JP2016005292A - 保護部材及び保護部材製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】内周面側と外周面側とにそれぞれ硬さの異なる部分を有する保護部材において、比較的硬い部分と比較的軟らかい部分との分布を明確にし、保護部材の品質を向上させること。
【解決手段】保護部材5は、不織材料を含むそれぞれ硬さの異なる第一不織部材11と第二不織部材12とが重ね合わされたシート状の不織部材が、第一不織部材11が外周面51側に、かつ、第二不織部材12が内周面52側に位置するように曲げられることにより筒状に形成されている。
【選択図】図1
【解決手段】保護部材5は、不織材料を含むそれぞれ硬さの異なる第一不織部材11と第二不織部材12とが重ね合わされたシート状の不織部材が、第一不織部材11が外周面51側に、かつ、第二不織部材12が内周面52側に位置するように曲げられることにより筒状に形成されている。
【選択図】図1
Description
本発明は、電線を保護する技術に関する。
自動車等の車両に搭載されるワイヤーハーネスは、例えば、特許文献1に示されるような不織布がホットプレス加工された筒状の電線保護具を備えることがある。
特許文献1に示される電線保護具は、ホットプレス加工により硬化した外側の面よりも内側の面が柔らかく形成されている。
特許文献1に示される電線保護具において、外側の面と内側の面との間の部分の不織布が、硬化しているのか又は柔らかく形成されているのか不明確である。
本発明は、内周面側と外周面側とにそれぞれ硬さの異なる部分を有する保護部材において、比較的硬い部分と比較的軟らかい部分との分布を明確にし、保護部材の品質を向上させることを目的とする。
第1態様に係る保護部材は、少なくとも1本の電線を覆い保護する保護部材であって、不織材料を含むそれぞれ硬さの異なる第一不織部材と第二不織部材とが重ね合わされたシート状の不織部材が、前記第一不織部材が外周面側に、かつ、前記第二不織部材が内周面側に位置するように曲げられることにより筒状に形成されている。
第2態様に係る保護部材は、第1態様に係る保護部材の一態様である。第2態様に係る保護部材においては、前記第一不織部材が、前記第二不織部材よりも柔らかく形成されている。
第3態様に係る保護部材は、第1態様又は第2態様に係る保護部材の一態様である。第3態様に係る保護部材においては、前記第一不織部材及び前記第二不織部材の少なくとも一方が、接着部材を含み、前記第一不織部材と前記第二不織部材とが、前記接着部材によって接着されている。
第4態様に係る保護部材製造方法は、ワイヤーハーネスを覆い保護する保護部材の製造方法であって、不織材料を含むそれぞれ硬さの異なる第一不織部材と第二不織部材とを重ね合わせる工程と、前記第一不織部材と前記第二不織部材とが重ね合わされたシート状の不織部材を、前記第一不織部材が外周面側に、かつ、前記第二不織部材が内周面側に位置するように曲げることにより、筒状に形成する工程と、を含む。
上記の各態様において、保護部材は、不織材料を含むそれぞれ硬さの異なる第一不織部材と第二不織部材とが重ね合わされたシート状の不織部材が、第一不織部材が外周面側に、かつ、第二不織部材が内周面側に位置するように曲げられることにより筒状に形成されている。従って、この保護部材においては、それぞれ硬さの異なる部分の分布が明確となる。これにより、内周面側と外周面側とにそれぞれ硬さの異なる部分を有する保護部材において、比較的硬い部分と比較的軟らかい部分との分布を明確にし、保護部材の品質を向上させることが可能となる。
また、上記の第2態様において、第一不織部材が、第二不織部材よりも柔らかく形成されている。この場合、保護部材のうち比較的軟らかく形成された外周面側の第一不織部材が、保護部材と他部材との接触時の音の発生を抑制する。また、保護部材のうち比較的硬く形成された内周面側の第二不織部材が、保護部材に通される電線を保護する。即ち、第2態様においては、電線を保護しつつ、他部材との接触時の音の発生を抑制できる。
また、上記の第3態様において、第一不織部材又は第二不織部材の少なくとも一方が、接着部材を含む。また、第一不織部材と第二不織部材とが、接着部材によって接着されている。この場合、第一不織部材と第二不織部材とが重ね合わされたシート状の不織部材を容易に得ることができる。
また、上記の第4態様においては、不織材料を含むそれぞれ硬さの異なる第一不織部材と第二不織部材とを重ね合わせる工程と、第一不織部材と第二不織部材とが重ね合わされたシート状の不織部材を、第一不織部材が外周面側に、かつ、第二不織部材が内周面側に位置するように曲げることにより、筒状に形成する工程と、を含む。この場合、比較的硬い部分と比較的軟らかい部分との分布が明確にされ、品質が向上した保護部材を簡易に作ることができる。
以下、添付の図面を参照しながら、実施形態について説明する。以下の実施形態は、本発明を具現化した一例であり、本発明の技術的範囲を限定する事例ではない。
<第1実施形態>
図1,2を参照しつつ、第1実施形態に係る保護部材5について説明する。図1は、保護部材5の斜視図である。図2は、保護部材5の断面図である。図2は、図1のII−II平面における保護部材5の断面図である。
図1,2を参照しつつ、第1実施形態に係る保護部材5について説明する。図1は、保護部材5の斜視図である。図2は、保護部材5の断面図である。図2は、図1のII−II平面における保護部材5の断面図である。
保護部材5は、少なくとも1本の電線9を覆い保護する部材である。本実施形態において、保護部材5は、複数の電線9の周囲を覆い保護する。なお、電線9は、図1,2において、仮想線(二点鎖線)で描かれている。
電線9は、例えば、銅又はアルミニウムなどを主成分とする導体と、その導体の周囲を覆う絶縁被覆と、を有する絶縁電線である。なお、図1,2が示す例は、保護部材5が、3本の電線9の周囲を覆い保護する場合の事例である。しかしながら、保護部材5が1本の電線9を保護する場合、2本の電線9を保護する場合又は4本以上の電線9を保護する場合も考えられる。
<保護部材>
保護部材5は、不織材料を含むそれぞれ硬さの異なる第一不織部材11と第二不織部材12とが重ね合わされたシート状の不織部材(以下、二重不織部材10と称する)が、第一不織部材11が保護部材5の外周面51側に、かつ、第二不織部材12が保護部材5の内周面52側に位置するように曲げられることにより筒状に形成されている。また、本実施形態において、第一不織部材11は、第二不織部材12よりも柔らかく形成されている。
保護部材5は、不織材料を含むそれぞれ硬さの異なる第一不織部材11と第二不織部材12とが重ね合わされたシート状の不織部材(以下、二重不織部材10と称する)が、第一不織部材11が保護部材5の外周面51側に、かつ、第二不織部材12が保護部材5の内周面52側に位置するように曲げられることにより筒状に形成されている。また、本実施形態において、第一不織部材11は、第二不織部材12よりも柔らかく形成されている。
本実施形態において、第一不織部材11は、保護部材5のうち外周面51側の部分を形成する。即ち、第一不織部材11は、保護部材5の径方向において、外周面51からの一部を形成している。
また、本実施形態において、第二不織部材12は、保護部材5のうち内周面52側の部分を形成する。即ち、第二不織部材12は、保護部材5の径方向において、上記の外周面51からの一部に対し残りの部分である内周面52からの一部を形成している。
第一不織部材11及び第二不織部材12の不織材料は、例えば、絡み合う基本繊維とバインダと称される接着樹脂とを含む。接着樹脂は、基本繊維の融点よりも低い融点(例えば、約110度から約150度の融点)を有する熱可塑性樹脂である。このような不織材料は、基本繊維の融点よりも低く、かつ、接着樹脂の融点よりも高い温度に加熱されることにより、接着樹脂が溶融して基本繊維の隙間に溶け込む。その後、不織材料の温度が、接着樹脂の融点よりも低い温度まで下がると、接着樹脂は、周囲に存在する基本繊維を結合した状態で硬化する。これにより、不織材料は、加熱前の状態よりも硬くなり、加熱後の冷却時に型枠によって規定された形状に成形される。
接着樹脂は、例えば、粒状の樹脂又は繊維状の樹脂などである。また、接着樹脂は、芯繊維の周囲を覆うように形成されることも考えられる。このように、芯繊維が接着樹脂で被覆された構造を有する繊維は、バインダ繊維などと称される。芯繊維の材料は、例えば、基本繊維と同じ材料が採用される。
また、基本繊維は、接着樹脂の融点において繊維状態が維持されればよく、樹脂繊維の他、各種の繊維が採用され得る。また、接着樹脂は、例えば、基本繊維の融点よりも低い融点を有する熱可塑性樹脂繊維が採用される。
第一不織部材11及び第二不織部材12に含まれる不織材料としては、ウレタン系樹脂、PVC(ポリ塩化ビニル)又はPET(ポリエチレンテレフタレート)などの熱可塑性樹脂が考えられる。不織材料を構成する基本繊維と接着樹脂との組合せとしては、例えば、PET(ポリエチレンテレフタレート)を主成分とする樹脂繊維が基本繊維として採用され、PET及びPEI(ポリエチレンイソフタレート)の共重合樹脂が接着樹脂として採用されることが考えられる。そのような不織材料において、基本繊維の融点は概ね250度であり、接着樹脂の融点は約110度から約150度の間の温度である。
また、本実施形態においては、第一不織部材11が、接着樹脂を含まず、基本繊維のみを含んでいる場合も考えられる。保護部材5において、第一不織部材11は、第二不織部材12よりも柔らかく形成されているためである。
また、本実施形態において、第一不織部材11は、第二不織部材12よりも柔らかく形成されている。例えば、第一不織部材11を形成する不織材料と第二不織部材12を形成する不織材料とが同じである場合、第一不織部材11は、第一不織部材11を形成する不織材料が第二不織部材12を形成する不織材料よりも低温で加熱された後に硬化した部材であることが考えられる。第一不織部材11と第二不織部材12とが、同一の不織材料で形成されていると保護部材5の製造コストを抑制することもできる。
また、第一不織部材11を形成する不織材料と第二不織部材12を形成する不織材料とが、異なる場合も考えられる。例えば、第一不織部材11及び第二不織部材12に含まれる接着樹脂の溶融温度が異なる場合又は第一不織部材11及び第二不織部材12に含まれる接着樹脂の割合が異なる場合等である。
また、本実施形態では、第一不織部材11と第二不織部材12とは、第一不織部材11と第二不織部材12の少なくとも一方の接着樹脂によって接着されている。
図1,2に示される例において、第一不織部材11と第二不織部材12とは、保護部材5の周方向において、全周に亘って接着されている。しかしながら、第一不織部材11と第二不織部材12とが、保護部材5の周方向において、一部で接着されている場合も考えられる。
また、本実施形態において、保護部材5には、保護部材5の長手方向に沿う一筋の合わせ部4が形成されている。合わせ部4は、保護部材5の周方向において第一不織部材11及び第二不織部材12を分離するスリットが塞がれた部分である。例えば、合わせ部4が、第一不織部材11及び第二不織部材12におけるスリットにより分断された縁部同士が熱溶着或いは超音波溶着された部分であることが考えられる。また、合わせ部4が、保護部材5の長手方向に沿って点在して形成されている場合も考えられる。即ち、合わせ部4が、スポット状に溶着された部分であることも考えられる。
<保護部材製造方法>
次に、図3,4を参照しつつ、本実施形態における保護部材5を製造する保護部材製造方法について説明する。保護部材製造方法は、以下の第一工程と第二工程とを含む。
次に、図3,4を参照しつつ、本実施形態における保護部材5を製造する保護部材製造方法について説明する。保護部材製造方法は、以下の第一工程と第二工程とを含む。
第一工程は、不織材料を含むそれぞれ硬さの異なる第一不織部材11と第二不織部材12とを重ね合わせる工程である。
第二工程は、第一不織部材11と第二不織部材12とが重ね合わされたシート状の二重不織部材10を、第一不織部材11が外周面51側に、かつ、第二不織部材12が内周面52側に位置するように曲げることにより、筒状に形成する工程である。
また、本実施形態の保護部材製造方法においては、例えば、図3,4に示される保護部材製造装置6が用いられる。図3は、保護部材製造装置6の斜視図である。図4は、保護部材製造装置6の側面図である。
本実施形態では、第一不織部材11及び第二不織部材12に対し、保護部材製造装置6を用いて上記第一工程及び第二工程が行われる。
<保護部材製造装置>
図3,4に示されるように、保護部材製造装置6は、支持部60、加熱部61、圧縮部63、搬送部62、案内部64及び成形部65を備えている。
図3,4に示されるように、保護部材製造装置6は、支持部60、加熱部61、圧縮部63、搬送部62、案内部64及び成形部65を備えている。
<保護部材製造装置:支持部>
支持部60は、保護部材製造装置6を構成する他の要素を支持する部分である。図3,4に示される例において、支持部60は、板状の台である。
支持部60は、保護部材製造装置6を構成する他の要素を支持する部分である。図3,4に示される例において、支持部60は、板状の台である。
図3,4に示される例では、案内部64及び成形部65の一部が支持部60に支持されている。しかしながら、加熱部61、搬送部62及び圧縮部63等が、支持部60に直接支持されること或いは支持部60により間接的に支持されることも考えられる。
<保護部材製造装置:第一加熱部>
加熱部61は、第二不織部材12を加熱する部分である。なお、図3,4に示される例において、加熱部61は、第二不織部材12を予め定められた経路に沿って搬送する搬送機構も兼ねている。以下、第二不織部材12が搬送される経路のことを搬送経路R1と称する。加熱部61、圧縮部63、搬送部62、案内部64及び成形部65は、搬送経路R1に沿う位置に配置されている。なお、加熱部61、圧縮部63、搬送部62、案内部64及び成形部65は、上流側から下流側へ向かって、加熱部61、搬送部62、圧縮部63、案内部64及び成形部65の順番で搬送経路R1に沿って配置されている。
加熱部61は、第二不織部材12を加熱する部分である。なお、図3,4に示される例において、加熱部61は、第二不織部材12を予め定められた経路に沿って搬送する搬送機構も兼ねている。以下、第二不織部材12が搬送される経路のことを搬送経路R1と称する。加熱部61、圧縮部63、搬送部62、案内部64及び成形部65は、搬送経路R1に沿う位置に配置されている。なお、加熱部61、圧縮部63、搬送部62、案内部64及び成形部65は、上流側から下流側へ向かって、加熱部61、搬送部62、圧縮部63、案内部64及び成形部65の順番で搬送経路R1に沿って配置されている。
図3,4に示される例において、加熱部61は、加熱された加熱ローラ610とローラ駆動部611とを備えている。
加熱ローラ610は、搬送経路R1における圧縮部63の位置よりも上流側の位置において、平坦状の第二不織部材12を挟み込んで回転する部材である。図3,4が示す例では、加熱部61は、搬送経路R1の方向に並んで配置された一対の加熱ローラ610を備えている。
ローラ駆動部611は、一対の加熱ローラ610を回転させる駆動機構である。例えば、ローラ駆動部611は、モータとそのモータの回転力を一対の加熱ローラ610に伝達するギア機構とを含む。また、ローラ駆動部611が一対の加熱ローラ610の両方を反対方向に回転させることの他、ローラ駆動部611が一対の加熱ローラ610の一方のみを回転させることも考えられる。後者の場合、一対の加熱ローラ610の一方が第二不織部材12を圧縮部63の側(下流側)へ搬送し、一対の加熱ローラ610の他方は移動する第二不織部材12に接して従動する。
また、加熱ローラ610は、第二不織部材12に対し加熱を行う。図3,4に示される例においては、加熱ローラ610自体が熱せられている。なお、加熱部61が、加熱ローラ610の他に、ヒータ等の他の加熱機構を備えている場合も考えられる。また、加熱部61が、熱せられていないローラとヒータ等の他の加熱機構とを備えている場合も考えられる。
<保護部材製造装置:搬送部>
搬送部62は、第二不織部材12を搬送経路R1に沿って搬送するとともに、搬送経路R1外から供給される第一不織部材11を搬送経路R1に沿って下流側の圧縮部63、案内部64及び成形部65に搬送する部分である。
搬送部62は、第二不織部材12を搬送経路R1に沿って搬送するとともに、搬送経路R1外から供給される第一不織部材11を搬送経路R1に沿って下流側の圧縮部63、案内部64及び成形部65に搬送する部分である。
図3,4に示される例において、搬送部62は、搬送経路R1における加熱部61の位置よりも下流側で、かつ、圧縮部63の位置よりも上流側の位置に形成されている。搬送部62は、搬送用ローラ620とローラ駆動部621とを備えている。
搬送用ローラ620は、搬送経路R1における加熱部61の位置よりも下流側で、かつ、圧縮部63の位置よりも上流側の位置において、平坦状の第一不織部材11及び第二不織部材12を挟み込んで回転する部材である。図3,4が示す例では、搬送部62は、搬送経路R1の方向に並んで配置された一対の搬送用ローラ620を備えている。なお、ローラ駆動部621は、上記ローラ駆動部611と同様の構造を有する。
<保護部材製造装置:圧縮部>
圧縮部63は、第一不織部材11及び第二不織部材12に対し圧縮を行う部分である。圧縮部63は、搬送経路R1における搬送部62の位置よりも下流側で、かつ、成形部65及び案内部64の位置よりも上流側の位置に形成されている。
圧縮部63は、第一不織部材11及び第二不織部材12に対し圧縮を行う部分である。圧縮部63は、搬送経路R1における搬送部62の位置よりも下流側で、かつ、成形部65及び案内部64の位置よりも上流側の位置に形成されている。
図3,4に示される例において、圧縮用ローラ630とローラ駆動部631とを備えている。なお、図3,4に示される例のように、圧縮部63が、ヒータ639を備えている場合も考えられる。
圧縮用ローラ630は、搬送経路R1における搬送部62の位置よりも下流側で、かつ、成形部65(案内部64)の位置よりも上流側の位置において、第一不織部材11及び第二不織部材12を挟み込んで回転する部材である。また、ローラ駆動部631は、上記のローラ駆動部611と同様の構造を有する。図3,4が示す例では、圧縮部63は、搬送経路R1の方向に並んで配置された一対の圧縮用ローラ630を備えている。
圧縮用ローラ630は、重ね合わされた第一不織部材11及び第二不織部材12を下流側へと搬送するとともに、第一不織部材11及び第二不織部材12に対し圧力をかける。
なお、図3,4に示されるように、圧縮部63が、ヒータ639を備える場合も考えられる。ヒータ639は、圧縮用ローラ630の上流側において、第二不織部材12の接着樹脂が溶融して基本繊維の隙間に溶け込んだ状態を維持するために、第二不織部材12に対し加熱を行う。
<保護部材製造装置:案内部>
案内部64は、第一不織部材11と第二不織部材12とが重ね合わされたシート状の二重不織部材10を、筒状へと徐々に変形させる部分である。案内部64は、搬送経路R1における圧縮部63の位置よりも下流側で、かつ、成形部65の位置よりも上流側の位置に形成されている。
案内部64は、第一不織部材11と第二不織部材12とが重ね合わされたシート状の二重不織部材10を、筒状へと徐々に変形させる部分である。案内部64は、搬送経路R1における圧縮部63の位置よりも下流側で、かつ、成形部65の位置よりも上流側の位置に形成されている。
図3,4に示される例において、案内部64には、二重不織部材10を支える支面640が形成されている。
支面640は、搬送経路R1の上流側から下流側へ向かうほど、平坦面に近い形状から円形状に近い形状へ徐々に変化する形状で形成されている。
<保護部材製造装置:成形部>
成形部65は、搬送経路R1における圧縮部63の位置よりも下流側の位置に配置されている。成形部65は中子部652と一対の成形用ローラ650を含む。さらに、図3,4に示される例において、成形部65は、一対の成形用ローラ650各々を回転させるローラ駆動部651及び冷却部66も備えている。なお、図5は、二重不織部材10の搬送方向の逆側から見た成形部65の正面図である。
成形部65は、搬送経路R1における圧縮部63の位置よりも下流側の位置に配置されている。成形部65は中子部652と一対の成形用ローラ650を含む。さらに、図3,4に示される例において、成形部65は、一対の成形用ローラ650各々を回転させるローラ駆動部651及び冷却部66も備えている。なお、図5は、二重不織部材10の搬送方向の逆側から見た成形部65の正面図である。
中子部652は、搬送経路R1に固定されている。例えば、中子部652は、搬送経路R1に沿う状態に固定された長尺な部材である。本実施形態における中子部652は、搬送経路R1に沿う状態に固定された円筒状の部材である。この場合、搬送経路R1の方向から見て中子部652の外側面が円形状を形成している。なお、中子部652が円柱状の部材であること、又は円形以外の断面形状を有する棒状の部材であることなども考えられる。例えば、搬送経路R1の方向から見て中子部652の外側面が形成する形状が、楕円状、三角形状、四角形状又はその他の多角形状であることも考えられる。
成形用ローラ650は、中子部652との間に第一不織部材11及び第二不織部材12を挟み込んで回転する部材である。また、成形用ローラ650各々の回転方向の外周面は、環状の溝を形成している。以下の説明において、複数の成形用ローラ650各々の外周面における中子部652に対向する部分のことを対向凹面6500と称する。
図5が示すように、中子部652の側方に配置された一対の成形用ローラ650の対向凹面6500は、円形状を形成している。即ち、中子部652の外周面と一対の成形用ローラ650の対向凹面6500とが、環状の型枠を成す。この型枠は、案内部64の下流側の位置に形成される。
成形用ローラ650各々の外周面のうち、対向凹面6500は、成形用ローラ650各々の回転に応じて、それまで二重不織部材10に接触していなかった部分へ随時移り変わることが可能である。
ローラ駆動部651は、圧縮部63の位置よりも搬送経路R1の下流側に位置する複数の成形用ローラ650を回転させる部分である。回転駆動される複数の成形用ローラ650は、中子部652との間に挟み込んだ第一不織部材11及び第二不織部材12を搬送経路R1に沿って下流側へ送り出す。
冷却部66は、中子部652と一対の成形用ローラ650とが成す環状の型枠を通過中の二重不織部材10を冷却する部分である。図3,4に示される例は、冷却部66としては冷却ファンが採用されている場合の事例である。この場合、冷却部66により、型枠を通過中の二重不織部材10に冷風を吹き付けることが可能となる。また、冷却部66が、さらに中子部652の外周面に形成された貫通孔を通して、中子部652の内周面側から外周面側に冷風を吹き付ける機構を有している場合も考えられる。
<保護部材製造方法:第一工程>
図3,4に示される例において、保護部材製造装置6に第二不織部材12を形成する第二不織部材12が供給される。保護部材製造装置6に供給された第二不織部材12は、保護部材製造装置6の各ローラ610,620,630,650等の搬送機構により、搬送経路R1に沿って搬送される。
図3,4に示される例において、保護部材製造装置6に第二不織部材12を形成する第二不織部材12が供給される。保護部材製造装置6に供給された第二不織部材12は、保護部材製造装置6の各ローラ610,620,630,650等の搬送機構により、搬送経路R1に沿って搬送される。
図3,4に示される例において、第二不織部材12は、まず加熱部61に搬送される。そして、加熱部61の加熱ローラ610により、第二不織部材12は、例えば、第二不織部材12の基本繊維の融点よりも低く、かつ、接着樹脂の融点よりも高い温度に加熱される。これにより、第二不織部材12の接着樹脂が溶融して基本繊維の隙間に溶け込む。
即ち、図3,4に示される例において、加熱部61は、第二不織部材12に対し加熱を行い、第二不織部材12を、第二不織部材12の接着樹脂が溶融して基本繊維の隙間に溶け込んだ状態にする部分である。
そして、第二不織部材12の接着樹脂が溶融して基本繊維の隙間に溶け込んだ状態の第二不織部材12は、加熱ローラ610等の搬送機構によって下流側へと搬送される。なお、図3,4に示される例において、第二不織部材12の接着樹脂が溶融して基本繊維の隙間に溶け込んだ状態は、成形部65の箇所まで持続する。
加熱部61により加熱された第二不織部材12は、搬送部62に搬送される。
搬送部62において、第二不織部材12の接着樹脂が溶融して基本繊維の隙間に溶け込んだ状態の第二不織部材12と搬送経路R1外から保護部材製造装置6に供給された第一不織部材11とが重なる。なお、図3,4に示される例においては、第一不織部材11が支持部60側となるように第一不織部材11と第二不織部材12とが重なる。
また、第一不織部材11と第二不織部材12とが重なった際に、第二不織部材12の接着樹脂により、第一不織部材11と第二不織部材12とが接着されることが考えられる。また、図3,4に示される例のように、搬送部62においては、第一不織部材11と第二不織部材12とが完全に接着されず、次の圧縮部63で完全に接着される場合も考えられる。
搬送部62の搬送用ローラ620により、重ね合わされた第一不織部材11及び第二不織部材12(二重不織部材10)は、下流側の圧縮部63に搬送される。なお、一対の搬送用ローラ620のうち第二不織部材12側の搬送用ローラ620が熱せられている場合も考えられる。この場合、搬送部62において、第二不織部材12に加熱が行われる。その結果、第二不織部材12の接着樹脂が溶融して基本繊維の隙間に溶け込んだ状態がより持続する。
図3,4に示される例において、圧縮部63の圧縮用ローラ630を通過することにより、第一不織部材11及び第二不織部材12が、完全に接着される。
なお、加熱部61により加熱が行われた第二不織部材12が圧縮用ローラ630を通過することにより、加熱部61により加熱が行われていない第一不織部材11よりも、溶融した状態の接着樹脂が基本繊維の隙間に密に溶け込む。これにより、第二不織部材12が、第一不織部材11よりも硬く形成される。なお、この時点では、第一不織部材11及び第二不織部材12の接着樹脂は、完全には、硬化していない。
この状態で、二重不織部材10は、圧縮用ローラ630によって下流側の案内部64及び成形部65に搬送される。案内部64及び成形部65では、第二工程が行われる。
<保護部材製造方法:第二工程>
圧縮部63から第一不織部材11と第二不織部材12とが重ね合わされたシート状の二重不織部材10が、案内部64に搬送される。
圧縮部63から第一不織部材11と第二不織部材12とが重ね合わされたシート状の二重不織部材10が、案内部64に搬送される。
案内部64において、案内部64の支面640を摺動するシート状の二重不織部材10は、平坦に近い形状から筒状に近い形状へと徐々に変形する。
図3,4に示される例において、案内部64を通過する二重不織部材10は、第一不織部材11が案内部64の支面640側に存在した状態で、第二不織部材12を内側にして曲がりつつ、徐々に筒状に近い形状に変形する。案内部64により、二重不織部材10は、円滑に下流側の成形部65に導かれる。
案内部64から筒状に近い形状の二重不織部材10が、成形部65に搬送される。
そして、筒状に近い形状の二重不織部材10は、成形部65の中子部652と一対の成形用ローラ650とが成す環状の型枠を通過する。これにより、二重不織部材10のうち第二不織部材12が中子部652側に存在し、かつ、二重不織部材10のうち第一不織部材11が成形用ローラ650の対向凹面6500側に存在した状態で、二重不織部材10が筒状に形成される。
また、中子部652と一対の成形用ローラ650とが成す環状の型枠を通過中の二重不織部材10は、冷却部66により冷却される。
即ち、成形部65を通過する二重不織部材10は、中子部652と一対の成形用ローラ650とが成す環状の型枠に拘束されつつ、冷却部66により冷却される。冷却部66によって冷却された二重不織部材10の温度が、第一不織部材11及び第二不織部材12に含まれる接着樹脂の融点よりも低い温度まで下がると、接着樹脂は、周囲に存在する基本繊維を結合した状態で硬化する。これにより、第一不織部材11が外周面51側に、かつ、第二不織部材12が内周面52側に位置するように曲げられた二重不織部材10が、加熱後の冷却時に型枠によって拘束された形状、即ち、筒状に成形される。このようにして、上記の保護部材5が得られる。
なお、第二工程終了時において、保護部材5には、スリットが形成されている。本実施形態においては、スリットをはさんで対向する第一不織部材11及び第二不織部材12の一対の縁部を縁部同士が対向した状態で離隔させることにより、保護部材5の中空部に電線9が挿通される。そして、保護部材5の中空部に電線9を挿通した状態で、このスリットをはさんで対向する第一不織部材11及び第二不織部材12の一対の縁部同士が溶着されることにより合わせ部4が形成される。この場合、電線9の周囲を覆った状態の保護部材5を作る作業を容易に行うことができる。
<効果>
本実施形態において、この保護部材5においては、それぞれ硬さの異なる部分の分布が明確となる。これにより、内周面52側と外周面51側とにそれぞれ硬さの異なる部分を有する保護部材5において、比較的硬い部分と比較的軟らかい部分との分布を明確にし、保護部材5の品質を向上させることが可能となる。
本実施形態において、この保護部材5においては、それぞれ硬さの異なる部分の分布が明確となる。これにより、内周面52側と外周面51側とにそれぞれ硬さの異なる部分を有する保護部材5において、比較的硬い部分と比較的軟らかい部分との分布を明確にし、保護部材5の品質を向上させることが可能となる。
また、本実施形態において、保護部材5のうち比較的軟らかく形成された外周面51側の第一不織部材11が、保護部材5と他部材との接触時の音の発生を抑制する。また、保護部材5のうち比較的硬く形成された内周面52側の第二不織部材12が、保護部材5に通される電線9を保護する。即ち、本実施形態においては、電線を保護しつつ、他部材との接触時の音の発生を抑制できる。
また、本実施形態において、第二不織部材12の接着樹脂によって第一不織部材11と第二不織部材12とが接着されている。この場合、第一不織部材11と第二不織部材12とが重なった状態で加熱するという簡易な方法により、第一不織部材11と第二不織部材12とが重ね合わされたシート状の二重不織部材10が得られる。その結果、保護部材5をより容易に作ることが可能となる。
また、本実施形態においては、保護部材製造装置6を用いることにより、比較的硬い部分と比較的軟らかい部分との分布が明確にされ、品質が向上した保護部材5を簡易に作ることができる。
また、本実施形態では、予め、硬さの異なる第一不織部材11と第二不織部材12とを重ね合わせた二重不織部材10を筒状に形成することにより、保護部材5が得られる。そのため、比較的硬い部分と比較的軟らかい部分との分布が明確にされ、品質が向上した保護部材を簡易に作ることができる。
<第2実施形態>
次に、図6,7を参照しつつ、第2実施形態の保護部材5Aについて説明する。図6は、保護部材5Aの断面図である。図7は、保護部材5Aの展開斜視図であり、シート状の二重不織部材10の斜視図である。なお、図6,7において、図1〜5に示される構成要素と同じ構成要素は、同じ参照符号が付されている。以下、保護部材5Aにおける保護部材5と異なる点について説明する。
次に、図6,7を参照しつつ、第2実施形態の保護部材5Aについて説明する。図6は、保護部材5Aの断面図である。図7は、保護部材5Aの展開斜視図であり、シート状の二重不織部材10の斜視図である。なお、図6,7において、図1〜5に示される構成要素と同じ構成要素は、同じ参照符号が付されている。以下、保護部材5Aにおける保護部材5と異なる点について説明する。
本実施形態において、第一不織部材11と第二不織部材12とを接着させる接着部材13が、保護部材5Aの周方向おける一部に形成されている。なお、接着部材13が、保護部材5Aの周方向において、全周に亘って形成されている場合も考えられる。
本実施形態では、シート状の第一不織部材11とシート状の第二不織部材12とが重ね合わされた二重不織部材10において、第一不織部材11及び第二不織部材12の一対の縁部同士に接着部材13が形成されている。
即ち、第一不織部材11及び第二不織部材12の中心付近には、接着部材13が形成されていない。この部分では、第一不織部材11と第二不織部材12とが接着部材13を介さず重なっている。
本実施形態においては、例えば、シート状の第一不織部材11とシート状の第二不織部材12とが重なった状態で、それぞれの一対の縁部同士が接着される。これにより、一対の縁部同士が接着された二重不織部材10を得ることができる。
また、本実施形態において、接着部材13は、二重不織部材10の長手方向に沿って形成されている。接着部材13は、二重不織部材10の全長に亘って形成されている。しかしながら、接着部材13が、二重不織部材10の長手方向に沿って点在して形成されている場合も考えられる。
接着部材13としては、樹脂等の接着剤が考えられる。また、接着部材13が、シート状の第一不織部材11とシート状の第二不織部材12とが重なった状態で、それぞれの一対の縁部同士を接着する粘着テープである場合等も考えられる。
本実施形態においても、第1実施形態と同様、二重不織部材10を容易に得ることができる。
<第3実施形態>
次に、図8〜11を参照しつつ、第3実施形態に係る保護部材5B及び保護部材製造方法について説明する。図8は、保護部材5Bの斜視図である。図9は、保護部材製造装置6Bにより製造される二重不織部材10の斜視図であり、保護部材5Bの一部展開図である。図10は、保護部材5Bの製造に用いられる保護部材製造装置6Bの概略斜視図である。図11は、保護部材製造装置6Bの成形部65Bの断面図である。図11は、図10のIII−III平面における断面図である。なお、図8〜11において、図1〜7に示される構成要素と同じ構成要素は、同じ参照符号が付されている。以下、保護部材5Bにおける保護部材5と異なる点について説明する。また、保護部材製造装置6Bにおける保護部材製造装置6と異なる点について説明する。
次に、図8〜11を参照しつつ、第3実施形態に係る保護部材5B及び保護部材製造方法について説明する。図8は、保護部材5Bの斜視図である。図9は、保護部材製造装置6Bにより製造される二重不織部材10の斜視図であり、保護部材5Bの一部展開図である。図10は、保護部材5Bの製造に用いられる保護部材製造装置6Bの概略斜視図である。図11は、保護部材製造装置6Bの成形部65Bの断面図である。図11は、図10のIII−III平面における断面図である。なお、図8〜11において、図1〜7に示される構成要素と同じ構成要素は、同じ参照符号が付されている。以下、保護部材5Bにおける保護部材5と異なる点について説明する。また、保護部材製造装置6Bにおける保護部材製造装置6と異なる点について説明する。
図10に示される保護部材製造装置6Bは、加熱部61、搬送部62及び成形部65Bを備える。
本実施形態において、加熱部61は、加熱ローラ610とローラ駆動部611とヒータ69とを備える。ヒータ69は、第二不織部材12を加熱する加熱機構の一例である。
本実施形態において、搬送部62は、第1実施形態と同様、搬送用ローラ620とローラ駆動部621とを備える。搬送部62においては、搬送経路R1外から供給される第一不織部材11と第二不織部材12とが重ね合わされる。なお、本実施形態では、搬送部62において、第一不織部材11と第二不織部材12とが完全に重ね合わされる。
本実施形態において、成形部65Bは、搬送部62よりも下流側の位置に形成されている。成形部65Bは、一対の成形用ローラ650Bとローラ駆動部651Bとを備える。
一対の成形用ローラ650Bは、搬送部62の下流側において、第一不織部材11と第二不織部材12とが重ね合わされた二重不織部材10を挟み込んで回転する部材である。一対の成形用ローラ650Bが間に二重不織部材10を挟み込んで回転することにより、二重不織部材10が下流側へ搬送される。ローラ駆動部651Bは、一対の成形用ローラ650Bを回転させる駆動機構である。例えば、ローラ駆動部651Bは、ローラ駆動部611と同様の構造を有することが考えられる。
また、本実施形態において、一対の成形用ローラ650Bの一方の外周面には、回転方向に沿う溝部653Bが形成されている。本実施形態では、回転軸方向において隣り合う一対の溝部653Bが、回転軸方向において隣り合うように2組形成されている。
図10に示される例において、溝部653Bは、凹状の湾曲面は成す。溝部653Bが成す湾曲面は、回転軸方向に沿う断面において、弧状に形成されている。本実施形態において、溝部653Bが成す湾曲面は、断面が半円の弧状となるように形成されている。
また、一対の成形用ローラ650Bの一方の一対の溝部653Bの各組間には、部分切断刃77が設けられている。部分切断刃77は、金属等で形成された円板状部材であり、その外周縁部は外周側に向けて徐々に薄くなる環状刃に形成されている。また、部分切断刃77の外周部には、切欠状の凹部770が形成されている。
部分切断刃77は、二重不織部材10の幅方向の中央部(一対の溝部653Bの各組間の位置)に押し当てられつつ回転する。このとき、二重不織部材10は、上記の凹部770を除く位置で切断される。即ち、二重不織部材10は、凹部770の位置では切断されず切り残される。なお、本実施形態において、二重不織部材10の幅方向は、二重不織部材10の長手方向に直交する方向であり、成形用ローラ650Bの回転軸方向と同じ方向である。
また、本実施形態において、一対の成形用ローラ650Bの他方の外周面には、回転方向に沿う凸部654Bが形成されている。本実施形態では、回転軸方向において隣り合う一対の凸部654Bが、回転軸方向において隣り合うように2組形成されている。
図11に示される例において、凸部654Bは、凸状の湾曲面は成す。本実施形態において、凸部654Bが成す湾曲面は、断面が半円の弧状となるように形成されている。
また、本実施形態では、一対の成形用ローラ650Bの他方の一対の凸部654Bの各組間には、上述の部分切断刃77が設けられていない。しかしながら、一対の成形用ローラ650Bの他方の一対の凸部654Bの各組間にも、上述の部分切断刃77が設けられている場合も考えられる。
本実施形態において、一方の成形用ローラ650Bの溝部653B内に、他方の成形用ローラ650Bの凸部654Bが収容されている。また、溝部653Bと凸部654Bとが間隔をあけて対向するように、一対の成形用ローラ650Bが配置されている。即ち、一対の溝部653Bと一対の凸部654Bとの間には、一対の半環状の隙間が形成されている。この半環状の隙間が、成形部65Bの型枠である。この型枠には、二重不織部材10が通される。
また、本実施形態では、一対の溝部653Bにおける各溝部653Bの間の中央部6530Bと一対の凸部654Bにおける各凸部654Bの間の中央部6540Bとの間隔が、それ以外の部分(例えば、凸部654Bの先端部と溝部653Bの底部)との間隔よりも広く形成されている。従って、二重不織部材10において、中央部6530Bと中央部6540Bとの間の部分を通過する箇所が、その他の箇所よりも軟らかく形成される。
本実施形態の第一工程では、加熱部61を通過した第二不織部材12が、搬送部62において第一不織部材11と重ね合わされる。これにより、二重不織部材10が得られる。なお、この時点では、第一不織部材11及び第二不織部材12の接着樹脂は、完全には、硬化していない。
そして、二重不織部材10は、搬送部62から成形部65Bに搬送される。
成形部65Bの一対の成形用ローラ650Bが成す一対の半環状の型枠に二重不織部材10が通される。これにより、二重不織部材10のうち第二不織部材12が凸部654Bが形成された成形用ローラ650B側に存在し、かつ、二重不織部材10のうち第一不織部材11が溝部653Bが形成された成形用ローラ650B側に存在した状態で、二重不織部材10が、一対の半環状の型枠に応じた形状に変形する。そして、一対の成形用ローラ650Bが成す型枠を通過した二重不織部材10が冷却されることにより、2組の一対の半環状が二重不織部材10の幅方向において並ぶ形状に成形される。
また、本実施形態において、二重不織部材10のうち2組の一対の半環状の間の部分である切取部101Bは、一対の成形用ローラ650Bの一方の部分切断刃77によって一部を切り残した状態に成形される。即ち、二重不織部材10の切取部101Bには、切取線102Bが、二重不織部材10の長手方向に沿って形成されている。
また、本実施形態において、二重不織部材10のうち一対の半環状の各半環状に成形された部分の間のヒンジ部4Bは、その他の部分よりも比較的軟らかく成形される。二重不織部材10のヒンジ部4Bは、一対の成形用ローラ650Bが成す型枠のうち中央部6530Bと中央部6540Bとの間の部分を通過することにより、成形されるためである。
図8には、保護部材製造装置6Bにより得られる二重不織部材10が示されている。そして、二重不織部材10は、切取部101Bの切取線102Bで分離される。
本実施形態では、二重不織部材10が切取部101Bの切取線102Bで分離されることにより、ヒンジ部4Bにより連結された一対の半環状の二重不織部材10を2つ得ることができる。
その後、ヒンジ部4Bにより連結された一対の半環状の二重不織部材10を筒状に形成する第二工程が行われる。本実施形態では、二重不織部材10における一対の半環状に成形された部分の一方の第二不織部材12側の面、即ち、二重不織部材10における一対の半環状に成形された部分の一方の凹状の面に、二重不織部材10における一対の半環状に成形された部分の他方の凹状の面が対向するように、ヒンジ部4Bを中心に曲げられる。これにより、保護部材5Bが得られる。従って、保護部材製造装置6Bにより得られる保護部材5Bは、ヒンジ部4Bを備える点が、保護部材5と異なっている。
また、本実施形態では、ヒンジ部4Bが比較的軟らかく形成されている。そのため、二重不織部材10を容易に曲げることができ、二重不織部材10を筒状に形成する第二工程を容易に行うことができる。
また、二重不織部材10における一対の半環状に成形された部分の一方の凹状の面側に電線9が配設された状態で、上記第二工程が行われることも考えられる。なお、図8は、1本の電線9を保護部材5Bが覆い保護する場合の事例である。
本実施形態においても、第1実施形態と同様の効果を得ることができる。
<応用例>
各実施形態において、保護部材5,5A,5Bの断面は、円形状である。しかしながら、保護部材5の断面が、矩形状又は角丸長方形状等である場合も考えられる。
各実施形態において、保護部材5,5A,5Bの断面は、円形状である。しかしながら、保護部材5の断面が、矩形状又は角丸長方形状等である場合も考えられる。
また、合わせ部4の代わりに、テープ巻きによって保護部材5が筒状に形成されている場合も考えられる。
なお、本発明に係る保護部材及び保護部材製造方法は、各請求項に記載された発明の範囲において、以上に示された各実施形態及び応用例を自由に組み合わせること、或いは各実施形態及び応用例を適宜、変形する又は一部を省略することによって構成されることも可能である。
10 二重不織部材
11 第一不織部材
12 第二不織部材
13 接着部材
5 保護部材
51 外周面
52 内周面
5A 保護部材
5B 保護部材
11 第一不織部材
12 第二不織部材
13 接着部材
5 保護部材
51 外周面
52 内周面
5A 保護部材
5B 保護部材
Claims (4)
- 少なくとも1本の電線を覆い保護する保護部材であって、
不織材料を含むそれぞれ硬さの異なる第一不織部材と第二不織部材とが重ね合わされたシート状の不織部材が、前記第一不織部材が外周面側に、かつ、前記第二不織部材が内周面側に位置するように曲げられることにより筒状に形成されている、保護部材。 - 請求項1に記載の保護部材であって、
前記第一不織部材が、前記第二不織部材よりも柔らかく形成されている、保護部材。 - 請求項1又は請求項2に記載の保護部材であって、
前記第一不織部材及び前記第二不織部材の少なくとも一方が、接着部材を含み、
前記第一不織部材と前記第二不織部材とが、前記接着部材によって接着されている、保護部材。 - ワイヤーハーネスを覆い保護する保護部材の製造方法であって、
不織材料を含むそれぞれ硬さの異なる第一不織部材と第二不織部材とを重ね合わせる工程と、
前記第一不織部材と前記第二不織部材とが重ね合わされたシート状の不織部材を、前記第一不織部材が外周面側に、かつ、前記第二不織部材が内周面側に位置するように曲げることにより、筒状に形成する工程と、を含む保護部材製造方法。
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