JP2016001598A - リチウムイオン二次電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】正極活物質層及び負極活物質層と固体電解質層の界面抵抗が低いリチウムイオン二次電池を提供する。
【解決手段】本発明のリチウムイオン二次電池は、正極層と負極層との間に固体電解質層を有するリチウムイオン二次電池において、前記正極層が正極集電体層及び正極活物質層からなり、前記負極層が負極集電体層及び負極活物質層からなり、前記固体電解質層が前記正極活物質層と前記負極活物質層との間に位置し、前記固体電解質層を構成する固体電解質と正極活物質層及び負極活物質層を構成する正極活物質及び負極活物質のいずれか一方の粒径の比((固体電解質の粒径)/(正極活物質の粒径または負極活物質の粒径))が3.0から10.0の範囲であることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、リチウムイオン二次電池に関するものである。
近年、エレクトロニクス技術の発達はめざましく、携帯電子機器の小型軽量化、薄型化、多機能化が図られている。それに伴い、電子機器の電源となる電池に対し、小型軽量化、薄型化、信頼性の向上が強く望まれており、電解質が固体電解質から成る全固体型のリチウムイオン二次電池が注目されている。
一般に、全固体型のリチウムイオン二次電池は、薄膜型とバルク型の2種類に分類される。薄膜型は、PVD法やゾルゲル法などの薄膜技術により、またバルク型は活物質や粒界抵抗の低い硫化物系固体電解質の粉末成型により作製される。しかしながら、薄膜型は活物質層を厚くすることや高積層化することが困難であるため容量が小さく、また製造コストが高いという問題がある。一方、バルク型には硫化物系固体電解質が用いられており、これが水と反応した際に硫化水素が発生するため、露点の管理されたグローブボックス内で電池を作製する必要がある。また、シート化するのが困難なため固体電解質層の薄層化や電池の高積層化が課題となっている。
このような問題を鑑みて、特許文献1において、空気中で安定な酸化物系固体電解質を用い、各部材をシート化し、積層した後、同時に焼成するという、工業的に採用し得る量産可能な製造方法により作製される全固体電池が提唱されている。しかしながら、異種の材料を同時に焼成することから、正極層及び負極層と固体電解質層の接触面積が小さく、リチウムイオン二次電池の界面抵抗が大きいことが課題であった。
特再07−135790号公報
本発明は、上記従来の課題を解決するためになされたもので、リチウムイオン二次電池の正極活物質層及び負極活物質層と固体電解質層との界面抵抗を低減することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明にかかるリチウムイオン二次電池は、正極層と負極層との間に固体電解質層を有するリチウムイオン二次電池において、正極層が正極集電体層及び正極活物質層からなり、負極層が負極集電体層及び負極活物質層からなり、固体電解質層が正極活物質層と負極活物質層との間に位置し、固体電解質層を構成する固体電解質と正極活物質層及び負極活物質層を構成する正極活物質及び負極活物質のいずれか一方の粒径の比((固体電解質の粒径)/(正極活物質の粒径または負極活物質の粒径))が3.0から10.0の範囲であることを特徴とする。
本発明に係るリチウムイオン二次電池によれば、粒径の大きい固体電解質の間に粒径の小さい正極活物質及び負極活物質が配置されることにより、正極活物質及び負極活物質と固体電解質の接触面積が大きくなり、リチウムイオン二次電池の正極活物質層及び負極活物質層と固体電解質層との界面抵抗を低減することができる。
上記発明にかかるリチウムイオン二次電池は、固体電解質層がLi1+xAlTi2−x(PO(0≦x≦0.6)であり、正極活物質層及び負極活物質層の一方又は両方がLiVOPO及びLi(POの一方又は両方であることが好ましい。
かかる構成によれば、チタン及びアルミニウムの一方又は両方がリン酸バナジウムリチウムに拡散して接合されるため、正極活物質層及び負極活物質層の一方又は両方と固体電解質層の界面における接合が強固なものとなるため、さらにリチウムイオン二次電池の正極活物質層及び負極活物質層の一方又は両方と固体電解質層の界面抵抗の低減に効果がある。
本発明によれば、正極活物質層及び負極活物質層と固体電解質層との界面抵抗が低いリチウムイオン二次電池を提供することができる。
図1は、リチウムイオン二次電池の概念的構造を示す断面図である。 図2は、実施例1−4の焼成前のリチウムイオン二次電池断面の走査型電子顕微鏡(SEM)写真である。
以下、図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。また以下に記載した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のものが含まれる。さらに以下に記載した構成要素は、適宜組み合わせることができる。
(リチウムイオン二次電池の構造)
図1は、本実施形態の一例に係るリチウムイオン二次電池20の概念的構造を示す断面図である。本実施形態のリチウムイオン二次電池20は、正極層1と負極層2が固体電解質層3を介して積層されており、正極層1は正極集電体層4と正極活物質層5からなり、負極層2は負極集電体層6と負極活物質層7からなる。また、固体電解質層3は固体電解質10からなり、正極集電体層4は正極集電体11からなり、正極活物質層5は正極活物質12からなり、負極集電体層6は負極集電体13からなり、負極活物質層7は負極活物質14からなる。なお、以降の明細書中の説明として、正極活物質12及び負極活物質14のいずれか一方又は両方を総称として活物質と呼び、正極活物質層5及び負極活物質層7のいずれか一方又は両方を総称して活物質層と呼び、正極及び負極のいずれか一方又は両方を総称して電極と呼ぶことがある。
図1に示したように固体電解質10と正極活物質12及び負極活物質14の粒径の比(つまり、(固体電解質10の粒径)/(正極活物質12の粒径または負極活物質14の粒径))が3.0から10.0の範囲であれば、粒径の大きい固体電解質10の間に粒径の小さい正極活物質12及び負極活物質14が配置されることになり、正極活物質12及び負極活物質14と固体電解質10の接触面積が大きくなる。結果として、リチウムイオン二次電池20の正極活物質層5及び負極活物質層7と固体電解質層3との界面抵抗を低減することができる。
固体電解質10と正極活物質12及び負極活物質14の粒径の比は、焼成後に3.0から10.0の範囲になっていればよいため、焼成前はそれに限定されない。したがって、焼成の前後において固体電解質10と正極活物質12及び負極活物質14の粒径の比によい相関が得られていれば、焼成前から固体電解質10と正極活物質12及び負極活物質14の粒径の比を3.0から10.0の範囲にすればよい。その他、焼結助剤の添加や焼成条件の制御により固体電解質10と正極活物質12及び負極活物質14の粒径の比を制御できる。
本実施形態のリチウムイオン二次電池20の固体電解質10、正極活物質12及び負極活物質14の粒径は、走査型電子顕微鏡などにより撮影したリチウムイオン二次電池20の断面写真を画像解析し、粒子の面積から、円と仮定したときの直径、すなわち円相当径として算出したものを用いれば良い。ここで、測定個数は、データの信頼性の観点から300個以上が望ましい。尚、本発明における粒径や平均粒径とは、上記の円相当径を意味している。
図1では、1組の正極層1及び負極層2で構成されたリチウムイオン二次電池20の断面図が示されている。しかし、本実施形態のリチウムイオン二次電池20に関する技術は、図1に限らず、任意の複数層が積層したリチウムイオン二次電池20に適用でき、要求されるリチウムイオン二次電池20の容量や電流仕様に応じて幅広く変化させることが可能である。
(固体電解質)
本実施形態のリチウムイオン二次電池20の固体電解質層3を構成する固体電解質10としては、電子の伝導性が小さく、リチウムイオンの伝導性が高い材料を用いるのが好ましい。例えば、La0.5Li0.5TiOなどのペロブスカイト型化合物や、Li14Zn(GeOなどのリシコン型化合物、LiLaZr12などのガーネット型化合物、Li1.3Al0.3Ti1.7(POやLi1.5Al0.5Ge1.5(POなどのナシコン型化合物、Li3.25Ge0.250.75やLiPSなどのチオリシコン型化合物、LiS−PやLiO−V−SiOなどのガラス化合物、LiPOやLi3.5Si0.50.5やLi2.9PO3.30.46などのリン酸化合物、よりなる群から選択される少なくとも1種であることが望ましい。特にLi1+xAlTi2−x(PO(0≦x≦0.6)に代表されるリン酸チタンアルミニウムリチウムが好ましく、Li1+xAlTi2−x(PO(0≦x≦0.6)であることがさらに好ましい。
本実施形態のリチウムイオン二次電池20の固体電解質層3を構成する固体電解質10の粒径は、0.2μmから4.0μmの範囲であることが望ましい。4.0μm以下であれば、固体電解質層3に巨大な空隙が残存し難く、薄くかつ緻密に形成することができる。一方、0.2μmよりも小さいと粒界の比率が多いため、粒子の界面抵抗により、リチウムイオン二次電池の内部抵抗が大きくなる恐れがあるため、0.2μmよりも大きい方が好ましい。
(正極活物質及び負極活物質)
本実施形態のリチウムイオン二次電池20の正極活物質層5及び負極活物質層7を構成する正極活物質12及び負極活物質14としては、リチウムイオンを効率よく挿入、脱離できる材料を用いるのが好ましい。
例えば、遷移金属酸化物、遷移金属複合酸化物を用いるのが好ましい。具体的には、リチウムマンガン複合酸化物LiMnx3Ma1−x3(0.8≦x3≦1、Ma=Co、Ni)、コバルト酸リチウム(LiCoO)、ニッケル酸リチウム(LiNiO)、リチウムマンガンスピネル(LiMn)、及び、一般式:LiNix4Coy4Mnz4(x4+y4+z4=1、0≦x4≦1、0≦y4≦1、0≦z4≦1)で表される複合金属酸化物、リチウムバナジウム化合物(LiV)、オリビン型LiMbPO(ただし、Mbは、Co、Ni、Mn、Fe、Mg、Nb、Ti、Al、Zrより選ばれる1種類以上の元素)、リン酸バナジウムリチウム(Li(PO又はLiVOPO)、Li過剰系固溶体正極LiMnO−LiMcO(Mc=Mn、Co、Ni)、チタン酸リチウム(LiTi12)、LiNix5Coy5Alz5(0.9<a<1.3、0.9<x5+y5+z5<1.1)で表される複合金属酸化物のいずれかであることが好ましい。
より好ましくはリン酸バナジウムリチウムであることが好ましい。リン酸バナジウムリチウムは、LiVOPO及びLi(POの一方又は両方であることが好ましい。さらに、LiVOPO及びLi(POは、リチウムの欠損がある方が好ましく、LiVOPO(0.94≦x≦0.98)やLi(PO(2.8≦x≦2.95)であればより好ましい。
また、正極活物質層5及び負極活物質層7中の材料は全く同じ材料であることが好ましく、かかる構成によれば無極性のリチウムイオン二次電池となるため、回路基板に取り付ける際にも方向を指定する必要がなく実装スピードを格段に向上することができる点でも有利である。
特に、固体電解質層3にLi1+x2Alx2Ti2−x2(PO(0≦x2≦0.6)、正極活物質層5及び負極活物質層7の一方又は両方にLiVOPO及びLi(POの一方又は両方を用いると、正極活物質12及び負極活物質14の一方又は両方と固体電解質10の界面における接合が強固なものになると同時に、接触面積を広くできるため望ましい。
また、正極活物質層5又は負極活物質層7を構成する活物質には明確な区別がなく、2種類の化合物の電位を比較して、より貴な電位を示す化合物を正極活物質12として用い、より卑な電位を示す化合物を負極活物質14として用いることができる。また、リチウムイオン放出能とリチウムイオン吸蔵能を同時に併せ持つ化合物であれば、正極活物質層5及び負極活物質層7に同一の化合物を用いてもよい。
本実施形態のリチウムイオン二次電池20の正極活物質層5及び負極活物質層7を構成する正極活物質12及び負極活物質14の粒径は、0.2μmから3.0μmの範囲であることが望ましい。3.0μm以下であれば、正極活物質層5及び負極活物質層7に巨大な空隙が残存し難く、薄くかつ緻密に形成することができる。一方、0.2μmよりも小さいと粒界の比率が多いため、粒子の界面抵抗により、リチウムイオン二次電池20の内部抵抗が大きくなる恐れがあるため、0.2μmよりも大きい方が好ましい。
上述したように固体電解質10にLi1+x2Alx2Ti2−x2(PO(0≦x2≦0.6)、正極活物質12及び負極活物質14の一方又は両方にLiVOPO及びLi(POに代表されるリン酸バナジウムリチウムを用いる場合、正極活物質層5または負極活物質層7にチタン及びアルミニウムの一方又は両方の成分が分布していることが好ましい。このような構成にすることにより正極活物質層5及び負極活物質層7の一方又は両方と固体電解質層3の界面抵抗がより低減され、ひいては内部抵抗が低減される。
また、このチタンまたはアルミニウムは、正極活物質層5または負極活物質層7中で濃淡を持って分布していることが好ましい。さらに、固体電解質層3に近い側よりも、固体電解質層3から遠い側(つまり正極集電体層11または負極集電体層13に近い側)の方がその成分の元素濃度が低い状態で存在することがより好ましい。また、本実施形態では、正極活物質層5と正極集電体層4、または負極活物質層7と負極集電体層6の界面近傍まで、すなわち正極活物質層5または負極活物質層7の全域に渡って分布することにより、界面抵抗の低減、ひいては内部抵抗の低下を図ることができる。
正極活物質層5または負極活物質層7中にチタン及びアルミニウムの両方を含む場合にはそのチタン及びアルミニウムは同じ範囲に分布していてもよく、また異なる範囲に分布していてもよい。とくにアルミニウムがチタンよりも広く分布していることが好ましい。さらに、正極集電体層4または負極集電体層6に達するまで分布していることが好ましい。このような構成にすることにより正極活物質層5及び負極活物質層7の一方又は両方と固体電解質層3の界面抵抗がより低減され、ひいては内部抵抗が低減され、信頼性に優れたリチウムイオン二次電池20とすることができる。
本実施形態において、正極活物質層5及び負極活物質層7の一方又は両方が固体電解質層3との密着性をより向上させ、界面抵抗の低減をより図るためには正極活物質層5及び負極活物質層7の厚みは10μm以下であることが望ましく、さらに5μm以下であればより好ましい。
また、本実施形態におけるチタン及びアルミニウムの一方または両方の成分は、活物質層中で活物質の粒子表面を覆うように分布することが好ましい。
さらに、そのチタンまたはアルミニウムは、前記活物質の粒子内部にまで存在することが好ましく、更に粒子表面から粒子内部に濃度勾配を持って分布していることが好ましい。
本実施形態のリチウムイオン二次電池20の固体電解質層3、正極活物質層5及び負極活物質層7を構成する材料はX線回折測定により物質同定可能である。また、チタン及びアルミニウムの分布は、EPMA−WDS元素マッピングなどにより分析可能である。
(正極集電体及び負極集電体)
本実施形態のリチウムイオン二次電池20の正極集電体層4及び負極集電体層6を構成する正極集電体11及び負極集電体13としては、導電率が大きい材料を用いるのが好ましく、例えば、銀、パラジウム、金、プラチナ、アルミニウム、銅、ニッケルなどを用いるのが好ましい。特に、銅は固体電解質10のLi1+x2Alx2Ti2−x2(PO(0≦x2≦0.6)と反応し難く、さらにリチウムイオン二次電池20の内部抵抗の低減に効果があるため好ましい。また、正極集電体層4及び負極集電体層6を構成する正極集電体11及び負極集電体13は、正極と負極で同じであってもよいし、異なっていてもよい。
また、本実施形態におけるリチウムイオン二次電池20の正極集電体層4及び負極集電体層6は、それぞれ正極活物質12及び負極活物質14を含むことが好ましい。その場合の含有比は、集電体として機能する限り特に限定はされないが、正極集電体11/正極活物質12、又は負極集電体13/負極活物質14が体積比率で90/10から70/30の範囲であることが好ましい。
正極集電体層4及び負極集電体層6がそれぞれ正極活物質12及び負極活物質14を含むことにより、正極集電体層4と正極活物質層5及び負極集電体層6と負極活物質層7との密着性が向上するため望ましい。
(焼結助剤)
本実施形態のリチウムイオン二次電池20の固体電解質10と正極活物質12及び負極活物質14の粒径を制御するために、固体電解質層3又は正極活物質層5又は負極活物質層7は焼結助剤を含んでいてもよい。焼結助剤の種類は特に限定されず、リチウム酸化物、ナトリウム酸化物、カリウム酸化物、酸化ホウ素、酸化ケイ素、酸化ビスマス、酸化リンよりなる群から選択される少なくとも1種であることが望ましい。
(リチウムイオン二次電池の製造方法)
本実施形態のリチウムイオン二次電池20は、正極集電体層4、正極活物質層5、固体電解質層3、負極活物質層7、及び、負極集電体層6の各材料をペースト化し、塗布乾燥してグリーンシートを作製し、係るグリーンシートを積層し、作製した積層体を同時に焼成することにより製造する。
ペースト化の方法は、特に限定されないが、例えば、ビヒクルに上記各材料の粉末を混合してペーストを得ることができる。ここで、ビヒクルとは、液相における媒質の総称である。ビヒクルには、溶媒、バインダーが含まれる。係る方法により、正極集電体層4用のペースト、正極活物質層5用のペースト、固体電解質層3用のペースト、負極活物質層7用のペースト、及び、負極集電体層6用のペーストを作製する。
作製したペーストをPET(ポリエチレンテレフタレート)などの基材上に所望の順序で塗布し、必要に応じ乾燥させた後、基材を剥離し、グリーンシートを作製する。ペーストの塗布方法は、特に限定されず、スクリーン印刷、塗布、転写、ドクターブレード等の公知の方法を採用することができる。
作製したグリーンシートを所望の順序、積層数で積み重ね、必要に応じアライメント、切断等を行い、積層体を作製する。並列型又は直並列型の電池を作製する場合は、正極層1の端面と負極層2の端面が一致しないようにアライメントを行い積み重ねるのが好ましい。
積層ブロックを作製するに際し、以下に説明する活物質ユニットを準備し、積層ブロックを作製してもよい。
その方法は、まずPETフィルム上に固体電解質層3用ペーストをドクターブレード法でシート状に形成し、固体電解質層3用シートを得た後、その固体電解質層3用シート上に、スクリーン印刷により正極活物質層5用ペーストを印刷し乾燥する。次に、その上に、スクリーン印刷により正極集電体層4用ペーストを印刷し乾燥する。更にその上に、スクリーン印刷により正極活物質層5用ペーストを再度印刷し、乾燥し、次いでPETフィルムを剥離することで正極活物質層ユニットを得る。このようにして、固体電解質層3用シート上に、正極活物質層5用ペースト、正極集電体層4用ペースト、正極活物質層5用ペーストがこの順に形成された正極活物質層ユニットを得る。同様の手順にて負極活物質層ユニットも作製し、固体電解質層3用シート上に、負極活物質層7用ペースト、負極集電体層6用ペースト、負極活物質層7用ペーストがこの順に形成された負極活物質層ユニットを得る。
正極活物質層ユニット一枚と負極活物質層ユニット一枚を、正極活物質層5用ペースト、正極集電体層4用ペースト、正極活物質層5用ペースト、固体電解質層3用シート、負極活物質層7用ペースト、負極集電体層6用ペースト、負極活物質層7用ペースト、固体電解質層3用シートの順に形成されるように積み重ねる。このとき、一枚目の正極活物質層ユニットの正極集電体層4用ペーストが一の端面にのみ延出し、二枚目の負極活物質層6ユニットの負極集電体層用ペーストが他の面にのみ延出するように、各ユニットをずらして積み重ねる。この積み重ねられたユニットの両面に所定厚みの固体電解質層3用シートをさらに積み重ね積層ブロックを作製する。
作製した積層ブロックを一括して圧着する。圧着は加熱しながら行うが、加熱温度は、例えば、40〜95℃とする。
圧着した積層ブロックを、例えば、窒素雰囲気下で600℃〜1000℃に加熱し焼成を行う。焼成時間は、例えば、0.1〜3時間とする。
(実施例1−1)
以下に、実施例を用いて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されない。なお、部表示は、断りのない限り、質量部である。
(正極活物質及び負極活物質の作製)
正極活物質及び負極活物質として、以下の方法で作製したLi(POを用いた。その作製方法としては、LiCOとVとNHPOとを出発材料とし、ボールミルで16時間湿式混合を行い、脱水乾燥した後に得られた粉体を850℃で2時間、窒素水素混合ガス中で仮焼した。仮焼品をボールミルで湿式粉砕を行った後、脱水乾燥して正極活物質粉末及び負極活物質粉末を得た。この粉体の平均粒径は0.2μmであった。作製した粉体の組成がLi(POであることは、X線回折装置を使用して確認した。
(正極活物質層用ペースト及び負極活物質層用ペーストの作製)
正極活物質ペースト及び負極活物質ペーストは、この正極活物質粉末及び負極活物質粉末100部に、バインダーとしてエチルセルロース15部と、溶媒としてジヒドロターピネオール65部とを加えて、混合・分散して正極活物質層用ペースト及び負極活物質層用ペーストを作製した。
(固体電解質層用ペーストの作製)
固体電解質として、以下の方法で作製したLi1.3Al0.3Ti1.7(POを用いた。LiCOとAlとTiOとNHPOを出発材料として、ボールミルで16時間湿式混合を行った後、脱水乾燥した。得られた粉体を800℃で2時間、空気中で仮焼した。仮焼品をボールミルで18時間湿式粉砕を行った後、脱水乾燥して固体電解質の粉末を得た。この粉体の平均粒径は0.6μmであった。作製した粉体の組成がLi1.3Al0.3Ti1.7(POであることは、X線回折装置を使用して確認した。
次いで、この粉末に、溶媒としてエタノール100部、トルエン200部をボールミルで加えて湿式混合した。その後ポリビニールブチラール系バインダー16部とフタル酸ベンジルブチル4.8部をさらに投入し、混合して固体電解質層用ペーストを調製した。
(固体電解質層用シートの作製)
この固体電解質層用ペーストをドクターブレード法でPETフィルムを基材としてシート成形し、厚さ15μmの固体電解質層用シートを得た。
(正極集電体層用ペースト及び負極集電体層用ペーストの作製)
正極集電体及び負極集電体として用いたCuとLi(POとを体積比率で80/20となるように混合した後、バインダーとしてエチルセルロース10部と、溶媒としてジヒドロターピネオール50部を加えて混合・分散して正極集電体層用ペースト及び負極集電体層用ペーストを作製した。Cuの平均粒径は0.9μmであった。
(端子電極ペーストの作製)
銀粉末とエポキシ樹脂、溶剤とを三本ロールで混錬・分散し、熱硬化型の端子電極ペーストを作製した。
これらのペーストを用いて、以下のようにしてリチウムイオン二次電池を作製した。
(正極活物質ユニットの作製)
上記の固体電解質層用シート上に、スクリーン印刷により厚さ5μmで正極活物質層用ペーストを印刷し、80℃で10分間乾燥した。次に、その上に、スクリーン印刷により厚さ5μmで正極集電体層用ペーストを印刷し、80℃で10分間乾燥した。更にその上に、スクリーン印刷により厚さ5μmで正極活物質層用ペーストを再度印刷し、80℃で10分間乾燥し、次いでPETフィルムを剥離した。このようにして、固体電解質層用シート上に、正極活物質層用ペースト、正極集電体層用ペースト、正極活物質層用ペーストがこの順に印刷・乾燥された正極活物質ユニットのシートを得た。
(負極活物質ユニットの作製)
上記の固体電解質層用シート上に、スクリーン印刷により厚さ5μmで負極活物質層用ペーストを印刷し、80℃で10分間乾燥した。次に、その上に、スクリーン印刷により厚さ5μmで負極集電体層用ペーストを印刷し、80℃で10分間乾燥した。更にその上に、スクリーン印刷により厚さ5μmで負極活物質層用ペーストを再度印刷し、80℃で10分間乾燥し、次いでPETフィルムを剥離した。このようにして、固体電解質層用シート上に、負極活物質層用ペースト、負極集電体層用ペースト、負極活物質層用ペーストがこの順に印刷・乾燥された負極活物質ユニットのシートを得た。
(積層体の作製)
正極活物質ユニットと負極活物質ユニットを、正極活物質層用ペースト、正極集電体層用ペースト、正極活物質層用ペースト、固体電解質層用シート、負極活物質層用ペースト、負極集電体層用ペースト、負極活物質層用ペースト、固体電解質層用シートの順に形成されるように積み重ねた。このとき、正極活物質ユニットの正極集電体層用ペーストが一の端面にのみ延出し、負極活物質ユニットの負極集電体層用ペーストが他の面にのみ延出するように、各ユニットをずらして積み重ねた。この積み重ねられたユニットの両面に厚さ500μmとなるように固体電解質層用シートを積み重ね、その後、これを熱圧着により成形した後、切断して積層ブロックを作製した。その後、積層ブロックを同時焼成して積層体を得た。同時焼成は、窒素中で昇温速度200℃/時間で焼成温度840℃まで昇温して、その温度に2時間保持し、焼成後は自然冷却した。
(端子電極形成工程)
積層体の端面に端子電極ペーストを塗布し、150℃、30分の熱硬化を行い、一対の端子電極を形成してリチウムイオンニ次電池を得た。
(実施例1−2)
固体電解質の作製において、ボールミルでの湿式粉砕の時間を12時間に変更し、粉体の平均粒径が1.0μmであったこと以外は実施例1−1と同様にしてリチウムイオン二次電池を作製した。
(実施例1−3)
固体電解質の作製において、ボールミルでの湿式粉砕の時間を8時間に変更し、粉体の平均粒径が1.6μmであったこと以外は実施例1−1と同様にしてリチウムイオン二次電池を作製した。
(実施例1−4)
固体電解質の作製において、ボールミルでの湿式粉砕の時間を4時間に変更し、粉体の平均粒径が2.0μmであったこと以外は実施例1−1と同様にしてリチウムイオン二次電池を作製した。
(比較例1−1)
固体電解質の作製において、ボールミルでの湿式粉砕の時間を24時間に変更し、粉体の平均粒径が0.2μmであったこと以外は実施例1−1と同様にしてリチウムイオン二次電池を作製した。
(比較例1−2)
固体電解質の作製において、ボールミルでの湿式粉砕の時間を20時間に変更し、粉体の平均粒径が0.4μmであったこと以外は実施例1−1と同様にしてリチウムイオン二次電池を作製した。
(比較例1−3)
固体電解質の作製において、ボールミルでの湿式粉砕の時間を2時間に変更し、粉体の平均粒径が2.4μmであったこと以外は実施例1−1と同様にしてリチウムイオン二次電池を作製した。
(実施例2−1)
正極活物質に粉体の平均粒径が0.6μmのLiVOPOを用いたこと以外は実施例1−1と同様にしてリチウムイオン二次電池を作製した。
(実施例2−2)
正極活物質に粉体の平均粒径1.0μmのLiVOPOを用いたこと以外は実施例1−2と同様にしてリチウムイオン二次電池を作製した。
(実施例2−3)
正極活物質に粉体の平均粒径1.6μmのLiVOPOを用いたこと以外は実施例1−3と同様にしてリチウムイオン二次電池を作製した。
(実施例2−4)
正極活物質に粉体の平均粒径2.0μmのLiVOPOを用いたこと以外は実施例1−4と同様にしてリチウムイオン二次電池を作製した。
(比較例2−1)
正極活物質に粉体の平均粒径0.2μmのLiVOPOを用いたこと以外は比較例1−1と同様にしてリチウムイオン二次電池を作製した。
(比較例2−2)
正極活物質に粉体の平均粒径0.4μmのLiVOPOを用いたこと以外は比較例1−2と同様にしてリチウムイオン二次電池を作製した。
(比較例2−3)
正極活物質に粉体の平均粒径2.4μmのLiVOPOを用いたこと以外は比較例1−3と同様にしてリチウムイオン二次電池を作製した。
(実施例3−1)
正極活物質に粉体の平均粒径が0.2μmのLiCoOを用い、負極活物質に粉体の平均粒径が0.6μmのLiTi12を用いたこと以外は実施例1−1と同様にしてリチウムイオン二次電池を作製した。
(実施例3−2)
正極活物質に粉体の平均粒径が0.2μmのLiCoOを用い、負極活物質に粉体の平均粒径が1.0μmのLiTi12を用いたこと以外は実施例1−2と同様にしてリチウムイオン二次電池を作製した。
(実施例3−3)
正極活物質に粉体の平均粒径が0.2μmのLiCoOを用い、負極活物質に粉体の平均粒径が1.6μmのLiTi12を用いたこと以外は実施例1−3と同様にしてリチウムイオン二次電池を作製した。
(実施例3−4)
正極活物質に粉体の平均粒径が0.2μmのLiCoOを用い、負極活物質に粉体の平均粒径が2.0μmのLiTi12を用いたこと以外は実施例1−4と同様にしてリチウムイオン二次電池を作製した。
(比較例3−1)
正極活物質に粉体の平均粒径が0.2μmのLiCoOを用い、負極活物質に粉体の平均粒径が0.2μmのLiTi12を用いたこと以外は比較例1−1と同様にしてリチウムイオン二次電池を作製した。
(比較例3−2)
正極活物質に粉体の平均粒径が0.2μmのLiCoOを用い、負極活物質に粉体の平均粒径が0.4μmのLiTi12を用いたこと以外は比較例1−2と同様にしてリチウムイオン二次電池を作製した。
(比較例3−3)
正極活物質に粉体の平均粒径が0.2μmのLiCoOを用い、負極活物質に粉体の平均粒径が2.4μmのLiTi12を用いたこと以外は比較例1−3と同様にしてリチウムイオン二次電池を作製した。
(電池の評価)
それぞれの端子電極にリード線を取り付け、繰り返し充放電試験を行った。測定条件は、充電及び放電時の電流はいずれも2.0μA、充電時及び放電時の打ち切り電圧をそれぞれ4.0V及び0Vとした。5サイクル目の放電容量と放電開始時の電圧降下から算出した内部抵抗を表1に示した。
また、表1には、焼成後の固体電解質、正極活物質、及び負極活物質の粒径も併せて示した。さらに、(固体電解質の粒径)/(正極活物質の粒径)と、(固体電解質の粒径)/(負極活物質の粒径)も併せて記載した。なお、固体電解質、正極活物質及び負極活物質の粒径は、走査型電子顕微鏡などにより撮影したリチウムイオン二次電池の断面写真を画像解析し、粒子の面積から、円と仮定したときの直径、すなわち円相当径として算出した。測定個数は、300個としその平均値を粒径としている。
全てが固体から構成されるリチウムイオン二次電池、すなわち全固体の電池においては、粒子内部のイオン移動抵抗よりも粒子と粒子の界面、すなわち界面抵抗の方が圧倒的に大きいことが知られていることから、表1に示す内部抵抗は、界面抵抗を評価していると考えることが出来る。
Figure 2016001598
表1より、実施例1−1から実施例1−4は、比較例1−1及び比較例1−2と比較して内部抵抗が小さく、放電容量が高くなった。この結果は、粒径の大きい固体電解質の間に粒径の小さい正極活物質及び負極活物質が配置されることにより、正極活物質及び負極活物質と固体電解質の接触面積が大きくなり、リチウムイオン二次電池の界面抵抗が低減されたためであると考えられる。一方、実施例1−1から実施例1−4よりも粒径の比が大きい、比較例1−3では内部抵抗の増大と放電容量の低下がみられた。これは、焼成後のリチウムイオン二次電池にクラックがみられたことから、固体電解質と活物質の非常に大きな粒径の差により、焼結に伴う収縮挙動の差が大きくなり、焼成時にクラックが生じたものと考えられる。以上の結果より、固体電解質と活物質の粒径の比は、3.0から10.0の範囲が適していることが分かる。
実施例2−1から実施例2−4、及び比較例2−1から比較例2−3では、固体電解質と正極活物質LiVOPOの粒径の比は全て1であり、固体電解質と負極活物質Li(POの粒径の比のみ異なる。固体電解質と負極活物質の粒径の比が3.0から10.0の範囲である実施例2−1から実施例2−4は、比較例2−1から比較例2−3と比較して内部抵抗が低く、放電容量が高かった。以上の結果より、固体電解質と正極活物質及び負極活物質のいずれか一方の粒径の比が3.0から10.0の範囲であれば、リチウムイオン二次電池の界面抵抗の低減に効果があることが分かる。
実施例3−1から実施例3−4、及び比較例3−1から比較例3−3では、正極活物質はLiCoOであり、負極活物質がLiTi12である。固体電解質と正極活物質の粒径の比が3.0から10.0の範囲である実施例3−1から実施例3−4は、比較例3−1から比較例3−3と比較して内部抵抗が低く、放電容量が高いことが分かる。以上の結果より、本発明の効果は正極活物質及び負極活物質の材料の種類によらず、固体電解質と正極活物質及び負極活物質のいずれか一方の粒径の比が3.0から10.0の範囲であれば、リチウムイオン二次電池の界面抵抗の低減に効果があることが分かる。
実施例1−4の焼成前のリチウムイオン二次電池の断面写真を以下に示した。正極活物質粉末の平均粒径は0.2μmであり、固体電解質粉末の平均粒径は2.0μmである。焼成前ではあるが、粒径の大きい固体電解質粉末の間に粒径の小さい正極活物質粉末及び負極活物質粉末が配置されることにより、正極活物質粉末と固体電解質粉末及び負極活物質粉末と固体電解質粉末との接触面積が大きくなっている様子がみられる。焼成後においても、正極活物質と固体電解質及び負極活物質と固体電解質との大きな接触面積は維持されるため、リチウムイオン二次電池の内部抵抗が低減したものと考えられる。
1 正極層
2 負極層
3 固体電解質層
4 正極集電体層
5 正極活物質層
6 負極集電体層
7 負極活物質層
10 固体電解質
11 正極集電体
12 正極活物質
13 負極集電体
14 負極活物質
20 リチウムイオン二次電池

Claims (2)

  1. 正極層と負極層との間に固体電解質層を有するリチウムイオン二次電池において、前記正極層が正極集電体層及び正極活物質層からなり、
    前記負極層が負極集電体層及び負極活物質層からなり、
    前記固体電解質層が前記正極活物質層と前記負極活物質層との間に位置し、
    前記固体電解質層を構成する固体電解質と
    正極活物質層及び負極活物質層を構成する正極活物質及び負極活物質の
    いずれか一方の粒径の比((固体電解質の粒径)/(正極活物質の粒径または負極活物質の粒径))が3.0から10.0の範囲であること
    を特徴とするリチウムイオン二次電池。
  2. 前記固体電解質層がLi1+xAlTi2−x(PO(0≦x≦0.6)であり、
    前記正極活物質層及び負極活物質層の一方又は両方が
    LiVOPO及びLi(POの一方又は両方であること
    を特徴とする請求項1記載のリチウムイオン二次電池。
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