JP2015524680A - 骨を脱細胞化する方法 - Google Patents

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Abstract

骨、例えばヒトの骨を脱細胞化する方法が提供される。

Description

発明の分野
本発明は、骨、例えばヒトの骨を脱細胞化する方法に関する。
関連出願に対する相互参照
本願は、2012年6月13日に出願された米国出願第61/659,046号の出願データの利益を主張し、その開示は、参照により本明細書に組み込まれている。
それぞれの組織及び臓器の常在細胞の分泌産物を表す細胞外基質(ECM)から構成される生物学的骨格は、組織及び臓器置換のための再生医療戦略において、だんだんと使用されてきている。組織脱細胞化の工程の間のECMの天然の超微細構造及び組成物の保存は、 非常に高く所望されている(Ott等、Nat.Med、14:213(2008); Uygun等、Nat. Med、16:814(2010); Petersen等、Science、329:538 (2010);Nakayama等、Tissue Eng.Part A、16:2207(2010); Allen等、Tissue Eng.Part A、16:3363(2010);Simionescu等、J.Heart Valve Dis、12:226(2003);Badylak等、Acta Biomater、5:1(2009))。組織及び臓器を脱細胞化するために、多くの方法が使用され、またそれらの方法は、多様な機械的及び生物学的特性を伴う脱細胞化組織及び臓器をもたらし得る。例えば特定の化学物質及び溶液(例えば酸、塩基、低張液、高張液、界面活性剤、アルコール、キレート剤、及び他の溶媒)、酵素(ヌクレアーゼ、コラゲナーゼ及びリパーゼ等)、及び物理的処置(温度、力及び圧力、非熱性エレクトロポレーションを含める)は、組織及び臓器を脱細胞化するために使用されてきた。
自家移植骨長は、米国における最も多くの骨移植手段のための好適な移植組織とされてきた。自家移植骨は、それが骨再生のための骨格を提供するので、所望される移植片源であり、骨誘導を刺激し、また骨形成のための前駆幹細胞を導入する非コラーゲン性骨基質タンパク質を含む。
その幅広い普及にもかかわらず、自家移植材料の使用は、いくつかの不利益をもたらす。よくても、腸骨稜、脛骨近位端又は大腿遠位から自家移植片を摘出する必要性は、骨移植を必要とする患者の適合への不快症状、時間及び費用の2つの手段の明白な欠点を示す。最悪の場合、初期の摘出手段は、慢性疼痛、著しい血液損失、感染症及び他の医原性合併症、長引く入院及び回復時間を助長し得る。さらに二番目の手術では、実質的に全骨移植工程の費用が追加される。さらに自家移植材料は、小さな空隙への骨充填剤としては十分であるが、最小限の構造安定性しか与えない断片で収集される。
二番目の最も頻度の高い材料である死体から由来する同種移植片は、二番目の手術の必要性を排除し、また大きな耐荷重性適用に使用され得るが、移植骨は、宿主骨に導入され、そして最終的にはなお存在している細胞材料のせいで拒絶され得る。さらに同種移植材料の有効性は、一貫性がない。さらにより低い汚染リスクへの同種移植組織の加工は、提供された組織中に当初存在している生物学的及び機械的特性を実質的に低下させ得る。
自家移植片及び同種移植片の両方に本来備わっている欠点については、合成の骨移植片代用品の開発が成されてきたが、合成材料は、現在、全世界の整形外科的処置のわずか10パーセントに使用されているにすぎない。現在、整形外科医及び脊椎外科医に利用可能な生合成及び合成材料は、脱石灰化骨基質、コラーゲン、セラミック、セメント、並びにシリコーン及びいくつかのアクリル系等のポリマーを含める。これらの材料は、新しい骨が成長し得る場合の構造としての役割を果たし得る。その後に多くのこれらの材料は、時間をかけて溶解し、新しい骨を残す。これらの合成移植片の利益は、利用能、殺菌性及び減少した罹患率を含める。しかしながらそれらの多くは、天然の骨の骨誘導特性を欠く。
本発明は、哺乳類の骨又はその部分を脱細胞化するための方法を提供する。
1つの態様では、本発明は、天然の哺乳類の骨、例えば皮質(緻密)骨、海綿(多孔質)骨、中心(髄)腔、及び哺乳類から単離された細胞を有する骨を脱細胞化するための方法を提供する。天然の骨を脱細胞化するために、骨の外側から中心腔中に1又は2つ以上の開口部{1又は2つ以上の開口(opening)}が導入される。止水シール及び流路のための1又は2つ以上の(非天然の)導管を提供する装置に、1又は2つ以上の開口部が個々に取り付けられ、又は多数の開口部が取り付けられる。細胞破壊媒体は、骨の脱細胞化を提供する条件下で、装置を介して骨の中心腔中に灌流される。例えば長骨は、最大で骨の髄管の直径までの約1/8インチの直径の開口部を介してカニューレを挿入され得る。骨が髄管を含まない場合、最大の直径は、骨面を適切に密閉し得る取り付け具の大きさにより決定され、その開口部は、止水シール装置に提供するために、例えば少なくとも2つから3つのねじ山、及び脱細胞化を提供する条件下で中心腔中に灌流される細胞破壊媒体を導入することにより、さらに任意に修飾され得る。1つの態様では、細胞及び/又は細胞残屑を有する媒体は、骨中の天然の動脈及び/又は静脈構造の外を流れる。脱細胞化骨は、天然の骨の機械的及び生物学的な特性を有し、また天然の血管系の細胞外基質を含める。
1つの態様では、本発明は、天然の哺乳類の骨、例えば皮質骨、海綿骨、中心腔、及び哺乳類から単離された細胞を有する骨を脱細胞化するための方法を提供する。天然の骨を脱細胞化するために、骨の末端に圧力をかけ、細胞及び細胞残屑を天然の導管の1つを介して、骨の他の末端で外に出す。他の態様では、骨の末端に圧力をかけ、そして骨の他の末端に、例えば骨内部へ切り込みを入れ、又は穴をあけて開口部を提供することにより出路を導入する。
1つの態様では、方法は、皮質骨、海綿骨、中心腔、及び細胞を有する哺乳類の骨の一部分を脱細胞化することを提供する。方法は、皮質骨、海綿骨、中心腔、及び細胞を有する哺乳類の骨の横断部分を提供することを含める。部分は、止水シール、及び流路のための1又は2つ以上の導管を提供する装置に取り付けられる。細胞破壊媒体は、骨の一部分の脱細胞化を提供する条件下で、装置を介して、骨の中心腔中に灌流される。1つの態様では、装置に取り付けられる前に、中心腔は、例えば導管への取り付けに適応させるために、穴をあけることを介して修飾される。1つの態様では、中心腔は、装置中の導管におけるねじ山に合致するねじ山を含めるように修飾される。1つの態様では、装置は、中心腔を取り付けるのに適応する1つの導管を有し、そして装置が骨の一部分を密閉した後に、細胞破壊媒体は、腔に導入され、そして細胞及び/又は細胞残屑を含む流出物は、動脈及び/又は静脈構造、骨単位、ラメラ、ハバース管及び/又はフォルクマン管から出る。骨の脱細胞化部分は、天然の骨の機械的及び生物学的特性を有し、また天然の血管系の細胞外基質を含める。
例えば天然の骨は、大腿骨頭の近く又は顆の近くで切られ(切断され)、すなわち横方向(天然の配置を有する1つの末端を伴う横断面)で切られ、骨の一部分を提供する。1つの態様では、天然の骨は、大腿骨頭の近く、及び顆状突起の近くで切られ(切断され)、すなわち横方向(露出した中心腔を有する両端を伴う横断面)で切られ、骨の一部分を提供する。1つの態様では、中心腔における材料、例えば外因的に導入された隙間の近くの髄質は、より良い灌流を可能にするために除去される。1つの態様では、中心腔は、例えばねじ山を作るために骨幹に穴があけられ、そして穿刺され、又はわずかに穿刺されることにより修飾される。骨の部分の横端に付けられた装置は、少なくとも1つのスリーブ(外面スリーブ)及び少なくとも1つの導管を有し、流体を少なくとも1つの中心腔中に導入し、その装置は、水止シールを提供する。1つの態様では、外面スリーブは、次第に細くなる。シールは、任意の手段により骨の部分の露出した末端の間に作り出され得る。例えばチューブクランプ、ウォームギアクランプもしくはクイッククランプ、又はケーブルタイ等のクランプは、外面スリーブと骨の部分の周囲の間にシールを作り出すために使用され得る。1つの態様では、装置は、中心腔に導入されるねじ山にねじ山を適応させる取り付け具を含める。1つの態様では、装置は、骨の部分の周囲に導入されるねじ山にねじ山を適応させる取り付け具を含める。1つの態様では、導管は、チューブであり得る。1つの態様では、装置は、多様な流動条件下で、流体が、中心腔及び緻密骨に導入され得るために、外面スリーブ及び内部バリアを有する。さらに流動条件は、溶液中に置かれる場合に、天然の血管系から溶液を引き抜くための陰圧を含め得る。
1つの態様では、ねじ式の取り付け具、例えばNPT(直線、先細、BSPP等)が使用され、またその取り付け具は、これらに限定されないが、テフロンテープ、o-リング、シリコーングリース、又は強力瞬間接着剤/粘着剤を含める多様な方法で密閉され得る。1つの態様では、約1/8インチ〜約3/4インチの開口部は、天然の骨に導入され、中心腔への接近を提供する。1つの態様では、開口部は、少なくとも2〜3つのねじ山を有し、また相補的なねじ山を有する取り付け具を有する装置は、開口部に取り付けられる。1つの態様では、骨の横断部分は、少なくとも2〜3つのねじ山を含めるように修飾され、またスリーブ、及び相補的なねじ山を有する取り付け具を有する装置は、骨の露出した(横断)部分に取り付けられる。1つの態様では、水止シールを作り出すために、NPTF取り付け具、例えば追加の構成要素(テフロンテープ、o-リング、シリコーングリース、又は強力瞬間接着剤/粘着剤等)を要求するものが使用される。
1つの態様では、骨の中に開口部が作り出され、そしてカニューレが開口部の中に圧入され、水止シールが形成される。さらにそのカニューレは、それに付けられるフランジを有してよく、それは水止シールを形成するために、多様な骨への締め付け機構(ケーブルタイ、ウォームギアクランプ、すぐに取り外しできるクランプ、又は任意の他のクランプ)を用いて骨に取り付けられ得る。さらにフランジは、ねじを用いてプレートを骨に取り付けることを可能にする穴を含め得る。これらは、セルフタッピングねじ、又は骨面中にねじ山をつけられたボルトであり得る。
1つの態様では、装置は、ステンレス鋼チューブを含め得る。1つの態様では、流体回路は、空気圧式、水力式、又は電気式アクチュエータに連結したピストンに接続され、それにより骨の内部に送達されるのに有意に高い圧力を可能にする。本態様では、連続的な長期間の加圧を促進するために、流体の補助容器が、高圧バルブを介してピストンに連結され得る。より多くの流体をピストンの腔中に引き込むために、ピストンをその定位置まで引き戻し、そしてその結果、循環加圧のためにそれを再充填する時に、本バルブは、それぞれの時間でストロークを終えたピストンを開くだろう。
1つの態様では、装置は、しなやかなチューブを含め得る。1つの態様では、流体回路は、ポンプ装置(これらに限定されないが:蠕動、ピストン、ギア、遠心分離機、ダイヤフラム、又は容積式ポンピング機構を含める)に接続される。
本明細書において表されるように調製された脱細胞化骨又はその部分は、骨からの細胞材料の除去の結果として、骨伝導性及び骨誘導性の両方である移植片を可能にする全ての適切な基質因子及びサイトカインを残しながら自家移植特性を伴う骨移植片製品を提供する。さらに大多数の骨構造は、完全なままで残され、耐荷重適用において重要な構造的及び機能的な支援を提供し、また増強した血管再生のための天然の血管土台を含める。
1つの態様では、脱細胞化骨又はその部分は、生体適合性媒体における、生理学的圧力での、一定期間、例えば約1〜約12日間の灌流等の条件下で、細胞、例えば血管前駆細胞又は初代血管細胞により再細胞化される。
穴があけられ、そして穿刺されて中心腔に近づくことができるようにされた開口部を有する骨の例示的な態様であって、その開口部は、骨の中に流体を灌流させるために使用される装置中のねじ山に適合するねじ山を含め得る。 1/4インチの穴を通って接続されるカニューレを挿入した長骨の写真。約200〜約1000mmHgの圧力を用いる0.5%のSDSの灌流は、天然の動脈及び静脈構造を通り抜け出す流出により骨の脱細胞化を提供した。 骨の中心腔に流体を導入するために適応される装置に取り付けられた骨の例示的な態様。本例では、中心腔は、装置中の取り付け具が締められるねじ山を作り出すために穿刺される。流体流動の方向は、示されている。 スリーブ、例えば蛇腹又は取り付けられるスリーブを有する装置に取り付けられた骨の部分の例示的な態様であって、それは、クランプを介して骨の外側に付けられる。流体流動の方向は、示されている。 流体を導入するために、骨の中心腔に適応された装置に取り付けられた骨の部分の例示的な態様。本態様では、骨の外面は、装置中の取り付け具が締められるねじ山を作り出すために穴があけられ、そして穿刺される。 それぞれ末端で外因的に導入された開口部を有する骨の部分の例示的な態様であって、すなわち、一方の末端で、骨の中心腔に流体を導入するために適応される装置により取り付けられ、そしてもう一方の末端で、プラグにより取り付けられる。流体流動の方向が、示されている。 A)2つの独立した導管を提供する2つのスリーブを有する装置は、低圧下で中心腔に流体を灌流させ、そして高圧下で緻密骨に流体を灌流させるために適応される。B)2つの導管を有する装置であり、その1つは、高圧下での中心腔への流体の灌流を可能にし、そしてもう1つは、緻密骨の外に流体及び細胞を引き出すために有意に低い圧力又は陰圧を可能にする。他の態様では、装置は、同一の2つの導管を有し、その1つは、緻密骨への高圧での灌流、並びに中心腔を通して流体及び細胞を引き出すために中心腔における有意に低い圧力又は陰圧を可能にする。
詳細な開示
灌流脱細胞化は、血管導管を維持しながら、脱細胞化溶液が臓器、臓器の部分、又は血管新生した組織を通って灌流され、脱細胞化を促進するところの哺乳類臓器、臓器の部分(一部分)、又は血管新生組織を脱細胞化するex vivo法である。得られた脱細胞化臓器、基質、組織骨格又は移植片は、1又は2つ以上の入り口を介して流体又は細胞が導入され、そして多様な経路を通って、臓器、基質、組織又は移植片から出ることができるように、動脈供給、毛細血管床が存在する間質性空間、及び静脈産出物を含んでなる血管系を保持する。
本発明は、骨からの細胞材料の除去のための細胞破壊媒体の灌流後の密閉接近、例えば高圧灌流を介する、髄質腔又は血管内ネットワークへの能動的な接近を提供する。例えば骨に開口部が導入された後に、取り付け具を有する装置は、開口部に付けられる。1つの態様では、蠕動ポンプは、細胞破壊媒体を中心腔又は海綿骨区画に汲み上げるために使用される。細胞破壊媒体は、多様な動脈及び静脈血管、並びに他の天然の導管を介して、骨膜を含める骨の至るところに浸透し、最終的には動脈及び静脈血管系、又は他の導管を介して骨から出る。或いは蠕動ポンプは、中心腔又は海綿骨区画中に陰圧を作り出すために使用される。骨又は骨フラグメントは、細胞破壊媒体中に置かれ、そして媒体は、骨膜を通って、且つ動脈及び静脈血管を通って骨中に浸透し、そして骨を通って浸透し、ポンプを介して中心腔又は海綿骨区画を出る。或いは長骨は、周囲を切られて、骨の中心腔を露出し得る。髄質は、直接的な流れを用いて洗浄されてよく、そしてその後に骨の切断末端は、チューブに付されて、骨に止水シールを作り出すことができる外部の取り付け具を有する装置により密閉され得る。その後に細胞破壊媒体は、高圧で骨中にポンプで汲み上げられ、動脈及び/又は静脈構造、並びに/或いは他の構造を介する全体の骨への接近を提供する。細胞破壊媒体は、例えば天然の動脈及び静脈構造を通って骨から出て、回路を通る連続流を提供する。任意の骨は、骨構造を脱細胞化することを目的としてカニューレを挿入され、そして灌流され得る。
したがって本明細書において発表される骨又はその部分の脱細胞化は、殆どの、又は全ての細胞成分を除去する一方で、実質的に細胞外基質(ECM)及び他の構造、例えば血管系、ハバース管、フォルクマン管、裂孔、ラメラ、小管、骨単位、骨膜、小柱、及びその組み合わせを保存する。その後に脱細胞化骨又はその部分は、例えばex vivo又はin vivoでの再細胞化のための骨格として使用され得る。骨を得ることができる哺乳類は、これらに限定されないが、げっ歯類、ブタ、ウサギ、ウシ、ヒツジ、イヌ、及びヒトを含める。本明細書において発表される方法において使用される骨は、死体のものでよい。
脱細胞化後の骨は、全体の骨、骨の部分、又は細分化片の使用を含める多様な整形外科適用において使用するために単離され得る。骨は、その天然のECM及び機械的特性を保持するので、骨は、さらに骨髄穿刺液、単核細胞、内皮細胞、幹細胞、骨特異的細胞等を含める細胞により再細胞化され、又は播種され得る。この再細胞化組織は、大きな損傷、腔、又は切除部位に機能的機械的支援を提供することができるために、自家移植組織の全体に渡り利点を与える。再細胞化の有無を問わず、脱細胞化骨又は任意のその部分は、患者への移植に使用され得る。
本発明の方法における使用のための例示的な骨
長骨、短骨、扁平骨及び他の骨は、骨が装置(例えば設定圧力、又は骨を通り抜ける脱細胞化溶液を押し進める圧力勾配を介して、骨又はその部分を通り抜ける流体の灌流を促進する取り付け具を有するもの)を接続することができる次元を有する限り、本発明の方法において使用され得る。1又は2つ以上の装置が取り付けられた1又は2つ以上の外因的に導入された開口部を伴う天然の骨又はその部分は、それを通り抜ける灌流の間の圧力を維持する「閉鎖」系と見なされてよく、例えば開口部(単数・複数)は、定義された圧力が>0mL/分の流量で維持され得るように密閉される。例えば脱細胞化のための骨又はその部分は、少なくとも12cm3以上の大きさであり得る。
長骨は、シャフトにより特徴付けられ、それよりもかなり大きい骨幹は、幅が広い。それらは、主に髄腔中に位置するより少量の髄質を伴う緻密骨、及び多孔質骨から作られている。さらに骨の外面は、骨膜を含み得る。指及びつま先のものを含める手足の大部分の骨は、長骨である。例外は、手首、足首及び膝頭のものである。短骨は、おおよそ立方体状であり、且つ多孔質内部を取り囲む緻密骨の薄層のみを有する。手首及び足首の骨は、種子骨であるような短骨である。扁平骨は、多孔質骨の層を間に挟む2つの平行した緻密骨の層を伴い、薄く、且つ一般に曲がっている。頭蓋骨の大部分の骨は、胸骨であるような扁平骨である。
緻密(皮質)骨は、固い外層の骨であり、それは、骨単位と呼ばれる一緒に密に固められた平行の円筒状単位から構成され、また約5%〜約30%の多孔率を有する。骨単位の内部は、ラメラと呼ばれる集中的な骨のチューブである。ラメラ間の接触面は、機械的なシグナルに応答する骨細胞がある裂孔と呼ばれる腔と共に並ぶ。これらの単位は、材料の機械的な性質を最大にするために、異方性の方向で整列する。骨梁(海綿骨又は多孔質骨)は、長骨の末端を満たし、且つ臓器全体をより軽くし、そして血管及び髄質に場所を与えることを可能にする棒及び平板状の要素のネットワークから構成される。それは、概して機械的荷重への応答において異方性でもあるが、それは、そのより高密度の同等物よりも1桁低い明白な剛性及び弾性率を保有する。骨梁は、骨の総質量の残り20%の割合を示すが、緻密骨の表面積のほぼ10倍を有し、またその多孔率は、30%〜90%の範囲にある。石灰化基質は、緻密骨中の細管状のネットワークにおいて血管を取り囲むが、髄質及び血液は、海綿骨において骨を取り囲む。
骨は、骨芽細胞、骨細胞、骨ライニング細胞及び破骨細胞を含める、本発明の脱細胞化法により除去される4つの主要な細胞型を含める。骨芽細胞は、骨前駆細胞から由来する単核の骨形成細胞である。それらは、類骨の継ぎ目の表面に位置し、また石灰化して骨に成り始める類骨として公知であるタンパク質混合物を作る。類骨は、主にI型コラーゲンから構成される。さらに骨芽細胞は、骨自体、アルカリホスファターゼ、骨の石灰化において役割を有する酵素、並びに多くの基質タンパク質に作用するためのプロスタグランジン等のホルモンを製造する。骨芽細胞は、幼若骨細胞であり、また最終的には骨基質中にトラップされ始め、骨細胞−成熟骨細胞に成り始める。骨細胞は、骨基質中に移動し、そして骨基質にトラップされ始め、また取り囲まれた、それら自体を生産する骨芽細胞から由来する。それらが占める空間は、裂孔として公知である。これらの細胞は、主に機械的負荷又は組織損傷を感知し、そしてその後に、リモデリング応答を開始し得る。負荷の間の骨変形による骨基質中のひずみを検出することにより、又は裂孔を満たした流体中のせん断応力を介する流れに応答することにより、骨細胞がリモデリングを開始すると想定されてきた。骨細胞機能は、骨の形成;基質維持及びカルシウムの恒常性を含める。さらに休止している骨面を覆う骨ライニング細胞は、機械感覚(mechanosensation)及び適応負荷(adaptation duty)を共有する。ライニング細胞は、「骨芽細胞性」状態に分化し、及び骨前駆細胞を集め得る。
さらにライニング細胞は、(1)破骨細胞(骨吸収細胞)を吸収部位に集めること、(2)破骨細胞前駆体の分化を促進すること、及び(3)吸収のための骨面を調製することによる骨吸収における手段でもある。破骨細胞は、骨吸収を担う細胞であるので、それらは骨を破壊する。その後に新しい骨は、骨芽細胞により形成される(その体積を減少させるための骨のリモデリング)。破骨細胞は、ハウシップ裂孔又は吸収くぼみと呼ばれる骨表面に位置する大きな多核細胞である。これらの裂孔又は吸収くぼみは、骨表面の破壊後に取り残される。
大多数の骨は、骨基質からできている。それは、無機及び有機性の部分を有する。骨の無機組成物(骨塩)は、より低い結晶度を伴う炭酸ヒドロキシアパタイト(Ca10(PO46(OH)2)から形成される。基質の有機性の部分は、主にI型コラーゲンから構成される。これは、トロポコラーゲンとして細胞内に合成され、そしてその後に運び出されて、原繊維を形成する。さらに有機性の部分は、多様な成長因子から構成され、その機能は、十分に知られていない。存在する因子は、グリコサミノグリカン、オステオカルシン、オステオネクチン、骨シアロタンパク質、オステオポンチン及び細胞接着因子を含める。骨の基質を他の細胞のものから識別する1つの特徴は、骨中の基質が石灰化されていることである。
層状骨は、シートへのコラーゲンの均一な平行配列(ラメラ)を有する。層状骨は、同一の層において、他の繊維細胞と平行して多くのコラーゲン線維細胞で満たされている(これらの平行カラムは、骨単位と呼ばれる)。
骨又はその部分の脱細胞化
本発明は、哺乳類の骨又はその部分を脱細胞するための方法及び材料を提供する。骨又はその部分を脱細胞する最初のステップは、例えば中心腔に穴をあける等の横断面を提供する骨の横切りによる他の接近手段に、開口部を導入することである。その後に開口部は、水性液体が、陽圧又は陰圧下で、少なくとも中心腔に導入され得るように、止水シール及び流体のための導管(例えばカニューレ)を提供する装置に取り付けられ得る。その後に骨又はその部分は、細胞破壊媒体により灌流される。灌流は、多方向式、交互式、逆行式、順行式、その両方又はその組み合わせであってよく、また緻密骨及び海綿骨の多様な条件下で行われ得る。1つの態様では、細胞破壊媒体を含む容器は、本明細書に発表されているもののような装置を介して、骨又はその部分に付けられる。細胞破壊媒体は、例えば灌流もしくはローラーポンプにより、又は不変の静水圧で、もしくは静水圧を変えることにより、不変に、又は流量を変えて送達され得る。両方の例では、灌流液は、少なくとも中心腔中に向き、その後にそれは、出口を提供するハバース管、フォルクマン管、ラメラ、骨単位、又は任意のその組み合わせの中に流れ出す。或いは他の態様では、細胞破壊媒体は、例えば灌流もしくはローラーポンプにより、又は不変の静水圧で、もしくは静水圧を変えることにより、不変に、又は流量を変えて送達され得る。両方の例では、灌流は、中心腔中に出口を提供するハバース管、フォルクマン管、ラメラ、骨単位、又は任意のその組み合わせを介して動脈及び静脈血管を通り抜けて骨中に向かう。
1つ以上の細胞破壊媒体は、脱細胞化のために使用され得る。本発明の方法において有用な細胞破壊媒体は、これらに限定されないが、酸性溶液、塩基性溶液、低張液、高張液、又は非イオン性界面活性剤(例えばTriton X-100)、イオン性界面活性剤(SDS、デオキシコール酸ナトリウム、又はTriton X-200等)、両性イオン性界面活性剤等の界面活性剤、溶媒(アルコール、アセトン、リン酸トリブチル等)、ヌクレアーゼ、1又は2つ以上のDNases、プロテアーゼ(トリプシン等)、1又は2つ以上のコラゲナーゼ、1又は2つ以上のディスパーゼ、キレート剤、或いは任意のその組み合わせを有する溶液を含める。細胞破壊媒体は、媒体が浸透圧的に細胞と適合しないような水を含め得る。或いは細胞破壊媒体は、細胞との浸透適合性のための緩衝剤(例えばPBS)を含め得る。いくつかの態様では、細胞破壊媒体は、さらに、又は代わりに、1又は2つ以上の酵素の阻害剤(例えばプロテアーゼ阻害剤、ヌクレアーゼ阻害剤、及び/又はコラゲナーゼ阻害剤)を含め得る。1つの態様では、細胞破壊媒体は、例えば約0.01%〜約5.0%のSDSを含んでなる。
特定の態様では、骨又はその部分は、2つの異なる細胞破壊媒体により連続して灌流され得る。例えば最初の細胞破壊媒体は、SDS等のアニオン性界面活性剤を含めることができ、また2番目の細胞破壊媒体は、Triton X-100等のイオン性界面活性剤を含めることができる。少なくとも1つの細胞破壊媒体による灌流に続き、骨又はその部分は、例えば洗浄液、並びに/或いは1又は2つ以上の本明細書において開示されるもののような酵素を含む溶液により灌流され得る。
本明細書において発表されるような脱細胞化は、ECMにほとんど損傷をもたらさずに、本質的に骨を内側から外に脱細胞化する。骨又はその部分は、4〜40℃の適温で脱細胞化され得る。骨又はその部分の大きさ及び重量、並びに細胞破壊媒体中の特定の薬剤(単数・複数)及び細胞破壊媒体中の薬剤(単数・複数)の濃度に応じて、骨又はその部分は、一般に約0.5〜約80時間、細胞破壊媒体により灌流される。洗浄を含め、臓器は、約1〜約100時間まで灌流され得る。灌流は、拍動流、方向、速度、及び/又は圧力を介して調整され得る。灌流は、約10〜約2000mmHgの範囲の圧力下で行われ得る。1つの態様では、圧力勾配は、骨又はその部分を脱細胞化するために、細胞破壊媒体と共に使用される。例えば約1000mmHgの圧力(「高い」圧力)は、細胞破壊媒体を細管状のネットワーク(例えばハバース及びフォルクマン管)中に導入するために使用さ得るが、低い圧力、例えば約300mmHgは、中心腔に使用されてよく、それは、中心腔を少しだけ加圧するのと比べて、外側の皮質骨における流体の流れを増加させ得る。他の態様では、高い圧力は、細胞破壊媒体を中心腔中に導入するのに使用され、また真空は、皮質骨を通り抜ける流出物を汲み出すために使用される。
脱細胞化は、骨又はその部分から由来する流出物中のDNA含有量、細胞膜、ヘモグロビン、タンパク質、又は核の実質的な不存在を(例えば組織学的方法を用いて)測定することにより観察され得る。1つの態様では、流出物中のDNAレベルは、骨の約100ng/mg未満である。本明細書において示されるように、脱細胞化骨又はその部分は、血管樹の細胞外基質(EMC)成分を含める骨又はその部分の全て又は殆どの領域のECM成分を有する。ECM成分は、基底膜等の定義された構造として組織化されたままであり得る、任意の、又は全ての以下の:フィブロネクチン、フィブリン、ラミニン、エラスチン、コラーゲンファミリーのメンバー(例えばコラーゲンI、III 、及びIV)、グリコサミノグリカン、細胞質基質、網状線維細胞及びトロンボスポンジンを含め得る。さらに組織化された石灰化基質は、骨のECMの重要な成分である。成功した脱細胞化は、二本鎖DNA(dsDNA)、ミトコンドリア、又はリン脂質が検出されるような膜結合分子等の細胞成分により観察され得る。例えば1mgのECM乾燥重量あたり<100ngのdsDNA、<200bpのDNAフラグメント長、及び/又は組織切片における目に見える4’,6−ジアミジノ−2−フェニルインドール(DAPI)もしくはH&Eにより染色された核材料の欠乏は、脱細胞化方法にかけられた特定の骨又はその部分が、有効に(実質的に)脱細胞化されたことを決定するために使用され得る。
DNAは、組織の全域にわたり存在する有害な宿主反応に直接的に相関し、そして細胞型は、容易に検査され、そしてECM中の他の細胞残渣の総合指数を提供する。DNA及びミトコンドリアは、PicoGreen、ヨウ化プロピジウム、又はビスベンズイミド等の商業的に入手され得るdsDNA挿入剤を用いて、そしてそれぞれゲル電気泳動により容易に定量される。所定の組織学的染色又は免疫蛍光法もまた使用され得る。H&E又はトリクロム等の組織学的染色は、ECM中のDNAを同定及び定量的に分析するのに、比較的に非感知性の方法を提供することに留意するべきである。残りのリン脂質は、酵素に基づく検定を用いて定量され得る。
例えば再細胞化のために脱細胞化骨又はその部分を保存、又は調製し、並びに/或いは再細胞化工程の間に細胞を支援し、又は刺激するために、1又は2つ以上の化合物は、脱細胞化骨又はその部分中に、或いは脱細胞化骨又はその部分上に適用され得る。かかる化合物は、これらに限定されないが、1又は2つ以上の成長因子(例えばVEGF、DKK−1、FGF、BMP−1、BMP−2、BMP−4、SDF−1、IGF、及びHGF)、免疫調節剤(例えばサイトカイン、グルココルチコイド、IL2Rアンタゴニスト、ロイコトリエンアンタゴニスト)、及び/又は凝固カスケードを修飾する因子(例えばアスピリン、ヘパリン結合タンパク質、及びヘパリン)を含める。さらに脱細胞化骨又はその部分は、その上又は中に残っている任意のタイプの微生物の存在を減らし、又は取り除くために、例えば照射(例えばUV,ガンマ、e−ビーム)で処置される。
骨又はその部分の再細胞化
効率的に再細胞化するためには、脱細胞化工程の間、及びその後にECMの形態及び構造が維持される(すなわち実質的に完全なままである)ことが重要である。
本明細書において使用される「形態」とは、ECMの全体の形に言及し、その一方で本明細書において使用される「構造」とは、ECMに対する他の骨成分との間の関連に言及する。ECMの形態及び構造は、視覚的及び/又は組織学的に試験され得る。
本発明は、最小限の機能的な石灰化基質で、完全な骨又はその部分まで作り出すための材料及び方法を提供する。骨又はその部分は、本明細書において発表されるような脱細胞化骨又はその部分を、再生細胞の個体群に接触させることにより作り出され得る。本明細書において使用される再生細胞は、脱細胞化臓器又は組織を再細胞化するために使用される任意の細胞である。再生細胞は、全能性細胞、又は多能性細胞(pluripotent・multipotent cell)であってよく、また関与しなくても、又は関与してもよい。さらに再生細胞は、単一系統の細胞であり得る。さらに再生細胞は、未分化細胞、部分的に分化した細胞、又は完全に分化した細胞であり得る。本明細書において用いられる再生細胞は、胚性幹細胞(National Institute of Health(NIH)により定義されているような;例えば、Glossary at stemcells.nih.gov on the World Wide Webを参照する)を含める。さらに再生細胞は、臍帯細胞及び胎児幹細胞を含める前駆細胞(progenitor・precursor cell)及び「成体」から由来する幹細胞を含める。
骨又はその部分を再細胞化するために使用され得る再生細胞の例は、これらに限定されないが、胚性幹細胞、臍帯血細胞、組織から由来する幹細胞又は前駆細胞、骨髄質から由来する幹細胞又は前駆細胞、内皮細胞、血液から由来する幹細胞又は前駆細胞、脂肪組織から由来する幹細胞又は前駆細胞、間葉幹細胞(MSC)、骨格筋から由来する細胞、羊水幹細胞(AFSC)、又は多能性成体前駆細胞(MAPC)を含める。さらに骨髄質単核細胞(BM−MNC)等の骨髄質誘導幹細胞、内皮又は血管の幹細胞又は前駆細胞、骨髄質吸引物、及び内皮前駆細胞(EPC)等の末梢血から由来する幹細胞は、再生細胞として使用され得る。
骨又はその部分を作り出すために、脱細胞化骨又はその部分中、及び脱細胞化骨又はその部分上に導入される再生細胞の数は、骨又はその部分の両方(例えばその骨の大きさ、表面積、及び重量)、並びに再生細胞の型及び発達段階によって決まる。異なる型の細胞は、細胞が到達するであろう個体密度について異なる傾向を有し得る。同様に異なる骨又はその部分は、異なる密度で再細胞化され得る。実施例の方法によれば、脱細胞化骨又はその部分は、少なくとも約1,000個(例えば少なくとも10,000、100,000、1,000,000、10,000,000、又は100,000,000個)の再生細胞を蒔種され得るか;又は1mgの組織あたり、約1,000個のそこに付着した細胞(すなわち脱細胞化前)から1mgの組織あたり、約10,000,000個のそこに付着した細胞を有し得る。再生細胞は、1又は2箇所以上への注入により、脱細胞化骨又はその部分中に導入(「蒔種」)され得る。さらに2つ以上の型の細胞(すなわち細胞の混合物)は、脱細胞化骨又はその部分に導入され得る。例えば細胞の混合物は、脱細胞化骨又はその部分の多数の場所で注入されてよく、或いは多様な細胞型は、脱細胞化骨又はその部分の多様な部分の中に注入され得る。或いは、又は注入に加えて、再生細胞又は細胞の混合物は、灌流により、脱細胞化骨又はその部分の中に導入され得る。例えば再生細胞は、後に再生細胞の成長及び/又は分化を誘導する膨張及び/又は分化媒体に変化し得る灌流媒体を用いて、脱細胞化骨又はその部分の中に灌流され得る。
再細胞化の間に、骨又はその部分は、少なくともいくつかの再生細胞が、脱細胞化骨又はその部分中で、及び脱細胞化骨又はその部分上で、増殖及び/又は分化し得る条件下で維持される。これらに条件は、これらに限定されないが、適した温度及び/又は圧力、適量のO2及び/又はCO2、適量の湿度、及び殺菌又は殺菌に近い条件を含める。再細胞化の間に、脱細胞化骨又はその部分、及びそこに付着した再生細胞は、適切な環境で維持される。例えば再生細胞は、栄養補給剤(例えばグルコース等の栄養素及び/又は炭素源)、外因性ホルモン又は成長因子、ミネラル源(例えばβ-グリセロリン酸塩)、アスコルビン酸及び/又は特定のpHを要求し得る。
再生細胞は、脱細胞化骨又はその部分(例えばヒト再生細胞を蒔種されたヒト脱細胞化骨又はその部分)に同種異系であってよく、或いは再生細胞は、脱細胞化骨又はその部分(例えばヒト再生細胞を蒔種されたブタ脱細胞化骨又はその部分)に異種であってよい。本明細書において使用される「同種異系」とは、骨又はその部分が起源とする種から由来する同一種(例えば自己(すなわち自家)、或いは血縁、又は血縁のない個体)から得られる細胞に言及し、一方、本明細書において使用される「異種」とは、骨又はその部分が起源とする種から由来するものとは異なる種から得られた細胞に言及する。
いくつかの例では、本明細書において発表される方法により作り出される骨又はその部分は患者に移植されるものである。それらの場合では、脱細胞化骨又はその部分を再細胞化するために使用される再生細胞は、再生細胞が、患者への「自己移植」であるような患者から得ることができる。患者からの再生細胞は、例えば多様な年齢段階(例えば出生前、新生児期もしくは周産期、青年期、又は成人)で、当業界に公知の方法を使用して、血液、骨髄質、組織、又は臓器から得ることができる。或いは脱細胞化骨又はその部分を再細胞化するために使用される再生細胞は、患者と同系(すなわち一卵性双生児から由来する)であってよく、再生細胞は、例えば患者の血縁者、又は患者との血縁がないHLA適合者から由来するヒトリンパ球抗原(HLA)適合細胞であってよく、或いは再生細胞は、例えば非HLA適合ドナーから由来し、患者に対し同種異系であってよい。
再生細胞の起源(例えば自家か否か)に関わりなく、脱細胞化骨又はその部分は、患者に対し、自家、同種異系又は異種であり得る。
特定の例では、脱細胞化骨又はその部分は、in vivo(例えば臓器又は組織が、個体に移植された後)で細胞により再細胞化され得る。In vivo再細胞化は、上記(例えば注入及び/又は灌流)のように、例えば本明細書において発表される任意の再生細胞により行われ得る。或いは、又はさらに、内因性細胞による脱細胞化骨又はその部分のin vivoでの蒔種は、天然に生じさせてよく、又は再細胞化骨又はその部分に送達される因子により仲介されてよい。
再生細胞の発達は、再細胞化の間に観察され得る。例えば骨又はその部分上或いは骨又はその部分中の細胞の数は、再細胞化の間の1又は2時点以上で生検を行うことにより評価され得る。さらに再生細胞が経る分化の量は、多様なマーカーが細胞中に存在するか否か、又は細胞の個体数を決定することにより観察され得る。多様な細胞型、及びそれらの細胞型の多様な分化段階と関連するマーカーは、当業界において公知であり、また抗体及び標準的な免疫学的検定を用いて容易に検出され得る。例えばCurrent Protocols in Immunology、2005、Coligan等編、John Wiley & Sons、3章及び11章を参照する。核酸検定、並びに形態学的及び/又は組織学的な評価は、再細胞化を観察するために使用され得る。さらに再細胞化臓器の機能的な分析も評価され得る。
本明細書において発表される骨又はその部分を脱細胞化する方法は、加圧下で、生理学的緩衝液により、骨又はその部分を灌流することを含める。この脱細胞化骨又はその部分の、加圧下での灌流は、任意の細胞を脱細胞化骨又はその部分の中に導入する前に行われ、また一般に装置を外因的に導入された開口部(単数・複数)、例えば中心腔の横断面に付け、そして流体を加圧下(約10mmHg〜約2000Hg)でその開口部に適用することにより開始される。本明細書において使用される骨又はその部分の加圧下での灌流とは、実質的に全ての完全なままの細胞が、骨又はその部分から取り除かれるように、流体組成物(例えば生理学的緩衝液)を、十分な加圧下で送達することに言及する。脱細胞化骨又はその部分の、加圧下での前細胞灌流に適する生理学的緩衝液は、骨又はその部分に適合する任意の緩衝液であり得る。例えば生理学的緩衝液は、糖及び炭水化物等の栄養素を含めてよく、またさらに血管形成を誘導する化合物(例えばVEGF、FGF−1及び/又はbFGF)を含めてよい。生理学的緩衝液は、一般に生理学的なpHである。
1つの態様では、前細胞灌流又は細胞灌流に適する生理学的緩衝液は、これらに限定されないが、リン酸緩衝生理食塩水(PBS)、或いはこれらに限定されないがEGM−2、EGM−2MV、DMEM、PromoCell内皮細胞培地、骨芽細胞成長培地(Alpha MEM)、骨成長培地、Medium200、DMEMF/12、移植を含める臓器灌流及び/又は保存に使用され得る栄養補助剤(例えばグルコース、アスコルビン酸、リン酸塩、デキサメタゾン)を伴う緩衝液を含める内皮細胞培養に適する培地溶液を含める。
同種異系細胞又は同種異系細胞前駆体の個体群は使用されてよく、また受容者の組織適合性の型に厳密に適合させるために受容者のものに対し同種異系であり、且つ周知方法の組織適合検査による使用のために試験される組織から調製されてよい。最も多くの同種異系の試みは、移植後の免疫抑制剤の使用を要求するだろう。
骨又はその部分を脱細胞化及び/又は再細胞化するための制御系
さらに本発明は、骨又はその部分を脱細胞化及び/又は再細胞化するための系を提供する。骨、又は骨内部の海綿空間は、骨を通して細胞の脱細胞化媒体を灌流することにより脱細胞化され得る。脱細胞化剤は、海綿空間、髄質、血管、又は中心腔及び/もしくは海綿骨区画を通って灌流され得る。細胞の脱細胞化媒体は、脱細胞化をさらに促進するために高圧下で導入され得る。導管を有する装置は、細胞の脱細胞化媒体を導入するために利用され得る。導管は、細胞の脱細胞化媒体の正確且つ効率的な送達を促進するために、少なくとも一部分で密閉され得る。
特定の例では、穴は、これらに限定される必要はないが、海綿空間、髄質又は中心腔、海綿骨区画、及び/又は1又は2つ以上の管を含める標的の送り先、又はその近くまで広げられて、骨の中心部分に穴があけられ得る。ある例では、穴は、約4分の1インチの直径である。取り付け具を有する装置は、穴の中に導入され得る。取り付け具は、導管を含んでなることができ、或いは穴に対して導管を据え付け及び/又は固定し得る。取り付け具は、標的の送り先への接近を提供しながら、少なくとも部分的に穴を密閉し得る。取り付け具は、骨に固定されてよく、また穴を密閉して、取り付け具を通る流体の送達において、比較的に高い圧力の使用を可能にし得る。ある例では、約200mmHg〜1200mmHgの圧力を適用する約0.5パーセントのSDSの灌流が使用され得る。
細胞の脱細胞化媒体の起源及びポンプは、取り付け具及び/又は導管に流動的につながれ、細胞の脱細胞化媒体を、標的の送り先に導入し得る。ポンプは、比較的に高い圧力で、細胞の脱細胞化媒体を標的の送り先に送達するように構成され得る、蠕動ポンプであり得る。
標的の送り先に導入される細胞の脱細胞化媒体において、細胞の脱細胞化媒体は、標的の送り先を通って浸透し得る。浸透は、存在している骨の動脈及び/又は静脈血管系を通り抜け得る。その後に細胞の脱細胞化媒体は、動脈及び/又は静脈血管系を介して骨から抜け出し得る。
特定の例では、骨の中心部分における穴は、真っ直ぐに骨を通り、骨の表面において2つの穴を形成し得る。ある例では、骨は、層状骨である。ある例では、取り付け具は、骨の表面における第一の穴に対して位置付けられ得るが、プラグは、骨の表面における第二の穴に対して位置づけられ、且つ固定され得る。
多様な例では、標的の送り先は、少なくとも一部分において、骨を通って周辺に切り込みを入れることにより近づけられ得る。一例では、骨は、骨の骨端に接近して切られる。骨の内側は、細胞の脱細胞化媒体の増加した接近を提供するために、少なくとも一部分において穴を広げられ、またそうでなければ除去され得る。細胞の脱細胞化媒体の直接的な流れは、髄質腔及び/又は海綿骨区画に導入され得る。直接的な流体流は、ある例では細胞の脱細胞化媒体で、別の例では細胞の脱細胞化媒体以外の流体で、髄質を洗浄するのに利用され得る。
取り付け具は、骨の切断端に適用され得る。取り付け具は、上記の中心穴の例に関連して置かれた取り付け具と同一、又は物理的に類似し得る。一般的に骨の長軸に対して、骨への直交した接近を提供し得る上記の取り付け具とは対照的に、骨の末端に適用される取り付け具は、骨の長軸に平行する骨への接近を提供し得る。取り付け具は、さらに髄質腔及び/又は海綿骨区画への流体の接近を提供しながら、標的の送り先と骨の外側の間に少なくとも部分的な密閉を提供し得る。取り付け具が導管を固定し、且つ少なくとも部分的な密閉を提供し得る間に、骨中の細胞の脱細胞化媒体への接近を提供する任意の構造を別のやり方で固定したカニューレを考慮せずに、骨は、一般にカニューレを挿入され得る。
骨の動脈及び/又は静脈血管系を介して最初に、又は単独に抜け出す細胞残屑を有する流出物よりもむしろ、骨を通り抜ける流出物中の細胞残屑を流れやすくするために、骨のそれぞれの末端で骨端は、骨を切り取られ得る。多様な例では、1又は2つ以上の切断部は、骨の大腿骨頭及び骨の顆の近くである。それにより流出物は、本質的に骨の全長を直接通過し、そして周縁の切断を介して抜け出し得る。
多様な例では、取り付け具は、骨への取り付け具を固定するために構成されたねじ山を含め得る。取り付け具は、ねじ山を骨材料とかみ合わせるために、骨の内部に回転式に挿入され得る。或いは固定機構は、骨に対する取り付け具を固定し、そして少なくとも部分的な密閉を提供するために使用され得る。かかる固定機構は、これらに限定される必要はないが、ケーブルタイ、チューブクランプ、ウォームギアクランプ、クイッククランプ、又は密着バンド等のバンドを含め得る。かかる別の固定機構のいくつかは、取り付け具の蛇腹又はスリーブを、骨の外側に固定するために利用され得る。
上記の詳細な多様な例で提供され得る取り付け具の特定の例は、異なる圧力域の使用を提供し得る。異なる圧力域は、骨の外面に提供され得る。ある例では、骨に対して固定される一対の同軸のバリア又はスリーブは、2つの同軸圧力域を提供し得る。かかる例では、内部の圧力域は、低い圧力であり得るが、外部の圧力域は、高い圧力であり得る。かかる例では、高い圧力域は、実質的に骨の緻密部分につながれ得るが、低い圧力域は、実質的に骨の内部の柔らかい、又は海綿空間につながれ得る。
他の例では、同軸のバリア又はスリーブは、外部圧力域における真空、及び内部圧力域における高い圧力域により、同軸の圧力域を作り出し得る。かかる例では、真空は、実質的に骨の緻密部分に適用され得るが、高い圧力域は、実質的に骨内部の柔らかい、又は海綿空間に適用され得る。ある例では、高い圧力域は、骨に対して固定される取り付け具を介して、柔らかい、又は海綿空間につながれ得る。取り付け具は、上記の取り付け具と同一であるか、又は類似し得る。
一つの態様では、骨又はその部分は、流体適用に使用されるNPTねじ山に取り付けられ、そして密閉を提供するために、テフロンテープのような密閉化合物の使用を要求し得る。一つの態様では、骨又はその部分は、高い圧力の流体適用に使用されるNPTFねじ山、例えばNPTF Drysealねじ山に取り付けられ、そして取り付け具が、例えばレンチを用いて絞められる時に、機械的な密閉が、ねじ山をはめ合わせ、そして軽度に粉砕することにより生み出される。NPT及びNPTFねじ山は、共に一本の足の長さに渡り、3/4インチのテーパー、内部のねじ山の穴の頂部で同一のピッチ直径、又は外部のねじ山のパイプの末端を有し、また共に同一のねじ山の長さ又は深さを有する。両方のねじ山の大小の直径は、わずかに異なる。NPTねじ山が、加圧後に適用されることにより、大小の直径でわずかな空間が存在し得るので、密閉化合物は、任意の裂け目を満たすために使用され得る。タップは、それぞれの型のねじ山を産するために適切な形態を有するNPT及びNPTFねじ山の両方に利用可能である。NPTねじ山がつけられた部分は、密閉化合物を要求するので、NPTFタップは、NPT適用に使用され得る。
1つの態様では、本発明の系は、一般に骨又はその部分にカニューレを挿入するための少なくとも1つのカニューレ挿入デバイス、カニューレ(単数・複数)を通して骨又はその部分を灌流するための灌流装置、及び骨又はその部分の殺菌環境を維持するための手段(例えば、封じ込め系)を含める。カニューレ挿入及び灌流は、当業界において周知の技術である。カニューレ挿入デバイスは、一般に中心腔、又は骨もしくはその部分に外因的に導入された開口部の中に導入するのに適した大きさの凹窩チューブを含める。灌流装置は、液体(例えば細胞破壊媒体)の保持容器、及び1又は2つ以上のカニューレを介して骨又はその部分を通り抜けて液体を動かすための機構(例えばポンプ、空気圧、重力、水力学的シリンダー)を含め得る。脱細胞化及び/又は再細胞化の間の骨又はその部分の殺菌状態は、空気流及び/又は灌流を、例えば所望されない微生物の成長を妨げる抗生物質、抗真菌剤又は他の抗菌剤により制御及びフィルタリングする等の当業界において公知の多様な技術を用いて維持され得る。
本明細書において発表されるような骨又はその部分を脱細胞化及び再細胞化するための系は、特定の灌流の特徴(例えば圧力、体積、流動様式、温度、気体、pH等)を観察するための能力を保有し得る。灌流の有効性は、流出物において、及び組織区画において評価され得る。灌流体積、流動様式、温度、O2及びCO2分圧、DNAを含む溶質、及びpHは、標準的な方法を用いて観察され得る。
系を観察するためにセンサーが使用され得る。例えばセンサーは、カニューレを挿入された骨又はその部分を通り抜けて移動する液体の圧力;系における周囲温度及び/又は骨もしくはその部分の温度;カニューレを挿入された骨又はその部分を通り抜けて動く液体のpH及び/又は流速;並びに/或いは再細胞化している骨又はその部分の生物学的活性を観察するために使用され得る。かかる特徴を観察するためのセンサーを有することに加えて、さらに骨又はその部分を脱細胞化及び/又は再細胞するための系は、かかる特徴を維持し、又は調節するための手段を含め得る。かかる特徴を維持し、又は調節するための手段は、温度計、サーモスタット、電極、圧力センサー、排水管バルブ、液体の流速を変えるためのバルブ、溶液のpHを変えるために使用される溶液への流体連結を開閉するためのバルブ、バルーン、及び/又はコンプライアンスチャンバー等の構成要素を含め得る。安定条件(例えば温度)を確実にするのを助けるために、チャンバー、容器及びチューブは、ウォータージャケットを付けられ得る。
骨又はその部分を作り出すための系は、プログラム可能なプロセッサとの組み合わせにあるコンピューターに読み込み可能な貯蔵媒体により制御され得る(例えば本明細書において使用されるコンピューターに読み込み可能な貯蔵媒体は、プログラム可能なプロセッサに特定のステップを実施させるために、そこに格納される指示を有する)。例えばプログラム可能なプロセッサとの組み合わせにあるかかる貯蔵媒体は、1又は2つ以上のセンサーからの情報を受け、そして処理し得る。さらにプログラム可能なプロセッサと連結したかかる貯蔵媒体は、バイオリアクター並びに/或いは骨又はその部分に戻す情報及び指示を送信し得る。
再細胞化を受ける骨又はその部分は、生物学的活性を観察され得る。骨又はその部分に付いた細胞の生物学的活性は、例えば細胞分裂、代謝、細胞の生存、新しいコラーゲンの形成及び/又は新しいミネラル形成について観察され得る。例えばLaboratory Textbook of Anatomy and Physiology(2001、Wood、Prentice Hall)及びCurrent Protocols in Cell Biology(2001、Bonifacino等編、John Wiley&Sons)を参照する。一つの態様では、骨又はその部分の重量は、本明細書において発表されるようなコンピューターに読み込み可能な貯蔵媒体中に入ることができ、それは、プログラム可能なプロセッサとの組み合わせにおいて、露出時間及び灌流圧力を算出し得る。かかる貯蔵媒体は、予め加えられた負荷及び後に加えられた負荷(それぞれ灌流の前後の圧力)、並びに流率を記録し得る。本態様では、例えばプログラム可能なプロセッサとの組み合わせにあるコンピューターに読み込み可能な貯蔵媒体は、1又は2つ以上のポンプ及び/又はバルブ制御を介して、灌流圧力、灌流の方向、及び/又は灌流溶液の種類を調節し得る。
さらなる例示的な脱細胞化装置及び系
本発明は:脱細胞化チャンバー;脱細胞化組成物容器;脱細胞化組成物容器に連結し、また骨又はその部分にかみ合わされ、そして骨又はその部分に脱細胞化組成物を直接的に送達するように構造化された骨又はその部分の入口導管;並びに任意に導管かみ合わせ構造を含んでなる骨又はその部分の出口導管を含んでなる、脱細胞化装置を提供する。一つの態様では、入口導管は、少なくとも中心腔をかみ合わせるために適応される導管構造を含んでなる。脱細胞化チャンバーは、さらに骨又はその部分の位置を決める構造を含んで成り得る。脱細胞化装置は、1)臓器又は組織を通って骨又はその部分に脱細胞化組成物を導入する導管と協調し、またかかる導管を利用するように;そして2)骨又はその部分の脱細胞化組成物の滞留を減らし、また最小化するように構造化される。本発明の脱細胞化装置及び系の一つの観点は、骨又はその部分の脱細胞化及び骨格の創出が、機械的破砕及び浸漬技術の両方の不存在で達成されることである。脱細胞化装置の構成要素は、脱細胞化工程を遂行し、そして完了させるために、天然の骨又はその部分の導管及び/又は血管系、例えば動脈、細動脈、静脈、管等と集合的に適応され、そして協働する。
1つの態様では、脱細胞化装置は、チャンバー内部の骨又はその部分と関連した無菌又は殺菌環境を維持しながら工程を実行するように構成される。1つの態様では、脱細胞化装置は、過剰な脱細胞化組成物の滞留を減らし、そして最小化し、また骨又はその部分から細胞残屑を分離するように、脱細胞化の間に骨又はその部分を位置付けるように構成される密閉チャンバーを含んでなり得る、脱細胞化チャンバーを含める。
脱細胞化組成物は、その後の脱細胞化チャンバー内部での骨又はその部分への送達のために、脱細胞化組成物容器中に最初に貯蔵され得る。脱細胞化組成物容器は、殺菌調整に関与し得る任意の適切な材料から成り得る。脱細胞化容器は、所望される体積以内の脱細胞化組成物を含むのに十分な寸法で構成され得る。
脱細胞化組成物容器は、脱細胞組成物を脱細胞化チャンバー中に送達するために、また直接的に脱細胞化チャンバー中に含まれる骨又はその部分の中に送達するために、流体送達導管、すなわち入口導管を含んで成り得る。入口導管は、骨又はその部分中への脱細胞化組成物の流量及び流率を調節するためのバルブ等の分配制御機構を含んでなり得る。
別の態様では、脱細胞化組成物を作り出すための組み合わせにある2つ以上の化学的に分離した脱細胞化組成物、又は2つ以上の化学的に分離した成分は、同時に、又は連続して送達され得る。この配置では、共有の統一された流体送達導管中に合流する2つ以上の脱細胞化容器が使用され得る。
脱細胞化装置の構成要素、例えば流体導管及びチャンバー、容器は、殺菌され、又は殺菌条件に関与し、且つその構成成分の機能を遂行し得る任意の適切な材料から構成され得る。封じ込め容器、及び脱細胞化チャンバーに適切な材料は、これらに限定されないが、ガラス、及びプラスチックを含めるポリマー性材料を含める。適切な材料の例は、医療用等級のガラス、プラスチック及びポリマー性材料、金属及び金属合金材料を含める。使用され得る材料は、剛性、半剛性又は弾性、可塑性及び/又は柔軟性であり得る。適切なポリマー性材料は、これらに限定されないが、ポリエチレン(PE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエチルエーテルケトン(PEEK)、ポリビニルクロリジン(PVC)、ポリプロピレン(PP)、ポリカーボネート、ポリスルホン、シリコーンゴム等を含める。さらに装置の多様な構成要素は、それらの性能を増強させ、又は所望されるような特性を与えるようにコーティングされ、又は処置され得る。多様な構成成分は、熱可塑性又は射出成形技術及び設備等の医療デバイス分野における従来技術、及び当該分野の者が容易に入手できる設備を用いて製造され得る。
脱細胞化チャンバー内部の滞留物は、骨又はその部分である。脱細胞化チャンバーの内部環境は、殺菌されてよく、また封じ込めチャンバーは、密閉され得る。入口導管の入口、及び存在するならば出口導管の出口は、脱細胞化チャンバー中に相対的な接合点(単数・複数)と関連する空気止シールを形成するように構成されるべきである。一つの態様では、脱細胞化チャンバー中への入口導管の接合、及び脱細胞化チャンバーを出る任意の出口導管の接合は、殺菌した内部環境から外部環境を密閉するためのエラストマーのガスケットシールを含んで成り得る。
脱細胞化チャンバーへの接近は、チャンバー内部の内容物の接近及び封じ込めの両方を可能にする多様な構造により達成され得る。多様な適切な構造が使用され、閉じられた時にそれらが空気止シールの形成を可能にすることが提供され得る。例として、これらに限定されないが、蓋、ハッチ等を含める。
脱細胞化チャンバーの内部構造は、骨又はその部分を位置付ける構造を含んでなり得る。位置付け構造は、脱細胞化される特定の骨又はその部分の固有の性質及び特性に応じて、設計、配置及び材料を変えられ得る。位置付け構造は、1)脱細胞化及び再細胞化工程の両方の間に、骨又はその部分の天然の解剖学的な配向性及び懸濁物を密に複製及び模倣し;2)骨又はその部分の天然の形状及び完全性を適合し;そしてその後の再細胞化、細胞沈着及び成長との生物学的又は化学的な不適合を避けるように構成され得る。一つの態様では、位置付け構造は、さらに骨又はその部分の殺菌した操作を可能にする能力を与える。
殺菌されている内部環境に加えて、さらに大気条件は重要である。骨格の保存を最適化するために、適切な温度、圧力及び湿度条件が使用されるべきである。チャンバー内部の温度は、およそ周囲温度(22℃)から約40℃、好適にはおよそ体温(37℃)から約40℃であり得る。従来型で、且つ容易に入手され得る設備は、脱細胞化チャンバー中の環境条件を維持するために使用され得る。
出口導管は、過剰な脱細胞化組成物、並びに骨及び内部チャンバー環境からの細胞残屑の輸送及び除去を可能にする。出口導管は、さらに所望されるような二次的な、又は付加的な構成部品を含んで成り得る。例えば出口流体路は、1又は2つ以上の出力流体サンプリングデバイス、測定又は観察デバイス、流体運動構成要素(例えばポンプ)等を含め得る。
入口導管の末端は、骨又はその部分の中の脱細胞化組成物の送達点に使用される開口部をかみ合わせ、そして適合させる構造を含め得る。
導管かみ合わせ構造は、多様な形態及び材料を採用し得る。かかる構造は、開口部中への挿入のために採寸された、減少した切断面の直径、または先細の直径端もしくは端部分等の修飾された導管末端を含んで成り得る。一つの導管かみ合わせ構造は、取り付け具上にねじ山を付した形態にあり得る。他の態様は、開口部につながるアダプター、インサーション、断片またはスリーブの形態にあり得る。導管かみ合わせ構造の他の態様は、開口部中への挿入のための導管の可塑性のチューブ状の延長として構成され得る。
一つの態様では、導管かみ合わせ構造は、流体密封の「シール」を作り出す。さらなる修飾として、半径方向に延長した末端の隣接した終端は、クランプ又はタイの配置を促し、そして滑り及び/又は漏出の可能性を妨げ、又は減少させるように、外接しているねじ溝であり得る。
装置の位置付け構造及び導管かみ合わせ構造のために多種多様な材料(単数・複数)が使用されてよく、提供される材料(単数・複数)は、殺菌可能であり、且つ装置内部の機能を遂行するために所望される構造的な完全性を有する。適切な材料の例は、ガラス、プラスチック及びポリマー性材料、金属及び金属合金材料を含める。使用され得る材料は、剛性、半剛性又は弾性、可塑性及び/又は柔軟性であり得る。適切なポリマー性材料は、これらに限定されないが、ポリエチレン(PE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエチルエーテルケトン(PEEK)、ポリビニルクロリジン(PVC))、ポリプロピレン(PP)、ポリカーボネート、ポリスルホン、シリコーンゴム等を含める。さらに装置の多様な構成要素は、それらの性能を増強させ、又は所望されるような特性を与えるようにコーティングされ、又は処置され得る。
脱細胞化装置の流体流、流量及び圧力は、重力の流体流を可能にする方法において、チャンバーに対して容器を方向付けることにより、受動的に調節及び制御され得る。或いは、流体流及び圧力は、1又は2つ以上のバルブ、ポンプ、又は装置周囲内に1又は2つ以上の点で位置付けられる他の制御構造により、能動的に調節され得る。流量、圧力、温度及び持続パラメーターは、特定の要求及び特質に従い変えられ、また調節され得る。ポンプは、可変又は固定比率、パルス又は非パルス流、受動的な出口を伴う能動的な入口、或いは能動的な出口を伴う受動的な入口を提供するために選定され、制御され、及び/又は位置付けられ得る。
適切な脱細胞化工程の継続時間は、約2時間〜約100時間以上の間のであってよく、また洗浄を含めて、約12時間〜約96時間以上の範囲にあり得る。脱細胞化工程時間及び温度は、骨又はその部分の年齢、大きさ、状態、密度、表面積、及び重量、並びに補助技術等の多くの要因により影響を及ぼされ得る。
本発明は、特許請求の範囲において記載される方法及び組成物の内容の範囲を限定しない、以下の実施例においてさらに記載する。
実施例1
穿刺を促進するために、ブタ大腿骨の骨幹中、及び1/8インチのナショナルパイプねじ(NPT)の先細の取り付け具の配置に、242インチの穴をあけた。その後に1/8インチのIDチューブを取り付け具につなげ、そして骨を10リットルの0.5%のSDS溶液中に置き、そして600mmHgの一定圧力で、60時間灌流した。溶液を6〜12時間ごとに代えて、流体交換の間に再循環させた。圧力センサー及び自動電圧フィードバックループを利用する制御系を介して圧力を維持し、ポンプ速度を制御した。60時間の間に、流量を1.0〜60mL/分に変えた。脱細胞化は、天然の骨の血管を通り抜ける細胞材料の能動的な出口(抜け出る)より明白になった。
方法及び組成物の内容は、多くの多様な観点と併せて本明細書において発表されているが、前記発表の多様な観点は、説明することを意図し、且つ方法及び組成物の内容の範囲を限定しないものと理解される。他の観点、利点、及び修飾は、特許請求の範囲内にある。
開示されるのは、開示される方法及び組成物に使用され得る、開示される方法及び組成物と併せて使用され得る、開示される方法及び組成物の調製において使用され得る、または開示される方法及び組成物の製品である、方法及び組成物である。これら及び他材料は、本明細書において開示され、且つそれは、組み合わせ、サブセット、相互作用、基が、これらの方法及び組成物のように開示されているものと理解される。すなわち、これらの組成物及び方法のそれぞれ多様な個々及び集合体の組み合わせ、並びに変更への具体的な言及は、明白に開示され得ないが、それぞれは、明確に検討され、且つ本明細書において記載されている。例えば、特定の組成物の内容又は特定の方法が開示され、そして検討され、また多くの組成物又は方法が検討されているならば、組成物及び方法のそれぞれ及び全ての組み合わせ及び変更は、その反対のことが明確に示されていない限り、明確に検討されている。同様にこれらの任意のサブセット又は組み合わせもまた、明確に検討され、且つ開示されている。
全ての刊行物、特許及び特許出願は、参照により本明細書に組み込まれている。上記の明細書において本発明は、その特定の好適な態様との関連において記載され、また多くの詳細は、説明の目的のために記載されたが、本発明がさらなる態様を受け入れる余地があり、また本明細書において記載される特定の詳細事項を、本発明の基本原理から逸脱せずに相当に変化させ得ることは当業者には明らかであるだろう。

Claims (30)

  1. 細胞を有する天然の哺乳類の骨の脱細胞化方法であって、
    a)細胞を有する天然の哺乳類の骨を供する工程であって、該骨が骨の外面から中心腔の中に伸展する少なくとも1つの外因的に導入された開口を含むように修飾されており、開口に、止水シール及び1又は2以上の導管を供する装置が取り付けられている工程、並びに
    b)骨の脱細胞を提供する条件下で、上記装置の少なくとも1つの導管を介して、開口を通して骨の腔中に細胞破壊媒体を灌流する工程、
    を含んでなる、方法。
  2. 前記骨がヒトの骨である、請求項1に記載の方法。
  3. 前記細胞破壊媒体が界面活性剤を含んでなる、請求項1又は2に記載の方法。
  4. 前記界面活性剤がアニオン性界面活性剤である、請求項3に記載の方法。
  5. 前記骨が長骨である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記導管が、チューブ、蛇腹、カニューレ又はカテーテルである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 前記条件が、約10 mm Hg〜約2000 mm Hgの圧力を含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. 前記条件が、制御圧を適用することを含む、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 細胞を有する哺乳類の骨の一部分の脱細胞化方法であって、
    a)細胞を有する哺乳類の骨の一部分を供する工程であって、該部分が天然の末端並びに止水シール及び1又は2以上の導管を供する装置が取り付けられた横端を有する工程、並びに
    b)骨の上記部分の脱細胞を提供する条件下で、上記装置の少なくとも1つの導管を介して、少なくとも骨の上記部分の内部中に細胞破壊媒体を灌流する工程、
    を含んでなる、方法。
  10. 前記骨がヒトの骨である、請求項9に記載の方法。
  11. 前記細胞破壊媒体が界面活性剤を含んでなる、請求項9又は10に記載の方法。
  12. 前記界面活性剤がアニオン性界面活性剤である、請求項11に記載の方法。
  13. 前記骨が長骨である、請求項9〜12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 前記装置が、骨の外周へ取り付けられたスリーブを含んでなる、請求項9〜13のいずれか1項に記載の方法。
  15. 1つの導管が、中心腔に一致するように設定された直径を有する、請求項9〜14のいずれか1項に記載の方法。
  16. 前記装置が、少なくとも2つの導管を含んでなる、請求項9〜15のいずれか1項に記載の方法。
  17. 第一の導管が、中心腔に一致するように設定された直径を有し、第二の導管が、皮質骨に流体の流れを提供する、請求項16に記載の方法。
  18. 前記条件が、圧力勾配を適用することを含む、請求項9〜17のいずれか1項に記載の方法。
  19. 前記条件が、約10 mm Hg〜約2000 mm Hgの圧力を含む、請求項9〜18のいずれか1項に記載の方法。
  20. 前記条件が、皮質骨を陰圧へ供することを含む、請求項9〜19のいずれか1項に記載の方法。
  21. 前記条件が、-10 mm Hg〜約- 2000 Hgの陰圧を含む、請求項20に記載の方法。
  22. 前記部分が、骨端を含む、請求項9〜21のいずれか1項に記載の方法。
  23. 前記部分が、骨幹を含む、請求項9〜22のいずれか1項に記載の方法。
  24. 細胞を有する哺乳類の骨の一部分の脱細胞化方法であって、
    a)細胞を有する哺乳類の骨の一部分を供する工程であって、該部分が2つの横端を有し、一方が止水シール及び1又は2以上の導管を供する装置が取り付けられ、他方が止水シールを提供する工程、並びに
    b)骨の上記部分の脱細胞を提供する条件下で、上記装置の少なくとも1つの導管を介して、少なくとも骨の上記部分の中心腔中に細胞破壊媒体を灌流する工程、
    を含んでなる、方法。
  25. 前記骨がヒトの骨である、請求項24に記載の方法。
  26. 前記細胞破壊媒体が界面活性剤を含んでなる、請求項24又は25に記載の方法。
  27. 前記界面活性剤がアニオン性界面活性剤である、請求項26に記載の方法。
  28. 前記骨が長骨である、請求項24〜27のいずれか1項に記載の方法。
  29. 前記装置が、骨の外周へ取り付けられたスリーブを含んでなる、請求項24〜28のいずれか1項に記載の方法。
  30. 前記部分が、骨幹を含む、請求項24〜29のいずれか1項に記載の方法。
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