JP2016000791A - 樹脂固溶体型顔料及びそれを用いた固形描画材 - Google Patents

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達哉 村田
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正昭 松本
藤沢 清志
Kiyoshi Fujisawa
清志 藤沢
清彦 小林
Kiyohiko Kobayashi
清彦 小林
有美 諸岡
Ariyoshi Morooka
有美 諸岡
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Katsunori Kitazawa
勝徳 北澤
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Abstract

【課題】 アート紙、コート紙、プラスチック、金属等の平滑な非吸収面に筆記しても蛍光色等高彩度で、かつ濃く筆記することができ、特に、有色アート紙、有色コート紙、着色したPET等プラスチック、金属、ブラックボード等においても、蛍光色等高彩度で、かつ濃く筆記することができる木軸色鉛筆、クレヨン等に好適な樹脂固溶体型顔料、及びそれを用いた固形描画材を提供する。【解決手段】 染着した合成樹脂中に隠蔽性顔料が内包された状態で含んだことを特徴とする樹脂固溶体型顔料。本発明の固形描画材は、少なくとも、上記構成の樹脂固溶体型顔料と、ワックスと、体質材と、上記樹脂固溶体型顔料と相溶しない樹脂とからなることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、樹脂固溶体型顔料及びそれを用いた固形描画材に関し、更に詳しくは、芯を木軸に装填した木軸色鉛筆、芯を紙または鉛筆用削り器で切削可能なシートで巻いた鉛筆またはクレヨン、鉛筆用削り器で切削可能な外層容器に芯材を装填した鉛筆またはクレヨン、繰り出し式もしくは回転式容器に芯材を装填した鉛筆またはクレヨン、あるいは単純に芯のみで構成される固形描画材等であって、特に、有色アート紙、有色コート紙、着色したPET等のプラスチック、金属、ブラックボード等に蛍光色等高彩度でかつ濃く筆記等することができる樹脂固溶体型顔料及びそれを用いた固形描画材に関する。
従来より、色鉛筆やクレヨンのような固形描画材については、種々のものが知られている。
例えば、1)有色の有機顔料と、酸化チタンと、ワックスと、ピペリジン誘導体及び/又はベンゾトリアゾール誘導体を少なくとも含む固形描画材(例えば、特許文献1参照)、2)少なくとも着色材を使用する固形描画材において、板状酸化チタンを使用することを特徴とする固形描画材(例えば、特許文献2参照)、3)配合組成物として微粒子を分散・内包させたガラス粉体を鉛筆芯全量に対して、3〜90重量%含有することを特徴とする鉛筆芯(例えば、特許文献3参照)が知られている。
また、4)本発明者らによる、特に、アート紙、コート紙、牛乳パック、PET等のプラスチック、金属、ガラス、ホワイトボード等の平滑な非吸収面に、濃く、細くかつ細かく描画することが可能な固形描画材を提供するために、少なくとも樹脂成分、ワックス成分、顔料、二酸化チタン及び体質材を含有する固形描画材において、前記樹脂成分として特定の樹脂を用いると共に、ワックス成分として、融点が特定の範囲となるパラフィンワックス及びマイクロクリスタリンワックスのうちの少なくとも一方を特定量含有等せしめた固形描画材(例えば、特許文献4参照)が知られている。
しかしながら、これらの文献1〜4のうち、文献1及び2の酸化チタンは隠蔽性、実用強度の点から含有するものであり、文献3は顔料などを内包するガラス粉体の複合顔料であり、本発明の染着した合成樹脂中に隠蔽性顔料が内包された状態で含んだ固形描画材用の樹脂固溶体型顔料とは異なるものである。
また、本出願人らによる上記文献4を含む文献1〜4は、アート紙、コート紙、PET等のプラスチック、金属、ガラス、ホワイトボード等の平滑な非吸収面に筆記して得られた描線濃度や隠蔽性、また、筆記面への定着性を問題等としているものであり、筆記された描線の彩度、色調などの状態がどうかについては全く想定しておらず、更なる向上が切望されているのが現状である。
特開平5−93164号公報(特許請求の範囲、実施例等) 特開2002−138239号公報(特許請求の範囲、実施例等) 特開2011−213757号公報(特許請求の範囲、実施例等) 特開2013−35906号公報(特許請求の範囲、実施例等)
そこで本発明は、アート紙、コート紙、プラスチック、金属等の平滑な非吸収面に筆記しても蛍光色等高彩度で、かつ濃く筆記することが可能だが、特に有色アート紙、有色コート紙、着色したPET等プラスチック、金属、ブラックボード等においても、蛍光色等高彩度で、かつ濃く筆記することが可能な固形描画材などに好適な樹脂固溶体型顔料及びそれを用いた固形描画材を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記従来の課題等を解決するために、鋭意研究を行った結果、固形描画材等に用いる顔料として、染着した合成樹脂中に隠蔽性顔料が内包された状態で含んだ樹脂固溶体型とすることで、上記目的の樹脂固溶体型顔料及びそれを用いた固形描画材が得られることを見出し、本発明を完成するに至ったのである。
すなわち、本発明は次の(1)〜(5)に存する。
(1) 染着した合成樹脂中に隠蔽性顔料が内包された状態で含んだ樹脂固溶体型であることを特徴とする樹脂固溶体型顔料。
(2) 内包される前記隠蔽性顔料の含有量は、隠蔽性顔料も含めた樹脂固溶体型顔料全量に対して、15質量%以上であることを特徴とする上記(1)記載の樹脂固溶体型顔料。
(3) 樹脂固溶体型顔料の平均粒子径が1〜30μmの範囲にあることを特徴とする上記(1)又は(2)記載の樹脂固溶体型顔料。
(4) 前記隠蔽性顔料を凝集、または無色または淡色樹脂で固め、その周りを前記染着合成樹脂で被覆した状態で含むことを特徴とする上記(1)〜(3)の何れか一つに記載の樹脂固溶体型顔料。
(5) 少なくとも、上記(1)〜(4)の何れか一つに記載の樹脂固溶体型顔料と、ワックスと、体質材と、上記樹脂固溶体型顔料と相溶しない樹脂とからなることを特徴とする固形描画材。
本発明によれば、アート紙、コート紙、プラスチック、金属等の平滑な非吸収面に筆記しても蛍光色等高彩度で、かつ濃く筆記することができ、特に、有色アート紙、有色コート紙、着色したPET等プラスチック、金属、ブラックボード等においても、蛍光色等高彩度で、かつ濃く筆記することができる固形描画材用などに好適な樹脂固溶体型顔料及びそれを用いた固形描画材が提供される。
本発明の樹脂固溶体型顔料の実施形態の一例を示す概略断面図である。 本発明の樹脂固溶体型顔料の実施形態の他例を示す概略断面図である。 本発明の樹脂固溶体型顔料の実施形態の他例を示す概略断面図である。
以下に、本発明の実施形態を詳しく説明する。
〔樹脂固溶体型顔料〕
本発明の樹脂固溶体型顔料は、染着した合成樹脂中に隠蔽性顔料が内包された状態で含んだ樹脂固溶体型であることを特徴とするものである。
本発明において「隠蔽性顔料」とは、固形描画材などにより得られた塗膜が、下地を隠蔽することに寄与する成分となるものである。具体的には、二酸化チタンなどが本発明における隠蔽性顔料として好ましく使用することができる。その他の用いることができる隠蔽性顔料としては、例えば、酸化亜鉛、白色樹脂粒子等が挙げられるが、隠蔽力等の観点から、二酸化チタンが最も好ましい。
用いる隠蔽性顔料の平均粒子径は、後述する樹脂固溶体型顔料の平均粒子径の好ましい範囲内、並びに、樹脂固溶体型顔料内に内包する隠蔽性顔料の含有量などを勘案して好適な範囲となるものを用いることができ、例えば、200〜1500nmとなる範囲のもの、この範囲の市販品があれば市販品なども用いることができる。
また、本発明における「染着した合成樹脂(染着合成樹脂)」とは、固形描画材などの発色のための成分であり、これまで提供されてきている昼光顔料等が全て使用することができる。
具体的には、染料、特に、チオフラビン、ブリリアントスルホラビン、アクリジンオレンジ、ジ−およびトリフェニルメタン系、エオシン、ローダミンB、ローダミン6G等のキサンテン系、チアゾール系、メチレンブルー等チアジン系等の蛍光を有する染料を、メラミン樹脂、尿素樹脂、スルホンアミド樹脂などに溶解、粉末化された昼光蛍光顔料、前記染料等をモノマーと共に分散、乳化重合した昼光蛍光顔料などが挙げられる。
本発明の樹脂固溶体型顔料は、染着した合成樹脂中に隠蔽性顔料が内包された状態で含んだ樹脂固溶体型となるものであれば、その製法、構造などは特に限定されず、種々の形態が挙げられる。
例えば、図1に示すように、染着した合成樹脂(以下、単に「染着合成樹脂」という)中に隠蔽性顔料12,12…が分散された形で内包された状態で含んだ樹脂固溶体型顔料10、図2に示すように、染着合成樹脂11中に隠蔽性顔料12,12…が凝集された形で内包された状態で含んだ樹脂固溶体型顔料20、図3に示すように、隠蔽性顔料12を合成樹脂でコーティング等により被覆した粉体13の外周面に、更に染着合成樹脂11で被覆された状態となる樹脂固溶体型顔料30などが挙げられる。
本発明の樹脂固溶体型顔料を製造するには、例えば、図1や図2の形態では、前記染着合成樹脂をアセトン、メチルエチルケトン(MEK)、酢酸エチル、テトラヒドロフラン(THF)などの有機溶剤等に溶解した溶液に、前記隠蔽性顔料を添加し、溶剤を乾燥後、粉砕する方法や、これまで知られているような、モノマーに染料を溶解させ、重合する染着合成樹脂製造過程で、前記モノマーと染料に、隠蔽性顔料を添加し、重合、顔料化する方法などが挙げられる。
また、図3の形態では、例えば、隠蔽性顔料とポリプロピレン、ポリスチレン、アクリル樹脂などの無色または淡色樹脂とを所定の質量比で加熱等により混合後、冷却、粉砕し分級した粉体を、更に染着合成樹脂を有機溶剤等に溶解した溶液に添加し、溶剤を乾燥後、粉砕する方法などが挙げられる。
更に詳しくは、前記隠蔽性顔料を凝集、または無色または淡色樹脂で固め、その周りを前記染着合成樹脂固溶体型顔料で被覆した状態で含むことが好ましい。
この隠蔽性顔料と染着合成樹脂とが高分散しすぎると、非吸収面に濃く筆記できるものが得られるが、隠蔽性顔料が染着合成樹脂の彩度を低下させるので、できるだけ、染着合成樹脂(固溶体顔料)の中心部に、隠蔽性顔料を保持したされた状態で内包することが望ましいためである。
この場合も、隠蔽性顔料の周りに染着合成樹脂を被覆等するには、前記染着合成樹脂を有機溶剤等に溶解した溶液に、前記隠蔽性顔料を凝集、または前記無色または淡色樹脂で固めて、添加し、溶剤を乾燥、粉砕する方法や、モノマーに染料を溶解させ、重合する染着合成樹脂顔料製造過程で、前記モノマーと染料に、隠蔽性顔料を凝集、または無色または淡色樹脂で固めて、添加し、重合、顔料化することで製造することができる。
本発明において、内包される前記隠蔽性顔料の含有量は、隠蔽性顔料も含めた樹脂固溶体型顔料全量に対して、好ましくは、15質量%以上、更に好ましくは、20質量%以上であり、描線濃度、高分散時の顔料耐久性の点から、50質量%以下が望ましい。
この隠蔽性顔料の含有量が15質量%未満では、有色面に筆記した場合の隠蔽力が不十分となる。なお、内包される前記隠蔽性顔料の含有量の調整は、上述の各製法の際に添加する量を好適に調整することにより行うことができる。
本発明の樹脂固溶体型顔料の平均粒子径は、好ましくは、1〜30μmの範囲であることが望ましい。
この平均粒子径が1μmより小さいと、隠蔽性顔料による隠蔽力向上効果と描線の彩度低下の弊害とのバランスが悪く、一方、30μmを超えてより大きいと、着色性、書き味等が悪くなる。更に好ましくは、2〜10μmの範囲にあることが望ましい。
なお、本発明(実施例を含む)で規定する隠蔽性顔料の「平均粒子径」は、レーザー回折式粒度分布測定装置〔Microtrac;MT3000〕にて測定した値であり、また、樹脂固溶体型顔料の「平均粒子径」は電子顕微鏡観察より測定し、算術平均した値である。
本発明の樹脂固溶体型顔料は、染着した合成樹脂中に隠蔽性顔料が内包された状態で含んだ樹脂固溶体型となるので、蛍光色等高彩度で、かつその濃度も濃く調整できるので、例えば、芯を木軸に装填した木軸色鉛筆、芯を紙または鉛筆用削り器で切削可能なシートで巻いた鉛筆またはクレヨン、鉛筆用削り器で切削可能な外層容器に芯材を装填した鉛筆またはクレヨン、繰り出し式もしくは回転式容器に芯材を装填した鉛筆またはクレヨン、あるいは単純に芯のみで構成される固形描画材芯を木軸に装填した木軸色鉛筆、芯を紙または鉛筆用削り器で切削可能なシートで巻いた鉛筆またはクレヨン、鉛筆用削り器で切削可能な外層容器に芯材を装填した鉛筆またはクレヨン、繰り出し式もしくは回転式容器に芯材を装填した鉛筆またはクレヨン、あるいは単純に芯のみで構成される固形描画材などの顔料として好適に用いることができる。
〔固形描画材〕
本発明の固形描画材は、少なくとも、上記構成の樹脂固溶体型顔料と、ワックスと、体質材と、上記樹脂固溶体型顔料と相溶しない樹脂とからなることを特徴とするものである。
上記構成の樹脂固溶体型顔料の含有量は、固形描画材の用途(木軸色鉛筆、クレヨン等)などにより変動するものであるが、上記特性の樹脂固溶体型顔料の機能を効果的に発揮せしめる点から、固形描画材全量に対して、好ましくは、15質量%以上、更に好ましくは、20質量%以上、強度、着色性の点から、好ましくは、60質量%以下、更に好ましくは、50質量%以下とすることが望ましい。
本発明における「ワックス」とは、固形描画材の構成成分のうち一般的にワックスとして分類されるものをいう。固形描画材の成分としてのワックスは、筆記用途に使用しない時には形状保持に寄与するが、力が加えられると速やかに崩壊して筆記時の潤滑性を付与するものである。
具体的に用いることができるワックスとしては、カスターワックス、パーム硬化油、モクロウ、ウルシロウ、ヤマウルシロウ、モンタンワックス、グリセリン脂肪酸エステル、ペンタエリスリトール脂肪酸エステル、マイクロクリスタリンワックス、カルナバワックス、キャンデリラワックス、ライスワックス、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、オゾケライト、フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、ケトンワックス、各種脂肪酸アミド等の少なくとも1種が挙げられる。
用いるワックスの含有量は、固形描画材の用途(木軸色鉛筆、クレヨン等)などにより好適に調整されるものであり、固形描画材全量に対して、15〜60質量%の範囲で調整される。
本発明における「体質材」とは、固形描画材の強度向上、筆記性向上に寄与する成分である。具体的に用いることができる体質材としては、タルク、カオリン、マイカ、窒化ホウ素、シリカ、炭酸カルシウム、沈降性硫酸バリウム、チタン酸カリウムウィスカーなどの少なくとも1種が挙げられる。
用いる体質材の含有量は、固形描画材の用途(木軸色鉛筆、クレヨン等)などにより好適に調整される。
本発明の固形描画材において、その他、粘着性付与を目的として、樹脂等配合する場合、前記特性の樹脂固溶体型顔料とは相溶しない樹脂を用いるものである。相溶すると、書き味、着色性が低下するためである。
具体的に用いることができる上記相溶しない樹脂としては、テルペン樹脂、テルペン樹脂変性物、マレイン酸樹脂誘導体、クマロン・インデン樹脂、クマロン・インデン樹脂誘導体、スチレン系樹脂、イソプレン系樹脂、松脂、ロジンエステル及び石油樹脂から選ばれる1つ又は2以上の混合物や、柔軟性、強度付与を目的として、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニル共重合体、エチレンアクリル酸共重合体、エチレンアクリル酸エチル共重合体から選ばれる1つ又は2以上の混合物が使用可能であるが、使用の際は、用いる上述の合成樹脂固溶体型顔料と相溶しないかどうかの確認が必要である。
用いる樹脂の含有量は、固形描画材の用途(木軸色鉛筆、クレヨン等)などにより好適に調整されるものであり、固形描画材全量に対して、5〜20質量%の範囲で調整される。
さらに、その他の成分として、例えば、潤滑性付与を目的として融点45℃以下のオイルも着色性が維持できる範囲で使用可能である。このようなオイルとしては、例えば、ホホバ油、流動パラフィン、スクワラン、スクワレン、流動パラフィン等が挙げられる。
本発明の固形描画材を製造するには、従来から知られている方法が採用可能であり、例えば、少なくとも、上記構成の樹脂固溶体型顔料と、ワックスと、体質材と、上記樹脂固溶体型顔料と相溶しない樹脂などの各成分を所定量配合し、ニーダー等の混練機により加熱混合、分散させた後、2本ロールで混練した後、加熱溶融させ、所定の型に流し込み、冷却、固化することによって得られる。
このように構成される本発明の固形描画材は、芯を木軸に装填した木軸色鉛筆、芯を紙または鉛筆用削り器で切削可能なシートで巻いた鉛筆またはクレヨン、鉛筆用削り器で切削可能な外層容器に芯材を装填した鉛筆またはクレヨン、繰り出し式もしくは回転式容器に芯材を装填した鉛筆またはクレヨン、あるいは単純に芯のみで構成される固形描画材として、使用に供される。
本発明の固形描画材では、少なくとも、上記構成の樹脂固溶体型顔料と、ワックスと、体質材と、上記樹脂固溶体型顔料と相溶しない樹脂とからなることを特徴とするものであり、アート紙、コート紙、プラスチック、金属等の平滑な非吸収面に筆記しても蛍光色等高彩度で、かつ濃く筆記することができ、特に、有色アート紙、有色コート紙、着色したPET等プラスチック、金属、ブラックボード等においても、蛍光色等高彩度で、かつ濃く筆記することができる固形描画材が提供されることとなる。
このように構成される本発明の固形描画材は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術思想の範囲内で、種々変更して実施することができる。
次に、本発明となる樹脂固溶体型顔料の製造例、並びに、この樹脂固溶体型顔料等を用いた固形描画材の実施例及び比較例により、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は下記製造例、実施例に何等限定されるものではない。
〔製造例1〜2:樹脂固溶体型顔料の製造〕
(製造例1)
ローダミンBで染着されたメラミン・ホルムアミド樹脂70質量%を同質量のアセトンに溶解し、二酸化チタン(平均粒子径:300〜900nm、以下同様)30質量%を添加後、超音波をかけて分散後、PETフィルム上に塗布し、アセトンを除去した後、フィルムから剥離させ、粉砕、分級して、平均粒子径4.8μmの蛍光桃色顔料を得た。
比較対照用として、上記製造例1において、二酸化チタンを配合しないで製造例1と同様にして平均粒子径4.8μmの蛍光桃色顔料を得た(以下、「比較製造例1」という)。
(製造例2)
低密度ポリプロピレンと二酸化チタンを、質量比1:1で、ニーダーで加熱混合後、3本ロールで混練し、その後冷却、粉砕、分級し、白色粉体を得た。次に、ローダミン6Gで染着されたメラミン・ホルムアミド樹脂60質量%を同重量のアセトンに溶解し、前記白色粉体40質量%を添加後、超音波をかけて分散後、PETフィルム上に塗布し、アセトン除去後、フィルムから剥離させ、粉砕、分級して、平均粒子径5.6μmの蛍光桃色顔料を得た。
比較対照用として、上記製造例2において、白色粉体を配合しないで製造例2と同様にして平均粒子径5.6mの蛍光桃色顔料を得た(以下、「比較製造例2」という)。
〔実施例1〜4及び比較例1〜4:固形描画材の調製〕
(実施例1)
蛍光桃色顔料(製造例1) 40質量%
ウルシロウ(融点52℃) 10質量%
カスターワックス(融点85℃) 10質量%
タルク 5質量%
エチレン−酢酸ビニル共重合体(融点62℃、メルトフローレート:400、商品名:EV210、三井・デュポンポリケミカル社製) 25質量%
エステルガム(融点82℃) 7質量%
流動パラフィン 3質量%
上記配合組成物をニーダーで加熱混合、分散させた後に2本ロールで混練した後、加熱溶融させ、所定の型に流し込み、冷却、固化して、直径が10.0mmの桃色固形描画材を得た。
(実施例2)
蛍光桃色顔料(製造例2) 40質量%
ウルシロウ(融点52℃) 10質量%
カスターワックス(融点85℃) 10質量%
タルク 5質量%
エチレン−酢酸ビニル共重合体(融点62℃、メルトフローレート:400、商品名:EV210、三井・デュポンポリケミカル社製) 25質量%
エステルガム(融点82℃) 7質量%
流動パラフィン 3質量%
上記配合組成物をニーダーで加熱混合、分散させた後に2本ロールで混練した後、加熱溶融させ、所定の型に流し込み、冷却、固化して、直径が10.0mmの桃色固形描画材を得た。
(実施例3)
蛍光桃色顔料(製造例1) 40質量%
モクロウ 35質量%
ロジン 15質量%
タルク 10質量%
上記配合組成物をニーダーで加熱混合、分散させた後に2本ロールで混練し、この混練物をプランジャー型押出機にて押出成形し、直径6.8mmの蛍光桃色色芯とし、さらに紙製シールを複数回巻いて、直径8.0mmの桃色固形描画材を得た。
(実施例4)
蛍光桃色顔料(製造例2) 40質量%
モクロウ 35質量%
ロジン 15質量%
タルク 10質量%
上記配合組成物をニーダーで加熱混合、分散させた後に2本ロールで混練し、この混練物をプランジャー型押出機にて押出成形し、直径6.8mmの蛍光桃色色芯とし、さらに紙製シールを複数回巻いて、直径8.0mmの桃色固形描画材を得た。
(比較例1)
蛍光桃色顔料(比較製造例1) 28質量%
二酸化チタン 12質量%
ウルシロウ(融点52℃) 10質量%
カスターワックス(融点85℃) 10質量%
タルク 5質量%
エチレン−酢酸ビニル共重合体(融点62℃、メルトフローレート:400、商品名:EV210、三井・デュポンポリケミカル社製) 25質量%
エステルガム(融点82℃) 7質量%
流動パラフィン 3質量%
上記配合組成物をニーダーで加熱混合、分散させた後に2本ロールで混練した後、加熱溶融させ、所定の型に流し込み、冷却、固化して、直径が10.0mmの桃色固形描画材を得た。
(比較例2)
蛍光桃色顔料(比較製造例2) 25質量%
二酸化チタン 10質量%
モクロウ 35質量%
ロジン 15質量%
タルク 15質量%
上記配合組成物をニーダーで加熱混合、分散させた後に2本ロールで混練し、この混練物をプランジャー型押出機にて押出成形し、直径6.8mmの蛍光桃色色芯とし、さらに紙製シールを複数回巻いて、直径8.0mmの桃色固形描画材を得た。
(比較例3)
蛍光桃色顔料(比較製造1) 40質量%
ウルシロウ(融点52℃) 10質量%
カスターワックス(融点85℃) 10質量%
タルク 5質量%
エチレン−酢酸ビニル共重合体(融点62℃、メルトフローレート:400、商品名:EV210、三井・デュポンポリケミカル社製) 25質量%
エステルガム(融点82℃) 7質量%
流動パラフィン 3質量%
上記配合組成物をニーダーで加熱混合、分散させた後に2本ロールで混練した後、加熱溶融させ、所定の型に流し込み、冷却、固化して、直径が10.0mmの桃色固形描画材を得た。
(比較例4)
蛍光桃色顔料(比較製造例2) 40質量%
モクロウ 35質量%
ロジン 15質量%
タルク 10質量%
上記配合組成物をニーダーで加熱混合、分散させた後に2本ロールで混練し、この混練物をプランジャー型押出機にて押出成形し、直径6.8mmの蛍光桃色色芯とし、さらに紙製シールを複数回巻いて、直径8.0mmの桃色固形描画材を得た。
上記実施例1〜4及び比較例1〜4で得られた固形描画材について、下記評価方法により、黒画用紙、黒アクリル板に描画した際の隠蔽性、並びに、黒画用紙、黒アクリル板に描画した際の蛍光性ついて評価した。
これらの結果を下記表1に示す。
〔隠蔽性(黒画用紙、黒アクリル板)の評価方法〕
上記の各実施例及び比較例で得た固形描画材を、それぞれそのまま用いて黒い画用紙、黒いアクリル板に50mm×50mmの大きさに縦横に塗りつぶし、その時の被筆記面の様子を下記評価基準A〜Eの5段階で評価した。
評価基準:
A:下地の黒色が完全に隠蔽され、見えない。
B:下地の黒色がほぼ隠蔽され、注意しないと見えない。
C:下地の黒色が薄く見える。
D:下地の黒色がはっきりと見える。
E:下地の黒色がほとんど見える
〔蛍光性(黒画用紙、黒アクリル板)の評価方法〕
上記の各実施例及び比較例で得た固形描画材を、それぞれそのまま用いて黒い画用紙、黒いアクリル板に50mm×50mmの大きさに縦横に塗りつぶし、その時の蛍光度合を下記評価基準A〜Eの5段階で評価した。
評価基準:
A:彩度が非常に高く、蛍光性が高い。
B:彩度が高く、蛍光感が有る。
C:彩度は少し高いが、蛍光感は不十分である。
D:彩度が低いが、少し蛍光感が有る
E:彩度が低く、蛍光感が無い(ただし、上記隠蔽性の評価がD又はEであった場合はこの評価とした)。
Figure 2016000791
上記表1の結果から明らかなように、本発明範囲となる実施例1〜4に係る固形描画材は、いずれの評価方法も良好な結果を示した。すなわち、黒等濃色紙面や黒いアクリル板等濃色平滑面の下地色を隠蔽して濃く描画でき、その描画面は蛍光色等高彩度となる固形描画材であった。
これに対し、本発明の範囲外である各比較例のうち、比較例1〜2の評価結果は、描線、描画面の彩度が低く、蛍光感が劣るものであった。また、比較例3〜4は、描線の隠蔽性能の評価が極端に悪く、そのため、下地色が見えて、結果的に蛍光感が劣るものであった。
上記比較例1、2は、「隠蔽性顔料が内包された染着合成樹脂固溶体型顔料」の代わりに「隠蔽性顔料」である二酸化チタンと「染着合成樹脂固溶体型顔料」である蛍光桃色顔料が分散して配合されているので、隠蔽性は高いが、無彩色の二酸化チタンが蛍光顔料の彩度を著しく低下させ、蛍光感が無い桃色描画面になることが確認された。
更に、比較例3、4は、隠蔽性が低い組成物のみが配合されているので、樹脂固溶体型顔料である桃色蛍光顔料の含有率は大きいが、隠蔽性、蛍光性を共に供することは不可能であることが判った。
アート紙、コート紙、プラスチック、金属等の平滑な非吸収面に筆記しても蛍光色等高彩度で、かつ濃く筆記することができ、特に、有色アート紙、有色コート紙、着色したPET等プラスチック、金属、ブラックボード等においても、蛍光色等高彩度で、かつ濃く筆記することができる木軸色鉛筆、クレヨン等に好適な樹脂固溶体型顔料、及びそれを用いた固形描画材が得られる。

Claims (5)

  1. 染着した合成樹脂中に隠蔽性顔料が内包された状態で含んだ樹脂固溶体型であることを特徴とする樹脂固溶体型顔料。
  2. 内包される前記隠蔽性顔料の含有量は、隠蔽性顔料も含めた樹脂固溶体型顔料全量に対して、15質量%以上であることを特徴とする請求項1記載の樹脂固溶体型顔料。
  3. 樹脂固溶体型顔料の平均粒子径が1〜30μmの範囲にあることを特徴とする請求項1又は2記載の樹脂固溶体型顔料。
  4. 前記隠蔽性顔料を凝集、または無色または淡色樹脂で固め、その周りを前記染着合成樹脂固溶体型顔料で被覆した状態で含むことを特徴とする請求項1〜3の何れか一つに記載の樹脂固溶体型顔料。
  5. 少なくとも、請求項1〜4の何れか一つに記載の樹脂固溶体型顔料と、ワックスと、体質材と、上記樹脂固溶体型顔料と相溶しない樹脂とからなることを特徴とする固形描画材。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016222854A (ja) * 2015-06-02 2016-12-28 石原産業株式会社 高彩度組成物
JP7406969B2 (ja) 2019-11-29 2023-12-28 株式会社パイロットコーポレーション 水溶性シート状色材、水溶性シート状セット、および絵の具セット

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