例えば、搬送台車が第1位置に停止している場合は、作業者は、この時点において、第1位置が基準位置として設定されており、これに関連する搬入位置及び搬出位置が第1位置の第2位置の何れに設定されているかを認識することができる。
具体的には、上述のように、第1位置及び第2位置のうち、基準位置と搬入位置との双方が同じ位置に設定され、搬出位置が基準位置及び搬入位置と異なる位置に設定されている場合は、基準位置に停止している搬送台車の位置を認識することで、第1位置及び第2位置のうち、搬送台車が停止している位置が搬入位置であり、異なる位置が搬出位置であると認識できる。
このように、搬入位置や搬出位置を入れ替える設定変更が行われた場合に、これら搬入位置や搬出位置の位置を作業者が認識し易くなる。
ここで、作業者が手動操作する搬入指令操作部及び搬出指令操作部を備えた動作指令装置を更に備え、前記動作指令装置が、作業者による前記搬入指令操作部の操作に応じて前記台車制御装置に搬入指令を出力し、作業者による前記搬出指令操作部の操作に応じて前記台車制御装置に搬出指令を出力するように構成され、前記台車制御装置は、前記動作指令装置からの前記搬入指令に応じてその時点で設定されている前記搬入位置に基づいて前記搬入移動制御を実行し、前記動作指令装置からの前記搬出指令に応じてその時点で設定されている前記搬出位置に基づいて前記搬出移動制御を実行すると好適である。
この構成によれば、例えば、搬入位置が、第1位置に設定されている場合は、作業者による搬入指令操作部の操作により、搬送台車が第1位置から搬入用移載位置まで移動する。また、搬入位置が、第2位置に設定されている場合は、作業者による搬入指令操作部の操作により、搬送台車が第2位置から搬入用移載位置まで移動する。このように、搬入位置が、第1位置及び第2位置のどちらに設定されている場合でも、動作指令装置の搬入指令操作部を操作するという同じ操作で、搬入位置から搬入用移載位置に搬送台車を移動させることができる。
また、同様に、搬出位置が、第1位置及び第2位置のどちらに設定されている場合でも、動作指令装置の搬出指令操作部を操作するという同じ操作で、搬出用移載位置から搬出位置に搬送台車を移動させることができる。
このように、搬入位置や搬出位置を第1位置と第2位置との間で切り換える設定変更を行った場合でも、同じ操作により搬送台車に同じ機能(搬入のための移動や搬出のための移動等の機能)を実現させることができる。
また、前記移動経路が複数設けられていると共に、前記複数の移動経路の夫々に前記搬送台車が設けられ、前記動作指令装置が、前記搬入指令及び前記搬出指令の対象となる対象搬送台車を複数の前記搬送台車の中から選択する選択操作部を備えていると好適である。
この構成によれば、選択操作部の操作にて、複数の搬送台車の中から対象搬送台車を選択し、搬入指令操作部の操作による搬入指令や搬出指令操作部の操作による搬出指令により対象搬送台車を移動させることができる。つまり、1つの動作指令装置にて、複数の搬送台車を選択的に移動させることができる。そのため、複数の搬送台車の移動をコントロールするために複数の動作指令装置を用意しておいて、対象搬送台車を変更するときに動作指令装置を持ち替えるという煩わしさがなくなる。
また、前記台車制御装置は、前記搬送台車が前記基準位置にある状態で、前記基準位置選択部により前記基準位置の設定変更が行われた場合には、変更後の新たな前記基準位置に前記搬送台車を移動させる入替移動制御を実行すると好適である。
この構成によれば、基準位置選択部により基準位置の設定変更が行われると、搬送台車は変更後の新たな基準位置に移動する。このように、基準位置の設定変更が行われるに伴って搬送台車は自動的に新たな基準位置に移動するため、作業者は、搬送台車の基準位置を知るために別途搬送台車を基準位置に移動させる操作等を行う必要がなく、基準位置を容易に認識することができる。
また、前記移載対象装置は、複数の物品を保管できる保管庫であり、前記保管庫は、前記移動経路に沿って複数の物品を並べて保管するように構成されていると共に、前記移動経路に沿う方向に並ぶ複数の物品のうちの両端部に配置された物品のみが移載できるように構成されていると好適である。
この構成によれば、例えば、移動経路をループ状に形成することで、移動経路を時計回りに移動して複数の物品の端部に移載し、移動経路を反時計回りに移動して複数の物品の反対側の端部に移載するようにして、移動経路に沿う方向に並ぶ複数の物品のうちの両端部に配置された物品を移載することができる。
また、例えば、移動経路を有端形状に形成して、移動経路の一方の端部に第1位置を設定し、移動経路の他方の端部に第2位置を設定した場合に、搬入位置や搬出位置を第1位置と第2位置との間で入れ替える設定変更を行うことで、保管されている複数の物品のうちの両端部の何れに対しても物品を移載することができる。
つまり、保管庫を、複数の物品を移動経路に沿って並べて保管する簡素な構成としながら、移動経路に沿う方向に並ぶ複数の物品のうちの両端部に配置された両方の物品を移載することができる。
また、前記保管庫は、前記移動経路に沿う物品支持部材を、前記移動経路の横幅方向に間隔を空けた状態で一対備えると共に、前記一対の物品支持部材の上面によって形成された物品支持面に物品を載置支持する状態で物品を保管するように構成され、前記搬送台車が、前記物品支持面より下方において前記一対の物品支持部材の間を前記移動経路に沿って走行する台車本体部と、当該台車本体部に昇降自在に支持されて搬送対象の物品を載置支持する物品載置部と、を備え、前記物品載置部が、前記物品支持面より上方に突出して物品を載置支持する上昇位置と、前記物品支持面より下方に引退する下降位置と、に昇降すると好適である。
この構成によれば、搬送台車は、物品載置部を下降位置に下降させることで、保管庫に保管されている物品の下方を移動経路に沿って移動させることができる。そして、移動経路に沿って並ぶ複数の物品のうちの両端部に配置された物品の直下に搬送台車を停止させて、物品載置部を下降位置から上昇位置に上昇させることで、物品載置部にて物品を掬い取るようにして保管庫から搬送台車に物品が移載され、物品載置部を上昇位置から下降位置に下降させることで、搬送台車から保管庫に物品が渡される。ちなみに、このとき搬送台車が停止している位置が、搬入用移載位置や搬出用移載位置となる。
このように構成された搬送台車は、移動経路に沿って複数の物品が並ぶように保管庫に物品を渡し、移動経路に沿う方向に並ぶ複数の物品のうちの両端部に配置された物品のみを掬い取ることができる。そして、物品は移動経路の上方に保管庫が形成されるため、保管庫を移動経路の横側方に形成する場合に比べて、狭い床面積で物品搬送設備を設置できる。
また、前記移動経路が、有端形状に形成され、前記第1位置は、前記移動経路の一方の端部であり、前記第2位置は、前記経路の他方の端部であると好適である。
この構成によれば、移動経路を有端形状に形成することで、狭い床面積で移動経路を形成することができる。
そして、保管庫を、移動経路に沿って複数の物品を並べて保管し且つその複数の物品のうちの両端部に配置された物品のみが移載できるように構成した場合でも、搬入位置や搬入位置を第1位置と第2位置との間で入れ替える設定変更を行うことで、保管されている複数の物品のうちの両端部の何れについても物品を移載することができる。
物品搬送設備の概要を示す図 物品収納棚上の搬送台車を示す斜視図 物品収納棚に載置された物品と、搬送台車との関係を示す断面図 物品収納棚と、搬送台車に載置された物品との関係を示す断面図 搬送台車の機能構成を模式的に示すブロック図 リモートコントローラの正面図 物品収納棚へ物品の入庫するときの搬送台車の動作の一例を示す説明図 物品収納棚から物品の出庫するときの搬送台車の動作の一例を示す説明図 基準位置の設定変更が行われたときの搬送台車の動作の一例を示す説明図 物品収納棚へ物品の入庫するときの搬送台車の動作の一例を示す説明図 物品収納棚から物品の出庫するときの搬送台車の動作の一例を示す説明図 別実施形態の物品搬送設備において基準位置が第1位置に設定されている状態を示す図 別実施形態の物品搬送設備において基準位置が第2位置に設定されている状態を示す図
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、本実施形態では、物品を搬入及び搬出する対象が保管庫であるため、本発明の搬入及び搬出について入庫及び出庫と称して説明する。
図1に示すように、本実施形態の物品搬送設備100は、物品W(図3等参照)を収納する物品収納棚1と、物品収納棚1において物品Wを搬送する搬送台車3とを備えて構成されている。本実施形態において、物品Wは、単体のパレット及び荷物が積載されたパレットである。物品収納棚1に対しては、作業者によって運転操作されるフォークリフト20などの荷役運搬車両によって、物品Wの積み下ろしが行われる。
具体的には、物品Wの入庫の際には、フォークリフト20によって物品収納棚1の端部に載置される。搬送台車3は、物品収納棚1に載置された物品Wを積載して物品収納棚1上を走行し、物品収納棚1に奥詰めで収納する。物品Wの出庫の際には、物品収納棚1の最も手前側に収納されている物品Wを搬送台車3が積載して物品収納棚1の端部まで走行し、物品収納棚1の端部に物品Wを載置する。物品収納棚1の端部に載置された物品Wは、フォークリフト20によって物品収納棚1から取り出される。
一般的にフォークリフト20の運転席から物品収納棚1に配置された搬送台車3までの距離は運転席にいる作業者の手が届くほど近い距離ではない。従って、作業者が搬送台車3に設けられた操作パネルなどを直接操作して、搬送台車3に入出庫等の搬送動作(移動動作)を行わせることは容易ではない。このため、作業者は、搬送台車3を遠隔操作することが可能なリモートコントローラ7(図6参照)を所持している。或いは、リモートコントローラ7は、フォークリフト20に設置されていてもよい。搬送台車3を遠隔操作するリモートコントローラ7は、物品収納棚1及び搬送台車3と共に、物品搬送設備100を構成するということができる。
一般的に、物品搬送設備100を構成する物品倉庫10には、複数の物品収納棚1が設けられている。つまり、物品収納棚1が鉛直方向Vにおいて複数段形成されると共に、水平方向(第2水平方向H2)において複数列形成されて、物品倉庫10が構成される。図1では、簡略化のため、物品収納棚1が鉛直方向Vにおいて2段、及び水平方向(第2水平方向H2)において2列形成されて、合計4つの物品収納棚1によって物品倉庫10が構成されている形態を例示している。当然ながら、鉛直方向V及び水平方向(第2水平方向H2)の何れか一方のみにおいて、物品収納棚1が複数形成されて物品倉庫10が構成されていてもよい。また、単一の物品収納棚1によって物品倉庫10が構成されることを妨げるものではない。
図1に示すように、物品倉庫10は、鉛直方向Vに立設された支柱11と、支柱11によって支持されて水平方向(第1水平方向H1)に延在するビーム材13(水平材)とを有している。支柱11は、第1水平方向H1に直交する第2水平方向H2において、物品W(ここではパレット)の幅よりも少し広い間隔で立設されており、一対の支柱11の間に物品収納棚1が形成される。支柱11は、一対の支柱11が互いに平行して並ぶように、第1水平方向H1にも立設されている。ビーム材13は、第1水平方向H1に並ぶ支柱11によって支持されている。ビーム材13は、一対の支柱11に対してそれぞれ対向するように取り付けられており、一対のビーム材13は、パレット受け(物品受け)として機能する。具体的には、第1水平方向H1に延在する一対のビーム材13の上面には物品支持面13hが形成され、物品支持面13hによって、第2水平方向H2における物品Wの両端が支持される。尚、一対のビーム材13を鉛直方向Vに所定の間隔(高さ間隔)で支柱11に取り付けることによって鉛直方向Vにおいて複数段の物品収納棚1が形成される。
このように、物品収納棚1は、移動経路Cの長手方向(第1水平方向H1)に沿うビーム材13を、移動経路Cの横幅方向(第2水平方向H2)に間隔を空けた状態で一対備えるとともに、一対のビーム材13の上面によって形成された物品支持面13hに物品Wを載置支持する状態で物品Wを保管するように構成されている。そして、物品収納棚1は、移動経路Cに沿って複数の物品Wを並べて保管するように構成されているとともに、移動経路Cに沿う方向(第1水平方向H1)に並ぶ物品Wのうちの両端部に配置された物品Wのみが搬送台車3にて移載できるように構成されている。尚、物品収納棚1が、複数の物品Wを保管できる保管庫(移載対象装置)に相当し、ビーム材13が、物品支持部材に相当する。
図1及び図2に示すように、搬送台車3は、ビーム材13の物品支持面13hよりも鉛直方向Vにおける下方で一対のビーム材13に支持される。具体的には、ビーム材13の物品支持面13hよりも下方には、一対のビーム材13がそれぞれ対向する方向に突出するように台車支持面13vが形成されている。本実施形態では、ビーム材13の断面形状は鉤型(Z型)であり、物品支持面13h及び台車支持面13vは、ほぼ平行しており、物品支持面13hと台車支持面13vとをつなぐように鉛直方向Vに沿って形成された側壁13gは、物品支持面13h及び台車支持面13vとほぼ直角である。搬送台車3は、この台車支持面13vによって支持される。
物品倉庫10に物品収納棚1が複数段形成され且つ複数列形成されることで、物品倉庫10には、移動経路Cが複数備えられている。そして、複数の物品収納棚1の夫々に対する移動経路Cに、フォークリフト20によって搬送台車3が載置されることで、複数の移動経路Cの夫々に搬送台車3が備えられる状態となる。
図3及び図4に示すように、搬送台車3は、4つの走行輪3dと4つのガイド輪3gとを備えている。4つの走行輪3dが台車支持面13vに接触し、搬送台車3が台車支持面13vによって支持される。また、ガイド輪3gは、側壁13gに接触し、搬送台車3がビーム材13に沿って走行する際に搬送台車3を案内する。
走行輪3dの内の少なくとも2つは、搬送台車3に内蔵される走行モータ46(図5参照)に駆動連結されており、搬送台車3は、走行モータ46の動力によって一対のビーム材13が延在する第1水平方向H1に沿って走行する。搬送台車3には、走行モータ46を駆動するための電力を供給する電源として、バッテリ37が搭載されている。バッテリ37は、例えば、ニッケル水素電池やリチウムイオン電池などの二次電池である。
図3及び図4に示すように、搬送台車3は、走行輪3d及びガイド輪3gを備えて物品支持面13hより下方において一対のビーム材13の間を移動経路Cに沿って走行する台車本体部31と、当該台車本体部31に昇降自在に支持されて搬送対象の物品Wを載置支持する物品載置部33とを備えて構成されている。物品載置部33は、物品支持面13hより上方に突出して物品支持面13hより上方で物品Wを載置支持する上昇位置(図4参照)と、物品支持面13hよりも下方に位置する下降位置(図3参照)と、に昇降する。つまり、物品載置部33は、上昇位置と下降位置との間で昇降可能である。
図4に示すように、物品載置部33を上昇位置に上昇させて物品Wを支持すると、搬送台車3及び物品Wの全ての荷重は、走行輪3dを介して台車支持面13vに掛かる(一部はガイド輪3gを介して側壁13gにも掛かる。)。物品支持面13hには当該物品Wの荷重は掛からなくなる。搬送台車3は、物品Wを支持した状態(実荷状態)で走行するときは、このように物品載置部33を上昇位置に上昇させた状態で移動経路Cに沿って移動する。
そして、搬送台車3は、所定の走行位置まで走行した後、物品載置部33を下降位置に向けて下降させる。物品Wの荷重は物品載置部33には掛からなくなっていき、図3に示すように、物品Wの全ての荷重が物品支持面13hに移った時点で一対のビーム材13への載置が完了する。搬送台車3は、物品Wを支持しない状態(空荷状態)で走行するときは、物品載置部33を下降位置に下降させた状態で移動経路Cに沿って移動する。
搬送台車3が走行する有端形状に形成された移動経路Cは、一対のビーム材13の間に第1水平方向H1に沿って形成される。図7等に示すように、移動経路Cの一方の端部に第1位置P1が設定され、移動経路Cの他方の端部に第2位置P2が設定される。このように第2位置P2は、第1位置P1とは異なる位置に設定される。
また、移動経路Cには、搬送台車3が入庫部(搬入部)に入庫された物品Wを受け取る位置である入庫位置IPと、搬送台車3が出庫部(搬出部)に物品Wを受け渡す位置である出庫位置OPと、が設定されている。入庫位置IPは、第1位置P1と第2位置P2のいずれかの位置であり、出庫位置OPは、第1位置P1と第2位置P2のいずれかの位置である。図7及び図8に示すように、物品収納棚1における第1位置P1が設定されている端部(図上の左側端部)を入庫部及び出庫部とした場合は、入庫位置IP及び出庫位置OPは第1位置P1であり、図10及び図11に示すように、物品収納棚1における第2位置P2が設定されている端部(図上の右側端部)を入庫部及び出庫部とした場合は、入庫位置IP及び出庫位置OPの何れもが第2位置P2である。また、移動経路Cには、基準位置SPが設定されており、この基準位置SPは、第1位置P1と第2位置P2のいずれかの位置である。本実施形態では、基準位置SPは、入庫位置IP及び出庫位置OPと同じ位置に設定される。
そして、移動経路Cには、搬送台車3が物品収納棚1との間で物品Wを授受する位置である移載位置TPが設定されている。この移載位置TPとして、図7や図10に示す、搬送台車3がビーム材13上に物品Wを降ろして物品収納棚1に物品Wを渡す位置である入庫用移載位置と、図8や図11に示す、搬送台車3がビーム材13上の物品Wを掬って物品収納棚1から搬送台車3に物品Wを渡す位置である出庫用移載位置と、が設定されている。
図5に示すように、搬送台車3には、物品載置部33を昇降させるために、モータやソレノイドなどのアクチュエータ(リフトアクチュエータ48)も備えられている。このリフトアクチュエータ48も、バッテリ37から電力を供給されて動作する。
また、搬送台車3には、主電源スイッチ40が設けられているが、主電源スイッチ40が投入されただけでは、主制御部43には電源が供給されておらず、搬送台車3はスリープ状態である。ここで、搬送台車3に設けられた不図示の操作パネルに設けられた不図示の電源スイッチが投入される、或いはリモートコントローラ7を介して起動指示が与えられると、リレーや半導体電力スイッチ等により構成されたサブ電源スイッチ42が接続され、主制御部43にバッテリ37から電力が供給される。尚、図5では同じバッテリ37から通信制御部41と主制御部43とに電力が供給される形態を示しているが、異なるバッテリから電力が供給される形態であってもよい。
また、搬送台車3には、移動経路Cの端からの距離を検出するための端部距離センサ44a(センサ群44の1つ)や、搬送台車3の上方や走行方向の前方に物品Wが存在するか否かを検出する物品検出センサ44b(センサ群44の1つ)、搬送台車3の走行距離を測定する走行距離センサ44c(センサ群44の1つ)等も備えられている。端部距離センサ44aとしては、移動経路Cにおける第1位置P1側の端に設けられた検出板14までの距離を検出するレーザー距離計にて構成された端部距離センサ44aと、移動経路Cにおける第2位置P2側の端に設けられた検出板14までの距離を検出するための端部距離センサ44aと、が設けられている。
搬送台車3は、通信制御部41と、主制御部43とを備えて構成されている。通信制御部41は、後述するように、主としてリモートコントローラ7との通信を制御する機能部である。通信制御部41は、マイクロコンピュータ等のプロセッサ、通信回路、メモリ等の周辺回路等を備えて構成されており、これらハードウェアと、プロセッサなどのハードウェア上で実行されるプログラムとの協働によってその機能が実現される。主制御部43も、マイクロコンピュータ等のプロセッサ、メモリ等の周辺回路等を備えて構成されている。主制御部43も、これらのハードウェアと、プロセッサなどのハードウェア上で実行されるプログラムとの協働によってその機能が実現される。主制御部43は、上述したような種々のセンサ(センサ群44)による検出結果を取得して、モータドライバ45やアクチュエータドライバ47を介して、走行モータ46やリフトアクチュエータ48を駆動制御する。また、主制御部43は、ブザー49などの鳴動装置を鳴動させることもできる。通信制御部41は、リモートコントローラ7からの動作指令を受信すると、受信した動作指令を主制御部43に伝達し、主制御部43は、当該動作指令に基づいて搬送台車3を制御するように構成されており、通信制御部41と主制御部43とで、搬送台車3の作動を制御する台車制御装置50が構成されている。
本実施形態では、搬送台車3は、リモートコントローラ7を用いて遠隔操作される。図7は、そのようなリモートコントローラ7の一例である。本実施形態では、リモートコントローラ7は、搬送台車3(台車制御装置50)に対して動作指令を出力する短縮キー(71,72)と、搬送台車3が複数台存在する場合に制御対象の搬送台車3を指定する号機選択キー77と、機能を選択して搬送台車3に指示するための機能選択キー78と、リモートコントローラ7を起動させるための電源キー79と、リモートコントローラ7による操作内容等を表示するディスプレイ70と、を備えて構成されている。本実施形態では、短縮キー(71,72)として、入庫指示キー71や出庫指示キー72等を備えている。
入庫指示キー71は、物品Wを入庫させるための入庫指令(搬入指令)を台車制御装置50に向けて出力するために用いられる。出庫指示キー72は、物品Wを出庫させるための出庫指令(搬出指令)を台車制御装置50に向けて出力するために用いられる。号機選択キー77は、物品倉庫10に備えられている複数の搬送台車3の中から遠隔操作する対象となる対象搬送台車を複数の搬送台車3の中から選択するために用いられる。機能選択キー78は、移動経路Cの端部に停止している搬送台車3を移動経路Cの反対側の端部に移動させる端部移動指令を台車制御装置50に向けて出力するために用いられる。電源キー79は、リモートコントローラ7を起動させるために用いられ、リモートコントローラ7が起動している間は電源インジケータ79iが例えば緑色に点灯する。
リモートコントローラ7は、作業者による入庫指示キー71の操作に応じて台車制御装置50に入庫指令を出力し、作業者による出庫指示キー72の操作に応じて台車制御装置50に出庫指令を出力するように構成されている。尚、入庫指示キー71及び出庫指示キー72が、作業者が手動操作する搬入指令操作部及び搬出指令操作部に相当し、リモートコントローラ7が、動作指令装置に相当する。
号機選択キー77が押されると、物品倉庫10に備えられている複数の搬送台車3の中から遠隔操作する対象となる対象搬送台車が複数の搬送台車3の中から選択される。例えば、作業者が1号機の搬送台車3を用いて作業を行いたい場合、利用者はリモートコントローラ7の号機選択キー77の“1”(1号機に対応している号機選択キー77)を押す。リモートコントローラ7から各搬送台車3に接続リクエスト(要求信号)が送信される。応答信号を受け取った1号機の搬送台車3の通信制御部41は、搬送台車3が使用可能な状態(例えば他のリモートコントローラ7からの動作指令による動作を行っていない状態など)であれば接続応答信号がリモートコントローラ7に送信される。この接続応答信号を受け取ったリモートコントローラ7は、号機選択キー77の“1”の号機選択インジケータ77iを緑色に点灯させる。このように号機選択キー77の“1”の号機選択インジケータ77iを緑色に点灯している状態では、リモートコントローラ7にて、1号機の搬送台車3を遠隔操作できる状態となる。尚、号機選択キー77が、入庫指令及び出庫指令の対象となる対象搬送台車を複数の搬送台車3の中から選択する選択操作部に相当する。
作業者がリモートコントローラ7の入庫指示キー71を押し操作したときの搬送台車3の動作について説明する。
図7に示すように、物品収納棚1には既に1つの物品W(W1)が収納されている。基準位置SPは第1位置P1に設定されており、搬送台車3は、基準位置SP(第1位置P1)で停止している〔#1〕。作業者は、物品収納棚1に入庫する物品W(W2)をフォークリフト20を用いてビーム材13の入庫部(物品収納棚1における入庫位置IPが設定されている側の端部)に載置する〔#1〜#2〕。
このような状況において、作業者がリモートコントローラ7の入庫指示キー71を押し操作すると、リモートコントローラ7から搬送台車3に入庫指令が出力され、その入庫指令は台車本体部31の通信制御部41にて受信されて主制御部43に伝達され、主制御部43は入庫処理を実行する。入庫処理では、搬送台車3は次のように動作する。
つまり、搬送台車3は物品検出センサ44bにより物品Wが基準位置SPに載置されていることを確認した後、物品載置部33を上昇位置に上昇させて、物品W(W2)を物品載置部33にて支持する〔#3〕。そして、搬送台車3は、実荷状態で基準位置SPから前進走行する。搬送台車3は、物品検出センサ44bにて既に収納済みの物品W(W1)を検出すると減速し、既に入庫済みの物品W(W1)と入庫対象の物品W(W2)との間に所定の隙間(物品間距離)を設ける状態で停止する〔#3〜#4〕。ちなみに、このとき搬送台車3が停止する位置が移載位置TP(入庫用移載位置)になる。
次に、搬送台車3は、物品載置部33を下降位置に下降させ〔#4〜#5〕、入庫対象の物品W(W2)を、ビーム材13の物品支持面13hに支持させて物品収納棚1に物品Wを渡す。搬送台車3は、空荷状態で基準位置SP側に向けて後進走行し、端部距離センサ44aにて検出される距離情報に基づいて基準位置SPで停止する〔#5〜#6〕。
作業者がリモートコントローラ7の入庫指示キー71を押し操作したときの搬送台車3の動作について説明する。
図8に示すように、物品収納棚1には既に2つの物品W(W1、W2)が収納されている。基準位置SPは第1位置P1に設定されており、搬送台車3は、基準位置SP(第1位置P1)で停止している〔#7〕。
このような状況において、作業者がリモートコントローラ7の出庫指示キー72を押し操作すると、リモートコントローラ7から搬送台車3に出庫指令が出力され、その出庫指令は台車本体部31の通信制御部41にて受信されて主制御部43に伝達され、主制御部43は出庫処理を実行する。出庫処理では、搬送台車3は次のように動作する。
つまり、搬送台車3は、空荷状態で基準位置SPから前進走行する。そして、搬送台車3は、物品検出センサ44bにて既に収納済みの物品W(W2)を検出すると減速し、既に収納済みの物品W(W2)の直下に位置する状態で停止する〔#7〜#8〕。ちなみに、このとき搬送台車3が停止する位置が移載位置TP(出庫用移載位置)になる。
そして、物品載置部33を上昇位置に上昇させて、物品W(W2)を物品収納棚1から物品載置部33に物品Wを移載する〔#9〕。搬送台車3は、実荷状態で基準位置SP側に向けて後進走行し、端部距離センサ44aにて検出される距離情報に基づいて基準位置SPで停止し、その後、物品載置部33を下降位置に下降させて、物品W(W2)を出庫部(物品収納棚1における入庫位置IPが設定されている側の端部)に移載する〔#10〜#11〕。
このように、入庫処理では、実荷状態の搬送台車3を基準位置SPから移載位置TP(入庫用移載位置)まで移動させる制御である入庫移動制御や、入庫移動制御が完了するに伴って空荷状態の搬送台車3を移載位置TP(入庫用移載位置)から基準位置SPまで移動させる制御である基準移動制御が実行される。また、出庫処理では、空荷状態の搬送台車3を基準位置SPから移載位置TP(入庫用移載位置)まで移動させる制御や、実荷状態の搬送台車3を移載位置TP(出庫用移載位置)から基準位置SPまで移動させる制御である搬出移動制御が実行される。このように、台車制御装置50は、入庫移動制御と、出庫移動制御と、基準移動制御と、を実行するように構成されている。
作業者がリモートコントローラ7の機能選択キー78にて端部移動操作を行ったときの搬送台車3の動作について説明する。
図9に示すように、基準位置SPは第1位置P1に設定されており、搬送台車3は、基準位置SP(第1位置P1)で停止している〔#13〕。
このような状況において、作業者がリモートコントローラ7の複数の機能選択キー78にて端部移動操作をすると、リモートコントローラ7から搬送台車3に端部移動指令が出力され、その端部移動指令は台車本体部31の通信制御部41にて受信されて主制御部43に伝達され、主制御部43は端部移動処理を実行する。設定変更処理では、搬送台車3は次のように動作する。
搬送台車3の台車制御装置50は、入庫処理や出庫処理における走行方向を前後逆転させる設定変更する走行方向変更処理を実行する。つまり、例えば、第1位置P1を基準位置SPに設定していた場合は、入庫移動制御では搬送台車3を前進走行させ、基準移動制御では搬送台車3を後進走行させたが、第2位置P2を基準位置SPに設定変更した場合は、入庫移動制御では搬送台車3を後進走行させ、基準移動制御では搬送台車3を前進走行させる設定変更を行う。
そして、図9に示すように、搬送台車3は、第1位置P1から前進走行し、端部距離センサ44aにて検出される距離情報に基づいて、第2位置P2で停止する〔#14〕。
このように走行方向変更処理が実行されることにより、基準移動制御における移載位置TP(出庫用移載位置)から走行する方向が逆方向となる。つまり、移載位置TPから後進走行により移動して移動経路Cの端部に停止する位置は第1位置P1となるが、移載位置TPから前進走行により移動して移動経路Cの端部に停止する位置は第2位置P2となる。基準移動制御により移動する移動先が基準位置SPと考えると、走行方向変更処理は、基準位置SPを第1位置P1と第2位置P2との間で入れ替える設定変更を行う処理と言える。そして、台車制御装置50は、端部移動指令を設定変更指令として、当該設定変更指令に応じて基準位置SPを第1位置P1と第2位置P2との間で入れ替える設定変更を行う基準位置選択部を構成していると言える。
また、走行方向変更処理が実行されることにより、入庫移動制御や出庫移動制御における搬送台車3が走行する方向も逆方向となる。これにより、入庫移動制御や出庫移動制御における入庫位置IPや出庫位置OPも第1位置P1と第2位置P2との間で入れ替わる。つまり、走行方向変更処理を実行する台車制御装置50は、基準位置選択部により基準位置SPを第1位置P1と第2位置P2との間で入れ替える設定変更が行われた場合に、入庫位置IP及び出庫位置OPについても第1位置P1と第2位置P2との間で入れ替える設定変更を行う入替制御部を構成していると言える。
また、走行方向変更処理を実行した後において実行する、搬送台車3を移動経路Cの端部(例えば第1位置P1)から反対側の端部(例えば第2位置P2)に移動させる処理が、搬送台車3が基準位置SPにある状態で、基準位置選択部により基準位置SPの設定変更が行われた場合には、変更後の新たな基準位置SPに搬送台車3を移動させる入替移動制御に相当していると言える。
上述の如く走行方向変更処理を実行した後において、作業者がリモートコントローラ7の入庫指示キー71を押し操作したときの搬送台車3の動作について説明する。
図10に示すように、物品収納棚1には物品W(W1)が収納されていない。基準位置SPは第2位置P2に設定されており、搬送台車3は、基準位置SP(第2位置P2)で停止している〔#10〕。このような状況における入庫処理では、搬送台車3は次のように動作する。尚、主に、図8に示す入庫処理のときの搬送台車3の動作と異なる点について説明する。
つまり、搬送台車3は、入庫部の物品Wを支持し、実荷状態で基準位置SPから後進走行する。端部距離センサ44aにて検出される距離情報に基づいて第1位置P1で停止する。ちなみに、このとき搬送台車3が停止する位置が移載位置TP(入庫用移載位置)になる。そして、搬送台車3は、物品Wを物品収納棚1に渡した後、空荷状態で基準位置SP側に向けて前進走行し、端部距離センサ44aにて検出される距離情報に基づいて基準位置SPで停止する。
次に、上述の如く走行方向変更処理を実行した後において、作業者がリモートコントローラ7の出庫指示キー72を押し操作したときの搬送台車3の動作について説明する。
図11に示すように、物品収納棚1には既に1つの物品W(W1)が収納されている。基準位置SPは第2位置P2に設定されており、搬送台車3は、基準位置SP(第2位置P2)で停止している。このような状況における入庫処理では、搬送台車3は次のように動作する。尚、主に、図9に示す出庫処理のときの搬送台車3の動作と異なる点について説明する。
つまり、搬送台車3は、空荷状態で基準位置SPから後進走行する。搬送台車3は、物品検出センサ44bにて既に収納済みの物品W(W1)を検出すると減速し、既に収納済みの物品W(W1)の直下に位置する状態で停止する。ちなみに、このとき搬送台車3が停止する位置が移載位置TP(出庫用移載位置)になる。そして、搬送台車3は、物品収納棚1から物品載置部33に物品Wを移載した後、実荷状態で基準位置SP側に向けて前進走行し、端部距離センサ44aにて検出される距離情報に基づいて基準位置SPで停止する。
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態では、移動経路Cを一直線状の有端形状としたが、移動経路Cを、曲線形状の有端形状に形成してもよく、図12及び図13に示すように、移動経路Cをループ状の無端形状に形成してもよく、この場合、移動経路Cの途中に第1位置P1や第2位置P2が設定される。
また、上記実施形態では、移動経路Cの一方の端部に第1位置P1を設定し、移動経路Cの他方の端部に第2位置P2に設定したが、第1位置P1及び第2位置P2のうちの一方又は両方を、移動経路Cの中央部に設定してもよい。
(2)上記実施形態では、搬入位置IPと搬出位置OPとの両方を基準位置SPと同じ位置に設定したが、搬入位置IPと搬出位置OPとのうちの一方又は両方を基準位置SPと異なる位置に設定してもよい。ちなみに、図12及び図13に示す実施形態では、搬入位置IPを基準位置SPと同じ位置に設定し、搬出位置OPを基準位置SPと異なる位置に設定している。
(3)上記実施形態では、物品収納棚1を移載対象装置としたが、図12及び図13に示すように、自動倉庫85に入庫する入庫コンベヤ83や自動倉庫85に出庫する出庫コンベヤ84のコンベヤを移載対象装置とする等、移載対象装置は適宜変更してもよい。また、搬入部や搬出部における物品Wの授受について、第1コンベヤ81や第2コンベヤ82等の外部装置と搬送台車3との間で物品Wを直接に授受するようにしてもよい。
また、図12及び図13に示すように移動経路Cを無端形状に形成した場合でも、移動経路Cの上方に物品Wを保管するように構成して、移動経路Cに沿う方向に並ぶ複数の物品Wのうちの両端部に配置された物品Wのみが移載できるように構成してもよい。
(4)上記実施形態では、物品載置部33を昇降移動させることにより移載対象装置との間で物品Wを移載するように構成したが、物品載置部33を第2水平方向H2に出退移動及び昇降移動させることにより、移動経路Cの横側方に位置する移載対象装置との間で物品Wを移載するように構成してもよく、また、移載対象装置に移載装置を備えて、当該移載装置にて搬送台車3と移載対象装置との間で物品Wを移載するように構成してもよい。
(5)上記実施形態では、基準位置SPの設定変更が行われるに伴って入替移動制御を実行することにより、自動的に搬送台車3を変更後の新たな基準位置SPに移動させたが、基準位置SPの設定変更が行われた場合に、作業者がリモートコントローラ7を所定の操作をした場合に、搬送台車3を変更後の新たな基準位置SPに移動させるようにしてもよい。
(6)上記実施形態では、作業者がリモートコントローラ7を操作して、リモートコントローラ7から搬入指令及び搬出指令を出力するように構成したが、例えば、物品Wを搬送するスケジュール等に基づいて、上位の制御装置から自動的に搬入指令及び搬出指令を指令するように構成してもよい。
(7)上記実施形態では、台車制御装置50に基準位置選択部と入替制御部との機能を備えたが、リモートコントローラ7に、基準位置選択部と入替制御部との機能を備えてもよい。
つまり、例えば、リモートコントローラ7を、端部移動操作に伴って第1指令状態と第2指令状態とに切り替わるように構成し、第1指令状態では、入庫指令操作部の操作により第1位置P1を基準位置SPとした第1搬入指令を出力するとともに、搬出指令操作部の操作により第1位置P1を基準位置SPとした第1搬出指令を出力し、第2指令状態では、入庫指令操作部の操作により第2位置を基準位置とした第2搬入指令を出力するようにするとともに、搬出指令操作部の操作により第2位置を基準位置とした第2搬出指令を出力するようにしてもよい。
1 物品収納棚(保管庫、移載対象装置)
3 搬送台車
7 リモートコントローラ(動作指令装置)
13 ビーム材(物品支持部材)
13h 物品支持面(支持面)
31 台車本体部
33 物品載置部
50 台車制御装置(基準位置選択部、入替制御部)
71 入庫指示キー(搬入指令操作部)
72 出庫指示キー(搬出指令操作部)
77 号機選択キー(選択操作部)
C 移動経路
SP 基準位置
IP 入庫位置(搬入位置)
OP 出庫位置(搬出位置)
TP 移載位置(搬入用移載位置、搬出用移載位置)
P1 第1位置
P2 第2位置
W 物品

Claims (7)

  1. 物品を保持して移動経路に沿って移動する搬送台車と、前記搬送台車との間で物品が移載される移載対象装置と、前記搬送台車の動作を制御する台車制御装置と、を備え、
    前記移動経路に、前記搬送台車が搬入部に搬入された物品を受け取る位置である搬入位置と、前記搬送台車が搬出部に物品を渡す位置である搬出位置と、前記搬送台車から前記移載対象装置に物品を移載する位置である搬入用移載位置と、前記移載対象装置から前記搬送台車に物品を移載する位置である搬出用移載位置と、が設定されている物品搬送設備であって、
    前記台車制御装置が、搬入移動制御と、搬出移動制御と、基準移動制御と、を実行するように構成され、
    前記搬入移動制御は、前記搬入位置から前記搬入用移載位置まで前記搬送台車を移動させる制御であり、
    前記搬出移動制御は、前記搬出用移載位置から前記搬出位置まで前記搬送台車を移動させる制御であり、
    前記基準移動制御は、前記搬入移動制御及び前記搬出移動制御が完了するに伴って、前記搬送台車を基準位置に移動させる制御であり、
    前記搬入位置が、前記移動経路に設定した第1位置と前記移動経路の前記第1位置とは異なる位置に設定した第2位置とのいずれかの位置であり、
    前記搬出位置が、前記第1位置と前記第2位置とのいずれかの位置であり、
    前記基準位置が、前記第1位置と前記第2位置とのいずれかの位置であり、
    設定変更指令に応じて前記基準位置を前記第1位置と前記第2位置との間で入れ替える設定変更を行う基準位置選択部と、
    前記基準位置選択部により前記基準位置を前記第1位置と前記第2位置との間で入れ替える設定変更が行われた場合に、前記搬入位置及び前記搬出位置についても前記第1位置と前記第2位置との間で入れ替える設定変更を行う入替制御部と、を更に備えている物品搬送設備。
  2. 作業者が手動操作する搬入指令操作部及び搬出指令操作部を備えた動作指令装置を更に備え、
    前記動作指令装置が、作業者による前記搬入指令操作部の操作に応じて前記台車制御装置に搬入指令を出力し、作業者による前記搬出指令操作部の操作に応じて前記台車制御装置に搬出指令を出力するように構成され、
    前記台車制御装置は、前記動作指令装置からの前記搬入指令に応じてその時点で設定されている前記搬入位置に基づいて前記搬入移動制御を実行し、前記動作指令装置からの前記搬出指令に応じてその時点で設定されている前記搬出位置に基づいて前記搬出移動制御を実行する請求項1記載の物品搬送設備。
  3. 前記移動経路が複数設けられていると共に、前記複数の移動経路の夫々に前記搬送台車が設けられ、
    前記動作指令装置が、前記搬入指令及び前記搬出指令の対象となる対象搬送台車を複数の前記搬送台車の中から選択する選択操作部を備えている請求項2記載の物品搬送設備。
  4. 前記台車制御装置は、前記搬送台車が前記基準位置にある状態で、前記基準位置選択部により前記基準位置の設定変更が行われた場合には、変更後の新たな前記基準位置に前記搬送台車を移動させる入替移動制御を実行する請求項1〜3のいずれか1項に記載の物品搬送設備。
  5. 前記移載対象装置は、複数の物品を保管できる保管庫であり、
    前記保管庫は、前記移動経路に沿って複数の物品を並べて保管するように構成されていると共に、前記移動経路に沿う方向に並ぶ複数の物品のうちの両端部に配置された物品のみが移載できるように構成されている請求項1〜4のいずれか1項に記載の物品搬送設備。
  6. 前記保管庫は、前記移動経路に沿う物品支持部材を、前記移動経路の横幅方向に間隔を空けた状態で一対備えると共に、前記一対の物品支持部材の上面によって形成された物品支持面に物品を載置支持する状態で物品を保管するように構成され、
    前記搬送台車が、前記物品支持面より下方において前記一対の物品支持部材の間を前記移動経路に沿って走行する台車本体部と、当該台車本体部に昇降自在に支持されて搬送対象の物品を載置支持する物品載置部と、を備え、
    前記物品載置部が、前記物品支持面より上方に突出して物品を載置支持する上昇位置と、前記物品支持面より下方に引退する下降位置と、に昇降する請求項5に記載の物品搬送設備。
  7. 前記移動経路が、有端形状に形成され、
    前記第1位置は、前記移動経路の一方の端部であり、
    前記第2位置は、前記経路の他方の端部である請求項1〜6のいずれか1項に記載の物品搬送設備。
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