JP2015533800A - 歯科用組成物 - Google Patents

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Abstract

下記式(I)の重合性化合物を含む歯科用組成物。(A)−L(B)(式中、A、L、B及びnは請求項1に定義される)【選択図】なし

Description

本発明は、特定の重合性化合物を含む歯科用組成物に関する。さらに、本発明は、歯科用組成物の調製に対する上記特定の重合性化合物の使用に関する。本発明の重合性化合物は、水溶性でありながら加水分解に対して安定な多官能性重合性モノマーであり、このモノマーが従来の(メタ)アクリレートと共重合性であり、低粘度及び優れた生体適合性を有する歯科用組成物を提供する。
特許文献1は、架橋剤としてN,N−ジアリルアクリルアミドを含有し得る混合物を重合することによって得られる、少なくとも1つの架橋された両性ポリマー増粘剤を含む毛髪の染色又は脱色組成物、及びそのキットを開示する。N,N−ジアリルアクリルアミドを含有する歯科用組成物は、特許文献1には開示されていない。
重合性化合物を含有する歯科用組成物が知られている。従来、重合性歯科用組成物は、広範囲な用途に対して提供され、したがって、多様な要求を満たさなければならない。例えば、重合性歯科用組成物は、歯科用接着剤組成物、結合剤、小窩裂溝封鎖材、歯科用脱感作組成物、覆髄組成物、歯科用コンポジット、歯科用グラスアイオノマーセメント、歯科用セメント、又は歯科用根菅シーラー組成物とすることができる。さらに、歯科用組成物は、歯科用浸透剤とすることができる。
従来、(メタ)アクリレートは、ΔH=−80kJ/mol〜120kJ/molの範囲の重合エンタルピーに基づいて実証され得る、ラジカル重合におけるそれらの優れた反応性により、重合性歯科用組成物において重合性成分として使用される。架橋能を提供するため、1962年と早くからビス−GMA等の多官能性(メタ)アクリレートが歯科用途に使用されてきた。
しかしながら、(メタ)アクリレートの加水分解安定性は、歯科用組成物の保存安定性を厳しく制限する多くの歯科用組成物の酸性度の点で問題がある。さらに、患者の口内の生体状況下で起こる加水分解が、(メタ)アクリレートに関して更に懸念される。
特許文献2は、加水分解安定性が高められた(メタ)アクリルアミドを開示する。しかしながら、或る特定の(メタ)アクリルアミドは、対応する(メタ)アクリレートと比較すると粘度が増加しており、この粘度の増加は重合性マトリクスが低粘度を有することが必要とされる歯科用組成物の場合には望ましくない。
アリルアミンを含むアリル誘導体は、(メタ)アクリレートとの共重合反応であってもラジカル反応におけるアリル基の重合熱に対する寄与が低すぎることから、通常、歯科用組成物の重合性化合物として適していない。したがって、アリルアミンは、慣習的にカチオン重合で重合される。
国際公開第2008/015646号 欧州特許出願公開第1234543号
従来の(メタ)アクリレートと共重合性であり、低粘度(low viscosit)及び優れた生体適合性を有する、加水分解に対して安定な多官能性重合性モノマーを含む歯科用組成物を提供することが、本発明の課題である。
本発明は、歯科用組成物であって、下記式(I):
A−L(B) (I)
(式(I)中、
Aは下記式(II)
Figure 2015533800
(式(II)中、
は、CO、CS、CH又は基[X’Z](式中、X’は酸素原子、硫黄原子、又はNHであり、Zは直鎖又は分岐のC1〜4アルキレン基であり、kは1〜10の整数である)であり、
は水素原子、
−COOM、
3〜6シクロアルキル基、C6〜14アリール基若しくはC3〜14ヘテロアリール基、−COOM、−POM、−O−PO又は−SOMで置換されてもよい直鎖又は分岐のC1〜16アルキル基、
1〜16アルキル基、C6〜14アリール基若しくはC3〜14ヘテロアリール基、−COOM、−POM、−O−PO又は−SOMで置換されてもよいC3〜6シクロアルキル基、
−COOM、−POM、−O−PO又は−SOMで置換されてもよいC6〜14アリール基又はC3〜14ヘテロアリール基であり、
は水素原子、
−COOM、
6〜14アリール基若しくはC3〜14ヘテロアリール基、−COOM、−POM、−O−PO、若しくは−SOMで置換されてもよい直鎖若しくは分岐のC1〜16アルキル基、
1〜16アルキル基、C6〜14アリール基若しくはC3〜14ヘテロアリール基、−COOM、−POM、−O−PO、若しくは−SOMで置換されてもよいC3〜6シクロアルキル基、又は、
−COOM、−POM、−O−PO及び−SOMで置換されてもよいC6〜14アリール基若しくはC3〜14ヘテロアリール基である)
の基であり、
Lは単結合又はリンカー基であり、
Bは、独立して、
Aの定義による基、
下記式(III)
Figure 2015533800
(式(III)中、
は、独立して、式(II)のXについて定義されるものと同じ意味を有し、
及びRは互いに独立したものであり、独立して式(II)に定義されるものと同じ意味を有し、
Rは水素原子、
3〜6シクロアルキル基、C6〜14アリール基若しくはC3〜14ヘテロアリール基、−COOM、−POM、−O−PO又は−SOMで置換されてもよい直鎖又は分岐のC1〜16アルキル基、
1〜16アルキル基、C6〜14アリール基若しくはC3〜14ヘテロアリール基、−COOM、−POM、−O−PO又は−SOMで置換されてもよいC3〜6シクロアルキル基、
−COOM、−POM、−O−PO又は−SOMで置換されてもよいC6〜14アリール基である)
の基、
下記式(IV)
Figure 2015533800
(式(IV)中、
はCO、−CHCO−、CS、又は−CHCS−であり、
及びRは互いに独立したものであり、独立して式(II)に定義されるものと同じ意味を有する)
の基、又は、
基[Z’X’’]
(式中、
Z’は直鎖又は分岐のC1〜4アルキレン基であり、
X’’は酸素原子、硫黄原子又はNHであり、
Eは水素原子、
PO
3〜6シクロアルキル基、C6〜14アリール基若しくはC3〜14ヘテロアリール基、−COOM、−POM、−O−PO又は−SOMで置換されてもよい直鎖又は分岐のC1〜16アルキル基、
1〜16アルキル基、C6〜14アリール基若しくはC3〜14ヘテロアリール基、−COOM、−POM、−O−PO又は−SOMで置換されてもよいC3〜6シクロアルキル基、
−COOM、−POM、−O−PO又は−SOMで置換されてもよいC6〜14アリール基又はC3〜14ヘテロアリール基であり、
mは1〜10の整数である)
であり、
nは1〜4の整数であり、
ここで、互いに独立するMは、各々、水素原子又は金属原子を表し、
Lが単結合である場合、BはA又は式(III)の基の定義による基であってはならない)
の重合性化合物を含む、歯科用組成物を提供する。
本発明は、また、歯科用接着剤組成物、結合剤、小窩裂溝封鎖材、歯科用脱感作組成物、覆髄組成物、歯科用コンポジット、歯科用グラスアイオノマーセメント、歯科用セメント、及び歯科用根菅シーラー組成物から選択される歯科用組成物の調製に対する、式(I)の化合物の使用を提供する。本発明は、また、歯科用浸透剤の調製に対する、式(I)の化合物の使用を提供する。
本発明は、式(I)の化合物が、アリル基が存在するにもかかわらず(メタ)アクリレートの重合熱に匹敵する重合熱を有するという認識に基づく。さらに、本発明は、式(I)の化合物の粘度が、対応する(メタ)アクリルアミドと比べて比較的低いという認識に基づく。
本明細書において特に指定のない限り、ハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を指し、アルキル基は、例えばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、sec−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル及びオクチル等の直鎖又は分岐鎖のC1〜16アルキル基を指し、シクロアルキル基は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシル等のC3〜6シクロアルキル基を指し、アリール基は、フェニル、ナフチル等のC6〜14アリール基を指し、ヘテロアリール基は、窒素、酸素及び硫黄から選択される1個〜3個のヘテロ原子を含有し得るC3〜14ヘテロアリール基、例えばフリル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、チアジアゾリル、フラザニル、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピリジル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、ピペラジニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ベンゾフラニル、イソベンゾフラニル、ベンゾチエニル、インドリニル、イソインドリニル、インドリジニル、ベンズイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンズイソオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソチアゾリル、プリニル、クマリニル、フタラジニル、ナフチリジニル、キノキサリニル、キナゾリニル、シンノリニル、クロマニル、イソクロマニル、クロメニル、チオクロメニル、キヌクリジニル、1,3−ベンゾジオキソリル、ベンゾチアジアゾリル、ベンゾオキサジアゾリル、ベンゾジオキサニル、キノリル、イソキノリルを指し、アルキレン基は、メチレン、エチレン、プロピレン及びブチレン等のC1〜4アルキレン基を指す。
本発明は歯科用組成物を提供する。本発明の歯科用組成物は、ラジカル重合によって重合可能又は共重合可能である。上記歯科用組成物は、歯科用接着剤組成物、結合剤、小窩裂溝封鎖材、歯科用脱感作組成物、覆髄組成物、歯科用コンポジット、歯科用グラスアイオノマーセメント、歯科用セメント及び歯科用根菅シーラー組成物から選択され得る。また、上記歯科用組成物は、歯科用浸透剤であってもよい。
本発明による歯科用組成物は、下記式(I)の重合性化合物を含む。上記歯科用組成物は、1又は複数の式(I)の化合物を含んでもよい。本発明の歯科用組成物は、該組成物の総重量ベースで0.5重量%〜99重量%の量で上記重合性化合物を含んでもよい。歯科用接着剤組成物は、2重量%〜50重量%の1又は複数の式(I)の化合物を含むことが好ましい。結合剤は、2重量%〜70重量%の1又は複数の式(I)の化合物を含むことが好ましい。小窩裂溝封鎖材は、2重量%〜80重量%の1又は複数の式(I)の化合物を含むことが好ましい。歯科用脱感作組成物は、2重量%〜90重量%の1又は複数の式(I)の化合物を含むことが好ましい。覆髄組成物は、2重量%〜50重量%の1又は複数の式(I)の化合物を含むことが好ましい。歯科用コンポジットは、2重量%〜50重量%の1又は複数の式(I)の化合物を含むことが好ましい。歯科用グラスアイオノマーセメントは、2重量%〜50重量%の1又は複数の式(I)の化合物を含むことが好ましい。歯科用セメントは、2重量%〜50重量%の1又は複数の式(I)の化合物を含むことが好ましい。歯科用浸透剤は、1重量%〜50重量%の1又は複数の式(I)の化合物を含むことが好ましい。
式(I)の化合物は、下記式(I):
A−L(B) (I)
によるものである。
式(I)では、Aは、単結合により単一の基Bに連結されるか、又は連結基により最大4つの基Bに連結される特定の重合性基である。2つ以上の基Bが式(I)の重合性化合物中に存在する場合、基Bは、同一であっても又は異なってもよい。基Bは重合性であってもよい。
窒素−窒素の単結合を回避するため、Bは、Lが単結合である場合、Aの定義による基又は下記式(III)の基であってはならない。
本発明によれば、Aは下記式(II)の基である。
Figure 2015533800
したがって、式(I)の化合物はいずれも、窒素原子に結合したアリル基及び同じ窒素原子に結合した重合性二重結合を有する更なる特異的な基を特徴とする。上記アリル基の重合性二重結合と、同じ窒素原子に結合した更なる重合性二重結合の特異的な配置はアリル結合を活性化し、そのためアリル結合は硬化の間、ラジカル重合反応に関与する。アリル基は通常ラジカル重合され得ないことから、本発明の化合物のアリル基が、メタクリレート基と同様に式(I)の重合性化合物の重合熱に寄与することは意外である。
式(II)では、XはCO、CS、CH、又は基[X’Z](式中、X’は酸素原子、硫黄原子又はNHであり、Zは直鎖又は分岐のC1〜4アルキレン基であり、kは1〜10の整数である)である。
式(II)においてXがCO、CS、CHである場合、式(II)の基の窒素原子に直接結合したアリル基と共に、以下の模式図による環化重合反応に関与し得る重合性二重結合が存在する。
Figure 2015533800
式(II)においてXが基[X’Z]である場合、L(B)は式(II)の基の窒素原子に直接結合したアリル基と共に、環化重合に関与し得る重合性二重結合を提供することが好ましい。X’は酸素原子であることが好ましい。Zについての直鎖又は分岐のC1〜4アルキレン基の好ましい例は、エチレン基及びプロピレン基である。kは1〜4の整数であることが好ましい。
好ましい実施形態によれば、XはCOである。
式(II)において、Rは水素原子;−COOM;C3〜6シクロアルキル基、C6〜14アリール基若しくはC3〜14ヘテロアリール基、−COOM、−POM、−O−PO、又は−SOMで置換されてもよい直鎖又は分岐のC1〜16アルキル基;C1〜16アルキル基、C6〜14アリール基若しくはC3〜14ヘテロアリール基、−COOM、−POM、−O−PO、又は−SOMで置換されてもよいC3〜6シクロアルキル基;−COOM、−POM、−O−PO、又は−SOMで置換されてもよいC6〜14アリール又はC3〜14ヘテロアリール基である。
式(II)において、Rは直鎖又は分岐のC1〜16アルキル基、好ましくは直鎖又は分岐のC1〜16アルキル基とすることができる。RのC1〜16アルキル基の例は、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、sec−ブチル、ペンチル及びヘキシルである。アリール基は例えば、フェニル基又はナフチル基とすることができる。C3〜14ヘテロアリール基は、窒素、酸素及び硫黄から選択される1個〜3個のヘテロ原子を含有していてもよい。
好ましい実施形態によれば、Rは水素原子である。RがC1〜6アルキル基である場合、C1〜6アルキル基は−COOMで置換されていることが好ましい。
式(II)において、Rは水素原子;−COOM;C6〜14アリール基若しくはC3〜14ヘテロアリール基、−COOM、−POM、−O−PO及び−SOMで置換されてもよい直鎖又は分岐のC1〜16アルキル基;C1〜16アルキル基、C6〜14アリール基若しくはC3〜14ヘテロアリール基、−COOM、−POM、−O−PO、若しくは−SOMで置換されてもよいC3〜6シクロアルキル基;又は−COOM、−POM、−O−PO及び−SOMで置換されてもよいC6〜14アリール基若しくはC3〜14ヘテロアリール基である。
式(II)において、Rは直鎖又は分岐のC1〜16アルキル基、好ましくは直鎖又は分岐のC1〜16アルキル基とすることができる。RのC1〜16アルキル基の例は、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、sec−ブチル、ペンチル及びヘキシルである。アリール基は例えば、フェニル基又はナフチル基とすることができる。C3〜14ヘテロアリール基は、窒素、酸素及び硫黄から選択される1個〜3個のヘテロ原子を含有していてもよい。
好ましい実施形態によれば、Rは水素原子又はメチル基である。
以下の基は、式(II)の好ましい基であり、式中、Mは水素原子又は金属原子である。
Figure 2015533800
式(I)では、Lは単結合又は(n+1)価のリンカー基である。
上記リンカー基は、置換基A及びBの総数に対応する少なくとも2の原子価を有する。したがって、Lは好ましくは、二価(n=2)、三価(n=3)、四価(n=4)、又は五価(n=5)であり得る。Lがリンカー基である場合、Lは二価又は三価であることが好ましく、二価であることが最も好ましい。
一般に、Lがリンカー基である場合、Lは直鎖又は分岐のモノマー、オリゴマー、ポリマー又はコポリマーの基である。モノマー基は、最大500の分子量を有する低分子量基である。オリゴマー基は、500より多く最大10000の分子量を有する基であり、重合反応によって調製され得る。ポリマー基又はコポリマー基は、重合反応によって得ることができる10000より多い分子量を有する基である。重合は、縮合反応又は付加反応であってもよい。上記反応(reation)は、開環重合であってもよい。
リンカー基Lは、脂肪族及び/又は芳香族であり得る炭化水素基とすることができる。炭化水素基は、1個〜6個のC1〜4アルキル基で置換されていてもよい。アルキル基の具体例はメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−ブチル又はtert−ブチルである。好ましい実施形態では、リンカー基Lの炭化水素基は、炭化水素基に1個〜5個の酸素原子を、脂肪族若しくは芳香族エーテル結合、ケト基、カルボン酸基、又はヒドロキシル基の形態で含有していてもよい。エステル基は、重合性モノマーの加水分解安定性の点からL部分には好ましくない。脂肪族基の場合、Lは直鎖若しくは分岐鎖のアルキレン基、又はシクロアルキレン基とすることができる。芳香族基の場合、Aはアリーレン基又はC3〜14ヘテロアリーレン基とすることができる。具体的にはLは、二価の置換又は非置換C〜C20アルキレン基、置換又は非置換C6〜14アリーレン基、置換又は非置換C〜C20シクロアルキレン基、置換又は非置換C〜C20アリーレンアルキレンアリーレン基とすることができる。
好ましい実施形態によれば、Lは2個〜4個の酸素原子若しくは窒素原子を含有し得るとともに、1個〜6個のC1〜4アルキル基で置換されてもよい飽和脂肪族C2〜20炭化水素鎖を表すか、又はLは1個〜6個のC1〜4アルキル基で置換されてもよい置換若しくは非置換C〜C20アリーレンアルキレンアリーレン基とすることができる。
Lが(n+1)価のリンカー基である場合、リンカー基は好ましくは、C1〜12炭化水素基とすることができる。C1〜12炭化水素基は、1個〜3個のカルボニル基、又は酸素、窒素及び硫黄から選択されるヘテロ原子を含有していてもよい。その上、C1〜12炭化水素基は、ヒドロキシル基、C6〜14アリール基、−COOM、−POM、−O−PO又は−SOM(式中、Mは水素原子又は金属原子である)で置換されていてもよい。二価のC1〜12炭化水素基の具体例は、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基又はフェニレン基等の直鎖又は分岐のC1〜12アルキレン基であり、これらの基はヒドロキシル基、C6〜14アリール基、−COOM、−POM、−O−PO、又は−SOMで置換されていてもよい。
Lが二価のリンカー基である場合、上記リンカーは下記式(V):
−Y−L’−Y’− (V)
(式(V)中、Y及びY’はCOを表し、式(V)のポリアミド部分は下記式(VI)
(NHR’’) (VI)
(式(VI)中、
は、炭化水素基の骨格中に窒素原子、酸素原子、又は硫黄原子から選択される1個〜6個のヘテロ原子を任意に含有してもよく、任意に、ヒドロキシル基、チオール及びアミノ基から選択される1個〜6個の官能基を含有してもよい、y価のC2〜20直鎖、分岐又は環状の炭化水素基を表し、
R’’は、水素原子、アリル基、
3〜6シクロアルキル基又はC6〜14アリール基で置換されてもよい直鎖又は分岐のC1〜6アルキル基、
1〜6アルキル基又はC6〜14アリール基で置換されてもよいC3〜6シクロアルキル基を表し、
yは少なくとも2の整数を表す)、
のジアミンと、
少なくとも2つのカルボン酸基を有する下記式(VII)
MOOC−R−COOM (VII)
(式(VII)中、Rは、炭素−炭素二重結合を任意に含有してもよく、炭化水素基の骨格中に窒素原子、酸素原子、又は硫黄原子をから選択される1個〜6個のヘテロ原子を含有してもよく、任意に、カルボン酸基、ヒドロキシル基、チオール基及びアミノ基から選択される1個〜6個の官能基を含有してもよいC1〜20直鎖、分岐、環状又は芳香族の炭化水素基を表し、同一であっても又は異なってもよいMは、独立して、水素原子又は金属原子を表す)
の化合物と、を含有する混合物の逐次重合の工程を含むプロセスにより得ることができる)
のポリアミド残基であってもよい。
好ましい二価のリンカー基は、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン及び以下:
Figure 2015533800
の二価の基から選択され得る。
式(I)では、Bは、独立して、Aの定義、下記式(III)の基、下記式(IV)の基、又は下記式[Z’X’’]Eの基である。
BがAの定義における式(II)による基である場合、Bは、式(I)の重合性化合物に存在する基Aと同一であっても又は異なってもよい。さらに、式(I)の重合性化合物中にAの定義による基Bが2つ以上存在する場合、基Bは同一であっても又は異なってもよい。具体的には、Bは、上記式(II)の基であってもよく、式中、アリル基は窒素原子に結合され、重合性二重結合を有する更なる基が同一の窒素原子に結合される。
BがAの定義における式(II)による基である場合、XはCO、CS、CH、又は基[X’Z](式中、X’は酸素原子、硫黄原子又はNHであり、Zは直鎖又は分岐のC1〜4アルキレン基であり、kは1〜10の整数である)である。
BがAの定義における式(II)による基であり、かつXが基[X’Z])である場合、Lは、式(II)の基の窒素原子に直接結合したアリル基と共に環化重合反応に関与し得る重合性二重結合を提供することが好ましい。X’が酸素原子であることが好ましい。Zについての直鎖又は分岐のC1〜4アルキレン基の好ましい例は、エチレン基及びプロピレン基である。kは1〜4の整数であることが好ましい。
BがAの定義における式(II)による基である好ましい実施形態によれば、XはCOである。
BがAの定義における式(II)による基である場合、Rは水素原子;−COOM;C3〜6シクロアルキル基、C6〜14アリール基若しくはC3〜14ヘテロアリール基、−COOM、−POM、−O−PO、又は−SOMで置換されてもよい直鎖又は分岐のC1〜16アルキル基;C1〜6アルキル基、C6〜14アリール基若しくはC3〜14ヘテロアリール基、−COOM、−POM、−O−PO、又は−SOMで置換されてもよいC3〜6シクロアルキル基;−COOM、−POM、−O−PO、又は−SOMで置換されてもよいC6〜14アリール又はC3〜14ヘテロアリール基である。
好ましい実施形態によれば、Rは水素原子である。RがC1〜6アルキル基である場合、C1〜6アルキル基は−COOMで置換されていることが好ましい。
BがAの定義における式(II)による基である場合、Rは水素原子;−COOM;C6〜14アリール基、−COOM、−POM、−O−PO及び−SOMで置換されてもよい直鎖若しくは分岐のC1〜16アルキル基;C1〜16アルキル基、C6〜14アリール基、−COOM、−POM、−O−PO、若しくは−SOMで置換されてもよいC3〜6シクロアルキル基;又は−COOM、−POM、−O−PO及び−SOMで置換されてもよいC6〜14アリール基若しくはC3〜14ヘテロアリール基である。
BがAの定義における式(II)による基である好ましい実施形態によれば、Rは水素原子又はメチル基である。
Bが式(III)の基である場合、Bは以下の通りである。
Figure 2015533800
式(III)では、Xは式(II)においてXについて定義されるものと同じ意味を有する。さらに、Xの定義による2つ以上の基Xが式(I)の重合性化合物中に存在する場合、基Xは同一であっても又は異なってもよい。具体的には、Bが式(III)による基である場合、XはCO、CS、CH、又は基[X’Z](式中、X’は酸素原子、硫黄原子又はNHであり、Zは直鎖又は分岐のC1〜4アルキレン基であり、kは1〜10の整数である)である。式(III)のX’、Z及びmは、式(I)の重合性化合物中にA又はBとして存在する式(II)の任意の基のX’、Z及びkと同一であっても又は異なってもよい。
Bが式(III)による基であり、かつXが基[X’Z])である場合、Lは、式(II)の基の窒素原子に直接結合したアリル基と共に環化重合反応に関与し得る重合性二重結合を提供することが好ましい。X’が酸素原子であることが好ましい。Zについての直鎖又は分岐のC1〜4アルキレン基の好ましい例は、エチレン基及びプロピレン基である。kは1〜4の整数であることが好ましい。
Bが式(III)による基である好ましい実施形態によれば、XはCOである。
式(III)では、R及びRは互いに独立したものであり、式(II)について定義されるものと同じ意味を独立して有する。さらに、2つ以上の式(III)の基Bが式(I)の重合性化合物中に存在するときに2つ以上の基R及びRがそれぞれ存在する場合、各基R及びRがそれぞれ同一であっても又は異なってもよい。
具体的には、Bが式(III)による基である場合、Rは水素原子;−COOM;C3〜6シクロアルキル基、C6〜14アリール基若しくはC3〜14ヘテロアリール基、−COOM、−POM、−O−PO、又は−SOMで置換されてもよい直鎖又は分岐のC1〜6アルキル基;C1〜16アルキル基、C6〜14アリール基若しくはC3〜14ヘテロアリール基、−COOM、−POM、−O−PO、又は−SOMで置換されてもよいC3〜6シクロアルキル基;−COOM、−POM、−O−PO、又は−SOMで置換されてもよいC6〜14アリール又はC3〜14ヘテロアリール基である。
Bが式(III)による基である好ましい実施形態によれば、Rは水素原子である。RがC1〜16アルキル基である場合、C1〜6アルキル基は−COOMで置換されていることが好ましい。
Bが式(III)による基である場合、Rは水素原子;−COOM;C6〜14アリール基若しくはC3〜14ヘテロアリール基、−COOM、−POM、−O−PO及び−SOMで置換されてもよい直鎖若しくは分岐のC1〜6アルキル基;C1〜6アルキル基、C6〜14アリール基若しくはC3〜14ヘテロアリール基、−COOM、−POM、−O−PO、若しくは−SOMで置換されてもよいC3〜6シクロアルキル基;又は−COOM、−POM、−O−PO及び−SOMで置換されてもよいC6〜14アリール基若しくはC3〜14ヘテロアリール基である。
Bが式(III)による基である好ましい実施形態によれば、Rは水素原子又はメチル基である。
式(III)では、Rは水素原子;C3〜6シクロアルキル基、C6〜14アリール基若しくはC3〜14ヘテロアリール基、−COOM、−POM、−O−PO、又は−SOMで置換されてもよい直鎖又は分岐のC1〜16アルキル基;C1〜16アルキル基、C6〜14アリール基若しくはC3〜14ヘテロアリール基、−COOM、−POM、−O−PO、又は−SOMで置換されてもよいC3〜6シクロアルキル基;−COOM、−POM、−O−PO、又は−SOMで置換されてもよいC6〜14アリール基である。
式(III)の好ましい基Bは以下の通りであり、式中、Mは水素原子又は金属原子(a hydrogen atom o a metal atom)である。
Figure 2015533800
Bが式(IV)の基である場合、Bは以下の通りである。
Figure 2015533800
式(IV)では、XはCO、−CHCO−、CS又は−CHCS−である。
好ましい実施形態によれば、XはCO、−CHCO−である。
式(IV)では、R及びRは互いに独立したものであり、式(II)について定義されるものと同じ意味を独立して有する。さらに、2つ以上の式(IV)の基Bが式(I)の重合性化合物中に存在するときに2つ以上の基R及びRがそれぞれ存在する場合、各基R及びRがそれぞれ同一であっても又は異なってもよい。
具体的には、Bが式(IV)による基である場合、Rは水素原子;−COOM;C3〜6シクロアルキル基、C6〜14アリール基若しくはC3〜14ヘテロアリール基、−COOM、−POM、−O−PO、又は−SOMで置換されてもよい直鎖又は分岐のC1〜16アルキル基;C1〜16アルキル基、C6〜14アリール基若しくはC3〜14ヘテロアリール基、−COOM、−POM、−O−PO、又は−SOMで置換されてもよいC3〜6シクロアルキル基;−COOM、−POM、−O−PO、又は−SOMで置換されてもよいC6〜14アリール又はC3〜14ヘテロアリール基である。
Bが式(IV)による基である好ましい実施形態によれば、Rは水素原子である。RがC1〜16アルキル基である場合、C1〜16アルキル基は−COOMで置換されていることが好ましい。
Bが式(IV)による基である場合、Rは水素原子;−COOM;C6〜14アリール基若しくはC3〜14ヘテロアリール基、−COOM、−POM、−O−PO及び−SOMで置換されてもよい直鎖若しくは分岐のC1〜16アルキル基;C1〜16アルキル基、C6〜14アリール基若しくはC3〜14ヘテロアリール基、−COOM、−POM、−O−PO、若しくは−SOMで置換されてもよいC3〜6シクロアルキル基;又は−COOM、−POM、−O−PO及び−SOMで置換されてもよいC6〜14アリール基である。
Bが式(IV)による基である好ましい実施形態によれば、Rは水素原子又はメチル基である。
式(IV)の好ましい基は以下の通りであり、Mは水素原子又は金属原子である。
Figure 2015533800
Bが基[Z’X’’]Eである場合、Z’、X’’、m及びEの意味は以下の通りである。Z’は直鎖又は分岐のC1〜4アルキレン基である。C1〜4アルキレン基の具体例は、メチレン、エチレン、プロピレン及びブチレンである。
X’’は酸素原子、硫黄原子又はNHである。
Eは水素原子;PO;C3〜6シクロアルキル基、C6〜14アリール基若しくはC3〜14ヘテロアリール基、−COOM、−POM、−O−PO、又は−SOMで置換されてもよい直鎖又は分岐のC1〜16アルキル基;C1〜16アルキル基、C6〜14アリール基若しくはC3〜14ヘテロアリール基、−COOM、−POM、−O−PO、又は−SOMで置換されてもよいC3〜6シクロアルキル基;−COOM、−POM、−O−PO、又は−SOMで置換されてもよいC6〜14アリール又はC3〜14ヘテロアリール基である。
mは1〜10の整数である。
式(I)では、nは1〜4の整数であり、1〜3の整数であることが好ましい。式(I)の化合物の第1の好ましい一般的な基によれば、nは1である。式(I)の化合物の第2の好ましい一般的な基によれば、nは2である。
本発明の定義によれば、Mは互いに独立して、各々が水素原子又は金属原子を表す。上記金属原子は、アルカリ金属又はアルカリ土類金属であることが好ましい。アルカリ金属の具体例は、リチウム、ナトリウム、及びカリウムである。アルカリ土類金属の具体例は、カルシウム、ストロンチウム、及びマグネシウムである。また、上記金属原子はスズであってもよい。
或る具体的な実施形態によれば、式(I)の化合物は、N,N−ジアリルアクリルアミドの場合のような、単一の(メタ)アクリル基のみを含有する(メタ)アクリルアミドではなく、少なくとも2つの(メタ)アクリル基を含有する化合物である。
式(I)の重合性化合物は、以下のスキームに従って調製することができ、ここで、Aは重合性部分を表し、B及びCは連結B−Cを形成し得る部分を表す。連結B−Cは、縮合反応又は付加反応によって形成され得る。上記反応は、アミド結合、ウレタン結合、及びエステル結合の形成を含んでもよい。上記反応は、アミド結合又はウレタン結合の形成を含むことが好ましい。
Figure 2015533800
上記調製反応は、単一の部分Cを有する化合物、2つの部分Bを有する化合物及び2つの部分Cを有する化合物の混合物中で行われ得る。したがって、それによって末端位置等の或る特定の位置が部分Aによりキャップされ得る(B−B−C−C)nの鎖分布が観察される。代替的には、化合物A−C及びB−Bの化学量論的混合物を反応させ、その後、上記反応生成物を化合物C−Cと反応させる反応によって式(I)の重合性化合物を調製することが可能である。代替的には、化合物B−B及びC−Cの混合物を反応させ、その後、上記反応生成物をA−Cによりエンドキャップする反応によって式(I)の重合性化合物を調製することが可能である。
具体例は以下の通りである。
Figure 2015533800
上記反応は、例えば、Jerry March "Advanced Organic Chemistry" Fourth Edition, John Wiley & Sons, INC., 1992 Richard C. Larock "Comprehensive Organic Transformation", VCH Publishers, INC., 1989に記載される方法、又は上述の方法に準ずる方法に従って行われ得る。上記反応は、上記反応物を溶解することが可能な溶媒中で行われ得る。好適な溶媒の例はトルエンである。反応温度は特に限定されない。好適な反応温度は、−30℃〜上記溶媒の沸点である。反応時間は特に限定されず、5分〜48時間から選択され得る。
開始剤
本発明による歯科用組成物は、重合開始剤系を含んでもよい。上記開始剤系は、レドックス開始剤又は光開始剤に基づくものとすることができる。
上記歯科用組成物がレドックス開始剤を含有する場合、還元剤及び酸化剤の量は、所望の程度の重合を提供するのに十分でなくてはならない。上記混合されたが凝固していない本発明のセメントは、好ましくは、上記混合されたが凝固していないセメント成分の総重量(水を含む)ベースで、約0.01%〜約10%、より好ましくは約0.2%〜約5%、及び最も好ましくは約0.3%〜約3%の総合重量の還元剤及び酸化剤を含有する。上記還元剤及び酸化剤は、米国特許第5,154,762号に記載されるようにマイクロカプセル化することができる。これは、一般的には、セメント部分の保存安定性を高め、必要に応じて、還元剤及び酸化剤の両方を共にパッケージングすることを可能とする。水溶性及び水不溶性のカプセル材料を利用することができる。適切なカプセル材料としては、好ましくは、酢酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース及びヒドロキシエチルセルロースのようなセルロース系材料が挙げられる。その他のカプセル材料としては、ポリスチレン、ポリスチレンとその他のビニルモノマーとのコポリマー、及び、ポリメチルメタクリレート、メチルメタクリレートとその他のエチレン性不飽和モノマーとのコポリマーが挙げられる。好ましいカプセル材料は、エチルセルロース及び酢酸酪酸セルロースである。カプセル材料の選択及びカプセル化条件を変更することにより、硬化の開始を数秒〜数分の範囲の時間で開始するように適合させることができる。カプセル材料の活性化剤に対する量の比は、概して、0.5〜約10、好ましくは約2〜約6の範囲である。
好適な酸化剤(開始剤)としては、ベンゾイルペルオキシド、クメンヒドロペルオキシド(CHP)及びtert−ブチルヒドロペルオキシド等の過酸化物、塩化第一鉄、ヒドロキシルアミン(還元剤の選択に依る)、過ホウ酸及びその塩、並びに過マンガン酸アニオン又は過硫酸アニオンの塩が挙げられる。好ましい酸化剤は、過酸化物、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム及び過酸化水素である。
好適な還元剤(活性化剤)としては、アスコルビン酸、ベンジルチオウレアフェロウスクロリド(benzyl thiourea ferrous chloride)、硫酸第一鉄、ヒドラジン、ヒドロキシルアミン(酸化剤の選択に依る)、シュウ酸、チオ尿素、及び亜ジチオン酸又は亜硫酸アニオンの塩が挙げられる。好ましい還元剤としては、アスコルビン酸及び硫酸第一鉄が挙げられる。
光開始剤は、好適な波長及び強度の光に対する曝露に応じて重合性基の重合を促進することができなければならない。上記光開始剤は、十分な保存安定性があり、望ましくない着色がなく、典型的な歯科条件下での保存及び使用を可能とすることが好ましい。可視光の光開始剤が好ましい。好適な可視光誘導性及び紫外線誘導性の開始剤として、追加の水素供与体(ベンゼンスルフィン酸ナトリウム、アミン、及びアミンアルコール等)を伴う又は伴わないアルファ−ジケトン(例えば、カンファーキノン)が挙げられる。上記光開始剤は、所望の光重合速度を提供するのに十分な量で存在し得る。この量は、或る程度光源、放射エネルギーに曝されるセメント層の厚さ、及び光開始剤の減衰係数に依存するであろう。混合されたが凝固されていない本発明の光硬化性セメントは、混合されたが凝固していないセメント成分の総重量(水を含む)ベースで約0.01%〜約5%、より好ましくは約0.1%〜約2%の光開始剤を含有することが好ましいであろう。
フリーラジカル重合性モノマー
本発明による歯科用組成物は、1又は複数のフリーラジカル重合性モノマーを更に含有してもよい。歯科用材料に一般的に使用される(メタ)アクリレートモノマー及び対応する(メタ)アクリルアミドモノマーが好ましい。かかるモノマーの例としては、直鎖、分岐又は環状のリン酸二水素オメガ−メタクリロイルオキシ(C2〜18)アルキル、特に、リン酸二水素10−メタクリロイルオキシデシル(MDP)、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、N,N’−ジエチル−1,3−プロピレンビスアクリルアミド、エチル−2−[5−ジヒドロゲンホスホリル−5,2−ジオキサペンチル]アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、2,2−ビス[4−(3−メタクリロイルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル]プロパン(ビス−GMAと略される)、2,2−ビス[(メタ)アクリロイルオキシポリエトキシフェニル((meth)acryloyoxypolyethoxyphenyl)]プロパン、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、リン酸二水素2−メタクリロイルオキシエチル、リン酸水素ビス[2−メタクリロイルオキシエチル]、4−(2−メタクリロイルオキシエトキシカルボニル]フタル酸無水物(慣用名:4−META)、4−[2−メタクリロイルオキシエトキシカルボニル]フタル酸(慣用名:4−MET)、11,11−ジカルボキシウンデシル(メタ)アクリレート、3−メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、及び2−(N,N−ジメチルアミノ)エチルメタクリレート等が挙げられる。好ましい実施形態によれば、歯科用組成物は、更にリン酸二水素10−メタクリロイルオキシデシル(MDP)を含有し得る。
上記フリーラジカル重合性モノマーは、本発明の歯科用組成物中に、該組成物の総重量ベースで0.1重量%〜50重量%、好ましくは1.0重量%〜40重量%の量で含有され得る。
粒状充填剤
本発明の歯科用組成物が歯科用接着剤組成物、結合剤又は歯科用脱感作組成物である場合、該歯科用組成物は、粒状充填剤を更に含有してもよい。上記粒状充填剤は、1nm〜100nmの範囲、好ましくは3nm〜60nmの範囲の平均粒径を有し得る。上記粒状充填剤は、上記歯科用組成物の総重量ベースで0.05重量%〜20重量%の量で存在し得る。
本発明の歯科用組成物が小窩裂溝封鎖材、覆髄組成物、歯科用コンポジット、歯科用グラスアイオノマーセメント、歯科用セメント、又は歯科用根菅シーラー組成物である場合、該歯科用組成物は粒状充填剤を更に含有してよい。上記粒状充填剤は、1nm〜100μmの範囲、好ましくは1μm〜50μmの範囲の平均粒径を有し得る。上記粒状充填剤は、上記歯科用組成物の総重量ベースで0.5重量%〜80重量%の量で存在し得る。
ここで、以下の実施例に基づいて、本発明を更に説明する。
実施例1
1,3−ビス−アリルアミノ−2−プロパノールジヒドロクロリド塩の調製
Figure 2015533800
セプタム及びコンデンサを備えた250mL容の三口フラスコにアリルアミン75mL(1000mmol)を投入し、65℃(油浴温度)まで加熱した。その後、撹拌を続けながら、エピクロロヒドリン19.6mL(250mmol)を4時間に亘り滴下し、この混合物を還流下で更に16時間撹拌した。アセトン中の沈殿により白色固体生成物が得られ、アセトンで洗浄して残留する副生成物及び出発材料を除去した。化合物を真空下で蒸発乾固した。
Figure 2015533800
収量:14.5g(24%d.Th.)
IR v[cm−1]:3290(m)、3089(w)、2947(s)、2719(s)、2431(s)、1648(w)、1447(s)、1427(m)、1113(w)、992(s)、931(s)
H−NMR[ppm]:(300MHz、CDCl):2.87〜3.09(m,4H,H5,8)、3.57(d,4H,=6.82Hz,H3,10)、4.27〜4.31(m,1H,H6)、5.38(dd,2H,=1.41Hz,=10.39Hz,H1,12)、5.47(dd,2H,=1.41Hz,=17.19Hz,H1,12)、5.87〜6.00(m,2H,H2,11)、9.41(s,4H,H4,9)
MS(EI):m/z=171
1.)1,3−ビス−アリルアミノ−2−プロパノールジヒドロクロリド塩のアクリル化
Figure 2015533800
セプタム及びコンデンサを備えた250mL容の三口フラスコに、ジクロロメタン100mL中に溶解した1,3−ビス−アリルアミノ−2−プロパノールジヒドロクロリド2225mg(9.18mmol)及びトリエチルアミン7.63mL(101.2mmol)を窒素雰囲気下で投入した。混合物を5℃まで冷却し、クロロトリメチルシラン4.1mL(32.13mmol)を滴下した。添加の完了後、反応物を終夜撹拌した。その後、ジクロロメタン20mL中に溶解したアクリロイルクロリド1.6mL(20.2mmol)を、温度を−78℃に維持しながら滴下し、室温で約4時間撹拌した。その後、1N HCl 100mLを添加し、2時間撹拌した。1H HCl 100mLで有機層を3回洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過して真空下で蒸発乾固した。残渣をCHCl/EtOH(容積比、95:5)を用いて溶出するカラムクロマトグラフィーで精製し、粘稠液を得て、この粘稠液から帯黄色固体を結晶化させた。
Figure 2015533800
収量:1.52g(59%d.Th.)
IRv[cm−1]:3370(m)、3084(w)、2927(m)、1641(s)、1605(s)、1442(s)、1417(s)、1223(s)、1101(m)、795(s)
H−NMR[ppm]:(600MHz,CDCl):3.40〜3.48(m,4H,H5,8)、4.04〜4.07(m,4H,H3,10)、4.72(d,1H,H6)、5.09(d,2H,H1,12)、5.16(d,2H,H1,12)、5.64(d,2H,H15,18)、5.70〜5.78(m,2H,H2,11)、6.29(d,2H,H15,18)、6.42(dd,2H,H14,17)
13C−NMR[ppm]:(150MHz,CDCl):51.90(C3,10)、51.93(C5,8)、71.80(C6)、117.07(C1,12)、127.46(C2,11)、129.00(C15,18)、132.76(C14,17)、168.55(C13,16)
実施例1の化合物の重合熱は以下の通りである。
H=−129.7±1.1kJ/mol(37℃)、
H=−190.4±21.0kJ/mol(80℃)、(p=68.1%)
アクリレート基が約80kJ/molで重合熱に寄与することを考慮すると、実施例1の化合物は、2つのアクリレート基の存在により68.1%の割合で反応して約109kJ/molの重合熱を示すと予想される。したがって、約81kJ/molの残りの重合熱はアリル基によるものであろう。通常であれば、アリル基はラジカル重合に関与しないため、本件では、各アリル基は40.5kJ/molの割合で寄与すると考えれば、本発明の化合物は、メタクリレート基と同様の60kJ/molの割合で寄与すると思われる反応性のアリル基を提供する。
実施例2
Figure 2015533800
混合物を室温で24時間撹拌した後、ジクロロメタン中のジアリルアミンへのアクリロイルクロリド及びトリエチルアミンの添加により化合物4を調製した。真空蒸留の後、非常に高い純度で生成物が得られたが、反応の収率は23%であった。
カラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル、90:10→75:25)による処理の後、79%の化合物1を得ることができた。
H−NMR(600MHz,CDCl):δ[ppm]=3.94(dd,2H,J=4.4,2.1Hz,3a−H)、4.04(df,2H,J=6.1,1.4Hz,3b−H)、5.12〜5.24(m,4H,5a,b−H)、5.68(dd,1H,J=10.4,2.1Hz,1a−H)、5.75〜5.83(m,2H,4a,b−H)、6.37(dd,1H,J=16.8,2.1Hz,1b−H)、6.49(dd,1H,J=16.7,10.3Hz,2−H)。
IR max□[cm−1]=3082(w)、3012(w)、2984(w)、2916(w)、1848(w)、1649(s,Amide I)、1613(s)、1464(m)、1437(s)、1415(s)、1360(w)、1343(w)、1277(w)、1221(s)、1193(m)、1138(w)、1059(w)、979(m)、956(m)、920(s)、794(s)、686(w)、653(w)、558(m)、508(w)。
GC−MS m/z(/in%)=151(8)、110(25)、70(25)、56(55)、55(100)、41(25)。
実施例2の化合物の重合熱は以下の通りである。
H(37℃)=−135.1±4.0kJ/mol
上記重合熱は、ラジカル重合におけるアリル基の反応性を示し、これはアクリレート基に匹敵する。
実施例3
N,N’−ジアリルプロパン−1,3−ジアミン
参照文献:Anita H. Lewin et al., J. Med. Chem., 1998, 41 (6), pp 988-995
Figure 2015533800
1,3−ジブロモプロパン4.06mL(40mmol)及びHO 2.2mLの冷たい(0℃)混合物にアリルアミン15mL(200mmol)を添加した。混合物を徐々に室温まで温め、その後、加熱して終夜還流した。得られた溶液を少量のHOで希釈し、固体KOHで飽和した。その後、混合物をEtOAc(3×60mL)で抽出し、MgSO上で乾燥させて真空下で蒸発させた。
Figure 2015533800
収量:4.7g(77%)
IR v[cm−1]:3272(w,br)、3075(m)、3006(w)、2977(w)、2923(m)、2806(s)、1738(m)、1642(m)、1453(s)、1417(m)、1241(m)、1116(s)、993(s)、913(s)、748(s)、634(m)
H−NMR[ppm]:(300MHz,CDCl):1.70(tt,2H,=6.8Hz,H6)、2.69(t,4H,=6.8Hz,H5,7)、3.23(dt,4H,=6.0Hz,=1.4Hz,H3,9)、5.05〜5.10(m,2H,H1,11)、5.11〜5.19(m,2H,H1,11)、5.80〜5.94(m,2H,H2,10)
13C−NMR[ppm]:(75MHz,CDCl):29.84(C6)、47.97(C5,7)、52.38(C3,9)、116.21(C1,11)、136.48(C2,10)
N,N−ジ(アリルアクリルアミド)プロパン
Figure 2015533800
セプタム及びコンデンサを備えた500mL容の三口フラスコに、ジクロロメタン250mL中に溶解したN,N’−ジアリルプロパン−1,3−ジアミン2.25g(14.6mmol)及びトリエチルアミン12.1mL(88mmol)を窒素雰囲気下で投入した。その後、ジクロロメタン20mLに溶解したアクリロイルクロリド5.9mL(73mmol)を、温度を−78℃に維持しながら滴下し、室温で終夜撹拌した。その後、1N HCl 100mLを添加し、2時間撹拌した。層を分離し、水層をジクロロメタン100mLで洗浄した。その後、合わせた有機層を1N HCl 100mLで3回洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過して真空下で蒸発乾固した。残渣をCHCl/EtOH(容積比、95:5)を用いて溶出するフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製し、淡黄色の液体を得た。この生成物はやや水溶性であった。
Figure 2015533800
収量:1.0g(27%)
IR v[cm−1]:3491(w,br)、3080(w)、3011(w)、2979(w)、2931(w)、1721(w)、1644(s)、1609(s)、1427(s)、1376(m)、1320(w)、1272(w)、1218(s)、1134(m)、1093(w)、1057(m)、977(s)、921(s)、859(w)、794(s)
H−NMR[ppm]:(300MHz,CDCl):1.83(tt,2H,=7.5Hz,H6)、3.30〜3.41(m,4H,H5,7)、3.95〜4.02(m,4H,H3,9)、5.09〜5.22(m,4H,H1,11)、5.61〜5.83(m,4H,H2,10,15,19)、6.25(m,4H,H13,15,18,19)
13C−NMR[ppm]:(75MHz,CDCl):27.88(C6)、44.36(C5,7)、50.21(C3,9)、116.93(C1,11)、128.05(C13,15,18,19)、133.10(C2,10)、166.72(C12,16)
実施例4
N−アリルアクリルアミドの合成
2.28gのアリルアミン(40mmol)を冷却下で40mlのジクロロメタン中で撹拌した。15mlのジクロロメタン中の4.05gのトリエチルアミン(40mmol)をこの溶液に添加した。その後、15mlのジクロロメタン中の1.5当量(60mmol、5.43g)のアクリロイルクロリドを冷却下で滴下した。得られた混合物を室温で24時間撹拌した。その後、溶液を100mlの水で3回抽出した。有機層を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、減圧下で濃縮した。得られた粗生成物である無色の液体を、その後、真空蒸留(bp58℃〜59℃、2.6×10−2mbar)で精製した。収率:28%。
実施例5
(2E)−N,N’−ジ(プロパ−2−エン−1−イル)ブタ−2−エン−1,4−ジアミン
Figure 2015533800
滴下漏斗を備えた500mL容のフラスコに、アリルアミン145mL(1930mmol)、アセトニトリル100mL及び炭酸カリウム33.3g(241mmol)を投入した。アセトニトリル100mL中に溶解したトランス−1,4−ジブロモ−2−ブテン20.6g(96.5mmol)を1時間に亘り滴下し、この溶液を1時間撹拌した。固体を濾過して除き、過剰なアリルアミン及びアセトニトリルを真空下で蒸発させて無色の液体を得た。この生成物を更に精製を行わずに次の工程で使用した。
Figure 2015533800
収量:12.5g(78%d.Th.)
IR v[cm−1]:3249(m,br)、3075(m)、2976(m)、2916(m)、2810(m)、1641(s)、1488(w)、1450(m)、1418(m)、1364(w)、1200(w)、1117(m)、992(s)、972(s)、913(s)、744(s)、634(w)、562(w)。
H−NMR[ppm]:(300MHz,CDCl):1.08(s,H1,6)、3.20〜3.24(m,8H,H2,5,7,10)、5.06(dq,2H,J=1.4Hz,J=10.2Hz,H9,12)、5.14(dq,2H,J=1.7Hz,J=17.1Hz,H9,12)、5.67(m,2H,H3,4)、5.81〜5.94(m,2H,H8,11)。
N,N’−(2E)−ブタ−2−エン−1,4−ジアリルビス−[(N−プロパ−2−エン−1)アミド]
Figure 2015533800
滴下漏斗、KPG撹拌機及びコンデンサを備えた2L容の三口フラスコに、ジクロロメタン500mLに溶解した(2E)−N,N’−ジ(プロパ−2−エン−1−イル)ブタ−2−エン−1,4−ジアミン12g(72.2mmol)、トリエチルアミン65mL(469mmol)及び2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール(BHT)10mgを窒素雰囲気下で投入した。混合物を−5℃まで冷却し、クロロトリメチルシラン23mL(180mmol)を滴下し、30分間撹拌した。その後、ジクロロメタン150mLに溶解したアクリロイルクロリド29.2mL(361mmol)を、−50℃を下回る温度に維持しながら滴下し、室温で90分間撹拌した。その後、1N HCl 200mLを添加し、30分間撹拌した。層を分離し、有機層を1N HCl 200mLで2回洗浄し、MgSO上で乾燥させ、濾過して真空下で蒸発乾固した。残渣をCHCl/EtOH(容積比、95:5)を用いて溶出するフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製し、淡黄色の液体を得た。
Figure 2015533800
収量:10.3g(52%d.Th.)
IR v[cm−1]:3080(w)、3011(w)、2974(w)、2912(w)、1645(s)、1610(s)、1463(m)、1437(s)、1416(s)、1361(m)、1309(w)、1275(w)、1263(w)、1214(s)、1189(m)、1131(w)、1063(w)、1027(w)、975(s)、925(s)、794(s)、732(m)、697(w)、668(m)、630(m)、557(m)。
H−NMR[ppm]:(300MHz,CDCl):3.88〜4.08(m,8H,H1,4,5,8)、5.08〜5.23(m,4H,H7,10)、5.53〜5.59(m,2H,H15,20)、5.65〜5.70(m,2H,H2,3)、5.71〜5.83(m,2H,H6,9)、6.36(d,2H,J=17.0Hz,H15,20)、6.46(dd,2H,J=10.1Hz,J=16.6Hz,H14,19)。
適用例1〜2及び比較例1(グラスアイオノマー)
グラスアイオノマーは液体及びガラス粉末で構成される。
液体
表1に示される個別の成分を混合することにより、液体1〜3を調製した。
Figure 2015533800
ガラス粉末
ガラス粉末として平均粒径1.7μmのストロンチウムアルミニウムケイ酸塩ガラスを使用した。
グラスアイオノマー
上記液体を、ガラス粉末に対して1:2.8の比率(表2)で20秒〜30秒間混合した。その後、金属型に混合した材料を導入することによって、2mm×2mm×25mmの寸法の長方形ブロックの6個の検体を各組成物について調製した。これらをMelinexホイルで覆い、2つのガラス板の間で圧力をかけた。全体の調製時間は60秒を超えない。上記検体をLicuLiteオーブンで各側面から20秒間硬化させた。光硬化の後、試料を型から取り出し、角を紙やすりで磨いて丸くした(deflashed)。試料を37℃にて湿度100%の環境で1時間保存し、その後、37℃で24時間水に浸漬した。Zwickの試験機を使用して、グラスアイオノマー1〜3の曲げ強度(表2)を計測した。各組成物の6個の試料から算術平均及び標準偏差を算出した。
Figure 2015533800
適用例3及び比較例2(接着剤)
接着剤混合物は、モノマー、開始剤系及び二成分溶媒系で構成される。
製剤
表3に示される個別の成分を混合することにより、接着剤製剤1及び2を調製した。
Figure 2015533800
調製
上記液体を表3に示される比率で混合し、密閉容器中、黄色灯条件下で22℃にて2時間撹拌した。
塗布
全ての溶液を、以下の工程を使用して、予め適当な状態にされたヒト大臼歯の粗面(エナメル質及び象牙質)に塗布した。
アプリケーターマイクロブラシを使用して塗布する工程、20秒間穏やかに揺り動かす工程、少なくとも5秒間に亘り溶媒を完全に蒸発させる工程、及び最後に、10秒間青色灯(最小出力レベル800mW/cm)で硬化させる工程。
Spectrum TPH3 (A2)コンポジットポストを各表面に配置し、その使用のための指示書に従って青色灯で硬化させた。検体を37℃の水中に24時間保存し、その後、Zwickの試験機を使用してせん断接着強度(表4)を求めた。各組成物の6個の試料及び各テンプレート(エナメル質/象牙質)からそれぞれ算術平均及び標準偏差を算出した。
Figure 2015533800
比較例2の粘着力は、適用例3と比べるとエナメル質上で43%、象牙質上で77%に過ぎなかった。
適用例4及び比較例3(接着剤)
接着剤混合物は、モノマー、開始剤系及び二成分溶媒系で構成される。
製剤
表4に示される個別の成分を混合することにより、接着剤製剤1及び2を調製した。
Figure 2015533800
調製
上記液体を表4に示される比率で混合し、密閉容器中、黄色灯条件下で22℃にて2時間撹拌した。
塗布
全ての溶液を、以下の工程を使用して、予め適当な状態にされたヒト大臼歯の粗面(エナメル質及び象牙質)に塗布した。
アプリケーターマイクロブラシを使用して塗布する工程、20秒間穏やかに揺り動かす工程、少なくとも5秒間に亘り溶媒を完全に蒸発させる工程、及び最後に、10秒間青色灯(最小出力レベル800mW/cm)で硬化させる工程。
Spectrum TPH3 (A2)コンポジットポストを各表面に配置し、その使用のための指示書に従って青色灯で硬化させた。検体を37℃の水中に24時間保存し、その後、Zwickの試験機を使用してせん断接着強度(表5)を求めた。各組成物の6個の試料及び各テンプレート(エナメル質/象牙質)からそれぞれ算術平均及び標準偏差を算出した。
Figure 2015533800
比較例3の粘着力は、適用例4と比べるとエナメル質上で54%、象牙質上で78%に過ぎなかった。

Claims (15)

  1. 歯科用組成物であって、下記式(I):
    A−L(B) (I)
    (式(I)中、
    Aは下記式(II)
    Figure 2015533800
    (式(II)中、
    は、CO、CS、CH又は基[X’Z](式中、X’は酸素原子、硫黄原子、又はNHであり、Zは直鎖又は分岐のC1〜4アルキレン基であり、kは1〜10の整数である)であり、
    は水素原子、
    −COOM、
    3〜6シクロアルキル基、C6〜14アリール基若しくはC3〜14ヘテロアリール基、−COOM、−POM、−O−PO又は−SOMで置換されてもよい直鎖又は分岐のC1〜16アルキル基、
    1〜16アルキル基、C6〜14アリール基若しくはC3〜14ヘテロアリール基、−COOM、−POM、−O−PO又は−SOMで置換されてもよいC3〜6シクロアルキル基、
    −COOM、−POM、−O−PO又は−SOMで置換されてもよいC6〜14アリール基又はC3〜14ヘテロアリール基であり、
    は水素原子、
    −COOM、
    6〜14アリール基若しくはC3〜14ヘテロアリール基、−COOM、−POM、−O−PO、若しくは−SOMで置換されてもよい直鎖若しくは分岐のC1〜16アルキル基、
    1〜16アルキル基、C6〜14アリール基若しくはC3〜14ヘテロアリール基、−COOM、−POM、−O−PO、若しくは−SOMで置換されてもよいC3〜6シクロアルキル基、又は、
    −COOM、−POM、−O−PO及び−SOMで置換されてもよいC6〜14アリール基若しくはC3〜14ヘテロアリール基である)
    の基であり、
    Lは単結合又は(n+1)価のリンカー基であり、
    Bは、独立して、
    Aの定義による基、
    下記式(III)
    Figure 2015533800
    (式(III)中、
    は、独立して、式(II)のXについて定義されるものと同じ意味を有し、
    及びRは互いに独立したものであり、独立して式(II)に定義されるものと同じ意味を有し、
    Rは水素原子、
    3〜6シクロアルキル基、C6〜14アリール基若しくはC3〜14ヘテロアリール基、−COOM、−POM、−O−PO又は−SOMで置換されてもよい直鎖又は分岐のC1〜16アルキル基、
    1〜16アルキル基、C6〜14アリール基若しくはC3〜14ヘテロアリール基、−COOM、−POM、−O−PO又は−SOMで置換されてもよいC3〜6シクロアルキル基、
    −COOM、−POM、−O−PO又は−SOMで置換されてもよいC6〜14アリール基又はC3〜14ヘテロアリール基である)
    の基、
    下記式(IV)
    Figure 2015533800
    (式(IV)中、
    はCO、−CHCO−、CS、又は−CHCS−であり、
    及びRは互いに独立したものであり、独立して式(II)に定義されるものと同じ意味を有する)
    の基、又は、
    基[Z’X’’]
    (式中、
    Z’は直鎖又は分岐のC1〜4アルキレン基であり、
    X’’は酸素原子、硫黄原子又はNHであり、
    Eは水素原子、
    PO
    3〜6シクロアルキル基、C6〜14アリール基若しくはC3〜14ヘテロアリール基、−COOM、−POM、−O−PO又は−SOMで置換されてもよい直鎖又は分岐のC1〜16アルキル基、
    1〜16アルキル基、C6〜14アリール基若しくはC3〜14ヘテロアリール基、−COOM、−POM、−O−PO又は−SOMで置換されてもよいC3〜6シクロアルキル基、
    −COOM、−POM、−O−PO又は−SOMで置換されてもよいC6〜14アリール基又はC3〜14ヘテロアリール基であり、
    mは1〜10の整数である)
    であり、
    nは1〜4の整数であり、
    ここで、互いに独立するMは、各々、水素原子又は金属原子を表し、
    Lが単結合である場合、BはA又は式(III)の基の定義による基であってはならない)
    の重合性化合物を含む、歯科用組成物。
  2. nが1である、請求項1に記載の歯科用組成物。
  3. Lが単結合である、請求項1又は2に記載の歯科用組成物。
  4. Lがリンカー基である、請求項1又は2に記載の歯科用組成物。
  5. がCOである、請求項1〜4のいずれか一項に記載の歯科用組成物。
  6. 前記Lのリンカー基が、1個〜3個のカルボニル基、又は酸素、窒素及び硫黄から選択されるヘテロ原子を含有してもよく、ヒドロキシル基、C6〜14アリール基、−COOM、POM、−O−PO又は−SOM(式中、Mは水素原子又は金属原子である)で置換されてもよいC1〜12炭化水素基である、請求項1、2、4又は5に記載の歯科用組成物。
  7. 前記C1〜12炭化水素基が、下記式(V)
    −Y−L’−Y’− (V)
    (式(V)中、Y及びY’は独立して単結合又はCO又はCSを表し、L’はC1〜12アルキレン基、C3〜12シクロアルキレン基、又はC1〜12アルケニレン基である)
    の基である、請求項6に記載の歯科用組成物。
  8. がCOである、請求項7に記載の歯科用組成物。
  9. YがCOである、請求項7に記載の歯科用組成物。
  10. が水素原子であり、Rが水素原子又はメチル基である、請求項7に記載の歯科用組成物。
  11. 前記リンカー基が、下記式(V)
    −Y−L’−Y’− (V)
    (式(V)中、
    Y及びY’はCOを表し、式(V)のポリアミド部分は、下記式(VI)
    (NHR’’) (VI)
    (式(VI)中、
    は、炭化水素基の骨格中に窒素原子、酸素原子、又は硫黄原子から選択される1個〜6個のヘテロ原子を任意に含有してもよく、任意に、ヒドロキシル基、チオール基及びアミノ基から選択される1個〜6個の官能基を含有してもよい、y価のC2〜20直鎖、分岐又は環状の炭化水素基を表し、
    R’’は、水素原子、アリル基、C3〜6シクロアルキル基又はC6〜14アリール基で置換されてもよい直鎖又は分岐のC1〜6アルキル基、C1〜6アルキル基又はC6〜14アリール基で置換されてもよいC3〜6シクロアルキル基を表し、
    yは2以上の整数を表す)
    のジアミンと、
    少なくとも2つのカルボン酸基を有する下記式(VII)
    MOOC−R−COOM (VII)
    (式(VII)中、
    は、炭素−炭素二重結合を任意に含有してもよく、炭化水素基の骨格中に窒素原子、酸素原子、又は硫黄原子から選択される1個〜6個のヘテロ原子を含有してもよく、任意に、カルボン酸基、ヒドロキシル基、チオール基及びアミノ基から選択される1個〜6個の官能基を含有してもよいC1〜20の直鎖、分岐、環状又は芳香族の炭化水素基を表し、Mは同一であっても又は異なってもよく、独立して水素原子又は金属原子を表す)
    の化合物と、
    を含有する混合物の逐次重合工程を含むプロセスによって得ることができる)
    のポリアミド残基である、請求項4に記載の歯科用組成物。
  12. 及びYの少なくとも一方がCOである、請求項1〜11のいずれか一項に記載の歯科用組成物。
  13. 前記式(I)の化合物が、130〜10000の平均分子量を有し、及び/又は歯科用接着剤組成物、結合剤、小窩裂溝封鎖材、歯科用脱感作組成物、覆髄組成物、歯科用コンポジット、歯科用グラスアイオノマーセメント、歯科用セメント、歯科用根菅シーラー組成物、及び歯科用浸透剤から選択される、請求項1〜12のいずれか一項に記載の歯科用組成物。
  14. Bが式(II)又は式(III)の基ではない、請求項1又は3に記載の歯科用組成物。
  15. 歯科用接着剤組成物、結合剤、小窩裂溝封鎖材、歯科用脱感作組成物、覆髄組成物、歯科用コンポジット、歯科用グラスアイオノマーセメント、歯科用セメント、歯科用根菅シーラー組成物、及び歯科用浸透剤から選択される歯科用組成物の調製に対する、請求項1に定義される式(I)の化合物の使用。
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