JP6090635B2 - 車両用動力伝達装置 - Google Patents
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Description
本発明は、駆動源に接続された入力軸の回転を変速して出力軸に伝達する動力伝達ユニットが、前記入力軸の軸線からの偏心量が可変であって該入力軸と共に回転する入力側支点と、前記出力軸に接続されたワンウェイクラッチと、前記ワンウェイクラッチのアウター部材に設けられた出力側支点と、前記入力側支点および前記出力側支点に両端を接続されて往復運動するコネクティングロッドと、前記入力側支点の偏心量を変更する変速アクチュエータとを備える車両用動力伝達装置に関する。
かかるクランク式の動力伝達ユニットを備えた車両用動力伝達装置において、車両が停止した状態でアクセル操作が行われておらず且つブレーキ操作が行われているときに運転者が停止意思を持つと判断し、動力伝達ユニットの偏心ディスクの偏心量をゼロに設定することで、動力伝達ユニットのフリクションを最小限に抑えて燃費の向上を図るものが、下記特許文献1により公知である。
ところで、上記従来のものは、車両が停止した状態でブレーキ操作が行われておらず且つアクセル操作が行われているときに運転者が発進意思を持つと判断し、動力伝達ユニットの偏心ディスクの偏心量をゼロから所定値へと増加させて車両を発進させるようになっているが、変速アクチュエータで偏心ディスクの偏心量をゼロから所定値へと増加させるまでにタイムラグが発生することが避けられず、そのために車両の発進応答性が低下する可能性があった。
本発明は前述の事情に鑑みてなされたもので、クランク式の動力伝達ユニットを備える車両用動力伝達装置において、車両の停止後に再発進する際の発進応答性を高めることを目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1に記載された発明によれば、駆動源に接続された入力軸の回転を変速して出力軸に伝達する動力伝達ユニットが、前記入力軸の軸線からの偏心量が可変であって該入力軸と共に回転する入力側支点と、前記出力軸に接続されたワンウェイクラッチと、前記ワンウェイクラッチのアウター部材に設けられた出力側支点と、前記入力側支点および前記出力側支点に両端を接続されて往復運動するコネクティングロッドと、前記入力側支点の偏心量を変更する変速アクチュエータとを備える車両用動力伝達装置であって、運転者の停止意思を検出する停止意思検出手段と、運転者の発進意思を検出する発進意思検出手段と、車両の発進抵抗を算出する発進抵抗算出手段と、前記変速アクチュエータを駆動して前記偏心量を制御する偏心量制御手段とを備え、前記停止意思検出手段が車両の減速走行中に運転者の停止意思を検出すると、次に前記発進意思検出手段が運転者の発進意思を検出するまでの間、前記発進抵抗算出手段が車両の発進抵抗を算出するとともに、前記偏心量制御手段が前記偏心量をゼロよりも大きく且つ前記発進抵抗に相当する出力トルクを発生する値よりも小さい範囲で制御することを特徴とする車両用動力伝達装置が提案される。
尚、実施の形態の偏心ディスク18は本発明の入力側支点に対応し、実施の形態のピン19cは本発明の出力側支点に対応し、実施の形態のエンジンEは本発明の駆動源に対応する。
請求項1の構成によれば、入力軸と共に入力側支点が偏心回転すると、コネクティングロッドを介してワンウェイクラッチのアウター部材が往復揺動し、アウター部材が一方向に揺動したときにワンウェイクラッチが係合し、アウター部材が他方向に揺動したときにワンウェイクラッチが係合解除することで、出力軸が一方向に回転する。変速アクチュエータで入力側支点の偏心量を変更すると、コネクティングロッドの往復移動のストロークが変化し、それに伴ってアウター部材の往復揺動のストロークが変化することで変速比が変更される。
運転者の停止意思を検出する停止意思検出手段と、運転者の発進意思を検出する発進意思検出手段と、車両の発進抵抗を算出する発進抵抗算出手段と、変速アクチュエータを駆動して偏心量を制御する偏心量制御手段とを備え、停止意思検出手段が車両の減速走行中に運転者の停止意思を検出すると、次に発進意思検出手段が運転者の発進意思を検出するまでの間、発進抵抗算出手段が車両の発進抵抗を算出するとともに、偏心量制御手段が偏心量をゼロよりも大きく且つ発進抵抗に相当する出力トルクを発生する値よりも小さい範囲で制御する。これにより、車両の停止状態を維持しながら偏心量を予め増加させることができ、車両の発進時に偏心量を必要な値に増加させるまでのタイムラグが減少して発進応答性が向上する。しかも偏心量の増加は車両の減速走行中から行われるので、車両が停止直後に発進する場合であっても発進応答性の向上が可能になる。
以下、図1〜図10に基づいて本発明の実施の形態を説明する。
図1〜図3に示すように、エンジンEの駆動力を左右の車軸10,10を介して駆動輪W,Wに伝達する車両用動力伝達装置は、クランク式の無段変速機TおよびディファレンシャルギヤDを備える。本実施の形態の無段変速機Tは同一構造を有する複数個(実施の形態では4個)の動力伝達ユニットU…を軸方向に重ね合わせたもので、それらの動力伝達ユニットU…は平行に配置された共通の入力軸11および共通の出力軸12を備えており、入力軸11の回転が減速または増速されて出力軸12に伝達される。
次に、図2〜図6に基づいて無段変速機Tの構造を説明する。
先ず、代表として一つの動力伝達ユニットUの構造を説明する。エンジンEに接続されて回転する入力軸11は、電動モータのような変速アクチュエータ14の中空の回転軸14aの内部を相対回転自在に貫通する。変速アクチュエータ14のロータ14bは回転軸14aに固定されており、ステータ14cはケーシングに固定される。変速アクチュエータ14の回転軸14aは、入力軸11と同速度で回転可能であり、かつ入力軸11に対して異なる速度で相対回転可能である。
変速アクチュエータ14の回転軸14aを貫通した入力軸11には第1ピニオン15が固定されており、この第1ピニオン15を跨ぐように変速アクチュエータ14の回転軸14aにクランク状のキャリヤ16が接続される。第1ピニオン15と同径の2個の第2ピニオン17,17が、第1ピニオン15と協働して正三角形を構成する位置にそれぞれピニオンピン16a,16aを介して支持されており、これら第1ピニオン15および第2ピニオン17,17に、円板形の偏心ディスク18の内部に偏心して形成されたリングギヤ18aが噛合する。偏心ディスク18の外周面に、コネクティングロッド19のロッド部19aの一端に設けたリング部19bがボールベアリング20を介して相対回転自在に嵌合する。
出力軸12の外周に設けられたワンウェイクラッチ21は、コネクティングロッド19のロッド部19aにピン19cを介して枢支されたリング状のアウター部材22と、アウター部材22の内部に配置されて出力軸12に固定されたインナー部材23と、アウター部材22とインナー部材23との間に形成された楔状の空間に配置されてエンゲージスプリング24…で付勢されたローラ25…とを備える。
図2から明らかなように、4個の動力伝達ユニットU…はクランク状のキャリヤ16を共有しているが、キャリヤ16に第2ピニオン17,17を介して支持される偏心ディスク18の位相は各々の動力伝達ユニットUで90°ずつ異なっている。例えば、図2において、左端の動力伝達ユニットUの偏心ディスク18は入力軸11に対して図中上方に変位し、左から3番目の動力伝達ユニットUの偏心ディスク18は入力軸11に対して図中下方に変位し、左から2番目および4番目の動力伝達ユニットU,Uの偏心ディスク18,18は上下方向中間に位置している。
次に、車両の停止後に再発進する際に動力伝達ユニットUの偏心ディスク18の偏心量εを制御して発進応答性を高める偏心量制御装置を説明する。
図7に示すように、電子制御ユニットよりなる偏心量制御装置は、停止意思検出手段M1と、発進意思検出手段M2と、発進抵抗算出手段M3と、偏心量制御手段M4とを備える。停止意思検出手段M1には、車速を検出する車速センサSaと、ブレーキペダルの操作を検出するブレーキスイッチSbと、アクセル開度を検出するアクセル開度センサScとが接続される。発進意思検出手段M2には、前記ブレーキスイッチSaと、前記アクセル開度センサSbとが接続される。発進抵抗は車体の傾斜角に応じて変化するため、発進抵抗算出手段M3には車体の傾斜角を検出する傾斜角センサSdが接続される。偏心量制御手段M4は変速アクチュエータ19の作動を制御し、偏心ディスク18の偏心量εを制御する。
次に、上記構成を備えた本発明の実施の形態の作用を説明する。
先ず、無段変速機Tの一つの動力伝達ユニットUの作用を説明する。変速アクチュエータ14の回転軸14aを入力軸11に対して相対回転させると、入力軸11の軸線L1まわりにキャリヤ16が回転する。このとき、キャリヤ16の中心O、つまり第1ピニオン15および2個の第2ピニオン17,17が成す正三角形の中心は入力軸11の軸線L1まわりに回転する。
図3および図5は、キャリヤ16の中心Oが第1ピニオン15(つまり入力軸11)に対して出力軸12と反対側にある状態を示しており、このとき入力軸11に対する偏心ディスク18の偏心量が最大になって無段変速機Tの変速比は最小のOD(オーバドライブ)状態になる。図4および図6は、キャリヤ16の中心Oが第1ピニオン15(つまり入力軸11)に対して出力軸12と同じ側にある状態を示しており、このとき入力軸11に対する偏心ディスク18の偏心量がゼロになって無段変速機Tの変速比は無限大のGN(ギヤドニュートラル)状態になる。
図5に示すOD状態で、エンジンEで入力軸11を回転させるとともに、入力軸11と同速度で変速アクチュエータ14の回転軸14aを回転させると、入力軸11、回転軸14a、キャリヤ16、第1ピニオン15、2個の第2ピニオン17,17および偏心ディスク18が一体になった状態で、入力軸11を中心に反時計方向(矢印A参照)に偏心回転する。図5(A)から図5(B)を経て図5(C)の状態へと回転する間に、偏心ディスク18の外周にリング部19bをボールベアリング20を介して相対回転自在に支持されたコネクティングロッド19は、そのロッド部19aの先端にピン19cで枢支されたアウター部材22を反時計方向(矢印B参照)に回転させる。図5(A)および図5(C)は、アウター部材22の前記矢印B方向の回転の両端を示している。
このようにしてアウター部材22が矢印B方向に回転すると、ワンウェイクラッチ21のアウター部材22およびインナー部材23間の楔状の空間にローラ25…が噛み込み、アウター部材22の回転がインナー部材23を介して出力軸12に伝達されるため、出力軸12は反時計方向(矢印C参照)に回転する。
入力軸11および第1ピニオン15が更に回転すると、第1ピニオン15および第2ピニオン17,17にリングギヤ18aを噛合させた偏心ディスク18が反時計方向(矢印A参照)に偏心回転する。図5(C)から図5(D)を経て図5(A)の状態へと回転する間に、偏心ディスク18の外周にリング部19bをボールベアリング20を介して相対回転自在に支持されたコネクティングロッド19は、そのロッド部19aの先端にピン19cで枢支されたアウター部材22を時計方向(矢印B′参照)に回転させる。図5(C)および図5(A)は、アウター部材22の前記矢印B′方向の回転の両端を示している。
このようにしてアウター部材22が矢印B′方向に回転すると、アウター部材22とインナー部材23との間の楔状の空間からローラ25…がエンゲージスプリング24…を圧縮しながら押し出されることで、アウター部材22がインナー部材23に対してスリップして出力軸12は回転しない。
以上のように、アウター部材22が往復回転したとき、アウター部材22の回転方向が反時計方向(矢印B参照)のときだけ出力軸12が反時計方向(矢印C参照)に回転するため、出力軸12は間欠回転することになる。
図6は、GN状態で無段変速機Tを運転するときの作用を示すものである。このとき、入力軸11の位置は偏心ディスク18の中心に一致しているので、入力軸11に対する偏心ディスク18の偏心量はゼロになる。この状態でエンジンEで入力軸11を回転させるとともに、入力軸11と同速度で変速アクチュエータ14の回転軸14aを回転させると、入力軸11、回転軸14a、キャリヤ16、第1ピニオン15、2個の第2ピニオン17,17および偏心ディスク18が一体になった状態で、入力軸11を中心に反時計方向(矢印A参照)に偏心回転する。しかしながら、偏心ディスク18の偏心量がゼロであるため、コネクティングロッド19の往復運動のストロークもゼロになり、出力軸12は回転しない。
従って、変速アクチュエータ14を駆動してキャリヤ16の位置を図3のOD状態と図4のGN状態との間に設定すれば、無限大変速比および最小変速比間の任意の変速比での運転が可能になる。
無段変速機Tは、並置された4個の動力伝達ユニットU…の偏心ディスク18…の位相が相互に90°ずつずれているため、4個の動力伝達ユニットU…が交互に駆動力を伝達することで、つまり4個のワンウェイクラッチ21…の何れかが必ず係合状態にあることで、出力軸12を連続回転させることができる。
次に、車両の発進応答性を高めるための偏心量制御装置の作用を説明する。
図8のフローチャートのステップS1で、車速センサSaで検出した車速が減速・停止判定車速未満であり、且つブレーキスイッチSaがオンするか、アクセル開度センサSbで検出したアクセル開度がゼロのとき、停止意思検出手段M1は車両が減速走行中であって運転者が停止意思を持つと判断し、ステップS2で、発進抵抗算出手段M3は傾斜角センサSdで検出した車体の傾斜角に基づいて車両の発進抵抗を算出する。そしてステップS3で、偏心量制御手段M4は発進抵抗よりも僅かに小さい出力トルクを発生させるための偏心ディスク18の発進準備偏心量を算出し、この発進準備偏心量を目標値として偏心ディスク18の偏心量εを制御する。これにより、ステップS4で車両が停止したとき、偏心ディスク18の偏心量εは既に発進準備偏心量になっており、この発進準備偏心量でコネクティングロッド19が往復運動してワンウェイクラッチ21が係合することで、出力軸12から駆動輪W,Wまでの動力伝達経路のガタが消滅して動力伝達部材の捩じれ等により所定のトルクが蓄積される。しかしながら、発進準備偏心量により発生する出力トルクは発進抵抗よりも小さいため、運転者の意思に反して車両が発進することはない。
続くステップS5で、運転者が車両を発進させようとし、ブレーキスイッチSbがオフするか、アクセル開度センサScで検出したアクセル開度がゼロから増加すると、発進意思検出手段M2は運転者が発進意思を持つと判断し、偏心量制御手段M4は偏心ディスク18の偏心量εを発進準備偏心量から発進時に必要な偏心量εへと増加させることで、出力トルクが発進抵抗を上回って車両が発進する。
このとき、仮に偏心ディスク18の偏心量εをゼロから発進時に必要な偏心量εへと増加させると、その時間分だけ発進が遅れてしまうが、本実施の形態によれば、運転者の発進意思が検出された時点で既に偏心量εは発進準備偏心量まで増加しているため、車両の発進応答性を高めることができる。しかも偏心量εを発進準備偏心量まで増加させる制御は車両の減速走行中から行われるため、車両が停止した瞬間には偏心量εが発進準備偏心量になっていることが保証されており、停止直後に発進する場合であっても発進応答性の向上が可能になる。
上記作用を図9のタイムチャートに基づいて更に具体的に説明する。実線は本実施の形態に対応し、破線は比較例に対応する。
実線で示す本実施の形態では、減速走行中の車両が時刻t3に停止すると、時刻t4にそれまでアイドリング運転していたエンジンがアイドリングストップ制御により停止し、時刻t5に発進動作の開始によりエンジンが始動してエンジン回転数が増加すると、車両は遅滞なく発進して車速が増加する。車両の減速走行中に車速が低下すると、それに応じて偏心ディスク18の偏心量εも減少するが、車両の停止前の時刻t2に偏心量εが発進準備偏心量に達すると、それ以降は偏心量εが発進準備偏心量に維持されてゼロに減少することはない。
無段変速機Tから駆動輪W,Wに出力される出力トルクは車両の減速走行中はゼロになるが、偏心量εが発進準備偏心量に維持される直前の時刻t1にゼロから立ち上がり、車両が停止した時刻t3には発進抵抗に相当する出力トルクを発生させる偏心量εよりも僅かに小さい値に維持される。これにより、時刻t5に車両が発進する際の発進応答性が確保される。
一方、破線で示す比較例では、車両が停止する時刻t3以前の時刻t2に偏心量εがゼロになり、エンジンがアイドリングストップする時刻t4になって初めて偏心量εがゼロから発進準備偏心量に向けて増加するため、時刻t5に車両の発進動作が行われるのと同時に偏心量εを発進に必要な値に増加させても、無段変速機Tの下流の動力伝達経路のガタが詰まって出力トルクが立ち上がるのが遅れるので、本来の時刻t5よりも遅れた時刻t6に車両が発進し、発進応答性が低下することになる。
偏心量εを発進準備偏心量に維持することで無段変速機Tの下流の動力伝達経路にトルクが蓄積される原理は以下の通りである。
図9の部分詳細図である図10において、偏心ディスク18の偏心量εに応じたストロークでコネクティングロッド19が往復運動し、それに応じてワンウェイクラッチ21のアウター部材22が往復揺動する。アウター部材22の往復揺動の角速度はゼロを挟んで正負に変動し、その振幅は偏心量εの減少に比例して減少する。アウター部材22の正方向(ワンウェイクラッチ21の係合方向)の揺動角速度が出力軸12の回転角速度を上回ると(網かけ部分参照)、ワンウェイクラッチ21が係合してエンジンEのトルクが出力軸12を経て駆動輪W,Wに伝達されるため、その部分で出力軸12および駆動輪W,W間の動力伝達経路に動力伝達部材の捩じれ等によりトルクが蓄積される。
比較例では、車両の停止前に偏心量εを発進準備偏心量に維持する制御を行わないため、アウター部材22の正方向の揺動角速度が出力軸12の回転角速度を上回ることはなく、よってトルクが蓄積されることはない。一方、本実施の形態では、車両の停止前に偏心量εを発進準備偏心量に維持する制御を行うため、アウター部材22の正方向の揺動角速度が出力軸12の回転角速度を間欠的に上回り、よって出力軸12および駆動輪W,W間の動力伝達経路にトルクが蓄積される。
尚、偏心ディスク18の偏心量εを発進準備偏心量に増加させたとき、エンジンEが停止していてもコネクティングロッド19を往復運動させてトルクを蓄積することができる。その理由は、偏心量εを増加させるべく変速アクチュエータ14を駆動すると、偏心ディスク19は入力軸11の周囲を偏心回転しながら偏心量εが増加するため、この偏心回転によりコネクティングロッド19が往復運動してワンウェイクラッチ21が係合し、出力軸12が回転してトルクが蓄積されるためである。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行うことが可能である。
例えば、実施の形態では発進準備偏心量を発進抵抗に相当する出力トルクを発生する偏心量εよりも僅かに低い値に設定しているが、発進準備偏心量をゼロよりも大きく且つ発進抵抗に相当する出力トルクを発生する偏心量εよりも小さい範囲に設定することができる。
11 入力軸
12 出力軸
14 変速アクチュエータ
18 偏心ディスク(入力側支点)
19 コネクティングロッド
19c ピン(出力側支点)
21 ワンウェイクラッチ
22 アウター部材
E エンジン(駆動源)
M1 停止意思検出手段
M2 発進意思検出手段
M3 発進抵抗算出手段
M4 偏心量制御手段
U 動力伝達ユニット
ε 偏心量
12 出力軸
14 変速アクチュエータ
18 偏心ディスク(入力側支点)
19 コネクティングロッド
19c ピン(出力側支点)
21 ワンウェイクラッチ
22 アウター部材
E エンジン(駆動源)
M1 停止意思検出手段
M2 発進意思検出手段
M3 発進抵抗算出手段
M4 偏心量制御手段
U 動力伝達ユニット
ε 偏心量
Claims (1)
- 駆動源(E)に接続された入力軸(11)の回転を変速して出力軸(12)に伝達する動力伝達ユニット(U)が、
前記入力軸(11)の軸線からの偏心量(ε)が可変であって該入力軸(11)と共に回転する入力側支点(18)と、
前記出力軸(12)に接続されたワンウェイクラッチ(21)と、
前記ワンウェイクラッチ(21)のアウター部材(22)に設けられた出力側支点(19c)と、
前記入力側支点(18)および前記出力側支点(19c)に両端を接続されて往復運動するコネクティングロッド(19)と、
前記入力側支点(18)の偏心量(ε)を変更する変速アクチュエータ(14)とを備える車両用動力伝達装置であって、
運転者の停止意思を検出する停止意思検出手段(M1)と、運転者の発進意思を検出する発進意思検出手段(M2)と、車両の発進抵抗を算出する発進抵抗算出手段(M3)と、前記変速アクチュエータ(14)を駆動して前記偏心量(ε)を制御する偏心量制御手段(M4)とを備え、
前記停止意思検出手段(M1)が車両の減速走行中に運転者の停止意思を検出すると、次に前記発進意思検出手段(M2)が運転者の発進意思を検出するまでの間、前記発進抵抗算出手段(M3)が車両の発進抵抗を算出するとともに、前記偏心量制御手段(M4)が前記偏心量(ε)をゼロよりも大きく且つ前記発進抵抗に相当する出力トルクを発生する値よりも小さい範囲で制御することを特徴とする車両用動力伝達装置。
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