JP2016016517A - 剥離性の改善方法 - Google Patents

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慎介 清水
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悠太 萩原
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Abstract

【課題】昇華転写染色方法における、被染色物から中間記録媒体を剥離するときの、中間記録媒体の剥離性の改善方法の提供。【解決手段】少なくともポリエステル樹脂と、昇華性染料とを含有する樹脂組成物の粉体を中間記録媒体に付着させ、該樹脂組成物の粉体が含有する染料を、被染色物に昇華転写した後、中間記録媒体を剥離することにより染色を行う昇華転写染色方法における、中間記録媒体の剥離性の改善方法であって、それぞれ130℃における該樹脂組成物の粉体の貯蔵弾性率が100〜3500Paであり、損失弾性率が100〜5000Paである剥離性の改善方法により、上記の課題を解決できた。【選択図】なし

Description

本発明は、昇華転写染色方法における、被染色物から中間記録媒体を剥離するときの、中間記録媒体の剥離性の改善方法に関する。
染料を含有する樹脂組成物の粉体は、例えば着色材料として、紫外線硬化型インク、熱硬化型インク、インクジェットインク、グラビアインク、オフセットインク等の各種インク、液体トナー、転写式ハロゲン化銀感光材料、感熱転写方式の記録材料、記録ペン、光記録媒体材料、接着剤、粉体塗料等の様々な分野で着色剤として用いられている。
ポリエステル布を代表とする疎水性繊維又はPETフィルムを代表とする疎水性樹脂に対する染色方法は、主として2つに大別することができる。
即ち、被染色物へ染料を含有する粉体を付与した後、熱処理によって粉体中に含有される染料を被染色物に染着させるダイレクト法;及び、紙等の中間記録媒体に染料を含有する粉体を付与した後、中間記録媒体の粉体付与面と被染色物とを重ね合わせてから熱処理を行い、粉体が含有する染料を被染色物に昇華転写させる昇華転写法(昇華転写染色方法);の2つである。
この2つの方法のうち昇華転写法は、スポーツアパレル等の衣料品といった、風合いを重要視する用途向けの染色に適しているとされている。また、昇華転写法に用いる粉体中の染料は、疎水性繊維を染色するのに適している分散染料;若しくは油溶性染料の中でも特に熱処理による疎水性繊維への昇華転写適性に優れた易昇華型の染料;等が用いられる。
昇華転写法を用いると、樹脂組成物の粉体中の染料のみを中間記録媒体から繊維へ染着させることが可能である。この結果、染色布には染料以外の樹脂組成物は付着せず、例えば衣料品;シートやソファー等のインテリア;又は、寝具;等の、生地の風合いを重要視する用途に好適であること;及び、敏感な肌質の人に対する樹脂組成物中の成分によるかぶれ・湿疹等の発生リスクを低減できること;等のメリットが得られる。
また、洗浄・乾燥等の工程が不要となることは、染色工程の大幅な削減;高コストかつ大規模なスペースと大規模な稼働エネルギーを必要とする、洗浄・乾燥ライン及び洗浄水の処理設備等の不要化;等のメリットも生じる。
従って、昇華転写法は、小規模なスペースでも染色できる優れた染色方法とされている。
昇華転写染色法は、上記の通り中間記録媒体と被染色物とを重ね合わせて加熱し、染料を被染色物へ昇華転写させる方法であるが、この昇華転写を行った後、被染色物から中間記録媒体を剥離する工程が必要である。しかしながら、この剥離工程において、中間記録媒体と被染色物とが強固に張り付くことがあり、剥離が良好に行えないことが重大な問題となっている。
上記の剥離が良好に行えないと、被染色物から中間記録媒体を剥離する際に大きな力が必要となる不具合が生じる上、被染色物の質感や外観を傷つけてしまう;特に中間記録媒体として紙を使用すると、剥離の際に中間記録媒体が破損して被染色物から完全には剥離できず、被染色物に張り付いた状態で残存してしまう;及び、中間記録媒体に付着させた樹脂組成物の紛体自体が被染色物に張り付くこと等により、染色の不良や被染色物の風合いが大きく損なわれてしまう;等の、様々な理由から、不良品の生じることが判明した。
このため、昇華転写染色方法においては、被染色物から中間記録媒体を剥離するときの、中間記録媒体の剥離性の改善が強く要望されている。
昇華転写染色方法は、例えば下記の特許文献1〜5に開示されている。
特開平02−295787号公報 特開平06−051591号公報 特開平10−058638号公報 特開2000−029238号公報 特表2006−500602号公報
本発明は、昇華転写染色方法における、被染色物から中間記録媒体を剥離するときの、中間記録媒体の剥離性の改善方法の提供を課題とする。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意研究を行った結果、少なくともポリエステル樹脂と、昇華性染料とを含有する樹脂組成物の粉体を用いる昇華転写染色方法において、上記樹脂組成物の粉体の動的粘弾性試験における貯蔵弾性率(G’)が130℃において100〜3500Paであり、且つ、損失弾性率(G’’)が130℃において100〜5000Paである樹脂組成物の粉体を用いることにより、上記の課題を解決できることを見出して本発明を完成させた。すなわち本発明は、以下の1)〜8)に関する。
1)
少なくともポリエステル樹脂と、昇華性染料とを含有する樹脂組成物の粉体を中間記録媒体に付着させ、該中間記録媒体における樹脂組成物の粉体の付着面と、被染色物とを重ね合わせて熱処理することにより、該中間記録媒体に付着した樹脂組成物の粉体が含有する染料を、被染色物に昇華転写した後、被染色物から中間記録媒体を剥離することにより、被染色物の染色を行う昇華転写染色方法における、被染色物から中間記録媒体を剥離するときの、中間記録媒体の剥離性の改善方法であって、該樹脂組成物の粉体の動的粘弾性試験における貯蔵弾性率(G’)が130℃において100〜3500Paであり、且つ、損失弾性率(G’’)が130℃において100〜5000Paである、中間記録媒体の剥離性の改善方法。
2)
被染色物が、少なくとも疎水性繊維、若しくは疎水性樹脂を含有する物質である上記1)に記載の中間記録媒体の剥離性の改善方法。
3)
被染色物が、疎水性繊維又は疎水性繊維を含有する混紡繊維、若しくは該繊維の構造物である布帛;疎水性樹脂を含有するフィルムやシート;及び、疎水性樹脂がコーティングされた布帛、ガラス、金属又は陶器;よりなる群から選択される疎水性繊維、若しくは疎水性樹脂を含有する物質である、上記1)又は2)に記載の中間記録媒体の剥離性の改善方法。
4)
疎水性繊維、若しくは疎水性樹脂を含有する物質が、少なくともポリエステル繊維、若しくはポリエステル樹脂を含有する物質である上記2)に記載の中間記録媒体の剥離性の改善方法。
5)
被染色物が、少なくともポリエステル樹脂を含有するマイクロファイバーである、上記1)〜3)のいずれか一項に記載の中間記録媒体の剥離性の改善方法。
6)
上記1)に記載の中間記録媒体の剥離性の改善方法に用いる樹脂組成物の粉体であって、少なくともポリエステル樹脂と、昇華性染料とを含有し、該樹脂組成物の粉体の動的粘弾性試験における貯蔵弾性率(G’)が130℃において100〜3500Paであり、且つ、損失弾性率(G’’)が130℃において100〜5000Paである樹脂組成物の紛体。
7)
上記1)に記載の剥離性の改善方法に用いる樹脂組成物の粉体が付着した中間記録媒体であって、該樹脂組成物の粉体が、少なくともポリエステル樹脂と、昇華性染料とを含有し、該樹脂組成物の粉体の動的粘弾性試験における貯蔵弾性率(G’)が130℃において100〜3500Paであり、且つ、損失弾性率(G’’)が130℃において100〜5000Paである樹脂組成物の粉体が付着した中間記録媒体。
8)
上記1)〜5)のいずれか一項に記載の中間記録媒体の剥離性の改善方法を用い、被染色物から中間記録媒体を剥離することにより得られる染色された繊維、若しくは物質。
本発明により、昇華転写染色方法における、被染色物から中間記録媒体を剥離するときの、中間記録媒体の剥離性の改善方法を提供できた。
本明細書において、樹脂組成物の「粉体」とは、粒子状等の各種の形状を有する粉体の全てを含む意味で使用する。
また、本明細書においては特に断りのない限り、「%」及び「部」数については、実施例等も含めて、いずれも質量基準で記載する。
上記樹脂組成物の粉体が含有するポリエステル樹脂としては、特に制限はなく、昇華性染料と混合することが可能なものであれば、公知のポリエステル樹脂の中から適宜選択することができる。また、ポリエステル樹脂は2種類以上を混合して使用することもできる。
前記のポリエステル樹脂としては、特に限定されないが、例えば、多価アルコールと多価カルボン酸を原料として、重縮合反応を行うことによって得られる樹脂が挙げられる。
前記の多価アルコール成分としては、特に限定されないが、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物等のような2価アルコールが挙げられる。また、3価以上のアルコールとしては、例えばグリセリン、ソルビトール、1,4−ソルビタン、2−メチルプロパントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン等が挙げられる。これらの中では、ビスフェノールA、水素添加ビスフェノールA、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド付加物、グリセリンが好ましい。これらの多価アルコール成分は、1種類又は2種類以上を混合して使用することができる。
前記の多価カルボン酸成分としては、特に限定されないが、例えば、脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸が挙げられる。脂肪族ジカルボン酸としては、例えばシュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、スペリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,18−オクタデカンジカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸等が挙げられる。芳香族ジカルボン酸としては、例えばフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、メサコニン酸等が挙げられる。また、これらジカルボン酸の二塩基酸塩や酸無水物、炭素数1〜6の低級アルキルエステルのような誘導体を用いても良い。これらの中では、アジピン酸、イソフタル酸、テレフタル酸等が好ましい。これらの多価カルボン酸成分は、1種類又は2種類以上を混合して使用することができる。
ポリエステル樹脂の原料としては、必要により、オクタン酸、デカン酸、ドデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸等の脂肪族モノカルボン酸;分岐や不飽和基を有する脂肪族モノカルボン酸;オクタノール、デカノール、ドデカノール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール等の脂肪族モノアルコール;安息香酸、ナフタレンカルボン酸等の芳香族モノカルボン酸;等を、さらに加えることができる。
また、トリメリット酸、ピロメリット酸等の多官能カルボン酸を適宜用いて主鎖同士の架橋をし、ゲル化をすることで、高温オフセットに強い樹脂を合成できる。
上記樹脂組成物の粉体は、少なくともポリエステル樹脂を含有する。該樹脂組成物の粉体は、樹脂としてポリエステル樹脂のみを含有することもできるし、ポリエステル以外の樹脂をさらに含有することもできる。
ポリエステル以外の樹脂としては、例えば、スチレン又はスチレン誘導体の重合体、スチレン系共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族炭化水素樹脂、脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックス等が挙げられる。
上記した樹脂は、いずれも単独で使用してもよいし、2種類以上を併用してもよい。
上記スチレン又はスチレン誘導体の重合体としては、例えば、ポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエン等が挙げられる。
上記スチレン系共重合体としては、例えば、スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体等が挙げられる。
上記樹脂組成物の粉体が含有するポリエステル樹脂と、ポリエステル以外の樹脂との含有比率は特に制限されないが、「ポリエステル樹脂」/「ポリエステル以外の樹脂」の含有比率は上記G’及びG’’を超えない範囲で、質量基準で通常100/0〜50/50、好ましくは100/0〜60/40、より好ましくは100/0〜70/30、さらに好ましくは100/0〜80/20、特に好ましくは100/0〜90/10である。
上記樹脂は合成することもできるし、市販品として入手することもできる。
樹脂を合成するときは、その合成方法は特に限定されず、公知の方法であればいずれも使用することができる。一例としては、例えば、乳化重合法、懸濁重合法、塊状重合法、溶液重合法等が使用できる。また、これら複数の重合法でそれぞれ製造された樹脂を混合することもできる。
市販品のポリエステル樹脂の一例としては、三菱レーヨン株式会社製のダイヤクロン FC−684、ダイヤクロン FC−1224、ダイヤクロン FC−2232、ダイヤクロン FC−2247、ダイヤクロン FC−316、ダイヤクロン ER−508等が挙げられる。
上記樹脂組成物の粉体は、動的粘弾性試験におけるG’が130℃において100〜3500Paであり、G’’が130℃において100〜5000Paであることが好ましい。
130℃におけるG’及びG’’の両方、又はいずれか一方が上記の範囲を満たさないときは、被染色物からの中間記録媒体の剥離が不十分となり、例えば、被染色物の質感や外観を傷つけてしまう;剥離するときに中間記録媒体が破損して被染色物から完全には剥離できず、被染色物に張り付いた状態で残存してしまう(この現象は、中間記録媒体として紙を使用するときに、特に生じやすい。);及び、中間記録媒体に付着させた樹脂組成物の紛体自体が被染色物に張り付くこと;等により、染色の不良や被染色物の風合いが大きく損なわれてしまう;等の、様々な不具合が生じる。
上記ポリエステル樹脂の中には、上記樹脂組成物の粉体が含有するポリエステル樹脂として単独で使用すると、該粉体が上記G’及び/又はG’’を満たさない樹脂も含まれる。しかし、そのようなポリエステル樹脂であっても、例えば2種類の樹脂を併用したとき、該粉体が上記G’及びG’’を満たすことがある。このため、ポリエステル樹脂の種類は特に制限されない。
好ましいポリエステル樹脂の目安としては、該ポリエステル樹脂の単独での動的粘弾性試験における170℃でのG’(以下「PE−G’」という。)及びG’’(以下「PE−G’’」)として、以下の範囲が挙げられる。
PE−G’としては通常60〜1000Pa、好ましくは100〜700Pa、より好ましくは120〜500Paである。
PE−G’’としては通常60〜2000Pa、好ましくは100〜1500Pa、より好ましくは120〜1100Paである。
上記PE−G’及びPE−G’’を満たすポリエステル樹脂は、単独で使用しても、上記樹脂組成物の粉体のG’及びG’’を満たすことができる。
また、ポリエステル樹脂を併用するときは、少なくとも1種類のポリエステル樹脂として、上記PE−G’及びPE−G’’を満たすポリエステル樹脂を使用することにより、上記樹脂組成物の粉体のG’及びG’’を満たすことが可能となる。このようなとき、上記樹脂組成物の粉体が含有するポリエステル樹脂の総質量に対して、PE−G’及びPE−G’’を満たすポリエステル樹脂の含有量は、通常35%以上、好ましくは40%以上、より好ましくは45%以上である。
上記PE−G’及びPE−G’’を満たすポリエステル樹脂としては、例えば、三菱レーヨン株式会社製のダイヤクロン ER−508、三洋化成工業株式会社製のM−412等が挙げられる。
上記G’及びG’’(PE−G’及びPE−G’’も含む)は、ARES(ティー・エイ・インスツルメントジャパン社製)を用いて、下記の条件で測定することができる。
[測定治具]:直径25mmおよび直径8mmの円形パラレルプレートを使用。
[測定試料]:樹脂組成物の粉体(PE−G’及びPE−G’’を測定するときは、樹脂組成物の粉体が含有する樹脂そのもの)0.1gを秤量し、10kNの荷重を1分間かけて、直径8mm、厚さ約2mmの円盤状に成型したペレット。
[測定周波数]:1.0Hz。
[測定歪の設定]:初期値を0.02%に設定した後、自動測定モードにて測定。
[試料の伸長補正]:自動モードにて調整。
[測定温度範囲]:30〜180℃。
[昇温速度]:5℃/分。
[測定間隔]:1秒毎。
上記の昇華性染料としては特に限定されないが、昇華転写適性のある染料が好ましい。
「昇華転写適性のある染料」とは、「乾熱処理に対する染色堅ろう度試験方法[JIS L 0879:2005](2010年 確認、平成17年1月20日 改定、 財団法人日本規格協会 発行)」における、感熱処理試験(C法)汚染(ポリエステル)の試験結果が、通常4級以下、好ましくは3.5級又は3級に近い4級以下、より好ましくは3級以下の染料を意味する。すなわち、本明細書においては、感熱処理試験(C法)汚染(ポリエステル)の試験結果が4級の染料は、昇華転写適性のある染料に含まれる。なお、「3.5級」又は「3級に近い4級」の染料の意味は、下記する「4.5級」又は「5級に近い4級」の染料と同様に、当業者には周知である。
そのような染料のうち、公知の染料としては、例えば以下の染料が挙げられる。
イエロー染料としては、C.I.ディスパースイエロー3、7、8、23、39、51、54、60、71、86;C.I.ソルベントイエロー43、114、163;等が挙げられる。
オレンジ染料としては、C.I.ディスパースオレンジ1、1:1、5、20、25、25:1、33、56、76等が挙げられる。
ブラウン染料としては、C.I.ディスパースブラウン2等が挙げられる。
レッド染料としては、C.I.ディスパースレッド11、50、53、55、55:1、59、60、65、70、75、93、146、158、190、190:1、207、239、240;C.I.バットレッド41;等が挙げられる。
バイオレット染料としては、C.I.ディスパースバイオレット8、17、23、27、28、29、36、57等が挙げられる。
ブルー染料としては、C.I.ディスパースブルー19、26、26:1、35、55、56、58、64、64:1、72、72:1、81、81:1、91、95、108、131、141、145、359、360;C.I.ソルベントブルー3、63、83、105、111;等が挙げられる。
上記した染料は、いずれも単独で使用することも、2種類以上を併用することもできる。
また、複数の昇華性染料を配合し、例えばブラックのように元の染料とは全く異なる色相を得ることも好ましく行われる。このときは、例えばブルー染料を主体にイエロー染料、及びレッド染料を適宜配合することによりブラック染料とすることができる。
さらに、例えばブルー、イエロー、オレンジ、レッド、バイオレット、又はブラック等の色調を、より好みの色調に微調整する目的;又は、中間色を得る目的;等により、複数の染料を配合することもできる。
上記樹脂組成物の粉体は、染料として、少なくとも昇華性染料を含有する以外に、非昇華性染料をさらに含有することもできる。
非昇華性染料としては特に限定されないが、「乾熱処理に対する染色堅ろう度試験方法[JIS L 0879:2005](2010年 確認、平成17年1月20日 改定、 財団法人日本規格協会 発行)」における、感熱処理試験(C法)汚染(ポリエステル)の試験結果が、4級を超える染料を意味する。当業者であれば周知の通り、感熱処理試験(C法)汚染(ポリエステル)の試験結果が、4級は越えているが5級までは達しない、4級と5級の間と判定されることもある。このようなとき、それらの染料が慣用的に「4.5級」、又は「5級に近い4級」等と判定されることは、当業者には周知である。本明細書において、非昇華染料としては通常4級を超える染料、好ましくは4.5級又は5級に近い4級の染料、より好ましくは5級以上の染料が挙げられる。
、そのような染料のうち、公知の染料としては、例えば以下の染料が挙げられる。
イエロー染料としては、C.I.ディスパースイエロー42、49、76、83、88、93、99、114、119、126、160、163、165、180、183、186、198、199、200、224、237等が挙げられる。
レッド染料としては、C.I.ディスパースレッド73、88、91、92、111、127、131、143、145、146、152、153、154、179、191、192、206、221、258、283、302、323、328、359等が挙げられる。
ブルー染料としては、C.I.ディスパースブルー27、54、60、73、73:1、75、77、79、79:1、87、143、165、165:1、165:2、181、185、197、225、257、266、267、281、341、353、354、358、360、364、365、368等が挙げられる。
上記の樹脂組成物の紛体が含有する昇華性染料の含有量は特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。昇華性染料の含有量の目安としては、樹脂組成物の紛体の総質量に対して通常1〜40%、好ましくは2〜35%、より好ましくは3〜25%である。
樹脂組成物の粉体中における昇華性染料の含有量が少なすぎると、染色濃度の低下が生じ、多すぎると樹脂組成物の粉体の電気特性の低下や濃度ムラ、染色ムラ等の染色不良を生じることがある。
上記樹脂組成物の粉体の用途としては特に制限は無く、例えば紫外線硬化型インク、熱硬化型インク、インクジェットインク、グラビアインク、オフセットインク等の印刷インクや液体トナーが含有する着色材料;転写式ハロゲン化銀感光材料;感熱転写方式の記録材料;記録ペン、光記録媒体材料、接着剤等が含有する着色材料;粉体塗料、粉体トナー等が含有する着色材料;等の用途が挙げられる。これらの用途の中では、紫外線硬化型インク、熱硬化型インク、インクジェットインク、グラビアインク、オフセットインク等の印刷インクや液体トナー;粉体塗料、粉体トナー;が好ましい。また、液体トナー、粉体塗料、粉体トナーがより好ましく、粉体トナーがさらに好ましい。
上記樹脂組成物の粉体は、上記の通り各種の用途に使用することができる。このため、該樹脂組成物の粉体は、その使用用途に応じて樹脂以外の添加剤を含有してもよい。
添加剤の一例として粉体トナーを挙げると、例えばワックス、荷電制御剤、外添剤等の添加剤が挙げられる。これらの種類、樹脂組成物の粉体の総質量中における含有量、及び、これらの添加剤を含有する粉体トナーの製造方法等については、いずれも公知の材料、用量、及び方法等の情報を使用することができる。また、上記樹脂組成物の粉体を粉体トナー以外の用途に使用するときも、同様に公知の情報を使用することができる。
上記樹脂組成物の粉体は、各種の添加剤を含有するときであっても、昇華転写染色方法における、被記録材から中間記録媒体を剥離するときに、十分な剥離性の改善効果を発揮する。
上記の樹脂組成物の粉体の体積平均粒子径(D50 Vol.)としては特に制限されず、その使用目的、及び/又は用途により適切な粒子径とすることができる。
上記の樹脂組成物の粉体を、粉体トナーとして使用するときは通常1μm〜12μm、好ましくは2μm〜10μm、より好ましくは3μm〜10μm、さらに好ましくは5μm〜8μm程度である。
なお、平均粒子径は、精密粒度分布測定装置(ベックマン・コールター社製、Mulitisizer 4)を用いて測定し、本明細書においては特に断りのない限り、測定値の小数点以下を四捨五入して記載する。
上記の樹脂組成物の粉体の製造方法としては、少なくともポリエステル樹脂と、昇華性染料とを混練した後、粉砕、分級を行う粉砕法;昇華性染料等の染料の存在下に、重合性のモノマーを重合させ、同時に形状や大きさを制御しながら粉体を調製する重合法(例えば、乳化重合法、溶解懸濁法、乳化会合法、ポリエステル伸張法等);等の、公知のいずれの製造方法も使用することができる。樹脂組成物の粉体の製造を高速に行えるという点では粉砕法が好ましく、該粉体の体積平均粒子径を小さくするという点では重合法が好ましい。
上記のうち、粉砕法による上記の樹脂組成物の粉体の製造は、例えば、下記の製造工程1〜3の3つの工程により行うことができる。
[製造工程1]
少なくともポリエステル樹脂と、昇華性染料とをヘンシェルミキサー等の混合機で混合し、樹脂−染料混合物を得る工程。
[製造工程2]
製造工程1で得られた樹脂−染料混合物を、密閉式ニーダー;又は、1軸もしくは2軸の押出機;等で溶融混練し、冷却して樹脂組成物を得る工程。
[製造工程3]
製造工程2で得られた樹脂組成物を、ハンマーミル等で粗粉砕した後、ジェットミル等で微粉砕し、必要に応じて各種分級機やサイクロンを用いて目標とする粒度分布になる様に分級して樹脂組成物の粉体を得る工程。
上記の中間記録媒体としては、特に制限はなく、「紙・板紙及びパルプ用語[JIS P 0001:1998(2008年 確認、平成10年3月20日 改正、財団法人日本規格協会 発行)]」中、第28頁〜第47頁の「3.分類 f)紙・板紙の品種及び加工製品」に記載された紙・板紙の品種及び加工製品(番号6001〜6284。但し、番号6235の「耐油性」、6263「フルート,段」、6273「パルプ成型品」、6276「カーボン紙」、6277「マルチコピーフォーム用紙」、6278「裏カーボンフォーム用紙」を除く);及び、セロハン(以下、「紙・板紙の品種及び加工製品;及び、セロハン」を「紙等」という。)の中から適宜選択することができる。
上記の紙等のうち、昇華転写に使用できるものであれば、いずれも中間記録媒体として使用することができる。
なお、後記するように、昇華転写を行うときは通常190℃〜210℃程度の熱処理を行う。従って、上記の中間記録媒体のうち、該熱処理のときに安定なものが好ましい。
上記被染色物としては、少なくとも疎水性繊維、若しくは疎水性樹脂を含有する物質が挙げられる。
これらのうち、疎水性繊維としては、疎水性繊維又は疎水性繊維を含有する混紡繊維、若しくは該繊維の構造物である布帛等が挙げられる。上記の疎水性繊維としては、少なくともポリエステル繊維を含有する繊維が挙げられる。該疎水性繊維の総質量中における、ポリエステル繊維の含有量は通常60%〜100%、好ましくは70%〜100%、より好ましくは80%〜100%である。
上記の疎水性樹脂を含有する物質としては、疎水性樹脂として少なくともポリエステル樹脂を含有する物質が挙げられる。該疎水性樹脂の総質量中における、ポリエステル樹脂の含有量は通常60%〜100%、好ましくは70%〜100%、より好ましくは80%〜100%である。
疎水性樹脂を含有する物質としては、例えば、疎水性樹脂を含有するフィルムやシート、好ましくはPETフィルムやPETシート等;疎水性樹脂がコーティングされた布帛、ガラス、金属、陶器等;が挙げられる。なお、「PET」は「ポリエチレンテレフタレート」を意味する。
上記の疎水性繊維又は疎水性繊維を含有する混紡繊維、若しくは該繊維の構造物である布帛の具体例としては、例えば、サテン、トロピカル、ダブルピケ、マイクロファイバー等が挙げられる。これらの中でも繊維が非常に細い超極細繊維として知られるマイクロファイバーを被染色物として使用すると、昇華転写染色において中間記録媒体との張り付きが極めて強く生じ、剥離性が顕著に悪化する。このため、上記の剥離性の改善方法は、被染色物としてマイクロファイバーを使用したときに、極めて顕著な剥離性の改善効果を発揮する。
上記の昇華転写染色方法における、樹脂組成物の粉体を中間記録媒体に付着させる方法は特に制限されない。
その例としては、例えば、該樹脂組成物の粉体を含有する紫外線硬化型インク、熱硬化型インク、インクジェットインク、グラビアインク、オフセットインク等のインク;液体トナー;転写式ハロゲン化銀感光体;感熱転写方式の記録体;記録ペン、光記録媒体材料、接着剤等;粉体塗料、粉体トナー等;等を調製し、塗布や印刷等の公知の方法により、樹脂組成物の粉体を中間記録媒体に付着させることができる。
上記の昇華転写染色方法において、中間記録媒体における樹脂組成物の粉体の付着面と、被染色物とを重ねあわせて熱処理するときの熱処理温度は、通常190〜210℃程度である。この熱処理により、中間記録媒体に付着した樹脂組成物の粉体が含有する昇華性染料は、被染色物に昇華転写され、被染色物が染色される。この熱処理後の段階では中間記録媒体と被染色物とは付着した状態である。このため、通常は被染色物から中間記録媒体を剥離することにより昇華転写染色が完了する。
本発明の昇華転写染色方法における被染色物から中間記録媒体を剥離するときの、中間記録媒体の剥離性の改善方法により、被染色物から中間記録媒体を剥離する際に大きな力が必要となる不具合;被染色物の質感や外観を傷つけてしまう問題;特に、中間記録媒体として紙を使用すると、剥離の際に中間記録媒体が破損して被染色物から完全には剥離できず、被染色物に張り付いた状態で残存してしまう問題;及び、中間記録媒体に付着させた樹脂組成物の紛体自体が被染色物に張り付くこと等により、染色の不良や被染色物の風合いが大きく損なわれてしまう問題;等の、様々な不具合や問題を解決することが可能となった。
以下実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、これらの実施例により本発明が限定されるものではない。
実施例中、貯蔵弾性率(G’若しくはPE−G’)、及び損失弾性率(G’’若しくはPE−G’’)は、明細書中に記載の装置、及び条件を用いて測定した。
[実施例1]:樹脂組成物の粉体の調製。
三菱レイヨン株式会社製のダイヤクロンER−508(91部)、日本化薬株式会社製のC.I.ディスパースブルー359(9部)を200℃に加熱したホットプレート上でメルトブレンドし、冷却後ジューサーミキサーで粉砕することにより、本発明の樹脂組成物の紛体を得た。
[実施例2]:樹脂組成物の粉体の調製。
三菱レイヨン株式会社製のダイヤクロンFC−2232(46部)、ダイヤクロンER−508(45部)、日本化薬株式会社製のC.I.ディスパースブルー359(9部)を200℃に加熱したホットプレート上でメルトブレンドし、冷却後ジューサーミキサーで粉砕することにより、本発明の樹脂組成物の紛体を得た。
[実施例3]:樹脂組成物の粉体が付着した中間記録媒体の調製。
実施例1で得た樹脂組成物の紛体(20部)を乳鉢に入れ、第一工業製薬株式会社製のラベリンWP(20部)、及びイオン交換水(60部)を加えて、乳棒で混合・粉砕化処理し、樹脂組成物の紛体の分散液を得た。
得られた分散液を、バーコーターでドライ膜厚が10〜30μm程度になるように中間記録媒体(A4判のボンド紙)に塗工した後、常温で2時間以上乾燥させて、本発明の、樹脂組成物の紛体が付着した中間記録媒体を得た。
[実施例4]:樹脂組成物の粉体が付着した中間記録媒体の調製。
実施例1で得た樹脂組成物の粉体の代わりに、実施例2で得た樹脂組成物の粉体を用いる以外は実施例3と同様にして、本発明の、樹脂組成物の粉体が付着した実施例4の中間記録媒体を得た。
[比較例1]:比較用の樹脂組成物の粉体の調製。
ダイヤクロンER−508の代わりに、三菱レイヨン株式会社製のダイヤクロンFC−2232を用いる以外は実施例1と同様にして、比較例1の樹脂組成物の紛体を得た。
[比較例2]:比較用の樹脂組成物の粉体の調製。
ダイヤクロンER−508の代わりに、三菱レイヨン株式会社製のダイヤクロンFC−2247を用いる以外は実施例1と同様にして、比較例2の樹脂組成物の紛体を得た。
[比較例3]:比較用の樹脂組成物の粉体の調製。
ダイヤクロンER−508の代わりに、三菱レイヨン株式会社製のダイヤクロンFC−316を用いる以外は実施例1と同様にして、比較例3の樹脂組成物の粉体を得た。
なお、上記の各実施例及び比較例で使用した、各ポリエステル樹脂の170℃におけるPE−G’及びPE−G’’を、下記表2に示す。
[比較例4〜6]:比較用の樹脂組成物の粉体が付着した中間記録媒体の調製。
実施例1で得た樹脂組成物の粉体の代わりに、比較例1〜3で得た比較用の樹脂組成物の粉体を用いる以外は実施例2と同様にして、比較例1〜3の樹脂組成物の粉体がそれぞれ付着した、比較例4〜6の中間記録媒体をそれぞれ得た。
[剥離性評価試験]
剥離性の評価試験として、下記する[剥離性1]及び[剥離性2]の2つの試験を行った。試験結果と、樹脂組成物の粉体等の物性値を下記表1に示す。
[剥離性1:人力による剥離性評価]
被染色物として、いずれも100%ポリエステル繊維で構成されているサテン(厚み150μm)、及びマイクロファイバー(厚み500μm)のそれぞれと、上記の実施例3〜4、及び比較例4〜6でそれぞれ得た各中間記録媒体とを重ね合わせた後、熱プレス機(太陽精機株式会社製:トランスファープレス機TP−600A2)を用いて195℃×60秒の条件にて熱処理することにより、昇華転写染色を行った。この時点では付着状態にある被染色物と中間記録媒体から、中間記録媒体を手で剥離するときの剥離性を、以下3段階の基準で評価した。なお、被染色物として、マイクロファイバーを用いたときは、それぞれ2セットについて昇華転写染色を行った。この2セットのうち、1セットは「[剥離性1]」に、残りの1セットは下記する「[剥離性2]」のそれぞれの試験に使用した。
A:中間記録媒体と被染色物との剥離性が良好であり、剥がすために殆ど力を必要としない。また、中間記録媒体が破損することなく、スムースに剥離が完了する。
B:中間記録媒体と被染色物との剥離性が低下し、剥がすために力を必要とする。また剥離の際に、中間記録媒体の一部が破損して被染色物に付着したまま残存する。
C:中間記録媒体と被染色物との剥離性が大幅に低下し、剥がすために大きな力を必要とする。また剥離の際に、中間記録媒体の大部分が破損して被染色物に付着したまま残存する。
[剥離性2:剥離強度の測定]
上記「[剥離性1:人力による剥離性評価]」で得た、付着状態にあるマイクロファイバーの被染色物と中間記録媒体から、中間記録媒体を剥離するときの力(剥離強度)を、90°剥離試験機(イマダ製デジタルフォースゲージ、DPRS5TR)で測定した。数値の単位はニュートン(N)である。
下記表1中の略号等は、以下の意味を表す。
G’:貯蔵弾性率。
G’’:損失弾性率。
MF:マイクロファイバー。
なお、比較例6は、被染色物と中間記録媒体とが強固に付着していたため、中間記録媒体を被染色物から剥離するとき、中間記録媒体の破損が激しく、「剥離性2」における剥離強度の測定ができなかった。
Figure 2016016517
Figure 2016016517
表1から明らかなように、本発明の各実施例は、各比較例と比較して剥離性に極めて優れることが確認された。
本発明の剥離性の改善方法は、昇華転写染色方法における被染色物から中間記録媒体を剥離するときの剥離性が極めて良好となる。このため、昇華転写染色を行うときに極めて有用である。

Claims (8)

  1. 少なくともポリエステル樹脂と、昇華性染料とを含有する樹脂組成物の粉体を中間記録媒体に付着させ、該中間記録媒体における樹脂組成物の粉体の付着面と、被染色物とを重ね合わせて熱処理することにより、該中間記録媒体に付着した樹脂組成物の粉体が含有する染料を、被染色物に昇華転写した後、被染色物から中間記録媒体を剥離することにより、被染色物の染色を行う昇華転写染色方法における、被染色物から中間記録媒体を剥離するときの、中間記録媒体の剥離性の改善方法であって、該樹脂組成物の粉体の動的粘弾性試験における貯蔵弾性率(G’)が130℃において100〜3500Paであり、且つ、損失弾性率(G’’)が130℃において100〜5000Paである、中間記録媒体の剥離性の改善方法。
  2. 被染色物が、少なくとも疎水性繊維、若しくは疎水性樹脂を含有する物質である請求項1に記載の中間記録媒体の剥離性の改善方法。
  3. 被染色物が、疎水性繊維又は疎水性繊維を含有する混紡繊維、若しくは該繊維の構造物である布帛;疎水性樹脂を含有するフィルムやシート;及び、疎水性樹脂がコーティングされた布帛、ガラス、金属又は陶器;よりなる群から選択される疎水性繊維、若しくは疎水性樹脂を含有する物質である、請求項1又は2に記載の中間記録媒体の剥離性の改善方法。
  4. 疎水性繊維、若しくは疎水性樹脂を含有する物質が、少なくともポリエステル繊維、若しくはポリエステル樹脂を含有する物質である請求項2に記載の中間記録媒体の剥離性の改善方法。
  5. 被染色物が、少なくともポリエステル樹脂を含有するマイクロファイバーである、請求項1〜3のいずれか一項に記載の中間記録媒体の剥離性の改善方法。
  6. 請求項1に記載の中間記録媒体の剥離性の改善方法に用いる樹脂組成物の粉体であって、少なくともポリエステル樹脂と、昇華性染料とを含有し、該樹脂組成物の粉体の動的粘弾性試験における貯蔵弾性率(G’)が130℃において100〜3500Paであり、且つ、損失弾性率(G’’)が130℃において100〜5000Paである樹脂組成物の紛体。
  7. 請求項1に記載の剥離性の改善方法に用いる樹脂組成物の粉体が付着した中間記録媒体であって、該樹脂組成物の粉体が、少なくともポリエステル樹脂と、昇華性染料とを含有し、該樹脂組成物の粉体の動的粘弾性試験における貯蔵弾性率(G’)が130℃において100〜3500Paであり、且つ、損失弾性率(G’’)が130℃において100〜5000Paである樹脂組成物の粉体が付着した中間記録媒体。
  8. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の中間記録媒体の剥離性の改善方法を用い、被染色物から中間記録媒体を剥離することにより得られる染色された繊維、若しくは物質。
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