JP2015524572A - フレネルレンズフィルムを用いた装飾フィルム物品 - Google Patents

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Abstract

積層体の第1及び第2の光学フィルムは、延長されたフレネルレンズを画定する構造化表面をそれぞれ有する。第1及び第2のフィルムのそれぞれの第1及び第2のフレネルレンズは、それぞれ異なる第1及び第2の面内軸とほぼ平行に延びる。フィルム同士は、一方のフィルムによって透過された光が他方によって遮断されるように互いに取り付けることができる。フィルム積層体は、光学フィルムにより透過された光を散乱するように配置されたディフューザーを更に備えてもよい。他の開示される装飾物品は、ほぼ0から最大の正の傾きとなり、ほぼ0となってから最大の負の傾きとなって再びほぼ0に戻る周期的な傾斜配列に配列された透光性ファセットによる構造化表面を有する個別の光学フィルムを備え、この傾斜配列が構造化表面の一部又は全体にわたって繰り返される。傾斜配列は、交互に位置する集束及び脱集束フレネルレンズを画定してよく、各フレネルレンズは延長された直線状のものであってよい。

Description

本発明は、概して、特にフレネルレンズを組み込んだフィルムに適用される、特有の外観を有する装飾フィルムに関する。本発明はまた、関連する物品、システム、及び方法にも関する。
約200年前、フランスの物理学者オーギュスタン・ジャン・フレネルが19世紀初頭に灯台で使用するためのより薄く、軽量のレンズを開発したと言われている。今日、このレンズはフレネルレンズと呼ばれている。それ以来、フレネルレンズは、嵩張る光学レンズによって与えられるものよりも薄くて軽量な形態で光の集束機能を与えるために、多くの用途で使用されている。
本発明者らは、面内軸に対して平行に延びる複数のフレネルレンズを形成するファセットによる構造化表面をそれぞれが有する少なくとも2枚の光学フィルムが積層体として組み合わされた、一群の装飾物品を開発した。光学フィルム同士は、第1及び第2の光学フィルムのそれぞれの第1の面内軸と第2の面内軸とが互いに平行でなくなるように、互いに対して回転させられる。積層体は、1以上のディフューザー及び/又は標示を更に有してもよい。フレネルレンズは物品に三次元的外観を与える。このような異なる向きを有するフレネルレンズの組み合わせが、視覚的に特徴的な装飾パターンを生じる。
積層された形態以外に、延長されたフレネルレンズを有する光学フィルムを個別に、また、必要に応じて、別のフレネルレンズフィルムではないか又は別のフレネルレンズフィルムを含み得る1以上の他の構成要素と組み合わせて使用することができる。光学フィルムの延長されたフレネルレンズは、互いに連続的であり得る集束フレネルレンズと脱集束フレネルレンズとが交互に位置するパターンに配列することができる。フレネルレンズを画定する構造化表面は、ほぼ0から最大の正の傾きとなり、ほぼ0となって、最大の負の傾きとなって、再びほぼ0に戻る周期的(例えば正弦曲線状)な傾斜配列に配列された透光性ファセットを有することができ、この傾斜配列が構造化表面の一部又は全体にわたって繰り返される。特徴的な装飾パターンは、光学フィルムを、光透過性プレート又は窓によって光学フィルムに対して定位置に固定することができる標示と組み合わせることにより得ることができる。こうしたプレートは、フレネルレンズから標示までの軸方向距離が、フレネルレンズの焦点長又は焦点距離に対して所定の関係を満たすように構成された厚さを有することができる。
本発明者らは、本明細書において、第1のフレネルレンズを画定する第1の透光性ファセットが形成された第1のフィルムと、第2のフレネルレンズを画定する第2の透光性ファセットが形成された第2のフィルムであって、第1のフレネルレンズによって透過された光を遮断するように配置された、第2のフィルムと、を備えるフィルム積層体について特に述べる。第1のフレネルレンズのそれぞれは、第1の面内軸とほぼ平行に延びており、第2のフレネルレンズのそれぞれは、第1の面内軸と非平行である第2の面内軸とほぼ平行に延びている。積層体は、第1及び/又は第2のフレネルレンズによって透過された光を散乱するように配置されたディフューザーを更に備え得る。ディフューザーは、標示層と同様、空間的に均一な形態、又は所望の空間的パターンに従って別の層上に印刷することができる。
ディフューザーは、10%〜90%の範囲のヘイズ値を有することができる。特定の場合では、ディフューザーは第3の面内軸に沿って選択的に光を散乱してもよく、ディフューザーは、第3の面内軸が第1及び第2の面内軸の60°未満の範囲内に配置されるような向きとすることができる。ディフューザーは、第1のフィルム及び/又は第2のフィルムに組み込むこともできる。
第1の面内軸と第2の面内軸とは、2〜90°の範囲の角度を形成し得る。第1のフレネルレンズは第1の平均の幅によって特徴付けることができ、第2のフレネルレンズは第1の平均の幅とは異なる第2の平均の幅によって特徴付けることができる。第1のフレネルレンズは第1の平均のピッチによって特徴付けることができ、第2のフレネルレンズは第1の平均のピッチとは異なる第2の平均のピッチによって特徴付けられる。第1のフレネルレンズの少なくとも一部、及び第2のフレネルレンズの少なくとも一部を、入射する平行光を集束するように構成することができる。第1のフレネルレンズの少なくとも一部、及び第2のフレネルレンズの少なくとも一部を、入射する平行光を脱集束するように構成することができる。第1のフレネルレンズは、入射する平行光を集束するように構成された正のフレネルレンズと、入射する平行光を脱集束するように構成された負のフレネルレンズとが交互に位置するように配置することができる。正のフレネルレンズと負のフレネルレンズとは互いに連続していてよい。第1のフレネルレンズはそれぞれ10よりも大きい長さ−幅アスペクト比を有し得る。第1のフレネルレンズは平面図においてそれぞれ直線状であってよく、第2のフレネルレンズもまた、平面図においてそれぞれ直線状であってよく、第1のフレネルレンズと第2のフレネルレンズとの組み合わせが、平面図において波状のパターンを生じ得る。
第1のほぼ0の傾きから正の傾きが増大して最大の正の傾きとなり、正の傾きが減少して第2のほぼ0の傾きとなって、負の傾きが増大し、負の最大の傾きとなって、負の傾きが減少して、第1のほぼ0の傾きとなる傾斜配列に配列された透光性ファセットが形成された構造化表面を備える装飾フィルム物品についても開示する。傾斜配列はほぼ正弦曲線状であってよく、構造化表面の一部又は全体にわたってほぼ途切れなく繰り返してよく、透光性ファセットが、脱集束フレネルレンズと交互に位置する複数の集束フレネルレンズを画定し得る。ファセット、集束フレネルレンズ、及び脱集束フレネルレンズは、第1の面内軸と概ね平行にそれぞれ延びてよい。
フレネルレンズは、平面図においてそれぞれ直線状であってもよく、又は平面図において直線からそれぞれ逸れてもよい。各フレネルレンズは、波形の経路を画定することができる。装飾フィルム物品は、透光性ファセットを覆う低屈折率の平坦化層を更に備えてもよい。
フィルム物品は、例えば物品の所定の表面上に配置された標示と組み合わせることによって特徴的な視覚効果を生じるができる。このような標示は、第1の面内軸に対して角度φで配置された第2の面内軸と概ね平行に延びる1以上の要素を含んでよく、角度φは2〜88°の範囲である。標示は、集束フレネルレンズから軸方向距離D1の位置に配置することができ、集束フレネルレンズの少なくとも一部が、集束フレネルレンズから軸方向距離D2に位置する焦点を有してよく、D1は、(D2)/10よりも大きいか又は(D2)/3〜D2の範囲内であるか又はD2よりも大きくてよい。他の場合では、標示は、フレネルレンズフィルムの構造化表面上に構造化表面と接触させて配置することができる。
フィルム物品は、集束及び脱集束フレネルレンズによって透過された光を散乱するように配置されたディフューザーを更に備えてもよい。フィルム物品は、装飾フィルムによって透過された可視光を、その構成色に分離して多色の視覚効果を生じるように構成された可視光回折要素を有してよく、可視光回折要素は、第1の面内軸と概ね平行な第2の面内軸と概ね平行に延び得る。
関連する方法、システム及び物品についても検討する。
本出願のこれらの態様及び他の態様は、以下の「発明を実施するための形態」より明らかになるであろう。しかしながら、上記の概要は、いかなる場合においても特許請求される主題に対する限定として解釈されるべきではなく、手続時に補正され得る添付の「特許請求の範囲」によってのみ定義されるものである。
フィルム積層体における使用及び被加工物に貼着するために適合された2枚のフレネルレンズフィルムの概略側面又は断面図である。 1枚のフレネルレンズフィルムが別のフレネルレンズフィルムの下又は後方に配置されたフィルム積層体の概略正面又は平面図である。 第1及び第2のフレネルレンズ群の概略的表現の正面又は平面図であり、2つのフレネルレンズ群は図1又は2のフィルム積層体のようなフィルム積層体として配置することができる。 個別に、又は図1若しくは2のフィルム積層体のようなフィルム積層体において使用することができる光学フィルムの概略側面又は断面図である。 図4のフレネルレンズを備える構造化表面の平面図である。 個別に、又はフィルム積層体において使用することができる別の光学フィルムの概略側面又は断面図である。 個別に、又はフィルム積層体において使用することができる別の光学フィルムの概略側面又は断面図である。 図6のフレネルレンズを備える構造化表面の平面図である。 交互に位置する連続的な集束及び脱集束フレネルレンズのパターンを形成することが可能な代表的な正弦曲線状の傾斜配列を示す、位置に対するファセット角のグラフである。 第1の平行な直線状正弦曲線状構造の群と、第2の平行な直線状正弦曲線状構造の群との組み合わせをシミュレーションした図であり、第1及び第2の構造群は約6°の有効交差角を有している。 2枚のフレネルレンズフィルム及びディフューザーを備えるフィルム積層体の写真図であり、フレネルレンズフィルム同士は約30°の交差角となる向きとなっている。 約90°の交差角となる向きの2枚のフレネルレンズフィルムを備える別のフィルム積層体の写真図である。 正弦曲線状の傾斜配列を有するフレネルレンズフィルムを通して見たオフィス環境の写真図である。 別の光学フィルムと標示との組み合わせの概略側面又は断面図であり、光学フィルムと標示とは厚い透明プレートの両側に配置されている。 正弦曲線状の傾斜配列を有するフレネルレンズフィルムを通して見た直線状の標示の写真図である。
図中、同様の参照番号は同様の要素を示す。
本発明者らは、特定のフレネルレンズの構成を有する特定の光学フィルムを、新規かつ異なる方法で組み合わせることにより、特徴的な装飾的パターン及び視覚効果を生じ得ることを見出した。2つのこのような光学フィルム112、162が図1の側面図又は断面図に概略的に示されている。これらのフィルムに用いられているフレネルレンズは、三次元的な外観を有するフィルム物品を与えることができる。
フィルム112、162は、透過性ファセット116、166が、入射する平行光を集束及び/又は脱集束するレンズを形成する傾斜配列に配列された構造化表面を有していることから両方ともフレネルレンズフィルムであり、これらのレンズはそれぞれ正レンズ及び負レンズと呼ばれる場合もある。ファセット116、166は図1では概略的に示されているのみであり、各ファセットは均一な傾きを有しており、認識できるような傾斜配列はないが、下記により詳細に述べるように、各ファセットが、複数の連続的又は不連続的な集束及び/又は脱集束フレネルレンズを形成する一連の向き又は傾きで配列されることが好ましいことは読者には理解されるであろう。フレネルレンズは直線状のものであってもよく、又は図3において下記に示されるように他の形態で特定の面内方向に沿って延在するものでもよい。
光学フィルム162は、光学フィルム112により透過された光を遮断するように配置されている。フィルム112、162は別々に示されているが、光透過性接着剤又は他の適当な接着剤を使用して積層体を形成するように容易に組み合わせることができる。このような積層体を、窓、壁、又は間仕切りなどの被加工物105に貼着することもできる。被加工物105は、フィルム112、162内のフレネルレンズの視覚効果が使用者又は観測者139に対してより顕著なものとなるように、透明であるか又は他の形態で光透過性であることが好ましい。
フィルム112は、第1の層113、第2の層114、接着層109、及び、フィルム112を被加工物105に接着する前に取り扱いできるようにする剥離ライナー108を備えている。透過性ファセット116を有し、ランド部分が実質上設けられてないプリズムの薄層(図1では番号付けされていない)が第2の層114上にキャスティング及び硬化されており、第1の層113が平坦化層として機能している様子が示されているが、代替的な実施形態では、薄いプリズム層を層113の平坦な形のフィルム上にキャスティングして硬化させ、層114を平坦化層として機能させてもよく、更なる他の実施形態では、層114の表面(又は層113の表面)自体を、薄いプリズム層が基本的に層114の一部(又は層113の一部)をなすようにエンボス加工し、層113(又は層114)を平坦化層として機能させてもよい。平坦化層は、透明な接着剤又は他の適当な透明ポリマー(例えば下記に述べるULI材料)で形成することができるが、平坦化層は、例えば約0.1よりも大きい屈折率の差が生じるように、平坦化層が平坦化する層よりも大幅に低い屈折率を有することが好ましい。本考察の残りの部分では、簡単のため、層114と113との間の界面がファセット116による構造化又はファセット化表面となるように、薄いプリズム層と層114との間の境界は無視し、薄いプリズム層を層114の一部と仮定する。少なくとも層113、114及び109は透明かつ/又は光透過性であり、層113と層114とは、その間に形成されるファセット化表面において光の反射が生じ得るように異なる屈折率を有する。フィルム112が単独で例えば窓に貼着されるような特定の場合では、ポリエチレンテレフタレート(PET)又は他の適当なポリマーの層を、接着平坦化層113及び他の接着層109に適用することが望ましい場合がある。このような構成では、強靱なポリマーフィルム層がフレネルプリズムの両側に設けられ、他の層の界面の接着性に応じて、フィルム構造全体の壁又は窓からの剥離を容易とすることができる。また、接着及びライナー層108及び109を非接着層113の平坦な表面に適用することもできる。
フィルム112と同様、フィルム162は、第1の層163、第2の層164、及び第1の層と第2の層との間に形成された透過性ファセット166による構造化又はファセット化表面を備えている。やはりフィルム112と同様、透過性ファセット166を有し、ランド部分が実質上設けられてないプリズムの薄層(図1では番号付けされていない)が第1の層163上にキャスティング及び硬化されており、第2の層164が平坦化層として機能している様子が示されているが、代替的な実施形態では、薄いプリズム層を層164の平坦な形のフィルム上にキャスティングして硬化させ、層163を平坦化層として機能させてもよく、更なる他の実施形態では、層163の表面(又は層164の表面)自体を、薄いプリズム層が基本的に層163の一部(又は層164の一部)をなすようにエンボス加工し、層164(又は層163)を平坦化層として機能させてもよい。平坦化層は、透明な接着剤又は他の適当な透明ポリマー(例えば下記に述べるULI材料)で形成することができるが、平坦化層は、例えば約0.1よりも大きい屈折率の差が生じるように、平坦化層が平坦化する層よりも大幅に低い屈折率を有することが好ましい。本考察の残りの部分では、簡単のため、層163と164との間の界面がファセット166による構造化又はファセット化表面となるように、薄いプリズム層と層163との間の境界は無視し、薄いプリズム層を層163の一部と仮定する。層163、164はいずれも透明であるか又は他の形態で光透過性であり、異なる屈折率を有している。ファセット166は、下記に更に述べるように複数の連続的又は不連続的な集束及び/又は脱集束フレネルレンズを形成している。フィルム162はまた、透明接着層159、及び、フィルム162をフィルム112の前面に接着する前に取り扱いできるようにする剥離ライナー158を備えている。接着層及びライナー層を層163の平板な表面に適用し、ライナーを有する第2の接着層を必要に応じて適用してプリズム構造を平坦化してもよく、又は接着層及びライナー層を平坦化層に適用し、ミラー化されたフレネルレンズ、又は窓などの透明基材への積層を容易とすることもできる。環境に曝露される表面は、以下の機能性コーティング、すなわち、反射防止、グレア防止、ハードコート、又はフルオロカーボンの「イージークリーン」コーティングの1つ以上によって機能強化することができる。
実際には、フィルム112、162は、別々に製造され、顧客又は他の使用者に別々に販売されてもよい。使用者は、最初に剥離ライナー108を剥離して、光学フィルム112を特定の向きで被加工物に貼着する。次に、使用者は、2枚のフィルムの相対回転角(下記図2及び3で角度φとして示される)がフィルムの組み合わせの外観に与える影響を決定するために、一定範囲の異なる相対回転角を評価することを望む場合がある。この点に関し、使用者がフィルム162をフィルム112と接して配置しても、両方のフィルムを通過する光によるフィルムの組み合わせの外観を観察しながら、最適な向きを決定するために、フィルム162をフィルム112に対してなおも摺動、回転、又はずらすことができるように、剥離ライナー158をPETのような透明材料で製造することが有利である。この点に関し、フィルムの前方に位置する使用者139を参照されたい。所望の向きが選択された後、剥離ライナー158を剥離し、前方のフィルム162を後方のフィルム112に貼着することによって、完成した積層されたフィルム積層体を与えることができる。
このフィルム積層体は、フレネルレンズによって透過された光を散乱するように配置されたディフューザーなどの他の部材又は要素を含んでもよい。ディフューザーは、フィルム112、162に追加される異なるディフューザー層の形を取ってもよく、あるいはこれらのフィルムの一方又は両方の1以上の既存の層に組み込むこともできる。ディフューザーは、その内部及びその全体に粒子、隙間、又は他の散乱要素が分散されたポリマー層のような体積ディフューザーとするか若しくはこれを含むことができ、かつ/又は、テクスチャー化又は他の形態の非平滑表面のような表面ディフューザーとするか若しくはこれを含むことができる。
構造体に含まれる場合、ディフューザーはあまり大きすぎない程度に光を散乱することが好ましい。ディフューザーが光を強く散乱しすぎると、フレネルレンズの集束又は脱集束特性を損ない、これによりレンズによって与えられる物品の3次元的外観が失われる場合がある。しかしながら、場合によっては、過度に粗い外観を避けるうえで一定の最小量の拡散が望ましい場合もある。光散乱は、ヘイズ値、透過率、及び透明度として知られる量によって特徴付けることができる。物品、フィルム、又は層に垂直に入射する光では、ヘイズ値とは、特に断らない限り、透過光全体に対する垂直方向から4°よりも大きい角度で拡散した透過光の比のことを指す。光学ヘイズ値は、例えば、ビー・ワイ・ケー・ガードナー社(BYK-Gardner)(メリーランド州、コロンビア)より販売されるHaze−Gard Plusヘイズ計を使用するなど、任意の適当な手段によって測定することができる。
ディフューザーは、対称(又は等方性)ディフューザー又は非対称(又は異方性)ディフューザーに分類することができる。対称ディフューザーは、垂直に入射するコリメート光線を、発散角度がすべての面内方向において実質的に同じである散乱光線に散乱する。本発明者らは、対称ディフューザーでは、0〜90%、より好ましくは20%〜80%のヘイズ値のレベルが一般的な場合における適当な光拡散の量を与えることを見出した。非対称ディフューザーは、垂直な入射光を、散乱軸と呼ばれる特定の面内方向に沿って選択的に散乱する。このようなディフューザーは、散乱軸が、積層体のいずれの光学フィルムのいずれのフレネルレンズ延長方向に対しても垂直とならないような向きとすることができる。好ましくは、散乱軸は、一方又は両方の光学フィルムのフレネルレンズの延長方向に対して平行となるか、又は少なくともほぼ整列する(例えば、60、45、30、又は20°未満の角度で)ような向きとされる。これにより、非対称ディフューザーは、フレネルレンズの延長軸に垂直な平面内で生じるレンズの集束又は脱収束特性をそれほど妨害することなく、物品により柔らかな(よりぼやけた)外観を与えることができる。本発明者らは、非対称ディフューザーでは、0〜99%の範囲のヘイズ値のレベルが一般的な場合における適当な光拡散の量を与え得ることを見出した。光拡散性が別のディフューザー層の形で与えられる場合、こうした層の透過率は可視光スペクトルの一部又は全体にわたって50%よりも高いことが好ましい。ディフューザーの透明度は、互いに接触するか又は近接しているフィルム又は層ではそれほど重要とならない場合が多く、したがって必要に応じて調整するか又は指定しないままとしてもよい。非対称ディフューザーが、プリズム延長の軸が互いに平行ではない2枚のフレネルレンズフィルムとともに使用される場合、非対称ディフューザーの散乱軸の好ましい方向は、2枚のフレネルレンズフィルムのプリズム延長軸の間であり、好ましくは2枚のプリズム延長軸の中間である。
図2は、第2のフレネルレンズフィルム262の下、又は後方に配置された第1のフレネルレンズフィルム212を備えるフィルム積層体205の概略正面又は平面図である。上記に述べたフィルム112と同じか又は同様のものであってよい後方フィルム212は基準軸212aを有するものとして示されおり、フィルム162と同じか又は同様のものであってよい前方フィルム262は基準軸262aを有するものとして示されている。本発明の考察のため、後方フィルム212は、軸212aと概ね平行にそれぞれ延びる集束及び/又は脱集束フレネルレンズの配列を有しているものと仮定する。同様に、前方フィルム262は、軸212aと概ね平行にそれぞれ延びる集束及び/又は脱集束フレネルレンズの配列を有しているものと仮定する。フィルム同士は互いに対して回転させられる。すなわち軸212a、262aは非平行である。軸212aと軸262aとの間には0°以外の角度φ(ギリシャ文字ファイ)が形成されている。本発明者らは、こうしたフィルムの組み合わせより、特有の美観的に好ましい視覚効果が生じ得ることを見出した。角度φは、例えば5〜90°の範囲であり得る。
このようなフィルム積層体の外観に影響する別の因子として、異なるフレネルレンズ群の相対的な間隔すなわちピッチがある。図3は、2つのフレネルレンズ群の概略的表現の正面又は平面図であり、2つのフレネルレンズ群は図1及び2のフィルム積層体のようなフィルム積層体として配置することができる。この図では、線308は、1つのフィルムの隣接するフレネルレンズ、例えば後方フィルム212の各フレネルレンズの中心を表し、線358は、別のフィルムの隣接するフレネルレンズ、例えば前方フィルム262の各フレネルレンズの中心を表している。各フィルムは、レンズ群同士が互いに対して角度φで傾くような向きとされている。
簡単のため、後方フィルムのフレネルレンズは、均一な中心−中心間隔すなわちピッチp1を有するものと仮定する。やはり簡単のため、前方フィルムのフレネルレンズは、均一な中心−中心間隔すなわちピッチp2を有するものと更に仮定する。均一な間隔を有するフレネルレンズは、フィルムのどこに切れ目を入れるかを心配する必要なく任意の望ましい大きさ又は形状に切断するか又は他の方法で変換することができることから、扱い勝手がよい。(しかしながら、不均一な間隔を有するフレネルレンズフィルムも使用することができる。)p1及びp2の値は、好ましい視覚効果を生じるように望み通りに選択することができる。特定の場合では、製造公差の範囲内でp1はp2と等しくてもよい。例えば、(p2−p1)/p1の大きさは1%未満であり得る。本発明者らは、特に興趣に富む視覚効果は、p1とp2とが互いにある程度異なる場合に生じ、例えばp1/p2又はその逆数は1.5〜3の範囲であり得ることを見出した。
フレネルレンズのいずれかの群が均一な中心−中心間隔を有しているか否かによらず、ピッチp1、p2は平均値を指す場合がある。したがって、上記に述べたように、p1を後方フィルムのフレネルレンズの平均ピッチとし、p2を前方フィルムのフレネルレンズの平均ピッチとすることができ、p1とp2とは同じであっても異なっていてもよい。各フレネルレンズは、それらを平面図で見た場合の幅によって特徴付けることもできる。このような幅について、図4aに関連して更に以下に述べる。異なる光学フィルムのフレネルレンズは、互いに異なる平均のフレネルレンズ幅によって特徴付けることができる。
必要に応じて、フィルム積層体のフレネルフィルムは、積層体内で互いに接着するように特に構成することができる。場合により、積層体のフレネルフィルムは、別々に販売され、業者、顧客、又は他のエンドユーザーにより任意の所望の向き(回転角)で互いに貼着されてもよい。
次に図4を参照すると、3次元的外観を有する物品410、又は物品410を組み込んだシステムを与えるように調整することが可能な構成要素で構成された光学フィルム又はフィルム物品410が示されている。物品410は、上記で検討したフィルム112、162、212、262のいずれかに相当するものであってよい。物品は、基材層420に貼着された、第1の層413及び第2の層414を有する第1のフィルム412を備えている。これらの層の一部又はすべては、物品又はその1以上の要素を、従来のフィルムライン上で従来のポリマー系材料によって製造することができるように、ポリマー系のものとすることができる。これに代えるか又はこれに加えて、物品は他の既知のプロセス又は機器によって製造することが可能であり、ガラス、セラミックス、金属、及び/又は他の適当な材料などの非ポリマー材料を含み得る。材料の更なる考察を以下に示す。
物品410は、前方及び後方の主面(又はその逆)に相当し得る互いに反対側の主面410a、410bを有している。第1のフィルム412は表面410b又はその近くに位置し、第1の層413及び第2の層414を含んでいる。これらの層間の界面415は、個々のファセット416、418によるファセット化表面として構成されている。ファセット化表面は、一種の構造化表面とみなすことができる。ファセット416、418は、層413と層414との間の屈折率の差により、透過性であると同時に反射性である。少なくともファセット416は通常、ほぼ平坦又は平面状であり、様々な異なる角度に向けられ、全体としてフレネルレンズ417を形成するように、傾斜配列と呼ばれる特定の配列で配列されている。各レンズ417は、いずれも同じファセットの配列を有している様子が示されており、いずれも同じタイプのものと仮定される。例えば、各レンズ417はいずれも集束型レンズ又は脱集束型レンズである。この考察の目的のため、層413が層414よりも高い屈折率を有するものと仮定し、その場合、レンズ417は、図4に示されるファセット416の構成のためにいずれも脱集束型レンズとなるが、屈折率の関係が逆転されれば逆の場合もあり得る。図4では、フレネルレンズ417は、ファセット418によって与えられる分離領域によって分離されているために互いに不連続であるが、下記に更に説明するように他のレンズ構成も考えられる。
層413、414のいずれか一方を、適当な構造化されたツールに対してエンボス加工又はキャスティングすることによって、ファセット化された界面415の所望の幾何形状を与えることができ、他方の層(413又は414)を平坦化層として後で追加又はコーティングすることができる。例えば、特定の場合では、層414を構造化されたツールに対してエンボス加工又はキャスティングすることによって最初に形成した後、層413によって層414を平坦化することができ、これにより構造化表面がファセット化界面415となる。あるいは、層413を最初にエンボス加工又はキャスティングして構造化表面を与え、その後、層414を平坦化層として加えてもよく、これによってもやはり構造化表面がファセット化界面415となる。いずれの場合も、層413、414は透明であるか又は他の形態により適当な光透過性を有することが好ましく、入射光が界面415で屈折して、物品410を通過して観測者の目に到達することができるように、充分な屈折率の差があることが好ましい。
一般的に、集束型であるか脱集束型であるかによらず、フレネルレンズの強度又は屈折力は、所定のファセット形状に対して、各層間の屈折率の差が大きくなれば増大し、各層間の屈折率の差が小さくなれば低下する。特定の場合では、屈折率の値が近い材料を第1及び第2の層に選択することによって、フレネルレンズフィルムを比較的弱い屈折力を有するように設計することが望ましい場合がある。他の場合では、大きく異なる屈折率を有する材料を選択することによって、フレネルレンズをより強い屈折力を有するように設計することが望ましい。設計の観点からは、屈折率の差を大きくすることにより、特定の焦点距離又は屈折力のフレネルレンズで方向付け又は傾きが小さいファセットを用いることも可能となる。光透過性の第1及び/又は第2の層で使用することが可能なポリマー材料の例としては、これらに限定されるものではないが、液晶ディスプレイで使用するために製造されたプリズム型輝度上昇フィルムに使用されるものなどの高屈折率樹脂であって、n=約1.55〜n=約1.70の範囲の屈折率を有する、高屈折率樹脂、国際公開第WO 2010/120864号(ハオ(Hao)ら)及び国際公開第WO 2011/088161号(ウォルク(Wolk)ら)に述べられる、n=約1.15〜n=約1.35の範囲の屈折率を有する超低屈折率(ULI)ナノ間隙材料、PMMA(n=約1.49)、ポリカーボネート(n=約1.59)、シリコーン接着剤を含むシリコーン(n=約1.4)、並びにフルオロカーボン材料(n=約1.35)が挙げられる。
実際の材料は、可視スペクトルにわたって屈折率の無視できない分散を示し得る点にも留意されたい。特定の場合では、フレネルプリズム界面を形成する隣接した層(例えば図1の層113及び114)は、すべての可視波長で同じ屈折率の差を有するか、又はできるだけ同じ差に近い屈折率の差を有することが望ましい場合がある。屈折率の差が、可視スペクトルにわたった波長についてほぼ一定とはならない他の場合では、個々のフレネルプリズムから生じる狭い虹色の縞模様がフィルムに見える場合がある。この色は、フィルムの所望の外観に応じて強調するか又は弱めることができる。色を弱めたい場合、2つの層の材料を、分散がより一致するように選択することができる。一般的に、任意の特定の材料はある程度の屈折率の分散を示し、これは別の材料中での分散の量と一般的に異なることから、多くの場合、厳密に分散のない屈折率の差を得ることはできないが、実際には可視スペクトルにおける屈折率差の小さな変化は、視覚的アーティファクトをほとんど又はまったく生じないため、無視することができる。色の縞が観察され、これを低減させることが望ましい場合、プリズムをより小さい寸法で形成することができる。これに対して、観察される色の縞を強調したい場合には、分散の差がより大きい材料を選択するか、かつ/又はプリズムをより大きな寸法で形成することができる。
物品410はデカルト座標系(x,y,z)上で示されている。好ましくは、ファセット416及びフレネルレンズ417は、y方向に沿って直線状であるか又は他の形態で延在する。すなわちこれらは図の平面に対して垂直な軸に沿って延在している。これは、図4aに示される物品410の平面図に示されている。ファセット416、418、及びファセット418によって与えられる分離領域によって互いから分離されているフレネルレンズ417が、それぞれy軸に沿って延びている様子が分かる。図4aに示されるように、フレネルレンズはそれぞれ平面図における幅「w1」により特徴付けることができ、分離領域は平面図における幅「w2」によって特徴付けることができる。w1及びw2の値は、完成した物品に適当な視覚的外観を与えるためにフィルムの設計者が選択することができる。特定の場合では、w1はw2よりも小さくてよい。他の場合では、w1はw2にほぼ等しくてよい。更に他の場合では、w1はw2よりも大きくてよい。フレネルレンズのパターンは、やはり図4aに示される平面図における中心−中心のピッチによって特徴付けることもできる。均一な幅の不連続なフレネルレンズでは、p=w1+w2である。ファセット418は平滑かつ高度に透明であってよく、又はフィルムに拡散縞を与えるために粗面処理又はコーティングされてもよく、又は顔料若しくは色素添加された着色インクによりコーティング若しくは印刷されてもよい。個々のファセットは、フィルムの長さに沿って連続的でも不連続的でもよく、1つのファセット上のディフューザー又は印刷若しくは着色されたコーティングは連続的でも不連続的でもよい。ファセット418の一部又は全部をこのように処理することができる。
必要な場合、物品410は、フレネルレンズによって透過される光を散乱するように配置されたディフューザーを更に備えてもよい。視覚的な観点からは、ディフューザーは、過度に粗い外観を避けるためにフレネルレンズからの屈折を和らげるか又はぼんやりとさせる効果を有する。ディフューザーは、層413、414、420のいずれか1つ以上に組み込むか、又は更なる別のディフューザー層として物品410に取り付けるか若しくは含めることができる。ディフューザー層は、例えば、可視光の散乱を促進するためにその内部に粒子及び/又は隙間が分散された光透過性マトリックス材料の層とするか又はこうした層を含むことができる。適当な粒子としては、可視光波長における屈折率がマトリクス材料よりも高いか又は低い、適当な粒度分布の透明なマイクロビーズが挙げることができる。ディフューザーは、対称的又は非対称的なものであってよい。非対称的なものの場合、ディフューザーの散乱軸は、上記に述べたように、フレネルレンズの延長軸と少なくとも概ね整列することが好ましい。例えば、図4では、フレネルレンズ417のそれぞれは、y軸と平行な方向に沿って延びている。この場合、非対称ディフューザーは、負のz方向に沿って、y軸に沿って選択的に伝播し得る垂直な入射光を拡散することが望ましい。すなわち、表面410aに垂直に入射する光の場合、非対称ディフューザーは、この光をx−z平面内よりもy−z平面内で優先的により大きく散乱する。この理論的解釈としては、延在するフレネルレンズ417の脱集束機能(又は層414が層413よりも高い屈折率を有する場合には集束機能)は、y−z平面内ではなくx−z平面内で主に又は独占的に生じるため、3次元的外観を与える脱集束(又は集束)特性を維持しつつ、x−z平面内よりもy−z平面内でより大きな散乱が許容され得る、というものである。
物品410は、標示層などの他の層又は構成要素を有してもよい。標示層は、インクのコーティング又は他の適当な材料を印刷又は他の方法で塗布して標示を形成したベースフィルムとするか、又はこうしたベースフィルムを含むものとすることができる。標示層は、フレネルレンズ417を透過した光を遮断するために物品410に含めることができる。
本明細書に述べられるフレネル構造は装飾的用途に使用することができることから、標示は、フィルム、フィルム積層体、及びフィルム物品を審美的目的で強調するうえで重要かつ相乗的な役割を果たすことができる。フレネル構造は興趣に富んだ、装飾的な光学的効果の基礎をなすものであり、標示を加えることによってフレネルレンズのアレイの周期的構造を補償することが可能であり、あるいは標示を適用することによって周期的なレンズアレイの反復性を解消することができる。標示は、フレネルレンズの特定のアレイをカスタマイズするための便宜のよい手段も与えるものである。本明細書の別の箇所に述べられるように、標示は様々な異なる方法を用いて形成することができ、物品の1以上の構成層又は表面の内部又はその上に組み込むことができる。
内容及びスタイルに関して、標示なる用語には、本明細書に述べられる装飾フィルムに適用可能な広範な種類のパターンが含まれ得る。こうした標示は、実際の物体の像又は抽象的なデザインであってよい。フレネルレンズのアレイの周期的な外観を補償又は解消するため、標示は、あるいは、レンズ又はミラーのアレイと位置合わせして適用される、印刷されたインク若しくは色素、ディフューザー、又はフレネルプリズムの省略若しくは不在の不連続的な面積への適用によって形成される、例えば線、長方形、正方形、円などの既知の幾何学形状とすることもできる。このような位置合わせは、x軸に沿った距離に関してのものでよく、標示はy軸に沿って不連続であってよい。このような場合、標示は、平面図におけるフィルムの全面積の10%未満又は25%未満又は50%未満を覆うように構成することができる。
図5に、物品510に3次元的外観を与えるように構成要素を構成することができる別のフィルム物品510を概略的に示す。物品510は、フレネルレンズの配置が異なっている点以外は、物品410と同様の構成を有している。詳細には、物品510は、物品410で用いられているような不連続的なフレネルレンズの配置ではなく、レンズ間の分離領域を省略することによって連続的に配置されたフレネルレンズを用いている。
フレネルレンズの設計における変更以外は、物品510の構成要素は、物品410の対応する構成要素と同様であるか又は同じであってよい。したがって、例えば、互いに反対側の主面510a、510bを有する物品510は、表面510b又はその近くに配置された第1のフィルム512を備えており、この第1のフィルム512は第1の層513及び第2の層514を有しており、それらの間に界面515が、個々のファセット516を有するファセット化表面として構成されている。第1のフィルム512、第1及び第2の層513、514、及びファセット516は、第1のフィルム412、第1及び第2の層413、414、及びファセット416とそれぞれ同じか又は同様であってよく、ファセット516の向き又は傾斜配列はファセット416と同じであってよく、これにより、層513の屈折率が層514よりも高いものと仮定して脱集束フレネルレンズ517が形成される。ファセット516及びフレネルレンズ517は、図4aに示されるのと同様にほぼ直線状をなし、y軸に沿って延びることが好ましい。
物品410と同様、物品510は、本明細書の別の箇所に述べられるように、ディフューザー及び/又は標示などの更なる層又は要素を有してもよい。
図6に、物品610に3次元的外観を与えるように構成要素を構成することができる別のフィルム物品610を概略的に示す。物品610は、フレネルレンズの配置が異なっている点以外は、物品510と同様の構成を有している。詳細には、物品610は、物品510で用いられているような連続的な脱集束フレネルレンズの配置ではなく、連続的な集束フレネルレンズ617aと脱集束フレネルレンズ617bとが交互に並んだ配置を有している。
フレネルレンズの配置における変更以外は、物品610の構成要素は、物品510の対応する構成要素と同様であるか又は同じであってよい。したがって、例えば、互いに反対側の主面610a、610bを有する物品610は、表面610b又はその近くに配置された第1のフィルム612を備えており、この第1のフィルム612は第1の層613及び第2の層614を備えており、それらの間に界面615が、個々のファセット616を有するファセット化表面として構成されている。第1のフィルム612、第1及び第2の層613、614、及びファセット616は、ファセット616の向き又は傾斜配列が異なっている点を除き、第1のフィルム512、第1及び第2の層513、514、及びファセット516とそれぞれ同じか又は同様であってよい。
ファセット616の傾斜配列は、各ファセットが、脱集束レンズ617bと交互に配置される集束レンズ617aを形成するように、例えば正弦曲線状などの環状となっている。(層614の屈折率が層613よりも高い場合には、レンズ617aは脱集束型となり、レンズ617bは集束型となる。)界面615に沿ったファセット616の傾斜配列を評価すると、傾きは、傾き0(例えばレンズ617bの中心)から負の傾きが増大し、最大の負の傾き(例えばレンズ617bと617aとの間の境界)となってから、負の傾きが減少し、傾き0となって(例えばレンズ617aの中心)、正の傾きが増大し、最大の正の傾き(例えばレンズ617aと617bとの間境界)となって、正の傾きが減少し、傾き0(例えばレンズ617bの中心)となる範囲で変化することが分かる。(評価領域をずらすことによりこの傾斜配列の他の説明の仕方も可能である点に留意されたい。例えば、傾斜配列は、最初の傾き0から正の傾きが増大し、最大の正の傾きとなって、正の傾きが減少し、第2の傾き0となって、負の傾きが増大し、最大の負の傾きとなって、負の傾きが減少し、最初の傾き0となる範囲で変化するものとして記述することができる。「傾き0」は、厳密に水平である必要はなく、水平から数度の範囲内であってよい。)界面615の形状の反復的性質のため、この傾斜配列は、界面615にわたってほぼ途切れることなく繰り返すことができる。
この点に関し、図7は、交互に位置する連続的な集束及び脱集束フレネルレンズを形成することができる代表的な正弦曲線状の傾斜配列を示したグラフを示している。滑らかな正弦曲線は、ファセットの角度が位置の関数として変化する様子を表しており、位置は、レンズの延在する方向に対して垂直な面内方向(例えば図6aのx軸)に沿って測定されたものである。この例では、ファセットの角度は、最大で約+14.3°〜最小で約−14.3°の範囲で変化する。フレネルレンズは、それぞれが一般的に平坦で1つの傾きを有する多数の個別のファセットに分割されているため、この滑らかな正弦曲線は、傾斜配列を正確には表していない。したがって、構造化表面の個々のファセットの傾きを表すための点が滑らかな曲線に重ね合わされている。
再び図6及び6aを参照すると、ファセット616、並びにフレネルレンズ617a、617bは、y方向に沿って直線状であるか又は他の形態で延在する。すなわちこれらは、図の平面に対して垂直な軸に沿って延在している。これは、図6aに示されるフレネルレンズ617a、617bの平面図に示されている。ファセット616及びフレネルレンズは、その間の空間すなわちランド領域が実質上介在せずに互いに連続しており、それぞれy軸に沿って延在している様子が分かる。フレネルレンズは、図6aに示されるように平面図における幅「w」によってそれぞれ特徴付けることができる。フレネルレンズのパターンは、やはり図6aに示される平面図における中心−中心のピッチ「p」によって特徴付けることもできる。均一な幅を有する連続的なフレネルレンズでは、w=pである。
物品510と同様、物品610は、本明細書の別の箇所に述べられるように、ディフューザー及び/又は標示などの更なる層又は要素を有してもよい。
本明細書に述べられる物品には、多くの改変を行うことが可能である。例えば、ディフューザーは、1つのみの層ではなく複数の異なる層で構成することができる。標示層も同様に複数の異なる層で構成することができる。あるいは、ディフューザーと標示層とを1つの層に組み合わせることもできる。異なるディフューザー及び標示層が設けられる場合、これらの層をフレネルレンズに対して任意の順序で配置することができる。非対称ディフューザーは、各プリズム又は複数のプリズムの部分の長さ方向の軸に沿って、振幅が小さく、振動数が大きいプリズム高さの波状起伏を形成することにより、エンボス加工又はキャスティング用のツールに切断することができる。
特定の一実施形態では、特定の種類のフレネルレンズは一様に同じであってもよく、又は互いに異なってもよく、又はこれらの特定の組み合わせであってもよい。例えば、図4のフレネルレンズ417又は図5のフレネルレンズ517が、すべて同じ有効曲率及び/又は同じ幅wを有してもよく、あるいはフレネルレンズの曲率及び/又は幅が規則的又は不規則的なパターンに従って異なってもよい。集束フレネルレンズのみを有する実施形態、脱集束レンズのみを有する実施形態、集束フレネルレンズが脱集束フレネルレンズと混在する実施形態、並びに上記のすべての実施形態においてフレネルレンズが連続的な形態で配置されているもの及び上記のすべての実施形態においてフレネルレンズが、レンズ間に分離領域のある不連続的な形態で配置されているものを含む、多くの集束フレネルレンズ及び/又は脱集束フレネルレンズの組み合わせが考えられる。
フレネルレンズは、平面図において厳密に直線状である必要はない。例えば、フレネルレンズ(及びレンズを構成するプリズム又はファセット)は、湾曲した経路、及び/又は特定の面内方向に概ね沿って延びるがその方向に対して振動する(例えば、正弦曲線状、又は他の任意の周期的若しくはほぼ周期的な形態で)か又は曲がりくねった(例えば、振動数が小さく、振幅が小さく、非周期的なずれによって特徴付けられる)経路を辿ってもよい。エンボス加工及び/又はキャスティング/硬化に使用されるツール(例えばエンボス加工ドラム又はキャスティングホイール)は、曲がりくねった砂丘の外観などの非直線状のパターンを有するように作製することができる。これは、高速プランジツールの複数回の通過を用いて、ドラム上でダイヤモンド切削によって実現することができるが、別の方法として、ラスター走査されるレーザー光線によってフォトレジストを変化する深さで露光することによってプリズムが形成されるグレースケールリソグラフィーの使用がある。このような非直線状のパターンは、弾性基材上に柔軟なプリズムを形成し、次いでこれを表面上の異なる領域において不均一に延伸することによっても実現することができる。このような構成は、柔軟な樹脂のプリズムを、例えばビニール、ウレタン、又はシリコーンフィルムなどの柔軟な基材上にキャスティングすることによって作製することができる。柔軟なフレネルレンズは、両方の面内軸に沿って湾曲した非平面状表面、すなわち複合湾曲表面にフィルムを貼着する場合にも有用である。その幾つかの例として、照明設備、照明器具、自動車の外側又は内側表面、コンピュータのマウスの表面、及び特定の電話機、ノートパッド、又はノートブック型コンピュータなどの携帯型電子機器がある。
フレネルレンズは、物品の外側の物理的境界又は縁部によってのみ限定される平面図で見た場合のアスペクト比を有し得る。すなわち、フレネルレンズのそれぞれは、一方のこうした境界又は縁部から反対側の境界又は縁部まで延在し得る。また、フレネルレンズはそれぞれ特定の方向に沿って延びてもよいが、物品の物理的境界に対して切り詰められた長さを有してもよい。切り詰められたフレネルレンズが用いられる場合、審美的な目的で、これらのフレネルレンズを、切り詰められたフレネルレンズの特定の列に沿って規則的又はランダムな間隔を空けて配置することができる小さな空白領域(例えば、傾いた又は角度が付けられたプリズムファセットがないことによって特徴付けられる小さい平板な窓領域)によって、隣接するフレネルレンズ同士が分離されるように配置することが望ましい場合がある。このような小さな空白領域は少なくとも2つの方法によって実現することができる。1つの場合では、切断ツールが後退させられ、ツール上の所定の長さにわたって隣接するプリズム群を切断しないように金属ツールを切断するか、又はプリズムを後で金属ツール上で所定の長さに機械加工することができる。また、プリズムがツール上で連続的に切断される場合、プリズムを、選択した領域で第2のフィルムによりコーティング(平坦化)することによって、得られたキャスティングされたツールのポリマー複成物を局所的領域(小さい空白領域に対応した)において平坦化することもできる。フレネルレンズでは、平坦化ポリマーコーティングが用いられる場合、コーティングは透明、かつプリズムの屈折率に比較的近い(空気又はULI材料と比較して)もの(例えば、Δn<0.2)でなければならない。局所的領域のプリズムを効果的に省略するいずれの方法によっても、ランダムな又は像を形成するパターンを、フィルム上にプリズム構造を設けないことによって形成することができる。このような空間的パターンは、フレネルレンズの標示とみなすことができる。
特定の方向に沿って延在するフレネルレンズは、例えば平面図におけるアスペクト比が少なくとも2、5、10、20、又は50であり得る。特定の場合では、フレネルレンズは、平面図で見た場合に円形、正方形、又は他の細長ではない形状を有してもよい。
開示される物品の代表的な実施形態は、物品が、自己支持型、可撓性となり、かつ標的とする表面又は物体に形状一致するようにラミネート、共押出し、及び/又はコーティングされた薄いポリマー系フィルムを備える。これに関して、開示される物品は、物品の背面が、窓、壁又は対象とする他の物体に貼着され、光が背面から物品に入射し、前面から出射することができるように構成することができるが、光はこれに加えて又はこれに代えて前面から入射かつ出射してもよい。開示される物品は、例えば平坦化層、接着層、剥離ライナー、ハードコートなどを含む、このような用途を促進するための更なる層及びコーティングを含んでもよい。更なる視覚効果を得るため、着色及び/又はニュートラルグレイ色素、顔料などを構成層の1つ以上に添加することができる。多層干渉フィルムのような反射カラーフィルムは、フレネルレンズフィルムと比較して際立った視覚効果を与えることができる。その例を米国特許第6,531,230号(ウェバー(Weber)ら)「色変更フィルム(Color Shifting Film)」に見ることができる狭帯域カラーミラーフィルムが、このような構成では特に有用であることが示されている。狭帯域ミラーは、可視スペクトルにわたって平均化した場合には高い透過率(例えば50%よりも高い)を有するが、可視光の狭いスペクトル帯域において低い透過率及び高い反射率(例えば少なくとも30、50、60、70、80、90、又は95%の反射率)を有する(ただし、狭帯域スペクトルバンドは、150nm未満、又は100nm未満、又は70nm未満、又は50nm未満、又はこれらの値のいずれかから10nmまでの範囲内に半値全幅(FWHM)を有し得る。)。このような狭帯域ミラーは、本明細書に開示されるフレネルレンズフィルムに積層又は他の形態で組み合わされた場合、所定の観測角度において例えば青、緑、又は赤色の有色閃光を発生することができる。更に、狭帯域ミラーがフレネルレンズフィルムの前方若しくは後方にあるか、又は光が狭帯域ミラーを通過する前若しくはその後にフレネルレンズを通過するかに応じて、ミラーフィルムに対する異なる光の入射角又は透過角のため、積層体の反対側から見た場合の外観は異なる。開示される物品は、ポリマー系フィルム以外の材料を含む、現在周知の又は今後開発される任意の適当な材料で形成することができる。物品は、得られる物品が可撓性ではなく剛性のものとなるように、1つ以上の厚いかつ/又は剛性かつ/又は脆性の構成要素を含んでもよい。
反射層が可視スペクトルの一部において高い反射率を有し、可視スペクトルの別の部分において低い反射率及び高い透過率をする場合、得られる構成は二色性フレネルミラーと呼ぶこともでき、高い反射率を有する可視光波長に対してはフレネルミラーとして機能し、低い反射率を有する可視光波長に対してはフレネルレンズとして機能する。したがって二色性フレネルミラーは、フレネルミラーのより大きな群の1つのクラス又は亜群である。
シミュレーション
整列されていない直線状フレネルレンズ群を有するフィルム積層体の外観をモデル化又はシミュレートすることができる。このようなシミュレーションの結果を図8に示す。図の目的のため、第1の複数のフレネルレンズを、例えば図6aに示されるものと同様の平面図を有する、いずれも厳密に直線状、平行かつ連続的なものと仮定した。同様に、第2の複数のフレネルレンズも直線状、平行かつ連続的なものと仮定した。直線状のフレネル要素は、円筒形のツール内のダイヤモンドターニング溝によってエンボス加工ツールを製造する観点から、横断方向に何らかの形で逸れる溝を有するエンボス加工用ツールを作製するよりも、直線状の溝を有するエンボス加工用ツールを作製するほうがはるかに容易であることから、有利である。
図8の目的では、やはり、各フレネルレンズ群は、図6及び7に示されるような正弦曲線状の傾斜配列を用いているものと仮定した。これにより、2枚のフレネルレンズフィルムのそれぞれにおいて、交互に位置する連続的な集束レンズと脱集束レンズとが与えられる。
シミュレーションを行うため、第1のフレネルレンズフィルムを下式の形の第1の正弦曲線によって表した。
Figure 2015524572
ただし、
Figure 2015524572
であり、xは、ポリマーフィルムのウェブ交差方向と仮定することができる(面内の)x軸に沿った位置である。第2のフレネルレンズフィルムは、下式の形の第2の正弦曲線によって表した。
Figure 2015524572
ここで、x’は、(面内の)x’軸に沿った位置であり、x’軸はx軸に対して角度φだけ回転させられており、したがって、
Figure 2015524572
である。
2つの関数の和を用いて、2つの関数、すなわち第1のフレネルレンズフィルムの関数と角度φだけ回転させられた第2のフレネルレンズフィルムの関数とが、合成された外観をシミュレートすることができる。すなわち、
Figure 2015524572
ただし、この式中のzは、3次元的表面の見かけの高さの尺度であるが、シミュレーションの目的で、zを明るさを表すものと解釈することもできる。角度φを約6°に選択した場合、上式からシミュレートされる明るさは、図8に示されるようなものとなる。
このシミュレーションの目的では、図8のz軸は、位置ではなく、明るさを表している点に読者に今一度注意を促しておく。しかしながら、図8のx軸及びy軸は、フィルムの組み合わせの出力表面における位置を表すものである。図8を検討すると、2つの純粋な線形関数の組み合わせから、これらの線形関数の一方が他方に対して回転される場合、2つの直交する面内方向、すなわちx及びy方向に変化する強度パターンが生じ得ることがわかる。この強度パターンは、審美的に好ましい砂丘のような又は滑らかな波状の外観を有している。
実施例及び更なる考察
装飾的な外観を有する幾つかの物品を作製し、評価を行った。これらの物品のそれぞれは、少なくとも1つの直線状フレネルレンズフィルムを有するものとした。
第1の実施例では、2枚の異なるフレネルレンズフィルム及びディフューザーを用いてフィルム積層体を作製した。
フレネルレンズフィルムは、ダイヤモンドターニング加工された金属ロールツールを使用したキャスティング及び紫外線硬化処理によって作製した。金属ツール内の溝は、異なる正弦曲線状の溝パターンの2つの隣接領域、すなわち短周期パターン及び長周期パターンを形成した。このツールを使用して、フィルム基材上にプリズム層をキャスティングして硬化すると、溝は、個々のプリズムの傾きがウェブ交差方向に沿って正弦曲線状に変化する平行な直線状プリズムをそれぞれが有する、プリズム層の2つの隣接領域を画定する小さな直線状プリズムを形成した。これらの領域のそれぞれにおいて、プリズムは、75マイクロメートルの一定のピッチ(プリズムの中心−中心距離)、及びウェブ交差方向に正弦曲線状に変化する傾きを有していた。各正弦曲線パターンの1周期は、最大値の+14.3°からほぼ0°にまで減少し、更に最小値の−14.3°にまで減少してから、ほぼ0°にまで増大し、更に最大値の+14.3°に再び増大する範囲で変化する傾きを有していた。これらの領域のいずれかにおける任意の特定の正弦曲線状サイクルは、1つの脱集束フレネルレンズに連続した1つの集束フレネルレンズの組を形成した。短周期領域では、正弦曲線のそれぞれの周期は20mmであり、長周期領域では正弦曲線のそれぞれの周期は40mmであった。短周期領域のウェブ交差幅は約23cmであり、これは、幅の狭い集束/脱集束直線状フレネルレンズのペア11.5個分であった。長周期領域のウェブ交差幅も約23cmであり、これは、幅の広い集束/脱集束直線状フレネルレンズのペアほぼ6個分であった。各領域内の集束フレネルレンズと脱集束フレネルレンズとが互いに連続していることに加え、2つの領域は、共有された直線状の境界に沿っても互いに連続していた。短周期領域内のフレネルレンズは第1の均一な焦点距離(大きさ)を有し、長周期領域内のフレネルレンズは第2の均一な焦点距離(大きさ)を有し、第1の焦点距離は約16mmであり、第2の焦点距離は約35mmであった。
平坦な厚さ2ミル(50マイクロメートル)のPET製ベースフィルム上の、屈折率n=約1.65の紫外線硬化樹脂で形成されたプリズム層にこれらのフレネル構造が形成された幾つかの光学フィルムを作製した。樹脂は、高い屈折率を実現するため、ナノジルコニア粒子で充填した。このような樹脂は、例えば米国特許第7,264,872号(ウォーカー(Walker, Jr)ら)に述べられている。これらの光学フィルムを切断するか又は細長く切ることによって、構造化表面が、周期40mmの正弦曲線と焦点距離が約35mmであるより幅の広い集束/脱集束直線状フレネルレンズとによってほぼ完全に特徴付けられる第1のフレネルレンズフィルム、及び構造化表面が周期20mmの正弦曲線と焦点距離が約16mmであるより幅の狭い集束/脱集束直線状フレネルレンズとによってほぼ完全に特徴付けられる第2のフレネルレンズフィルムを作製した。柔軟な拡散表面を有するアクリル樹脂プレートを更に得た。アクリル樹脂プレートは、厚さ3mm、ヘイズ値46%であり、ヘイズ値はほぼ対称的であった。
この第1の実施例では、第1のフレネルレンズフィルム、第2のフレネルレンズフィルム、及びアクリル樹脂のディフューザープレートを、これら3つの構成要素間に接着剤を用いず、両方の光学フィルムのフレネルレンズが空気に曝されるようにして、積層体に重ね合わせることによって、フィルム積層体を作製した。2枚の光学フィルムのフレネルレンズの相対的な向きは、一方の光学フィルムを他方に対して回転することによって変化させることができ、興趣に富む視覚的パターンが広範囲の相対回転角度にわたって得られた。図9は、日中、オフィスの窓の前方にかざした場合のこの第1の実施例のフィルム積層体の写真図であり、第1の光学フィルムと第2の光学フィルムとの間の相対回転角は約30°であった。積層体の異なる構成要素の異なるサイズ及び形状、並びに光学フィルムの間の相対回転のため、積層体の3つの構成要素(第1のフレネルレンズフィルム、第2のフレネルレンズフィルム、及びアクリル樹脂のディフューザープレート)すべての重なり合いは、図9に910として示される領域においてのみ得られた。図9を検討すると、重なり合った領域910において、図8と同様の砂丘のような又は滑らかな波状のパターンが見えることがわかる。(両方のフレネルレンズフィルムが屈性率1.17のULI材料により平坦化され、3M(商標)Optically Clear Adhesive 8171を使用して2つのフィルムのプリズムが内側に面するようにして互いに積層された、同様の構成を後で作製した。この積層体の外観は、第1の実施例と実質的に同じであった。)
第2の実施例では、2枚の同様のフレネルレンズフィルムを使用してフィルム積層体を作製した。
この第2の実施例では、これらの光学フィルムを切断するか又は細長く切ることによって、構造化表面が、周期20mmの正弦曲線と焦点距離が約16mmであるより幅の狭い集束/脱集束直線状フレネルレンズとによってほぼ完全に特徴付けられる第1のフレネルレンズフィルム、及び構造化表面が第1のフレネルレンズフィルムと実質的に同じである第2のフレネルレンズフィルムを作製した点以外は、第1の実施例と実質的に同様にしてフレネルレンズフィルムを作製した。これらのフィルムの両方のフレネルレンズを屈性率1.17のULI材料によって平坦化し、次いで平坦化されたフィルム同士を、3M(商標)Optically Clear Adhesive 8171を使用して2つのフィルムのプリズムが内側に面するようにして互いに積層した。ULIコーティングによる平坦化後、レンズの焦点距離は約30mmであった。
2枚の光学フィルムのフレネルレンズの相対的な向きは、積層化の前に一方の光学フィルムを他方に対して回転することによって変化させることができ、興趣に富む視覚的パターンが広範囲の相対回転角度にわたって得られた。積層体は、プリズムフィルム間の小さな回転角度において、図8及び9と同様の滑らかな波状のパターンを生じた。図10は、日中、オフィスの窓の前方にかざした場合のこの第2の実施例の積層されたフィルム積層体の写真図であり、第1の光学フィルムと第2の光学フィルムとの間の相対回転角は約90°であり、2枚のフィルムのプリズム軸はほぼ直交していた。図10を検討すると、円形、正方形、及び他の様々な形状を含む複雑なパターンが分かる。
第3の実施例では、1枚のみのフレネルレンズフィルムの外観を評価した。
この第3の実施例では、光学フィルムを切断するか又は細長く切ることによって、構造化表面が、周期40mmの正弦曲線とより幅の広い集束/脱集束直線状フレネルレンズとによってほぼ完全に特徴付けられ、更に構造化表面が空気に曝される代わりに、屈折率1.17の超低屈折率(ULI)コーティングにより平坦化されたフレネルレンズフィルムを作製した点以外は、第1及び第2の実施例と実質的に同様にしてフレネルレンズフィルムを作製した。ULI平坦化層によって、集束/脱集束レンズの焦点距離は約60mmに増大した。
図11は、この第3の実施例のこのようなフレネルレンズフィルムをオフィス環境でかざした場合の写真図であり、フレネルレンズの延長軸は垂直方向に向けられている。図11を検討すると、フィルムは、波形の「トタン屋根」に外観上似た一次元の波状の変換に従ってフィルムの後方に配置された物体を歪ませることが分かる。この光学フィルムのような光学フィルムを、窓又は他の透明な基材に貼着することによって、一定のプライバシーも確保する一方で高い透過率又は周囲の照明が可能となる。このような歪みは依然として、フィルムの後方の物体をある程度は認識可能とするものである点に留意されたい。低屈折率のULI平坦化層は、構造化(フレネル)表面をフィルム又は製品内に埋め込むか又は包埋することで構造化表面がひっかき傷又は汚れ若しくは破片による汚染から保護されるため、有用である。このような光学フィルムは、高い光透過率を有するディフューザーと組み合わせることができる。この実施例及び他の開示される実施形態では、更なる視覚効果を与えるために高い又は低いヘイズ値の規則的、不規則的、又はランダムなパターンを与えるように、ディフューザーをパターン化することができる。このような空間的にパターン化されたディフューザーは、光学フィルムの1つ以上の適当な表面に貼着することができ、フィルムの標示とみなすことができる。
例えば、プリズムファセットの正弦曲線状の傾斜配列を用いることによって、交互に位置する集束及び脱集束直線状フレネルレンズを有する光学フィルムは、標示と組み合わせることによって更にいっそう視覚的に興趣に富んだ製品を与えることもできる。最も興趣に富む視覚効果は、標示がフレネルレンズに対して特定の距離又は距離の範囲に位置する場合に生じることが分かっており、この距離の範囲は、レンズの焦点長又は焦点距離と関係している。代表的な配置を図12に示す。
図12では、標示層1226は、構造化表面1215のファセット1216によって形成されるフレネルレンズ1217a,1217bに対して、固定された軸方向距離D1に保持されている。図に示されるように、フレネルレンズ1217aは集束レンズであり、フレネルレンズ1217bは脱集束レンズであり、各レンズは好ましくは、y軸と平行なプリズム軸に沿って延びている。この点に関して、レンズ1217a、1217bは、図6のフレネルレンズ617a、617b、又は本明細書に開示される他のフレネルレンズと同じ又は同様であり得る。構造化表面1215は、透明なベースフィルム1220上に例えばキャスティング又は硬化させることができるプリズム層1213の一方の主面である。構造化表面1215は空気に曝されている様子が示されているが、本明細書の別の箇所で述べられているように、ULI材料又は他の低屈折率材料により平坦化し、他のフィルム又は層に貼着することもできる。ベースフィルム1220とプリズム層1213とは共に光学フィルム1210を形成することができる。
フレネルレンズ(例えば構造化表面1215)と標示層1226との間に所望の距離を維持するため、光学フィルム1210及び標示層1226を、適当な厚さの光透過性プレート1225の互いに反対の主面に接着又は他の形態で取り付けることができる。プレート1225は、窓ガラス、アクリル樹脂製間仕切り、又は別の適当な光透過性の中実構造体であり得る。また、標示はフレネルレンズからより大きな空間によって物理的に隔てられてもよく、例えば、標示は、フレネルレンズから物理的な距離を置いた、例えば少なくとも1m離れた壁又は他の物体上に配置することもできる。
標示層1226は、少なくとも部分的に光透過性であることが好ましく、特定の場合では、可視光スペクトルの一部又は全体にわたって高い光学透過率を有する。標示層は、黒及び白インクのグレースケールで形成することができ、更に、又はこれに代えて、青、緑、黄、及び/又は赤などの着色インクによって形成することもできる。しかしながら、他の場合では、標示層は低い光学透過率を有してもよく、更には不透明であってもよい。本発明者らは、標示層1226の幾つかの要素が、構造の外観に大きく影響し得ることを見出した。1つの要素は、標示層1226からフレネルレンズまでの軸方向距離である。他の要素は、特にレンズが第1の面内軸に沿って延在し、標示が第2の面内軸と平行に延在する標示要素を有する場合の、フレネルレンズに対する標示層の向きである。
標示層からフレネルレンズまでの距離に関し、本発明者らは、標示層が、特にフレネルレンズの焦点長又は焦点距離に関してプリズムフィルムに近すぎる位置に置かれる場合、フレネルレンズは標示にほとんど又はまったく歪みを生じないことを観察した。装飾フィルム物品との関連において、歪みがほとんど又はまったくないということは、興趣を削ぐものであり、不利な点と考えられ得る。例えば、レンズの焦点長が光学フィルム1210の厚さよりも大幅に大きく(一般的にそうである)、厚いプレート1225が図12の構成から省略されているために標示層がフィルム1210と直接接して配置される場合、フレネルレンズ1217a、1217bは標示に歪みをほとんど又はまったく生じない。
フレネルレンズに対する標示の相対位置は、フレネルレンズから標示層までの軸方向距離D1を、フレネルレンズの焦点長に関連付けられた距離と比較することによって定量化することができる。後者の焦点長と関連付けられた距離は、特定のフレネルレンズの実際の焦点が、フレネルレンズが取り付けられた層の光学厚さ(物理的な厚さに屈折率を乗じたもの)によって影響されるという事実によって複雑なものとなり得る。図12の実施形態の場合、最も重要な光学厚さは、厚いプレート1225に関連付けられた光学厚さである。図には、集束フレネルレンズ1217aのうちの1つの焦点F(レンズ1217a及びファセット1216もやはりy軸と平行に延びることから実際にはy軸に平行に延びる直線である)が示されている。点Fは、レンズ1217aに垂直に入射したコリメート光が、ベースフィルム1220及びプレート1225などの構造の他の光学層を通って伝播した後に実際に集束される点を表す。点Fは、フレネルレンズ1217aに対して軸方向距離D2の位置に配置されている。厚いプレート1225及び標示層1226が取り除かれ、光学フィルム1210が隔離されて、空気又は真空中に完全に浸される場合、点Fはレンズ1217aに近づく方向に(この考察でF’と呼び得る点へと)移動し、距離D2は短くなる(この考察ではD2’と呼び得る)。光学フィルム1210が隔離状態にあるとみなされる場合、例えば、光学フィルム1210がプレート1225に貼着される前では、移動した焦点F’及び短くなった距離D2’は、レンズ1217aの焦点及び焦点長とほぼ一致する。
これに基づき、本発明者らによりフレネルレンズが標示の顕著な歪みを与えることが見出された、距離の関係を定量化することができる。D1が約D2’/3〜約D2’/10の範囲にある場合には、認識可能な視覚効果が観察される。D1がD2’/3よりも大きい場合には、より興趣に富んだ視覚効果が観察される。D1がD2’/1.5よりも大きい場合には、著しい視覚効果が観察される。したがって、D1は、好ましくは、約D2’/10よりも大きいか、又は(D2’)/3〜D2’の範囲であり、特定の場合ではD2’よりも大きい。多くの実用的な実施形態では、D2’とD2との差、及びF’とFとの差は比較的小さい。したがって、上記の関係は、D2’がD2によって置き換えられる場合にも満たされ得る。
構造の外観に大きく影響し得る標示層1226の別の要素は、特にレンズが第1の面内軸に沿って延在し、標示が第2の面内軸と平行に延在する標示要素を有する場合の、フレネルレンズに対する標示層の向きである。この場合、外観は、第2の面内軸を、第1の面内軸に対して平行でも垂直でもない向きであるが、斜めの角度φの向きとすることによって大幅に強調することができる。例えば、φは、45〜89°、又は30〜89°の範囲で選択することができる。望ましいφの値は上記に述べた距離D1によって決まり得るが、多くの場合、φが60〜90°の間であれば効果は魅力的なものとなり、45°よりも小さいが少なくとも約30°の角度でも依然好ましい歪みを生じる。
相対方向角φ及び標示層の相対位置の効果について、第4の実施例と関連して評価を行った。第4の実施例では、直線状のフレネルレンズフィルムを、直線状の標示要素を有する標示層と組み合わせた。
この第4の実施例では、光学フィルムの構造化表面をULIコーティングによって平坦化しなかった点以外は、第3の実施例と実質的に同様にしてフレネルレンズフィルムを作製した。したがって、このフレネルレンズフィルムは、周期40mmの正弦曲線と、それぞれの焦点長が約35mmである、より幅の広い集束/脱集束直線状フレネルレンズとによってほぼ完全に特徴付けられる構造化表面を有していた。次に標示フィルムを得た。標示フィルムは、木目を模した標示が印刷され、一方の面に木肌に似た小さな細長い凹みが更にエンボス加工された厚さ80マイクロメートルのビニルフィルムとした。この標示フィルムは、スリー・エム社(3M Company)により米国内で3M(商標)DI−NOC(商標)フィルムとして1年以上前に販売されている模造木目フィルム製品の構成要素として用いられた標示フィルムと実質的に同じものであった。木目調の標示要素は、特定の面内軸にほぼ沿って延在していた。
フレネルレンズフィルムを標示フィルムの前方に保持し、その組み合わせを観察した。各フィルムを、木目軸がレンズ軸と平行又は垂直となるような向きとした場合に、木目パターンの歪みはほとんど観察されなかった。また、フレネルレンズフィルムが標示フィルムに近すぎる位置に保持された場合にも、木目パターンの歪みはほとんど観察されなかった。方向角φが斜めであり、フレネルレンズフィルムが標示フィルムから相当の距離の位置に保持された場合(フィルム同士が厚い空気層によって分離された場合)に、視覚的に興趣に富んだ波状の外観を生じるより大きな歪みが観察された。図13は、約60°の方向角φ及び約40mmの間隔(D1)における結果の写真図である。
第5の実施例では、厚いアクリル樹脂プレートの両側に貼着された、フレネルレンズフィルムと標示フィルムとの更なる組み合わせについて調べた。
この第5の実施例では、光学フィルムが、周期20mmの正弦曲線とより幅の狭い集束/脱集束直線状フレネルレンズとによってほぼ完全に特徴付けられる構造化表面を有するように、第2の実施例と実質的に同様にしてフレネルレンズフィルムを作製した。集束/脱集束レンズの焦点長は約16mmであった。透明フィルム上の真っ直ぐな平行線で構成された3M(商標)Fasara(商標)装飾用窓用フィルム試料を、標示層として使用した。次に厚さ12mmのアクリル樹脂プレートを入手し、フレネルレンズフィルム及び標示層をプレートの両側の主面にラミネートした。フレネルレンズフィルムは、フレネルレンズのファセットが空気に曝されるような向きとした。更に、各フィルム同士を、標示の延在軸がレンズ軸に対して約45°の角度φをなすような向きに向けた。この同じ構成を、厚さ6mmのアクリル樹脂プレート及び厚さ3mmのアクリル樹脂プレートについて繰り返した。3つの場合のすべてにおいて波状の外観が観察されたが、プレートの厚さが12〜6〜3mmへと減少するに従ってその振幅は小さくなった。3mmのプレートの波の振幅は、比較的小さかった。
第6の実施例では、第5の実施例と同様のフレネルレンズフィルム、標示フィルム、及びアクリル樹脂プレートの更なる組み合わせについて調べた。
この第6の実施例では、フレネルレンズフィルムの構造化表面を、約1.18の屈折率を有する超低屈折率(ULI)コーティングにより平坦化した点以外は、第5の実施例と同じフレネルレンズフィルム、標示フィルム、及びアクリル樹脂プレートを使用した。これにより、フレネルレンズの焦点長は元の16mmから約30mmに増大した。アクリル樹脂プレートの両側に貼着され、互いに対して約45°の角度φに向けられたフレネルレンズフィルム及び標示フィルムを有する3つの試料について再び評価を行い、12mm、6mm、及び3mmのアクリル樹脂プレートを再び用いた。3つの場合すべてにおいて波状の外観が再び観察されたが、第5の実施例の振幅に対して振幅は小さくなった。例えば、この第6の実施例における6mmのプレートを使用した実施形態は、第5の実施例における3mmのプレートの実施形態の波の振幅と概ね同じ波の振幅を有していた。この第6の実施例における3mmのプレートを使用した実施形態では、効果は極めて小さい。
第7の実施例では、第5の実施例と同様のフレネルレンズフィルム、標示フィルム、及びアクリル樹脂プレートの更なる組み合わせについて調べた。
この第7の実施例では、フレネルレンズフィルムに異なる幾何形状の直線状フレネルレンズを形成する異なるツールを使用した点以外は、第5の実施例と同様にしてフレネルレンズフィルムを作製した。この場合、フレネルレンズは、同じ50マイクロメートルのPETベースフィルム上の同じ屈折率の高さ(n=1.65)の材料の直線状の平行プリズムでやはり構成され、プリズムは、ウェブ交差方向に正弦曲線状に変化する傾斜配列をやはり有するものとし、それぞれの正弦曲線のサイクルは、1つの脱集束フレネルレンズと連続した1つの集束フレネルレンズの組を形成し、正弦曲線の周期はやはり20mmであった。ただし、このフレネルレンズフィルムでは、プリズムのファセットは、傾斜配列が、最大値の+26°から、ほぼ0°にまで減少した後、更に最小値の−26°にまで減少してから、ほぼ0°にまで増大し、更に最大値の+26°にまで再び増大する範囲で変化するような、より強く傾斜したものであった。これらのフレネルレンズは、約10mmの焦点長を有していた。
第5及び第6の実施例と同様、フレネルレンズフィルムをアクリル樹脂プレートの一方の主面に取り付け(プリズムファセットが空気に曝されるようにして)、直線状のマーキングを有する標示フィルムをプレートの反対側の主面に取り付け、標示フィルムの直線状のマーキングをフレネルレンズの軸に対して約45°の角度φとなる向きとした。厚さ12mm、6mm、及び3mmのアクリル樹脂プレートを再び使用した。3つの場合のすべてにおいて顕著な波状の外観が認められ、波の振幅は、対応するプレートの厚さにおいて第5の実施例の振幅に対してより大きくかつより顕著であった。
本明細書に述べられるフレネルレンズフィルム及びその組み合わせは、可視光をその構成波長又は色に分離して多色又は虹状の視覚効果を生ずるように構成された可視光回折要素を更に有することができる。可視光回折要素は、溝、隆起部、プリズム、又は1以上の回折格子を与えるようなサイズに構成された他の要素を有し得る。直線的に延びるフレネル構造(それぞれミラー又はレンズ)を有するフレネルミラーフィルム及び/又はフレネルレンズフィルムとともに用いられる場合、回折格子もまた、例えば真っ直ぐな直線状の溝又は他の回折要素を使用して直線状に延びることができる。回折格子の延在軸は、フレネルミラーフィルム及び/又はフレネルレンズフィルムのフレネル構造の延長軸に対して望ましい向きとすることができる。特定の場合では、回折格子の軸は、フレネル構造の軸と概ね平行とすることができる。特定の場合では、回折格子の軸は、フレネル構造の軸に対して概ね垂直とすることができる。特定の場合では、回折格子の軸は、フレネル構造の軸に対して斜めの角度に向けることができる。
回折格子が含まれる場合、回折格子はフレネルフィルムにラミネートしてもよく、あるいはフレネルプリズム溝と平行な回折溝の場合では、回折溝を、エンボス加工/キャスティングツール上のより大きな溝の一部又はすべての面に直接切り込んでもよい。1つの例では、600nmの繰り返し距離及び幅を有する正三角形のプリズム(頂点角度60°)を、銅製ツール上の各溝の面に切り込んだ。銅製ツールはその他の点では、第1の実施例において上記で用いたものと実質的に同じであった。したがって、銅製ツールは、溝の角が周期40mmの正弦曲線状の傾斜配列に配列された幅75マイクロメートルの溝を有し、各溝はより小さい600nmの回折溝を有していた。この回折溝は、複製されたポリマーフィルムのフレネルプリズム上に回折サブ構造を形成した。明るい虹状のパターンが、銅製ツール並びに成形型及びこのツールを用いて作製された硬化ポリマーフィルムの両方で観察された。回折フレネルレンズフィルムは、別のフレネルレンズフィルム(回折要素があるもの又はないもの)のような他の構成要素と上記に述べたのと同様にして組み合わせることができる。
特定の場合では、ファセット化又は構造化表面のパターン化された平坦化は、開示されるフィルム及びその組み合わせに更なる視覚的に特徴的な要素を与えるように実施することができる。例えば、構造化表面の選択された部分を、ポリマー材料、又は構造化表面を平坦化するのに充分な厚さの他の適当な材料で像を形成するようにコーティングすることができる。得られた製品では、フレネルレンズは、像を形成するコーティングによって平坦化された選択された部分を除いたあらゆる部分に形成されてもよく、又はフレネルレンズは、選択された部分に形成されてもよいが、ただし構造化表面の残りの部分(像を形成しないコーティングを有する部分)の屈折率の差と比較して構造化表面の両側の屈折率の差が大幅に小さくなっていることにより、大幅に低い屈折力を有するようにしてもよい。選択された部分にフレネルレンズが存在しない(又はフレネルレンズの屈折力が低い)ことにより、物品の視覚的独自性を高め得る認識可能な像が与えられる。像を形成するコーティングは、任意の所望のイメージ又はパターンを有することができる。選択された領域において屈折率が一致した又はほぼ一致した材料によりプリズムを平坦化することによって形成されるこのような空間的パターンは、フレネルフィルムにおける標示とみなすことができる。
本発明者らは、像を形成する目的では、像形成平坦化材料はプリズムの屈折率と一致し得るが、厳密に一致する必要はないことを見出した。むしろ、像形成平坦化材料は、プリズム表面の残りの部分と接触する物質(又は空気)と大きく異なる屈折率を有していればよい。例として、屈折率1.49の接着剤を、プリズムが屈折率n=1.65を有する正弦波フレネルレンズ表面上の小さい円形領域にラミネートした。レンズ表面の残りの部分は空気と接触していた。接着剤はフレネルプリズムの屈折率と一致していないが、接着剤とプリズムとの間の屈折率の不一致又は差は、空気と構造化表面の残りの部分のプリズムとの間の屈折率の不一致又は差よりも大幅に小さく、これは円形パターンがはっきりと観測されるのに充分であった。積層体において使用される場合、プリズム表面の残りの部分は、ULI材料、又は像形成平坦化材料と大幅に異なる屈折率を有する他の材料によりコーティングすることによって平坦化することができる。像を形成するコーティングは、低屈折率の平坦化層の非存在下でフレネルレンズを表面又は別のフレネルフィルムに接着するために使用されるパターン化された接着層であってよい。これにより、フレネルプリズム表面の残りの部分はラミネート後に空気と接触したままとなる。
透明な像形成平面化パターンは、フレキソグラフィー、グラビア印刷、スクリーン印刷、又はインクジェットなどの任意の適当な印刷技術を用いて、透明な又は着色された接着剤、後硬化性ポリマー層、エポキシ樹脂、又は印刷インクにより形成することができる。
特に断らないかぎり、本明細書及び特許請求の範囲において使用される量、特性の測定値などを表すすべての数は、「約」なる語によって修飾されているものとして理解されるべきである。したがって、そうではないことが示されていないかぎり、本明細書及び特許請求の範囲に記載される数値的パラメータは、本出願の教示を利用する当業者が得ようとする所望の特性に応じて異なり得る近似的な値である。特許請求の範囲に対する均等論の適用を制限しようとするものではないが、各数値パラメータは、少なくとも記載される有効桁数を考慮し、更に一般的な四捨五入法を適用することによって解釈されるべきである。本発明の広義の範囲を示す数値的範囲及びパラメータは近似的な値ではあるが、任意の数値が本明細書に述べられる具体例に記載されるかぎりにおいて、これらは妥当な程度に可能な範囲で正確に記載されるものである。しかしながら、いかなる数値も試験又は測定限界にともなう誤差を含み得るものである。
当業者には、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく本発明の様々な改変及び変更を行い得ることは明らかであり、本発明は本明細書に記載される例示的な実施形態に限定されない点は理解されるはずである。例えば、開示される透明な導電性物品はまた、反射防止コーティング、及び/又は保護ハードコートを含んでもよい。読者は、1つの開示される実施形態の特徴は、特に断らないかぎりは他のすべての開示される実施形態にも適用することが可能であると仮定すべきである。本明細書において参照される、米国特許、特許出願公開、並びに他の特許文献及び非特許文献は、これらが上記の開示と矛盾しないかぎりにおいて参照により援用するものとする。

Claims (25)

  1. 複数の第1のフレネルレンズを画定する第1の透光性ファセットが形成された第1のフィルムであって、前記第1のフレネルレンズのそれぞれが第1の面内軸とほぼ平行に延びる、第1のフィルムと、
    複数の第2のフレネルレンズを画定する第2の透光性ファセットが形成された第2のフィルムであって、前記第2のフレネルレンズのそれぞれが第2の面内軸とほぼ平行に延び、前記第2のフィルムが、前記第1のフレネルレンズによって透過された光を遮断するように配置された、第2のフィルムと、を備え、
    前記第2の面内軸が、前記第1の面内軸と非平行に配置されている、フィルム積層体。
  2. 前記第1のフレネルレンズ及び/又は前記第2のフレネルレンズによって透過された光を散乱するように配置されたディフューザーを更に備える、請求項1に記載のフィルム積層体。
  3. 前記ディフューザーが、10〜90%の範囲のヘイズ値を有する、請求項2に記載のフィルム積層体。
  4. 前記ディフューザーが、前記第1のフィルム及び/又は前記第2のフィルムに組み込まれた、請求項2に記載のフィルム積層体。
  5. 前記第1の面内軸と前記第2の面内軸とが、2〜90°の範囲の角度を形成する、請求項1に記載のフィルム積層体。
  6. 前記複数の第1のフレネルレンズが第1の平均の幅によって特徴付けられ、前記複数の第2のフレネルレンズが前記第1の平均の幅とは異なる第2の平均の幅によって特徴付けられる、請求項1に記載のフィルム積層体。
  7. 前記複数の第1のフレネルレンズが第1の平均のピッチによって特徴付けられ、前記複数の第2のフレネルレンズが前記第1の平均のピッチとは異なる第2の平均のピッチによって特徴付けられる、請求項1に記載のフィルム積層体。
  8. 前記第1のフレネルレンズの少なくとも一部、及び前記第2のフレネルレンズの少なくとも一部が、入射する平行光を集束するように構成されている、請求項1に記載のフィルム積層体。
  9. 前記第1のフレネルレンズの少なくとも一部、及び前記第2のフレネルレンズの少なくとも一部が、入射する平行光を脱集束するように構成されている、請求項1に記載のフィルム積層体。
  10. 前記第1のフレネルレンズが、入射する平行光を集束するように構成された正のフレネルレンズと、入射する平行光を脱集束するように構成された負のフレネルレンズとが交互に位置するように配置されている、請求項1に記載のフィルム積層体。
  11. 前記正のフレネルレンズと前記負のフレネルレンズとが互いに連続している、請求項10に記載のフィルム積層体。
  12. 前記第1のフレネルレンズが、長さ−幅アスペクト比をそれぞれ有し、前記複数の第1のフレネルレンズの前記アスペクト比がそれぞれ10よりも大きい、請求項1に記載のフィルム積層体。
  13. 前記第1のフレネルレンズが平面図においてそれぞれ直線状であり、前記第2のフレネルレンズが平面図においてそれぞれ直線状であり、前記第1のフレネルレンズと前記第2のフレネルレンズとの組み合わせが、平面図において波状のパターンを生じる、請求項1に記載のフィルム積層体。
  14. 第1のほぼ0の傾きから正の傾きが増大して最大の正の傾きとなり、正の傾きが減少して第2のほぼ0の傾きとなって、負の傾きが増大し、負の最大の傾きとなって、負の傾きが減少して、前記第1のほぼ0の傾きとなる傾斜配列に配列された透光性ファセットが形成された構造化表面を備える装飾フィルム物品であって、前記配列が前記構造化表面の少なくとも一部にわたってほぼ途切れなく繰り返し、前記透光性ファセットが、脱集束フレネルレンズと交互に位置する複数の集束フレネルレンズを画定する、装飾フィルム物品。
  15. 前記ファセット、前記集束フレネルレンズ、及び前記脱集束フレネルレンズが、第1の面内軸と概ね平行にそれぞれ延びる、請求項14に記載の物品。
  16. 前記物品の所定の表面上に配置された標示と組み合わされた、請求項14に記載の物品。
  17. 前記ファセット、前記集束フレネルレンズ、及び前記脱集束フレネルレンズが、第1の面内軸と概ね平行にそれぞれ延びており、前記標示が、前記第1の面内軸に対して角度φで配置された第2の面内軸と概ね平行に延びる1つ以上の要素を含み、前記角度φが2〜88°の範囲であり、前記標示が、前記集束フレネルレンズから軸方向距離D1の位置に配置され、前記集束フレネルレンズの少なくとも一部が、前記集束フレネルレンズから軸方向距離D2に位置する焦点を有し、D1>(D2)/10である、請求項16に記載の物品。
  18. 前記所定の表面が構造化表面である、請求項16に記載の物品。
  19. 前記傾斜配列がほぼ正弦曲線状である、請求項14に記載の物品。
  20. 前記透光性ファセットを覆う低屈折率の平坦化層を更に備える、請求項14に記載の物品。
  21. 前記フレネルレンズが、平面図においてそれぞれ直線状である、請求項15に記載の物品。
  22. 前記フレネルレンズのそれぞれが、波形の経路を画定する、請求項15に記載の物品。
  23. 前記集束フレネルレンズ及び前記脱集束フレネルレンズによって透過された光を散乱するように配置されたディフューザーを更に備える、請求項14に記載の物品。
  24. 前記装飾フィルム物品によって透過された可視光を、その構成色に分離して多色の視覚効果を生じるように構成された可視光回折要素を更に有する、請求項14に記載の物品。
  25. 前記装飾フィルム物品によって透過された可視光を、その構成色に分離して多色の視覚効果を生じるように構成された可視光回折要素を更に有し、
    前記可視光回折要素が、前記第1の面内軸と概ね平行な第2の面内軸と概ね平行に延びる、請求項15の物品。
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