JP2016007725A - 射出成形方法、加圧流体導入装置及び金型組立体 - Google Patents

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Abstract

【課題】中空部が設けられた成形品を射出成形するにあたり、キャビティ内の溶融熱可塑性樹脂を一層短時間で冷却、固化することができる射出成形方法を提供する。【解決手段】射出成形方法は、射出成形方法は、キャビティ14内への溶融熱可塑性樹脂16の射出を開始し、キャビティ14内への溶融熱可塑性樹脂16の射出中等に、キャビティ14内の溶融熱可塑性樹脂16内に加圧流体を導入し、溶融熱可塑性樹脂の内部に中空部17を形成し、次いで、加圧流体によってキャビティ14内の熱可塑性樹脂16を冷却、固化させる各工程を備えており、キャビティ14内の熱可塑性樹脂16を冷却、固化させる工程において、中空部17内の加圧流体の圧力を測定し、所望の圧力となるように、中空部17に導入する加圧流体の体積流量、及び、系外に排出する加圧流体の体積流量を制御する。【選択図】 図1

Description

本発明は、射出成形方法、係る射出成形方法での使用に適した加圧流体導入装置、及び、係る加圧流体導入装置を備えた金型組立体に関する。
成形品には、その形状に依存するが、全体として軽量であることが要求される。また、外観が重要視され、ヒケや反りの無いことが要求される。溶融熱可塑性樹脂を用いて射出成形法に基づきこのような成形品を成形する際、ヒケや反りのない外観の美麗な成形品を得るために、キャビティ内に射出された溶融熱可塑性樹脂に加圧流体を導入してキャビティ内の溶融熱可塑性樹脂の内部に中空部を形成し、型開きの前に中空部内の加圧流体を大気中に解放する、中空部を有する成形品の射出成形方法が広く用いられている。キャビティ内に射出された溶融熱可塑性樹脂に導入された加圧流体によって、溶融熱可塑性樹脂が金型のキャビティ面に押し付けられる結果、得られる成形品にヒケや反りが発生することを防止し得る。
ところで、このような従来の中空部を有する成形品の射出成形方法にあっては、キャビティ内の熱可塑性樹脂の内部に形成された中空部はほぼ断熱状態となる。その結果、キャビティ内の熱可塑性樹脂を冷却、固化させるために長時間を要するといった問題がある。
この問題点を解決する射出成形方法が、例えば、特開2010−274515から周知である。この特許公開公報に開示された技術において、金型組立体には、キャビティ内に射出された溶融熱可塑性樹脂の流動方向に沿って、且つ、成形品の最肉厚部を成形するキャビティの部分を挟むように、流動方向上流側に第1の加圧流体導入部、流動方向下流側に第2の加圧流体導入部が配置されている。そして、第1の加圧流体導入部を介して加圧流体を導入してキャビティ内の溶融熱可塑性樹脂の内部に中空部を形成した後、キャビティ内の溶融熱可塑性樹脂に加圧流体による保圧を行う。次いで、中空部内への第1の加圧流体導入部を介しての加圧流体導入を中止する一方、中空部内に第2の加圧流体導入部を介して加圧流体を導入する。
特開2010−274515
上記の特許公開公報に開示された技術にあっては、溶融熱可塑性樹脂に形成された中空部内への加圧流体の導入を、第1の加圧流体導入部から第2の加圧流体導入部へと切り替え、この切り替えに伴う加圧流体の流れによってキャビティ内の熱可塑性樹脂を冷却、固化させる。従って、キャビティ内の熱可塑性樹脂の冷却、固化に長時間を必要としない。しかしながら、溶融熱可塑性樹脂に形成された中空部内に第2の加圧流体導入部を介して加圧流体を導入した後、この状態が保持される。それ故、キャビティ内の熱可塑性樹脂の冷却、固化時間の一層の短縮化には改善の余地がある。
従って、本発明の目的は、中空部が設けられた成形品を射出成形するにあたり、キャビティ内の溶融熱可塑性樹脂を一層短時間で冷却、固化することができる射出成形方法、係る射出成形方法での使用に適した加圧流体導入装置、及び、係る加圧流体導入装置を備えた金型組立体を提供することにある。
上記の目的を達成するための本発明の射出成形方法は、
金型に設けられたキャビティ内に溶融熱可塑性樹脂を射出し、キャビティ内の溶融熱可塑性樹脂内に加圧流体を導入して中空部を有する成形品を成形する射出成形方法であって、
キャビティ内への溶融熱可塑性樹脂の射出を開始し、
キャビティ内への溶融熱可塑性樹脂の射出中に、射出完了と同時に、又は、射出完了後、キャビティ内の溶融熱可塑性樹脂内に加圧流体を導入し、溶融熱可塑性樹脂の内部に中空部を形成し、次いで、
加圧流体によってキャビティ内の熱可塑性樹脂を冷却、固化させた後、
金型を型開きし、成形品を取り出す、
各工程を備えており、
キャビティ内の熱可塑性樹脂を冷却、固化させる工程において、中空部内の加圧流体の圧力を測定し、所望の圧力となるように、中空部に導入する加圧流体の体積流量、及び、系外に排出する加圧流体の体積流量を制御することを特徴とする。
本発明の射出成形方法にあっては、
中空部に連通した排出孔を溶融熱可塑性樹脂に形成し、
中空部から排出孔を介して系外に加圧流体を排出する形態とすることができる。ここで、中空部に連通した排出孔を溶融熱可塑性樹脂に形成するためには、キャビティに先端部が開口した加圧流体排出ノズルを用いて、溶融熱可塑性樹脂に排出孔を形成してもよいし、キャビティ内の溶融熱可塑性樹脂内に加圧流体を導入して、溶融熱可塑性樹脂の内部に中空部を形成したとき、加圧流体によって溶融熱可塑性樹脂の一部を吹き飛ばすことで、溶融熱可塑性樹脂に排出孔を形成してもよい。但し、中空部に連通した排出孔を溶融熱可塑性樹脂に形成することは必須ではない。
上記の好ましい形態を含む本発明の射出成形方法において、所望の圧力は一定の圧力である形態とすることができる。そして、この場合、中空部に導入する加圧流体の体積流量と系外に排出する加圧流体の体積流量との差を制御することによって、所望の圧力を一定の圧力とする形態とすることができる。
上記の目的を達成するための本発明の加圧流体導入装置は、
金型に設けられたキャビティ内に溶融熱可塑性樹脂を射出し、キャビティ内の溶融熱可塑性樹脂内に加圧流体を導入して中空部を有する成形品を成形するための加圧流体導入装置であって、
(A)加圧流体供給装置、
(B)キャビティ内の溶融熱可塑性樹脂内に加圧流体を導入する加圧流体導入手段、
(C)加圧流体供給装置と加圧流体導入手段との間に位置する加圧流体流路の部分に配置された第1の比例流量制御弁、
(D)中空部内の加圧流体を系外に排出する加圧流体流路の部分に配設された第2の比例流量制御弁、及び、
(E)第1の比例流量制御弁と第2の比例流量制御弁との間に位置する加圧流体流路の部分に配置された圧力測定手段、
から構成されており、
圧力測定手段によって、中空部内の加圧流体の圧力が測定され、
所望の圧力となるように、第1の比例流量制御弁は、中空部に流入する加圧流体の体積流量を制御し、第2の比例流量制御弁は、系外に排出される加圧流体の体積流量を制御することを特徴とする。
上記の目的を達成するための本発明の金型組立体は、
(a)第1の金型部、
(b)第2の金型部、
(c)第1の金型部と第2の金型部とを型締めすることで形成されるキャビティ、
(d)キャビティに開口した溶融樹脂射出部、並びに、
(e)キャビティ内に射出された溶融熱可塑性樹脂内に加圧流体を導入して中空部を有する成形品を成形するための加圧流体導入装置、
を備えており、
加圧流体導入装置は、
(A)加圧流体供給装置、
(B)キャビティ内の溶融熱可塑性樹脂内に加圧流体を導入する加圧流体導入手段、
(C)加圧流体供給装置と加圧流体導入手段との間に位置する加圧流体流路の部分に配置された第1の比例流量制御弁、
(D)中空部内の加圧流体を系外に排出する加圧流体流路の部分に配設された第2の比例流量制御弁、及び、
(E)第1の比例流量制御弁と第2の比例流量制御弁との間に位置する加圧流体流路の部分に配置された圧力測定手段、
から構成されており、
圧力測定手段によって、中空部内の加圧流体の圧力が測定され、
所望の圧力となるように、第1の比例流量制御弁は、中空部に流入する加圧流体の体積流量を制御し、第2の比例流量制御弁は、系外に排出される加圧流体の体積流量を制御することを特徴とする。
本発明の加圧流体導入装置、あるいは、本発明の金型組立体における加圧流体導入装置(以下、これらの加圧流体導入装置を総称して、『本発明の加圧流体導入装置等』と呼ぶ場合がある)において、
第1の比例流量制御弁は、第1のダイヤフラム式レギュレータから構成されており、
圧力測定手段の圧力測定結果に基づき、第1のダイヤフラム式レギュレータによって、加圧流体供給装置から加圧流体導入手段へ供給される加圧流体の体積流量が制御される形態とすることができる。そして、このような形態にあっては、
電空レギュレータを更に備えており、
圧力測定手段の圧力測定結果に基づき、電空レギュレータの動作が制御され、
電空レギュレータによって第1のダイヤフラム式レギュレータが駆動される形態とすることができる。
更には、以上に説明した各種の好ましい形態を含む本発明の加圧流体導入装置等において、
第2の比例流量制御弁は、第2のダイヤフラム式レギュレータから構成されており、
圧力測定手段の圧力測定結果に基づき、第2のダイヤフラム式レギュレータによって、系外に排出される加圧流体の体積流量が制御される形態とすることができる。
更には、以上に説明した各種の好ましい形態を含む本発明の加圧流体導入装置等において、キャビティに先端部が開口した加圧流体排出ノズルを更に備えており、中空部内の加圧流体は、加圧流体排出ノズル及び第2の比例流量制御弁を介して、系外に排出される形態とすることができる。そして、更には、以上に説明した各種の好ましい形態を含む本発明の加圧流体導入装置等において、キャビティは、溶融熱可塑性樹脂が射出される主キャビティ部、及び、主キャビティ部に連通した捨てキャビティ部(オーバーフローキャビティ部)から構成されており、中空部内の加圧流体は、捨てキャビティ部及び第2の比例流量制御弁を介して、系外に排出される形態とすることができる。尚、キャビティ内に射出された溶融熱可塑性樹脂の流動方向の末端に、好ましくは、係る末端に相当する金型の部分に捨てキャビティ部を設けることが好ましいが、この捨てキャビティ部が設けられた部位は、溶融熱可塑性樹脂の流動方向の厳密に末端に相当する部分でなくともよい。
更には、以上に説明した各種の好ましい形態を含む本発明の加圧流体導入装置等において、第1の比例流量制御弁と加圧流体導入手段との間に位置する加圧流体流路の部分には、加圧流体バッファー貯蔵装置が配置されている形態とすることができる。あるいは又、第1の比例流量制御弁が配設された加圧流体流路の部分と並列に、加圧流体供給装置と加圧流体導入手段との間には、第3の比例流量制御弁及び加圧流体バッファー貯蔵装置が配設された加圧流体流路が設けられている形態とすることができる。
更には、以上に説明した各種の好ましい形態を含む本発明の加圧流体導入装置等において、加圧流体導入手段は、キャビティに先端部が開口した加圧流体注入ノズルから成る形態とすることができる。
更には、以上に説明した各種の好ましい形態を含む本発明の加圧流体導入装置等において、
加圧流体は窒素ガスから成り、
加圧流体供給装置は、加圧流体を生成する加圧流体源、加圧流体源からの加圧流体中の油分を除去するオイルセパレータ、及び、オイルセパレータからの加圧流体中の油分を更に除去するストレーナを備えている形態とすることができる。そして、この場合、
ストレーナは、内筒及び外筒の二重管構造を有しており、
外筒の内部には、外筒の一端から外筒内に導入された加圧流体に渦巻き状の流れを生成させる複数のブレードが設けられており、
内筒の内部には、フェルトから成る第1油分除去層、フェルトから成る第2油分除去層、及び、第1油分除去層と第2油分除去層との間に充填された活性炭層が備えられている形態とすることができ、更には、
外筒の一端から外筒内に導入された加圧流体は、外筒の内部を通過し、内筒の内部に導入され、第1油分除去層、活性炭層、第2油分除去層を通過して、内筒から排出される形態とすることができる。
第1の比例流量制御弁、第2の比例流量制御弁及び第3の比例流量制御弁は、周知の比例流量制御弁から構成することができるし、第1のダイヤフラム式レギュレータ及び第2のダイヤフラム式レギュレータ、並びに、第3の比例流量制御弁を構成する第3のダイヤフラム式レギュレータも周知のダイヤフラム式レギュレータから構成することができる。また、電空レギュレータも周知の電空レギュレータから構成することができる。圧力測定手段の圧力測定結果に基づく電空レギュレータの動作の制御、電空レギュレータによる第1のダイヤフラム式レギュレータ、第2のダイヤフラム式レギュレータ、第3のダイヤフラム式レギュレータの駆動も、周知の制御、駆動とすることができる。更には、圧力測定手段も、周知の圧力測定手段(圧力計あるいは圧力センサー)から構成することができる。加圧流体源として、分離膜方式若しくはPSA方式の窒素ガス発生装置や、ガスボンベを挙げることができる。加圧流体バッファー貯蔵装置として、配管をコイル状に巻いた一種のモニタリングコイルや、バッファータンクを挙げることができる。
以上に説明した好ましい形態を含む本発明の加圧流体導入装置等において、加圧流体注入ノズルや加圧流体排出ノズルは、周知の加圧流体注入ノズルや加圧流体排出ノズルから構成すればよい。溶融熱可塑性樹脂と接する加圧流体注入ノズルや加圧流体排出ノズルの部分を加熱する加熱手段(例えば、電気ヒータ)が、加圧流体注入ノズルや加圧流体排出ノズルに備えられている構成とすることができる。このように加熱手段を配することで、加圧流体注入ノズルや加圧流体排出ノズルの近傍における溶融熱可塑性樹脂の瞬時の固化の開始を回避でき、加圧流体注入ノズルを介してキャビティ内の溶融熱可塑性樹脂に加圧流体を確実に導入することができるし、加圧流体排出ノズルを介して中空部内の加圧流体を系外に確実に排出することができる。
以上に説明した好ましい構成を含む本発明の加圧流体導入装置等にあっては、加圧流体導入手段(加圧流体注入ノズル)や加圧流体排出ノズルを、第1の金型部に配設してもよいし、第2の金型部に配設してもよいし、第1の金型部及び第2の金型部に配設してもよい。金型組立体への加圧流体導入手段の配設例として、加圧流体導入手段の先端部が、キャビティ内、あるいは金型のキャビティ面近傍に配置されるように、加圧流体導入手段を第1の金型部、あるいは、第2の金型部、あるいは、第1の金型部及び第2の金型部に配設する構成とすることができる。加圧流体導入手段は、例えば、先端部に逆止弁が配設された周知の加圧流体注入ノズルとすることができる。必要に応じて、上述したとおり、先端部を加熱するための加熱手段(例えば、電気ヒータ)を取り付けてもよい。また、場合によっては、加圧流体導入手段を、その先端部が溶融樹脂射出部内に配置されるように配設してもよいし、あるいは又、その先端部が射出用シリンダーの先端部(ノズル部)に配置されるように配設してもよいし、射出用シリンダーと溶融樹脂射出部とを結ぶ樹脂流路にその先端部が配置されるように配設してもよい。
本発明の射出成形方法を実施するにあたって、射出成形時の溶融熱可塑性樹脂の量、温度、圧力あるいは射出速度、中空部を形成するために導入すべき加圧流体の量、圧力あるいは速度、金型の冷却時間等、種々の条件は、使用する熱可塑性樹脂の種類、金型の形状等に依存して、適宜選択、制御する必要があり、一義的に定めることはできない。
本発明の射出成形方法によって得られる成形品として、取っ手形成形品、長尺成形品、あるいは又、部分的に肉厚部を有する肉薄成形品を例示することができる。ここで、取っ手形成形品は、肉厚の握り部と、少なくとも1つの取付部とが一体となったものであり、握り部が成形品の最肉厚部に該当し、係る最肉厚部(握り部)には中空構造が設けられている。この成形品は、その取付部において、自動車、電器製品あるいは建築物の扉等に取り付けられる。そして、使用者が握り部を握り、扉等の開閉を行う。成形品は、通常、ハンドルあるいはレバーの形状を有する。一方、長尺成形品として、自動車の屋根の部分に取り付けるルーフレール、各種パイプ類を挙げることができ、部分的に肉厚部を有する肉薄成形品として、ボンネット等の外板、各種カバー類を挙げることができる。但し、成形品は、これらに限定するものではない。
以上に説明した好ましい形態、構成を含む本発明の加圧流体導入装置、本発明の金型組立体、あるいは、以上に説明した好ましい形態を含む本発明の射出成形方法(以下、これらを総称して、単に『本発明』と呼ぶ場合がある)において、キャビティ内に射出すべき溶融熱可塑性樹脂の量は、キャビティを完全には充填しない量とすることが好ましい(ショートショット法)。但し、これに限定するものではなく、キャビティ内に射出すべき溶融熱可塑性樹脂の量は、キャビティを完全に充填する量としてもよい(フルショット法)。捨てキャビティ部を備えている場合、キャビティ内に射出すべき溶融熱可塑性樹脂の量は、キャビティを完全には充填しない量であってもよいし、キャビティを完全に充填するが、捨てキャビティ部を完全には充填しない量であってもよい。金型組立体の構成を、成形品1個取りとしてもよいし、多数個取りとしてもよい。
加圧流体は、常温及び常圧で気体の物質であり、使用する熱可塑性樹脂と反応や混合しないものが望ましい。具体的には、上述した窒素ガスの他、空気、炭酸ガス、ヘリウムガス等が挙げられるが、安全性及び経済性を考慮すると、窒素ガスやヘリウムガスが好ましい。尚、高圧下で液化したガスも含み得る。
第1の金型部や第2の金型部は、炭素鋼、ステンレス鋼、アルミニウム合金、銅合金等の周知の金属材料から作製することができる。
溶融樹脂射出部(具体的には、ゲート部)の構造は、公知の如何なる形式のゲート構造とすることもでき、例えば、ダイレクトゲート構造、サイドゲート構造、ジャンプゲート構造、ピンポイントゲート構造、トンネルゲート構造、リングゲート構造、ファンゲート構造、ディスクゲート構造、フラッシュゲート構造、タブゲート構造、フィルムゲート構造を例示することができる。
本発明での使用に適した熱可塑性樹脂として、結晶性熱可塑性樹脂や非晶性熱可塑性樹脂を挙げることができ、具体的には、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン系樹脂;ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミドMXD6等のポリアミド系樹脂;ポリオキシメチレン(ポリアセタール,POM)樹脂;ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂等のポリエステル系樹脂;ポリフェニレンサルファイド樹脂;ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、AES樹脂、AS樹脂といったスチレン系樹脂;メタクリル系樹脂;ポリカーボネート樹脂;変性ポリフェニレンエーテル(PPE)樹脂;ポリスルホン樹脂;ポリエーテルスルホン樹脂;ポリアリレート樹脂;ポリエーテルイミド樹脂;ポリアミドイミド樹脂;ポリイミド系樹脂;ポリエーテルケトン樹脂;ポリエーテルエーテルケトン樹脂;ポリエステルカーボネート樹脂;液晶ポリマーを例示することができる。
更には、ポリマーアロイ材料から成る熱可塑性樹脂を用いることができる。ここで、ポリマーアロイ材料は、少なくとも2種類の熱可塑性樹脂をブレンドしたもの、又は、少なくとも2種類の熱可塑性樹脂を化学的に結合させたブロック共重合体若しくはグラフト共重合体から成る。ポリマーアロイ材料は、単独の熱可塑性樹脂のそれぞれが有する特有な性能を合わせ持つことができる高機能材料として広く使用されている。少なくとも2種類の熱可塑性樹脂をブレンドしたポリマーアロイ材料を構成する熱可塑性樹脂として、ポリスチレン樹脂、ABS樹脂、AES樹脂、AS樹脂といったスチレン系樹脂;ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂等のポリオレフィン系樹脂;メタクリル樹脂;ポリカーボネート樹脂;ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミドMXD6等のポリアミド系樹脂;変性PPE樹脂;ポリブチレンテレフタレート樹脂やポリエチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル樹脂;ポリオキシメチレン樹脂;ポリスルホン樹脂;ポリイミド樹脂;ポリフェニレンサルファイド樹脂;ポリアリレート樹脂;ポリエーテルスルホン樹脂;ポリエーテルケトン樹脂;ポリエーテルエーテルケトン樹脂;ポリエステルカーボネート樹脂を挙げることができる。2種類の熱可塑性樹脂をブレンドしたポリマーアロイ材料として、ポリカーボネート樹脂とABS樹脂とのポリマーアロイ材料を例示することができる。尚、このような樹脂の組合せを、ポリカーボネート樹脂/ABS樹脂と表記する。以下においても同様である。更に、少なくとも2種類の熱可塑性樹脂をブレンドしたポリマーアロイ材料として、ポリカーボネート樹脂/PET樹脂、ポリカーボネート樹脂/PBT樹脂、ポリカーボネート樹脂/ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート樹脂/PBT樹脂/PET樹脂、変性PPE樹脂/HIPS樹脂、変性PPE樹脂/ポリアミド系樹脂、変性PPE樹脂/PBT樹脂/PET樹脂、変性PPE樹脂/ポリアミドMXD6樹脂、ポリオキシメチレン樹脂/ポリウレタン樹脂、PBT樹脂/PET樹脂を例示することができる。
尚、以上に説明した各種の熱可塑性樹脂に、添加剤や、充填剤、強化剤を加えることもできる。
添加剤として、可塑剤;安定剤;酸化防止剤:紫外線吸収剤;ニッケルビス(オクチルフェニル)サルファイド等の有機ニッケル化合物、ヒンダードアミン系化合物等の紫外線安定剤;帯電防止剤;難燃剤;バイナジン、プリベントール、チアベンダゾール等の防かび剤;流動パラフィン、ポリエチレンワックス、脂肪酸アマイド等の滑剤;ADCA等の有機発泡剤;透明核剤;有機顔料、無機顔料といった各種の着色剤;架橋剤;アクリルグラフトポリマー、MBS等の耐衝撃強化剤を挙げることができる。
可塑剤として、フタル酸ジエチル、フタル酸ジ−n−ブチル、フタル酸−2−エチルヘキシル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ブチルベンジル、フタル酸ジシクロヘキシル等のフタル酸類;リン酸トリエチル、リン酸トリブチル、リン酸トリクレシル、リン酸トリフェニル等のリン酸エステル類;オレイン酸ブチル、アジピン酸ジブチル、アジピン酸−n−ヘキシン、アジピン酸ジ−2−エチルヘキシル等の脂肪酸塩基エステル類;ジエチレングリコールジベンゾエート等のアルコールエステル類;クエン酸アセチルトリエチル、マレイン酸ジブチル等のオキシ酸エステル類;トリメリット系可塑剤;ポリエステル系可塑剤;エポキシ系可塑剤;塩化パラフィン系可塑剤を挙げることができる。
安定剤として、ジ−n−オクチルスズ化合物、ジ−n−ブチルスズ化合物、ジメチルスズ化合物等の有機スズ系安定剤;三塩基性硫酸鉛、二塩基性亜リン酸鉛、ケイ酸鉛等の鉛化合物系安定剤;カドミウム石けん、鉛石けん、亜鉛石けん等の金属石けん系安定剤;リン酸トリスノニル;リン酸トリスノニルフェニル等を挙げることができる。
酸化防止剤として、ジブチルクレゾール、ブチルヒドロキシアニソール等のフェノール系酸化防止剤;メチレンビス(メチルブチルフェノール)、チオビス(メチルブチルフェノール)等のビスフェノール系酸化防止剤;トリス(メチルヒドロキシブチルフェニル)ブタン、トコフェノール等のポリフェノール系酸化防止剤;ジミリスチルチオジプロピオネート等の有機イオウ化合物;トリス(モノ/ジノニルフェニル)ホスファイト等の有機リン化合物を挙げることができる。
紫外線吸収剤として、サリチル酸フェニル、サリチル酸ブチルフェニル等のサリチル酸系紫外線吸収剤;ジヒドロキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤;(ヒドロキシメチルフェニル)ベンゾトリアゾール等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤;アクリル酸エチルヘキシルシアノジフェノニル等のシアノアクリレート系紫外線吸収剤を挙げることができる。
帯電防止剤として、ポリ(オキシエチレン)アルキルアミン、ポリ(オキシエチレン)アルキルフェニルエーテル等の非イオン界面活性剤系帯電防止剤;アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルリン酸塩等の陰イオン界面活性剤系帯電防止剤;第4級アンモニウムクロライド等の陽イオン界面活性剤系帯電防止剤;両性系界面活性剤;電導性樹脂を挙げることができる。
難燃剤として、テトラブロモビスフェノールA、ポリブロモビフェノール、ビス(ヒドロキシジブロモフェニル)プロパン、塩化パラフィン等のハロゲン系難燃剤;リン酸アンモニウム、リン酸トリクレジル等のリン系難燃剤;三酸化アンチモン;赤リン;酸化スズ等を挙げることができる。
また、充填剤、強化剤として、無機系材料;ステンレス鋼繊維、高強度アモルファス金属繊維、ステンレス箔、スチール箔、銅箔等の金属系材料;高分子ポリエチレン繊維、高強力ポリアレート繊維、パラ系全芳香族ポリアミド繊維、アラミド繊維、PEEK繊維、PEI繊維、PPS繊維、フッ素樹脂繊維、フェノール樹脂繊維、ビニロン繊維、ポリアセタール繊維等の有機系材料;粉系材料を挙げることができる。
ここで、無機系の充填剤、強化剤として、ガラス繊維、ガラス長繊維、石英ガラス繊維等のガラス系材料;PAN系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維、グラファイトウィスカ等の炭素系材料;炭化ケイ素繊維、炭化ケイ素連続繊維、炭化ケイ素ウィスカ、炭化ケイ素ウィスカシート等の炭化ケイ素系材料;ボロン繊維といったボロン系材料;Si−Ti−C−O繊維といったSi−Ti−C−O系材料;チタン酸カリウム繊維、チタン酸カリウムウィスカ、チタン酸カリウム系導電性ウィスカ等のチタン酸カリウム系材料;窒化ケイ素ウィスカ、窒化ケイ素ウィスカシート等の窒化ケイ素系材料;硫酸カルシウムウィスカといった硫酸カルシウム系材料を挙げることができる。
また、粉末系の充填剤、強化剤として、マイカフレーク、マイカ粉末、シラスバルーン、シリカ粉末、タルク粉末、水酸化アルミニウム粉末、水酸化マグネシウム粉末、マグネシウムシリケート粉末、硫酸カルシウム粉末、球状中空ガラス粉末、金属化粉末、高純度合成シリカ粉末、二硫化タングステン粉末、タングステンカーバイト粉末、ジルコニア粉末、ジルコニア系粉末、部分安定化ジルコニア粉末、アルミナ−ジルコニア複合粉末、複合金属粉末、鉄粉末、アルミニウム粉末、モリブデン金属粉末、タングステン粉末、窒化アルミニウム粉末、ナイロン微粒子粉、シリコーン樹脂粉末、スピネル粉末、アモルファス合金粉末、アルミフレーク、ガラスフレークを挙げることができる。
本発明の射出成形方法にあっては、キャビティ内の熱可塑性樹脂を冷却、固化させる工程において、中空部内の加圧流体の圧力を測定し、所望の圧力となるように、中空部に導入する加圧流体の体積流量、及び、系外に排出する加圧流体の体積流量を制御する。それ故、中空部内の加圧流体に一種の流れが生じる結果、キャビティ内の熱可塑性樹脂の冷却、固化を一層短時間で行うことができる。しかも、キャビティ内の熱可塑性樹脂を冷却、固化させる工程において、キャビティ内の熱可塑性樹脂内に導入された加圧流体の圧力を所望の圧力となるように制御するので、溶融熱可塑性樹脂が金型のキャビティ面に適切に押し付けられる結果、得られる成形品にヒケや反りが発生することを一層確実に防止することができ、安定した成形品の射出成形を行うことができるし、成形品の形状精度の向上を図ることができる。更には、中空部に導入する加圧流体の体積流量及び系外に排出する加圧流体の体積流量を制御するので、キャビティ内の熱可塑性樹脂内に導入された加圧流体の圧力変化プロファイルの制御の自由度が高くなり、一層安定した成形品の射出成形を行うことができるし、成形品の形状精度の一層の向上を図ることができる。
図1は、加圧流体導入装置を含む実施例1の金型組立体の概念図である。 図2A、図2B及び図2Cは、実施例1における射出成形方法を説明するための金型等の模式的な端面図である。 図3は、実施例1における射出成形の実行の際の、中空部内の圧力の変化、加圧流体の体積流量の変化を模式的に示す図である。 図4は、加圧流体導入装置を含む実施例2の金型組立体の概念図である。 図5A及び図5Bは、実施例2における射出成形方法を説明するための金型等の模式的な端面図であり、図5Cは、実施例2の変形例における射出成形方法を説明するための金型等の模式的な端面図である。 図6は、加圧流体導入装置を含む実施例3の金型組立体の概念図である。 図7は、の加圧流体導入装置を含む実施例3の金型組立体の変形例の概念図である。 図8は、加圧流体導入装置を含む実施例4の金型組立体の概念図である。 図9は、実施例5における加圧流体供給装置の概念図(模式図)である。
以下、図面を参照して、実施例に基づき本発明を説明するが、本発明は実施例に限定されるものではなく、実施例における種々の数値や材料は例示である。
実施例1は、本発明の射出成形方法、加圧流体導入装置及び金型組立体に関する。加圧流体導入装置を含む実施例1の金型組立体の概念図を図1に示し、実施例1における射出成形方法を説明するための金型等の模式的な端面図を図2A、図2B及び図2Cに示す。また、中空部内の圧力の変化、加圧流体の体積流量の変化を模式的に図3に示す。
実施例1の射出成形方法によって得られる成形品は、具体的には、取っ手形成形品である。ここで、取っ手形成形品は、肉厚の握り部と、少なくとも1つの取付部とが一体となったものであり、握り部が成形品の最肉厚部に該当し、係る最肉厚部(握り部)には中空構造が設けられている。この取っ手形成形品は、その取付部において、自動車、電器製品あるいは建築物の扉等に取り付けられる。そして、使用者が握り部を握り、扉等の開閉を行う。取っ手形成形品はハンドル形状を有する。
実施例1の金型組立体10は、
(a)第1の金型部(固定金型部)11、
(b)第2の金型部(可動金型部)12、
(c)第1の金型部11と第2の金型部12とを型締めすることで形成されるキャビティ14、
(d)キャビティ14に開口した溶融樹脂射出部13、並びに、
(e)キャビティ14内に射出された溶融熱可塑性樹脂16内に加圧流体を導入して中空部17を有する成形品を成形するための加圧流体導入装置20、
を備えている。
加圧流体導入装置20は、
(A)加圧流体供給装置30、
(B)キャビティ14内の溶融熱可塑性樹脂16内に加圧流体を導入する加圧流体導入手段41、
(C)加圧流体供給装置30と加圧流体導入手段41との間に位置する加圧流体流路の部分61に配置された第1の比例流量制御弁51、
(D)中空部17内の加圧流体を系外に排出する加圧流体流路の部分63に配設された第2の比例流量制御弁52、及び、
(E)第1の比例流量制御弁51と第2の比例流量制御弁52との間に位置する加圧流体流路の部分62に配置された圧力測定手段54、
から構成されている。そして、
圧力測定手段54によって、中空部17内の加圧流体の圧力が測定され、
所望の圧力となるように、第1の比例流量制御弁51は、中空部17に流入する加圧流体の体積流量V1を制御し、第2の比例流量制御弁52は、系外に排出される加圧流体の体積流量V2を制御する。
第1の比例流量制御弁51は、第1のダイヤフラム式レギュレータから構成されている。第1のダイヤフラム式レギュレータは、周知の構成、構造を有するダイヤフラム式レギュレータから成る。そして、圧力測定手段54の圧力測定結果に基づき、第1の比例流量制御弁(第1のダイヤフラム式レギュレータ)51によって、加圧流体供給装置30から加圧流体導入手段41へ供給される加圧流体の体積流量V1が制御される。加圧流体導入装置20は、周知の構成、構造を有する電空レギュレータ55を更に備えており、圧力測定手段54の圧力測定結果に基づき、電空レギュレータ55の動作が制御され、電空レギュレータ55によって、第1の比例流量制御弁(第1のダイヤフラム式レギュレータ)51が駆動され、また、次に述べる第2の比例流量制御弁(第2のダイヤフラム式レギュレータ)52も駆動される。
第2の比例流量制御弁52は、第2のダイヤフラム式レギュレータから構成されており、圧力測定手段54の圧力測定結果に基づき、第2の比例流量制御弁(第2のダイヤフラム式レギュレータ)52によって、系外に排出される加圧流体の体積流量V2が制御される。第2のダイヤフラム式レギュレータは、周知の構成、構造を有するダイヤフラム式レギュレータから成る。更には、キャビティ14に先端部が開口した加圧流体排出ノズル42が備えられており、中空部17内の加圧流体は、加圧流体排出ノズル42及び第2の比例流量制御弁52を介して、系外に排出される。
加圧流体導入手段41は、キャビティ14に先端部が開口した加圧流体注入ノズルから成る。そして、図1に概念図を示すように、加圧流体導入手段41(より具体的には、加圧流体注入ノズルの後端部)は、加圧流体流路61,62を構成する配管を介して加圧流体供給装置30に接続されている。即ち、この配管の途中には、加圧流体供給装置側から、第1の比例流量制御弁51、圧力測定手段54が配されている。加圧流体排出ノズル42の後端部は、加圧流体流路63を構成する配管を介して系外と連通する。即ち、この配管の途中には、第2の比例流量制御弁52が配されている。尚、圧力測定手段54は、第1の比例流量制御弁51と第2の比例流量制御弁52との間に位置する加圧流体流路の部分ならば、どこに配置されていてもよい。
実施例1において、溶融樹脂射出部13は、より具体的には、キャビティ14に開口したサイドゲート構造を有する。溶融樹脂射出部13は、樹脂流路13Aを介して射出用シリンダー(図示せず)に連通している。加圧流体は窒素ガスから成り、加圧流体供給装置30における加圧流体源31(図9参照)は、例えば、PSA方式の窒素ガス発生装置から構成されている。加圧流体導入手段(加圧流体注入ノズル)41及び加圧流体排出ノズル42の先端部はキャビティ14内に配置されるように配設されている。加圧流体導入手段41及び加圧流体排出ノズル42のそれぞれには、油圧シリンダー(図示せず)が備えられており、油圧シリンダーの作動によって、加圧流体導入手段41及び加圧流体排出ノズル42のそれぞれは、前進位置及び後退位置に位置する。前進位置にあるとき、加圧流体導入手段41及び加圧流体排出ノズル42のそれぞれの先端部はキャビティ14内に位置する。後退位置にあるとき、加圧流体導入手段41及び加圧流体排出ノズル42のそれぞれの先端部は金型(具体的には、第2の金型部12)のキャビティ面と同じ面内に位置する。
以下、図2A、図2B及び図2C、並びに、図3を参照して、金型に設けられたキャビティ14内に溶融熱可塑性樹脂16を射出し、キャビティ14内の溶融熱可塑性樹脂16内に加圧流体を導入して中空部17を有する成形品を成形する、実施例1の射出成形方法を説明する。尚、実施例1においては、熱可塑性樹脂として、三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社製ポリカーボネート樹脂(商品名:ユーピロンS−3000)を使用し、射出条件を以下の表1のとおりとした。
[表1]
溶融樹脂温度:280゜C
金型温度 : 80゜C
射出時間 :6秒
[工程−100]
先ず、キャビティ14内に溶融樹脂射出部13を介して溶融熱可塑性樹脂16を射出する。具体的には、第1の金型部11と第2の金型部12とを型締めする(図1参照)。そして、熱可塑性樹脂16を図示しない射出用シリンダー内で可塑化・溶融、計量した後、射出用シリンダーから樹脂流路13A、溶融樹脂射出部13を介してキャビティ14に溶融熱可塑性樹脂16を射出する(図2A参照)。キャビティ14の容積を96cm3、キャビティ14内に射出した溶融熱可塑性樹脂16の体積を65cm3とした。ここで、第1の比例流量制御弁51及び第2の比例流量制御弁52は閉状態であるし、電空レギュレータ55の動作も停止状態にある。また、加圧流体導入手段(加圧流体注入ノズル)41及び加圧流体排出ノズル42は、後退位置に位置している。
[工程−110]
次いで、溶融熱可塑性樹脂16の射出中、射出完了と同時、あるいは、射出完了後、キャビティ14内の溶融熱可塑性樹脂16内に加圧流体を導入し、溶融熱可塑性樹脂16の内部に中空部17を形成する。具体的には、加圧流体導入手段(加圧流体注入ノズル)41を構成する油圧シリンダー(図示せず)を作動させて、前進位置に位置させる。そして、キャビティ14内の溶融熱可塑性樹脂16に加圧流体導入手段41を介して加圧流体の導入を開始し(図3における時刻t0参照)、キャビティ14内の溶融熱可塑性樹脂16の内部に中空部17を形成する(図2B、及び、図3における時刻t0〜時刻t1参照)。具体的には、実施例1にあっては、溶融熱可塑性樹脂16の射出完了と同時に、第1の比例流量制御弁51を開状態とした。第2の比例流量制御弁52は閉状態のままである。
圧力測定手段54によって測定された中空部17内の圧力は、中空部17が形成される前のゲージ圧「0」Pa(時刻t0)から、中空部17の形成完了時の時刻t1におけるゲージ圧P1まで増加する。図3に示す例では、中空部17内の圧力は直線的に増加しているが、このような増加状態に限定するものでない。また、この工程においては、第2の比例流量制御弁52は閉状態のままであるので、体積流量V2の値は「0」であるし、V2/V1の値も「0」である。
[工程−120]
そして、中空部17に連通した排出孔を溶融熱可塑性樹脂16に形成し、中空部17から排出孔を介して系外に加圧流体を排出する(図2C参照)。具体的には、先ず、第1の比例流量制御弁51を開状態としたまま、加圧流体排出ノズル42を構成する油圧シリンダー(図示せず)を作動させ、加圧流体排出ノズル42を前進位置に位置させる。これによって、中空部17に連通した排出孔を溶融熱可塑性樹脂16に形成することができる。加圧流体排出ノズル42の先端部は中空部17内に位置する。そして、第2の比例流量制御弁52を開状態とする(図3における時刻t1参照)。第2の比例流量制御弁52の体積流量をV2(=V1)とした。そして、電空レギュレータ55の動作を開始させる。時刻t1から時刻t2の間、第1の比例流量制御弁51、第2の比例流量制御弁52を開状態としたまま、体積流量V1,V2を維持することで、圧力P1を保持する。キャビティ14内の溶融熱可塑性樹脂16が金型のキャビティ面に適切に押し付けられる結果、得られる成形品にヒケや反りが発生することを防止し得る。圧力測定手段54によって測定された中空部17内の圧力が設定圧力P1から変動した場合には、圧力測定手段54の測定結果に基づき電空レギュレータ55の動作が制御され、電空レギュレータ55によって第1の比例流量制御弁51及び/又は第2の比例流量制御弁52が駆動され、中空部17内の圧力が設定圧力P1に保持される。
[工程−130]
次いで、加圧流体によってキャビティ14内の熱可塑性樹脂16を冷却、固化させる。そして、このとき、中空部17内の加圧流体の圧力を圧力測定手段54によって測定し、所望の圧力P0となるように、具体的には、所望の圧力P0が一定の圧力となるように、中空部17に導入する加圧流体の体積流量V1、及び、系外に排出する加圧流体の体積流量V2を制御する。即ち、中空部17に導入する加圧流体の体積流量V1と系外に排出する加圧流体の体積流量V2との差を制御することによって、所望の圧力P0を一定の圧力とする。具体的には、中空部17の形状が安定し始めた時点(図3の時刻t2参照)で、例えば、中空部17内の設定圧力をP0(<P1)に変更する。すると、圧力測定手段54の測定結果に基づき電空レギュレータ55の動作が制御され、電空レギュレータ55によって第1の比例流量制御弁51及び第2の比例流量制御弁52が駆動され、中空部17内の圧力が設定圧力P0に向かって変化する。具体的には、例えば、第2の比例流量制御弁52における体積流量をV2のままとすれば、第1の比例流量制御弁51における体積流量は、一旦、V1’(<V1=V2)となる。V2/V1’>1である。相対的に、中空部17から排出される加圧流体の体積流量が、中空部17へ供給される加圧流体の体積流量よりも多くなる結果、中空部17内の圧力はP1からP0に向かって低下する。そして、圧力測定手段54の測定結果に基づき電空レギュレータ55の動作が制御され、電空レギュレータ55によって第1の比例流量制御弁51が駆動され、体積流量はV1’(<V1)からV1へと増加する。そして、圧力測定手段54の測定結果がP0となった時点(図3の時刻t3参照)で、第1の比例流量制御弁51における体積流量及び第2の比例流量制御弁52における体積流量はV1,V2(=V1)となり、中空部17内の圧力が設定圧力P0に保持される。尚、中空部17内の設定圧力をP0(<P1)に変更し、且つ、V2の値をV2”(≠V2)に変更してもよい。そして、この状態を、時刻t4まで継続する。圧力測定手段54によって測定された中空部17内の圧力が設定圧力P0から変動した場合には、圧力測定手段54の測定結果に基づき電空レギュレータ55の動作が制御され、電空レギュレータ55によって第1の比例流量制御弁51及び第2の比例流量制御弁52が駆動され、中空部17内の圧力が設定圧力P0に保持される。
[工程−140]
時刻t4が経過した後、電空レギュレータ55の動作を停止し、第1の比例流量制御弁51を閉状態とする。第2の比例流量制御弁52は開状態のままとする。これによって、中空部17内の加圧流体は、加圧流体排出ノズル42、第2の比例流量制御弁52を介して、系外に排出される。その後、加圧流体注入ノズル41及び加圧流体排出ノズル42を後退位置に位置させ、金型を型開きし、成形品を取り出す。こうして、中空部17を有する成形品を得ることができる。
得られた成形品(取っ手形成形品)には、ヒケ及び反りが全く認められず、その内部には所望の中空部17が形成されていた。
比較のために、[工程−110]と同様の工程をそのまま継続し、加圧流体供給装置30からの加圧流体導入手段41を介した加圧流体の導入を継続した。即ち、加圧流体導入手段(加圧流体注入ノズル)41を開状態、加圧流体排出ノズル42を閉状態のままとした。そして、キャビティ14内の熱可塑性樹脂16を冷却、固化した後、加圧流体導入手段(加圧流体注入ノズル)41を介して中空部17内の加圧流体を系外に排出した。キャビティ14内の熱可塑性樹脂16の冷却、固化に要した時間は、実施例1に比べて、6倍であった。
実施例1の射出成形方法にあっては、キャビティ内の熱可塑性樹脂を冷却、固化させる工程において、中空部内の加圧流体の圧力を測定し、所望の圧力P0となるように、中空部に導入する加圧流体の体積流量V1、及び、系外に排出する加圧流体の体積流量V2を制御する。それ故、中空部に加圧流体の流れが形成され、キャビティ内の熱可塑性樹脂の冷却、固化を一層短時間で行うことができる。しかも、キャビティ内の熱可塑性樹脂を冷却、固化させる工程において、キャビティ内の熱可塑性樹脂内に導入された加圧流体の圧力を所望の圧力P0となるように制御するので、溶融熱可塑性樹脂が金型のキャビティ面に適切に押し付けられる結果、得られる成形品にヒケや反りが発生することを一層確実に防止することができ、安定した成形品の射出成形を行うことができるし、成形品の形状精度の向上を図ることができる。更には、中空部に導入する加圧流体の体積流量V1及び系外に排出する加圧流体の体積流量V2を制御するので、キャビティ内の熱可塑性樹脂内に導入された加圧流体の圧力変化プロファイルの制御の自由度が高くなり、一層安定した成形品の射出成形を行うことができるし、成形品の形状精度の一層の向上を図ることができる。
このように、中空部内の加圧流体の圧力を制御することで、成形品にヒケや反り等を生じることを確実に防止することができるが、中空部内の加圧流体の圧力が低すぎる場合には、成形品の肉厚部においてヒケが生じ易くなり、加圧流体の圧力が余りに高すぎる場合には、反りが生じ易くなる。従って、最適な加圧流体の圧力は、種々の試験を行い、成形品の形状や使用する材料によって適宜決定すればよい。また、最適な加圧流体の所望の圧力P0を得るための体積流量V1,体積流量V2の値も、種々の試験を行い、成形品の形状や使用する材料によって適宜決定すればよい。尚、体積流量V1,V2の値に変動が無いにも拘わらず、中空部内の加圧流体の圧力測定結果に変動や変化が生じた場合、異常が発生したとみることができる。
実施例2は、実施例1の変形である。加圧流体導入装置を含む実施例2の金型組立体の概念図を図4に示す。実施例2の金型組立体において、キャビティは、溶融熱可塑性樹脂が射出される主キャビティ部15A、及び、主キャビティ部15Aに連通した捨てキャビティ部15B(オーバーフローキャビティ部15B)から構成されている。そして、中空部17内の加圧流体は、捨てキャビティ部15B及び第2の比例流量制御弁52を介して、系外に排出される。加圧流体排出ノズル42の先端部は捨てキャビティ部15B内に配置されるように配設されている。即ち、前進位置にあるとき、加圧流体排出ノズル42の先端部は捨てキャビティ部15B内に位置する。後退位置にあるとき、加圧流体排出ノズル42の先端部は金型(具体的には、第2の金型部12)のキャビティ面と同じ面内に位置する。
実施例2における射出成形方法にあっては、実施例1の[工程−100]と同様の工程において、主キャビティ部15A内に溶融熱可塑性樹脂を射出し、実施例1の[工程−110]と同様の工程において、キャビティ内の溶融熱可塑性樹脂16内に加圧流体を導入し、溶融熱可塑性樹脂16の内部に中空部17を形成する。溶融熱可塑性樹脂16は捨てキャビティ部15Bまで延び、中空部17も捨てキャビティ部15B内の溶融熱可塑性樹脂16の部分まで延びる(図5A参照)。その後、実施例1の[工程−120]と同様の工程において、中空部17に連通した排出孔を溶融熱可塑性樹脂16に形成する。具体的には、加圧流体排出ノズル42を前進位置に位置させる(図5B参照)。これによって、中空部17に連通した排出孔を溶融熱可塑性樹脂16に形成することができる。以降、実施例1の[工程−120]〜[工程−140]と同様の工程を実行することで、中空部17を有する成形品を得ることができる。
あるいは又、図5Cに示すように、実施例1の[工程−110]と同様の工程において、キャビティ内の溶融熱可塑性樹脂16内に加圧流体を導入し、溶融熱可塑性樹脂16内に中空部17を形成するが、溶融熱可塑性樹脂16が捨てキャビティ部15Bの内部を途中まで延びるように、キャビティ内に射出する溶融熱可塑性樹脂の体積を調整してもよい。この場合、捨てキャビティ部15B内の溶融熱可塑性樹脂16に中空部を形成したとき、加圧流体によって溶融熱可塑性樹脂16の一部が吹き飛ばされ、溶融熱可塑性樹脂16に排出孔が形成される。加圧流体排出ノズル42は後退位置に位置させたままとすればよい。
以上の点を除き、実施例2の金型組立体の構成、構造は、実施例1において説明した金型組立体の構成、構造と同様とすることができるし、実施例2の金型組立体を用いた射出成形方法も、実施例1の金型組立体を用いた射出成形方法と同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。
実施例3は、実施例1あるいは実施例2の変形である。加圧流体導入装置を含む実施例3の金型組立体の概念図を図6に示す。実施例3において、第1の比例流量制御弁51と加圧流体導入手段41との間に位置する加圧流体流路の部分62には、加圧流体バッファー貯蔵装置34(具体的には、バッファータンクや配管をコイル状に巻いた一種のモニタリングコイル)が配置されている。通常、中空部17の体積は、左程、大きな値ではない。従って、場合によっては、中空部17の小さな体積に基づく体積流量V1,V2の制御は、困難となる虞がある。加圧流体バッファー貯蔵装置34を設けることによって、中空部17の体積と加圧流体バッファー貯蔵装置34の体積との合計といった大きな体積に基づき体積流量V1,V2を制御することができるので、体積流量V1,V2の制御性の向上を図ることができる。
尚、図6に示した例では、加圧流体流路の部分61に、第1の比例流量制御弁51、加圧流体バッファー貯蔵装置34、加圧流体導入手段41の順に配置したが、実施例3の加圧流体導入装置を含む金型組立体の変形例の概念図を図7に示すように、第1の比例流量制御弁51が配設された加圧流体流路の部分61と並列に、加圧流体供給装置30と加圧流体導入手段41との間には、第3の比例流量制御弁(第1のダイヤフラム式レギュレータ)53及び加圧流体バッファー貯蔵装置34が配設された加圧流体流路64が設けられている形態とすることもできる。圧力測定手段54の圧力測定結果に基づき、電空レギュレータ55の動作が制御され、電空レギュレータ55によって、第3の比例流量制御弁(第3のダイヤフラム式レギュレータ)53も駆動され、第1の比例流量制御弁(第1のダイヤフラム式レギュレータ)51及び第3の比例流量制御弁(第3のダイヤフラム式レギュレータ)53によって、加圧流体供給装置30から加圧流体導入手段41へ供給される加圧流体の体積流量V1が制御される。尚、図3に示した時刻t0〜時刻t1においては、第1の比例流量制御弁51の制御に基づき中空部を形成し、時刻t1〜時刻t4においては、第3の比例流量制御弁53によって体積流量の制御を行ってもよいし、あるいは又、時刻t0〜時刻t4において、第1の比例流量制御弁51及び第3の比例流量制御弁53によって体積流量の制御を行ってもよい。
以上の点を除き、実施例3の金型組立体の構成、構造は、実施例1〜実施例2において説明した金型組立体の構成、構造と同様とすることができるし、実施例3の金型組立体を用いた射出成形方法も、実施例1〜実施例2の金型組立体を用いた射出成形方法と同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。
実施例4は、実施例1〜実施例3の変形である。加圧流体導入装置を含む実施例4の金型組立体の概念図を図8に示すように、実施例4にあっては、第1の比例流量制御弁51と加圧流体導入手段41とを結ぶ加圧流体経路の部分62に、中空部内の加圧流体を系外に排出する加圧流体経路の部分63が接続されており、加圧流体経路の部分63に第2の比例流量制御弁52が配設されている。
実施例4にあっては、実施例1の[工程−120]において、第2の比例流量制御弁52を閉状態のままとする。そして、実施例1の[工程−130]と同様の工程において(図3に示した時刻t3〜時刻t4を参照)、所定の圧力P0、及び、例えば、体積流量V2を変化させることで、体積流量V1を変化させる。その結果、中空部17内において加圧流体の流れが生じるので、キャビティ内の熱可塑性樹脂の冷却、固化を一層短時間で行うことができる。尚、中空部17に連通した排出孔は、成形品には形成されていない。
以上の点を除き、実施例4の金型組立体の構成、構造は、実施例1〜実施例3において説明した金型組立体の構成、構造と同様とすることができるし、実施例4の金型組立体を用いた射出成形方法も、実施例1〜実施例3の金型組立体を用いた射出成形方法と同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。
実施例5においては、加圧流体供給装置の説明を行う。概念図(模式図)を図9に示すように、加圧流体供給装置30は、加圧流体を生成する加圧流体源31(PSA方式の窒素ガス発生装置から成る)、加圧流体源31からの加圧流体中の油分を除去する周知の構成、構造を有するオイルセパレータ32、及び、オイルセパレータ32からの加圧流体中の油分を更に除去するストレーナ33を備えている。ストレーナ33は、内筒73及び外筒71の二重管構造を有しており、外筒71の内部には、外筒71の一端から外筒71に導入された加圧流体に渦巻き状の流れを生成させる複数のブレード72が設けられている。また、内筒73の内部には、フェルトから成る第1油分除去層74、フェルトから成る第2油分除去層76、及び、第1油分除去層74と第2油分除去層76との間に充填された活性炭層75が備えられている。そして、外筒71の一端から外筒71内に導入された加圧流体は、外筒71の内部を旋回しながら通過し、内筒73の内部に導入され、第1油分除去層74、活性炭層75、第2油分除去層76を通過して、内筒73から排出され、第1の比例流量制御弁51へと送られる。フェルト及び活性炭層を構成する活性炭は、周知の材料から構成されている。以上に説明した加圧流体供給装置30は、実施例1〜実施例4において説明した金型組立体に適用することができる。
以上、本発明を好ましい実施例に基づき説明したが、本発明はこれらの実施例に限定するものではない。実施例にて説明した金型組立体や金型、加圧流体導入装置、加圧流体供給装置等の構造、構成、実施例にて使用した熱可塑性樹脂、射出成形条件、冷却・固化条件、成形品の形状やキャビティの寸法等は例示であり、適宜変更することができる。実施例においては、金型組立体の構成を、成形品を1個取りとしたが、多数個取りとすることもできる。
10・・・金型組立体、11・・・第1の金型部(固定金型部)、12・・・第2の金型部(可動金型部)、13・・・溶融樹脂射出部、13A・・・樹脂流路、14・・・キャビティ、15A・・・主キャビティ部、15B・・・捨てキャビティ部、16・・・溶融熱可塑性樹脂、17・・・中空部、20・・・加圧流体導入装置、30・・・加圧流体供給装置、31・・・加圧流体源、32・・・オイルセパレータ、33・・・ストレーナ、41・・・加圧流体導入手段(加圧流体注入ノズル)、42・・・加圧流体排出ノズル、51・・・第1の比例流量制御弁(第1のダイヤフラム式レギュレータ)、52・・・第2の比例流量制御弁(第2のダイヤフラム式レギュレータ)、53・・・第3の比例流量制御弁(第3のダイヤフラム式レギュレータ)、54・・・圧力測定手段、55・・・電空レギュレータ、61,62,63,64,・・・加圧流体流路(の部分)、71・・・外筒、72・・・ブレード、73・・・内筒、74・・・第1油分除去層、75・・・活性炭層、76・・・第2油分除去層

Claims (17)

  1. 金型に設けられたキャビティ内に溶融熱可塑性樹脂を射出し、キャビティ内の溶融熱可塑性樹脂内に加圧流体を導入して中空部を有する成形品を成形する射出成形方法であって、
    キャビティ内への溶融熱可塑性樹脂の射出を開始し、
    キャビティ内への溶融熱可塑性樹脂の射出中に、射出完了と同時に、又は、射出完了後、キャビティ内の溶融熱可塑性樹脂内に加圧流体を導入し、溶融熱可塑性樹脂の内部に中空部を形成し、次いで、
    加圧流体によってキャビティ内の熱可塑性樹脂を冷却、固化させた後、
    金型を型開きし、成形品を取り出す、
    各工程を備えており、
    キャビティ内の熱可塑性樹脂を冷却、固化させる工程において、中空部内の加圧流体の圧力を測定し、所望の圧力となるように、中空部に導入する加圧流体の体積流量、及び、系外に排出する加圧流体の体積流量を制御することを特徴とする射出成形方法。
  2. 中空部に連通した排出孔を溶融熱可塑性樹脂に形成し、
    中空部から排出孔を介して系外に加圧流体を排出することを特徴とする請求項1に記載の射出成形方法。
  3. 所望の圧力は一定の圧力であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の射出成形方法。
  4. 中空部に導入する加圧流体の体積流量と系外に排出する加圧流体の体積流量との差を制御することによって、所望の圧力を一定の圧力とすることを特徴とする請求項3に記載の射出成形方法。
  5. 金型に設けられたキャビティ内に溶融熱可塑性樹脂を射出し、キャビティ内の溶融熱可塑性樹脂内に加圧流体を導入して中空部を有する成形品を成形するための加圧流体導入装置であって、
    (A)加圧流体供給装置、
    (B)キャビティ内の溶融熱可塑性樹脂内に加圧流体を導入する加圧流体導入手段、
    (C)加圧流体供給装置と加圧流体導入手段との間に位置する加圧流体流路の部分に配置された第1の比例流量制御弁、
    (D)中空部内の加圧流体を系外に排出する加圧流体流路の部分に配設された第2の比例流量制御弁、及び、
    (E)第1の比例流量制御弁と第2の比例流量制御弁との間に位置する加圧流体流路の部分に配置された圧力測定手段、
    から構成されており、
    圧力測定手段によって、中空部内の加圧流体の圧力が測定され、
    所望の圧力となるように、第1の比例流量制御弁は、中空部に流入する加圧流体の体積流量を制御し、第2の比例流量制御弁は、系外に排出される加圧流体の体積流量を制御することを特徴とする加圧流体導入装置。
  6. 第1の比例流量制御弁は、第1のダイヤフラム式レギュレータから構成されており、
    圧力測定手段の圧力測定結果に基づき、第1のダイヤフラム式レギュレータによって、加圧流体供給装置から加圧流体導入手段へ供給される加圧流体の体積流量が制御されることを特徴とする請求項5に記載の加圧流体導入装置。
  7. 電空レギュレータを更に備えており、
    圧力測定手段の圧力測定結果に基づき、電空レギュレータの動作が制御され、
    電空レギュレータによって第1のダイヤフラム式レギュレータが駆動されることを特徴とする請求項6に記載の加圧流体導入装置。
  8. 第2の比例流量制御弁は、第2のダイヤフラム式レギュレータから構成されており、
    圧力測定手段の圧力測定結果に基づき、第2のダイヤフラム式レギュレータによって、系外に排出される加圧流体の体積流量が制御されることを特徴とする請求項5乃至請求項7のいずれか1項に記載の加圧流体導入装置。
  9. キャビティに先端部が開口した加圧流体排出ノズルを更に備えており、
    中空部内の加圧流体は、加圧流体排出ノズル及び第2の比例流量制御弁を介して、系外に排出されることを特徴とする請求項5乃至請求項8のいずれか1項に記載の加圧流体導入装置。
  10. キャビティは、溶融熱可塑性樹脂が射出される主キャビティ部、及び、主キャビティ部に連通した捨てキャビティ部から構成されており、
    中空部内の加圧流体は、捨てキャビティ部及び第2の比例流量制御弁を介して、系外に排出されることを特徴とする請求項5乃至請求項9のいずれか1項に記載の加圧流体導入装置。
  11. 第1の比例流量制御弁と加圧流体導入手段との間に位置する加圧流体流路の部分には、加圧流体バッファー貯蔵装置が配置されていることを特徴とする請求項5乃至請求項10のいずれか1項に記載の加圧流体導入装置。
  12. 第1の比例流量制御弁が配設された加圧流体流路の部分と並列に、加圧流体供給装置と加圧流体導入手段との間には、第3の比例流量制御弁及び加圧流体バッファー貯蔵装置が配設された加圧流体流路が設けられている請求項5乃至請求項10のいずれか1項に記載の加圧流体導入装置。
  13. 加圧流体導入手段は、キャビティに先端部が開口した加圧流体注入ノズルから成ることを特徴とする請求項5乃至請求項12のいずれか1項に記載の加圧流体導入装置。
  14. 加圧流体は窒素ガスから成り、
    加圧流体供給装置は、加圧流体を生成する加圧流体源、加圧流体源からの加圧流体中の油分を除去するオイルセパレータ、及び、オイルセパレータからの加圧流体中の油分を更に除去するストレーナを備えていることを特徴とする請求項5乃至請求項13のいずれか1項に記載の加圧流体導入装置。
  15. ストレーナは、内筒及び外筒の二重管構造を有しており、
    外筒の内部には、外筒の一端から外筒内に導入された加圧流体に渦巻き状の流れを生成させる複数のブレードが設けられており、
    内筒の内部には、フェルトから成る第1油分除去層、フェルトから成る第2油分除去層、及び、第1油分除去層と第2油分除去層との間に充填された活性炭層が備えられていることを特徴とする請求項14に記載の加圧流体導入装置。
  16. 外筒の一端から外筒内に導入された加圧流体は、外筒の内部を通過し、内筒の内部に導入され、第1油分除去層、活性炭層、第2油分除去層を通過して、内筒から排出されることを特徴とする請求項15に記載の加圧流体導入装置。
  17. (a)第1の金型部、
    (b)第2の金型部、
    (c)第1の金型部と第2の金型部とを型締めすることで形成されるキャビティ、
    (d)キャビティに開口した溶融樹脂射出部、並びに、
    (e)キャビティ内に射出された溶融熱可塑性樹脂内に加圧流体を導入して中空部を有する成形品を成形するための加圧流体導入装置、
    を備えており、
    加圧流体導入装置は、
    (A)加圧流体供給装置、
    (B)キャビティ内の溶融熱可塑性樹脂内に加圧流体を導入する加圧流体導入手段、
    (C)加圧流体供給装置と加圧流体導入手段との間に位置する加圧流体流路の部分に配置された第1の比例流量制御弁、
    (D)中空部内の加圧流体を系外に排出する加圧流体流路の部分に配設された第2の比例流量制御弁、及び、
    (E)第1の比例流量制御弁と第2の比例流量制御弁との間に位置する加圧流体流路の部分に配置された圧力測定手段、
    から構成されており、
    圧力測定手段によって、中空部内の加圧流体の圧力が測定され、
    所望の圧力となるように、第1の比例流量制御弁は、中空部に流入する加圧流体の体積流量を制御し、第2の比例流量制御弁は、系外に排出される加圧流体の体積流量を制御することを特徴とする金型組立体。
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