JP2016008992A - 感光性樹脂組成物、パターン硬化膜の製造方法及び電子部品 - Google Patents
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Abstract
Description
1.下記(A)成分、(B1)成分及び(B2)成分を含有する感光性樹脂組成物。
(A)成分:炭素−炭素不飽和二重結合を有する1価の有機基を有する、ポリイミド及びポリイミド前駆体の少なくとも一方のポリマー
(B1)成分:活性光線放射によってラジカルを発生する化合物であり、下記条件(i)及び(ii)を満たす化合物、
(i)単独で2質量部と、前記(A)成分100質量部とを含有する組成物を基板上に塗布、乾燥し、露光量250mJ/cm2で露光し、現像した後の残膜率が90%以上
(ii)単独で2質量部と、前記(A)成分100質量部とを含有する組成物を基板上に塗布、乾燥し、露光量50mJ/cm2で露光し、現像した後の残膜率が80%以上
(B2)成分:活性光線放射によってラジカルを発生する化合物であり、下記条件(iii)及び(iv)を満たす化合物、
(iii)単独で2質量部と、前記(A)成分100質量部とを含有する組成物を基板上に塗布、乾燥し、300mJ/cm2、350mJ/cm2及び400mJ/cm2のいずれかの露光量で露光し、現像した後の残膜率が80%以上90%未満、
(iv)単独で2質量部と、前記(A)成分100質量部とを含有する組成物を基板上に塗布、乾燥し、30mJ/cm2、60mJ/cm2、80mJ/cm2及び90mJ/cm2のいずれかの露光量で露光し、現像した後の残膜率が20%以下
2.下記(A)成分、(B1)成分及び(B2)成分を含有する感光性樹脂組成物。
(A)成分:炭素−炭素不飽和二重結合を有する1価の有機基を有する、ポリイミド及びポリイミド前駆体の少なくとも一方のポリマー、
(B1)成分:O−アシルオキシム化合物、
(B2)成分:アシルホスフィンオキサイド化合物又はアシルジアルコキシメタン化合物
3.前記(B1)成分が下記式(21)で表される化合物であり、前記(B2)成分が下記式(26)、(27)及び(28)で表される化合物からなる群から選ばれる1以上の化合物である1又は2に記載の感光性樹脂組成物。
4.前記(A)成分100質量部に対して、前記(B1)成分を0.01〜1.5質量部、前記(B2)成分を1〜10質量部含む1〜3のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
5.前記(A)成分が下記式(1)で表される構造単位を有するポリイミド前駆体である1〜4のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
6.前記ポリイミド前駆体が、さらに下記式(19)で表される構造単位を有する5に記載の感光性樹脂組成物。
7.1〜6のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物を基板上に塗布及び乾燥して塗膜を形成する工程と、
前記塗膜に活性光線を照射してパターン状に露光する工程と、
未露光部を現像によって除去してパターン樹脂膜を得る工程と、
前記パターン樹脂膜を加熱処理する工程とを含有するパターン硬化膜の製造方法。
8.7に記載の製造方法により得られるパターン硬化膜を、層間絶縁膜層及び表面保護膜層の少なくとも一方として有する電子部品。
また、「A又はB」とは、「A」と「B」のどちらか一方を含んでいればよく、「A+B」であってもよい。
本発明の感光性樹脂組成物の第1の態様は、下記(A)成分、(B1)成分及び(B2)成分を含有する感光性樹脂組成物である。
(A)成分:炭素−炭素不飽和二重結合を有する1価の有機基を有する、ポリイミド及びポリイミド前駆体の少なくとも一方のポリマー
(B1)成分:活性光線放射によってラジカルを発生する化合物であり、下記条件(i)及び(ii)を満たす化合物
(i)単独で2質量部と、前記(A)成分100質量部とを含有する組成物を基板上に塗布、乾燥し、露光量250mJ/cm2で露光し、現像した後の残膜率が90%以上
(ii)単独で2質量部と、前記(A)成分100質量部とを含有する組成物を基板上に塗布、乾燥し、露光量50mJ/cm2で露光し、現像した後の残膜率が80%以上
(B2)成分:活性光線放射によってラジカルを発生する化合物であり、下記条件(iii)及び(iv)を満たす化合物
(iii)単独で2質量部と、前記(A)成分100質量部とを含有する組成物を基板上に塗布、乾燥し、300mJ/cm2、350mJ/cm2及び400mJ/cm2のいずれかの露光量で露光し、現像した後の残膜率が80%以上90%未満
(iv)単独で2質量部と、前記(A)成分100質量部とを含有する組成物を基板上に塗布、乾燥し、30mJ/cm2、60mJ/cm2、80mJ/cm2及び90mJ/cm2のいずれかの露光量で露光し、現像した後の残膜率が20%以下
(A)成分と(B2)成分単独とを調製して組成物とした場合、300mJ/cm2、350mJ/cm2及び400mJ/cm2のいずれかの露光量で露光し、現像した後の残膜率が80%〜90%となり、30mJ/cm2、60mJ/cm2、80mJ/cm2及び90mJ/cm2のいずれかの露光量で露光し、現像した後の残膜率が20%以下となる。
(A)成分と、そのような(B1)成分及び(B2)成分を含む感光性樹脂組成物とした場合、反射率の異なる材料が混在する基板上で現像後のパターン樹脂膜の開口部に残渣がなく、解像度良くパターンが形成できる。
即ち、(B1)成分は、250mJ/cm2及び50mJ/cm2の露光量で露光、現像した際に塗膜が高い残膜率をもつことから、非常に高感度である。そのため、推奨露光量では過露光となるため、基板面からの反射光の影響を非常に受けやすく、開口部の残渣発生の要因となる。一方、(B2)成分は、300mJ/cm2、350mJ/cm2及び400mJ/cm2のいずれかの露光量で露光、現像した際に塗膜の残膜率が80〜90%となることから、酸素阻害の影響を受けやすく、表面硬化性が悪い。しかし、30mJ/cm2、60mJ/cm2、80mJ/cm2及び90mJ/cm2のいずれかの露光量で露光、現像した際に塗膜の残膜率が低く、非常に高コントラストであり、僅かな散乱光では分解しない適度な閾値を有している。そこで、感光性樹脂組成物が、(A)成分、(B1)成分及び(B2)成分を含有することによって、酸素阻害の影響を受けず表面硬化性が良好で、かつ下地からの散乱光の影響を受けないために、現像後に高い残膜率を有し、現像残渣がなく、マスク寸法に忠実な開口寸法の、良好な形状のパターンを形成できる。
(A)成分
炭素−炭素不飽和二重結合を有する1価の有機基を有するポリイミド前駆体は、従来公知のものを特に制限なく用いることができる。
それらの中でも、式(1)で表される構造を有することが好ましい。
X及びYにおいて、ベンゼン環と共役しない2価の基としては、酸素原子、ジメチルメチレン基、ビス(トリフルオロメチル)メチレン基、ジメチルシリレン基、メチルトリフルオロメチルメチレン基等が挙げられる。
R3〜R10の1価の有機基としては、メチル基、トリフルオロメチル基等が挙げられる。
これらの中でも下記式(11)〜式(18)で表されるジアミンを用いることが好ましい。これらは単独で用いてもよいし、二つ以上のジアミンを組み合わせて用いてもよい。
(A)成分が炭素−炭素不飽和二重結合を有する1価の有機基を有することにより、活性光線照射によってラジカルを発生する化合物と組み合わせて、ラジカル重合による分子鎖間の架橋が可能となる。
R1及びR2は少なくとも一方が上述の炭素−炭素不飽和二重結合を有する1価の有機基であることが好ましい。また、Zは、酸素原子が好ましい。
重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法によって測定することができ、標準ポリスチレン検量線を用いて換算することによって求められる。
(B)成分は、活性光線を照射するとラジカルを発生する化合物(感光剤)である。
(B1)成分は、(A)成分と単独で(つまり、(B2)成分を含まないで)調製して組成物とした場合、露光量250mJ/cm2で露光し、現像した後の塗膜の残膜率が90%以上となる化合物である。この際、残膜率は92%以上が好ましく、93%以上がより好ましく、94%以上がさらに好ましく、95%以上が特に好ましい。
尚、100、150、200、300、350及び400mJ/cm2のいずれかの露光量で現像後の残膜率が90%以上となってもよい。
尚、20、又は30mJ/cm2の露光量で現像後の残膜率が80%以上となってもよい。
上記組成物では、(A)成分100質量部に対して、(B1)成分2質量部を含有する。(A)成分100質量部に対して、(B1)成分0.01〜5質量部又は1〜3質量部で含有してもよい。
露光は、i線で行うことが好ましい。
現像液は、シクロペンタノンであることが好ましい。現像温度は、20〜25℃であることが好ましい。現像時間は、現像液に浸漬して未露光部が完全に溶解するまでの時間の1.5〜2.5倍を現像時間として設定することが好ましい。
R11及びR12は、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数4〜6のシクロアルキル基、フェニル基又はトリル基であることが好ましく、炭素数1〜4のアルキル基、炭素数4〜6のシクロアルキル基、フェニル基又はトリル基であることがより好ましく、メチル基、シクロペンチル基、フェニル基又はトリル基であることがさらに好ましい。
R13は、置換若しくは無置換のベンゾイル基、置換若しくは無置換のフルオレニル基又は置換若しくは無置換のカルバゾリル基であり、後述の式(22)〜(25)に示す化合物が有するR13に対応する基であることが好ましい。
R14は、−H、−OH、−COOH、−O(CH2)OH、−O(CH2)2OH、−COO(CH2)OH、又は−COO(CH2)2OHを示し、−H、−O(CH2)OH、−O(CH2)2OH、−COO(CH2)OH、又は−COO(CH2)2OHであることが好ましく、−H、−O(CH2)2OH、又は−COO(CH2)2OHであることがより好ましい。
R16は、炭素数1〜12のアルキル基、又はアセタール結合を有する有機基であり、メチル基又は後述する式(23−2)に示す化合物が有するR16に対応する置換基であることが好ましい。dは1〜3の整数であり、1又は2の整数であることが好ましい。
(B1)成分が上記範囲内であることで、酸素阻害の影響を抑制し、残膜率を向上させることができる。
(B2)成分は、(A)成分と単独で(つまり、(B1)成分を含まないで)調製して組成物とした場合、300、350及び400mJ/cm2のいずれかの露光量で露光し、現像した後の塗膜の残膜率が80%以上90%未満となる化合物である。上記残膜率は82%以上89%以下が好ましく、84%以上88%以下がより好ましい。
R23〜R26は上記R17〜R22と同様である。
(B2)成分が上記範囲内であることで、基板からの反射光による架橋反応を抑制できる。
本発明の樹脂組成物は、硬化後、シリコン基板等の基板への密着性をより向上させるために、(C)成分として、有機シラン化合物を含んでいてもよい。
有機シラン化合物としては、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、トリエトキシシリルプロピルエチルカルバメート、3−(トリエトキシシリル)プロピルコハク酸無水物、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、N―フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチルブチリデン)プロピルアミン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等が挙げられる。
本発明の感光性樹脂組成物は、(D)成分として、溶剤を含有してもよい。
溶剤としては、ポリイミド前駆体等の(A)成分を完全に溶解する極性溶剤が好ましく、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラメチル尿素、ヘキサメチルリン酸トリアミド、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトン、γ−バレロラクトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレンカーボネート、乳酸エチル、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、二つ以上を組み合わせて用いてもよい。中でも室温粘度安定性の観点から、N−メチル−2−ピロリドンを用いることが好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物は、(E)成分として、エチレン性不飽和結合を有する光重合性化合物を含んでもよい。
光重合性化合物としては、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、スチレン、ジビニルベンゼン、4−ビニルトルエン、4−ビニルピリジン、N−ビニルピロリドン、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、1,3−(メタ)アクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロパン、メチレンビスアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド等が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
ラジカル重合禁止剤又はラジカル重合抑制剤としては、例えば、p−メトキシフェノール、ジフェニル−p−ベンゾキノン、ベンゾキノン、ハイドロキノン、ピロガロール、フェノチアジン、レゾルシノール、オルトジニトロベンゼン、パラジニトロベンゼン、メタジニトロベンゼン、フェナントラキノン、N−フェニル−2−ナフチルアミン、クペロン、2,5−トルキノン、タンニン酸、パラベンジルアミノフェノール、ニトロソアミン類が挙げられる。これらは単独で用いてもよいし、2種類以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明のパターン硬化膜の製造方法は、上述の感光性樹脂組成物を基板上に塗布及び乾燥して塗膜を形成する工程と、塗膜に活性光線を照射してパターン状に露光する工程と、未露光部を現像によって除去してパターン樹脂膜を得る工程と、パターン樹脂膜を加熱処理する工程とを含有する。
以下、各工程について説明する。
基板としては、シリコンウェハー、金属基板、セラミック基板等が挙げられる。
乾燥により、溶剤を加熱除去する。その装置としては、ホットプレート、オーブン等が挙げられる。また、溶剤を加熱除去するための加熱温度は80〜150℃であることが好ましく、加熱時間は60秒〜300秒であることが好ましい。溶剤を加熱除去することによって、粘着性の無い塗膜を形成することができる。
パターン状の露光に、特に制限はないが、所望のパターンが描かれたマスクを通じて行うことが好ましい。
現像後に、必要に応じて貧溶媒等でリンス洗浄を行ってもよい。
現像により、未露光部を溶解除去することによって、所望のパターン樹脂膜を得ることができる。
硬化後にポリイミドとする場合、パターン硬化膜の耐薬品性、耐熱性を向上させることができる。
合成例1(ポリマーA1の合成)
撹拌機、温度計を備えた0.5リットルのフラスコ中にピロメリット酸−ヒドロキシエチルメタクリレートジエステル(PMDA(HEMA))溶液195.564gと4,4’−オキシジフタル酸−ヒドロキシエチルメタクリレートジエステル(ODPA(HEMA))溶液58.652gを入れ、その後、氷冷下で塩化チオニル25.9g(217.8mmol)を反応溶液温度が10度以下を保つように滴下漏斗を用いて滴下した。塩化チオニルの滴下が終了した後、氷冷下で2時間反応を行いPMDA(HEMA)とODPA(HEMA)の酸クロリドの溶液を得た。次いで、滴下漏斗を用いて、2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン31.696g(99.0mmol)、ピリジン34.457g(435.6mmol)、ハイドロキノン0.076g(0.693mmol)のN−メチルピロリドン溶液90.211gを氷冷化で反応溶液の温度が10℃を超えないように注意しながら滴下した。この反応液を蒸留水に滴下し、沈殿物をろ別して集め、減圧乾燥することによってポリアミド酸エステルを得た。標準ポリスチレン換算により求めた重量平均分子量は34,000であった。これをポリマーA1(ピロメリット酸−ヒドロキシエチルメタクリレートジエステル/4,4’−オキシジフタル酸−ヒドロキシエチルメタクリレートジエステル/2,2’−ビス(トリフルオロメチル)ベンジジン縮重合体(PMDA/ODPA/TFMB))とする。
ポリマーA1のGPC法標準ポリスチレン換算により求めた重量平均分子量の測定条件は以下の通りであり、ポリマー0.5mgに対して溶剤[テトラヒドロフラン(THF)/ジメチルホルムアミド(DMF)=1/1(容積比)]1mLの溶液を用いて測定した。
ポンプ:株式会社日立製作所製L6000
株式会社島津製作所製C−R4A Chromatopac
測定条件:カラムGelpack GL−S300MDT−5×2本
溶離液:THF/DMF=1/1(容積比)
LiBr(0.03mol/L)、H3PO4(0.06mol/L)
流速:1.0mL/min、検出器:UV270nm
攪拌機、温度計を備えた0.5リットルのフラスコ中に3,3’−4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸−ヒドロキシエチルメタクリレートジエステル(s−BPDA(HEMA))溶液169.275gとODPA(HEMA)溶液72.7776gを入れ、その後、氷冷下で塩化チオニル25.9g(217.8mmol)を反応溶液温度が10℃以下を保つように滴下漏斗を用いて滴下した。塩化チオニルの滴下が終了した後、氷冷下で1時間攪拌を行いs−BPDA(HEMA)とODPA(HEMA)のクロリドの溶液を得た。次いで、滴下漏斗を用いて、2,2’−ジメチルベンジジン21.017g(99.0mmol)、ピリジン34.457g(435.6mmol)、ハイドロキノン0.076g(0.693mmol)のN−メチルピロリドン溶液59.817gを氷冷化で反応溶液の温度が10℃を超えないように注意しながら滴下した。この反応液を蒸留水に滴下し、沈殿物をろ別して集め、減圧乾燥することによってポリアミド酸エステルを得た。合成例1と同様に、標準ポリスチレン換算により求めた重量平均分子量は35,000であった。これをポリマーA2(3,3’−4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸−ヒドロキシエチルメタクリレートジエステル/4,4’−オキシジフタル酸−ヒドロキシエチルメタクリレートジエステル/2,2’−ジメチルベンジジン縮重合体(BPDA/ODPA/DMB))とする。
1.(B1)成分として下記を用意した。
B1−1:1,2−オクタンジオン−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−2−(O−ベンゾイルオキシム)(IRGACURE−OXE−01、BASF株式会社製)
B1−2:エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)(IRGACURE−OXE−02、BASF株式会社製)
B1−3:上記式(22−2)で表される化合物
B1−4:1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(O−エトキシカルボニル)オキシム(Quantacure PDO、IBIS株式会社製)
B1−5:上記式(29)で表される化合物(DFI−020、ダイトーケミックス株式会社製)
B1−6:上記式(25)で表される化合物(アデカクルーズNCI−831、株式会社ADEKA製)
B1−7:上記式(23−2)で表される化合物(アデカオプトマーN−1919、株式会社ADEKA製)
B2−1:ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド(IRGACURE 819、BASF株式会社製)
B2−2:2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−ホスフィンオキサイド(LUCIRIN TPO、BASF株式会社製)
B2−3:2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(IRGACURE−I−651、BASF株式会社製)
合成例1で得られたポリマーA1を100質量部、テトラエチレングリコールジメタクリレート(TEGDMA)を20質量部、(B1)成分、(B2)成分を表1に示す質量部でN−メチル−2−ピロリドン(NMP)に溶解した後、3μmフィルタを用いて加圧ろ過することによって、実験例1〜10の組成物を得た。
得られた組成物を、6インチシリコンウェハー上へ塗布し、130℃で2分間ホットプレート上で乾燥させて、膜厚10μmの塗膜を形成した。この塗膜をシクロペンタノンに浸漬して完全に溶解するまでの時間の2倍を現像時間として設定した。同様の方法で得られた塗膜へ21段ステップのフォトマスク(日立化成株式会社製)を介して、プロキシミティ露光機UX−1000SM(ウシオ電機株式会社製)を用いて1000mJ/cm2露光を行った。露光後のウェハーをシクロペンタノンに23℃、上記の現像時間で浸漬して、ディップ現像した後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートでリンス洗浄を行った。次に、接触式膜厚計Alpha step D−120(XP−200)(KLA株式会社製)を用いて膜の残った箇所の膜厚を測定し、残膜率を算出した。
残膜率=(現像後膜厚/塗布乾燥後膜厚)×100
推奨露光量(200、250、300、350及び400mJ/cm2のいずれか)での残膜率を求めた。
推奨露光量の20〜35%のいずれかの露光量での現像後残膜率を求めた。
(感光性樹脂組成物の調製)
表3に示す質量部で、実験例1〜10と同様に、実施例1〜12及び比較例1〜2の感光性樹脂組成物を調製した。
実験例1〜10と同様に、実施例1〜12及び比較例1〜2の感光性樹脂組成物の残膜率及びコントラストを測定した。残膜率及びコントラストの基準は以下を用いた。結果を表3に示す。
(1)推奨露光量(200〜400mJ/cm2のいずれか)での残膜率
◎:現像後の残膜率が90%以上
○:現像後の残膜率が80%以上90%未満
×:現像後の残膜率が80%未満
○:推奨露光量の20〜35%のいずれかの露光量で現像後の残膜率が20%以下
△:推奨露光量の20〜35%の露光量で現像後の残膜率が20%超であり、推奨露光量の20%の露光量で現像後の残膜率が80%未満
×:推奨露光量の20%の露光量で現像後の残膜率が80%以上
○ : 上記(1)及び(2)の評価において、両方とも○又は◎
△ : 上記(2)の評価において、一方が○又は◎、他方が△
× : 上記(1)又は(2)の評価において、どちらか一方が×
1.散乱光の測定
6インチシリコンウェハー(E&M株式会社製)及び6インチCuめっき付きシリコンウェハー(AMT株式会社製)の、365nmにおける散乱光強度を分光測色計CM−5(コニカミノルタ株式会社製)を用いて測定した。結果を表2に示す。
一方、Cuめっき付きシリコンウェハーは散乱光が強かった。このため、パターンのすそ引きが起こりやすい可能性がある。
上記の感光性樹脂組成物を、散乱光強度を測定した6インチシリコンウェハー又は6インチCuめっき付きシリコンウェハー上にスピンコート法によって塗布し、100℃で2分間ホットプレート上で乾燥させて、膜厚10μmの塗膜を形成した。この塗膜にフォトマスクを介して、i線ステッパーFPA−3000iW(キヤノン株式会社製)を用いて、50〜500mJ/cm2のi線を50mJ/cm2刻みで所定のパターンに照射して、露光を行った。また、同じ厚みの未露光の塗膜をシクロペンタノンに浸漬して完全に溶解するまでの時間の2倍を現像時間として設定し、露光後のウェハーをシクロペンタノンを用いてパドル現像した後、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートでリンス洗浄を行った。この時の、ラインアンドスペースパターンの最小開口寸法を、以下の基準で評価した。結果を表3に示す。
○:最小開口寸法が8μm以下
△:最小開口寸法が8μm超20μm以下
×:最小開口寸法が20μm超
上記最小開口寸法が得られた露光量で、8μmの孤立パターンの断面を、SEMを用いて観察し、底面の開口寸法を、以下の基準で評価した。結果を表3に示す。
◎:開口寸法が6以上8μm以下
○:開口寸法3以上6μm未満
×:未開口、又は開口寸法が3μm未満
Claims (8)
- 下記(A)成分、(B1)成分及び(B2)成分を含有する感光性樹脂組成物。
(A)成分:炭素−炭素不飽和二重結合を有する1価の有機基を有する、ポリイミド及びポリイミド前駆体の少なくとも一方のポリマー
(B1)成分:活性光線放射によってラジカルを発生する化合物であり、下記条件(i)及び(ii)を満たす化合物、
(i)単独で2質量部と、前記(A)成分100質量部とを含有する組成物を基板上に塗布、乾燥し、露光量250mJ/cm2で露光し、現像した後の残膜率が90%以上
(ii)単独で2質量部と、前記(A)成分100質量部とを含有する組成物を基板上に塗布、乾燥し、露光量50mJ/cm2で露光し、現像した後の残膜率が80%以上
(B2)成分:活性光線放射によってラジカルを発生する化合物であり、下記条件(iii)及び(iv)を満たす化合物、
(iii)単独で2質量部と、前記(A)成分100質量部とを含有する組成物を基板上に塗布、乾燥し、300mJ/cm2、350mJ/cm2及び400mJ/cm2のいずれかの露光量で露光し、現像した後の残膜率が80%以上90%未満、
(iv)単独で2質量部と、前記(A)成分100質量部とを含有する組成物を基板上に塗布、乾燥し、30mJ/cm2、60mJ/cm2、80mJ/cm2及び90mJ/cm2のいずれかの露光量で露光し、現像した後の残膜率が20%以下 - 下記(A)成分、(B1)成分及び(B2)成分を含有する感光性樹脂組成物。
(A)成分:炭素−炭素不飽和二重結合を有する1価の有機基を有する、ポリイミド及びポリイミド前駆体の少なくとも一方のポリマー、
(B1)成分:O−アシルオキシム化合物、
(B2)成分:アシルホスフィンオキサイド化合物又はアシルジアルコキシメタン化合物 - 前記(B1)成分が下記式(21)で表される化合物であり、前記(B2)成分が下記式(26)、(27)及び(28)で表される化合物からなる群から選ばれる1以上の化合物である請求項1又は2に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記(A)成分100質量部に対して、前記(B1)成分を0.01〜1.5質量部、前記(B2)成分を1〜10質量部含む請求項1〜3のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記(A)成分が下記式(1)で表される構造単位を有するポリイミド前駆体である請求項1〜4のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物。
- 請求項1〜6のいずれか一項に記載の感光性樹脂組成物を基板上に塗布及び乾燥して塗膜を形成する工程と、
前記塗膜に活性光線を照射してパターン状に露光する工程と、
未露光部を現像によって除去してパターン樹脂膜を得る工程と、
前記パターン樹脂膜を加熱処理する工程とを含有するパターン硬化膜の製造方法。 - 請求項7に記載の製造方法により得られるパターン硬化膜を、層間絶縁膜層及び表面保護膜層の少なくとも一方として有する電子部品。
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