JP2016536319A - 歯科用組成物 - Google Patents

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エー クレー,ヨアヒム
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ピエール フォシエ,ジャン
ピエール フォシエ,ジャン
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デンツプライ デトレイ ゲー.エム.ベー.ハー.
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Abstract

光硬化性歯科用組成物であって、(a)1つ又は複数のラジカル重合性モノマーと、(b)該組成物中のラジカル重合性モノマーの総重量に対して0.1重量パーセント〜7.0重量パーセントの、下記式(I):R1R2R3X(CO)X’R4R5R6(I)(式中、X及びX’は、同じであっても異なっていてもよく、独立して、Si又はGeを表し、R1、R2、R3、R4、R5及びR6は、同じであっても異なっていてもよく、独立して、炭素数1〜20の炭化水素基を表し、R1、R2、R3、R4、R5及びR6の任意の2つの炭化水素基は、互いに結合して、それらが接続するX、X’又はX(CO)X’部位のいずれかと合わせて、3員〜12員の複素環を形成するものであってもよく、該炭化水素基又は該複素環のいずれかが、X(CO)X’部位のケト基以外の1つ若しくは複数のケト基を含有するか、又は、ハロゲン原子、シアノ基、アミノ基若しくはヒドロキシ基から選択される1つ又は複数の基によって置換されていてもよく、かつ上記炭化水素基又は上記複素環が、アルキレン鎖又はアルケニレン鎖を含有する場合には、該アルキレン鎖又は該アルケニレン鎖中の1つ又は複数の炭素原子を、酸素原子、硫黄原子、アミド基、エステル基、ウレタン基又はNH基で置き換えてもよい)の化合物とを含む、光硬化性歯科用組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、光硬化性歯科用組成物に含まれるラジカル重合性モノマーのラジカル重合を開始するのに有用な、特定の光開始剤化合物を含有する歯科用組成物に関する。本発明はまた、光硬化性歯科用組成物を製造するための光開始剤の使用に関する。
本発明による歯科用組成物は、高い重合効率及び硬化速度を有するため、硬化した歯科用組成物の機械特性を改善させることができる。
歯の修復は一般に、フリーラジカル重合性レジンを含有する光硬化性歯科用組成物を伴う。歯科用組成物の光硬化は、可視光に曝されるとフリーラジカルを発生する光開始剤系を伴う。フリーラジカルは典型的に、2つの経路のいずれかによって生成することができる:
(1)光開始剤化合物がエネルギーの吸収によって励起した後、化合物が、1つ若しくは複数のラジカルへと分解するか(ノリッシュI型)、又は、
(2)光開始剤化合物が励起し、励起した光開始剤化合物が、エネルギー移動若しくは酸化還元反応のいずれかによって第2の化合物と相互作用することで、化合物のいずれかからフリーラジカルが形成される(ノリッシュII型)。
光開始剤を、歯科用組成物における使用において有用なものとするためには、歯科用組成物の更なる成分による光の吸収又は遮蔽によって、光開始剤による吸収に利用可能なエネルギー量が制限されることから、光放射のラジカル生成への変換を示す量子収率を高くする必要がある。したがって、典型的な歯科用組成物の重合では、重合性基の70パーセントの変換しか期待することができないため、重合した歯科用組成物の機械強度は最適なよりも小さく、未反応のモノマーが重合した歯科用組成物から浸出する可能性もでてくる。浸出するモノマーは、有害な影響をもたらすおそれがある。この問題を改善させるために、高分子網目構造に包含されることが多い多官能性モノマーが往々にして用いられている。
加えて、歯科用組成物中に組み込む場合には、光開始剤は高い溶解性、熱安定性及び貯蔵安定性を有する必要がある。
最後に、歯科用組成物が通常、(メタ)アクリレート又は(メタ)アクリルアミドモノマーを含有する場合には、フリーラジカル光硬化は、酸素の存在によって阻害されるおそれがある。酸素による阻害は、ペルオキシルラジカルをもたらす、成長ラジカルと酸素分子との急速な反応に起因するものであり、該ペルオキシルラジカルは炭素−炭素不飽和二重結合に向かう反応性とは異なるため、光重合反応を開始することも又はそれに関与することもない。酸素による阻害は、早すぎる連鎖停止、それ故、不完全な光硬化をもたらすおそれがある。
したがって、重合開始剤系は、歯科用材料の品質に重大な影響を及ぼすものである。第三級アミンと組み合わせたカンファーキノンは往々にして、光開始剤系として使用される。しかしながら、アクリレート含有組成物中のアミンの存在によって、連鎖移動反応に起因して、得られる光硬化組成物に黄変がもたらされ、望ましくない臭気が生じ、かつ硬化組成物が軟化するため、安定剤の使用が必要となることが多い。それに加えて、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル等の芳香族アミンの使用は、毒性の問題を引き起こす。
さらに、患者の口内における歯科用組成物の重合中に、軟らかい組織の損傷を回避するために、光開始剤系を活性化させる光が、長波長を有することが望ましい。したがって、光開始剤系は、400nm〜800nmの範囲の所望の波長の光を効率的に吸収する発色団を含有することが必要である。しかしながら、光開始剤系の吸収係数が増大すると、光開始剤系の着色、それ故、歯科用組成物の着色も増してしまう。
したがって、発色団が重合中に効率的に破壊されることで、重合した歯科用組成物中における開始剤系の着色が消失することが必要となる。重合していない層を覆う重合層中に存在する光開始剤系によって、歯科用組成物の重合していない層により活性化光が遮蔽されないことから、重合中の発色団の破損は、歯科用組成物の硬化の深さを増大させる上でも有用となり得る。
非特許文献1は、ベンゾイルゲルマニウム誘導体を、歯科用材料の新規な可視光開始剤として開示している。ベンゾイルトリメチルゲルマニウムを、可視光の照射によって開裂させる。主なα開裂産物は、ベンゾイルラジカル及びゲルミルラジカルであると示唆される。ゲルミルラジカルの役割が重合開始剤であるとする証拠はない。むしろ、ベンゾイルラジカルが、観測された活性の要因となっている。したがって、歯科用組成物における重合反応中のゲルミルラジカルの活性は依然として認識されていない。
非特許文献2は、500nm超で反応するI型光開始剤系としてビス(ゲルミルケトン)を開示している。しかしながら、歯科用組成物、又は粒状フィラー及び/又は溶媒を含有する任意の組成物は、開示されていない。
N. Mozner and Ganster, B.et al., Dental Materials 24 (2008) 901-907 M.-A. Tehfe et al. Macromol. Rapid Commun. 2010, 31, 473-478
本発明の課題は、改善された重合効率、速い硬化速度及び高い貯蔵安定性を有し、かつ着色の問題を生じさせない結果、歯科用組成物の機械強度、並びにエナメル質及び象牙質に対する重合した歯科用組成物の付着が改善される、ラジカル重合性モノマーを含有する歯科用組成物を提供することである。それに加えて、本発明の課題は、歯科用組成物を製造するための特定の化合物の使用を提供することである。
本発明は、歯科用組成物であって、
(a)1つ又は複数のラジカル重合性モノマーと、
(b)上記組成物中のラジカル重合性モノマーの総重量に対して0.1重量パーセント〜7.0重量パーセントの、下記式(I):
X(CO)X’R (I)
(式中、
X及びX’は、同じであっても異なっていてもよく、独立して、Si又はGeを表し、
、R、R、R、R及びRは、同じであっても異なっていてもよく、独立して、炭素数1〜20の炭化水素基を表し、R、R、R、R、R及びRの任意の2つの炭化水素基は、互いに結合して、それらが接続するX、X’又はX(CO)X’部位のいずれかと合わせて、3員〜12員の複素環を形成するものであってもよく、
上記炭化水素基又は上記複素環のいずれかが、
X(CO)X’部位のケト基以外の1つ若しくは複数のケト基を含有するか、又は、
ハロゲン原子、シアノ基、アミノ基若しくはヒドロキシ基から選択される1つ又は複数の基によって置換されていてもよく、かつ、
上記炭化水素基又は上記複素環が、アルキレン鎖又はアルケニレン鎖を含有する場合には、該アルキレン鎖又は該アルケニレン鎖中の1つ又は複数の炭素原子を、酸素原子、硫黄原子、アミド基、エステル基、ウレタン基又はNH基で置き換えてもよい)の化合物と、
(c)粒状フィラー及び/又は溶媒と、
を含む、歯科用組成物を提供する。
それに加えて、本発明は、下記式(I):
Ge(CO)GeR (I)
(式中、X、X’、R、R、R、R、R及びRは、歯科用組成物を製造するために上記に規定した通りとする)の化合物の使用を提供するものである。
本発明は、本発明による式(I)のケトン化合物によって、改善された重合効率、速い硬化速度及び高い貯蔵安定性がもたらされるとともに、ラジカル重合性モノマーを含む歯科用組成物の着色の問題を生じさせないという認識に基づくものである。したがって、本発明によれば、光照射に対する暴露を低減させつつ比較的大量の歯科用組成物を光硬化させることができる。光開始剤化合物の高効率に起因して、酸素の存在、すなわち酸素による阻害は、本発明による歯科用組成物の光硬化中において深刻な不利点ではなくなる。最後に、本発明の歯科用組成物において光硬化速度が速いことから、該歯科用組成物は、光透過性が制限されるように着色又は充填することもできる。
λ>400nmとなるようフィルタにかけたキセノンランプによる露光を受けた際の、(1)光開始剤なし及び(2)DGK 1.5%w/wの存在下における、積層したHDDAの光重合プロファイルを示す図である。 473nmにおけるレーザダイオードによる照射を受けた際の(100mW/cm)、(1)DGK(2%w/w)の存在下、及び(2)DGK/ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート(2%/2%w/w)の存在下における、積層したTMPTAの光重合プロファイルを示す図である。 青色LED(SmartLite Focus(Dentsply))の発光スペクトルを示す図である。 レーザダイオード(例えば532nmにおける)の発光スペクトルを示す図である。 tert−ブチルベンゼン中におけるBSKの吸収スペクトル、及びSmartLite Focusによる露光(40秒、80秒、120秒、160秒の照射)を受けた際のBSKの光分解を示す図である。 BSK溶液(溶媒=tert−ブチルベンゼン)の照射について得られるESRスペクトル:実験(上の曲線)及びシミュレーション(下の曲線)スペクトル;SmartLite Focusによる露光(20秒)を示す図である。 SmartLite Focusによる露光(20秒、40秒)を受けた際の、BSK/DPI溶液(溶媒=tert−ブチルベンゼン/アセトニトリル)([DPI]=0.012M)の光分解を示す図である。 BSK/DPI溶液(溶媒=tert−ブチルベンゼン)の照射について得られるESRスペクトル:実験(上の曲線)及びシミュレーション(下の曲線)スペクトル;SmartLite Focusによる露光(20秒)を示す図である。 BSK/DPI溶液の退色((a)SmartLite Focusによる露光前及び(b)後)を示す図である。 種々の光開始系に関する積層したBisGMA/TEGDMAの光重合プロファイル(青色LED(SmartLite Focus)又は532nmにおけるレーザダイオードにより照射)を示す図である。
「重合」という用語は、モノマー等の多数のより小さい分子の共有結合によって化合させて、より大きな分子、すなわち、巨大分子又はポリマーを形成することに関する。モノマーを化合させると、単に線形の巨大分子が形成され得るか、又はモノマーを化合させると、一般に架橋ポリマーと称される三次元の巨大分子が形成され得る。重合性モノマーの変換率がより高い場合には、多官能性モノマーの量が減り、すなわち、浸出問題が緩和され得る。
「硬化」及び「光硬化」という用語は、架橋高分子網目構造への官能性オリゴマー及びモノマー、更にはポリマーの重合を意味する。硬化は、架橋剤の存在下における不飽和モノマー又はオリゴマーの重合である。
「光硬化性」及び「硬化性」という用語は、例えば、紫外線(UV)、可視光又は遠赤外線等の化学線で照射されると、架橋高分子網目構造へと重合する歯科用組成物に関する。
「ラジカル重合性モノマー」という用語は、重合を起こすことができる1つ又は複数の炭素−炭素二重結合(エチレン性不飽和基)を有する任意の不飽和材料を含むことを意味する。この用語は、不飽和モノマー、オリゴマー及び架橋剤を網羅するものとする。用語の単数形は、複数形も包含することを意図するものとする。オリゴマーアクリレート及び多官能性アクリレートは、ラジカル重合性モノマーの例である。
「量子収率」という用語は、光化学プロセスの効率を示すために本明細書中で使用されるものである。より詳細には、量子収率とは、個別の分子が、光子との相互作用中に光の量子を吸収する確度の尺度である。この用語は、吸収される光子1つ当たりの光化学的事象の数を表すものである。
「化学線」は、光化学的な作用を生み出すことができ、かつ、少なくとも150nmから1250nmまでの、1250nmを含む、また典型的には少なくとも300nmから750nmまでの、750nmを含む波長を有し得る、任意の電磁線である。
本発明は歯科用組成物に関する。歯科用組成物は、歯科用接着剤組成物、歯科用コンポジット、レジンにより改質された歯科用セメント、及び小窩裂溝封鎖材とすることができる。歯科用組成物は、化学線の照射によって硬化するものであってもよい。
歯科用組成物は好ましくは、0.5〜6.5、より好ましくは1〜4の範囲のpHを有する酸性歯科用組成物とすることができる。
歯科用組成物は、1つ又は複数のラジカル重合性モノマーを含有する。ラジカル重合性モノマーは好ましくは、重合性N置換アルキルアクリル若しくはアクリル酸アミドモノマー、又は(メタ)アクリレート化合物とすることができる。
重合性N置換アルキルアクリル又はアクリル酸アミドモノマーは好ましくは、下記式:
(式中、R10、R20及びR30は独立して、水素原子、又はC1〜C8アルキル基を表し;Aは、炭素数1〜10の二価の置換又は非置換の有機残基を表し、該有機残基は、1個〜3個の酸素原子及び/又は窒素原子を含有していてもよく;Zは、飽和した少なくとも三価の置換又は非置換のC1〜C8炭化水素基、飽和した少なくとも三価の置換又は非置換の環状C3〜C8炭化水素基を表し、nは少なくとも3である)の1つを特徴とする化合物から選択することができる。好ましくは、ラジカル重合性モノマーとしては、ビスアクリルアミド類、例えば、N,N’−ジエチル−1,3−ビスアクリルアミド−プロパン(BADEP)、1,3−ビスアクリルアミド−プロパン(BAP)、1,3−ビスアクリルアミド−2−エチル−プロパン(BAPEN)、N,N’−(2E)−ブタ−2−エン−1,4−ジアリルビス−[(N−プロパ−2−エン−1)アミド(BAABE)、及びN,N−ジ(シクロプロピルアクリルアミド)プロパン(BCPBAP)が挙げられる。
(メタ)アクリレート化合物は、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、エチルアクリレート、エチルメタクリレート、プロピルアクリレート、プロピルメタクリレート、イソプロピルアクリレート、イソプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)、ヒドロキシプロピルアクリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、ビス−フェノールAのジグリシジルメタクリレート(「bis−GMA」)、グリセロールモノアクリレート及びグリセロールジアクリレート、グリセロールモノメタクリレート及びグリセロールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート(エチレンオキシド繰り返し単位の数は2〜30で変動する)、ポリエチレングリコールジメタクリレート(エチレンオキシド繰り返し単位の数は2〜30で変化する)、特にトリエチレングリコールジメタクリレート(「TEGDMA」)、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトール及びジペンタエリスリトールのモノアクリレート・モノメタクリレート、ジアクリレート・ジメタクリレート、トリアクリレート・トリメタクリレート及びテトラアクリレート・テトラメタクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ジ−2−メタクリロイルオキシエチルヘキサメチレンジカルバメート、ジ−2−メタクリロイルオキシエチルトリメチルヘキサンエチレンジカルバメート、ジ−2−メタクリロイルオキシエチルジメチルベンゼンジカルバメート、メチレン−ビス−2−メタクリルオキシエチル−4−シクロヘキシルカルバメート、ジ−2−メタクリルオキシエチル−ジメチルシクロヘキサンジカルバメート、メチレン−ビス−2−メタクリルオキシエチル−4−シクロヘキシルカルバメート、ジ−1−メチル−2−メタクリルオキシエチル−トリメチル−ヘキサメチレンジカルバメート、ジ−1−メチル−2−メタクリルオキシエチル−ジメチルベンゼンジカルバメート、ジ−1−メチル−2−メタクリルオキシエチル−ジメチルシクロヘキサンジカルバメート、メチレン−ビス−1−メチル−2−メタクリルオキシエチル−4−シクロヘキシルカルバメート、ジ−1−クロロメチル−2−メタクリルオキシエチル−ヘキサメチレンジカルバメート、ジ−1−クロロメチル−2−メタクリルオキシエチル−トリメチルヘキサメチレンジカルバメート、ジ−1−クロロメチル−2−メタクリルオキシエチル−ジメチルベンゼンジカルバメート、ジ−1−クロロメチル−2−メタクリルオキシエチル−ジメチルシクロヘキサンジカルバメート、メチレン−ビス−2−メタクリルオキシエチル−4−シクロヘキシルカルバメート、ジ−1−メチル−2−メタクリルオキシエチル−ヘキサメチレンジカルバメート、ジ−1−メチル−2−メタクリルオキシエチル−トリメチルヘキサメチレンジカルバメート、ジ−1−メチル−2−メタクリルオキシエチル−ジメチルベンゼンジカルバメート、ジ−1−メチル−2−メタクリルオキシエチル−ジメチルシクロヘキサンジカルバメート、メチレン−ビス−1−メチル−2−メタクリルオキシエチル−4−シクロヘキシルカルバメート、ジ−1−クロロメチル−2−メタクリルオキシエチル−ヘキサメチレンジカルバメート、ジ−1−クロロメチル−2−メタクリルオキシエチル−トリメチルヘキサメチレンジカルバメート、ジ−1−クロロメチル−2−メタクリルオキシエチル−ジメチルベンゼンジカルバメート、ジ−1−クロロメチル−2−メタクリルオキシエチル−ジメチルシクロヘキサンジカルバメート、メチレン−ビス−1−クロロメチル−2−メタクリルオキシエチル−4−シクロヘキシルカルバメート、2,2’−ビス(4−メタクリルオキシフェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−アクリルオキシフェニル)プロパン、2,2’−ビス[4(2−ヒドロキシ−3−メタクリルオキシ−フェニル)]プロパン、2,2’−ビス[4(2−ヒドロキシ−3−アクリルオキシ−フェニル)]プロパン、2,2’−ビス(4−メタクリルオキシエトキシフェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−アクリルオキシエトキシフェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−メタクリルオキシプロポキシフェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−アクリルオキシプロポキシフェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−メタクリルオキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−アクリルオキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2’−ビス[3(4−フェノキシ)−2−ヒドロキシプロパン−1−メタクリレート]プロパン、並びに2,2’−ビス[3(4−フェノキシ)−2−ヒドロキシプロパン−1−アクリレート]プロパンの群から選択することができ、またこれらを挙げることができる。重合性成分の他の好適な例は、イソプロペニルオキサゾリン、ビニルアズラクトン、ビニルピロリドン、スチレン、ジビニルベンゼン、ウレタンアクリレート又はウレタンメタクリレート、エポキシアクリレート又はエポキシメタクリレート、及びポリオールアクリレート又はポリオールメタクリレートである。
重合性N置換アルキルアクリル若しくはアクリル酸アミドモノマー、又は(メタ)アクリレート化合物が、最大400、より好ましくは最大300の分子量を有するのが好ましい。
ラジカル重合性モノマー(a)がそれぞれ、1つ又は2つのラジカル重合性基を含有するのが好ましい。
ラジカル重合性モノマーと、歯科用組成物全体との配合比は、5重量%〜80重量%であることが好ましい。配合比は10重量%〜60重量%であるのがより好ましい。
好ましい実施形態によれば、本発明の歯科用組成物は、酸性基を有するラジカル重合性モノマーを含む。
それに加えて、本発明による歯科用組成物は、組成物中のラジカル重合性モノマーの総重量に対して0.1重量パーセント〜7.0重量パーセントの、下記式(I):
X(CO)X’R (I)
の化合物を含む。
式(I)の化合物は、I型光開始剤として作用することができるため、化合物により吸収される単一の光子によって、歯科用組成物を重合させることができる2つのラジカルRX及びX’Rが発生し得る。したがって、式(I)の化合物の量子収率は、等モル量のカンファーキノン/アミン開始剤の2倍とすることができる。
歯科用組成物は、組成物中のラジカル重合性モノマーの総重量に対して、2.5重量パーセント未満、好ましくは0.5重量パーセント〜2.0重量パーセントの式(I)の化合物を含有するのが好ましい。
式(I)中、X及びX’は、同じであっても異なっていてもよく、独立して、Si又はGeを表す。
第1の実施形態によれば、X及びX’を同じものである。したがって、式(I)の化合物は、下記式(II)のビス(シリル)ケトン、又は下記式(III)のビス(ゲルミル)ケトンである。
Si(CO)SiR (II)
Ge(CO)GeR (III)
第2の実施形態によれば、下記式(IV):
Si(CO)GeR (IV)
に従い、XはSi、X’はGeである。
式(I)、(II)、(III)及び(IV)中、R、R、R、R、R及びR部位は、同じであっても異なっていてもよく、独立して、炭素数1〜20、好ましくは炭素数2〜8、より好ましくは炭素数2〜6の炭化水素基を表す。
炭化水素基は、アルキル基、シクロアルキル基、シクロアルキルアルキル基、アラルキル基又はアリール基とすることができる。
アルキル基は直鎖又は分岐状のC1〜20アルキル基、通常はC1〜8アルキル基であり得る。C1〜6アルキル基の例としては、炭素数1〜6、好ましくは炭素数1〜4の線形又は分岐状のアルキル基、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル及びn−ヘキシルを挙げることができる。
シクロアルキル基はC3〜20シクロアルキル基であり得る。シクロアルキル基の例としては、炭素数3〜14の基、例えばシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシルを挙げることができる。シクロアルキルアルキル基としては、炭素数4〜20の基を挙げることができる。
シクロアルキルアルキル基としては、炭素数1〜6の線形又は分岐状のアルキル基と、炭素数3〜14のシクロアルキル基との組合せを挙げることができる。シクロアルキルアルキル基の例としては、例えばメチルシクロプロピル、メチルシクロブチル、メチルシクロペンチル、メチルシクロヘキシル、エチルシクロプロピル、エチルシクロブチル、エチルシクロペンチル、エチルシクロヘキシル、プロピルシクロプロピル、プロピルシクロブチル、プロピルシクロペンチル、プロピルシクロヘキシルを挙げることができる。
アラルキル基はC7〜20アラルキル基、通常は炭素数1〜6の線形又は分岐状のアルキル基と、炭素数6〜10のアリール基との組合せであり得る。アラルキル基の具体例はベンジル基又はフェニルエチル基である。
アリール基としては、炭素数6〜10のアリール基を挙げることができる。アリール基の例はフェニル及びナフチルである。アリール基は1つ〜3つの置換基を含有していてもよい。かかる置換基の例としては、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、アミノ基、C1〜6アルキル基、及びC1〜6アルコキシ基を挙げることができる。ここで、ハロゲン原子の実例はフッ素、塩素、臭素及びヨウ素であり得る。C1〜4アルキル基は、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル及びn−ブチルである。C1〜4アルコキシ基の実例は、例えばメトキシ、エトキシ及びプロポキシである。これらの置換基中のアルキル部分は、線形、分岐状又は環状であり得る。
好ましくは、炭化水素基は、フェニル基及びナフチル基から選択されるアリール基であり、これらの基は、ハロゲン原子、シアノ基、アミノ基、ヒドロキシ基、C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基から選択される1つ〜3つの基で任意に置換されていてもよく、又は炭化水素基は、直鎖若しくは分岐状のアルキル基、直鎖若しくは分岐状のアルケニル基、又は直鎖若しくは分岐状のアルキニル基から選択される非芳香族炭化水素基である。
1〜8アルキル基及びC3〜14シクロアルキル基は、C1〜4アルキル基、C1〜4アルコキシ基、フェニル基及びヒドロキシ基から選択される基の1つ又は複数の基で任意に置換されていてもよい。C1〜4アルキル基の例としては、炭素数1〜4の線形又は分岐状のアルキル基、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチルを挙げることができる。C1〜4アルコキシ基に関する例としては、炭素数1〜4の線形又は分岐状のアルコキシ基、例えば、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ及びtert−ブトキシを挙げることができる。
式(I)中、R、R、R、R、R及びRの任意の2つの炭化水素基は、互いに結合して、それらが接続するX、X’又はX(CO)X’部位のいずれかと合せて、3員〜12員の複素環を形成するものであってもよい。
式(I)中、炭化水素基又は複素環のいずれかが、X(CO)X’部位のケト基以外の1つ又は複数のケト基を含有するものであってもよい。
それに加えて、式(I)中、炭化水素基又は複素環のいずれかを、ハロゲン原子、シアノ基、アミノ基又はヒドロキシ基から選択される1つ又は複数の基で置換してもよい。したがって、炭化水素基中、幾つか又は全ての水素原子を、ハロゲン原子(例えば、フルオロ、ブロモ、クロロ)で置き換え、例えば、クロロメチル、クロロプロピル、ブロモエチル及びトリフルオロ等のハロ置換アルキル基、並びにシアノエチルとする。
炭化水素基又は複素環がアルキレン鎖又はアルケニレン鎖を含有する場合には、アルキレン鎖又はアルケニレン鎖中の1つ又は複数の炭素原子を、酸素原子、硫黄原子、アミド基、エステル基、ウレタン基又はNH基で置き換えてもよい。炭化水素基が炭素数2以上のアルキル基である場合には、アルキル基がアルキレンを含有する。したがって、炭化水素基がn−ヘキシル基である場合には、末端メチル基以外のアルキレン鎖の炭素原子のいずれかを、酸素原子、硫黄原子、アミド基、エステル基、ウレタン基又はNH基で置き換えてもよい。それ故、以下の基を、1つ又は複数の酸素原子で置き換えた場合の具体例として挙げることができる。
化合物の好ましい基は、X及びX’がGeを表し、R=R、R=R及びR=Rであり、R、R、Rが、同じであっても異なっていてもよく、独立して、C1〜6アルキル基又はフェニル基を表す式(I)の対称化合物である。
化合物の更に好ましい基は、X及びX’がSiを表し、R=R、R=R及びR=Rであり、R、R、Rが、同じであっても異なっていてもよく、独立して、C1〜6アルキル基又はフェニル基を表す式(I)の対称化合物である。
式(I)の化合物に関する具体例としては、ビス(トリフェニルゲルミル)メタノン、ビス(トリエチルゲルミル)メタノン、及びビス(トリメチルゲルミル)メタノンが挙げられる。
式(I)の化合物は、公表されている手順に従って製造することができる既知の化合物であってもよい。代替的に、式(I)の化合物は、下記スキームに従って製造することができる(Johannesen R. et al, J. Chem. Soc. Perkin Trans. 1, 2000, 2677-2679)。
上記スキーム中、XはGeであるのが好ましい。
該製造方法に従って、化合物1を、低温の非プロトン性溶媒中において強塩基で処理した後、化合物2と反応させると、化合物3が生成する。反応温度は、−20℃〜−100℃、好ましくは−40℃〜−80℃の範囲とすることができる。反応時間は特に制限なく、1時間〜24時間、好ましくは2時間〜10時間の範囲で選択することができる。反応混合物は水を添加することによってクエンチしてもよく、生成物をベンゼン内に抽出し、水で洗浄し、乾燥させて(MgSO)、エバポレーションすると、3がもたらされ得る。粗生成物は、更なる精製を必要とすることなく次の工程で使用することができる。
3を、低温の非プロトン性溶媒中において強塩基で処理した後、化合物4と反応させると、化合物5が生成し得る。反応温度は、40℃〜−80℃、好ましくは30℃〜−20℃の範囲とすることができる。反応時間は特に制限なく、1時間〜24時間、好ましくは2時間〜10時間の範囲で選択することができる。反応混合物はNHClの水溶液(10%)を添加することによってクエンチしてもよく、生成物をベンゼン内に抽出し、水で洗浄し、乾燥させて(MgSO)、エバポレーションすると、5がもたらされ得る。粗生成物は、更なる精製を必要とすることなく次の工程で使用することができる。
対称ケトンを製造する場合、2当量の2を用いることにより化合物5を一段階で得ることができる。
本発明に使用される化合物7は、スルフリルジクロリドの乾燥ジクロロメタン溶液を、窒素下で、化合物5の乾燥ジクロロメタン溶液に滴加させることによって製造することができる。混合物は、シクロヘキセンの乾燥ジクロロメタン溶液を滴加する前に30分間撹拌する。反応温度は特に制限なく、40℃〜−20℃の範囲で選択することができ、好ましくは0℃である。続いて、溶媒tを除去して、不活性雰囲気、好ましくはアルゴンガス中で、シリカゲルカラムを通じて、溶離液として第1の脱気ペンタンを用いて、残渣を溶離させた後、ペンタン−ジエチルエーテル20:1の脱気混合物、及び本発明の式(I)の化合物としての式(I)の化合物を単離させてもよい。
代替的には、−23℃等の低温において、水素化トリフェニルゲルマニウム等の三置換水素化ゲルマニウムにn−BuLiを添加し、続いて、ギ酸エチルを滴加(好ましくは、CaH上で新たに蒸留した)することによって対称ビス(ゲルミル)ケトンも製造することができる。続いて、反応混合物は、塩酸水溶液でクエンチする前に、室温以上に温めておいてもよい。有機相は分離され、水性相はジエチルエーテルで3度抽出される。有機相を合わせて、硫酸ナトリウム上で乾燥、濾過及び濃縮させると、対応するビス(ゲルミル)メタノール生成物が得られる。ビス(ゲルミル)メタノールの乾燥ジエチルエーテル溶液に、続いて、ジシクロヘキシルカルボジイミド及びピリジニウムトリフルオロアセテートを添加した。その後、フラスコを光から慎重に保護し、乾燥DMSOを滴加させる。撹拌を一晩続けた。上澄み液はその後、シリンジによって取り出し、0.2μmのシリンジフィルタに通して濾過する。濾液を真空下、光の非存在下でエバポレーションした後、所望のビス(ゲルミル)メタノンが得られる。
式(I)の化合物が、400nm〜900nmの範囲に吸収極大を有するのが好ましい。したがって、重合は、好ましくは460nm〜530nmの範囲の、青色又は緑色のLED光を用いて行うことができる。
歯科用組成物は、ノリッシュI型開始剤及びノリッシュII型開始剤から選択される更なる開始剤を含有することができる。
ノリッシュI型開始剤は、開始剤分子の光化学的開裂又はホモリシスによってフリーラジカル中間体をもたらすものである。好適な更なる開始剤としては、ヨードニウム塩、過酸化物、又はジアゾ化合物が挙げられる。好適なフリーラジカル重合開始剤は、有機過酸化物、例えば、ベンゾイルペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、アセトンペルオキシド、及びtert−ブチルヒドロペルオキシド、アゾ化合物、例えば、アゾビスイソブチロニトリル、及び1,1’アゾビス(シクロヘキサンカルボニトリル)から選択することができる。
ノリッシュII型開始剤は、光化学的引き抜きによってフリーラジカル中間体をもたらすものである。好適なノリッシュII型開始剤は、感応性材料と還元材料とを組み合わせたものとすることができる。感応性材料は、カンファーキノン、ベンジル、ジアセチル、ベンジルジメチルケタール、ベンジルジエチルケタール、ベンジルジ(2−メトキシエチル)ケタール、4,4’−ジメチルベンジル−ジメチルケタール、アントラキノン、1−クロロアントラキノン、2−クロロアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノン、1−ヒドロキシアントラキノン、1−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、1−ブロモアントラキノン、チオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−ニトロチオキサントン、2−メチルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、2−クロロ−7−トリフルオロチオキサントン、チオキサントン−10,10−ジオキシド、チオキサントン−10−オキシド、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、イソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾフェノン、ビス(4−ジメチルアミノフェニル)ケトン、4,4’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、及びアジド基を含む化合物であってよい。これらの感光性材料は、独立して、又はそれらの1つ又は複数を混合することによって使用することができる。
第三級アミンを還元材料として使用してもよい。第三級アミンの例としては、トリエタノールアミン、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、ジメチルアミノエチルメタクリレート、又は4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミルが挙げられる。
これらの還元材料に加えて、有機金属化合物、又はスルフィン酸誘導体を、還元材料として使用することができる。
更なる開始剤が、カンファーキノン/アミン、ヨードニウム塩、スルホニウム塩及びホスホニウム塩から選択されるのが好ましい。更なる開始剤は、下記式:
(式中、Rは同じであっても異なっていてもよく、置換されていてもよいアリール基を表し、R’は炭化水素基を表し、Yは、ヘキサフルオロアンチモネート、トリフルオロメチルスルフェート、ヘキサフルオロホスフェート、テトラフルオロボレート、ヘキサフルオロアルセネート及びテトラフェニルボレートから選択されるアニオンである)の化合物であるのが好ましい。
Rは、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、アミノ基、C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基から選択される1つ〜3つの置換基で置換されていてもよいフェニル基であるのが好ましい。
R’は、ハロゲン原子、シアノ基、ヒドロキシ基、アミノ基、C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基から選択される1つ〜3つの置換基で置換されていてもよい、炭素数1〜6の、線形、分岐状又は環状のアルキル基であるのが好ましい。
更なる開始剤は、
0.1≦(式(I)の化合物/更なる開始剤の質量)≦10
となる、式(I)の化合物の量と、更なる開始剤の量との比率で使用することができる。
更なる開始剤の使用は、特にヨードニウム塩の場合に相乗効果をもたらし得る。好ましいヨードニウム塩は、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート、及び(4−メチルフェニル)[4−(2−メチルプロピル)フェニル]ヨードニウムヘキサフルオロホスフェート(Irgacure250、BASF SEから入手可能な市販品)である。
本発明の歯科用組成物は、粒状フィラー及び/又は溶媒を更に含有していてもよい。
好適な粒状フィラーは、歯科用組成物に現在使用されているフィラーから選択することができる。フィラーは微粉化されているものとし、好ましくは約100μm未満の最大粒径及び約10μm未満の平均粒径を有する。フィラーは単峰性又は多峰性(例えば二峰性)の粒度分布を有し得る。
フィラーは無機材料であってもよい。フィラーは、重合性レジンに不溶性であり、任意で無機フィラーで充填された架橋有機材料であってもよい。フィラーは放射線不透性、放射線透過性又は非放射線不透性であり得る。好適な粒状無機フィラーの例は、石英、窒化ケイ素等の窒化物、例えばCe、Sb、Sn、Zr、Sr、Ba及びAlから誘導されたガラス、コロイドシリカ、長石、ホウケイ酸ガラス、カオリン、タルク、チタニア及び亜鉛ガラス、並びに焼成シリカ等のサブミクロンシリカ粒子等のような天然材料又は合成材料である。好適な非反応性有機フィラー粒子の例としては、充填又は無充填の微粉ポリカーボネート又はポリエポキシドが挙げられる。フィラー粒子の表面は、フィラーとマトリックスとの間の結合を増強するためにカップリング剤で処理されている。好適なカップリング剤の使用には、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン等が含まれる。
粒状フィラーは、欧州特許出願公開第2604247号により詳しく記載されているような、
(a)1nm〜1200nmのメジアン粒径(D50)を有する粒状フィラーを、被膜剤を含有するコーティング組成物でコーティングし、コーティング層を粒状フィラーの表面上に形成し、該コーティング層が、コーティング層の表面上に反応性基を示し、該反応性基が、付加重合性基及び逐次重合性基から選択され、これによって、コーティングされた粒状フィラーが形成されることと、続いて又は同時に、
(b)任意に更なる架橋剤の存在下及び任意に反応性基を示さない更なる粒状フィラーの存在下で、コーティングされた粒状フィラーを凝集させると、少なくとも1つのコーティング層によって互いに分離するとともに結合するコーティングされた粒状フィラー粒子と、任意の更なる粒状フィラー粒子とを含有するコーティングされた粒状フィラーの顆粒がもたらされ、これによって、少なくとも1つのコーティング層が、反応性基及び任意で更なる架橋剤を反応させることによって得られる架橋基によって架橋され得ることと、
(c)任意に、コーティングされた粒状フィラーの顆粒を粉砕、分級及び/又は篩分けすることと、
(d)任意に更に、コーティングされた粒状フィラーの顆粒を架橋させることと、
を含み、1μm〜70μmのメジアン粒径(D50)を有する複合フィラー粒子をもたらし、反応性基が、反応性基及び任意に更なる架橋剤を反応させることによって得られる架橋基へと変換し、粒状フィラーが、複合フィラー粒子の体積比で主成分となる、複合フィラー粒子を製造する方法によって得ることができるフィラーであってもよい。
本発明の歯科用組成物は好ましくは、組成物の総重量に対して0.1重量パーセント〜85重量パーセントの粒状フィラーを含むものであってもよい。
好適な溶媒は、水、アルコール、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール(n−、i−)、ブタノール(n−、iso−、ter.−)、ケトン、例えばアセトン等から選択することができる。
本発明の歯科用組成物は好ましくは、組成物の総重量に対して5重量パーセント〜75重量パーセントの溶媒を含むものであってもよい。
本発明の歯科用組成物は、安定剤、顔料、フリーラジカルスカベンジャー、重合阻害剤、反応性及び非反応性希釈剤、フィラーの反応性を増強させるようなカップリング剤、レオロジー改質剤、並びに界面活性剤を更に含有するものであってもよい。
好適な安定剤は、ビタミンC、無機硫化物及びポリスルフィド等の還元剤から選択することができる。
本発明による歯科用組成物は、一成分組成物であってもよい。
実施例1
ジ(ゲルミル)ケトン(DGK)の調製
DGKの合成のための[Macromol. Rapid Commun. 2010, 31, 473-478]に提示されている手順(スキーム1)を使用した。−23℃の水素化トリフェニルゲルマニウム(1g、3.28mmol)の乾燥THF(3mL)溶液に、n−BuLi(ヘキサン中2.5M、1.31mL、3.28mmol)を添加した。−23℃で15分後、ギ酸エチル(CaH上で新たに蒸留、0.58mL、1.64mmol)を滴加し、塩酸水溶液(1M)でクエンチする前に、反応混合物を15分かけて室温に温めた。有機相を分離し、水性相をジエチルエーテルで3度抽出した。合わせた有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させて、濾過及び濃縮すると、白色粉末が得られた。粗反応混合物のH NMR解析から、ビス(トリフェニルゲルミル)メタノール/ギ酸ビス(トリフェニルゲルミル)メチルエステルの3:7の比率が示された。これを乾燥THF(13mL)に溶解させ、0℃まで冷却させた。LiAlH(0.17g、4.37mmol)をその後、一度に添加し、塩酸水溶液(1M)でクエンチする前に、撹拌を0℃で1時間続けた。有機相を分離し、水性相をジエチルエーテルで3度抽出した。合わせた有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥させ、濾過及び濃縮すると、無色の油が得られた。これを9:1のEtOH/ベンゼン混合物中で結晶化させると、0.63g(60%)のビス(トリフェニルゲルミル)メタノールが得られた。H NMR(CDCl,300MHz)δ7.38〜7.18(30H)、5.38(s,1H)、1.5(1H;OH)。13C NMR(CDCl,75MHz)δ135.5、134.0、130.5、129.0、128.6、128.1、60.3。
続いて、ビス(トリフェニルゲルミル)メタノール(0.25g、3.9mmol)の乾燥ジエチルエーテル(2.3mL)溶液に、ジシクロヘキシルカルボジイミド(0.19g、9.2mmol)及びピリジニウムトリフルオロアセテート(0.09g、4.7mmol)を添加した。その後、フラスコを光から慎重に保護し、乾燥DMSO(111μL、15.7mmol)を滴加した。反応混合物はピンク色に変わり、撹拌を一晩続けた。その後、上澄み液をシリンジによって取り出し、0.2μmのシリンジフィルタに通して濾過した。その後、濾液を真空下、光の非存在下でエバポレーションすると、ビス(トリフェニルゲルミル)メタノンが赤色の固形物として得られた。
光重合法:
BaFペレット上に堆積させたラミネートフィルム(25μm厚)に、種々の光源:i)キセノンランプ(Hamamatsu、L8253、150W)により供給され、かつ可視光による照射(λ>400nm)を選択するようにフィルタにかけられた多色光(入射光強度:I≒60mW/cm)、及びii)473nmにおけるレーザダイオード(100mW/cm)を照射した。
二重結合含有率の進展は、[Fouassier, J. P.; Lalevee, J., Photoinitiators for Polymer Synthesis-Scope, Reactivity, and Efficiency. Wiley-VCH Verlag GmbH & Co. KGaA: 2012]に記載されているように、約1640cm−1におけるリアルタイムFTIR分光法によって継続的に追跡して観測した(Nexus870、Nicolet)。
トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)及び1,6−ヘキサンジオールジアクリレートHDDA(スキーム1)は、ベンチマークモノマーとして選択した。
DGKのフリーラジカル重合開始活性:
DGKは、可視光による露光を対象とする光開始剤とすることができ、すなわち、DGKの存在下では、種々のベンチマークアクリレートモノマー(TMPTA;HDDA)に関してかなり良好な重合プロファイルが得られた。重合はDGKの非存在下で観測されず、このことはラジカル重合のための光開始剤としてのDGKの役割を明確に示していた(図1の曲線1対曲線2)。DGKはまた、473nmにおける青色光レーザダイオードを受ける際にTMPTAの重合を開始させるのに極めて効率的なものである(図2)。ヨードニウム塩の存在下で、重合プロファイルは改善される(図2の曲線2対曲線1)。
実施例2:歯科用材料のための光開始剤としてのビス(シリル)ケトン
ビス(シリル)ケトン(BSK)の調製:
BSKの合成には[Kirschning, A.; Luiken, S.; Migliorini, A.; Loreto, M. A.; Vogt, M. Synlett 2009, 3, 429-432]に提示されている手順を適用した。最適化した合成経路を以下のスキーム2に示す。各工程の収率は、このスキームにおいて示されている。
照射源:
光硬化性サンプルの照射には種々の光、すなわち、477nmを中心とする青色LED(SmartLite Focus(DENTSPLY)約80mW/cm)、又は532nmを中心とするレーザダイオード(約100mW/cm)を使用した。照射源の発光スペクトルを図3に示す。
ESRスピントラッピング(ESR−ST)実験:
Bruker EMX−plusスペクトロメータ(Xバンド)を用いて、ESR−ST実験を行った。[Fouassier, J. P.; Lalevee, J., Photoinitiators for Polymer Synthesis-Scope, Reactivity, and Efficiency. Wiley-VCH Verlag GmbH & Co. KGaA: 2012]に詳細に記載されている手順に従って、ラジカルは、N下、青色LEDによる露光(DentsplyによるSmartLite Focus)を受けた際に室温で発生し、フェニル−N−tert−ブチルニトロン(PBN)によって捕捉させた。ESRスペクトルのシミュレーションはWINSIMソフトウェアを用いて行った。
光重合実験:
光重合実験では、条件を図面のキャプションに示す。光硬化性製剤を、積層したBaFペレット上に堆積し(製剤は2つのポリプロピレンフィルムの間に挟まれている)(製剤に関する厚み25μm)、種々の光によって照射した。Bis−GMA/TEGDMA配合物のメタクリレート二重結合含有率の進展は、約1640cm−1におけるリアルタイムFTIR分光法によって継続的に追跡して観測した(JASCO FTIR 4100)[Tehfe, M. A.; Lalevee, J.; Telitel, S.; Sun, J. F.; Zhao, J. Z.; Graff, B.; Morlet-Savary, F.; Fouassier, J. P. Polymer 2012, 53, 2803-2808. Tehfe, M. A.; Lalevee, J.; Morlet-Savary, F.; Graff, B.; Blanchard, N.; Fouassier, J. P. Macromolecules 2012, 45, 1746-1752]。
結果:
a)BSKのI型光開始剤挙動:
BSKは、300nm〜600nm範囲における良好な光吸収特性を特徴とし、このスペクトル範囲において強力な光開始剤と考えることができる。吸収の極大は、アセトニトリルにおける約530nmに見られる(図4)。SmartLite focusによる露光を受けると、BSK溶液の退色が見られる(図5)。これによって、可視光による照射を受けた際の本化合物の感光性が示される。
可視光による露光を受けた際のBSKに関する化学的メカニズムを調査するために、電子スピン共鳴(スピントラッピングモード)実験を行った。興味深いことに、2つのラジカルが光照射によって発生する(図5)。これらのラジカルの超微細な結合定数は、C−Si開裂プロセスによって生じる、シリルラジカル(a=14.7G;a=5.8G)及びアシルラジカル(a=13.6G;a=1.8G)に起因するものと考えることができる[Fouassier, J. P.; Lalevee, J., Photoinitiators for Polymer Synthesis-Scope, Reactivity, and Efficiency. Wiley-VCH Verlag GmbH & Co. KGaA: 2012]。これらの結果から明らかに、BSKのI型光開始剤挙動、すなわち、この誘導体のホモリシス光開裂プロセスによってフリーラジカルが生じ得ることが示される(スキーム3)。
b)添加剤(例えばDPI)の存在下におけるBSK:
BSKは、添加剤(アミン、ヨードニウム塩)の存在下でも使用することができる。例えば、DPIの存在下では、DPIの非存在下よりもBSKのかなり速い光分解が見られ、これによって、SmartLite Focusによる照射を受ける際のBSK/DPI相互作用が強いことが示される。ESRスピントラッピング実験では、アリールラジカルの形成(a=14.2G;a=2.2Gを特徴とする)が明確に観測される。BSKによるDPI分解の感応性の増大は、スキーム4に従って予測することができる。
注目すべきことは、BSK/DPI溶液の非常に良好な退色が見られることから、これが、無色のポリマーの合成に有用なものとなることである。
c)BSKのフリーラジカル重合開始活性:
BSKは、可視光を対象とする光開始剤とすることができる。BSKの非存在下では重合は観測されなかった。BSKの存在下では、最終変換率が約10%の弱い重合が、照射の300秒後に見られる。この重合から、ラジカル重合のための光開始剤としてのBSKの役割が示される。DPIの存在下におけるBSKのかなり速い光分解に一致して(図4参照)、BSK/DPIの組合せは、可視光(青色光及び緑色光の両方、図6)による非常に効率的な開始系であることがわかる。添加剤としてのアミンの役割は、ここで使用される濃度では依然として弱い(図8)。N−ビニルカルバゾールを用いても、比較的小さい添加剤作用が得られる。
実施例3−AG19−56−2
5.0000g(9.7656mmol)の2,2−ビス[4−[2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロポキシ)フェニル]プロパン(Bis−GMA)、1.1983g(4.1853mmol)のトリエチレングリコールジメタクリレート(TGDMA)、0.1774g(0.2790mmol)のビス(トリフェニルゲルミル)ケトン(TPG)、及び0.0047g(0.0212mmol)の2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールを均質混合した。DSC7(Perkin Elmer)で測定した重合エンタルピーを表1にまとめる。
比較例1−AG19−27−1
5.0000g(9.7656mmol)の2,2−ビス[4−[2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロポキシ)フェニル]プロパン(Bis−GMA)、1.1983g(4.1853mmol)のトリエチレングリコールジメタクリレート(TGDMA)、0.0232g(0.1395mmol)のカンファーキノン(CQ)、0.0100g(0.0517mmol)の4−(ジメチルアミノ)安息香酸エチルエステル(DMABE)、及び0.0058g(0.0216mmol)の2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾールを均質混合した。DSC7(Perkin Elmer)で測定した重合エンタルピーを表1にまとめる。
DSC測定値から、CQ/アミン系(比較例1)と比較して、水素化ゲルマニウムをベースとする開始剤(実施例1)では22%高い重合エンタルピーが示される。
応用例1−
39.980g(78.086mmol)の2,2−ビス[4−[2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロポキシ)フェニル]プロパン(Bis−GMA)、24.987g(87.271mmol)のトリエチレングリコールジメタクリレート(TGDMA)、34.982g(74.342mmol)の2,7,7,9,15−ペンタメチル−4,13,14−ジオキサ−5,12−ジアザ−ヘキサデカン−1,16−ジイルジメタクリレート(UDMA)、0.050g(0.228mmol)の2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール(BHT)、及び3.048g(4.794mmol)のビス(トリフェニルゲルミル)ケトン(TPG)からなる液体メタクリレート混合物を、278.612gのバリウム−アルモ−シリケートガラスと混合した。機械特性として圧縮強度(CS)及び曲げ強度(FS)を表2にまとめる。
比較例2−AG19−17−1
39.980g(78.086mmol)の2,2−ビス[4−[2−ヒドロキシ−3−メタクリロイルオキシプロポキシ)フェニル]プロパン(Bis−GMA)、24.987g(87.271mmol)のトリエチレングリコールジメタクリレート(TGDMA)、34.982g(74.342mmol)の2,7,7,9,15−ペンタメチル−4,13,14−ジオキサ−5,12−ジアザ−ヘキサデカン−1,16−ジイルジメタクリレート(UDMA)、0.050g(0.228mmol)の2,6−ジ−tert−ブチル−p−クレゾール(BHT)、0.398g(2.397mmol)のカンファーキノン(CQ)、及び0.556g(2.876mmol)の4−(ジメチルアミノ)安息香酸エチルエステル(DMABE)からなる液体メタクリレート混合物を、272.950gのバリウム−アルモ−シリケートガラスと混合した。機械特性として圧縮強度(CS)及び曲げ強度(FS)を表2にまとめる。

Claims (14)

  1. 光硬化性歯科用組成物であって、
    (a)1つ又は複数のラジカル重合性モノマーと、
    (b)前記組成物中のラジカル重合性モノマーの総重量に対して0.1重量パーセント〜7.0重量パーセントの、下記式(I):
    X(CO)X’R (I)
    (式中、
    X及びX’は、同じであっても異なっていてもよく、独立して、Si又はGeを表し、
    、R、R、R、R及びRは、同じであっても異なっていてもよく、独立して、炭素数1〜20の炭化水素基を表し、R、R、R、R、R及びRの任意の2つの炭化水素基は、互いに結合して、それらが接続するX、X’又はX(CO)X’部位のいずれかと合わせて、3員〜12員の複素環を形成するものであってもよく、
    前記炭化水素基又は前記複素環のいずれかが、
    X(CO)X’部位のケト基以外の1つ若しくは複数のケト基を含有するか、又は、
    ハロゲン原子、シアノ基、アミノ基若しくはヒドロキシ基から選択される1つ若しくは複数の基によって置換されていてもよく、かつ、
    前記炭化水素基又は前記複素環が、アルキレン鎖又はアルケニレン鎖を含有する場合には、該アルキレン鎖又は該アルケニレン鎖中の1つ又は複数の炭素原子を、酸素原子、硫黄原子、アミド基、エステル基、ウレタン基又はNH基で置き換えてもよい)の化合物と、
    (c)粒状フィラー及び/又は溶媒と、
    を含む、光硬化性歯科用組成物。
  2. 前記組成物中のラジカル重合性モノマーの総重量に対して2.5重量パーセント未満の式(I)の化合物を含む、請求項1に記載の光硬化性歯科用組成物。
  3. 前記式(I)の化合物が、400nm〜900nmの範囲に吸収極大を有する、請求項1又は2に記載の光硬化性歯科用組成物。
  4. 前記炭化水素基が、フェニル基及びナフチル基から選択される芳香族炭化水素基であり、これらの基は、ハロゲン原子、シアノ基、アミノ基、ヒドロキシ基、C1〜6アルキル基及びC1〜6アルコキシ基から選択される1つ〜3つの基で任意に置換されていてもよく、又は、前記炭化水素基が、直鎖若しくは分岐状のアルキル基、直鎖若しくは分岐状のアルケニル基、若しくは直鎖若しくは分岐状のアルキニル基から選択される非芳香族炭化水素基である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の光硬化性歯科用組成物。
  5. 前記ラジカル重合性モノマー(a)がそれぞれ、1つ又は2つのラジカル重合性基を含有する、請求項1〜4のいずれか一項に記載の光硬化性歯科用組成物。
  6. 前記組成物の総重量に対して5重量パーセント〜75重量パーセントの溶媒を更に含む、請求項1〜5のいずれか一項に記載の光硬化性歯科用組成物。
  7. 前記組成物の総重量に対して0.1重量パーセント〜85重量パーセントの粒状フィラーを更に含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の光硬化性歯科用組成物。
  8. 酸性基を有するラジカル重合性モノマーを含む、請求項1〜7のいずれか一項に記載の光硬化性歯科用組成物。
  9. 歯科用接着剤組成物、歯科用コンポジット、レジンにより改質された歯科用セメント及び小窩裂溝封鎖材から選択される、請求項1〜8のいずれか一項に記載の光硬化性歯科用組成物。
  10. 一成分組成物である、請求項1〜9のいずれか一項に記載の光硬化性歯科用組成物。
  11. I型開始剤及びII型開始剤から選択される更なる開始剤を含有する、請求項1〜10のいずれか一項に記載の光硬化性歯科用組成物。
  12. 前記更なる開始剤が、カンファーキノン/アミン、又はヨードニウム塩、好ましくはジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェートから選択される、請求項11に記載の光硬化性歯科用組成物。
  13. 前記X及びX’が同じである、請求項1〜12のいずれか一項に記載の光硬化性歯科用組成物。
  14. 光硬化性歯科用組成物、好ましくは請求項1〜13のいずれか一項に記載の光硬化性歯科用組成物を製造するための、下記式(I):
    Ge(CO)GeR (I)
    (式中、
    、R、R、R、R及びRは、同じであっても異なっていてもよく、独立して、炭素数1〜20の炭化水素基を表し、R、R、R、R、R及びRの任意の2つの炭化水素基は、互いに結合して、それらが接続するX若しくはX’又はX(CO)X’部位のいずれかと合わせて、3員〜12員の複素環を形成するものであってもよく、
    前記炭化水素基又は前記複素環が、
    X(CO)X’部位のケト基以外の1つ若しくは複数のケト基を含有するか、又は、
    ハロゲン原子、シアノ基、アミノ基若しくはヒドロキシ基から選択される1つ若しくは複数の基によって置換されていてもよく、かつ、
    前記炭化水素基又は前記複素環が、アルキレン鎖又はアルケニレン鎖を含有する場合には、該アルキレン鎖又は該アルケニレン鎖中の1つ又は複数の炭素原子を、酸素原子、硫黄原子、アミド基、エステル基、ウレタン基又はNH基で置き換えてもよい)の化合物の使用。
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