JP2016014017A - フラン化合物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
ることがある。特にフランや、原料のフルフラールとの分離が困難な化合物が副生する際には、製造プロセスが複雑になり、製造効率が低下するという問題があった。
反応化学的に加圧条件での反応は不利となるため、当業者は加圧条件での反応設計を採用しない。
[1]フルフラール化合物を、加圧状態で水素共存下に触媒と接触させて、フラン化合物を製造する方法であって、フルフラール化合物に対する水素のモル比が0を超え0.2以下であることを特徴とするフラン化合物の製造方法。
[2]フルフラール化合物を、予め気化させてガス状とし、該ガス状フルフラール化合物と水素を少なくとも含む原料ガスを、触媒と接触させることを特徴とする[1]に記載の方法。
[3]原料ガスに不活性ガスを共存させることを特徴とする[2]に記載の方法。
[4]気相のガス線速が2cm/s以上200cm/s以下であることを特徴とする[2]又は[3]に記載の方法。
[5]気相中のフルフラール化合物濃度が40体積%以上であることを特徴とする[2]〜[4]のいずれかに記載の方法。
[6]生成するフラン化合物中のフルフリルアルコール化合物の量が、フラン化合物及びフルフリルアルコール化合物の合計量に対して、モル比で0.05以下であることを特徴とする[1]〜[5]のいずれかに記載の方法。
[7]加圧が、絶対圧で0.1MPaを超え1MPa以下であることを特徴とする[1]〜[6]のいずれかに記載の方法。
[8]触媒が、周期表第8族、第9族、及び第10族から選ばれる少なくとも1種の金属元素を含有する触媒であることを特徴とする[1]〜[7]のいずれかに記載の方法。
まず、原料として用いるフルフラール化合物、目的物のフラン化合物、副生物のフルフリルアルコール化合物について説明する。
本発明において、フルフラール化合物とは、下記一般式(1)で表される化合物をいう。
本発明において、フラン化合物とは、前記フルフラール化合物が脱カルボニルされることで得られるものをいう。具体的には、前記一般式(1)のフルフラール化合物が脱カルボニルされた、対応する下記一般式(2)で表される化合物をいう。
本発明において、フルフリルアルコール化合物とは、前記フルフラール化合物が還元されることで生成するものをいう。具体的には前記一般式(1)のフルフラール化合物のカルボニル基が還元された、対応する下記一般式(3)で表される化合物をいう。
これらフルフリルアルコール化合物は、上記のとおり、原料として用いたフルフラール化合物に対応するアルコール類として副生する化合物である。
本発明で原料として用いるフルフラール化合物は、如何なる方法で製造されたものでよく、その方法は特に限定されない。例えば、フルフラールは、通常、植物由来の原料を、水熱処理や酸による加水分解によって得ることができる。また、フルフラール化合物は、本発明の目的を阻害しない範囲で、フルフラール化合物以外の化合物やその他の成分(以下、これらを総称して「不純物」という。)を含んでいてもよい。
蒸留精製では、通常、フルフラール化合物と沸点が異なる成分、具体的には各種の有機化合物が分離除去される。吸着除去では、通常吸着剤として用いるものと親和性のある成分が分離除去される。
本発明の方法においては、前記フルフラール化合物を、特定の条件で触媒と接触させて、脱カルボニル反応を行う。
本発明において用いられる触媒は、前記フルフラール化合物が有するカルボニル基を脱カルボニルすることができるものであれば特に限定されないが、通常、周期表第8族、第9族、第10族元素から選ばれる少なくとも1種の金属元素を含有する触媒が用いられる。前記金属元素は、いわゆる触媒の活性成分となるものである。
なお、前記金属元素は1種類を用いても、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
前記担体の種類は特に限定されないが、Al2O3、SiO2、TiO2、ZrO2、MgO等の金属酸化物;粘土、ゼオライト等の多孔性酸化物;活性炭等の炭素質担体等を用いることができる。
本発明の方法は、フルフラール化合物を、加圧状態で水素共存下に触媒と接触させて、フラン化合物を製造する方法であって、フルフラール化合物に対する水素のモル比が0を超え0.2以下であることに特徴を有する。これにより、前記のとおり、特にフラン化合物の生産性を向上させるとともに、フルフリルアルコール化合物の副生量を低減させ、触媒の活性低下を抑制することができる。
気相反応の場合、原料として用いられる前記フルフラール化合物は、あらかじめ設けた気化器においてガス状とする。気化の方法は特に限定されないが、例えば液体状の前記フルフラール化合物を主成分とする原料に、水素や不活性ガス等をガスバブリングする方法や、スプレー気化による方法等が挙げられる。
前記ガスバブリングに用いる不活性ガスの純度は特に限定されないが、通常95体積%以上、好ましくは99体積%以上、より好ましくは99.9体積%以上、特に好ましくは99.99体積%以上である。
また、COの再使用にあたっては、触媒と接触させる水素や一部ロスしたフラン化合物などをCOと分離せずにそのまま用いることが好適に行われる。
aを超え、好ましくは0.15MPa以上、より好ましくは0.2MPa以上であり、上限が通常3MPa以下、好ましくは2MPa以下、より好ましくは1MPa以下、特に好ましくは0.9MPa以下である。
液相反応の場合には、液体のフルフラール化合物と触媒とを反応器に仕込み、撹拌下、水素を共存させて適切な温度にて反応させることにより、フラン化合物を得ることができる。
とができる。また、連続的にフルフラール化合物や水素を供給することも好適に行われる。
さらに、生成したフラン化合物の沸点が低い場合には、気相よりフランを捕集することができる。
フルフラール化合物を連続的に脱カルボニル反応器に供給する場合、不純物低減のための精製装置と脱カルボニル反応器を連結させ、フルフラール化合物粗原料を連続的に蒸留精製、あるいはフルフラール化合物粗原料の不純物を連続的に吸着除去精製して上記の反応器に供給することが好適に用いられる。蒸留精製の場合には、高沸点の不純物の排除だけではなく、低沸点の不純物も除去して脱カルボニル反応器に供給することが効果的である。
本発明の方法によって得られたフラン化合物は、未反応のフルフラール化合物、フルフラール化合物由来の不純物、副生する一酸化炭素や副生成物、および反応開始剤として導入した水素と分離された後、必要に応じて、蒸留等の操作によって精製してもよい。分離された水素はリサイクルして、再度原料として用いることも可能であり、また一酸化炭素と共に他の用途に有効利用することもできる。
このように、本願発明においては、フラン化合物からの分離が困難なフルフリルアルコール化合物の副生量を極めて少量まで低減させることができる。
装置:FID−GC島津GC2025(無極性キャピラリーカラム、50m)
測定条件:スプリット機構、カラム部プログラム昇温使用
燃焼装置:三菱化学社製 試料燃焼装置 QF−02
分析装置:日本ダイオネクス社製 イオンクロマトDX−500
・有機物
装置:TCD−GC GLサイエンスGC4000(中極性カラム、3m)
測定条件:カラム部プログラム昇温使用
・無機ガス
装置:TCD−GC GLサイエンスGC3200(モレキュラーシーブ、3m)
測定条件:カラム部50℃
国際公開第2009/069714号の実施例2に記載の方法に準じて作成した500μmから1000μmの粒径のジルコニア担持Pd−K触媒(1質量%Pd−1質量%K/ZrO2)7.5gを、内径13.4mmのSUS316製反応管に装填し、水素100Nml/min流通下で5〜10℃/minで昇温した。触媒の温度が230℃に達した後、約10分間同温度において水素気流下で保持した。流通させるガスの組成を水素13.5Nml/min、窒素121.5Nml/minに変更した後、フルフラールを30ml/hの割合で、気化器を通して反応管に導入した。さらに、フルフラール導入から1時間後に反応管内の圧力を絶対圧で0.2MPaに上げた。このとき反応管に供給されるフルフラールのガス濃度は50体積%、水素/フルフラールのモル比は0.1であった。
フラン選択率(%)={フラン収率(%)/フルフラール転化率(%)}×100
フルフリルアルコール選択率(%)={フルフリルアルコール収率(%)/フルフラール転化率(%)}×100
流通させるガスの組成を水素6.8Nml/min、窒素128Nml/minに変更し、反応管内の圧力を絶対圧で0.4MPaとした以外は、実施例1と同様に反応を行った。このとき、反応管に供給されるフルフラールのガス濃度は50体積%、水素/フルフラールのモル比は0.05であった。
フルフラール導入から2時間後のフルフラール転化率は99%、フラン選択率は99%、フルフリルアルコール選択率は0.3%であった。導入したフルフララールのほとんどをフランに転化できた。6時間の連続反応においても活性や選択性は維持された。
流通させるガスの組成を水素3.4Nml/min、窒素132Nml/minに変更し、反応管内の圧力を絶対圧で0.4MPaにした以外は、実施例1と同様に反応を行った。このとき、反応管に供給されるフルフラールのガス濃度は50体積%、水素/フルフラールのモル比は0.025であった。
フルフラール導入から2時間後のフルフラール転化率は99%、フラン選択率は99%、フルフリルアルコール選択率は0.2%であった。導入したフルフラールのほとんどをフランに転化できた。6時間の連続反応においても活性や選択性は維持された。
流通させるガスの組成を水素26.9Nml/min、窒素108Nml/minに変更した以外は、実施例1と同様に反応を行った。このとき、反応管に供給されるフルフラールのガス濃度は50体積%、水素/フルフラールのモル比は0.2であった。
フルフラール導入から2時間後のフルフラール転化率は97%、フラン選択率は98%、フルフリルアルコール選択率は1%であった。導入したフルフラールのほとんどをフランに転化できた。6時間の連続反応においても活性や選択性は維持された。
流通させるガスの組成を水素6.7Nml/min、窒素195Nml/minに変更し、反応管内の圧力を絶対圧で0.4MPaにした以外は、実施例1と同様に反応を行った。このとき、反応管に供給されるフルフラールのガス濃度は40体積%、水素/フルフラールのモル比は0.05であった。
フルフラール導入から2時間後のフルフラール転化率は99%、フラン選択率は99%、フルフリルアルコール選択率は0.6%であった。導入したフルフラールのほとんどをフランに転化できた。6時間の連続反応においても活性や選択性は維持された。
流通させるガスの組成を水素6.7Nml/min、窒素27Nml/minに変更し、反応管内の圧力を絶対圧で0.4MPaにした以外は、実施例1と同様に反応を行った。このとき、反応管に供給されるフルフラールのガス濃度は80体積%、水素/フルフラールのモル比は0.05であった。
フルフラール導入から2時間後のフルフラール転化率は95%、フラン選択率は98%、フルフリルアルコール選択率は1%であった。導入したフルフラールのほとんどをフランに転化できた。6時間の連続反応においても活性や選択性は維持された。
流通させるガスの組成を水素6.7Nml/min、窒素64Nml/min、二酸化炭素64Nml/minに変更し、反応管内の圧力を絶対圧で0.4MPaにした以外は、実施例2と同様に反応を行った。このとき、反応管に供給されるフルフラールのガス濃度は50体積%、水素/フルフラールのモル比は0.05であった。
フルフラール導入から2時間後のフルフラール転化率は99%以上、フラン選択率は99%以上、フルフリルアルコール選択率は0.2%であった。導入したフルフラールのほとんどをフランに転化できた。6時間の連続反応においても活性や選択性は変化しなかった。
流通させるガスの組成を水素26.9Nml/min、窒素303Nml/minに変更した以外は、実施例1と同様に反応を行った。このとき、反応管に供給されるフルフラールのガス濃度は29体積%、水素/フルフラールのモル比は0.2であった。
フルフラール導入から2時間後のフルフラール転化率は95%、フラン選択率は96%、フルフリルアルコール選択率は3%であった。6時間後のフルフラール転化率は若干低下し、92%であった。
流通させるガスの組成を水素6.7Nml/min、窒素323Nml/minに変更し、反応管内の圧力を絶対圧で0.4MPaとした以外は、実施例1と同様に反応を行った。このとき、反応管に供給されるフルフラールのガス濃度は29体積%、水素/フルフラールのモル比は0.05であった。
フルフラール導入から2時間後のフルフラール転化率は98%、フラン選択率は97%、フルフリルアルコール選択率は2%であった。6時間後のフルフラール転化率は若干低下し、95%であった。
流通させるガスの組成を水素6.7Nml/min、窒素0.4Nml/minに変更した以外は、実施例1と同様に反応を行った。このとき、反応管に供給されるフルフラールのガス濃度は95体積%、水素/フルフラールのモル比は0.05であった。
フルフラール導入から2時間後のフルフラール転化率は90%、フラン選択率は95%、フルフリルアルコール選択率は3%と低下傾向を示した。また、6時間後のフルフラール転化率は若干低下し、85%であった。
流通させるガスの組成を水素68Nml/min、窒素68Nml/minに変更した以外は、実施例1と同様に反応を行った。このとき、反応管に供給されるフルフラールのガス濃度は50体積%、水素/フルフラールのモル比は0.5であった。
フルフラール導入から2時間後のフルフラール転化率は93%、フラン選択率は94%、フルフリルアルコール選択率は5%であった。6時間後のフルフラール転化率はさらに低下し、90%以下となった。
流通させるガスの組成を水素40Nml/min、窒素94Nml/minに変更し、反応管内の圧力を絶対圧で0.4MPaとした以外は、実施例1と同様に反応を行った。このとき、反応管に供給されるフルフラールのガス濃度は50体積%、水素/フルフラールのモル比は0.3であった。
フルフラール導入から2時間後のフルフラール転化率は97%、フラン選択率は95%、フルフリルアルコール選択率は4%であった。6時間後のフルフラール転化率はさらに低下し、95%以下となった。
流通させるガスの組成を窒素135Nml/minに変更した後、すぐにフルフラールを30ml/hの割合で、気化器を通して反応管に導入した以外は、実施例1と同様に反応を行った。このとき、反応管に供給されるフルフラールのガス濃度は50体積%、水素/フルフラールのモル比は0であった。
フルフラール導入から2時間後のフルフラール転化率は90%、フラン選択率は99%、フルフリルアルコール選択率は0.2%であった。6時間後のフルフラール転化率はさらに低下し、50%以下となり、反応に水素を共存させないと触媒活性の低下が著しく、連続反応は難しいことが判った。
流通させるガスの組成を水素67Nml/min、窒素262Nml/minに変更し
た以外は、実施例1と同様に反応を行った。このとき、反応管に供給されるフルフラールのガス濃度は29体積%、水素/フルフラールのモル比は0.5であった。
フルフラール導入から2時間後のフルフラール転化率は92%、フラン選択率は91%、フルフリルアルコール選択率は8%であった。6時間後のフルフラール転化率はさらに低下し、90%以下となった。
用いる触媒の量を12.0gに変更した以外は、実施例2と同様に反応を行った。このとき、反応管に供給されるフルフラールのガス濃度は50体積%、水素/フルフラールのモル比は0.05であった。
フルフラール導入から2時間後のフルフラール転化率はほぼ100%、フラン選択率は99%、フルフリルアルコール選択率は0.5%であった。144時間後のフルフラール転化率は95%以上であり、フラン選択率は99%以上、フルフリルアルコール選択率は0.2%であった。
流通させるガスの組成を水素40Nml/min、窒素94Nml/minに変更した以外は、実施例11と同様に反応を行った。このとき、反応管に供給されるフルフラールのガス濃度は50体積%、水素/フルフラールのモル比は0.3であった。
フルフラール導入から2時間後のフルフラール転化率はほぼ98%、フラン選択率は95%、フルフリルアルコール選択率は4%であった。144時間後のフルフラール転化率は85%以下であり、フラン選択率は97%、フルフリルアルコール選択率は2%であった。
触媒の担体として3±0.3mmφx4±1mmの三つ葉型モノクリニックジルコニアペレットを用い、粉砕・篩分けをしなかった以外は国際公開第2009/069714号の実施例2に記載の方法に準じてジルコニア担持Pd−K触媒(1質量%Pd−1質量%K/ZrO2、触媒の断面長径3mm、長さ4mm)を製造した。本触媒の強度を(株)藤原製作所製木屋式デジタル硬度計KHT−20で測定したところ平均で70N以上であった。当該触媒7.5gを、内径7.3mmのSUS316製反応管に装填し、流通させるガスの組成を水素6.7Nml/min、窒素128Nml/minに変更し、反応管内の圧力を絶対圧で0.4MPaにした以外は、実施例1と同様に反応を行った。このとき、反応管に供給されるフルフラールのガス濃度は50体積%、水素/フルフラールのモル比は0.05であった。
フルフラール導入から2時間後のフルフラール転化率は95%、フラン選択率は99%以上、フルフリルアルコール選択率は0.4%であった。導入したフルフラールのほとんどをフランに転化できた。6時間後のフルフラール転化率は94%であった。
反応管内の圧力を絶対圧で0.1MPaのまま反応を継続した以外は実施例12と同様に反応を行った。このとき、反応管に供給されるフルフラールのガス濃度は50体積%、水素/フルフラールのモル比は0.05であった。
フルフラール導入から2時間後のフルフラール転化率は92%、フラン選択率は99%以上、フルフリルアルコール選択率は0.2%であった。6時間後のフルフラール転化率は88%であった。
フルフラール脱カルボニルプロセスにおいて、脱カルボニル反応器出口の未反応フルフラールを回収する工程を想定したモデル実験を次のように行った。
蒸留精製して得た純度99.8%のフルフラールと純度99.5%のフルフリルアルコールを所定の割合で混合し、5.0gを30ccの高圧ボンベに入れた。アルゴン(Ar)で置換した後に0.3MPaのArを封入し、215℃で2hの加熱処理を行った。
)のみを加熱したときには、加熱処理後に不明副生物(Unknown)や重合による固形物(GC外HB:GCで検出されない高沸点化合物(固体)を別途重量測定)はほとんど発生しない
ことがわかった。一方で、参考例4に示すように、フルフリルアルコール(FRA)は加熱
条件において不安定で、不明副生物や配管の閉塞などの原因となりうる固形物が甚だしく発生することがわかった。また、参考例2と3の結果より、フルフラールにフルフリルアルコールが混入することによって、フルフラールの不明物への転化や重合が促進される傾向がみられた。このことから、フルフラール脱カルボニルプロセスにおいては、フルフリルアルコールの副生は極力抑制するのが好ましいことがわかる。
Claims (8)
- フルフラール化合物を、加圧状態で水素共存下に触媒と接触させて、フラン化合物を製造する方法であって、フルフラール化合物に対する水素のモル比が0を超え0.2以下であることを特徴とするフラン化合物の製造方法。
- フルフラール化合物を、予め気化させてガス状とし、該ガス状フルフラール化合物と水素を少なくとも含む原料ガスを、触媒と接触させることを特徴とする請求項1に記載の方法。
- 原料ガスに不活性ガスを共存させることを特徴とする請求項2に記載の方法。
- 気相のガス線速が2cm/s以上200cm/s以下であることを特徴とする請求項2又は3に記載の方法。
- 気相中のフルフラール化合物濃度が40体積%以上であることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の方法。
- 生成するフラン化合物中のフルフリルアルコール化合物の量が、フラン化合物及びフルフリルアルコール化合物の合計量に対して、モル比で0.05以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
- 加圧が、絶対圧で0.1MPaを超え1MPa以下であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
- 触媒が、周期表第8族、第9族、及び第10族から選ばれる少なくとも1種の金属元素を含有する触媒であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
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