JP2016014017A - フラン化合物の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】フルフラール化合物からフラン化合物を製造するにあたり、フラン化合物の生産性を向上させるとともに、フルフリルアルコール化合物の副生を回避し、かつ触媒の活性が経時的に低下することを抑制することによって、安定的にフルフラール化合物を転化せしめて、高効率にフラン化合物を製造する方法を提供する。【解決手段】フルフラール化合物を、加圧状態で水素共存下に触媒と接触させて、フラン化合物を製造する方法において、フルフラール化合物に対する水素のモル比を、0を超え0.2以下とすることにより、フラン生産量と向上させるとともに、フルフリルアルコール化合物の副生量を低減させる。【選択図】なし

Description

本発明はフルフラール化合物からフラン化合物を製造する方法に関し、さらに詳しくは、水素を特定の割合で共存させたフルフラール化合物を、加圧状態で触媒と接触させてフラン化合物を製造する方法に関する。
フランはテトラヒドロフランやピロール、チオフェン等の製造原料に用いることができる有用な中間体化学品であり、フルフラールの脱カルボニル反応により製造される。
フルフラールの脱カルボニル反応によるフランの製造方法は、大きく分けて気相流通反応(以下、単に「気相反応」ということがある。)による方法と、液相反応による方法が知られている。気相反応による方法は、通常、フルフラールを含む原料ガスを、触媒を装填した反応器中に通じることで反応を行なう方法である。気相反応は、触媒と生成物の分離が容易であるという長所があり、Zn−Cr−Mn、Zn−Cr−Fe複合酸化物のような酸化物触媒を用いる方法や、担持貴金属触媒を用いる方法が提案されている(特許文献1〜3)。そのうち、比較的低い反応温度でも活性を示す担持貴金属触媒を用いた方法が有用である。
脱カルボニル反応において副生するCOは、一般的に触媒の水素化活性点(担持貴金属)を被毒し、触媒を劣化させる。そのため触媒の劣化を抑制する方法が検討されている。そのひとつとして、効果のメカニズムは不明なものの気相反応時に水素を共存させる方法が知られており(特許文献2、3)、特に担持貴金属触媒を用いる場合には、長時間の連続反応を可能にするためにフルフラールと共に大量の水素を導入することが有効と考えられていた(非特許文献1、2)。それでも、さらに触媒の寿命を延ばし、かつ高いフラン生産性を保つ工夫が求められており、それを目的とした触媒や反応条件の適用が数多く提案されている(特許文献4〜6)。しかし、副生物の増大や、フラン環を有する化合物の重合しやすい性質に基づく課題もあり、十分に満足できる製造方法に到達していない。
米国特許第2,776,981号明細書 米国特許第4,780,552号明細書 米国特許第3,223,714号明細書 国際公開第2009/069714号 米国特許出願公開第2011/0196126号明細書 米国特許出願公開第2012/0165561号明細書
Journal of Chemical Technology and Biotechnology Vol.30(1980),p.293 Journal of Molecular Catalysis A: Chemical Vol.335(2011),p.71
フルフラールの脱カルボニル反応によってフランを製造する際、その副生成物であるCOのほかに、脱カルボニル反応以外の反応による副生成物が生じ、フランの収率が低下す
ることがある。特にフランや、原料のフルフラールとの分離が困難な化合物が副生する際には、製造プロセスが複雑になり、製造効率が低下するという問題があった。
フルフラールの脱カルボニル反応によってフランを製造する際のフランの生産性を向上させる(反応速度の向上、反応器サイズの縮小)目的において、一般に考えられる手法として加圧条件及び/又は高濃度条件での反応設計がある。また、フランのような低沸点化合物を気相反応で製造する場合は、通常、生成物の回収のしやすさ(生成物と未反応フルフラールの分離における効率向上や、生成したフランとCOの分離におけるフランの損失抑制)の観点からもそのような条件は好ましい場合がある。しかしながら、本発明における脱カルボニル反応は、本質的に1分子から2分子へ分子数が増える反応であることから
反応化学的に加圧条件での反応は不利となるため、当業者は加圧条件での反応設計を採用しない。
さらには、原料のフルフラール濃度を高める条件を採用するとフルフラールの重合反応が併発し、この副生重合物の堆積により触媒の劣化が速まるばかりか配管の閉塞等も引き起こし、安定的に製造プラントを操業する上で問題となる。したがって、原料フルフラールを高濃度に供給する方法は、触媒の耐久性ならびにプラント操業上の煩雑さへの懸念から避けられてきた。
一方で、本発明を完成する上で、触媒劣化抑制や触媒活性の維持の目的で水素を共存させると、特に加圧条件下においては、脱カルボニル反応とは別の副反応が進行しやすくなり、副生物の生成が促進されることがわかった。更にこのときに生成した副生成物を詳細に検討したところ、フルフリルアルコールが多く生成していること、また副生するフルフリルアルコールはフルフラールよりも重合しやすいという重要な知見を得た。
すなわち、フルフラールからの脱カルボニル反応において、フルフリルアルコールが多く副生すると、重合物の堆積により触媒の劣化が顕著になるばかりか、未反応フルフラールを回収して再利用する工程では重合物による配管の閉塞等も発生し、安定にプラントを操業することが難しくなる。よって、本発明の完成においては、副生するフルフリルアルコールの量を如何に低減させるかが技術的な設計ポイントとなるため、特に加圧条件下での製造においてはフルフリルアルコールの顕著な副生を低減させることが課題となる。
また、フルフリルアルコールの副生は、フルフリルアルコールが原料のフルフラールと沸点が近く、フルフラールとの分離が困難である為、未反応のフルフラールを回収して有効利用しようとするときにその精製負荷が著しく高まるといった問題も生じる。さらに反応生成物中のフルフリルアルコールの比率が増えすぎると、特に未反応のフルフラールをリサイクルして使用するプロセスを想定した場合、フルフリルアルコールが反応系内に蓄積してしまう可能性があり、製造プロセスが複雑になるといった問題が生じる。
そこで、本発明は、フルフラール化合物からフラン化合物を製造するにあたり、加圧条件下でフランの生産性を高めるとともに、フルフリルアルコール化合物の副生を低減し、かつ触媒活性の経時的な低下を抑制する方法の提供を目的とするものである。
本発明者らはフルフラールの脱カルボニル反応について、詳細に検討した結果、本質的に脱カルボニル反応の進行が不利とされる加圧条件下で反応系に共存させる水素のモル比を特定の領域に制御すると、驚くべきことにフランの生産性が向上し、しかもフルフリルアルコールの副生量までもが低減できること、更には、触媒の活性低下を防ぐために導入する水素は極少量で効果があることを見出した。本発明は、これらの知見に基づいて成し遂げられたものである。
すなわち本発明の要旨は次の[1]〜[8]のとおりである。
[1]フルフラール化合物を、加圧状態で水素共存下に触媒と接触させて、フラン化合物を製造する方法であって、フルフラール化合物に対する水素のモル比が0を超え0.2以下であることを特徴とするフラン化合物の製造方法。
[2]フルフラール化合物を、予め気化させてガス状とし、該ガス状フルフラール化合物と水素を少なくとも含む原料ガスを、触媒と接触させることを特徴とする[1]に記載の方法。
[3]原料ガスに不活性ガスを共存させることを特徴とする[2]に記載の方法。
[4]気相のガス線速が2cm/s以上200cm/s以下であることを特徴とする[2]又は[3]に記載の方法。
[5]気相中のフルフラール化合物濃度が40体積%以上であることを特徴とする[2]〜[4]のいずれかに記載の方法。
[6]生成するフラン化合物中のフルフリルアルコール化合物の量が、フラン化合物及びフルフリルアルコール化合物の合計量に対して、モル比で0.05以下であることを特徴とする[1]〜[5]のいずれかに記載の方法。
[7]加圧が、絶対圧で0.1MPaを超え1MPa以下であることを特徴とする[1]〜[6]のいずれかに記載の方法。
[8]触媒が、周期表第8族、第9族、及び第10族から選ばれる少なくとも1種の金属元素を含有する触媒であることを特徴とする[1]〜[7]のいずれかに記載の方法。
本発明によれば、フルフラール化合物から脱カルボニル反応によりフラン化合物を製造する際に、加圧条件下において、反応系に存在するフルフラール化合物量と共存させる水素量を制御することによって、フラン化合物の生産性を向上させるとともに、フルフリルアルコール化合物の副生と使用する触媒の活性低下を抑制することができる。そのため、フルフリルアルコール化合物の分離に必要な製造設備や工程を削減することができるとともに、フルフリルアルコールの重合等によるトラブルを回避し、長期間に亘り触媒の活性を維持し、高効率かつ安定的にフラン化合物を製造することが可能となる。
以下、本発明の実施の形態について更に詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施態様の一例であり、本発明はこれらの内容に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
本発明のフラン化合物の製造方法は、フルフラール化合物を、加圧状態で水素共存下に触媒と接触させて、フラン化合物を製造する方法であって、フラン化合物に対する水素のモル比が0を超え0.2以下であることを特徴とする。これにより、特にフラン化合物の生産性を向上させるとともに、フルフリルアルコール化合物の副生量を低減し、触媒の活性低下を抑制することができる。
まず、原料として用いるフルフラール化合物、目的物のフラン化合物、副生物のフルフリルアルコール化合物について説明する。
<フルフラール化合物>
本発明において、フルフラール化合物とは、下記一般式(1)で表される化合物をいう。
Figure 2016014017
[式(1)中、R、RおよびRは、それぞれ独立に、水素原子、官能基を有していてもよい脂肪族炭化水素基、官能基を有していてもよい芳香族炭化水素基、水酸基又はアルデヒド基を示す。]
上記一般式(1)のR、R、Rにおいて、水素原子、官能基を有していてもよい炭素数2個以下の脂肪族炭化水素基が好ましいものとして挙げられる。さらに具体的には、水素原子(−H)、−CHOH、−CH、−CHOCH、−C(=O)CH、−CHO等が好ましい。
フルフラール化合物の具体例としては、ヒドロキシメチルフルフラール、2−メチルフルフラール、3−メチルフルフラール、フルフリルジアルデヒド、フルフラールが好ましいものとして挙げられる。中でもR、R、Rがすべて水素原子であるフルフラールがより好ましい。
<フラン化合物>
本発明において、フラン化合物とは、前記フルフラール化合物が脱カルボニルされることで得られるものをいう。具体的には、前記一般式(1)のフルフラール化合物が脱カルボニルされた、対応する下記一般式(2)で表される化合物をいう。
Figure 2016014017
[式(2)中、R、RおよびRは、前記一般式(1)における定義と同じである。]
フラン化合物の具体例としては、2−メチルフラン、3−メチルフラン、フラン等が挙げられる。中でもR、R、Rがすべて水素原子であるフランがより好ましい。
<フルフリルアルコール化合物>
本発明において、フルフリルアルコール化合物とは、前記フルフラール化合物が還元されることで生成するものをいう。具体的には前記一般式(1)のフルフラール化合物のカルボニル基が還元された、対応する下記一般式(3)で表される化合物をいう。
Figure 2016014017
[式(3)中、R、RおよびRは、前記一般式(1)における定義と同じである。]
フルフリルアルコール化合物の具体例としては、2−メチルフルフリルアルコール、3−メチルフルフリルアルコール、2,5−ジヒドロキシメチルフルフラール、フルフリルアルコール等が挙げられる。
これらフルフリルアルコール化合物は、上記のとおり、原料として用いたフルフラール化合物に対応するアルコール類として副生する化合物である。
<フルフラール化合物を含む原料>
本発明で原料として用いるフルフラール化合物は、如何なる方法で製造されたものでよく、その方法は特に限定されない。例えば、フルフラールは、通常、植物由来の原料を、水熱処理や酸による加水分解によって得ることができる。また、フルフラール化合物は、本発明の目的を阻害しない範囲で、フルフラール化合物以外の化合物やその他の成分(以下、これらを総称して「不純物」という。)を含んでいてもよい。
通常、前記フルフラール化合物に含まれる不純物を分離除去、または精製により低減し、含まれる不純物を所定量以下に低減したフルフラール化合物を原料として用いることが好ましい。その純度は特に制限されないが、精製した原料全体を基準(100質量%)としたとき、通常98質量%以上、好ましくは99質量%以上、より好ましくは99.5質量%以上、さらに好ましくは99.7質量%以上である。なお上限は特に限定されないが、通常100質量%以下である。
純度を上記範囲に制御したフルフラール化合物を原料として用いることにより、触媒の経時活性低下を抑制し、安定的にフルフラール化合物を転化し、高効率で目的物を製造することができる。
前記フルフラール化合物に含まれる不純物の分離除去方法及び精製方法は特に限定されないが、例えば、蒸留精製や吸着除去等が挙げられる。
蒸留精製では、通常、フルフラール化合物と沸点が異なる成分、具体的には各種の有機化合物が分離除去される。吸着除去では、通常吸着剤として用いるものと親和性のある成分が分離除去される。
フルフラール化合物の硫黄または硫黄化合物の含有量は特に限定されないが、少ない方が好ましく、硫黄の濃度として、通常10.0ppm以下、好ましくは5.0ppm以下、より好ましくは3.0ppm以下、さらに好ましくは2.0ppm以下である。前記の硫黄濃度であることで、触媒の経時的な活性低下が小さくなるためである。
フルフラール化合物の窒素または窒素化合物の含有量は特に限定されないが、少ない方が好ましく、窒素化合物の量は、窒素原子の濃度として、通常10.0ppm以下、好ましくは5.0ppm以下、さらに好ましくは2.0ppm以下である。前記の窒素濃度であることで、触媒の経時的な活性低下が小さくなるためである。
フルフラール化合物の酸価は特に限定されないが、少ない方が好ましく、通常0.2mgKOH/g以下、好ましくは0.1mgKOH/g以下である。前記の酸価であることで、触媒の経時的な活性低下が著しく小さくなる。
上記の不純物を低減したフルフラール化合物は通常無色透明である。したがって、不純物を分離除去、あるいは低減したフルフラール化合物を主成分とする原料の色調は、APHI(American Public Healty Association)標準色溶液のYI(Yellowness Index:黄色度)値を基準とした番号で算出すれば、通常500以下、好ましくは300以下、さらに好ましくは100以下、特に好ましくは50以下である。これらの色調は色差計を用いた透過測定等によって分析、算出することができる。
これらの不純物を所定量以下に制御したフルフラール化合物を原料として用いることによって、脱カルボニル反応における触媒の活性を長時間に亘って維持することが可能となる。逆に、脱カルボニル反応に供する原料中にこれらの不純物が所定量以上含まれると、脱カルボニル反応に使用する触媒の活性は経時的に著しく低下する。その理由は明らかではないが、一つの理由としてはこれらの不純物が活性点を被毒することが考えられる。また原料中に含まれる酸はフルフラール化合物の重合を促進すると考えられ、酸の存在により触媒上のコークの生成が促進され、活性点の被覆が加速されると推測される。
<触媒>
本発明の方法においては、前記フルフラール化合物を、特定の条件で触媒と接触させて、脱カルボニル反応を行う。
本発明において用いられる触媒は、前記フルフラール化合物が有するカルボニル基を脱カルボニルすることができるものであれば特に限定されないが、通常、周期表第8族、第9族、第10族元素から選ばれる少なくとも1種の金属元素を含有する触媒が用いられる。前記金属元素は、いわゆる触媒の活性成分となるものである。
前記金属元素の種類は特に限定されないが、具体的にはNi、Ru、Ir、Pd、Ptから選ばれる少なくとも1種であり、活性が高い点で好ましくはRu、Ir、Pd、Ptから選ばれる少なくとも1種であり、より好ましくはPd、Pt、さらに好ましくはPdである。Pdを含有する触媒は、フルフラール化合物からフラン化合物を製造するにあたり、フラン化合物の選択性が高いことから特に好適である。
なお、前記金属元素は1種類を用いても、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
前記の金属元素を含む触媒は、そのまま用いることもできるが、通常、安定な担体に担持されることによって担持金属触媒として用いられる。
前記担体の種類は特に限定されないが、Al、SiO、TiO、ZrO、MgO等の金属酸化物;粘土、ゼオライト等の多孔性酸化物;活性炭等の炭素質担体等を用いることができる。
前記金属酸化物は、1種類の金属の酸化物でも、2種類以上の金属を含む複合酸化物でもよい。前記ゼオライトの種類は特に限定されず、例えばInternational Zeolite Associationで規定されるコードで、MFI、FAU、または、LTA等で表されるものが好適に用いられる。また前記ゼオライトのイオン交換サイトの種類は特に限定されず、通常、プロトン型、1族金属イオン型、酸点を有しないシリカライト等が挙げられるが、プロトンタイプのゼオライトはその表面酸性の強さから、フルフラールやフランを変性させる可能性があることから、1族金属イオン型やシリカライト等のゼオライトが好ましい。
これらの担体のうち、前記金属酸化物が好ましく、Al、SiO、TiO、ZrO、MgO等の弱酸、弱塩基性の金属酸化物がより好ましく、Al、SiO、ZrOがさらに好ましく、ZrOが特に好ましい。これらが担体として好ましい理由は、これらの弱酸、弱塩基性の金属酸化物が、フルフラール化合物やフラン化合物に対して不活性であり、担持された金属によるフルフラール化合物のフラン化合物への転化において副反応が起こりにくく、特にフラン化合物の収率を最大限に得たい場合に好適である。
これらの担持金属触媒は、触媒の性能を向上させるために、修飾助剤を含有することができる。修飾助剤としては、特に限定はされないが、例えば1族金属やそれらのイオン、2族金属やそれらのイオン、4族金属やそれらのイオン、6族金属やそれらのイオンが挙げられ、好ましくは1族金属やそれらのイオンである。具体的には、Cs、Rb、K、Na、Liの金属やイオン、特に好ましくはK、Naの金属やイオンである。
前記担持触媒中の好ましい金属の担持量は、金属や担体の種類により適宜調製可能であり、特に限定されないが、下限が通常0.01質量%以上、好ましくは0.05質量%以上、より好ましくは0.1質量%以上、さらに好ましくは0.5質量%以上であり、上限が通常80質量%以下、好ましくは50質量%以下、より好ましくは20質量%以下、さらに好ましくは10質量%以下である。前記担持量の範囲であれば、フルフラール化合物を主成分とする原料が十分に転化し、未反応のフルフラール化合物の回収等が不要になるため効率的である。また前記範囲であれば副反応も抑制され、目的物の収率を向上させることができる。
前記担持触媒の調製方法は特に限定されないが、イオン交換法や含浸担持法、ポアフィリング法、incipient−wetness法、スプレー担持法等が好適に用いられる。イオン交換法や含浸担持等に用いる金属原料としては、通常、塩化物や硝酸塩などの水溶性の塩、あるいはそれらの酸性溶液が用いられる。中でも、硝酸塩やアンミン錯体硝酸塩、アンミンニトロ化合物等のハロゲン元素を含まない水溶性原料が好ましい。イオン交換法や含浸担持法によって金属成分を担体に担持させた後、濾過水洗や乾燥により水分を除去する。脱カルボニル反応に使用する前に、還元剤を用いた液相での還元や水素気流中下での還元処理により金属を還元して、触媒を活性化することができる。
触媒の物理的な物性について、その比表面積は、下限が通常1m/g以上、好ましくは10m/g以上、より好ましくは25m/g以上、さらに好ましくは50m/g以上であり、上限が通常1000m/g以下、好ましくは500m/g以下、より好ましくは250m/g以下、さらに好ましくは125m/g以下である。比表面積が小さすぎると高分散した触媒活性点が形成されず反応速度が低くなる。一方で、比表面積が大きすぎると担体表面の露出割合が大きくなり、フルフラール化合物の重合が促進される傾向がある。触媒表面に炭素質が付着することは避けられず、長時間の連続反応においては好ましくない結果を与える。
また、触媒は紛体ではなく成形体、タブレットやペレット状であるほうが好ましく、球状、円柱状、リング柱状、三つ葉型柱状、四つ葉型柱状等の形状が好適に用いられる。本発明の加圧条件下での反応においては、触媒の断面寸法が重要であり、その下限は、通常0.5mmを超え、好ましくは1mmを超え、特に好ましくは2.5mm以上である。一方、その上限は、通常15mm以下、好ましくは10mm以下、より好ましくは7.5mm以下、特に好ましくは5mm以下である。断面寸法が大きすぎると触媒の内部まで反応に利用されないので、触媒重量あたりの反応速度が低下する。一方で小さすぎると反応中の圧力損失や触媒の装填時および抜出時のロスが発生するなどの問題が生じる。
柱状の場合のその長さは、下限が通常0.5mmを超え、好ましくは1mmを超え、より好ましくは2mm以上、特に好ましくは3mm以上であり、上限が通常15mm以下、好ましくは15mm以下、より好ましくは10mm以下、特に好ましくは7.5mm以下である。長すぎると折れたり、欠けたりしやすくなる。
これらの触媒形状を得る方法については特にこだわらないが、紛体状の担体に金属成分を担持、あるいはさらに還元処理した後に成形することによって望む形状を得てもよいし、望む形状の成形担体を得た後に、その担体に形状を損なわないように金属成分を担持することによって達成してもよい。成形の方法は特にこだわらないが、通常の打錠成形や押し出し成形の方法を用いることができる。
尚、ここでいう触媒の断面寸法とは触媒の断面の径の長さを示す。また、触媒の断面とは、反応に用いる触媒の断面積が最大となる断面を示す。また、本発明において触媒の寸法とは、上記触媒断面の長径を表し、市販のノギスやマイクロメーター等を使用して測定される長さである。
触媒の強度は特にこだわらないが、下限が通常2N/mm以上、好ましくは4N/mm以上、さらに好ましくは8N/mm以上であり、上限が通常100N/mm以下、好ましくは90N/mm以下、さらに好ましくは80N/mm以下である。強度が弱すぎると割れや粉化が起こりやすく、閉塞や圧損発生などのトラブルの要因となるので好ましくない。
<反応条件>
本発明の方法は、フルフラール化合物を、加圧状態で水素共存下に触媒と接触させて、フラン化合物を製造する方法であって、フルフラール化合物に対する水素のモル比が0を超え0.2以下であることに特徴を有する。これにより、前記のとおり、特にフラン化合物の生産性を向上させるとともに、フルフリルアルコール化合物の副生量を低減させ、触媒の活性低下を抑制することができる。
本発明の方法においては、液相反応、気相反応のいずれの方法でも実施できるが、気化させたガス状のフルフラール化合物を、触媒と接触させて脱カルボニル反応を行なう気相反応が好ましい。以下、先ず気相反応の条件、次に液相反応の条件について、さらに具体的に説明する。
<気相反応>
気相反応の場合、原料として用いられる前記フルフラール化合物は、あらかじめ設けた気化器においてガス状とする。気化の方法は特に限定されないが、例えば液体状の前記フルフラール化合物を主成分とする原料に、水素や不活性ガス等をガスバブリングする方法や、スプレー気化による方法等が挙げられる。
前記ガスバブリングに用いる不活性ガスの純度は特に限定されないが、通常95体積%以上、好ましくは99体積%以上、より好ましくは99.9体積%以上、特に好ましくは99.99体積%以上である。
気相反応においては、前記ガス状のフルフラール化合物を含む原料ガスを、通常、触媒を装填した管型反応器(反応管)に供給し、前記反応器内の触媒と接触させることでフラン化合物を得る。本発明においては、原料ガスとはフルフラール化合物に同伴させるガス、すなわち水素やCOならびに不活性ガス等を含む気相中のフルフラール含有ガスを意味する。
反応形式は特に限定されるものではなく、例えば回分反応及び連続流通反応のいずれの方法でも実施することができるが、工業的には連続流通反応を用いるのが好ましい。
本発明の方法においては、前記のとおり、気化させたガス状のフルフラール化合物を、触媒と接触させて脱カルボニル反応を行なう気相反応が好ましい。気相反応は単位体積あたりのフルフラール化合物の濃度が小さくなるため、フルフラール化合物の縮合や重合等のようなフラン化合物の収率に悪影響を及ぼす副反応等が抑制される。また気相反応は反応器を工夫することにより触媒の入れ替えや再生が容易となる長所も有する。
前記原料ガス中のフルフラール化合物の濃度は、下限が通常25体積%以上、好ましくは30体積%以上、より好ましくは35体積%以上、さらに好ましくは40体積%以上、特に好ましくは45体積%以上であり、上限が通常95体積%以下、好ましくは90体積%以下、より好ましくは80体積%以下、さらに好ましくは70体積%以下である。濃度が低すぎると、加圧条件下においてフルフリルアルコール化合物の副生が増大する傾向がある。また、高すぎると、フルフラール化合物が重合しやすくなる傾向があり、転化率も減少する傾向がある。
本発明においては、上記のとおり、水素共存下で反応を行なう。共存させる水素の量は、フルフラール化合物に対する水素のモル比で、下限が通常0を超え、好ましくは0.001以上、より好ましくは0.002以上、さらに好ましくは0.005以上、特に好ましくは0.01以上であり、上限が通常0.2以下、より好ましくは0.1以下、さらに好ましくは0.05以下である。
水素を共存させることで触媒の経時的な活性低下が抑制でき、フルフラール化合物が十分に転化し、未反応のフルフラール化合物の回収等が不要になるため効率的である。そして前記の範囲内で水素を減らすことで、生成するフラン化合物の収率が向上し、フルフリルアルコール化合物の副生量を低減させることができる。
本発明において、共存させる水素ガスの純度は特に限定はされないが、通常99体積%以上、好ましくは99.9体積%以上、さらに好ましくは99.99体積%以上、特に好ましくは99.999体積%以上である。
前記フルフラール化合物の供給量は、前記触媒に用いられる前期金属元素1molに対し、下限が通常0.0001mol/h以上、好ましくは0.001mol/h以上、より好ましくは0.01mol/h以上、さらに好ましくは0.1mol/h以上であり、上限が通常50000mol/h以下、好ましくは10000mol/h以下、より好ましくは5000mol/h以下、さらに好ましくは1000mol/h以下である。
また前記フルフラール化合物の供給量は、前記触媒の重量1gに対し、下限が通常1mmol/h以上、好ましくは10mmol/h以上、より好ましくは20mmol/h以上、さらに好ましくは30mmol/h以上であり、上限が通常3000mmol/h以下、好ましくは1500mmol/h以下、より好ましくは500mmol/h以下、さらに好ましくは200mmol/h以下である。
本発明においては加圧条件下で、前記のフルフラール化合物の濃度や供給量とすることで、反応で生成したフラン化合物とCOを分離する際にフラン化合物の回収が容易になり、生産効率が向上する点で好ましい。またフルフリルアルコールの副生量を低減することで、フルフリルアルコールの蓄積を防ぐことができる。フルフリルアルコールは重合しやすいため、副生量を減らすことで、不純物分離にかかる工程を削減できる点で有利である。
気相反応におけるガス線速は特に限定されないが、下限が通常0.5cm/s以上、好ましくは1cm/s以上、より好ましくは2cm/s、さらに好ましくは3cm/s以上、特に好ましくは4cm/s以上であり、上限が通常400cm/s以下、好ましくは300cm/s以下、より好ましくは200cm/s以下、さらに好ましくは100cm/s以下である。ガス線速がこの範囲であることで、フルフラール化合物を主成分とする原料が十分に転化し、未反応フルフラール化合物の重合や副生物のフルフリルアルコール化合物の重合、およびそれらの触媒上の蓄積が妨げられ、長時間に及ぶ安定生産が可能となるため効率的である。また、生成したフラン化合物の逐次的な反応を抑制し、収率を向上させることができる。
気相反応における接触時間は特に限定されないが、下限が通常0.001秒以上、好ましくは0.01秒以上、より好ましくは0.05秒以上、さらに好ましくは0.1秒以上であり、上限が通常100秒以下、好ましくは50秒以下、より好ましくは20秒以下、さらに好ましくは10秒以下である。接触時間がこの範囲であることで、フルフラール化合物を主成分とする原料が十分に転化し、未反応のフルフラール化合物の回収等が不要になるため効率的である。また、生成したフラン化合物の逐次的な反応を抑制し、収率を向上することができる。また、生成したフラン化合物の逐次的な反応を抑制し、収率を向上することができる。ただし、長時間に及ぶ連続反応を行う場合、触媒の活性低下を予測してあらかじめ過剰量の触媒を装填することが行われることがある。
気相反応の場合、原料ガス中のフルフラール化合物の濃度や共存させる水素比を調整するために前記同伴ガスとして、窒素、アルゴン、二酸化炭素等の不活性ガスが好適に用いられる。これらの不活性ガスの同伴は、反応器のガス線速や接触時間を好ましい範囲に調節する上でも有用である。
前記同伴ガスとして二酸化炭素を用いると触媒上でのフルフラール化合物の重合を抑制できる。この理由の詳細は不明であるが、酸化物を触媒担体に用いた場合、二酸化炭素と酸化物表面との酸素交換や吸着によって、酸化物表面の格子欠陥や塩基点、還元点(電子供与点)が消失することが要因と考えられる。二酸化炭素の使用にあたっては、副生物やプロセス上の汚れを燃焼処理して発生した二酸化炭素を用いることができる。使用済触媒の焼成処理による触媒再生工程で触媒に付着した炭素質に由来して発生する二酸化炭素を用いることもできる。
同伴ガスとしてCOを用いることもできる。触媒が担持触媒の場合、COは脱カルボニル反応活性点を被毒することから、脱カルボニル反応の反応速度は遅くなるが、用いるCOとして脱カルボニル反応で生成したCO、すなわち、フラン化合物や副生物、未反応のフルフラール化合物を分離した後のCOを一部再使用することが可能となる点で好ましい。
また、COの再使用にあたっては、触媒と接触させる水素や一部ロスしたフラン化合物などをCOと分離せずにそのまま用いることが好適に行われる。
反応温度は特に限定されないが、下限が通常170℃以上、好ましくは180℃以上、より好ましくは200℃以上、さらに好ましくは230℃以上であり、上限が通常450℃以下、好ましくは380℃以下、より好ましくは340℃以下、さらに好ましくは300℃以下である。反応温度がこの範囲であることで、フルフラール化合物が十分に転化し、未反応のフルフラール化合物の回収等が不要となり、また、生成したフラン化合物の逐次的な反応が抑制されるため、フラン化合物の収率が向上する。
反応圧力は、加圧状態であれば特に限定されないが、絶対圧で、下限が通常0.1MP
aを超え、好ましくは0.15MPa以上、より好ましくは0.2MPa以上であり、上限が通常3MPa以下、好ましくは2MPa以下、より好ましくは1MPa以下、特に好ましくは0.9MPa以下である。
本発明における加圧状態とは、反応プロセスの全体又は一部の反応圧力を絶対圧で上記圧の範囲内に保持させれば特に限定されず、例えば、反応を流通反応で行い、反応器入口の絶対圧を上記範囲内に設定し、出口圧力を常圧若しくは減圧に設定しても良い。気相反応を実施する場合、加圧条件は有効触媒係数により反応速度の向上に寄与し、常圧条件より高転化率が得られることがある。加圧の効果は、触媒径が大きい触媒ほど大きい。一方、あまりに反応圧力が高いと、フルフラールの密度が上がり、分子間縮合による重合反応が起こりやすくなり、プロセス内の汚れや触媒上のコーキングが増す。また、反応圧力がこの範囲であることで、生成物の分離が効率よく行われる。
<液相反応>
液相反応の場合には、液体のフルフラール化合物と触媒とを反応器に仕込み、撹拌下、水素を共存させて適切な温度にて反応させることにより、フラン化合物を得ることができる。
液相反応において、共存させる水素の量、水素ガスの純度、フルフラール化合物の供給量等の条件は、特に明記しない限り、気相反応の場合と同様である。また、反応形式は特に限定されるものではなく、例えば触媒懸濁床方式による回分反応及び連続流通反応、および触媒固定床方式による連続流通反応のいずれの方法でも実施することができる。
反応温度は特に限定されないが、下限が通常50℃以上、好ましくは70℃以上、より好ましくは80℃以上であり、上限が通常200℃以下、好ましくは180℃以下、より好ましくは160℃以下である。
反応時間は特に限定されないが、回分反応の場合、下限が通常1分以上、好ましくは5分以上、より好ましくは10分以上、さらに好ましくは30分以上であり、上限が通常12時間以下、好ましくは6時間以下、より好ましくは4時間以下、さらに好ましくは2時間以下である。
連続反応の場合は、滞留時間は特に限定されないが、下限が通常0.1秒以上、好ましくは0.5秒以上、より好ましくは1秒以上、さらに好ましくは2秒以上であり、上限が通常2時間以下、好ましくは1時間以下、より好ましくは30分以下、さらに好ましくは10分以下である。接触時間がこの範囲であることで、フルフラール化合物を主成分とする原料が十分に転化し、未反応のフルフラール化合物の回収等が不要になるため効率的である。また、生成したフラン化合物の逐次的な反応を抑制し、収率を向上することができる。ただし、長時間に及ぶ連続反応を行う場合、触媒の活性低下を予測してあらかじめ過剰量の触媒を装填することが行われることがある。
反応圧力は、加圧状態であれば特に限定されないが、絶対圧で、下限が通常0.1MPaを超え、好ましくは0.15MPa以上、より好ましくは0.2MPa以上であり、上限が通常1MPa以下、好ましくは0.6MPa以下、より好ましくは0.5MPa以下である。
溶媒は特に必要ないが、例えば、ガンマブチルラクトン、N−メチルピロリドン、トリグライム、テトラグライム等の高沸点極性溶媒を用いてもよい。また、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、酢酸カルシウム等の塩基性添加剤を用いても良いし、水等の液体の添加剤を用いても良い。必要に応じて副生成物のパージ除去や、触媒の添加や入れ替えを行うこ
とができる。また、連続的にフルフラール化合物や水素を供給することも好適に行われる。
さらに、生成したフラン化合物の沸点が低い場合には、気相よりフランを捕集することができる。
<製造装置の構成等>
フルフラール化合物を連続的に脱カルボニル反応器に供給する場合、不純物低減のための精製装置と脱カルボニル反応器を連結させ、フルフラール化合物粗原料を連続的に蒸留精製、あるいはフルフラール化合物粗原料の不純物を連続的に吸着除去精製して上記の反応器に供給することが好適に用いられる。蒸留精製の場合には、高沸点の不純物の排除だけではなく、低沸点の不純物も除去して脱カルボニル反応器に供給することが効果的である。
<精製方法>
本発明の方法によって得られたフラン化合物は、未反応のフルフラール化合物、フルフラール化合物由来の不純物、副生する一酸化炭素や副生成物、および反応開始剤として導入した水素と分離された後、必要に応じて、蒸留等の操作によって精製してもよい。分離された水素はリサイクルして、再度原料として用いることも可能であり、また一酸化炭素と共に他の用途に有効利用することもできる。
本発明の方法により得られるフラン化合物中のフルフリルアルコール化合物の量(未精製の状態での含有量)は、フラン化合物及びフルフリルアルコール化合物の合計量に対して、モル比で、好ましくは0.05以下、より好ましくは0.03以下、さらに好ましくは0.01以下である。
このように、本願発明においては、フラン化合物からの分離が困難なフルフリルアルコール化合物の副生量を極めて少量まで低減させることができる。
以下に本発明を実施例および比較例によりさらに具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、これらの実施例によって限定されるものではない。なお、以下の実施例における各種の製造条件や評価結果の値は、本発明の実施態様における上限または下限の好ましい値としての意味をもつものであり、好ましい範囲は、前記上限または下限の値と実施例の値または実施例同士の値との組合せで規定される範囲であってもよい。
以下の実施例および比較例において、原料となるフルフラールの純度は、ガスクロマトグラフ(以下、「GC」という。)のピーク面積割合から求めた。フルフラール中に不純物として含まれる硫黄濃度の測定は、燃焼−吸収−イオンクロマト法で求めた。フルフラールの酸価の測定は、原料として用いるフルフラールをエタノールで希釈した後に0.01Nの水酸化カリウム水溶液を用いて滴定することによって測定した。また、脱カルボニル反応における未反応フルフラールや生成物等の定量分析は、反応装置に連結されたオンラインGCで行った。GC、イオンクロマト法の装置、測定条件等は次のとおりである。
(フルフラール純度のGC測定方法)
装置:FID−GC島津GC2025(無極性キャピラリーカラム、50m)
測定条件:スプリット機構、カラム部プログラム昇温使用
(燃焼−吸収−イオンクロマト法)
燃焼装置:三菱化学社製 試料燃焼装置 QF−02
分析装置:日本ダイオネクス社製 イオンクロマトDX−500
(生成物のGC測定方法)
・有機物
装置:TCD−GC GLサイエンスGC4000(中極性カラム、3m)
測定条件:カラム部プログラム昇温使用
・無機ガス
装置:TCD−GC GLサイエンスGC3200(モレキュラーシーブ、3m)
測定条件:カラム部50℃
以下の実施例および比較例において、原料として使用したフルフラールは、市販フルフラールを単蒸留精製したフルフラールである。このフルフラールの純度は99%以上、不純物である硫黄の濃度は2ppm以下、酸価0.5mgKOH/gであった。以下、これを「原料フルフラール」という。
(実施例1)
国際公開第2009/069714号の実施例2に記載の方法に準じて作成した500μmから1000μmの粒径のジルコニア担持Pd−K触媒(1質量%Pd−1質量%K/ZrO)7.5gを、内径13.4mmのSUS316製反応管に装填し、水素100Nml/min流通下で5〜10℃/minで昇温した。触媒の温度が230℃に達した後、約10分間同温度において水素気流下で保持した。流通させるガスの組成を水素13.5Nml/min、窒素121.5Nml/minに変更した後、フルフラールを30ml/hの割合で、気化器を通して反応管に導入した。さらに、フルフラール導入から1時間後に反応管内の圧力を絶対圧で0.2MPaに上げた。このとき反応管に供給されるフルフラールのガス濃度は50体積%、水素/フルフラールのモル比は0.1であった。
フルフラール導入から2時間後に反応管出口からの留出ガスの一部をGCに導入し、フラン、一酸化炭素、窒素およびその他の生成物について定量的に分析した。以下の式より「フルフラール転化率(%)」、「フラン選択率(%)」、「フルフリルアルコール選択率(%)」を求めた。
フルフラール転化率(%)=[1−{反応後フルフラール残量(mol)/フルフラール供給量(mol)}]×100
フラン選択率(%)={フラン収率(%)/フルフラール転化率(%)}×100
フルフリルアルコール選択率(%)={フルフリルアルコール収率(%)/フルフラール転化率(%)}×100
以上の分析の結果、反応管内圧力0.2MPa(絶対圧)、フルフラールのガス濃度50体積%、水素/フルフラールのモル比0.1の条件下で前記ジルコニア担持Pd−K触媒を用いて連続反応を行った場合、フルフラール転化率は98%、フラン選択率は99%、フルフリルアルコール選択率は0.4%であった。導入したフルフルラールのほとんどがフランに転化された。6時間の連続反応においても活性や選択性は維持された。
(実施例2)
流通させるガスの組成を水素6.8Nml/min、窒素128Nml/minに変更し、反応管内の圧力を絶対圧で0.4MPaとした以外は、実施例1と同様に反応を行った。このとき、反応管に供給されるフルフラールのガス濃度は50体積%、水素/フルフラールのモル比は0.05であった。
フルフラール導入から2時間後のフルフラール転化率は99%、フラン選択率は99%、フルフリルアルコール選択率は0.3%であった。導入したフルフララールのほとんどをフランに転化できた。6時間の連続反応においても活性や選択性は維持された。
(実施例3)
流通させるガスの組成を水素3.4Nml/min、窒素132Nml/minに変更し、反応管内の圧力を絶対圧で0.4MPaにした以外は、実施例1と同様に反応を行った。このとき、反応管に供給されるフルフラールのガス濃度は50体積%、水素/フルフラールのモル比は0.025であった。
フルフラール導入から2時間後のフルフラール転化率は99%、フラン選択率は99%、フルフリルアルコール選択率は0.2%であった。導入したフルフラールのほとんどをフランに転化できた。6時間の連続反応においても活性や選択性は維持された。
(実施例4)
流通させるガスの組成を水素26.9Nml/min、窒素108Nml/minに変更した以外は、実施例1と同様に反応を行った。このとき、反応管に供給されるフルフラールのガス濃度は50体積%、水素/フルフラールのモル比は0.2であった。
フルフラール導入から2時間後のフルフラール転化率は97%、フラン選択率は98%、フルフリルアルコール選択率は1%であった。導入したフルフラールのほとんどをフランに転化できた。6時間の連続反応においても活性や選択性は維持された。
(実施例5)
流通させるガスの組成を水素6.7Nml/min、窒素195Nml/minに変更し、反応管内の圧力を絶対圧で0.4MPaにした以外は、実施例1と同様に反応を行った。このとき、反応管に供給されるフルフラールのガス濃度は40体積%、水素/フルフラールのモル比は0.05であった。
フルフラール導入から2時間後のフルフラール転化率は99%、フラン選択率は99%、フルフリルアルコール選択率は0.6%であった。導入したフルフラールのほとんどをフランに転化できた。6時間の連続反応においても活性や選択性は維持された。
(実施例6)
流通させるガスの組成を水素6.7Nml/min、窒素27Nml/minに変更し、反応管内の圧力を絶対圧で0.4MPaにした以外は、実施例1と同様に反応を行った。このとき、反応管に供給されるフルフラールのガス濃度は80体積%、水素/フルフラールのモル比は0.05であった。
フルフラール導入から2時間後のフルフラール転化率は95%、フラン選択率は98%、フルフリルアルコール選択率は1%であった。導入したフルフラールのほとんどをフランに転化できた。6時間の連続反応においても活性や選択性は維持された。
(実施例7)
流通させるガスの組成を水素6.7Nml/min、窒素64Nml/min、二酸化炭素64Nml/minに変更し、反応管内の圧力を絶対圧で0.4MPaにした以外は、実施例2と同様に反応を行った。このとき、反応管に供給されるフルフラールのガス濃度は50体積%、水素/フルフラールのモル比は0.05であった。
フルフラール導入から2時間後のフルフラール転化率は99%以上、フラン選択率は99%以上、フルフリルアルコール選択率は0.2%であった。導入したフルフラールのほとんどをフランに転化できた。6時間の連続反応においても活性や選択性は変化しなかった。
(実施例8)
流通させるガスの組成を水素26.9Nml/min、窒素303Nml/minに変更した以外は、実施例1と同様に反応を行った。このとき、反応管に供給されるフルフラールのガス濃度は29体積%、水素/フルフラールのモル比は0.2であった。
フルフラール導入から2時間後のフルフラール転化率は95%、フラン選択率は96%、フルフリルアルコール選択率は3%であった。6時間後のフルフラール転化率は若干低下し、92%であった。
(実施例9)
流通させるガスの組成を水素6.7Nml/min、窒素323Nml/minに変更し、反応管内の圧力を絶対圧で0.4MPaとした以外は、実施例1と同様に反応を行った。このとき、反応管に供給されるフルフラールのガス濃度は29体積%、水素/フルフラールのモル比は0.05であった。
フルフラール導入から2時間後のフルフラール転化率は98%、フラン選択率は97%、フルフリルアルコール選択率は2%であった。6時間後のフルフラール転化率は若干低下し、95%であった。
(実施例10)
流通させるガスの組成を水素6.7Nml/min、窒素0.4Nml/minに変更した以外は、実施例1と同様に反応を行った。このとき、反応管に供給されるフルフラールのガス濃度は95体積%、水素/フルフラールのモル比は0.05であった。
フルフラール導入から2時間後のフルフラール転化率は90%、フラン選択率は95%、フルフリルアルコール選択率は3%と低下傾向を示した。また、6時間後のフルフラール転化率は若干低下し、85%であった。
(比較例1)
流通させるガスの組成を水素68Nml/min、窒素68Nml/minに変更した以外は、実施例1と同様に反応を行った。このとき、反応管に供給されるフルフラールのガス濃度は50体積%、水素/フルフラールのモル比は0.5であった。
フルフラール導入から2時間後のフルフラール転化率は93%、フラン選択率は94%、フルフリルアルコール選択率は5%であった。6時間後のフルフラール転化率はさらに低下し、90%以下となった。
(比較例2)
流通させるガスの組成を水素40Nml/min、窒素94Nml/minに変更し、反応管内の圧力を絶対圧で0.4MPaとした以外は、実施例1と同様に反応を行った。このとき、反応管に供給されるフルフラールのガス濃度は50体積%、水素/フルフラールのモル比は0.3であった。
フルフラール導入から2時間後のフルフラール転化率は97%、フラン選択率は95%、フルフリルアルコール選択率は4%であった。6時間後のフルフラール転化率はさらに低下し、95%以下となった。
(比較例3)
流通させるガスの組成を窒素135Nml/minに変更した後、すぐにフルフラールを30ml/hの割合で、気化器を通して反応管に導入した以外は、実施例1と同様に反応を行った。このとき、反応管に供給されるフルフラールのガス濃度は50体積%、水素/フルフラールのモル比は0であった。
フルフラール導入から2時間後のフルフラール転化率は90%、フラン選択率は99%、フルフリルアルコール選択率は0.2%であった。6時間後のフルフラール転化率はさらに低下し、50%以下となり、反応に水素を共存させないと触媒活性の低下が著しく、連続反応は難しいことが判った。
(比較例4)
流通させるガスの組成を水素67Nml/min、窒素262Nml/minに変更し
た以外は、実施例1と同様に反応を行った。このとき、反応管に供給されるフルフラールのガス濃度は29体積%、水素/フルフラールのモル比は0.5であった。
フルフラール導入から2時間後のフルフラール転化率は92%、フラン選択率は91%、フルフリルアルコール選択率は8%であった。6時間後のフルフラール転化率はさらに低下し、90%以下となった。
実施例1〜10、比較例1〜4の反応条件、結果等を表1に示す。表1中、FRL、FRNおよびFRAは、それぞれ、フルフラール、フランおよびフルフリルアルコールを示す。
Figure 2016014017
一般に、脱カルボニル反応によりフルフラールがフランに転化する際に同時に生成するCOは、貴金属表面の水素化活性点を被毒することが知られている。このようなCO存在下においても、水素の存在がフルフラールのフルフリルアルコールへの転化を促進することは予想外の事象であったが、実施例1〜10および比較例1、2、4の結果より、フルフラール濃度、およびフルフラールに対する水素の比を特定の範囲に制御することで、フルフリルアルコールの選択率を低減し、フランの選択率を向上せしめることがわかった。またその場合、脱カルボニル反応の反応速度の経時低下が抑制されることがわかった。
(実施例11)
用いる触媒の量を12.0gに変更した以外は、実施例2と同様に反応を行った。このとき、反応管に供給されるフルフラールのガス濃度は50体積%、水素/フルフラールのモル比は0.05であった。
フルフラール導入から2時間後のフルフラール転化率はほぼ100%、フラン選択率は99%、フルフリルアルコール選択率は0.5%であった。144時間後のフルフラール転化率は95%以上であり、フラン選択率は99%以上、フルフリルアルコール選択率は0.2%であった。
(比較例5)
流通させるガスの組成を水素40Nml/min、窒素94Nml/minに変更した以外は、実施例11と同様に反応を行った。このとき、反応管に供給されるフルフラールのガス濃度は50体積%、水素/フルフラールのモル比は0.3であった。
フルフラール導入から2時間後のフルフラール転化率はほぼ98%、フラン選択率は95%、フルフリルアルコール選択率は4%であった。144時間後のフルフラール転化率は85%以下であり、フラン選択率は97%、フルフリルアルコール選択率は2%であった。
実施例11および比較例5の結果より、フルフラール濃度、およびフルフラールに対する水素の比を特定の範囲に制御することで、長時間の反応時においてもフルフリルアルコールの選択率を低減させ、フランの選択率を向上させたまま脱カルボニル反応の反応速度の経時低下を抑制できることがわかった。
(実施例12)
触媒の担体として3±0.3mmφx4±1mmの三つ葉型モノクリニックジルコニアペレットを用い、粉砕・篩分けをしなかった以外は国際公開第2009/069714号の実施例2に記載の方法に準じてジルコニア担持Pd−K触媒(1質量%Pd−1質量%K/ZrO、触媒の断面長径3mm、長さ4mm)を製造した。本触媒の強度を(株)藤原製作所製木屋式デジタル硬度計KHT−20で測定したところ平均で70N以上であった。当該触媒7.5gを、内径7.3mmのSUS316製反応管に装填し、流通させるガスの組成を水素6.7Nml/min、窒素128Nml/minに変更し、反応管内の圧力を絶対圧で0.4MPaにした以外は、実施例1と同様に反応を行った。このとき、反応管に供給されるフルフラールのガス濃度は50体積%、水素/フルフラールのモル比は0.05であった。
フルフラール導入から2時間後のフルフラール転化率は95%、フラン選択率は99%以上、フルフリルアルコール選択率は0.4%であった。導入したフルフラールのほとんどをフランに転化できた。6時間後のフルフラール転化率は94%であった。
(比較例6)
反応管内の圧力を絶対圧で0.1MPaのまま反応を継続した以外は実施例12と同様に反応を行った。このとき、反応管に供給されるフルフラールのガス濃度は50体積%、水素/フルフラールのモル比は0.05であった。
フルフラール導入から2時間後のフルフラール転化率は92%、フラン選択率は99%以上、フルフリルアルコール選択率は0.2%であった。6時間後のフルフラール転化率は88%であった。
実施例12および比較例6の結果より、加圧条件下で脱カルボニル反応を行うことにより、反応速度が向上し、反応速度の経時低下が抑制されることがわかった。
(参考例1〜4)
フルフラール脱カルボニルプロセスにおいて、脱カルボニル反応器出口の未反応フルフラールを回収する工程を想定したモデル実験を次のように行った。
蒸留精製して得た純度99.8%のフルフラールと純度99.5%のフルフリルアルコールを所定の割合で混合し、5.0gを30ccの高圧ボンベに入れた。アルゴン(Ar)で置換した後に0.3MPaのArを封入し、215℃で2hの加熱処理を行った。
分析結果を表2に示す。参考例1に示すように、純度99.8%のフルフラール(FRL
)のみを加熱したときには、加熱処理後に不明副生物(Unknown)や重合による固形物(GC外HB:GCで検出されない高沸点化合物(固体)を別途重量測定)はほとんど発生しない
ことがわかった。一方で、参考例4に示すように、フルフリルアルコール(FRA)は加熱
条件において不安定で、不明副生物や配管の閉塞などの原因となりうる固形物が甚だしく発生することがわかった。また、参考例2と3の結果より、フルフラールにフルフリルアルコールが混入することによって、フルフラールの不明物への転化や重合が促進される傾向がみられた。このことから、フルフラール脱カルボニルプロセスにおいては、フルフリルアルコールの副生は極力抑制するのが好ましいことがわかる。
Figure 2016014017

Claims (8)

  1. フルフラール化合物を、加圧状態で水素共存下に触媒と接触させて、フラン化合物を製造する方法であって、フルフラール化合物に対する水素のモル比が0を超え0.2以下であることを特徴とするフラン化合物の製造方法。
  2. フルフラール化合物を、予め気化させてガス状とし、該ガス状フルフラール化合物と水素を少なくとも含む原料ガスを、触媒と接触させることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 原料ガスに不活性ガスを共存させることを特徴とする請求項2に記載の方法。
  4. 気相のガス線速が2cm/s以上200cm/s以下であることを特徴とする請求項2又は3に記載の方法。
  5. 気相中のフルフラール化合物濃度が40体積%以上であることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 生成するフラン化合物中のフルフリルアルコール化合物の量が、フラン化合物及びフルフリルアルコール化合物の合計量に対して、モル比で0.05以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 加圧が、絶対圧で0.1MPaを超え1MPa以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 触媒が、周期表第8族、第9族、及び第10族から選ばれる少なくとも1種の金属元素を含有する触媒であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
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