JP2016004855A - 圧電素子、液体噴射ヘッド、液体噴射装置及び超音波測定装置 - Google Patents

圧電素子、液体噴射ヘッド、液体噴射装置及び超音波測定装置 Download PDF

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Abstract

【課題】変位特性の向上を図ることができ、かつ信頼性にも優れた圧電素子を提供する。【解決手段】基板10に、第1電極60、圧電体層70及び第2電極80が積層された圧電素子300であって、圧電体層70は、ビスマス、鉄、バリウム、チタン、ナトリウムを含むペロブスカイト構造の複合酸化物からなり、かつ(100)面に優先配向しており、ナトリウムの含有量は、構成金属元素の総量に対して1.25モル%以上13.75モル%以下であり、バリウムの含有量は、構成金属元素の総量に対して5.0モル%以上15.0モル%以下である。【選択図】図2

Description

本発明は、圧電素子、液体噴射ヘッド、液体噴射装置及び超音波測定装置に関する。
従来より、圧電素子は、電気的機械変換機能を呈する圧電体層を2つの電極で挟んだ構成を有している。圧電素子は、例えば撓みモードのアクチュエーター装置として液体噴射ヘッドや液体噴射装置に搭載されるのみならず、超音波測定装置や各種のモーター、センサー及びメモリー装置等にも広く用いられている。
圧電体層を構成する圧電材料には、代表例としてチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)が知られているが、環境負荷低減の観点から、鉛の含有量を抑えた非鉛系の圧電材料の開発が進められている。このような圧電材料として、鉄酸ビスマス、チタン酸ビスマスカリウム及びマンガン酸ビスマスを固溶させた酸化物が提案されている(例えば特許文献1参照。)。
特開2011−066382号公報
しかしながら、このような圧電素子では、いまだチタン酸ジルコン酸鉛(PZT)を凌駕する程の変位特性が得られていないのが現状である。また、駆動信頼性の確保から、圧電体層の膜質向上やリーク電流の低減等も求められている状況があり、変位特性の向上を図ることができ、かつ信頼性にも優れた圧電素子をいかにして提供するかは解決が待たれる課題であった。尚、このような問題は、液体噴射ヘッドや液体噴射装置に用いられる圧電素子だけではなく、他の装置、例えば超音波測定装置に搭載される圧電素子にも同様に存在する。
本発明はこのような事情に鑑み、変位特性の向上を図ることができ、かつ信頼性にも優れた圧電素子、液体噴射ヘッド、液体噴射装置及び超音波測定装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決する本発明の態様は、基板に、第1電極、圧電体層及び第2電極が積層された圧電素子であって、前記圧電体層は、ビスマス、鉄、バリウム、チタン、ナトリウムを含むペロブスカイト構造の複合酸化物からなり、かつ(100)面に優先配向しており、前記ナトリウムの含有量は、構成金属元素の総量に対して1.25モル%以上13.75モル%以下であり、前記バリウムの含有量は、構成金属元素の総量に対して5.0モル%以上15.0モル%以下であることを特徴とする圧電素子にある。
かかる態様によれば、圧電体層が上記の構成金属元素を含むペロブスカイト構造の複合酸化物からなり、かつ(100)面に優先配向しており、更に、ナトリウム及びバリウムの含有量が構成金属元素の総量に対して所定範囲内の値とされるので、例えば外部の電場に応じた方向に分極軸の角度が変化して電気的機械変換機能が発揮されるエンジニアード・ドメイン構造による変位特性の向上を図ることができる圧電素子となる。その上、信頼性の向上を図ることができ、鉛の含有量を抑えて環境への負荷も低減できる。
また、前記圧電体層は、前記ペロブスカイト構造のAサイトに前記ビスマス、前記バリウム及び前記ナトリウムを含み、前記ペロブスカイト構造のBサイトに前記鉄及び前記チタンを含む複合酸化物からなることが好ましい。これによれば、圧電体層が、ペロブスカイト構造のAサイト及びBサイトに所定の構成金属元素を含む複合酸化物からなるので、ペロブスカイト構造のAサイトに位置する元素(例えばナトリウム)の含有量が所定の範囲とされることに対するペロブスカイト構造の電荷中性のバランスを取りやすくなり、その結果、リーク電流を防止しやすくなる。よって、変位特性の向上を図ることができ、信頼性により優れたものとなる。
また、前記圧電体層は、下記の一般式(1)で表されること、又は、鉄酸ビスマス(BiFeO)、チタン酸バリウム(BaTiO)及びチタン酸ビスマスナトリウム(Bi0.5,Na0.5)TiO)からなる混晶として下記の一般式(2)で表されることが好ましい。
(Bi1−x−0.5yBaNa0.5y)(Fe1−x−yTix+y)O ・・・(1)
(1−x−y)[BiFeO]−x[BaTiO]−(y)[(Bi0.5Na0.5)TiO] ・・・(2)
これによれば、ペロブスカイト構造のAサイトのビスマスの一部がナトリウムによって置換されることによる電荷の低減に対し、例えばペロブスカイト構造のBサイトにおけるチタンの割合が増加することで、電荷中性のバランスを取りやすくなり、その結果、リーク電流をより防止しやすくなる。変位特性の向上を図ることができ、信頼性に更に優れたものとなる。
また、前記ナトリウムの含有量は、構成金属元素の総量に対して6.25モル%以上8.75モル%以下であることが好ましい。これによれば、ペロブスカイト構造のAサイトにおけるナトリウムの含有量が好適なものとされるので、変位特性の向上を更に図ることができ、信頼性に更に優れたものとなる。
また、前記圧電体層は、ペロブスカイト構造のBサイトに、前記鉄に対して10モル%以下のマンガンを更に含む複合酸化物からなることが好ましい。これによれば、リーク電流を抑制でき、信頼性に更に優れたものとなる。
上記の課題を解決する本発明の更に他の態様は、上記の何れか1つに記載の圧電素子を具備することを特徴とする液体噴射ヘッドにある。かかる態様によれば、変位特性の向上を図ることができ、かつ信頼性にも優れたものとなるため、優れた噴射特性を確保できる液体噴射ヘッドとなる。その上、鉛の含有量を抑えて環境への負荷も低減できる。
上記の課題を解決する本発明の更に他の態様は、上記の液体噴射ヘッドを具備することを特徴とする液体噴射装置にある。かかる態様によれば、変位特性の向上を図ることができ、かつ信頼性にも優れたものとなるため、優れた噴射特性を確保できる液体噴射装置となる。その上、鉛の含有量を抑えて環境への負荷も低減できる。
上記の課題を解決する本発明の更に他の態様は、上記の何れか1つに記載の圧電素子と、前記圧電素子により発信される超音波、及び前記圧電素子により受信される超音波の少なくとも一方に基づく信号を利用して対象物を測定する制御手段と、を具備することを特徴とする超音波測定装置にある。かかる態様によれば、変位特性の向上を図ることができ、かつ信頼性にも優れたものとなるため、優れた超音波送受信特性を確保できる超音波測定装置となる。その上、鉛の含有量を抑えて環境への負荷も低減できる。
実施形態1に係る記録装置の概略構成を示す図。 実施形態1に係る記録ヘッドを示す分解斜視図。 実施形態1に係る記録ヘッドを示す平面図。 実施形態1に係る記録ヘッドを示す断面図。 実施形態1に係る記録ヘッドの製造例を示す断面図。 実施形態1に係る記録ヘッドの製造例を示す断面図。 実施例及び比較例でのX線回折パターンを示す図。 実施例及び比較例での変位特性試験結果を示す図。 実施例及び比較例での圧電体層断面を示すSEM写真。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係る液体噴射装置の一例であるインクジェット式記録装置である。
図示するように、インクジェット式記録装置Iにおいて、複数のインクジェット式記録ヘッドを有するインクジェット式記録ヘッドユニットII(ヘッドユニット)が、インク供給手段を構成するカートリッジ2A及び2Bに着脱可能に設けられている。ヘッドユニットIIを搭載したキャリッジ3は、装置本体4に取り付けられたキャリッジ軸5に軸方向移動自在に設けられており、例えばそれぞれブラックインク組成物及びカラーインク組成物を吐出するものとされている。
そして、駆動モーター6の駆動力が図示しない複数の歯車及びタイミングベルト7を介してキャリッジ3に伝達されることで、ヘッドユニットIIを搭載したキャリッジ3がキャリッジ軸5に沿って移動される。一方、装置本体4には搬送手段としての搬送ローラー8が設けられており、紙等の記録媒体である記録シートSが搬送ローラー8により搬送されるようになっている。尚、記録シートSを搬送する搬送手段は、搬送ローラーに限られずベルトやドラム等であってもよい。
このインクジェット式記録装置Iによれば、本実施形態に係るインクジェット式記録ヘッドが搭載されているため、変位特性の向上を図ることができ、かつ駆動時における信頼性にも優れたものとなって、優れた噴射特性を確保できるようになっている。その上、アクチュエーター装置としての圧電素子に含まれる鉛の含有量を抑えて、すなわち、例えば鉛を含有しないでアクチュエーター装置を構成できるため、環境への負荷も低減できる。
このようなインクジェット式記録装置Iに搭載されるインクジェット式記録ヘッド1の一例について、図2〜図4を参照して説明する。図2は、本実施形態に係る液体噴射ヘッドの一例であるインクジェット式記録ヘッドの分解斜視図であり、図3は、流路形成基板の圧電素子側の平面図である。図4(a)は、図3のA−A′線に準ずる断面図であり、図4(b)は、図4(a)のB−B′線に準ずる断面図である。
図示するように、流路形成基板10には圧力発生室12が形成されている。そして、複数の隔壁11によって区画された圧力発生室12が、同じ色のインクを吐出する複数のノズル開口21が並設される方向に沿って並設されている。以降、流路形成基板10における圧力発生室12の並設方向を幅方向又は第1の方向Xと称し、第1の方向Xと直交する方向を第2の方向Yと称する。
流路形成基板10の圧力発生室12の第2の方向Yの一端部側には、圧力発生室12の片側を第1の方向Xから絞ることで開口面積を小さくしたインク供給路13と、第1の方向Xにおいて圧力発生室12と略同じ幅を有する連通路14と、が複数の隔壁11によって区画されている。連通路14の外側(第2の方向Yの圧力発生室12とは反対側)には、各圧力発生室12の共通のインク室となるマニホールド100の一部を構成する連通部15が形成されている。すなわち、流路形成基板10には、圧力発生室12、インク供給路13、連通路14及び連通部15からなる液体流路が形成されている。
流路形成基板10の一方面側、すなわち圧力発生室12等の液体流路が開口する面には、各圧力発生室12に連通するノズル開口21が穿設されたノズルプレート20が、接着剤や熱溶着フィルム等によって接合されている。ノズルプレート20には、第1の方向Xにノズル開口21が並設されている。
流路形成基板10の一方面側に対向する他方面側には、二酸化シリコン(SiO)等からなる弾性膜51と、酸化ジルコニウム(ZrO)等からなる絶縁体膜52と、からなる振動板50が設けられている。ただし、振動板50の構成は前記の例に制限されず、流路形成基板10の一部を薄く加工して弾性膜として使用することも可能である。
絶縁体膜52には、酸化チタン(TiO)等からなり厚さが約10〜50μmである密着層56を介して、厚さが約0.2μmの第1電極60が設けられている。そして、これら密着層56、第1電極60及び振動板50に重なるように、厚さが約3.0μm以下、好ましくは厚さが約0.5〜1.5μmの圧電体層70が設けられており、更に圧電体層70に、厚さが約0.05μmの第2電極80が設けられている。各層が直接に隣接するものに限定されず、層間に他の部材が介在したものも本実施形態の圧電素子300に含まれる。尚、密着層56や絶縁体膜52は省略可能である。
本実施形態では、圧電素子300と、圧電素子300の駆動により変位が生じる振動板50と、を合わせてアクチュエーター装置と称する。尚、振動板50及び第1電極60を含む部分が振動板として作用するが、これに制限されない。弾性膜51及び絶縁体膜52の何れか一方又は両方を設けずに、第1電極60のみが振動板として作用するようにしてもよい。また、圧電素子300自体が実質的に振動板を兼ねるようにしてもよい。流路形成基板10に第1電極60を直接設ける場合には、第1電極60及びインクが導通しないように、第1電極60を絶縁性の保護膜等で保護することが好ましい。
このような圧電素子300では、一般的には何れか一方の電極が共通電極とされ、他方の電極が圧力発生室12毎のパターニングにより個別電極とされる。本実施形態では、第2電極80が複数の圧力発生室12に亘って連続して形成され共通電極とされており、第1電極60が個別電極とされているが、駆動回路等の都合でこれを逆にしても支障はない。
以下、本実施形態の圧電素子300について更に詳述する。個別電極を構成する第1電極60は、圧力発生室の第1の方向Xにおいて、圧力発生室12の幅よりも狭い幅で形成されている。また、第2の方向Yにおいて、第1電極60の両端部はそれぞれ圧力発生室12の外側まで延設されている。
第1電極60の材料は導電性を有するものであれば特に制限されず、代表的には、白金やイリジウム(Ir)等の貴金属が用いられる。第2電極80の材料も、導電性を有するものであれば特に制限されず、第1電極60として使用可能な材料のなかから適宜選択して用いることができる。第1電極60の材料と第2電極80の材料とを異ならせても構わない。第2電極80は、圧電体層70の第1電極60とは反対面側に設けられており、共通電極として構成されている。
ここで、本実施形態の圧電体層70は、ビスマス(Bi)、鉄(Fe)、バリウム(Ba)、チタン(Ti)、ナトリウム(Na)を含むペロブスカイト構造の複合酸化物からなり、かつ(100)面に優先配向しているものである。そして、Naの含有量は、複合酸化物の構成金属元素の総量に対して1.25モル%以上13.75モル%以下であり、Baの含有量は、構成金属元素の総量に対して5.0モル%以上15.0モル%以下である。
かかる態様によれば、圧電体層70が上記の構成金属元素を含むペロブスカイト構造の複合酸化物からなり、かつ(100)面に優先配向しており、更に、Na及びBaの含有量が構成金属元素の総量に対して所定範囲内の値とされるので、例えば外部の電場に応じた方向に分極軸の角度が変化して電気的機械変換機能が発揮されるエンジニアード・ドメイン構造による変位特性の向上を図ることができる圧電素子となる。更に、化学量論の組成に対してBiやNaの割合が過剰となることで、圧電体層における空洞(ボイド)の割合が多くなるのを防止でき、良好な膜質を確保できる。その結果、誘電率、結晶性、第1電極60等との密着性等が改善され、信頼性にも優れたものとなる。その上、鉛の含有量を抑えて環境への負荷も低減できる。尚、本明細書において、(100)面に優先配向するとは、全ての結晶、又はほとんどの結晶(例えば、80%以上)が(100)面に配向していることをいう。
ペロブスカイト構造、すなわちABO型構造の複合酸化物は、Aサイトには酸素が12配位しており、Bサイトには酸素が6配位して8面体(オクタヘドロン)をつくっている。本実施形態では、このAサイトにBi、Ba及びNaが位置し、BサイトにFe及びTiが位置している。
このように、圧電体層70が、ペロブスカイト構造のAサイトにBi、Ba及びNaを含み、ペロブスカイト構造のBサイトにFe及びTiを含む複合酸化物からなることで、ペロブスカイト構造のAサイトに位置する元素(例えばナトリウム)の含有量が所定の範囲とされることに対し、ペロブスカイト構造のBサイトにおける元素の割合が調整され、これによりペロブスカイト構造の電荷中性のバランスをとりやすくなる。
このような圧電体層70は、例えば鉄酸ビスマス(BiFeO)、チタン酸バリウム(BaTiO)及びチタン酸ビスマスナトリウム(Bi0.5,Na0.5)TiO)からなる混晶のペロブスカイト構造の複合酸化物として表される。ただし、ここでの鉄酸ビスマス、チタン酸バリウム及びチタン酸ビスマスナトリウムには、上記の組成以外に元素が一部欠損する又は過剰である、元素の一部が他の元素に置換されたものも含まれる。基本的な特性が変わらない限り、欠損・過剰により化学量論の組成からずれたものや元素の一部が他の元素に置換されたものも、鉄酸ビスマス、チタン酸バリウム及びチタン酸ビスマスナトリウムの範囲に含まれる。尚、X線回折パターンにおいて、鉄酸ビスマス、チタン酸バリウム及びチタン酸ビスマスナトリウムは、単独では検出されないものである。
このようなペロブスカイト構造の複合酸化物からなる圧電体層70の組成は、例えば下記の一般式(1)で表され、この式(1)は、例えば下記の一般式(2)で表すこともできる。ここで、一般式(1)及び一般式(2)の記述は化学量論に基づく組成表記であり、ペロブスカイト構造を取り得る限りにおいて、上記のように格子不整合、酸素欠損等による不可避な組成のずれは勿論、元素の一部置換等も許容される。例えば、化学量論比が1とすると、0.85〜1.20の範囲内のものは許容される。
(Bi1−x−0.5yBaNa0.5y)(Fe1−x−yTix+y)O ・・・(1)
(1−x−y)[BiFeO]−x[BaTiO]−y[(Bi0.5Na0.5)TiO] ・・・(2)
このように、本実施形態の圧電素子300は、BiFeOのAサイトに位置するBiの一部がNaで置換された(Bi0.5Na0.5)TiOを導入したものである。このような一般式(1)又は一般式(2)で表される組成を有する圧電体層70では、ペロブスカイト構造のAサイトのBiの一部がNaによって置換されることによる電荷の低減に対し、例えばペロブスカイト構造のBサイトにおけるTiの割合が増加することで、電荷中性のバランスを取りやすくなり、その結果、リーク電流をより防止しやすくなる。よって、変位特性の向上を図ることができ、信頼性に更に優れたものとなる。
本実施形態の圧電体層70では、化学量論の組成に対して過剰なNa、更には過剰なBiによって結晶が柱状成長し、また、圧電体層70における空洞(ボイド)の割合が多くなるのを防止でき、良好な膜質を確保できる。圧電体層70における空洞の発生を防止できることは、例えば圧電体層70を厚さ方向に切断した断面を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察することで確認できるが、前記の例に限定されない。ちなみに、構成金属元素の総量に対するBiやNaの過剰割合(モル%)が同じでも、基本組成である上記の一般式(1)や一般式(2)においては、Biの含有量がNaよりも多いため、過剰となっている元素の絶対量はBiの方が多くなる。言い換えれば、Naの方が、Biと比べて少ない過剰元素の絶対量で、所定の過剰割合(モル%)を実現できる。
このような本実施形態では、上記のNaの含有量が、構成金属元素の総量に対して6.25モル%以上8.75モル%以下とされることが好ましい。これによれば、ペロブスカイト構造のAサイトにおけるNaの含有量が好適なものとされるので、変位特性の向上を更に図ることができ、信頼性に更に優れたものとなる。
更に、圧電体層70を構成する複合酸化物に、ペロブスカイト構造のBサイトに、Feに対して10モル%以下、好ましくは7モル%以下、更に好ましくは5モル%以下のマンガン(Mn)を更に含有せしめても良い。これによれば、リーク電流が抑制され、信頼性に更に優れたものとなる。
圧電体層70におけるこのような元素の置換はMnに限られず、Aサイトに位置するBi、Ba及びNaの一部や、Bサイトに位置するFe及びTiの一部を、ランタン(La)、ストロンチウム(Sr)、カルシウム(Ca)、カリウム(K)、リチウム(Li)等の元素によって置換してもよく、これら他の元素を含む場合も、ペロブスカイト構造を有するように構成されることが好ましい。これによれば、例えば非鉛材料を用いる態様において変位特性を向上させ、圧電体層の膜質向上やリーク電流の低減を図り圧電素子300の信頼性を向上させることができる場合がある。尚、圧電体層70は、その他の元素種を更に含んでもよい。
このような圧電体層70は、第2の方向Yが所定の幅となるように、第1の方向Xに亘って連続して設けられている。圧電体層70の第2の方向Yの幅は、圧力発生室12の第2の方向Yの長さよりも大きく、圧力発生室12の第2の方向Yでは、圧電体層70は圧力発生室12の外側まで設けられている。
圧力発生室12の第2の方向Yにおいて、圧電体層70のインク供給路13側の端部は、第1電極60の端部よりも外側に位置している。すなわち、第1電極60の端部は圧電体層70によって覆われている。また、圧電体層70のノズル開口21側の端部は、第1電極60の端部よりも内側(圧力発生室12側)に位置しており、第1電極60のノズル開口21側の端部は、圧電体層70に覆われていない。
圧電素子300の第1電極60や第2電極80には、リード電極90が接続されている。このようなリード電極90は、流路形成基板10の一方面の全面に亘って形成した後、所定の形状にパターニングされて形成することができる。
圧電素子300が形成された流路形成基板10上には、圧電素子300を保護する保護基板30が接着剤35によって接合されている。保護基板30には、圧電素子300を収容する空間を画成する凹部である圧電素子保持部31が設けられている。また保護基板30には、マニホールド100の一部を構成するマニホールド部32が設けられている。マニホールド部32は、保護基板30を厚さ方向(第1の方向X及び第2の方向Yに垂直な方向)に貫通して圧力発生室12の幅方向に亘って形成されており、上記のように流路形成基板10の連通部15と連通している。
保護基板30には、保護基板30を厚さ方向に貫通する貫通孔33が設けられている。各能動部の第1電極60に接続されたリード電極90は、この貫通孔33内に露出するように設けられている。
保護基板30には、封止膜41及び固定板42とからなるコンプライアンス基板40が接合されており、封止膜41によってマニホールド部32の一方面が封止されている。また、固定板42のマニホールド100に対向する領域は、厚さ方向に完全に除去された開口部43となっており、マニホールド100の一方面は封止膜41のみで封止されている。
このような本実施形態のインクジェット式記録ヘッド1では、図示しない外部インク供給手段と接続したインク導入口からインクを取り込み、マニホールド100からノズル開口21に至るまで内部をインクで満たした後、駆動回路からの記録信号に従い、圧力発生室12に対応するそれぞれの第1電極60及び第2電極80の間に電圧を印加し、振動板50、密着層56、第1電極60及び圧電体層70をたわみ変形させることで、各圧力発生室12内の圧力が高まってインク滴がノズル開口21から噴射される。
次に、本実施形態のインクジェット式記録ヘッドの製造方法の一例について、図5及び図6を参照して説明する。
まず、流路形成基板用ウェハーの表面に、二酸化シリコン等からなる弾性膜51を形成し、この弾性膜51に、酸化ジルコニウム等からなる絶縁体膜52を形成することで振動板50を構成する。次いで、絶縁体膜52に、酸化チタン等からなる密着層56をスパッタリング法や熱酸化等により形成し、図5(a)に示すように、密着層56に、例えば白金からなる第1電極60をスパッタリング法や蒸着法等により形成する。
次いで、図5(b)に示すように、第1電極60上に所定形状のレジスト(図示なし)をマスクとして、密着層56及び第1電極60を同時にパターニングする。次に、図5(c)に示すように、密着層56、第1電極60及び振動板50に重なるように圧電体膜74を複数層形成して圧電体層70とする。圧電体膜74は、例えば金属錯体を含む溶液を塗布乾燥し、脱脂することで圧電体膜74を得るMOD法やゾル−ゲル法等の化学溶液法により形成することができる。その他、レーザーアブレーション法、スパッタリング法、パルス・レーザー・デポジション法(PLD法)、CVD法、エアロゾル・デポジション法等によっても圧電体膜74を形成することができる。
圧電体膜74を化学溶液法で形成する場合の具体的な形成手順例としては、まず、密着層56、第1電極60及び振動板50に、金属錯体、具体的には、Bi、Ba、Na、Fe及びTiを含有する金属錯体を含むMOD溶液やゾルからなる酸化物層形成用組成物(前駆体溶液)を塗布し、圧電体前駆体膜(図示なし)を形成する(塗布工程)。
塗布溶液は、焼成によりBi、Ba、Na、Fe及びTiを含む圧電体膜74を形成しうる金属錯体を混合し、該混合物を有機溶媒に溶解又は分散させたものである。また、Mnを含む圧電体前駆体膜を形成する場合は、さらに、Mnを有する金属錯体を含有する前駆体溶液を用いる。このようなBi、Ba、Na、Fe、Mn及びTiをそれぞれ含む金属錯体を有する金属錯体の混合割合は、各金属が所望のモル比となるように混合すればよい。Biを含む金属錯体としては、例えば2−エチルヘキサン酸ビスマス、酢酸ビスマスが挙げられる。Baを含む金属錯体としては、例えば酢酸バリウム、バリウムエトキシド、2−エチルヘキサン酸バリウム、が挙げられる。Naを含む金属錯体としては、例えば2−エチルヘキサン酸ナトリウムが挙げられる。Feを含む金属錯体としては、例えば2−エチルヘキサン酸鉄、酢酸鉄、トリス(アセチルアセトナート)鉄が挙げられる。Mnを含有する金属錯体としては、例えば2−エチルヘキサン酸マンガン、酢酸マンガンが挙げられる。Tiを含む金属錯体としては、例えば2−エチルヘキサン酸チタン、チタニウムテトライソプロポキシドが挙げられる。また、前駆体溶液の溶媒としては、例えばプロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、オクタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、オクタン、デカン、シクロヘキサン、キシレン、トルエン、テトラヒドロフラン、酢酸、オクチル酸が挙げられる。
次いで、塗布した圧電体前駆体膜を所定温度、例えば130℃〜250℃程度に加熱して一定時間乾燥させる(乾燥工程)。次に、乾燥させた圧電体前駆体膜を所定温度、例えば300℃〜450℃に加熱して一定時間保持することによって脱脂し(脱脂工程)、圧電体前駆体膜を所定温度、例えば650〜800℃程度に加熱して一定時間保持することによって結晶化させ、圧電体膜74を形成する(焼成工程)。乾燥工程、脱脂工程及び焼成工程で用いられる加熱装置としては、例えば、赤外線ランプの照射により加熱するRTA(Rapid Thermal Annealing)装置やホットプレート等が挙げられる。上記の塗布工程、乾燥工程及び脱脂工程や、塗布工程、乾燥工程、脱脂工程及び焼成工程を所望の膜厚等に応じて複数回繰り返して、例えば12層の圧電体膜74からなる圧電体層70を形成する。
その後は図6(d)に示すように、圧電体層70を各圧力発生室12に対応してパターニングし、流路形成基板用ウェハー110の一方面側(圧電体層70が形成された面側)に亘って、すなわち、圧電体層70の上面及び側面並びに振動板50に亘って第2電極80を形成する。パターニングは、いわゆるフォトリソグラフィー法を用いることができるが、反応性イオンエッチングやイオンミリング等のドライエッチングやウェットエッチング等で行うこともできる。
そして、リード電極(図2の90)を形成すると共に所定形状にパターニングし、図6(a)に示すように、流路形成基板用ウェハー110の圧電素子300側に、接着剤を介して保護基板用ウェハー130を接合した後、流路形成基板用ウェハー110を所定の厚みに薄くする。その後、図6(b)に示すように、流路形成基板用ウェハー110にマスク膜53を新たに形成し、所定形状にパターニングする。そして、図6(c)に示すように、流路形成基板用ウェハー110をマスク膜53を介してKOH等のアルカリ溶液を用いた異方性エッチング(ウェットエッチング)する。
その後は、常法に従い、圧電素子300に対応する圧力発生室12や、図2に示すインク供給路13、連通路14及び連通部15等を形成し、流路形成基板用ウェハー110及び保護基板用ウェハー130の外周縁部の不要部分をダイシング等により切断することによって除去する。そして、流路形成基板用ウェハー110の保護基板用ウェハー130とは反対側の面にノズル開口21が穿設されたノズルプレート20を接合すると共に、保護基板用ウェハー130にコンプライアンス基板40を接合し、流路形成基板用ウェハー110等を一つのチップサイズの流路形成基板10等に分割することによって、本実施形態のインクジェット式記録ヘッド1とする。
以下、実施例を示し、本発明をさらに具体的に説明する。尚、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
まず、(110)面に配向した単結晶シリコン基板の表面に、熱酸化により膜厚1170nmの二酸化シリコン膜からなる弾性膜51を形成した。次に、このSiO膜に、RFマグネトロンスパッター法により膜厚40nmの酸化チタン膜からなる密着層56を形成した。そして、このTiO層に、RFマグネトロンスパッター法により膜厚100nmの白金膜からなる、下部電極としての第1電極60を形成した。
次いで、以下の手法により、第1電極60に圧電体層70を形成した。すなわち、まず、2−エチルヘキサン酸ビスマス、2−エチルヘキサン酸鉄、2−エチルヘキサン酸バリウム、2−エチルヘキサン酸ナトリウム及び2−エチルヘキサン酸チタンの各n−オクタン溶液を混合し、下記の一般式(1)又は一般式(2)のx及びyが、モル%換算で表1に表される組成となるように調製した。
(Bi1−x−0.5yBaNa0.5y)(Fe1−x−yTix+y)O ・・・(1)
(1−x−y)[BiFeO]−x[BaTiO]−y[(Bi0.5Na0.5)TiO] ・・・(2)
尚、本実施例1では、Feの5mol%をMnで置換するようにした。すなわち、Feの5mol%に相当する分、代わりに2−エチルヘキサン酸マンガンを更に混合し、これを圧電体層形成用の前駆体溶液とした。
次いで、調製した前駆体溶液を、第1電極60が形成された上記の基板に滴下し、500rpmで5秒間回転後、3000rpmで基板を20秒回転させてスピンコート法により圧電体膜74を形成した(塗布工程)。次に、ホットプレート上に基板を載せ、180℃で2分間乾燥させた(乾燥工程)。次いで、ホットプレート上に基板に対して350℃で2分間の脱脂を行った(脱脂工程)。この塗布工程〜脱脂工程を2回繰り返した後に、酸素雰囲気中で、RTA装置により、750℃で5分間焼成を行った(焼成工程)。次いで、上記の工程を6回繰り返すことで、計12回の塗布による計12層の圧電体膜74からなる圧電体層70を形成した。
圧電体層70に、RFマグネトロンスパッター法により膜厚50nmのイリジウム膜からなる、上部電極としての第2電極80を形成した。以上の工程により、実施例1の圧電素子を作製した。
(実施例2〜9)及び(比較例1〜3)
圧電素子用の前駆体溶液の組成を表1で表される組成となるように調製した以外は、実施例1と同様の工程により、実施例2〜9及び比較例1〜3の圧電素子を作製した。このうち比較例1〜3では、Naを含有せしめず(Naの含有量が0モル%である)、又は構成金属元素の総量に対するNaの割合やBaの割合が所定範囲からずれるような圧電体層を具備する圧電素子を作製した。各実施例及び比較例での組成比や実験結果を下記の表1に示す。
(試験例)
<X線回折測定>
実施例1及び比較例2の圧電素子の圧電体層について、Bruker AXS社製の「D8 Discover」を用いてX線回折の測定を行った。実施例1によるX線回折パターンを図7(a)に示し、比較例2によるX線回折パターンを図7(b)に示す。ここで、2θ=22.5°付近のピークが(100)面に由来するピークであり、他のピークの由来については図7(a)〜(b)に示したとおりである。実施例1及び比較例2の何れも、圧電体層は、ペロブスカイト構造に由来する(100)面を示す鋭いピークが認められたが、特に実施例1では、比較例2に比べて2θ=22.5°付近のピークに大きな回折強度が得られ(100)面配向度が大きく、(100)面に優先配向していることがわかった。
<変位特性>
実施例1〜9及び比較例1〜3の圧電素子について、アグザクト社製の変位測定装置(DBLI)を用い、室温でφ=500μmの電極パターンを使用し、周波数1kHzの電圧を印加して、電界誘起歪み(変位量)−電界強度(電圧V)との関係を求めた。各実施例及び比較例におけるユニポーラ駆動による印加電圧30Vのときの歪み量を表1に示す。また、結果のうち、実施例1の測定結果を図8(a)に示し、比較例2の測定結果を図8(b)に示す。
表1の結果によれば、実施例1〜9の圧電素子は、比較例1〜3の圧電素子に比べて大きな変位(最大変位)が得られ、変位特性の向上を図ることができることが確かめられた。特に、ナトリウムの含有量が、構成金属元素の総量に対して6.25モル%以上8.75モル%以下であり、バリウムの含有量が、構成金属元素の総量に対して5.0モル%以上15.0モル%以下である実施例4〜8では、他の実施例に比べて優れた変位特性が得られる傾向が高いことが確認された。
<SEM画像による膜質評価>
実施例6の組成を基準とし、圧電素子の圧電体層の断面をSEMで撮影した写真に基づいて、圧電体層の膜質を評価した。化学量論に対してBiが20モル%過剰である場合のSEM写真を図9(a)に示し、化学量論に対してNaが10モル%過剰である場合のSEM写真を図9(b)に示し、特に化学量論に対してNaが20モル%過剰である場合のSEM写真を図9(c)に示し、過剰元素を含まない場合のSEM写真を図9(d)に示す。これによれば、BiやNaを化学量論に対して過剰にすることで、結晶が柱状成長し、空洞(ボイド)を抑制できていることが確認された。図9(a)〜(d)の組成を表2に示す。
(他の実施形態)
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上述したものに限定されるものではない。例えば、流路形成基板10としてシリコン単結晶基板を例示したが、特にこれに限定されず、例えばSOI基板、ガラス等の材料を用いるようにしてもよい。
上記の実施形態1では、第1電極60が個別電極を構成し、第2電極80が共通電極を構成している例を説明したが、第1電極60を圧力発生室12の並設方向に亘って連続的に設けられた共通電極として構成し、第2電極80を圧力発生室12に対応して独立して設けられた個別電極として構成するようにしてもよい。
また、上記の実施形態1では、液体噴射ヘッドの一例としてインクジェット式記録ヘッドを挙げて説明したが、本発明は広く液体噴射ヘッド全般を対象としたものであり、インク以外の液体を噴射する液体噴射ヘッドにも勿論適用することができる。その他の液体噴射ヘッドとしては、プリンター等の画像記録装置に用いられる各種の記録ヘッド、液晶ディスプレイ等のカラーフィルターの製造に用いられる色材噴射ヘッド、有機ELディスプレイ、FED(電界放出ディスプレイ)等の電極形成に用いられる電極材料噴射ヘッド、バイオchip製造に用いられる生体有機物噴射ヘッド等が挙げられる。
また、上記の実施形態1で説明した圧電素子は、液体噴射ヘッドに用いられる圧電素子に限定されず、その他のデバイスにも用いることができる。その他のデバイスとしては、例えば超音波測定装置が挙げられる。このような超音波測定装置は、上記の圧電素子300と、該圧電素子300により発信される超音波、及び該圧電素子300により受信される超音波の少なくとも一方に基づく信号を利用して検出対象を測定する制御手段と、を具備することにより構成することができる。
更に、他のデバイスとしては、例えば各種モーター、温度−電気変換器、圧力−電気変換器、強誘電体トランジスター、圧電トランス、赤外線等の有害光線の遮断フィルター、量子ドット形成によるフォトニック結晶効果を使用した光学フィルター、薄膜の光干渉を利用した光学フィルターのフィルター等が挙げられる。また、センサーとして用いられる圧電素子、強誘電体メモリーとして用いられる圧電素子にも適用可能である。圧電素子が用いられるセンサーとしては、例えば赤外線センサー、超音波センサー、感熱センサー、圧力センサー、焦電センサー、及びジャイロセンサー(角速度センサー)等が挙げられる。
また、上記の実施形態1で説明した圧電素子は、強誘電体素子として好適に用いることもできる。好適に用いることができる強誘電体素子としては、強誘電体トランジスター(FeFET)、強誘電体演算回路(FeLogic)及び強誘電体キャパシター等が挙げられる。更に、上記の実施形態1で説明した圧電素子は、良好な焦電特性を示すことから、焦電素子に好適に用いることができる。好適に用いることができる焦電素子としては、温度検出器、生体検出器、赤外線検出器、テラヘルツ検出器及び熱−電気変換器等が挙げられる。
I インクジェット式記録装置(液体噴射装置)、 1 インクジェット式記録ヘッド(液体噴射ヘッド)、 10 流路形成基板、 11 隔壁、 12 圧力発生室、 13 インク供給路、 14 連通路、 15 連通部、 20 ノズルプレート、 21 ノズル開口、 30 保護基板、 31 圧電素子保持部、 32 マニホールド部、 33 貫通孔、 35 接着剤、 40 コンプライアンス基板、 41 封止膜、 42 固定板、 43 開口部、 50 振動板、 51 弾性膜、 52 絶縁体膜、 53 マスク膜、 56 密着層、 60 第1電極、 70 圧電体層、 74 圧電体膜、 80 第2電極、 90 リード電極、 100 マニホールド、 300 圧電素子

Claims (8)

  1. 基板に、第1電極、圧電体層及び第2電極が積層された圧電素子であって、
    前記圧電体層は、ビスマス、鉄、バリウム、チタン、ナトリウムを含むペロブスカイト構造の複合酸化物からなり、かつ(100)面に優先配向しており、
    前記ナトリウムの含有量は、構成金属元素の総量に対して1.25モル%以上13.75モル%以下であり、
    前記バリウムの含有量は、構成金属元素の総量に対して5.0モル%以上15.0モル%以下であることを特徴とする圧電素子。
  2. 前記圧電体層は、前記ペロブスカイト構造のAサイトに前記ビスマス、前記バリウム及び前記ナトリウムを含み、前記ペロブスカイト構造のBサイトに前記鉄及び前記チタンを含む複合酸化物からなることを特徴とする請求項1に記載の圧電素子。
  3. 前記圧電体層は、下記の一般式(1)で表されること、又は、鉄酸ビスマス(BiFeO)、チタン酸バリウム(BaTiO)及びチタン酸ビスマスナトリウム(Bi0.5,Na0.5)TiO)からなる混晶として下記の一般式(2)で表されることを特徴とする請求項1又は2に記載の圧電素子。
    (Bi1−x−0.5yBaNa0.5y)(Fe1−x−yTix+y)O ・・・(1)
    (1−x−y)[BiFeO]−x[BaTiO]−y[(Bi0.5Na0.5)TiO] ・・・(2)
  4. 前記ナトリウムの含有量は、構成金属元素の総量に対して6.25モル%以上8.75モル%以下であることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の圧電素子。
  5. 前記圧電体層は、ペロブスカイト構造のBサイトに、前記鉄に対して10モル%以下のマンガンを更に含む複合酸化物からなることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の圧電素子。
  6. 請求項5に記載の圧電素子を具備することを特徴とする液体噴射ヘッド。
  7. 請求項6に記載の液体噴射ヘッドを具備することを特徴とする液体噴射装置。
  8. 請求項1〜5の何れか1つに記載の圧電素子と、
    前記圧電素子により発信される超音波、及び前記圧電素子により受信される超音波の少なくとも一方に基づく信号を利用して対象物を測定する制御手段と、を具備することを特徴とする超音波測定装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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