JP2016006175A - ポリオレフィン系樹脂微孔フィルム及びリチウムイオン電池用セパレータ - Google Patents

ポリオレフィン系樹脂微孔フィルム及びリチウムイオン電池用セパレータ Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明の目的は、電池の異常発熱時のような高温下における熱収縮が抑制され、且つ電池用セパレータに適した孔構造のポリオレフィン系樹脂微孔フィルムを提供することである。【解決手段】 本発明のポリオレフィン系樹脂微孔フィルムは、微小孔部を有するポリオレフィン系樹脂微孔フィルムであって、前記ポリオレフィン系樹脂微孔フィルムの透気度が100〜400sec/100mLであり、前記ポリオレフィン系樹脂微孔フィルムが、重量平均分子量25万〜60万且つ分子量分布が7.5〜12.0の結晶性ポリオレフィン系樹脂100重量部と、アタクチックポリプロピレン2〜30重量部とを含むことを特徴とする。【選択図】 なし

Description

本発明はリチウムイオン電池のセパレータに用いられるポリオレフィン系樹脂微孔フィルムに関する。さらに、本発明は当該ポリオレフィン系樹脂微孔フィルムからなるリチウムイオン電池用セパレータに関する。
従来から電子機器の電源としてリチウムイオン電池が用いられている。このリチウムイオン電池は、一般的にアルミニウム箔などの表面にコバルト酸リチウムやマンガン酸リチウム等の活物質を塗布してなる正極と、銅箔などの表面にカーボン等の活物質を塗布してなる負極と、この正極と負極の短絡を防止するために正極と負極とを仕切るセパレータを電解液中に配設することによって構成される。
そして、リチウムイオン電池は、その充電時には正極からリチウムイオンが放出されて負極内に進入する一方、放電時には負極からリチウムイオンが放出されて正極に移動することによって充放電が行われる。
リチウムイオン電池用セパレータには種々の提案がされており、例えば特許文献1にはポリプロピレンと、ポリプロピレンより溶融結晶化温度の高いポリマーおよびβ晶核剤となる組成物を溶融押出し、高温でシート状に成型後、少なくとも一軸延伸することを特徴とするポリプロピレン微孔性フィルムの製造方法が提案されている。
しかしながら、上記ポリプロピレン微孔性フィルムの製造方法で得られたポリプロピレン微孔性フィルムは、リチウムイオンの透過性が不十分であることと、延伸により微孔性を持たせているがゆえに、少なからず収縮応力が発生し、高温加熱時に熱収縮してしまうことがある。
このような微孔フィルムを電池用セパレータとして用いると、異物混入や衝撃が加わった際に電極間が短絡して電池が異常発熱した際、その熱によってセパレータが収縮してしまい短絡箇所が拡大し、さらなる発熱、場合によっては爆発や熱暴走といった重大事故につながる可能性がある。そこで電池の異常発熱時にも収縮が抑制されるような、加熱時の熱収縮率が小さいセパレータが求められている。
このような熱収縮を改善するため、例えば特許文献2にはオレフィン系樹脂微孔フィルムなどの微孔基材フィルムの少なくとも一面に、アルミナやチタニアなどの絶縁性無機粒子とバインダ樹脂とを含む耐熱性微孔層が設けられてなる積層フィルムが提案されている。
特許第1974511号 特開2012−119225号公報
しかしながらこのような耐熱性微孔層が設けられてなる積層フィルムは、微孔基材フィルムの微小孔部の開口端の位置と、耐熱性微孔層の微孔部の位置とが合致しておらず、電池のセパレータとして用いた時に、微孔基材フィルムと耐熱性微孔層の界面においてイオン流動性が変化するため、全体のイオン流動分布にバラつきが生じやすく、良好な電池性能が発現できない場合がある。
またアルミナやチタニアなどの絶縁性無機粒子などを耐熱性微孔層に用いることで、セパレータとしての重量が重くなってしまったり、材料コストが高くなる、また、取扱い時に粒子の剥がれが生じやすいなどの問題もある。
したがって本発明の目的は、電池の異常発熱時のような高温下における熱収縮が抑制され、且つ電池用セパレータに適した孔構造のポリオレフィン系樹脂微孔フィルムを提供することである。
本発明のポリオレフィン系樹脂微孔フィルムは、透気度が100〜400sec/100mLであり、前記ポリオレフィン系樹脂微孔フィルムが、重量平均分子量25万〜60万、且つ分子量分布が7.5〜12.0の結晶性ポリオレフィン系樹脂(A)100重量部と、アタクチックポリプロピレン(B)2〜30重量部を含むことを特徴とする。
前記結晶性ポリオレフィン系樹脂(A)としては、結晶性のポリオレフィン系樹脂であれば特に限定されず、例えば、プロピレン単独重合体としての結晶性ポリプロピレン、プロピレンと他のオレフィンとの共重合体からなる結晶性ポリオレフィン樹脂などが挙げられる。結晶性ポリプロピレンは単独で用いられても二種以上が併用されても良い。またプロピレンと他のオレフィンとの共重合体は、ブロック共重合体、ランダム共重合体の何れであっても良い。本発明では、結晶性ポリオレフィン系樹脂(A)として、結晶性ポリプロピレンであることが好ましく、アイソタクチック・ペンタッド分率が90%以上のポリプロピレンであることがより好ましく、アイソタクチック・ペンタッド分率が96%以上のポリプロピレンであることがより好ましく、アイソタクチック・ペンタッド分率が96〜98%のポリプロピレンであることが最も好ましい。
ここで、アイソタクチック・ペンタッド分率とは、13C−核磁気共鳴スペクトルのピーク帰属に基づいて定量されたモノマー単位が5個連続して等しい立体構造を有している割合である。A.Zambelli等によって発表された「Macromolecules」(1980年、第13巻、第267頁)に記載されている方法に準拠して測定することができる。
前記結晶性ポリオレフィン系樹脂(A)の重量平均分子量は25万〜60万が好ましく、28万〜48万がより好ましい。また前記結晶性ポリオレフィン系樹脂(A)の分子量分布(Mw/Mn)は7.5〜12.0が好ましく、8.0〜11.0がより好ましい。
前記結晶性ポリオレフィン系樹脂(A)の融点は特に限定されないが、162℃〜170℃が好ましく、163℃〜168℃がより好ましい。
従来のポリオレフィン系樹脂を用いた場合、アタクチックポリプロピレン(B)を併用すると、アタクチックポリプロピレン(B)がラメラ結晶の発生や成長を阻害してしまい、延伸法により微小孔部を形成しにくくなってしまったり、微小孔部が均一に形成されずに部分的に微小孔部の孔径が大きくなりすぎてしまったりすることがあるが、上記のごとき結晶性ポリオレフィン系樹脂(A)を用いることにより、良好に微小孔部を形成させることができる。
ここで結晶性ポリオレフィン系樹脂(A)の重量平均分子量Mw及び数平均分子量MnはGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)法によって測定されたポリスチレン換算した値である。具体的には、結晶性ポリオレフィン系樹脂(A)6〜7mgを採取し、採取した結晶性ポリオレフィン系樹脂(A)を試験管に供給した上で、試験管に0.05重量%のBHT(ジブチルヒドロキシトルエン)のo−DCB(オルトジクロロベンゼン)溶液を加えて結晶性ポリオレフィン系樹脂(A)濃度が1mg/mLとなるように希釈して希釈液を作製する。
溶解濾過装置を用いて145℃、回転速度25rpmにて1時間に亘って上記希釈液を振とうさせて結晶性ポリオレフィン系樹脂(A)をBHTのo−DCB溶液に溶解させて測定試料とする。この測定試料を用いてGPC法によって結晶性ポリオレフィン系樹脂(A)の重量平均分子量及び数平均分子量を測定することができる。
結晶性ポリオレフィン系樹脂(A)における重量平均分子量及び数平均分子量は、例えば、下記測定装置及び測定条件にて測定することができる。
測定装置 TOSHO社製 商品名「HLC−8121GPC/HT」
測定条件 カラム:TSKgelGMHHR−H(20)HT×3本
TSKguardcolumn−HHR(30)HT×1本
移動相:o−DCB 1.0mL/分
サンプル濃度:1mg/mL
検出器:ブライス型屈折計
標準物質:ポリスチレン(TOSHO社製 分子量:500〜8420000)
溶出条件:145℃
SEC温度:145℃
結晶性ポリオレフィン系樹脂(A)の融点は下記の要領で測定された値をいう。先ず、結晶性ポリオレフィン系樹脂(A)10mgを採取する。次に、結晶性ポリオレフィン系樹脂(A)を0℃から昇温速度10℃/分にて250℃まで加熱し、250℃にて3分間に亘って保持する。次に、結晶性ポリオレフィン系樹脂(A)を250℃から降温速度10℃/分にて0℃まで冷却して0℃にて3分間に亘って保持する。続いて、結晶性ポリオレフィン系樹脂(A)を0℃から昇温速度10℃/分にて250℃まで再加熱し、この再加熱工程における融解ピークトップの温度を融点とする。上記結晶性ポリオレフィン系樹脂(A)のDSCは、例えば、セイコーインスツル社のDSC220Cを用いることができる。
ポリオレフィン系樹脂微孔フィルムはアタクチックポリプロピレン(B)を2〜30重量部含むことが好ましい。延伸法により、ラメラ結晶を離間させることで微小孔部を形成させる場合、ラメラ結晶間の非晶部分に収縮応力が集中して働きやすい。ラメラ結晶を形成している分子と非晶部を形成している分子が結合している割合が多いほど収縮応力は大きくなるが、非晶部に、ラメラ結晶と結合しないアタクチックポリプロピレンが含まれることで、ラメラ結晶と結合している割合が少なくなり、収縮応力を小さくして熱収縮を抑制させることができる。
ここでアタクチックポリプロピレン(B)とは、ポリプロピレン側鎖のメチル基の、主鎖に対する立体配置が無秩序配置である構造を有するポリプロピレンのことをいう。
アタクチックポリプロピレン(B)の含有量は、非晶部を形成する分子がラメラ結晶と結合している割合を少なくし、収縮応力を小さくすることで熱収縮を抑制させることができるため2重量部以上が好ましく、ラメラ発生および成長を阻害することなく良好な孔構造を形成させられるため30重量部以下が好ましく、5〜25重量部がより好ましい。
ポリオレフィン系樹脂微孔フィルムの透気度は、前記ポリオレフィン系樹脂微孔フィルムに十分な機械的強度を付与することができ、且つ前記ポリオレフィン系樹脂微孔フィルムを電池用セパレータとして用いたときにイオンの透過性が向上して良好な電池性能を発現させられるため、100〜400sec/100mLが好ましい。
なおポリオレフィン系樹脂微孔フィルムの透気度は、温度23℃、相対湿度65%の雰囲気下で、JIS P8117に準拠して測定した値とする。
ポリオレフィン系樹脂微孔フィルムにおける微小孔部の開口端の最大長径は、前記ポリオレフィン系樹脂微孔フィルムを電池のセパレータとして使用した際、イオンの透過性を均一にでき、またデンドライトショートを抑制できるため、1μm以下が好ましく、100〜800nmがより好ましい。
ポリオレフィン系樹脂微孔フィルムにおける微小孔部の開口端の平均長径は、前記ポリオレフィン系樹脂微孔フィルムに十分な機械的強度を付与でき、また電池用セパレータとして用いた際、イオンの透過性を均一にできるため、500nm以下が好ましく、100〜500nmがより好ましい。
なお、ポリオレフィン系樹脂微孔フィルムにおける微小孔部の開口端の最大長径及び平均長径は次のようにして測定される。先ず、ポリオレフィン系樹脂微孔フィルムの表面をカーボンコーティングする。次に、ポリオレフィン系樹脂微孔フィルムの表面における任意の10箇所について、縦9.6μm×横12.8μmの平面長方形状の測定部分を定め、この測定部分を倍率1万倍にて撮影する。
得られた写真に現れている各微小孔部の開口端の長径を測定する。微小孔部における開口端の長径のうち、最大の長径を微小孔部の開口端の最大長径とする。各微小孔部における開口端の長径の相加平均値を微小孔部の開口端の平均長径とする。なお、微小孔部の開口端の長径とは、この微小孔部の開口端を包囲し得る最小径の真円の直径とする。撮影範囲と、撮影範囲でない部分とに跨がって存在している微小孔部については、測定対象から除外する。
ポリオレフィン系樹脂微孔フィルムを130℃で1時間加熱した際の熱収縮率は10%以下であることが好ましい。10%以下であると、電池内でセパレータとして用いた際に、異常発熱時にも収縮が抑制され、電極間での短絡および短絡の拡大を抑制することができ、電池の安全性を高めることができる。
なお、ポリオレフィン系樹脂微孔フィルムの熱収縮率は以下の要領で測定することができる。まずポリオレフィン系樹脂微孔フィルムの任意の箇所から幅2cm×長さ10cmの平面長方形状の試験片を10個作成する。その後、試験片の一方の短辺方向における中央部と試験片の他方の短辺における中央部とを結ぶ直線状の仮想線上に長さ8cmの標線を引き、試験片をJIS K7100に規定される標準雰囲気2級の雰囲気下に30分間静置した後、試験片に引いた標線の長さ(L)をJIS B7505に準拠したノギスを用いて小数点以下2桁まで測定する。しかる後、試験片を、その長辺方向を上下に向けて垂直に吊るした状態で、内部の温度が130℃である恒温槽中に設置して1時間加熱した後、試験片をJIS K7100に規定される標準雰囲気2級の雰囲気下に30分静置した上で、試験片に引いた標線の長さ(L)をJIS B7505に準拠したノギスを用いて小数点以下2桁まで測定し、下記式に基づいて熱収縮率(%)を算出する。そして、上記と同様の手順にて、10個の試験片のそれぞれについて熱収縮率を測定し、その相加平均値をポリオレフィン系樹脂微孔フィルムの加熱収縮率(%)とする。
(式) 加熱収縮率(%)=[(L−L)×100]/L
ポリオレフィン系樹脂微孔フィルムの空隙率は、40〜70%が好ましく、42〜65%がより好ましい。ポリオレフィン系樹脂微孔フィルムの空隙率が低いと、ポリオレフィン系樹脂微孔フィルムのイオン透過性が低下する虞れがある。また、ポリオレフィン系樹脂微孔フィルムの空隙率が高いと、ポリオレフィン系樹脂微孔フィルムの機械的強度が低下する虞れがある。
なお、ポリオレフィン系樹脂微孔フィルムの空隙率は下記の要領で測定することができる。先ず、ポリオレフィン系樹脂微孔フィルムを切断することにより縦10cm×横10cmの平面正方形状(面積100cm2)の試験片を得る。次に、試験片の重量W(g)及び厚みT(cm)を測定し、下記式(1)により見掛け密度ρ(g/cm3)を算出する。なお、試験片の厚みは、ダイヤルゲージ(例えば、株式会社ミツトヨ製 シグナルABSデジマチックインジケータ)を用いて、試験片の厚みを15箇所測定し、その相加平均値とする。そして、この見掛け密度ρ(g/cm3)及びポリオレフィン系樹脂自体の密度ρ0(g/cm3)を用いて下記式(2)に基づいてポリオレフィン系樹脂微孔フィルムの空隙率P(%)を算出することができる。
見掛け密度ρ(g/cm3)=W/(100×T) (1)
空隙率P(%)=100×[(ρ0−ρ)/ρ0] (2)
ポリオレフィン系樹脂微孔フィルムの厚みは、特に制限されないが、1〜100μmが好ましく、1〜50μmがより好ましい。
ポリオレフィン系樹脂微孔フィルムの製造方法としては、湿式法または延伸法など、従来公知の方法が用いられるが、簡易かつ低コストで良好な孔構造を形成しやすい延伸法が好ましい。
ポリオレフィン系樹脂微孔フィルムを延伸法により製造する方法としては、結晶性ポリオレフィン系樹脂(A)100重量部とアタクチックポリプロピレン(B)2〜30重量部を含む樹脂組成物(以下、単に「樹脂組成物」という場合がある。)を、一軸延伸または二軸延伸させることにより微小孔部を形成させる方法などが挙げられる。
ポリオレフィン系樹脂微孔フィルムを延伸法により製造する方法として、具体的には、樹脂組成物を押出すことによりポリオレフィン系樹脂フィルムを得、このポリオレフィン系樹脂フィルム中にラメラ結晶を発生及び成長させた後、ポリオレフィン系樹脂フィルムを延伸してラメラ結晶間を離間させることにより微小孔部を形成させる方法が挙げられる。
ポリオレフィン系樹脂微孔フィルムの製造方法として、特に好ましくは、下記工程;樹脂組成物を押出機にて結晶性ポリオレフィン系樹脂(A)の融点よりも20℃高い温度以上で且つポリオレフィン系樹脂(A)の融点よりも100℃高い温度以下にて溶融混練し、上記押出機の先端に取り付けたTダイから押出すことにより、ポリオレフィン系樹脂フィルムを得る押出工程と、
上記押出工程後のポリオレフィン系樹脂フィルムを上記結晶性ポリオレフィン系樹脂(A)の融点よりも30℃低い温度以上で且つ上記結晶性ポリオレフィン系樹脂(A)の融点よりも1℃低い温度以下で養生する養生工程と、
上記養生工程後のポリオレフィン系樹脂フィルムを、その表面温度が−20℃以上100℃未満にて延伸倍率1.2〜1.6倍に一軸延伸する第1延伸工程と、
上記第1延伸工程において延伸が施されたポリオレフィン系樹脂フィルムを、その表面温度が100〜150℃にて延伸倍率1.2〜2.2倍に一軸延伸する第2延伸工程と、
上記第2延伸工程において延伸が施されたポリオレフィン系樹脂フィルムをアニールするアニーリング工程と
を有する方法が挙げられる。
(押出工程)
ポリオレフィン系樹脂フィルムは、樹脂組成物を押出機に供給して溶融混練した上で、押出機の先端に取り付けたTダイから押出すことにより製造することができる。
樹脂組成物を押出機にて溶融混練する際の樹脂組成物の温度は、結晶性ポリオレフィン系樹脂(A)の融点よりも20℃高い温度以上で且つポリオレフィン系樹脂(A)の融点よりも100℃高い温度以下が好ましく、結晶性ポリオレフィン系樹脂(A)の融点よりも25℃高い温度以上で且つ結晶性ポリオレフィン系樹脂(A)の融点よりも80℃高い温度以下であることがより好ましく、結晶性ポリオレフィン系樹脂(A)の融点よりも25℃高い温度以上で且つ結晶性ポリオレフィン系樹脂(A)の融点よりも50℃高い温度以下であることが特に好ましい。溶融混練時の樹脂組成物の温度を結晶性ポリオレフィン系樹脂(A)の融点よりも20℃高い温度以上とすることにより、均一な厚みを有するポリオレフィン系樹脂フィルムを得ることができる。また、溶融混練時の樹脂組成物の温度を結晶性ポリオレフィン系樹脂(A)の融点よりも100℃高い温度以下とすることにより、結晶性ポリオレフィン系樹脂(A)の配向性を向上させて、ラメラの生成を促進させることができる。
樹脂組成物を押出機からフィルム状に押出す際におけるドロー比は、50〜300が好ましく、65〜250がより好ましく、70〜250が特に好ましい。樹脂組成物を押出機からフィルム状に押出す際におけるドロー比を50以上とすることにより、樹脂組成物に加わる張力を向上させ、これによりポリオレフィン系樹脂分子を十分に配向させてラメラの生成を促進させることができる。また、樹脂組成物を押出機からフィルム状に押出す際におけるドロー比を300以下とすることによって、ポリオレフィン系樹脂フィルムの製膜安定性を向上させて、均一な厚みや幅を有するポリオレフィン系樹脂フィルムを得ることができる。
なお、ドロー比とは、TダイのリップのクリアランスをTダイから押出されたオレフィン系樹脂フィルムの厚みで除した値をいう。Tダイのリップのクリアランスの測定は、JIS B7524に準拠したすきまゲージ(例えば、株式会社永井ゲージ製作所製 JISすきまゲージ)を用いてTダイのリップのクリアランスを10箇所以上測定し、その相加平均値を求めることにより行うことができる。また、Tダイから押出されたオレフィン系樹脂フィルムの厚みは、ダイヤルゲージ(例えば、株式会社ミツトヨ製 シグナルABSデジマチックインジケータ)を用いてTダイから押出されたオレフィン系樹脂フィルムの厚みを10箇所以上測定し、その相加平均値を求めることにより行うことができる。
更に、ポリオレフィン系樹脂フィルムの製膜速度は、10〜300m/分が好ましく、15〜250m/分がより好ましく、15〜30m/分が特に好ましい。ポリオレフィン系樹脂フィルムの製膜速度を10m/分以上とすることによって、樹脂組成物に加わる張力を向上させ、これにより結晶性ポリオレフィン系樹脂(A)を十分に配向させてラメラの生成を促進させることができる。また、ポリオレフィン系樹脂フィルムの製膜速度を300m/分以下とすることによって、ポリオレフィン系樹脂フィルムの製膜安定性を向上させて、均一な厚みや幅を有するポリオレフィン系樹脂フィルムを得ることができる。
そして、Tダイから押し出されたポリオレフィン系樹脂フィルムをその表面温度が前記結晶性ポリオレフィン系樹脂(A)の融点よりも100℃低い温度以下となるまで冷却することにより、結晶性ポリオレフィン系樹脂(A)が結晶化してラメラ結晶を生成する。本発明では、Tダイから押し出すことによって、結晶性ポリオレフィン系樹脂(A)を予め配向させた上で冷却することにより、結晶性ポリオレフィン系樹脂(A)のラメラ結晶生成を促進させることができる。
冷却されたポリオレフィン系樹脂フィルムの表面温度は、結晶性ポリオレフィン系樹脂(A)の融点よりも100℃低い温度以下が好ましく、結晶性ポリオレフィン系樹脂(A)の融点よりも140〜110℃低い温度がより好ましく、結晶性ポリオレフィン系樹脂(A)の融点よりも135〜120℃低い温度が特に好ましい。このような表面温度にポリオレフィン系樹脂フィルムを冷却することによって、ポリオレフィン系樹脂フィルムを構成している結晶性ポリオレフィン系樹脂(A)を十分に結晶化させることができる。
(養生工程)
次いで、上述した押出工程により得られたポリオレフィン系樹脂フィルムを養生する。この樹脂組成物の養生工程は、押出工程においてポリオレフィン系樹脂フィルム中に生成させたラメラを成長させるために行う。このことにより、ポリオレフィン系樹脂フィルムの押出方向に結晶化部分(ラメラ)と非結晶部分とが交互に配列してなる積層ラメラ構造を形成させることができ、後述するポリオレフィン系樹脂フィルムの延伸工程において、ラメラ内ではなく、ラメラ間において亀裂を発生させ、この亀裂を起点として微小孔部を形成することができる。
養生工程は、押出工程により得られたポリオレフィン系樹脂フィルムを、結晶性ポリオレフィン系樹脂(A)の融点よりも30℃低い温度以上で且つ上記結晶性ポリオレフィン系樹脂(A)の融点より1℃低い温度以下にて養生することにより行う。
ポリオレフィン系樹脂フィルムの養生温度は、結晶性ポリオレフィン系樹脂(A)の融点よりも30℃低い温度以上で且つ結晶性ポリオレフィン系樹脂(A)の融点よりも1℃低い温度以下が好ましく、結晶性ポリオレフィン系樹脂(A)の融点よりも25℃低い温度以上で且つ結晶性ポリオレフィン系樹脂(A)の融点よりも10℃低い温度以下がより好ましい。ポリオレフィン系樹脂フィルムの養生温度を結晶性ポリオレフィン系樹脂(A)の融点よりも30℃低い温度以上とすることによって、ポリオレフィン系樹脂フィルムの結晶化を促進させて、後述する延伸工程においてポリオレフィン系樹脂フィルムのラメラ間において微小孔部を形成し易くすることができる。また、ポリオレフィン系樹脂フィルムの養生温度を結晶性ポリオレフィン系樹脂(A)の融点よりも1℃低い温度以下にすることによって、ポリオレフィン系樹脂フィルムを構成している結晶性ポリオレフィン系樹脂(A)の分子配向の緩和によってラメラ構造が崩れることを低減することができる。
なお、ポリオレフィン系樹脂フィルムの養生温度とは、ポリオレフィン系樹脂フィルムの表面温度である。しかしながら、ポリオレフィン系樹脂フィルムの表面温度を測定できないような場合、例えば、ポリオレフィン系樹脂フィルムをロール状に巻き取った状態で養生させる場合には、ポリオレフィン系樹脂フィルムの養生温度とは、雰囲気温度とする。例えば、熱風炉などの加熱装置内部でポリオレフィン系樹脂フィルムをロール状に巻き取った状態で養生を行う場合には、加熱装置内部の温度を養生温度とする。
ポリオレフィン系樹脂フィルムの養生は、ポリオレフィン系樹脂フィルムを走行させながら行ってもよく、ポリオレフィン系樹脂フィルムをロール状に巻き取った状態で行ってもよい。
ポリオレフィン系樹脂フィルムの養生をポリオレフィン系樹脂フィルムを走行しながら行う場合、ポリオレフィン系樹脂フィルムの養生時間は、1分以上が好ましく、5分〜60分がより好ましい。
ポリオレフィン系樹脂フィルムをロール状に巻き取った状態で養生させる場合、養生時間は、1時間以上が好ましく、15時間以上がより好ましい。このような養生時間でロール状に巻き取った状態のポリオレフィン系樹脂フィルムを養生させることにより、ロールの表面から内部まで全体的にポリオレフィン系樹脂フィルムをその温度を上述した養生温度にして十分に養生させることができ、ポリオレフィン系樹脂フィルムのラメラを十分に成長させることができる。また、ポリオレフィン系樹脂フィルムの熱劣化を抑制するために、養生時間は、35時間以下が好ましく、30時間以下がより好ましい。
なお、ポリオレフィン系樹脂フィルムをロール状に巻き取った状態で養生させた場合、養生工程後のポリオレフィン系樹脂フィルムロールからポリオレフィン系樹脂フィルムを巻き出して、後述する延伸工程及びアニーリング工程を実施すればよい。
(第一延伸工程)
次に、養生工程後のポリオレフィン系樹脂フィルムに、その表面温度が−20℃以上100℃未満にて延伸倍率1.2〜1.6倍に一軸延伸を施す第一延伸工程を実施する。第一延伸工程では、ポリオレフィン系樹脂フィルムを好ましくは押出方向にのみ一軸延伸する。第一延伸工程において、ポリオレフィン系樹脂フィルム中のラメラは殆ど溶融しておらず、延伸によってラメラ同士を離間させることによって、ラメラ間の非結晶部において効率的に微細な亀裂を独立して生じさせ、この亀裂を起点として多数の微小孔部を確実に形成させる。
第一延伸工程において、ポリオレフィン系樹脂フィルムの表面温度は、−20℃以上100℃未満が好ましく、0〜80℃がより好ましく、10〜40℃が特に好ましい。ポリオレフィン系樹脂フィルムの表面温度を−20℃以上とすることにより、延伸時におけるポリオレフィン系樹脂フィルムの破断を低減することができる。また、ポリオレフィン系樹脂フィルムの表面温度を100℃未満とすることにより、ラメラ間の非結晶部において亀裂を発生させることができる。
第一延伸工程において、ポリオレフィン系樹脂フィルムの延伸倍率は、1.2〜1.6倍が好ましく、1.25〜1.5倍がより好ましい。ポリオレフィン系樹脂フィルムの延伸倍率を1.2倍以上とすることにより、ラメラ間の非結晶部において微小孔部が形成され、これにより透気性に優れ、リチウムイオンが透過する際の抵抗が低いポリオレフィン系樹脂微孔フィルムを提供することができる。また、ポリオレフィン系樹脂フィルムの延伸倍率を1.6倍以下とすることにより、ポリオレフィン系樹脂微孔フィルムに微小孔部を均一に形成することができる。
なお、本発明において、ポリオレフィン系樹脂フィルムの延伸倍率とは、延伸後のポリオレフィン系樹脂フィルムの延伸方向の長さを延伸前のポリオレフィン系樹脂フィルムの長さで除した値をいう。
ポリオレフィン系樹脂フィルムの第一延伸工程における延伸速度は、20%/分以上が好ましい。延伸速度を20%/分以上とすることにより、ラメラ間の非結晶部において微小孔部を均一に形成することができる。また、ポリオレフィン系樹脂フィルムの第一延伸工程における延伸速度は、20〜500%/分がより好ましく、20〜70%/分が特に好ましい。延伸速度を500%/分以下とすることにより、ポリオレフィン系樹脂フィルムの破断を抑制することができる。
なお、本発明において、ポリオレフィン系樹脂フィルムの延伸速度とは、単位時間当たりのポリオレフィン系樹脂フィルムの延伸方向における寸法の変化割合をいう。
上記第一延伸工程におけるポリオレフィン系樹脂フィルムの延伸方法としては、ポリオレフィン系樹脂フィルムを一軸延伸することができれば、特に限定されず、例えば、ポリオレフィン系樹脂フィルムを一軸延伸装置を用いて所定温度にて一軸延伸する方法などが挙げられる。
(第二延伸工程)
次いで、第一延伸工程後のポリオレフィン系樹脂フィルムに、その表面温度が100〜150℃にて延伸倍率1.2〜2.2倍に一軸延伸処理を施す第二延伸工程を実施する。第二延伸工程においても、ポリオレフィン系樹脂フィルムを好ましくは押出方向にのみ一軸延伸する。このような第二延伸工程における延伸処理を行うことによって、第一延伸工程にてポリオレフィン系樹脂フィルムに形成された多数の微小孔部を成長させることができる。
第二延伸工程において、ポリオレフィン系樹脂フィルムの表面温度は、100〜150℃が好ましく、110〜140℃がより好ましい。ポリオレフィン系樹脂フィルムの表面温度を100℃以上とすることによって、第一延伸工程においてポリオレフィン系樹脂フィルムに形成された微小孔部を成長させて、ポリオレフィン系樹脂微孔フィルムの透気性を向上させることができる。また、ポリオレフィン系樹脂フィルムの表面温度を150℃以下とすることによって、第一延伸工程においてポリオレフィン系樹脂フィルムに形成された微小孔部の閉塞を抑制することができる。
第二延伸工程において、ポリオレフィン系樹脂フィルムの延伸倍率は、1.2〜2.2倍が好ましく、1.5〜2.0倍がより好ましい。ポリオレフィン系樹脂フィルムの延伸倍率を1.2倍以上とすることによって、第一延伸工程時にポリオレフィン系樹脂フィルムに形成された微小孔部を成長させて、優れた透気性を有するポリオレフィン系樹脂微孔フィルムを提供することができる。また、ポリオレフィン系樹脂フィルムの延伸倍率を2.2倍以下とすることによって、第一延伸工程においてポリオレフィン系樹脂フィルムに形成された微小孔部の閉塞を抑制することができる。
第二延伸工程において、ポリオレフィン系樹脂フィルムの延伸速度は、500%/分以下が好ましく、400%/分以下がより好ましく、15〜60%/分が特に好ましい。ポリオレフィン系樹脂フィルムの延伸速度を上記範囲内とすることによって、ポリオレフィン系樹脂フィルムに微小孔部を均一に形成することができる。
上記第二延伸工程におけるポリオレフィン系樹脂フィルムの延伸方法としては、ポリオレフィン系樹脂フィルムを一軸延伸することができれば、特に限定されず、例えば、ポリオレフィン系樹脂フィルムを一軸延伸装置を用いて所定温度にて一軸延伸する方法などが挙げられる。
(アニーリング工程)
次に、第二延伸工程において延伸が施されたポリオレフィン系樹脂フィルムにアニール処理を施すアニーリング工程を行う。このアニーリング工程は、上述した延伸工程において加えられた延伸によってポリオレフィン系樹脂フィルムに生じた残存歪みを緩和して、得られるポリオレフィン系樹脂微孔フィルムに加熱による熱収縮が生じるのを抑えるために行われる。
アニーリング工程におけるポリオレフィン系樹脂フィルムの表面温度は、第二延伸工程時のポリオレフィン系樹脂フィルムの表面温度以上で且つポリオレフィン系樹脂(A)の融点よりも1℃低い温度以下が好ましい。ポリオレフィン系樹脂フィルムの表面温度を第二延伸工程時のポリオレフィン系樹脂フィルムの表面温度以上とすることによって、ポリオレフィン系樹脂フィルム中に残存した歪みを十分に緩和して、得られるポリオレフィン系樹脂フィルムの加熱時における寸法安定性を向上させることができる。
アニーリング工程におけるポリオレフィン系樹脂フィルムの収縮率は、20%以下に設定することが好ましい。ポリオレフィン系樹脂フィルムの収縮率を20%以下とすることによって、ポリオレフィン系樹脂フィルムのたるみの発生を低減して、ポリオレフィン系樹脂フィルムを均一にアニールすることができる。なお、ポリオレフィン系樹脂フィルムの収縮率とは、アニーリング工程時における延伸方向におけるポリオレフィン系樹脂フィルムの収縮長さを、第二延伸工程後の延伸方向におけるポリオレフィン系樹脂フィルムの長さで除して100を乗じた値をいう。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
[実施例1]
(押出工程)
アイソタクチック・ペンタッド分率が96%のホモポリプロピレン(重量平均分子量413000、分子量分布9.3、融点163℃)100重量部と、アタクチックポリプロピレン(住友化学:タフセレンH3002)5重量部を混合して押出機に供給して樹脂温度200℃にて溶融混練し、押出機先端に取り付けられたTダイからフィルム状に押出し(ドロー比83、製膜速度22m/分)、表面温度が30℃となるまで冷却して厚みが30μmのポリプロピレンフィルムを得た。
(養生工程)
得られたポリプロピレンフィルムをロール状に巻き取り、雰囲気温度が150℃の熱風炉中に供給して、24時間に亘って養生した。
(第一延伸工程)
養生後のポリプロピレンフィルムを押出方向(長さ方向)に300mm、幅方向に160mmの短冊状に裁断した。このプロピレンフィルムを一軸延伸装置(井元製作所製 商品名「IMC−18C6」)を用いて表面温度が23℃となるようにして50%/分の延伸速度にて延伸倍率1.2倍に押出方向にのみ一軸延伸した。
(第二延伸工程)
続いて、プロピレンフィルムを一軸延伸装置(井元製作所製 商品名「IMC−18C6」)を用いて表面温度が120℃となるようにして42%/分の延伸速度にて延伸倍率2.0倍に押出方向にのみ一軸延伸した。
(アニーリング工程)
しかる後、プロピレンフィルムをその表面温度が140℃となるように且つプロピレンフィルムに張力が加わらないようにして10分間に亘って放置して、プロピレンフィルムにアニールを施し、ポリプロピレン微孔フィルムを得た。
なお、アニーリング工程におけるポリプロピレンフィルムの収縮率は10%とした。
[実施例2]
ホモポリプロピレン100重量部に対して、アタクチックポリプロピレンを20重量部添加した以外は、実施例1と同様の方法により、ポリプロピレン微孔フィルムを得た。
[実施例3]
ホモポリプロピレンとして、アイソタクチック・ペンタッド分率が96%、重量平均分子量が390000、分子量分布が8.0、融点が165℃のホモポリプロピレンを用いたこと以外は、実施例2と同様の方法により、ポリプロピレン微孔フィルムを得た。
[実施例4]
ホモポリプロピレンとして、アイソタクチック・ペンタッド分率が97%、重量平均分子量が371000、分子量分布が8.6、融点が165℃のホモポリプロピレンを用いたこと以外は、実施例2と同様の方法により、ポリプロピレン微孔フィルムを得た。
[実施例5]
ホモポリプロピレンとして、アイソタクチック・ペンタッド分率が97%、重量平均分子量が400000、分子量分布が10.2、融点が164℃のホモポリプロピレンを用いたこと以外は、実施例2と同様の方法により、ポリプロピレン微孔フィルムを得た。
[比較例1]
(押出工程)
ホモポリプロピレン(重量平均分子量413000、分子量分布9.3、融点163℃)100重量部とアタクチックポリプロピレン(住友化学:タフセレンD101)40重量部を混合して押出機に供給して樹脂温度200℃にて溶融混練し、押出機先端に取り付けられたTダイからフィルム状に押出し、表面温度が30℃となるまで冷却して厚みが30μmのポリプロピレンフィルムを得た。
比較例1における養生工程以降は、実施例1と同様にしてポリプロピレン微孔フィルムを得た。
[比較例2]
ホモポリプロピレン(重量平均分子量413000、分子量分布9.3、融点163℃)を押出機に供給して樹脂温度200℃にて溶融混練し、押出機の先端に取り付けられたTダイからフィルム状に押出し、表面温度が30℃となるまで冷却して厚みが30μmのホモポリプロピレンフィルムを得た。
比較例2における養生工程以降は、実施例1と同様にしてホモポリプロピレン微孔フィルムを得た。
[比較例3]
ホモポリプロピレン(重量平均分子量330000、分子量分布6.6、融点161℃)を押出機に供給して樹脂温度200℃にて溶融混練し、押出機の先端に取り付けられたTダイからフィルム状に押出し、表面温度が30℃となるまで冷却して厚みが30μmのホモポリプロピレンフィルムを得た。
比較例3における養生工程以降は、実施例1と同様にしてホモポリプロピレン微孔フィルムを得た。
実施例及び比較例で得られたポリオレフィン系樹脂微孔フィルムの透気度、空隙率、微小孔部の開口端の最大長径・平均長径及び130℃で1時間加熱したときの熱収縮率を表1に示した。
なお、ポリオレフィン系樹脂微孔フィルムの透気度、空隙率、微小孔部の開口端の最大長径・平均長径及び130℃で1時間加熱したときの熱収縮率は、いずれも上述した方法により測定した。
Figure 2016006175

Claims (4)

  1. 微小孔部を有するポリオレフィン系樹脂微孔フィルムであって、前記ポリオレフィン系樹脂微孔フィルムの透気度が100〜400sec/100mLであり、前記ポリオレフィン系樹脂微孔フィルムが、重量平均分子量25万〜60万且つ分子量分布が7.5〜12.0の結晶性ポリオレフィン系樹脂100重量部と、アタクチックポリプロピレン2〜30重量部とを含むことを特徴とするポリオレフィン系樹脂微孔フィルム。
  2. 微小孔部の開口端の最大長径が1μm以下で、平均長径が500nm以下であり、空隙率が40〜70%であることを特徴とする請求項1に記載のポリオレフィン系樹脂微孔フィルム。
  3. ポリオレフィン系樹脂微孔フィルムを構成するポリオレフィン系樹脂が、結晶性ポリプロピレン100重量部とアタクチックポリプロピレン2〜30重量部を含むことを特徴とする請求項1または2記載のポリオレフィン系樹脂微孔フィルム。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載のポリオレフィン系樹脂微孔フィルムからなることを特徴とするリチウム電池用セパレータ。
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