JP2019001930A - 導電性粘着シート - Google Patents

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【課題】本発明が解決しようとする課題は、接着面積が小面積で且つ凹凸部に貼り合せても、良好な接着性、導電性、リワーク性を有し、経時で導電性が低下し難い導電性粘着シートを提供することにある。【解決手段】本発明は、導電性基材と導電性粘着剤層とを有する導電性粘着シートであって、前記導電性粘着剤層が、(メタ)アクリル系共重合体、架橋剤及び導電性粒子を含有する(メタ)アクリル系粘着剤組成物からなり、前記(メタ)アクリル系共重合体が、重量平均分子量が50万〜200万のカルボキシル基含有(メタ)アクリル系共重合体(A)と、重量平均分子量が5000〜10万の窒素原子含有(メタ)アクリル系共重合体(B)とを含有し、前記(メタ)アクリル系粘着剤組成物中の窒素原子含有(メタ)アクリル系共重合体(B)の質量比が5%〜50%であることを特徴とする導電性粘着シートに関するものである。【選択図】なし

Description

本発明は、導電性基材と、導電性粒子を含有する粘着剤層とを有する導電性粘着シートに関する。
導電性粘着シートはその取扱いの容易さから、電気、電子機器等から輻射する不要な漏洩電磁波のシールド用、他の電気、電子機器より発生する有害な空間電磁波のシールド用、静電気帯電防止の接地用などに用いられており、近年の電気・電子機器の小型化、薄膜化に伴い、これらに用いられる導電性粘着シートも薄膜化が求められている。
当該導電性粘着シートとしては、導電性基材上に、導電性フィラーを粘着性物質中に分散させた導電性粘着剤からなる粘着剤層を有する粘着シートが開示されている(特許文献1〜2参照)。これら粘着シートは、好適な導電性と接着性とを有することが開示されている。
しかし、近年の小型電子端末等において、電子基板の小スペース化に伴い、粘着シートの接着面積が小さくなっているため、経時で剥がれが生じやすく、導電性が低下する問題があった。
また、電子基板の凹凸部に粘着シートを貼り合せた際には、経時で剥がれ生じ、導電性が低下する問題があった。
特開2004−263030号公報 特開2009−79127号公報
本発明が解決しようとする課題は、接着面積が小面積で且つ凹凸部に貼り合せても、良好な接着性、導電性、リワーク性を有し、経時で導電性が低下し難い導電性粘着シートを提供することにある。
本発明においては導電性基材と導電性粘着剤層とを有する導電性粘着シートであって、前記導電性粘着剤層が、(メタ)アクリル系共重合体、架橋剤及び導電性粒子を含有する(メタ)アクリル系粘着剤組成物からなり、前記(メタ)アクリル系共重合体が、重量平均分子量が50万〜200万のカルボキシル基含有(メタ)アクリル系共重合体(A)と、重量平均分子量が5000〜10万の窒素原子含有(メタ)アクリル系共重合体(B)とを含有し、前記(メタ)アクリル系粘着剤組成物中の窒素原子含有(メタ)アクリル系共重合体(B)の質量比が5%〜30%であることを特徴とする導電性粘着シートにより、上記課題を解決した。
本発明の導電性薄型粘着シートは、薄型でありながら、被着体への良好な接着性と導電性とを有するため、電気、電子機器等に用いる電磁波のシールド用、他の電気、電子機器より発生する有害な空間電磁波のシールド用、静電気帯電防止の接地固定用として有用である。特に、薄型化が進み、筐体内での容積制限が厳しい携帯電子機器用途に好適に適用できる。特に、小型電子端末の内蔵部品に貼り付けて使用させるのに好適である。
本発明の導電性粘着シートの構成例を示す概略図である。 本発明の導電性粘着シートの構成例を示す概略図である。 本発明の導電性粘着シートに好適に用いられる数珠状導電性粒子の一例の顕微鏡写真である。 本発明の導電性粘着シートの導電性評価を表す模式図である。
本発明の導電性粘着シートは、導電性基材と導電性粘着剤層とを有する導電性粘着シートであって、前記導電性粘着剤層が、(メタ)アクリル系共重合体、架橋剤及び導電性粒子を含有する(メタ)アクリル系粘着剤組成物からなり、前記(メタ)アクリル系共重合体が、重量平均分子量が50万〜200万のカルボキシル基含有(メタ)アクリル系共重合体(A)と、重量平均分子量が5000〜10万の窒素原子含有(メタ)アクリル系共重合体(B)とを含有し、前記(メタ)アクリル系粘着剤組成物中の窒素原子含有(メタ)アクリル系共重合体(B)の質量比が5%〜30%であることを特徴とする導電性粘着シートである。
以下に、本発明の導電性粘着シートを、その構成要素に基づいて、更に詳しく説明する。なお、本発明における「シート」とは、少なくとも一層の導電性粘着剤の薄層を導電性基材上、あるいは剥離シート上に設けた形態を意味し、例えば、毎葉、ロール状、あるいは薄板状、帯状(テープ状)等の製品形態すべてを含む。
(導電性粘着剤層)
本発明の導電性粘着シートに使用する導電性粘着剤層は、(メタ)アクリル系共重合体、架橋剤及び導電性粒子を含有する(メタ)アクリル系粘着剤組成物からなり、前記(メタ)アクリル系共重合体が、重量平均分子量が50万〜200万のカルボキシル基(メタ)アクリル系共重合体(A)と、重量平均分子量が5000〜10万の窒素原子含有(メタ)アクリル系共重合体(B)とを含有するものである。
(カルボキシル基含有(メタ)アクリル系共重合体(A))
本発明に用いられるカルボキシル基含有(メタ)アクリル系共重合体(A)は、炭素数2〜14の(メタ)アクリレートモノマーを主成分とし、カルボキシル基含有(メタ)アクリレートモノマーが共重合された重合体である。当該炭素数2〜14の(メタ)アクリレートモノマーを主成分とすることで、金属への初期接着性と、剥がれに必要な凝集力を導電性粘着剤層に付与できる。
なお、本明細書においてはアクリル酸及びメタアクリル酸を総称して(メタ)アクリル酸と標記し、これらの誘導体についても同様に表記する。
炭素数2〜14の(メタ)アクリレートモノマーとしては、具体的には、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、sec−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、イソノニルアクリレート、イソデシルアクリレート、ラウリルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、sec−ブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、イソオクチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、イソノニルメタクリレート、イソデシルメタクリレート、ラウリルメタクリレート等が挙げられる。
そのなかでも、炭素数が4〜9のアルキル側鎖を有する(メタ)アクリレートモノマーは炭素数が4〜9のアルキル側鎖を有するアクリレートモノマーが好ましく、炭素数が4〜9のアルキル側鎖を有するアクリレートモノマーがより好ましい。なかでもn−ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレートが特に好ましい。当該範囲の炭素数のアルキル側鎖を有する(メタ)アクリレートモノマーを使用することで、金属への初期接着性と、剥がれに必要な凝集力を導電性粘着剤層に付与できる。
カルボキシル基含有(メタ)アクリル系共重合体(A)中の炭素数2〜14の(メタ)アクリレートモノマーの含有量は、90〜99質量%とすることが好ましく、90〜96質量%にすることがより好ましい。当該範囲のカルボキシル基含有(メタ)アクリル系共重合体(A)中の上記炭素数2〜14の(メタ)アクリレートモノマーの含有量にすることで、金属への初期接着性と、剥がれに必要な凝集力を導電性粘着剤層に付与できる。
カルボキシル基含有(メタ)アクリレートモノマーとしては、アクリル酸、メタアクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、クロトン酸、アクリル酸ダイマー、エチレンオキサイド変性コハク酸アクリレート等が挙げられる。なかでも汎用性が高いことからアクリル酸が好ましい。
カルボキシル基含有(メタ)アクリル系共重合体(A)を構成する単量体成分中のカルボキシル基含有(メタ)アクリレートモノマーの含有量は、当該共重合体を構成する単量体成分の総量に対し、1〜20質量%とすることが好ましく、4〜20質量%にすることがより好ましい。当該範囲の含有量にすることで、金属への初期接着性と、剥がれに必要な凝集力を導電性粘着剤層に付与できる。
また、架橋剤と好適に架橋反応させることにより粘着剤層の凝集力を高くするために、架橋剤と反応する官能基を有するビニルモノマーを使用することも好ましい。架橋剤と反応する官能基を有するビニルモノマーとしては、特に限定されないが、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート等の水酸基含有ビニルモノマー等が挙げられる。中でも、4−ヒドロキシブチルアクリレートが好ましい。官能基を有するビニルモノマーの使用量はアクリル共重合体を構成するモノマー成分中の0.01質量%〜1.0質量%であることが好ましく、0.03〜0.5質量%であることが特に好ましい。
当該カルボキシル基含有(メタ)アクリル系共重合体(A)の重量平均分子量Mwは50万〜200万であるが、60万〜180万が好ましく、70万〜160万がよりに好ましい。当該カルボキシル基含有(メタ)アクリル酸エステル共重合体(A)の重量平均分子量Mwが上記範囲内だと、金属への初期接着性と、剥がれに必要な凝集力を導電性粘着剤層に付与できる。
なお、本発明では、当該カルボキシル基含有(メタ)アクリル系共重合体(A)の重量平均分子量Mwは、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)により測定することができる。より具体的には、GPC測定装置として、東ソー株式会社製「SC8020」を用いて、ポリスチレン換算値により、次のGPC測定条件で測定して求めることができる。
(GPCの測定条件)
・サンプル濃度:0.5重量%(テトラヒドロフラン溶液)
・サンプル注入量:100μL
・溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
・流速:1.0mL/min
・カラム温度(測定温度):40℃
・カラム:東ソー株式会社製「TSKgel GMHHR−H」
・検出器:示差屈折
(窒素原子含有(メタ)アクリル系共重合体(B))
本発明に用いられる窒素原子含有(メタ)アクリル系共重合体(B)は、炭素数1〜8の(メタ)アクリレートモノマーを主成分とし、窒素原子含有ビニルモノマーが共重合された重合体である。当該炭素数1〜8の(メタ)アクリレートを主成分とすることで、経時での剥がれを抑制するために必要な凝集力を導電性粘着剤層に付与できる。また、窒素原子含有ビニルモノマーを共重合することで、カルボキシル基含有(メタ)アクリル系共重合体(A)との相互作用を形成し、優れた凝集力を導電性粘着剤層に付与できる。
炭素数1〜8の(メタ)アクリレートモノマーとしては、具体的には、メチルアクリレート、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、sec−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート、n−ヘキシルアクリレート、シクロヘキシルアクリレート、n−オクチルアクリレート、イソオクチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、sec−ブチルメタクリレート、t−ブチルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、n−オクチルメタクリレート、イソオクチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート等が挙げられる。
その中でも、炭素数が1〜4のアルキル側鎖を有するメタクリレートが好ましい。なかでもメチルメタクリレートが特に好ましい。当該範囲の炭素数のアルキル側鎖を有するメタアクリル酸アルキルエステル単量体を使用することで、経時での剥がれを抑制するために必要な凝集力を導電性粘着剤層に付与できる。
(メタ)アクリル系共重合体(B)を構成する単量体成分中の炭素数1〜8の(メタ)アクリレートモノマーの含有量は、70〜99質量%とすることが好ましく、90〜98質量%とすることがより好ましい。当該範囲内の(メタ)アクリル系共重合体(B)中の上記炭素数1〜8の(メタ)アクリル酸エステル単量体の含有量にすることで、経時での剥がれを抑制するために必要な凝集力を導電性粘着剤層に付与できる。
窒素原子含有(メタ)アクリル系共重合体(B)を構成する単量体成分中の炭素数1〜8の(メタ)アクリレートモノマーの含有量は、70〜99質量%とすることが好ましく、90〜98質量%とすることがより好ましい。当該範囲内の窒素原子含有(メタ)アクリル系共重合体(B)中の上記炭素数1〜8の(メタ)アクリレートモノマーの含有量にすることで、経時での剥がれを抑制するために必要な凝集力を導電性粘着剤層に付与できる。
窒素原子含有ビニルモノマーとしては、窒素原子を含有し、上記炭素数1〜8の(メタ)アクリレートモノマーとの共重合が可能であれば問題ないが、例えば、アミノ基含有モノマー、アミド基含有モノマー、窒素系複素環含有モノマー、シアノ基含有モノマー、イミド基含有モノマー等が挙げられる。これらモノマーとしては、例えば、アミノ基含有モノマーとしては、(メタ)アクリル酸アミノメチル、(メタ)アクリル酸アミノエチル、(メタ)アクリル酸アミノプロピル、(メタ)アクリル酸アミノイソプロピル等の(メタ)アクリル酸アミノアルキルや、(メタ)アクリル酸(N−置換)アミノアルキルなどが挙げられる。前記(メタ)アクリル酸(N−置換)アミノアルキルとしては、例えば、(メタ)アクリル酸N−(t−ブチル)アミノエチル等の(メタ)アクリル酸N−アルキルアミノアルキル;(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノプロピル等の(メタ)アクリル酸N,N−ジアルキルアミノアルキルなどが挙げられる。
その中でも、アミノ基含有モノマー、アミド基含有モノマーが好ましい。なかでもアミノ基含有モノマーが特に好ましい。当該窒素含有ビニルモノマーを使用することで、(メタ)アクリル系共重合体(A)と相互作用を形成し、経時での剥がれを抑制するために必要な凝集力を導電性粘着剤層に付与できる。
アクリル系エステル共重合体(B)を構成するモノマー成分中の窒素原子含有ビニルモノマーの含有量は、当該共重合体の総量に対し、1〜30重量%とすることが好ましく、1〜20質量%にすることがより好ましい。当該範囲の(メタ)アクリル系共重合体(B)中の上記窒素原子含有ビニルモノマーの含有量にすることで、(メタ)アクリル系共重合体(A)と相互作用を形成し、経時での剥がれを抑制するために必要な凝集力を導電性粘着剤層に付与できる。
当該窒素原子含有(メタ)(メタ)アクリル系共重合体(B)の重量平均分子量Mwは5000〜10万であるが、6000〜8万がより好ましく、7000〜5万がさらに好ましい。当該窒素原子含有(メタ)アクリル酸エステル共重合体(B)の重量平均分子量Mwが上記範囲内だと、経時での剥がれを抑制するために必要な凝集力を導電性粘着剤層に付与できる。
(粘着剤組成物)
本発明の導電性粘着シートの導電性粘着剤層を形成する(メタ)アクリル系粘着剤組成物は、上記カルボキシル基含有(メタ)アクリル系共重合体(A)と、窒素原子含有(メタ)アクリル系共重合体(B)とを有し、カルボキシル基含有(メタ)アクリル系共重合体(A)100質量%に対して、窒素原子含有(メタ)アクリル系共重合体(B)の質量比が5%〜50%であることが好ましく、質量比が7%〜40%であることがより好ましく、10%〜30%であることが更に好ましい。上記範囲内で共重合体(A)と(B)とが配合されることで、経時での剥がれを抑制するために必要な凝集力を導電性粘着剤層に付与できる。
(添加剤)
導電性粘着シートの粘着力を向上させるため、粘着付与樹脂を添加しても良い。本発明で使用する導電性粘着剤に添加する粘着付与樹脂は、ロジン系樹脂、テルペン系樹脂、脂肪族(C5系)や芳香族(C9系)などの石油樹脂、スチレン系樹脂フェノール系樹脂、キシレン系樹脂、メタクリル系樹脂などが挙げられる。そのなかでも、ロジン系樹脂が好ましく、特に重合ロジン系樹脂が好ましい。粘着付与樹脂の添加量としては、(メタ)アクリル系共重合体100質量部(固形分)に対し、10〜50質量部添加するのが好ましい。
本発明の導電性粘着シートに使用する粘着剤には必要に応じて、各種添加剤が添加されても良い。上記添加剤としては、例えば可塑剤、軟化剤、金属不活性剤、酸化防止剤、顔料、染料などが挙げられ、必要に応じて適宜使用される。
(トリアゾール系化合物)
本発明の導電性粘着シートに使用する粘着剤はトリアゾール系化合物を含有する。トリアゾール化合物としては、ベンゾトリアゾール、トリルトリアゾール及びそのカリウム塩、3−(N−サリチロイル)アミノ−1,2,4トリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ5メチルフェニル)ベンゾトリアゾールなどが挙げられる。そのなかでもベンゾトリアゾールが溶解性・接着力低下防止効果が高く好ましい。
トリアゾール系化合物の含有量としては、特に限定されるものではないが、アクリル系粘着剤組成物100質量部(固形分)に対し、0.05〜3.0質量部が好ましい。そのなかでも0.1〜1.5質量部が好ましく、0.3〜1.0質量部が最も好ましい。当該含有量とすることで、特に好適な保持力を得やすく、また高温高湿環境試験後の接着力低下を特に抑制しやすくなる。
(架橋剤)
本発明の導電性粘着シートに使用するアクリル系粘着剤組成物には、架橋剤を含有することで、得られる導電性粘着剤層に3次元架橋構造を形成することで、凝集力を向上させる。架橋構造の形成には、例えば、イソシアネート系架橋剤、エポキシ系架橋剤、キレート系架橋剤、アジリジン系架橋剤など、公知の架橋剤などが挙げられる。架橋剤の種類は、前述の単量体成分の官能基に応じて選定するのが好ましい。
架橋剤の添加量としては、得られる導電性粘着剤層のゲル分率が、25〜80質量%となる量で使用することが好ましく、より好ましくは35〜70質量%であり、最も好ましくは40〜60質量%である。ゲル分率を上記範囲とすることで、せん断方向の凝集力及び耐剥がれ性をより良好にすることができる。
ゲル分率は、以下の式で算出する。
ゲル分率(質量%)={(トルエンに浸漬した後の粘着剤質量)/(トルエンに浸漬する前の粘着剤質量)}×100
(導電性粒子)
本発明の導電性粘着シートに使用する導電性粒子の材質としては金、銀、銅、ニッケル、アルミニウム等の金属粉粒子、カーボン、グラファイト等の導電性樹脂、樹脂や中実ガラスビーズ、中空ガラスビーズの表面に金属被覆を有するもの等が使用できる。そのなかでもニッケル粉粒子や銅粉粒子や銀粉粒子が導電性、接着性、生産性に優れるため好ましい。さらに好ましいものとしては、カーボニル法で製造される粒子表面に多数の針状形状を有する表面針状形状のニッケル粒子や、当該表面針状粒子を平滑化処理して球状粒子としたものや、超高圧旋回水アトマイズ法で製造される銅粉や銀粉があげられる。これらの導電性粒子は2種類以上混合して使用してもよい。
導電性粒子の形状としては球状、表面針状形状、又は図3で示すような多数の導電性粒子間で結合等を形成し連なった数珠状などが上げられるが、中でも数珠状が好ましい。
導電性粒子の粒子径としては、特に限定されるものではないが、粒子径d50が5〜30μmであり、且つ粒子径d90が25〜60μmであることが好ましい。d50は、より好ましくは10〜25μmであり、さらに好ましくは12〜20μmであり、13〜18μmであることが最も好ましい。またd90は、より好ましくは27〜55μmであり、さらに好ましくは30〜50μmであり、31〜50μmであることが最も好ましい。なお、導電性粒子を2種以上混合する場合には、混合後の粒子径d50及びd90が上記範囲であることが好ましい。
前記粒子径d50は粒度分布における50%累積値を指し、前記粒子径d90は粒度分布における90%累積値を指し、レーザー解析・散乱法により測定される値である。測定装置としては日機装社製マイクロトラックMT3000II、島津製作所製レーザー回折式粒度分布測定器SALD−3000等があげられる。
前記範囲の粒子径d50に調整する方法としては、例えば導電性粒子をジェットミルで粉砕する方法や篩等による篩分け法が挙げられる。
導電性粒子の粒子径d50が粘着剤層厚さの50〜150%であり、d90が100〜300%であることが好ましい。上記範囲の導電性粒子を用いることで、導電性・接着性・生産性を両立しやすい。d50はさらに好ましくは60〜120%であり、最も好ましくは70〜100%である。d90はさらに好ましくは120〜250%であり、もっと好ましくは150〜200%である。
導電性粘着剤層中の導電性粒子の含有量としては、特に限定されるものではないが、アクリル系粘着剤組成物100質量部(固形分)に対して、10〜100質量部が好ましく、さらに好ましくは20〜80質量部であり、より好ましくは30〜70質量部であり、40〜60質量部が最も好ましい。導電性粒子の含有量を上記範囲にすることで、導電性、接着性、生産性を両立しやすくなる。
アクリル系粘着剤組成物中に前記導電性粒子を分散する方法としては、(メタ)アクリル系共重合体、溶剤、導電性粒子、添加剤等を分散攪拌機で分散する方法が挙げられる。市販の分散攪拌機としては、井上製作所製ディゾルバー、バタフライミキサー、BDM2軸ミキサー、プラネタリーミキサーが挙げられる。そのなかでも撹拌中の粘着剤の増粘が少ない中程度のシェアをかけられるディゾルバーやバタフライミキサーが好ましい。
アクリル系粘着剤組成物の固形分としては、特に限定されるものではないが、10〜70%が好ましく、さらに好ましくは30〜55%、最も好ましくは43〜50%である。
(導電性粘着剤層)
導電性粘着シートの粘着剤層の厚さは、30μm以下である。好ましくは5〜25μmであり、中でも、10〜20μmであることが特に好ましい。上記範囲にある場合に、接着性と薄型を両立できる。
導電性粘着シートの粘着剤層を10%変形させたときの引張強度は、3.0〜6.0N/cmであることが好ましく、3.5〜5.5N/cmであることが更に好ましく、4.0〜5.0N/cmであることがより好ましい。上記範囲にある場合に、経時での剥がれを抑制でき、経時での抵抗値上昇を抑制しやすくなる。
(導電性基材)
本発明の導電性粘着シートに使用する導電性基材としては、金属箔基材や湿式のポリエステル系不織布基材にメッキが施された導電性基材等があげられる。金属箔の材質としては、金、銀、銅、アルミニウム、ニッケル、鉄、錫やこれらの合金が挙げられる。そのなかでも銅を含有する導電性基材が好ましく、銅箔が導電性、加工性、コストの点からより好ましい。
さらに銅箔には防錆処理を施すことが好ましい。防錆処理の種類としては、有機防錆と無機防錆が挙げられるが、そのなかでも、クロメート処理による無機防錆が最も好ましい。市販の電解銅箔としては、福田金属箔粉工業社製CF−T9FZ−HS−12(12μm:クロメート処理)やCF−T9FZ−HS−9(9μm:クロメート処理)等が挙げられる。市販の圧延銅箔としては、日本製箔社製TCU−H−8−RT(8μm:有機防錆処理)やJX日鉱日石金属社製BAY−64T−DT(35μm:クロメート処理)等が挙げられる。
上記湿式のポリエステル系不織布基材にメッキが施された導電性基材としては、当該メッキとして無電解金属メッキを使用したものである。メッキする金属としては、銅、ニッケル、銀、白金、アルミニウムが挙げられるが、そのなかでも、導電性やコストの点から銅又はニッケルが好ましい。
導電性基材の厚みとしては、1〜40μmが好ましく、さらに好ましくは3〜35μmであり、最も好ましくは6〜25μmである。上記範囲であれば、薄型化が可能で、且つ加工性に優れるため好ましい。
(剥離ライナー)
本発明の導電性粘着シートでは、粘着剤層上に剥離ライナーを積層することができる。剥離ライナーは、特に限定されず、例えばクラフト紙やグラシン紙、上質紙などの紙類や、ポリエチレン、ポリプロピレン(OPP、CPP)、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂フィルム、前記紙類と樹脂フィルムを積層したラミネート紙、前記紙類にクレーやポリビニルアルコールなどで目止め処理を施したものの片面もしくは両面に、シリコン系樹脂等の剥離処理を施したものなど従来公知のものを用いることができる。
(導電性粘着シート)
本発明の導電性粘着シートは、上記導電性粘着剤層と導電性基材とを有する導電性粘着シートである。
本発明の導電性粘着シートの温度23℃、相対湿度50%RHの環境下で、SUSに対し、2kgローラーを使用して圧着回数一往復で圧着し、1時間静置した後の300mm/minでの180°剥離接着力は、SUSに対してそれぞれ5〜15N/20mmであることが好ましい。上記範囲内だと、剥がれを抑制しやすく、また、製造工程での貼り合わせ不良品において導電性粘着シートの剥離が可能となる。
本発明の導電性粘着シートの総厚みは好ましくは、85μm以下であり、さらに好ましくは65μm以下であり、50μm以下であることが特に好ましい。上記範囲にあることで、接着性・導電性を確保しつつ、粘着シートの薄型化を図ることができ、携帯電子機器の薄型化に貢献できる。なお、導電性粘着シートの総厚みとは、剥離ライナーを含まない導電性粘着シート自体の厚みである。
本発明の導電性粘着シートは、一般的に使用されている方法で作成できる。具体的には、離型ライナー上に塗布し、乾燥または硬化し、導電性粘着剤層を形成後、導電性基材に貼り合わせる方法などにより製造できる。
離型ライナー上に形成した導電性粘着剤層と導電性基材を貼り合せる際には、熱ラミネートをすることが、導電性基材と導電性粘着剤層との優れた密着性を付与する観点で好ましい。熱ラミネートの温度は60℃〜150℃が好ましく、70℃〜130℃がより好ましく、80℃〜110℃が密着性と導電性基材の収縮を抑制するうえで更に好ましい。
本発明の導電性粘着シートの好適な構成の例を図1及び図2に示す。図1は、導電性基材1上に導電性粘着剤層2を積層した片面粘着シートである。また、図2は、導電性基材1の両面に導電性粘着剤層2を積層した両面粘着シートである。これら構成においては、粘着剤層2の表面に、剥離ライナーが設けられた構成を好ましく使用できる。
以下に実施例について具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[アクリル共重合体の調製]
<アクリル共重合体(1)>
アクリル共重合体の調製攪拌機、寒流冷却器、温度計、滴下漏斗及び窒素ガス導入口を備えた反応容器に、n−ブチルアクリレート91.5質量部、2−ヒドロキシエチルアクリレート0.5質量部、アクリル酸8.0質量部と重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチルニトリル0.2部とを酢酸エチル100質量部に溶解し、窒素置換後、80℃で8時間重合して重量平均分子量80万のアクリル共重合体(1)を得た。
<アクリル共重合体(2)>
n−ブチルアクリレートを95.5質量部、アクリル酸を4.0質量部とする以外は、アクリル酸共重合体(1)と同様にして、重量平均分子量80万のアクリル共重合体(2)を得た。
<アクリル共重合体(3)>
2,2’−アゾビスイソブチルニトリル0.1部とする以外は、アクリル酸共重合体(1)と同様にして、重量平均分子量150万のアクリル共重合体(3)を得た。
<アクリル共重合体(4)>
2,2’−アゾビスイソブチルニトリル0.5部とする以外は、アクリル酸共重合体(1)と同様にして、重量平均分子量30万のアクリル共重合体(3)を得た。
<アクリル共重合体(5)>
アクリル共重合体の調製攪拌機、寒流冷却器、温度計、滴下漏斗及び窒素ガス導入口を備えた反応容器に、メチルメタクリレート95.0質量部、ジメチルアミノエチルメタクリレート5.0質量部と重合開始剤として2,2’−アゾビスイソブチルニトリル1.0質量部とを酢酸エチル100質量部に溶解し、窒素置換後、80℃で8時間重合して重量平均分子量2万のメタクリル共重合体(5)を得た。
<アクリル共重合体(6)>
2,2’−アゾビスイソブチルニトリル0.6部とする以外は、アクリル酸共重合体(5)と同様にして、重量平均分子量6万のアクリル共重合体(6)を得た。
Figure 2019001930
<粘着剤A>
上記アクリル共重合体(1)100質量部に、上記アクリル共重合体(5)を20質量部添加し、酢酸エチルで希釈し樹脂固形分25%の粘着剤Aを得た。
<粘着剤B>
上記アクリル共重合体(1)100質量部に、上記アクリル共重合体(5)を10質量部添加し、酢酸エチルで希釈し樹脂固形分25%の粘着剤Bを得た。
<粘着剤C>
上記アクリル共重合体(2)100質量部に、上記アクリル共重合体(5)を20質量部添加し、酢酸エチルで希釈し樹脂固形分25%の粘着剤Cを得た。
<粘着剤D>
上記アクリル共重合体(3)100質量部に、上記アクリル共重合体(5)を20質量部添加し、酢酸エチルで希釈し樹脂固形分25%の粘着剤Dを得た。
<粘着剤E>
上記アクリル共重合体(1)100質量部に、上記アクリル共重合体(6)を20質量部添加し、酢酸エチルで希釈し樹脂固形分25%の粘着剤Eを得た。
<粘着剤F>
上記アクリル共重合体(4)100質量部に、上記アクリル共重合体(5)を20質量部添加し、酢酸エチルで希釈し樹脂固形分25%の粘着剤Fを得た。
<粘着剤G>
上記アクリル共重合体(1)100質量部に、酢酸エチルで希釈し樹脂固形分25%の粘着剤Fを得た。
<粘着剤H>
上記アクリル共重合体(1)100質量部に、上記アクリル共重合体(5)を60質量部添加し、酢酸エチルで希釈し樹脂固形分25%の粘着剤Hを得た。
Figure 2019001930
(導電性粘着剤組成物の作成)
[導電性粘着剤組成物(1A)の作成]
前記粘着剤(A)100質量部(固形分25質量部)に対して、福田金属箔粉工業社製ニッケル粉NI255T(d50:16.2μm、d90:51.2μm)11.3質量部、架橋剤E―2XM(綜研化学社製のエポキシ系架橋剤、固形分2質量%)0.16質量部、ベンゾトリアゾール0.23質量部を配合し、酢酸エチルで固形分濃度を25質量%に調整し、分散攪拌機で10分混合して導電性粘着剤1Aを作成した。
[導電性粘着剤組成物(2A)の作成]
前記粘着剤(A)100質量部(固形分25質量部)に対して、福田金属箔粉工業社製ニッケル粉NI255T(d50:16.2μm、d90:51.2μm)11.3質量部、架橋剤E―2XM(綜研化学社製のエポキシ系架橋剤、固形分2質量%)0.63質量部、ベンゾトリアゾール0.23質量部を配合し、酢酸エチルで固形分濃度を25質量%に調整し、分散攪拌機で10分混合して導電性粘着剤2Aを作成した。
[導電性粘着剤組成物(3A)の作成]
前記粘着剤(A)100質量部(固形分25質量部)に対して、福田金属箔粉工業社製ニッケル粉NI255T(d50:16.2μm、d90:51.2μm)5.7質量部、架橋剤E―2XM(綜研化学社製のエポキシ系架橋剤、固形分2質量%)0.63質量部、ベンゾトリアゾール0.23質量部を配合し、酢酸エチルで固形分濃度を25質量%に調整し、分散攪拌機で10分混合して導電性粘着剤3Aを作成した。
[導電性粘着剤組成物(4A)の作成]
前記粘着剤(A)100質量部(固形分25質量部)に対して、日興リカ社製ニッケル粉NI525(d50:14.3μm、d90:40.5μm)11.3質量部、架橋剤E―2XM(綜研化学社製のエポキシ系架橋剤、固形分2質量%)0.63質量部、ベンゾトリアゾール0.23質量部を配合し、酢酸エチルで固形分濃度を25質量%に調整し、分散攪拌機で10分混合して導電性粘着剤4Aを作成した。
[導電性粘着剤組成物(1B)の作成]
前記粘着剤(B)100質量部(固形分25質量部)に対して、福田金属箔粉工業社製ニッケル粉NI255T(d50:16.2μm、d90:51.2μm)11.3質量部、架橋剤E―2XM(綜研化学社製のエポキシ系架橋剤、固形分2質量%)0.16質量部、ベンゾトリアゾール0.23質量部を配合し、酢酸エチルで固形分濃度を25質量%に調整し、分散攪拌機で10分混合して導電性粘着剤1Bを作成した。
[導電性粘着剤組成物(1C)の作成]
前記粘着剤(C)100質量部(固形分25質量部)に対して、福田金属箔粉工業社製ニッケル粉NI255T(d50:16.2μm、d90:51.2μm)11.3質量部、架橋剤E―2XM(綜研化学社製のエポキシ系架橋剤、固形分2質量%)0.16質量部、ベンゾトリアゾール0.23質量部を配合し、酢酸エチルで固形分濃度を25質量%に調整し、分散攪拌機で10分混合して導電性粘着剤1Cを作成した。
[導電性粘着剤組成物(1D)の作成]
前記粘着剤(D)100質量部(固形分25質量部)に対して、福田金属箔粉工業社製ニッケル粉NI255T(d50:16.2μm、d90:51.2μm)11.3質量部、架橋剤E―2XM(綜研化学社製のエポキシ系架橋剤、固形分2質量%)0.16質量部、ベンゾトリアゾール0.23質量部を配合し、酢酸エチルで固形分濃度を25質量%に調整し、分散攪拌機で10分混合して導電性粘着剤1Dを作成した。
[導電性粘着剤組成物(1E)の作成]
前記粘着剤(E)100質量部(固形分25質量部)に対して、福田金属箔粉工業社製ニッケル粉NI255T(d50:16.2μm、d90:51.2μm)11.3質量部、架橋剤E―2XM(綜研化学社製のエポキシ系架橋剤、固形分2質量%)0.16質量部、ベンゾトリアゾール0.23質量部を配合し、酢酸エチルで固形分濃度を25質量%に調整し、分散攪拌機で10分混合して導電性粘着剤1Eを作成した。
[導電性粘着剤組成物(1F)の作成]
前記粘着剤(F)100質量部(固形分25質量部)に対して、福田金属箔粉工業社製ニッケル粉NI255T(d50:16.2μm、d90:51.2μm)11.3質量部、架橋剤E―2XM(綜研化学社製のエポキシ系架橋剤、固形分2質量%)0.16質量部、ベンゾトリアゾール0.23質量部を配合し、酢酸エチルで固形分濃度を25質量%に調整し、分散攪拌機で10分混合して導電性粘着剤1Fを作成した。
[導電性粘着剤組成物(1G)の作成]
前記粘着剤(G)100質量部(固形分25質量部)に対して、福田金属箔粉工業社製ニッケル粉NI255T(d50:16.2μm、d90:51.2μm)11.3質量部、架橋剤E―2XM(綜研化学社製のエポキシ系架橋剤、固形分2質量%)0.16質量部、ベンゾトリアゾール0.23質量部を配合し、酢酸エチルで固形分濃度を25質量%に調整し、分散攪拌機で10分混合して導電性粘着剤1Fを作成した。
[導電性粘着剤組成物(1H)の作成]
前記粘着剤(H)100質量部(固形分25質量部)に対して、福田金属箔粉工業社製ニッケル粉NI255T(d50:16.2μm、d90:51.2μm)11.3質量部、架橋剤E―2XM(綜研化学社製のエポキシ系架橋剤、固形分2質量%)0.16質量部、ベンゾトリアゾール0.23質量部を配合し、酢酸エチルで固形分濃度を25質量%に調整し、分散攪拌機で10分混合して導電性粘着剤(1H)を作成した。
(メッキ不織布の作成)
[メッキ不織布A]
三木特種製紙製湿式ポリエステル不織布「タイプA」(坪量10g/m、厚み15μm、ポリエステル繊維の直径5μm(平均径))を、塩化第一錫10g/L、塩酸20mL/Lを含んだ水溶液に常温で約5分間浸漬し、その後、水洗いした。次に塩化パラジウム1g/L、塩酸20mL/Lを含む水溶液に常温で約10分浸漬し、その後、水洗いした。次に、硫酸銅10g/L、ホルムアルデヒド7mL/L、水酸化ナトリウム8g/L、エチレンジアミン4酢酸4ナトリウム(EDTA−4Na)30g/L、安定剤(0.25mL/L)を含む水溶液に40℃で20分浸漬し、その後、水洗いした。その後、電気銅メッキ液(奥野製薬工業製、トップルチナSF)を用いて、銅のメッキ量を6g/mとなるようメッキした。さらに、硫酸ニッケル240g/L、塩化ニッケル45g/L、ホウ酸30g/L、サッカリン2g/L、1,4−ブチンジオール0.2g/Lを含む電気ニッケルメッキ液中でニッケルメッキ量が4g/mになるようメッキし、水洗し、さらに乾燥させ、メッキ不織布Aを作成した。
(実施例1)
[導電性粘着シートの作成]
導電性粘着剤組成物(1A)をニッパ社製剥離フィルム「PET38×1 A3」上に乾燥後の粘着剤層の厚さが18μmになるようにコンマコーターで塗工し、80℃の乾燥器中で2分間乾燥させた後、厚さ12μmの無機防錆(クロメート)処理した電解銅箔(CF−T9FZ−HS−12、福田金属箔粉工業社製)の片面に80℃で熱ラミネートしたのち、40℃で48時間養生して、実施例1の導電性粘着シートを作成した。
(実施例2)
導電性粘着剤組成物(1A)の代わりに、導電性粘着剤組成物(2A)を用いた以外は実施例1と同様に実施例2の導電性粘着シートを作成した。
(実施例3)
導電性粘着剤組成物(1A)の代わりに、導電性粘着剤組成物(3A)を用いた以外は実施例1と同様に実施例3の導電性粘着シートを作成した。
(実施例4)
導電性粘着剤組成物(1A)の代わりに、導電性粘着剤組成物(4A)を用いた以外は実施例1と同様に実施例4の導電性粘着シートを作成した。
(実施例5)
導電性粘着剤組成物(1A)の代わりに、導電性粘着剤組成物(1B)を用いた以外は実施例1と同様に実施例5の導電性粘着シートを作成した。
(実施例6)
導電性粘着剤組成物(1A)の代わりに、導電性粘着剤組成物(1C)を用いた以外は実施例1と同様に実施例6の導電性粘着シートを作成した。
(実施例7)
導電性粘着剤組成物(1A)の代わりに、導電性粘着剤組成物(1D)を用いた以外は実施例1と同様に実施例7の導電性粘着シートを作成した。
(実施例8)
導電性粘着剤組成物(1A)の代わりに、導電性粘着剤組成物(1E)を用いた以外は実施例1と同様に実施例8の導電性粘着シートを作成した。
(実施例9)
無機防錆(クロメート)処理した電解銅箔の代わりに、メッキ不織布Aを用いた以外は実施例1と同様に実施例9の導電性粘着シートを作成した。
(比較例1)
導電性粘着剤組成物(1A)の代わりに、導電性粘着剤組成物(1F)を用いた以外は実施例1と同様に比較例1の導電性粘着シートを作成した。
(比較例2)
導電性粘着剤組成物(1A)の代わりに、導電性粘着剤組成物(1G)を用いた以外は実施例1と同様に比較例2の導電性粘着シートを作成した。
(比較例3)
導電性粘着剤組成物(1A)の代わりに、導電性粘着剤組成物(1H)を用いた以外は実施例1と同様に比較例3の導電性粘着シートを作成した。
(評価)
実施例1〜9、比較例1〜3で作成した導電性粘着シートについて、以下の評価を行い、得られた結果を下表に示した。
[導電性評価]
図4のように50mm幅×50mm幅のスズメッキ処理がされた粘着剤層付き銅箔の粘着面を段差1mmの有するガラスパネルの2面に貼り合せ、段差1mmを有する導電性評価用治具を作成した。5mm幅×13mm幅に切断した粘着シートの粘着面を上記で作成した治具の2面に5mm幅×5mm幅で貼り合せた後、100g/cm荷重で3秒間加圧した。23℃50%RHの環境下で、300時間放置した後、低抵抗 抵抗率計(三菱ケミカルアナリテック社製ロレスタ―‐GP)にて10μAの電流を流した際の抵抗値を測定した。
◎:300mΩ未満
○:300mΩ〜500mΩ未満
×:500mΩ以上
[接着力]
360番の耐水研磨紙でヘアライン研磨処理したステンレス板(以下ステンレス板)に、25mm幅の導電性粘着シート試料を、23℃50%RHの環境下で2.0kgローラ1往復加圧貼付し、常温で1時間放置後、引っ張り試験機(テンシロンRTA−100、エーアンドディー社製)にて、常温で引張速度300mm/minで180度剥離接着力を測定した。
[リワーク性]
接着力を測定した際に、メッキの密着性不良や粘着剤の密着性不良によるステンレス板への糊残りを評価した。
○:糊残りなし。
×:10%以上の糊残りあり。
Figure 2019001930
Figure 2019001930
1 導電性基材
2 導電性粘着剤層
3 ガラスパネル
4 粘着剤層
5 銅箔
6 スズメッキ
7 導電性粘着シート

Claims (8)

  1. 導電性基材と導電性粘着剤層とを有する導電性粘着シートであって、前記導電性粘着剤層が、(メタ)アクリル系共重合体、架橋剤及び導電性粒子を含有する(メタ)アクリル系粘着剤組成物からなり、前記(メタ)アクリル系共重合体が、重量平均分子量が50万〜200万のカルボキシル基含有(メタ)アクリル系共重合体(A)と、重量平均分子量が5000〜10万の窒素原子含有(メタ)アクリル系共重合体(B)とを含有し、前記(メタ)アクリル系粘着剤組成物中の窒素原子含有(メタ)アクリル系共重合体(B)の質量比が5%〜50%であることを特徴とする導電性粘着シート。
  2. 前記導電性粒子が数珠状である請求項1に記載の導電性粘着シート。
  3. 前記導電性粘着剤層中の導電性粒子の含有量が、(メタ)アクリル系粘着剤組成物100質量部(固形分)に対して、20〜100質量部である請求項1又は2に記載の導電性粘着シート。
  4. 前記導電性基材が、銅を含有する導電性基材である請求項1〜3のいずれか1項に記載の導電性粘着シート。
  5. 前記導電性基材が、無機防錆処理した銅箔基材である請求項1〜4のいずれか1項に記載の導電性粘着シート。
  6. 前記導電性基材が、湿式のポリエステル系不織布基材にメッキが施された導電性基材であり、前記メッキが無電解金属メッキを含くむことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の導電性粘着シート。
  7. 貼付面積が10mm×10mm以下である請求項1〜5のいずれか1項に記載の導電性粘着シート。
  8. 小型電子端末の内蔵部品に貼り付けて使用される請求項1〜6のいずれか1項に記載の導電性粘着シート。
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