JP2015511947A - エポキシドから酸無水物を生成するためのプロセス - Google Patents

エポキシドから酸無水物を生成するためのプロセス Download PDF

Info

Publication number
JP2015511947A
JP2015511947A JP2014557715A JP2014557715A JP2015511947A JP 2015511947 A JP2015511947 A JP 2015511947A JP 2014557715 A JP2014557715 A JP 2014557715A JP 2014557715 A JP2014557715 A JP 2014557715A JP 2015511947 A JP2015511947 A JP 2015511947A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
product stream
carbonylation
reaction
catalyst
reaction zone
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2014557715A
Other languages
English (en)
Inventor
ハン リー,
ハン リー,
マイケル エー. スロウィック,
マイケル エー. スロウィック,
Original Assignee
ノボマー, インコーポレイテッド
ノボマー, インコーポレイテッド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by ノボマー, インコーポレイテッド, ノボマー, インコーポレイテッド filed Critical ノボマー, インコーポレイテッド
Publication of JP2015511947A publication Critical patent/JP2015511947A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D305/00Heterocyclic compounds containing four-membered rings having one oxygen atom as the only ring hetero atoms
    • C07D305/02Heterocyclic compounds containing four-membered rings having one oxygen atom as the only ring hetero atoms not condensed with other rings
    • C07D305/10Heterocyclic compounds containing four-membered rings having one oxygen atom as the only ring hetero atoms not condensed with other rings having one or more double bonds between ring members or between ring members and non-ring members
    • C07D305/12Beta-lactones
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D307/00Heterocyclic compounds containing five-membered rings having one oxygen atom as the only ring hetero atom
    • C07D307/02Heterocyclic compounds containing five-membered rings having one oxygen atom as the only ring hetero atom not condensed with other rings
    • C07D307/34Heterocyclic compounds containing five-membered rings having one oxygen atom as the only ring hetero atom not condensed with other rings having two or three double bonds between ring members or between ring members and non-ring members
    • C07D307/56Heterocyclic compounds containing five-membered rings having one oxygen atom as the only ring hetero atom not condensed with other rings having two or three double bonds between ring members or between ring members and non-ring members with hetero atoms or with carbon atoms having three bonds to hetero atoms with at the most one bond to halogen, e.g. ester or nitrile radicals, directly attached to ring carbon atoms
    • C07D307/60Two oxygen atoms, e.g. succinic anhydride
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01JCHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
    • B01J31/00Catalysts comprising hydrides, coordination complexes or organic compounds
    • B01J31/16Catalysts comprising hydrides, coordination complexes or organic compounds containing coordination complexes
    • B01J31/22Organic complexes
    • B01J31/2282Unsaturated compounds used as ligands
    • B01J31/2295Cyclic compounds, e.g. cyclopentadienyls
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07DHETEROCYCLIC COMPOUNDS
    • C07D303/00Compounds containing three-membered rings having one oxygen atom as the only ring hetero atom
    • C07D303/02Compounds containing oxirane rings
    • C07D303/12Compounds containing oxirane rings with hydrocarbon radicals, substituted by singly or doubly bound oxygen atoms
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01JCHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
    • B01J2231/00Catalytic reactions performed with catalysts classified in B01J31/00
    • B01J2231/40Substitution reactions at carbon centres, e.g. C-C or C-X, i.e. carbon-hetero atom, cross-coupling, C-H activation or ring-opening reactions
    • B01J2231/48Ring-opening reactions
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01JCHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
    • B01J2531/00Additional information regarding catalytic systems classified in B01J31/00
    • B01J2531/30Complexes comprising metals of Group III (IIIA or IIIB) as the central metal
    • B01J2531/31Aluminium
    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B01PHYSICAL OR CHEMICAL PROCESSES OR APPARATUS IN GENERAL
    • B01JCHEMICAL OR PHYSICAL PROCESSES, e.g. CATALYSIS OR COLLOID CHEMISTRY; THEIR RELEVANT APPARATUS
    • B01J2531/00Additional information regarding catalytic systems classified in B01J31/00
    • B01J2531/80Complexes comprising metals of Group VIII as the central metal
    • B01J2531/84Metals of the iron group
    • B01J2531/845Cobalt

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Low-Molecular Organic Synthesis Reactions Using Catalysts (AREA)
  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)

Abstract

エポキシドおよび一酸化炭素原料から酸無水物を作製する方法が提示される。種々の態様において、方法は、エポキシド、溶媒、カルボニル化触媒、および一酸化炭素を含む原料流の内容物を反応させて、β−ラクトンを含む第1のカルボニル化生成物流を生成するステップと、次いで、第1のカルボニル化生成物流の内容物をさらなる一酸化炭素と反応させて、酸無水物を含む第2のカルボニル化生成物流を生成するステップと、第2のカルボニル化生成物流から酸無水物の少なくとも一部を分離して、i)分離した酸無水物の部分を含む酸無水物生成物流と、ii)カルボニル化触媒を含むリサイクル流とを生成するステップと、最終的に、リサイクル流を原料流に加えるステップと、を含む。【選択図】図2

Description

関連出願の相互参照
本出願は、2012年2月13日に出願された米国仮特許出願第61/597,863号の優先権を主張するものであり、参照により、内容全体が本明細書に組み込まれる。
酸無水物、具体的には無水コハク酸は、様々な用途に一般的に使用される貴重な反応中間体である。例えば、酸無水物は、生分解性ポリエステルを生成するためにコポリマーに使用される。さらに、酸無水物は、容易に開環して二塩基酸モノエステル、二塩基酸、または他の誘導体を形成するため、これらは有機合成における有用な中間体である。無水コハク酸は、テトラヒドロフラン、γ‐ブチロラクトン、および1,4−ブタンジオール等の4炭素の汎用化学品の前駆物質として特に有用である。
無水コハク酸を含む酸無水物の以前の生成方法として、対応する酸の脱水または無水マレイン酸の脱水が挙げられる。さらなる生成方法は、アルキン、アルケン酸、およびラクトンの触媒カルボニル化を含む。これらの方法の多くは、低収率、多くの副生成物の生成、あるいは普遍性の欠如に悩まされた。より費用効率の高い出発材料を使用した新規方法が求められている。
本発明の種々の実施形態において、エポキシドおよび一酸化炭素原料から酸無水物を作製する方法が提示される。いくつかの実施形態において、エポキシドおよび一酸化炭素を酸無水物に変換するための化学反応が触媒される。
種々の態様において、本発明は、エポキシド、溶媒、カルボニル化触媒、および一酸化炭素を含む原料流の内容物を反応させて、β−ラクトンを含む第1のカルボニル化生成物流を生成するステップと、次いで、第1のカルボニル化生成物流の内容物をさらなる一酸化炭素と反応させて、酸無水物を含む第2のカルボニル化生成物流を生成するステップと、第2のカルボニル化生成物流から酸無水物の少なくとも一部を分離して、i)分離した酸無水物の一部を含む酸無水物生成物流と、ii)カルボニル化触媒を含むリサイクル流とを生成するステップと、最終的に、リサイクル流を原料流に加えるステップと、を含む。
いくつかの実施形態において、酸無水物の少なくとも一部を分離するステップは、第2のカルボニル化生成物流から固体酸無水物を分離することを含む。いくつかの実施形態において、固体酸無水物の分離は、第2のカルボニル化生成物流を、その中に溶解した酸無水物の少なくとも一部が溶解しない条件に曝露するステップを含む。いくつかの実施形態において、第2のカルボニル化流を無水物の少なくとも一部が溶解しない条件に曝露するステップは、生成物流の温度を低下させることを含む。いくつかの実施形態において、第2のカルボニル化流を無水物の少なくとも一部が溶解しない条件に曝露するステップは、圧力を低下させることを含む。いくつかの実施形態において、第2のカルボニル化流を無水物の少なくとも一部が溶解しない条件に曝露するステップは、COの分圧を低下させることを含む。いくつかの実施形態において、第2のカルボニル化生成物流を無水物の少なくとも一部が溶解しない条件に曝露するステップは、1つ以上の追加成分を生成物流に加えることを含む。いくつかの実施形態において、第2のカルボニル化生成物流に加えられる追加成分は、酸無水物の溶解度を低下させる溶媒を含む。
いくつかの実施形態において、第2のカルボニル化生成物流を無水物の少なくとも一部が溶解しない条件に曝露するステップは、固体酸無水物を結晶化核剤として加えることを含む。いくつかの実施形態において、実質的に全てのカルボニル化触媒が溶液中に残る。いくつかの実施形態において、固体酸無水物が濾過によって分離され、固体を酸無水物生成物流として、また濾液をリサイクル流として提供する。いくつかの実施形態において、固体酸無水物は、沈殿によって分離され、沈殿物を酸無水物生成物流として、また上清をリサイクル流として提供する。
いくつかの実施形態において、方法は、リサイクル流を原料流に加える前に、リサイクル流を処理して酸無水物の溶解度を増加させるステップをさらに含む。
いくつかの実施形態において、リサイクル流を処理して酸無水物の溶解度を増加させるステップは、加熱することを含む。
いくつかの実施形態において、リサイクル流を処理して酸無水物の溶解度を増加させるステップは、圧力を上昇させることを含む。いくつかの実施形態において、リサイクル流を処理して酸無水物の溶解度を増加させるステップは、1つ以上の追加成分をリサイクル流に加えることを含む。いくつかの実施形態において、リサイクル流に加えられる成分は、エポキシドを含む。
いくつかの実施形態において、酸無水物の少なくとも一部を分離するステップは、2つの非混合性溶媒間の反応混合物を分配することを含み、非混合性溶媒は、第1の溶媒および第2の溶媒を含み、無水コハク酸の少なくとも一部は、第1の溶媒に分配され、触媒の大部分は、第2の溶媒に分配される。
いくつかの実施形態において、方法は、第2のカルボニル化生成物流が、第1の溶媒を含有する第1の溶媒流と、第2の溶媒を含有する第2の溶媒流とを提供するように分配される2つの非混合性溶媒の混合物を物理的に分離するステップをさらに含む。
いくつかの実施形態において、第1の溶媒流は酸無水物生成物流であり、第2の溶媒流はリサイクル流になる。いくつかの実施形態において、リサイクル流を原料流に加える前に、第2の溶媒流の溶媒組成が変更される。いくつかの実施形態において、2つの非混合性溶媒のうちの1つは、原料流中に存在する溶媒の大部分を含む。いくつかの実施形態において、第2の溶媒は、実質的に、原料流中に存在する溶媒を含む。いくつかの実施形態において、方法は、第1の溶媒流を処理して酸無水物を単離するステップをさらに含む。
いくつかの実施形態において、方法は、第2の溶媒流を処理して、カルボニル化触媒濃縮物を得るステップをさらに含む。いくつかの実施形態において、カルボニル化触媒濃縮物は、触媒溶液を含む。いくつかの実施形態において、リサイクル流は、カルボニル化触媒濃縮物を含む。いくつかの実施形態において、カルボニル化触媒濃縮物は、固体を含む。
いくつかの実施形態において、方法は、固体カルボニル化触媒濃縮物を溶媒に溶解してリサイクル流を提供することをさらに含む。
いくつかの実施形態において、非混合性溶媒のうちの1つは、イオン液体を含む。いくつかの実施形態において、非混合性溶媒のうちの1つは、水性溶媒を含む。いくつかの実施形態において、酸無水物の少なくとも一部を分離するステップは、気相で酸無水物を分離することを含む。いくつかの実施形態において、原料流中の溶媒は、無水コハク酸よりも低い蒸気圧を有する。
いくつかの実施形態において、酸無水物の少なくとも一部を分離するステップは、第2のカルボニル化生成物流を加熱することを含む。いくつかの実施形態において、酸無水物の少なくとも一部を分離するステップは、第2のカルボニル化生成物流を減圧に曝露することを含む。
いくつかの実施形態において、第1のカルボニル化ステップは、第1の反応ゾーンで行われ、第2のカルボニル化ステップは、第2の反応ゾーンで行われ、各反応ゾーンは、1つ以上の反応器を含む。いくつかの実施形態において、第1の反応ゾーンの反応器と第2の反応ゾーンの反応器とは、異なる設計のものである。いくつかの実施形態において、第1の反応ゾーンの少なくとも1つの反応器は、定常状態の反応器条件下で操作される。いくつかの実施形態において、第2の反応ゾーンの少なくとも1つの反応器は、非定常状態の反応条件下で操作される。いくつかの実施形態において、第1のカルボニル化生成物流が少なくともいくらかの未反応エポキシドを含むように、定常状態条件が維持される。
いくつかの実施形態において、第1のカルボニル化生成物流は、第1の反応器における無水物の形成を防止するのに十分なエポキシドを含む。いくつかの実施形態において、第1のカルボニル化生成物流は、少なくとも約5%のエポキシドを含む。いくつかの実施形態において、第1のカルボニル化生成物流は、少なくとも約3%のエポキシドを含む。いくつかの実施形態において、第1のカルボニル化生成物流は、少なくとも約2%のエポキシドを含む。いくつかの実施形態において、第1のカルボニル化生成物流は、少なくとも約1%のエポキシドを含む。いくつかの実施形態において、第1のカルボニル化生成物流は、少なくとも約0.5%のエポキシドを含む。いくつかの実施形態において、第1のカルボニル化生成物流は、少なくとも約0.25%のエポキシドを含む。いくつかの実施形態において、第1のカルボニル化生成物流は、少なくとも約0.1%のエポキシドを含む。
いくつかの実施形態において、第1のカルボニル化ステップは、1つ以上の連続撹拌タンク反応器において行われる。
いくつかの実施形態において、第2のカルボニル化ステップは、1つ以上のプラグフロー反応器において行われる。いくつかの実施形態において、第1のカルボニル化ステップは、断熱反応器において行われる。いくつかの実施形態において、第1のカルボニル化反応器は、管状反応器である。いくつかの実施形態において、第1のカルボニル化反応器は、シェルアンドチューブ型反応器である。
いくつかの実施形態において、第1の反応ゾーンにおける反応条件と、第2の反応ゾーンにおける反応条件とは異なる。いくつかの実施形態において、第2の反応ゾーンの圧力は、第1の反応ゾーンの圧力と異なる。いくつかの実施形態において、第2の反応ゾーンの温度は、第1の反応ゾーンの温度と異なる。
いくつかの実施形態において、第1のカルボニル化反応は、約50psi〜約5000psiの圧力で行われる。いくつかの実施形態において、第1のカルボニル化反応は、約50psi〜約2000psiの圧力で行われる。いくつかの実施形態において、第1のカルボニル化反応は、約200psi〜約1000psiの圧力で行われる。いくつかの実施形態において、第1のカルボニル化反応は、約200psi〜約600psiの圧力で行われる。
いくつかの実施形態において、第1のカルボニル化反応は、約0℃〜約125℃の温度で行われる。いくつかの実施形態において、第1のカルボニル化反応は、約30℃〜約100℃の温度で行われる。いくつかの実施形態において、第1のカルボニル化反応は、約40℃〜約80℃の温度で行われる。
いくつかの実施形態において、第2のカルボニル化反応は、断熱反応器において行われる。いくつかの実施形態において、第2のカルボニル化反応器は、管状反応器である。いくつかの実施形態において、第2のカルボニル化反応器は、シェルアンドチューブ型反応器である。
いくつかの実施形態において、第2のカルボニル化反応は、約50psi〜約5000psiの圧力で行われる。いくつかの実施形態において、第2のカルボニル化反応は、約50psi〜約2000psiの圧力で行われる。いくつかの実施形態において、第2のカルボニル化反応は、約200psi〜約1000psiの圧力で行われる。いくつかの実施形態において、第2のカルボニル化反応は、約200psi〜約600psiの圧力で行われる。
いくつかの実施形態において、第2のカルボニル化反応は、約0℃〜約125℃の温度で行われる。いくつかの実施形態において、第2のカルボニル化反応は、約30℃〜約100℃の温度で行われる。いくつかの実施形態において、第2のカルボニル化反応は、約40℃〜約80℃の温度で行われる。
いくつかの実施形態において、いずれかのカルボニル化反応における一酸化炭素は、一酸化炭素と、1つ以上の追加のガスとを含む産業用ガス流として供給される。いくつかの実施形態において、産業用ガス流は、合成ガスを含む。いくつかの実施形態において、反応ステップにおける一酸化炭素は、実質的に純粋な形態で供給される。
いくつかの実施形態において、本発明は、酸無水物をジカルボン酸生成物に変換するステップをさらに含む。
いくつかの実施形態において、リサイクル流は、酸無水物を含む。いくつかの実施形態において、原料流は、酸無水物で飽和している。いくつかの実施形態において、第1のカルボニル化反応流は、酸無水物で飽和している。
いくつかの実施形態において、エポキシドは、エチレンオキシド、酸化プロピレン、エピクロルヒドリン、グリシドールエステル、グリシドールエステル、1,2−ブチレンオキシド、2,4ブチレンオキシド、C5−30αオレフィンの酸化物、およびこれらのうちのいずれか2つ以上の混合物からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、エポキシドは、エチレンエポキシドである。
いくつかの実施形態において、酸無水物は、無水コハク酸、メチルコハク酸無水物、クロロメチルコハク酸無水物、エチルコハク酸無水物、またはC5−30酸無水物からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、酸無水物は、無水コハク酸である。
いくつかの実施形態において、ジカルボン酸は、コハク酸、メチルコハク酸、クロロメチルコハク酸、エチルコハク酸、またはC5−30ジカルボン酸からなる群から選択される。いくつかの実施形態において、ジカルボン酸は、コハク酸である。
いくつかの実施形態において、溶媒は、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキサン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジメトキシエタン、グリム、ジエチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、2,5−ジメチルテトラヒドロフラン、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、アセトン、2−ブタノン、シクロヘキサノン、トルエン、アセトニトリル、ジフルオロベンゼン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、溶媒は、強ルイス塩基である。いくつかの実施形態において、溶媒は、双極子モーメントを有しない。いくつかの実施形態において、溶媒は、1,4ジオキサンである。
いくつかの実施形態において、カルボニル化触媒は、金属カルボニル化合物を含む。いくつかの実施形態において、金属カルボニル化合物は、一般式[QM(CO)を有し、式中、Qは、任意の配位子であって、存在する必要はなく、Mは、金属原子であり、yは、1〜6の整数(両端を含む)であり、wは、安定な金属カルボニルを提供するような数であり、xは、−3〜+3の整数(両端を含む)である。
いくつかの実施形態において、Mは、Ti、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ni、Pd、Cu、Zn、Al、Ga、およびInからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、Mは、Coである。いくつかの実施形態において、Mは、Coであり、yは、1であり、wは、4である。いくつかの実施形態において、カルボニル化触媒は、ルイス酸共触媒をさらに含む。いくつかの実施形態において、金属カルボニル化合物はアニオン性であり、ルイス酸共触媒はカチオン性である。
いくつかの実施形態において、金属カルボニル錯体は、カルボニルコバルテートを含み、ルイス酸共触媒は、金属中心を有するカチオン性ルイス酸を含む。いくつかの実施形態において、金属中心を有するカチオン性ルイス酸は、式[M’(L)c+の金属錯体であり、式中、M’は、金属であり、各Lは、配位子であり、bは、1〜6の整数(両端を含む)であり、cは、1、2、または3であり、1つより多くのLが存在する場合、各Lは、同じかまたは異なり得る。
いくつかの実施形態において、M’は、遷移金属、13族または14族の金属、およびランタニドからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、M’は、遷移金属または13族の金属である。いくつかの実施形態において、M’は、アルミニウム、クロム、インジウム、およびガリウムからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、M’は、アルミニウムである。
いくつかの実施形態において、M’は、クロムである。いくつかの実施形態において、ルイス酸は、ジアニオン性四座配位子を含む。いくつかの実施形態において、ジアニオン性四座配位子は、ポルフィリン誘導体、サレン誘導体、ジベンゾテトラメチルテトラアザ[14]アンヌレン(tmtaa)誘導体、フタロシアニネート誘導体、およびTrost配位子の誘導体からなる群から選択される。
例示的な反応系のプロセスフロー図を示す。 例示的な反応およびプロセスステップのフローチャートを示す。 カルボニル化反応へのエチレンオキシドの連続添加のカルボニル化中のβ−プロピオラクトンの濃度のグラフを示す。β−プロピオラクトンの濃度は、エチレンオキシドの添加ごとに増加するが、全てのエチレンオキシドがβ−プロピオラクトンに変換されると急速に低下する(β−プロピオラクトンが無水コハク酸に変換されるため)。 同じ例示的な反応の間のβ−プロピオラクトンおよび全無水コハク酸の濃度のグラフを示す。無水コハク酸の濃度は、エチレンオキシドのβ−プロピオラクトンへのカルボニル化、およびそれに続くβ−プロピオラクトンの無水コハク酸へのさらなるカルボニル化にほぼ影響を与えないと考えられる。 リサイクルされた同じ触媒を用いたエチレンエポキシドの無水コハク酸への2サイクル変換を通した触媒の有効性を示す。 反応混合物中の無水コハク酸の濃度と、コハク酸の濃度がEOのカルボニル化の速度にほとんど影響を与えないこととを示す。
定義
特定の官能基および化学用語の定義を、以下により詳細に記載する。本発明の目的のために、化学元素は、Handbook of Chemistry and Physics,75th Edの表紙裏に記載される元素周期表(CAS版)に従って同定され、特定の官能基は、一般に、そこに記載されるように定義される。さらに、有機化学の一般原理、ならびに、特定の官能基部分および反応性は、Organic Chemistry,Thomas Sorrell,University Science Books,Sausalito,1999、Smith and March March’s Advanced Organic Chemistry,5th Edition,John Wiley&Sons,Inc.,New York,2001、Larock,Comprehensive Organic Transformations,VCH Publishers,Inc.,New York,1989、Carruthers,Some Modern Methods of Organic Synthesis,3rd Edition,Cambridge University Press,Cambridge,1987に記載され、これらの各々の内容全体が、参照により本明細書に組み込まれる。
本明細書に記載されるような特定の化合物は、別途指示のない限り、ZまたはE異性体のいずれかとして存在することができる1つ以上の二重結合を有し得る。本発明はさらに、実質的に他の異性体を含まない個々の異性体としての化合物、または代替として、種々の異性体の混合物、例えば、エナンチオマーのラセミ混合物としての化合物を包含する。上記の化合物自体に加えて、本発明は、1つ以上の化合物を含む組成物も包含する。
本明細書において使用される場合、「異性体」という用語は、あらゆる幾何異性体および立体異性体を含む。例えば、「異性体」は、シスおよびトランス異性体、EおよびZ異性体、RおよびSエナンチオマー、ジアステレオマー、(D)-異性体、(L)-異性体、それらのラセミ混合物、およびそれらの他の混合物を、本発明の範囲内に属するものとして含む。例えば、化合物は、いくつかの実施形態において、1つ以上の対応する立体異性体を実質的に含まずに提供されてもよく、また、「立体化学的に強化されている」と称されてもよい。
本明細書において使用される「ハロ」および「ハロゲン」という用語は、フッ素(フルオロ、-F)、塩素(クロロ、-Cl)、臭素(ブロモ、-Br)、およびヨウ素(ヨード、-I)から選択される原子を指す。本明細書において使用される「ハロゲン系」という用語は、1つ以上のハロゲン原子で置換された化合物を指す。
「脂肪族」または「脂肪族基」という用語は、本明細書において使用される場合、直鎖(すなわち、非分岐鎖)、分岐鎖、または環状(すなわち、縮合、架橋、およびスピロ縮合した多環式)であり得、かつ、完全に飽和であり得るか、または1つ以上の不飽和単位を含み得るが、芳香族ではない、炭化水素部分を意味する。別途規定のない限り、脂肪族基は、1〜30個の炭素原子を含有する。特定の実施形態において、脂肪族基は、1〜12個の炭素原子を含有する。特定の実施形態において、脂肪族基は、1〜8個の炭素原子を含有する。特定の実施形態において、脂肪族基は、1〜6個の炭素原子を含有する。いくつかの実施形態において、脂肪族基は、1〜5個の炭素原子を含有し、いくつかの実施形態において、脂肪族基は、1〜4個の炭素原子を含有し、さらに他の実施形態において、脂肪族基は、1〜3個の炭素原子を含有し、なおも他の実施形態において、脂肪族基は、1〜2個の炭素原子を含有する。好適な脂肪族基は、限定されないが、直鎖または分岐鎖の、アルキル、アルケニル、およびアルキニル基、ならびにそれらのハイブリッド、例えば、(シクロアルキル)アルキル、(シクロアルケニル)アルキル、または(シクロアルキル)アルケニル等を含む。
「ヘテロ脂肪族」という用語は、本明細書において使用される場合、1つ以上の炭素原子が、独立して、酸素、硫黄、窒素、リン、またはホウ素からなる群から選択される1つ以上の原子で置き換えられた脂肪族基を指す。特定の実施形態において、1つまたは2つの炭素原子が、独立して、1つ以上の酸素、硫黄、窒素、またはリンによって置き換えらる。ヘテロ脂肪族基は、置換または非置換、分岐または非分岐、環状または非環状であり得、「ヘテロ環」、「ヘテロシクリル」、「ヘテロ脂環式」、または「複素環」基を含む。
「エポキシド」という用語は、本明細書において使用される場合、置換または非置換のオキシランを指す。置換されたオキシランは、一置換オキシラン、二置換オキシラン、三置換オキシラン、および四置換オキシランを含む。そのようなエポキシドは、本明細書に定義するようにさらに任意選択的に置換されていてもよい。特定の実施形態において、エポキシドは、単一のオキシラン部分を含む。特定の実施形態において、エポキシドは、2つ以上のオキシラン部分を含む。
本明細書において使用される「アクリレート(単数または複数)」という用語は、アシルカルボニルに隣接するビニル基を有する任意のアシル基を指す。この用語は、一置換、二置換、および三置換ビニル基を包含する。アクリレートの例として、限定されないが、アクリレート、メタクリレート、エタクリレート、シンナメート(3−フェニルアクリレート)、クロトン酸エステル、チグリン酸塩、およびセネシオアートが挙げられる。シクロプロパン基は、特定の場合において、二重結合に非常に似た挙動を取り得ることが分かっているため、シクロプロパンエステルは、本明細書のアクリレートの定義内に具体的に含まれる。
「ポリマー」という用語は、本明細書において使用される場合、相対分子量の高い分子を指し、その構造は、相対分子量の低い分子から実際にまたは概念的に誘導された複数の反復単位を含む。特定の実施形態において、ポリマーは、唯一のモノマー種(例えば、ポリエチレンオキシド)を含む。特定の実施形態において、本発明のポリマーは、1つ以上のエポキシドのコポリマー、ターポリマー、ヘテロポリマー、ブロックコポリマー、またはテーパードヘテロポリマーである。
「不飽和」という用語は、本明細書において使用される場合、ある部分が、1つ以上の二重結合または三重結合を有することを意味する。
「アルキル」という用語は、本明細書において使用される場合、単一の水素原子を除去することにより、1〜6個の炭素原子を含有する脂肪族部分から誘導される、飽和した、直鎖または分枝鎖の炭化水素ラジカルを指す。別途規定のない限り、アルキル基は、1〜12個の炭素原子を含有する。特定の実施形態において、アルキル基は、1〜8個の炭素原子を含有する。特定の実施形態において、アルキル基は、1〜6個の炭素原子を含有する。いくつかの実施形態において、アルキル基は、1〜5個の炭素原子を含有し、いくつかの実施形態において、アルキル基は、1〜4個の炭素原子を含有し、なおも他の実施形態において、アルキル基は、1〜3個の炭素原子を含有し、なおも他の実施形態において、アルキル基は、1〜2個の炭素原子を含有する。アルキルラジカルの例として、限定されないが、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソ-ブチル、sec-ブチル、sec-ペンチル、イソ-ペンチル、tert-ブチル、n-ペンチル、ネオペンチル、n-ヘキシル、sec-ヘキシル、n-ヘプチル、n-オクチル、n-デシル、n-ウンデシル、ドデシル等が挙げられる。
本明細書において使用される「炭素環」および「炭素環式環」という用語は、環が炭素原子のみを含有する単環および多環式部分を指す。別途規定のない限り、炭素環は、飽和、部分的に不飽和、または芳香族であってもよく、3〜20個の炭素原子を含有する。「炭素環」または「炭素環式」という用語はまた、1つ以上の芳香族環または非芳香族環と縮合した脂肪族環、例えば、デカヒドロナフチルまたはテトラヒドロナフチルも含み、この場合、ラジカルまたは結合点は脂肪族環上にある。いくつかの実施形態において、炭素環式基は二環式である。いくつかの実施形態において、炭素環式基は三環式である。いくつかの実施形態において、炭素環式基は多環式である。特定の実施形態において、「3〜14員の炭素環」および「C3−14炭素環」という用語は、3〜8員の飽和もしくは部分的に不飽和の単環式炭素環式環、または7〜14員の飽和もしくは部分的に不飽和の多環式炭素環式環を指す。
代表的な炭素環は、シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、ビシクロ[2,2,1]ヘプタン、ノルボルネン、フェニル、シクロヘキセン、ナフタレン、スピロ[4.5]]デカンを含む。
単独で、または「アラルキル」、「アラルコキシ」もしくは「アリールオキシアルキル」のように、より大きな部分の一部として使用される「アリール」という用語は、全部で5〜20個の環員を有する単環式および多環式環系を指し、系内の少なくとも1つの環は芳香族であり、系内の各環は、3〜12個の環員を含有する。「アリール」という用語は、「アリール環」という用語と同義に使用されてもよい。本発明の特定の実施形態において、「アリール」は、限定されないが、フェニル、ビフェニル、ナフチル、アントラシル等を含む芳香環系を指し、これは1つ以上の置換基を担持し得る。本明細書で使用される場合、芳香環が1つ以上のさらなる環と縮合した基、例えばベンゾフラニル、インダニル、フタルイミジル、ナフチミジル、フェナントリジニル、またはテトラヒドロナフチル等が、同様に「アリール」という用語の範囲内に含まれる。特定の実施形態において、「6〜10員のアリール」および「C6−10アリール」という用語は、フェニル、または8〜10員の多環式アリール環を指す。
単独で、またはより大きな部分の一部として使用される「ヘテロアリール」および「heteroar-」という用語、例えば、「ヘテロアラルキル」または「ヘテロアラルコキシ」は、5〜14個の環原子、好ましくは、5、6、または9個の環原子を有し、環状アレイにおいて共有される6、10、または14個のπ電子を有し、炭素原子に加えて、1〜5個のヘテロ原子を有する、基を指す。「ヘテロ原子」という用語は、窒素、酸素、または硫黄を指し、窒素または硫黄の任意の酸化形態、および塩基性窒素の任意の四級化形態を含む。ヘテロアリール基は、限定されないが、チエニル、フラニル、ピロリル、イミダゾリル、ピラゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、チアジアゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、インドリジニリル、プリニル、ナフチリジニル、ベンゾフラニル、およびプテリジニルを含む。「ヘテロアリール」および「heteroar‐」という用語はまた、本明細書において使用される場合、ヘテロ芳香族環が、1つ以上のアリール環、脂環式環、またはヘテロシクリル環と縮合した基も含み、この場合、ラジカルまたは結合点はヘテロ芳香族環上にある。非限定的な例として、インドリル、イソインドリル、ベンゾチエニル、ベンゾフラニル、ジベンゾフラニル、インダゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、キノリル、イソキノリル、シンノリニル、フタラジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、4H-キノリジニル、カルバゾリル、アクリジンル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、およびピリド[2,3-b]-1,4-オキサジン-3(4H)-オンが挙げられる。ヘテロアリール基は、単環または二環式であり得る。「ヘテロアリール」という用語は、「ヘテロアリール環」、「ヘテロアリール基」、または「ヘテロ芳香族」という用語と同義に使用されてもよく、これらの用語のいずれかは、任意選択的に置換される環を含む。「ヘテロアラルキル」という用語は、ヘテロアリールによって置換されたアルキル基を指し、アルキルおよびヘテロアリール部分は、独立して、任意選択的に置換される。特定の実施形態において、「5〜14員のヘテロアリール」という用語は、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する5〜6員のヘテロアリール環、または窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される1〜4個のヘテロ原子を有する8〜14員の多環式ヘテロアリール環を指す。
本明細書において使用される場合、「ヘテロ環」、「ヘテロシクリル」、「複素環ラジカル」、および「複素環」という用語は、同義に使用され、飽和、部分不飽和、または芳香族のいずれかであり、かつ、炭素原子に加えて、上で定義したように、1つ以上、好ましくは、1〜4個のヘテロ原子を有する、安定な5〜7員の単環式または7〜14員の二環式の複素環部分を指す。ヘテロ環の環原子に関連して使用される場合、「窒素」という用語は、置換された窒素を含む。一例として、酸素、硫黄、または窒素から選択される0〜3個のヘテロ原子を有する飽和または部分的に不飽和した環において、窒素は、N(3,4-ジヒドロ-2H-ピロリルの場合のように)、NH(ピロリジニルの場合のように)、またはNR(N-置換ピロリジニルの場合のように)であってもよい。いくつかの実施形態において、「3〜14員のヘテロ環」という用語は、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される1〜2個のヘテロ原子を有する3〜8員の飽和もしくは部分不飽和の単環式複素環、または窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される1〜3個のヘテロ原子を有する7〜14員の飽和もしくは部分不飽和の多環式複素環を指す。
複素環は、安定な構造をもたらす任意のヘテロ原子または炭素原子で、そのペンダント基に結合させることができ、環原子のうちのいずれかを任意選択的に置換することができる。そのような飽和または部分的に不飽和の複素環ラジカルの例として、限定されないが、テトラヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、ピロリジニル、ピロリドニル、ピペリジニル、ピロリニル、テトラヒドロキノリニル、テトラヒドロイソキノリニル、デカヒドロキノリニル、オキサゾリジニル、ピペラジニル、ジオキサニル、ジオキソラニル、ジアゼピニル、オキサゼピニル、チアゼピニル、モルホリニル、およびキヌクリジニルが挙げられる。「ヘテロ環」、「ヘテロシクリル」、「ヘテロシクリル環」、「複素環基」、「複素環部分」および「複素環ラジカル」という用語は、本明細書において同義に使用され、また、ヘテロシクリル環が、1つ以上のアリール環、ヘテロアリール環、または脂環式環、例えば、インドリニル、3H-インドリル、クロマニル、フェナントリジニル、またはテトラヒドロキノリニル等と縮合した基も含み、この場合、ラジカルまたは結合点はヘテロシクリル環上にある。ヘテロシクリル基は、単環または二環式であってもよい。「ヘテロシクリルアルキル」という用語は、ヘテロシクリルによって置換されたアルキル基を指し、アルキル部分およびヘテロシクリル部分は、独立して任意選択的に置換される。
本明細書において使用される場合、「部分的に不飽和」という用語は、少なくとも1つの二重結合または三重結合を含む環部分を指す。「部分的に不飽和」という用語は、複数の不飽和部位を有する環を包含することを意図するが、本明細書に定義するアリールまたはヘテロアリール部分を含むことは意図していない。
本明細書に記載される場合、本発明の化合物は、「任意選択的に置換された」部分を含んでもよい。一般に、「置換された」という用語は、「任意選択的に」という用語が前に付されていてもまたはいなくても、指定された部分の1つ以上の水素が好適な置換基で置き換えられていることを意味する。別途指定のない限り、「任意選択的に置換された」基は、その基の各置換可能な位置に好適な置換基を有してもよく、また、任意の所定の構造における1つより多くの位置が、特定の基から選択される1つより多くの置換基で置換され得る場合、その置換基は、あらゆる位置で同じかまたは異なり得る。本発明によって想定される置換基の組み合わせは、好ましくは、安定なまたは化学的に実現可能な化合物の形成をもたらす組み合わせである。「安定な」という用語は、本明細書において使用される場合、製造、検出、および、特定の実施形態においてはその回収、精製、ならびに本明細書に開示される目的のうちの1つ以上のための使用を可能にする条件に供された場合、実質的に変更されない化合物を指す。
「任意選択的に置換された」基の置換可能な炭素原子上の好適な一価置換基は、独立して、ハロゲン、-(CH0-4、-(CH0-4OR、−O−(CH0−4C(O)OR、-(CH0-4CH(OR、-(CH0-4SR、Rで置換されてもよい-(CH0-4Ph、Rで置換されてもよい-(CH0-4O(CH0-1Ph、Rで置換されてもよい-CH=CHPh、-NO、-CN、-N、-(CH0-4N(R、-(CH0-4N(R)C(O)R、-N(R)C(S)R、-(CH0−4N(R)C(O)NR 、-N(R)C(S)NR 、-(CH0-4N(R)C(O)OR、−N(R)N(R)C(O)R、-N(R)N(R)C(O)NR 、-N(R)N(R)C(O)OR、-(CH0-4C(O)R、−C(S)R、-(CH0-4C(O)OR、-(CH0-4C(O)N(R、-(CH0-4C(O)SR、-(CH0-4C(O)OSiR 、-(CH0-4OC(O)R、-OC(O)(CH0-4SR-,SC(S)SR、-(CH0-4SC(O)R、-(CH0-4C(O)NR 、−C(S)NR 、-C(S)SR、-SC(S)SR,-(CH0-4OC(O)NR 、-C(O)N(OR)R、-C(O)C(O)R、−C(O)CHC(O)R、-C(NOR)R、-(CH0-4SSR、-(CH0-4S(O)、-(CH0-4S(O)OR、−(CH0-4OS(O)、-S(O)NR 、-(CH0-4S(O)R、-N(R)S(O)NR 、-N(R)S(O)、−N(OR)R、-C(NH)NR 、-P(O)、-P(O)R 、-OP(O)R 、-OP(O)(OR、SiR 、-(C1-4直鎖または分岐鎖のアルキレン)O-N(R、または-(C1-4直鎖または分岐鎖のアルキレン)C(O)O-N(Rであり、式中、各Rは、以下に定義するように置換されてもよく、かつ独立して、水素、C1−8脂肪族、-CHPh、-O(CH0-1Ph、または、窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員の飽和環、部分不飽和環、もしくはアリール環であるか、あるいは、上記定義にかかわらず、独立して出現する2つのRは、それらの介在原子(複数可)と一緒になって、以下に定義するように置換されてもよい、窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する3〜12員の飽和、部分不飽和、またはアリールの単環または多環を形成する。
(または、独立して出現する2つのRが、それらの介在原子と一緒になって形成される環)上の好適な一価の置換基は、独立して、ハロゲン、-(CH0-2、-(haloR)、-(CH0-2OH、-(CH0-2OR、-(CH0-2CH(OR、−O(haloR)、-CN、-N、-(CH0-2C(O)R、-(CH0-2C(O)OH、-(CH0-2C(O)OR、−(CH0−4C(O)N(R、-(CH0-2SR、-(CH0-2SH、-(CH0-2NH、-(CH0-2NHR、−(CH0−2NR 、-NO、-SiR 、-OSiR 、-C(O)SR -(C1-4直鎖または分岐鎖のアルキレン)C(O)OR、または-SSRであり、式中、各Rは、非置換であるか、または、「ハロ」が前に付されている場合、1つ以上のハロゲンのみで置換され、かつ、C1-4脂肪族、−CHPh、-O(CH0-1Ph、または窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員の飽和環、部分不飽和環、もしくはアリール環から独立して選択される。Rの飽和炭素原子上の好適な二価の置換基は、=Oおよび=Sを含む。
「任意選択的に置換された」基の飽和炭素原子上の好適な二価の置換基は、以下を含む:=O、=S、=NNR 、=NNHC(O)R、=NNHC(O)OR、=NNHS(O)、=NR、=NOR、-O(C(R ))2-3O-、または-S(C(R ))2-3S-(式中、それぞれ独立して出現するRは、水素、以下に定義するように置換されてもよいC1-6脂肪族、または窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する非置換の5〜6員の飽和環、部分不飽和環、もしくはアリール環から選択される)。「任意選択的に置換された」基の隣接した置換可能な炭素に結合する好適な二価の置換基は、-O(CR 2-3O-を含み、式中、それぞれ独立して出現するRは、水素、以下に定義するように置換されてもよいC1-6脂肪族、または窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する非置換の5〜6員の飽和環、部分不飽和環、もしくはアリール環から選択される。
の脂肪族基上の好適な置換基は、ハロゲン、-R、−(haloR)、-OH、-OR、-O(haloR)、-CN、-C(O)OH、-C(O)OR、-NH、-NHR、-NR 、または-NOを含み、式中、各Rは、非置換であるか、または、「ハロ」が前に付されている場合、1つ以上のハロゲンのみで置換され、かつ、独立して、C1-4脂肪族、−CHPh、-O(CH0-1Ph、または窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員の飽和環、部分不飽和環、もしくはアリール環である。
「任意選択的に置換された」基の置換可能な窒素上の好適な置換基は、-R、-NR 、-C(O)R、-C(O)OR、-C(O)C(O)R、-C(O)CHC(O)R、-S(O)、−S(O)NR 、-C(S)NR 、-C(NH)NR 、または-N(R)S(O)を含み、式中、各Rは、独立して、水素、以下に定義するように置換されてもよいC1-6脂肪族、非置換の-OPh、または窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する非置換の5〜6員の飽和環、部分不飽和環、もしくはアリール環であるか、あるいは、上記定義にかかわらず、独立して出現する2つのRは、それらの介在原子(複数可)と一緒になって、窒素、酸素、または硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する非置換の3〜12員の飽和、部分不飽和、またはアリールの単環または多環を形成する。
の脂肪族基上の好適な置換基は、独立して、ハロゲン、-R、-(haloR)、-OH、-OR、-O(haloR)、-CN、-C(O)OH、-C(O)OR、-NH、-NHR、-NR 、または−NOであり、式中、各Rは、非置換であるか、または、「ハロ」が前に付されている場合、1つ以上のハロゲンのみで置換され、かつ、独立して、C1-4脂肪族、−CHPh、-O(CH0-1Ph、または窒素、酸素、もしくは硫黄から独立して選択される0〜4個のヘテロ原子を有する5〜6員の飽和環、部分不飽和環、もしくはアリール環である。
本明細書において使用される場合、「触媒」という用語は、それ自体は、消費もされず、また永久的な化学変化も受けないが、その存在が化学反応の速度を増加させる物質を指す。
本発明の種々の実施形態の詳細な説明
本発明は、エポキシド原料から酸無水物を連続生成するための方法を包含する。中でも、本発明は、予想外に高い濃度の酸無水物の存在下で、β−ラクトンを形成するためのエポキシドのカルボニル化を成功裡に行うことができるという本発明者の発見を包含する。この発見により、エポキシドを酸無水物に変換する連続フロープロセスを実施するための新しい効率的な戦略が可能になる。
種々の態様において、本発明は、第1のカルボニル化1の後にβ−ラクトン(例えば、β−プロピオラクトン)、第2のカルボニル化2の後に酸無水物(例えば、無水コハク酸)を生じさせるための、エポキシド化合物(例えば、エチレンオキシド)の2段階カルボニル化1および2の方法を包含する。いくつかの実施形態において、記載される二重カルボニル化反応は、2つの別々の反応ゾーンまたは容器において行われる。これは、主に、第1のカルボニル化反応が、第2のカルボニル化反応と比較してはるかに緩徐な速度で進行するためである。さらに、第2のカルボニル化反応2の動態は、実質的に全てのエポキシドが消費されるまで第2のカルボニル化を開始させない。よって、単一の反応器に対するエポキシドの連続供給は、最終反応生成物である酸無水物の代わりに中間体ラクトン生成物の形成をもたらすに過ぎない。
図1を参照すると、種々の態様において、第1のカルボニル化反応1の生成物は、第1の反応生成物流200である。種々の態様において、第2のカルボニル化反応2の生成物は、第2の反応生成物流300である。酸無水物は、第2の反応生成物流300の他の成分からさらに分離されるか3、または単離される。酸無水物は、限定されないが、ジカルボン酸(例えば、コハク酸)、ジオール(例えば、1,4ブタンジオール)、および環状エーテル(例えば、THF)を含む化合物にさらに変換することができる。いくつかの実施形態において、カルボニル化反応1もしくは2のいずれかまたはその両方が、触媒の存在下で行われる。いくつかの実施形態において、各ステップでエポキシドを一酸化炭素と反応させる。いくつかの実施形態において、触媒は、溶媒中に存在する。下のスキーム1は、本発明の一実施形態における反応順序を示す。
Figure 2015511947
スキーム1
カルボニル化
第1のカルボニル化
図1を参照すると、第1のカルボニル化ステップは、エポキシドおよび任意選択的にカルボニル化触媒を含む原料流100を一酸化炭素と接触させて、エポキシドから形成される第1のカルボニル化生成物を含有する第1の反応生成物流200を提供することによって行われる。いくつかの実施形態において、第1のカルボニル化反応1は、触媒の存在下で行われる。いくつかの実施形態において、第1のカルボニル化反応1は、溶媒中で行われる。いくつかの実施形態において、第1のカルボニル化反応は、相当量の溶解した酸無水物を含有する溶液中で行われる。いくつかの実施形態において、第1のカルボニル化反応は、酸無水物で飽和している溶液中で行われる。
反応物
最初に第1のカルボニル化反応を参照すると、反応物は、エチレンオキシド、酸化プロピレン、または本明細書のクラスおよびサブクラスにおいて言及される他のエポキシドのうちのいずれかを含む種々のエポキシドを、単独でまたは組み合わせて含み得る。
特定の実施形態において、エポキシド出発材料は、式I
Figure 2015511947
を有し、式中、RおよびRは、各々独立して、-H、任意選択的に置換されたC1−6脂肪族、任意選択的に置換されたフェニル、任意選択的に置換されたC1−6ヘテロ脂肪族、任意選択的に置換された3〜6員の炭素環、および任意選択的に置換された3〜6員のヘテロ環からなる群から選択され、RおよびRは、任意選択的に、介在原子と一緒になって、1つ以上のヘテロ原子を任意選択的に含有する3〜6員の置換または非置換の飽和環または不飽和環を形成することができる。
いくつかの実施形態において、Rは、水素である。いくつかの実施形態において、Rは、フェニルである。いくつかの実施形態において、Rは、任意選択的に置換されたC1−6脂肪族である。いくつかの実施形態において、Rは、n−ブチルである。いくつかの実施形態において、Rは、n−プロピルである。いくつかの実施形態において、Rは、エチルである。いくつかの実施形態において、Rは、-CFである。いくつかの実施形態において、Rは、-CHClである。他の実施形態において、Rは、メチルである。
いくつかの実施形態において、Rは、水素である。いくつかの実施形態において、Rは、任意選択的に置換されたC1−6脂肪族である。いくつかの実施形態において、Rは、メチルである。
特定の実施形態において、RおよびRは、介在原子と一緒になって、1つ以上のヘテロ原子を任意選択的に含有する3〜6員の置換または非置換の環を形成する。いくつかの実施形態において、RおよびRは、介在原子と一緒になって、シクロペンチル環またはシクロヘキシル環を形成する。
特定の実施形態において、エポキシドは、エチレンオキシド、酸化プロピレン、1,2−ブチレンオキシド、2,3−ブチレンオキシド、エピクロルヒドリン、シクロへキセンオキシド、シクロペンテンオキシド、3,3,3−トリフルオロ−1,2−エポキシプロパン、スチレンオキシド、グリシジルエーテル、およびグリシジルエステルからなる群から選択される。
特定の実施形態において、エポキシドは、エチレンオキシドである。
特定の実施形態において、エポキシドは、酸化プロピレンである。
特定の実施形態において、第1のカルボニル化反応1は、スキーム2に示す反応を含み、
Figure 2015511947
スキーム2
式中、RおよびRの各々は、上に定義され、かつ本明細書のクラスおよびサブクラスに記載される。
特定の実施形態において、第1のカルボニル化反応1は、スキーム3に示す反応を含み、
Figure 2015511947
スキーム3
式中、Rは、-HおよびC1−6脂肪族からなる群から選択される。
特定の実施形態において、第1のカルボニル化反応1は、スキーム4に示す反応を含む。
Figure 2015511947
スキーム4
特定の実施形態において、第1のカルボニル化反応1は、スキーム5に示す反応を含む。
Figure 2015511947
スキーム5
方法は、一酸化炭素、または一酸化炭素と別のガスとの混合物を含む。いくつかの実施形態において、一酸化炭素は、水素との混合物中に提供される(例えば、合成ガス)。一酸化炭素と水素の比は、1:20〜20:1、具体的には、1:10〜10:1、または1:4〜4:1(限定されないが、1:1、1:2、1:4、1:10、10:1、4:1、もしくは2:1を含む)の任意の比であってもよい。いくつかの実施形態において、一酸化炭素は、他のガスを含有する混合物中に提供される。一酸化炭素の源は、限定されないが、とりわけ、合成ガス、木ガス、発生炉ガス、石炭ガス、都市ガス(towon gas)、都市ガス(manufactured gas)、ハイガス、ドーソンガス、または水性ガスを含む。いくつかの実施形態において、一酸化炭素は、炭化水素(例えば、メタン)を水蒸気改質することによって提供される。一酸化炭素は、水蒸気改質流出液中の他のガスの量を減少させるための圧力スイング吸収によって精製することができる。いくつかの実施形態において、一酸化炭素は、超大気圧で提供される。一酸化炭素の量は、エポキシド出発材料のβ−ラクトンへの効率的な変換を実現するように供給されるべきである。
第2のカルボニル化
図1を参照すると、第2のカルボニル化ステップは、第1の反応生成物流200および任意選択的にカルボニル化触媒を一酸化炭素と接触させて、β−ラクトンから形成される第2のカルボニル化生成物を含有する第2の反応生成物流300を提供することにより行われる。いくつかの実施形態において、第2のカルボニル化反応2は、触媒の存在下で行われる。いくつかの実施形態において、第2のカルボニル化反応2は、溶媒中で行われる。いくつかの実施形態において、第2のカルボニル化反応2は、酸無水物で飽和している溶液中で行われる。
反応物
次に、第2のカルボニル化反応2を参照すると、反応物は、β−プロピオラクトンを含む、第1のカルボニル化反応から生成される種々のラクトンを含み得る。第2のカルボニル化生成物は、無水コハク酸を含む種々の酸無水物を含み得る。いくつかの実施形態において、第2のカルボニル化反応2は、実質的に全てのエポキシド供給原料がラクトンに変換されるまで開始しない。
特定の実施形態において、ラクトン出発材料は、式II
Figure 2015511947
を有し、式中、RおよびRは、各々独立して、-H、任意選択的に置換されたC1−6脂肪族、任意選択的に置換されたフェニル、任意選択的に置換されたC1−6ヘテロ脂肪族、任意選択的に置換された3〜6員の炭素環、および任意選択的に置換された3〜6員のヘテロ環からなる群から選択され、RおよびRは、任意選択的に、介在原子と一緒になって、1つ以上のヘテロ原子を任意選択的に含有する3〜6員の置換または非置換の飽和環または不飽和環を形成することができる。
いくつかの実施形態において、Rは、水素である。いくつかの実施形態において、Rは、フェニルである。いくつかの実施形態において、Rは、任意選択的に置換されたC1−6脂肪族である。いくつかの実施形態において、Rは、n−ブチルである。いくつかの実施形態において、Rは、n−プロピルである。いくつかの実施形態において、Rは、エチルである。いくつかの実施形態において、Rは、-CFである。いくつかの実施形態において、Rは、-CHClである。他の実施形態において、Rは、メチルである。
いくつかの実施形態において、Rは、水素である。いくつかの実施形態において、Rは、任意選択的に置換されたC1−6脂肪族である。いくつかの実施形態において、Rは、メチルである。
特定の実施形態において、RおよびRは、介在原子と一緒になって、1つ以上のヘテロ原子を任意選択的に含有する3〜6員の置換または非置換の環を形成する。いくつかの実施形態において、RおよびRは、介在原子と一緒になって、シクロペンチル環またはシクロヘキシル環を形成する。
いくつかの実施形態において、ラクトンは、アセトラクトン、プロピオラクトン、ブチロラクトン、およびバレロラクトンからなる群から選択される。
いくつかの実施形態において、ラクトンは、β−プロピオラクトンである。
特定の実施形態において、第2のカルボニル化反応2は、スキーム6に示す反応を含む。
Figure 2015511947
スキーム6
特定の実施形態において、第2のカルボニル化反応2は、スキーム7に示す反応を含む。
Figure 2015511947
スキーム7
特定の実施形態において、第2のカルボニル化反応2は、スキーム8に示す反応を含む。
Figure 2015511947
スキーム8
特定の実施形態において、第2のカルボニル化反応2は、スキーム9に示す反応を含む。
Figure 2015511947
スキーム9
第1のカルボニル化反応1と同様に、第2のカルボニル化反応2は、さらなる一酸化炭素、および/または一酸化炭素と他のガスとの混合物を含むことができる。いくつかの実施形態において、一酸化炭素は、水素との混合物中に提供される(例えば、合成ガス)。一酸化炭素と水素の比は、1:20〜20:1、具体的には、1:10〜10:1、または1:4〜4:1(限定されないが、1:1、1:2、1:4、1:10、10:1、4:1、もしくは2:1を含む)の任意の比であってもよい。いくつかの実施形態において、一酸化炭素は、他のガスを含有する混合物中に提供される。一酸化炭素の源は、限定されないが、とりわけ、木ガス、発生炉ガス、石炭ガス、都市ガス(towon gas)、都市ガス(manufactured gas)、ハイガス、ドーソンガス、または水性ガスを含む。いくつかの実施形態において、一酸化炭素は、超大気圧で提供される。一酸化炭素の量は、ラクトン出発材料の酸無水物への効率的な変換を実現するように供給されるべきである。
触媒
特定の実施形態において、カルボニル化触媒は、金属カルボニル錯体を含む。いくつかの実施形態において、金属カルボニル錯体は、一般式[QM(CO)を有し、式中、
Qは、任意の好適な配位子であって、存在する必要はなく、
Mは、金属原子であり、
yは、1〜6の整数(両端を含む)であり、
wは、安定な金属カルボニルを提供するような数であり、
xは、−3〜+3の整数(両端を含む)である。
金属カルボニル錯体が式[QM(CO)を有する特定の実施形態において、Mは、Ti、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ni、Pd、Cu、Zn、Al、GaおよびInからなる群から選択される。特定の実施形態において、Mは、Coである。特定の実施形態において、金属カルボニル錯体は、Co(CO) である。
特定の実施形態において、カルボニル化触媒は、ルイス酸成分をさらに含む。特定の実施形態において、ルイス酸成分は、カチオン性である。いくつかの実施形態において、カルボニル化触媒は、アニオン性金属カルボニル錯体(例えば、xが負の整数である)およびカチオン性ルイス酸成分を含む。特定の実施形態において、金属カルボニル錯体は、カルボニルコバルテートを含み、ルイス酸成分は、金属中心を有するカチオン性ルイス酸を含む。
特定の実施形態において、金属中心を有するカチオン性ルイス酸は、式[M’(L)c+の金属錯体であり、式中、
M’は、金属であり、
各Lは、好適な配位子であり、
bは、1〜6の整数(両端を含む)であり、
cは、1、2、または3であり、
1つより多くのLが存在する場合、各Lは、同じかまたは異なり得る。
いくつかの実施形態において、金属中心を有するルイス酸は、式[M’(L)c+の金属錯体であり、M’は、遷移金属、13族または14族の金属、およびランタニドからなる群から選択される。特定の実施形態において、M’は、遷移金属または13族の金属である。特定の実施形態において、M’は、アルミニウム、クロム、インジウム、およびガリウムからなる群から選択される。特定の実施形態において、M’は、アルミニウムである。特定の実施形態において、M’は、クロムである。特定の実施形態において、M’は、コバルトである。
特定の実施形態において、カルボニル化触媒の金属中心を有するルイス酸成分は、ジアニオン性四座配位子を含む。当該技術分野において多数のそのような配位子が既知であり、本発明は、本明細書で言及される特定の配位子に限定されることを意図するものではない。そのような配位子ならびにそれらの類似体、誘導体および錯体の調製、修飾、および評価は、当業者に周知であり、本明細書に教示される方法は、ルイス酸金属錯体の配位子における変動を伴って展開され得ることを理解されたい。配位子の選択は、配位子の費用、錯体の溶解度、反応条件下における配位子の化学的安定性、配位子を使用する触媒プロセスの反応速度および選択性、ならびに所望のプロセスにおける触媒の生産性および寿命等の要因によって左右される。本明細書の教示および開示に基づくそのような変数の最適化は、ルーティン実験の問題である。
特定の実施形態において、ジアニオン性四座配位子は、ポルフィリン、置換ポルフィリン、サレン、置換サレン、サリチ(salcy)、置換サリチ、サルフ(salph)、置換サルフ、サラン(salan)、置換サラン、ジベンゾテトラメチルテトラアザ[14]アンヌレン(「TMTAA」)、置換TMTAA、フタロシアニネート、置換フタロシアニネート、Trost配位子、および置換Trost配位子からなる群から選択される。
いくつかの実施形態において、ジアニオン性四座配位子は、ポルフィリンである。いくつかの実施形態において、ジアニオン性四座配位子は、置換ポルフィリンである。いくつかの実施形態において、ジアニオン性四座配位子は、ClTPP(メソ−テトラ(4−クロロフェニル)ポルフィリン)である。いくつかの実施形態において、ジアニオン性四座配位子は、TPP(テトラフェニルポルフィリン)である。いくつかの実施形態において、ジアニオン性四座配位子は、OEP(オクタエチルポルフィリン)である。いくつかの実施形態において、ジアニオン性四座配位子は、サレン(N,N’−エチレンビス(サリチルイミン)配位子である。いくつかの実施形態において、ジアニオン性四座配位子は、サルフ(N,N’−ビス(サリチリデン)−o−フェニレンジアミン)配位子である。いくつかの実施形態において、ジアニオン性四座配位子は、サリチ(N,N’−ビス(3,5−ジ−tert−ブチルサリチリデン)−1,2−ジアミノシクロヘキサン)配位子である。
特定の実施形態において、カルボニル化触媒は、ルイス酸成分としてアルミニウムポルフィリン化合物と組み合わせたカルボニルコバルテートを含む。いくつかの実施形態において、カルボニル化触媒は、[(TPP)Al][Co(CO)]を含む。いくつかの実施形態において、カルボニル化触媒は、[(ClTPP)Al][Co(CO)]を含む。いくつかの実施形態において、カルボニル化触媒は、[(OEP)Al][Co(CO)]を含む。いくつかの実施形態において、カルボニル化触媒は、[(ポルフィリン)Al][Co(CO)]を含む。
特定の実施形態において、カルボニル化触媒は、ルイス酸成分としてクロムポルフィリン化合物と組み合わせたカルボニルコバルテートを含む。
特定の実施形態において、カルボニル化触媒は、ルイス酸成分としてクロムサレン化合物と組み合わせたカルボニルコバルテートを含む。いくつかの実施形態において、カルボニル化触媒は、[(サリチ)Cr][Co(CO)]を含む。
特定の実施形態において、カルボニル化触媒は、ルイス酸成分としてクロムサロフェン化合物と組み合わせたカルボニルコバルテートを含む。いくつかの実施形態において、カルボニル化触媒は、[(サルフ)Cr][Co(CO)]を含む。
特定の実施形態において、カルボニル化触媒は、ルイス酸成分としてアルミニウムサレン化合物と組み合わせたカルボニルコバルテートを含む。特定の実施形態において、カルボニル化触媒は、ルイス酸成分としてアルミニウムサロフェン化合物と組み合わせたカルボニルコバルテートを含む。特定の実施形態において、カルボニル化触媒は、ルイス酸成分として置換アルミニウムサロフェン化合物と組み合わせたカルボニルコバルテートを含む。いくつかの実施形態において、カルボニル化触媒は、[(サルフ)Al][Co(CO)]を含む。いくつかの実施形態において、カルボニル化触媒は、[(サリチ)Al][Co(CO)]を含む。
特定の実施形態において、カルボニル化触媒は、ルイス酸成分としてクロムポルフィリン化合物と組み合わせたカルボニルコバルテートを含む。いくつかの実施形態において、カルボニル化触媒は、[(TPP)Cr][Co(CO)]を含む。いくつかの実施形態において、カルボニル化触媒は、[(ClTPP)Cr][Co(CO)]を含む。いくつかの実施形態において、カルボニル化触媒は、[(OEP)Cr][Co(CO)]を含む。いくつかの実施形態において、カルボニル化触媒は、[(ポルフィリン)Cr][Co(CO)]を含む。
特定の実施形態において、カルボニル化触媒は、1つ以上の電子供与基をさらに含む。特定の実施形態において、そのような電子供与基は、溶媒分子である。いくつかの実施形態において、電子供与基は、触媒またはその一部が合成された溶媒分子である。特定の実施形態において、電子供与基は、エーテルである。特定の実施形態において、電子供与基は、THFである。特定の実施形態において、電子供与基は、1,4−ジオキサンである。
いくつかの実施形態において、各カルボニル化反応は、異なるカルボニル化触媒を用いる。そのような実施形態において、反応系は、カルボニル化反応の間に、第1のカルボニル化触媒が除去される中間ステップを含んでもよい。そのような実施形態において、反応系は、カルボニル化反応の間に、第2のカルボニル化触媒が加えられる中間ステップを含んでもよい。いくつかの実施形態において、第1のカルボニル化反応は、反応に存在する両方のカルボニル化触媒を用いて進行する。いくつかの実施形態において、第2のカルボニル化反応は、反応に存在する両方のカルボニル化触媒を用いて進行する。
溶媒
溶媒(すなわち、反応溶媒)に関して、本発明の方法は、溶媒の存在によって改善されることが分かっている。いくつかの実施形態において、溶媒は、低極性〜中極性である。いくつかの実施形態において、溶媒は、エポキシドを完全に溶解して、用いられる触媒が少なくとも部分的に溶解する反応混合物を提供する。さらに、特定の実施形態において、溶媒は、反応性官能基(例えば、アミン、アルコール、酸性水素原子、塩基性窒素原子等)を有しない。
いくつかの実施形態において、溶媒は、ルイス塩基を含む。本明細書において使用されるルイス塩基という用語は、電子対を供与することが可能な任意の求核種を指し、その例として酸素原子(例えば、エーテル、ケトン、エステル、炭酸塩等)、アミド、ニトリル、ホスフィン等が挙げられる。いくつかの実施形態において、好適な溶媒の存在は、ポリマー副生成物の形成を抑制することができ、場合によっては、反応の速度および/または収率を増加させることができる。
特定の実施形態において、ルイス塩基はエポキシドとは異なる。他の実施形態において、ルイス塩基はエポキシドである(すなわち、ニートのエポキシドにおいて反応が行われる)。実際、非エポキシド溶媒の使用は、より高い収率をもたらし得るが、我々は、特定の触媒により、ニートのエポキシドにおいて二重カルボニル化を達成できることを発見した。
特定の実施形態において、使用される溶媒は、エポキシドを完全に溶解し、用いられる触媒が少なくとも部分的に溶解する反応混合物を提供する。好適な溶媒は、エーテル、ケトン、芳香族炭化水素、ハロカーボン、エステル、ニトリル、およびいくつかのアルコールを含んでもよい。例えば、限定されないが、好適な溶媒は、1,4−ジオキサン、1,3−ジオキサン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジメトキシエタン、グリム、ジエチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、2,5−ジメチルテトラヒドロフラン、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、アセトン、2−ブタノン、シクロヘキサノン、トルエン、アセトニトリル、およびジフルオロベンゼンを含んでもよい。いくつかの実施形態において、溶媒は、1,4−ジオキサン、トルエン、および/またはジメトキシエタンを含む。一実施形態において、溶媒は、1,4−ジオキサンを含む。上記溶媒のうちの2つ以上の混合物もまた有用であり、場合によっては、単一の溶媒よりも好ましい場合がある。例えば、トルエンと1,4−ジオキサンとの混合物が有用である。
特定の実施形態において、低極性〜中極性(20℃での誘電率によって決定される)のルイス塩基が、極性溶媒を上回って反応の性能を向上させることを発見した。よって、特定の実施形態において、溶媒は、1,3−ジオキサン(ε=20℃での誘電率=13.6)よりも極性の低いルイス塩基を含んでもよい。特定の実施形態において、溶媒は、オルト−ジフルオロベンゼン(ε=13)よりも極性の低いルイス塩基を含む。特定の実施形態において、溶媒は、メタ−ジフルオロベンゼン(ε=5)よりも極性の低いルイス塩基を含む。特定の実施形態において、溶媒は、1,4−ジオキサン(ε=2.2)と実質的に同じ極性のルイス塩基を含む。特定の実施形態において、溶媒は、約1〜約4の極性(ε)を有するルイス塩基を含む。特定の実施形態において、溶媒は、約1.5〜約3.5の極性(ε)を有するルイス塩基を含む。特定の実施形態において、溶媒は、約2〜約3の極性(ε)を有するルイス塩基を含む。特定の実施形態において、溶媒は、約2の極性(ε)を有するルイス塩基を含む。特定の実施形態において、溶媒は、約2〜約2.4の極性(ε)を有するルイス塩基を含む。
特定の実施形態において、我々は、低〜中程度の電子供与性のルイス塩基が、供与性の強いルイス塩基を上回って反応の性能を向上させることを発見した。よって、特定の実施形態において、溶媒は、テトラヒドロフランよりも電子供与性の低いルイス塩基を含んでもよい。特定の実施形態において、溶媒は、2−メチルテトラヒドロフランよりも電子供与性の低いルイス塩基を含んでもよい。特定の実施形態において、溶媒は、2,5−ジメチルテトラヒドロフランよりも電子供与性の低いルイス塩基を含んでもよい。特定の実施形態において、溶媒は、ジフルオロベンゼンよりも電子供与性の高いルイス塩基を含んでもよい。特定の実施形態において、溶媒は、トルエンよりも電子供与性の高いルイス塩基を含んでもよい。特定の実施形態において、溶媒は、1,4−ジオキサンと実質的に同じ電子供与性のルイス塩基を含んでもよい。
1,4−ジオキサンは、実施例に記載される種々の触媒と組み合わせて使用された時に、特に高い収率の無水物を生成すると考えらえるが、他の溶媒および溶媒の混合物(明示的に開示されていない溶媒および混合物を含む)がこれらの触媒とともに使用されてもよいことを理解されたい。それらの組み合わせのいくつかは、より低い収率をもたらす場合があるが、それらは本発明の範囲内に留まる。また、本発明は、決して、本出願中に例示される代表的な触媒に限定されるものではないことも理解されたい。具体的には、触媒および溶媒の適切な選択によって高収率の二重カルボニル化が可能であることを証明したため、当業者は、我々の教示が他の触媒/溶媒の組み合わせに一般化され得ることを認識するであろう。
一般に、高度に極性の反応性またはプロトン性の溶媒は、本発明のプロセスにとっては低品質であるかまたは不適切である。低品質な溶媒は、イオン液体、塩素化炭化水素、スルホラン、ジメチルスルホキシド、ホルムアミド、ピリジン等を含む。
溶媒は、好ましくは、約0.1M〜約20M、例えば、約0.1M〜約5M、または約0.5M〜約2Mのエポキシド濃度を達成するのに十分な量で加えられる。
反応条件
各カルボニル化反応の条件は、エポキシドのβ−ラクトンへの変換およびβ−ラクトンの酸無水物への変換を実現するための多くの要因に基づいて、独立して選択される。温度、圧力、および反応時間が、反応の速度および効率に影響する。さらに、反応物の互いに対する比、および触媒に対する比も、反応の速度および効率に影響を及ぼす。いくつかの実施形態において、2つの反応の間の条件は同一である。いくつかの実施形態において、2つの反応の間の条件は異なる。
いくつかの実施形態において、いずれかの反応温度は、独立して、約−20℃〜約600℃の範囲であってもよい。いくつかの実施形態において、反応温度は、約−20℃、約0℃、約20℃、約40℃、約60℃、約80℃、約100℃、約200℃、約300℃、約400℃、約500℃、または約600℃である。いくつかの実施形態において、反応物、触媒、および溶媒は、標準温度で反応器に供給され、次いで、反応器内で加熱される。いくつかの実施形態において、反応物は、反応器に入る前に予熱される。いくつかの実施形態において、反応物は、反応器に入る前に冷却される。
温度の影響を検討すると、特定の実施形態において、反応温度が本発明のプロセスの速度および結果に影響を及ぼすことが分かった。より高い温度では、反応は、より低い温度の時よりも迅速に進行するが、反応副生成物を形成する傾向が高くなり得る。
いくつかの実施形態において、反応圧力は、約50psig〜約5000psigの範囲であってもよい。いくつかの実施形態において、反応圧力は、約100psig、約200psig、約300psig、約400psig、約500psig、約600psig、約700psig、約800psig、約900psig、または約1000psigである。いくつかの実施形態において、圧力は、約50psig〜約2000psigの範囲である。いくつかの実施形態において、圧力は、約100psig〜1000psigの範囲である。いくつかの実施形態において、圧力は、約200psig〜約800psigの範囲である。いくつかの実施形態において、圧力は、約1000psig〜約5000psigの範囲である。いくつかの実施形態において、圧力は、約1000psig〜約3000psigの範囲である。いくつかの実施形態において、圧力は、約3000psig〜約5000psigの範囲である。いくつかの実施形態において、反応圧力は、一酸化炭素によって全体的に供給される。例えば、反応物、触媒、および溶媒は、大気圧で、または真空下で反応器に投入され、一酸化炭素は、圧力を反応圧力まで上昇させるように反応器に加えられる。いくつかの実施形態において、全ての反応物、溶媒、および触媒は、反応圧力で反応器に供給される。
任意選択的に、反応が行われる雰囲気は、他のガスを含むことができる。そのような他のガスは、例えば、水素、メタン、窒素、二酸化炭素、空気、および微量の水蒸気を含むことができる。本発明はまた、上述のように、他の一酸化炭素含有ガス流が、反応が行われる雰囲気を提供するプロセスも具体的に包含する。比較的高い一酸化炭素圧で反応を行うことにより、より高い反応温度で望ましくない副生成物を最小限に抑えることができる。したがって、場合によっては、最適温度は、反応が行われる圧力に依存する。例えば、約400psiを超える高い一酸化炭素圧では、反応には高温が有利であることが分かった(例えば、最高で約120℃まで)。場合によっては、約40℃から約80℃の範囲の温度で反応が行われてもよい。副生成物の形成を回避するために、低温(例えば、<0℃)の間に反応混合物をCOで加圧してもよく、COが反応混合物と接触できるようになった後にのみ、加熱が導入される。副生成物の最小化が所望される場合、混合物を加熱する前に一定期間(例えば、加熱の前に少なくとも5分)、CO圧が印加されてもよい。
いくつかの実施形態において、反応が経済的かつ時間的に実現可能な様式で進行するように、エポキシドまたはラクトンに対する触媒の比は、他の反応条件に基づいて選択される。いくつかの実施形態において、エポキシドに対する触媒の比は、モルベースで約1:10000〜約1:5、約1:5000〜約1:10、または約1:1000〜約1:100である。いくつかの実施形態において、エポキシドに対する触媒の比は、モルベースで約1:10000である。いくつかの実施形態において、エポキシドに対する触媒の比は、約1:5000であり、約1:2500であり、約1:2000であり、約1:1500であり、約1:1000であり、約1:750であり、約1:500であり、約1:250であり、約1:200であり、約1:150であるか、または約1:100である。いくつかの実施形態において、エポキシドの濃度は、約0.1M〜約5.0Mの範囲内である。いくつかの実施形態において、エポキシドの濃度は、約0.5M〜約3.0Mの範囲内である。
いくつかの実施形態において、触媒は、都合のよい時間間隔(例えば、約24時間未満、例えば、約3時間未満)で反応プロセスを終了させるのに十分な量で存在することが好ましい。実量で、これは、エポキシド基質に基づいて約0.0001モルパーセント〜約20モルパーセントの範囲の触媒負荷を必要とし得る。特定の実施形態において、触媒負荷は、約0.0001モルパーセント〜約1モルパーセント、例えば、約0.0001モルパーセント〜約0.1モルパーセント、または約0.0001モルパーセント〜約0.01モルパーセントの範囲であってもよい。特定の実施形態において、触媒負荷は、約0.001モルパーセント〜約20モルパーセント、例えば、約0.1モルパーセント〜約1モルパーセント、または約0.067モルパーセント〜約5モルパーセントの範囲であってもよい。いくつかの実施形態において、触媒負荷は、エポキシド基質に基づいて約0.154モルパーセント未満である。1つのそのような実施形態において、エポキシドは、エチレンオキシドである。
いくつかの実施形態において、第1のカルボニル化反応1は、エポキシドのβ−ラクトンに対する完全な、ほぼ完全な反応を可能にするのに十分な期間維持されるか、または反応動態およびもしくは反応条件に基づいて可能な限り完全に維持される。いくつかの実施形態において、反応時間は、約12時間、約8時間、約6時間、約3時間、約2時間、約1時間、約0.5時間、約10分間、約5分間、または約1分間維持される。いくつかの実施形態において、反応時間は、第1のカルボニル化反応器110内の滞留時間として確立される。反応は、反応器の温度もしくは圧力を低下させること、特定の反応物を取り出すこと、または反応停止化合物を導入することによって停止することができる。反応は、任意の時点で、またはβ−ラクトンに対するエポキシドの任意の変換率で停止されてもよい。例えば、反応は、エポキシドの50%がβ−ラクトンに変換された時、またはエポキシドの供給が枯渇し、ほぼ全体がβ−ラクトンに変換された時に停止されてもよい。
特定の実施形態において、第1のカルボニル化反応1が定常条件下で行われる場合、反応器は、供給されたエポキシドが、β−ラクトンに対するエポキシドの完全なまたはほぼ完全な反応を可能にするのに十分な反応器内の滞留時間を有するような反応条件下で、供給され、維持される。いくつかの実施形態において、滞留時間は、約12時間、約8時間、約6時間、約3時間、約2時間、約1時間、約0.5時間、約10分間、約5分間、または約1分間である。
いくつかの実施形態において、第2のカルボニル化反応2は、β−ラクトンの酸無水物に対する完全な、ほぼ完全な反応を可能にするのに十分な期間維持されるか、または反応動態およびもしくは反応条件に基づいて可能な限り完全に維持される。いくつかの実施形態において、反応時間は、約12時間、約8時間、約6時間、約3時間、約2時間、約1時間、約0.5時間、約10分間、約5分間、または約1分間維持される。いくつかの実施形態において、反応時間は、第2のカルボニル化反応器210内の滞留時間として確立される。反応は、反応器の温度もしくは圧力を低下させること、特定の反応物を取り出すこと、または反応停止化合物を導入することによって停止することができる。反応は、任意の時点で、または酸無水物に対するβ−ラクトンの任意の変換率で停止されてもよい。例えば、反応は、β−ラクトンの50%が酸無水物に変換された時、またはβ−ラクトンが枯渇した時に停止されてもよい。
カルボニル化反応生成物
上述のように、第1のカルボニル化反応1の第1の反応生成物は、β−ラクトン(例えば、β−プロピオラクトン、β−ブチロラクトン)である。さらに、反応生成物流200は、他の反応副生成物、未反応の反応物、ならびに触媒および溶媒を含有してもよい。いくつかの実施形態において、未反応の反応物は、エポキシドまたは一酸化炭素を含む。そのため、反応は、完了まで進行しなくてもよく、部分的な反応であると見なされてもよい。
いくつかの実施形態において、第1のカルボニル化反応1において、未反応のエポキシドの量は、酸無水物(例えば、無水コハク酸)の形成を防止するのに十分である。特定の理論に拘束されるものではないが、第2のカルボニル化反応2(例えば、β−プロピオラクトンを無水コハク酸に変換する)は、実質的に全てのエポキシドが消費されない場合は進行しないと推察される。よって、未反応な状態で出てくる第1のカルボニル化反応器110への少量のエポキシド供給が、無水コハク酸の形成を妨げると考えられる。いくつかの実施形態において、第1の反応生成物流200は、約5重量%未満のエポキシド、約3重量%未満のエポキシド、約1重量%未満のエポキシド、または約0.1重量%未満を含有する。
いくつかの実施形態において、第1のカルボニル化反応1からの副生成物の形成は、以下の化合物のうちの1つ以上の形成を含む:クロトンアルデヒド、アクリル酸、1,4ジオキサン、アクリル酸二量体および三量体、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2,5ヘキサンジエナール、3−オキサカプロラクトン、ジエチレングリコールモノアクリレート、3−ヒドロキシプロピオン酸、ジエチレングリコールジアクリレート、5−バレロラクトン、ならびに/または2,6−ジメチル−1,3−ジオキサン−4−オール。
上述のように、第2のカルボニル化反応2の第2の反応生成物は、酸無水物(例えば、無水コハク酸)である。さらに、第2の反応生成物流300は、他の反応副生成物、未反応の反応物、ならびに触媒および溶媒を含有してもよい。いくつかの実施形態において、未反応の反応物は、β−ラクトン、エポキシド、または一酸化炭素を含む。そのため、反応は、完了まで進行しなくてもよく、部分的な反応であると見なされてもよい。
反応様式
いくつかの実施形態において、第1のカルボニル化反応1は、連続操作で行われる。反応容器は、第1の反応器および第2の反応器と称されるが、同じ反応容器内の2つの異なる反応ゾーンで2つの反応が生じることが企図される。例えば、1つの連続容積内に2つの異なる反応ゾーンを有する管状またはプラグフロー反応器である。反応物は、第1のカルボニル化反応器110に連続的に供給される。いくつかの実施形態において、第1のカルボニル化反応器110は撹拌され、いくつかの実施形態において、第1のカルボニル化反応器110内で混合は行われない。いくつかの実施形態において、第1のカルボニル化反応器110は、ガス吸込インペラ―を含む。反応物は、標準的な温度および/または圧力で第1のカルボニル化反応器110に供給されてもよく、次いで、第1のカルボニル化反応器110に入ってから、反応条件まで加熱または加圧されてもよい。第1のカルボニル化反応器110自体は、限定されないが、連続撹拌タンク反応器または管状反応器を含む、連続操作に貢献するいずれの反応器であってもよい。いくつかの実施形態において、第1のカルボニル化反応器110は、断熱反応器および/または等温反応器である。いくつかの実施形態において、反応器の圧力は一定である。いくつかの実施形態において、反応器の圧力は、反応が進むにつれて変化する。いくつかの実施形態において、反応器の温度は、反応が進むにつれて変化する。いくつかの実施形態において、反応は、バッチ操作で行われる。当業者は、所与の反応結果を達成するために、温度、圧力、触媒比、反応物、触媒、および溶媒の濃度、流量を最適化するかまたは変化させることができることを理解するであろう。
いくつかの実施形態において、第2のカルボニル化反応2は、連続操作で行われる。反応物は、第2のカルボニル化反応器210に連続的に供給される。いくつかの実施形態において、第2のカルボニル化反応器210は撹拌され、いくつかの実施形態において、第2のカルボニル化反応器210内で混合は行われない。いくつかの実施形態において、第2のカルボニル化反応器210は、ガス吸込インペラ―を含む。いくつかの実施形態において、第2のカルボニル化反応器210は、プラグフロー反応器である。反応物、第1の反応生成物流200は、標準的な温度および/または圧力で第2のカルボニル化反応器210に供給されてもよく、次いで、第2のカルボニル化反応器210に入ってから、反応条件まで加熱または加圧されてもよい。反応物、第1の反応生成物流200は、第1のカルボニル化反応1の操作の温度および圧力と等しい温度および圧力で、第2のカルボニル化反応器210に供給されてもよい。反応物、第1の反応生成物流200は、第2のカルボニル化反応2の操作の温度および圧力と等しい温度および圧力で、第2のカルボニル化反応器210に供給されてもよい。反応物、第1の反応生成物流200は、第1のまたは第2のカルボニル化反応の温度または圧力の間、上、または下のいずれの温度で第2のカルボニル化反応器210に供給されてもよい。いくつかの実施形態において、第1の反応生成物流200へのより多くの一酸化炭素の添加は、第2のカルボニル化反応2の開始、または第2のカルボニル化反応器210の開始を明確に区別する。
第2のカルボニル化反応器210自体は、限定されないが、連続式撹拌タンク反応器または管状反応器(例えば、プラグフロー反応器)を含む、連続操作に貢献するいずれの反応器であってもよい。いくつかの実施形態において、第2のカルボニル化反応器210は、断熱反応器および/または等温反応器である。いくつかの実施形態において、反応器の圧力は一定である。いくつかの実施形態において、反応器の圧力は、反応が進むにつれて変化する。いくつかの実施形態において、反応器の温度は、反応が進むにつれて変化する。いくつかの実施形態において、反応は、バッチ操作で行われる。当業者は、所与の反応結果を達成するために、温度、圧力、触媒比、反応物、触媒、および溶媒の濃度、流量を最適化するかまたは変化させることができることを理解するであろう。
いくつかの実施形態において、上述のように、種々の個々の反応生成物、または第2の反応生成物流300全体さえも、リサイクル流500として第1のカルボニル化反応器110または原料流100にリサイクルすることができる。いくつかの実施形態において、後述のように、反応生成物は、少なくとも2つの流れに分離される。一般に、少なくとも一方の流れは、溶媒および触媒の少なくとも大部分を含み、他方の流れは、酸無水物生成物の少なくとも大部分を含有する。これらの流れのいずれかまたは両方を、分離ステップ3を行うかまたは行わずに、第1のカルボニル化反応1の出口にリサイクルすることができる。
いくつかの実施形態において、触媒および/または溶媒流は、原料流にまたは第1のカルボニル化反応器110にリサイクルされる。いくつかの実施形態において、第1のカルボニル化反応器110または原料流100にリサイクルされる第2の反応生成物流300からの溶媒および/または触媒の部分は、約0%〜約100%の範囲である。いくつかの実施形態において、第1のカルボニル化反応器110または原料流100にリサイクルされる第2の反応生成物流300からの溶媒および/または触媒の一部は、約100%、約90%、約80%、約70%、約60%、約50%、約40%、約30%、約20%、約10%、約0%である。いくつかの実施形態において、溶媒と比較して、異なる割合の触媒がリサイクルされる:すなわち、触媒または溶媒成分のいずれかの割合は、等しくなくてもよい。
いくつかの実施形態において、触媒および/または溶媒の一部は、廃棄物510としてリサイクル流500から取り出される。廃棄物510として取り出される触媒および/または溶媒の部分は、第1の反応生成物流200中の全触媒および/または溶媒と比較して、約0%〜約90%の範囲であってもよい。廃棄物510として取り出される触媒および/または溶媒の部分は、第1の反応生成物流200中の全触媒および/または溶媒と比較して、約90%、約80%、約70%、約60、約50%、約40%、約30%、約20%、約10%、約5%、約1%、約0.5%、または約0.1%であってもよい。廃棄物510として取り出される触媒および/または溶媒の部分は、第1の反応生成物流200中の全触媒および/または溶媒と比較して、10%未満、5%未満、3%未満、2%未満、1%未満、0.5%未満、0.25%未満、0.1%未満であってもよい。
いくつかの実施形態において、カルボニル化反応が持続することを確実にするために、未使用の触媒およびまたは溶媒600が、リサイクル流500または原料流100のいずれかに供給される。加えられる溶媒およびまたは触媒は、反応中に失われた、廃棄物510として取り出された、生成物流中に引き込まれた、または使い果たされ、もはや有用ではない溶媒および/または触媒を補うことができる。加えられる触媒および/または溶媒の部分は、反応生成物流中の全触媒および/または溶媒と比較して、約0%〜約100%の範囲であってもよい。加えられる溶媒およびまたは触媒の部分は、第1の反応生成物流200中の全触媒および/または溶媒と比較して、約100%、約90%、約80%、約70%、約60、約50%、約40%、約30%、約20%、または約10%であってもよい。
いくつかの実施形態において、第2の反応生成物流300は、第1のカルボニル化反応器110または反応物原料流100にリサイクルされる。後述するように、酸無水物生成物流400は、一般に、第2の反応生成物流300から分離される。いくつかの実施形態において、分離された酸無水物生成物流400は、第2の反応生成物流300の一部に由来し、残りの第2の反応生成物流300は、原料流100または第1のカルボニル化反応器110にリサイクルされて戻される。いくつかの実施形態において、カルボニル化反応器または原料流にリサイクルされた第2の反応生成物流300の部分は、約0%〜約100%の範囲である。いくつかの実施形態において、第1のカルボニル化反応器110または原料流100にリサイクルされた第2の反応生成物流300からの酸無水物の部分は、約100%、約90%、約80%、約70%、約60%、約50%、約40%、約30%、約20%、約10%、約0%である。いくつかの実施形態において、第1または第2の反応生成物流200および300のいずれかまたは両方における酸無水物の割合が規定のレベルに達するまで、第2の反応生成物流300の100%が、第1のカルボニル化反応器110または原料流100にリサイクルされる。いくつかの実施形態において、規定のレベルは、約5%〜約75%である。いくつかの実施形態において、規定のレベルは、約5%、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、または約75%である。いくつかの実施形態において、そのレベルは、各流れのまたは第1もしくは第2のカルボニル化反応器110および210の所与の条件における、原料流100、第1または第2の反応生成物流200または300中の酸無水物の飽和である。
カルボニル化ステップは、第1の反応生成物流200中にいずれの酸無水物も存在しない状態で開始してもよい。カルボニル化の開始後、カルボニル化ステップから生成された酸無水物は、反応中に第2の反応生成物流300中に蓄積してもよく、いくつかの実施形態において、第2の反応生成物流300中の酸無水物の含有量が閾値に達するまで、酸無水物は第2の反応生成物流300から分離されない。特定の実施形態において、閾値は、約5〜約10重量%である。特定の実施形態において、閾値は、約10%〜約20重量%である。特定の実施形態において、閾値は、約20%〜約30重量%である。特定の実施形態において、閾値は、約30%〜約40重量%である。特定の実施形態において、閾値は、約40%〜約50重量%である。特定の実施形態において、閾値は、約50%〜約60重量%である。特定の実施形態において、上述のように、閾値は、第1または第2のカルボニル化反応1または2のいずれかの条件下における、反応生成物流200または300中いずれかの酸無水物の飽和である。
分離
いくつかの実施形態において、本発明は、第2の反応生成物流300からの酸無水物生成物流400の分離ステップ3を含む。分離は、限定されないが、固液、気液、および液液分離技術を含む、様々な分離手段によって達成され得る。いくつかの実施形態において、分離ステップ3で分離される酸無水物生成物流400の部分は、第2の反応生成物流300の約0%〜約100%である。上述のように、分離ステップ3は、溶媒、触媒、および/または酸無水物を含むリサイクル流500と、酸無水物を含む酸無水物400とを生じさせる。いくつかの実施形態において、分離により、反応触媒の全てまたはほぼ全てがリサイクル流500中に滞留する。
いくつかの実施形態において、原料流100と併せられる前、または第1のカルボニル化反応器110に加えられる前に、リサイクル流500が処理される。リサイクル流500の種々の処理は、限定されないが、濾過、加熱、冷却、濃縮、およびこれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、原料流100と併せられる前、または第1のカルボニル化反応器110に加えられる前に、エポキシドがリサイクル流500に加えられる。いくつかの実施形態において、リサイクル流500中で触媒が濃縮される。いくつかの実施形態において、触媒は、リサイクル流500中で沈殿する程度まで濃縮される。
いくつかの実施形態において、分離ステップ3は、第2の反応生成物流300から固体酸無水物を分離することを含む。いくつかの実施形態において、分離ステップ3は、第2の反応生成物流300を、該生成物流中で最初に溶解した酸無水物の少なくとも一部がもはや溶解しない条件に曝露することを含む。いくつかの実施形態において、この曝露は、第2の反応生成物流300の温度を低下させること、第2の反応生成物流300の圧力を低下させること、および/または第2の反応生成物流300中の一酸化炭素の分圧を低下させることを含む。
いくつかの実施形態において、第2の反応生成物流300の温度は、分離ステップ3において約1℃〜600℃低下する。いくつかの実施形態において、第2の反応生成物流300の温度は、分離ステップ3において、約5℃〜約100℃、約10℃〜約50℃、約20℃〜約40℃、または約40℃〜約80℃低下する。いくつかの実施形態において、第2の反応生成物流300の温度は、分離ステップ3において、約1℃、約2℃、約3℃、約4℃、約5℃、約10℃、約15℃、約20℃、約40℃、約60℃、約80℃、約100℃、約200℃、約300℃、約400℃、約500℃、または約600℃低下する。
いくつかの実施形態において、第2の反応生成物流300の温度低下は、反応温度から(絶対尺度で)1%〜約99%の温度低下である。いくつかの実施形態において、第2の反応生成物流300の温度は、第2のカルボニル化反応2の温度の約1%、約2%、約5%、約10%、約20%、約25%、約30%、約40%、約50%、約60%、約75%、約80%、約90%、約95%、または約99%である。
いくつかの実施形態において、第2の反応生成物流300の一酸化炭素の圧力または分圧は、分離ステップ3において約1psig〜約5000psig低下する。いくつかの実施形態において、第2の反応生成物流300の一酸化炭素の全圧力または分圧は、約1psig、約5psig、約10psig、約20psig、約50psig、約75psig、約100psig、約200psig、約300psig、約400psig、約500psig、約600psig、約700psig、約800psig、約900psig、約1000psig、約2000psig、約3000psig、約4000psig、または約5000psig低下する。
いくつかの実施形態において、第2の反応生成物流300の圧力(または一酸化炭素の分圧)の低下は、反応圧力(またはCOの分圧)から(絶対尺度で)1%〜約99.9%の圧力低下(またはCOの分圧)である。いくつかの実施形態において、第2の反応生成物流300の圧力は、第2のカルボニル化反応2の圧力(またはCOの分圧)の約1%、約2%、約5%、約10%、約20%、約25%、約30%、約40%、約50%、約60%、約75%、約80%、約90%、約95%、約99%、約99.5%、約99.8%、または約99.9%である。
固液分離
いくつかの実施形態において、分離ステップ3は、第2の反応生成物流300に成分を加えることを含む。特定の実施形態において、この成分は、生成物流中で溶解した酸無水物の溶解度の低下を引き起こし、酸無水物の沈殿をもたらす。いくつかの実施形態において、加えられる成分は、酸無水物のための結晶化核剤である。特定の実施形態において、結晶化核剤は、固体酸無水物を含む。
いくつかの実施形態において、第2の反応生成物流300は、特定の反応条件および反応器出口条件で酸無水物の飽和点付近であるかまたは飽和点を上回る。いくつかの実施形態において、酸無水物の分離は、第2の反応生成物流300の温度を低下させることによって達成される。第2の反応生成物流300は、この実施形態において酸無水物の飽和点付近であるかまたは飽和点であるため、比較的緩徐な温度の変化、または代替として圧力の低下により、酸無水物の一部を結晶化させるかまたは第2の反応生成物流300から沈殿させることができる。
いくつかの実施形態において、分離方法は、結晶化、濾過、または沈降である。分離は、限定されないが、蒸発冷却結晶化、冷却結晶化、フラッシュドラム、乾燥、濾過、およびこれらの技術の組み合せを含む様々な技術を用いて達成することができる。いくつかの実施形態において、技術および必要な機器は以下を含む:混合懸濁、混合生成物除去、強制循環蒸発晶析装置、ドラフトチューブ晶析装置、表面冷却晶析装置、直接接触冷却析装置、分級型懸濁晶析装置、混合懸濁−分級型生成物除去晶析装置、オスロ型晶析装置、表面掻取式晶析装置、バッチまたはセミバッチ晶析装置、再加圧−蒸発晶析装置。選択は、求められる結晶サイズ、およびプロセスフロー条件に一部基づく。
濾過が固液分離技術である特定の実施形態において、濾過は、一酸化炭素圧下で行われる。理論に拘束されるものでも、また請求される発明の範囲を限定するものでもないが、本明細書に記載されるカルボニル化触媒は、COの非存在下で分解し得ると考えられる。したがって、COの相当な圧力を維持する条件下における濾過は、触媒の寿命およびプロセスの総生産性に有利であり得る。特定の実施形態において、濾過は、約15psi〜約5000psiの範囲のCO圧で行われる。特定の実施形態において、濾過は、約15psi〜約1200psi、約60psi〜約800psi、約100psi〜約600psi、約200psi〜約600psi、または約50psi〜約500psiの範囲のCO圧下で行われる。
濾過が固液分離技術であるいくつかの実施形態において、限定されないが、回転ドラムフィルター、フィルタープレス、ディスクフィルター、および真空フィルターを含む、連続濾過の方法および機器を使用することができる。機器および操作条件の選択は、流量、粘性、温度、および圧力、ならびに最終生成物の所望の特性に一部依存する。
気液分離
いくつかの実施形態において、分離ステップ3は、気相で酸無水物を分離すること(例えば、蒸留、フラッシング等)を含む。いくつかの実施形態において、第2の反応生成物流300中の溶媒は、酸無水物よりも低い蒸気圧を有する。この場合、酸無水物生成物は、第2の反応生成物流300を加熱し、第2の反応生成物流300を煮沸して酸無水物を取り除くことによって分離される。付加的にまたは代替的に、酸無水物生成物は、第2の反応生成物流300の圧力を低下させることによっても分離される。
液液分離
いくつかの実施形態において、酸無水物の分離は、液液抽出を通して達成される。抽出プロセスは、第2の反応生成物流300を2つの非混合性溶媒に分配することを含む。抽出において、酸無水物の一部が、一方の溶媒に分配され、他方の溶媒が、少なくとも反応触媒を含有する。いくつかの実施形態において、抽出後、酸無水物生成物を含有する溶媒は酸無水物生成物流400であり、触媒を含有する流れはリサイクル流500である。
いくつかの実施形態において、溶媒のうちの1つは、反応溶媒であるか、または反応溶媒を含む。いくつかの実施形態において、抽出を介した分離ステップ3のために唯一の溶媒が加えられる。いくつかの実施形態において、リサイクル流500は、反応溶媒を含有する。いくつかの実施形態において、リサイクル流500は、反応溶媒を含み、他の加えられた溶媒は、酸無水物を含む。
いくつかの実施形態において、抽出溶媒の一方または両方はイオン液体である。いくつかの実施形態において、溶媒のうちの1つは水性溶媒である。いくつかの実施形態において、抽出は向流抽出であり、いくつかの実施形態において、抽出は並流抽出である。いくつかの実施形態において、抽出は多段抽出である。ここでも同様に、上述のように、リサイクル流500は、抽出後ではあるが、原料流100と併せられる前、または第1のカルボニル化反応器110に加えられる前に、さらに処理されてもよい。
いくつかの実施形態において、分離ステップ3の後、酸無水物生成物流400は、さらなるプロセシング、精製、または処理に供される。いくつかの実施形態において、さらなるプロセシングは、酸無水物をさらに単離する。酸無水物生成物流400の温度または圧力を増加または低下させてもよい。酸無水物生成物流400は、さらなる反応または生成物の保存のために、酸無水物生成物流400を調製するように濾過または別様に処理されてもよい。
ジカルボン酸またはさらなる生成物への変換
酸無水物生成物流400は、酸無水物をジカルボン酸に変換するためのさらなる反応を受けてもよい4。ジカルボン酸への変換のための反応化学は周知であり、ジカルボン酸生成物700を生成するために、高温での酸無水物と水との反応を含んでもよい。
付加的に、または代替として、酸無水物生成物流400は、他の有用な化合物に変換するためのさらなる反応を受けてもよい。具体的には、コハク酸に加えて、限定されないが、1,4ブタンジオール(BDO)、THF、またはγ−ブチロラクトン(GBL)を含む4炭素化合物が、最終反応生成物として企図される。4炭素化合物の生成のために好適な反応スキームは、これらの化合物への既知の経路で原料として用いられる無水マレイン酸の代わりに無水コハク酸を使用することにより達成することができる。例えば、1,4ブタンジオールは、現在、無水マレイン酸とメタノールとの反応、および無水物‐メタノール反応の中間生成物の水素化によって生成されている。この反応スキームにおける無水マレイン酸を本明細書のプロセスからの無水コハク酸で置き換えることにより、BDOを作製するために必要な水素化ステップの数が1つ削減される。
したがって、一態様において、本発明は、上述の概念を組み込んだエチレンオキシドからの無水コハク酸の生成のための連続方法を包含する。特定の実施形態において、そのような方法は、
第1の反応ゾーンにおいて、カルボニル化触媒の存在下でエチレンオキシドを一酸化炭素と接触させ、β−プロピオラクトン、残留エチレンオキシド、およびカルボニル化触媒を含有する第1の生成物を提供するステップと、
第1の生成物流を第2の反応ゾーンに供給するステップであって、生成物流を、残留エチレンオキシドをβ−プロピオラクトンに変換するため、およびβ−プロピオラクトンの大部分を無水コハク酸に変換するために十分な条件下でさらなる一酸化炭素と接触させ、溶解した無水コハク酸およびカルボニル化触媒を含む第2の生成物流を提供するステップと、
生成物流中の無水コハク酸の濃度が無水コハク酸の溶解度を超えるように第2の生成物流を処理するステップと、
第2の生成物流から固体無水コハク酸を分離して、固体無水コハク酸を含む無水コハク酸生成物流と、溶解した触媒および溶解した無水コハク酸を含む液体触媒リサイクル流とを生成するステップと、
触媒リサイクル流を第1の反応ゾーンの入り口に戻すステップと、を含む。
特定の実施形態において、この方法は、第1の反応ゾーンが少なくとも1つの連続撹拌タンク反応器を備えることを特徴とする。特定の実施形態において、連続撹拌タンク反応器のうちの1つ以上または複数の反応器が、定常状態条件で操作される。特定の実施形態において、第1の反応ゾーンは、一連の2つ以上の連続撹拌タンク反応器を備え、各反応器は、連続した状態においてその前にある反応器よりも低い定常状態のエチレンオキシド濃度を有することを特徴とする。
この方法の特定の実施形態において、第2の反応ゾーンが1つ以上のプラグフロー反応器を備えることを特徴とする。特定の実施形態において、プラグフロー反応器は、反応ゾーン内の実質的に全てのβ−プロピオラクトンを無水コハク酸に変換する条件下で操作される。
特定の実施形態において、第1の反応ゾーンは、少なくとも1つの連続撹拌タンク反応器を備え、第2の反応ゾーンは、少なくとも1つのプラグフロー反応器を備える。
特定の実施形態において、第2の反応ゾーンは、第1の反応ゾーンよりも高いCO圧および/または高い温度で操作される。
特定の実施形態において、方法は、第2の反応ゾーンが高温で操作されることを特徴とする。特定の実施形態において、第2の生成物流を処理するステップは、生成物流を冷却するステップを含む。特定の実施形態において、第2の生成物流を処理するステップは、生成物流を約10℃〜約120℃冷却することを含む。特定の実施形態において、第2の生成物流を処理するステップは、生成物流を約20℃〜約100℃、約20℃〜約80℃、約10℃〜約60℃、または約20℃〜約40℃冷却することを含む。特定の実施形態において、第2の生成物流を処理するステップは、生成物流を約10℃、約20℃、約30℃、約40℃、約60℃、約80℃、または約100℃冷却することを含む。
特定の実施形態において、第2の生成物流を処理するステップは、生成物流を無水コハク酸の種晶と接触させることを含む。
特定の実施形態において、第2の生成物流から固体無水コハク酸を分離するステップは、生成物流を濾過して固体を除去することを含む。特定の実施形態において、濾過は、CO雰囲気下で行われる。特定の実施形態において、濾過は、COの分圧が1気圧よりも高いことを特徴とするCOの雰囲気下で行われる(すなわち、濾過は、CO下で行われる圧力濾過である)。特定の実施形態において、濾過は、約15psi〜約5000psiの範囲のCO圧下で行われる。特定の実施形態において、濾過は、約15psi〜約1200psi、約60psi〜約800psi、約100psi〜約600psi、約200psi〜約600psi、または約50psi〜約500psiの範囲のCO圧下で行われる。
特定の実施形態において、濾過ステップは、液体触媒リサイクル流を含む濾液を提供する。特定の実施形態において、濾液は、無水コハク酸中で飽和していることを特徴とする。特定の実施形態において、濾液は、濾液を第1の反応ゾーンに戻すステップの前に加熱される。特定の実施形態において、濾液を第1の反応ゾーンに戻す前に、1つ以上の成分が濾液に加えられる。特定の実施形態において、濾液が第1の反応ゾーンに戻される前に、エチレンオキシドが濾液に加えられる。特定の実施形態において、濾液が第1の反応ゾーンに戻される前に、さらなる溶媒が濾液に加えられる。
特定の実施形態において、方法は、溶媒の存在下で行われることを特徴とする。特定の実施形態において、溶媒は、1,4ジオキサンを含む。
特定の実施形態において、方法は、触媒が金属カルボニル化合物およびルイス酸を含むことを特徴とする。特定の実施形態において、触媒は、アニオン性金属カルボニル化合物およびカチオン性ルイス酸を含む。特定の実施形態において、アニオン性金属カルボニル化合物は、Co(CO) を含む。特定の実施形態において、カチオン性ルイス酸は、カチオン性金属錯体を含む。特定の実施形態において、カチオン性金属錯体は、金属原子と多座配位子との組み合わせを含む。特定の実施形態において、カチオン性金属錯体は、3+酸化状態にある金属とジアニオン性四座配位子との組み合わせを含む。特定の実施形態において、カチオン性ルイス酸は、アルミニウムを含む。特定の実施形態において、カチオン性ルイス酸は、クロムを含む。特定の実施形態において、カチオン性ルイス酸は、置換ポルフィリン配位子を含む。特定の実施形態において、カチオン性ルイス酸は、置換サレン配位子を含む。特定の実施形態において、カチオン性ルイス酸は、置換サルフ配位子を含む。
特定の実施形態において、方法は、第1の反応ゾーンが液体反応混合物を定常状態で含有することを特徴とする(例えば、液体の組成は経時的に大幅に変化しない)。特定の実施形態において、液体反応混合物は、1,4ジオキサン、エチレンオキシド、β−プロピオラクトン、無水コハク酸、および金属カルボニル触媒の混合物を含む。特定の実施形態において、ジオキサンは、反応混合物の約10重量パーセント〜約95重量パーセントを占める。特定の実施形態において、β−プロピオラクトンは、混合物の約1〜約90重量パーセントを占める。特定の実施形態において、エチレンオキシドは、混合物の約0.01〜約10重量パーセントを占める。特定の実施形態において、無水コハク酸は、混合物の約4〜約50重量パーセントを占める。
特定の実施形態において、方法は、少量の触媒リサイクル流を除去するさらなるサブステップを含む。これは、触媒の分解生成物が反応器内に蓄積するのを防止するためのパージループとして作用する。典型的には、パージにおいて除去される触媒の量は、未使用触媒の供給量に匹敵する。この未使用触媒の補給供給は、流れを第1の反応ゾーンに供給する前に触媒リサイクル流に加えて戻すことができるか、または代替として、プロセスへの別の入り口に直接加えることもできる。特定の実施形態において、触媒触媒補給流は、ジオキサン中の触媒の溶液を含む。
特定の実施形態において、無水コハク酸の連続生成方法は、(a)第1の反応ゾーンにおいて、カルボニル化触媒の存在下でエチレンオキシドを一酸化炭素と接触させ、β−プロピオラクトン、残留エチレンオキシド、およびカルボニル化触媒を含む第1の生成物流を提供するステップであって、カルボニル化触媒は、金属カルボニル化合物(アニオン性金属カルボニル化合物等)と、ルイス酸(金属原子と多座配位子との組み合わせ)とを含む、ステップと、(b)第1の生成物流を第2の反応ゾーンに供給するステップであって、生成物流を、実質的に全ての残留エチレンオキシドをβ−プロピオラクトンに変換するため、およびβ−プロピオラクトンの少なくとも一部を無水コハク酸に変換するために十分な条件下でさらなる一酸化炭素と接触させ、溶解した無水コハク酸およびカルボニル化触媒を含む第2の生成物流を提供するステップと、(c)生成物流中の無水コハク酸の濃度が無水コハク酸の溶解度を超えるように第2の生成物流を処理するステップと、(d)第2の生成物流から固体無水コハク酸を分離して、固体無水コハク酸を含む無水コハク酸生成物流と、溶解した触媒および溶解した無水コハク酸を含む液体触媒リサイクル流と、を生成するステップと、(e)液体触媒リサイクル流を第1の反応ゾーンの入り口に戻すステップと、を含み、ステップ(a)および(b)は、溶媒の存在下で行われる。
特定の実施形態において、無水コハク酸の連続生成方法は、(a)第1の反応ゾーンにおいて、カルボニル化触媒の存在下でエチレンオキシドを一酸化炭素と接触させ、β−プロピオラクトン、残留エチレンオキシド、およびカルボニル化触媒を含む第1の生成物流を提供するステップであって、カルボニル化触媒は、Co(CO) と、カチオン性ルイス酸(3+酸化状態にある金属原子、例えば、アルミニウムまたはクロムと、多座配位子、例えば、任意選択的に置換されたポルフィリン、任意選択的に置換されたサレン(N,N’−エチレンビス(サリチルイミン))配位子、または任意選択的に置換されたサルフ(N,N’−ビス(2−ヒドロキシベンジリデン)−1,2−ベンゼンジアミン)配位子との組み合わせを含む)とを含む、ステップと、(b)第1の生成物流を第2の反応ゾーンに供給するステップであって、生成物流を、実質的に全ての残留エチレンオキシドをβ−プロピオラクトンに変換するため、およびβ−プロピオラクトンの少なくとも一部を無水コハク酸に変換するために十分な条件下でさらなる一酸化炭素と接触させ、溶解した無水コハク酸およびカルボニル化触媒を含む第2の生成物流を提供するステップと、(c)生成物流中の無水コハク酸の濃度が無水コハク酸の溶解度を超えるように第2の生成物流を処理するステップと、(d)第2の生成物流から固体無水コハク酸を分離して、固体無水コハク酸を含む無水コハク酸生成物流と、溶解した触媒および溶解した無水コハク酸を含む液体触媒リサイクル流とを生成するステップと、(e)液体触媒リサイクル流を第1の反応ゾーンの入り口に戻すステップと、を含み、ステップ(a)および(b)は、1,4ジオキサンを含む溶媒の存在下で行われる。
特定の実施形態において、無水コハク酸の連続生成方法は、(a)第1の反応ゾーンにおいて、カルボニル化触媒の存在下でエチレンオキシドを一酸化炭素と接触させ、β−プロピオラクトン、残留エチレンオキシド、およびカルボニル化触媒を含む第1の生成物流を提供するステップであって、カルボニル化触媒は、Co(CO) と、カチオン性ルイス酸(アルミニウムまたはクロムと、多座配位子、例えば、任意選択的に置換されたポルフィリン、任意選択的に置換されたサレン(N,N’−エチレンビス(サリチルイミン))配位子、または任意選択的に置換されたサルフ(N,N’−ビス(2−ヒドロキシベンジリデン)−1,2−ベンゼンジアミン)配位子との組み合わせを含む)とを含む(例えば、カルボニル化触媒は、[(TPP)Al(THF)][Co(CO)]を含む)ステップと、(b)第1の生成物流を第2の反応ゾーンに供給するステップであって、生成物流を、実質的に全ての残留エチレンオキシドをβ−プロピオラクトンに変換するため、およびβ−プロピオラクトンの少なくとも一部を無水コハク酸に変換するために十分な条件下でさらなる一酸化炭素と接触させ、溶解した無水コハク酸およびカルボニル化触媒を含む第2の生成物流を提供するステップと、(c)生成物流中の無水コハク酸の濃度が無水コハク酸の溶解度を超えるように第2の生成物流を処理するステップと、(d)第2の生成物流から固体無水コハク酸を分離して、固体無水コハク酸を含む無水コハク酸生成物流と、溶解した触媒および溶解した無水コハク酸を含む液体触媒リサイクル流とを生成するステップであって、前記分離するステップは、は、生成物流を濾過して固体無水コハク酸を除去することを含む、ステップと、(e)液体触媒リサイクル流を第1の反応ゾーンの入り口に戻すステップと、を含み、ステップ(a)および(b)は、1,4ジオキサンを含む溶媒の存在下で行われる。
特定の実施形態において、無水コハク酸の連続生成方法は、(a)第1の反応ゾーンにおいて、カルボニル化触媒の存在下でエチレンオキシドを一酸化炭素と接触させ、β−プロピオラクトン、残留エチレンオキシド、およびカルボニル化触媒を含む第1の生成物流を提供するステップであって、カルボニル化触媒は、Co(CO) と、アルミニウムまたはクロムと、多座配位子、例えば、任意選択的に置換されたポルフィリン、任意選択的に置換されたサレン(N,N’−エチレンビス(サリチルイミン))配位子、または任意選択的に置換されたサルフ(N,N’−ビス(2−ヒドロキシベンジリデン)−1,2−ベンゼンジアミン)配位子との組み合わせを含むカチオン性ルイス酸とを含む(例えば、カルボニル化触媒は、[(TPP)Al(THF)][Co(CO)]を含む)ステップと、(b)第1の生成物流を第2の反応ゾーンに供給するステップであって、生成物流を、実質的に全ての残留エチレンオキシドをβ−プロピオラクトンに変換するため、およびβ−プロピオラクトンの少なくとも一部を無水コハク酸に変換するために十分な条件下でさらなる一酸化炭素と接触させ、溶解した無水コハク酸およびカルボニル化触媒を含む第2の生成物流を提供するステップと、(c)生成物流中の無水コハク酸の濃度が無水コハク酸の溶解度を超えるように第2の生成物流を処理するステップであって、前記処理するステップは、生成物流を無水コハク酸の種晶と接触させることを含む、ステップと、(d)第2の生成物流から固体無水コハク酸を分離して、固体無水コハク酸を含む無水コハク酸生成物流と、溶解した触媒および溶解した無水コハク酸を含む液体触媒リサイクル流とを生成するステップであって、前記分離するステップは、生成物流を濾過して固体無水コハク酸を除去することを含み、前記濾過するステップは、任意選択的にCO雰囲気下で、例えば、約15psi〜約5000psiの範囲のCO圧下で行われる、ステップと、(e)液体触媒リサイクル流を第1の反応ゾーンの入り口に戻すステップと、を含み、ステップ(a)および(b)は、1,4ジオキサンを含む溶媒の存在下で行われる。
特定の実施形態において、無水コハク酸の連続生成方法は、(a)第1の反応ゾーンにおいて、カルボニル化触媒の存在下でエチレンオキシドを一酸化炭素と接触させ、β−プロピオラクトン、残留エチレンオキシド、およびカルボニル化触媒を含む第1の生成物流を提供するステップであって、カルボニル化触媒は、Co(CO) と、カチオン性ルイス酸(アルミニウムまたはクロムと、多座配位子、例えば、任意選択的に置換されたポルフィリン、任意選択的に置換されたサレン(N,N’−エチレンビス(サリチルイミン))配位子、または任意選択的に置換されたサルフ(N,N’−ビス(2−ヒドロキシベンジリデン)−1,2−ベンゼンジアミン)配位子との組み合わせを含む)とを含む(例えば、カルボニル化触媒は、[(TPP)Al(THF)][Co(CO)]を含む)ステップと、(b)第1の生成物流を第2の反応ゾーンに供給するステップであって、生成物流を、実質的に全ての残留エチレンオキシドをβ−プロピオラクトンに変換するため、およびβ−プロピオラクトンの少なくとも一部を無水コハク酸に変換するために十分な条件下でさらなる一酸化炭素と接触させ、溶解した無水コハク酸およびカルボニル化触媒を含む第2の生成物流を提供するステップであって、第2の反応ゾーンは高温で操作される、ステップと、(c)生成物流中の無水コハク酸の濃度が無水コハク酸の溶解度を超えるように第2の生成物流を冷却するステップと、(d)第2の生成物流から固体無水コハク酸を分離して、固体無水コハク酸を含む無水コハク酸生成物流と、溶解した触媒および溶解した無水コハク酸を含む液体触媒リサイクル流と、を生成するステップであって、前記分離するステップは、生成物流を濾過して固体無水コハク酸を除去することを含み、前記分離するステップは、任意選択的にCO雰囲気下で、例えば、約15psi〜約5000psiの範囲のCO圧下で行われる、ステップと、(e)液体触媒リサイクル流を第1の反応ゾーンの入り口に戻すステップと、を含み、ステップ(a)および(b)は、1,4ジオキサンを含む溶媒の存在下で行われる。
材料の取り扱いは全ての実験に共通である:1,4−ジオキサンをNa/ベンゾフェノンケチルで乾燥し、開放減圧にて脱気した。1,4−ジオキサン、[(TPP)Al(THF)][Co(CO)]、およびエチレンオキシド(EO)は、ドライボックスまたは標準的なシュレンクライン技術を使用して、乾燥窒素下で処理した。
実施例1:リサイクル反応
窒素ドライボックス中で、インライン減衰全反射赤外分光法(「ATR IR」)プローブを装備した300ml高圧反応器に、[(TPP)Al(THF)][Co(CO)]触媒(0.36mmol、TPP=テトラフェニルポルフィリナト)を充填し、密閉し、次いでドライボックスから取り出した。次いで、反応器に、N下で114mLの1,4−ジオキサンをさらに充填し、500rpmで機械的に撹拌し、37℃で加熱し、200psiの一酸化炭素COに加圧した。エチレンオキシド(「EO」)(120mmol)を反応器に接続されたショットタンクに充填した。ショットタンクを600psiのCOで加圧し、ショットタンクと反応器を接続するバルブを開放することにより、EOを反応器に加えた。反応器を600psiのCO下、37℃で20時間撹拌した。インラインATR−IRにより反応を監視した。反応の後、反応器に通気してCOを放出した。反応器を窒素ドライボックスに入れ、開放した。結晶SAを含有する反応混合物をフリットを通して濾過した。次いで、95mLの濾液を反応器に入れ戻した。定量ガスクロマトグラフィー(GC)によって決定したところ、濾液中のSA濃度は0.52Mであった。反応器を密閉し、次いでドライボックスから取り出した。反応器を500rpmで撹拌し、37℃で加熱し、200psiのCOに加圧した。もう1回EO(100mmol)をショットタンクに充填した。ショットタンクと反応器を接続するバルブを開放することにより、600psiのCOでEOを反応器に加えた。反応器を、600psiのCO下、37℃で24時間撹拌した。インラインATR−IRにより反応を監視した。その結果を表1および図5に要約する。
表1:エチレンエポキシド、無水コハク酸の濃度と、エチレンエポキシドをカルボニル化反応に2回添加した場合のターンオーバー頻度
Figure 2015511947
* [SA]:各二重カルボニル化開始時の無水コハク酸濃度
TOFinit :各二重カルボニル化の最初の5分間のEOカルボニル化(EOからBPLへ)のターンオーバー頻度
実施例2:複数EOの添加
窒素ドライボックス中で、インラインATR IRプローブを装備した300ml反応器に、[(TPP)Al(THF)][Co(CO)]触媒(0.30mmol、TPP=テトラフェニルポルフィリナト)を充填し、密閉し、次いでドライボックスから取り出した。次いで、反応器に、N下で97mLの1,4−ジオキサンをさらに充填し、500rpmで機械的に撹拌し、37℃で加熱し、200psiの一酸化炭素COに加圧した。エチレンオキシド(34.8mmol)を反応器に接続されたショットタンクに充填した。エチレンオキシドを収容するショットタンクを600psiのCOで加圧した。ショットタンクと反応器を接続するバルブを開放することにより、エチレンオキシドを反応器に加えた。反応器を600psiのCO下、37℃で撹拌した。インラインATR−IRにより反応を監視した。β−プロピオラクトンが全てSAに変換された後、COを放出することにより反応器内のCO圧を550psiに低下させた。ショットタンクにエチレンオキシド(42.4mmol)を再充填し、600psiのCOで加圧した。ショットタンクと反応器を接続するバルブを開放することにより、2回目のEOを反応器に加えた。EOのSAへの変換をインラインATRにより監視した。EOの添加および二重カルボニル化をさらに4回繰り返した(表2)。インラインATR−IRの結果(図6)は、反応混合物中の無水コハク酸濃度が、EOのカルボニル化の速度にほとんど影響を及ぼさないことを示している。
表2:エチレンエポキシド、無水コハク酸の濃度と、エチレンエポキシドをカルボニル化反応に複数回添加した場合のターンオーバー頻度
Figure 2015511947
* [SA]: 各二重カルボニル化開始時の無水コハク酸濃度
TOFinit :各二重カルボニル化の最初の5分間のEOカルボニル化 (EOからBPLへ)のターンオーバー頻度
実施例3:5000倍スケールアップ
第1の反応器に7.5kg/時間のエチレンオキシドを供給する。第1の反応器は、定常状態条件で操作され、反応器体積には1.5M濃度の無水コハク酸が存在する。さらに、1.5mol/時間の[(TPP)Al(THF)][Co(CO)]触媒(1.4kg/時間)触媒を含有する485L/時間の溶媒を反応器に供給する。反応器は、200psigの一酸化炭素の圧力で維持される。反応器は、供給物および溶媒が少なくとも2.5時間の滞留時間を有するようなサイズである(例えば、1500Lの体積)。これらの条件下で、約174モル/時間のβ−プロピオラクトンが生成される(12.5kg/時間)。
β−ラクトンは、溶媒および触媒とともに第2の反応器に直接供給され、同時に200psigの一酸化炭素の圧力で維持される。第2の反応器は、反応物が少なくとも15分の滞留時間を有するようなサイズである(例えば、125Lの体積)。第2の反応器は、約174モル/時間の無水コハク酸(17.4kg/時間)を生成する。無水コハク酸の濃度は、約1.5Mから1.64Mに増加する。
第2の反応器から、無水コハク酸、溶媒、触媒、未反応の反応物、および副生成物を含有する生成物流が晶析装置に通され、1時間当たり174モルの速度で無水コハク酸を結晶化し、17.4kg/時間の最終生成物流を生じる。触媒を含む全溶媒量中の残りの無水コハク酸が、第1の反応器に戻される。
他の実施形態
上記は、本発明の特定の非限定的な実施形態の説明であった。したがって、本明細書に記載される本発明の実施形態は、本発明の原則の適用の例示に過ぎないことを理解されたい。本明細書において例示される実施形態の詳細への言及は、特許請求の範囲を限定することを意図するものではない。

Claims (38)

  1. 酸無水物の連続生成方法であって、
    a) 第1の反応ゾーンにおいて、任意選択的にカルボニル化触媒の存在下で、エポキシドを一酸化炭素と接触させ、β−ラクトン、残留エポキシド、および存在する場合はカルボニル化触媒を含む第1の生成物流を提供するステップと、
    b) 前記第1の生成物流を第2の反応ゾーンに供給するステップであって、前記生成物流を、実質的に全ての残留エポキシドをβ−ラクトンに変換するため、およびβ−ラクトンの一部を酸無水物に変換するために十分な条件下でさらなる一酸化炭素と接触させ、溶解した酸無水物、および存在する場合はカルボニル化触媒を含む第2の生成物流を提供するステップと、
    c) 前記生成物流中の前記酸無水物の濃度が前記酸無水物の溶解度を超えるように前記第2の生成物流を処理するステップと、
    d) 前記第2の生成物流から固体酸無水物を分離して、固体酸無水物を含む酸無水物生成物流と、前記溶解した触媒、および存在する場合は溶解した酸無水物を含む液体触媒リサイクル流と、を生成するステップと、
    e) 前記液体触媒リサイクル流を前記第1の反応ゾーンの入り口に戻すステップと、を含む、方法。
  2. 無水コハク酸の連続生成方法のための請求項1に記載の方法であって、
    a) 第1の反応ゾーンにおいて、カルボニル化触媒の存在下でエチレンオキシドを一酸化炭素と接触させ、β−プロピオラクトン、残留エチレンオキシド、およびカルボニル化触媒を含む第1の生成物流を提供するステップと、
    b) 前記第1の生成物流を第2の反応ゾーンに供給するステップであって、前記生成物流を、実質的に全ての残留エチレンオキシドをβ−プロピオラクトンに変換するため、およびβ−プロピオラクトンの少なくとも一部を無水コハク酸に変換するために十分な条件下でさらなる一酸化炭素と接触させ、溶解した無水コハク酸およびカルボニル化触媒を含む第2の生成物流を提供するステップと、
    c) 前記生成物流中の無水コハク酸の濃度が無水コハク酸の溶解度を超えるように前記第2の生成物流を処理するステップと、
    d) 前記第2の生成物流から固体無水コハク酸を分離して、固体無水コハク酸を含む無水コハク酸生成物流と、前記溶解した触媒および溶解した無水コハク酸を含む液体触媒リサイクル流とを生成するステップと、
    e) 前記液体触媒リサイクル流を前記第1の反応ゾーンの入り口に戻すステップと、を含む、方法。
  3. 前記第1の反応ゾーンは、少なくとも1つの連続撹拌タンク反応器を備える、請求項1に記載の方法。
  4. 前記第1の反応ゾーン内の少なくとも1つの連続撹拌タンク反応器は、定常状態条件で操作される、請求項3に記載の方法。
  5. 前記第1の反応ゾーンは、一連の2つ以上の連続撹拌タンク反応器を備え、各反応器は、連続した状態においてその前にある反応器よりも低い定常状態のエポキシド濃度を有することを特徴とする、請求項3に記載の方法。
  6. 前記第2の反応ゾーンは、1つ以上のプラグフロー反応器を備える、請求項1に記載の方法。
  7. 前記第2の反応ゾーン内の前記少なくとも1つのプラグフロー反応器は、前記反応ゾーン内の実質的に全てのβ−ラクトンを酸無水物に変換する条件下で操作される、請求項6に記載の方法。
  8. 前記第1の反応ゾーンは、少なくとも1つの連続撹拌タンク反応器を備え、前記第2の反応ゾーンは、少なくとも1つのプラグフロー反応器を備える、請求項1に記載の方法。
  9. 前記第1の反応ゾーンは、複数の連続撹拌タンク反応器を備え、前記第2の反応ゾーンは、少なくとも1つのプラグフロー反応器を備える、請求項1に記載の方法。
  10. 前記第2の反応ゾーンは、前記第1の反応ゾーンよりも高いCO圧および/または高い温度で操作される、請求項1に記載の方法。
  11. 前記第2の反応ゾーンは、高温で操作される、請求項1に記載の方法。
  12. 前記第2の生成物流を処理するステップは、前記生成物流を冷却することを含む、請求項11に記載の方法。
  13. 前記第2の生成物流は、約10℃〜約120℃冷却される、請求項12に記載の方法。
  14. 前記第2の生成物流は、約20℃〜約100℃、約20℃〜約80℃、約10℃〜約60℃、または約20℃〜約40℃冷却される、請求項13に記載の方法。
  15. 前記第2の生成物流は、約10℃、約20℃、約30℃、約40℃、約60℃、約80℃、または約100℃冷却される、請求項12に記載の方法。
  16. 前記第2の生成物流を処理するステップは、前記生成物流を酸無水物の種晶と接触させることを含む、請求項1に記載の方法。
  17. 前記第2の生成物流から固体酸無水物を分離するステップは、前記生成物流を濾過して固体酸無水物を除去することを含む、請求項1に記載の方法。
  18. 前記濾過は、CO雰囲気下で行われる、請求項17に記載の方法。
  19. 前記濾過は、約15psi〜約5000psiの範囲のCO圧下で行われる、請求項18に記載の方法。
  20. 前記濾過は、約15psi〜約1200psi、約60psi〜約800psi、約100psi〜約600psi、約200psi〜約600psi、または約50psi〜約500psiの範囲のCO圧下で行われる、請求項19に記載の方法。
  21. 前記濾過ステップは、無水コハク酸中で飽和していることを特徴とする前記液体触媒リサイクル流を含む濾液を提供する。請求項17に記載の方法。
  22. 前記濾液は、前記第1の反応ゾーンの入り口にそれを戻すステップの前に加熱される、請求項21に記載の方法。
  23. ステップa)およびb)が溶媒の存在下で行われることを特徴とする、請求項1に記載の方法。
  24. 前記溶媒は、1,4ジオキサンを含む、請求項23に記載の方法。
  25. 前記カルボニル化触媒は、金属カルボニル化合物およびルイス酸を含む、請求項1に記載の方法。
  26. 前記カルボニル化触媒は、アニオン性金属カルボニル化合物およびカチオン性ルイス酸を含む、請求項1に記載の方法。
  27. 前記アニオン性金属カルボニル化合物は、Co(CO) を含む、請求項26に記載の方法。
  28. 前記カチオン性ルイス酸は、金属原子と多座配位子との組み合わせを含む、請求項26に記載の方法。
  29. 前記カチオン性ルイス酸は、3+酸化状態にある金属原子とジアニオン性四座配位子との組み合わせを含む、請求項28に記載の方法。
  30. 前記カチオン性ルイス酸は、アルミニウムを含む、請求項26に記載の方法。
  31. 前記カチオン性ルイス酸は、クロムを含む、請求項26に記載の方法。
  32. 前記カチオン性ルイス酸は、任意選択的に置換されたポルフィリン配位子を含む、請求項26に記載の方法。
  33. 前記カチオン性ルイス酸は、任意選択的に置換されたサレン配位子を含む、請求項26に記載の方法。
  34. 前記カチオン性ルイス酸は、任意選択的に置換されたサルフ配位子を含む、請求項26に記載の方法。
  35. 前記第1の反応ゾーンは、液体反応混合物を定常状態で含有し、前記液体反応混合物は、1,4ジオキサン、エチレンオキシド、β−プロピオラクトン、無水コハク酸、および金属カルボニル触媒の混合物を含む、請求項2に記載の方法。
  36. 前記ジオキサンは、反応混合物の約10重量パーセント〜約95重量パーセントを占め、前記β−プロピオラクトンは、前記混合物の約1〜約90重量パーセントを占め、前記エチレンオキシドは、前記混合物の約0.01〜約10重量パーセントを占め、前記無水コハク酸は、前記混合物の約4〜約50重量パーセントを占める、請求項35に記載の方法。
  37. システムから少量の前記触媒リサイクル流を除去するステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
  38. 除去される触媒の量は、未使用触媒の供給によって置き換えられる、請求項37に記載の方法。
JP2014557715A 2012-02-13 2013-02-12 エポキシドから酸無水物を生成するためのプロセス Pending JP2015511947A (ja)

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US201261597863P 2012-02-13 2012-02-13
US61/597,863 2012-02-13
PCT/US2013/025683 WO2013122905A1 (en) 2012-02-13 2013-02-12 Process for the production of acid anhydrides from epoxides

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2015511947A true JP2015511947A (ja) 2015-04-23

Family

ID=48984623

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2014557715A Pending JP2015511947A (ja) 2012-02-13 2013-02-12 エポキシドから酸無水物を生成するためのプロセス

Country Status (8)

Country Link
US (1) US9403788B2 (ja)
EP (1) EP2814805A4 (ja)
JP (1) JP2015511947A (ja)
KR (1) KR20140135740A (ja)
CN (1) CN104245659B (ja)
BR (1) BR112014019944A8 (ja)
WO (1) WO2013122905A1 (ja)
ZA (1) ZA201405912B (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017506286A (ja) * 2013-12-07 2017-03-02 ノボマー, インコーポレイテッド ナノろ過膜および使用の方法
JP2020505341A (ja) * 2017-01-19 2020-02-20 ノボマー, インコーポレイテッド エチレンオキシドの処理のための方法およびシステム
JP2022081532A (ja) * 2017-10-05 2022-05-31 ノボマー, インコーポレイテッド イソシアネート、誘導体及びその製造方法

Families Citing this family (32)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CA2757835A1 (en) 2009-04-08 2010-10-14 Novomer, Inc. Process for beta-lactone production
WO2012158573A1 (en) 2011-05-13 2012-11-22 Novomer, Inc. Catalytic carbonylation catalysts and methods
HUE039449T2 (hu) 2011-10-26 2018-12-28 Novomer Inc Eljárás akrilátok elõállítására epoxidokból
JP2015511947A (ja) 2012-02-13 2015-04-23 ノボマー, インコーポレイテッド エポキシドから酸無水物を生成するためのプロセス
AU2015229061A1 (en) 2014-03-14 2016-09-22 Novomer, Inc. Catalysts for epoxide carbonylation
US10858329B2 (en) 2014-05-05 2020-12-08 Novomer, Inc. Catalyst recycle methods
SG11201610058QA (en) 2014-05-30 2016-12-29 Novomer Inc Integrated methods for chemical synthesis
WO2016015019A1 (en) 2014-07-25 2016-01-28 Novomer, Inc. Synthesis of metal complexes and uses thereof
MA41508A (fr) 2015-02-13 2017-12-19 Novomer Inc Systèmes et procédés de production d'acide polyacrylique
MX2017010408A (es) 2015-02-13 2018-02-23 Novomer Inc Procesos continuos de carbonilacion.
WO2016130988A1 (en) 2015-02-13 2016-08-18 Novomer, Inc. Flexible chemical production platform
CN111944130B (zh) 2015-02-13 2022-10-25 诺沃梅尔公司 聚丙内酯生产方法和系统
MA41514A (fr) * 2015-02-13 2017-12-19 Novomer Inc Procédés intégrés de synthèse chimique
MA41507A (fr) 2015-02-13 2017-12-19 Novomer Inc Systèmes et procédés de production de polymères
MA41510A (fr) 2015-02-13 2017-12-19 Novomer Inc Procédé de production d'acide acrylique
MA41513A (fr) 2015-02-13 2017-12-19 Novomer Inc Procédé de distillation pour la production d'acide acrylique
WO2017004455A1 (en) * 2015-07-01 2017-01-05 Novomer, Inc. Polymer compositions produced from biobased ethanol
CA2991202A1 (en) 2015-07-01 2017-01-05 Novomer, Inc. Methods for coproduction of terephthalic acid and styrene from ethylene oxide
CN107922303A (zh) 2015-07-01 2018-04-17 诺沃梅尔公司 由环氧乙烷制造对苯二甲酸的方法
US20170001946A1 (en) * 2015-07-02 2017-01-05 Sadesh Sookraj Terephthalate derivatives and compositions thereof
JP7029804B2 (ja) 2015-07-31 2022-03-04 ノボマー, インコーポレイテッド アクリル酸およびその前駆体のための生成系/生成プロセス
WO2017165345A1 (en) 2016-03-21 2017-09-28 Novomer, Inc. Systems and methods for producing superabsorbent polymers
CA3018208A1 (en) 2016-03-21 2017-09-28 Novomer, Inc. Improved acrylic acid production process
MA46720A (fr) 2016-11-02 2019-09-11 Novomer Inc Polymères absorbants, procédés et systèmes de production et utilisations correspondantes
US10144802B2 (en) 2016-12-05 2018-12-04 Novomer, Inc. Beta-propiolactone based copolymers containing biogenic carbon, methods for their production and uses thereof
US10500104B2 (en) 2016-12-06 2019-12-10 Novomer, Inc. Biodegradable sanitary articles with higher biobased content
US10065914B1 (en) 2017-04-24 2018-09-04 Novomer, Inc. Thermolysis of polypropiolactone to produce acrylic acid
US10676426B2 (en) 2017-06-30 2020-06-09 Novomer, Inc. Acrylonitrile derivatives from epoxide and carbon monoxide reagents
US10590099B1 (en) 2017-08-10 2020-03-17 Novomer, Inc. Processes for producing beta-lactone with heterogenous catalysts
CN112423962A (zh) 2018-07-13 2021-02-26 诺沃梅尔公司 聚内酯发泡体及其制造方法
CN113614064A (zh) 2019-03-08 2021-11-05 诺沃梅尔公司 用于产生酰胺和腈化合物的集成方法和系统
WO2020190556A1 (en) 2019-03-18 2020-09-24 Novomer, Inc. Membrane separation system, and uses thereof

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005511753A (ja) * 2001-12-06 2005-04-28 コーネル・リサーチ・ファンデーション・インコーポレイテッド 三員または四員複素環の触媒性カルボニル化
WO2010118128A1 (en) * 2009-04-08 2010-10-14 Novomer, Inc. Process for beta-lactone production

Family Cites Families (25)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US2245404A (en) * 1939-02-03 1941-06-10 Solvay Process Co Manufacture of succinic anhydride
US2469704A (en) 1946-04-06 1949-05-10 Eastman Kodak Co Continuous process of producing beta lactones at reduced pressure
US3326938A (en) 1962-11-09 1967-06-20 Du Pont Beta-lactone production
NL7002062A (ja) 1970-02-13 1970-04-22
US4590293A (en) 1982-01-18 1986-05-20 Ashland Oil, Inc. Process and apparatus for further processing of pressurized exothermic reactions
US4873378A (en) 1986-08-20 1989-10-10 Hoechst Celanese Corporation Process for making 1,3-diols from epoxides
CA1339317C (en) 1988-07-25 1997-08-19 Ann Marie Lauritzen Process for producing ethylene oxide
CA2034971A1 (en) 1990-02-05 1991-08-06 Eit Drent Carbonylation catalyst system
US6392078B1 (en) 2000-06-12 2002-05-21 Catalytic Distillation Technologies Process and catalyst for making dialkyl carbonates
KR100447932B1 (ko) 2001-10-19 2004-09-08 한국화학연구원 실리콘이 함유된 내유기용매성 폴리아미드 나노복합막과 이의 제조방법
DE60330658D1 (de) 2002-05-06 2010-02-04 Eastman Chem Co Kontinuierlicher carbonylierungsprozess
DE10235316A1 (de) 2002-08-01 2004-02-12 Basf Ag Katalysator und Verfahren zur Carbonylierung von Oxiranen
WO2004089923A1 (en) 2003-04-09 2004-10-21 Shell Internationale Research Maatschappij B.V. Carbonylation of epoxides
RU2428422C2 (ru) 2004-02-17 2011-09-10 Томас И. ДЖОНСОН Способы, композиции и устройства для получения макроциклических соединений
DE102005017049A1 (de) 2005-04-12 2006-10-19 Basf Ag Verfahren zur Herstellung von Polyhydroxyalkanoaten
US7582792B2 (en) 2006-06-15 2009-09-01 Eastman Chemical Company Carbonylation process
DE102006029320B3 (de) * 2006-06-23 2007-10-11 Röhm Gmbh Verfahren zur kontinuierlichen Herstellung von ungesättigten Carbonsäureanhydriden
DE102006029318B3 (de) * 2006-06-23 2007-10-11 Röhm Gmbh Verfahren zur kontinuierlichen Herstellung von ungesättigten Carbonsäureanhydriden
MX2009002810A (es) 2006-09-15 2009-03-31 Dow Global Technologies Inc Proceso para producir acido acrilico.
EP2325214B1 (en) 2009-11-20 2015-11-18 King Saud University Synthesis of acrylic or methacrylic acid/acrylate or methacrylate ester polymers using pervaporation
SG188323A1 (en) 2010-08-28 2013-04-30 Novomer Inc Succinic anhydride from ethylene oxide
HUE039449T2 (hu) 2011-10-26 2018-12-28 Novomer Inc Eljárás akrilátok elõállítására epoxidokból
JP2015511947A (ja) 2012-02-13 2015-04-23 ノボマー, インコーポレイテッド エポキシドから酸無水物を生成するためのプロセス
SG11201405138SA (en) 2012-02-22 2014-11-27 Novomer Inc Acrylic acid production methods
CA2878028A1 (en) 2012-07-02 2014-01-09 Novomer, Inc. Process for acrylate production

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005511753A (ja) * 2001-12-06 2005-04-28 コーネル・リサーチ・ファンデーション・インコーポレイテッド 三員または四員複素環の触媒性カルボニル化
WO2010118128A1 (en) * 2009-04-08 2010-10-14 Novomer, Inc. Process for beta-lactone production

Non-Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
GETZLER, YUTAN D. Y. L. ET AL.: "Catalytic Carbonylation of β-Lactones to Succinic Anhydrides", JOURNAL OF THE AMERICAN CHEMICAL SOCIETY, vol. 126(22), JPN6016035881, 2004, pages 6842 - 6843, ISSN: 0003400938 *
ROWLEY, JOHN M. ET AL.: "Catalytic Double Carbonylation of Epoxides to Succinic Anhydrides: Catalyst Discovery, Reaction Scop", JOURNAL OF THE AMERICAN CHEMICAL SOCIETY, vol. 129(16), JPN6016035880, 2007, pages 4948 - 4960, ISSN: 0003400937 *

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017506286A (ja) * 2013-12-07 2017-03-02 ノボマー, インコーポレイテッド ナノろ過膜および使用の方法
JP2020189288A (ja) * 2013-12-07 2020-11-26 ノボマー, インコーポレイテッド ナノろ過膜および使用の方法
US11027242B2 (en) 2013-12-07 2021-06-08 Novomer, Inc. Nanofiltration membranes and methods of use
JP6998081B2 (ja) 2013-12-07 2022-01-18 ノボマー, インコーポレイテッド ナノろ過膜および使用の方法
JP2020505341A (ja) * 2017-01-19 2020-02-20 ノボマー, インコーポレイテッド エチレンオキシドの処理のための方法およびシステム
JP2022081532A (ja) * 2017-10-05 2022-05-31 ノボマー, インコーポレイテッド イソシアネート、誘導体及びその製造方法
JP7357394B2 (ja) 2017-10-05 2023-10-06 ノボマー, インコーポレイテッド イソシアネート、誘導体及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
ZA201405912B (en) 2018-11-28
KR20140135740A (ko) 2014-11-26
CN104245659A (zh) 2014-12-24
BR112014019944A8 (pt) 2017-07-11
CN104245659B (zh) 2016-08-24
WO2013122905A1 (en) 2013-08-22
US9403788B2 (en) 2016-08-02
EP2814805A1 (en) 2014-12-24
US20150005513A1 (en) 2015-01-01
EP2814805A4 (en) 2015-07-15
BR112014019944A2 (ja) 2017-06-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2015511947A (ja) エポキシドから酸無水物を生成するためのプロセス
JP7072295B2 (ja) ポリプロピオラクトンの生成のためのプロセスおよびシステム
US9156803B2 (en) Succinic anhydride from ethylene oxide
JP5937001B2 (ja) β−ラクトンの生成のためのプロセス
WO2018200471A1 (en) Systems and processes for thermolysis of polylactones to produce organic acids

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20160203

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20160905

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20160914

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20170403