JP2016000786A - 粘着シート、その製造方法及び物品 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来より薄型であっても、フィラーの含有割合にばらつきが生じ難い優れた導電性又は熱伝導性、及び、被着体に対する優れた接着性を備えた粘着シートの提供。
【解決手段】高級脂肪酸アミド、変性ウレア、ポリオレフィン、酸化ポリオレフィン、及び、ひまし油誘導体から選ばれる1種以上の化合物(a1)と、導電性フィラー又は熱伝導性フィラー(a2)と、アクリル重合体からなる粘着剤成分(a3)と、を含有する粘着剤層(A)を有する粘着シート。
【選択図】なし

Description

本発明は、例えば電子機器等の製造場面で使用可能な粘着シートに関する。
電子機器の製造場面では、それを構成する部品の種類等に応じて、様々な種類の粘着シートが使用されている。
例えば、前記粘着シートとしては、電子機器等から輻射する不要な漏洩電磁波のシールドや、電子機器から発生する有害な空間電磁波のシールドや、静電気の帯電防止等を目的とした導電性粘着シートが知られており、具体的には、導電性基材上に、導電性フィラーを粘着性物質中に分散させた導電性粘着剤からなる粘着剤層を有する粘着シートが知られている(例えば、特許文献1及び2参照。)。
また、前記粘着シートとしては、例えば充電池やICチップ(集積回路チップ)等の発熱しうる部材から、熱を拡散させることを目的として、前記充電池等に貼付される熱伝導性粘着シートが知られている。
一方、前記導電性粘着シート及び熱伝導性粘着シートとしては、一般に、導電性フィラーや熱伝導性フィラーを含有する粘着剤を離型ライナー等の表面に塗工し乾燥等することによって大面積の粘着シートを製造し、それを被着体に応じて任意の形状に裁断したものを使用することが多い。
しかし、前記導電性フィラーや熱伝導性フィラーは、比較的凝集しやすいものであるため、前記大面積の粘着シートの部位によって前記フィラーの含有割合にばらつきが生じやすく、その結果、それを裁断した際に、導電性または熱伝導性、及び、被着体に対する接着性の性能面でばらつきが生じる場合があった。
また、電子機器のさらなる小型化及び薄型化に伴って、前記導電性粘着シート及び熱伝導性シートにもさらなる薄型化が求められているなかで、従来品より薄型であっても、前記フィラーの含有割合にばらつきが生じにくく、優れた導電性または熱伝導性、及び、被着体に対する優れた接着性を備えた粘着シートを安定して生産するできることが求められていた。
特開2004−263030号公報 特開2009−79127号公報
本発明が解決しようとする課題は、従来より薄型であっても、優れた導電性または熱伝導性、及び、被着体に対する優れた接着性を備えた粘着シートを提供することである。
また、本発明が解決しようとする課題は、前記フィラーの含有割合にばらつきが生じにくく、優れた導電性または熱伝導性、及び、被着体に対する優れた接着性を備えた粘着シートを安定して製造できる方法を提供することである。
本発明者等は、特定の化合物(a1)と、導電性フィラーまたは熱伝導性フィラー(a2)と、粘着剤成分(a3)とを含有する粘着剤層(A)を有する粘着シートであれば、前記課題を解決できることを見出した。
すなわち、本発明は、高級脂肪酸アミド、変性ウレア、ポリオレフィン、酸化ポリオレフィン、及び、ひまし油誘導体からなる群より選ばれる1種以上の化合物(a1)と、導電性フィラーまたは熱伝導性フィラー(a2)と、粘着剤成分(a3)とを含有する粘着剤層(A)を有することを特徴とする粘着シートに関するものである。
本発明の粘着シートの製造方法であれば、従来より薄型であっても、優れた導電性または熱伝導性、及び、被着体に対する優れた接着性を備えた粘着シートを得ることができる。
前記方法で得られた粘着シートは、極薄型でありながら、被着体への良好な接着性と、導電性または熱伝導性とを有するため、例えば電子機器等に用いる電磁波のシールド用途、電気・電子機器より発生する有害な空間電磁波のシールド用途、静電気帯電防止の接地固定用途、充電池やICチップ(集積回路チップ)等から発生した熱を拡散させるための用途等で使用することができる。
前記粘着シートは、前記したとおり薄型であることから、きょう体内の容積制限が厳しい携帯電子機器の製造用途で好適に使用することができる。
本発明の粘着シートの構成例の一例を示す図である。 本発明の粘着シートの構成例の一例を示す図である。
本発明の粘着シートは、高級脂肪酸アミド、変性ウレア、ポリオレフィン、酸化ポリオレフィン、及び、ひまし油誘導体からなる群より選ばれる1種以上の化合物(a1)と、導電性フィラーまたは熱伝導性フィラー(a2)と、粘着剤成分(a3)とを含有する粘着剤層(A)を有することを特徴とするものである。
前記粘着シートとしては、前記粘着剤層(A)単層または複層から構成される、いわゆる基材レスの粘着シート、基材の片面または両面に前記粘着剤層(A)を有する粘着シートを使用することができる。
前記粘着シートとしては、総厚さが30μm以下であるものを使用することが好ましく、20μm以下であるものを使用することがより好ましく、15μm以下であるものを使用することがさらに好ましく、12μm以下であるものを使用することが特に好ましい。前記総厚さの下限は、1μmであることが好ましい。前記特定の粘着剤層(A)を有する粘着シートは、前記したとおり従来よりも極薄型であっても、導電性や熱伝導性等のばらつきが生じにくい。なお、前記総厚さは、離型ライナーを含まない粘着シートの厚さを指す。
また、本発明でいう「シート」とは、その厚さによらず、一般にシートまたはフィルムといわれる形態を指し、枚葉、ロール状、薄板状、帯状(テープ状)等の製品形態とされたものも含む。
[粘着剤層(A)]
本発明の粘着シートを構成する粘着剤層(A)としては、高級脂肪酸アミド、変性ウレア、ポリオレフィン、酸化ポリオレフィン、及び、ひまし油誘導体からなる群より選ばれる1種以上の化合物(a1)と、導電性フィラーまたは熱伝導性フィラー(a2)と、粘着剤成分(a3)とを含有するものを使用する。粘着剤成分(a3)に、前記化合物(a1)と、導電性フィラーまたは熱伝導性フィラー(a2)とを組み合わせ使用することによって、粘着剤層(A)中における導電性フィラーまたは熱伝導性フィラー(a2)の含有割合のばらつきを防止でき、その結果、従来品より薄型であっても、優れた導電性または熱伝導性、及び、被着体に対する優れた接着性を備えた粘着シートを、安定して得ることが可能となる。
[化合物(a1)]
前記化合物(a1)は、粘着剤層(A)における前記熱伝導性フィラーや熱伝導性フィラー(a2)の含有割合のばらつきを防止することを目的として使用する。前記化合物(a1)としては、チキソ性や擬塑性の高いものを使用することが、粘着剤層(A)中における前記熱伝導性フィラーや熱伝導性フィラー(a2)の含有割合のばらつきをより効果的に防止できるため好ましい。
前記化合物(a1)としては、高級脂肪酸アミド、変性ウレア、ポリオレフィン、酸化ポリオレフィン、及び、ひまし油誘導体からなる群より選ばれる1種以上の化合物を使用する。なかでも、前記化合物(a1)としては、高吸脂肪酸アミド、変性ウレアを使用することが、粘着剤層(A)中における前記導電性フィラーや熱伝導性フィラー(a2)の含有割合のばらつきをより一層効果的に防止することができ、従来品より薄型であっても、優れた導電性または熱伝導性、及び、被着体に対する優れた接着性を備えた粘着シートを安定して得ることができるため好ましい。
前記高級脂肪酸アミドとしては、例えば飽和脂肪酸アミド、不飽和脂肪酸アミド、置換アミド、メチロールアミド、飽和脂肪酸ビスアミド、不飽和脂肪酸ビスアミド、芳香族系ビスアミド等を使用することができる。なかでも、前記高級脂肪酸アミドとしては、不飽和脂肪酸ビスアミド、飽和脂肪酸ビスアマイドを使用することが、粘着剤層(A)中における熱伝導性フィラーや熱伝導性フィラー(a2)の含有割合のばらつきをより効果的に防止できるため好ましい。
前記不飽和脂肪酸ビスアミドとしては、例えばエチレンビスオレイン酸アミド、エチレンビスエルカ酸アミド、ヘキサメチレンビスオレイン酸アミド、N,N’−ジオレイルアジピン酸アミド、N,N’−シオレイルアジピン酸アミド等を使用することができる。
前記飽和脂肪酸ビスアミドとしては、メチロールステアリン酸アミド、メチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスカプリン酸アミド、エチレンビスラウリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、エチレンビスベヘン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸アミド、ヘキサメチレンビスベヘン酸アミド、ヘキサメチレンヒドロキシステアリン酸アミド、N,N’−ジステアリルアジピン酸アミド、N,N’−ジステアリルセバシン酸アミド等を使用することができる。
また、前記ポリオレフィンとしては、ポリエチレンやポリプロピレンが挙げられる。
また、前記酸化ポリオレフィンとしては、特に酸化ポリエチレン、酸化ポリエチレンポリアミド、や酸化ポリプロピレンを使用することが、粘着剤層(A)中における熱伝導性フィラーや熱伝導性フィラー(a2)の含有割合のばらつきをより効果的に防止できるため好ましい。
また、前記変性ウレアとしては、例えばイソシアネートまたはこれらのアダクト体と、アミンとを反応させて得られるもの等を使用することができる。
前記変性ウレアとしては、例えばN−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルエチレンウレア、N,N−ジメチルプロピレンウレア、テトラメチルウレア等を使用することができる。
また、前記ひまし油誘導体としては、一般に沈降防止剤や粘度調整剤として知られるものを使用することができる。
前記化合物(a1)は、前記粘着剤成分(a3)に対して0.1質量%〜20質量%の範囲で使用することが好ましく、1質量%〜5質量%の範囲で使用することがより好ましく、1.5質量%〜3.5質量%の範囲で使用することが、被着体に対する優れた接着性を維持し、かつ、粘着剤層(A)中における前記導電性フィラーや熱伝導性フィラー(a2)の含有割合のばらつきをより一層効果的に防止することができ、優れた導電性や熱伝導性を備えた粘着シートを安定して得るうえでさらに好ましい。
次に、前記粘着剤層(A)に含まれる導電性フィラーまたは熱伝導性フィラー(a2)について説明する。
前記粘着剤層(A)は、導電性フィラーまたは熱伝導性フィラー(a2)のいずれか一方または両方を含有する。本発明の粘着シートを、導電性粘着シートとして使用する場合には、前記導電性フィラーを使用することが好ましく、熱伝導性粘着シートとして使用する場合には、前記熱伝導性フィラーを使用することが好ましい。
前記導電性フィラーとしては、例えばニッケル、銅、銀、金、アルミニウム、中実ガラスビーズまたは中空ガラスビーズの表面に金属被覆を有するもの等を使用することができ、ニッケルまたは銅を使用することが、優れた導電性を備えた粘着シートを得るうえで好ましい。
また、熱伝導性フィラーとしては、例えば水酸化アルミニウム、酸化アルミニウム、窒化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化マグネシウム、タルク、窒化ホウ素等を使用することができる。
前記導電性フィラーまたは熱伝導性フィラー(a2)としては、前記したもののうち、粒子状、粉末状のものを使用することが好ましい。
前記導電性フィラーまたは熱伝導性フィラー(a2)としては、その粒子径d85が5μm〜50μmの範囲であるものを使用することが好ましく、5.5μm〜20μmの範囲であるものを使用することがより好ましく、6.0μm〜15.0μmの範囲であるものを使用することがさらに好ましく、6.5μm〜9μmの範囲であるものを使用することが特に好ましい。
なお、前記粒子径d85は粒度分布における85%累積値を指し、レーザー解析・散乱法により測定される値である。測定装置としては日機装株式会社製マイクロトラックMT3000II、株式会社島津製作所製レーザー回折式粒度分布測定器SALD−3000等があげられる。
前記範囲の粒子径d85に調整する方法としては、例えば導電性フィラーまたは熱伝導性フィラー(a2)をジェットミルで粉砕する方法や篩等を用いて篩分けする方法が挙げられる。
前記導電性フィラーまたは熱伝導性フィラー(a2)の粒子径d85は、前記粘着剤層(A)の厚さに対して80%〜330%であることが好ましく、100%〜250%であることがより好ましく、120%〜220%であることが、より一層優れた導電性または熱伝導性と、優れた接着性とを両立した粘着シートを得るうえでさらに好ましい。
前記導電性フィラーまたは熱伝導性フィラー(a2)としては、前記所定範囲の粒子径d85であるとともに、粒子径d50が3μm〜30μmの範囲であるものを使用することが好ましく、3.5μm〜15μmの範囲であるものを使用することがより好ましく、3.5μm〜8μmの範囲であるものを使用することが、より一層優れた導電性または熱伝導性と、優れた接着性とを両立した粘着シートを得るうえでさらに好ましい。なお、前記粒子径d50は、粒度分布における50%累積値(メディアン径)であり、レーザー解析・散乱法によって測定される値を指す。
前記導電性フィラー及び熱伝導性フィラー(a2)は、前記粘着剤層(A)全体に対して、合計1質量%〜200質量%の範囲で含まれることが好ましい。特に導電性フィラーを使用する場合、導電性フィラーは、前記粘着剤層(A)全体に対して5質量%〜50質量%の範囲で含まれることがより好ましく、8質量%〜20質量%の範囲で含まれることがさらに好ましく、8質量%〜15質量%の範囲で含まれることが、より一層優れた導電性または熱伝導性と、優れた接着性とを両立した粘着シートを得るうえでさらに好ましい。
また、前記粘着剤層(A)は、前記導電性フィラー及び熱伝導性フィラー(a2)以外の、その他のフィラーを含有していてもよい。
また、前記粘着剤層(A)を構成する粘着剤成分(a3)としては、例えば(メタ)アクリル系粘着剤組成物、ウレタン系粘着剤組成物、合成ゴム系粘着剤組成物、天然ゴム系粘着剤組成物、シリコーン系粘着剤組成物等を使用することができ、アクリル系重合体を含有し、必要に応じて粘着付与樹脂や架橋剤等の添加剤を含有するアクリル系粘着剤組成物を使用することが、被着体に対して優れた粘着性を備えた粘着シートを得るうえで好ましい。
前記アクリル系重合体としては、例えば炭素原子数1〜14のアルキル基を有する(メタ)アクリレートモノマーを含有する単量体成分を重合して得られるアクリル系重合体を好適に使用することができる。
炭素原子数1〜14のアルキル基を有する(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート等を1種または2種以上組み合わせ使用することができる。
なかでも、前記炭素原子数1〜14のアルキル基を有する(メタ)アクリレートとしては、炭素原子数が4〜12のアルキル基を有する(メタ)アクリレートを使用することが好ましく、炭素原子数が4〜9の直鎖または分岐構造であるアルキル基を有する(メタ)アクリレートを使用することがより好ましく、n−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレートを単独または組み合わせ使用することがさらに好ましい。
前記アクリル系重合体の製造に使用する前記単量体成分の全量に対する前記炭素原子数1〜14のアルキル基を有する(メタ)アクリレートの含有量は、80質量%〜98.5質量%の範囲であることが好ましく、90質量%〜98.5質量%の範囲であることがより好ましい。
前記アクリル系重合体の製造に使用可能な単量体成分としては、前記したもののほかに、必要に応じて高極性ビニル単量体を使用することが好ましい。
前記高極性ビニル単量体としては、カルボキシル基を有するビニル単量体、水酸基を有するビニル単量体、アミド基を有するビニル単量体等を単独または2種以上組み合わせ使用することができる。なかでも、前記高極性ビニル単量体としては、カルボキシル基を有するビニル単量体を使用することが、被着体に対して優れた粘着性を備えた粘着シートを得るうえで好ましい。
カルボキシル基を有するビニル単量体としては、例えばアクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、(メタ)アクリル酸2量体、クロトン酸、エチレンオキサイド変性琥珀酸アクリレート等を使用でき、なかでもアクリル酸を使用することが好ましい。
カルボキシル基を有するビニル単量体を使用する場合、その含有量は、アクリル系重合体の製造に使用する単量体成分の全量に対して0.2質量%〜15質量%であることが好ましく、0.4質量%〜10質量%であることがより好ましく、0.5質量%〜6質量%であることが、粘着剤層(A)の接着性を好適な範囲に調整しやすいためさらに好ましい。
水酸基を有するビニル単量体としては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート等を使用することができる。
アミド基を有するビニル単量体としては、例えばN−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、アクリロイルモルホリン、アクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド等を使用することができる。
その他の高極性ビニル単量体としては、例えば酢酸ビニル、エチレンオキサイド変性琥珀酸アクリレート、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルフォン酸等のスルホン酸基含有モノマー、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート等の末端アルコキシ変性(メタ)アクリレート等を使用することができる。
前記高極性ビニル単量体の含有量は、アクリル系重合体の製造に使用する単量体成分の全量に対して0.2質量%〜15質量%であることが好ましく、0.4質量%〜10質量%であることがより好ましく、0.5質量%〜6質量%であることが、粘着剤の接着性を好適な範囲に調整しやすいためさらに好ましい。
前記アクリル系重合体は、前記した単量体成分を、溶液重合法、塊状重合法、懸濁重合法、乳化重合法など公知の方法で重合させることによって製造することができる。なかでも、前記溶液重合法を採用することが、その生産コストや生産性を向上するうえで好ましい。
前記方法で得られたアクリル系重合体としては、30万〜150万の範囲の重量平均分子量を有するものを使用することが好ましく、50万〜120万の範囲の重量平均分子量を有するものを使用することがより好ましい。
前記粘着成分(a3)としては、例えば粘着付与樹脂や架橋剤を含有するものを使用することができる。
前記粘着付与樹脂としては、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、脂肪族(C5系)や芳香族(C9系)などの石油樹脂、スチレン系樹脂フェノール系樹脂、キシレン系樹脂、メタクリル系樹脂等を使用することができ、ロジン系樹脂を使用することが好ましく、重合ロジン系樹脂を使用することがより好ましい。
前記粘着付与樹脂は、前記アクリル系重合体100質量部に対し10質量部〜50質量部の範囲で使用することが好ましい。
前記架橋剤としては、例えばイソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、キレート系架橋剤、アジリジン系架橋剤等を使用することができる。
前記架橋剤の種類及び使用量は、前記アクリル系重合体等の粘着剤成分(a3)が有する官能基の種類及び官能基量に応じて適宜選択することが好ましい。
前記架橋剤は、前記粘着剤層(A)のゲル分率が25質量%〜60質量%の範囲となるよう適宜調整し使用することができる。
前記粘着剤層(A)としては、前記化合物(a1)と、導電性フィラーまたは熱伝導性フィラー(a2)と、粘着剤成分(a3)との他に、必要に応じて、その他の添加剤を含有するものを使用することができる。
前記添加剤としては、例えば分散剤、可塑剤、軟化剤、金属不活性剤、酸化防止剤、顔料、染料等を使用することができる。
前記成分を含有する前記粘着剤層(A)は、より一層優れた凝集力を発現するうえで、3次元架橋構造を形成するのが好ましい。架橋構造形成の指標としては、前記粘着剤層(A)を、トルエンに24時間浸漬した際の不溶分を表すゲル分率が挙げられる。前記粘着剤層(A)のゲル分率は、前記粘着剤層(A)を構成する導電性フィラー及び熱伝導性フィラー(a2)等の無機成分を含まない範囲(具体的には、前記化合物(a1)及び前記粘着剤成分(a3)によって構成される範囲)のゲル分率を指し、25質量%〜60質量%であることが好ましく、30質量%〜40質量%であることが、被着体に対して優れた粘着性を備えた粘着シートを得るうえで好ましい。
前記粘着剤層(A)としては、1μm〜100μmの厚さのものを使用することが好ましく、1μm〜50μmの厚さのものを使用することがより好ましく、2μm〜20μmの厚さのものを使用することがさらに好ましく、2μm〜10μmの厚さのものを使用すること特に好ましく、2.5μm〜6μmの厚さのものを使用することが、薄型であっても優れた接着性と、優れた導電性または熱伝導性とを両立した粘着シートを得るうえで特に好ましい。
本発明の粘着シートとしては、前記したとおり、基材の片面または両面に粘着剤層(A)を有する粘着シートを使用することができる。
前記基材としては、導電性粘着シートを製造する場合であれば、導電性基材を使用することが好ましく、具体的には金属基材やグラファイト基材等を使用することがより好ましい。
前記金属基材としては、例えば金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、鉄、錫やこれらの合金等からなる基材を使用することができ、アルミニウムや銅からなる基材を使用することが、優れた導電性を有し、かつ、導電性基材の加工性に優れ、かつ比較的低コストであるため好ましい。
前記アルミニウムからなる基材としては、例えば住軽アルミ箔株式会社製のアルミニウム箔(厚さ6μm)、三菱アルミニウム株式会社製のアルミニウム箔(厚さ6.5μm)、東洋アルミニウム株式会社製のアルミニウム箔(厚さ5μm)等が挙げられる。アルミニウム箔の材質としては1N30や8079等が挙げられる。
前記アルミニウムからなる基材としては、軟質(O材)であるものを使用することが、柔軟であり、粘着シートを製造する際のシワの発生を抑制できるため好ましい。
また、前記銅からなる基材としては、例えば電解銅からなる基材、圧延銅からなる基材等を使用することができる。
前記電解銅からなる基材としては、福田金属箔粉工業株式会社製のCF−T9FZ−HS−9(厚さ9μm)、CF−T9FZ−HS−9(厚さ9μm)、三井金属鉱業株式会社製の3EC−M2S−VLP(厚さ7μm)等を使用することができる。
前記圧延銅箔としては、日本製箔株式会社製のTCU−H−8−RT(厚さ8μm)やJX日鉱日石金属株式会社製のTPC(厚さ6μm)等を使用することができる。
導電性基材としては、厚さ1μm〜26μmであるものを使用することが好ましく、厚さ2μm〜18μmであるものを使用することがより好ましく、厚さ3μ〜7μmであるものを使用することが、薄型で、かつ、加工性に優れた粘着シートを得るうえでさらに好ましい。
また、前記基材としては、熱伝導性粘着シートを製造する場合であれば、前記導電性基材をはじめ、ポリエチレンテレフタレート基材やポリイミド基材等の樹脂基材等を使用することができる。
本発明の粘着シートは、例えば前記基材の片面または両面に、前記化合物(a1)と、前記導電性フィラーまたは熱伝導性フィラー(a2)と、前記粘着剤成分(a3)とを含有する粘着剤を塗工し、乾燥等させることによって製造することができる(いわゆる、直塗り法)。
また、本発明の粘着シートは、予め離型ライナーの表面に、前記化合物(a1)と、前記導電性フィラーまたは熱伝導性フィラー(a2)と、前記粘着剤成分(a3)とを含有する粘着剤を塗工し、乾燥することによって粘着剤層(A)を形成し、次に、前記粘着剤層(A)を、前記基材の片面または両面に転写する方法によって製造することもできる(いわゆる、転写法)。
前記化合物(a1)と、前記導電性フィラーまたは熱伝導性フィラー(a2)と、前記粘着剤成分(a3)とを含有する粘着剤は、例えば前記アクリル系粘着剤等の粘着剤成分(a3)と、前記化合物(a1)と、前記導電性フィラーまたは熱伝導性フィラー(a2)とを混合することによって製造することができる。
前記混合方法としては、例えば前記化合物(a1)と、前記導電性フィラーまたは熱伝導性フィラー(a2)と、前記粘着剤成分(a3)と、必要に応じて添加剤等とを、例えば分散攪拌機等を用いて混合し分散させる方法が挙げられる。前記分散攪拌機としては、井上製作所製ディゾルバー、バタフライミキサー、BDM2軸ミキサー、プラネタリーミキサーが挙げられ、前記粘着剤の過度な粘度上昇を抑制しつつ、前記導電性フィラーまたは熱伝導性フィラー(a2)を比較的均一に混合させるうえでディゾルバーやバタフライミキサーを使用することが好ましい。
前記化合物(a1)と、前記導電性フィラーまたは熱伝導性フィラー(a2)と、前記粘着剤成分(a3)とを含有する粘着剤としては、B型粘度計の6rpmの粘度が30mPa・s〜3000mPa・sの範囲の粘度を有するものを使用することが好ましく、70mPa・s〜2000mPa・sの範囲の粘度を有するものを使用することがより好ましく、100Pa・s〜1000mPa・sの範囲の粘度を有するものを使用することが、粘着剤層(A)中の前記導電性フィラー及び熱伝導性フィラー(a2)の含有割合にばらつきが生じにくく、優れた導電性または熱伝導性、及び、被着体に対する優れた接着性を備えた粘着シートを安定して製造でき、前記粘着剤層(A)に塗工スジが発生することを防止するうえで好ましい。
前記化合物(a1)と、前記導電性フィラーまたは熱伝導性フィラー(a2)と、前記粘着剤成分(a3)とを含有する粘着剤の不揮発分は、5質量%〜30質量%の範囲であることが好ましく、15質量%〜25質量%の範囲であることがより好ましく、17質量%〜23質量%の範囲であることが、粘着剤層(A)中の前記導電性フィラー及び熱伝導性フィラー(a2)の含有割合にばらつきが生じにくく、優れた導電性または熱伝導性、及び、被着体に対する優れた接着性を備えた粘着シートを安定して製造するうえでさらに好ましい。
前記化合物(a1)と、前記導電性フィラーまたは熱伝導性フィラー(a2)と、前記粘着剤成分(a3)とを含有する粘着剤を、前記基材または離型ライナーの表面に塗工する方法としては、例えばコンマコーターを用いて塗工する方法、グラビアコーターを用いて塗工する方法、リップコーターを用いて塗工する方法等が挙げられる。なかでも、前記塗工方法としては、グラビアコーターを用いて塗工する方法またはリップコーターを用いて塗工する方法を採用することが好ましく、マイクログラビアコーターで塗工する方法を採用することが、粘着剤層(A)の厚さを比較的均一に調整することができ、前記粘着剤層(A)に含まれる導電性フィラー及び熱伝導性フィラー(a2)の含有量のばらつきをさらに抑制でき、その結果、薄型であっても、より一層優れた導電性または熱伝導性と、接着性とを両立した粘着シートを得るうえでより好ましい。
前記好適な量の前記導電性フィラーまたは熱伝導性フィラー(a2)を含み、好適な粘度を有する粘着剤を、前記好適な方法で塗工することによって、基材または離型ライナーの表面に、前記粘着剤を連続して塗工等した場合であっても、その塗工初期と塗工終期とで、粘着剤層(A)に含まれる前記導電性フィラーや熱伝導性フィラー(a2)の含有割合が変化しにくく、その結果、得られる粘着シートの導電性または熱伝導性、接着性等の性能面のばらつきを生じさせにくい。
前記いずれの方法で製造した粘着シートも、その後、20℃〜50℃の範囲で48時間以上養生することが、前記粘着剤層の架橋反応を進行させるうえで好ましい。
本発明の粘着シートの好適な構成の例を図1及び図2に示す。図1は、基材1上に粘着剤層2を積層した片面粘着シートである。また、図2は、基材1の両面に粘着剤層2を積層した両面粘着シートである。
本発明の粘着シートを構成する粘着剤層(A)の表面には、必要に応じて剥離ライナーが積層されていてもよい。
前記剥離ライナーとしては、特に限定されず、例えばクラフト紙、グラシン紙、上質紙などの紙類、ポリエチレン、ポリプロピレン(OPP、CPP)、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂フィルム、前記紙類と樹脂フィルムとが積層されたラミネート紙、前記紙類の表面がクレーやポリビニルアルコール等によって目止め処理されたもの、また、前記目止め処理された片面または両面がシリコン系樹脂等によって剥離処理されたもの等の従来公知のものを用いることができる。
本発明の粘着シートは、優れた導電性または熱伝導性と、優れた接着性とを備えることから、電磁波遮蔽用途、静電気帯電防止用途、蓄熱防止用途等で好適に使用することができる。具体的には、電子機器を構成する部品のうち、電磁波を発するものや、静電気を帯電し得るものや、発熱し得るものに直接貼付、または、その近傍に貼付し使用することができる。前記粘着シートの貼付された物品としては、携帯電子端末をはじめとする電子機器が挙げられる。
以下に実施例について具体的に説明する。
(導電性フィラーAの調製)
インコリミテッド社製のNI255(ニッケル粉、粒子径d50;22μm、粒子径d85;43μm)を、ジェットミルを用いて粉砕処理することによって、粒子径d50;4μm及び粒子径d85;6.5μmである導電性フィラーAを得た。
前記導電性フィラーの粒子径は、株式会社島津製作所製のレーザー回折式粒度分布測定器SALD−3000を用い、分散媒にイソプロパノールを用いて測定した。
(アクリル系粘着剤組成物1の調製)
冷却管、撹拌機、温度計及び滴下漏斗を備えた反応容器にn−ブチルアクリレート75.0質量部、2−エチルヘキシルアクリレート18.5質量部、酢酸ビニル3.9質量部、アクリル酸2.5質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート0.1質量部、及び、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチルニトリル0.1質量部を、酢酸エチル100質量部に溶解し、窒素置換した後、80℃で12時間重合することによって、重量平均分子量50万のアクリル系重合体の酢酸エチル溶液を得た。
前記アクリル系重合体の酢酸エチル溶液の固形分100質量部に対し、ペンセルD−135(荒川化学工業株式会社製、重合ロジンペンタエリスリトールエステル、軟化点135℃)10質量部、スーパーエステルA−100(荒川化学工業株式会社製、不均化ロジングリセリンエステル、軟化点100℃)15質量部を配合し、酢酸エチルを用いて、アクリル系重合体の固形分濃度を47質量%に調整することによってアクリル系粘着剤組成物1を得た。
(アクリル系粘着剤組成物2の調製)
冷却管、撹拌機、温度計及び滴下漏斗を備えた反応容器にn−ブチルアクリレート97.9質量部、アクリル酸2質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート0.1質量部、及び、重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチルニトリル0.1質量部を、酢酸エチル100質量部に溶解し、窒素置換した後、80℃で12時間重合することによって、重量平均分子量60万のアクリル系重合体の酢酸エチル溶液を得た。
前記アクリル系重合体の酢酸エチル溶液の固形分100質量部に対し、ペンセルD−135(荒川化学工業株式会社製、重合ロジンペンタエリスリトールエステル、軟化点135℃)10質量部、スーパーエステルA−100(荒川化学工業株式会社製、不均化ロジングリセリンエステル、軟化点100℃)15質量部を配合し、酢酸エチルを用いて、アクリル系重合体の固形分濃度を47質量%に調整することによってアクリル系粘着剤組成物2を得た。
[導電性粘着剤の調製]
(導電性粘着剤Aの調製)
フローノンHR−4AF(共栄社化学株式会社製、高級脂肪酸アミド、不揮発分20質量%)4.9質量部に、酢酸エチルを少しずつ加えながら、分散攪拌機で3時間撹拌し、酢酸エチル100質量部に均一に分散させた。
次に、前記混合物と、前記アクリル系粘着剤組成物1 100質量部と、前記導電性フィラーA9.2質量部と、バーノックNC40(DIC株式会社製、イソシアネート系架橋剤、固形分40質量%)2.54質量部とを、分散攪拌機を用いて10分混合することによって導電性粘着剤Aを調製した。
(導電性粘着剤Bの調製)
フローノンHR−4AF(共栄社化学株式会社製、高級脂肪酸アミド、不揮発分20質量%)4.9質量部に、酢酸エチルを少しずつ加えながら、分散攪拌機で3時間撹拌し、酢酸エチル200質量部に均一に分散させた。
次に、前記混合物と、前記アクリル系粘着剤組成物1 100質量部と、前記導電性フィラーA9.2質量部と、バーノックNC40(DIC株式会社製、イソシアネート系架橋剤、固形分40質量%)2.54質量部とを、分散攪拌機を用いて10分混合することによって導電性粘着剤Bを調製した。
(導電性粘着剤Cの調製)
フローノンHR−4AF(共栄社化学株式会社製、高級脂肪酸アミド、不揮発分20質量%)2.5質量部に、酢酸エチルを少しずつ加えながら、分散攪拌機で3時間撹拌し、酢酸エチル200質量部に均一に分散させた。
次に、前記混合物と、前記アクリル系粘着剤組成物1 100質量部と、前記導電性フィラーA9.2質量部と、バーノックNC40(DIC株式会社製、イソシアネート系架橋剤、固形分40質量%)2.54質量部とを、分散攪拌機を用いて10分混合することによって導電性粘着剤Cを調製した。
(導電性粘着剤Dの調製)
フローノンHR−4AF(共栄社化学株式会社製、高級脂肪酸アミド、不揮発分20質量%)10質量部に、酢酸エチルを少しずつ加えながら、分散攪拌機で3時間撹拌し、酢酸エチル200質量部に均一に分散させた。
次に、前記混合物と、前記アクリル系粘着剤組成物1 100質量部と、前記導電性フィラーA9.2質量部と、バーノックNC40(DIC株式会社製、イソシアネート系架橋剤、固形分40質量%)2.54質量部とを、分散攪拌機を用いて10分混合することによって導電性粘着剤Dを調製した。
(導電性粘着剤Eの調製)
フローノンHR−4AF(共栄社化学株式会社製、高級脂肪酸アミド、不揮発分20質量%)4.9質量部に、酢酸エチルを少しずつ加えながら、分散攪拌機で3時間撹拌し、酢酸エチル400質量部に均一に分散させた。
次に、前記混合物と、前記アクリル系粘着剤組成物1 100質量部と、前記導電性フィラーA9.2質量部と、バーノックNC40(DIC株式会社製、イソシアネート系架橋剤、固形分40質量%)2.54質量部とを、分散攪拌機を用いて10分混合することによって導電性粘着剤Eを調製した。
(導電性粘着剤Fの調製)
フローノンSP1000AF(共栄社化学株式会社製、高級脂肪酸アミド、不揮発分20質量%)9.8質量部に、酢酸エチルを少しずつ加えながら、分散攪拌機で3時間撹拌し、酢酸エチル200質量部に均一に分散させた。
次に、前記混合物と、前記アクリル系粘着剤組成物1 100質量部と、前記導電性フィラーA9.2質量部と、バーノックNC40(DIC株式会社製、イソシアネート系架橋剤、固形分40質量%)2.54質量部とを、分散攪拌機を用いて10分混合することによって導電性粘着剤Fを調製した。
(導電性粘着剤Gの調製)
BYK410(ビックケミー・ジャパン株式会社製、変性ウレア、不揮発分52質量%)1.9質量部に、酢酸エチルを少しずつ加えながら、分散攪拌機で3時間撹拌し、酢酸エチル200質量部に均一に分散させた。
次に、前記混合物と、前記アクリル系粘着剤組成物1 100質量部と、前記導電性フィラーA9.2質量部と、バーノックNC40(DIC株式会社製、イソシアネート系架橋剤、固形分40質量%)2.54質量部とを、分散攪拌機を用いて10分混合することによって導電性粘着剤Gを調製した。
(導電性粘着剤Hの調製)
フローノンSA−345HR(共栄社化学株式会社製、ポリオレフィン、不揮発分10質量%)9.8質量部に、酢酸エチルを少しずつ加えながら、分散攪拌機で3時間撹拌し、酢酸エチル200質量部に均一に分散させた。
次に、前記混合物と、前記アクリル系粘着剤組成物1 100質量部と、前記導電性フィラーA9.2質量部と、バーノックNC40(DIC株式会社製、イソシアネート系架橋剤、固形分40質量%)2.54質量部とを、分散攪拌機を用いて10分混合することによって導電性粘着剤組成物Hを調製した。
(導電性粘着剤Iの調製)
フローノンSA−330HF(共栄社化学株式会社製、酸化ポリエチレン、不揮発分10質量%)9.8質量部に、酢酸エチルを少しずつ加えながら、分散攪拌機で3時間撹拌し、酢酸エチル200質量部に均一に分散させた。
次に、前記混合物と、前記アクリル系粘着剤組成物1 100質量部と、前記導電性フィラーA9.2質量部と、バーノックNC40(DIC株式会社製、イソシアネート系架橋剤、固形分40質量%)2.54質量部とを、分散攪拌機を用いて10分混合することによって導電性粘着剤Iを調製した。
(導電性粘着剤Jの調製)
前記アクリル系粘着剤組成物1 100質量部と、前記導電性フィラーA9.2質量部と、酢酸エチル200質量部と、バーノックNC40(DIC株式会社製、イソシアネート系架橋剤、固形分40質量%)2.54質量部とを、分散攪拌機を用いて10分混合することによって導電性粘着剤Jを調製した。
(導電性粘着剤Kの調製)
RY200(日本エアロジル株式会社製、ヒュームドシリカ、不揮発分100質量%)1.0質量部に、酢酸エチルを少しずつ加えながら、分散攪拌機で3時間撹拌し、酢酸エチル200質量部に均一に分散させた。
次に、前記混合物と、前記アクリル系粘着剤組成物1 100質量部と、前記導電性フィラーA9.2質量部と、バーノックNC40(DIC株式会社製、イソシアネート系架橋剤、固形分40質量%)2.54質量部とを、分散攪拌機を用いて10分混合することによって導電性粘着剤Kを調製した。
(導電性粘着剤Lの調製)
エスベンNEZ(株式会社ホージュン製、有機ベントナイト、不揮発分100質量%)1.0質量部に、酢酸エチルを少しずつ加えながら、分散攪拌機で3時間撹拌し、酢酸エチル200質量部に均一に分散させた。
次に、前記混合物と、前記アクリル系粘着剤組成物1 100質量部と、前記導電性フィラーA9.2質量部と、バーノックNC40(DIC株式会社製、イソシアネート系架橋剤、固形分40質量%)2.54質量部とを、分散攪拌機を用いて10分混合することによって導電性粘着剤Lを調製した。
(導電性粘着剤Mの調製)
DIPPERBYK−2000(ビックケミー・ジャパン株式会社製、顔料に親和性のある変性アクリル系ブロック共重合体、不揮発分40質量%)2.45質量部に、酢酸エチルを少しずつ加えながら、分散攪拌機で3時間撹拌し、酢酸エチル200質量部に均一に分散させた。
次に、前記混合物と、前記アクリル系粘着剤組成物1 100質量部と、前記導電性フィラーA9.2質量部と、バーノックNC40(DIC株式会社製、イソシアネート系架橋剤、固形分40質量%)2.54質量部とを、分散攪拌機を用いて10分混合することによって導電性粘着剤Mを調製した。
(導電性粘着剤Nの調製)
ホモゲノールL−18(花王株式会社製、特殊高分子界面活性剤、不揮発分40質量%)2.45質量部に、酢酸エチルを少しずつ加えながら、分散攪拌機で3時間撹拌し、酢酸エチル200質量部に均一に分散させた。
次に、前記混合物と、前記アクリル系粘着剤組成物1 100質量部と、前記導電性フィラーA9.2質量部と、バーノックNC40(DIC株式会社製、イソシアネート系架橋剤、固形分40質量%)2.54質量部とを、分散攪拌機を用いて10分混合することによって導電性粘着剤Nを調製した。
(導電性粘着剤Oの調製)
前記アクリル系粘着剤組成物1 100質量部と、前記導電性フィラーA9.2質量部と、バーノックNC40(DIC株式会社製、イソシアネート系架橋剤、固形分40質量%)2.54質量部とを、分散攪拌機を用いて10分混合することによって導電性粘着剤Oを調製した。
(導電性粘着剤Pの調製)
フローノンHR−4AF(共栄社化学株式会社製、高級脂肪酸アミド、不揮発分20質量%)4.9質量部に、酢酸エチルを少しずつ加えながら、分散攪拌機で3時間撹拌し、酢酸エチル100質量部に均一に分散させた。
次に、前記混合物と、前記アクリル系粘着剤組成物2 100質量部と、前記導電性フィラーA9.2質量部と、バーノックNC40(DIC株式会社製、イソシアネート系架橋剤、固形分40質量%)2.54質量部とを、分散攪拌機を用いて10分混合することによって導電性粘着剤Pを調製した。
(導電性粘着剤Qの調製)
フローノンHR−4AF(共栄社化学株式会社製、高級脂肪酸アミド、不揮発分20質量%)4.9質量部に、酢酸エチルを少しずつ加えながら、分散攪拌機で3時間撹拌し、酢酸エチル100質量部に均一に分散させた。
次に、前記混合物と、前記アクリル系粘着剤組成物1 100質量部と、前記導電性フィラー1400Y(三井金属鉱業株式会社製、銅粉、粒子径d50;5.6μm、粒子径d85;7μm)9.2質量部と、バーノックNC40(DIC株式会社製、イソシアネート系架橋剤、固形分40質量%)2.54質量部とを、分散攪拌機を用いて10分混合することによって導電性粘着剤Qを調製した。
(実施例1)
[導電性粘着シートの作製]
導電性粘着剤Aを、ニッパ株式会社製の剥離ライナー「PET38×1 A3」上に、乾燥後の粘着剤層の厚さが3μmとなるように有効1000mm幅の小径グラビアコーター(グラビア版は#90を使用)を用いたマイクログラビア法で、1000m長さを塗工し、80℃の乾燥器中で2分間乾燥させた後、厚さ6μmのアルミニウム箔(三菱アルミニウム株式会社製、材質:1N30、調質:軟質)の両面に貼り合わせたのち、40℃で48時間養生することによって導電性粘着シートを得た。
(実施例2)
導電性粘着剤Aの代わりに導電性粘着剤Bを用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で導電性粘着シートを得た。
(実施例3)
導電性粘着剤Aの代わりに導電性粘着剤Cを用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で導電性粘着シートを得た。
(実施例4)
導電性粘着剤Aの代わりに導電性粘着剤Dを用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で導電性粘着シートを得た。
(実施例5)
導電性粘着剤Aの代わりに導電性粘着剤Eを用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で導電性粘着シートを得た。
(実施例6)
導電性粘着剤Aの代わりに導電性粘着剤Fを用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で導電性粘着シートを得た。
(実施例7)
導電性粘着剤Aの代わりに導電性粘着剤Gを用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で導電性粘着シートを得た。
(実施例8)
導電性粘着剤Aの代わりに導電性粘着剤Hを用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で導電性粘着シートを得た。
(実施例9)
導電性粘着剤Aの代わりに導電性粘着剤Iを用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で導電性粘着シートを得た。
(比較例1)
導電性粘着剤Aの代わりに導電性粘着剤Jを用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で導電性粘着シートを得た。
(比較例2)
導電性粘着剤Aの代わりに導電性粘着剤Kを用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で導電性粘着シートを得た。
(比較例3)
導電性粘着剤Aの代わりに導電性粘着剤Lを用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で導電性粘着シートを得た。
(比較例4)
導電性粘着剤Aの代わりに導電性粘着剤Mを用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で導電性粘着シートを得た。
(比較例5)
導電性粘着剤Aの代わりに導電性粘着剤Nを用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で導電性粘着シートを得た。
(比較例6)
導電性粘着剤Aの代わりに導電性粘着剤Oを用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で導電性粘着シートを得た。
(実施例10)
導電性粘着剤Aの代わりに導電性粘着剤Pを用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で導電性粘着シートを得た。
(実施例11)
導電性粘着剤Aの代わりに導電性粘着剤Qを用いたこと以外は、実施例1と同様の方法で導電性粘着シートを得た。
導電性粘着剤の粘度は、B型粘度計(速度6rpm)を用いて測定した。
[導電性粘着剤の沈降防止性の評価方法]
前記で得た導電性粘着剤を、ガラス瓶に6cmの高さまで入れ、23℃で1時間放置した。
前記放置後、導電性フィラーの沈降の有無を確認し、導電性フィラーが沈降した場合にはそれが堆積した厚さを測定した。前記厚さは、ガラス瓶の底から、粘着剤の色が透明になるまでの距離とした。前記距離が短いほど、沈降防止性に優れると判断した。
◎:導電性フィラーが沈降し堆積した距離(厚さ)が0cm
○:導電性フィラーが沈降し堆積した距離(厚さ)が0cmを超えて4cm以下
×:導電性フィラーが沈降し堆積した距離(厚さ)が4cmを超える
実施例及び比較例に記載の製造方法で得た導電性粘着シートの粘着剤層の表面を目視で観察し、塗工スジがなかったものを「○」及び塗工スジが確認できたものを「×」と評価した。
また、実施例及び比較例に記載の製造方法で得た導電性粘着シートの粘着剤層の厚さを、導電性粘着シートの幅方向に、等間隔に10点測定し、粘着剤層表面の塗工ムラの有無を下記基準で評価した。
◎:「粘着剤層の最大厚み」−「粘着剤層の最少厚み」が1μm未満
○:「粘着剤層の最大厚み」−「粘着剤層の最少厚み」が1μm以上2μm未満
×:「粘着剤層の最大厚み」−「粘着剤層の最少厚み」が2μm以上
[導電性粘着シートの総厚さ]
厚さ計「TH−102」(テスター産業株式会社製)を用い、前記導電性粘着シートの総厚さを測定した。
(接着性の評価方法)
実施例及び比較例で得た幅1000mm及び長さ1000mの導電性粘着シートの、長さ方向の端部のうち、前記離型ライナーに導電性粘着剤の塗工を開始した側の端部から、幅20mm×長さ100mmの導電性粘着シートを幅方向に等間隔で10点裁断したものを初期試験片とした。
次に、幅1000mm及び長さ1000mの導電性粘着シートの、長さ方向の端部のうち、前記離型ライナーに導電性粘着剤の塗工を終了した側の端部から、幅20mm×長さ100mmの導電性粘着シートを幅方向に等間隔で10点裁断したものを終期試験片とした。
360番の耐水研磨紙を用いてヘアライン研磨処理したステンレス板(以下、「ステンレス板」)の表面に、前記試験片を、23℃及び60%RHの環境下で2.0kgローラ1往復加圧することで貼付した。
前記貼付物を常温で1時間放置した後、引っ張り試験機(テンシロンRTA−100、エーアンドディー社製)を用い、常温下、引張速度300mm/minで180度剥離接着力を測定した。なお、前記ステンレス板に貼付した面の反対側の粘着剤層は、S25(ユニチカ株式会社製、ポリエチレンテレフタレートフィルム、厚さ25μm)で裏打ちした。
前記方法で測定された20点の試験片の180度剥離接着力の平均値が高く、その最大値と最小値の差が小さい導電性粘着シートを、接着性に優れ、そのばらつきが少ないものと評価した。
(接着力の評価基準)
○:180度剥離接着力の平均値が4N/20mm以上、かつ、〔180度剥離接着力の最大値−180度剥離接着力の最小値〕が1.5N/20mm未満
△:180度剥離接着力の平均値が4N/20mm以上、かつ、〔180度剥離接着力の最大値−180度剥離接着力の最小値〕が1.5〜3.0N/20mm
×:180度剥離接着力の平均値が4N/20mm未満、または、〔180度剥離接着力の最大値−180度剥離接着力の最小値〕が3.0N/20mmを超える
[導電性の評価方法(抵抗値の測定)]
実施例及び比較例で得た幅1000mm及び長さ1000mの導電性粘着シートの、長さ方向の端部のうち、前記離型ライナーに導電性粘着剤の塗工を開始した側の端部から、幅30mm及び長さ30mmの導電性粘着シートを、幅方向に等間隔で10点裁断したものを初期試験片とした。
次に、幅1000mm及び長さ1000mの導電性粘着シートの、長さ方向の端部のうち、前記離型ライナーに導電性粘着剤の塗工を終了した側の端部から、幅30mm及び長さ30mmの導電性粘着シートを、幅方向に等間隔で10点裁断したものを終期試験片とした。
前記試験片の一方の粘着剤層からなる面に、縦25mm×横25mmの真鍮製電極を貼付した。
前記試験片の他方の面に縦30mm×横80mmの銅箔(厚さ35μm)を貼付した。
23℃及び50%RHの環境下、前記真鍮製電極の上面から、面圧20Nの荷重をかけた状態で、真鍮製電極と銅箔とに端子を接続し、ミリオームメーター(株式会社エヌエフ回路設計ブロック製)を用いて10μAの電流を流し、その抵抗値を測定した。
前記方法で測定された20点の試験片の抵抗値の平均値が200mΩ未満であり、かつ、抵抗値の最大値と最小値の差が150mΩ未満であった導電性粘着シートを、導電性に優れ、そのばらつきが少ないものと評価した。
Figure 2016000786
Figure 2016000786
Figure 2016000786
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上記表から明らかなとおり、本願発明の実施例1〜11の粘着シートは、極薄型であっても良好な接着性、導電性、生産性(沈降防止性・塗工性・塗工ムラ)を有したものであった。一方、比較例1〜6の粘着シートは、特に導電性の点でばらつきが大きく、品質の安定したものではなかった。
1 基材
2 粘着剤層

Claims (10)

  1. 高級脂肪酸アミド、変性ウレア、ポリオレフィン、酸化ポリオレフィン、及び、ひまし油誘導体からなる群より選ばれる1種以上の化合物(a1)と、導電性フィラーまたは熱伝導性フィラー(a2)と、粘着剤成分(a3)とを含有する粘着剤層(A)を有することを特徴とする粘着シート。
  2. 総厚さが30μm以下である請求項1に記載の粘着シート。
  3. 前記化合物(a1)が、導電性フィラーまたは熱伝導フィラー(a2)の沈降防止剤である請求項1または2に記載の粘着シート。
  4. 前記粘着剤成分(a3)が、アクリル重合体及び架橋剤を含有するものである請求項1〜3のいずれか1項に記載の粘着シート。
  5. 基材の少なくとも片面に、前記粘着剤層(A)を有するものである請求項1〜4のいずれか1項に記載の粘着シート。
  6. 高級脂肪酸アミド、変性ウレア、ポリオレフィン、酸化ポリオレフィン、及び、ひまし油誘導体からなる群より選ばれる1種以上の化合物(a1)と、導電性フィラーまたは熱伝導性フィラー(a2)と、粘着成分(a3)とを含有する粘着剤(a)を前記基材の表面に塗工し乾燥することによって粘着剤層(A)を形成する、または、前記粘着剤(a)を離型フィルムの表面に塗工し乾燥することによって粘着剤層(A)を形成した後に前記粘着剤層(A)を基材の少なくとも片面に転写することを特徴とする粘着シートの製造方法。
  7. 前記粘着剤(a)が不揮発分5質量%〜30質量%である請求項6に記載の粘着シートの製造方法。
  8. 前記粘着剤(a)を基材または離型フィルムの表面に塗工する方法が、グラビアコーターまたはリップコーターを用いて塗工する方法である請求項6または7に記載の粘着シートの製造方法。
  9. 前記粘着剤(a)の、B型粘度計で6rpmの速度で測定した粘度が、30mPa・s〜3000mPa・sである請求項6〜8のいずれか1項に記載の粘着シートの製造方法。
  10. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の粘着シートが貼付された物品。
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