JP2016004818A - 印刷用樹脂組成物及びプリント配線板 - Google Patents

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Abstract

【課題】糸引きを抑制することが可能な印刷用樹脂組成物及びこの印刷用樹脂組成物から形成される硬化膜を備えたプリント配線板を提供すること。【解決手段】アクリル樹脂と、エポキシ樹脂と、フェノール樹脂を含む硬化剤と、無機フィラーと、溶剤と、を含有する、印刷用樹脂組成物であって、前記無機フィラーの含有量が、当該樹脂組成物中の前記溶剤を除く全成分の質量を基準として、50質量%以上であり、前記溶剤のうち40質量%以上が、前記アクリル樹脂に対する貧溶媒であり、25℃において10Pa・s以下の粘度を有する、印刷用樹脂組成物を提供する。【選択図】図1

Description

本発明は、印刷用樹脂組成物及びプリント配線板に関する。
従来、片面、両面、多層の各種プリント配線板が産業機器又は民生機器の分野で広く使用されている。電子機器には1枚のプリント配線板だけが使用されていることは少なく、例えば、機能別に分けて複数のプリント配線板が使用されるのが一般的である。そして、複数の基板間は各種コネクタで接続される。
フレキシブル配線板は、ポリイミド等のベース材料、導体材料、接着剤、カバーレイなどを基本材料として構成され、電子機器の軽薄短小化に伴い、近年の携帯電話、ビデオカメラ、ノートパソコン等に組み込まれている。フレキシブル配線板は剛性が無いために電子部品の搭載部分又はコネクタ部分には補強用部材(補強板)が貼り付けられ実装されている。
補強板としては、ポリエステルフィルム、ステンレス板、アルミ板等の金属板、セラミックス、ガラスクロス基材エポキシ樹脂積層板などが使用されているが、打ち抜き加工性の点で、耐熱性及び加工性に優れるガラスクロス/エポキシプリプレグを硬化したリジッド板が部品実装部分の補強用部材の主流となっている。補強板は、基材の一方の面に配置された部品実装部分と反対の面側の基材上に接着剤を介して貼り付けられる(例えば、非特許文献1を参照)。また、複数のリジッド配線板とフレキシブル配線板とを接着剤、プリプレグ等を使用して組み合わせたリジッドフレキシブル配線板も製造されている。
ところで、非特許文献1に記載されているフレキシブル配線板では、個片に切り出した補強板を接着剤によって張り付けるため、量産性に問題がある。また、フレキシブル配線板が複雑な形状である場合、対応が難しいという問題がある。そこで、基材上に樹脂組成物をメタルマスク版又はスクリーン版を用いて印刷し、補強板に代えて硬化膜を形成することが検討されている。
エレクトロニクス実装学会誌、2004年10月号
しかしながら、樹脂組成物を用いてメタルマスク版での印刷を行うと、印刷版が被印刷物(基材)と離れるときに、樹脂組成物が切れずに糸のように伸びてしまうこと(糸引き)があった。
本発明は、上記事情を鑑みてなされたものであり、糸引きを抑制することが可能な印刷用樹脂組成物及びこの印刷用樹脂組成物から形成される硬化膜を備えたプリント配線板を提供することを目的とする。
本発明者は上記目的を達成すべく鋭意研究を重ねた結果、アクリル樹脂と、エポキシ樹脂と、フェノール樹脂を含む硬化剤と、特定量の無機フィラーと、特定の溶剤と、を含有し、特定の粘度を有する印刷用樹脂組成物が、糸引きを抑制できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の印刷用樹脂組成物及びプリント配線板を提供する。
(1)アクリル樹脂と、エポキシ樹脂と、フェノール樹脂を含む硬化剤と、無機フィラーと、溶剤と、を含有する、印刷用樹脂組成物であって、前記無機フィラーの含有量が、当該樹脂組成物中の前記溶剤を除く全成分の質量を基準として、50質量%以上であり、前記溶剤のうち40質量%以上が、前記アクリル樹脂に対する貧溶媒であり、25℃において10Pa・s以下の粘度を有する、印刷用樹脂組成物。
(2)上記アクリル樹脂がグリシジル基を有する、(1)に記載の印刷用樹脂組成物。
(3)上記アクリル樹脂の重量平均分子量が50万〜150万である、(1)又は(2)のいずれかに記載の印刷用樹脂組成物。
(4)上記無機フィラーがシリカ粒子を含み、上記シリカ粒子がシランカップリング剤で表面処理されている、(1)〜(3)のいずれかに記載の印刷用樹脂組成物。
(5)上記シランカップリング剤がアミノ基を有する、(4)に記載の印刷用樹脂組成物。
(6)上記エポキシ樹脂がビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂を含む、(1)〜(5)のいずれかに記載の印刷用樹脂組成物。
(7)フィルム状のポリイミド基材に印刷用樹脂組成物を印刷し、印刷された前記印刷用樹脂組成物を硬化して、上記ポリイミド基材の曲げ剛性を高める硬化膜を形成するために用いられる、(1)〜(6)のいずれかに記載の印刷用樹脂組成物。
(8)フィルム状のフレキシブル基材に印刷用樹脂組成物を印刷し、印刷された前記印刷用樹脂組成物を硬化して、フレキシブル基材の主表面の一部を覆う硬化膜を有するリジット部を備えるプリント配線板を製造するために用いられる、(1)〜(7)のいずれかに記載の印刷用樹脂組成物。
(9)フィルム状のフレキシブル基材と、上記フレキシブル基材の主表面上に配置された、導体回路及び(1)〜(8)のいずれかに記載の印刷用樹脂組成物を含む硬化膜と、を備える、プリント配線板。
(10)上記導体回路が、上記フレキシブル基材の一方の主表面上に配置され、上記硬化膜が、上記フレキシブル基材の他方の主表面上に配置される、(9)に記載のプリント配線板。
本発明によれば、糸引きを抑制することが可能な印刷用樹脂組成物及びこの印刷用樹脂組成物を含む硬化膜を備えるプリント配線板が提供される。
本発明の印刷用樹脂組成物は、メタルマスク版又はスクリーン版を用いた印刷、及びバーコート、コンマコート、ロールコート等の連続塗布に適用可能であり、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム、ポリイミドフィルム等に対して良好な密着性を示す。中でもメタルマスク版を用いた印刷に好適である。したがって、フレキシブル基材等でリジッド性を必要とする部分のみに印刷用樹脂組成物を印刷し硬化膜を形成することによって、印刷された部分の剛性を高め、リジッド性を持たせることが可能となる。すなわち、簡便な工程でフレキシブル基材の主表面の一部を覆う硬化膜を有するリジット部を備えるプリント配線板を製造することが可能となる。特に、フレキシブル基材の部品搭載部分に印刷用樹脂組成物を適用する場合、部品の保護が可能となる。また、本発明の印刷用樹脂組成物は、印刷の厚み制御が可能であり、複雑な形状の補強構造を形成でき、耐リフロー性にも優れる。
プリント配線板の一実施形態を示す端面図である。 プリント配線板の他の実施形態を示す端面図である。 プリント配線板の他の実施形態を示す端面図である。 プリント配線板の他の実施形態を示す端面図である。
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。ただし、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
本実施形態の印刷用樹脂組成物は、アクリル樹脂と、エポキシ樹脂と、フェノール樹脂を含む硬化剤と、無機フィラーと、溶剤と、を含有する。
<アクリル樹脂>
アクリル樹脂は、一般に、1種又は2種以上のアクリルモノマーを含む重合性モノマーを重合して得られる共重合体である。アクリル樹脂は、市販の多種のアクリルモノマーを組み合わせることによりその特性を広い範囲で合わせこむことができ、しかも安価に製造できる。
アクリル樹脂を製造するのに用いられるモノマーは、特に限定されるものではないが、例えば、具体例としては、アクリロニトリル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸i−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸i−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸ペンチル、アクリル酸n−ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクタデシル、アクリル酸ブトキシエチル、アクリル酸フェニル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸ナフチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸イソボルニル、アクリル酸ノルボルニルメチル、アクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−イル(ジシクロペンタニルアクリレート)、アクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−4−メチル、アクリル酸アダマンチル、アクリル酸イソボルニル、アクリル酸ノルボルニル、アクリル酸トリシクロヘキシル[5.2.1.02,6]デカ−8−イル、アクリル酸トリシクロヘキシル[5.2.1.02,6]デカ−4−メチル、アクリル酸アダマンチル等のアクリル酸エステル、及び、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸i−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸i−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸ペンチル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸オクタデシル、メタクリル酸ブトキシエチル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ナフチル、メタクリル酸シクロペンチル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸メチルシクロヘキシル、メタクリル酸トリシクロヘキシル、メタクリル酸ノルボルニル、メタクリル酸ノルボルニルメチル、メタクリル酸イソボルニル、メタクリル酸ボルニル、メタクリル酸メンチル、メタクリル酸アダマンチル、メタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−8−イル(ジシクロペンタニルメタクリレート)、及びメタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ−4−メチル等のメタクリル酸エステルから選ばれる1種又は2種以上のモノマーである。
印刷用樹脂組成物の耐熱性及び接着性の点から、アクリル樹脂を構成するモノマーは、カルボキシル基、ヒドロキシル基、酸無水物基、アミノ基、アミド基及びエポキシ基からなる群より選ばれる少なくとも1種の官能基と、少なくとも1つの(メタ)アクリロイル基を有する官能基含有モノマーを含んでいてもよい。ここで、(メタ)アクリロイル基は、アクリロイル基又はメタクリロイル基を表す。官能基含有モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸等のカルボキシル基含有モノマー、アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル、アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、N−メチロールメタクリルアミド、(o−,m−,p−)ヒドロキシスチレン等のヒドロキシル基含有モノマー、無水マレイン酸等の酸無水物基含有モノマー、アクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル等のアミノ基含有モノマー、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル(グリシジルメタクリレート)、α−エチルアクリル酸グリシジル、α−n−プロピルアクリル酸グリシジル、アクリル酸−3,4−エポキシブチル、メタクリル酸−3,4−エポキシブチル、アクリル酸−4,5−エポキシペンチル、アクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、メタクリル酸−6,7−エポキシヘプチル、アクリル酸−3−メチル−4−エポキシブチル、メタクリル酸−3−メチル−3,4−エポキシブチル、アクリル酸−4−メチル−4,5−エポキシペンチル、メタクリル酸−4−メチル−4,5−エポキシペンチル、アクリル酸−5−メチル−5,6−エポキシヘキシル、アクリル酸−β−メチルグリシジル、メタクリル酸−β−メチルグリシジル、α−エチルアクリル酸−β−メチルグリシジル、アクリル酸−3−メチル−3,4−エポキシブチル、メタクリル酸−3−メチル−3,4−エポキシブチル、アクリル酸−4−メチル−4,5−エポキシペンチル、メタクリル酸−4−メチル−4,5−エポキシペンチル、アクリル酸−5−メチル、アクリル酸−6−エポキシヘキシル、メタクリル酸−5−メチル−5,6−エポキシヘキシル等のエポキシ基含有モノマーなどが挙げられる。これらは単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
アクリル樹脂は上記各種モノマーと共重合する他のモノマーを更に含んでいてもよい。他のモノマーとしては、例えば、4−ビニルピリジン、2−ビニルピリジン、α−メチルスチレン、α−エチルスチレン、α−フルオロスチレン、α−クロルスチレン、α−ブロモスチレン、フルオロスチレン、クロロスチレン、ブロモスチレン、メチルスチレン、メトキシスチレン、スチレン等の芳香族ビニル化合物、N−メチルマレイミド、N−エチルマレイミド、N−プロピルマレイミド、N−i−プロピルマレイミド、N−ブチルマレイミド、N−i−ブチルマレイミド、N−t−ブチルマレイミド、N−ラウリルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド、N−ベンジルマレイミド、N−フェニルマレイミド等のN−置換マレイミド類などが挙げられる。
アクリル樹脂は、保存安定性の点でエポキシ基を有することが好ましく、アクリル樹脂以外の成分と反応することによって耐熱性が向上することから、グリシジル基を有することがより好ましい。アクリル樹脂は、官能基含有モノマーとして、アクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルをモノマー単位として含むことが好ましく、メタクリル酸グリシジルをモノマー単位として含むことがより好ましい。アクリル樹脂を構成する全ての重合性モノマーの量を基準として、メタクリル酸グリシジルの含有割合は、0.5〜10質量%であることが好ましく、1〜8質量%であることがより好ましく、2〜5質量%であることがさらに好ましい。
アクリル樹脂の重量平均分子量は、50万〜150万であることが好ましく、50万〜80万であることがより好ましく、50万〜60万であることがさらに好ましい。アクリル樹脂の重量平均分子量が50万未満であると、印刷用樹脂組成物としたときの粘度が低いために、無機フィラーの分散安定性が低下したり、印刷用樹脂組成物のチキソ性を発現できなくなることがある。また、アクリル樹脂の重量平均分子量が150万を超えると、溶剤への溶解性が著しく低下し、印刷用樹脂組成物における固形分の濃度を高めることが難しくなる傾向がある。印刷用樹脂組成物の固形分の濃度が低いと、塗布された印刷用樹脂組成物の膜厚の制御、及び乾燥収縮による膜減りを考慮する必要性が高くなる。
アクリル樹脂のガラス転移温度(Tg)は、特に制限されないが、−50〜100℃であることが好ましく、−45〜20℃であることがより好ましく、−40℃〜5℃がさらに好ましい。
ここで、ガラス転移温度(Tg)は、以下の計算式(FOX式)により算出したものとする。
Tg(℃)={1/(W/Tg+W/Tg+…+W/Tg+…+W/Tg)}−273
[上記FOX式において、Tg(K)は、各モノマーのホモポリマーのガラス転移温度を示し、Wは、各モノマーの質量分率を示し、W+W+…+W+…W=1である。]
例えば、メタクリル酸を20質量%、メタクリル酸メチルを50質量%、アクリル酸n−ブチルを20質量%、スチレンを10質量%の割合で共重合して得られるアクリル樹脂のガラス転移温度(Tg)は以下のように算出される。
Tg={1/(0.2/458+0.5/378+0.2/219+0.1/373)}−273=67℃
<エポキシ樹脂>
エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA、ノボラック型フェノール樹脂、オルトクレゾールノボラック型フェノール樹脂等の多価フェノール、又は1,4−ブタンジオール等の多価アルコールとエピクロルヒドリンとを反応させて得られるポリグリシジルエーテル、フタル酸、ヘキサヒドロフタル酸等の多塩基酸とエピクロルヒドリンとを反応させて得られるポリグリシジルエステル、アミン、アミド又は複素環式窒素塩基を有する化合物のN−グリシジル誘導体、脂環式エポキシ樹脂などが挙げられる。アクリル樹脂との相溶性が高いことから、エポキシ樹脂は、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂であることが好ましい。
<フェノール樹脂を含む硬化剤>
フェノール樹脂を含む硬化剤は、主にエポキシ樹脂の硬化剤として作用する。ここで、フェノール樹脂としては、例えば、フェノール型、ビスフェノールA型、クレゾール型、アミノ変性トリアジンノボラック型のフェノール樹脂等が挙げられる。アクリル樹脂との相溶性が高いことから、フェノール樹脂は、クレゾールノボラック型フェノール樹脂であることが好ましい。
しばしば、エポキシ樹脂とフェノール樹脂との反応等を促進させる目的で、促進剤が用いられる。促進剤の種類及び配合量は特に限定されない。例えば、イミダゾール系化合物、有機リン系化合物、第3級アミン、第4級アンモニウム塩が用いられ、2種類以上を併用してもよい。
アクリル樹脂、エポキシ樹脂及び硬化剤の合計質量を基準として、アクリル樹脂の含有割合は、40〜90質量%であることが好ましく、50〜85質量%であることがより好ましく、55〜80重量%であることがさらに好ましい。このときアクリル樹脂のグリシジル基及びエポキシ樹脂のエポキシ基の合計と、フェノール樹脂の水酸基量は、実質的に当量であってもよい。
<無機フィラー>
無機フィラーは、例えば、好ましいものとして、シリカ粒子を含んでいてもよい。
シリカ粒子は、特に限定されないが、例えば、ゾルゲル法により得られる球状シリカ、粉砕により微細化された破砕シリカ、乾式シリカ、湿式シリカ等が挙げられる。
シリカ粒子は、印刷硬化後の表面状態が平滑となり、耐磨耗性に優れることから、球状シリカを用いることが好ましい。
球状シリカ粒子の平均粒子径は、0.05〜50μmであることが好ましく、0.1〜50μmであることがより好ましく、0.2〜30μmであることがさらに好ましく、0.5〜20μmであることが特に好ましい。ここで平均粒子径は、走査型電子顕微鏡(Scanning Electron Microscope)により、10000倍で観察した範囲内に存在する球状シリカ粒子の粒子径を測定し、算術平均としたものとする。球状シリカ粒子は、空間充填率を高めることができることから、粒子径の異なるものを数種類混合して用いることが好ましい。
ここで、「球状」とは、ほぼ球に近い形状であることをいう(JIS Z2500:2000参照)。ただし、必ずしも真球状である必要はなく、粒子の長径(DL)と短径(DS)との比(DL)/(DS)(球状係数又は真球度ということがある。)が1.0〜1.2の範囲にあればよい。
球状シリカの市販品としては、例えば、MSR−2212、MSR−SC3、MSR−SC4、MSR−3512、MSR−FC208(株式会社龍森製商品名)、エクセリカ(株式会社トクヤマ製商品名)、SO−E1、SO−E2、SO−E3、SO−E5、SO−E6、SO−C1、SO−C2、SO−C3、SO−C5、SO−C6、SO−25R(アドマテックス株式会社製商品名)FB−5D、FB−12D、FB−20D、FB−105、FB−940、FB−9454、FB−950、FB−105FC、FB−870FC、FB−875FC、FB−9454FC、FB−950FC、FB−105FD、FB−970FD、FB−975FD、FB−950FD、FB−300FD、FB−300FD、FB−400FD、FB−400FE、FB−7SDC、FB−5SDC、FB−3SDC、(電気化学工業株式会社製商品名)等を用いることができる。
シリカ粒子は、シランカップリング剤で表面処理されていることが好ましい。シランカップリング剤としては、例えば、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、n−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシランリエトキシシラン、n−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、n−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−トリエトキシシリル−N−(1,3−ジメチル−ブチリデン)プロピルアミン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(ビニルベンジル)−2−アミノエチル−3−アミノプロピルトリメトキシシランの塩酸塩、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、3−イソシアネ―トプロピルトリエトキシシラン、ジメチルシランの重縮合物、ジフェニルシランの重縮合物、ジメチルシランとジフェニルシランとの共重縮合物等が挙げられる。これらの中でもアクリル樹脂との相溶性の点から、アミノ基を有するシランカップリング剤を用いることが好ましく、具体的には、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシランを用いることが好ましい。
シリカ粒子は予め、シランカップリング剤を含む有機溶媒に分散してスラリー化することが好ましい。スラリーの固形分濃度は、特に限定されないが、50〜90質量%であることが好ましく、60〜85質量%であることがより好ましく、65〜80質量%であることがさらに好ましい。
印刷用樹脂組成物の印刷性を制御するために、ヒュームドシリカをさらに添加してもよい。ヒュームドシリカの市販品としては、アエロジル50、90G、130、200、300、380等の親水性シリカ、R972、R972CF、R972V、R974、R9765、R140、RX50、NAX50、NX90G、RX200、RX300、R812、R8200、R200H等の疎水性シリカ(以上、日本アエロジル株式会社製商品名)などが挙げられる。
無機フィラーの含有量は、後述の溶剤を除く印刷用樹脂組成物中の全成分の質量を基準として、50質量%以上である。無機フィラーの含有量を50質量%以上とすることにより、印刷部分のリジット性を得るために十分な弾性率を得ることができる。無機フィラーの含有量は、60質量%以上であることが好ましく、70質量%以上であることがより好ましい。また、前記無機フィラーの含有量の上限は、特に制限されないが、例えば、90質量%以下とすることができる。
<溶剤>
溶剤は、溶剤のうち40質量%以上が、上述のアクリル樹脂に対する貧溶媒である。ここで、アクリル樹脂に対する貧溶媒とは、アクリル樹脂を実質的に溶解しない溶媒を意味する。具体的には、貧溶媒へのアクリル樹脂の溶解度は、10g/100g以下であってもよい。溶剤における貧溶媒の割合は、42質量%以上であることが好ましく、45質量%以上であることがより好ましい。アクリル樹脂に対する貧溶媒の割合の上限は、特に制限されないが、例えば、95質量%以下とすることができる。アクリル樹脂に対する貧溶媒の割合を40質量%以上とすることによって、印刷用樹脂組成物の粘度を低下させ、チキソ性を向上させることができ、糸引きを抑制することが可能となる。アクリル樹脂に対する貧溶媒としては、アルコール又は炭化水素が好ましく、具体的には、テルピネオール、イソプロパノール、n−ブタノール、ブチルカルビトール、ミネラルスピリット、テレビン油等が好ましい。
アクリル樹脂に対する貧溶媒の沸点は、180℃以上であることが好ましく、190℃以上であることがより好ましく、200℃以上であることがさらに好ましい。沸点が180℃以上のアクリル樹脂に対する貧溶媒の沸点を用いることにより、印刷用樹脂組成物の粘度変化を抑制し、糸引きを抑制することが可能となる。
アクリル樹脂に対する貧溶媒以外の溶剤は、特に制限されないが、例えば、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、及びプロピレングリコールモノメチルエーテルから選ばれる少なくとも1種を用いることができる。
<印刷用樹脂組成物>
本実施形態の印刷用樹脂組成物は、25℃において10Pa・s以下の粘度を有する。25℃における粘度は、9.5Pa・s以下であることが好ましく、9Pa・s以下であることがより好ましい。25℃において10Pa・s以下の粘度であることにより、糸引きを十分に抑制することができる。また、25℃における粘度の下限値は、特に限定されないが、7.0Pa・s以上とすることができる。
本実施形態の印刷用樹脂組成物は、1.8以上のチキソインデックス(TI)を有することが好ましい。ここで、チキソインデックス(TI)は、25℃における粘度測定において、回転数0.5rpm(回転/分)にて得られる粘度を回転数5rpm(回転/分)にて得られる粘度で除した値(比)である。チキソインデックス(TI)は、1.9以上であることがより好ましく、2.0以上であることがさらに好ましい。1.8以上のチキソインデックス(TI)を有することにより、印刷形状の保持が可能となる。チキソインデックス(TI)の上限値は、特に限定されないが、4.0以下とすることができる。
本実施形態の印刷用樹脂組成物は、メタルマスク版、スクリーン版等を用いた印刷により、樹脂膜を形成することができるが、特にメタルマスク版を用いた印刷に好適に用いられる。樹脂膜を乾燥するための温度は、50〜180℃であることが好ましく、80〜160℃であることがより好ましく、110〜140℃であることがさらに好ましい。樹脂膜をさらに高温で処理することによって、硬化物(硬化膜)を得ることができる。樹脂膜を硬化するための温度は、150〜250℃であることが好ましく、160〜200℃であることがより好ましく、180℃〜190℃であることがさらに好ましい。乾燥及び硬化は連続して行うことができる。
印刷用樹脂組成物を単独で硬化して得られる硬化物のフィルムを用いて、印刷用樹脂組成物の硬化物の引張り弾性率を求めることができる。引張り弾性率とは、短冊状にした印刷用樹脂組成物の硬化物を、25℃において速度50mm/分で引っ張ったときに得られる応力−変位曲線の傾きから得られる初期弾性率を示す。
本実施形態の印刷用樹脂組成物は、フィルム状のポリイミド基材に印刷用樹脂組成物を印刷し、印刷された印刷用樹脂組成物を硬化して、ポリイミド基材の曲げ剛性を高める硬化膜を形成するために用いられる。また、本実施形態の印刷用樹脂組成物は、フィルム状のフレキシブル基材に印刷用樹脂組成物を印刷し、印刷された前記印刷用樹脂組成物を硬化して、フレキシブル基材の主表面の一部を覆う硬化膜を有するリジット部を備える、後述のプリント配線板を製造するために用いられる。
<プリント配線板>
図1は、プリント配線板の一実施形態を示す端面図である。図1に示すプリント配線板100は、フレキシブル基板40及びフレキシブル基板40の一方の面側に配置されたカバーフィルム41からなるフレキシブル基材2と、フレキシブル基材2のフレキシブル基板40上に配置された導体回路1と、フレキシブル基材2のカバーフィルム41上に配された硬化膜3と、から構成される。フレキシブル基材2は、フレキシブル基板40のみからなってもよい。プリント配線板100は、導体回路1及び硬化膜3の両方が、フレキシブル基材2の一方の主表面上に配置されてもよいが、導体回路1が、フレキシブル基材2の一方の主表面上に配置され、硬化膜3が、フレキシブル基材2の導体回路1とは反対の主表面上に配置されることが好ましい。プリント配線板100は、フレキシブル基材2の主表面の一部を覆う硬化膜3及び硬化膜3によって覆われている部分のフレキシブル基材2を有するリジット部10と、硬化膜3によって覆われていない部分のフレキシブル基材2を有するフレキシブル部20と、を備える。フレキシブル基材2の曲げ剛性は、硬化膜3を有するリジット部10において、硬化膜3を有しないフレキシブル部20と比較して高められている。
フレキシブル基板40は、折り曲げ可能な柔軟性を示すものであれば、特に限定はされないが、強靭性の点から、ポリエステル基板(ポリエステルフィルム)又はポリイミド基板(ポリイミドフィルム)であることが好ましく、強靭性及び耐熱性の点から、ポリイミド基材(ポリイミドフィルム)であることがより好ましい。フレキシブル基板40の厚みは、10〜75μmであってもよい。
カバーフィルム41は、例えば、導体回路1の保護のためのフィルム又はソルダーレジストとして機能することができる。カバーフィルム41は、フレキシブル基板40の導体回路1側の面上に設けられていてもよいし、フレキシブル基板40の両面上に設けられていてもよい。カバーフィルム41の市販品としては、例えば、ニカフレックスCTSV、CISV、CISA、CKSE、CISG、CKSG(以上、ニッカン工業株式会社製商品名)、パイララックスPC1000(デュポン株式会社製商品名)、レイテックFR−7025、FR−7038、FR−7050、FZ−2520G、FZ−2525G、FZ−2530G、FZ−2535G(以上、日立化成株式会社製商品名)等を用いることができる。カバーフィルム41の厚みは、10〜100μmであってもよい。
導体回路1は、例えば、金属等の導体から形成された導体層である。導体回路1の厚みは、5〜40μmであってもよい。
硬化膜3は、上述の印刷用樹脂組成物を含む。硬化膜3の厚みは、50〜500μmであってもよい。硬化膜3の厚みがこれら範囲内であると、硬化膜の形成が容易となる。また、硬化膜3を有するリジット部10が簡単に屈曲しないため、例えば、フレキシブル基材2の端部に硬化膜3が配置されると、コネクタ等の保護が可能となる。また、例えば、プリント配線板の部品実装部分と反対の面側のフレキシブル基材2上に硬化膜3が配置されると、実装部品の保護が可能となる。
図2、図3は、プリント配線板の他の実施形態を示す端面図である。図2に示すプリント配線板のフレキシブル基材2は、フレキシブル基板40と、フレキシブル基板40の硬化膜3側の面上に順に配置された非配線金属層42及びカバーフィルム41とから構成される。また、図3に示すように、フレキシブル基材2が、フレキシブル基板40とフレキシブル基板40の硬化膜3側の面上に配置された非配線金属層42とから構成され、カバーフィルム41を有していなくてもよい。
図4は、プリント配線板の他の実施形態を示す端面図である。図4に示すプリント配線板100は、フレキシブル基材2と、フレキシブル基材2の一方の主表面上に設けられた導体回路1aと、フレキシブル基材2の他方の主表面上に設けられた硬化膜3とから構成される。フレキシブル基材2は、フレキシブル基板40と、フレキシブル基板40の硬化膜3側に設けられたカバーフィルム41と、フレキシブル基板40とカバーフィルム41の間に設けられ、フレキシブル基板40の硬化膜3側の主表面の一部を覆う導体回路1bとを有する。このように、フレキシブル基材は、絶縁性の主表面を有する基材であればよく、導体回路等を内層として有していてもよい。図4において、硬化膜3が2つ配置されているが、硬化膜3は3つ以上配置されてもよい。プリント配線板100は、硬化膜3を有するリジット部10と、硬化膜3を有しないフレキシブル部20と、を備える。フレキシブル基板40の曲げ剛性は、硬化膜3を有するリジット部10において、硬化膜3を有しないフレキシブル部20と比較して高められている。
以下に実施例を挙げて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[印刷用樹脂組成物(印刷用インキ)の製造]
(実施例1)
アクリル樹脂に対する貧溶媒として、テルピネオール(和光純薬工業株式会社製)を用いた。テルピネオール141gに、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシランKBM573(信越シリコーン株式会社製商品名)2.0gを溶解させた後、球状シリカ粒子(無機フィラー)としてアドマファインSO−25R(アドマテック株式会社製商品名)200gを5回に分けて加えながら、自公転式撹拌機(あわとり錬太郎、シンキー株式会社製商品名)を用いて1000rpmで10分間、2000rpmで2分間の混練を行い、ペースト状のスラリーを得た。このペースト状のスラリーに、エポキシ樹脂としてNC−3000H(ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、日本化薬株式会社製商品名)のシクロヘキサノン溶液(固形分50質量%)24.3g、フェノール樹脂を含む硬化剤としてLA−3018(大日本インキ株式会社製商品名)のプロピレングリコールモノメチルエーテル溶液(固形分50質量%)24.5g、促進剤として2−エチル−4−メチルイミダゾール2E4MZ(四国化成株式会社製商品名)0.42gを加えて、自公転式撹拌機を用いて1000rpmで10分間、2000rpmで5分間の撹拌を行った。この混合液392.22gに、アクリル樹脂(グリシジルメタクリレート(5質量%)、エチルメタクリレート(85質量%)、ブチルアクリレート(5質量%)及びアクリロニトリル(5質量%)の共重合体、重量平均分子量51万、エポキシ当量2882)のシクロヘキサノン溶液(固形分27.0質量%)119gを加えて、自公転式撹拌機を用いて1000rpm(自公転比2/1)で10分間の撹拌を行った。その後、2000rpm(自公転比16/1)で2分間の撹拌を2回行い、印刷用樹脂組成物を得た。無機フィラーの含有量は、溶剤を除く全成分の質量を基準として、77質量%であった。また、貧溶媒の含有量は、溶剤の全質量を基準として、56質量%であった。25℃における粘度は、7.5Pa・sであった。
(実施例2、3)
テルピネオールの量を減らして、溶剤の全質量を基準として、表1に示した含有量になるように変更した以外は実施例1と同様の手順で、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂を含む硬化剤及びシリカ粒子を加えて、樹脂組成物溶液を得た。
(比較例1)
溶剤の全質量を基準として、テルピネオールの含有量を39質量%とした以外は、実施例1と同様の手順で樹脂組成物溶液を得た。
(比較例2)
溶剤の全質量を基準として、テルピネオールの含有量を6質量%とし、シリカ粒子としてアエロジル(ヒュームドシリカ)を、無機フィラー全質量部を100質量部としたとき、5質量部添加した以外は、実施例1と同様の手順で樹脂組成物溶液を得た。
(比較例3)
溶剤の全質量を基準として、テルピネオールの含有量を5質量%とした以外は、実施例1と同様の手順で樹脂組成物溶液を得た。
アクリル樹脂の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により、標準ポリスチレンを用いた検量線から換算した。検量線は、標準ポリスチレンの5サンプルセット(PStQuick MP−H、PStQuick B[東ソー(株)製、商品名])を用いて3次式で近似した。GPCの条件は、以下に示す。
装置:(ポンプ:L−2130型[株式会社日立ハイテクノロジーズ製])、
(検出器:L−2490型RI[株式会社日立ハイテクノロジーズ製])、
(カラムオーブン:L−2350[株式会社日立ハイテクノロジーズ製])
カラム:Gelpack GL−A100M(日立化成株式会社製、商品名)
カラムサイズ:10.7mmI.D×300mm
溶離液:テトラヒドロフラン
試料濃度:10mg/mL
注入量:100μL
流量:1.0mL/分
測定温度:25℃
[評価]
実施例1〜3及び比較例1〜3の印刷用樹脂組成物について、以下の評価を行った。
(粘度特性)
実施例1〜3及び比較例1〜3の印刷用樹脂組成物の25℃における粘度を、E型粘度計を用いて測定した。結果を表1の「粘度」に示す。
実施例1〜3及び比較例1〜3の印刷用樹脂組成物のチキソインデックス(TI)を、E型粘度計を用いて、回転数0.5rpm(回転/分)にて得られる粘度を回転数5rpm(回転/分)にて得られる粘度で除した値(比)として求めた。結果を表1の「チキソインデックス」に示す。
実施例1〜3及び比較例1〜3の印刷用樹脂組成物を、室温で30分放置し、粘度変化の割合を測定した。粘度変化の割合が、放置前の粘度に対して2%以内であったものを「A」、2%を超えたものを「B」とした。結果を表1の「放置後の粘度変化」に示す。
(ポリイミド基材への印刷)
実施例1〜3及び比較例1〜3の印刷用樹脂組成物を厚み25μmのポリイミドフィルム(ユーピレックスS(宇部興産株式会社製商品名)及びカプトンEN(東レ・デュポン株式会社製商品名))に、乾燥後の厚みが100μm以上となるように、スクリーン印刷によって塗布した。このとき、糸引きの有無を確認した。糸引きが観察されなかったものを「A」、糸引きが観察されたものを「B」とした。結果を表1の「糸引き」に示す。これら印刷物を表1に示す温度で乾燥及び加熱硬化し、試験片を得た。このとき、試験片のそりの有無を確認した。そりが観察されなかったものを「A」、そりが観察されたものを「B」とした。結果を表1の「硬化後のそり」に示す。
(ポリイミド接着性)
実施例1〜3及び比較例1〜3の印刷用樹脂組成物をポリイミドフィルム(ユーピレックスS及びカプトンEN)に印刷し、硬化した硬化膜にカッターナイフにより2mm幅で10本、これと直角に交差するように2mm幅で10本の碁盤目を作成し、ポリイミドフィルム面側を両面テープでガラスエポキシ基板に張り合わせた。硬化膜面にセロテープ(登録商標)を張った後これを引き剥がし、剥がれの有無を確認した。剥がれが観測されなかったものを「A」、剥がれが観測されたものを「B」とした。結果を表1の「ポリイミド接着性」に示す。
(硬化膜の機械特性)
離型処理PET(ポリエチレンテレフタレート)フィルムにバーコータを用い、乾燥後の厚みが125μmになるように実施例1〜3及び比較例1〜3の印刷用樹脂組成物を塗布し、130℃で10分間乾燥した後、185℃で30分間硬化し、硬化膜を離型処理PETフィルムから剥がして、試料とした。試料を幅10mm、長さ100mmに打ち抜き、EZテスター(株式会社島津製作所製オートグラフEZ−S)を用いて引張り速度50mm/分で長さ方向に引っ張り、応力−変位曲線を測定した。立ち上がり初期の傾きから引張り弾性率を求めた。
(耐リフロー性)
試験片を2枚の金網の間に挟み、コンベア型リフロー試験に1.2m/分の速度で基板表面温度の最高温度が260℃で10秒になる加熱プロファイルで3回、処理した。処理後、室温において、試験片のそりを観察した。そりが観察されなかったものを「A」、そりが観察されたものを「B」とした。結果を表1の「リフロー後室温そり」に示す。
また、試験片の外観の目視によりポリイミド/樹脂組成物間の膨れ又は剥がれの有無を確認した。膨れ又は剥がれが観察されなかったものを「A」、膨れ又は剥がれが観察されたものを「B」とした。結果を表1の「リフロー膨れ、剥がれ」に示す。
(剛性)
幅10mmの試験片を天秤に押し付け、50gの荷重を掛けたときに試験片の屈曲の有無を観察した。試験片が屈曲しなかったものを「A」、試験片が屈曲したもの、又は硬化膜が破断したものを「B」とした。結果を表1の「剛性」に示す。
Figure 2016004818
実施例1〜3の印刷用樹脂組成物は、糸引きもなく、スクリーン印刷を行うことができた。また、実施例1〜3の印刷用樹脂組成物は、いずれもポリイミド接着性が良好であり、耐リフロー性も良好であった。さらに、剛性についてもいずれも50gの荷重に対して屈曲することはなかった。一方、比較例1〜3の印刷用樹脂組成物は、スクリーン印刷を行う際に糸引きが発生した。
1、1a、1b…導体回路、2…フレキシブル基材、3…硬化膜、10…リジット部、20…フレキシブル部、40…フレキシブル基板、41…カバーフィルム、42…非配線金属層、100…プリント配線板。

Claims (10)

  1. アクリル樹脂と、エポキシ樹脂と、フェノール樹脂を含む硬化剤と、無機フィラーと、溶剤と、を含有する、印刷用樹脂組成物であって、
    前記無機フィラーの含有量が、当該樹脂組成物中の前記溶剤を除く全成分の質量を基準として、50質量%以上であり、
    前記溶剤のうち40質量%以上が、前記アクリル樹脂に対する貧溶媒であり、
    25℃において10Pa・s以下の粘度を有する、印刷用樹脂組成物。
  2. 前記アクリル樹脂がグリシジル基を有する、請求項1に記載の印刷用樹脂組成物。
  3. 前記アクリル樹脂の重量平均分子量が50万〜150万である、請求項1又は2に記載の印刷用樹脂組成物。
  4. 前記無機フィラーがシリカ粒子を含み、前記シリカ粒子がシランカップリング剤で表面処理されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の印刷用樹脂組成物。
  5. 前記シランカップリング剤がアミノ基を有する、請求項4に記載の印刷用樹脂組成物。
  6. 前記エポキシ樹脂がビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂を含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の印刷用樹脂組成物。
  7. フィルム状のポリイミド基材に印刷用樹脂組成物を印刷し、印刷された前記印刷用樹脂組成物を硬化して、前記ポリイミド基材の曲げ剛性を高める硬化膜を形成するために用いられる、請求項1〜6のいずれか一項に記載の印刷用樹脂組成物。
  8. フィルム状のフレキシブル基材に印刷用樹脂組成物を印刷し、印刷された前記印刷用樹脂組成物を硬化して、前記フレキシブル基材の主表面の一部を覆う硬化膜を有するリジット部を備えるプリント配線板を製造するために用いられる、請求項1〜7のいずれか一項に記載の印刷用樹脂組成物。
  9. フィルム状のフレキシブル基材と、
    前記フレキシブル基材の主表面上に配置された、導体回路及び請求項1〜8のいずれか一項に記載の印刷用樹脂組成物から形成された硬化膜と、
    を備える、プリント配線板。
  10. 前記導体回路が、前記フレキシブル基材の一方の主表面上に配置され、前記硬化膜が、前記フレキシブル基材の他方の主表面上に配置される、請求項9に記載のプリント配線板。
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