JP2016016896A - 多層吐出容器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】外部容器11と、その外部容器11に収容される内部容器12と、外部容器11および内部容器12を閉じるバルブアッセンブリ13とを備えた2層吐出容器10。外部容器11とバルブアッセンブリ13との間には、水平方向に圧縮される第1シール材14が設けられている。外部容器11とバルブアッセンブリ13との間には、内部容器を介して鉛直方向に圧縮される第2シール材15とが設けられている。
【選択図】図1
Description
一方、本出願人は、特許文献1に示すように、外ボトル(外部容器)と、内ボトル(内部容器)と、外ボトルの口部および内ボトルの口部を閉じる蓋体(バルブアッセンブリ)と、外ボトルと内ボトルの間の空間に収容される原液と、内ボトル内に充填される加圧剤とを備えた多層ボトル製品を提案している。このような多層ボトル製品は、バルブアッセンブリを操作すると加圧剤の圧力により内ボトルの容積が外ボトルに向かって増大し、原液を収容する空間が圧縮されて、原液が外部に吐出される。
さらに、本出願人は、特許文献2に示すように、耐圧容器(外部容器)と、耐圧容器内に収容される中容器(内部容器)と、中容器内に収容されるパウチ(最内容器)と、耐圧容器、中容器およびパウチを閉じるバルブアッセンブリと、パウチ内に収容される第1内容物と、耐圧容器と中容器の間の空間に収容される第2内容物と、中容器とパウチとの間の空間に充填される加圧剤とを備えた2液吐出製品を提案している。なお、このバルブアッセンブリは、それぞれの内容物を収容する2つの空間と外部とを連通する独立した2つの通路を備えている。
本発明は、原液とは独立して充填された加圧剤を安全に排出する新しい構造の多層吐出容器を提供することを目的としている。
このような多層吐出容器であって、前記第1シール材が外部容器内と外部との間をシールし、前記第2シール材が外部容器と内部容器の間の空間と内部容器内との間をシールするものが好ましい。
部容器の間の空間に原液を収容するものであってもよく、前記内部容器内に原液を収容し、前記外部容器と内部容器の間の空間に加圧剤を充填するものであってもよい。
このような場合、第2シール材が内部容器を介して、外部容器とバルブアッセンブリとの間に設けられていてもよい。
例えば、バルブアッセンブリを外部容器に対して緩めることにより、バルブアッセンブリが外部容器に対して上下に移動する場合、第1シール材のシールを維持したまま、第2シール材のシールを解除することができる。また、バルブアッセンブリを外部容器に対して緩めることにより、バルブアッセンブリが外部容器に対して半径方向(水平方向)に拡がる場合、第2シール材のシールを維持したまま、第1シール材のシールを解除することができる。このように、一方を維持したまま他方のシールを解除することにより、加圧剤を外部に噴出させずに、加圧剤をバルブ機構と連通させ、加圧剤を排出できる状態にすることができる。
その後、バルブアッセンブリのステムを操作することにより、加圧剤をステムから外部に排出することができる。特に、ステムは、ステム孔によって噴射量が制御されるように
設計されているため、安全である。また、原液が残っている状態でバルブアッセンブリを緩めた場合でも、一方のシール材が維持されているため、原液が外部に噴出されない。この場合、緩めた後、ステムを操作することにより、原液と加圧剤の混合体をステムから安全に排出することができる。
本発明の多層吐出容器は、前記内部容器内に加圧剤を充填し、前記外部容器と内部容器の間の空間に原液を収容する場合でも、前記内部容器内に原液を収容し、前記外部容器と内部容器の間の空間に加圧剤を充填する場合でも、原液を吐出した後、安全に加圧剤を排出することができる。
なお、第2シール材が内部容器を介して、外部容器とバルブアッセンブリとの間に設けられている場合、第2シール材により外部容器とバルブアッセンブリの間と内部容器とバルブアッセンブリとの間をシールすることができる。
この2層吐出容器10は、外部容器11と内部容器12の間の空間(原液収容部S1)に原液Cが収容され、内部容器12内(ガス収容部S2)に加圧剤Pが充填されて吐出製品となる。
第2シール材15は、内部容器12のフランジ部12dを介して、外部容器11の上端とバルブアッセンブリ13のバルブホルダー21のフランジ部27bの下面との間に設けられている。第2シール材15は、フランジ部27bの下面とフランジ部12dの上面との間をシールすることにより、外部容器11と内部容器12の間の空間(原液収容部S1)と内部容器(ガス収容部S2)内との間をシールする。第2シール材15は、断面が扁平な長方形または正方形であるリング状のシール材である。
bおよび円筒状の首部11cを備えた有底筒状の耐圧容器である。首部11cの外周に雄ネジ11dが形成されている。そして、外部容器11の雄ネジ11dの下方には、第1シール材14を保持する環状の段部11eが形成されている。そして、段部11eの上方の外円筒部11fは、第1シール材14を内側から圧縮する部位である。外部容器11は、透明または半透明で、内部が視認できるようにするのが好ましい。
外部容器11としては、ポリエチレンテレフタレート、ナイロン等の合成樹脂を用いるのが好ましい。また、内部容器12としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成樹脂を用いるのが好ましい。なお、外部容器と内部容器とで同じ材質の合成樹脂を用いてもよく、異なる材質の合成樹脂を用いてもよい。また、内部容器は拡縮(潰れたり拡がったり)変形しやすくするために、外部容器よりも薄肉にすることが好ましい。
えている。
バルブホルダー21は、例えば、ポリプロピレン、ポリアセタール、ポリブチレンテレフタレート等の合成樹脂を射出成形する等によって一体に成形される。
バルブ保持部31は、上端に設けられたバルブ機構22のステムラバー22bを支持するラバー支持部31aと、側面に等間隔で放射状に設けられた複数の第1連通孔21aと、第1連通孔21aの下方に設けられた環状の底部31bとを有している。また、第1連通孔21aより間隔を空けた上方の上部外周に、カバーキャップ25と係合する環状の係合溝31cが形成されている。第1連通孔21aは、2本以上、例えば、2〜8本設けられている。
ガス供給部32は、第2連通孔21bが設けられ、第2逆止弁24が取り付けられる筒状体である。ガス供給部32は下端が閉じられ、上端が開口しており、上端がバルブ保持部31の内部と環状の底部31bを介して連通している。この実施形態では、外形が、大径部32a、中径部32b、小径部32cを同軸上に上から順番に設けた形状となっており、小径部32cの下端が閉じられており、その側面に第2連通孔21bが形成されている。大径部32a、中径部32b、小径部32cと外形を複数の段部から構成することにより、第2逆止弁24の弾性弁34が抜け落ちることを防止している。ガス供給部32からガス収容部S2に向かう流体に対して第2連通孔21bが開くように、ガス供給部32の外面(例えば、中径部32bの外面と大径部32aの下面)と、弾性弁34の内面(例えば、中径部34bおよびフランジ部34c)を接着剤等で貼り合わせてもよい。なお、ガス供給部32の構成は、第2逆止弁24の構造に応じて適宜設計すればよい。
弁ガイド部27aの外周には、後述する第1逆止弁23の移動弁33が配置される(図3a参照)。つまり、移動弁33はこの弁ガイド部27aの外周を上下に移動する。また、弁ガイド部27aの下端内面には、第2逆止弁24の弾性弁34のフランジ部34cの先端と係合する環状の係合突起26aが設けられている。なお、バルブハウジング21および弁ガイド部27aと、カバーキャップ25との間には、空間20が形成される(図3a参照)。そして、空間20において、第1連通孔21aより下方の空間が原液通路A1の一部である通路空間20aとなり、第1通路21aより上方の空間が退避通路空間20bとなる。
フランジ部27bの上面には、横通路溝28が複数等間隔で放射状に設けられている。この横通路溝28は、内部容器12の縦通路溝12gと同数とし、その配置を平面視で同じ角度位置としている。これにより横通路溝28およびフランジ部27bの外端側は、前述した縦通路溝12gと連通し、共に原液通路A1を構成する(図5a参照)。
フランジ部27bの下面には、下方に延びる筒状のシール材支持部29が形成されている。
なお、フランジ部27bは、外径が内部容器12のフランジ部12dの外径より若干小さくなるように構成されている(図1参照)。これにより、フランジ部27bを、外部容器11に支持させつつ、カバーキャップ25の内面とフランジ部12cの外周との間に隙間を形成させ、横通路溝28と連通させやすくすることができる。しかし、内部容器12のフランジ部12dの外径と実質的に同じにしてもよい。その場合、カバーキャップ25の内面径を調整して、フランジ部27bの外周との間に隙間が形成されるようにする。
さらに、フランジ部27bの下面であって、シール材支持部29の外側に、下方に向かって突出するシール係止突起27cが形成されている。
つまり、第2シール材15は、バルブホルダー21のフランジ部27bのシール係止突起27cおよび内部容器12のフランジ部12dの係止突起12eとによって係止される。(図1、3参照)。
移動弁33は、下方から流れる流体に対しては環状溝33cを閉じるようにスカート部33aが僅かに撓み、上方から流れる流体に対しては環状溝33cを開くようにスカート部33aが僅かに撓む。このように構成されているため、移動弁33は、空間20内において、上方からの流体を止め、下方からの流体を通す。
このような移動弁33は、例えば、低分子量ポリエチレン等の合成樹脂やシリコーンゴムなどによって成形される。
なお、第1逆止弁23は、第1連通孔21aと原液収容部S1とを連通する通路において、原液収容部S1に向かう流体を止め、外部に向かう流体を通すものであれば、特にその構造は限定されない。例えば、この通路内にボール弁からなる逆止弁を設けてもよい。
弾性弁34は、図3dに示すように、ガス供給部32の小径部32cを覆う小径部34aと、その小径部34aと連続し、ガス供給部32の中径部32bを覆う中径部34bと、ガス供給部32の大径部32aの下面に沿って配置されるフランジ部34cとを備えている。フランジ部34cの先端は、バルブホルダー21の支持フランジ27の係合突起26aと係合する。なお、弾性弁34の形状は、ガス供給部32との装着状態を考慮しながらガス供給部32の形状に応じて選択すればよい。
弾性弁34は、例えば、ニトリルゴム、ブチルゴム、シリコーンゴム等のゴムによって成形される。
このように構成されているため、ガス供給部32の第2連通孔21bからガス収容部S2(内部容器12内)に向かう流体に対しては、小径部34aが拡がるように変形して流体をガス収容部S2に通し、ガス収容部S2から第2連通孔21bに向かう流体に対しては、ガス供給部32が弾性弁34の変形を妨げ、流体を止める。
なお、第2逆止弁24は、第2連通孔21bとガス収容部S2とを連通する通路において、ガス収容部S2から第2連通孔21bに向かう流体を止め、第2連通孔21bからガス収容部S2に向かう流体を通すものであれば、特にその構造は限定されない。例えば、
この通路内にボール弁からなる逆止弁を設けてもよい。
カバーキャップ25は、例えば、ポリアセタール、ポリブチレンテレフタレート等の合成樹脂を射出成形する等によって成形される。
カバー部36は、円板状の天面36aと、その縁部から下方に向かって延びる筒状のバルブ嵌合部36bと、そのバルブ嵌合部36bより拡径して下方に向かって延びる筒状の拡径部36cとからなる。
天面36aには、ステム22aを通す中心孔が形成されている。
バルブ嵌合部36bの下部には、半径方向内側に突出する環状の係合突起36dが形成されている。この係合突起36dは、前述したようにバルブホルダーの環状の係合溝31cと係合する。これにより、カバーキャップ25にバルブホルダー21が固着される。
拡径部36cは、内面がバルブ嵌合部36bの内面より拡径した部位である。つまり、拡径部36cの内面と、バルブホルダー21の弁ガイド部27a(バルブハウジング26の外周)との間に上下に延びる筒状の空間20が形成される。また、バルブ嵌合部36bと拡径部36cとの間の段部38は、第1連通孔21aより間隔を開けて上方となる。これにより、第1連通孔21aより下側の通路空間20aと、第1連通孔21aより上側の退避通路空間20bとからなる空間20が形成される(図3a参照)。
天底37aの下面は、バルブホルダー21のフランジ部27bの上面と当接するように配置される。しかし、前述したようにフランジ部27bに形成された横通路溝28によって通路が複数本等間隔で放射状に形成される。なお、天底37aの下面に横通路溝を形成してもよい。この横通路溝28は前述したように縦通路溝12gと連通するように配置されている。
係止筒部37bの内面の径は、バルブホルダー21のフランジ部27bの外端の径より大きくなっている。また、係止筒部37bの内面には、外部容器11の雄ネジ11dと螺合する雌ネジ37cが形成されている。雌ネジ37cは雄ネジ11dと係合する螺旋突条で構成してもよい。なお、外部容器11の外周に環状突起を設け、係止筒部37bの内面に環状突起と設け、両環状突起がクリップ嵌合するようにしてもよい。さらに、雌ネジ37cの下方であって、外部容器11の環状の段部11eの位置に内円筒部39が形成されている。この内円筒部39は、雌ネジ37cより若干拡径して形成されている。この内円筒部39は、外部容器11の外円筒部11fとの間で第1シール材14を半径方向に圧縮する部位である。
初めに、図4aに示すように、外部容器11および内部容器12を成形し、縦通路溝12gから外部容器11と内部容器12の間(原液収容部S1)に原液Cを充填する。これにより、原液Cの充填により内部容器12は潰れる。その後、バルブアッセンブリ13を外部容器11および内部容器12に固定する。
そして、図4bに示すように、ステム22aを押し下げると同時に、ステム22aからガス通路A2を通して、加圧剤Pをガス収容部S2内に充填する。
ガス通路A2は、外部からステム22a、バルブ保持部31の内部、ガス供給部32、第2連通孔21bを介してガス収容部S2に至る。このとき加圧剤Pは第1連通孔21aにも供給されるが、第1逆止弁23の移動弁33が空間20aを遮断するため、加圧剤P
は原液収容部S1には充填されない。一度、加圧剤Pがガス収容部S2に充填されると、ガス収容部S2内は、外部より高圧となる。そのため、加圧剤Pは、ガス収容部S2から外部へ向かおうとする。しかし、第2逆止弁24の弾性弁34がガス通路A2(第2連通孔21b)を遮断し、加圧剤Pの逆流は防止される。
原液通路A1は、原液収容部S1から縦通路溝12g、支持フランジ27とカバーキャップ25との間の通路(横通路溝28および支持フランジの外側)、バルブハウジング26の外周とカバーキャップ25との間の通路空間20a、第1連通孔21a、バルブハウジング26のバルブ保持部31の内部、ステム22aを介して外部に至る。
そして、原液収容部S1の原液Cが全て外部に吐出されると、内部容器12は膨らみ、外部容器11の内面に密着する。特に、この2層吐出容器10は、外部容器11および内部容器12が透明または半透明であり、かつ、内部容器12が実質的に外部容器11の内面と同一の形状を有しており、外部容器11と内部容器12との間の空間が原液収容部S1となっているため、原液Cとして不透明なもの、特に、クリームを用いる場合、原液Cが残っている状態と原液Cが残っていない状態とでその外部容器の様相が突然変化する。つまり、原液収容部S1内に原液Cが残っているときは、外部容器11は原液Cが確認でき、原液収容部S1内に原液Cが無くなったときは外部容器11が突然透明となる。そのため、目視で使い終わったことを確認することができる。
この2層吐出容器10は、原液Cを吐出し終わった後、カバーキャップ25を回転することにより、それぞれの部品に分離することができる。特に、カバーキャップ25を外部容器11および内部容器12に対して徐々に上方に移動させることができるため、カバーキャップ25を若干上方に移動させて水平方向に圧縮される第1シール材14のシールを維持したまま鉛直方向に圧縮される第2シール材15のシールを解除することができる。つまり、全体のシールを保ったまま(2層吐出容器10から流体を噴出させることなく)、原液収容部S1とガス収容部S2とは連通する。これにより内部容器12内の加圧剤Pが原液通路A1の一部(バルブホルダー21のフランジ部27bの外周から横通路溝28を通って空間20に至る)に供給される。そのため、ステム22aを操作することで、第1逆止弁23が開放され、加圧剤Pをステム22aから外部に安全に排出することができる。また、原液Cが原液収容部S1に残っている状態で、消費者が誤ってカバーキャップ25を緩めた場合でも、外部容器11とカバーキャップ25との間の第1シール材14は維持されているため、原液Cがカバーキャップ25の下端から噴出せず、ステム22aを操作することにより、第1逆止弁23を開放し、原液Cと加圧剤Pの混合体をステム22aから外部に安全に排出することができる。
詳しくは、3層吐出容器40は、外部容器11と、その外部容器11に収容される内部容器12と、その内部容器12に収容される最内容器41と、外部容器11、内部容器12および最内容器41を閉じるバルブアッセンブリ42とを備えている。外部容器11および内部容器12は、図1の2層吐出容器10と実質的に同じものである。
そして、第1シール材14が、外部容器11とバルブアッセンブリ42との間に設けられている。詳しくは、外部容器11の外周面(図2の外円筒部11f)とバルブアッセンブリ42のカバーキャップ25の内周面(図3の内円筒部39)との間に設けられている。つまり、第1シール材14は、外部容器11内と外部との間をシールする。
さらに、第2シール材15が、内部容器12を介して外部容器11とバルブアッセンブリ42との間に設けられている。詳しくは、外部容器11の上端と、内部容器12のフランジ部12dとバルブアッセンブリ42のバルブホルダー50の支持フランジ55との間に設けられている。第2シール材15は、支持フランジ部55の下面とフランジ部12dの上面との間をシールすることにより、外部容器11と内部容器12の間の空間(第1原液収容部S1)と内部容器(ガス収容部S2)内との間をシールする。
第1シール材14および第2シール材15は、図1の第1シール材14および第2シール材15と実質的に同じものである。
この3層吐出容器40は、外部容器11と内部容器12の間の空間(第1原液収容部S1)に第1原液C1が収容され、最内容器41内(第2原液収容部S3)に第2原液C2が収容され、内部容器12内(ガス収容部S2)に加圧剤Pが充填される。
チューブ46は、図7aに示すように、下端が閉じられた本体46aと、その上端に設けられた連結部46bと、その連結部46bの開口部に固定される蓋体47とを備えている。
連結部46bは、後述するバルブアッセンブリ42のバルブホルダー50と連結される筒体であり、内部が第3逆止弁45の一部を構成している。詳しくは、連結部46bの中部内面に、下方に向かって縮径する第1段部48aが形成されており、さらに下部内面に下方に向かって縮径する第2段部48bが形成されている。特に、第2段部48bは、傾斜しており、円錐台状の段部となっている。
このチューブ46は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン等の合成樹脂を押出成形または射出成形し、本体46aの下端を溶着して閉じることにより成形される。また、最内容器としては、複数のシートを重ねてその周囲を溶着したパウチタイプの容器を用いてもよい。その場合、前述の合成樹脂とアルミ箔などの金属シートをラミネートしたシートから形成してもよい。なお、パウチタイプの場合、本体(シート体)46aと、連結部46bとは別部材とし、貼り合わせて成形する。
蓋体47は、図7bに示すように、筒状のものであり、下部外周に半径方向に縮径するように外段部47aが形成されており、下部内周に半径方向に拡径するように内段部47bが形成されている。外段部47aは、連結部46bの第1段部48aと係合するように構成されている。この蓋体47は、第3逆止弁45を連結部46b内に固定する。
なお、蓋体47を設けることにより、最内容器41をバルブアッセンブリ42に装着する前の状態で、第3逆止弁45を最内容器41内に保持することができる。つまり、最内容器41は、バルブアッセンブリ42に装着する前の状態でもボール45aによって閉じられる。そのため、第2原液C2を充填した最内容器41の取り扱いが容易である。しかし、蓋体47を設けず、バルブアッセンブリ42の連結部によってバネ45bの上端を支持させてもよい。そして、第3逆止弁45は、外部と第2原液収容部S3とを連通する通路において、第2原液収容部S3に向かう流体を止め、外部に向かう流体を通すものであれば、特にその構造は限定されない。例えば、第2逆止弁の弾性弁(図8c参照)などを用いてもよい。
バルブ保持部56は、上端に設けられたバルブ機構51の第1ステムラバー51bを支持する第1ラバー支持部56aと、側面に等間隔で放射状に設けられた複数の第1連通孔21aと、その第1連通孔21aの下方に設けられ、バルブ機構51の第2ステムラバー51cを支持する第2ラバー支持部56bと、その第2ラバー支持部56bの下方に設けられた環状の底部56cとを有している。また、上部外周に、図3bのバルブホルダー21と同様に、カバーキャップ25と係合する環状の係合溝56dが形成されている。さらに、下端外周には、下方に突出し、かつ、半径方向内側に突出した係合突起56eが形成されている。この環状の係合突起56eは、後述する弾性弁52のフランジ部52bと係合し、弾性弁52が落下しないように支持する(図9a参照)。なお、バルブ保持部56の外周には、第2シール材15が設けられ、第2シール材の支持部としても作用する。
ガス供給部57は、バルブ保持部56の環状の底部56cと連通し、第2連通孔21bが設けられた筒状体である。その外周には、弾性弁52が取り付けられる(図9a参照)。
チューブ連結部58は、ガス供給部57の下端から下方に同軸状に突出し、内外周面が縮径した筒体であり、最内容器41の連結部46bの開口部に挿入される。なお、最内容器41の連結部46bの上端は、弾性弁52の下端を支持する(図9a参照)。
ステム孔を閉じる第2ステムラバー51cと、第1ステムラバー51bと第2ステムラバー51cを支持する筒状のステムラバー支持部材51dと、ステムを上方に付勢するバネ51eを備えている。ステムラバー支持部材51dの下部側面には、第1連通孔21aと連通する側孔51fが形成されている。バルブ機構51は、バルブホルダー50をカバーキャップ25に係合させることによりバルブ保持部56内に固定される。このバルブ機構51は、2つのバルブ機構が一体となったもの、つまり、2つの流体(第1原液C1、第2原液C2)を独立して流す2つの通路を有し、それら2つの通路を開閉するものである。しかし、バルブ機構51は、2つの流体を流す通路を有し、その通路を開閉するものであればよい。
弾性弁52は、ガス供給部57の外周を覆うものであり、その外形に沿った形状を有している。詳しくは、図8cに示すように、ガス供給部57を覆う筒体52aと、バルブ保持部56の下面に沿って配置されるフランジ部52bとを備えている。弾性弁52は、バルブ保持部56の下面と最内容器41の連結部46bとの間に挟まれ、かつ、フランジ部52bがバルブ保持部56の係合突起56eと係合され、ガス充填時に落下しないように保持されている。
第2逆止弁24は、弾性弁52の形状以外は、図1の2層吐出容器10の第2逆止弁24と実質的に同じものである。
最初に、図4aに示すように、外部容器11および内部容器12を成形し、縦通路溝12gから原液収容部S1内に第1原液C1を充填する。また、別の工程で、最内容器41(第2原液収容部S3)内に第2原液C2を充填し、バルブアッセンブリ42のバルブホルダー50に装着する。その後、最内容器41を装着したバルブアッセンブリ42を外部容器11に固定する。
その後、ステム51aを押し下げると同時に、ステム51aから加圧剤Pをガス通路を通してガス収容部S2内に充填する。このガス通路は、図2の2層吐出容器10のガス通路A2と実質的に同じである。なお、ガス充填時に加圧剤Pは第1連通孔21aおよび第3連通孔21cにも供給されるが、第1逆止弁23および第3逆止弁45がそれぞれの通路を遮断するため、加圧剤Pは原液収容部S1、S3には充填されない。加圧剤Pがガス収容部S2に充填されると、ガス収容部S2内は外部より高圧となるため、第2逆止弁24の弾性弁52がガス通路A2(第2連通孔21b)を遮断し、加圧剤Pの逆流は防止される。
この3層吐出容器40も、外部容器11および内部容器12を透明または半透明にし、かつ、内部容器12を実質的に外部容器11の内面と同一の形状とすることにより、第1原液C1および第2原液C2を吐出し終わったら、内部容器12が外部容器11と密着し、最内容器41が収縮した状態が目視できる。特に、第1原液C1が残っている状態から無くなった状態となるとき、その全体の景色が突然変化するため、使用者はその状態を簡
単に認識できる。図9bは、第1原液C1および第2原液C2が吐出しきったときの状態を示す。このように3層吐出容器40の場合、第1原液C1が吐出しきると内部が視認できるようになり、最内容器41が潰れた状態が確認できる。
この3層吐出容器40の廃棄工程も実質的に図1の2層吐出容器10と同じであり、図9bに示すように、カバーキャップ25を回転することにより、第1シール材14のシールを維持したまま第2シール材15のシールを解除することができる。つまり、3層吐出容器40の全体のシールを保ったまま、第1原液収容部S1とガス収容部S2とを連通させることができ、ガス収容部S2内の加圧剤Pを第1原液通路A1に供給することができる。そのため、ステム22aを操作することにより、加圧剤Pを安全にステム22aから排出することができる。
2層吐出容器60は、外部容器11と、その外部容器に収容される内部容器61と、外部容器11および内部容器61を閉じるバルブアッセンブリ62とを備えている。外部容器11は、図1の外部容器11と実質的に同じものである。
この2層吐出容器60にも第1シール材14が、外部容器11とバルブアッセンブリ62との間に水平方向に圧縮されるようにして設けられている。詳しくは、外部容器11の外周面(外円筒部11f)とバルブアッセンブリ62のカバーキャップ67の内周面(内円筒部67d)との間に設けられており、外部容器11内と外部との間をシールする。
また第2シール材15が、内部容器61を介して、外部容器11とバルブアッセンブリ62との間に鉛直方向に圧縮されるようにして設けられている。詳しくは、内部容器61のフランジ部12dを介して外部容器11の上端とバルブアッセンブリ62のバルブホルダー66のフランジ部72aとの間に設けられている。第2シール材15は、フランジ部72aの下面とフランジ部12dの上面との間をシールし、外部容器11と内部容器61の間の空間(ガス収容部S2)と内部容器(原液収容部S1)内との間をシールする。
第1シール材14および第2シール材15は、図1の第1シール材14および第2シール材15と実質的に同じものである。
この2層吐出容器60は、外部容器11と内部容器61の間の空間(ガス収容部S2)に加圧剤Pが収容され、内部容器61内(原液収容部S1)に原液Cが充填されて吐出製品となる。
バルブハウジング71は、中心に第1連通孔65が形成された底部71aを有し、上端にはステムラバー22bを支持するラバー支持部71bが形成されている。
支持フランジ72は、第2シール材15を介して内部容器61のフランジ部12dの上面に配置されるフランジ部72aと、その基端から下方に延びる内筒部72bと、内筒部72bの上部とバルブハウジング71の上部とを連続するリング状の連続部72cとからなる。フランジ部72aの下面には、第2シール材15を支持するシール係止突起72dが形成されている。内筒部72bは、内部容器61の開口部を閉じる寸法となっている。
そして、図12bに示すように、原液Cを吐出し終わった後、カバーキャップ67を回転することにより、それぞれの部品を分離して廃棄される。また、2層吐出容器60も、カバーキャップ67を外部容器11および内部容器61に対して徐々に上方に移動させることができるため、第1シール材14のシールを維持したまま、第2シール材15のシールを解除することができる。つまり、全体のシールを保ったまま、ガス収容部S2を原液収容部S1と連通させることができる。これによりガス収容部S2内の加圧剤Pは、ガス収容部S2からカバーキャップ67と外部容器11との間、バルブホルダー66の内筒部67dと内部容器61との間(この間はシールされていない)を通り原液収容部S1に供給される。そのため、ステム22aを操作することにより、加圧剤Pをステム22aから安全に排出することができる。
図13aの2層吐出容器80aは、第2シール材15が、内部容器61を介した外部容器11とバルブアッセンブリ62との間であって、外部容器11の上端と内部容器62のフランジ部12dとの間に設けられている。他の構成は、内部容器61の係止突起12eおよびバルブホルダー66のシール係止突起72dを備えていない点以外は、図10の2層吐出容器60と実質的に同じものである。なお、第2シール材15を係止するべく設計してもよい。例えば、外部容器11の上端および/または内部容器61のフランジ部12dの下面に係止突起等を設けるなどが挙げられる。この場合も、廃棄時に、カバーキャップ67を回転することにより、第1シール材14のシールを維持し、第2シール材15のシールを解除することができるため、図12bに示すように、図10の2層吐出容器60と同様の経路で加圧剤Pを排出することができる。
図13bの2層吐出容器80bは、第2シール材15が内部容器61の外周であって、直接外部容器11の上端とバルブアッセンブリ62のバルブホルダー66のフランジ部72aとの間に設けられている。他の構成は、内部容器61のフランジ部12d、係止突起12eおよびバルブホルダー66のシール係止突起72dを備えていない点以外は、図10の2層吐出容器60と実質的に同じものである。なお、第2シール材15を係止するべく設計してもよい。なお、この場合、外部容器11の上端とバルブホルダーのフランジ部72aとの間で圧縮された第2シール材15は、幾分水平方向に膨張し、内部容器61の首部12cと当接するため、原液収納部S1とガス収容部S2との間をシールする。特に、第2シール材15として、Oリングを用いる場合、垂直方向の圧縮による水平方向への膨張成分を大きく、高いシール性が得られる。
この場合も、廃棄時に、カバーキャップ67を回転することにより、第1シール材14のシールを維持し、第2シール材15のシールを解除することができるため、図12bに示すように、図10の2層吐出容器60と同様の経路で加圧剤Pを排出することができる。
A2 ガス通路
A3 第2原液通路
C 原液
C1 第1原液
C2 第2原液
P 加圧剤
S1 原液収容部、第1原液収容部
S2 ガス収容部
S3 第2原液収容部
10 2層吐出容器
11 外部容器
11a 胴部
11b 肩部
11c 首部
11d 雄ネジ
11e 段部
11f 外円筒部
12 内部容器
12a 胴部
12b 肩部
12c 首部
12d フランジ部
12e 係止突起
12g 縦通路溝
13 バルブアッセンブリ
14 第1シール材
15 第2シール材
20 空間
20a 通路空間
20b 退避通路空間
21 バルブホルダー
21a 第1連通孔
21b 第2連通孔
21c 第3連通孔
22 バルブ機構
22a ステム
22b ステムラバー
22c バネ
23 第1逆止弁
24 第2逆止弁
25 カバーキャップ
26 バルブハウジング
26a 係合突起
27 支持フランジ
27a 弁ガイド部
27b フランジ部
27c シール係止突起
28 横通路溝
29 シール材支持部
31 バルブ保持部
31a ラバー保持部
31b 底部
31c 係合溝
32 ガス供給部
32a 大径部
32b 中径部
32c 小径部
33 移動弁
33a スカート部
33b 切欠き部
33c 環状溝
34 弾性弁
34a 小径部
34b 中径部
34c フランジ部
36 カバー部
36a 天面
36b バルブ嵌合部
36c 拡径部
36d 係合突起
37 固着部
37a 天底
37b 係止筒部
37c 雌ネジ
38 段部
39 内円筒部
40 3層吐出容器
41 最内容器
42 バルブアッセンブリ
45 第3逆止弁
45a ボール
45b バネ
46 チューブ
46a 本体
46b 連結部
47 蓋体
47a 外段部
47b 内段部
48a 第1段部
48b 第2段部
48c 中心孔
50 バルブホルダー
51 2液式バルブ機構
51a ステム
51b 第1ステムラバー
51c 第2ステムラバー
51d ステムラバー支持部材
51e バネ
51f 側孔
52 弾性弁
52a 筒体
52b フランジ部
54 バルブハウジング
55 支持フランジ
56 バルブ保持部
56a 第1ラバー支持部
56b 第2ラバー支持部
56c 底部
56d 係合溝
56e 係合突起
57 ガス供給部
58 チューブ連結部
60 2層吐出容器
61 内部容器
62 バルブアッセンブリ
65 第1連通孔
66 バルブホルダー
67 カバーキャップ
67a 中心孔
67b 係合突起
67c 雌ネジ
67d 内円筒部
71 バルブハウジング
71a 底部
71b ラバー支持部
72 支持フランジ
72a フランジ部
72b 内筒部
72c 連続部
72d シール係止突起
80a、b 2層吐出容器
Claims (13)
- 外部容器と、
その外部容器に収容される内部容器と、
前記外部容器および内部容器を閉じ、外部容器と着脱自在なバルブアッセンブリとを備えており、
前記外部容器とバルブアッセンブリとの間に、半径方向に圧縮される第1シール材と、軸方向に圧縮される第2シール材とが設けられている、
多層吐出容器。 - 前記第1シール材は、外部容器内と外部との間をシールし、
前記第2シール材は、外部容器と内部容器の間の空間と内部容器内との間をシールする、請求項1記載の多層吐出容器。 - 前記内部容器内に加圧剤が充填され、
前記外部容器と内部容器の間の空間に原液が収容される、
請求項1または2記載の多層吐出容器。 - 前記内部容器内に原液が収容され、
前記外部容器と内部容器の間の空間に加圧剤が充填される、
請求項1または2記載の多層吐出容器。 - 前記第1シール材が、外部容器の外周面と、バルブアッセンブリの内周面との間に設けられた、請求項1〜4いずれか記載の多層吐出容器。
- 前記バルブアッセンブリが、前記外部容器に被せられる筒状のカバーキャップを有し、
前記第1シール材が、断面円形のOリングであり、
前記第1シール材は、前記外部容器の外周に設けられた外円筒部と、前記カバーキャップの内周に設けられた内円筒部との間に設けられている、
請求項5記載の多層吐出容器。 - 前記第2シール材が、外部容器と、バルブアッセンブリとの間に設けられた、
請求項1〜4いずれか記載の多層吐出容器。 - 前記バルブアッセンブリが、前記外部容器の上端に配置されるバルブホルダーを有し、
前記第2シール材が、前記外部容器とバルブホルダーとの間に設けられている
請求項7記載の多層吐出容器。 - 前記第2シール材が内部容器を介して、外部容器とバルブアッセンブリとの間に設けられている、
請求項7または8記載の多層吐出容器。 - 前記内部容器の上端に、前記外部容器の上端に配置されるフランジ部が設けられており、前記バルブアッセンブリは、前記内部容器を閉じるように前記フランジ部の上面に配置されるバルブホルダーと、前記バルブホルダーを外部容器に固定し、前記外部容器を閉じるように被せられる筒状のカバーキャップとを有し、
前記第1シール材は、外部容器の外周面とカバーキャップの内周面との間に設けられ、
前記第2シール材は、内部容器のフランジ部を介して前記外部容器とバルブホルダーとの間との間に設けられる、
請求項1〜9いずれか記載の多層吐出容器。 - 前記内部容器に収容され、バルブアッセンブリによって閉じられる最内容器をさらに備えた、請求項1〜10いずれか記載の多層吐出容器。
- 前記バルブアッセンブリは、外部容器に対して上下に移動して着脱される、
請求項1〜11いずれか記載の多層吐出容器。 - 前記バルブアッセンブリと外部容器とがネジによって着脱自在となっている、
請求項12記載の多層吐出容器。
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