JP2016009523A - 被覆リチウム−ニッケル複合酸化物粒子及び被覆リチウム−ニッケル複合酸化物粒子の製造方法 - Google Patents

被覆リチウム−ニッケル複合酸化物粒子及び被覆リチウム−ニッケル複合酸化物粒子の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】環境安定性の高さから水分、炭酸ガスを吸収することによる不純物の発生を抑えることができ、かつ密着性が高く容易にコーティング層が離脱することがなく且つ、リチウムイオン伝導性を有する優れた被覆リチウム−ニッケル複合酸化物粒子を提供する。【解決手段】ニッケル系リチウム−ニッケル複合酸化物粒子の表面に、非電子伝導性高分子及び電子伝導性高分子が含まれる高分子組成物が被覆されているリチウムイオン電池正極活物質用の被覆リチウム−ニッケル複合酸化物粒子は環境安定性に優れ、且つ電池特性に悪影響しない被覆ニッケル系リチウム−ニッケル複合酸化物粒子である。【選択図】図2

Description

本発明は、ニッケル含有量の高い被覆リチウム−ニッケル複合酸化物粒子に関し、大気雰囲気下の安定性を向上させた取り扱いしやすい被覆リチウム−ニッケル複合酸化物粒子及びその製造方法に関するものである。
近年、携帯電話、ノートパソコン等の小型電子機器の急速な拡大とともに、充放電可能な電源として、リチウムイオン二次電池の需要が急激に伸びている。リチウムイオン二次電池の正極で充放電に寄与する正極活物質として、リチウム−コバルト酸化物(以下、コバルト系と明記することがある。)が広く用いられている。しかしながら、電池設計の最適化によりコバルト系正極の容量は理論容量と同等程度まで改善され、さらなる高容量化は困難になりつつある。
そこで、従来のコバルト系よりも理論容量の高いリチウム−ニッケル酸化物を用いたリチウム−ニッケル複合酸化物粒子の開発が進められている。しかしながら、純粋なリチウム−ニッケル酸化物は、水や二酸化炭素等に対する反応性の高さから安全性、サイクル特性等に問題があり、実用電池として使用することは困難であった。そこで上記問題の改善策として、コバルト、マンガン、鉄等の遷移金属元素またはアルミニウムを添加したリチウム−ニッケル複合酸化物粒子が開発されている。
リチウム−ニッケル複合酸化物には、ニッケル、マンガン、コバルトがそれぞれ当モル量添加されてなるいわゆる三元系と呼ばれる遷移金属組成Ni0.33Co0.33Mn0.33で表される複合酸化物粒子(以下、三元系と明記することがある。)といわゆるニッケル系と呼ばれるニッケル含有量が0.65モルを超えるリチウム−ニッケル複合酸化物粒子(以下、ニッケル系と明記することがある。)がある。容量の観点からは三元系と比べ、ニッケル含有量の多いニッケル系に大きな優位性がある。
しかしながら、ニッケル系は、水や二酸化炭素等に対する反応性の高さからコバルト系や三元系と比べ環境により敏感であり、空気中の水分や二酸化炭素(CO)をより吸収しやすい特徴がある。水分、二酸化炭素は、粒子表面にそれぞれ水酸化リチウム(LiOH)、炭酸リチウム(LiCO)といった不純物として堆積され、正極製造工程や電池性能に悪影響を与えることが報告されている。
ところで、正極の製造工程では、リチウム−ニッケル複合酸化物粒子、導電助剤、バインダーと有機溶媒等を混合した正極合剤スラリーをアルミニウム等の集電体上に塗布・乾燥する工程を経る。一般的に水酸化リチウムは、正極合剤スラリー製造工程において、バインダーと反応しスラリー粘度を急激に上昇させる、またスラリーをゲル化させる原因となることがある。これらの現象は不良や欠陥、正極製造の歩留まりの低下を引き起こし、製品の品質に差を生じさせることがある。また、充放電時、これら不純物は電解液と反応しガスを発生させることがあり、電池の安定性に問題を生じさせかねない。
したがって、ニッケル系を正極活物質として用いる場合、上述した水酸化リチウム(LiOH)等の不純物の発生を防ぐため、その正極製造工程を脱炭酸雰囲気下におけるドライ(低湿度)環境下で行う必要がある。そのため、ニッケル系は理論容量が高くリチウムイオン二次電池の材料として有望であるにも関わらず、その製造環境を維持するために高額な設備導入コスト及びランニングコストが掛かるため、その普及の障壁となっているという問題がある。
このような問題を解決するために、リチウム−ニッケル複合酸化物粒子表面上にコーティング剤を用いることにより被覆する方法が提案されている。このようなコーティング剤としては、無機系のコーティング剤と有機系のコーティング剤に大別され、無機系のコーティング剤としては酸化チタン、酸化アルミニウム、リン酸アルミニウム、リン酸コバルト、フッ化リチウムなどの材料が、有機系のコーティング剤としてはヒュームドシリカ、カルボキシメチルセルロース、フッ素含有ポリマーなどの材料が提案されている。
例えば、特許文献1では、リチウム−ニッケル複合酸化物粒子表面にフッ化リチウム(LiF)またはフッ素含有ポリマー層を形成する方法、また、特許文献2では、リチウム−ニッケル複合酸化物粒子にフッ素含有ポリマー層を形成し、さらに不純物を中和するためのルイス酸化合物を添加する方法が提案されている。いずれの処理もフッ素系材料を含有するコーティング層によりリチウム−ニッケル複合酸化物粒子表面は疎水性に改質され、水分の吸着を抑制し、水酸化リチウム(LiOH)などの不純物の堆積を抑制することが可能となる。
しかしながら、これらのコーティング方法に用いられる上記のフッ素系材料を含有するコーティング層は、静電引力のみによってリチウム−ニッケル複合酸化物粒子に付着しているに過ぎない。そのため、スラリー製造工程で溶剤として用いるN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に再溶解してしまうため、コーティング層がリチウム−ニッケル複合酸化物粒子から脱離しやすい。その結果、脱炭酸雰囲気下におけるドライ(低湿度)環境下で正極を保管しなければならず、ニッケル系において問題とされている不良や欠陥、歩留まりの低下を十分に抑制することができないばかりか、実質的に不純物の発生による電池の安定性の問題を十分に解決することができるものとはなっていなかった。
特開2013−179063号公報 特表2011−511402号公報
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑み、大気雰囲気下で取り扱うことができ、且つ電池特性に悪影響がない電子伝導体及びリチウムイオン伝導体の被膜を得ることのできる、被覆リチウム−ニッケル複合酸化物粒子及びその製造方法の提供を目的とする。
本発明は、上述した従来技術における問題点を解決するために鋭意研究を重ねた結果、ニッケル系リチウム−ニッケル複合酸化物粒子の表面に、粒子−高分子間の吸着性とイオン導電性を併せもつ非電子伝導性高分子と電子伝導性とイオン伝導性を有する導電性高分子を配合した高分子組成物で被覆することで大気安定性が向上し、且つ電池特性に悪影響しない被覆ニッケル系リチウム−ニッケル複合酸化物粒子を見出した。また、当該被覆リチウム−ニッケル複合酸化物粒子は、正極合剤スラリーを混練した際にも、粒子表面からコーティング層が剥がれ落ちることがない。そのため、作製された正極を保管する際、大気中の水分や炭酸ガスにより生じる不純物の生成を抑制できる、つまり材料取り扱い時、輸送時、保管時、電極作製および電池製造時における大気雰囲気下での取り扱いを可能とする好適な被覆リチウム−ニッケル複合酸化物粒子及びその製造方法であることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、第一の発明は、ニッケル系リチウム−ニッケル複合酸化物粒子の表面に、非電子伝導性高分子及び電子伝導性高分子が含まれる高分子組成物が被覆されているリチウムイオン電池正極活物質用の被覆リチウム−ニッケル複合酸化物粒子である。
第二の発明は、前記非電子伝導性高分子が変性ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリフェノール系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂及びそれらの誘導体からなる群より選ばれた少なくとも一種からなる重合体又は共重合体である第一の発明に記載の被覆リチウム−ニッケル複合酸化物粒子である。
第三の発明は、前記電子伝導性高分子がポリピロール、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリ(p−フェニレン)、ポリフルオレン及びそれらの誘導体からなる群より選ばれた少なくとも一種からなる重合体又は共重合体である第一又は第二の発明に記載の被覆リチウム−ニッケル複合酸化物粒子である。
第四の発明は、前記高分子組成物の被覆量が、リチウム−ニッケル複合酸化物粒子に対して0.1〜5.0重量%である第一から第三いずれかの発明に記載の被覆リチウム−ニッケル複合酸化物粒子である。
第五の発明は、前記高分子組成物の全量における非電子伝導性高分子の含有量が30〜80重量%である第一から第四のいずれかの発明に記載の被覆リチウム−ニッケル複合酸化物粒子である。
第六の発明は、前記リチウム−ニッケル複合酸化物が下記一般式(1)で表される第一から第五のいずれかの発明に記載の被覆リチウム−ニッケル複合酸化物粒子である。
LiNi(1−y−z) ・・・(1)
(式中、xは0.80〜1.10、yは0.01〜0.20、zは0.01〜0.15、1−y−zは0.65を超える値であって、Mは、CoまたはMnより選ばれた少なくとも一種の元素を示し、NはAl、InまたはSnより選ばれた少なくとも一種の元素を示す。)
第七の発明は、5〜20μmの平均粒径を有する球状粒子である第一から第六のいずれかの発明に記載の被覆リチウム−ニッケル複合酸化物粒子である。
第八の発明は、前記非電子伝導性高分子及び電子伝導性高分子を溶解する良溶媒に溶解させて被覆用樹脂溶液とする工程と、前記被膜用樹脂溶液に、前記非電子伝導性高分子及び前記電子伝導性高分子を溶解しない貧溶媒であって、前記良溶媒よりも蒸発速度の遅い貧溶媒を添加する工程と、前記被膜用樹脂溶液に、前記リチウム−ニッケル複合酸化物粒子を添加してスラリーとする工程と、前記スラリーから良溶媒及び貧溶媒を除去する工程とを含む第一から第七のいずれかの発明に記載の被覆リチウム−ニッケル複合酸化物粒子の製造方法である。
本発明では、ニッケル系リチウム−ニッケル複合酸化物粒子をコアに、非電子伝導性高分子及び導電性高分子の混合体である高分子組成物で形成されるシェルをもつ被覆リチウム−ニッケル複合酸化物粒子を製造することにより、リチウム−ニッケル複合酸化物粒子表面に良好な電子伝導性とリチウムイオン伝導性を併せもち、且つ水分、炭酸ガスの透過を抑制できる膜で被覆された優れた被覆リチウム−ニッケル複合酸化物粒子及びその製造方法である。
この被覆リチウム−ニッケル複合酸化物粒子は、これまで炭酸ガス濃度、水分濃度が厳しく管理された正極製造設備に変わり、コバルト系、三元系で用いられてきた製造設備も流用できる、高容量リチウムイオン電池用複合酸化物正極活物質として提供できる。
実施例及び比較例の1週間静置した場合における粒子重量当たりの変化率である。 サイクル試験前のインピーダンス試験によるCole−Coleプロットである。
以下に本発明の被覆リチウム−ニッケル複合酸化物粒子とその製造方法について詳細に説明する。尚、本発明は、以下の詳細な説明によって限定的に解釈されるものではない。本発明において、一次粒子が凝集した二次粒子をリチウム−ニッケル複合酸化物粒子と呼ぶ場合がある。
該粒子表面を被覆する非電子伝導性高分子が変性ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリフェノール系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂及びそれらの誘導体からなる群より選ばれた少なくとも一種からなる重合体又は共重合体並びに導電性高分子がポリピロール、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリ(p−フェニレン)、ポリフルオレン及びそれらの誘導体からなる群より選ばれた少なくとも一種からなる重合体又は共重合体の混合物で形成される被膜は良好な電子伝導性とイオン伝導性を有することから電池特性に悪影響を及ぼすことがない。また、該重合体もしくは共重合体で被覆された被覆リチウム−ニッケル複合酸化物粒子は、当該重合体もしくは共重合体がコーティング層として働くため、環境安定性に優れ、コバルト系や三元系と同様の設備で取扱うことができる。そのため、本発明は、優れた環境安定性を備えた被覆リチウム−ニッケル複合酸化物粒子である。
1.非電子伝導性高分子
[変性ポリオレフィン系樹脂]
本発明に係るリチウム−ニッケル複合酸化物粒子被覆膜に含有される変性ポリオレフィン系樹脂としては、例えばα−オレフィン等を重合してポリオレフィンの一部を変性して製造された変性ポリオレフィン系樹脂などが挙げられる。ポリオレフィン系樹脂としては例えばポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン共重合体等が挙げられる。
一般に、ポリエチレンやポリプロピレンなどのポリオレフィンは、結晶性が高く無極性であることから、他の基材、例えばスチレン樹脂、アクリル樹脂、酢酸ビニル樹脂などの極性を有する樹脂と親和性がないだけでなく、金属表面やガラス、無機フィラーなどとも親和性が殆どない。このため、ポリオレフィン系樹脂を塗装したり接着したりするために、例えば、ポリオレフィンを塩素化してプライマーとして用いる方法、親和性官能基を付与してプライマーまたはトップコートとして用いる方法等がある。リチウム−ニッケル複合酸化物粒子に被覆する場合には、当該粒子と親和性のある官能基が導入された変性ポリオレフィンを用いることが望ましい。
本発明に用いられるポリオレフィン系樹脂に使用される変性剤としては、当該粒子と親和性のある官能基を導入することができるものであればよく、例えば、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸の誘導体、アルキルエステル、グリシジルエステル(メタ)アクリル酸のアルカリ金属塩(メタ)アクリル酸のハロゲン化物アミノ基含有(メタ)アクリル酸誘導体、ジ(メタ)アクリレート、OH基又はアルコキシ基含有(メタ)アクリル酸誘導体、イソシアナート基含有(メタ)アクリル酸誘導体P含有(メタ)アクリル酸誘導体、ニトリル化合物、ビニル化合物、ビニル安息香酸、スチレン誘導体、ジカルボン酸、又はジカルボン酸無水物などを挙げることができる。
本発明により製造された変性ポリオレフィンは、変性剤がポリオレフィン主鎖に対してグラフト結合していることが好ましい。本発明において、ポリオレフィンへの変性剤の導入量、すなわち変性量は、ポリオレフィン1分子鎖当り、変性剤モノマーが0.5〜100個導入されていることが好ましく、1〜50個導入されていることがより好ましい。
変性ポリオレフィンの変性方法としては、例えば、溶媒の存在下または無溶剤でラジカル反応開始剤を使用して溶液状態で反応させる方法、スラリー状態で反応させる方法、又は溶融状態で反応させる方法等の公知の技術で製造することができる。
[ポリエステル系樹脂]
本発明に係るリチウム−ニッケル複合酸化物粒子被覆膜に含有されるポリエステル系樹脂としては、特に限定されるものではなく公知のポリエステルを用いることができる。このポリエステルの製造は、エステル化反応、すなわち重縮合反応によればよく、反応は常圧、減圧のいずれでもよい。また、分子量の調節は、適宜に減圧状態を調整して行えばよく、さらに、重縮合反応後に無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水マレイン酸、無水コハク酸などの酸無水物による付加反応等の工程を行ってもよい。
[ポリフェノール系樹脂]
本発明に係るリチウム−ニッケル複合酸化物粒子被覆膜に含有されるポリフェノール系樹脂としては、例えば、フェノール類とアルデヒド類を酸触媒の存在下に反応させて得られるノボラック型フェノール樹脂、またはフェノール類とアルデヒド類をアルカリ触媒の存在下に反応させて得られるレゾール型フェノール樹脂等を使用することができる。
なお、フェノール類としては、例えば、フェノール、o−クレゾール、m−クレゾール、p−クレゾール、2,3−キシレノール、2,4−キシレノール、2,5−キシレノール、2,6−キシレノール、3,4−キシレノール、3,5−キシレノール、p−エチルフェノール、p−イソプロピルフェノール、p−ターシャリーブチルフェノール、p−クロロフェノール、p−ブロモフェノールなどの各種のものが挙げられる。アルデヒド類としては、例えば、ホルマリン、パラホルムアルデヒド、トリオキサン、テトラアキサン等のホルムアルデヒド発生源物質を使用することもできる。
[ポリウレタン系樹脂]
本発明に係るリチウム−ニッケル複合酸化物粒子被覆膜に含有されるポリウレタン樹脂は、高分子ポリオールで構成されるソフトセグメントと、ジイソシアネート、鎖伸長剤および必要により鎖長停止剤で構成されうるハードセグメントからなるものが挙げられる。
ソフトセグメントを構成する高分子ポリオールとしては、ポリエステルポリオール、ポリカーボネートポリオール、ポリエーテルポリオール、ポリオレフィンポリオールなど各種公知のものが挙げられる。当該高分子ポリオールは、数平均分子量が500〜10000の範囲であり、分子末端に水酸基を持つものが好ましい。数平均分子量が500未満になると溶解性の低下に伴い安定性が低下する傾向があり、また10000を超えると弾性が低下する傾向がある。硬化物の力学物性を考慮すると、好ましくは1000〜6000の範囲内とするのがよい。
ポリエステルポリオールとしては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、オクタンジオール、1,4−ブチンジオール、ジプロピレングリコール等の飽和もしくは不飽和の各種公知の低分子グリコールまたはn−ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテル等のアルキルグリシジルエーテル類、バーサティック酸グリシジルエステル等のモノカルボン酸グリシジルエステル類と、アジピン酸、マレイン酸、フマル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、しゅう酸、マロン酸、グルタル酸、ピメリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、スベリン酸等の二塩基酸またはこれらに対応する酸無水物やダイマー酸、ひまし油およびその脂肪酸などと脱水縮合せしめて得られるポリエステルポリオール類、あるいは環状エステル化合物を開環重合して得られるポリエステルポリオール類などが挙げられる。なお、低分子グリコールと二塩基酸とから得られる高分子ポリオールの場合には、該グリコール類のうち5モル%までは以下の各種ポリオールに置換することができる。たとえばグリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、1,2,6−ヘキサントリオール、1,2,4−ブタントリオール、ソルビトール、ペンタエリスリトール等が挙げられる。
ポリカーボネートポリオールとしては、一般に多価アルコールとジメチルカーボネートの脱メタノール縮合反応、多価アルコールとジフェニルカーボネートの脱ウレタン縮合反応または多価アルコールとエチレンカーボネートの脱エチレングリコール縮合反応など公知の反応で得られる。これら反応で使用される多価アルコールとしては1,6−ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、オクタンジオール、1,4−ブチンジオール、ジプロピレングリコール等の飽和もしくは不飽和の各種公知の低分子グリコール類、1,4−シクロヘキサンジグリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどの脂環族グリコールなどが挙げられる。
ポリエーテルポリオールとしては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、テトラヒドロフランなどを開環重合して得られるポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシテトラメチレングリコールなどが挙げられる。
ポリオレフィンポリオ−ルとしては、末端に水酸基を持つポリブタジエンポリオールやポリイソプレンポリオール、あるいはそれらを水添したものなどが挙げられる。
ポリウレタン系樹脂の構成成分であるハードセグメントに用いられるジイソシアネート化合物としては芳香族、脂肪族または脂環族の各種公知のジイソシアネート類を使用することができる。例えば、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4′−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、4,4′−ジベンジルイソシアネート、ジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ブタン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソプロピレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水素化キシリレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4,4′−ジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、m−テトラメチルキシリレンジイソシアネートやダイマー酸のカルボキシル基をイソシアネート基に転化したダイマージイソシアネート等がその代表例として挙げられる。
また、ポリウレタン系樹脂に使用する鎖伸長剤としては、例えば前記ポリエステルポリオールの項で述べた低分子グリコール類やジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸など分子内にカルボキシル基を持つグリコール類、またエチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、トリエチレンテトラミン、ジエチレントリアミン、イソホロンジアミン、ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジアミン、ダイマー酸のカルボキシル基をアミノ基に転化したダイマージアミン等のポリアミン類、L−リジン、L−アルギニンなど分子内にカルボキシル基を持つポリアミン類、などが挙げられる。
また、ポリウレタン系樹脂には、分子量を調節するために重合停止剤を使用することもできる。重合停止剤としては、例えば、ジ−n−ブチルアミン、n−ブチルアミン等のアルキルモノアミン類や、D−アラニン、D−グルタミン酸など分子内にカルボキシル基を持つモノアミン類、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、グリコール酸など分子内にカルボキシル基を持つアルコール類が挙げられる。
[エポキシ系樹脂]
本発明に係るリチウム−ニッケル複合酸化物粒子被覆膜に含有されるエポキシ系樹脂は、例えばビスフェノール類とエピクロルヒドリンまたはβ−メチルエピクロルヒドリン等のハロエポキシドとの反応により得られたものが挙げられる。ビスフェノール類としては例えばフェノールまたは2,6−ジハロフェノールとホルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アセトン、アセトフェノン、シクロヘキサノン、ベンゾフェノン等のアルデヒド類もしくはケトン類との反応の他、ジヒドロキシフェニルスルフィドの過酸による酸化、ハイドロキノン同士のエーテル化反応等により得られるものが挙げられる。
2.導電性高分子
[導電性高分子]
本発明に係るリチウム−ニッケル複合酸化物粒子被覆膜に含有される導電性高分子とは、電気伝導性を持つ高分子化合物の呼称である。この高分子化合物の特徴は、分子構造中に二重結合と単結合が交互に並んだ構造、つまりπ共役が発達した主鎖を持つことにある。通常、導電性高分子の他、ドーパントと呼ばれるアクセプター分子、またはドナー分子をドーピングすることによってキャリアが発生し、電気伝導性を発現させる。ドーパントとは、例えば、Li、Na、K、Cs等のアルカリ金属イオン、テトラエチルアンモニウム等のアルキルアンモニウムイオンやハロゲン類、ルイス酸、プロトン類、遷移金属ハライド等を例示することができる。
導電性高分子は、ポリアセチレンに代表されるようにπ共役系が高度に成長した高分子であるが、いかなる溶媒にも溶解せず、また融点を持たない、いわゆる不溶不融の性質を持っている。したがって、加工性が悪く工業的な応用が困難であった。
しかしながら、近年の研究により導電性高分子を有機溶媒に溶解または水溶媒に分散するなど、実質的にもしくは見かけ上で溶液として得られる導電性高分子が開発され、これにより工業化への利用が広がってきている。
以下に例を挙げ詳細を説明する。1つ目は、導電性高分子を構成するモノマーに直接置換基を導入して、有機溶媒溶解性や水溶解性を与える方法である。具体的に説明すると、チオフェンの3位にアルキル基を導入したポリ−3−アルキル置換チオフェンから合成されたポリチオフェン誘導体は、クロロホルム、塩化メチレン等の有機溶媒に溶解し、また分解前に融点を持つ、すなわち溶融溶解することが知られている。また、3位にアルキルスルホン酸を導入したポリ−3−アルキルスルホン酸チオフェンから合成されたポリチオフェン誘導体は、水となじみやすいスルホ基によって水溶性が得られ、同時に自己ドーピングが可能となる。
また、2つ目は、水溶性ドーパントを用いる方法がある。水となじみやすいスルホ基を分子中に有するポリマーがドーパント兼水分散剤と導入されることにより、水中への導電性高分子の微分散が可能となる。具体的に説明すると、水溶性高分子の水溶液中で、導電性高分子を構成させるモノマーを酸化重合させる。この際、水溶性高分子を持つスルホ基の一部が導電性高分子にドーピングするとともに水溶性高分子と導電性高分子を一体化させ、残りのスルホ基によって水溶性の導電性高分子となる。この導電性高分子は水中に数10nmレベルで微分散できる。この代表例がポリスチレンスルホン酸(PSS)を用い、導電性高分子モノマーに3,4―エチレンジオキシチオフェン(EDOT)を用いて開発されたPEDOT/PSSがある。
本発明に用いることができる高分子化合物は、例えば、ポリピロール系化合物、ポリアニリン系化合物、ポリチオフェン化合物、ポリ(p−フェニレン)化合物、ポリフルオレン化合物又はこれらの誘導体などを例示することができる。本発明は、導電性高分子を溶媒に溶解または分散させる工程を経るため、溶解性または分散性に富む、例えば、PEDOT/PSSやリグニンをポリアニリン末端に修飾させたリグニングラフト型ポリアニリンなどを好ましく使用することができる。
また、非電子伝導性高分子が変性ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリフェノール系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂及びそれらの誘導体からなる群より選ばれた少なくとも一種からなる重合体又は共重合体並びに電子伝導性高分子がポリピロール、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリ(p−フェニレン)、ポリフルオレン及びそれらの誘導体からなる群より選ばれた少なくとも一種からなる重合体又は共重合体の混合物で被覆されてなる本発明の被覆粒子全量中における、該重合体又は共重合体の被覆量は、ニッケル系リチウム−ニッケル複合酸化物粒子100重量%に対して、0.1〜5.0重量%が好ましく、より好ましくは0.2〜1.0重量%である。0.1重量%未満では処理が不十分になる傾向があり、5.0重量%を超えると粒子被覆に関与しない当該重合体もしくは共重合体により粒子の重点密度を低下させ、正極製造時に悪影響を及ぼす可能性がある。
また、非電子伝導性高分子の重合体又は共重合体及び電子伝導性高分子の重合体又は共重合体の混合膜に占める非電子伝導性高分子の割合が30重量%から80重量%であることが好ましい。30重量%未満となると材料コストが上がる傾向があり、80重量%を超えると被膜の電子伝導性が低下する傾向がある。
また、重合体又は共重合体の混合膜に占める電子伝導性高分子の割合は20重量%から70重量%であることが好ましい。20重量%未満であると被膜の電子伝導性が低下する傾向があり、70重量%を超えると、材料コストが上がる傾向がある。
[ニッケル系リチウム−ニッケル複合酸化物粒子]
ニッケル系リチウム−ニッケル複合酸化物粒子は、球状粒子であって、その平均粒径は、5〜20μmであることが好ましい。このような範囲とすることで、リチウム−ニッケル複合酸化物粒子として良好な電池性能を有するとともに、且つ良好な電池の繰り返し寿命(サイクル特性)の両立ができるため好ましい。
また、ニッケル系リチウム−ニッケル複合酸化物粒子は、下記一般式(1)で表されるものであることが好ましい。
LiNi(1−y−z)・・・(1)
式中、xは0.80〜1.10、yは0.01〜0.20、zは0.01〜0.15、1−y−zは0.65を超える値であって、Mは、CoまたはMnより選ばれた少なくとも一種の元素を示し、NはAl、InまたはSnより選ばれた少なくとも一種の元素を示す。
なお、1−y−zの値(ニッケル含有量)は、容量の観点から、好ましくは0.70を超える値であり、さらに好ましくは0.80を超える値である。
コバルト系(LCO)、三元系(NCM)、ニッケル系(NCA)の電極エネルギー密度(Wh/L)は、それぞれ2160Wh/L(LiCoO2)、2018.6Wh/L(LiNi0.33Co0.33Mn0.33Co0.33O2)、2376Wh/L(LiNi0.8Co0.15Al0.05O2)となる。そのため、当該ニッケル系リチウム−ニッケル複合酸化物粒子をリチウムイオン電池の正極活物質として用いることで、高容量の電池を作製することができる。
[被覆リチウム−ニッケル複合酸化物粒子の製造方法]
被覆リチウム−ニッケル複合酸化物粒子を製造する方法、すなわちニッケル系リチウム−ニッケル複合酸化物粒子にシェルとなる非電子伝導性高分子が変性ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリフェノール系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂及びそれらの誘導体からなる群より選ばれた少なくとも一種からなる重合体又は共重合体並びに電子伝導性高分子がポリピロール、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリ(p−フェニレン)、ポリフルオレン及びそれらの誘導体からなる群より選ばれた少なくとも一種からなる重合体又は共重合体の混合物を被覆する方法としては、様々な方法をとることができる。
例えば、非電子伝導性高分子が変性ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリフェノール系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂及びそれらの誘導体からなる群より選ばれた少なくとも一種からなる重合体又は共重合体並びに電子伝導性高分子がポリピロール、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリ(p−フェニレン)、ポリフルオレン及びそれらの誘導体からなる群より選ばれた少なくとも一種からなる重合体又は共重合体の混合体に対して良溶媒中に該重合体もしくは共重合体を溶解または分散させ、さらに粒子を混合しスラリーを作製する。その後、該重合体又は共重合体に対して貧溶媒を段階的に添加し洗い、完全に良溶媒を除くことで粒子表面に当該重合体又は共重合体を沈着される方法、いわゆる相分離法を利用して製造することができる。
また、シェルとなる非電子伝導性高分子が変性ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリフェノール系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂及びそれらの誘導体からなる群より選ばれた少なくとも一種からなる重合体又は共重合体並びに電子伝導性高分子がポリピロール、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリ(p−フェニレン)、ポリフルオレン及びそれらの誘導体からなる群より選ばれた少なくとも一種からなる重合体又は共重合体の混合体に対して良溶媒中に溶解または分散させ、コアとなる粒子を混合しスラリーを作製する。さらに、このスラリーに当該重合体又は共重合体に対して貧溶媒を加え混合する。その後、良溶媒を除々に除去して粒子表面に当該重合体又は共重合体を析出させる方法、いわゆる界面沈殿法を利用して製造することもできる。
また、非電子伝導性高分子が変性ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリフェノール系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂及びそれらの誘導体からなる群より選ばれた少なくとも一種からなる重合体又は共重合体並びに電子伝導性高分子がポリピロール、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリ(p−フェニレン)、ポリフルオレン及びそれらの誘導体からなる群より選ばれた少なくとも一種からなる重合体又は共重合体の混合体を溶解または分散させた溶液中にコアとなる粒子を分散させ、液滴を細かく分散して熱風中に吹き付ける方法、いわゆる気中乾燥法、スプレードライ法を利用して製造することもできる。
また、コアとなる粒子を転動するパンで流動させ、そこに非電子伝導性高分子が変性ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリフェノール系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂及びそれらの誘導体からなる群より選ばれた少なくとも一種からなる重合体又は共重合体並びに電子伝導性高分子がポリピロール、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリ(p−フェニレン)、ポリフルオレン及びそれらの誘導体からなる群より選ばれた少なくとも一種からなる重合体又は共重合体の混合体を溶解または分散させた溶液を噴霧し、粒子表面に均一に該重合体又は共重合体を塗布・乾燥させる方法、いわゆるパンコーティング法を利用して製造することもできる。
また、底部から送風された気体にコアとなる粒子を上下に循環させ非電子伝導性高分子が変性ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリフェノール系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂及びそれらの誘導体からなる群より選ばれた少なくとも一種からなる重合体又は共重合体並びに電子伝導性高分子がポリピロール、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリ(p−フェニレン)、ポリフルオレン及びそれらの誘導体からなる群より選ばれた少なくとも一種からなる重合体又は共重合体の混合体又は共重合体を溶解又は分散させた溶液を噴霧する方法、いわゆる気中懸濁被覆法を利用して製造することもできる。
中でも、製造コストの観点から、上述した界面沈殿法を利用して製造することが最も好ましい。
また、ニッケル系リチウム−ニッケル複合酸化物粒子に被覆された上記樹脂に、硬化剤を別途添加し架橋処理してもよい。硬化剤としては、例えば、アミン系硬化剤、ポリアミド系硬化剤、メラミン系硬化剤等が挙げられる。
以下、本発明の実施例について比較例を挙げて具体的に説明する。但し、本発明は以下実施例によってのみ限定されるものではない。
(実施例1)
変性ポリエチレン樹脂溶液0.07g(固形分:35.7%)とSIGMA−ALDRICH製ポリアニリン(エメラルジン塩)、リグニングラフト型パウダー0.025gをエタノール150gに溶解させ、さらにトルエン16gを添加し混合しコーティング溶液を作製した。この溶液をフラスコに移し、ニッケル系リチウム−ニッケル複合酸化物粒子として遷移金属組成Li1.03Ni0.82Co0.15Al0.03で表される複合酸化物粒子25gを入れ混合し、スラリーを作製した。次に、上記スラリー含有のフラスコをエバポレーターに接続し、減圧下、45℃に温めたウォーターバスにフラスコ部を入れ、回転させながらエタノールを除去した。続いてウォーターバスの設定温度を60℃とし、トルエンの除去を行った。最後に完全に溶媒を除去するために粉末を真空乾燥機に移し、減圧下100℃、2時間の乾燥を行い、処理粉体を作製した。
このニッケル系リチウム−ニッケル複合酸化物に対し0.2重量%の変性ポリエチレンとリグニングラフト型ポリアニリン混合体がそれぞれ50重量%の割合で被覆されたものを実施例1に係る被覆リチウム−ニッケル複合酸化物粒子として、以下に示した大気安定性試験、ゲル化試験、及び電池特性試験(充放電試験、サイクル試験)を行った。
(実施例2)
荒川化学工業製ポリエステル樹脂溶液(製品名:アラキード−7005N)0.07g(固形分:35.5%)をトルエン75gに溶解させた溶液に、SIGMA−ALDRICH製ポリアニリン(エメラルジン塩)、リグニングラフト型パウダー0.025gをエタノール75gで溶解させた溶液を混合し、さらにイソプロピルアルコール16gを添加し混合しコーティング溶液を作製した。この溶液をフラスコに移し、ニッケル系リチウム−ニッケル複合酸化物粒子として遷移金属組成Li1.03Ni0.82Co0.15Al0.03で表される複合酸化物粒子25gを入れ混合し、スラリーを作製した。次に、上記スラリー含有のフラスコをエバポレーターに接続し、減圧下、60℃に温めたウォーターバスにフラスコ部を入れ、回転させながら溶剤を除去した。最後に完全に溶媒を除去するために粉末を真空乾燥機に移し、減圧下100℃、2時間の乾燥を行い、処理粉体を作製した。
このニッケル系リチウム−ニッケル複合酸化物に対し0.2重量%のポリエステルとリグニングラフト型ポリアニリン混合体がそれぞれ50重量%の割合で被覆されたものを実施例2に係る被覆リチウム−ニッケル複合酸化物粒子として、以下に示した大気安定性試験、ゲル化試験、及び電池特性試験(充放電試験、サイクル試験)を行った。
(実施例3)
荒川化学工業製ポリフェノール樹脂溶液(製品名:アラキード7104)0.05g(固形分:50.0%)をキシレン75gに溶解させた溶液に、SIGMA−ALDRICH製ポリアニリン(エメラルジン塩)、リグニングラフト型パウダー0.025gをエタノール75gで溶解させた溶液を混合し、さらにイソプロピルアルコール16gを添加し混合しコーティング溶液を作製した。この溶液をフラスコに移し、さらにニッケル系リチウム−ニッケル複合酸化物粒子として遷移金属組成Li1.03Ni0.82Co0.15Al0.03で表される複合酸化物粒子25gを入れ混合し、スラリーを作製した。次に、上記スラリー含有のフラスコをエバポレーターに接続し、減圧下、60℃に温めたウォーターバスにフラスコ部を入れ、回転させながらスラリーから溶媒を除去した。続いてウォーターバスの設定温度を60℃とし、トルエンの除去を行った。最後に完全に溶媒を除去するために粉末を真空乾燥機に移し、減圧下100℃2時間の乾燥を行い、処理粉体を作製した。
このニッケル系リチウム−ニッケル複合酸化物に対し0.2重量%のポリフェノール樹脂とリグニングラフト型ポリアニリン混合体がそれぞれ50重量%の割合で被覆されたものを実施例3に係る被覆リチウム−ニッケル複合酸化物粒子として、以下に示した大気安定性試験、ゲル化試験、及び電池特性試験(充放電試験、サイクル試験)を行った。
(実施例4)
荒川化学工業製ポリウレタン樹脂溶液(製品名:TSP−2242)0.09g(固形分:28.3%)をアセトン75gに溶解させた溶液に、SIGMA−ALDRICH製ポリアニリン(エメラルジン塩)、リグニングラフト型パウダー0.025gをエタノール75gで溶解させた溶液を混合し、さらにトルエン16gを添加しコーティング溶液を作製した。この溶液をフラスコに移し、ニッケル系リチウム−ニッケル複合酸化物粒子として遷移金属組成Li1.03Ni0.82Co0.15Al0.03で表される複合酸化物粒子25gを入れ混合し、スラリーを作製した。上記スラリー含有のフラスコエバポレーターに接続し、減圧下、45℃に温めたウォーターバスにフラスコ部を入れ、回転させながらアセトンとエタノールを除去した。続いてウォーターバスの設定温度を60℃とし、トルエンの除去を行った。最後に完全に溶媒を除去するために粉末を真空乾燥機に移し、減圧下100℃2時間の乾燥を行い、処理粉体を作製した。
このニッケル系リチウム−ニッケル複合酸化物に対し0.2重量%のポリウレタン樹脂とリグニングラフト型ポリアニリン混合体がそれぞれ50重量%の割合で被覆されたものを実施例4に係る被覆リチウム−ニッケル複合酸化物粒子として、以下に示した大気安定性試験、ゲル化試験、及び電池特性試験(充放電試験、サイクル試験)を行った。
(実施例5)
荒川化学工業製エポキシ樹脂溶液(製品名:アラキード−9201N)0.06g(固形分:40.0%)をブチルセルソルブ75gに溶解させた溶液に、SIGMA−ALDRICH製ポリアニリン(エメラルジン塩)、リグニングラフト型パウダー0.025gをエタノール75gで溶解させた溶液を混合し、さらにトルエン16gを添加しコーティング溶液を作製した。この溶液をフラスコに移し、さらにニッケル系リチウム−ニッケル複合酸化物粒子として遷移金属組成Li1.03Ni0.82Co0.15Al0.03で表される複合酸化物粒子25gを入れ混合し、スラリーを作製した。上記スラリー含有のフラスコをエバポレーターに接続し、減圧下、60℃に温めたウォーターバスにフラスコ部を入れ、回転させながら溶剤を除去した。最後に完全に溶媒を除去するために粉末を真空乾燥機に移し、減圧下100℃2時間の乾燥を行い、処理粉体を作製した。
このニッケル系リチウム−ニッケル複合酸化物に対し0.2重量%のエポキシ樹脂とリグニングラフト型ポリアニリン混合体がそれぞれ50重量%の割合で被覆されたものを実施例5に係る被覆リチウム−ニッケル複合酸化物粒子として、以下に示した大気安定性試験、ゲル化試験、及び電池特性試験(充放電試験、サイクル試験)を行った。
(比較例1)
処理を施さないリチウム−ニッケル複合酸化物粒子を用いたこと以外、実施例1〜実施例5と同様に大気安定性、ゲル化試験、電池特性試験を行った。
<大気安定性試験>
実施例及び比較例のリチウム−ニッケル複合酸化物粒子をそれぞれ2.0gガラス瓶に詰め、温度30℃・湿度70%の恒湿恒温槽に1週間静置し初期重量からの増加重量を測定し、粒子重量当たりの変化率を算出した。比較例1に係るリチウム−ニッケル複合酸化物粒子の1週間後の粒子重量当たりの変化率を100として実施例1〜実施例5及び比較例1の1日ごとの変化率を図1に示す。
図1から分かるように、実施例1から実施例5のそれぞれ変性ポリエチレン樹脂/リグニングラフト型ポリアニリン混合体、ポリエステル樹脂/リグニングラフト型ポリアニリン混合体、ポリウレタン樹脂/リグニングラフト型ポリアニリン混合体、ポリフェノール樹脂/リグニングラフト型ポリアニリン混合体、エポキシ樹脂/リグニングラフト型ポリアニリン混合体の被覆リチウム−ニッケル複合酸化物粒子は、前記重合体が被覆されていない比較例1のリチウム−ニッケル複合酸化物粒子と比べ、重量当たりの変化率が小さい。本結果から、前記重合体が被覆されていることで、大気中の水分、炭酸ガスの透過を抑制できることが確認された。
<ゲル化試験>
正極合剤スラリーの粘度の経時変化の測定を、以下の順序により正極合剤スラリーを作製し、粘度増加およびゲル化の観察を行った。
配合比として、実施例及び比較例に係るリチウム−ニッケル複合酸化物粒子:導電助剤:バインダー:N−メチル−2−ピロリドン(NMP)のそれぞれの重量比が、45:2.5:2.5:50となるように秤量し、さらに1.5重量%の水を添加後、自転・公転ミキサーで撹拌して正極合剤スラリーを得た。得られたスラリーを25℃のインキュベーター内で保管し、経時変化をスパチュラでかき混ぜ粘度増加、ゲル化度合いを、実施例及び比較例1についてそれぞれ確認し、完全にゲル化するまで保管を行った。
実施例1及び実施例4に係るスラリーが完全にゲル化するまでに6日を要し、実施例2,実施例3及び実施例5に係るスラリーが完全にゲル化するまでに8日を要したのに対し、比較例1に係るスラリーが完全にゲル化するまでには1日を要した。このことから、実施例1から実施例5に係るスラリーは、リチウム−ニッケル複合酸化物粒子に前記重合体が被覆されていることで、水酸化リチウム(LiOH)、炭酸リチウム(LiCO)といった不純物の生成が抑えられ、これら不純物のスラリー中への溶解を抑制し、バインダーと反応することによるスラリーのゲル化及びスラリー粘度の上昇させることを妨げることができることが確認された。
また、フッ素化合物によってリチウム−ニッケル複合酸化物粒子を被覆させた場合には、フッ素化合物は一般的にNMPに溶解するため、フッ素系化合物が被膜しても、スラリー混合時、被膜が溶解すると考えられる。そのため、実施例に係る被覆リチウム−ニッケル複合酸化物粒子とは異なり、製造された正極を通常保管する際、不純物生成を抑制することが困難と考えられる。したがって、正極保管時に生成した不純物が原因となる電池駆動時のガス発生を伴う電解液との反応の抑制が難しく、高額な保管設備が必要となる。
<電池特性評価>
以下の手順にて、評価用非水電解質二次電池(リチウムイオン二次電池)を作製し、電池特性評価を行った。
[二次電池の製造]
本発明のリチウム−ニッケル複合酸化物粒子の電池特性評価は、コイン型電池とラミネート型電池を作製し、コイン型電池で充放電容量測定を行い、ラミネートセル型電池で充放電サイクル試験と抵抗測定を行った。
(a)正極
得られた実施例及び比較例に係る被覆リチウム−ニッケル複合酸化物粒子及びリチウム−ニッケル複合酸化物粒子に、導電助剤としてのアセチレンブラックと、結着剤としてのポリフッ化ビニリデン(PVdF)とをこれらの材料の重量比が85:10:5となるように混合し、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)溶液に溶解させ、正極合剤スラリーを作製した。この正極合剤スラリーを、コンマコーターによりアルミ箔に塗布し、100℃で加熱し、乾燥させることにより正極を得た。得られた正極をロールプレス機に通して荷重を加え、正極密度を向上させた正極シートを作製した。この正極シートをコイン型電池評価用に直径がφ9mmとなるように打ち抜き、またラミネートセル型電池用に50mm×30mmとなるように切り出し、それぞれを評価用正極電極として用いた。
(b)負極
負極活物質としてグラファイトと、結着材としてポリフッ化ビニリデン(PVdF)とを、これらの材料の重量比が92.5:7.5となるように混合し、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)溶液に溶解させて、負極合剤ペーストを得た。
この負極合剤スラリーを、正極と同様に、コンマコーターにより銅箔に塗布し、120℃で加熱し、乾燥させるとことにより負極を得た。得られた負極をロールプレス機に通して荷重を加え、電極密度を向上させた負極シートを作製した。得られた負極シートをコイン型電池用にφ14mmとなるように打ち抜き、またラミネートセル型電池用に54mm×34mmとなるように切り出し、それぞれを評価用負極として用いた。
(c)コイン電池及びラミネートセル型電池
作製した評価用電極を真空乾燥機中120℃で12時間乾燥した。そして、この正極を用いて2032型コイン電池とラミネートセル型電池を、露点が−80℃に管理されたアルゴン雰囲気のグローブボックス内で作製した。電解液には、1MのLiPFを支持電解質とするエチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)の3:7(富山薬品工業株式会社製)、セパレーターとしてガラスセパレーターを用いてそれぞれの評価用電池を作製した。
<<充放電試験>>
作製したコイン型電池について、組立から24時間程度静置し、開回路電圧OCV(Open Circuit Voltage)が安定した後、25℃の恒温槽内で、0.2Cレートの電流密度でカットオフ電圧4.3Vになるまで充電した。1時間の休止後、カットオフ電圧3.0Vになるまで放電したときの放電容量を測定する充放電試験を行った。
実施例に係るコイン型電池の初期放電容量は、実施例1:196.88mAh/g、実施例2:196.99mAh/g、実施例3:197.89mAh/g、実施例4:195.95mAh/g、実施例5:195.85mAh/gであったのに対し、比較例1に係るコイン型電池の初期放電容量は、191.93mAh/gであった。
<<サイクル試験>>
作製したラミネート型電池について、コイン型電池と同様に、組立から24時間程度静置し、開回路電圧が安定した後、25℃の恒温槽内で、0.2Cレートの電流密度でカットオフ電圧4.1Vになるまで充電した。1時間の休止後、カットオフ電圧が3.0Vになるまで放電した。次にこの電池を、60℃の恒温槽内で2.0Cレートの電流密度で4.1V−CC充電、3.0V−CC放電を繰り返すサイクル試験を行い、500サイクル後の容量維持率を確認するサイクル試験を行った。1サイクル目を100%とするサイクル試験後の容量維持率は、実施例1:87.3%、実施例2:87.2%、実施例3:88.1%、実施例4:86.3、実施例5:87.2%であったのに対し、比較例1に係るサイクル試験後の容量維持率は80.7%であった。
図2サイクル試験前のインピーダンスにおけるCole−Coleプロットでは、実施例及び比較例に係るラミネート電池はほぼ同等であった。これは、実施例のラミネート電池に使用されたリチウム−ニッケル複合酸化物粒子には変性ポリエチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリフェノール樹脂、エポキシ樹脂が充放電容量、電池抵抗、サイクル特性ともに被覆処理のないリチウム−ニッケル複合酸化物粒子と同等または優れることが確認された。
以上より、本発明に係る被覆リチウム−ニッケル複合酸化物粒子は、リチウム−ニッケル複合酸化物粒子の課題とされていた環境安定性に優れ、且つリチウム−ニッケル複合酸化物粒子の高い放電容量と同等以上の特性を有する優れたリチウムイオン電池正極活物質用のリチウム−ニッケル複合酸化物粒子であることが分かる。

Claims (8)

  1. ニッケル系リチウム−ニッケル複合酸化物粒子の表面に、非電子伝導性高分子及び電子伝導性高分子が含まれる高分子組成物が被覆されているリチウムイオン電池正極活物質用の被覆リチウム−ニッケル複合酸化物粒子。
  2. 前記非電子伝導性高分子が変性ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリフェノール系樹脂、ポリウレタン系樹脂、エポキシ系樹脂及びそれらの誘導体からなる群より選ばれた少なくとも一種からなる重合体又は共重合体である請求項1に記載の被覆リチウム−ニッケル複合酸化物粒子。
  3. 前記電子伝導性高分子がポリピロール、ポリアニリン、ポリチオフェン、ポリ(p−フェニレン)、ポリフルオレン及びそれらの誘導体からなる群より選ばれた少なくとも一種からなる重合体又は共重合体である請求項1又は2に記載の被覆リチウム−ニッケル複合酸化物粒子。
  4. 前記高分子組成物の被覆量が、リチウム−ニッケル複合酸化物粒子に対して0.1〜5.0重量%である請求項1から3のいずれかに記載の被覆リチウム−ニッケル複合酸化物粒子。
  5. 前記高分子組成物の全量における非電子伝導性高分子の含有量が30〜80重量%である請求項1から4のいずれかに記載の被覆リチウム−ニッケル複合酸化物粒子。
  6. 前記リチウム−ニッケル複合酸化物が下記一般式(1)で表される請求項1から5のいずれかに記載の被覆リチウム−ニッケル複合酸化物粒子。
    LiNi(1−y−z) ・・・(1)
    (式中、xは0.80〜1.10、yは0.01〜0.20、zは0.01〜0.15、1−y−zは0.65を超える値であって、Mは、CoまたはMnより選ばれた少なくとも一種の元素を示し、NはAl、InまたはSnより選ばれた少なくとも一種の元素を示す。)
  7. 5〜20μmの平均粒径を有する球状粒子である請求項1から6のいずれかに記載の被覆リチウム−ニッケル複合酸化物粒子。
  8. 前記非電子伝導性高分子及び電子伝導性高分子を溶解する良溶媒に溶解させて被覆用樹脂溶液とする工程と、
    前記被膜用樹脂溶液に、前記非電子伝導性高分子及び前記電子伝導性高分子を溶解しない貧溶媒であって、前記良溶媒よりも蒸発速度の遅い貧溶媒を添加する工程と、
    前記被膜用樹脂溶液に、前記リチウム−ニッケル複合酸化物粒子を添加してスラリーとする工程と、
    前記スラリーから良溶媒及び貧溶媒を除去する工程とを含む請求項1から7のいずれかに記載の被覆リチウム−ニッケル複合酸化物粒子の製造方法。
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