JP2016016385A - フッ化物イオン含有排水の処理方法及び処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】フッ化物イオン含有排水のpHが4〜6の酸性領域における逆浸透膜処理で、高いフッ化物イオン阻止率を得ることができるフッ化物イオン含有排水の処理方法及び処理装置を提供する。
【解決手段】フッ化物イオン含有排水をpH4〜6の条件下で、逆浸透膜に通水して透過水と濃縮水とに分離する逆浸透膜モジュール14を備え、前記逆浸透膜は、pH4〜6におけるζ電位が−1mV未満であり、且つ補正透過水量が0.94m/day/MPa未満である。
【選択図】図1

Description

本発明は、フッ化物イオン含有排水の処理方法及び処理装置の技術に関する。
半導体デバイスや液晶ディスプレイ等の電子部品製造工場等からは、フッ化物イオンを含む排水(フッ化物イオン含有排水)が排出される。近年、電子部品製造工場等では、コストダウンや環境意識の高まりから、フッ化物イオン含有排水を処理して、純水を製造することが行われている。
フッ化物イオン含有排水の処理には逆浸透膜(RO膜)が多く使用されている(例えば、特許文献1及び2参照)。
特開2001−104955号公報 特開平11−221579号公報
ところで、逆浸透膜において排水のpHは、重要な運転パラメータであり、排水のpHによって、様々なイオンの阻止率、スケーリングリスク、スライムリスク等に影響を与えることが知られている。例えば、酸性領域の排水では、逆浸透膜によるフッ化物イオン阻止率が著しく低下することが知られている。
実際の排水は様々なpHで工場等から排出されるが、スケーリングリスクやスライムリスク、又は併用する薬品等によっては、排水を酸性領域で逆浸透膜に通水する必要があり、この場合、高いフッ化物イオン阻止率を得ることが困難であった。
また、フッ化物イオンの他に、アンモニウムイオン等のアルカリ領域において、逆浸透膜による阻止率が低下するイオンを含む排水の場合、酸性領域で逆浸透膜に通水するだけでは、高いフッ化物イオン阻止率を得ることが困難であった。
本発明の目的は、フッ化物イオン含有排水のpHが4〜6の酸性領域における逆浸透膜処理で、高いフッ化物イオン阻止率を得ることができるフッ化物イオン含有排水の処理方法及び処理装置を提供することにある。
本発明は、フッ化物イオン含有排水をpH4〜6の条件下で、逆浸透膜に通水して透過水と濃縮水とに分離するフッ化物イオン含有排水の処理方法であって、前記逆浸透膜は、pH4〜6におけるζ電位が−1mV未満であり、且つ補正透過水量が0.94m/day/MPa未満である逆浸透膜である。
また、前記フッ化物イオン含有排水の処理方法において、前記フッ化物イオン含有排水には、アンモニウムイオンが含まれていることが好ましい。
また、本発明のフッ化物含有排水の処理装置は、フッ化物イオン含有排水をpH4〜6の条件下で、逆浸透膜に通水して透過水と濃縮水とに分離する逆浸透膜モジュールを備え、前記逆浸透膜は、pH4〜6におけるζ電位が−1mV未満であり、且つ補正透過水量が0.94m/day/MPa未満である逆浸透膜である。
本発明によれば、フッ化物イオン含有排水のpHが4〜6の酸性領域における逆浸透膜処理で、高いフッ化物イオン阻止率を得ることができるフッ化物イオン含有排水の処理方法及び処理装置を提供することができる。
本実施形態に係るフッ化物イオン含有排水の処理装置の構成の一例を示す模式図である。 本実施形態に係るフッ化物イオン含有排水の処理装置の構成の他の一例を示す模式図である。 実施例1、比較例1及び2の逆浸透膜によるフッ化物イオンの阻止率を示す図である。
本発明の実施の形態について以下説明する。本実施形態は本発明を実施する一例であって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
図1は、本実施形態に係るフッ化物イオン含有排水の処理装置の構成の一例を示す模式図である。図1に示すフッ化物イオン含有排水の処理装置1は、原水貯槽10、排水用ポンプ12、逆浸透膜を備える逆浸透膜モジュール14を備えている。またフッ化物イオン含有排水の処理装置1は、供給水ライン16、透過水ライン18、濃縮水ライン20を備えている。
供給水ライン16の一端は原水貯槽10に接続され、他端は逆浸透膜モジュール14の一次側入口に接続されている。供給水ライン16には、排水用ポンプ12が設けられている。また、透過水ライン18の一端は逆浸透膜モジュール14の二次側出口に接続されており、他端は、例えば、需要先の装置等(不図示)に接続されている。また、濃縮水ライン20の一端は、逆浸透膜モジュール14の一次側出口に接続されており、濃縮水ライン20の他端は、例えば、貯水タンク等(不図示)に接続されている。
原水貯槽10には、pHが4〜6のフッ化物イオン含有排水が貯留される。なお、必要に応じて、フッ化物イオン含有排水を原水貯槽10に貯留する前に、除濁装置や生物処理装置等で、除濁処理や有機物の分解処理等の前処理を行っておくことが望ましい。
逆浸透膜モジュール14は、逆浸透膜を介して濃縮水と透過水とに分離する装置である。逆浸透膜モジュール14の形態としては、特に限定されないが、スパイラル型、中空糸型、平膜型、チューブラー型などが挙げられる。
逆浸透膜モジュール14に用いられる逆浸透膜は、pH4〜6におけるζ電位が−1mV未満であり、且つ補正透過水量が0.94m/day/MPa未満である逆浸透膜である。ここで、逆浸透膜のζ電位とは、溶媒中の逆浸透膜表面に形成される電気的な二重層のうち、外側の層の界面(すべり面)における電位のことである。そしてζ電位が負であるほど、溶媒中の陰イオンとの反発性が高くなると考えられる。また、補正透過水量は、逆浸透膜の水の透過性能を示す値であり、操作圧力を作用させたときに単位時間に、膜の単位面積を透過する水の量である。
本実施形態に係るフッ化物イオン含有排水の処理装置1の動作について説明する。
排水用ポンプ12を稼働させ、pH4〜6のフッ化物イオン含有排水を原水貯槽10から供給水ライン16を介して逆浸透膜モジュール14に所定の操作圧力で供給する。逆浸透膜モジュール14にフッ化物イオン含有水を所定の操作圧力で供給すると、逆浸透膜によって、フッ化物イオン等が分離され、逆浸透膜を透過してフッ化物イオン等の低減した透過水と、逆浸透膜を透過せず、フッ化物イオン等の増加した濃縮水とに分離される。そして、透過水は、透過水ライン18から排出され、濃縮水は、濃縮水ライン20から排出される。
本実施形態の逆浸透膜のように、pH4〜6におけるζ電位が−1mV未満であると、pH4〜6のフッ化物イオン含有排水中のフッ化物イオンとの反発性が高くなるため、フッ化物イオンが逆浸透膜を透過し難くなると考えられる。さらに、本実施形態の逆浸透膜のように、補正透過水量が0.94m/day/MPa未満であると、膜の空孔が小さくなるため、フッ化物イオンが透過し難くなると考えられる。このため、pH4〜6におけるζ電位が−1mV未満であり、且つ補正透過水量が0.94m/day/MPa未満である逆浸透膜を用いることにより、pHが4〜6のフッ化物イオン含有排水をアルカリ領域にpH調整することなく、高いフッ化物イオン阻止率が得られる。すなわち、フッ化物イオン濃度の低い透過水が得られる。また、pH4〜6のフッ化物イオン含有排水をアルカリ領域にpH調整する必要がないため、pH6超の条件下で、逆浸透膜による阻止率が低下する物質であるアンモニウムイオン等もフッ化物イオンと共に高い阻止率が得られる。ここで、フッ化物イオン阻止率は、(排水のフッ化物イオン濃度−透過水のフッ化物イオン濃度)/排水のフッ化物イオン濃度×100により求められる。フッ化物イオン濃度は、イオンクロマト分析装置(メトロームジャパン社製 761 Compact IC)により測定される。
なお、pH4〜6におけるζ電位が−1mV未満であるが、補正透過水量が0.94m/day/MPa以上の逆浸透膜では、フッ化物イオンの反発性は高いが、膜の空孔も大きくなるため、フッ化物イオンが透過し易くなると考えられる。また、補正透過水量が0.94m/day/MPa未満であるが、pH4〜6におけるζ電位が−1mV以上の値である逆浸透膜は、膜の空孔が小さくなっていても、フッ化物イオンとの反発性が低いため、フッ化粒イオンが透過し易くなると考えられる。
pH4〜6におけるζ電位が−1mV未満であり、且つ補正透過水量が0.94m/day/MPa未満である逆浸透膜としては、例えば、芳香族カルボン酸と芳香族アミンの界面重合によって得られるポリアミド膜が挙げられる。一般的に、逆浸透膜の表面に親水性を付与したり殺菌性を付与したりする目的で、種々の表面処理剤等を用いて、逆浸透膜の表面処理が行われる。しかし、逆浸透膜のζ電位は、主に逆浸透膜の表面状態に影響を受けると考えられるため、種々の表面処理剤による逆浸透膜の表面処理は、上記ζ電位の値を満たす範囲内で実施される必要がある。また、逆浸透膜の補正透過水量は、主に孔径の大きさに影響を受けると考えられるため、界面重合をはじめとする一連の製膜は、上記補正透過水量の値を満たす範囲内で実施される必要がある。
逆浸透膜の素材としては、上記ζ電位及び補正透過水量を満たすものであれば特に制限されるものではなく、例えば、酢酸セルロース系ポリマーやポリアミド、ポリエステル、ポリイミド、ピニルポリマー、ポリビニルアルコール、ポリスルホンなどの高分子材料等が挙げられる。逆浸透膜の膜厚は、例えば、150μm以上〜170μm以下である。逆浸透膜の細孔径は、例えば、0.5nm以上〜0.7nm以下である。
逆浸透膜のζ電位は、pH4〜6の10mMNaCl水溶液を測定液として、該測定液に15mm×33mm(厚みは5mm以下)の寸法の逆浸透膜を浸漬して、平板電位泳動法により測定される。補正透過水量は、15mm×33mm(厚みは5mm以下)の寸法の逆浸透膜に、pH8.0、温度25℃の0.2%NaCl水溶液を、操作圧力1.55MPa、回収率15%で供給したときの透過水量を操作圧力で除した値である。操作圧力は、逆浸透膜モジュール14の一次側入口の圧力を指す。回収率とは、逆浸透膜モジュール14へ供給される水(ここではNaCl水溶液)の流量に対する透過水の流量の割合(%)である。
逆浸透膜のpH4〜6におけるζ電位は−1mV未満であれば特に制限されるものではないが、逆浸透膜の補正透過水量は、実用上の点で、例えば0.11m/day/MPa以上0.94m/day/MPa未満であることが望ましい。逆浸透膜の補正透過水量が0.11m/day/MPa未満であると、必要な透過水量を得るまでに時間が掛かり、実用的でない場合がある。
図2は、本実施形態に係るフッ化物イオン含有排水の処理装置の構成の他の一例を示す模式図である。図2に示すフッ化物イオン含有排水の処理装置2において、図1に示すフッ化物イオン含有排水の処理装置1と同様の構成については同一の符号を付し、その説明を省略する。図2に示すフッ化物イオン含有排水の処理装置2は、原水貯槽10、排水用ポンプ12、逆浸透膜を備える逆浸透膜モジュール14、pH調整装置、アンモニウムイオンセンサ22、を備えている。また、原水貯槽10には、pHセンサ24が設置されている。pHセンサ24は、原水貯槽10内のフッ化物イオン含有排水のpHを検出するものである。また、アンモニウムイオンセンサ22は、透過水ライン18に設置され、透過水中のアンモニウムイオン濃度を検出するものである。
pH調整装置は、pH調整剤タンク26、pH調整剤用ポンプ28、pH調整剤ライン30、制御部32、を備える。pH調整剤ライン30の一端は原水貯槽10に設置され、他端はpH調整剤タンク26に接続されている。pH調整剤用ポンプ28はpH調整剤ライン30に設けられている。制御部32は、pHセンサ24によるpH値やアンモニウムイオンセンサ22によるアンモニウムイオン濃度に基づいて、pH調整剤用ポンプ28及び排水用ポンプ12の稼働を制御するものであり、これらと電気的に接続されている。
本実施形態に係るフッ化物イオン含有排水の処理装置2の動作について説明する。
pHセンサ24により、原水貯槽10内のフッ化物イオン含有排水のpHが検出される。原水貯槽10内のフッ化物イオン含有排水のpHが4〜6の範囲内であれば、前述した通り、フッ化物イオン含有排水を逆浸透膜モジュール14に通水して、透過水と濃縮水とに分離される。一方、原水貯槽10内のフッ化物イオン含有排水のpHが4未満又は6を超える場合には、制御部32によりpH調整剤用ポンプ28が稼働され、pH調整剤タンク26内のpH調整剤がpH調整剤ライン30を通して、原水貯槽10内に供給され、フッ化物イオン含有排水のpHが4〜6となるようにpH調整が行われる。pH調整剤は、塩酸等の酸剤、水酸化ナトリウム等のアルカリ剤等が挙げられる。
原水貯槽10内のフッ化物イオン含有排水のpHが4〜6に調整された後、制御部32により、排水用ポンプ12が稼働され、原水貯槽10内のフッ化物イオン含有排水が、供給水ライン16を介して逆浸透膜モジュール14に所定の操作圧力で供給される。そして、逆浸透膜モジュール14内の逆浸透膜によって、フッ化物イオン等が分離され、逆浸透膜を透過してフッ化物イオン等の低減した透過水と、逆浸透膜を透過せず、フッ化物イオン等の増加した濃縮水とに分離される。そして、透過水は、透過水ライン18から排出され、濃縮水は、濃縮水ライン20から排出される。
フッ化物イオン含有排水中にアンモニウムイオンが含まれる場合でも、前述した通り、排水のpHが4〜6の範囲であれば、本実施形態の逆浸透膜によって、高いアンモニウムイオン阻止率が得られるが、より高いアンモニウムイオン阻止率が得られる点で、排水のpHは5.5未満であることが好ましい。例えば、透過水ライン18に設置したアンモニウムイオンセンサ22により、透過水中のアンモニウムイオン濃度を検出し、アンモニウムイオンの阻止率が90%を下回った場合、制御部32により、pH調整剤用ポンプ28を稼働させ、フッ化物イオン含有水のpHを4以上5.5未満に調整することが好ましく、4以上5以下に調整することがより好ましい。本実施形態では、アンモニウムイオンを例に説明したが、pH6超の条件下で、逆浸透膜による阻止率が低下する物質であれば特に制限されるものではない。これにより、1度のpH調整で、アンモニウムイオン等のpH6超の条件下で、逆浸透膜による阻止率が低下する物質もフッ化物イオンと共に高い阻止率が得られる。
これらの実施形態では、逆浸透膜モジュール14に供給する排水の操作圧力は、逆浸透膜モジュールの耐久性、阻止率等の点から、例えば、0.8MPa〜1.9MPaの範囲が好ましく、1.4MPa〜1.9MPaの範囲がより好ましい。
これらの実施形態のフッ化物イオン含有排水の処理装置におけるフッ化物イオン阻止率は、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上の高い阻止率が得られ、アンモニウムイオン等のpH6超の条件下で、逆浸透膜による阻止率が低下する物質の阻止率は、好ましくは91%以上、より好ましくは96%以上の高い阻止率が得られる。
以下、実施例および比較例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
実施例1の試験は図2に示す装置を用いて行った。実施例1で処理する排水の組成を表1に示す。実施例1で用いた逆浸透膜は、pH4〜6におけるζ電位が−6〜−7の範囲であり、補正透過水量が0.73〜0.81m/day/MPaであった。表1に示す組成の排水に塩酸または水酸化ナトリウムを添加し、排水のpHを3〜9の範囲に調整した上で、各pHの排水を逆浸透膜モジュールに通水し、逆浸透膜によるフッ化物イオン阻止率を測定した。排水の通水条件は、排水温度25℃、回収率15%、透過水量0.51〜0.54m/dayとした。この結果、操作圧力は0.67〜0.70MPaとなった。逆浸透膜によるフッ化物イオン阻止率は、(排水のフッ化物イオン濃度−透過水のフッ化物イオン濃度)/原水のフッ化物イオン濃度×100として算出した値である。
(比較例1)
比較例1では、pH4〜6におけるζ電位が−9〜−11の範囲であり、補正透過水量が0.94m/day/MPaである逆浸透膜を用いたこと以外は、実施例1と同様に試験し、逆浸透膜によるフッ化物イオン阻止率を測定した。
(比較例2)
比較例2では、pH4〜6におけるζ電位が0〜−1の範囲であり、補正透過水量が0.73m/day/MPaである逆浸透膜を用いたこと以外は、実施例1と同様に試験し、逆浸透膜によるフッ化物イオン阻止率を測定した。
図3は、実施例1、比較例1及び2の逆浸透膜によるフッ化物イオン阻止率を示す図である。図3の横軸は排水の各pHであり、縦軸は、各pHの排水を逆浸透膜に通水した際の、フッ化物イオン阻止率である。図3に示すように、排水のpHが6.5以上では、実施例1の逆浸透膜と比較例1及び2の逆浸透膜とのフッ化物イオン阻止率はほとんど変わらなかった。排水のpHが4〜6の範囲では、実施例1の逆浸透膜は、フッ化物イオン阻止率が90%以上であり、比較例1及び2の逆浸透膜より高かった。なお、排水のpHが3.0になると、実施例1の逆浸透膜でも、フッ化物イオン阻止率が70%と低い値となった。これらの結果から、pH4〜6におけるζ電位が−1mV未満であり、補正透過水量が0.94m/day/MPa未満である逆浸透膜を用いることにより、フッ化物イオン含有排水のpHが4〜6の酸性領域における逆浸透膜処理で、高いフッ化物イオン阻止率が得られると分かった。
(実施例2)
実施例2で処理する排水の組成を表2に示す。実施例2では実施例1と同じ逆浸透膜を用いた。表2に示す組成の排水に塩酸または水酸化ナトリウムを添加し、排水のpHを9.0、6.5、6.0、5.0、4.0、3.0に調整した上で、各pHの排水を逆浸透膜モジュールに通水し、逆浸透膜によるフッ化物イオン及びアンモニウムイオン阻止率を測定した。排水の通水条件は、排水温度25℃、操作圧力0.74〜0.76MPa、回収率15%とした。この結果、透過水量は0.57〜0.59m/dayとなった。
(比較例3)
比較例3では、比較例1と同じ逆浸透膜を用いたこと以外は、実施例2と同様に試験し、逆浸透膜によるフッ化物イオン及びアンモニウムイオン阻止率を測定した。
(比較例4)
比較例4では、比較例2と同じ逆浸透膜を用いたこと以外は、実施例2と同様に試験し、逆浸透膜によるフッ化物イオン及びアンモニウムイオン阻止率を測定した。
表3〜8に、各pHの排水を実施例2、比較例3及び4の逆浸透膜に通水した際の、フッ化物イオン及びアンモニウムイオン阻止率及び透過水濃度の結果を示す。
表3から分かるように、pH9の排水では、実施例2、比較例3及び4いずれもフッ化物イオン阻止率は高かったが、アンモニウムイオン阻止率は76%以下と低かった。また、表4から分かるように、pH6.5の排水では、実施例2、比較例3及び4いずれも、高いフッ化物イオン阻止率及びアンモニウムイオン阻止率が得られた。しかし、表5〜7から分かるように、pH6、5、4の排水では、実施例2の逆浸透膜のみが、高いフッ化物イオン阻止率及びアンモニウムイオン阻止率が得られた。表8から分かるように、pH3の排水では、いずれも低いフッ化物イオン阻止率であった。
1〜2 フッ化物含有排水の処理装置、10 原水貯槽、12 排水用ポンプ、14 逆浸透膜モジュール、16 供給水ライン、18 透過水ライン、20 濃縮水ライン、22アンモニウムイオンセンサ、24 pHセンサ、26 pH調整剤タンク、28 pH調整剤用ポンプ、30 pH調整剤ライン、32 制御部。

Claims (3)

  1. フッ化物イオン含有排水をpH4〜6の条件下で、逆浸透膜に通水して透過水と濃縮水とに分離するフッ化物イオン含有排水の処理方法であって、
    前記逆浸透膜は、pH4〜6におけるζ電位が−1mV未満であり、且つ補正透過水量が0.94m/day/MPa未満である逆浸透膜であることを特徴とするフッ化物イオン含有排水の処理方法。
  2. 前記フッ化物イオン含有排水には、アンモニウムイオンが含まれていることを特徴とする請求項1記載のフッ化物イオン含有排水の処理方法。
  3. フッ化物イオン含有排水をpH4〜6の条件下で、逆浸透膜に通水して透過水と濃縮水とに分離する逆浸透膜モジュールを備え、
    前記逆浸透膜は、pH4〜6におけるζ電位が−1mV未満であり、且つ補正透過水量が0.94m/day/MPa未満である逆浸透膜であることを特徴とするフッ化物イオン含有排水の処理装置。
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