JP2015528441A - 脳卒中の治療のための神経保護リポソーム組成物および方法 - Google Patents

脳卒中の治療のための神経保護リポソーム組成物および方法 Download PDF

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Abstract

キセノン(Xe)装填リポソーム組成物の投与による、原因不明の脳卒中などの、脳卒中の治療のための方法が提供される。いくつかの態様において、Xeがエコー源性リポソーム中に封入され、Xeの放出が超音波刺激の適用によって向上させられ得る。Xe、またはH2またはH2Sと組み合わされたXeで装填されたリポソームなどの、脳卒中の治療に使用するための組成物もまた提供される。いくつかの態様において、対象は出血性脳卒中を有することが判明している。【選択図】なし

Description

本出願は、2012年8月10日に出願され、その全体が本明細書に参照によって組み込まれる、米国仮特許出願第61/682,130号、および2012年9月21日に出願された、中国特許出願第201210356929.9号の利益を主張する。
発明の背景
本発明は、国立衛生研究所によって授与された助成金番号NS067454、HL074002、およびHL059586の下、政府支援で行われた。政府は、本発明においてある特定の権利を有する。
本発明は、一般的に医学、生化学、および分子生物学の分野に関する。より具体的には、それは、脳卒中の治療のための生物学的保護リポソームを使用する組成物および方法に関する。
脳血管発作(CVA)としても知られる血栓性および出血性脳卒中は、併せて、米国における主要な死亡原因の第4位であり、成人障害の最も一般的な原因である。両方の種類の脳卒中は、脳への血液供給における妨害が原因の急速な脳機能の喪失によって特徴付けられる。血栓性脳卒中において、血餅によって引き起こされる脳動脈の閉塞は、脳組織の虚血、または脳の一部への脳血流の閉塞、および最終的には脳損傷をもたらす。逆に、出血性脳卒中において、損傷した血管からの脳の内部または表面上での血液漏出または破裂は、神経学的損傷につながる。脳卒中の種類に関わらず、医学的介入による、血栓症または出血によって引き起こされる急性血管事象に対する脳組織の早期保護は、依然として患者の生命を救うために最も重要な要素である。早期脳組織保護は、鑑別診断および効果的な治療のための安全手段を拡大し得る。発症時の類似した初期症状に関わらず、効果的な治療的介入は、患者が経験している脳卒中の種類に依存する。例えば、組織プラスミノゲン活性化因子(tPA)の投与は、血栓性脳卒中の治療において少なくとも部分的に効果的であると証明されているが、出血性脳卒中の治療には反論が示される。依然として、脳卒中の治療のための新しい効果的な治療、特に脳卒中発症時の即時投与に適した治療の必要性が存在する。
第1の実施形態において、キセノン装填エコー源性リポソーム(Xe−ELIP)を含む有効量の組成物を対象に投与することを含む、対象における脳卒中を治療するための方法が提供される。いくつかの態様において、対象は出血性脳卒中を有することが判明している。さらなる実施形態において、Xe−ELIPを含む有効量の組成物を対象に投与することを含む、対象における原因不明の脳卒中(すなわち、対象がまだ血栓性または出血性脳卒中を有することが判明していない)を治療する方法が提供される。したがって、いくつかの態様において、対象における出血性および血栓性脳卒中の両方(例えば、対象が出血性および/または血栓性脳卒中と診断されている)を治療するための方法が提供される。依然としてさらなる態様において、実施形態の方法は、有効量のXe−ELIPを含む有効量の組成物を対象に投与することを含む、対象における頭蓋内動脈瘤、またはくも膜下出血を治療する方法として定義される。いくつかの実施形態において、薬学的に許容される担体中にXe−ELIPを含む組成物が提供される。
さらなる実施形態において、実施形態の方法および組成物は、(キセノンの代わり、またはそれに加えて)エコー源性リポソーム中に装填された異なる希ガスを用いる。例えば、いくつかの態様において、実施形態に係る使用のためのエコー源性リポソームは、キセノン、ヘリウム、アルゴン、クリプトン、ネオン、またはそれらの混合物で装填される。したがって、いくつかの態様において、キセノン、ヘリウム、アルゴン、クリプトン、またはネオン装填エコー源性リポソームを含む有効量の組成物を対象に投与することを含む、対象における脳卒中を治療するための方法が提供される。さらなる態様において、対象は出血性脳卒中を有することが判明している。さらなる実施形態において、キセノン、ヘリウム、アルゴン、クリプトン、またはネオン装填エコー源性リポソームを含む有効量の組成物を対象に投与することを含む、対象における原因不明の脳卒中(すなわち、対象がまだ血栓性または出血性脳卒中を有することが判明していない)を治療する方法が提供される。したがって、いくつかの態様において、対象における出血性および血栓性脳卒中の両方(例えば、対象が出血性および/または血栓性脳卒中と診断されている)を治療するための方法が提供される。依然としてさらなる態様において、実施形態の方法は、有効量のキセノン、ヘリウム、アルゴン、クリプトン、またはネオン装填エコー源性リポソームを含む有効量の組成物を対象に投与することを含む、対象における頭蓋内動脈瘤、またはくも膜下出血を治療する方法として定義される。いくつかの実施形態において、キセノン、ヘリウム、アルゴン、クリプトン、またはネオン装填エコー源性リポソームを薬学的に許容される担体中に含む組成物が提供される。
さらなる実施形態において、(a)Xe−ELIPを含む有効量の第1の組成物を対象に投与することと、(b)組織プラスミノゲン活性化因子(tPA)を含む有効量の第2の組成物を対象に投与することと、を含む、対象における血栓性脳卒中を治療する方法が提供される。例えば、ある特定の態様において、Xe−ELIPおよびtPAは、(例えば、Xe−ELIPおよびtPAを含む組成物中で)連続的に、または本質的に同時に投与される。いくつかの態様において、実施形態の方法は、第2の組成物を、第1の組成物の投与の約2、3、4、5、6、7、または8時間後、またはそれ未満に投与することを含む。依然としてさらなる態様において、第1の組成物の投与は、脳卒中発症の約6時間以内である。さらに依然としてさらなる態様において、第2の組成物は、有効量のXe−ELIPをさらに含む。さらなる態様において、実施形態の方法は、(a)Xe−ELIPを含む有効量の第1の組成物を、脳卒中または原因不明の脳卒中の症状を有する対象に投与することと、(b)対象が血栓性または出血性脳卒中に罹患しているか否かを特定することと、(c)tPAを含む有効量の第2の組成物を、血栓性脳卒中を有すると特定された対象に投与することと、を含む。
したがって、さらなる実施形態において、Xe−ELIPおよびtPAを含む薬学的組成物が提供される。いくつかの態様において、組成物のtPAは、リポソーム(例えば、エコー源性リポソーム)中に含まれる。さらなる態様において、組成物は少なくとも2つの異なるリポソームのスラリーを含み、第1のリポソームはXe−ELIPからなり、および第2のリポソームはtPAからなる(例えば、tPAリポソームはXeを本質的に含まない)。
さらなる実施形態において、希ガス装填ELIP(例えば、Xe−ELIP)、およびさらなる生物学的活性ガス成分で装填されたリポソーム(例えば、エコー源性リポソーム)を含む薬学的組成物が提供される。例えば、いくつかの態様において、希ガス装填エコー源性リポソームは、HS、および/またはHをさらに含み得る(または、それを含むリポソームと共に投与され得る)。同様に、いくつかの態様において、希ガス装填エコー源性リポソームは、亜酸化窒素、および/または一酸化窒素をさらに含み得る(または、それを含むリポソームと共に投与され得る)。例えば、いくつかの態様において、ガスは、組成物(例えば、異なるガスで装填されたリポソームのスラリー)中の別個のリポソーム中に含まれる。さらなる態様において、2つ以上のガスが、同一のリポソーム中に含まれる。例えば、組成物は、XeおよびNO、XeおよびNOまたはXe、NOおよびNOを含むリポソームを含み得る。別の例において、組成物は、XeおよびH、XeおよびHSまたはXe、HおよびHSを含むリポソームを含み得る。さらなる態様において、実施形態のリポソームは、約0.1%〜5%、0.1%〜3%、または0.5%〜2%の間のHSを(リポソーム中の全ガスのパーセントとして)含む。例えば、リポソームは、1%のHS、および99%のXeを含み得る。さらにさらなる態様において、実施形態のリポソームは、約1%〜50%、5%〜40%、または10%〜40%の間のHを(リポソーム中の全ガスのパーセントとして)含む。例えば、リポソームは、約30%のHS、および約70%のXeを含み得る。
実施形態のある特定の態様は、tPAを含む組成物に関わる。いくつかの態様において、tPAは、精製または組み換え哺乳類tPA(例えば、ヒトtPA)である。そのようなtPA組成物は、薬学的に許容される担体中に含まれ得る。ある特定の態様において、tPAはリポソーム中に含まれる。tPAを封入するのに使用するためのリポソームは、任意の他の当技術分野において既知の、または本明細書に詳述されるものから選択され得る。例えば、いくつかの態様において、tPAは、実施形態のエコー源性リポソーム中に含まれ得る。ある特定の好適な態様において、tPAを含むリポソームは、本質的にXeを含まない(すなわち、tPAおよびXeは同一のリポソーム小胞中に装填されない)。
実施形態に係る組成物は、対象に一連の方法を介して投与され得る。例えば、いくつかの態様において、組成物(例えば、XeまたはtPA含有組成物)は、静脈内注入を介して、または動脈内注入を介して、静脈内、動脈内、頭蓋内投与される。好適な態様において、実施形態の組成物は、脳卒中発症、または脳卒中の症状の発症の約1、2、3、4、5、6、または8時間後、またはそれ未満などの、脳卒中、または脳卒中の症状の発症の直後に投与される。したがって、いくつかの態様において、実施形態の組成物は、最初の対応者(例えば、看護師または医療技術者)によって投与される。
ある特定の態様において、実施形態の方法は、ELIP組成物(例えば、Xe−ELIP組成物)の1つ以上の用量を対象に投与することを含む。例えば、いくつかの態様において、対象は、約0.8〜2.8mg/kg(mg−脂質/kg−対象)の間の用量などの、約0.6〜3.0mg/kgの間のXe−ELIPの用量を投与される。さらなる態様において、対象は、約1.14mg/kgまたは約2.27mg/kgなどの、約1.0〜2.5mg/kgの間のELIP組成物の用量を投与される。依然としてさらなる態様において、(例えば、Xe−ELIPの)単一の単位用量を適切な含有手段中に含むELIP組成物が、提供される。例えば、単一の単位用量(すなわち、約60kgのヒト対象にとって適切な用量)は、約100〜約3,000mg、約250〜約2,000mg、約250〜約1,000mg、または約400〜約900mg(例えば、480〜900mg)の、封入ガスを有するELIP(全脂質重量に基づく)であり得る。依然としてさらなる態様において、Xe−ELIPの単一単位用量は、封入されるXeの全体積によって定義され得る。いくつかの態様において、単一用量中のXeの全体積は、約0.1〜2.5ml、0.2〜2.0ml、または0.5〜1.5mlの間(例えば、約1.0mlの用量)などの、約5ml未満のXeである。したがって、いくつかの特定の態様において、Xe−ELIPの単一単位用量は、250〜約1,000mgの間の脂質、および約0.1〜2.5mlの間のXeを、適切な含有手段中に含んで提供される。当業者は、前述の用量範囲のうちのいずれかが、Hおよび/またはHSを含むXe−ELIP組成物(この場合、ガス体積は、封入ガスの全量に適用され得る)にもまた適用され得ることを認識するであろう。
依然としてさらなる態様において、実施形態の組成物(例えば、ELIP組成物)は、対象に複数の用量で投与される。例えば、いくつかの態様において、組成物は、対象に2、3、または4回目投与される。ある特定の態様において、第2の用量、または後続の投与の製剤、用量、または経路は、第1の投与と比較して調整され得る。いくつかの態様において、第2の、または後続の投与は、初回投与の約2、3、4、5、6、7、または8時間後、またはそれ未満(例えば、第1の投与後約4〜6時間以内)である。いくつかの態様において、実施形態の組成物は、脳卒中、または脳卒中の症状の発症の約12時間以内に2回対象に投与される。
好適な態様において、実施形態に係る治療の対象は、対象中のヒトである。しかしながら、いくつかの態様において、対象は、非ヒト霊長類、またはウマ、イヌまたはネコなどの家畜などの非ヒト動物であり得る。さらなる態様において、対象は、突然の記憶喪失、完全なまたは部分的な麻痺、見当識障害、発話困難、突然の視力障害、体の一部のしびれ、突然の重度の頭痛または歩行または平衡困難などの脳卒中の症状を有すると特定される。いくつかの態様において、脳卒中、または脳卒中の症状を有する対象は、血栓性脳卒中、または出血性脳卒中を有すると特定されていない。依然としてさらなる態様において、対象は、血栓性脳卒中、および/または出血性脳卒中を有すると特定されている。
さらなる態様において、実施形態のELIP組成物の対象への投与は、超音波刺激を、対象にリポソームからのガス放出を促進するのに有効な量で適用することをさらに含む。例えば、超音波刺激は、ELIP組成物の投与の後、またはそれと同時に適用され得る。いくつかの態様において、超音波刺激は、投与の約10秒、20秒、30秒、または1、2、3、4、または5分後、またはそれ未満などの、ELIP組成物(例えば、Xe−ELIP)の投与後に適用される。ある特定の場合、超音波刺激は、リポソームによる所望のガス放出の部位に、またはその近くに適用される。例えば、脳卒中を有する対象の場合、超音波刺激は、(例えば、頸動脈で)頭または首に適用されることができ、それにより脳の近位でのリポソームペイロードの放出を刺激する。
超音波刺激を対象に適用するための様々な方法が既知であり、実施形態に従って使用され得る。例えば、超音波刺激は、(例えば、刺激を首に与えるために)従来の超音波プローブ、または頚椎カラー超音波装置で適用され得る。対象に適用される超音波刺激の電力および周波数は異なり得るが、一般的にリポソームからのXe放出(例えば、インビボでの放出)を促進するのに有効な量であろう。例えば、超音波刺激は、約1〜8MHzの間の周波数で、約0.1〜1.4の間の機械的指標で適用され得る。
依然としてさらなる態様において、実施形態の方法は、少なくとも第2の治療剤を対象に投与することをさらに含む。例えば、血栓性脳卒中の場合、第2の治療は、血餅を低減する血栓溶解剤であり得る。さらなる態様において、第2の治療剤は、抗炎症剤または神経保護剤である。いくつかの特定の態様において、例えば、血栓性脳卒中の場合、tPAが対象に投与される。
ある特定の具体的な態様において、第2の治療剤は、HSおよび/またはH装填エコー源性リポソームを含む。いくつかの場合、HSおよび/またはH装填エコー源性リポソームおよびXe装填エコー源性リポソームは、同一の組成物中に含まれる。例えば、実施形態の組成物は、別個にXe、HSおよび/またはHを含むエコー源性リポソームを含み得る。代替的に、組成物は、2つまたは3つのガス(例えば、Xe、HS、およびHから選択される2つ以上のガス)を含むエコー源性リポソームを含み得る。
依然としてさらなる態様において、実施形態に係る投与の方法は、液体リポソーム懸濁液を、対象への投与の前に調製することを含む。例えば、いくつかの態様において、液体リポソーム懸濁液は、投与の30分、10分、5分、または2分前以内に調製される。例えば、いくつかの態様において、液体リポソーム懸濁液を調製することは、凍結乾燥したリポソームを溶液中で懸濁させること、または凍結リポソーム懸濁液を解凍することを含む。
さらなる態様において、実施形態のELIP組成物は、防腐剤、安定剤、および/または塩などの、追加の成分を含む。いくつかの態様において、ELIP組成物は、少なくとも第1の凍結保護剤を含む。実施形態に係る使用のための凍結保護剤は、マンニトール、グリセロール、トレハロース、1,2−プロパンジオールまたはジメチルスルホキシド(DMSO)を無制限に含む。
本明細書で使用されるエコー源性リポソームは、超音波によって撮像され得るリポソームを指す。特定の態様において、エコー源性リポソームは、リポソームの疎水性層中に含まれるガスなどの、ガス成分(例えば、Xe、HS、および/またはH)を含むリポソームである。エコー源性リポソーム組成物、およびそのような組成物を製造するための方法は、例えば、それぞれが本明細書に参照によって組み込まれる、米国特許第5,612,057号、同第5,858,399号、および同第7,976,743号に提供される。いくつかの態様において、実施形態のリポソーム(例えば、ELIP組成物)は、平均粒径によって定義される。例えば、いくつかの態様において、リポソームは、約0.4〜10ミクロン、または0.8〜10ミクロン(例えば、約0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9、1.0、2.0、3.0、4.0、5.0、6.0、7.0、8.0、9.0、または10.0ミクロンの平均サイズ)の平均サイズを有する。
幅広い一連の成分が、Xe、H、および/またはHSなどのガスで装填されたELIPなどの実施形態のリポソームを製剤化するために使用され得る。例えば、実施形態のリポソームは、ホスファチジルコリン(PC)の任意の形態(ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)など)、ホスホエタノールアミン(PE)、ポリエチレングリコール(PEG)、またはPEG化リン脂質の任意の形態、ホスファチジルグリセロール(PG)(1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスホ−(1’−rac−グリセロール)(DPPG)など)の任意の形態、および/またはコレステロールを含み得る。いくつかの態様において、リポソームは、少なくとも1つのPC、PE、負に帯電した脂質、PEG化脂質(例えば、PEG2000−DPPE)、およびコレステロール分子を含む。いくつかの特定の態様において、リポソームは、DPPC、卵PC(EPC)、PEG2000−DPPE、DPPG、およびコレステロールを含む。依然としてさらなる態様において、実施形態のリポソームは、DPPC、EPC、PEG2000−DPPE、DPPG、コレステロール、およびキセノンからなる、またはそれらから本質的になる。依然としてさらなる態様において、リポソームは、DPPC、EPC、PEG2000−DPPE、DPPG、コレステロール、Xe、およびH、HS、またはHおよびHSの組み合わせからなる、またはそれらから本質的になる。
本明細書で使用される「1つの(a)」または「1つの(an)」は、1つ以上を意味し得る。特許請求の範囲(複数可)で使用される「含む」という語と共に使用される際、「1つの(a)」または「1つの(an)」は、1つまたは2つ以上を意味し得る。
特許請求の範囲における「または」という用語の使用は、本開示は代替手段および「および/または」のみを指す定義を支持するものの、代替手段のみを指す、または代替手段が相互に排他的であると明確に示されない限り、「および/または」を意味するために使用される。本明細書に使用される「別の」は、少なくとも第2の、またはそれ以上を意味し得る。
本出願を通して、「約」という用語は、値が、装置の誤差の固有の変動、値を決定するために用いられる方法の固有の変動、または試験対象間に存在する変動を含むことを示すために使用される。
本発明の他の目的、特性および利点は、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。しかしながら、本発明の精神および範囲内の様々な変更および修正が、この詳細な説明から当業者に明らかになるため、詳細な説明および具体的な実施例は、本発明の好適な実施形態を示すが、例示説明のみの目的でのみ与えられることが理解されるべきである。
以下の図面は、本明細書の一部を形成し、本発明のある特定の態様をさらに実証するために含まれる。本発明は、本明細書に提示される具体的な実施形態の詳細な説明との組み合わせでの、これらの図面のうちの1つ以上への参照によってより良く理解され得る。
キセノン含有リポソームおよび超音波誘発性キセノン放出の特性評価。(a)ガスを有さない従来のリポソーム。(b)加圧凍結法によって製造された、脂質二重層中に溶存ガスまたは気泡として捕捉されたXeを有するリポソーム含有Xe。(cおよびd)従来のリポソームおよびガス含有リポソームの電子顕微鏡画像は、ガス含有リポソームの広い脂質二重層を示した。従来のリポソーム(e)およびXe含有リポソーム(f)の血管内超音波撮像は、Xe含有リポソームからの高い超音波反射率を示した。(g)Xe−ELIPからのキセノンの超音波放出は、2つの相を有し、最初の30分間の高速放出が、18時間を超えて継続する低速放出によって後続される(半減期4.97±0.7時間)。超音波は、電力に依存した方法でのXe−ELIPからのXeの放出を誘発した(h)。 Xe−ELIPの神経保護効果の時間窓。無処置(a)、および再潅流の10分間(b)、1時間(c)、および3時間(d)後のXe−ELIP(7mg/kg)処置ありの、中大脳動脈閉塞の冠状脳切片(TTC染色)。白色領域は、中大脳動脈閉塞後の梗塞領域であり、脳の梗塞体積の定量化は、再潅流の10分および1時間後のXe−ELIP投与が、無処置群と有意に異なることを示した。四肢の配置(f)、ビーム歩行(g)、および格子歩行(h)の神経学的評価は、TTC染色と類似した結果を示した。データは、平均±標準誤差である。 BDNF発現およびアポトーシスに対するXe−ELIPの効果。脳卒中の24時間後の大脳皮質組織における、BDNF(a)、phos−Akt(b)、およびphos−ERK(c)のウエスタンブロット分析は、XeがBDNF(d)、全Akt(e)、およびphos−ERK(f)の発現を増加させることを示した。偽手術群(g)、脳卒中群(h)、およびXe−ELIP処置ありの脳卒中群(i)からの脳切片の半影領域におけるTUNEL染色は、Xe−ELIP処置された動物においてアポトーシスの低減を示した。アポトーシスのウエスタンブロットおよび顕微鏡写真は、3つの独立した実験の代表例である。データは、平均±標準偏差である。 Xe−ELIPの神経保護効果の用量反応。中大脳動脈閉塞の冠状脳切片(TTCで染色)を、無処置(a)、および3.5mg/kg(b)、7mg/kg(c)、および14mg/kg(d)のXe−ELIPありで、撮像した。白色領域は、中大脳動脈閉塞後の梗塞領域である。脳の梗塞体積の定量化を、(e)に示す。四肢の配置(f)、ビーム歩行(g)、および格子歩行(h)の神経学的評価を示されるグラフに提供する。データは、平均±標準誤差である。 脳虚血上へのXe送達と組み合わされたIV tPAの効果。中大脳動脈閉塞の3日後のラットにおける脳梗塞を示す代表的なTTC染色冠状脳切片を、(a)偽、(b)無処置の虚血性脳卒中、(c)tPA処置ありの虚血性脳卒中、(d)tPAと組み合わされるXe−ELIPありの虚血性脳卒中、後に撮像した。(e)tPA単独で梗塞体積における69%の低減、およびIV tPAと組み合わされるXe−ELIPで75%の低減を示す、処置群間の梗塞サイズの比較。四肢の配置(f)、ビーム歩行(g)、および格子歩行(h)の神経学的評価を、示されるグラフに示す。データは、平均±標準誤差である。 Xe−ELIPは、血流を回復する前または後に投与される際、神経保護効果を提供する。 Xe−ELIP、および/またはtPAによる示される処置後の動物におけるパーセント血餅質量喪失。 実施形態のエコー源性リポソームの調製のための例示的なプロトコルを概略的に示す。 結果は、Xe−ELIPが、フィラメント穿孔くも膜下出血(SAH)ラットモデルにおける出血を減少させることを示す。 結果は、Xe−ELIPが一般的な神経学的評価尺度、およびSAHラットの運動機能を改善することを示す。 結果は、Xe−ELIPがニューロンアポトーシス細胞死を防止することを示す。代表的な顕微鏡写真は、出血脳卒中群(上部パネル)、およびXe−ELIP処置ありの出血脳卒中群(下部パネル)からの脳切片のTUNEL染色を示す。左部パネルは、全細胞のDAPI染色である。中央パネルは、アポトーシス細胞のトンネル染色である。右部パネルは、統合された画像である。 結果は、Xe−ELIPがSAHラットの死亡率を減少させるが、脳水腫および脳血流には大きく影響を与えないことを示す。 概略図は、実施例4の実験のタイムラインを示す。 tMCAOモデルにおける、Xe−ELIP、HS/Xe−ELIP、およびH/Xe−ELIPによる脳卒中処置の結果を示す。(a)脳梗塞を示す代表的なTTC染色冠状脳切片。(b)処置群間の梗塞体積の要約的な比較。(c)各処置群からの脳切片のTUNEL染色のグラフ表示。 グラフは、示されるように、四肢の配置、ビーム歩行、および格子歩行によって評価される、示される組成物で処置したラットにおける神経学的障害の行動試験の結果を示す。 グラフは、H(10mM)の細胞毒性に対する、乳酸脱水素酵素(LDH)放出アッセイを使用した、ヒト脳星状細胞の保護における、Xe−ELIP試薬の有効性の試験の結果を示す。 グラフは、幹細胞におけるXe−ELIP細胞毒性の試験の結果を示す。XeおよびXe−ELIP試薬ではなくHが、マウス胚性幹細胞における有意なLDH放出を引き起こす。細胞を、Xe試薬(3mgELIP/30μlガス/ml)、および対照培地で4時間処置し、培養の終了の2時間前に10mMのHを添加した。
I.本発明
脳血管発作(CVA)としても知られる脳卒中は、米国における主要な死亡原因の第3位であり、成人障害の最も一般的な原因である。脳卒中は、脳への血液供給における妨害が原因の急速な脳機能の喪失によって特徴付けられる。血栓性脳卒中において、脳動脈の閉塞(血餅)が、脳の一部への妨害された血流をもたらす。逆に、出血性脳卒中において、脳内の血管からの血液漏出または破裂は、神経学的損傷につながる。早期治療、および/または外科的介入は、脳卒中から神経学的損傷を軽減するのに極めて重要である。しかしながら、脳卒中の種類に応じて、脳卒中の種類が確実に特定されていない限り、tPAなどの治療が脳卒中を有する患者に施され得ない程度まで、施される治療は非常に異なる。残念ながら、脳卒中の治療における最も重要な要因は、tPAなどの治療の有用性を限定する、適時介入である。
本明細書に詳述される研究は、キセノンガス(Xe−ELIP)を封入する、新種のエコー源性リポソームの合成を実証する。Xe−ELIP製剤は、封入されたXeを、超音波の適用時に、迅速におよび効果的に放出することが実証される(図1)。これらのリポソームを含む組成物もまた、血栓性脳卒中の治療においてだけでなく、驚くべきことに出血性脳卒中の治療においても効果的であると示される(図2、4、8、および9を参照されたい)。したがって、初めて、Xe−ELIPは、脳卒中(または、脳卒中の症状の発症)の直後、および脳卒中の種類が確実に特定され得る前に患者に施され得る治療を表す。したがって、いかなる他の特定された治療とも異なり、Xe−ELIPは、ニューロンを血餅(虚血)および出血の両方から生じる障害から保護し得る。重要なことに、Xe−ELIPは、外科的または他の治療的介入が実行され得る間に、(実際のニューロン損傷および行動試験の両方によって評価されるような)脳を過剰な神経学的損傷から保護することによって、患者の極めて重要な時間を稼ぐ。したがって、この新しい種類の治療は、全ての種類の脳卒中の臨床転帰を有意に改善する可能性を提供する。
興味深いことに、本明細書で詳述される研究は、同様に、Xe−ELIPがtPA投与と協調して血栓性脳卒中に対して効果的治療を提供することにおいて機能し得ることを実証する(図5を参照されたい)。繰り返すと、Xe−ELIPによる早期治療は、脳卒中診断が評価される間の過剰なニューロン損傷を防止する。tPAの後続の投与(追加のXe−ELIPの有無に関わらず)は、その後血餅破壊を媒介し、tPA単独と比較して、有意により良好な臨床転帰をもたらす。
本明細書に提示されるさらなる研究は、Xe−ELIPの神経保護効果が、HまたはHSガス同時投与(または同時封入されたこれらの投与)によってさらに向上させられ得ることを実証する。図13〜14に示されるようにHおよびHSの両方は、Xe−ELIPと共に投与される際、梗塞体積をさらに低減し、行動試験によって評価されるストーク対象における転帰をさらに改善することができる。さらに、図16において実証されるように、(Xe、またはXeおよびHまたはHSを含む)ELIP組成物のいずれも、マウスの胚性幹細胞において評価される有意な毒性を示さなかった。したがって、Hおよび/またはHSのXe−ELIP組成物へのさらなる組み込みは、それらの神経保護有効性をさらに向上させ得る。
II.リポソームおよびリポソーム組成物
「リポソーム」は、封入された脂質二重層または凝集体の発生によって形成される、様々な単一または多重膜脂質溶媒を含む総称である。リポソームは、一般的にリン脂質を含む二重層膜を有する小胞構造、および一般的に水性組成物を含む内部媒質を有することとして特徴付けられ得る。本明細書に提供されるリポソームは、単層リポソーム、多重膜リポソーム、および多小胞リポソームを含む。本明細書に提供されるリポソームは、正に荷電した、負に荷電した、または中性のリン脂質からなり得る。ある特定の実施形態において、リポソームは電荷が中性である。
多重膜リポソームは、水性媒質によって分離される複数の脂質層を有する。それらは、リン脂質を含む脂質が過剰の水溶液中で懸濁される際に、自然発生的に生じる。脂質成分は、閉鎖構造の形成前に自己転位を受け、水および溶解した溶質を脂質二重層間に捕捉する(Ghosh and Bachhawat,1991)。親油性分子、または親油性領域を有する分子もまた、脂質二重層中に溶解、またはそれと結合し得る。
特定の態様において、撮像され得る、および/または超音波の適切な適用によって妨害され得るエコー源性リポソームを発生させるために、ガスはリポソーム中にカプセル化される。ガス封入の特定の方法を以下に詳述し、実施例1および図1〜7に例証する。
本実施形態に従って使用されるリポソームは、当業者に知られるような異なる方法によって製造され得る。例えば、例えば中性リン脂質ジオレオイルホスファチジルコリン(DOPC)、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、および/またはEPCなどのリン脂質(Avanti Polar Lipids,Alabaster,AL)は、アルコールまたは他の有機溶媒中に溶解することができ、その後脂質二重層中への包接のための成分と混合される。混合物は、様々な洗浄剤をさらに含み得る。典型的に、脂質混合物をボルテックスし、ドライアイス/アセトン浴中で凍結し、一晩凍結乾燥する。凍結乾燥した調製剤を長時間−20℃以下で保管する。必要に応じて、凍結乾燥したリポソームを、例えば0.9%食塩水中で再構成する。
代替的には、リポソームを、脂質を容器、例えばガラス製ナシ型フラスコ内の溶媒中で混合することによって調製し得る。容器は、予想されるリポソームの懸濁液の体積より10倍大きい体積を有するべきである。回転蒸発器を使用して、約40℃の負圧下で溶媒を除去する。溶媒は、通常、リポソームの所望の体積に応じて約5分〜2時間以内に除去される。組成物を、乾燥器内で真空下でさらに乾燥し得る。乾燥脂質は、経時的に劣化する傾向のため、一般的に約1週間後に廃棄される。
他の代替的な方法において、リポソームを、他の既知の実験手順に従って調製し得る(例えば、それぞれの関連する部分が本明細書に参照によって組み込まれる、Bangham et al.,1965、Gregoriadis,1979、Deamer and Uster,1983、Szoka and Papahadjopoulos,1978を参照されたい)。本実施形態に有用であり得る追加のリポソームは、例えば、その全ての全体がこれによって参照により放棄なしに組み込まれる、国際公開第02/100435A1号、米国特許第5,962,016号、米国出願第2004/0208921号、国際公開第03/015757A1号、国際公開第04029213A2号、米国特許第5,030,453号、および米国特許第6,680,068号に記載されるような、カチオン性リポソームを含む。リポソームを製造する工程は、国際公開第04/002453A1号においてもまた記載される。中性脂質は、カチオン性リポソームに組み込まれ得る(例えば、Farhood et al.,1995)。ある特定の実施形態において使用され得る様々な中性リポソームは、本明細書に参照によって組み込まれる、米国特許第5,855,911号に開示される。これらの方法は、それらの水性材料を捕捉するそれぞれの能力、およびそれらのそれぞれの水性空間対脂質の割合において異なる。
リポソームのサイズは、合成方法に応じて変化する。本実施形態におけるリポソームは、様々なサイズであり得る。ある特定の実施形態において、リポソームは小さく、例えば外径において約100nm、約90nm、約80nm、約70nm、約60nm未満、または約50nm未満である。
そのようなリポソームを調製する際、本明細書に記載される、または当業者に知られるような任意のプロトコルが使用され得る。リポソームの調製の追加の非限定的な例は、それぞれが本明細書に参照によって組み込まれる、米国特許第4,728,578号、同第4,728,575号、同第4,737,323号、同第4,533,254号、同第4,162,282号、同第4,310,505号、および同第4,921,706号、国際出願第PCT/US85/01161号、および同第PCT/US89/05040号、英国特許出願第2193095A号、Mayer et al.,1986、Hope et al.,1985、Mayhew et al.1987、Mayhew et al.,1984、Cheng et al.,1987、およびLiposome Technology,1984、に記載される)。
ある特定の実施形態において、脂質系ナノ粒子は、中性リポソーム(例えば、DOPCリポソーム)である。本明細書で使用される「中性リポソーム」または「非荷電リポソーム」は、本質的に中性の正味荷電(実質的に非荷電)を生じる1つ以上の脂質成分を有するリポソームとして定義される。「本質的に中性」または「本質的に非荷電」によって、所与の集団内のあったとしてもほとんどない脂質成分(例えば、リポソームの集団)が、別の成分の反対の電荷によって相殺されない電荷を含む(すなわち、10%未満、より好適には5%未満、および最も好適には1%未満の成分が非相殺電荷を含む)ことが意味される。ある特定の実施形態において、中性リポソームは、それ自身が生理学的条件下で(すなわち、約pH7で)中性である主に脂質および/またはリン脂質を含み得る。
本実施形態のリポソームおよび/または脂質系ナノ粒子は、リン脂質を含み得る。ある特定の実施形態において、単一の種類のリン脂質がリポソームの作成において使用され得る(例えば、(全飽和したホスファチジルグリセロールまたはホスファチジルセリンからなる)DPPCなどのリン脂質が、リポソームを発生させるために使用され得る)。他の実施形態において、一種類より多いリン脂質が、リポソームを作成するために使用され得る(例えば、DPPCおよびEPC)。
リン脂質は、例えば、ホスファチジルコリン、ホスファチジルグリセロール、およびホスファチジルエタノールアミンを含み、ホスファチジルエタノールアミンおよびホスファチジルコリンは生理学的条件下で(すなわち、約pH7で)非荷電であるため、これらの化合物は中性リポソームの発生にとって特に有用であり得る。ある特定の実施形態において、リン脂質DOPCが、非荷電リポソームを生成するために使用される。ある特定の実施形態において、リン脂質ではない脂質(例えば、コレステロール)が使用され得る。
リン脂質は、グリセロリン脂質およびある特定のスフィンゴ脂質を含む。リン脂質は、ジオレオイルホスファチジルコリン(「DOPC」)、卵ホスファチジルコリン(「EPC」)、ジラウロイルホスファチジルコリン(「DLPC」)、ジミリストイルホスファチジルコリン(「DMPC」)、ジパルミトイルホスファチジルコリン(「DPPC」)、ジステアロイルフォスファチジルクロリン(「DSPC」)、1−ミリストイル−2−パルミトイルホスファチジルコリン(「MPPC」)、1−パルミトイル−2−ミリストイルホスファチジルコリン(「PMPC」)、1−パルミトイル−2−ステアロイルホスファチジルコリン(「PSPC」)、1−ステアロイル−2−パルミトイルホスファチジルコリン(「SPPC」)、ジラウリロイルホスファチジルグリセロール(「DLPG」)、ジミリストイルホスファチジルグリセロール(「DMPG」)、ジパルミトイルホスファチジルグリセロール(DPPG)、ジステアロイルホスファチジルグリセロール(「DSPG」)、ジステアロイルスフィンゴミエリン(「DSSP」)、ジステアロイルホスファチジルエタノールアミン(「DSPE」)、ジオレオイルホスファチジルグリセロール(「DOPG」)、ジミリストイルホスファチジン酸(「DMPA」)、ジパルミトイルホスファチジン酸(「DPPA」)、ジミリストイルホスファチジルエタノールアミン(「DMPE」)、ジパルミトイルホスファチジルエタノールアミン(「DPPE」)、ジミリストイルホスファチジルセリン(「DMPS」)、ジパルミトイルホスファチジルセリン(「DPPS」)、脳ホスファチジルセリン(「BPS」)、脳スフィンゴミエリン(「BSP」)、ジパルミトイルスフィンゴミエリン(「DPSP」)、ジミリスチルホスファチジルコリン(「DMPC」)、1,2−ジステアロイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(「DAPC」)、1,2−ジアラキドイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(「DBPC」)、1,2−ジエイコセノイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(「DEPC」)、ジオレオイルホスファチジルエタノールアミン(「DOPE」)、パルミトイルオエオイルホスファチジルコリン(「POPC」)、パルミトイルオエオイルホスファチジルエタノールアミン(「POPE」)、リゾホスファチジルコリン、リゾホスファチジルエタノールアミン、ジリノレオイルホスファチジルコリンを含むが、これに限定されない。
リン脂質は、天然または合成源由来であり得る。卵またはダイズホスファチジルコリン、脳ホスファチジン酸、脳または植物ホスファチジルイノシトール、心臓カルジオリピン、および植物または細菌ホスファチジルエタノールアミン(またはこれらの水素化型)などの天然源由来のリン脂質が、ある特定の実施形態において、リン脂質として使用される。いくつかの態様において、(全mPEGmPEGリン脂質または全ホスファチジルエタノールアミンであり得る)PEG2000−DPPE=1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン−N−[メトキシ(ポリエチレングリコール)−2000]などのPEG化脂質が用いられる。
同様に、当業者によって、送達、封入などを最適化するために、様々なリポソーム成分のモル比が調整され得ることが理解されるであろう。例えば、いくつかの態様において、リポソームは、DPPC:EPC:PEG2000−DPPE:DPPG:CHを約30〜50:10〜30:5〜15:5〜15:10〜20、または約40〜50:20〜30:5〜10:5〜10:10〜20の割合で含む。特定の割合のいくつかの例は、無制限に50:20:10:10:15、60:30:10:10:12、46:23:8:8:15、47:27:9:8:13、または48:28:7:7:13を含む。
ある特定の実施形態において、脂質系小胞は、DOTAP:コレステロールナノ粒子である。DOTAP:コレステロールナノ粒子は、カチオン性脂質DOTAP(1,2−ビス−(オレオイルオキシ)−3−(トリメチルアンモニオ)−プロパン)をコレステロールと混合することによって調製される。小胞は、核酸とさらに調製されることができ、核酸が2つの脂質二重層間に凝結しているように見える(「サンドイッチ」と呼ばれる)構造を形成することができる(米国特許第6,770,291号および同第6,413,544号)。
A.ガス装填リポソーム
ある特定の実施形態において、本発明は、同時薬物封入によるガス含有リポソームの容易な生成のための方法を提供する。例示的な実施形態(実施例1を参照されたい)において、リン脂質のリポソームおよびコレステロールを、脂質膜を水和させ、超音波処理し、凍結し、解凍する従来の手順によって調製した。発生した脂質は、超音波処理の後に脂質を対象のガスと共に圧力下に配置する段階を含むことによって空気を含有する。平衡の後、試料を凍結させる。その後圧力を、大気圧まで低減させ、懸濁液を解凍する。この手順は、中程度(10mg/ml)濃度での脂質分散により、最大約10体積%の量の空気の捕捉につながる。封入されるガスの量は、ガス圧力および脂質濃度と共に増加する。0.32Mマンニトールを利用して生理学的オスモル濃度を有する水性相を提供するために、1、2、4、または6気圧を4mgの脂質に適用した。これは、それぞれ10、15、20、および30μlのガス封入につながるであろう。本実施形態は任意の特定の機構に限定されないが、ガス封入のための機構は、ほとんどの溶質のように、空気(主に窒素および酸素)が氷に不完全に溶解し、凍結中に生じる氷から排除されるという事実におそらく依存する。その後排除された空気は、脂質被覆によってなんらかの形で安定化される空気ポケットとして溶液から出てくる。これらの調製剤中の空気の存在は、(水溶性薬物を含み得る)それらの水性含量の最大半分が超音波の短い(例えば、10秒)適用によって放出され得るように、それらを超音波に対して感作にする。
本発明は、ガスをリポソームに、それらが超音波を反射するだけでなく、超音波または他の誘発手段に曝される際にそれらの内容物を放出するように、導入する方法を提供する。実質的に重要なのは、ある特定の実施形態において、凍結と組み合わせて高圧を使用する方法が、非常に単純であり、選択ガスの組み込みと共に溶質の容易な封入を可能にすることである。本方法は超音波造影剤および超音波制御薬物送達系の両方の調製剤に適切である。
水中のガスの溶解性が低いため、リポソームを調製するための従来の手順はガスの組み込みを可能にしない。しかしながら、ヘンリーの法則によると、液体中のガスの溶解性は、そのガスの液体に対する圧力に正比例する。溶液は、ガスの圧力が局所温度における平衡飽和値よりも小さい、それと等しい、またはそれより大きい際に、不飽和、飽和、または過飽和と見なされる。したがって、圧力が増加する場合、溶液中のガス分子濃度が増加し、圧力が低下する場合、過剰ガスが蒸気として放出される。
本発明のある特定の実施形態の圧力−凍結法は、この原理に基づく。凍結の本質的な役割は、ガスおよび溶質分子の両方を、それらの封入を優遇するように、濃縮させることである。実際に、凍結中に空気が放出され、しばしば気泡として結果として生じる氷中に捕捉されるという基本的な現象は、長年にわたって既知であり、さらに、細胞内のその気泡形成は、長期間の細胞および組織の保持における損傷の凍結に有意に貢献する。
エコー源性リポソームを生成する方法の例示的な段階を、以下、特に実施例1および図1〜7に提供する。リポソーム中のガスの組み込みは、圧力に比例する。上記のように、リポソームによるガスの取り込みが第1の段階の溶液中の量に比例する場合、これはヘンリーの法則から予想されるはずである。これはガス捕捉に影響を与えるが、溶存ガス、したがってガス封入に対する大きい影響を有するのは、凍結段階である。本発明はいかなる機構にも限定されないが、凍結が、おそらく2つの目的、溶存ガスの局所濃度を増加させること、およびバルクガス相の小さいポケットの形成の核となること、を果たすと考えられる。ガスは、他の溶質のように、固体の氷よりも液体の水により可溶性である。したがって、氷の結晶が成長するにつれて、溶存ガスは氷から未凍結溶液へと漸進的に置換され、その結果、溶存ガスが次第に液体溶液の絶え間なく減少する体積中に濃縮させられる。溶存ガス濃度が十分に高くなると、ガスの気泡が核となり、成長し得る。核生成理論によると、全溶存ガス圧力と周囲の液体中の周囲気圧との間の差異が、ラプラス圧力(表面張力の影響下での表面の収縮が原因で気泡中に作成される圧力)を超える際に気泡が生じる。
凍結がガスを水性相から放出することは明らかであるが、そのように放出される気泡が凍結分散液中のどこに存在するのかは不明である。分散液が超音波反射性となるためには、高い音響インピーダンスの表面を有する空気のポケットが存在しなくてはならない(図1に示す)。ガスは、空気に対して比較的低い表面張力を有する、脂質二重層の疎水性内部と接触する溶液から出てき得るが、トレハロースの空気組み込みに対する効果は、より複雑な工程が関わることを示す。(それ自身の、または水のいずれかの)結晶化よりもむしろガラス形成を優遇することによって、凍結保護剤として機能するトレハロースは、マンニトールがしたよりもはるかに少ないエコー源性を支持した。マンニトールは、冷却時に溶液から容易に結晶化することにおいて、糖類の中でかなり特徴的である。以前は、マンニトール溶液を凍結することがリポソームに損傷を与えることが提起された。損傷した膜の表面の極性−非極性境界面は、急速に減圧されるダイバーに影響を与える減圧病において窒素気泡の放出の核生成の好適な部位であり得るという数年前になされた提案は、その発見と一致し、核生成理論に基づく。
繰り返すと、本発明はいかなる特定の機構にも限定されないが、以下は、ガス含有リポソーム形成工程の一部であると考えられる。氷形成中の液体相の過飽和は、初期の空気ポケットの生成を引き起こすはずであるが、もしそうであるとすれば、圧力を元の周囲気圧に低減する前に試料が解凍される際に、エコー輝度が特に低くあるはずはないため、これが全体的な話である可能性は低い。これらの条件下、氷は融解し、生成された水は本質的に脱気されるため、(全ての形態の)脂質に結合した空気は、この水中に拡散するであろう。一方、第1に圧力が低下させられ、第2に試料が解凍される際、最初に融解する溶液中の空気濃度は、それが加圧時に懸濁液中に溶解した空気のほとんどを含有するため、高くある。その高い溶質(マンニトール)含量のため、リポソームの環境中の氷は、最初に融解し、脂質を周囲(1気圧)気圧に即時に曝すであろう。この最初に融解する相は、空気で非常に過飽和されるだけでなく、前段落に記載されるように、周囲気圧に曝される際に成長する空気ポケットを含有する可能性もまたある。したがって、空気は溶液から出てきて、凍結中におそらく形成されたガス核を拡大するであろう。結果は、脂質の単層によって安定化される空気ポケットの形成である。
さらに、ガス(例えば、Xe)および水性溶質の同時封入は、それが超音波の適用によるリポソーム内容物の放出を可能にするため、薬物送達において利点を有する。音響的活性リポソームは超音波をもまた反射するため、超音波の適用の部位に従って薬物の放出を局所化することだけでなく、それが送達のために活性化されている間に治療剤を撮像することもまた可能である。さらに、リポソーム自身の分子標的化が可能である。
リポソーム内容物を放出し、工程の画像を提供することに加えて、超音波は、薬物送達と共同作用する組織に対して効果、すなわち、薬物のその標的への到達を促進し得る超音波の空洞化効果を有し得る。例えば、従来の方法は、部位特異的薬物の送達が、薬物が充填された造影微小気泡を、標的領域内で高強度の超音波によって破壊することによって達成可能であることを発見した(Porter et al.,J Ultrasound Med1996;15(8):577−84.)。さらに、Shohet et al.(Circulation2000;101(22):2554−6.)は、アルブミン被覆微小気泡が、アデノウイルス導入遺伝子を、ラットの心筋にUS媒介微小気泡破壊を介して効果的に送達するために使用され得ることを発見した。従来の研究は、音響的活性リポソームの存在下での超音波の同時適用による、プラスミドDNAの向上した取り込みをもまた発見している(Huang et al.,Mol.Ther.2003;7(5):422Part2)。
エコー源性リポソームの超音波刺激に対する感度は、リポソーム組成物、封入ガス、および/または超音波適用パラメータを変化させることによってさらに改善させられ得る可能性がある。脂質二重層は、リポソームの脂質殻が表面交代の直後に急速に再封止するように、それに自己封止特性を付与する傾向がある疎水性相互作用によって結合される。したがって、脂質膜の剛性を変更することは、それの超音波に対する反応に影響を与えると考えられる。最適なガスの選択は、リポソーム中の高体積、および血流中の低速度の放出の両方に作用する。最も効果的な超音波振動は、組織が維持し得る最高強度での小さい数であるようである。
B.リポソームの標的化
標的化送達は、リポソームのそれらのペイロードを送達する能力を損なうことなく、リガンドを添加することによって達成される。これが特定の細胞、組織、および臓器(例えば、脳内の特定の部位)への送達を可能にすることが企図される。リガンド系送達系の標的化特異性は、異なる細胞型上のリガンド受容体の分布に基づく。標的化リガンドは、非共有結合的または共有結合的のいずれかでナノ粒子と結合することができ、本明細書に説明される様々な方法によってナノ粒子に接合することができる。
本実施形態のリポソームを標的化するために使用され得る分子の例は、抗体(またはその分屑)およびアプタマーを含む。代替的にまたは追加的に、細胞透過性ペプチドがリポソームを細胞に直接送達するために使用され得ることが企図される。
III.薬学的組成物および投与の経路
リポソーム(例えば、リポソームを含むガス)の臨床適用が実行される場合、リポソーム複合体を、意図される利用に適切な薬学的組成物として調製することが必要であろう。一般的に、これは発熱因子、ならびにヒトまたは動物に対して有害であり得るいかなる他の不純物をも本質的に含まない薬学的組成物を調製することを必要とするであろう。一般的に、複合体を安定させ、標的細胞による取り込みを可能にする適切な緩衝液を用いることもまた所望であろう。本発明の水性組成物は、以上に説明されるようにリポソーム中に封入され、さらに薬学的に許容される担体、または水性媒体内で分散する有効量のXeを含む。そのような組成物は、接種材料ともまた呼ばれる。「薬学的に」または「薬理学的に許容される」という語句は、動物、またはヒトに投与される際に、適切に、副作用、アレルギーまたは他の有害反応を生成しない組成物を指す。本明細書で使用される「薬学的に許容される担体」は、任意のおよび全ての溶媒、分散媒体、被覆、抗菌および抗真菌剤、等張および吸収遅延剤、および同様物を含む。薬学的活性物質のためのそのような媒体および剤の使用は、当技術分野で既知である。任意の従来の媒体または剤が活性成分と不適合である場合を除き、治療組成物におけるその使用が企図される。補助的な活性成分もまた、組成物中に組み込まれ得る。
治療組成物の溶液は、ドロキシプロピルセルロースなどの界面活性剤と適切に混合された水中で調製され得る。分散液もまた、グリセロール、液体ポリエチレングリコール、これらの混合物中、および油中で調製され得る。保管および使用の通常の条件下で、これらの調製剤は、微生物の成長を防止するための防腐剤を含有する。本発明の治療組成物は、液体溶液または懸濁液のいずれかで注射可能な組成物の形態で有利に投与され、注射前の液体中の溶液または懸濁液に適切な固体形態もまた調製され得る。これらの調製剤は、乳化もまたされ得る。そのような目的のための典型的な組成物は、薬学的に許容される担体を含む。例えば、組成物は、1ミリリットルのリン酸緩衝食塩水当たり、10mg、25mg、50mg、または最大約100mgのヒト血清アルブミンを含有し得る。他の薬学的に許容される担体は、水溶液、塩、防腐剤、緩衝液、および同類物を含む非毒性賦形剤を含む。
非水性溶媒の例は、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、植物油、およびオレイン酸エチルなどの注射可能有機エステルである。水性担体は、水、アルコール/水溶液、食塩水溶液、塩化ナトリウム、リンゲルデキストロースなどの非経口溶媒を含む。静脈内溶媒は、液体および栄養補填剤を含む。防腐剤は、抗菌剤、抗酸化剤、キレート剤および不活性ガスを含む。薬学的組成物の様々な成分のpHおよび正確な濃度は、既知のパラメータに従って調整される。添加製剤は、経口投与に適切である。経口製剤は、例えば、薬学的等級のマンニトール、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、セルロース、炭酸マグネシウム、および同類物などの典型的な賦形剤を含む。組成物は、一般的に溶液または懸濁液の形態を取る。
本実施形態の治療組成物は、標準的な薬学的調製剤を含み得る。本発明に係る治療組成物の投与は、標的組織がその経路を介して利用可能である限り、任意の一般的な経路を介する。この場合、静脈内注射または注入が好適であり得る。そのような組成物は、生理学的に許容される担体、緩衝液、または他の賦形剤を含む薬学的に許容される組成物として通常投与されるであろう。
有効量の治療組成物は、意図される目標に基づいて決定される。「単位用量」または「用量」という用語は、対象において使用するために適切な物理的に別個の単位を指し、各単位は、所定量の治療組成物であって、その投与、すなわち、適切な経路および治療計画に関する、以上に説明するような所望の反応を生成するために計算される、所定量の治療組成物を含有する。治療および単位用量の数の両方に係る投与される量は、所望の保護に依存する。
治療の有効用量の範囲は、動物試験で決定される有効用量から推定され得る。一般的に、mg/kgでのヒト等価用量(HED)は、以下の式に従って計算され得る(例えば、本明細書に参照によって組み込まれる、Reagan−Shaw et al.,FASEB J.,22(3):659−661,2008を参照されたい)。
HED(mg/kg)=動物用量(mg/kg)X(動物K/ヒトK
係数の使用は、変換において、体重のみよりもむしろ体表面積(BSA)に基づく、より正確なHED値をもたらす。ヒトおよび様々な動物のK値は、既知である。例えば、(1.6mのBSAを有する)平均60kgのヒトのKは37であるのに対し、20kgの子ども(BSA0.8m)は25のKを有するであろう。マウス3K(0.02kgの重量および0.007のBSAの場合)、ハムスター5K(0.08kgの重量および0.02のBSAの場合)、ラット6K(0.15kgの重量および0.025のBSAの場合)、およびサル12K(3kgの重量および0.24のBSAの場合)を含む、いくつかの関連する動物モデルのKもまた既知である。
治療組成物の正確な量は、施術者の判断に依存し、各個人に特有である。それにも関わらず、計算されるHED用量は、一般的な指針を提供する。用量に影響を与える他の要因は、患者の身体的および臨床状態、投与の経路、治療および効力の意図される目標、特定の治療製剤の安定性および毒性を含む。本実施形態について、ヒト(成人)における治療リポソーム(例えば、Xe−ELIP)用量の量は、約0.568mg/kgより多いことが想定される。例えば、ヒト用量の範囲は、約0.6〜3.0mg/kgの間、約0.8〜2.8mg/kgの間、または約1.0〜2.5mg/kgの間であり得る。いくつかの特定の態様において、Xe−ELIPはヒト対象に1.14mg/kg〜約2.27mg/kgの間の用量で投与される。
IV.実施例
以下の実施例は、本発明の好適な実施形態を実証するために含まれる。後続する実施例において開示される技術は、本発明の実施においてよく機能すると発明者によって発見された技術を表し、したがってその実施のための好適な様式を構成すると考えられ得ることが、当業者によって理解されるべきである。しかしながら、当業者は、本開示を考慮して、開示される特定の実施形態において多くの変更が行われることができ、依然として同類または類似の結果を、本発明の精神および範囲から逸脱せずに得ることを理解するべきである。
(実施例1)
Xe−ELIP生成および実験方法
Xe−ELIP生成
Xe−ELIPを、図7に概略的に図示される凍結解凍プロトコルを使用して生成した(本明細書に参照によって組み込まれる、米国特許第7,976,743号をもまた参照されたい)。簡潔には、リポソームは、L−α−ホスファチジルコリン(卵PC)、1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスホコリン(DPPC;Avanti Polar Lipids,Alabaster,Ala)、1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスホエタノールアミン−N−[メトキシ(ポリエチレングリコール)−2000](16:0 PEG2000 PE)、およびコレステロール(Sigma,St Louis,Mo)からなった。5ミリグラムの脂質をクロロホルム中で混合し、溶媒をアルゴンによって50℃の水浴中で蒸発させ、ガラス製バイアル上に薄膜を形成した。脂質膜を、真空下に4〜6時間、完全な溶媒除去のために配置した。乾燥した脂質膜を、0.32mol/Lのマンニトールによって1ミリリットル当たり脂質10mgの濃度まで水和させ、5分間の超音波処理を後続させた。超音波処理したリポソームを、テフロン(登録商標)ゴム製セプタムで封止されたキャップを有する2mLガラス製バイアルに移した。6ミリリットルのXe(100%)(Concorde Specialty Gas Inc,Eatontown,NJ)を、27ゲージ1/2インチ針に取り付けられた12mL注射器を有するテフロン(登録商標)ゴム製セプタムを通してガラス製バイアルに注入した(この段階では、他のガスおよび/またはガス混合物が組み込まれ得ることに留意すること)。加圧されたリポソーム分散液を、−70℃で、ドライアイスによって少なくとも30分間凍結した。キャップを除去することによってバイアルを加圧解除した後、リポソーム分散液を解凍した。Xe−ELIPの構造およびガス保持特性を、図1に示す。
MCA閉塞のラットモデル
全ての動物実験は、ヒューストンのテキサス大学健康科学センターのAnimal Welfare Committeeによって承認された。雄のSprague−Dawley系ラット(260〜280g、Harlen Laboratories Inc.,Indianapolis,IN)を、水の自由な利用を与えて、手術前に24時間絶食させた。手術前に、げっ歯類を、イソフロランの連続的な流れを有する封止した誘導室中(メラニーに問い合わせること)に5分間配置することによって、麻酔を誘導した。マーカイン(2mg/kg)を手術部位に皮下注射し、局所鎮痛を提供した。右中大脳動脈(MCA)を2時間、以前説明した腔内縫合法を使用して閉塞することによって、脳虚血を誘導した(本明細書に参照によって組み込まれる、Britton,et al.2010)。簡潔には、MCAを閉塞する前に、1mm直径の穿頭孔を頭蓋に作成して、局所脳潅流(CP)測定を促進した。次に、右総頸動脈(CCA)を、正中線首切開によって曝した。その後、右外頸動脈(ECA)を、その遠位端部付近で結紮した。内部動脈を単離し、隣接する組織から分離した。加工25cm4−0ナイロンモノフィラメントを、右ECAから前進させ、右MCAに2時間挿入して、虚血を誘発した。MCAを通る局所血流の断絶を、虚血性領域上に、ブレグマに対して2mm後側および6mm側方に配置されたレーザードップラー流量計によって実証した。全ての実験において、虚血中に体温を37℃に維持した。ポリエチレンカテーテルを、右大腿動脈中に圧力記録のために導入した。
治療時間窓の決定
動物を、4つの群(各群中n=8)、(1)無処置群−MCA閉塞のみ、(2)処置群「a」−再潅流の10分後にXe−ELIP投与、(3)処置群「b」再潅流の60分後にXe−ELIP投与、(4)処置群「c」再潅流の180分後にXe−ELIP投与、に無作為に分割した。各処置群中の全てのラットに、右内頸動脈に修正PESOチューブによってカニューレを挿入することによって、200μlのXe−ELIPを4分間かけて投与した。Xe−ELIP投与中、ICAを、0.18MPaのピーク間圧力振幅(1W/cm2ダイヤル設定)で1MHzの連続波超音波に曝した。神経学的評価を、後続する3日間にわたって行った。MCAO後の3日目、2%2,3,5−塩化トリフェニルテトラゾリウム(TTC)染色によって梗塞体積を決定した。
用量依存性およびXe−ELIP投与の効果の決定
動物を、4つの群(各群中n=8)、(1)無処置群−MCA閉塞のみ、(2)処置群「a」−100μl用量のXe(10mgXe−ELIP/ml)を受けた、(3)処置群「b」−200μl用量のXe−ELIP(10mgXe−ELIP/ml)を受けた、(3)処置群「c」−400μl用量のXe−ELIP(10mgXe−ELIP/ml)を受けた、に無作為に分割した。各処置群の全てのラットが、右内頸動脈に修正PESOチューブによってカニューレを挿入することによって、Xe−ELIPを再潅流の60分後に受けた。Xe−ELIP投与中、ICAを、0.18MPaのピーク間圧力振幅(1W/cm2ダイヤル設定)で1MHzの連続波超音波に曝した。梗塞体積を、MCAOの3日後にTTC染色によって決定した。神経学的評価を、後続する3日間にわたって行った。MCAO後の3日目、2%TTC染色によって梗塞体積を決定した。
神経学的評価
マウスにおける全ての行動試験を、静かな低照度の室内で、処置群に関して盲検で観察者が行った。手術後1、2、および3日目において、各動物を運動機能および神経学的転帰について、四肢の配置、ビーム歩行、および格子歩行能力を記録することによって試験した。
四肢の配置を、動物をその尻尾でテーブル上に吊るす間に、その頭を上げ、その前肢をテーブルに向けて伸ばす動物の能力を観察することによって評価した(得点ゼロ−無反応、反応が鈍いまたは遅延する際1〜10の得点、反応が急速および完全に実行される際2の得点)。ビーム(2.5x2.5x80cm)を横切って歩く能力を、ビームを横切って移動する間に平衡を維持する能力を観察することによって評価した。反応得点を以下のように割り当てた。得点ゼロ−足を滑らさずにビームを横断した、得点1−ビームの側方を把持しながら横断した、得点2−ビームをはって横切ることに困難を示したが横断することができた、得点3−歩行困難が原因でビームを横断するのに10秒超を必要とした、得点4−ビームを横断することができなかった、得点5−身体またはいずれの四肢もビーム上に動かすことができなかった、得点6−10秒を超えてビーム上に留まることができなかった。格子歩行能力を、動物をステンレス鋼格子床(2cmx2cmのメッシュサイズを有する20cmx40cm)上に配置することによって評価した。全歩数を、最大50歩まで計数した。格子を抜け落ちた前肢または後肢の誤配置によって定義される、足フォールト誤差の数を記録した。
梗塞体積測定
動物を、3日目に神経学的評価に後続して屠殺した。脳を摘出した。Jacobowitz脳スライサーを使用して、梗塞体積決定のための、PBS中20分間3rCでの2%2,3,5−塩化トリフェニルテトラゾリウム(TTC)による染色前に、2mm厚の冠状切片に切断した。染色した切片を、保管のために、10%リン酸緩衝ホルマリンに移した。切片を、Polaroid土地用三脚に取り付けたCanonG7 10.0メガピクセルカメラで、8.5cmの物体距離で撮影した。画像を転送し、Image Pro−Plusで分析して、梗塞体積を計算した。梗塞体積を、均等にスライスした(1mm)脳切片上の梗塞領域を測定し、それらを合計することによって計算した(シンプソンの法則)。脳全体の体積に対する正規化梗塞体積を、TTC未染色の(梗塞した)組織の体積を脳全体のそれで割ることによって計算した。
ゲル電気泳動および免疫ブロット
動物を、3つの群、1)無虚血での偽手術、2)無処置での2時間のMCAO、および3)Xe−ELIP(400μl)動脈内投与に後続する2時間のMCAOおよび1時間の再潅流、に供した。脳組織スライスを回収し、プロテアーゼ阻害剤、フェニルメチルスルホニルフルオライド(PMSF、1mM)、およびホスファターゼ阻害剤カクテル(Santa Cruz Biotechnology,CA,USA)を含有する1mlのRIPA(ラジオイムノ沈降アッセイ)緩衝液(Cell Signaling Technology,MA,USA)中で均質化した。脳組織を、脳卒中発症の7および24時間後に摘出した。細胞タンパク質全体を抽出し、SONICS Vibra Cell(SONICS&MATERIALS Inc,CT,USA)で3回超音波処理した。上清を回収し、タンパク質濃度を測定した。等量のタンパク質(80g)を装填し、12%SDSポリアクリルアミドゲル上で、トリス−グリシンランニング緩衝液系の電気泳動によって2時間分離し、その後ポリビニリデンジフルオライド(PVDF)膜(Millipore,MA,USA)に移した。非哺乳類ブロッキング試薬(LI−COR Biosciences,NE,USA)中で、Tween−20なしで1時間ブロッキングした後、膜をBDNF(1:250、Santa Cruz Biotechnology,CA,USA)、リン酸化AKT(1:250、Cell Signaling Technology,MA,USA)、または全Akt(1:500、Cell Signaling Technology,MA,USA)、およびホスホ−ERK1/2(1:250、Cell Signaling Technology,MA,USA)またはErk1/2(:500、Cell Signaling Technology,MA,USA)の一次抗体で、4℃で一晩インキュベートした。膜を、0.1%Tween−20(TBS−T)を含有するトリス緩衝食塩水で洗浄した後、膜をIRDye800CW Dky抗ウサギIgG二次抗体(H+L)(LI−COR Bioscience,NE,USA)で、室温で1時間インキュベートした。TBS−T0.1%中での徹底的な洗浄の後(濯ぎ2回および洗浄3回X5分)、ブロットを、オデッセイ赤外線撮像システム(LI−COR Biosciences,NE,USA)によって可視化した。等価のタンパク質装填を確保するために、膜を抗b−アクチン(Sigma,MO,USA)によって1時間室温で再プローブし、その後IRDye680 L T Gt抗マウスIgG(H+L)(LI−COR Biosciences,NE,USA)で1時間インキュベートした。膜を、同一のオデッセイ赤外線撮像システムを使用して走査した。全てのタンパク質バンドの光学密度を、NIH ImageJソフトウェアを使用することによって分析した。全ての標的タンパク質を、b−アクチンに正規化することによって定量化し、対応する対照群の折り畳みとして計算した。
統計分析
ノンパラメトリック統計分析を、2つの群に対してウィルコクソン順位検定、または複数の群に対してクラスカルウォリス分散分析(ANOVA)によって行い、ほとんどの実験について平均および標準偏差として報告した。広範囲の比較において差異が検出された場合、全ての群の平均順位の複数の比較を、全ての一対比較のために行った。処置群間の神経学的転帰比較を、中央値および4分位数として報告した。Statistica(Version9、StatSoft Inc.,Tulsa,OK)ソフトウェアを統計分析のために利用した。p<0.05を有意と考えた。
(実施例2)
脳卒中の治療としてのXe−ELIP
Xe−ELIPを1〜4mg/ラット(3.5、7、および14mg/kg)の用量範囲で脳卒中発症の3時間後に、右一過性血管内フィラメント中大脳動脈(MCAO)の閉塞(2時間)を有する雄のSprague−Dawley系ラットモデルに注射することによって、用量依存性Xe−ELIP治療を最初に調査した。7mg/kg、または14mg/kgのXe−ELIPを脳卒中発症の3時間後に受けた処置群は、正規化梗塞サイズを6.0±2%(p=0.04)および3.7±2%(p=0.002)までそれぞれ低減させた(図4a〜e)。この試験は、脳卒中発症の3時間以内に2〜4mgを超える用量(例えば、7mg/kg以上)で投与されるXe−ELIPが、最良の神経保護を提供することを実証する。
神経学的損傷の行動評価を、四肢の配置、ビーム歩行、および格子歩行能力を、静かな低照度の室内で観察者盲検方法で手術の1、2、および3日後に記録することによって行った。結果を図4f〜hに示し、7mg/kgまたは14mg/kgで処置した動物における非常に有意な行動改善を実証する。
Xe−ELIPの治療時間窓を、その後ラットフィラメントMCAOおよび血栓性MCAOモデルの両方についてさらに調査した。Xe−ELIPを、上行右総頸動脈を通して、脳卒中発症の2、3、および5時間後(再潅流の10分、1時間、および3時間後)にフィラメントMCAOモデルに投与した。無処置群において、大きい梗塞が生じ、脳全体の16±5.2%(228±74mm)の正規化梗塞体積を有する大脳皮質および線条体に主に作用した(図2a、e)。脳卒中発症の10分および2時間後のXe−ELIP投与は、正規化梗塞サイズを15±5.1%(対照)から4.9±1.2%(p=0.005)、および6.0±3.4%(p=0.002)までそれぞれ低減した(図2a〜e)。MCA閉塞および再潅流の最初の時間中、深部体温において群間の差異は存在しなかった。
神経学的損傷の行動評価を、四肢の配置、ビーム歩行、および格子歩行能力を、静かな低照度の室内で観察者盲検方法で手術の1、2、および3日後に記録することによって行った。脳卒中発症の3時間後にXe−ELIPを投与した群は、行動課題を行うことにおいてわずかな改善を実証した。10分および1時間にXe−ELIPを投与した群の両方は、1日目から全ての行動試験において改善した動作を実証し、全ての試験において3日目までに著しい改善を有した(図2f〜h)。過剰な細胞外グルタミン酸の蓄積が引き起こす興奮毒性効果を虚血の早期事象において吸収する間に、キセノンがニューロン損傷をグルタミン酸受容体(NMDA)拮抗薬として保護することが実証された。
脳卒中発症の2時間後(再潅流の10分後)のXe−ELIPの治療時間窓は、治療効果を示した。臨床設定において、脳卒中治療のためのtPA投与は、その限られた治療時間窓によって限定される。85%の脳卒中は循環する血餅による脳動脈の閉塞が原因であるものの、15%の脳卒中は出血性である。IV tPAは、出血脳卒中の血栓性脳卒中からの排除まで投与され得ない。したがって、tPA治療時間窓を延長するためのIV tPA前の神経保護剤投与は、非常に有望な臨床に関連する戦略である。したがって、Xe−ELIP投与の神経保護効果を、脳卒中発症の2時間後の、しかし再潅流前後にさらに調査した。処置の前後のXe−ELIPによる脳梗塞の低減を、図6aに示す。再潅流前および再潅流後のXe−ELIPは、正規化梗塞サイズを86±12%、および67±7%だけそれぞれ低減した。
虚血性脳卒中発症の4.5時間以内のtPAの投与は、臨床的利益を有すると示されている依然として唯一の処置である。神経保護組み合わせ治療は、虚血性ニューロン損傷の有害効果を最小化し得る。Xe−ELIPのtPA活性に対する効果を試験するために、Xe−ELIPの存在下でのtPAの血栓溶解効率を、ブタ血餅上でtPA単独と比較した。tPAの血栓溶解効果を、30分間の遊離Xe(Xe飽和溶液)との組み込み後に阻害した。tPAがXe−ELIPに組み込まれる際、それは、tPA単独と同一の血栓性効果を有した。これは、tPAとの相互作用からのELIPのXeに対する保護効果を実証した(図6b)。
ラット塞栓性脳卒中モデルにおけるXe−ELIPの治療効果を、その後調査した。雄のSprague−Dawley系ラット(n=16)において、13mm長の血餅を中大脳動脈に注射することによって血栓性脳卒中を誘導した。処置群において、tPA(10mg/kg)を、閉塞の発症の2時間後に静脈内注入した。Xe−ELIPを、IV tPAの前に静脈内に投与した。連続波超音波(1MHz、50%負荷サイクル、0.5W/cm)を適用して、Xe−ELIP投与の5分間中のELIPからのXe放出を誘発した。無処置の血栓性脳卒中対照群は、最大の損傷および梗塞サイズ(脳全体の17±5%)を示した(図5a〜e)。tPA処置は、損傷および梗塞サイズを5.2±0.4%(p=0.025対脳卒中)まで低減した。Xe−ELIPと組み合わされるtPA処置は、梗塞サイズを1.5±0.4%(p=0.05対tPA群)までさらに低減した。行動欠点は、梗塞体積と逆相関した。レーザードップラー流量計によって観察された局所血流速度は、tPAおよびtPA+Xe−ELIP治療群の両方において類似した(図5f〜h)。この試験は、1MHzの超音波の適用によって放出されるELIP封入キセノンの神経保護効果を実証した。Xe−ELIPは、tPA血栓溶解活性に影響を与えずに、tPAと組み合わせて使用され得る。処置条件から生じる死亡率を、以下の表1に示す。
Xe−ELIPのBDNF発現およびアポトーシスに対する効果をもまた評価した(例えば、図3を参照されたい)。脳卒中の24時間後の大脳皮質組織における、BDNFのウエスタンブロット分析(a)、phos−Akt(b)、およびphos−ERK(c)は、XeがBDNF(d)、全Akt(e)、およびphos−ERK(f)の発現を増加させることを示した(図3a〜f)。偽手術群(g)、脳卒中群(h)、およびXe−ELIP処置ありの脳卒中群(i)からの脳切片の半影領域におけるTUNEL染色は、Xe−ELIP処置された動物においてアポトーシスの低減を示した(図3)。アポトーシスのウエスタンブロットおよび顕微鏡写真は、3つの独立した実験の代表例である。データは、平均±標準偏差である。
(実施例3)
Xe−ELIPは出血性脳卒中における効果的保護を提供する
Xe−ELIP組成物を、実施例1で詳述されるように生成した。Xe−ELIP有効性を評価するために、くも膜下出血のラットモデルを用いた。簡潔には、260〜280グラムの間の体重の健康な雄のSprague Dawley系ラット(Harlan Laboratories Inc.,Indianapolis,IN)を取得した。全ての手術手順を、解剖顕微鏡下で麻酔した動物に対して行った。右外頸動脈を単離し、4.0加工鋭利ナイロンモノフィラメントを内部動脈を通して導入して、中大脳動脈を穿孔した。モノフィラメントを即時に撤回して、中大脳動脈への血流を再開させた。血流を観察して、出血を確認した。
出血の誘導に後続して、キセノンの循環するXe−ELIPからの脳内への放出を誘発するための内頸動脈上への同時超音波適用(0.5MPa)と共に、Xe−ELIP(600μl、10mg/ml)を5分間、大腿静脈を通して注入した。神経学的および行動試験を手術後3日間行った。出血の程度を評価するためのSAH等級付け、水腫およびアポトーシスを確認するためのTUNEL染色を評価するための脳水含有のために、神経学的および行動評価後3日目に動物を屠殺した。
脳組織の理学的検査からの結果を図8に示す。得点化のために基底槽を6つの部分に分割した。出血をこれらの部分のうちのそれぞれにおいて評価し、0〜3(0:無SAH、1:最小SAH、2:認識可能な動脈を有する中程度の血餅、3:血餅が動脈を閉塞)に得点化した。総得点を合計し、出血の重症度を、0〜7:軽度のSAH、8〜12:中程度のSAH、13〜18:重度のSAH、として計測した。Xe−ELIPは、フィラメント穿孔くも膜下出血(SAH)ラットモデルにおける出血を減少させる。
処置したラットの行動試験の結果を図9に示す。下部パネルは、動物が対象であった一連の行動試験を図示する。神経学的評価、ビームおよび格子歩行の結果を、上部パネルのグラフに示す。いずれの場合においても、Xe−ELIPで処置したラットが、無処置のラットよりも、有意により良く動作した。実際に、TUNEL染色を使用した脳切片の顕微鏡検査(図10)は、出血脳卒中群からの脳切片、上部パネル、が、Xe−ELIP処置をした出血脳卒中群、下部、と比較して、有意により多いアポトーシス細胞を有することを示した(中央パネルを比較されたい)。おそらく最も重要なことに、Xe−ELIP処置は、SAHラットの死亡率を減少させたが、脳水腫および脳血流に対して有意な効果を示さなかった(図11)。脳水腫は、脳卒中の、主要な生命を脅かす合併症である。それは、くも膜下出血、血管攣縮、および虚血性再潅流損傷にしばしば関連付けられる。本明細書に示される結果は、1つのガス(Xe)のみを含有するELIP製剤が、脳水腫および血管活性に影響を与えないことを実証する。脳卒中後の水素の投与が、血液脳関門透過性を減少させることによって脳水腫を除去することができ、HSが血管攣縮を抗炎症効果によって阻害することが示されている。したがって、いくつかの態様において、水素ガスおよび/または硫化水素ガスをXe−ELIPと共に同時封入する製剤は、脳水腫および脳血管攣縮に対して効果を追加しているだろう。
(実施例4)
およびHSはXe−ELIP有効性を向上させる
試験は、次にXeの水素または硫化水素とのELIPへの同時封入を評価するために実行した。ELIPは、リン脂質およびコレステロールからなり、実施例1で詳述されるように生成した。しかしながら、この場合、30%水素+70%ガスキセノンまたは1%硫化水素+99%キセノンの混合物をELIPに、100%Xeの使用に加えて加圧−凍結法によって装填した。
有効性実験の設計を、図12にグラフ表示する。示されるように、H/Xe−ELIPまたはHS/キセノンELIPの治療効果を試験するために、それぞれの400μl(追加のXe−ELIP単独中)をSprague−Dawley系ラットに、右中大脳動脈閉塞後(3時間で)別個に静脈内投与した。内頸動脈上に向けた1メガヘルツ低振幅(0.18MPa)連続波超音波を使用して、循環するXe−ELIPからのガス放出を誘発した。
その後動物を行動試験に供し、存在する物理的損傷を評価するためにそれらの脳を検査した。図13aおよびbに示されるように、HおよびHSの添加の両方は、処置したラットの脳内の正規化梗塞体積を低減するXe−ELIPの能力をさらに増加させた。図13cに示されるように、HSの添加は、処置したラットの脳内のTUNEL陽性細胞の数を低減するXe−ELIPの能力をさらに増加させ、ニューロン細胞損傷を低減させることを示した。処置したラットの脳内の血管壁にわたる好中球浸潤の分析は、HSによって向上した、Xe−ELIPの処置に後続して減少した浸潤を示した。血管壁にわたる好中球移動の阻害は、HS/Xe−ELIP神経血管単位保護のための1つの潜在的な機構である。
おそらくより重要なことに、HまたはHSと組み合わせられるXe−ELIP治療した動物は、四肢の配置、ビーム歩行、および格子歩行を含む行動試験においてより良く動作する傾向もまたあった(図14)。特に、組み合わせ治療は、対照(無処置)のラット、およびXe−ELIP単独で処置したラットの両方と比較して、格子歩行能力の改善において有意により良くあることを示した。
(実施例5)
培養ヒト脳星状細胞の過酸化水素(H)細胞毒性または酸化ストレスに対するXe−ELIP保護
ヒト脳星状細胞は、神経細胞機能および酸化ストレスに対する生存を維持することにおいて重要な役割を果たす。培養したヒト脳星状細胞のHへの露出は、有意な損傷を細胞に引き起こし、それらが大量のLDHを放出することを引き起こした。しかしながら、脳細胞のXe−ELIP試薬による前処置は、LDH放出を著しく低減し(図15)、Xe−ELIPの酸化ストレスによって損傷した脳細胞に対する保護効果を示した。ELIP単独で治療した細胞、または対照媒体内に、保護効果は全く、またはほとんど見られなかった(図15)。
(実施例6)
Xe−ELIPはマウス幹細胞に対して細胞毒性を有さない
マウス胚性幹細胞を、それらをHでXe−ELIPの存在下または非存在下で、処置するまたはしない際の、それらの成長および生存について検査した。細胞生存率を、LDHの放出を評価することによって決定した。Xeまたは他のガスで装填される、またはされないELIPの存在下で、培養内のLDHレベルは、依然として有意なレベルに留まった(図16)。一方、H(10mM)の添加で、酸化ストレス剤Hへの露出の2時間以内に有意なLDH放出が見られた(図16)。
***
本明細書に開示され、主張される方法のうちのすべては、本開示を考慮して、必要以上の実験なしに行われ、実行され得る。本発明の組成物および方法は好適な実施形態に関して記載されているが、方法、および本明細書に記載される方法の段階、または一連の段階に、本発明の概念、精神および範囲から逸脱せずに、変動が適用され得ることは当業者に明らかであろう。最も具体的には、化学的、および生理学的の両方で説明されるある特定の剤が、同一の、または類似した結果を達成しながらも、本明細書に記載される剤の代替とされ得ることは明らかであろう。当業者に明らかな、全てのそのような類似した代替物および修正は、添付の特許請求の範囲によって定義される本発明の精神、範囲および概念の範囲内であると見なされる。
参考文献

以下の参考文献は、それらが本明細書に明記されるそれらに対して補助的な、例示的な手順の、または他の詳細を提供する程度まで、本明細書に参照によって具体的に組み込まれる。

米国特許第4,162,282号
米国特許第4,310,505号
米国特許第4,533,254号
米国特許第4,728,575号
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米国特許第4,737,323号
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米国特許第6,680,068号
米国特許第6,770,291号
米国特許第7,976,743号
米国出願第2004/0208921号

国際出願第PCT/US85/01161号
国際出願第PCT/US89/0504号
英国特許出願第2193095A号
国際公開第02/100435A1号
国際公開第03/015757A1号
国際公開第04/002453A1号
国際公開第04/029213A2号

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Claims (100)

  1. 対象における出血性脳卒中を治療する方法であって、キセノン装填エコー源性リポソームを含む有効量の組成物を前記対象に投与することを含む、方法。
  2. 前記組成物が、静脈内注入を介して、または動脈内注入を介して、静脈内、動脈内、頭蓋内投与される、請求項1に記載の方法。
  3. 超音波刺激を、前記対象に前記リポソームからのキセノン放出を促進するのに有効な量で適用することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  4. 前記超音波刺激が、従来の超音波プローブまたは頚椎カラーの超音波装置によって適用される、請求項3に記載の方法。
  5. 前記超音波刺激が、前記対象の首または頭に適用される、請求項3に記載の方法。
  6. 前記超音波刺激が、約1〜8MHzの間の周波数、および約0.1〜1.4の間の機械的指標で適用される、請求項3に記載の方法。
  7. 前記投与が、脳卒中発症の6時間以内である、請求項1に記載の方法。
  8. 前記投与が、脳卒中発症の4、3、2、または1時間以内である、請求項1に記載の方法。
  9. 前記対象が、ヒトである、請求項1に記載の方法。
  10. 前記組成物が、前記対象に2回目投与される、請求項1に記載の方法。
  11. 前記第2の投与が、前記初回投与の約2、3、4、5、6、7、または8時間後である、請求項10に記載の方法。
  12. 第2の治療剤を、前記対象に投与することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  13. 前記第2の治療剤が、HSまたはH装填エコー源性リポソームを含む、請求項12に記載の方法。
  14. 前記HSまたはH装填エコー源性リポソーム、および前記Xe装填エコー源性リポソームが、同一の組成物中に含まれる、請求項13に記載の方法。
  15. 前記組成物が、2つのガスで装填されたリポソームを含む、請求項14に記載の方法。
  16. 前記組成物を投与することが、溶液中で凍結乾燥したリポソームを懸濁させ、前記懸濁液を前記対象に投与することを含む、請求項1に記載の方法。
  17. 前記組成物を投与することが、凍結リポソーム懸濁液を解凍し、前記懸濁液を前記対象に投与することを含む、請求項1に記載の方法。
  18. 前記組成物が、凍結保護剤をさらに含む、請求項1に記載の方法。
  19. 前記凍結保護剤が、マンニトールである、請求項18に記載の方法。
  20. 前記リポソームが、ホスファチジルコリン(PC)、ホスホエタノールアミン(PE)、ポリエチレングリコール(PEG)、ホスファチジルグリセロール(PG)、またはホスファチジルセリン(PS)、またはコレステロールを含む、請求項1に記載の方法。
  21. 前記リポソームが、少なくとも1つのPC、PE、負に帯電した脂質、PEG化脂質、およびコレステロール分子を含む、請求項20に記載の方法。
  22. (a)前記PCが、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、または卵ホスファチジルコリン(EPC)を含むか、
    (b)前記PEGが、PEG2000−DPPEを含むか、または
    (c)前記PGが、1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスホ−(1’−rac−グリセロール)を含むか、である、請求項20に記載の方法。
  23. 前記リポソームが、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、卵ホスファチジルコリン(EPC)、PEG2000−DPPE、DPPG、およびコレステロールを含む、請求項22に記載の方法。
  24. 前記リポソームが、DPPC、EPC、PEG2000−DPPE、DPPG、コレステロール、およびキセノンから本質的になる、請求項23に記載の方法。
  25. 前記リポソームが0.4〜10ミクロンの平均サイズを有する、請求項1に記載の方法。
  26. 前記対象が出血性脳卒中と診断されている、請求項1に記載の方法。
  27. 血栓性または出血性脳卒中を有することが判明していない対象における脳卒中を治療する方法であって、キセノン装填エコー源性リポソームを含む有効量の組成物を前記対象に投与することを含む、方法。
  28. 前記対象が血栓性脳卒中を有することが判明していない、請求項27に記載の方法。
  29. 前記組成物が、静脈内注入を介して、または動脈内注入を介して、静脈内、動脈内、頭蓋内投与される、請求項27に記載の方法。
  30. 超音波刺激を、前記対象に前記リポソームからのガス放出を促進するのに有効な量で適用することをさらに含む、請求項27に記載の方法。
  31. 前記超音波刺激が、従来の超音波プローブまたは頚椎カラーの超音波装置によって適用される、請求項30に記載の方法。
  32. 前記超音波刺激が、前記対象の首または頭に適用される、請求項30に記載の方法。
  33. 前記超音波刺激が、約1〜8MHzの間の周波数、および約0.1〜1.4の間の機械的指標で適用される、請求項30に記載の方法。
  34. 前記投与が、脳卒中発症の6時間以内である、請求項27に記載の方法。
  35. 前記投与が、脳卒中発症の4、3、2、または1時間以内である、請求項27に記載の方法。
  36. 前記対象が、ヒトである、請求項27に記載の方法。
  37. 前記組成物が、前記対象に2回目投与される、請求項27に記載の方法。
  38. 前記第2の投与が、前記初回投与の約2、3、4、5、6、7、または8時間後である、請求項37に記載の方法。
  39. 第2の治療剤を、前記対象に投与することをさらに含む、請求項27に記載の方法。
  40. 前記第2の治療剤が、HSまたはH装填エコー源性リポソームを含む、請求項39に記載の方法。
  41. 前記HSまたはH装填エコー源性リポソーム、および前記Xe装填エコー源性リポソームが、同一の組成物中に含まれる、請求項40に記載の方法。
  42. 前記組成物を投与することが、溶液中で凍結乾燥したリポソームを懸濁させ、前記溶液を前記対象に投与することを含む、請求項27に記載の方法。
  43. 前記組成物を投与することが、凍結リポソーム懸濁液を解凍し、前記懸濁液を前記対象に投与することを含む、請求項27に記載の方法。
  44. 前記組成物が、凍結保護剤をさらに含む、請求項27に記載の方法。
  45. 前記凍結保護剤が、マンニトールである、請求項44に記載の方法。
  46. 前記リポソームが、ホスファチジルコリン(PC)、ホスホエタノールアミン(PE)、ポリエチレングリコール(PEG)、ホスファチジルグリセロール(PG)、またはホスファチジルセリン(PS)、またはコレステロールを含む、請求項27に記載の方法。
  47. 前記リポソームが、少なくとも1つのPC、PE、負に帯電した脂質、PEG化脂質、およびコレステロール分子を含む、請求項46に記載の方法。
  48. (a)前記PCが、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、または卵ホスファチジルコリン(EPC)を含むか、
    (b)前記PEGが、PEG2000−DPPEを含むか、または
    (c)前記PGが、1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスホ−(1’−rac−グリセロール)を含むか、である、請求項46に記載の方法。
  49. 前記リポソームが、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、卵ホスファチジルコリン(EPC)、PEG2000−DPPE、DPPG、およびコレステロールを含む、請求項48に記載の方法。
  50. 前記リポソームが、DPPC、EPC、PEG2000−DPPE、DPPG、コレステロール、およびキセノンから本質的になる、請求項49に記載の方法。
  51. 前記リポソームが0.4〜10ミクロンの平均サイズを有する、請求項27に記載の方法。
  52. 対象における出血性および血栓性脳卒中の両方を治療する方法であって、キセノン装填エコー源性リポソームを含む有効量の組成物を、前記対象に投与することを含む、方法。
  53. 前記対象が出血性および血栓性脳卒中と診断されている、請求項52に記載の方法。
  54. 前記対象が、出血性または血栓性脳卒中を有しているか否かが判明していない、請求項52に記載の方法。
  55. (a)血栓性または出血性脳卒中を有することが判明していない、脳卒中を有する対象を特定することと、
    (b)キセノン装填エコー源性リポソームを含む有効量の組成物を、前記対象に投与することと、を含む、対象における脳卒中を治療する方法。
  56. (a)キセノン装填エコー源性リポソームを含む有効量の第1の組成物を、前記対象に投与することと、
    (b)組織プラスミノゲン活性化因子(tPA)を含む有効量の第2の組成物を、前記対象に投与することと、を含む、対象における血栓性脳卒中を治療する方法。
  57. 前記tPAが、リポソーム中に含まれる、請求項56に記載の方法。
  58. 前記tPAが、組み換えヒトtPAである、請求項56に記載の方法。
  59. 前記第2の組成物が、キセノン装填エコー源性リポソームをさらに含む、請求項56に記載の方法。
  60. 前記第1のまたは第2の組成物が、静脈内注入を介して、または動脈内注入を介して、静脈内、動脈内、頭蓋内投与される、請求項56に記載の方法。
  61. 超音波刺激を、前記対象に前記第1の組成物が前記リポソームからのガス放出を促進するのに有効な量で投与される後に適用することをさらに含む、請求項56に記載の方法。
  62. 前記超音波刺激が、従来の超音波プローブまたは頚椎カラーの超音波装置によって適用される、請求項61に記載の方法。
  63. 前記超音波刺激が、前記対象の首または頭に適用される、請求項61に記載の方法。
  64. 前記超音波刺激が、約1〜8MHzの間の周波数、および約0.1〜1.4の間の機械的指標で適用される、請求項56に記載の方法。
  65. 前記第1の組成物の前記投与が、脳卒中発症の6時間以内である、請求項56に記載の方法。
  66. 前記第1の組成物の前記投与が、脳卒中発症の4、3、2、または1時間以内である、請求項56に記載の方法。
  67. 前記対象が、ヒトである、請求項56に記載の方法。
  68. 前記第2の組成物の前記投与が、前記第1の組成物の投与の約2、3、4、5、6、7、または8時間後に投与される、請求項56に記載の方法。
  69. 前記第1または第2の組成物がさらなる治療剤を含む、請求項56に記載の方法。
  70. 前記さらなる治療剤が、HSまたはH装填エコー源性リポソームを含む、請求項69に記載の方法。
  71. 前記第1の組成物を投与することが、溶液中で凍結乾燥したリポソームを懸濁させ、前記溶液を前記対象に投与することを含む、請求項56に記載の方法。
  72. 前記第1の組成物を投与することが、凍結リポソーム懸濁液を解凍し、前記懸濁液を前記対象に投与することを含む、請求項56に記載の方法。
  73. 前記第1または第2の組成物が、凍結保護剤をさらに含む、請求項56に記載の方法。
  74. 前記凍結保護剤が、マンニトールである、請求項73に記載の方法。
  75. 前記第1の生成物の前記リポソームが、ホスファチジルコリン(PC)、ホスホエタノールアミン(PE)、ポリエチレングリコール(PEG)、ホスファチジルグリセロール(PG)、またはホスファチジルセリン(PS)、またはコレステロールを含む、請求項56に記載の方法。
  76. 前記リポソームが、少なくとも1つのPC、PE、負に帯電した脂質、PEG化脂質、およびコレステロール分子を含む、請求項75に記載の方法。
  77. (a)前記PCが、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、または卵ホスファチジルコリン(EPC)を含むか、
    (b)前記PEGが、PEG2000−DPPEを含むか、または
    (c)前記PGが、1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスホ−(1’−rac−グリセロール)を含むか、である、請求項75に記載の方法。
  78. 前記リポソームが、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、卵ホスファチジルコリン(EPC)、PEG2000−DPPE、DPPG、およびコレステロールを含む、請求項77に記載の方法。
  79. 前記リポソームが、DPPC、EPC、PEG2000−DPPE、DPPG、コレステロール、およびキセノンから本質的になる、請求項78に記載の方法。
  80. 前記第1の生成物の前記リポソームが0.8〜10ミクロンの平均サイズを有する、請求項56に記載の方法。
  81. 前記対象が血栓性脳卒中と診断されている、請求項56に記載の方法。
  82. キセノン装填エコー源性リポソーム、およびtPAを含む、薬学的組成物。
  83. 前記tPAが、リポソーム中に含まれる、請求項82に記載の組成物。
  84. 前記tPAが、組み換えヒトtPAである、請求項82に記載の組成物。
  85. Xe装填エコー源性リポソーム、およびHSまたはHで装填されたリポソームを含む、薬学的組成物。
  86. 前記ガスが、前記組成物中の別個のリポソーム中に含まれる、請求項85に記載の組成物。
  87. 前記ガスが、同一のリポソーム中に含まれる、請求項85に記載の組成物。
  88. Xe、HS、およびHで装填されたリポソームを含む、請求項85に記載の組成物。
  89. 前記リポソームが、ホスファチジルコリン(PC)、ホスホエタノールアミン(PE)、ポリエチレングリコール(PEG)、ホスファチジルグリセロール(PG)、またはホスファチジルセリン(PS)、またはコレステロールを含む、請求項82または85に記載の組成物。
  90. 前記リポソームが、少なくとも1つのPC、PE、負に帯電した脂質、PEG化脂質、およびコレステロール分子を含む、請求項89に記載の組成物。
  91. (a)前記PCが、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、または卵ホスファチジルコリン(EPC)を含むか、
    (b)前記PEGが、PEG2000−DPPEを含むか、または
    (c)前記PGが、1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスホ−(1’−rac−グリセロール)を含むか、である、請求項90に記載の組成物。
  92. 前記リポソームが、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)、卵ホスファチジルコリン(EPC)、PEG2000−DPPE、DPPG、およびコレステロールを含む、請求項91に記載の組成物。
  93. 前記リポソームが、DPPC、EPC、PEG2000−DPPE、DPPG、コレステロール、およびキセノンから本質的になる、請求項92に記載の組成物。
  94. Xe装填エコー源性リポソームを含む薬学的組成物であって、前記リポソームが(1)第1のPC成分と、(2)第2のPC成分と、(3)PEG化脂質成分と、(4)PG成分と、(5)コレステロール成分と、からなり、前記成分が約30〜60:10〜30:5〜15:5〜15:10〜20の割合でそれぞれ存在する、薬学的組成物。
  95. 前記成分が約40〜50:20〜30:5〜10:5〜10:10〜20の割合でそれぞれ存在する、請求項94に記載の組成物。
  96. (a)前記第1のPC成分が、ジパルミトイルホスファチジルコリン(DPPC)であるか、
    (b)前記第2のPC成分が、卵ホスファチジルコリン(EPC)であるか、
    (c)前記PEG化脂質成分が、PEG2000−DPPEであるか、または
    (d)前記PG成分が、1,2−ジパルミトイル−sn−グリセロ−3−ホスホ−(1’−rac−グリセロール)を含むか、である、請求項95に記載の組成物。
  97. 前記組成物が、凍結保護剤をさらに含む、請求項82、85、または94のいずれかに記載の組成物。
  98. 前記凍結保護剤が、マンニトールである、請求項97に記載の組成物。
  99. 前記リポソームが0.4〜10ミクロンの平均サイズを有する、請求項82、85、または94のいずれかに記載の組成物。
  100. 前記組成物が、凍結乾燥される、または凍結される、請求項82、85、または94のいずれかに記載の組成物。
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