JP2016003704A - 車両用動力伝達装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 クランク式の無段変速機において、偏心部材にコネクティングロッドの大端部を支持するベアリングが発する振動や騒音を低減する。
【解決手段】 第1入力軸位相算出手段M2は、ワンウェイクラッチ21のインナー部材23に対するアウター部材22の他方向への揺動が開始するとき(ワンウェイクラッチ21が係合解除するとき)の入力軸11の第1位相θ1を算出し、第2入力軸位相算出手段M3は、第1位相θ1よりも所定位相遅れた第2位相θ2を算出し、偏心量制御手段M1は、入力軸11の位相θが第2位相θ2に達してから第1位相θ1に達するまでの間は規範偏心量を増加させるので、ワンウェイクラッチ21が係合状態から係合解除状態に切り換わる瞬間にベアリング20に加わる荷重が急変するのを防止することで、ベアリング20が発生する振動や騒音を低減することができる。
【選択図】 図8

Description

本発明は、駆動源に接続された入力軸と、駆動輪に接続された出力軸と、前記入力軸からの偏心量が可変であって該入力軸と一体に回転する偏心部材と、インナー部材を前記出力軸に接続されたワンウェイクラッチと、大端部が前記偏心部材に接続されて小端部が前記ワンウェイクラッチのアウター部材に接続されたコネクティングロッドとを備える車両用動力伝達装置に関する。
エンジンに接続された入力軸の回転を複数のコネクティングロッドの相互に位相が異なる往復運動に変換し、前記複数のコネクティングロッドの往復運動を複数のワンウェイクラッチによって出力軸の回転運動に変換するクランク式の無段変速機が、下記特許文献1により公知である。
特開2012−251611号公報
ところで、かかるクランク式の無段変速機において、コネクティングロッドが押し方向に移動するときにワンウェイクラッチが係合し、コネクティングロッドが引き方向に移動するときにワンウェイクラッチが係合解除する場合、コネクティングロッドの移動方向が押し方向から引き方向に切り換わる瞬間に偏心ディスクにコネクティングロッドの大端部を支持するベアリングが振動や騒音を発する問題がある。
即ち、図9において、横軸は時間を示し、縦軸はコネクティングロッドから出力軸に伝達されるトルクとベアリングが発する振動とを示している。コネクティングロッドが押し方向に移動するとき、A点からトルクが立ち上がり、B点でトルクが最大値になり、D点でコネクティングロッドの移動方向から押し方向から引き方向に切り換わったときに振動が発生することが分かる。
図10のグラフは、入力軸と一体に回転する偏心ディスクからコネクティングロッドの大端部を支持するベアリングに加わる荷重の方向および大きさを示すグラフである。図10のグラフの原点は、図11の入力軸の軸線に設定される。図10のグラフのX軸の方向は、図11において入力軸の軸線と出力軸の軸線とを結ぶ方向であり、出力軸の軸線側が正である。図10のグラフのY軸は原点を通ってX軸と直交しており、原点の下側つまりコネクティングロッドの小端部が存在する側が負である。
図10のベクトルVAは、前記A点においてベアリングに加わる荷重のベクトルを、その始点を原点に一致させて描いたものである。ベクトルVB、ベクトルVCおよびベクトルVDは、それぞれ前記B点、前記C点および前記D点においてベアリングに加わる荷重のベクトルを、その始点を原点に一致させて描いたものである。そして8字状のラインは、入力軸が1回転する間にベクトルの終点が描く軌跡である。
図10において、トルクが抜けるD点においてベクトルの終点の軌跡の接線方向が角度αだけ急変しており、このD点において偏心ディスクからベアリングに加わる荷重の方向が急変して振動が発生すると考えられる。
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、クランク式の無段変速機において、偏心部材にコネクティングロッドの大端部を支持するベアリングが発する振動や騒音を低減することを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、駆動源に接続された入力軸と、駆動輪に接続された出力軸と、前記入力軸からの偏心量が可変であって該入力軸と一体に回転する偏心部材と、インナー部材を前記出力軸に接続されたワンウェイクラッチと、大端部が前記偏心部材にベアリングを介して支持されて小端部が前記ワンウェイクラッチのアウター部材に接続されたコネクティングロッドと、前記偏心量を車速およびアクセル開度に基づいて算出した規範偏心量に制御する偏心量制御手段とを備え、前記インナー部材に対する前記アウター部材の一方向への揺動により前記ワンウェイクラッチが係合し、前記インナー部材に対する前記アウター部材の他方向への揺動により前記ワンウェイクラッチが係合解除する車両用動力伝達装置であって、前記入力軸の回転数を検出する入力軸回転数検出手段と、前記出力軸の回転数を検出する出力軸回転数検出手段と、前記偏心量を検出する偏心量検出手段と、前記入力軸の位相を検出する入力軸位相検出手段と、前記入力軸の回転数、前記出力軸の回転数、前記偏心量および前記入力軸の位相に基づいて、前記インナー部材に対する前記アウター部材の他方向への揺動が開始するときの前記入力軸の第1位相を算出する第1入力軸位相算出手段と、前記入力軸の回転数、前記出力軸の回転数、前記偏心量および前記入力軸の位相に基づいて、前記第1位相よりも所定位相遅れた第2位相を算出する第2入力軸位相算出手段とを備え、前記偏心量制御手段は、前記入力軸の位相が前記第2位相に達してから前記第1位相に達するまでの間は前記規範偏心量を増加させることを特徴とする車両用動力伝達装置が提案される。
また請求項2に記載された発明によれば、請求項1の構成に加えて、前記入力軸の軸線を原点とし、前記原点から前記出力軸の軸線に向かう方向をX軸の正方向とし、前記X軸と直交する方向であって前記コネクティングロッドの小端部が存在する側をY軸の負方向とするX−Y直交座標系において、前記偏心部材から前記ベアリングに作用する荷重のベクトルの始点を前記原点に一致させ、前記入力軸が1回転する間の前記ベクトルの終点の軌跡を描いたとき、前記軌跡が前記X−Y直交座標系の第4象限から第3象限に移るときの前記入力軸の位相を前記第2位相とすることを特徴とする車両用動力伝達装置が提案される。
尚、実施の形態の偏心ディスク18は本発明の偏心部材に対応し、実施の形態のボールベアリング20は本発明のベアリングに対応し、実施の形態のエンジンEは本発明の駆動源に対応する。
請求項1の構成によれば、入力軸と一体に偏心部材が偏心回転すると、偏心部材に大端部を接続されたコネクティングロッドが往復運動し、コネクティングロッドの小端部にワンウェイクラッチを介して接続された出力軸が間欠回転する。偏心量制御手段が車速およびアクセル開度に基づいて規範偏心量を算出し、偏心ディスクの偏心量を規範偏心量に制御すると、コネクティングロッドの往復運動のストロークが変化して出力軸の間欠回転角が変化することで、入力軸および出力軸間のレシオが変更される。
第1入力軸位相算出手段は、ワンウェイクラッチのインナー部材に対するアウター部材の他方向への揺動が開始するとき(ワンウェイクラッチが係合解除するとき)の入力軸の第1位相を算出し、第2入力軸位相算出手段は、第1位相よりも所定位相遅れた第2位相を算出し、偏心量制御手段は、入力軸の位相が第2位相に達してから第1位相に達するまでの間は規範偏心量を増加させるので、ワンウェイクラッチが係合状態から係合解除状態に切り換わる瞬間にベアリングに加わる荷重が急変するのを防止することで、ベアリングが発生する振動や騒音を低減することができる。
また請求項2の構成によれば、偏心部材からベアリングに作用する荷重のベクトルの始点をX−Y直交座標系の原点に一致させ、入力軸が1回転する間のベクトルの終点の軌跡を描いたとき、軌跡がX−Y直交座標系の第4象限から第3象限に移るときの入力軸の位相を第2位相とするので、規範偏心量を増加させるタイミングを適切に設定することができる。
車両用の動力伝達装置のスケルトン図。 図1の2部詳細図。 図2の3−3線断面図(OD状態)。 図2の3−3線断面図(GN状態)。 OD状態での作用説明図。 GN状態での作用説明図。 偏心ディスクの偏心量の制御系のブロック図。 振動・騒音の低減制御の作用を説明するフローチャート。 伝達トルクおよび振動の変化を示すグラフ ボールベアリングに作用する荷重の変化を示すグラフ。 X−Y直交座標系の定義の説明図。 伝達トルクおよび偏心ディスクの規範偏心量の変化を示すグラフ。 図10の13部詳細図。
以下、図1〜図13に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図1に示すように、エンジンEの駆動力を左右の車軸10,10を介して駆動輪W,Wに伝達する車両用動力伝達装置は、クランク式の無段変速機TとディファレンシャルギヤDとを備える。
図2および図3に示すように、本実施の形態の無段変速機Tは同一構造を有する複数個(実施の形態では4個)の変速ユニットU…を軸方向に重ね合わせたもので、それらの変速ユニットU…は平行に配置された共通の入力軸11および共通の出力軸12を備えており、入力軸11の回転が減速または増速されて出力軸12に伝達される。
以下、代表として一つの変速ユニットUの構造を説明する。エンジンEに接続されて回転する入力軸11は、電動モータのような変速アクチュエータ14の中空の回転軸14aの内部を相対回転自在に貫通する。変速アクチュエータ14のロータ14bは回転軸14aに固定されており、ステータ14cはケーシングに固定される。変速アクチュエータ14の回転軸14aは、入力軸11と同速度で回転可能であり、かつ入力軸11に対して異なる速度で相対回転可能である。
変速アクチュエータ14の回転軸14aを貫通した入力軸11には第1ピニオン15が固定されており、この第1ピニオン15を跨ぐように変速アクチュエータ14の回転軸14aにクランク状のキャリヤ16が接続される。第1ピニオン15と同径の2個の第2ピニオン17,17が、第1ピニオン15と協働して正三角形を構成する位置にそれぞれピニオンピン16a,16aを介して支持されており、これら第1ピニオン15および第2ピニオン17,17に、円板形の偏心ディスク18の内部に偏心して形成されたリングギヤ18aが噛合する。偏心ディスク18の外周面に、コネクティングロッド19のロッド部19aの一端に設けた大端部19bがボールベアリング20を介して相対回転自在に嵌合する。
出力軸12の外周に設けられたワンウェイクラッチ21は、コネクティングロッド19の小端部19cに連結ピン26を介して枢支されたリング状のアウター部材22と、アウター部材22の内部に配置されて出力軸12に固定されたインナー部材23と、アウター部材22の内周の円弧面とインナー部材23の外周の平面との間に形成された楔状の空間に配置されてスプリング24…で付勢されたローラ25…とを備える。
図2から明らかなように、4個の変速ユニットU…はクランク状のキャリヤ16を共有しているが、キャリヤ16に第2ピニオン17,17を介して支持される偏心ディスク18の位相は各々の変速ユニットUで90°ずつ異なっている。例えば、図2において、左端の変速ユニットUの偏心ディスク18は入力軸11に対して図中上方に変位し、左から3番目の変速ユニットUの偏心ディスク18は入力軸11に対して図中下方に変位し、左から2番目および4番目の変速ユニットU,Uの偏心ディスク18,18は上下方向中間に位置している。
図7に示すように、偏心ディスク18の偏心量を増減すべく変速アクチュエータ14の作動を制御する電子制御ユニットUは、偏心量制御手段M1と、第1入力軸位相算出手段M2と、第2入力軸位相算出手段M3とを備える。偏心量制御手段M1には、第1入力軸位相算出手段M2および第2入力軸位相算出手段M3が接続されるとともに、車速を検出する車速検出手段Seおよびアクセル開度を検出するアクセル開度検出手段Sfが接続される。また第1入力軸位相算出手段M2および第2入力軸位相算出手段M3には、入力軸11の回転数を検出するパルスセンサよりなる入力軸回転数検出手段Saと、出力軸12の回転数を検出するパルスセンサよりなる出力軸回転数検出手段Sbと、偏心ディスク18の偏心量を検出する位置センサよりなる偏心量検出手段Scと、入力軸11の位相θを検出するロータリエンコーダよりなる入力軸位相検出手段Sdとが各々接続される。
次に、上記構成を備えた本発明の実施の形態の作用を説明する。
先ず、無段変速機Tの一つの変速ユニットUの作用を説明する。変速アクチュエータ14の回転軸14aを入力軸11に対して相対回転させると、入力軸11の軸線L1まわりにキャリヤ16が回転する。このとき、キャリヤ16の中心O、つまり第1ピニオン15および2個の第2ピニオン17,17が成す正三角形の中心は入力軸11の軸線L1まわりに回転する。
図3および図5は、キャリヤ16の中心Oが第1ピニオン15(つまり入力軸11)に対して出力軸12と反対側にある状態を示しており、このとき入力軸11に対する偏心ディスク18の偏心量が最大になって無段変速機Tのレシオは最小のOD(オーバードライブ)状態になる。図4および図6は、キャリヤ16の中心Oが第1ピニオン15(つまり入力軸11)に対して出力軸12と同じ側にある状態を示しており、このとき入力軸11に対する偏心ディスク18の偏心量が最小になって無段変速機Tのレシオは無限大のGN(ギヤドニュートラル)状態になる。
図5に示すOD状態で、エンジンEで入力軸11を回転させるとともに、入力軸11と同速度で変速アクチュエータ14の回転軸14aを回転させると、入力軸11、回転軸14a、キャリヤ16、第1ピニオン15、2個の第2ピニオン17,17および偏心ディスク18が一体になった状態で、入力軸11を中心に反時計方向(矢印A参照)に偏心回転する。図5(A)から図5(B)を経て図5(C)の状態へと回転する間に、偏心ディスク18の外周に大端部19bをボールベアリング20を介して相対回転自在に支持されたコネクティングロッド19は、そのロッド部19aの先端に連結ピン26で枢支されたアウター部材22を反時計方向(矢印B参照)に回転させる。図5(A)および図5(C)は、アウター部材22の前記矢印B方向の回転の両端を示している。
このようにしてアウター部材22が矢印B方向に回転すると、ワンウェイクラッチ21のアウター部材22およびインナー部材23間の楔状の空間にローラ25…が噛み込み、アウター部材22の回転がインナー部材23を介して出力軸12に伝達されるため、出力軸12は反時計方向(矢印C参照)に回転する。
入力軸11および第1ピニオン15が更に回転すると、第1ピニオン15および第2ピニオン17,17にリングギヤ18aを噛合させた偏心ディスク18が反時計方向(矢印A参照)に偏心回転する。図5(C)から図5(D)を経て図5(A)の状態へと回転する間に、偏心ディスク18の外周に大端部19bをボールベアリング20を介して相対回転自在に支持されたコネクティングロッド19は、そのロッド部19aの先端に連結ピン26で枢支されたアウター部材22を時計方向(矢印B′参照)に回転させる。図5(C)および図5(A)は、アウター部材22の前記矢印B′方向の回転の両端を示している。
このようにしてアウター部材22が矢印B′方向に回転すると、アウター部材22とインナー部材23との間の楔状の空間からローラ25…がスプリング24…を圧縮しながら押し出されることで、アウター部材22がインナー部材23に対してスリップして出力軸12は回転しない。
以上のように、アウター部材22が往復回転したとき、アウター部材22の回転方向が反時計方向(矢印B参照)のときだけ出力軸12が反時計方向(矢印C参照)に回転するため、出力軸12は間欠回転することになる。
図6は、GN状態で無段変速機Tを運転するときの作用を示すものである。このとき、入力軸11の位置は偏心ディスク18の中心に一致しているので、入力軸11に対する偏心ディスク18の偏心量はゼロになる。この状態でエンジンEで入力軸11を回転させるとともに、入力軸11と同速度で変速アクチュエータ14の回転軸14aを回転させると、入力軸11、回転軸14a、キャリヤ16、第1ピニオン15、2個の第2ピニオン17,17および偏心ディスク18が一体になった状態で、入力軸11を中心に反時計方向(矢印A参照)に偏心回転する。しかしながら、偏心ディスク18の偏心量がゼロであるため、コネクティングロッド19の往復運動のストロークもゼロになり、出力軸12は回転しない。
従って、変速アクチュエータ14を駆動してキャリヤ16の位置を図3のOD状態と図4のGN状態との間に設定すれば、無限大レシオおよび所定レシオ間の任意のレシオでの運転が可能になる。
無段変速機Tは、並置された4個の変速ユニットU…の偏心ディスク18…の位相が相互に90°ずつずれているため、4個の変速ユニットU…が交互に駆動力を伝達することで、つまり4個のワンウェイクラッチ21…の何れかが必ず係合状態にあることで、出力軸12を連続回転させることができる。
次に、ワンウェイクラッチ21が係合解除するときのボールベアリング20の振動・騒音の抑制制御について説明する。
「発明が解決しようとする課題」の欄で説明したように、クランク式の無段変速機Tは、ワンウェイクラッチ21が係合状態から非係合状態に移行するときに、偏心ディスク18およびコネクティングロッド19の大端部19b間に配置されたボールベアリング20に入力する荷重の方向が急変して振動・騒音が発生する問題がある。本実施の形態では、ワンウェイクラッチ21が係合状態から非係合状態に移行するときに、偏心ディスク18の偏心量を一時的に増加させ、ボールベアリング20に入力する荷重の方向の急変を防止することで振動・騒音の発生を抑制する。
図7に示すように、無段変速機Tの通常の変速制御において、偏心量制御手段M1は、車速検出手段Seで検出した車速とアクセル開度検出手段Sfで検出したアクセル開度とに基づいて規範偏心量をマップ検索し、偏心ディスク18の偏心量を規範偏心量に一致するように制御する。これと並行して、偏心量制御手段M1は、ボールベアリング20の振動・騒音を抑制すべく、ワンウェイクラッチ21が係合状態から非係合状態に移行するタイミングに合わせて規範偏心量を一時的に増加させる。
即ち、図8のフローチャートのステップS1で、入力軸回転数検出手段Saで入力軸回転数を検出し、出力軸回転数検出手段Sbで出力軸回転数を検出し、偏心量検出手段Scで偏心ディスク18の偏心量を検出し、入力軸位相検出手段Sdで入力軸位相を検出する。続くステップS2で、第1入力軸位相算出手段M2は入力軸回転数、出力軸回転数、偏心量および入力軸位相に基づいて入力軸11の第1位相θ1をマップ検索するとともに、第2入力軸位相算出手段M3は入力軸回転数、出力軸回転数、偏心量および入力軸位相に基づいて入力軸11の第2位相θ2をマップ検索する。
第1位相θ1は、コネクティングロッド19に作用する押し荷重、つまりボールベアリング20に作用する荷重が抜けるときの入力軸11の位相θであり、図9および図10のD点の位相θに対応する。また第1位相θ1よりも所定位相だけ遅れた第2位相θ2は、図9および図10においてベクトルの終点の軌跡が第4象限から第3象限に移るC点の位相θに対応する。
続くステップS3で、入力軸11の位相θがθ2≦θ<θ1にあるとき、つまりC点およびD点の間にあるとき、ステップS4で、偏心量制御手段M1は規範偏心量を増加させる。図12(A)はコネクティングロッド19が伝達するトルクと、偏心ディスク18の規範偏心量とを示すもので、コネクティングロッド19が押し状態から引き状態に切り換わって伝達トルクがゼロになるときに、偏心量制御手段M1が規範偏心量を三角波状に増加させる。図12(B)は図12(A)の鎖線で囲んだ部分の拡大図であって、規範偏心量を一時的に増加させてトルクの伝達量を一時的に増加させることで、ゼロに向かって減少する伝達トルクの最終段階での落ち込みが緩やかになることが分かる。
そしてステップS5で、入力軸11の位相θが第1位相θ1以上になると、ステップS6で、規範偏心量を元の状態に戻して振動・騒音の抑制制御を終了する。
図13は図10の13部拡大図であり、破線は従来例に対応し、実線は実施の形態に対応する。トルク抜けの直前に偏心ディスク18の偏心量が一時的に増加することで、D点におけるX軸方向荷重(負値)が更に負方向に減少し、Y軸方向荷重(負値)が正方向に増加することで、D点における接線の成す角度が従来のαから実施の形態のα′に減少するため、D点においてボールベアリング20に入力する荷重(ベクトルVD)の急変が抑制されて振動や騒音が減少する。
また規範偏心量の増加制御を開始する第2位相θ2を、ベクトルの終点の軌跡が第4象限から第3象限に移る瞬間の入力軸の位相θ(図10のC点参照)、つまりボールベアリング20に作用するX軸方向の荷重が正から負に切り換わる瞬間の入力軸の位相θとして設定するので、規範偏心量の増加制御を適切なタイミングで開始することができる。
尚、実施の形態では4個の変速ユニットU…の偏心ディスク18…の偏心量を一斉に変更するため、振動・騒音の低減のために1個の偏心ディスク18の偏心量を増加させると、他の3個の偏心ディスク18…の偏心量も増加してしまうが、偏心量の増加は極めて短時間で終了するため、無段変速機Tのレシオへの影響は無視できる程度である。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
例えば、実施の形態では振動・騒音の低減のために4個の変速ユニットU…の偏心量を一斉に変化させているが、各変速ユニットUの偏心量を個別に制御すれば無段変速機Tのレシオに対する影響を更に低減することができる。
また本発明のベアリングは実施の形態のボールベアリング20に限定されず、ローラベアリングやニードルベアリング等の他種にベアリングであっても良い。
11 入力軸
12 出力軸
18 偏心ディスク(偏心部材)
19 コネクティングロッド
19b 大端部
19c 小端部
20 ボールベアリング(ベアリング)
21 ワンウェイクラッチ
22 アウター部材
23 インナー部材
E エンジン(駆動源)
M1 偏心量制御手段
M2 第1入力軸位相算出手段
M3 第2入力軸位相算出手段
Sa 入力軸回転数検出手段
Sb 出力軸回転数検出手段
Sc 偏心量検出手段
Sd 入力軸位相検出手段
W 駆動輪
θ 入力軸の位相
θ1 入力軸の第1位相
θ2 入力軸の第2位相

Claims (2)

  1. 駆動源(E)に接続された入力軸(11)と、駆動輪(W)に接続された出力軸(12)と、前記入力軸(11)からの偏心量が可変であって該入力軸(11)と一体に回転する偏心部材(18)と、インナー部材(23)を前記出力軸(12)に接続されたワンウェイクラッチ(21)と、大端部(19b)が前記偏心部材(18)にベアリング(20)を介して支持されて小端部(19c)が前記ワンウェイクラッチ(21)のアウター部材(22)に接続されたコネクティングロッド(19)と、前記偏心量を車速およびアクセル開度に基づいて算出した規範偏心量に制御する偏心量制御手段(M1)とを備え、
    前記インナー部材(23)に対する前記アウター部材(22)の一方向への揺動により前記ワンウェイクラッチ(21)が係合し、前記インナー部材(23)に対する前記アウター部材(22)の他方向への揺動により前記ワンウェイクラッチ(21)が係合解除する車両用動力伝達装置であって、
    前記入力軸(11)の回転数を検出する入力軸回転数検出手段(Sa)と、
    前記出力軸(12)の回転数を検出する出力軸回転数検出手段(Sb)と、
    前記偏心量を検出する偏心量検出手段(Sc)と、
    前記入力軸(11)の位相(θ)を検出する入力軸位相検出手段(Sd)と、
    前記入力軸(11)の回転数、前記出力軸(12)の回転数、前記偏心量および前記入力軸(11)の位相(θ)に基づいて、前記インナー部材(23)に対する前記アウター部材(22)の他方向への揺動が開始するときの前記入力軸(11)の第1位相(θ1)を算出する第1入力軸位相算出手段(M2)と、
    前記入力軸(11)の回転数、前記出力軸(12)の回転数、前記偏心量および前記入力軸(11)の位相(θ)に基づいて、前記第1位相(θ1)よりも所定位相遅れた第2位相(θ2)を算出する第2入力軸位相算出手段(M3)とを備え、
    前記偏心量制御手段(M1)は、前記入力軸(11)の位相(θ)が前記第2位相(θ2)に達してから前記第1位相(θ1)に達するまでの間は前記規範偏心量を増加させることを特徴とする車両用動力伝達装置。
  2. 前記入力軸(11)の軸線を原点とし、前記原点から前記出力軸(12)の軸線に向かう方向をX軸の正方向とし、前記X軸と直交する方向であって前記コネクティングロッド(19)の小端部(19c)が存在する側をY軸の負方向とするX−Y直交座標系において、前記偏心部材(18)から前記ベアリング(20)に作用する荷重のベクトルの始点を前記原点に一致させ、前記入力軸(11)が1回転する間の前記ベクトルの終点の軌跡を描いたとき、前記軌跡が前記X−Y直交座標系の第4象限から第3象限に移るときの前記入力軸(11)の位相(θ)を前記第2位相(θ2)とすることを特徴とする、請求項1に記載の車両用動力伝達装置。
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