JP2016005130A - イメージセンサユニット、画像読取装置および紙葉類識別装置 - Google Patents

イメージセンサユニット、画像読取装置および紙葉類識別装置 Download PDF

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Abstract

【課題】紫外の波長が照射されたときに発光する蛍光画像のコントラストを向上させる。【解決手段】イメージセンサユニットは、蛍光物質が施された紙幣にライン状の光を照射して、反射された光を読み取る。紫外の波長を含む光を発光する第1の光源52aと、第1の光源52aから発光される光のうち可視の波長の光を遮断する可視カットフィルタ70と、棒状に形成され、長手方向における端部に形成された入射面23aから可視カットフィルタ70を透過した光を入射させ紙幣に向かって出射する導光体22と、紙幣からの光を電気信号へと変換するイメージセンサと、を有する。【選択図】図4

Description

本発明は、イメージセンサユニット、画像読取装置および紙葉類識別装置に関する。
紙幣、有価証券などの紙葉類には真贋を判定するために蛍光インクで施された蛍光画像が形成されているものがある。このような紙葉類に紫外の波長の光を照射することで蛍光画像が発光するので、発光された蛍光画像を読み取ることで紙葉類の真贋を判定することができる。特許文献1の紫外線ライン照明装置では、導光体を紫外領域の透過率の高いシクロオレフィン系樹脂によって形成することで、紫外線LED発光ユニットから発光された紫外線を導光体から効率よく原稿に照射できることが開示されている。
特開2009−284373号公報
しかしながら、紫外の波長の光を発光する光源では、紫外の波長以外にも微弱な可視の波長の光を発光する。可視の波長の光が紙葉類に照射されることで、蛍光画像以外の背景画像で、可視の波長の光が反射されてしまう。したがって、蛍光画像のコントラストが低下してしまい、蛍光画像を読み取るのが困難になってしまうという問題がある。
本発明は、上述したような問題点に鑑みてなされたものであり、紫外の波長が照射されたときに発光する蛍光画像のコントラストを向上させることを目的とする。
本発明のイメージセンサユニットは、蛍光物質が施された被照明体にライン状の光を照射して、反射された光を読み取るイメージセンサユニットであって、紫外の波長を含む光を発光する光源と、前記光源から発光される光のうち可視の波長の光を遮断するフィルタ部材と、棒状に形成され、長手方向における端部に形成された入射面から前記フィルタ部材を透過した光を入射させ前記被照明体に向かって出射する導光体と、前記被照明体からの光を電気信号へと変換するイメージセンサと、を有することを特徴とする。
本発明の画像読取装置は、上述したイメージセンサユニットと、前記イメージセンサユニットと前記被照明体とを相対的に移送させる移送部と、を有することを特徴とする。
本発明の紙葉類識別装置は、上述したイメージセンサユニットと、前記被照明体としての紙葉類を移送させる移送部と、前記紙葉類を識別する基準となる基準データを記憶する記憶部と、前記イメージセンサユニットに読み取られた画像情報と、前記記憶部に記憶されている前記基準データとを比較して前記紙葉類を識別する比較部と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、紫外の波長が照射されたときに発光する蛍光画像のコントラストを向上させることができる。
図1は、画像読取装置の要部構成を示す断面図である。 図2は、下側イメージセンサユニットの分解斜視図である。 図3は、下側イメージセンサユニットの一部分解斜視図である。 図4は、図3の拡大斜視図である。 図5は、図4を矢印A方向から見た斜視図である。 図6は、図1のI−I線の断面図である。 図7は、紫外カットフィルタの透過率を示すグラフである。 図8は、可視カットフィルタの透過率を示すグラフである。 図9は、紫外の波長の光を発光するLED、蛍光画像および背景画像の波長分布を示すグラフである。 図10は、図9の縦軸を拡大したグラフである。 図11は、可視カットフィルタを用いない場合の蛍光画像と背景画像の出力比を示すグラフである。 図12は、可視カットフィルタを用いた場合の蛍光画像と背景画像の出力比を示すグラフである。 図13Aは、紫外光源の配置の一例を示す図である。 図13Bは、紫外光源の配置の一例を示す図である。 図13Cは、紫外光源の配置の一例を示す図である。
以下、図面に基づき、本発明に係るイメージセンサユニットおよび画像読取装置の好適な実施形態について説明する。以下の説明においては、三次元の各方向を、X,Y,Zの各矢印で示す。X方向が主走査方向であり、Y方向が主走査方向に直角な副走査方向であり、Z方向が垂直方向(上下方向)である。
(第1の実施形態)
本実施形態の画像読取装置100は、紙幣、有価証券などの紙葉類の真贋判定を行う紙葉類識別装置として機能する。
図1は、本実施形態に係るイメージセンサユニット部10を備えた画像読取装置100の要部構成を示している。ここで先ず、これらの全体構成について概略を説明する。本実施形態では、被照明体として典型的には紙幣Sとする。なお、紙幣Sに限らず、その他の対象物に対しても本発明は適用可能である。
画像読取装置100の所定部には、紙幣Sの搬送方向Fに、対をなして紙幣Sを挟みながら搬送するための移送部としての搬送ローラ101A、101Bと搬送ローラ102A、102Bとが所定の間隔をおいて配置される。これらの搬送ローラ101A、101Bおよび102A、102Bは駆動機構により回転駆動されるようになっており、紙幣Sは所定の搬送速度でイメージセンサユニット部10に対して搬送方向Fに相対的に移送される。
イメージセンサユニット部10は、搬送ローラ101A、101Bと搬送ローラ102A、102Bとの間に、紙幣Sが通過可能な搬送路を構成するように間隙を備えて配置されており、搬送される紙幣Sの画像を読み取る。イメージセンサユニット部10は、紙幣Sの搬送路を挟んで、下側に第一のイメージセンサユニットとして下側イメージセンサユニット10Aと、上側に第二のイメージセンサユニットとして上側イメージセンサユニット10Bとが配置されている。本実施形態では、下側イメージセンサユニット10Aおよび上側イメージセンサユニット10Bは、図1に示す読取位置O1に対して対称な同一構成である。下側イメージセンサユニット10Aおよび上側イメージセンサユニット10Bは、それぞれ紙幣Sに反射式読み取り用の光を照射したり、透過式読み取り用の光を照射したりする。したがって、本実施形態では、下側イメージセンサユニット10Aおよび上側イメージセンサユニット10Bにより、紙幣Sの表裏両面を一回の搬送で読み取ることを可能とする。
比較部103は下側イメージセンサユニット10Aおよび上側イメージセンサユニット10Bにより読み取られた画像情報を取得する。また、比較部103は記憶部104に記憶されている基準データを読み出し、取得した画像情報と比較して、紙幣Sの真贋を識別する。
次に、下側イメージセンサユニット10Aおよび上側イメージセンサユニット10Bの構成について説明する。下側イメージセンサユニット10Aおよび上側イメージセンサユニット10Bは同一構成であるので、ここでは下側イメージセンサユニット10Aを取り上げて説明する。図2は下側イメージセンサユニット10Aの分解斜視図である。図3は図2に示す下側イメージセンサユニット10Aの一部の長手方向における一方側および他方側を拡大した斜視図である。図4は、下側イメージセンサユニット10Aのうち、後述する第1の導光部の長手方向における一方側を拡大した斜視図である。図5は、図4を矢印A方向から見た斜視図である。下側イメージセンサユニット10Aは概して長方体に形成され、その長手方向が主走査方向となり、これに直交する副走査方向は紙幣Sの搬送方向Fとなる。
下側イメージセンサユニット10Aは、カバーガラス13、フレーム14、導光ユニット20、集光体38、センサ基板40、イメージセンサ45、光源ユニット50、可視カットフィルタ70などを備えている。これらの構成部材のうち、導光ユニット20、光源ユニット50および可視カットフィルタ70は照明装置として機能する。また、上述した構成部材のうち、カバーガラス13、フレーム14、導光ユニット20、センサ基板40およびイメージセンサ45は、読み取る紙幣Sの主走査方向の幅寸法に応じた長さに形成される。
カバーガラス13はフレーム14内に塵が侵入するのを防止するものである。カバーガラス13は略平板状であって、フレーム14を上側から覆うように、例えば両面テープなどを用いて固定される。なお、カバーガラス13はガラスに限られず、例えばアクリルやポリカーボネートなどの透明な樹脂材料が適用できる。
フレーム14は、下側イメージセンサユニット10Aの各構成部材を収容する収容部材である。フレーム14は、主走査方向に長い略直方体であり、内部には各構成部材を位置決めして支持できるように形成される。図1に示すように、フレーム14の略中央には、集光体38を収容する集光体収容部15が主走査方向に形成される。また、フレーム14には集光体収容部15を挟んだ両側に導光ユニット20を収容する導光収容部16が形成される。また、フレーム14の下面には、センサ基板40を配置するための基板収容部17が主走査方向に亘ってフレーム14の外側から凹状に形成される。フレーム14には、例えばポリカーボネートなどの樹脂材料が適用できる。
導光ユニット20は、第1の導光部21aと、第2の導光部21bとを有している。
第1の導光部21aおよび第2の導光部21bは、図1に示す集光体38の光軸Z1を中心に線対称な同一の構成であり、ここでは第1の導光部21aについて説明する。
図3に示すように、第1の導光部21aは導光体22と導光体保持部材26とを有している。導光体22は、光源ユニット50からの光を紙幣Sに出射する。導光体22は、主走査方向に長い棒状に形成され、紫外の波長の光に対して透過率が高い、例えばシクロオレフィン系の透明な樹脂材料が適用できる。導光体22は、長手方向における一方側の端部に入射面23aが形成され、他方側の端部に入射面23bが形成される。入射面23a、23bは、主走査方向に対して直交し、光源ユニット50からの光が入射される。
また、導光体22には、紙幣Sと対面する面に導光体22内に入射された光を紙幣Sに向かって出射させる出射面24が形成される。また、導光体22は、出射面24以外の主走査方向に沿った面が入射面23a、23bから入射された光を反射させて導光体22の長手方向に伝搬させる反射面として機能する。
導光体保持部材26は導光体22を保持する。導光体保持部材26は、主走査方向に沿って導光体22と略同一の長さに形成される。図1に示すように、導光体保持部材26は、集光体38が配置される側を開口した断面略C字状に形成される。
導光体保持部材26は、導光体22の出射面24の一部を上側から覆うことにより、紙幣Sに出射させる光の方向を規制する。また、導光体保持部材26の内周面は、導光体22に入射された光を導光体22の出射面24側に反射させる反射面として機能する。導光体保持部材26は、紫外の波長の光を効率よく反射するように、例えば硫酸バリウムを含む樹脂材料が適用できる。
図3に示すように、第1の導光部21aの導光体保持部材26の長手方向における両側の端部の上側には板状の庇部27が一体で形成され、長手方向における他方側の端部の下側には位置合わせ部28が一体で形成される。庇部27は、導光体22の入射面23a、23bと、光源ユニット50との間から光源ユニット50からの光が漏れないように遮蔽する。位置合わせ部28は、光源ユニット50側に向かって突出する突起で、例えば複数(2つ)の円柱状の突起29が形成される。位置合わせ部28は、後述する第1の回路基板60aの被位置合わせ部65に係合されることで、導光体保持部材26を介して導光体22と光源ユニット50とが位置決めされる。
なお、第2の導光部21bは、第1の導光部21aを水平方向に180°回転させたものであり、第1の導光部21aと同一の構成である。したがって、第2の導光部21bの導光体保持部材26の長手方向における両側の端部には庇部27が形成され、一方側の端部には位置合わせ部28が形成される(図5を参照)。
また、第1の導光部21aの導光体22および第2の導光部21bの導光体22は、フレーム14内で副走査方向に並列して配置される。
図1および図2に戻り、集光体38は、紙幣Sからの反射光および紙幣Sからの透過光をイメージセンサ45上に結像する光学部材である。集光体38は、例えば複数の正立等倍結像型の結像素子(ロッドレンズ)が主走査方向に直線状に配列されるロッドレンズアレイが適用できる。なお、集光体38は、イメージセンサ45上に結像できればよく、上述した構成に限定されない。集光体38には各種マイクロレンズアレイなど、従来公知の各種集光機能を有する光学部材が適用できる。
図1に示すように、本実施形態の集光体38の下面には、紫外の波長の光を遮断する、第2のフィルタ部材としての紫外カットフィルタ39が主走査方向に亘って配置されている。
図7は、各波長に対する紫外カットフィルタの透過率を示すグラフである。図7に示すように紫外カットフィルタ39は、略420nm以下の波長の透過率が0になるように設計されている。したがって、紫外カットフィルタ39は、紙幣Sからの反射光および紙幣Sからの透過光のうち紫外の波長の光をカットすることができ、紫外の波長の光がイメージセンサ45に結像されることを防止する。
なお、紫外カットフィルタ39は、集光体38の下面に限られず、集光体38の上面に配置することができる。また、集光体38の上面または下面の何れかに蒸着膜を施すことで、紫外カットフィルタ39を形成してもよい。
図2に示すように、センサ基板40は、主走査方向に長い平板状に形成される。センサ基板40の実装面41は、上下方向に対して直交する。センサ基板40の実装面41上には、光源ユニット50を発光させたり、イメージセンサ45を駆動させたりするための駆動回路などが実装される。また、センサ基板40の長手方向における一方側の端部には第1の回路基板60aが挿入される接続孔42aが形成され、他方側の端部には第2の回路基板60bが挿入される接続孔42bが形成される。接続孔42a、42bは副走査方向に長い長孔状である。
イメージセンサ45は、センサ基板40に実装され、集光体38の下側に配置される。イメージセンサ45は、下側イメージセンサユニット10Aの読み取りの解像度に応じた複数の光電変換素子から構成されるイメージセンサIC46の所定数を実装面41上に主走査方向に直線状に配列して実装される。イメージセンサ45は、紙幣Sからの反射光および透過光が集光体38によって結像された光を受光して電気信号に変換する。なお、イメージセンサ45は、紙幣Sからの反射光および透過光を電気信号に変換できるものであればよく、上述した構成に限定されない。イメージセンサIC46には、従来公知の各種イメージセンサICが適用できる。
光源ユニット50は、光を発光することで導光ユニット20を介して紙幣Sに光を出射する。光源ユニット50は、導光ユニット20の長手方向における一方側の端部に配置される第1の光源部51aと他方側の端部に配置される第2の光源部51bを有している。
図4に示すように、第1の光源部51aは、第1の回路基板60aの同一の実装面61に実装される複数の光源52(52a、52b)を有している。光源52には、表面に発光素子としてのLEDチップが実装され、裏面に電極が形成された、いわゆるトップビュータイプの表面実装型のLEDパッケージが適用できる。表面実装型のLEDパッケージは汎用されているために、下側イメージセンサユニット10Aに適用することでコストを削減することができる。
複数の光源52(52a、52b)は発光面を主走査方向に指向させた状態で、副走査方向に沿って並列して実装される。
第1の光源部51aは、第1の導光部21aの導光体22の入射面23aに対面して配置される第1の光源52aと、第2の導光部21bの導光体22の入射面23aに対面して配置される第2の光源52bとを有する。
第1の光源52aは、LEDチップ54uvが透明樹脂によって封止された状態で配置されている。LEDチップ54uvは主に紫外(以下、UVともいう)の波長の光を発光する。
第2の光源52bは、複数(例えば4つ)のLEDチップ54r、54g、54b、54irが透明樹脂によって封止された状態で配置されている。LEDチップ54r、54g、54bは可視の波長の光として、それぞれ赤、緑、青(以下、RGBともいう)の波長の光を発光する。また、LEDチップ54irは主に赤外(以下、IRともいう)の波長の光を発光する。
第1の回路基板60aは、平板状に形成され、上側が複数の光源52が実装される実装部62であり、下側が上述したセンサ基板40の接続孔42aに接続される接続部63である。実装部62には、予め複数の光源52を所定の位置に半田付けなどによって実装される。接続部63には、センサ基板40と各光源52とを電気的に接続するための回路パターンが形成される。また、接続部63には、被位置合わせ部65が形成される。被位置合わせ部65は、挿入孔66aと切欠き部66bとを有している。
第2の光源部51bは、第1の光源部51aを水平方向に180°回転させたものであり、第1の光源部51aと同一の構成である。したがって、第2の光源部51bには、第1の光源部51aと同一符号を付して、その説明を適宜省略する。
図3に示すように、第2の光源部51bは、第1の導光部21aの導光体22の入射面23bに対面して配置される第3の光源53aと、第2の導光部21bの導光体22の入射面23bに対面して配置される第4の光源53bとを有する。
第3の光源53aは、上述した第2の光源52bと同様にLEDチップ54r、54g、54b、54irが配置され、赤、緑、青および赤外の波長の光を発光する。
第4の光源53bは、上述した第1の光源52aと同様にLEDチップ54uvが配置され、紫外の波長の光を発光する。
図3に示すように、第2の回路基板60bは、上側が複数の光源53が実装される実装部62であり、下側が上述したセンサ基板40の接続孔42bに接続される接続部63である。接続部63には、第1の回路基板60aと同様に、回路パターンや、被位置合わせ部65が形成される。
したがって、第1の導光部21aの長手方向における一方側の入射面23aに対面して配置される第1の光源52aから紫外の波長の光が入射され、他方側の入射面23bに対面して配置される第3の光源53aから赤、緑、青および赤外の波長の光が入射される。
一方、第2の導光部21bの長手方向における一方端の入射面23aに対面して配置される第2の光源52bから赤、緑、青および赤外の波長の光が入射され、他方端の入射面23bに対面して配置される第4の光源53bから紫外の波長の光が入射される。
第1の導光部21aおよび第2の導光部21bに入射された光はそれぞれ導光体22の出射面24から出射され、紙幣Sに照射される。
ここで、第1の光源52aおよび第4の光源53bのLEDチップ54uvは、紫外の波長以外にも微弱な可視の波長の光を発光する。そのため、紫外の波長ではない可視の波長の光が紙幣Sには照射されることで、紙幣Sの背景画像で可視の波長の光が反射されてしまい、蛍光画像のコントラストが低下してしまう。そこで、本実施形態の下側イメージセンサユニット10Aは、第1の光源52aおよび第4の光源53bから発光される紫外の波長を含む光のうち可視の波長の光をカットする、フィルタ部材としての可視カットフィルタ70を備えている。なお、蛍光画像とは蛍光インクなどの蛍光物質によって施された画像、文字をいい、背景画像とは蛍光画像以外の部分をいうものとする。
ここで、第1の光源52aに近接して配置された可視カットフィルタ70について説明する。なお、第4の光源53bに近接して配置された可視カットフィルタ70も同様の構成である。
可視カットフィルタ70は、第1の光源52aと、第1の導光部21aの導光体22の入射面23aとの間に配置される。したがって、可視カットフィルタ70は、第1の光源52aから発光される光のうち可視の波長の光の透過を遮断する。すなわち、第1の導光部21aの導光体22の入射面23aから紫外の波長の光が入射されるので、紙幣Sには可視の波長の光を除いた紫外の波長の光が照射される。
図4に示すように、可視カットフィルタ70は、略直方体に形成される。可視カットフィルタ70は、例えばカットする波長帯域が異なるガラスを複数、積層させることで所望する可視の波長の光をカットすることができる。可視カットフィルタ70には、例えばシグマ光機株式会社製の紫外透過可視吸収フィルタを用いることができる。また、可視カットフィルタ70は紫外の波長の光を透過させ、可視の波長の光をカットすればよく、例えばガラスに紫外域透過性染料などを塗布してもよい。紫外域透過性染料には、オリエント化学工業株式会社の紫外域透過性染料SOC−L−0123を用いることができる。
図8は、各波長に対する可視カットフィルタの透過率を示すグラフである。図8に示すように、本実施形態の可視カットフィルタ70は、略400nm以上の波長の透過率が0になるように設計されている。なお、略670nm以上の波長で透過率が0よりも大きくなっているのは、第1の光源52aから略670nm以上の波長の光はほぼ発光されておらず、カットする必要がないためである。
可視カットフィルタ70は、第1の光源52aと、第1の導光部21aの導光体22の入射面23aとの間に精度よく配置されるように保持部材72に保持される。
図4に示すように、保持部材72は、主走査方向から見て上側が開口した略U字状に形成される。保持部材72の導光体22側には、可視カットフィルタ70の外周と嵌合するフィルタ位置決め部73が凹状に形成される。一方、保持部材72の光源側には、第1の光源52aの外周と嵌合する光源位置決め部74が凹状に形成される。また、保持部材72の下側には位置合わせ部75が一体で形成される。位置合わせ部75は、光源に向かって突出する突起で、例えば複数(2つ)の円柱状の突起76が形成される。各突起76は、第1の回路基板60aの挿入孔66aと切欠き部66bに係合される。したがって、第1の光源52aと可視カットフィルタ70との間は保持部材72および第1の回路基板60aを介して位置決めされる。また、保持部材72の上側の開口は、副走査方向における開口幅が、導光体保持部材26の庇部27の副走査方向の長さと略同一に形成される。したがって、保持部材72の開口に庇部27を下側から嵌め込むことで、導光体22と可視カットフィルタ70との間は保持部材72および導光体保持部材26を介して位置決めされる。このように、可視カットフィルタ70が位置決めされることで、可視カットフィルタ70のフィルタ面を第1の光源52aからの光に対して直交するように配置することができる。
なお、第4の光源53bに近接して配置される可視カットフィルタ70についても同様であり、その説明を省略する。
次に、上述したように構成されるイメージセンサユニット部10の組み立て方法について説明する。下側イメージセンサユニット10Aおよび上側イメージセンサユニット10Bは同一の構成であり、ここでは下側イメージセンサユニット10Aについて説明する。
まず、第1の回路基板60aおよび第2の回路基板60bには、予め複数の光源52を所定の位置に実装する。また、センサ基板40には、予めイメージセンサ45、駆動回路などを所定の位置に実装する。
次に、導光体22を導光体保持部材26に保持させて、第1の導光部21aおよび第2の導光部21bを構成する。
次に、図5に示すように、第1の導光部21aと第2の導光部21bとを互いに対面させた状態で維持する。この状態から、各導光体保持部材26の位置合わせ部28を、第1の回路基板60aの被位置合わせ部65および第2の回路基板60bの被位置合わせ部65に係合させて位置決めする。
このとき、可視カットフィルタ70を、第1の導光部21aの導光体22と第1の光源52aとの間、および、第2の導光部21bの導光体22と第4の光源53bとの間に位置決めする。
具体的には、保持部材72に可視カットフィルタ70および第1の光源52aを保持させ、保持部材72の位置合わせ部75を第1の回路基板60aの被位置合わせ部65に係合させると共に、保持部材72の上側の開口を導光体保持部材26の庇部27に嵌め込むことで、位置決めする。
同様に、保持部材72に可視カットフィルタ70および第4の光源53bを保持させ、保持部材72の位置合わせ部75を第2の回路基板60bの被位置合わせ部65に係合させると共に、保持部材72の上側の開口を導光体保持部材26の庇部27に嵌め込むことで位置決めする。
次に、集光体38をフレーム14の上側から集光体収容部15に収容する。更に、第1の回路基板60a、第2の回路基板60bおよび可視カットフィルタ70が位置決めされた、第1の導光部21aおよび第2の導光部21bをフレーム14の上側から導光収容部16に収容する。その後、カバーガラス13をフレーム14の上側から覆うように、フレーム14の上面に固定する。
次に、カバーガラス13が下面になるようにフレーム14を上下反転させた後、上下反転させたセンサ基板40を基板収容部17に収容する。このとき、センサ基板40の長手方向における一方側の接続孔42aにフレーム14から突出されている第1の回路基板60aの接続部63を挿入する。また、センサ基板40の長手方向における他方側の接続孔42bにフレーム14から突出されている第2の回路基板60bの接続部63を挿入する。したがって、第1の回路基板60aおよび第2の回路基板60bがセンサ基板40の長手方向の端部に接続される。
その後、接続孔42a、42bからセンサ基板40の裏面に露出された第1の回路基板60aの接続部63、第2の回路基板60bの接続部63を、センサ基板40にそれぞれ半田付けする。次に、基板収容部17に収容されたセンサ基板40を、例えば熱かしめにより基板収容部17内に固定することで、下側イメージセンサユニット10Aが製造される。同様に、上側イメージセンサユニット10Bについても製造することで、イメージセンサユニット部10を製造することができる。
図6は、図1に示すI−I線の断面図のうち、長手方向における一方側を示している。
図6に示すように、可視カットフィルタ70は、保持部材72によって保持され、第1の光源52aと、第1の導光部21aの導光体22の入射面23aとの間に精度よく位置決めされる。
次に、上述したように構成されるイメージセンサユニット部10の動作について説明する。下側イメージセンサユニット10Aは、搬送ローラ101A、101Bおよび102A、102Bにより搬送方向Fに搬送される紙幣Sに対し、第1の光源52a、第4の光源53bのLEDチップ54uvおよび第2の光源52b、第3の光源53aのLEDチップ54r、54g、54b、54irをそれぞれ順次、発光させる。
ここで、第1の光源52aおよび第4の光源53bのLEDチップ54uvから発光された波長(例えば、365nmをピークとする350nm〜600nm)の光のうち微弱な可視の波長(例えば、400nm〜600nm)の光は可視カットフィルタ70によってカットされる。したがって、第1の導光部21aの導光体22の入射面23aおよび第2の導光部21bの導光体22の入射面23bから紫外の波長(例えば、350nm〜400nm)の光のみが各導光体22内に入射する。
一方、第2の光源52bおよび第3の光源53aのLEDチップ54r、54g、54b、54irから発光された光は、カットされることなく各導光体22内に入射する。
入射した光は第1の導光部21aおよび第2の導光部21bの各導光体22の出射面24から、図1において代表的に示される矢印L1のように紙幣Sの読取位置O1を指向するように出射される。出射された光は集光体38を挟んだ2方向から紙幣Sの一方の面(下面)に対して、主走査方向に亘ってライン状に均一に照射される。
紙幣Sに照射された光が紙幣Sの下面によって反射されることで反射光として、集光体38を介してイメージセンサ45上に結像される。結像された光は、イメージセンサ45により電気信号に変換された後、図示しない信号処理部において処理される。
ここで、紙幣Sに蛍光画像が形成されている場合、照射された紫外の波長の光によって蛍光画像が可視の波長(例えば、450nm〜700nmであり500nm〜650nmが中心)の光、すなわち蛍光を発光するために、蛍光が集光体38を介してイメージセンサ45上に結像される。結像された蛍光は、イメージセンサ45により画像として読み取られる。
本実施形態では、可視カットフィルタ70を有することにより、第1の光源52aおよび第4の光源53bから発光される紫外の波長を含む光のうち可視の波長の光がカットされた光が紙幣Sに照射される。したがって、紫外の波長の光を紙幣Sに照射されるときに、可視の波長の光が紙幣Sに照射されないようにすることで、背景画像で可視の波長の光が反射されてしまうことを防止することができる。すなわち、背景画像からの反射を抑制させることで、蛍光画像のコントラストを向上させることができ、紙幣Sに形成された蛍光画像を鮮明に読み取ることができる。
なお、集光体38の下面には紫外カットフィルタ39が配置されていることから、紙幣Sにより反射された紫外の波長の光は、集光体38からイメージセンサ45に向かって出射されるときにカットされる。したがって、紙幣Sにより反射された紫外の波長の光が、イメージセンサ45上に結像されるのを防止することができるので、さらに蛍光画像を鮮明に読み取ることができる。
このようにしてRGB、IR、UV全ての反射光を1走査ライン分読み取ることで、紙幣Sの主走査方向における1走査ラインの読取動作を完了する。1走査ラインの読取動作終了後、紙幣Sの副走査方向への移動に伴い、上述と同様に次の1走査ライン分の読取動作が行われる。このように紙幣Sを搬送方向Fに搬送しながら1走査ライン分ずつ読取動作を繰り返すことで、紙幣Sの全面が順次走査されて反射光による画像情報の読み取りが実施される。下側イメージセンサユニット10Aは読み取った画像情報を比較部103に送信し、比較部103は基準データと、取得した画像情報と比較して、紙幣Sの真贋を識別する。このとき、下側イメージセンサユニット10Aは、読み取った画像情報には鮮明に読み取られた蛍光画像が含まれていることから、紙幣Sの真贋の識別の精度を向上させることができる。
なお、上側イメージセンサユニット10Bにおいても、下側イメージセンサユニット10Aと異なるタイミングで、紙幣Sの他方の面(上面)に対して、主走査方向に亘ってライン状に均一に照射される。したがって、下側イメージセンサユニット10Aは、上側イメージセンサユニット10Bから紙幣Sに照射された光が紙幣Sを透過されることで透過光として、集光体38を介してイメージセンサ45上に結像される。結像された光は、イメージセンサ45により電気信号に変換された後、図示しない信号処理部において処理される。同様に、下側イメージセンサユニット10Aは読み取った画像情報を比較部103に送信することができる。
なお、上側イメージセンサユニット10Bの画像読取部11についても他方の面(上面)に対して同様に実施される。
次に、可視カットフィルタ70を用いる場合と用いない場合との蛍光画像のコントラストの相違について、日本国の1万円札の紙幣Sで測定またはシミュレーションした場合について図9〜図12のグラフを参照して説明する。
まず、図9および図10を参照して、LEDチップ54uvの波長分布および紙幣Sの蛍光画像および背景画像の反射光の波長分布を測定した結果について説明する。図10は、図9の縦軸を拡大した図である。
図9および図10に示す破線は、LEDチップ54uvが発光する光の波長分布である。また、図9および図10に示す実線および一点鎖線は、LEDチップ54uvから導光体22を介して紙幣Sに照射されて反射された背景画像および蛍光画像の波長分布である。縦軸は、LEDチップ54uvが発光する光量を1としたときの出力比である。なお、図9および図10は、可視カットフィルタ70および紫外カットフィルタ39を用いていないときのグラフである。
図10の破線で示すように、LEDチップ54uvからは紫外の波長以外に微弱な可視の波長の光も発光している。したがって、可視の波長の光が、紙幣Sの背景画像に反射されることで、図10の実線で示すように背景画像の波長分布が、蛍光画像の波長分布と重複してしまう。そのため、蛍光画像のコントラストが低下してしまう。
次に、可視カットフィルタ70を用いない場合と用いた場合との蛍光画像のコントラストの相違について図11および図12を参照して、説明する。
まず、図11は、可視カットフィルタ70を用いない場合の蛍光画像および背景画像の出力(イメージセンサ45が受光して変換した出力)を測定した結果を示すグラフである。図12は、可視カットフィルタ70を用いた場合の蛍光画像および背景画像の出力をシミュレーションしたグラフである。
なお、図11および図12では、集光体38に紫外カットフィルタ39を配置したので、背景画像および蛍光画像では、紫外の波長の光は出力されない。
図11では、可視カットフィルタ70を用いていないため、背景画像が高く出力されてしまう。その結果、蛍光画像と背景画像との間の出力差が生じにくく、蛍光画像のコントラストが低下している。
一方、図12では、可視カットフィルタ70を用いているため、背景画像が低く出力される。その結果、蛍光画像と背景画像との間の出力差が大きくなり、蛍光画像のコントラストが向上している。
このように、本実施形態によれば、第1の光源52aおよび第4の光源53bから発光される光のうち可視の波長の光をカットする可視カットフィルタ70を有することから、紙幣Sには可視の波長の光を除いた紫外の波長の光が照射される。したがって、背景画像において可視の波長の光が反射されることを抑制できる分、紫外の波長の光によって蛍光を発光した蛍光画像を鮮明に読み取ることができる。すなわち、紫外の波長が照射されたときに発光する蛍光画像のコントラストを向上させることができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されず、その要旨の範囲内で種々の変形および変更が可能である。
上述した実施形態では、紫外の波長の光を発光する光源(以下、紫外光源)を、第1の導光部21aの長手方向における一方側および第2の導光部21bの長手方向における他方側に配置する場合について説明したが、この場合に限られない。例えば、紫外光源を図13A〜図13Cに示すように配置してもよい。
図13A〜図13Cは、上側から見たイメージセンサユニットの模式図である。図13A〜図13Cでは、上述した実施形態と同様な構成に同一符号を付している。
図13Aに示すイメージセンサユニット90は、紫外光源80を第1の導光部21aおよび第2の導光部21bの長手方向におけるそれぞれ両端に配置している。また、紫外光源80に対面させて、可視カットフィルタ70をそれぞれ配置している。したがって、イメージセンサユニット90の第1の導光部21aおよび第2の導光部21bは、可視の波長の光がカットされた紫外の波長の光を紙幣Sに照射する。
図13Bに示すイメージセンサユニット91は、可視光源81を第1の導光部21aの長手方向における両端に配置し、紫外光源80を第2の導光部21bの長手方向における両端に配置している。また、紫外光源80に対面させて、可視カットフィルタ70をそれぞれ配置している。したがって、イメージセンサユニット91の第2の導光部21bは、可視の波長の光がカットされた紫外の波長の光を紙幣Sに照射する。
図13Cに示すイメージセンサユニット92は、紫外光源80を第1の導光部21aおよび第2の導光部21bの長手方向における一方側に配置し、可視光源81を第1の導光部21aおよび第2の導光部21bの長手方向における他方側に配置している。また、紫外光源80に対面させて、可視カットフィルタ70をそれぞれ配置している。したがって、イメージセンサユニット92の第1の導光部21aおよび第2の導光部21bは、可視の波長の光がカットされた紫外の波長の光を紙幣Sに照射する。
また、上述した実施形態では、導光ユニット20が第1の導光部21aと、第2の導光部21bとを有する場合について説明したが、この場合に限られず、一つの導光部のみであってもよく、3つ以上の導光部を有してもよい。
また、上述した実施形態では、第1の導光部21aおよび第2の導光部21bの長手方向における両端に光源を配置する場合について説明したが、この場合に限られず、一方側または他方側のみに光源を配置してもよい。
また、上述した実施形態では、第1の導光部21aおよび第2の導光部21bは、導光体22と導光体保持部材26とを有する場合について説明したが、この場合に限られず、導光体保持部材26を省略し、導光体22のみで構成してもよい。
また、上述した実施形態では、イメージセンサユニット部10は下側イメージセンサユニット10Aと、上側イメージセンサユニット10Bとを有する場合について説明したが、この場合に限られず、下側イメージセンサユニット10Aまたは上側イメージセンサユニット10Bのみで構成してもよい。
10:イメージセンサユニット部 10A:下側イメージセンサユニット 10B:上側イメージセンサユニット 14:フレーム 22:導光体 23a、23b:入射面 26:導光体保持部材 38:集光体 39:紫外カットフィルタ(第2のフィルタ部材) 40:センサ基板 45:イメージセンサ 52、53:光源 54r、54g、54b、54ir、54uv:LEDチップ 101A、101B、102A、102B:搬送ローラ(移送部) 103:比較部 104:記憶部 100:画像読取装置(紙葉類識別装置)

Claims (6)

  1. 蛍光物質が施された被照明体にライン状の光を照射して、反射された光を読み取るイメージセンサユニットであって、
    紫外の波長を含む光を発光する光源と、
    前記光源から発光される光のうち可視の波長の光を遮断するフィルタ部材と、
    棒状に形成され、長手方向における端部に形成された入射面から前記フィルタ部材を透過した光を入射させ前記被照明体に向かって出射する導光体と、
    前記被照明体からの光を電気信号へと変換するイメージセンサと、を有することを特徴とするイメージセンサユニット。
  2. 前記フィルタ部材を保持する保持部材を有し、
    前記保持部材は、前記フィルタ部材を前記光源および前記導光体に対して位置決めすることを特徴とする請求項1に記載のイメージセンサユニット。
  3. 前記被照明体からの光を前記イメージセンサに結像する集光体を有し、
    前記集光体は、前記被照明体からの光のうち紫外の波長の光を遮断する第2のフィルタ部材を有することを特徴とする請求項1または2に記載のイメージセンサユニット。
  4. 前記導光体に入射された光を出射面側に反射させる反射面を有する導光体保持部材を備え、
    前記導光体保持部材は、硫酸バリウムを含む樹脂からなることを特徴とする請求項1ないし3の何れか1項に記載のイメージセンサユニット。
  5. 請求項1ないし4の何れか1項に記載のイメージセンサユニットと、
    前記イメージセンサユニットと前記被照明体とを相対的に移送させる移送部と、を有することを特徴とする画像読取装置。
  6. 請求項1ないし4の何れか1項に記載のイメージセンサユニットと、
    前記被照明体としての紙葉類を移送させる移送部と、
    前記紙葉類を識別する基準となる基準データを記憶する記憶部と、
    前記イメージセンサユニットに読み取られた画像情報と、前記記憶部に記憶されている前記基準データとを比較して前記紙葉類を識別する比較部と、を有することを特徴とする紙葉類識別装置。
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