JP2016006304A - 排気制御弁 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 EGR制御弁は、バルブシャフト3およびバッフル15よりも線膨張係数の大きなワイヤーメッシュ構造のフィルタ16を、バルブシャフト3とバッフル15との間の充填空間80を塞ぐように充填配置することにより、デポジットが軟化する高温時にフィルタ16の環状部分の大きな接触力によりデポジット掻き落とし効果が得られる。一方、デポジットが硬化する低温時では、バルブシャフト3およびバッフル15とフィルタ16との線膨張係数差によってフィルタ16とバルブシャフト3との接触力が小さくなるので、バルブシャフト3の摺動抵抗を低減することができる。
【選択図】 図7
Description
従来より、自動車等の車両には、内燃機関(エンジン)の気筒から排出される排出ガス(排気)の一部をEGRガスとして吸気管へ再循環させる排出ガス(排気)再循環装置(EGRシステム)が搭載されている。このEGRシステムにおいては、エンジンの気筒へ導入されるEGRガスの流量を制御するEGRガス流量制御弁(以下EGR制御弁)を設置している。
ハウジング101のバルブボディには、EGRガスが流れる流路105、およびこの流路105の周囲に設けられる2つの第1、第2シート106が設けられている。また、ハウジング101の軸受部107には、流路105の流路壁面で開口し、この流路側の開口から奥側の開口まで延びる軸受孔108が設けられている。
ところで、エンジンの運転中に、エンジンがEGR制御弁を開弁させるような運転状況になり、EGRバルブが開弁作動すると、ハウジング101の流路105を、燃焼残滓やカーボン粒子等の排気微粒子(粒子状物質:PM)および未燃燃料等の液体成分が含まれているEGRガスが流れる。
このため、流路105を流れる高温のEGRガス中に含まれるPMが未燃燃料等の液体成分をバインダーとして、EGRバルブ、特に第1、第2ポペット弁体102および弁軸103の表面に付着して堆積物(以下デポジット)を形成する可能性がある。
ところが、エンジンのEGR(排気)系の高温環境下でEGRバルブの弁軸103に付着、堆積したデポジットには、高い粘着性を有する場合があり、フィルタ114に捕集されず、弁軸103にデポジットが付着した状態で、EGRバルブが閉弁作動すると、軸受部107の軸受孔108内にデポジットが侵入してしまう可能性がある。
このように、デポジット除去機能をフィルタ114に付加する場合には、EGRバルブの弁軸103とフィルタ114との接触力を現状のものよりも強くする必要がある。このように弁軸103とフィルタ114との接触力を強くした場合には、EGRバルブをその軸線方向へ往復移動(開閉動作)させる時に大きな摺動抵抗となり、EGRバルブの弁軸103とフィルタ114との間の摺動特性を悪化させる可能性がある。
図1ないし図8は、本発明を適用したEGRシステムに使用されるEGR制御弁(実施例1)を示したものである。
エンジンの各気筒の吸気ポートには、インテークマニホールドを介して、エアクリーナを通過した吸入空気(新気)またはEGRガスが流れる吸気通路を形成する吸気ダクト(吸気管)が接続されている。また、エンジンの各気筒の排気ポートには、エキゾーストマニホールドを介して、エンジンの各気筒に形成された燃焼室から排出された排気が流れる排気通路を形成する排気ダクト(排気管)が接続されている。
ここで、EGRシステムは、エンジンの運転状況に基づいてEGR制御弁のポペットバルブ(ポペット型EGRバルブ:以下EGRバルブ)を開閉制御するEGRバルブ制御装置(内燃機関のEGR制御装置)として使用される。
ポペットバルブアッシーは、ハウジング1内のEGRガス流路を開閉するEGRバルブ(バルブ本体2、バルブシャフト3)と、このEGRバルブを閉弁方向に付勢するリターンスプリング4と、バルブシャフト3に一体移動可能に連結された断面コの字状(または断面矩形状)のスコッチヨーク5とを備えている。
バルブ本体2は、バルブボディ6に組み付けられたバルブシート11に接離してバルブボディ6内に形成されるEGRガス流路を開閉(開口面積を変更)するポペット弁体である。
バルブシャフト3は、バルブ本体2と一体移動可能に連結されて、EGRバルブの軸線方向(バルブ作動方向、往復移動方向)に真っ直ぐに延びる弁軸である。このバルブシャフト3の軸線方向の一端部(先端部)の外周には、バルブ本体2が支持固定されている。また、バルブシャフト3の軸線方向の他端部(基端部)の外周には、スコッチヨーク5が結合固定されている。
また、ハウジング1には、モータMを収容保持するモータケース8、およびモータMのの回転を2段減速して出力部材に伝達する減速機構(以下ギアトレーン)を収容するギアケース9等が一体的に設けられている。
ここで、ギアケース9は、EGRバルブ開度センサである回転角度センサ(図示せず)を搭載するセンサカバー10との間に、電動アクチュエータ、特にギアトレーン等を収容する収容凹部(後述するギア収容室を含む)を備えている。
なお、ハウジング1のバルブボディ6やシャフト軸受部7および軸受部品の詳細は、後述する。
本実施例のEGR制御弁は、バルブ本体2がバルブボディ6のバルブシート11の弁座(シートエッジ)に着座して弁孔である流路孔18を閉鎖した全閉(閉弁)状態(図8参照)から、モータMを通電することによりスコッチヨーク5、バルブシャフト3を介して電動アクチュエータの動力(開弁力)がバルブ本体2に加わることによって、バルブ本体2が、インレットポートからEGRガスが流れ込む入口側流路である流路孔17側、つまりEGRガス(排気)の流れ方向の上流側へ向かって所定のバルブリフト量分だけ外開き(リフト)して流路孔18を開放する外開き弁方式のポペット型EGRバルブを採用している。
バルブ本体2は、例えばステンレス鋼等の耐熱金属によって形成されている。このバルブ本体2は、バルブボディ6のバルブシート11に接離してEGRガス流路(インレットポート→流路孔17〜19→アウトレットポート)を閉鎖、開放するバルブヘッドである。
バルブシャフト3は、出力部材の回転変位に連動してEGRバルブの軸線方向に往復移動するバルブステムである。また、バルブシャフト3は、ハウジング1の軸受孔12の奥側に位置する基端側から流路孔19内へ突出する先端側へ向かって軸線方向に真っ直ぐに延伸されている。また、バルブシャフト3は、シャフト軸受部7の軸受孔12内に往復移動可能に嵌挿(収容)されている。
なお、バルブ本体2とバルブシャフト3とを一体部品で構成したポペット型のEGRバルブを使用しても良い。
第1、第2突出軸部21、22間には、シャフト軸受部7の軸受孔12内に配置される中間軸部23が設けられている。
第1突出軸部21は、バルブシャフト3の軸線方向の一端側(先端側)に設けられて、軸受孔12の流路側の開口24から流路孔19内へ突出し、且つ流路孔19からバルブシート11内の流路孔18を通り抜けて流路孔17内へ突出するように構成されている。
第1突出軸部21の先端側の外周(先端外周)には、バルブ本体2を溶接により結合固定する結合軸部が設けられている。これにより、バルブ本体2とバルブシャフト3が一体移動可能に連結される。
第2突出軸部22の外周には、スプリングシート27の被係止部(内周部分)を係止することが可能な円環状の段差(係止部、環状段差面)が設けられている。
なお、バルブシャフト3の第2突出軸部22の基端部をスコッチヨーク5の嵌合部にかしめまたはアーク溶接やレーザー溶接等の結合手段を用いて結合固定しても良い。また、バルブシャフト3とスコッチヨーク5を一体部品で構成しても良い。
リターンスプリング4は、スプリングシート27のスプリング座部とハウジング1の底部(シャフト軸受部7の外周側の円筒凹溝28の底部)のスプリング座部との間に螺旋状に巻装されたコイル部を有している。
スプリングシート27は、その内周部分が、スコッチヨーク5の嵌合部の図示下端面と第2突出軸部22の環状段差面との間に挟持されている。これにより、スプリングシート27は、バルブシャフト3と一体移動可能に連結(固定)される。
本実施例の電動アクチュエータは、電力の供給を受けるとEGRバルブを往復駆動(開閉駆動)する回転動力(駆動トルク)を発生するモータMと、このモータMのモータシャフト29の回転を2段減速して出力シャフト(後述する)に伝達するギアトレーン(減速機構)と、このギアトレーンの出力ギア(後述する)の回転往復(回動)運動をEGRバルブの直線往復運動(EGRバルブの軸線方向の往復運動)に変換する変換機構(リンク機構)と、減速機構および変換機構の一部を含んで構成されて、モータMの駆動トルクをヨーク側に出力する出力部材と、この出力部材の回転角度を検出する回転角度検出装置とを備えている。
ここで、中間ギア32は、中間バルブシャフト34の外周に回転自在に嵌め合わされている。この中間ギア32には、ピニオンギア31と噛み合う大径ギア(中間ギア歯)36、および出力ギア33と噛み合う小径ギア(中間ギア歯)37が形成されている。
なお、円筒カラー47は、図3では図示が省略されている。また、円筒カラー47を設けなくても良い。
出力ギア33には、円筒ボス51の一端側(バルブ側)の開口部を塞ぐように金属プレート54がインサート成形されている。この金属プレート54の中央部には、2面幅(出力シャフト35の空回りを防ぐ構造、回り止め構造)を有する嵌合孔が貫通形成されている。この嵌合孔内には、出力シャフト35の嵌合軸部55が回り止めされた状態で嵌合固定されている。これにより、出力ギア33と出力シャフト35が一体回転可能に連結される。
第1突出軸部には、2面幅を有する嵌合軸部55が設けられている。なお、嵌合軸部55が四角形状の断面を有しても良い。
第2突出軸部は、円形の断面を有している。なお、第2突出軸部に2面幅を設けても良い。
出力シャフト35の中間軸部の外周には、2連ボールベアリング45、46の各内輪が圧入嵌合によって嵌合保持されている。この出力シャフト35の中間軸部は、ハウジング1のギアケース9のシャフト軸受部(ベアリングホルダ)56の軸受孔内に回転可能に配置される。
スコッチヨーク5は、アクチュエータ収容室26内に収容されている。このスコッチヨーク5は、バルブシャフト3の第2突出軸部22の外周に結合される嵌合部57を有している。これにより、バルブシャフト3とスコッチヨーク5が一体移動可能に連結される。このスコッチヨーク5は、フォロア43を介して、ピボットピン42からモータMの駆動トルクを受けてバルブシャフト3の軸線方向に往復移動する。
また、スコッチヨーク5の内部には、フォロア43が滑動可能に挿入されるヨーク溝58が形成されている。
出力レバー41の基端部には、出力シャフト35の第2突出軸部がその軸線方向に貫通するように圧入嵌合する第1嵌合孔が設けられている。また、出力レバー41の先端部には、第2嵌合孔がそれぞれ設けられている。なお、第2嵌合孔は、出力シャフト35の第2突出軸部の回転中心軸から所定の距離だけ偏芯した位置に設けられている。
なお、ハウジング1の外側に形成されるアクチュエータ収容室26内には、リターンスプリング4、変換機構およびスプリングシート27等の機能部品が収容されている。
ECUには、CPU、メモリ(ROM、RAMおよびEEPROM等)、入力回路(入力部)、出力回路(出力部)、電源回路、タイマー回路等の機能を含んで構成される周知の構造のマイクロコンピュータが設けられている。
そして、各種センサからの出力信号(電気信号)は、A/D変換回路によってA/D変換された後に、マイクロコンピュータの入力部に入力されるように構成されている。このマイクロコンピュータの入力部には、回転角度センサだけでなく、エアフロメータ、クランク角度センサ、アクセル開度センサ、スロットル開度センサ、吸気温センサ、水温センサおよび排出ガスセンサ(空燃比センサ、酸素濃度センサ)等が接続されている。
磁気回路部は、出力ギア33の円筒ボス51の内周に接着剤等により固定されている。この磁気回路部は、円筒ボス51の直径方向に2分割された一対の部分円筒状センサヨーク61、およびこのセンサヨーク61の分割部間に同一方向に磁極が向いて配置された一対のセンサマグネット(磁石)62を備えている。
なお、出力ギア33の円筒ボス51が合成樹脂の場合には、磁気回路部が円筒ボス51にインサート成形されていても構わない。
なお、ホールICの代わりに、ホール素子単体、磁気抵抗素子等の非接触式の磁気検出素子を使用しても良い。
本実施例のハウジング1は、上述したように、バルブボディ6、シャフト軸受部7、モータケース8およびギアケース9を備えている。
バルブボディ6の上流側端面には、排気管の分岐部またはEGRガスパイプの結合フランジの結合端面に複数のスクリューを用いて螺子締結により結合される鍔状の結合フランジ63が設けられている。
また、バルブボディ6の下流側端面には、吸気管の合流部またはEGRガスパイプの結合フランジの結合端面に複数のスクリューを用いて螺子締結により結合される鍔状の結合フランジ64が設けられている。
これらの結合フランジは、排気管の分岐部または吸気管の合流部等のエンジン側(車両側)の固定部材に取り付けられる結合端面を有している。これにより、EGR制御弁がエンジン側(車両側)の固定部材に固定される。
第1流路(流路孔17)は、バルブボディ6の上流端面で開口したインレットポート(流路入口)からEGRガスが流れ込む入口流路である。
流路孔18は、バルブシート11の中央部を貫通するように設けられて、流路孔17と流路孔19とを連通する弁孔(連通孔)である。
第2流路(流路孔19)は、流路孔18から流れ込んだEGRガスを、バルブボディ6の下流端面で開口したアウトレットポートへ導く出口流路である。
シャフト軸受部7の内部には、流路孔19の流路壁面で開口し、この流路側の開口24から奥側の開口25までバルブシャフト3の軸線方向に真っ直ぐに延びる軸受孔12が形成されている。この軸受孔12の内部には、バルブシャフト3がその軸線方向に往復移動可能に嵌挿されている。
また、軸受孔12の軸線方向の一端側(流路孔側、流路側)には、流路孔19の流路壁面で開口した流路側の開口24が形成されている。
また、軸受孔12の軸線方向の他端側(流路孔側に対して反対側、奥側)には、アクチュエータ収容室26の壁面で開口した奥側の開口25が形成されている。
なお、軸受孔12には、メタルベアリング13の外環部を圧入嵌合する軸受圧入孔、シール部材14の外環部を圧入嵌合するシール圧入孔、およびバッフル15の外周を保持する円筒状の収容孔(パイプ圧入孔)が設けられている。
ギアケース9の内部には、ギアトレーンを収容するギア収容室60が形成されている。このギアケース9の開口部は、センサカバー10により塞がれている。また、ギアケース9の開口周縁には、センサカバー10の結合端面に螺子締結により結合される鍔状の結合フランジ66が設けられている。
シャフト軸受部56は、円筒カラー47の外環部または2連ボールベアリング45、46の外輪を保持する第2軸受ホルダである。このシャフト軸受部56の内部には、出力シャフト35が回転可能に嵌挿される第2軸受孔(以下軸受孔)が設けられている。この軸受孔は、円筒カラー47の外環部が圧入固定される圧入孔を有している。また、ハウジング1のシャフト軸受部7、56間に形成されるアクチュエータ収容室26は、バルブボディ6の結合部またはギアケース9の結合部に複数のスクリューを用いて螺子締結により結合される合成樹脂または金属製のケースカバー67により塞がれている。
また、センサカバー10には、モータMのフロントブラケット65から外側へ向かって突出する一対のブラシターミナルと一対のモータターミナルとの電気接続を行う内部接続用コネクタ(図示せず)と、一対の第1、第2モータターミナルおよび複数のセンサターミナルと外部回路(ECUやバッテリ)との電気接続を行う外部接続用コネクタ(図示せず)とが設けられている。
メタルベアリング13は、焼結材で形成され、内部に多数の気孔を有し、その内部気孔に潤滑油が含浸された円筒状の焼結含油軸受(円筒滑り軸受、メタルブッシュ)であって、その摺動孔の孔壁面(内周面)に多数の内部気孔の開口(表面気孔)が形成されている。このメタルベアリング13は、その摺動孔内に嵌挿されるバルブシャフト3の往方向(開弁方向)または復方向(閉弁方向)の直線運動による負圧によって、その内部気孔に浸透している潤滑油がバルブシャフト3との摺動面(内周面)の開口から滲み出すことで、メタルベアリング13の内周面とバルブシャフト3の外周面との摺動部分の油膜を形成し、この油膜によってバルブシャフト3が往復移動可能に支持される。
また、メタルベアリング13は、シャフト軸受部7の軸受圧入孔の壁面に圧入固定される円筒状の外環部を有している。この外環部の外周部分は、シャフト軸受部7の軸受圧入孔に気密的に圧入固定される圧入固定部として使用される。また、外環部は、シャフト軸受部7の第1段差に当接することによってメタルベアリング13の圧入固定位置が規制される。
シール部材14は、バルブシャフト3の周囲を円周方向に取り囲むように、メタルベアリング13よりも軸受孔12の流路側であるシール圧入孔内に収容されて、シャフト軸受部7の軸受孔12の孔壁面とバルブシャフト3の外周面との間を気密的に密閉する気密シール部材である。
シールゴム73は、良好な摺動性を有するフッ素ゴム、ニトリルゴムまたはアクリルゴム等の合成ゴムによって構成されている。
シールゴム73は、バルブボディ6のシャフト軸受部7の内周とバルブシャフト3の中間軸部23の外周との間に形成される環状隙間を液密的または気密的に密閉シールするガスケット(ダストシール)機能を備えている。
シールゴム73は、例えばL字状に形成されて、バルブシャフト3の中間軸部23の周囲を円周方向に取り囲む円環部と、この円環部の内周からバルブシャフト3側に斜めに突出した円環状のシールリップを有している。このシールリップは、バルブシャフト3の中間軸部23の外周面(摺動面)に接触するものの、シャフト摺動は可能となっている。
バッフル15は、一端側が開口し、他端側が閉塞されたカップ形状(有底筒状)を呈し、流路孔19を流れるEGRガス中に含まれる異物(PMやデポジットを含む)が軸受孔12内に侵入するのを抑制するカップバッフルである。このバッフル15は、例えばバルブシャフト3と実質同一の線膨張係数を有する薄肉ステンレス鋼等の第1金属によって形成されている。つまりバッフル15は、フィルタ16よりも線膨張係数の小さな材質からなる。
バッフル15は、バルブシャフト3の中間軸部23の周囲を円筒状(または角筒状)の充填空間80を隔てて覆う中空筒状のホルダパイプ81、および軸受孔12の流路側の開口24を覆う円環状(または角環状)のカバー82を有している。
パイプ基端部は、シール部材14の金属補強環71、72に接触するように、しかもシャフト軸受部7の軸受孔12のパイプ圧入孔の壁面に圧入固定される円筒状の外環部を有している。
パイプ突出部は、流路孔19を流れる高温のEGRガスに直接晒されるように流路孔19内に露出しており、EGRガス中に含まれる異物が軸受孔12内に侵入するのを抑制するバッフルパイプとしての機能を備えている。
挿通孔83は、カバー82の内外を連通するようにカバー82を貫通し、且つバルブシャフト3の中間軸部23がその軸線方向に挿通するように配されている。
バルブシャフト3の中間軸部23とカバー82との間には、バルブシャフト3がその軸線方向に往復移動可能となるように所定のクリアランスが形成されている。
フィルタ16は、バルブシャフト3およびバッフル15よりも線膨張係数の大きな材質からなるワイヤーメッシュ構造を備えている。このフィルタ16は、第1金属よりも低温収縮性および高温膨張性に優れるアルミニウム合金等の第2金属製の金属細線(ワイヤー、細い金属線)をメッシュ状に編んだワイヤーメッシュを充填空間80内に充填配置したものである。
フィルタ16は、バルブシャフト3の中間軸部23の外周面とバッフル15のホルダパイプ81の内周面との間を塞ぐように充填空間80内に充填配置されている。
なお、充填空間80は、シール部材14の金属補強環71、72およびシールゴム73の端面とカバー82の内面との間の軸方向空間、およびバルブシャフト3の中間軸部23の外周面とバッフル15のホルダパイプ81の内周面との径方向空間を有している。
次に、本実施例のEGRシステムに使用されるEGR制御弁の作動を図1ないし図8に基づいて簡単に説明する。
ここで、図8(a)は、バルブ本体2がバルブシート11に着座して流路孔17〜19を閉鎖する閉弁(全閉)状態を示した図である。
また、図8(b)は、バルブ本体2がバルブシート11から所定のバルブリフト量分だけ流路孔17側に外開き(リフト)して流路孔17〜19を開放する開弁状態を示した図である。
ここで、ECUは、イグニッションスイッチがオン(IG・ON)されると、先ず、エンジンの運転状況(エンジン情報)または運転条件(状態)を計算(算出)するのに必要な各種センサの出力信号を取得(入力)し、エンジンの運転状況または運転条件およびROMに格納されたプログラムに基づいて、電動アクチュエータのモータMを電子制御するように構成されている。
したがって、バルブシート11の中央部に貫通形成される連通孔(EGR制御弁の弁孔)である流路孔18が閉鎖されることで、バルブボディ6内に形成されるEGRガス流路(流路孔17〜19)が閉鎖される。これにより、EGRガスが、エアクリーナを通過した清浄な吸気(新気)に混入しない(EGRカット)。
そして、モータMの内部導体(モータ巻線部、電機子コイル等)に電力(モータ駆動電流またはモータ印加電圧)が供給され、モータMの内部導体に開弁方向(EGRバルブの開き側)のモータ駆動電流が流れる。よって、モータMのモータシャフト29が開弁方向に回転させる。これにより、モータMの駆動トルクが、ピニオンギア31、中間ギア32および出力ギア33に伝達される。
そして、出力ギア33と一体回転可能に連結した出力シャフト35が、出力ギア33の回転に伴って所定の回転角度分だけ開弁方向に回転する。
ここで、出力レバー41の突出端部、つまり出力シャフト35の回転中心軸から所定の径方向距離分だけ偏芯した位置にピボットピン42が取り付けられている。そして、ピボットピン42に支持されたフォロア43は、出力シャフト35および出力レバー41が回転すると、フォロア43の外周部(外輪)がスコッチヨーク5のヨーク溝58の溝側面と摺動接触することにより、出力シャフト35および出力レバー41の回転運動がバルブシャフト3の直線(往復)運動に変換される。
そして、バルブシャフト3の直線移動に伴って、バルブシャフト3に一体移動可能に連結されたバルブ本体2が、バルブシート11より離脱して、エンジンの運転状況に対応した所定のバルブリフト量分だけ流路孔17側へ向かって外開きすることにより、バルブシート11の流路孔18を開放する開弁状態となる(図8(b)参照)。
このため、エンジンの各気筒より流出した排気の一部であるEGRガスが、排気管内に形成される排気通路の分岐部から、EGRガス流路を経由して、吸気管内に形成される吸気通路の合流部へ再循環される。これにより、エンジンの各気筒に供給される吸気にEGRガスが混入される。
これによって、排気中に含まれる有害物質(例えばNOx等)が低減される。
これにより、バルブ本体2およびバルブシャフト3がリターンスプリング4の付勢力をアシストして閉じ側へ閉弁駆動される。
したがって、バルブシート11の流路孔18が閉鎖されることで、バルブボディ6内に形成されるEGRガス流路(流路孔17〜19)が閉鎖される。これにより、EGRガスが、エアクリーナを通過した清浄な吸気(新気)に混入しない(EGRカット)。
そして、バッフル15の挿通孔83を通り抜ける際に、バルブシャフト3の中間軸部23とバッフル15のカバー82との間のクリアランスよりも中間軸部23の外周面から突出した状態で、中間軸部23の外周面に付着していたデポジットは、バッフル15のカバー82によって削り落とされる。
そして、残ったデポジットは、充填空間80内に充填配置されたフィルタ16に捕集または捕捉される。
これにより、本実施例のEGR制御弁においては、環境温度が低温である程、フィルタ16とバルブシャフト3との間の摺動抵抗が小さくなる摺動特性を備えることになる。
以上のように、本実施例のEGR制御弁においては、フィルタ16よりも線膨張係数の小さな材質からなるバルブシャフト3の外周面とバッフル15のホルダパイプ81の内周面との間に、バルブシャフト3およびバッフル15よりも線膨張係数の大きな材質からなるワイヤーメッシュ構造のフィルタ16を配置している。特にワイヤーメッシュ構造のフィルタ16を充填空間80内に充填配置している。
一方、フィルタ16は、第1金属よりも低温収縮性および高温膨張性に優れる第2金属(例えばアルミニウム合金等)によって形成されている。すなわち、フィルタ16は、バルブシャフト3およびバッフル15よりも線膨張係数の大きな材質からなるワイヤーメッシュ構造を備えている。
したがって、バルブシャフト3とフィルタ16との間の摺動性を向上することができるので、フィルタ16に対するバルブシャフト3の軸線方向への往復運動が良好となる。これにより、高い粘着性を有するデポジットをバルブシャフト3の中間軸部23の外周面から掻き落とすデポジット除去機能をフィルタ16に付加した場合でも、EGRバルブの動作不良の発生を抑制することができる。
本実施例では、ギアトレーンの出力ギア33または出力シャフト35の回転往復(回動)運動をEGRバルブの直線往復運動(バルブシャフト3の軸線方向の往復運動)に変換する運動方向変換機構として、スコッチヨーク5、出力レバー41、ピボットピン42およびフォロア43等を含む変換機構を採用しているが、運動方向変換機構として、カムまたはスクリューを含む変換機構を採用しても良い。
本実施例では、EGRバルブをその軸線方向に開閉駆動するアクチュエータとして、
モータM、ギアトレーンおよび変換機構を有する電動アクチュエータを採用しているが、電磁(ソレノイド)アクチュエータや流体圧作動アクチュエータを採用しても良い。
また、EGR制御弁や排気制御弁の弁体として、ポペット型のEGRバルブを採用しているが、バルブとシャフトとの間に変換機構を介することにより、バタフライバルブ、フラップバルブ、プレートバルブ、ロータリバルブ等の回転型バルブを採用しても良い。また、ダブルポペットバルブを採用しても良い。
また、シャフト(弁軸)としてバルブシャフト3の代わりに、軸線方向に延びる作動ロッドを用いても良い。
また、ボールベアリングよりなるフォロア43の代わりに、ピボットピン(支軸)42の外周に回転自在に支持されるフォロアローラを使用しても良い。
この場合、EGRバルブの弁軸(バルブシャフト3)の第1突出軸部21は、軸受孔の開口から第1流路(流路孔17)へ突出し、且つ第1流路(流路孔17)から弁孔(流路孔18)を通り抜けて第2流路(流路孔19)内へ突出するように構成される。
また、例えば自動車等の車両に搭載される内燃機関(エンジン)として、多気筒ディーゼルエンジンの代わりに、多気筒ガソリンエンジンを用いても良い。また、単気筒エンジンに適用しても良い。
2 バルブ本体(ポペット弁体)
3 バルブシャフト(弁軸)
7 シャフト軸受部
11 バルブシート
12 軸受孔
13 メタルベアリング(軸受部材)
14 シール部材
15 バッフル
16 フィルタ
Claims (7)
- (a)内燃機関の気筒から排出された排気が流れる流路(17〜19)、この流路(17〜19)の周囲に設けられた環状のシート(11)、および前記流路(17〜19)の壁面で開口し、且つこの流路側の開口(24)から奥側まで延びる軸受孔(12)を有するハウジング(1、6、7)と、
(b)前記シート(11)に接離して前記流路(17〜19)を開閉する弁体(2)、およびこの弁体(2)と一体移動可能に設けられて、前記軸受孔(12)内に往復移動可能に収容される弁軸(3)を有し、前記弁体(2)および前記弁軸(3)の軸線方向に往復移動するバルブと、
(c)前記軸受孔(12)の奥側に設置されて、前記弁軸(3)をその軸線方向に往復摺動可能に支持する筒状の軸受部材(4)と、
(d)この軸受部材(4)よりも前記軸受孔(12)の流路側に設置されて、前記弁軸(3)の周囲を充填空間(80)を隔てて覆う中空筒状のパイプ(81)と、
(e)前記弁軸(3)の外面と前記パイプ(81)の内面との間を塞ぐように前記充填空間(80)内に配置されて、前記弁軸に付着した異物を捕集または捕捉するフィルタ(16)と
を備え、
前記フィルタ(16)は、前記弁軸(3)および前記パイプ(81)よりも線膨張係数の大きな材質からなるワイヤーメッシュを採用していることを特徴とする排気制御弁。 - 請求項1に記載の排気制御弁において、
前記パイプ(81)は、排気中に含まれる異物の前記軸受孔(12)内への侵入を抑制するカップ形状のバッフル(15)に設けられていることを特徴とする排気制御弁。 - 請求項2に記載の排気制御弁において、
前記バッフル(15)は、前記パイプ(81)の流路側端部に連結されて、前記軸受孔(12)の流路側の開口(24)を覆うカバー(82)を有していることを特徴とする排気制御弁。 - 請求項3に記載の排気制御弁において、
前記バッフル(15)は、前記カバー(82)の内外を連通するよう貫通し、且つ前記弁軸(3)がその軸線方向に挿通可能な挿通孔(83)を有していることを特徴とする排気制御弁。 - 請求項1ないし請求項4のうちいずれか1つに記載の排気制御弁において、
前記弁軸(3)は、前記パイプ(81)と実質的同一の線膨張係数を有する第1金属によって形成されており、
前記フィルタ(16)は、前記第1金属よりも低温収縮性および高温膨張性に優れる第2金属によって形成されていることを特徴とする排気制御弁。 - 請求項1ないし請求項5のうちいずれか1つに記載の排気制御弁において、
前記フィルタ(16)は、前記弁軸(3)の外面に接触する環状部分を有し、
前記フィルタ(16)の温度環境が高温環境下では、前記フィルタ(16)の環状部分が、前記弁軸(3)の外面に付着したデポジットを掻き落とすスクレーピング機能を有していることを特徴とする排気制御弁。 - 請求項1ないし請求項6のうちいずれか1つに記載の排気制御弁において、
前記弁軸(3)および前記パイプ(81)は、前記フィルタ(16)よりも線膨張係数の小さな材質からなることを特徴とする排気制御弁。
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