様々な図面中の同様の参照番号および名称は、同様の要素を示す。
以下の説明は、本開示の発明的態様について説明するために、いくつかの実施態様に向けられる。ただし、本明細書の教示が多数の異なる方法において適用できることは、当業者は容易に認識されよう。説明される実施態様は、動いていようと(たとえば、ビデオ)、静止していようと(たとえば、静止画像)、およびテキストであろうと、グラフィックであろうと、絵であろうと、画像を表示するように構成することができる任意のデバイスまたはシステムにおいて実施することができる。より詳細には、説明される実施態様は、限定はしないが、携帯電話、マルチメディアインターネット対応セルラー電話、モバイルテレビジョン受信機、ワイヤレスデバイス、スマートフォン、Bluetooth(登録商標)デバイス、携帯情報端末(PDA)、ワイヤレス電子メール受信機、ハンドヘルドまたはポータブルコンピュータ、ネットブック、ノートブック、スマートブック、タブレット、プリンタ、コピー機、スキャナ、ファクシミリデバイス、GPS受信機/ナビゲータ、カメラ、MP3プレーヤ、カムコーダ、ゲーム機、腕時計、クロック、計算器、テレビジョンモニタ、フラットパネルディスプレイ、電子リーディングデバイス(すなわち、電子リーダ)、コンピュータモニタ、自動車ディスプレイ(オドメータおよびスピードメータディスプレイなどを含む)、コックピットコントロールおよび/またはディスプレイ、カメラビューディスプレイ(車両における後部ビューカメラのディスプレイなど)、電子写真、電子ビルボードまたは標示、プロジェクタ、アーキテクチャ構造物、電子レンジ、冷蔵庫、ステレオシステム、カセットレコーダーまたはプレーヤ、DVDプレーヤ、CDプレーヤ、VCR、ラジオ、ポータブルメモリチップ、洗濯機、乾燥機、洗濯機/乾燥機、パーキングメータ、(電気機械システム(EMS)、マイクロ電気機械システム(MEMS)および非MEMS適用例などにおける)パッケージング、審美構造物(たとえば、1つの宝飾品上の画像のディスプレイ)、ならびに様々なEMSデバイスなど、種々の電子デバイス中に含まれ得るかまたはそれらに関連付けられ得ることを企図している。また、本明細書の教示は、限定はしないが、電子スイッチングデバイス、無線周波数フィルタ、センサ、加速度計、ジャイロスコープ、運動検知デバイス、磁力計、コンシューマーエレクトロニクスのための慣性構成要素、コンシューマーエレクトロニクス製品の部品、バラクタ、液晶デバイス、電気泳動デバイス、駆動方式、製造プロセスおよび電子テスト機器など、ディスプレイ以外の応用形態において使用することもできる。したがって、本教示は、単に図に示す実施態様に限定されるものではなく、代わりに、当業者には容易に明らかになるであろう広い適用性を有する。
アナログIMOD(AIMOD)の各ピクセルは、双安定IMODよりも多くの色を反射するように構成され得る。たとえば、反射層と吸収体の相対位置は、赤色、緑色、青色、白色を反射するように変更されてよい。いかなる特定の波長も、反射層と吸収層との間の距離を制御することにより、最大に反射され得る。この距離が、反射層の上面から反射された光が反射層と吸収層との間のギャップ内で強め合って干渉するようなものであれば、大きい割合の反射または最大反射が達成され得る。この距離では、吸収体は、干渉定常波の最小の光強度に配置されている。たとえば、反射層と吸収体の相対位置が白色状態に構成されているとき、AIMODは光の最大量を反射することができる。最大反射のために必要な距離は、様々な波長に対して様々である。いくつかの実施態様では、短い波長(青色)と長い波長(赤色)の両方を反射する最適の距離は、中間のどこかの距離である。結果として、多くのAIMODの白色状態は、緑がかった色調など、その波長スペクトルの中間色の色調を有する白色をもたらし得る。言い換えれば、AIMODから、赤色または青色よりも緑色が強く反射されて、不完全な白色に見えることがある。この問題に対する既存の解決策には、空間ディザリングと、薄い色の付いた白色および他の色の強度を変調し、より真の白色を合成するために、加法混色の原理に従って空間ディザリングによってそれらを混合する時間変調技法とが含まれる。しかしながら、この手法によると、輝度の低下、空間分解能が犠牲になること、ならびに/あるいは追加加工およびさらなる電力消費の可能性がある。本開示は、この問題に対する新規の解決策に関する。様々な実施態様では、緑がかった色調を補償するために、AIMODの光路において色ノッチフィルタが採用され、AIMODの反射された色のスペクトルを修正する。したがって、白色状態の反射されたスペクトル間の差異は、外観において、また測定されたときにも所望の白色点に対して、より精密に相当するように、「真の」白色に近づけられ得る。
本開示で説明される主題の特定の実施態様は、以下の可能性のある利点のうち1つまたは複数を実現するように実施することができる。AIMODは、真の白色に十分に近い反射色を生成することができないことが多い。AIMODと併せて色ノッチフィルタを利用することにより、AIMODの利点がほとんど維持されながら、薄い色の付いた白色の欠点が低減される。白色を表示するのに必要な空間ディザリングおよび/または時間変調は、皆無かそれに近いものであるため、空間ディザリングおよび時間変調に関連した欠点はほとんど回避され得る。また、白色は、ディスプレイ(電子リーダデバイスなど)における最も支配的な色であることが多いので、そのような改善は重要である。
説明する実施態様が適用され得る好適なMEMSまたはEMSデバイスの一例は反射型ディスプレイデバイスである。反射型ディスプレイデバイスは、光学干渉吸収の原理を使用して、IMODに入射する光を選択的に吸収し、かつ/または反射するためにIMODを組み込むことができる。IMODは、吸収体と、吸収体に対して移動可能な反射体とを含むことができる。反射体は、異なる波長の定常波の電界強度の空間的分布に対して吸収体のロケーションを変更する2つ以上の異なる位置に移動することができ、このことが吸収スペクトルを変更し、それによってIMODの反射スペクトルに影響する。反射スペクトルは、反射体と吸収体の間の相対位置を変更することにより、すなわち反射体の位置を変更することによって調節され得る。
図1は、干渉変調器(IMOD)ディスプレイデバイスの一連のピクセル中の2つの隣接ピクセルを示す等角図の一例を示す。IMODディスプレイデバイスは、1つまたは複数の干渉MEMSディスプレイ要素を含む。これらのデバイスでは、MEMSディスプレイ要素のピクセルが、明状態または暗状態のいずれかにあることがある。明(「緩和」、「開」または「オン」)状態では、ディスプレイ要素は、たとえば、ユーザに、入射可視光の大部分を反射する。逆に、暗(「作動」、「閉」または「オフ」)状態では、ディスプレイ要素は入射可視光をほとんど反射しない。いくつかの実施態様では、オン状態の光反射特性とオフ状態の光反射特性は逆にされ得る。MEMSピクセルは、黒および白に加えて、主に、カラーディスプレイを可能にする特定の波長において、反射するように構成され得る。
IMODディスプレイデバイスは、IMODの行/列アレイを含むことができる。各IMODは、エアギャップ(光学ギャップまたは光キャビティとも呼ばれる)を形成するために互いから可変で制御可能な距離に配置された反射層のペア、すなわち可動反射層および固定部分反射層を含むことができる。可動反射層は、少なくとも2つの位置の間で移動され得る。第1の位置、すなわち、緩和位置では、可動反射層は、固定部分反射層から比較的大きい距離をおいて配置され得る。第2の位置、すなわち、作動位置では、可動反射層は、部分反射層により近接して配置され得る。それら2つの層から反射する入射光は、可動反射層の位置に応じて、強め合うようにまたは弱め合うように干渉し、各ピクセルについて全反射状態または無反射状態のいずれかを引き起こすことがある。いくつかの実施態様では、IMODは、作動していないときには反射状態であり得、可視スペクトル内の光を反射し、作動しているときには暗状態であり得、可視域の範囲外の光(たとえば赤外光)を反射する。ただし、いくつかの他の実施態様では、IMODは、作動していないときに暗状態にあり、作動しているときに反射状態にあり得る。いくつかの実施態様では、印加電圧の導入が、状態を変更するようにピクセルを駆動することができる。いくつかの他の実施態様では、印加電荷が、状態を変更するようにピクセルを駆動することができる。
図1中のピクセルアレイの図示の部分は、2つの隣接するIMOD12を含む。(図示のような)左側のIMOD12では、可動反射層14が、部分反射層を含む光学スタック16からの所定の距離における緩和位置に示されている。左側のIMOD12に印加された電圧V0は、可動反射層14の作動を引き起こすには不十分である。右側のIMOD12では、可動反射層14は、光学スタック16の近くの、またはそれに隣接する作動位置に示されている。右側のIMOD12に印加された電圧Vbiasは、可動反射層14を作動位置に維持するのに十分である。
図1では、ピクセル12の反射特性が、概して、ピクセル12に入射する光13と、左側のピクセル12から反射する光15とを示す矢印を用いて示されている。詳細に示していないが、ピクセル12に入射する光13の大部分は透明基板20を透過され、光学スタック16に向かうことになることを、当業者なら理解されよう。光学スタック16に入射する光の一部分は光学スタック16の部分反射層を透過されることになり、一部分は反射され、透明基板20を通って戻ることになる。光学スタック16を透過された光13の部分は、可動反射層14において反射され、透明基板20に向かって(およびそれを通って)戻ることになる。光学スタック16の部分反射層から反射された光と可動反射層14から反射された光との間の(強め合うまたは弱め合う)干渉が、ピクセル12から反射される光15の波長を決定することになる。
光学スタック16は、単一の層またはいくつかの層を含むことができる。その層は、電極層と、部分反射および部分透過層と、透明な誘電体層とのうちの1つまたは複数を含むことができる。いくつかの実施態様では、光学スタック16は、電気伝導性であり、部分的に透明で、部分的に反射性であり、たとえば、透明基板20上に上記の層のうちの1つまたは複数を堆積させることによって、作製され得る。電極層は、様々な金属、たとえば酸化インジウムスズ(ITO)など、様々な材料から形成され得る。部分反射層は、様々な金属、たとえばクロム(Cr)、半導体および誘電体など、部分的に反射性である様々な材料から形成され得る。部分反射層は、材料の1つまたは複数の層から形成され得、それらの層の各々は、単一の材料または材料の組合せから形成され得る。いくつかの実施態様では、光学スタック16は、光吸収体と導体の両方として働く、金属または半導体の単一の半透明の厚さを含むことができるが、(たとえば、光学スタック16の、またはIMODの他の構造の)異なる、より伝導性の高い層または部分が、IMODピクセル間で信号をバス伝送するように働くことができる。光学スタック16は、1つまたは複数の伝導性層または伝導性/吸収層をカバーする、1つまたは複数の絶縁層または誘電体層をも含むことができる。
いくつかの実施態様では、光学スタック16の層は、以下でさらに説明するように、平行ストリップにパターニングされ得、ディスプレイデバイスにおける行電極を形成し得る。当業者によって理解されるように、「パターニング」という用語は、本明細書では、マスキングプロセスならびにエッチングプロセスを指すために使用される。いくつかの実施態様では、アルミニウム(Al)などの高伝導性および反射性材料が可動反射層14のために使用され得、これらのストリップはディスプレイデバイスにおける列電極を形成し得る。可動反射層14は、(光学スタック16の行電極に直交する)1つまたは複数の堆積された金属層の一連の平行ストリップとして形成されて、ポスト18の上に堆積された列とポスト18間に堆積された介在する犠牲材料とを形成し得る。犠牲材料がエッチング除去されると、画定されたギャップ19または光キャビティが可動反射層14と光学スタック16との間に形成され得る。いくつかの実施態様では、ポスト18間の間隔は約1〜1000μmであり得、ギャップ19は10,000オングストローム(Å)未満であり得る。
いくつかの実施態様では、IMODの各ピクセルは、作動状態にあろうと緩和状態にあろうと、本質的に、固定反射層および可動反射層によって形成されるキャパシタである。電圧が印加されないとき、可動反射層14は、図1中の左側のピクセル12によって示されるように、機械的に緩和した状態にとどまり、可動反射層14と光学スタック16との間のギャップ19がある。しかしながら、電位差、たとえば電圧が、選択された行および列のうちの少なくとも1つに印加されたとき、対応するピクセルにおける行電極と列電極との交差部に形成されたキャパシタは帯電し、静電力がそれらの電極を引き合わせる。印加された電圧がしきい値を超える場合、可動反射層14は、変形し、光学スタック16の近くにまたはそれに対して移動することができる。光学スタック16内の誘電体層(図示せず)が、図1中の右側の作動ピクセル12によって示されるように、短絡を防ぎ、層14と層16との間の分離距離を制御し得る。その挙動は、印加電位差の極性にかかわらず同じである。いくつかの事例ではアレイ中の一連のピクセルが「行」または「列」と呼ばれることがあるが、ある方向を「行」と呼び、別の方向を「列」と呼ぶことは恣意的であることを、当業者は容易に理解されよう。言い換えれば、いくつかの配向では、行は列と見なされ得、列は行であると見なされ得る。さらに、ディスプレイ要素は、直交する行および列に一様に配置されるか(「アレイ」)、または、たとえば、互いに対して一定の位置オフセットを有する、非線形構成で配置され得る(「モザイク」)。「アレイ」および「モザイク」という用語は、いずれかの構成を指し得る。したがって、ディスプレイは、「アレイ」または「モザイク」を含むものとして言及されるが、その要素自体は、いかなる事例においても、互いに直交して配置される必要がなく、または一様な分布で配設される必要がなく、非対称形状および不均等に分布された要素を有する配置を含み得る。
図2は、3×3IMODディスプレイを組み込んだ電子デバイスを示すシステムブロック図の一例を示す。電子デバイスは、1つまたは複数のソフトウェアモジュールを実行するように構成され得るプロセッサ21を含む。オペレーティングシステムを実行することに加えて、プロセッサ21は、ウェブブラウザ、電話アプリケーション、電子メールプログラム、または他のソフトウェアアプリケーションを含む、1つまたは複数のソフトウェアアプリケーションを実行するように構成され得る。
プロセッサ21は、アレイドライバ22と通信するように構成され得る。アレイドライバ22は、たとえば、ディスプレイアレイまたはパネル30に、信号を与える行ドライバ回路24と列ドライバ回路26とを含むことができる。図2には、図1に示したIMODディスプレイデバイスの断面が線1−1によって示されている。図2は明快のためにIMODの3×3アレイを示しているが、ディスプレイアレイ30は、極めて多数のIMODを含んでいることがあり、列におけるIMODの数とは異なる数のIMODを行において有し得、その逆も同様である。
図3は、図1のIMODについての可動反射層位置対印加電圧を示す図の一例を示す。MEMS IMODの場合、行/列(すなわち、コモン/セグメント)書込みプロシージャが、図3に示すこれらのデバイスのヒステリシス特性を利用し得る。IMODは、可動反射層またはミラーに緩和状態から作動状態に変更させるために、たとえば、約10ボルトの電位差を必要とし得る。電圧がその値から低減されると、電圧が低下して、たとえば、10ボルトより下に戻ったとき、可動反射層はそれの状態を維持するが、電圧が2ボルトより下に低下するまで、可動反射層は完全には緩和しない。したがって、図3に示すように、印加電圧のウィンドウがある電圧の範囲、約3〜7ボルトが存在し、そのウィンドウ内でデバイスは緩和状態または作動状態のいずれかで安定している。これは、本明細書では「ヒステリシスウィンドウ」または「安定性ウィンドウ」と呼ばれる。図3のヒステリシス特性を有するディスプレイアレイ30の場合、行/列書込みプロシージャは、一度に1つまたは複数の行をアドレス指定するように設計され得、その結果、所与の行のアドレス指定中に、作動されるべきアドレス指定された行におけるピクセルは、約10ボルトの電圧差にさらされ、緩和されるべきピクセルは、ほぼ0ボルトの電圧差にさらされる。アドレス指定後に、それらのピクセルは、それらが前のストローブ状態にとどまるような、約5ボルトの定常状態またはバイアス電圧差にさらされる。この例では、アドレス指定された後に、各ピクセルは、約3〜7ボルトの「安定性ウィンドウ」内の電位差を経験する。このヒステリシス特性の特徴は、たとえば図1に示したピクセル設計が、同じ印加電圧条件下で作動または緩和のいずれかの既存の状態で安定したままであることを可能にする。各IMODピクセルは、作動状態にあろうと緩和状態にあろうと、本質的に、固定反射層および可動反射層によって形成されるキャパシタであるので、この安定状態は、電力を実質的に消費するかまたは失うことなしに、ヒステリシスウィンドウ内の定常電圧において保持され得る。その上、印加電圧電位が実質的に固定のままである場合、電流は本質的にほとんどまたはまったくIMODピクセルに流れ込まない。
いくつかの実施態様では、所与の行におけるピクセルの状態の所望の変化(もしあれば)に従って、列電極のセットに沿って「セグメント」電圧の形態のデータ信号を印加することによって、画像のフレームが作成され得る。次に、フレームが一度に1行書き込まれるように、アレイの各行がアドレス指定され得る。第1の行におけるピクセルに所望のデータを書き込むために、第1の行におけるピクセルの所望の状態に対応するセグメント電圧が列電極上に印加され得、特定の「コモン」電圧または信号の形態の第1の行パルスが第1の行電極に印加され得る。次いで、セグメント電圧のセットは、第2の行におけるピクセルの状態の所望の変化(もしあれば)に対応するように変更され得、第2のコモン電圧が第2の行電極に印加され得る。いくつかの実施態様では、第1の行におけるピクセルは、列電極に沿って印加されたセグメント電圧の変化による影響を受けず、第1のコモン電圧行パルス中にそれらのピクセルが設定された状態にとどまる。このプロセスは、画像フレームを生成するために、一連の行全体、または代替的に、一連の列全体について、連続方式で繰り返され得る。フレームは、何らかの所望の数のフレーム毎秒でこのプロセスを連続的に反復することによって、新しい画像データでリフレッシュおよび/または更新され得る。
各ピクセルに印加されるセグメント信号とコモン信号の組合せ(すなわち、各ピクセルの電位差)は、各ピクセルの得られる状態を決定する。図4は、様々なコモン電圧およびセグメント電圧が印加されたときのIMODの様々な状態を示す表の一例を示している。当業者によって容易に理解されるように、「セグメント」電圧は、列電極または行電極のいずれかに印加され得、「コモン」電圧は、列電極または行電極のうちの他方に印加され得る。
図4に(ならびに図5Bに示すタイミング図に)示すように、解放電圧VCRELがコモンラインに沿って印加されたとき、コモンラインに沿ったすべてのIMOD要素は、セグメントラインに沿って印加された電圧、すなわち、高いセグメント電圧VSHおよび低いセグメント電圧VSLにかかわらず、代替的に解放または非作動状態と呼ばれる、緩和状態に入れられることになる。特に、解放電圧VCRELがコモンラインに沿って印加されると、そのピクセルのための対応するセグメントラインに沿って高いセグメント電圧VSHが印加されたときも、低いセグメント電圧VSLが印加されたときも、変調器の電位電圧(代替的にピクセル電圧と呼ばれる)は緩和ウィンドウ(図3参照、解放ウィンドウとも呼ばれる)内にある。
高い保持電圧VCHOLD_Hまたは低い保持電圧VCHOLD_Lなどの保持電圧がコモンライン上に印加されたとき、IMODの状態は一定のままであることになる。たとえば、緩和IMODは緩和位置にとどまることになり、作動IMODは作動位置にとどまることになる。保持電圧は、対応するセグメントラインに沿って高いセグメント電圧VSHが印加されたときも、低いセグメント電圧VSLが印加されたときも、ピクセル電圧が安定性ウィンドウ内にとどまることになるように、選択され得る。したがって、セグメント電圧スイング、すなわち、高いVSHと低いセグメント電圧VSLとの間の差は、正または負のいずれかの安定性ウィンドウの幅よりも小さい。
高いアドレス指定電圧VCADD_Hまたは低いアドレス指定電圧VCADD_Lなどのアドレス指定または作動電圧がコモンライン上に印加されたとき、それぞれのセグメントラインに沿ったセグメント電圧の印加によって、データがそのコモンラインに沿った変調器に選択的に書き込まれ得る。セグメント電圧は、作動が印加されたセグメント電圧に依存するように選択され得る。アドレス指定電圧がコモンラインに沿って印加されたとき、一方のセグメント電圧の印加は、安定性ウィンドウ内のピクセル電圧をもたらし、ピクセルが非作動のままであることを引き起こすことになる。対照的に、他方のセグメント電圧の印加は、安定性ウィンドウを越えるピクセル電圧をもたらし、ピクセルの作動をもたらすことになる。作動を引き起こす特定のセグメント電圧は、どのアドレス指定電圧が使用されるかに応じて変動することができる。いくつかの実施態様では、高いアドレス指定電圧VCADD_Hがコモンラインに沿って印加されたとき、高いセグメント電圧VSHの印加は、変調器がそれの現在位置にとどまることを引き起こすことがあり、低いセグメント電圧VSLの印加は、変調器の作動を引き起こすことがある。当然の結果として、低いアドレス指定電圧VCADD_Lが印加されたとき、セグメント電圧の影響は反対であり、高いセグメント電圧VSHは変調器の作動を引き起こし、低いセグメント電圧VSLは変調器の状態に影響しない(すなわち、安定したままである)ことがある。
いくつかの実施態様では、変調器で常に同じ極性電位差を引き起こす保持電圧、アドレス電圧、およびセグメント電圧が使用され得る。いくつかの他の実施態様では、変調器の電位差の極性を交番する信号が使用され得る。変調器の極性の交番(すなわち、書込みプロシージャの極性の交番)は、単一の極性の反復書込み動作後に起こることがある電荷蓄積を低減または抑止し得る。
図5Aは、図2の3×3IMODディスプレイにおけるディスプレイデータのフレームを示す図の一例を示す。図5Bは、図5Aに示すディスプレイデータのフレームを書き込むために使用され得るコモン信号およびセグメント信号についてのタイミング図の一例を示す。それらの信号は、図2のたとえば3×3アレイに印加され得、これは、図5Aに示すライン時間60eディスプレイ配置を最終的にもたらすことになる。図5A中の作動変調器は暗状態にあり、すなわち、その状態では、反射光の実質的部分が、たとえば、閲覧者に、暗い外観をもたらすように可視スペクトルの外にある。図5Aに示すフレームを書き込むより前に、ピクセルは任意の状態にあることがあるが、図5Bのタイミング図に示す書込みプロシージャは、各変調器が、第1のライン時間60aの前に、解放されており、非作動状態に属すると仮定する。
第1のライン時間60a中に、解放電圧70がコモンライン1上に印加され、コモンライン2上に印加される電圧が、高い保持電圧72において始まり、解放電圧70に移動し、低い保持電圧76がコモンライン3に沿って印加される。したがって、コモンライン1に沿った変調器(コモン1,セグメント1)、(1,2)および(1,3)は、第1のライン時間60aの持続時間の間、緩和または非作動状態にとどまり、コモンライン2に沿った変調器(2,1)、(2,2)および(2,3)は、緩和状態に移動することになり、コモンライン3に沿った変調器(3,1)、(3,2)および(3,3)は、それらの前の状態にとどまることになる。図4を参照すると、コモンライン1、2または3のいずれも、ライン時間60a中に作動を引き起こす電圧レベルにさらされていないので(すなわち、VCREL−緩和、およびVCHOLD_L−安定)、セグメントライン1、2および3に沿って印加されたセグメント電圧は、IMODの状態に影響しないことになる。
第2のライン時間60b中に、コモンライン1上の電圧は高い保持電圧72に移動し、コモンライン1に沿ったすべての変調器は、アドレス指定または作動電圧がコモンライン1上に印加されなかったので、印加されたセグメント電圧にかかわらず、緩和状態にとどまる。コモンライン2に沿った変調器は、解放電圧70の印加により、緩和状態にとどまり、コモンライン3に沿った変調器(3,1)、(3,2)および(3,3)は、コモンライン3に沿った電圧が解放電圧70に移動するとき、緩和することになる。
第3のライン時間60c中に、コモンライン1は、コモンライン1上に高いアドレス電圧74を印加することによってアドレス指定される。このアドレス電圧の印加中に低いセグメント電圧64がセグメントライン1および2に沿って印加されるので、変調器(1,1)および(1,2)のピクセル電圧は変調器の正の安定性ウィンドウの上端よりも大きく(すなわち、電圧差は、あらかじめ定義されたしきい値を超えた)、変調器(1,1)および(1,2)は作動される。逆に、高いセグメント電圧62がセグメントライン3に沿って印加されるので、変調器(1,3)ののピクセル電圧は、変調器(1,1)および(1,2)のピクセル電圧よりも小さく、変調器の正の安定性ウィンドウ内にとどまり、したがって変調器(1,3)は緩和したままである。また、ライン時間60c中に、コモンライン2に沿った電圧は低い保持電圧76に減少し、コモンライン3に沿った電圧は解放電圧70にとどまり、コモンライン2および3に沿った変調器を緩和位置のままにする。
第4のライン時間60d中に、コモンライン1上の電圧は、高い保持電圧72に戻り、コモンライン1に沿った変調器を、それらのそれぞれのアドレス指定された状態のままにする。コモンライン2上の電圧は低いアドレス電圧78に減少される。高いセグメント電圧62がセグメントライン2に沿って印加されるので、変調器(2,2)のピクセル電圧は、変調器の負の安定性ウィンドウの下端を下回り、変調器(2,2)が作動することを引き起こす。逆に、低いセグメント電圧64がセグメントライン1および3に沿って印加されるので、変調器(2,1)および(2,3)は緩和位置にとどまる。コモンライン3上の電圧は、高い保持電圧72に増加し、コモンライン3に沿った変調器を緩和状態のままにする。
最後に、第5のライン時間60e中に、コモンライン1上の電圧は高い保持電圧72にとどまり、コモンライン2上の電圧は低い保持電圧76にとどまり、コモンライン1および2に沿った変調器を、それらのそれぞれのアドレス指定された状態のままにする。コモンライン3上の電圧は、コモンライン3に沿った変調器をアドレス指定するために、高いアドレス電圧74に増加する。低いセグメント電圧64がセグメントライン2および3上に印加されるので、変調器(3,2)および(3,3)は作動するが、セグメントライン1に沿って印加された高いセグメント電圧62は、変調器(3,1)が緩和位置にとどまることを引き起こす。したがって、第5のライン時間60eの終わりに、3×3ピクセルアレイは、図5Aに示す状態にあり、他のコモンライン(図示せず)に沿った変調器がアドレス指定されているときに起こり得るセグメント電圧の変動にかかわらず、保持電圧がコモンラインに沿って印加される限り、その状態にとどまることになる。
図5Bのタイミング図では、所与の書込みプロシージャ(すなわち、ライン時間60a〜60e)は、高い保持およびアドレス電圧、または低い保持およびアドレス電圧のいずれかの使用を含むことができる。書込みプロシージャが所与のコモンラインについて完了されると(また、コモン電圧が、作動電圧と同じ極性を有する保持電圧に設定されると)、ピクセル電圧は、所与の安定性ウィンドウ内にとどまり、解放電圧がそのコモンライン上に印加されるまで、緩和ウィンドウを通過しない。さらに、各変調器が、変調器をアドレス指定するより前に書込みプロシージャの一部として解放されるので、解放時間ではなく変調器の作動時間が、必要なライン時間を決定し得る。詳細には、変調器の解放時間が作動時間よりも大きい実施態様では、解放電圧は、図5Bに示すように、単一のライン時間よりも長く印加され得る。いくつかの他の実施態様では、コモンラインまたはセグメントラインに沿って印加される電圧が、異なる色の変調器など、異なる変調器の作動電圧および解放電圧の変動を相殺するように変動し得る。
上記に記載した原理に従って動作するIMODの構造の詳細は大きく異なり得る。たとえば、図6Bから図6Eは、可動反射層14とその支持構造とを含む、IMODの異なる実施態様の断面図の例を示している。図6Aは、図1のIMODディスプレイの部分断面図の一例を示している。金属材料のストリップ、すなわち、可動反射層14が、基板20から直角に延在する支持体18上に堆積される。図6Bでは、各IMODの可動反射層14は、概して形状が正方形または長方形であり、コーナーにおいてまたはその近くでテザー32に接して支持体に取り付けられる。図6Cでは、可動反射層14は、概して形状が正方形または長方形であり、フレキシブルな金属を含み得る変形可能層34から吊るされる。変形可能層34は、可動反射層14の外周の周りで基板20に直接または間接的に接続することがある。これらの接続は、本明細書では支持ポストと呼ばれる。図6Cに示す実施態様は、変形可能層34によって行われる可動反射層14の機械的機能からのそれの光学的機能の分離から派生する追加の利益を有する。この分離は、反射層14のために使用される構造設計および材料と、変形可能層34のために使用される構造設計および材料とが、互いとは無関係に最適化されることを可能にする。
図6Dは、可動反射層14が反射副層14aを含む、IMODの別の例を示している。可動反射層14は、支持ポスト18などの支持構造上に載る。支持ポスト18は、たとえば、可動反射層14が緩和位置にあるとき、可動反射層14と光学スタック16との間にギャップ19が形成されるように、下側静止電極(すなわち、図示のIMODにおける光学スタック16の一部)からの可動反射層14の分離を可能にする。可動反射層14は、電極として働くように構成され得る伝導性層14cと、支持層14bとをも含むことができる。この例では、伝導性層14cは、基板20から遠位にある支持層14bの一方の面に配設され、反射副層14aは、基板20の近位にある支持層14bの他方の面に配設される。いくつかの実施態様では、反射副層14aは、伝導性であることがあり、支持層14bと光学スタック16との間に配設され得る。支持層14bは、誘電材料、たとえば、酸窒化ケイ素(SiON)または二酸化ケイ素(SiO2)の、1つまたは複数の層を含むことができる。いくつかの実施態様では、支持層14bは、たとえば、SiO2/SiON/SiO23層スタックなど、複数の層のスタックであり得る。反射副層14aと伝導性層14cのいずれかまたは両方は、たとえば、約0.5%の銅(Cu)または別の反射金属材料を用いた、アルミニウム(Al)合金を含むことができる。誘電支持層14bの上および下で伝導性層14a、14cを採用することは、応力のバランスをとり、伝導の向上を与えることができる。いくつかの実施態様では、反射副層14aおよび伝導性層14cは、可動反射層14内の特定の応力プロファイルを達成することなど、様々な設計目的で、異なる材料から形成され得る。
図6Dに示すように、いくつかの実施態様はブラックマスク構造23をも含むことができる。ブラックマスク構造23は、周辺光または迷光を吸収するために、(たとえば、ピクセル間にまたはポスト18の下に)光学不活性領域において形成され得る。ブラックマスク構造23はまた、光がディスプレイの不活性部分から反射されることまたはそれを透過されることを抑止し、それによりコントラスト比を増加させることによって、ディスプレイデバイスの光学的特性を改善することができる。さらに、ブラックマスク構造23は、伝導性であり、電気的バス層として機能するように構成され得る。いくつかの実施態様では、行電極は、接続された行電極の抵抗を低減するために、ブラックマスク構造23に接続され得る。ブラックマスク構造23は、堆積およびパターニング技法を含む様々な方法を使用して形成され得る。ブラックマスク構造23は1つまたは複数の層を含むことができる。たとえば、いくつかの実施態様では、ブラックマスク構造23は、それぞれ、約30〜80Å、500〜1000Å、および500〜6000Åの範囲内の厚さをもつ、光吸収体として働くモリブデンクロム(MoCr)層と、反射体として働くアルミニウム合金層と、バス層とを含む。1つまたは複数の層は、たとえば、MoCr層およびSiO2層の場合は、四フッ化炭素(CF4)および/または酸素(O2)、ならびにアルミニウム合金層の場合は、塩素(Cl2)および/または三塩化ホウ素(BCl3)を含む、フォトリソグラフィおよびドライエッチングを含む、様々な技法を使用してパターニングされ得る。いくつかの実施態様では、ブラックマスク23はエタロンまたは干渉スタック構造であり得る。そのような干渉スタックブラックマスク構造23では、伝導性吸収体は、各行または列の光学スタック16における下側静止電極間で信号を送信するかまたは信号をバス伝送するために使用され得る。いくつかの実施態様では、スペーサ層35が、ブラックマスク23中の伝導性層から吸収層16aを概して電気的に絶縁するのに、役立つことができる。
図6Eは、可動反射層14が自立している、IMODの別の例を示している。図6Dとは対照的に、図6Eの実施態様は支持ポスト18を含まない。代わりに、可動反射層14は、複数のロケーションにおいて、下にある光学スタック16に接触し、可動反射層14の湾曲は、IMODの電圧が作動を引き起こすには不十分であるとき、可動反射層14が図6Eの非作動位置に戻るという、十分な支持を与える。複数のいくつかの異なる層を含んでいることがある光学スタック16は、ここでは明快のために、光吸収体16aと誘電体16bとを含む状態で示されている。いくつかの実施態様では、光吸収体16aは、固定電極としても、部分反射層としても働き得る。
図6Aから図6Eに示す実施態様などの実施態様では、IMODは直視型デバイスとして機能し、直視型デバイスでは、画像が、透明基板20の正面、すなわち、変調器が配置された面の反対の面から、閲覧される。これらの実施態様では、デバイスの背面部分(すなわち、たとえば、図6Cに示す変形可能層34を含む、可動反射層14の背後のディスプレイデバイスの任意の部分)は、反射層14がデバイスのそれらの部分を光学的に遮蔽するので、ディスプレイデバイスの画質に影響を及ぼすことまたは悪影響を及ぼすことなしに、構成され、作用され得る。たとえば、いくつかの実施態様では、バス構造(図示せず)が可動反射層14の背後に含まれ得、これは、電圧アドレス指定およびそのようなアドレス指定に起因する移動など、変調器の電気機械的特性から変調器の光学的特性を分離する能力を与える。さらに、図6Aから図6Eの実施態様は、パターニングなどの処理を簡略化することができる。
図7は、IMODのための製造プロセス80を示す流れ図の一例を示している。図8Aから図8Eは、IMODを製作する方法における様々な段階の断面概略図の例を示している。いくつかの実施態様では、製造プロセス80は、たとえば、図7に示されていない他のブロックに加えて、図1および図6に示した一般的なタイプのIMODを製造するために実施され得る。図1、図6および図7を参照すると、プロセス80はブロック82において開始し、基板20上への光学スタック16の形成を伴う。図8Aは、基板20上で形成されたそのような光学スタック16を示している。基板20は、ガラスまたはプラスチックなどの透明基板であり得、それは、フレキシブルであるかまたは比較的固く曲がらないことがあり、光学スタック16の効率的な形成を可能にするために、事前準備プロセス、たとえば、洗浄にかけられていることがある。上記で説明したように、光学スタック16は、電気伝導性であり、部分的に透明で、部分的に反射性であることがあり、たとえば、透明基板20上に、所望の特性を有する1つまたは複数の層を堆積させることによって、作製され得る。図8Aでは、光学スタック16は、副層16aおよび16bを有する多層構造を含むが、いくつかの他の実施態様では、より多いまたはより少ない副層が含まれ得る。いくつかの実施態様では、副層16a、16bのうちの1つは、組み合わせられた導体/吸収体副層16aなど、光吸収特性と伝導特性の両方で構成され得る。さらに、副層16a、16bのうちの1つまたは複数は、平行ストリップにパターニングされ得、ディスプレイデバイスにおける行電極を形成し得る。そのようなパターニングは、当技術分野で知られているマスキングおよびエッチングプロセスまたは別の好適なプロセスによって実行され得る。いくつかの実施態様では、副層16a、16bのうちの1つは、1つまたは複数の金属層(たとえば、1つまたは複数の反射層および/または伝導性層)上に堆積された副層16bなど、絶縁層または誘電体層であり得る。さらに、光学スタック16は、ディスプレイの行を形成する個々の平行ストリップにパターニングされ得る。
プロセス80はブロック84において続き、光学スタック16上への犠牲層25の形成を伴う。犠牲層25は、キャビティ19を形成するために後で(たとえば、ブロック90で)除去され、したがって、犠牲層25は、図1に示した得られたIMOD12には示されていない。図8Bは、光学スタック16上で形成された犠牲層25を含む、部分的に作製されたデバイスを示している。光学スタック16上での犠牲層25の形成は、後続の除去後に、所望の設計サイズを有するギャップまたはキャビティ19(図1および図8Eも参照)を与えるように選択された厚さの、モリブデン(Mo)またはアモルファスシリコン(a−Si)など、フッ化キセノン(XeF2)エッチング可能材料の堆積を含み得る。犠牲材料の堆積は、物理蒸着(PVD、たとえばスパッタリング)、プラズマ強化化学蒸着(PECVD)、熱化学蒸着(熱CVD)、またはスピンコーティングなど、堆積技法を使用して行われ得る。
プロセス80はブロック86において続き、支持構造、たとえば、図1、図6および図8Cに示すポスト18の形成を伴う。ポスト18の形成は、支持構造開口を形成するために犠牲層25をパターニングし、次いで、PVD、PECVD、熱CVD、またはスピンコーティングなど、堆積方法を使用して、ポスト18を形成するために開口中に材料(たとえば、ポリマー、または無機材料、たとえば酸化ケイ素)を堆積させることを含み得る。いくつかの実施態様では、犠牲層中に形成された支持構造開口は、ポスト18の下側端部が図6Aに示すように基板20に接触するように、犠牲層25と光学スタック16の両方を通って、下にある基板20まで延在することがある。代替的に、図8Cに示すように、犠牲層25中に形成された開口は、犠牲層25は通るが、光学スタック16は通らないで、延在することがある。たとえば、図8Eは、光学スタック16の上側表面と接触している支持ポスト18の下側端部を示している。ポスト18、または他の支持構造は、犠牲層25上に支持構造材料の層を堆積させること、および犠牲層25中の開口から離れて配置された支持構造材料の部分をパターニングすることによって形成され得る。支持構造は、図8Cに示すように開口内に配置され得るが、少なくとも部分的に、犠牲層25の一部分の上で延在することもある。上述のように、犠牲層25および/または支持ポスト18のパターニングは、パターニングおよびエッチングプロセスによって実行され得るが、代替エッチング方法によっても実行され得る。
プロセス80はブロック88において続き、図1、図6および図8Dに示す可動反射層14などの可動反射層または膜の形成を伴う。可動反射層14は、1つまたは複数のパターニング、マスキング、および/またはエッチングステップとともに、1つまたは複数の堆積ステップ、たとえば、反射層(たとえば、アルミニウム、アルミニウム合金)堆積を採用することによって、形成され得る。可動反射層14は、電気伝導性であり、電気伝導性層と呼ばれることがある。いくつかの実施態様では、可動反射層14は、図8Dに示すように複数の副層14a、14bおよび14cを含み得る。いくつかの実施態様では、副層14aおよび14cなど、副層のうちの1つまたは複数は、それらの光学的特性のために選択された高反射性副層を含み得、別の副層14bは、その機械的特性のために選択された機械的副層を含み得る。犠牲層25は、ブロック88において形成された部分的に作製されたIMOD中に依然として存在するので、可動反射層14は、一般にこの段階では可動でない。犠牲層25を含んでいる部分的に作製されたIMODは、本明細書では「非解放」IMODと呼ばれることもある。図1に関して上記で説明したように、可動反射層14は、ディスプレイの列を形成する個々の平行ストリップにパターニングされ得る。
プロセス80はブロック90において続き、キャビティ、たとえば図1、図6および図8Eに示すキャビティ19の形成を伴う。キャビティ19は、(ブロック84において堆積された)犠牲材料25をエッチャントにさらすことによって形成され得る。たとえば、MoまたはアモルファスSiなどのエッチング可能犠牲材料が、ドライ化学エッチング、たとえば、一般に、キャビティ19を囲む構造に対して選択的に除去される所望の量の材料を除去するのに有効である期間の間、固体XeF2から派生した蒸気などの気体または蒸気エッチャントに犠牲層25をさらすことによって、除去され得る。他のエッチング方法、たとえばウェットエッチングおよび/またはプラズマエッチングも使用され得る。犠牲層25がブロック90中に除去されるので、可動反射層14は、一般に、この段階後に可動となる。犠牲材料25の除去後に、得られた完全にまたは部分的に作製されたIMODは、本明細書では「解放」IMODと呼ばれることがある。
図9および図10は、アナログIMOD(AIMOD)の断面の例を示す。図9を参照して、AIMOD 900は、基板912と、基板912の上に配設された光学スタック904とを含む。AIMODは第1の電極910および第2の電極902を含む(図示のように、第1の電極910が下側電極であり、第2の電極902が上側電極である)。AIMOD900は、第1の電極910と第2の電極902との間に配設された可動反射層906をも含む。いくつかの実施態様では、光学スタック904は、吸収層、および/または複数の他の層を含み、図1、図6A〜図6Eに示す光学スタック16と同様に構成され得る。いくつかの実施態様および図9に示す例では、光学スタック904は、吸収層として構成される第1の電極910を含む。そのような構成では、吸収層(第1の電極910)は、MoCrを含んでいる材料の約6nmの層であり得る。いくつかの実施態様では、吸収層(すなわち第1の電極910)は、約2nmから10nmに及ぶ厚さを有するMoCrを含む材料の層であり得る。
図9をなお参照すると、反射層906は、電荷を与えられ得る。反射層は、帯電すると、電圧が第1の電極910と第2の電極902との間に印加されるとき、第1の電極910または第2の電極902のいずれかに向かって移動するように構成される。このようにして、反射層906は、緩和(非作動)状態の上および下を含む、2つの電極902と910との間の位置範囲にわたって駆動され得る。たとえば、図9は、反射層906が第1の電極910と第2の電極902との間の様々な位置930、932および934、および936に移動され得ることを示す。
AIMOD900は、AIMODの構成に応じていくつかの波長の光を選択的に反射するように構成され得る。この実施態様では吸収層の役割を果たす第1の電極910と反射層906との間の距離は、AIMOD900の反射特性を変化させる。任意の特定の波長は、反射層906と吸収層(第1の電極910)との間の距離が、吸収層(第1の電極910)が入射光と反射層906から反射された光との間の干渉から生じる定在波の最小光強度に配置されるようなものであるとき、AIMOD900から最大限に反射される。たとえば、図示するように、AIMOD900は、AIMODの基板912側から(基板912を通して)見るように設計され、すなわち光は、基板912を通ってAIMOD900に入る。反射層906の位置に応じて、異なる波長の光が、反射されて基板912を通って戻り、これは、異なる色の外観を与える。これらの異なる色は、自然色としても周知である。
1つまたは複数の一定の波長を反射するようなロケーションにあるディスプレイ要素(たとえば、AIMOD)の可動層の位置は、ディスプレイ状態と呼ばれることがある。たとえば、反射層906が位置930にあるときは、赤色波長の光は、他の波長よりも大きい割合で反射され、その他の波長の光は、赤色よりも大きい割合で吸収される。したがって、AIMOD900は、赤色に見え、赤色ディスプレイ状態、または単に赤色状態にあると言われる。同様に、AIMOD900は、反射層906が位置932に移動し、そこで緑色波長の光が、他の波長よりも大きい割合で反射され、その他の波長の光が、緑色よりも大きい割合で吸収されるとき、緑色ディスプレイ状態(または緑色状態)にある。反射層906が位置934に移動すると、AIMOD900は、青色ディスプレイ状態(または青色状態)にあり、青色波長の光は、他の波長よりも大きい割合で反射され、その他の波長の光は、青色よりも大きい割合で吸収される。反射層906が位置936へ移動したとき、AIMOD 900は白色ディスプレイ状態(または白色状態)であり、AIMOD900が「白色に」見えるように、または反射体からの全反射(または輝き)に依拠して、場合によっては「銀色」に見えるように、可視スペクトル光の広範囲の波長が実質的に反射される。場合によっては、金属反射体上に誘電体層を追加で配設することで、全反射(または輝き)の増加を達成することができ、それによって白色状態を表示する。しかしながら、白色は、936の正確な位置に依拠して、薄い青色、緑色または黄色が付いている可能性がある。いくつかの実施態様では、白色状態もたらすように構成されている位置936では、反射層906と第1の電極910との間の距離は、約0nmと20nmとの間にある。当業者なら、AIMOD900が、反射層906の位置に基づいて、またAIMOD900の構成、特に光学スタック904中の様々な層の構成で使用される材料に基づいて、異なる状態を獲得し、他の波長の光を選択的に反射することができると容易に認識するであろうことに留意すべきである。
図9でのAIMOD900は、2つの構造的キャビティ、すなわち反射層906と光学スタック904との間の第1のキャビティ914、および反射層906と第2の電極902との間の第2のキャビティ916を有する。しかしながら、反射層906は、反射性であり、透過性でないので、光は、反射層906を通って第2のキャビティ916中に伝搬しない。加えて、AIMOD900によって反射される光の色および/または強度は、反射層906と吸収層(第1の電極910)との間の距離によって決定される。したがって、図9に示すAIMOD900は、1つの干渉(吸収)キャビティ914を有する。対照的に、第1のキャビティ914に入った入射光は第2のキャビティ916には入らない。
図10は、別の実施態様によるアナログIMOD(AIMOD)の断面の一例を示す。AIMOD 1000には、これも光学スタック1004の吸収層である、第1の電極1010の上に配置された反射層1006が含まれ、光学スタック1004は、第1の電極1010の下側に配置された誘電体層1003と、第1の電極の上側に配置された誘電体層1005とを含むことができる。誘電体層1003は2つ以上の層を含むことができ、同様に、誘電体層1005も2つ以上の層を含むことができる。いくつかの実施態様では、また図10に示された例では、反射層1006は第2の電極として機能することができる。いくつかの他の実施態様では、反射層1006の下側または上側に、別個の電極構造が形成されてよい。いくつかの実施態様では、反射層1006はアルミニウム(Al)を含むことができる。いくつかの他の実施態様では、異なる反射材料が使用されてもよい。光学スタック1004は、電極ではない吸収層および/または複数の他の層をさらに含むことができる。いくつかの実施態様では、また図10に示された例では、第1の電極1010は吸収層として構成される。吸収層は、たとえばMoCrを含んでいる材料の6μm層であり得る。反射層1006は、反射層1006と光学スタック1004との間に配置された1つまたは複数の誘電体層1008で覆われてよい。誘電体層1008の機能は、キャビティの中で、反射層1006の面から0〜20nmの間の距離に定常波の第1のヌルを確立することである。誘電体層1008は、白色状態の輝度を改善するために、異なる波長の第1のヌルの分離を低減することもできる。反射層1006は機械層1007の上に取り付けられ得、機械層1007はヒンジ1009に付けられる。ヒンジ1009は、機械層1007の一方の側でポスト1011に接続される。ヒンジ1009により、機械層1007、反射層1006および誘電体層1008の支持がもたらされる一方で、これらの層が、印加電圧に応答して、第1の電極1010と、第2の電極1006として働き得る反射層1006との間で移動することも可能になる。
引き続き図10を参照して、反射層1006は電荷を供給され得る。反射層は、一旦帯電すると、接地に接続されている第1の電極1010の方へ移動するように構成されている。このように、反射層1006は、第1の電極1010に対して、ある位置範囲にわたって駆動され得る。たとえば、図10は、反射層1006が、第1の電極1010に対して、様々な位置1030、1032、1034、1035および1036に移動することができることを示す。
図9に関して論じたように、AIMOD 1000は、AIMODの構成に依拠して、特定の波長の光を選択的に反射するように構成され得る。この実施態様では吸収層として働く第1の電極1010と反射層1006との間の距離によって、AIMOD 1000の反射特性が変化する。いかなる特定の波長も、反射層1006と吸収層である第1の電極1010との間の距離を制御することにより、最大に反射され得る。この距離が、反射層1006の上面から反射された光が反射層1006と吸収層との間のギャップ内で強め合って干渉するようなものであれば、高い割合の反射または最大反射が生じ得る。この距離では、吸収層(第1の電極1010)は、干渉定常波の最小の光強度に配置されている。
たとえば、図10のAIMOD 1000は、AIMODの基板1012側で見られるように設計されている。光は基板1012を通ってAIMOD 1000に入る。反射層1006の位置に依拠して、様々な波長の光が基板1012を通って後ろに反射され、これによって様々な色が出現する。これらの様々な色は自然色としても知られている。1つまたは複数の特定の波長を反射する位置におけるディスプレイ要素(たとえばAIMOD)の可動層の位置は、ディスプレイ状態と呼ばれることがある。たとえば、反射層1006が位置1030にあるとき、光の赤色波長が実質的に反射され、光の他の波長は第1の電極1010(吸収層)に実質的に吸収される。したがって、AIMOD 1000は赤色に見えて、赤色状態または赤色ディスプレイ状態であると言われる。同様に、反射層1006が位置1032へ移動して、光の緑色波長が実質的に反射され、光の他の波長が実質的に吸収されるとき、AIMOD 1000は緑色ディスプレイ状態(または緑色状態)にある。反射層1006が位置1034へ移動したとき、AIMOD 1000は青色ディスプレイ状態(または青色状態)であり、光の青色波長が実質的に反射され、光の他の波長は実質的に吸収される。反射層1006が位置1035へ移動したとき、AIMOD 1000は黒色ディスプレイ状態(または黒色状態)であり、可視スペクトルの光の広範囲の波長が実質的に吸収されることによって、AIMOD 1000が「黒色」に見えるように可視の反射が最小化される。反射層1006が位置1036へ移動したとき、AIMOD 1000は白色ディスプレイ状態(または白色状態)であり、AIMOD 1000が「白色に」見えるように可視スペクトルの光の広範囲の波長が実質的に反射される。いくつかの実施態様では、位置1036では白色状態をもたらすように構成され、反射層1006と第1の電極1010との間の距離は、約0nmと20nmとの間にある。
IMODディスプレイ要素では、ディスプレイ要素の反射色は、薄い吸収金属層とミラー表面との間のギャップ間隔によって決定される。高輝度の白色が出現するように、可視スペクトルのすべての波長を反射することが望まれる。高輝度を達成するために、反射層(たとえば図10の1006)は、反射層の面上に配設された1つまたは複数の誘電体層(たとえば図10の1008)を有することができる。この構成では、干渉定常波の第1のヌルは、反射層の面の近くのキャビティに配置され得る。白色状態では、反射層は、吸収層が定常波のヌルに配置されるように、吸収層(たとえば図10の1010)のすぐ近くに、たとえば約0〜20nm離れたところへ移動される。しかしながら、様々な波長のヌルの位置が正確に同一ではないという問題があり、したがって、様々な波長に関して、最大反射のために必要な間隔は様々である。短い波長(青色)と長い波長(赤色)の両方を反射する最適の間隔は、中間のどこかの間隔である。結果として、多くのAIMODの白色状態は、緑がかった色調を有する白色をもたらす可能性がある。言い換えれば、AIMODから、赤色または青色よりも緑色が強く反射されて、不完全な白色に見える。緑がかった色調が一般的であるが、他の構成は青みがかった色調またはやや黄色の色調を有する白色状態をもたらし、また、真の白色からの他の同様の逸脱があり得ることが理解されよう。この問題の既存の解決策には、より真の白色を合成するために薄い色の付いた白色を他の色と混合するピクセルディザリング技法が含まれる。しかしながら、この手法によると、輝度の低下、空間分解能が犠牲になること、ならびに追加加工およびさらなる電力消費の可能性がある。
この問題に対処するために、緑がかった色調を最小化するように、AIMODの反射色を修正するのに色ノッチフィルタが採用され得る。目的の1つは、白色状態の反射スペクトルと、たとえばLCDディスプレイといった電子ディスプレイに関する白色の業界標準パワースペクトルであるイルミナントD65のスペクトルとの間の差異を最小化することである。任意の適切なタイプの色ノッチフィルタが使用されてもよいが、そのようなフィルタは、そのようなAIMODディスプレイ要素に対して望まれる波長を特にフィルタリングするように構成されたものである。ノッチフィルタには、限定はしないが、薄膜色素、金属ナノ粒子、ルゲートフィルタ、ホログラフィックノッチフィルタ、または特定のスペクトルの所望の量のパワーを達成するための選択的フィルタリングを可能にする他の技術を含むフィルタが含まれ得る。
図11Aおよび図11Bは、ノッチフィルタを有するアナログIMODの断面の例を示す。図11Aを参照して、アナログIMOD(AIMOD) 1000の構成は、図10に示されたものに類似である。しかしながら、この実施態様では、色ノッチフィルタ1020は、吸収層1010の反対側の基板1012の側に配置されている。基板の上に色ノッチフィルタ1020を配置することで、フィルタを通り抜ける光がフィルタの特性によってフィルタリングされ、そのため、上の原理に従って、AIMODから反射された光のスペクトルが変更されることになる。色ノッチフィルタ1020は基板の全表面にわたって延在するように示されているが、他の構成が可能であることが理解されよう。たとえば、いくつかの実施態様では、色ノッチフィルタ1020は、基板1020の、AIMOD 1000のアクティブディスプレイ領域と直接整列している領域だけをカバーするように配置され得る。いくつかの実施態様では、色ノッチフィルタ1020の上にカバーガラスが加えられてよい。他の実施態様では、色ノッチフィルタ1020は、カバーガラスに一体化して含まれてもよい。図11Bも、図11Aに示されたものに類似のAIMOD 1000を示す。しかしながら、図11Bでは、色ノッチフィルタ1020は、基板1012と、吸収層1010を含んでいる光学スタック1004との間に配置されている。色ノッチフィルタ1020は各ポスト1011間に延在するように示されているが、他の構成が可能であることが理解されよう。たとえば、いくつかの実施態様では、色ノッチフィルタ1020は光学スタック1004と同一の広がりがあってよい。他の構成では、色ノッチフィルタ1020が延在する領域は、光学スタック1004よりも小さいものでもよい。いくつかの実施態様では、色ノッチフィルタ1020は、たとえば誘電体層1003および1005のうちの1つと交換することによって、光学スタック1004内に一体化されてよい。図11Aおよび図11Bに示された実施態様の各々で、AIMODの白色状態の性能を改善するために色ノッチフィルタが採用されてよい。色ノッチフィルタ1020を適切に選択するかまたは調整することによって、以下でより詳細に説明するように、より真の白色状態が達成され得る。
図12Aは、AIMODの一実施態様によって生成されたCIE1931色空間色度図の白色状態を示す。この例では、AIMODは付加的な色ノッチフィルタを含んでいない。図12Bは、ノッチフィルタを有するAIMODの一実施態様によって生成されたCIE1931色空間色度図の白色状態を示す。図12Aおよび図12Bの各々において、丸で囲まれた「x」1201は、D65の色度座標を示す。上述のように、D65は、たとえばLCDディスプレイといった電子ディスプレイに関する白色の標準イルミナント値である。この参照は、「真の白色」に関する客観的な基準としてしばしば使用される。図12A中の丸で囲まれた「+」1202は、AIMODの白色状態の色度値を示す。図12Aに示された色度図に見られるように、D65の色度値と、AIMODの白色状態の色度値との間に顕著な分離がある。この分離は、白色状態のAIMODの反射色がD65から逸脱している度合いを表し、したがって「真の白」色が反射されていない度合いを表す。図12Bを参照して、丸で囲まれた「+」1202は、D65の色度値に著しく近い色度値を有する。1202の改善された色度値は、適切な色ノッチフィルタを有するAIMODの改善された白色状態を示す。
図13Aは、一実施態様による、D65と白色状態のAIMODとのパワースペクトル分布のグラフを示す。グラフに見られるように、AIMODの白色状態のスペクトルは、D65のスペクトルから逸脱している。最大の逸脱は、約450nmと600nmとの間の波長領域で生じ、この領域ではAIMODの白色状態スペクトルがD65のスペクトルを上回っている。これらの波長の増加した突出部の結果として、AIMODの白色状態は緑がかった色調を有する。垂直軸は、比較のために相対値である(単位がない)ことに留意すべきである。AIMODの白色状態のパワースペクトルは、D65のパワースペクトルと最も精密に一致するようにシフトされている。理解されるように、垂直軸は、図的表現のために正規化された相対パワースペクトル値であるので、全体のAIMODのスペクトルをシフトしても、AIMODの薄い色の付いた白色状態の表現は損なわれない。
図13Bは、一実施態様による、D65とノッチフィルタを有するAIMODとの相対パワースペクトル分布のグラフを示す。グラフに見られるように、色ノッチフィルタを有するAIMODの白色状態は、色ノッチフィルタのないAIMODの白色状態よりもはるかに精密にD65のパワースペクトルと一致する相対パワースペクトルによって特徴付けられる。したがって、色ノッチフィルタを組み込むと、AIMODの白色状態の外観が実質的に改善され得、イルミナントD65の外観により近づく。
図14は、一実施態様による、ノッチフィルタの波長依存の透過特性のグラフを示す。図13Aに関して上で述べたように、標準AIMODの白色状態のパワースペクトルとイルミナントD65のパワースペクトルの逸脱は、主として約450nmから600nmに及ぶ波長で生じる。この影響を補償するために、主にこれらの波長に対して作用する色ノッチフィルタが選択されてよい。いくつかの実施態様では、ノッチフィルタは、約400nmと約600nmとの間の波長の範囲に対して作用してよい。いくつかの実施態様では、ノッチフィルタは、波長依存の透過特性を有してよく、400nmと600nmとの間の波長帯において光を部分的に吸収してよい。いくつかの実施態様では、ノッチフィルタは、450nmと600nmとの間の波長帯などのより狭い波長帯の光を部分的に吸収してもよい。図14は、理想的な色ノッチフィルタの波長依存の透過特性を示す。理解されるように、これらの特性は、図13Aに示されるような白色状態のパワースペクトルを有するAIMODにとって「理想的」である。しかしながら、他のAIMODは、異なる色調を有する白色状態をもたらすように構成されてもよい。言い換えれば、他のAIMODSでは、そのパワースペクトルの、D65のパワースペクトルからの最大の逸脱が、他の波長帯または波長領域において生じる可能性がある。たとえば、青みがかった色が付いた白色状態をもたらすAIMODは、図13Aに示されたものよりも短い波長領域においてD65のパワースペクトルから逸脱するパワースペクトルによって特徴付けられることになる。したがって、そのようなAIMODについては、「理想的」色ノッチフィルタは、図14に示されたような約450nmから600nmの範囲のものではなく、その、より短い波長領域の波長を選択的にフィルタリングするように構成されることになる。理論上、ノッチフィルタの透過係数は、次の式(1)を使用して計算することができ、
T(λ)=APD65(λ)/PAIMOD(λ) 式(1)
ここで、λは波長であり、PD65(λ)はD65照明のパワースペクトルであり、PAIMOD(λ)はノッチフィルタを適用していないAIMODのパワースペクトルであって、Aは正規化係数である。
色ノッチフィルタは、所与の帯域または範囲の波長の透過を低減するように選択されてよいことが理解されよう。しかしながら、この低減は、白色以外の色状態をもたらすことの必要性とのバランスをとらなければならない。たとえば、AIMODの白色状態が、緑がかった色調を有する実施態様では、緑色波長の透過を低減するように構成された色ノッチフィルタが採用されてよい。この色ノッチフィルタを使用すると、AIMODの白色状態の外観は改善されるが、AIMODの緑色状態の外観も影響を受ける可能性がある。たとえば、いくつかの実施態様では、この色ノッチフィルタは、緑色状態の輝度を、色ノッチフィルタを使用していないAIMODの緑色状態と比較して約25%低減する。理解されるように、色ノッチフィルタの特定の透過特性は、所望の用途に依拠して変化することになる。
色ノッチフィルタの適用の議論は、図10および図11に示された2端子デバイスの概念に基づくものであるが、反射体(たとえば図9の906および図11の1006)の上のすべての層が、光学性能/色性能に影響を及ぼさないので、図9の3端子デバイスにも同一の技法が適用され得る。
また、それらの議論は、すべてD65の標準白色イルミナントを指すものであるが、ノッチフィルタは、グラフィックアートおよびプリントされる色照明に広く使用されるD50などの任意のタイプの白色基準と一致するように設計され得ることが理解される。たとえば、D50イルミナントと同一の白色状態を取得するために、ノッチフィルタの透過係数は、理論上は式(1)のPD65(λ)をPD50(λ)で置換することによって取得することができる。
図15は、色ノッチフィルタを有するアナログIMODを製造する方法を示す流れ図の一例を示す。プロセス1500(図15)は、図11Aに示された例示の実施態様などの色ノッチフィルタを含んでいるアナログIMODのための製造プロセスを示す。類似のプロセスが、AIMODの実施態様(たとえば図9、図10および図11Bに示された実施態様)を形成するのに使用され得る。製造プロセス1500は、限定はしないが、図8A〜図8Eを参照しながら説明された製造技術および材料を含むことができる。
図15を参照して、プロセス1500は、ブロック1502で基板を用意する。いくつかの実施態様では、基板はガラス製または透明なプラスチック製でよい。プロセス1500はブロック1504において続き、基板上への吸収層の形成を伴う。いくつかの実施態様では、吸収層はMoCrまたはバナジウムを含むことができ、吸収層は約2nmと10nmとの間の厚さを有することができる。いくつかの実施態様では、吸収層を形成するのに先立って、基板上に1つまたは複数の誘電体層が堆積されてよい。いくつかの実施態様では、基板上に吸収層が形成された後、その上に別の誘電体層が形成されてよく、それによって、吸収層で分離された2つ以上の誘電体層を含んでいる光学スタックがもたらされる。プロセス1500はブロック1506において続き、吸収層上への犠牲層の形成を伴う。いくつかの実施態様では、PVD、PECVD、熱CVDまたはスピンコーティングなどの堆積技法が、犠牲層を形成するために使用され得る。プロセス1500は、ブロック1508において続き、支持構造の形成を伴う。そのような支持構造は、ディスプレイ要素の1つまたは複数の側面上に配設されるポストなどの複数の支持構造を含むことができる。支持構造の形成は、少なくとも1つの支持構造開口を形成するために犠牲層をパターニングすること、次いで支持構造を形成するために開口中に材料を堆積させることを含むことができる。
プロセス1500はブロック1510において続き、犠牲層上への反射層の形成を伴う。いくつかの実施態様では、反射層を形成するのに先立って、犠牲層の上に1つまたは複数の誘電体層が形成されてよい。いくつかの実施態様では、機械的強度をもたらすために、反射層の上に機械層が形成されてよい。いくつかの実施態様では、対称の構造を形成するために、機械層の下側に配設された反射層および誘電体層と同一のものが機械層の上側に形成されてよい。そのような対称の構造により、層間の熱膨張率(CTE)の不整合による機械的な曲げが防止される。いくつかの実施態様では、機械層を支持構造に接続するために、ヒンジなど連結構造が形成されてよい。いくつかの他の実施態様では、反射層は、支持構造に対して直接的に接触および/または接続してよい。
プロセス1500は、ブロック1512において続き、キャビティの形成を伴う。キャビティは、犠牲層をエッチャントにさらすことによって形成され得る。プロセス1500中に、犠牲層がエッチャントにさらされることを可能にする開口がまた、AIMOD中に形成され得る。いくつかの実施態様では、本明細書で説明したように、キャビティを形成するのに続いて、ディスプレイ要素によって反射された光の波長のスペクトルに影響を与えるために、キャビティの高さが相応して変更(増加または減少)され得るように、反射層が移動可能に形成される。プロセス1500はブロック1514において続き、色ノッチフィルタの配設を伴う。いくつかの実施態様では、色ノッチフィルタは、吸収層および反射層の反対側の基板の面に配置されてよい。他の実施態様では、色ノッチフィルタは、基板の反対側で基板と反射層との間に配置されてもよい。そのような実施態様では、色ノッチフィルタは、吸収層を形成するのに先立って、または吸収層を形成した後、犠牲層を形成するのに先立って、基板上に配設されてよい。
図16Aおよび図16Bは、複数のIMODを含むディスプレイデバイス40を示すシステムブロック図の例を示す。ディスプレイデバイス40は、たとえば、スマートフォン、セルラー電話または携帯電話であり得る。ただし、ディスプレイデバイス40の同じ構成要素またはディスプレイデバイス40の軽微な変形も、テレビジョン、タブレット、電子リーダ、ハンドヘルドデバイスおよびポータブルメディアプレーヤなど、様々なタイプのディスプレイデバイスを示す。
ディスプレイデバイス40は、ハウジング41と、ディスプレイ30と、アンテナ43と、スピーカー45と、入力デバイス48と、マイクロフォン46とを含む。ハウジング41は、射出成形および真空成形を含む様々な製造プロセスのうちのいずれかから形成され得る。さらに、ハウジング41は、限定はしないが、プラスチック、金属、ガラス、ゴム、およびセラミック、またはそれらの組合せを含む、様々な材料のうちのいずれかから製作され得る。ハウジング41は、異なる色の、または異なるロゴ、ピクチャ、もしくはシンボルを含んでいる、他の取外し可能な部分と交換され得る、取外し可能な部分(図示せず)を含むことができる。
ディスプレイ30は、本明細書で説明する、双安定またはアナログディスプレイを含む様々なディスプレイのうちのいずれかであり得る。ディスプレイ30はまた、プラズマ、EL、OLED、STN LCD、またはTFT LCDなど、フラットパネルディスプレイ、あるいはCRTまたは他の管デバイスなど、非フラットパネルディスプレイを含むように構成され得る。さらに、ディスプレイ30は、本明細書で説明するIMODまたはAIMODディスプレイを含むことができる。
ディスプレイデバイス40の構成要素は図16Bに概略的に示されている。ディスプレイデバイス40は、ハウジング41を含み、それの中に少なくとも部分的に密閉された追加の構成要素を含むことができる。たとえば、ディスプレイデバイス40は、トランシーバ47に結合されたアンテナ43を含むネットワークインターフェース27を含む。トランシーバ47はプロセッサ21に接続され、プロセッサ21は調整ハードウェア52に接続される。調整ハードウェア52は、信号を調整する(たとえば、信号をフィルタリングする)ように構成され得る。調整ハードウェア52は、スピーカー45およびマイクロフォン46に接続される。プロセッサ21は、入力デバイス48およびドライバコントローラ29にも接続される。ドライバコントローラ29は、フレームバッファ28に、およびアレイドライバ22に結合され、アレイドライバ22は次にディスプレイアレイ30に結合される。いくつかの実施態様では、電源50が、特定のディスプレイデバイス40設計において実質的にすべての構成要素に電力を与えることができる。
ネットワークインターフェース27は、ディスプレイデバイス40がネットワークを介して1つまたは複数のデバイスと通信することができるように、アンテナ43とトランシーバ47とを含む。ネットワークインターフェース27はまた、たとえば、プロセッサ21のデータ処理要件を軽減するための、何らかの処理能力を有し得る。アンテナ43は信号を送信および受信することができる。いくつかの実施態様では、アンテナ43は、IEEE16.11(a)、(b)、および/または(g)を含むIEEE16.11規格、あるいはIEEE802.11a、b、g、および/またはnを含むIEEE802.11規格、およびそれらのさらなる実施態様に従って、RF信号を送信および受信する。いくつかの他の実施態様では、アンテナ43は、BLUETOOTH規格に従ってRF信号を送信および受信する。セルラー電話の場合、アンテナ43は、3Gまたは4G技術を利用するシステムなどのワイヤレスネットワーク内で通信するために使用される、符号分割多元接続(CDMA)、周波数分割多元接続(FDMA)、時分割多元接続(TDMA)、Global System for Mobile communications(GSM)、GSM/General Packet Radio Service(GPRS)、Enhanced Data GSM Environment(EDGE)、Terrestrial Trunked Radio(TETRA)、広帯域CDMA(W−CDMA)、Evolution Data Optimized(EV−DO)、1xEV−DO、EV−DO Rev A、EV−DO Rev B、高速パケットアクセス(HSPA)、高速ダウンリンクパケットアクセス(HSDPA)、高速アップリンクパケットアクセス(HSUPA)、発展型高速パケットアクセス(HSPA+)、Long Term Evolution(LTE)、AMPS、または他の知られている信号を受信するように設計される。トランシーバ47は、アンテナ43から受信された信号がプロセッサ21によって受信され、プロセッサ21によってさらに操作され得るように、その信号を前処理することができる。トランシーバ47はまた、プロセッサ21から受信された信号がアンテナ43を介してディスプレイデバイス40から送信され得るように、その信号を処理することができる。
いくつかの実施態様では、トランシーバ47は受信機によって置き換えられ得る。さらに、いくつかの実施態様では、ネットワークインターフェース27は、プロセッサ21に送られるべき画像データを記憶または生成することができる画像ソースによって置き換えられ得る。プロセッサ21は、ディスプレイデバイス40の全体的な動作を制御することができる。プロセッサ21は、ネットワークインターフェース27または画像ソースから圧縮された画像データなどのデータを受信し、そのデータを生画像データに、または生画像データに容易に処理されるフォーマットに、処理する。プロセッサ21は、処理されたデータをドライバコントローラ29に、または記憶のためにフレームバッファ28に送ることができる。生データは、一般に、画像内の各ロケーションにおける画像特性を識別する情報を指す。たとえば、そのような画像特性は、色、彩度、およびグレースケールレベルを含むことができる。
プロセッサ21は、ディスプレイデバイス40の動作を制御するためのマイクロコントローラ、CPU、または論理ユニットを含むことができる。調整ハードウェア52は、スピーカー45に信号を送信するための、およびマイクロフォン46から信号を受信するための、増幅器およびフィルタを含み得る。調整ハードウェア52は、ディスプレイデバイス40内の個別構成要素であり得、あるいはプロセッサ21または他の構成要素内に組み込まれ得る。
ドライバコントローラ29は、プロセッサ21によって生成された生画像データをプロセッサ21から直接、またはフレームバッファ28から取得することができ、アレイドライバ22への高速送信のために適宜に生画像データを再フォーマットすることができる。いくつかの実施態様では、ドライバコントローラ29は、生画像データを、ラスタ様フォーマットを有するデータフローに再フォーマットすることができ、その結果、そのデータフローは、ディスプレイアレイ30にわたって走査するのに好適な時間順序を有する。次いで、ドライバコントローラ29は、フォーマットされた情報をアレイドライバ22に送る。LCDコントローラなどのドライバコントローラ29は、しばしば、スタンドアロン集積回路(IC)としてシステムプロセッサ21に関連付けられるが、そのようなコントローラは多くの方法で実施され得る。たとえば、コントローラは、ハードウェアとしてプロセッサ21中に埋め込まれるか、ソフトウェアとしてプロセッサ21中に埋め込まれるか、またはハードウェアにおいてアレイドライバ22と完全に一体化され得る。
アレイドライバ22は、ドライバコントローラ29からフォーマットされた情報を受信することができ、ビデオデータを波形の並列セットに再フォーマットすることができ、波形の並列セットは、ディスプレイのピクセルのx−y行列から来る、数百の、および時には数千の(またはより多くの)リード線に毎秒何回も適用される。
いくつかの実施態様では、ドライバコントローラ29、アレイドライバ22、およびディスプレイアレイ30は、本明細書で説明するディスプレイのタイプのうちのいずれにも適している。たとえば、ドライバコントローラ29は、従来のディスプレイコントローラまたは双安定ディスプレイコントローラ(IMODコントローラなど)であり得る。さらに、アレイドライバ22は、従来のドライバまたは双安定ディスプレイドライバ(IMODディスプレイドライバなど)であり得る。さらに、ディスプレイアレイ30は、従来のディスプレイアレイまたは双安定ディスプレイアレイ(IMODのアレイを含むディスプレイなど)とすることができる。いくつかの実施態様では、ドライバコントローラ29はアレイドライバ22と一体化することができる。そのような実施態様は、高集積システム、たとえば、モバイルフォン、ポータブル電子デバイス、ウォッチまたは小面積ディスプレイにおいて、有用であることがある。
いくつかの実施態様では、入力デバイス48は、たとえば、ユーザがディスプレイデバイス40の動作を制御できるように構成することができる。入力デバイス48は、QWERTYキーボードまたは電話キーパッドなどのキーパッド、ボタン、スイッチ、ロッカー、タッチセンシティブスクリーン、ディスプレイアレイ30と一体化されたタッチセンシティブスクリーン、あるいは感圧膜または感熱膜を含むことができる。マイクロフォン46は、ディスプレイデバイス40のための入力デバイスとして構成することができる。いくつかの実施態様では、ディスプレイデバイス40の動作を制御するために、マイクロフォン46を通してのボイスコマンドを用いることができる。
電源50は種々のエネルギー蓄積デバイスを含むことができる。たとえば、電源50は、ニッケルカドミウムバッテリまたはリチウムイオンバッテリなどの充電式バッテリとすることができる。充電式バッテリを使用する実装形態では、充電式バッテリは、たとえば、壁コンセントあるいは光起電性デバイスまたはアレイから来る電力を使用して充電可能であり得る。代替的には、充電式バッテリはワイヤレス充電可能とすることができる。電源50はまた、再生可能エネルギー源、キャパシタ、あるいはプラスチック太陽電池または太陽電池塗料を含む太陽電池とすることもできる。電源50はまた、壁コンセントから電力を受け取るように構成することもできる。
いくつかの実施態様では、制御プログラマビリティがドライバコントローラ29中に存在し、これは電子ディスプレイシステム中のいくつかの場所に配置され得る。いくつかの他の実施態様では、制御プログラマビリティがアレイドライバ22中に存在する。上記で説明した最適化は、任意の数のハードウェアおよび/またはソフトウェア構成要素において、ならびに様々な構成において実施され得る。
本明細書で開示する実施態様に関して説明した様々な例示的な論理、論理ブロック、モジュール、回路、およびアルゴリズムステップは、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、または両方の組合せとして実施され得る。ハードウェアとソフトウェアの互換性が、概して機能に関して説明され、上記で説明した様々な例示的な構成要素、ブロック、モジュール、回路およびステップにおいて示された。そのような機能がハードウェアで実施されるか、ソフトウェアで実施されるかは、特定の適用例および全体的なシステムに課された設計制約に依存する。
本明細書で開示する態様に関して説明した様々な例示的な論理、論理ブロック、モジュール、および回路を実施するために使用される、ハードウェアおよびデータ処理装置は、汎用シングルチップまたはマルチチッププロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)または他のプログラマブル論理デバイス、個別ゲートまたはトランジスタ論理、個別ハードウェア構成要素、あるいは本明細書で説明した機能を実行するように設計されたそれらの任意の組合せを用いて実施または実行され得る。汎用プロセッサは、マイクロプロセッサ、あるいは任意の従来のプロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、または状態機械であり得る。プロセッサは、コンピューティングデバイスの組合せ、たとえば、DSPとマイクロプロセッサとの組合せ、複数のマイクロプロセッサ、DSPコアと連携する1つまたは複数のマイクロプロセッサ、あるいは任意の他のそのような構成として実施することもできる。いくつかの実施態様では、特定のステップおよび方法が、所与の機能に固有である回路によって実行され得る。
1つまたは複数の態様では、説明した機能は、本明細書で開示する構造を含むハードウェア、デジタル電子回路、コンピュータソフトウェア、ファームウェア、およびそれらの上記構造の構造的等価物において、またはそれらの任意の組合せにおいて実施され得る。また、本明細書で説明した主題の実施態様は、1つまたは複数のコンピュータプログラムとして、すなわち、データ処理装置が実行するためにコンピュータ記憶媒体上に符号化された、またはデータ処理装置の動作を制御するための、コンピュータプログラム命令の1つまたは複数のモジュールとして、実施され得る。
本開示で説明した実施態様への様々な修正は当業者には容易に明らかであり得、本明細書で定義した一般原理は、本開示の趣旨または範囲から逸脱することなく他の実施態様に適用され得る。したがって、特許請求の範囲は、本明細書で示した実施態様に限定されるものではなく、本開示と、本明細書で開示する原理および新規の特徴とに一致する、最も広い範囲を与えられるべきである。「例示的」という単語は、本明細書ではもっぱら「例、事例、または例示の働きをすること」を意味するために使用される。本明細書に「例示的」と記載されたいかなる実施態様も、必ずしも他の実施態様よりも好ましいまたは有利であると解釈されるべきではない。さらに、「上側」および「下側」という用語は、図の説明を簡単にするために時々使用され、適切に配向されたページ上の図の配向に対応する相対位置を示すが、実施されたIMODの適切な配向を反映しないことがあることを、当業者は容易に諒解されよう。
また、別個の実施態様に関して本明細書で説明されたいくつかの特徴は、単一の実施態様において組合せで実施され得る。また、逆に、単一の実施態様に関して説明した様々な特徴は、複数の実施態様において別個に、あるいは任意の好適な部分組合せで実施され得る。その上、特徴は、いくつかの組合せで働くものとして上記で説明され、初めにそのように請求されることさえあるが、請求される組合せからの1つまたは複数の特徴は、場合によってはその組合せから削除され得、請求される組合せは、部分組合せ、または部分組合せの変形形態を対象とし得る。
同様に、動作は特定の順序で図面に示されているが、これは、望ましい結果を達成するために、そのような動作が、示された特定の順序または連続した順序で実行されること、あるいはすべての図示の動作が実行されることを必要とするものとして理解されるべきではない。さらに、図面は、流れ図の形態でもう1つの例示的なプロセスを概略的に示し得る。ただし、図示されていない他の動作が、概略的に示される例示的なプロセスに組み込まれ得る。たとえば、1つまたは複数の追加の動作が、図示の動作のうちのいずれかの前に、後に、同時に、またはそれの間で、実行され得る。いくつかの状況では、マルチタスキングおよび並列処理が有利であり得る。その上、上記で説明した実施態様における様々なシステム構成要素の分離は、すべての実施態様においてそのような分離を必要とするものとして理解されるべきでなく、説明するプログラム構成要素およびシステムは、概して、単一のソフトウェア製品において互いに一体化されるか、または複数のソフトウェア製品にパッケージングされ得ることを理解されたい。さらに、他の実施態様が以下の特許請求の範囲内に入る。場合によっては、特許請求の範囲に記載の行為は、異なる順序で実行され、依然として望ましい結果を達成することができる。